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2022年6月1日 中央社会保険医療協議会 総会 第522回議事録

○日時

令和4年6月1日(水)診療報酬基本問題小委員会終了後~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 鈴木順三委員
城守国斗委員 長島公之委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 中村春基専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○医薬品の新規薬価収載について
○最適使用推進ガイドラインについて
○DPC対象病院の合併に係る報告について
○令和4年度改定を踏まえたDPC/PDPSの現況について
○診療報酬基本問題小委員会からの報告について

○議事 

○小塩会長
それでは、ただいまより、第522回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、末松委員と羽田専門委員が御欠席です。
それでは、早速議事に入らせていただきます。
最初に、「医薬品の新規薬価収載について」を議題といたします。
本日は、薬価算定組織の前田委員長にお越しいただいておりますので、前田委員長より御説明をお願いいたします。
○前田薬価算定組織委員長
薬価算定組織の委員長の前田でございます。
私から、今回検討いたしました新医薬品の算定結果について御報告いたします。
資料中医協総-1-1を御覧ください。
今回報告する新医薬品は、1ページの一覧表にありますとおり、3成分5品目です。
それでは、算定内容について御説明をいたします。
1品目めのボカブリア錠です。
資料2~3ページを御覧ください。
本剤は、HIV-1感染症を効能・効果とし、緊急収載品目となっております。
本剤は、テビケイ錠50mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたします。
また、本剤は希少疾病用医薬品の指定を受けていることから、市場性加算(Ⅰ)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は30mg1錠3,541.60円となりました。
2品目めのボカブリア水懸筋注です。
資料4~5ページを御覧ください。
本剤は、HIV-1感染症を効能・効果とし、緊急収載品目となっております。
本剤は、テビケイ錠50mgを再類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、治療方法を改善することから有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用すること、また、希少疾病用医薬品の指定を受けていることから市場性加算(Ⅰ)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
また、算定した薬価が外国平均価格の1.25倍を上回っていることから、外国平均価格調整によって引下げを行いました。
その結果、本剤の算定薬価は、汎用規格で600mg1mL1瓶25万3850円となりました。
3品目めのリカムビス水懸筋注です。
資料6~7ページを御覧ください。
本剤は、HIV-1感染症を効能・効果とし、緊急収載品目となっております。
本剤は、エジュラント錠25mgを再類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は治療方法を改善することから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
また、算定した薬価が外国平均価格の1.25倍を上回っていることから、外国平均価格調整によって引下げを行いました。
その結果、本剤の算定薬価は、汎用規格で900mg3mL1瓶13万310円となりました。
以上で資料総-1の説明を終わります。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
引き続き、事務局から補足と説明がございましたらお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-1-1について補足はございません。
総-1-2を御覧ください。
総-1-2につきましては、処方日数制限のいわゆる14日ルールの例外的な取扱いについてでございます。
2ポツを御覧ください。先ほど御説明のありました品目のうち、ボカブリア錠につきましては、HIV感染症の治療薬であり、市販後は原則として全例調査が義務づけられるなど、厳格な安全性確保の枠組みが設けられていることを踏まえまして、これまでの抗HIV薬と同様に処方日数の制限を設けないこととしてはどうかというものでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○小塩会長
ありがとうございます。それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
前田委員長、どうもありがとうございました。
続きまして、「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○吉田医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
医薬品審査管理課長でございます。
それでは、私のほうから、まず中医協総-2-1及び総-2-2に基づきまして御説明させていただきます。
まず、中医協総-2-1でございますけれども、アテゾリズマブの最適使用推進ガイドラインでございます。
いわゆるテセントリクでございますが、これについては、令和4年5月26日に非小細胞肺がんに係る効能・効果追加の一部変更承認がなされ、同日付で最適使用推進ガイドラインを発出しておりますので、報告するものでございます。
本ガイドラインの構成については、これまで作成しているテセントリクの最適使用推進ガイドラインと基本的に同じでございます。
2ページ目でございますが、「はじめに」ということでございます。変更箇所は網掛けをしておりますが、効能・効果でございますが、PD-L1陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法を追加する形になっております。
