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2022年8月10日 中央社会保険医療協議会 総会 第527回議事録

○日時

令和4年8月10日(水)9:00~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田亨委員 鈴木順三委員 末松則子委員
長島公之委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 中村春基専門委員、田村文誉専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 中田医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○医薬品の新規薬価収載について
○費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて
○DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について
○在宅自己注射について
○公知申請とされた適応外薬の保険適用について
○先進医療会議からの報告について
○歯科用貴金属価格の随時改定について
○個別改定項目について

【追加】
○答申附帯意見案について
○答申について

○議事 

○小塩会長
おはようございます。ただいまより第527回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、城守委員と羽田専門委員が御欠席です。
それでは、早速議事に入らせていただきます。
初めに「医薬品の新規薬価収載について」を議題といたします。
本日は、薬価算定組織の前田委員長にお越しいただいております。前田委員長より御説明をお願いいたします。
○前田委員長
薬価算定組織の委員長の前田でございます。私から今回検討いたしました新医薬品の算定結果について報告いたします。資料は中医協総-1を御覧ください。
今回報告する新医薬品は、1ページの一覧表にありますとおり、7成分9品目となります。
それでは、算定内容について御説明いたします。
1品目めのエパデールEMカプセルです。資料は2~3ページを御覧ください。
本剤は、高脂血症を効能・効果とし、エパデールS900を最類似薬とした規格間調整により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は2g1包113.00円となりました。
2品目めのイグザレルト錠です。資料は4~5ページを御覧ください。
本剤は、下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者における血栓・塞栓形成の抑制を効能・効果とし、イグザレルト錠15mgを最類似薬とした規格間調整により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は2.5mg1錠117.80円となりました。
3品目めのジェセリ錠です。資料は6~7ページを御覧ください。
本剤は、がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍を効能・効果とし、スチバーガ錠40mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、臨床上有用な新規作用機序の医薬品であることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は40mg1錠6,265.00円となりました。
4品目めのラゲブリオカプセルです。資料は8~9ページを御覧ください。
本剤は、SARS-CoV-2による感染症を効能・効果とし、ベクルリー点滴静注用100mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、対象疾病に対する標準的治療法として位置づけられ、また、既存の治療方法に比べて利便性が著しく高くなることから、有用性加算(Ⅱ)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は200mg1カプセル2,357.80円となりました。
次に、5品目めのボックスゾゴ皮下注用です。資料は10~11ページを御覧ください。
本剤は、骨端線閉鎖を伴わない軟骨無形成症を効能・効果とし、原価計算方式により算定いたしました。
本剤は、臨床上有用な新規作用機序の医薬品であることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用すること。また、希少疾病用医薬品の指定を受けていることから、市場性加算(Ⅰ)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
補正加算について、合計加算率15%に対して加算係数0を適用して0%の補正加算を適用いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は汎用規格で0.4mg1瓶(溶解液付)12万1,034円となりました。
6品目めのダルビアス点滴静注用です。資料は12~13ページを御覧ください。
本剤は、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫を効能・効果とする注射薬であり、イストダックス点滴静注用10mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は135mg1瓶3万1,692円となりました。
7品目めのエジャイモ点滴静注です。資料は14~15ページを御覧ください。
本剤は、寒冷凝集素症を効能・効果とし、原価計算方式により算定いたしました。
本剤は、既存の治療方法では効果が不十分な患者群において効果が認められることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用すること。また、希少疾病用医薬品の指定を受けていることから、市場性加算(Ⅰ)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
補正加算について、合計加算率15%に対して加算係数0を適用して0%の補正加算を適用いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は1.1g22mL1瓶24万4,074円となりました。
私からは以上となります。
○小塩会長
ありがとうございました。
事務局から補足はございますでしょうか。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。総-1について補足説明をさせていただきます。
1ページ目を御覧ください。今回収載予定の新薬のうち、費用対効果評価の対象が1品目ありますので御説明いたします。
4番目のラゲブリオカプセル200mgは、類似薬効比較方式(Ⅰ)による算定で有用性加算の対象とされた品目です。ピーク時の市場規模予測が138億円で100億円以上であるため、H1品目に該当します。
説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等はございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
どうもありがとうございます。
御提案いただいた新薬の薬価収載については、いずれも異論はございません。
その上で、1点要望がございます。リストのNo.4にありますラゲブリオカプセルで、これはコロナの治療薬と承っておりまして、現在、政府が買い上げて医療機関に配付・支給する形になっていると聞いております。実際にいつ頃から保険給付が始まるのか、周知いただくとともに、政府の支給品から一般流通へ切り替わる過渡期に適切な保険請求が行われますように運用の徹底をお願いしたいということです。
以上です。
○小塩会長
御要望ありがとうございました。
ほかに御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特にほかには御質問等はないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては中医協として承認したいと思います。
前田委員長、どうもありがとうございました。
(前田委員長退室)
○小塩会長
続きまして「費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。資料は総-2-1を御覧ください。5月18日及び7月20日の中医協において承認いただきましたカボメティクス及びリベルサスの費用対効果評価結果に基づく価格調整について説明させていただきます。
まず、こちらの総-2-1のカボメティクスでございます。上の表に示しておりますとおり、5月18日の中医協で御報告いたしました費用対効果評価結果に基づき対象集団別に、右から2列目にそれぞれの価格調整係数をお示ししております。
下の表で、患者割合に基づきまして見直しをした価格調整の結果について記載しております。価格調整係数が1でございますので、この費用対効果評価結果に基づく価格修正はございません。
続きまして、総-2-2を御覧ください。リベルサスについてです。上の表に示しておりますとおり、7月20日の中医協で御報告いたしました費用対効果評価の結果に基づき対象集団別に、右から2列目にそれぞれの価格調整係数をお示ししております。
下の表に、患者割合に基づきまして見直しをした価格調整の結果について記載しております。現行薬価3mg1錠143.20円、7mg1錠334.20円、14mg1錠501.30円のところ、改定薬価としまして、3mg1錠139.60円、7mg1錠325.70円、14mg1錠488.50円となります。こちらにつきましては、一番右側にありますとおり、11月1日付で適用することとしております。
説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては中医協として承認したいと思います。
続きまして「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」、それから「在宅自己注射について」を一括して議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
おはようございます。医療課長でございます。それでは、2つの議題につきまして、一括して御説明させていただきます。
資料は総-3を御覧いただけますでしょうか。「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」でございます。
定例の議題で、新規に薬価収載されました医薬品等につきましては、DPC/PDPSにおける診療報酬点数表に反映されないことから、一定の基準に該当する医薬品等を使用した場合の患者さんについては、包括評価の対象外とすることで、次期診療報酬改定までの間、出来高算定する取扱いにしてございます。基本的な考え方については参考におつけしてございます。
今回、効能・効果が追加されました医薬品、そして、新規に薬価収載される薬剤などにつきまして、判定を行い、2の一覧にお示ししております医薬品については対応する診断群分類におきまして基準に該当しておりましたので、出来高算定としてはどうかという御提案でございます。
続いて、5ページ目の3で、こちらは類似薬効比較方式で薬価が設定された医薬品で、その類似薬に特化した診断群分類が既にございますので、その診断群分類に新規の医薬品についても反映してはどうかということでございました。
これが総-3でございます。
続きまして、資料は総-4を御覧ください。こちらは在宅自己注射指導管理料の対象薬剤の追加についてでございます。今回御提案させていただく薬剤は2剤となります。
1剤目は、先ほど御承認いただきました薬の中にございましたけれども、ボソリチドでございます。この薬剤は骨端線閉鎖を伴わない軟骨無形成症に対して使用する薬剤でございます。
今回、総-4参考1-1のとおり、学会から要望書が提出されてございます。
投与間隔1日に1回とされている薬剤で、先ほどの管理料の対象薬剤に追加してはどうかという御提案でございます。
2剤目がエレヌマブでございます。この薬剤は片頭痛発作の発症抑制に対して使用する薬剤となります。
学会からの要望もおつけしてございます。
投与間隔は4週間に1回とされております。今回、14日を超える投薬が可能になるということで、この在宅自己注射指導管理料の対象薬剤に追加してはどうかという御提案でございます。
事務局から一括して御説明させていただきました。総-3、総-4につきましては以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの2件の説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては中医協として承認したいと思います。
続きまして「公知申請とされた適応外薬の保険適用について」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。資料は総-5を御覧ください。「公知申請とされた適応外薬の保険適用について」を説明させていただきます。
有効性・安全性が公知であると確認された適応外薬につきましては、保険適用を迅速に行う観点から、薬事・食品衛生審議会の事前評価が終了した段階で、薬事承認を待たずに保険適用することとしております。
