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2022年4月13日 中央社会保険医療協議会 総会 第519回議事録

○日時

令和4年4月13日(水)11:00~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 鈴木順三委員 末松則子委員
城守国斗委員 長島公之委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 中村春基専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○医薬品の新規薬価収載について
○再生医療等製品の保険適用について
○最適使用推進ガイドラインについて
○費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて
○DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について
○在宅自己注射について
○公知申請とされた適応外薬の保険適用について
○DPC対象病院の合併に係る報告について
○歯科用貴金属価格の緊急改定について

○議事 

○小塩会長
お待たせいたしました。ただいまより第519回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、羽田専門委員が御欠席です。永瀬委員、末松委員におかれましては、遅れて御出席と伺っております。
それでは、早速議事に入らせていただきます。
最初に「医薬品の新規薬価収載について」を議題といたします。
本日は、薬価算定組織の前田委員長にお越しいただいております。前田委員長より御説明をお願いいたします。
○前田委員長
薬価算定組織の委員長の前田でございます。
私から、今回検討いたしました新医薬品の算定結果について報告いたします。
資料中医協総-1を御覧ください。
今回報告する新医薬品は、1ページの一覧表にありますとおり、8成分11品目となります。
それでは、算定内容について御説明いたします。
1品目め、レイボー錠です。資料2から3ページを御覧ください。本剤は片頭痛を効能・効果とし、レルパックス錠20mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。本剤は臨床上有用な新規作用機序の医薬品であることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は汎用規格で100mg1錠570.90円となりました。
2品目め、リフヌア錠です。資料4から5ページを御覧ください。本剤は難治性の慢性咳嗽を効能・効果とし、原価計算方式により算定いたしました。なお、本剤は製造販売業者より新薬創出等加算の別表10の要件に該当する旨の不服意見がございました。それを受けまして、第2回算定組織で検討した結果、当初算定案どおり、要件には該当しないと判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は45mg1錠203.20円となりました。
3品目め、ルマケラス錠です。資料6から7ページを御覧ください。本剤はがん化学療法後に増悪したKRAS G12C変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんを効能・効果とし、アルンブリグ錠90mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。本剤は臨床上有用な新規作用機序の医薬品であること、また、標準的治療法に位置づけられることから、有用性加算(Ⅰ)の35%加算を適用すること、また、希少疾病用医薬品の指定を受けていることから、市場性加算(Ⅰ)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は120mg1錠4,204.30円となりました。
4品目め、ピヴラッツ点滴静注液です。資料8から9ページを御覧ください。本剤は脳動脈瘤によるくも膜下出血術後の脳血管攣縮、及びこれに伴う脳梗塞及び脳虚血症状の発症抑制を効能・効果とし、原価計算方式により算定いたしました。本剤は既存治療で効果不十分な患者で効果が認められていることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は150mg6mL1瓶8万596円となりました。
5品目め、エヌジェンラ皮下注です。資料10から11ページを御覧ください。本剤は骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症を効能・効果とし、ノルディトロピンフレックスプロ注10mg、ヒューマトロープ注射用12mg及びグロウジェクト皮下注12mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。本剤は小児を対象とした国内臨床試験を実施しており、小児加算の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は汎用規格で24mg1キット4万3032円となりました。
6品目め、ビンゼレックス皮下注です。資料12から13ページを御覧ください。本剤は既存治療で効果不十分な疾患、尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を効能・効果とし、コセンティクス皮下注150mgペンを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。本剤は客観性及び信頼性が確保された方法により類似薬に比した高い有効性が示されることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は160mg1mL1キット15万6820円、160mg1mL1筒15万6587円となりました。
7品目め、ウィフガート点滴静注です。資料14から15ページを御覧ください。本剤は全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)を効能・効果とし、原価計算方式により算定いたしました。本剤は臨床上有用な新規作用機序の医薬品であることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用すること、また、希少疾病用医薬品の指定を受けていることから、市場性加算(Ⅰ)の10%加算を適用とすることが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は400mg20mL1瓶42万1455円となりました。
8品目め、ラピフォートワイプです。資料16から17ページを御覧ください。本剤は原発性腋窩多汗症を効能・効果とし、エクロックゲル5%を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。その結果、本剤の算定薬価は2.5%2.5グラム1包262.00円となりました。
私からの報告は以上となります。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
引き続き、事務局から補足と説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
総-1の資料につきまして、補足説明させていただきます。
1ページ目を御覧ください。今回収載予定の新薬のうち、費用対効果評価の対象品目が4品目ございますので、御説明させていただきます。
一番左端、番号でいきますと2番目のリフヌア錠につきましては、原価計算方式で開示度が50%未満、市場規模が100億円以上ということで、H1区分に該当します。
4番目、ピヴラッツ点滴静注液、こちらが原価計算方式で有用性加算の対象、市場規模予測が100億円以上ということで、H1品目に該当します。
6番目、ビンゼレックス皮下注につきまして、類似薬効比較方式で有用性加算の対象となっているもの、市場規模予測が100億円以上ということで、H1品目に該当します。