その用法・用量として、3ページのほうにございますけれども、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1,200mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。投与間隔は12か月間までとする。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与間隔は30分まで短縮できるというような形で追加しております。
5ページから臨床成績が出ておりますけれども、今回追加の部分については11ページまで進めていただきまして、プラチナ製剤を含む術後補助療法後の術後病理期間IB期からⅢA期の非小細胞肺がん患者を対象とした臨床試験が実施され、いわゆる主要評価項目であるⅡ期またはⅢA期かつPD-L1発現率が1%以上の集団における無病生存期間について、対照群と比較して本剤群で有意な延長が示されたという結果でございます。
14ページからでございますけれども、PD-L1発現率、いわゆるTCですが、これにより有効性が異なる傾向が示唆されてございます。PD-L1発現率が1%以上かつ50%未満の患者集団では、全生存期間、いわゆるOSが対照群と比較して本剤群を下回るような傾向が見られている。解析するとそういう形になっているということでございます。それは15ページから16ページのところでございます。
それから、安全性プロファイルについては22ページからでございますが、今回の試験成績で新たな懸念は認められておりませんで、適切な注意喚起を実施することで管理可能ということで、本剤の安全性は許容可能と考えてございます。
施設基準等でございますが、24ページからでございます。施設としまして、1-1の(4)については、今回の令和4年度の診療報酬改定の読み替え規定に伴う変更でございます。
それから、1-2については、このたび追加されます適用が術後補助療法であることなどを踏まえまして、呼吸器外科に関わるような内容を追加した形になってございます。
なお、25ページですが、テセントリクの添付文書の重要な基本的注意あるいは重大な副作用の項に肝炎・硬化性胆管炎が追加されたことに伴いまして、25ページの「3-3 副作用の診断や対応に関して」の項に肝炎・硬化性胆管炎を追加するという形にしております。
26ページからは対象となる患者でございますが、特に26ページの真ん中辺りですが、有効性に関する事項については、プラチナ製剤を含む術後補助療法後の術後病理病期Ⅱ期またはⅢA期のPD-L1陽性の非小細胞肺がん患者に対して本剤の有効性が示されているという旨を追記しております。
それから、先ほども御説明しましたPD-L1の発現率により本剤の治療効果が異なる可能性が示唆されているということも踏まえまして、27ページの下、6にはPD-L1発現率を確認した上で本剤投与の可否を考慮いただくような記載をしてございます。
それから、安全性に関する事項は特段変更はございません。
最後、29ページから30ページにかけまして、投与に際しての留意すべき事項ですが、29ページの真ん中辺りは、先ほど申しました肝炎硬化性胆管炎を追加したという部分と、最後30ページの6ですけれども、このたび提出された臨床試験における有効性評価の規定、あるいは本剤の投与期間について追記したという形になってございます。
続きまして、中医協総-2-2でございます。ニボルマブについての最適使用推進ガイドラインです。
いわゆるオプジーボでございますが、これについても令和4年5月26日に食道がんに係る効能・効果の変更に係る一部変更承認がなされ、同日付で最適使用推進ガイドラインを発出しておりますので、報告するものであります。
こちらについても、これまで作成したオプジーボの最適使用推進ガイドラインと基本的には同じでございます。
2ページ目でございます。「はじめに」ということですけれども、効能・効果については、これまでは「がん化学療法後に増悪した」という縛りがついておりましたが、今般、化学療法未治療の患者における臨床試験成績が得られたことを踏まえまして、その縛りの部分を削除した形、すなわち根治切除不能な進行再発の食道がんというような効能・効果に変更してございます。
それから、用法・用量の関係では、化学療法未治療の患者における臨床試験成績は他の抗悪性腫瘍剤との併用において得られているということを踏まえまして、臨床成績に基づく内容に用法・用量も追加した形にしております。
臨床試験でございます。4ページから臨床成績が出ておりますが、今般のものについては、6ページからでございます。
6ページですが、化学療法未治療の根治切除不能な進行再発の食道がん患者を対象とした臨床試験が実施され、対象とされた化学療法と比較して本剤とイピリムマブの併用投与及び本剤と化学療法の併用投与、ともに全生存期間、いわゆるOSの有意な延長が示されたという結果でございます。
それから、8ページでございます。こちらについても、先ほどと同様、PD-L1の発現率により有効性が異なる傾向というのが示唆されております。具体的に、PD-L1の発現率が1%未満の患者集団では、無増悪生存期間及び全生存期間の延長効果が小さい可能性が示唆されているという結果になってございます。
安全性プロファイルは11ページから12ページにかけてですが、こちらについては新たな懸念は認められず、適切な注意喚起で管理可能ということで、安全性は許容可能と考えております。
13ページでございますが、イピリムマブまたは化学療法と併用する場合の本剤の用法・用量としまして、1回240mgを2週間間隔、1回360mgを3週間間隔、または1回480mgを4週間間隔と設定した根拠の一つとなる母集団薬物動態モデルを利用したシミュレーションの結果というのもここに記載させていただいております。
14ページからが施設の基準でございますが、こちらについては、先ほどと同様、今般の診療報酬改定に伴う読み替えによる変更の対応のみとなってございます。
16ページからが投与対象となる患者でございますが、こちらについても、有効性に関する事項としましては、化学療法未治療の患者に対する併用投与に関する内容を追加したという形になってございます。
また、PD-L1の発現率により本剤の治療効果が異なる傾向が示唆されているということを踏まえまして、16ページの真ん中、2としまして、PD-L1発現率を確認した上で投与の可否を考慮いただくような記載を追加しております。
安全性に関しては変更はございません。
最後18ページからですが、投与に際しての留意すべき事項としましては、3として内容を追記するという形をとっておりますし、最後、5については、このたび提出された臨床試験を含めた内容となるような記載を変更してございます。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