具体的には2.でございますけれども、7月29日の医薬品第二部会、8月4日の医薬品第一部会におきまして表にあります3品目の事前評価が終了しております。
内容は、アセトアミノフェンにつきましては各種疾患及び症状における鎮痛の適応、レベチラセタムにつきましてはてんかん重積状態の適応、メピバカイン塩酸塩につきましては歯科・口腔外科領域における伝達麻酔の適応であり、それぞれ事前評価が終わっております。公知申請をして差し支えないとされておりますので、同日付で保険適用しております。
説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
続きまして「先進医療会議からの報告について」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
医療技術評価推進室長でございます。それでは、中医協総-6-1に基づきまして御報告いたします。
今回、先進医療会議で承認されました先進医療Aの技術が1件ございましたので、御報告させていただきます。
整理番号349、子宮内膜胚受容期検査(ERPeak)でございます。本技術にかかる費用はそれぞれ表に記載のとおりでございます。
判定につきましては、2ページ目から3ページ目を御覧ください。事前評価では「適」となっており、先進医療会議におきましても「適」と判断いただきました。
技術の概要につきまして、6ページ目を御覧ください。本日は生殖補助医療に係る技術で、子宮内膜を生検し、リアルタイムPCRを用いて着床期に特異的に変化する48種類の遺伝子発現を調べ、着床の窓を特定する検査でございます。当該検査結果に基づきまして、胚移植を行うことにより、着床率等の改善が得られる可能性があるとのことでございます。
ロードマップにつきましては、7ページを御覧ください。本先進医療でデータを収集し、当該医療機器の薬事承認を目指すとのことでございます。
続きまして、総-6-2でございます。今回、先進医療会議で承認されました先進医療Bの技術が1件ございましたので、御報告させていただきます。
整理番号161、不妊症患者に対するタクロリムス投与療法でございます。本技術にかかる費用はそれぞれ表の記載のとおりでございます。
判定につきましては、2ページ目から4ページ目を御覧ください。事前評価では「適」となっており、先進医療会議におきましても「適」と判定をいただいております。
技術の説明につきまして、6ページ目を御覧ください。本技術は、母体・胎児間の免疫学的な異常により不妊症となっている方々を対象とし、免疫抑制剤であるタクロリムスを投与し、母体の免疫状態を正常化することで妊娠率の向上を図るものでございます。
ロードマップにつきましては、7ページを御覧ください。本先進医療データを収集し、関係学会からの要望も踏まえ、企業治験を経て保険収載を目指すとのことでございます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
続きまして「歯科用貴金属価格の随時改定について」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○宮原歯科医療管理官
歯科医療管理官でございます。歯科用貴金属価格の随時改定につきまして、中医協総-7に沿って御報告いたします。
1ページ目に、令和4年度診療報酬改定におきまして見直されました歯科用貴金属価格の随時改定の方法をお示ししてございます。
2ページ目を御覧ください。令和4年10月の随時改定は5月から7月までの平均素材価格を基に行われることとなります。表の上段に丸囲みの数字をお示ししてございますが、マル1~マル3にこれまでの告示価格、マル4とマル5には今回と前回の改定に用いた平均素材価格とその期間を、マル6はこれらを用いて試算した価格を示してございます。令和4年10月における随時改定の告示価格は右側のマル7の太線で囲ってお示しした価格となります。
左の区分のうち、中ほどの歯科鋳造用金銀パラジウム合金が歯科診療において代表的な歯科用貴金属材料となりますが、10月の随時改定で3,481円となります。
3ページ目には素材価格の推移をお示ししてございます。
事務局からの報告は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
続きまして「個別改定項目について」を議題といたします。医療DXに関しまして、これまでの議論を基に、事務局に改定項目を整理してもらいました。本日はそのいわゆる短冊について議論したいと思います。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。それでは、総-8-1から総-8-4までを用いまして御説明させていただきたいと思います。総-8-1、総-8-2につきましては私から御説明させていただきます。
まず、総-8-1を御覧いただけますでしょうか。こちらは医療DXの対応に係る個別改定項目につきまして、先回の御議論も踏まえた改定案について御説明するものでございます。
大きくマル1とマル2に分かれてございまして、マル1がいわゆる療担規則等の改正、そして、マル2がその評価の見直しでございます。
まず、マル1、医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務づけについてでございます。
「第1 基本的な考え方」といたしまして、オンライン資格確認は、患者の医療情報を有効に活用して、安心・安全でよりよい医療を提供していくための医療DXの基盤となるものであることを踏まえ、保険医療機関・保険薬局に、令和5年4月からその導入を原則として義務づけるものとなります。
「第2 具体的な内容」で(1)保険医療機関及び保険医療養担当規則等の改正関係で、1.から3.とございます。
1.で、保険医療機関及び保険薬局は、患者の受給資格を確認する際、患者がマイナンバーカードを健康保険証として利用するオンライン資格確認による確認を求めた場合は、オンライン資格確認によって受給資格の確認を行わなければならないこととするものでございます。今は原則ということでございます。
次に、例外の規定を置いてございまして、現在、紙レセプトでの請求が認められている保険医療機関・保険薬局については、オンライン資格確認導入の原則義務づけの例外とする。
3.は、保険医療機関及び保険薬局(2.の保険医療機関・保険薬局を除く)は、患者がマイナンバーカードを健康保険証として利用するオンライン資格確認による確認を求めた場合に対応できるよう、あらかじめ必要な体制を整備しなければならないこととするというふうにしてございます。
以降の表には、左側の列に改定案、右側の列に現行の規定をお示ししているものでございます。
ただいま御説明した内容は、2ページの中段以降に(新設)ということでお示ししているものでございます。
ページを進んでいただきまして、3ページの上には、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則につきましても同様の改正を行うというふうにお示ししているものでございます。
次に、3ページの(2)で、こちらは療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等の改正関係でございます。
内容で、保険医療機関及び保険薬局はオンライン資格確認に係る体制に関する事項を院内に掲示しなければならないというふうにするものでございます。
改定案につきましては、これも同様に、左側の列にお示ししているところでございます。
続きまして、マル2、オンライン資格確認等システムを通じた患者情報等の活用に係る評価の見直しでございます。
「第1 基本的な考え方」といたしまして、令和5年4月より、保険医療機関・保険薬局に、オンライン資格確認等システムの導入が原則として義務づけられること等を踏まえ、オンライン資格確認等システムを通じた患者情報等の活用に係る現行の評価を廃止し、初診時等に患者の薬剤情報や特定健診情報等の診療情報を活用して診療等を実施し質の高い医療を提供する体制及び健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認等による患者情報の取得の効率化を考慮した評価体系とし、令和4年10月から適用するというふうにするものでございます。
「第2 具体的な内容」といたしまして、1.で、保険医療機関におきまして、初診時に患者の薬剤情報や特定健診情報等の診療情報を活用して質の高い診療を実施する体制について、新たに評価を行うとともに、健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認を利用した場合または他の保険医療機関から当該患者に係る診療情報の提供を受けた場合は、患者情報の取得等が効率化されることを踏まえ、別の評価とする。なお、電子的保健医療情報活用加算は廃止するというものでございます。
こちらは、4ページの下段に、同じように、左側に改正案、そして、右側に現行の規定を書かせてございます。
まず、4ページ下段で、現行の注14、電子的保健医療情報活用加算につきましては、左側の列を御覧いただきますと(削除)というふうにさせていただいているものでございます。
その上で、5ページに進んでいただきまして、新たに注を立ててございます。そこに、医療情報・システム基盤整備体制充実加算を新設するというふうな形となってございます。注●といたしまして「初診に係る十分な情報を取得する体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関を受診した患者に対して初診を行った場合は、医療情報・システム基盤整備体制充実加算1として、月1回に限り●点を所定点数に加算する」と記載がございます。ただし、健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認により当該患者に係る診療情報を取得等した場合または他の保険医療機関から当該患者に係る診療情報等の提供を受けた場合にあっては、医療情報・システム基盤整備体制充実加算2といたしまして、月1回に限り●点を所定点数に加算するものでございます。
5ページの下段、施設基準でございます。これも同様にお示ししてございますけれども、現行の基準を削除するというふうに記載してございます。
そして、6ページに進みまして、新たな基準を新設ということでございます。
6ページの新たな基準で「1 医療情報・システム基盤整備体制充実加算に関する施設基準」で(1)から(3)までございます。(1)は、電子的に診療情報請求、いわゆるオンライン請求を行っていること。(2)は、このオンライン資格確認を行う体制を有し、ポータルサイトに運用開始日の登録を行っていること。そして(3)でありますけれども、これは次に掲げる事項、ア、イとございますが、こちらにつきまして、院内の見やすい場所及びホームページ等に掲示していることを規定するものでございます。
なお、その下、※にございますように、再診料、それから、外来受診料につきましても、こちらにつきましては電子的保健医療情報活用加算を削除するということを記載してございます。
これらにつきましては、今回の加算は新設しない扱いにしてございます。
6ページの下段からは、一部の初診料が包括される点数におきまして、今回新設する加算を算定可能とする規定を置いてございます。例として小児科外来診療料の場合をお示ししてございますけれども、7ページにお進みいただきまして、その下段に※で示している各点数についても同じような扱いとするものでございます。
続いて、2.の保険薬局についてでございます。基本的な構造は保険医療機関と同様となっておりますが、8ページにお進みいただいて、その算定要件におきまして、加算1については調剤を行った患者さんに、●月に●回に限り算定。加算2につきましては、このうち、オンライン資格により薬剤情報等を取得した場合は●月に●回に限り算定としているものでございます。
施設基準につきましては、9ページ及び10ページにお示ししてございます。これも基本的な構造は保険医療機関と同様となっているところでございます。
総-8-1の説明は以上でございます。
続きまして、総-8-2に進ませていただきます。本資料は、先ほど御説明した総-8-1の補足資料としてお示ししているものでございます。
上段の囲みに今回の背景・趣旨を記載してございます。矢羽根が2つございます。令和5年度より、保険医療機関・薬局に、医療DXの基盤となるオンライン資格確認等システムの導入が原則義務化されることを踏まえ、当該システムを通じた患者情報の活用に係る現行の評価を廃止する。そして、2つ目の矢羽根でございます。その上で、医療DXの推進により、国民が医療情報の利活用による恩恵を享受することを推進する観点から、初診時等における情報の取得・活用体制の充実及び情報の取得の効率性を考慮した評価を新設するというふうにしてございます。
次の真ん中のところで、現行の電子的保健医療情報活用加算については廃止とするものでございまして、その下の「初診時等における診療情報取得・活用体制の充実に係る評価の新設」を御覧いただければと思います。囲みで「医療機関・薬局に求められること」を記載してございます。
その下の[算定要件]に書いてございますけれども、総-8-1で御説明した内容に加えて、上記の体制を有していることについて、掲示するとともに、必要に応じて患者さんに対して御説明することというふうにしてございます。
また[施設基準]のマル2に※を打ってございますけれども、それの下に注釈をつけさせていただいてございます。情報の取得・活用の具体的な方法として、上記に併せて、初診時の問診票の標準的項目を新たに定めることを予定してございます。こちらは、薬局につきましては、文書や聞き取りにより確認する項目を定めるとともに、当該情報等を薬剤服用歴に記録することを求める予定としているところでございます。
このイメージにつきましては、右側の「診療情報を取得・活用する効果(例)」を御覧いただけますでしょうか。中央に問診票の標準的項目を定めるイメージを示してございます。これらの問診項目のうち、薬剤情報や特定健診情報につきましては、令和4年8月時点でオンライン資格確認により確認可能でございますので、こうした部分につきましては情報の取得が効率化されるイメージになります。
さらに、問診票の下部に、これも※で書いてございますとおり、医療機関が診療情報を取得・活用することにより、質の高い医療提供に努めている。こういうことにつきまして、このように問診票に表示することも含めて患者さんに御説明させていただくというイメージとしてございます。
その左右には、これまでの議論を踏まえまして、医療機関・薬局における活用効果について例示してございます。
総-8-2の説明は以上となります。
残余につきましては、医療介護連携政策課長より御説明申し上げます。
○水谷医療介護連携政策課長
医療介護連携政策課長でございます。中医協総-8-3「医療情報化支援基金による医療機関・薬局への補助の見直し」について御説明申し上げます。
6月7日のいわゆる「骨太の方針」の閣議決定の中で、保険医療機関・薬局において導入が進み、患者によるマイナンバーカードの保険証利用が進むよう、関連する支援等の措置を見直すことが決定されてございました。この点につきまして、私どもと財政当局と調整を行いました結果について御報告させていただくものでございます。
まず、現行の補助の仕組みで、真ん中辺りの表、顔認証つきカードリーダーにつきましては一定台数まで無償提供させていただいてございます。そして、今のこのマル1に書いてございますのが現行の補助の仕組みで、病院、それから、大型チェーン薬局につきましては補助上限額の2分の1まで、そして、診療所と大型チェーン薬局以外の薬局につきましては事業費の上限額の4分の3までそれぞれ補助をさせていただいているところでございます。
また、下から2つ目の※のところで、昨年3月末までにカードリーダーをお申し込みいただいた医療機関・薬局につきましては上限額まで実費を補助する、いわゆる10分の10の補助をする特例を実施している。そうした状況にございます。
今般、閣議決定がなされたことも踏まえまして調整を行った結果、まず病院につきましては、1つ目の○の下にポツが3つ並んでおりますが、過半数以上の病院が事業額の上限を超過している。こうしたことを踏まえまして、補助率は2分の1。こうしたものを維持しながら現行の補助上限を見直すということで、下の表のマル2で赤字で書いてあるように見直しをしてはどうかということでございます。
2つ目、大型チェーン薬局につきましては、補助基準内にほぼ収まっていることから、現状を維持することとしてございます。
それから、診療所、大型チェーン薬局以外の薬局につきましては、経営規模を踏まえ、実費補助とするということで、表のマル2に書いてございますが「実費補助」と書いてございます、いわゆる10分の10の補助とするということでございます。
こうした補助の対象で、1つ目の○を御覧いただきまして、今、申し上げました「骨太の方針」の閣議決定が行われました本年6月7日から12月末までに顔認証つきカードリーダーを申し込むとともに、来年2月末までにシステム事業者との契約を結んだ医療機関。こうした医療機関・薬局に対して、補助内容の見直しを行うこととしてございます。従前から、来年3月末までに事業を完了し、6月末までに交付申請を行っていただく。こうしたことは引き続き要件とさせていただきます。
今般、新たにこの顔認証つきカードリーダーの申込み、あるいはシステム事業者との契約について、補助金の交付に当たっての要件として基準を示させていただきましたが、これは最も遅いケースでございまして、私どもとして、これは医療関係の団体にも、それから、システム事業者にも御協力いただきながら、医療機関等に対して、より早期の申込契約を働きかけてまいりたいと考えてございます。
それから、一番下の※で、マル1と書いてある期間にカードリーダーをお申し込みいただいた施設において、閣議決定が行われた本年6月7日から来年1月末までに運用を開始した施設。こうした施設につきましては、別途の補助といたしまして、マル1とマル2の差額を補助する。そうした仕組みも併せて設けることとしてございます。
続きまして、中医協総-8-4「医療DX対応について」という資料でございます。前回、この医療DX対応について御議論いただいた際にお示しした資料を中心に、前回の議論の観点も踏まえまして補足の資料を幾つか追加してございますので、そうしたものを中心に御説明を差し上げたいと存じます。
4ページにお進めいただけますでしょうか。「オンライン資格確認のメリット」で、患者、医療機関・薬局、保険者、それぞれの視点からメリットを整理した資料でございます。
患者の視点からというところでは、1つ目のポツで、特定健診情報等、薬剤情報。こうしたものを閲覧できる。また、御本人が御同意いただくことで、これを医療関係者と共有し、よりよい医療を受けることができること。
2つ目のポツでございますが、括弧内に書いてあるとおり、現行では、一時的に全額をお支払いいただいた後に還付を受けるとか、あるいは事前に医療保険者等に限度額適用認定証等の申請をいただく。高額な医療費の場合、こうしたことの必要がございましたが、限度額適用認定証等がなくても、窓口での限度額以上の一時的な支払いが不要となるメリットもございます。
それから、3つ目のポツで、現在でございますと、転職等をされますと、また引き続き新しい保険証を発行していただくことが必要になるわけですが、転職等のライフイベント後でも、引き続き健康保険証として使うことができること。そういった意味で、定期的な保険証の更新が不要になったり、あるいは高齢受給者証の持参も不要になる。こうしたメリットもございます。
医療機関・薬局で、情報入力の手間が軽減され、誤記リスクが減少すること。
2つ目のポツでございますが、レセプトの返戻を回避でき、患者等への確認作業が減少すること。
4つ目のポツでございますが、災害時につきましては、マイナンバーカードを持っておられない患者であっても、薬剤情報、特定健診情報等を本人の同意の下に閲覧することが可能になるということでございます。
また、保険者の視点から見ましても、資格喪失後の被保険者証の使用が抑制されるですとか、過誤請求に係る事務処理負担が減少する。
あるいは一番下のポツで、限度額適用認定証等の申請に係る事務手続、また、認定証等の発行自体が減少する。こうしたメリットが考えられるわけでございます。
お進めいただきまして、7ページで、前回御議論いただいた際から1週間後、7月31日時点での直近のオンライン資格確認の導入状況で「3.運用開始施設数」を御覧いただきますと、26.1%となってございます。
それから、9ページにお進めいただきまして、オンライン資格確認の利用状況について、前回、口頭で私から御説明させていただきましたが、資料として御用意させていただいてございます。
昨年10月20日の本格運用開始から6月末までの期間で、このオンライン資格確認等システムを活用した資格確認が累計で約2.5億件行われてございます。
下に内訳として、マイナンバーカードによるもの、保険証によるもの、一括照会によるものの内訳を示してございます。また、表の中で6月分、直近の単月分で御覧いただきますと、約5162万件の資格確認が行われている状況でございます。
10ページにお進めいただきますと、上の表は実際に医療機関・薬局におきまして、マイナンバーカードを持参された患者さんに同意を得て特定健診等情報・薬剤情報を閲覧した件数で、6月分を御覧いただきますと、特定健診等情報が約4.9万件、それから、薬剤情報が約12.9万件で、例えば前月5月と比較しますと約倍増している状況でございます。
下の表は、マイナポータルで国民御自身の特定健診等情報・薬剤情報を閲覧していった件数でございます。
最後、12ページを御覧いただきまして、6月7日に閣議決定されました「骨太の方針」でございます。
この中で、改めまして、この2段落目に「全国医療情報プラットフォームの創設」と書かれてございます。注の143を御覧いただきますと、このオンライン資格確認等システムのネットワークを拡充いたしまして、今、閲覧できる情報。これはレセプトあるいは特定健診等情報の一部でございますが、予防接種、電子処方箋、自治体検診、電子カルテなどの医療(介護を含む)全般にわたる情報について共有・交換できる全国的なプラットフォームという構想が閣議決定されているところで、私ども、こうしたオンライン資格確認のシステムを医療DXの基盤として整備を進めてまいりたいと考えてございます。
私からの説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等がありましたらよろしくお願いいたします。
最初に、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
ありがとうございます。
本日提出されました資料総-8-1の短冊資料につきましては、前回の審議を踏まえ、1ページに、オンライン資格確認は、患者の医療情報を有効に活用して、安心・安全でよりよい医療を提供していくための医療DXの基盤となる。その基本的考えが明記された上で、療養担当規則の改正案が提示されております。
前回も述べましたが、このシステムは今後の日本の医療全体にわたるプラットフォーム、医療DXの基盤になるものであり、これによって、国民・患者の皆様が受ける恩恵は非常に大きなものであると期待されます。
また、4ページ以降には、令和4年度診療報酬改定で新設した電子的保健医療情報活用加算を廃止した上で、新たに医療情報・システム基盤整備体制充実加算を創設する提案がなされております。
これらは6月に閣議決定された「骨太の方針」に基づく対応であり、診療側としていずれも賛成したいと考えております。
その上で1点、事務局に質問があります。療養担当規則を改正して義務化がなされた場合、その意味するところが、仮に義務化に対応できなかった場合、療担違反で即座に、何の弁明の機会もなく保険医療機関の取消しに至るような厳格な意味であれば、医療機関だけでなく、国民・患者さんの皆様も含め、地域医療の現場に大混乱を来すことになります。実際にどのような対応を考えておられるのか、御説明ください。
次に、資料総-8-2におきまして、電子的保健医療情報活用加算を廃止した上で医療情報・システム基盤整備体制充実加算を新設し、診療情報を取得・活用する効果(例)について、問診票の標準的項目を新たに定めるイメージが示されております。前回報告があったヒアリング調査の結果にも記載されておりますようなマイナ保険証を利用する効果が確実にあると言えます。
医療機関では、初診において、診療に必要とされる情報を患者さんから収集することが必須であり、診療科によってバリエーションはありますが、こういった情報収集が医療の質向上に資することは明らかであります。今回の機会を捉え、こういった標準的な情報収集が課され、医療の質を上げる取組を進めることにより、医療機関側から患者さんへ提供される医療の質を向上させていくことは重要と考えます。
重複投薬を回避するなどの直接、目に見える貢献にとどまらず、災害時の情報共有への仕組みへの貢献や、患者さんの記憶だけに頼らない正確な医療情報の共有といった、直接は目に見えないものの、診断や処方などの質の向上に確実に、かつ間接的に貢献できる取組は診療報酬で評価するべきものと考えています。今後、オンライン資格確認等システムを基盤とした全国医療情報プラットフォームで共有できる医療情報がさらに拡充し、それらも活用できるようになることで、さらに正確かつ的確に、そして、効率的に患者さんの医療情報を得ることが可能となります。
総-8-4の7ページに、前回中医協で示されたものから7日後の時点での導入状況が示されておりますが、この1週間でカードリーダー申込数が1,245施設も増加しておりますので、着実に進んでいると理解しております。
さて、事務局へもう一点質問いたします。医療機関側のIT関係につきましては、医療機関ごとの個別さが極めて大きく、大小様々なトラブルが発生することが予想されます。特にこれから申し込みされる医療機関はITに関する知識や経験に乏しいことが予想され、これまで以上に様々な課題が生じる可能性が高いと考えられます。実際にオンライン資格確認等システムの導入を着実に広げていくためには、このようなことに対してつぶさに対応していく必要があると考えますが、どのような対応を考えておられるのか、御説明ください。
私からは以上でございます。
○小塩会長
長島委員、どうもありがとうございました。
ただいま、事務局に御質問がございましたが、後でまとめて事務局から回答していただきたいと思います。
それでは、続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
どうもありがとうございます。
まず、議論に入る前提として、資料総-8-4に5月の医療保険部会の資料並びに「骨太の方針」が示されております。その中の記載を確認いたしますと「医療機関・薬局でのシステム導入が進み、患者によるマイナンバーカードの保険証利用が進むよう、関連する財政措置を見直す(診療報酬上の加算の取扱については、中医協で検討)」という記載になっております。ただ、今日御説明いただいた資料の中で、点数自身がどういう方向性になるのか。これについては一切説明がされておりません。国民・患者が不満を抱いている、懸念を持っている。そうしたものが点数にどういう形で反映されていくのか。その方向性についてはぜひ御説明いただきたいのが1つ目の要望です。