引き続き、事務局から補足の説明はございますでしょうか。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-2-3を御覧ください。
保険適用上の留意事項についてでございます。
まず、こちらが先ほど御説明のありましたテセントリクに対するものでございます。
3番としまして留意事項の内容がございます。(2)診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項ですけれども、1、施設要件についていずれに該当するか。2、医師要件についていずれに該当するか。次の2ページ目、3につきまして、PD-L1陽性を確認した検査の実施年月日、検査結果。
としております。
こちらにつきましては、4番にありますけれども、先ほど御説明のあったとおり、効能追加がありました5月26日にこれにつきましても発出しており、同日付適用としております。
続きまして、総-2-4を御覧ください。
こちらがオプジーボについての保険適用上の留意事項についてでございます。
3番、留意事項の内容としまして、(2)診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項につきましては、先ほど御説明があったとおり、他の抗悪性腫瘍剤との併用ということですので、その場合にはその旨を記載いただくこととしております。
こちらにつきましても、4番にありますとおり、5月26日付で発出しており、同日付適用としております。
以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして、「DPC対象病院の合併に係る報告について」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、資料総-3「DPC対象病院の合併に係る報告について」でございます。
1の概要にも記載してございますように、DPC対象病院に合併の予定があり、合併後もDPC制度への継続参加を希望する場合は、DPC制度への継続参加の可否について保険局医療課内において確認をし、その結果の御報告を行うということとしております。
今般、御報告させていただきますのは、合併事例のところでございます。医療法人錦秀会阪和記念病院及び医療法人錦秀会阪和住吉総合病院について、6月1日に合併し、合併後もDPC制度に継続参加するということですので、御報告をさせていただきます。
以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件に関わる質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして、「令和4年度改定を踏まえたDPC/PDPSの現況について」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、資料総-4-1、4-2となります。「令和4年度改定を踏まえたDPC/PDPSの現況について」でございます。
本報告につきましては、診療報酬改定が終わった段階で診療報酬改定における対応等につきまして取りまとめて御報告をさせていただいているものでございます。
総-4-1には改定の全体的な概況、総-4-2には既にお示ししている改定の内容に加えて、DPC対象病院数、医療機関別係数に係るデータ等をまとめております。
あわせて、総-4-3につきましては、DPC対象病院・準備病院の規模についてお示しし、総-4-4については医療機関別の機能評価係数2の内訳、総-4-5については医療機関別の地域医療指数における体制評価指数の内訳を示しております。御覧いただければと考えております。
御報告は以上となります。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして何か御質問等はございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
報告事項ということでございますが、2つほどコメントをさせていただきたいと思います。
今、御報告がありました総-4-1の冒頭部分、あるいは総-4-2等を拝見いたしますと、DPC対象病院の数に関しては、病床数はほぼ横ばいですけれども、施設数については増加し続けているということが改めて分かりました。
急性期病院の分化、強化という流れの中で、今後、DPC病院の在り方についても課題になるのではないかという認識を持った次第ですので、コメントさせていただきます。
それと、個別のテーマになりますけれども、資料の総-4-2の最後のページに、昨今話題になっておりますが、G-MISの参加割合についてのデータが出ておりますけれども、DPC病院であればぜひG-MISには参加していただきたいと思いますので、現場の取組が進みますように、厚生労働省におかれましても御対応いただきたいということでございます。
以上2点です。ありがとうございました。
○小塩会長
コメントどうもありがとうございました。
ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして、「診療報酬基本問題小委員会からの報告について」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
基本問題小委におきまして、資料総-5-1からございます看護の処遇改善についての議論を行っていただきました。
その中で、まずは入院・外来医療等の調査・評価分科会の尾形会長から分科会での検討状況を御報告いただきました後、分科会での御意見が出たということで、総-5-2にありますように、こういう御意見が出たという御紹介をいただきました。
基本問題小委のほうでは、看護職員のばらつき、算定回数等のばらつきといったものをどう見るのか、この点数についてはきめ細やかさ、シンプルさを前提とする必要があるというようなこと、患者負担への説明というような観点で御意見が出たと考えております。
今後は、また入院・外来医療等の調査・評価分科会において、本日基本問題小委のほう出ました御意見等をフィードバックさせていただいて、検討を引き続き行っていただきたいと考えております。
事務局からは以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、特に御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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