2つ目は、この財源について、どのように考えていらっしゃるのか。先ほど、医療機関・薬局等への補助に関する増額については十分御説明いただきました。ただ一方で、今回の報酬の見直しによって医療費全体がどうなるのか、あるいは国民・患者の負担がどうなるのか。これについては今回の資料からは読み取ることができません。これについては重要な内容になりますので、先ほどの件と含めましてぜひ御説明いただきたいと思います。
それの説明を承った後で、支払側でコメントを取りまとめておりますので、それらについてお話をしたいと思いますので、まず、その回答をお願いいたします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員からも御質問をいただいておりますが、一通り、ほかの委員の方々の御意見を頂戴してから事務局より回答していただきたいと思います。
続きまして、林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
資料総-8-1の短冊につきましては、医療DXの基盤となるものであることや、患者の薬剤情報等の診療情報を活用して質の高い医療を提供する観点から、マル1及びマル2の内容について了承したく思っております。
その上で、マル1及びマル2、それぞれについて要望がございます。
1つ目の、医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務づけについてでございますが、前回の中医協におきましてもコメントいたしましたが、歯科医療機関は小規模なところが多く、紙レセプトでの請求が認められている医療機関以外にも、様々な事情により、オンライン資格確認等システムの導入に支障が生じている。そういった医療機関もあると考えられますので、今後の導入状況なども見ていただき、こうした医療機関に対して医療の現場で混乱が生じないよう、必要な対応を取っていただくよう、重ねて強く要望いたしたく思っております。
2つ目の、オンライン資格確認等システムを通じた患者情報等の活用に係る評価の見直しについてでございますが、新たな加算の施設基準におきまして、オンライン資格確認の体制を有していることなどを保険医療機関の見やすい場所及びホームページ等に掲示していることが求められておりますが、多くの小規模歯科医療機関の実情も考慮いただき、掲示方法の工夫等につきましては柔軟に対応いただきますよう、よろしくお願い申し上げたく思っております。
歯科からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
事務局におかれましては、これまでの議論を基に資料の取りまとめをいただきました。ありがとうございます。
資料総-8-1の「医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務付け」と資料総-8-2の「医療DXを推進し、医療機関・薬局において診療情報を取得・活用し質の高い医療を実施する体制の評価」に提案されている対応案について賛成いたします。
「医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務付け」についてですが、前回も発言させていただいておりますが、取り残される医療機関・薬局が出てこないよう、引き続き導入状況や稼働状況などを見つつ、課題が把握された場合には、現場の医療機関・薬局が困らないよう、ひいては地域の医療提供体制に混乱をもたらさない丁寧な対応をお願いしたいと思います。
「医療DXを推進し、医療機関・薬局において診療情報を取得・活用し質の高い医療を実施する体制の評価」についてですが、医療機関・薬局がオンライン資格確認の情報を活用することの効果などには十分に御理解いただいているところと思いますので、繰り返しの発言はいたしませんが、現場での活用が十分に進むよう尽力してまいりたいと思います。特に、オンライン資格確認に関する広報や周知は非常に重要と考えます。こちらも引き続き、全ての関係者が連携して図っていくべきものと考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
佐保委員、安藤委員からお手が挙がっているのですけれども、この時点でしばらく待っていただいて、先ほど御質問をいただいておりますので、それについて、まず事務局より回答していただきたいと思いますので、しばらくお待ちください。
では、事務局、お願いいたします。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。
まず、長島委員から、療担に位置づけられる。それを違反している場合にはどのような形になるのであろうかという御質問をいただいてございます。それにつきまして、お答えをさせていただきます。
今回のこのオンライン資格確認の原則義務化でございますけれども、こちらに関しまして、それが遵守されていないときには、最終的には保険医療機関等の指定取消しとなり得るような、療担規則においてそういう規定をすることを想定してございます。
一方で、この療担規則で、保険医療機関等の責務を規定するものでございます。遵守されていない状態になる場合には、まずはいきなりということはなく、当然、地方厚生局による指導などが懇切丁寧に行われることとなると承知してございます。具体的には個別事案ごとに適宜判断になると思いますが、一般論で申し上げれば以上のとおりでございます。
次に、松本委員から、点数に関するイメージというか、方向に関する御説明をという御指摘と、それから、財源に関する御質問でございました。
まず、点数に関する方向で、総-8-2を御覧いただけますでしょうか。1枚紙でございますけれども、今日補足のために用意した資料の中で、その下段「初診時等における診療情報取得・活用体制の充実に係る評価の新設」の中で、青字で「(新)医療情報・システム基盤整備体制充実加算」とございます。その中に1と2がありまして、1が施設基準を満たす医療機関で初診を行った場合に●点。2が、1であって、オンライン資格確認等により情報を取得等した場合に●点とございます。私どもの方向性というか、イメージとしては、1の点数、2の点数を比べた場合に、1の点数よりも2の点数が低くなる。それによりまして患者さんの自己負担も安くなる。そういうイメージの点数を想定しているところでございます。
それから、財源に関する御質問でございました。まず、通常の診療報酬改定について、若干恐縮でございますが、述べさせていただきますと、予算編成過程を通じて内閣が決定した改定率を所要の前提といたしまして、基本方針に基づいて中医協において具体的な診療報酬の設定等に係る審議を行う。そういうプロセスを経ているものでございます。今回の見直しに当たりましては、8月3日、先週諮問させていただいたときに、経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太の方針」に基づいて行うようお願いしているところでございます。いわゆる改定率については付していないということで、令和4年度診療報酬改定の範囲内において答申いただく、要は制度設計するものと考えているところでございます。
残余の質問につきましては、医療介護連携政策課長よりお答えをさせていただきます。
○水谷医療介護連携政策課長
医療介護連携政策課長でございます。長島委員から医療機関側のIT対応について御質問を頂戴いたしました。
私どもとして、社会保険診療報酬支払基金にコールセンターを設置いたしまして、こうした個別の医療機関・薬局からの問合せに対応しておりますし、また、そうした問合せを踏まえまして、順次、Q&Aなどを更新しまして、分かりやすい配布資料なども作成に努めているところでございますので、引き続き、そうした対応を図ってまいりたいと思います。
また、医療機関・薬局へ実際に改修等の対応を行うシステム事業者につきましても、私ども、システム事業者の推進協議会で様々な形で協力をお願いしております。まさに医療機関・薬局への丁寧な対応について、システム事業者にも引き続き依頼をしてまいります。
私どもとして、医療機関・薬局、実際に顔認証つきカードリーダーの申込みから、改修工事を行い実際に導入していただく様々なステージにあって様々な課題を抱えている。そうした認識の下に、適切に対応してまいりたいと考えてございます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
長島委員、松本委員、もし追加のコメントがありましたら後ほど伺いますので、よろしくお願いいたします。
佐保委員、先ほどからお手を挙げていただいておりますので、コメントをお願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
オンライン資格確認の導入の原則義務づけそのものにつきましては、異論はございません。
その上で、ただ、評価の見直しについては議論の拙速感が否めません。医療機関等の導入状況が芳しくなく、マイナ保険証も普及していないと思っています。なぜ、この10月から診療報酬での対応を行うのか、正直、疑問が残ります。
また、先ほど事務局からオンライン資格にマイナ保険証を使うことのメリットについて御説明いただきましたが、費用を負担する国民・患者が理解・納得しているとは残念ながら言い難い現状にあると考えております。
加えて、今回の評価の見直し案、点数までははっきりと分かりませんが、これが行われた場合、例外の医療機関がこういう状況であればそのままにしておいたほうがいいということにならないのかどうかといった懸念点があるのが正直な私の感覚です。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員
ありがとうございます。私も意見を幾つか述べさせていただきたいと思います。
今回のオンラインの資格確認等システム導入については当然賛成ですし、長い目で見たら絶対いいことだと思っております。
その中で幾つかお話をさせていただきたいのは、まずはマイナンバーカードをいわゆる義務化することであって、その延長線で、先ほど御説明いただきました全国医療情報プラットフォームシステムの創設。では、この創設が、いつが目標で、いつまでにどういうふうにするかという、結局、患者側はマイナンバーを出さなければいけない。でも、医療側はどこまで充実するのだという期限が見えていないこと。
それともう一つは、先ほどお話があったように、例外的にレセプト請求のところはマイナンバーカードではないということは、でも、かかりつけ医がそういったレセプト請求のところであったら自分はマイナンバーカードの選択ができないような形になることも矛盾しているかなという形。
それと、今、マスコミでいろいろな話が出ている中で、マイナンバーを使ったら安くなります、便利になりますというのは分かります。ただ、では、医療費全体が実際にどうなるのかということは国民の中に広く周知されていないような形もありますので、今回、こういった進み方は理解はできるものの、では、10月から施行という形はやはり時期尚早かなということ。
それで、最終的にこれだけ便利になって効率化になるのであれば、医療費全体はもっと安くなる、総額が少なくなる方向性があるのかどうか。そういったこともしっかり国民の中に周知してもらう、理解を求める手順が少し抜けているような感じがしますので、その辺を御配慮いただけないとこういった形では難しいのかなというのが私の意見です。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
医療DXが進むことについては患者としても非常に期待しているところなのですけれども、今回の資格確認等システムの関係の体制の加算については時期が早いのではないかと思うのです。それはやはり、私も前に発言したと思いますが、私がかかっている医療機関は全部まだ導入されていませんし、実際、普及がまだまだの中でこれを加算として10月から始めるのは早いと思います。国民に対しての周知もまだまだ遅れている状態で、現行でマイナ保険証を持っていくと高く取られるのはどうしてだという不満が出ているわけです。だから、それも含めてこういうふうに変えていきますということを周知するとともに、環境の整備がきちんと整ってからやるべきなのではないかと思います。
それで、医療DXが進んでいくことで医療の質の向上は期待できるのですけれども、今回の情報だけだとまだまだ少ないと思うのです。高齢の私の母なども入院歴とか手術歴とか病歴とかというものは、いつどういう病気にかかったとか、いつどういう手術を受けたかというものはほとんど正確な情報は分からないのですよ。そういうものは今回の情報の中に入っていませんし、もっと言えば診療明細書とかお薬手帳と連動することが期待されるのですが、それもまだ連動しないというところなので、本当にこれで質の向上が期待できるのかがやはり納得できないところかなと思います。
そういうところも含めて、こうなりますという将来像がちゃんと示されていればいいと思うのですけれども、それも具体的なものははっきりしたものは示されていないので、やはり不安ですし、不満につながっていくような感じになると思うのです。そもそも、そういう中で医療機関の負担軽減がされるのが非常に大きなメリットなのに、何でこれは患者の負担が増えるのかというのは理解しにくいところがあります。さらに言えば、マイナ保険証を持参しないといけないわけではないのにペナルティー的に負担が増えるような形になるのか。点数はちゃんと出ていないですが、増えるということなのですから、その辺も理解を得にくいのではないかと思っています。
この先、さらにもっと医療DXが進むと、さらに患者の負担が増えるようなことも心配されるので、ここはもっと十分に議論を尽くしてから導入することをやっていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、末松委員、お願いいたします。
○末松委員
ありがとうございます。オンライン資格確認の導入は医療DXを進める上でも国の重要な施策でありますため、基礎自治体としても国民健康保険者としても、マイナンバーカードの取得から保険証登録に至るまで、さらなる普及促進に取り組んでいる立場であることを踏まえ意見をさせていただきたいと思います。
まず、オンライン資格確認の導入の原則義務づけにつきましては、マイナンバーカードの保険証利用と併せ、総-8-4にあるメリットを国民・患者、医療機関、そして、保険者が実感し、医療DXの基盤を固めていく方策という観点で、原則義務づけには異論はございません。
ただし、将来的には保険証の廃止も含めた方針が示されておりまして、全国的に着実な導入を目指す観点からも、紙レセプト請求の例外を含めて適切な導入促進を図っていただきたいと考えております。
次に、オンライン資格確認等システムを通じた患者情報等の活用に係る評価の見直しについてで、医療の基盤整備は医療機関及び患者を含めた国民相互の取組が必要であるのは言うまでもございませんが、オンライン資格確認等システムの導入によって図られます医療の質の向上とは具体的にどういうことを指すのかが非常に伝わりにくいと受け止めております。
市の国保では、医療を受ける前の健康維持の観点から特定健康診査の受診向上に取り組んでおりますが、健診によって受ける恩恵をどのように伝え行動変容につなげるかが重要であり、課題でもあると考えております。
オンライン資格確認に係る国民・患者にとってのメリットについても、質の高い医療の一言で表現されるのではなく、患者の健診情報や薬剤情報が診療によってどのように使われ、それによってどのように質の高い医療が提供されるのかを分かりやすく具体的に示すことで、その評価として、患者の負担が発生するとしても、国民の理解や納得を得られることにつながるのではないかと思います。
なお、実際に医療の質の向上につながっているか、それを国民・患者が実感できているかの検証はぜひ実施していただき、適宜、情報共有をお願いしたいと考えています。
また、導入義務化に向けましての医療機関等の負担につきましては、総-8-3に示されておりますとおり、補助金等の財政支援措置の充実をお願いしたいと考えております。
私から以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、続きまして、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
私は、今回の事務局が御提案いただいた案につきましては、10月からの実施は一旦凍結し、義務化が行われる来年4月からオンライン資格確認等システムを活用した新たな診療報酬を設定したほうがよいのではないかと思っております。
その理由でございますが、私の考え方の基本は、オンライン資格確認等システムが将来の日本の医療DXの基盤とするために全ての面から最適な施策であるのかを考えております。
まず、1つ目の理由でございますが、ただいま事務局から新たな提案に関する御説明がありましたが、いまだに患者の方たちに対して納得していただけるだけの明確な導入の根拠が見つからないと思っております。医療機関へのオンライン資格確認等システム導入が進まない中、マイナ保険証を持って病院に行ったときに、その診療報酬を余分に支払うだけのメリットを感じていらっしゃる患者がどれほどいるのかが分からないからでございます。
また、これらの医療DXのプラットフォームを運営するに当たり、どれだけの全体コストがかかっているのかも明らかではなく、患者がその中のどの部分を負担すればよいのかも明確ではありません。私はこの部分も明らかにするべきであると思っております。
次に、今回の御提案は施設基準としての初診時の医療の質の向上に着目した新たな加算になっております。そうすると、この施設基準を満たした医療機関・薬局は、オンライン資格確認等システムを導入していれば、マイナンバーカードを持参した方も、そうでない方からも、自動的にこの加算を取ることができることになります。
令和元年度のNDBデータによりますと、その年の外来初診料算定回数は約2億4000万回でございました。加算が1点につき年間24億円を患者及び保険者が負担することとなります。もちろん、この計算は義務化された後、全ての医療機関で導入された場合でございます。
一方で、この加算で得た診療報酬がどのように何に活用されるのかを患者に知らしめる必要があると思っております。医療機関等で導入される顔認証システム用機器費用、そして、それらの機器を年間を通じて正確に稼働させるための保守運用費などがあると思いますが、導入費用などは国からの補助があるのでそれほどかからないとは思いますので、主に保守費用になると思います。その場合、この金額が本当に妥当であるのかの根拠を示していただく必要があると考えております。
また、一方、オンライン資格確認等システムのサーバーを運用するため、その保守費用は全ての保険者が本格的な運用が開始された2021年3月から負担を開始しております。
御参考までに、私のところの協会が令和3年度に支払った総額が5億9400万円、加入者一人当たり月額1.22円でございました。令和4年度は一人当たりの単価が上がり、1.31円となり、年間5億3600万円支払う予定でございます。
もちろん、これらの費用は加入者からの保険料で支払われておりますので、既に患者がシステムの運用に必要な経費の一部を負担していただいていることになります。今後、このオンライン資格確認等システムを基盤として活用し、様々な情報のやり取りができるようにしようと国は考えております。そのことにつきましては大賛成でございます。
前回の中医協総会資料の総-3の16ページで診療側のオンライン資格確認を利用する効果として紹介されておりますが、医科・歯科・調剤の方たちが異口同音に、事務処理が効率化された、手間が軽減された、返戻による事務負担が軽減したとのコメントがございました。これらは明らかに診療側の方たちのメリットでございます。しかし、そのメリットを提供してくれるシステムに対する対価を診療側が支払っているのかに関しましては、私としては知る限りにおいてはそうではないと理解しております。
このことを議論する場は中医協ではなく医療保険部会であることも理解しておりますが、今回のオンライン資格確認導入義務化に伴う診療報酬上の対応について議論する上で大変重要な要素であると考えますので、あえて申し上げさせていただきました。
以上のように、オンライン資格確認等システムを活用した診療報酬について中医協で議論をすることになっておりますが、ここで単なる報酬の多寡を論ずるだけでは駄目だと思っております。なぜならば、日本の医療DXの基盤となる仕組みが国民に活用されるのかされないのかを左右するほどの大きな影響を与える決断であると思うからでございます。
日本の医療DXの基盤となるシステムであると国民に認めてもらうためには、患者が実際にマイナ保険証を持参し、新たな診療を体験し、そのメリットを体感してもらうことが非常に重要であると思います。そのためには、仮に10月からこの新体系の診療報酬を適用するのであれば、患者が無駄足にならずにその診療を受けられるようにするため、厚労省のホームページに日本全国、各地域別の運用開始施設名一覧を掲載してほしいです。その場合、情報のアップデートはできれば1週間に1回のペースで更新していただきたいと思っております。
また、その際に各医療機関・薬局別の導入状況並びに前週からどのぐらいの導入状況の変化があったのかが見えるように、前回の総会資料総-3の6ページにあるような一覧表もつけてほしいと思っております。そうすることによって関係者全員が一丸となって導入促進に対して動きが見える形になってくると思います。
私からは以上です。
○小塩会長
安藤委員、ありがとうございました。
ただいま、松本委員、池端委員、眞田委員からお手が挙がっておりますけれども、眞田委員が先ほどからお手を挙げていただいておりますので、最初に眞田委員から御意見を頂戴して、その後、松本委員、池端委員という順番で御発言をお願いいたします。
それでは、まず、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
ありがとうございます。
既に1号側委員の方から多くの意見が発言されておりますけれども、私もその内容について全く同意でございまして、支持するものであります。
ここであえて申し上げたいのは、医療DXは国全体で進めていくことが重要であろうということです。その意味でも、オンライン資格確認については、例外はやむを得ない場合として最小限にとどめて、原則義務化を進めていくことが極めて重要であると考えております。
また、医療DXを国全体で進めていくためにも、国民・患者の理解が進む形で検討を進めていくことが極めて重要であることをあえて重ねて申し上げたいと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
まず、先ほど事務局から御回答いただいた件につきまして、コメントを述べたいと思います。
報酬について御説明がありましたけれども、これは財政中立という形で御理解させていただきます。
もう一つ、先ほど新しい加算内の多寡については御説明がありましたけれども、では、現在運用中の活用加算の点数と今回の点数については、点数が例えばマイナ保険証を利用すると同じ場合について下がるのか上がるのかについては下がるという理解でよろしいのでしょうか。
その確認をした上で、今、支払側から多くの懸念、あるいは不安に思っている点、疑問点を呈しましたけれども、支払側の意見をまとめた形で発表したいと思いますので、その回答を速やかにお願いしたいと思います。
○小塩会長
今、松本委員から御質問をいただいたのですけれども、その回答を事務局からしていただく前に、池端委員に意見をいただいた後でお願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。では、皆さんの御意見を踏まえた上で少し私なりの意見を言わせていただきたいと思います。
まず、冒頭で長島委員がおっしゃったことについては、私も同感でありますので、全て賛成させていただきます。その上で少しお話をさせていただきたい。
まず、総-8-4の4ページです。今ほど1号側、2号側、それぞれが、広域化も含めてオンライン資格確認のメリットは何かという、ここに患者側、医療機関・薬局側、保険者、そして、行政側等々のそれぞれのメリットがあること。ただ、多くの方々もおっしゃったように、なかなかそのメリットを感じないことについては実は医療機関でも同じことなのです。やってみるとメリットを感じるという意見もありますが、全体的には、なぜそれをしなければいけないのか、どういうメリットがあるのかについては医療機関側もまだまだそれを十分感じていない。
では、なぜかというと、このオンライン資格確認を進めることが医療DXの基盤であることは多くの委員が賛成されるところだと思いますが、この一丁目一番地の基盤整備、ここの普及率が十分でないことが(それぞれがメリットを感じない原因の)全てだと思います。普及率が少なくとも8割、9割上がっていくことによって、それぞれの患者側も医療機関側も保険者側も大きくメリットを感じ、そして、その先にいろいろなデータをそこに入れ込むことによって更に広がっていくということだと思います。
まず、現時点ではいかに基盤を、オンライン資格確認の普及率を上げるかが非常に大事な命題。それは、待ったなしではないでしょうか。半年遅らせることで、どれだけのメリットがあるのか、私は非常に疑問に感じます。どっちが先か、鶏が先か卵が先かではなくて、両方とも同時に、患者さんの普及も医療機関側の普及も同時にやる体制が必要です。その中で、いろいろな補助金の見直しとか診療報酬の見直しとかが今回行われているのではないかと思います。
そういう意味で感じると、まず、総-8-3にありますように、補助金に対して大きく見直していただいた。特に病院代表としては、病院側はやはりどうしても持ち出しが多いことが調査に出ていましたので、そこをきちんと把握していただいて上限を上げていただいたことに対しては感謝申し上げたいと思います。特に中小病院は非常にここで困っているところがありますので、一定の普及に非常に貢献していくのではないかということで感謝申し上げたいと思います。
そして、なおかつ、では、診療報酬でどうやっていくか。先ほど眞鍋課長からもありましたように、これまでと変わって整備体制充実加算という形になって、まずは普及率を上げるために整備体制をつくる。そのための加算だけれども、では、患者さんにとっても利用することによって、少しでも点数が下がる、負担が減ることのメリットをまず感じていただこうという立てつけではないかと思いますので、それに対しては診療側としても賛成したいと思っています。
その上で、先ほど長島委員もおっしゃったように、ここに療担規則に入れることに対しては反対するものではありませんけれども、繰り返しますが、前回の総会で申しましたように、療担規則は医療機関にとっては相当重い法律です。法律違反は即保険診療停止になる可能性があることを考えなければいけないことになりますので、その辺には慎重な上の慎重な対応はしていただきたいと思います。
一方で、例外規定がどうこうという話がありましたけれども、例外に関しても、今、本当に診療所も特に1人診療所は高齢化しています。その方々が紙レセプトしかないところにいきなりそれを全て(ICT化して)普及しろというのは非常に難しいところがあるので、まず、ここを外すことに対しては御理解いただきたいと思います。それがやがてどんどん普及率が上がってくればそこにまたさらにその方々にも普及していただくといういろいろな方策が見えてくると思いますので、そういう意味で御理解いただければと思います。
やはり、こういう新しいこと、しかも基盤になるオンライン資格確認体制、ここからDXを進めていき、この基盤を一日も早く普及する。そのために診療側も患者側も保険者側も行政側も少し皆さん痛み分けして、メリットがあまり感じないかもしれないけれども、我慢して、普及していこう。そのためには一刻も争うものではないということで、この10月から始めることに対して私は賛成したいと思います。
まず、始めること。そして、続けることによって、それがどんどん普及して、一定の線、例えば5割を越えたら一気に進みます。全ていろいろなことは、大きく普及させよう、100%普及を目指すときに、5割という線を越えれば一気に増えていくことはよく経験することなので、まず、そこまで持っていくことをみんなで頑張っていきたい。そんな気がしていル事を、意見として言わせていただきました。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、松本委員から先ほど御質問をいただいておりますので、それについて事務局より回答をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。今回の御提案させていただく加算に関する点数の多寡に関するお尋ねでございました。
一方で、大変心苦しい答えになってしまうのですけれども、この短冊の議論の場では構造について御議論いただくという場と承知しておりまして、点数を直接御提案申し上げて、そこについて御議論いただくのは、やや私ども事務局としてはためらうところがございます。
もう少し言葉を足させていただきますと、先ほど総-8-2で御説明したように、マイナ保険証を利用した場合は情報の取得の効率性を考慮した評価を新設ということでございますので、初診でこの体制を取った。そして、患者さんにこういった丁寧な問診を行い、また、必要に応じて説明を行った場合の点数があり、それから、オンライン資格確認等で情報を確認した場合には、その効率性を考慮して、それよりは控除した点数というふうに御説明したものでございます。
ただ一方で、財政中立というお言葉を松本委員から言っていただきました。そういうことから考えますと、そういう財政中立の中での点数設定になるということで御想像いただくのかなと思っているところでございます。
それから、様々御指摘をいただきましてありがとうございました。この医療DXの効果で、患者さんや国民、そして、医療機関、また、保険者それぞれに効率化や情報の共有化によるメリットはあるのだろうと思っているところでございます。それを今年の「骨太の方針」の中で、急にというふうには申し上げませんけれども、オンライン資格確認は原則義務化が決定されたわけでございます。こういったチャンスを捉まえまして、できることは全てやらなければいけないと私どもは思っております。
その中で、確かに私ども、普及率につきましてなかなかはかばかしくないという御指摘だったところでございます。それから、マイナンバーカードの普及についてもそうだろうと御指摘いただくだろうと思ってございますけれども、これは私ども、これをいかに医療の場で周知していくかというのは非常に大事だと思ってございます。私どももあらゆるツールを使って努力していかなければいけないだろうと思ってございますし、今回の加算についても非常に丁寧かつ迅速に十分な資料を御用意させていただいて活用していただくような環境を整えなければならないだろうと思っております。まさに何人かの先生方から御指摘いただいたように、全員が一丸となって、あるいは国全体でというものだと思っております。
このIT化の効果に関しましては鶏と卵のようなところもございまして、私どもとしてはここでも来年4月を目指して一歩でも進めたいということで、現在の提案では今年10月からの改定というか、新しい点数の適用というふうに御提案させていただいているところでございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員、いかがでしょうか。
○松本委員
今、課長からコメントをいただきましたけれども、そういったことを踏まえまして、先ほど来、1号側の委員から、言葉は違えども、いろいろな形の不安・疑問を抱いていることについては十分御理解をいただいたと思います。そうした形で、1号側としては総意という形で改めての見解を申し上げたいと思います。
まず、今回の厚生労働大臣からの諮問については、もともとが「骨太の方針2022」に基づき答申することとされております。支払側は、各委員も申し上げておりますけれども、国の医療DXの推進には賛成いたします。それを前提にこれから見解を申し上げます。
まず、1つ目はオンライン資格確認の導入の原則義務づけでございます。
「骨太の方針2022」においては、オンライン資格確認について、保険医療機関・薬局に2023年4月から導入を原則として義務づけるとされており、紙レセプトによる請求以外の医療機関・薬局に対しオンライン資格確認を令和5年4月から義務づけるため、療養担当規則等の改定案については賛成いたします。
ただし、義務化の対象となる医療機関・薬局について、先ほど来、2号側委員から多数意見が出ておりますけれども、現状追認のような対応については反対いたします。やむを得ない事由がある場合でも、その対象となる条件並びに期間を明確に示すべきであります。また、紙レセプトを現在使っております医療機関・薬局についても将来的にはオンライン請求へ着実に移行するための取組が不可欠であります。
2つ目がオンライン資格確認等システムを通じた患者情報等の活用に係る評価の見直しであります。
「骨太の方針2022」において、導入が進み、患者によるマイナンバーカードの保険証利用が進むように、関連する財政支援等の措置を見直すとされております。現行の電子的保健医療情報活用加算について、国民・患者の負担に関する理解が残念ながら得られず、政府が見直しを決定したことを踏まえれば、診療報酬上の加算の取扱いについては、国民・患者から真に理解が得られ、マイナンバーカードの保険証利用が促進されることに重点を置くべきであります。
そうした観点で、現在適用されている電子的保健医療情報活用加算を一旦凍結することを含め、今後の診療報酬の取扱いについては、令和4年10月施行を前提とせず、国民・患者の声を聴き、丁寧に議論すべきです。
しかしながら、今回提案されている医療情報・システム基盤整備体制充実加算は次の理由で国民・患者の視点が欠如しており、到底容認できるものではありません。
一つ。オンライン資格確認を導入した医療機関・薬局が初診の患者に一律算定できる仕組みであり、患者の同意そのものは要件とされておりません。オンライン資格確認の導入が原則、医療機関・薬局の義務化になれば事実上の初診料の引上げに相当するような重大な案件であることから、まずは国民・患者の声を広く聴き、もっと時間をかけて議論・審議すべきです。
一つ。マイナ保険証が普及し医療DXが推進されるには、オンライン資格確認による薬剤情報、特定健診情報等の活用によるメリットを患者が実感できることが重要であります。マイナの保険証の活用によって、どのように診療の質が向上するのか、国民・患者の声を基に実態を調査・検証する必要がございます。
一つ。マイナの保険証ではなく通常の保険証で受診する場合、問診票で薬剤情報等を確認することになりますが、薬剤情報等の確認は以前から療養担当規則で定められている基本的事項です。さらに、問診票に記入するのは患者自身であることを踏まえれば、診療報酬として新たに評価する合理性に欠けます。マイナ保険証が国民の任意であるにもかかわらず国民の意見を聴取せずに通常の保険証で受診する場合にペナルティーかのように患者の負担を上げることについては、国民・患者に理解されるのか、いささか疑問であります。
一つ。オンライン資格確認の導入が進んでいない状況においては、未導入の医療機関・薬局を選択した場合に、国民・患者負担が最も低くなる矛盾にも留意すべきであります。
こうしたことに対して、国民・患者にどう応えるのか、中医協として示すべきであると考えます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、島委員、お手が挙がっていますので、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
いろいろな意見が出ておりますが、基本的には医療DXの推進に関しましては、今後の日本の医療を考えれば、どんどん推し進めていくべき内容だろうと理解しております。特にオンライン資格確認がきちんと導入されれば、いろいろ資料で提示されておりますように、医療機関に関しましても患者さんにとってもメリットが出てくることは十分考えられます。
ただ、現状で普及が十分進んでいないところに関しましては、これは医療機関、それから、歯科も含めてですが、薬局もきちんと設置の努力をしていくべきだろうと思っておりますので、そういう普及に向ける努力は当然やっていきたいと考えております。
それから、マイナンバーカードとセットになっておりますが、基本的にはこのマイナンバーカードは日本国民全員が持つのがもともとの発想なのでしょうか。そこを確認しておきたいと思います。例えば産まれたばかりの赤ちゃんでも、病気にかかって医療施設にかかるということがあり得るわけですから、そういったときでも全ての国民がマイナンバーカードを持っていることが条件になっているのでしょうか。
それから、実際には今回、顔認証つきカードリーダーの設置に関しましても、これは3台までは無償ということは変わりませんが、これが有効に活用されるためには電子カルテとの接続が非常に重要になってまいります。これがなされていなければ、ただ本人確認の機械だという話になってしまいますので、そういったことでこれがいろいろ設置した後に、そこの接続にかなり費用がかかる。それから、鈴木委員もおっしゃっていましたけれども、そういったところのランニングコストのことを考えれば当然、こういう費用が必要になってくるのは自明の理だろうと思います。
それが本当に、適切に今回の示されているような新しい制度で賄えるのかどうか。実際には医療機関としては非常にそこのところでの支出が多いという考えがあってなかなか設置が進まないのもありますので、今回の義務化に向けてはそういったことも含めて検討した上で設置をどんどん進めていこうとは思っております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
今、島委員から御質問を1ついただいておるのですけれども、後で事務局よりまとめて御回答いたします。
長島委員、お手が挙がっていますので、よろしくお願いいたします。
○長島委員
ただいま、支払側から幾つか御意見がございましたので、診療側として意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、やむを得ない場合についての対応についてでございます。今回の御提案は、現在、紙レセプトでの請求が認められている医療機関のみを例外とするものですが、それ以外の場合につきましても来年4月に向けて導入することに憂いが残る部分があるのではないかと考えております。もちろん、医療機関に対しても全力で導入を加速化させなければ令和5年4月の義務化施行に間に合わないため、意識を変える必要があります。
しかし一方、例えば離島・僻地であったり、都心でも建物の構造によっては光回線が普及していないといったことがありますし、あるいは医療機関がベンダーと契約したにもかかわらず結果的にベンダーの対応が遅れてしまった場合など、医療機関の責任とは言えない、やむを得ない事情により来年4月に間に合わない事態が生じてしまう懸念がどうしても払拭できないことについては前回も申し上げたとおりです。
これにつきましては、今後の導入状況を把握し、その結果によっては必要な対応を講ずることがあり得る。このことを中医協において共有していただくことが必要であると、大変重要な点でございますので、改めて申し上げます。
次に、国民・患者の皆様への周知が大変重要であることはまさしくそのとおりと思います。医療DXの基盤となるオンライン資格確認のシステムについて、その意義、メリット、効果について、国民・患者の皆様はもとより、医療現場の方々にも丁寧にしっかりと周知していく必要がございます。診療側も、推進協議会を核として、これからこの周知について加速してしっかり取り組んでまいりますが、関係者全員が一丸となって、この周知・理解を深めることが大変重要であると思います。
一方、加算見直しの時期についてでございます。今回の加算の見直しにつきましては、令和5年4月からのオンライン資格確認等システムの原則義務化を踏まえ講ずるものであります。先ほど述べましたとおり、令和5年4月に向け、ギアを入れ替え、一気に導入を進めていく必要があり、紙レセプトで請求している医療機関以外の医療機関では一刻も早く取組を始めていただく必要があります。
また、患者さんによるマイナ保険証の利用が進むようにするという「骨太の方針」における方向性も十分反映する必要があると考えます。その観点から今回、原則義務化を契機として令和4年10月より点数を見直すことについては当然のことであり、中医協としても不退転の決意でこの取組を進めていくということではないかと考えます。
次に、問診票に関する評価についてです。先ほども申し上げましたが、医療機関では初診において診療に必要とされる情報を患者さんから収集することが必須であり、診療科によりバリエーションはありますものの、こういった情報収集が医療の質向上に資することは明らかであります。
こういった標準的な情報収集が課されることによって重複投薬の回避といった、直接、目に見える貢献にとどまらず災害時の情報共有の仕組みへの貢献、医療情報の共有といった、正確に、そして、確実に、間接的に貢献できる取組は診療報酬上での評価に十分値するものと考えております。
最後に、このような取組の効果の検証・評価についてございますが、従来より診療報酬改定において新たに設定された点数等につきましては、検証・調査や各分科会が実施する調査なども踏まえ、次期改定において議論することになっております。
したがいまして、今回の加算につきましても当然当てはまるものであり、これまでどおり、中医協において議論されてきましたとおり、今後、エビデンスに基づいて進めていくべきものと考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、松本委員からお手が挙がっていますので、松本委員、御発言をお願いいたします。
○松本委員
先ほど、私どもからの総意という形で御発言をいたしまして、多分、2号側の代表かと思いますが、長島委員から非常に力強い発言とともに、不退転で取り組む決意については同意するものであります。
ただ、幾つか懸念材料がございまして、先ほど義務化の例外のところで医療機関に責を負わないものについてはという御発言がありましたけれども、医療機関のこれまでの対応が、例えば申込み時期が遅かったためにベンダーが対応できなかったものなどはそういうものには少なくとも該当しないと考えておりますので、真にやむを得ないものがどういうものかについては十分に今後議論させていただきたいと思います。特に、これまでこうした方針がずっとうたわれたにもかかわらず導入が進んでこなかった事実を2号側の委員の方は重く受け止めていただきたいのが私のメッセージです。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
長島委員、お手が挙がっていますので、お願いいたします。
○長島委員
今、御指摘がありましたけれども、やはりやむを得ない事情がどういうものであるかは、そこをきちんと確認・評価することでほかの医療機関で導入する際の大変有用な材料にもなるかと思いますので、きちんとそのやむを得ない事情を確認し、次の医療機関の普及につなげる意味で有意義に役立つものですので、推進協議会等においてもしっかりと活用させていただきたいと思っております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
先ほど、島委員からマイナンバーについて御質問がございましたので、事務局より回答をお願いいたします。
○水谷医療介護連携政策課長
医療介護連携政策課長でございます。島委員からマイナンバーカードの取得についてお尋ねをいただきました。
マイナンバーカードの取得自体はあくまで任意でございますが、政府といたしまして、令和4年度末、2022年度末までにマイナンバーカードがほぼ全国民に行き渡ることを目指す。こうした目標に沿いまして、総務省を中心となって取組を進めているところでございます。
先ほど末松委員から、自治体においてそうしたマイナンバーカードの普及に努めていただいている取組についても御紹介いただきました。私どもとして、自治体にも御協力いただきながらこうした取組を進めているところでございます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
本件の医療DXについては、委員の方々から非常に貴重な御意見を多数頂戴いたしました。これまでいただいた御意見を踏まえて附帯意見案を作成いたしまして、この後「答申附帯意見案について」を追加議題といたしまして、さらに意見が調整できるか、御議論いただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
それでは、ここで一旦休憩といたします。
休憩中に、事務局は附帯意見案を作成して委員の方々に配付していただきます。その上で、1号側委員、2号側委員の皆様はそれぞれ分かれてお話合いをお願いいたします。その後、会議を再開いたしまして「答申附帯意見案について」を議題として議論していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、休憩に入ります。お願いいたします。

(休 憩)

○小塩会長
それでは、再開いたします。よろしいでしょうか。
先ほど、医療DXに関していろいろ御意見を頂戴いたしました。さらに意見調整ができるかどうか、事務局より答申附帯意見案を出していただきましたので、これを議題といたします。
事務局より追加資料として答申附帯意見案が提出されておりますので、その説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。それでは、答申の附帯意見案について御説明させていただきます。
追加で送らせていただきました資料、総-9を御覧いただけますでしょうか。御議論いただいておりました医療DXにつきまして、小塩会長の御指示、また、委員の皆様からの御意見等を踏まえまして、答申書附帯意見の素案を作成させていただきました。3つございますので、簡潔に御説明させていただきます。
1つ目であります。「関係者それぞれが令和5年4月からのオンライン資格確認の導入の原則義務化に向けて取組を加速させること。その上で、令和4年末頃の導入の状況について点検を行い、地域医療に支障を生じる等、やむを得ない場合の必要な対応について、その期限も含め、検討を行うこと」。
2つ目。「今回新設された医療情報・システム基盤整備体制充実加算に関し、その評価の在り方について、算定状況や導入状況も踏まえつつ、患者・国民の声をよく聴き、取得した医療情報の活用による医療の質の向上の状況について調査・検証を行うとともに、課題が把握された場合には速やかに対応を検討すること」。
3つ目。「オンライン資格確認を医療DXの基盤として、今後、患者の同意の下でいかすことができる患者の健康・医療情報が拡大し、さらに安心・安全でより良い医療が受けられる環境が整備されていくということが、患者・国民に広く浸透するよう、関係者が連携して周知を図っていくこと」。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいま説明のあった件につきまして、御意見等がございましたらよろしくお願いいたします。
長島委員、お願いいたします。
○長島委員
ありがとうございます。附帯意見について、3項目の案が示されておりますが、いずれも適切なものであり、了承いたします。
特に、オンライン資格確認の導入義務化に伴って加速化していく中で、現場で様々な課題が生じてくることが予想されます。日々の地域医療の継続において支障が生じないような配慮が盛り込まれたことを感謝するとともに、診療側全体として、これを機にこの取組をこれまで以上に加速していきたいと思います。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。御提示いただきました附帯意見案の3項目について、2つの確認・質問と1つ要望がございます。
まず、1つ目のオンライン資格確認の導入につきまして、附帯意見1番に「やむを得ない場合の必要な対応について、その期限も含め、検討を行うこと」という記載がございますが、やむを得ない場合の範囲や対応の期限については中医協において改めて検討するということでよろしいか、確認させていただきたいと思います。
次に、2点目の加算について、医療情報・システム基盤整備体制充実加算の新設を前提とした書きぶりとなっておりますが、了承したわけではないことを前提に発言させていただきます。
我々、支払側は、診療報酬の加算については国民・患者の理解が不可欠であることをずっと述べてきております。附帯意見案には「課題が把握された場合には速やかに対応を検討すること」と書かれておりますが、中医協で行う検証・調査だけではなく、あらゆる機会を通じて国民・患者の声を受け止め、中医協として対応を検討することでいいのか、確認させていただきたいと思います。
最後に、オンライン資格確認を医療DXの基盤として国民・患者へ周知することは診療報酬の取扱いがどのようになろうとも必要なことであります。国として医療DX・オンライン資格確認を推進するのであれば、関係者が共通の認識を持てるよう、周知につきましては国の責任において広報ツールを作成し提供いただきたい。これが要望でございます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員から事務局に対して御質問をいただいております。回答をお願いいたします。
○水谷医療介護連携政策課長
医療介護連携政策課長でございます。1点目、やむを得ない場合の必要な対応について中医協で改めて検討するのかということで御質問を頂戴いたしました。
今回、原則義務化、その対象、それから、例外につきまして、保険医療機関及び保険医療養担当規則、いわゆる療養担当規則の改正という形で短冊を示して御議論いただいてございます。やむを得ない場合の必要な対応がまさにこの療担規則で今回お示ししている内容を変えるものであれば、それについては当然、この中医協で御議論いただくことになるものでございます。
以上です。
○眞鍋医療課長
続きまして、医療課長でございます。この課題が把握された場合の速やかな対応の検討でございます。
これにつきましては、加算の評価の在り方について、短冊で、協議でお受けいただきました御意見を踏まえてまとめさせていただきました。具体的には「患者・国民の声をよく聴き、取得した医療情報の活用による医療の質の向上の状況について調査・検証を行う」につきましては、既に令和4年度改定でも附帯意見にオンライン資格確認に係る内容が含まれております。その中で中医協において検証部会で議論することとして了承いただいたことを踏まえたものとなってございます。
また、加えまして、御指摘のように、診療報酬改定におきましては、これまでも様々なチャネルを通じて、いただいた御意見を事務局において整理し、この場にでも提示することも行っているところでございます。そこにつきましては、今後の状況も踏まえつつ、必要に応じて検討して対応してまいりたいと考えております。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御意見等はないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
以上をもちまして、本件の医療DX、それから、先週まで議論していただいておりました看護の処遇改善についての議論を一通り行いましたので、この後、休憩を挟んだ上で「答申について」を追加議題といたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、ここで一旦休憩といたします。
休憩中に、事務局は答申案を作成して委員に配付していただき、その上で、1号側委員、2号側委員の皆様はそれぞれ分かれてお話合いをお願いいたします。その後、会議を再開し「答申について」を議題として御議論いただくことといたします。
それでは、休憩といたします。よろしくお願いいたします。

(休 憩)

○小塩会長
それでは、再開いたします。
「答申について」を議題といたします。
令和4年度診療報酬改定のうち、看護の処遇改善につきましては本年7月27日に、また、医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務づけ及びこれに伴う診療報酬上の加算の取扱いにつきましては本年8月3日に、それぞれ厚生労働大臣から諮問されました。
ここで、これまでの中医協における議論の成果を踏まえ、答申書案及びこれに添付する附帯意見、診療報酬点数表等の改正案が提出されております。その内容につきまして、事務局から補足することなどがございましたらよろしくお願いいたします。
○眞鍋医療課長
医療課長でございます。それでは、先ほど用意させていただきました資料につきまして、私から補足、そして、説明をさせていただきたいと思います。
まず、令和4年度診療報酬改定(看護の処遇改善)についてでございます。資料は総-10を御覧ください。こちらは前回、8月3日に御議論いただきましたいわゆる短冊の資料でございます。これは答申書には含まれませんけれども、前回までの御議論を踏まえまして具体的な点数などを追加したものでございます。
御覧いただきますと、2ページで、看護職員処遇改善評価料で、1、2、3ということで1点から3点。そして、145、146、147として、145までは1点刻みで、その後は5点刻み、そして、その後は10点刻みという形の点数となってございます。
次に、総-11でございます。こちらは答申書となっております。本日の日付で中央社会保険医療協議会小塩隆士会長から厚生労働大臣後藤茂之宛ての「答申書(令和4年度診療報酬改定(看護の処遇改善)について)」となっております。
別紙でございますけれども、診療報酬の算定方法の改正案で、別紙1が医科診療報酬点数表、別紙2が歯科診療報酬点数表となっております。
以上の総-11、そして、別紙1及び別紙2が令和4年度診療報酬改定(看護の処遇改善)についての答申案となっております。
次に、医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務づけ及びこれに伴う診療報酬上の加算の取扱いについてでございます。資料は総-12のシリーズを御覧ください。
総-12-1は、先ほど御議論いただきました短冊の資料でございます。それに具体的な数値を入れたものでございます。これは先ほどと同様、答申書には含まれませんけれども、先ほどの御議論を踏まえまして具体的な点数の追記を行ってございます。
総-12-2も先ほどお示ししました概要資料で、同様に具体的な点数を追記してございます。
点数について御紹介させていただきます。総-12-2の真ん中のところで、詳細を申し上げますと、医科・歯科については、マイナ保険証を利用しない場合が4点、そして、利用する場合は2点。一月に1回、初診の場合の算定となります。また、調剤につきましては、マイナ保険証を利用しない場合は3点、利用する場合は1点。こちらはいずれも六月に1回の算定となるところでございます。
続いて、総-13でございます。こちらは答申書となっております。本日の日付で中央社会保険医療協議会小塩隆士会長から厚生労働大臣後藤茂之宛ての「答申書(医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務付け及びこれに伴う診療報酬上の加算の取扱いについて)」となっております。
2ページ目は別添となっております。先ほどの御議論を踏まえました答申書附帯意見となっております。
別紙でございますけれども、別紙1が診療報酬の算定方法の改正案で、別紙1-1が医科診療報酬点数表、別紙1-2が歯科診療報酬点数表、別紙1-3が調剤報酬点数表となっております。別紙2が保険医療機関及び保険医療養担当規則、いわゆる療担規則の改正案でございます。別紙3が保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則、いわゆる薬担規則の改正案でございます。別紙4が高齢者の医療の確保に関する法律、いわゆる高齢者医療確保法の規定による療養の給付等の取扱い及び担当に関する基準の改正案でございます。
以上の総-13、附帯意見、そして、別紙1から別紙4までが医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務づけ及びこれに伴う診療報酬上の加算の取扱いについての答申案となっております。
これらの答申につきまして御了承いただけた場合には、9月上旬の省令・告示の公布を目指して事務的な作業を進めさせていただきたいと考えております。
何とぞ御審議のほど、よろしくお願いしたいと思います。
御説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、1号側委員、2号側委員を代表して、それぞれ御発言等がございましたらよろしくお願いいたします。
最初に、1号側委員、よろしくお願いいたします。松本委員、お願いいたします。
○松本委員
どうもありがとうございました。ただいまいただきました休憩中に協議した結果につきまして、支払側を代表して申し上げます。
まず、今回の議事運営につきましては、小塩会長には御配慮を賜り非常に感謝する次第でございます。また、審議を尽くしていただいた公益委員の皆様、診療側委員の皆様、さらには、様々な対応に御尽力いただいた厚生労働省事務局の皆様に感謝を申し上げます。
今回、案件が2つございますので、分けて我々の見解を述べさせていただきます。
まず、1つ目、看護の処遇改善で、答申案については異論はございません。現時点で持ち合わせたデータの範囲の中で、可能な限り過不足が少なく、検証が可能な仕組みだと考えます。対象となる職員の賃金アップに確実につながるよう現場の適切な対応を期待いたします。
続きまして、医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の義務化につきましてコメントいたします。
結論といたしましては、我々の懸念を全て解消するには至っておりませんけれども、附帯意見案の内容が担保されることを前提として、答申案を受け入れることといたします。その上で総括コメントの形で説明させていただきます。
医療DXを推進することは、患者の安全・安心と効率的で効果的な医療にとって極めて重要です。そのステップとして、オンライン資格確認等システムを通じた患者情報等の活用について国民・患者が理解・納得することが必須です。オンライン資格確認の義務化について、今後、導入状況を注視し、対象となる全ての医療機関・薬局において令和5年4月まで運用が開始されますよう医療現場の取組と国による適正な対応を改めて強くお願いいたします。
診療報酬の加算については、先ほど来、申し上げておりますけれども、現行の加算を一旦凍結することを含め、国民・患者の声をよく聴き、丁寧に時間をかけて議論すべきだと考えております。なぜなら、患者に負担をお願いする以上、医療の質の向上について、患者の理解と納得がこれらについても非常に重要であります。この基本認識については変わっておりません。
ただ一方で、時間をかけることで義務化がいたずらに遅れ医療DXに支障を来すことはまた大きな問題となります。こうした観点で見た場合に、附帯意見に、国民・患者の声をよく聴き、課題があれば速やかに対応を検討することが示されました。また、オンライン資格確認の令和5年4月の原則義務化に向け導入を加速させること、やむを得ない場合の対応については中医協で改めて検討すること、さらに、薬剤情報等の活用によるメリットや医療の質の向上の状況について患者の実感も含めた調査・検証についても中医協で対応することが確認できました。これらを中医協として重く受け止めるという共通認識を持つことには大きな意義があり、一定の前進と捉えました。
また、加算の仕組みにつきましては、位置づけが情報の活用に対する評価から体制の評価になり、マイナ保険証を使うと患者負担が高くなることは解消されますが、診療報酬に加算される構造は変わっておりません。さらに、従来の保険証を使用した場合に加算が高くなることや、しばらくの間は多数存在するであろうオンライン資格確認等システムを導入していない医療機関を受診した場合に患者負担が最も低いことなども新たな懸念材料になります。
繰り返しとはなりますが、マイナ保険証の利用が健全な形で普及するためには国民・患者が医療の質の向上を実感することが何より大切であります。今後、国民・患者が理解・納得していただけるよう、医療現場においては薬剤情報等の活用により医療の質がさらに高まるようにお願いいたします。また、中医協としては国民の声に真摯に対応していくとともに、関係者が周知・広報をしっかり行うために適切な支援を国に要望いたします。
以上のことから、附帯意見を踏まえ、答申案を受け入れることといたします。
以上であります。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、2号側を代表いたしまして、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
ありがとうございます。診療側を代表して私から発言いたします。
まず、これまで御苦労いただいた全ての関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
看護の処遇改善の対応につきましては、入院・外来分科会と総会の丁寧な議論の積み重ねに基づく内容でありますので、診療側として同意したいと思います。
医療DXにつきましても、診療側として答申案に賛成したいと考えます。
オンライン資格確認等システムは、今後の日本の医療全体にわたるプラットフォーム、医療DXの基盤になるもので、義務化いかんにかかわらず最終的には全ての医療機関・薬局に導入されるべきものと考えております。この基盤を活用して、患者さんの薬剤情報や健診情報、他の医療機関での診療情報などの正確な情報を入手・活用し、より安心・安全で質の高い医療を提供することこそが医療DXの根幹であります。
これにより国民・患者の皆様が受ける恩恵は非常に大きなものと期待されますことから、三師会で推進協議会を立ち上げ、これまで取り組んでまいりました。今後、未導入の医療機関・薬局に対して全力で導入を進めていく必要があり、紙レセプトで請求している機関以外のところでは一刻も早く導入に向けた取組を始めていただくよう意識を変える必要があると理解しています。既にカードリーダーを申請いただいている機関、まだ申請いただいていないところに対して今回の導入補助金の変更や診療報酬改定について丁寧に説明しつつ、診療側として導入の加速に向け尽力していく所存でおります。
一方、医療機関等の責任とは言えないやむを得ない事情により4月に間に合わない事態が生じてしまう懸念がどうしても払拭できない点に関しては、今後の導入状況を把握して、その結果によって必要な対応を講ずることがあり得ると中医協で共有していただくことが必要である旨、再度述べさせていただきます。
最後に、今回新設された加算につきましては、その運用をしっかり見てまいりたいと考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、この答申書及び附帯意見をもって中医協から答申を行うこととしたいと思いますが、いかがでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、事務局におかれましては、答申書の正本の準備をお願いいたします。
本日は佐藤厚生労働副大臣がお見えですので、私より副大臣に答申書をお渡ししたいと思います。
(小塩会長から佐藤厚生労働副大臣へ答申書を手交)
○小塩会長
それでは、副大臣より一言御挨拶を頂戴いたします。よろしくお願いいたします。
○佐藤厚生労働副大臣
小塩会長はじめ、委員の皆様におかれましては、日頃から厚生労働行政の推進に関して御指導いただき心から感謝を申し上げます。
ただいま、看護の処遇改善、そして、医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務づけ及びこれに伴う加算の見直しについての答申を頂戴いたしました。短期間でありながらも精力的に御議論いただき答申を取りまとめていただいたこと、改めてお礼を申し上げたいと思います。
看護の処遇改善につきましては、既に実施されている補助金の制度からの継続性にも配慮しつつ、保険医療機関の実情に応じたきめ細かな評価が行われるよう御配慮いただいたものと考えております。
また、医療DX・オンライン資格確認につきましては、保険医療機関等にその導入を原則義務づけた上で、診療報酬について、患者の情報の取得・活用による医療の質の向上を評価するとともに、マイナ保険証を用いた場合には点数が低くなる設定とするなど、医療DXを進めていく観点から重要な見直しになっているものと考えております。
厚生労働省といたしましても、この答申に基づいて速やかに省令などの整備を行い、本年10月の診療報酬の改定、そして、来年4月からのオンライン資格確認の導入の原則義務づけの施行に向けて、関係者の皆様と連携しつつ、準備に万全を期してまいる所存であります。
また、附帯意見としていただいた事項にございます医療の質の向上の状況についての調査・検証やオンライン資格確認が患者・国民に広く浸透するよう周知を図ることなどにつきましても真摯に受け止めて対応してまいります。
引き続き、国民皆保険を堅持し、国民が望む安心・安全で質の高い医療の実現に向けて、委員の皆様の御議論を賜りますよう、心からお願いを申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。
本日は大変にありがとうございました。
○小塩会長
副大臣、どうもありがとうございました。
それでは、会長として、私からも一言御挨拶申し上げます。
診療報酬をめぐっては、本年2月に令和4年度診療報酬改定の答申をまとめたところですが、今回、さらに看護の処遇改善と医療DX・オンライン資格確認の2点について御議論いただき、本日、答申をまとめることができました。
このうち、看護の処遇改善は、看護に携わる方々の貢献を社会的に正当に評価し、働き方改革にも資するものと言えます。現行の補助金の仕組みからの円滑な移行を目指し、診療報酬面でどのように評価を反映すべきか、昨年度から分科会を含む委員の皆様に熱心に議論をしていただきました。
一方、医療DX・オンライン資格確認には医療DXの基盤整備を加速する効果が期待されます。導入の原則義務化という政府の方針に基づいて将来的な視点からの議論を、極めて限られた時間の中で、皆様には精力的に議論していただきました。いずれの課題におきましても、1号側、2号側、両方の委員の方々から患者・国民の視点を重視した御意見、御議論を数多く頂戴いたしました。とりわけ、診療報酬が患者にどのように影響するか、それから、医療の質の向上につながるためにはどのような仕組みが必要かといった点での御議論がなされたことは非常に意義深いことだと思います。
なお、本日まとめていただいた附帯意見の中には、新設された医療DXの加算に関する評価の在り方につきまして、今後の調査・検証や課題への対応を政府に要請したところでございます。その中身を改めて見てみますと、医療DXのメリットを国民全員が享受するためには私たち中医協がほかの審議会等と連携しつつ真摯に取り組むべき課題も多く、私たちは自分で自分に重い宿題を課したような形になっている面もあります。
私たちは引き続き、国民・患者の視点を第一にいたしまして制度のさらなる充実を目指す必要があると思います。委員、専門委員の方々には一層の御協力、御指導をお願いする次第です。
どうもありがとうございました。お礼申し上げます。
以上をもちまして「答申について」の議題は終了いたします。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日の総会は、これにて閉会といたします。長時間どうもありがとうございました。
 

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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