7番目、ウィフガート点滴静注につきましては、原価計算方式で有用性加算の対象となったもの、こちらは適応が指定難病になりますけれども、市場規模予測が350億円以上ということで、H1品目に該当するとなります。
続きまして、別の資料、資料総-1参考を御覧ください。
こちらは薬価改定ごとに新薬創出等加算の平均的な加算率をお示ししております。今般、令和4年度改定におきます新薬創出等加算の平均的な加算率としまして1.8%となりましたので、御報告させていただきます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等はございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。今年度もよろしくお願いいたします。
まず、新規の薬価収載について異論はございませんが、8番目のラピフォートワイプについてコメントと質問がございます。この薬は16ページにございますとおり、市場規模はピーク時の患者数が5万6000人程度、薬剤費が34億円ということでございますけれども、ワイプ剤という使い勝手のいい制汗剤であることを踏まえますと、想定した以上に使用される可能性も考えられますので、適正な保険給付の観点から、医療現場において適切な処方をお願いしたいというものでございます。
また、事務局に質問ですけれども、比較薬に挙げられておりますエクロックのように、重症患者に対象を限定するということでよいのか教えていただきたいと思います。
2つ目ですけれども、管理官から御説明がありました総-1の参考資料について少しコメントしたいと思います。この率は類似薬効比較方式(Ⅱ)の算定に使用する係数ということで、審議事項でないことは十分承知しておりますけれども、この加算率の推移を見て感じたことを述べさせていただきたいと思います。平成22年度からの多少の上下はありますけれども、大きなトレンドとしては、徐々に加算率が低下して、制度改革の影響があるにしても、新薬創出加算品の値引き率が小さくなって、医薬品の価値に見合った市場での取引が行われるようになってきたと少なくとも言えると理解しております。また、加算が小さくなれば、当然のごとく累積額控除も小さくなりますけれども、加算と控除についてはタイミングがずれますので、加算が徐々に小さくなる局面においては相対的に控除が大きくなることは起こり得ることだと考えます。少し長くなりましたけれども、これについての感想をコメントさせていただきました。
以上、どうもありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございます。
松本委員から御質問をいただいていますが、事務局、いかがでしょうか。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
新薬の8番目、ラピフォートワイプにつきまして御質問いただきました。薬価算定の比較薬として用いましたエクロックゲル、同じ効能に対するお薬でこちらのほうがゲル剤となっておりますけれども、その際には、重症に限るというよりは効能である原発性腋窩多汗症の確定診断をきちんと行うこと、そして、この診断を行う際に重症度の評価尺度というものがあるのですが、それを確認し、摘要欄に記載することをお願いしております。今回のラピフォートワイプにつきましても、同様の留意事項通知の発出を予定しております。
以上でございます。
○小塩会長
松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
了解いたしました。
○小塩会長
それでは、お待たせいたしました。眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
ありがとうございます。
私からは要望事項を1点申し述べさせていただきたいと思います。令和4年度の薬価制度改革において、製造原価の開示度向上策として、開示度が50%未満の品目については有用性加算係数が0に引き下げられたところでありますけれども、今回は一覧表の4番目と7番目の2品目が該当しているところであります。昨年度の議論におきましても、この見直しについてはイノベーション評価の観点から少し懸念があるのではないかと指摘をさせていただいたところであります。今回の見直しの影響について、今後多面的に十分検証していただきますよう、お願いをさせていただきたいと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほか、御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
ほかに御質問等もないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「再生医療等製品の保険適用について」を議題といたします。
引き続き、前田委員長より御説明をお願いいたします。
○前田委員長
それでは、今回検討いたしました、新再生医療等製品の算定結果について御報告いたします。
資料中医協総-2を御覧ください。
再生医療等製品のアベクマ点滴静注です。本製品は再発または難治性の多発性骨髄腫に用いる再生医療等製品です。本製品はキムリア点滴静注を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。その結果、本製品の算定薬価は1患者当たり3264万7761円となりました。
以上で新再生医療等製品の算定結果について私からの説明は終わります。
○小塩会長
ありがとうございます。
引き続き、事務局から説明と補足がございましたら、よろしくお願いします。
○紀平薬剤管理官
特にございません。
○小塩会長
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
前田委員長、どうもありがとうございました。
続きまして「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○高畑再生医療等製品審査管理室長
医療機器審査管理課再生医療等製品審査管理室長でございます。
資料の総-3-1を御覧いただければと思います。アベクマ点滴静注の最適使用推進ガイドライン(案)につきまして御説明申し上げます。
2ページ目「1.はじめに」のところでございますけれども、ページの真ん中あたり、本ガイドラインの作成に当たりましては、関係7学会の御協力の下、作成をいたしております。
同じページの下から次のページにかけて、枠囲いの中でございますけれども、ここでは効能・効果または性能、用法用量、使用方法を記載しております。
5ページ以降でございますが、臨床成績を記載しております。有効性につきましては、再発または難治性の多発性骨髄腫患者を対象といたしました国際共同試験におきまして、主要評価項目とされた全奏功割合は、あらかじめ設定されました閾値奏功割合である50%を上回り、その中で日本人患者における全奏功割合は88.9%といった試験結果が得られております。
安全性につきましては、9ページ以降でございます。こちらでは本品の使用時に特に注意を要する有害事象といたしまして、サイトカイン放出症候群、神経障害などが認められております。
続きまして、具体的な施設基準等について、12ページを御覧いただければと思います。まず、施設につきましては、記載の(1)から(4)の全てに該当するといったことを求めております。具体的には、まず(1)に4つポツがございますけれども、1つ目のポツ、日本造血・免疫細胞療法学会が定める移植施設認定基準の全ての項目を満たす診療科、これは認定カテゴリー1と称しておりますけれども、そのカテゴリー1を有する施設であるということ。2つ目のポツが、その認定カテゴリー1の中の項目のうち、看護師、移植認定医及び移植コーディネーターの項目を除いた全ての項目を満たす診療科、こちらを認定カテゴリー2としておりますけれども、そういった施設。3ポツ目は、認定カテゴリー2からさらに移植実績の項目を除いた項目を満たす診療科、こちらが認定カテゴリー3となっております。4ポツ目としては、本品の治験の実施の施設であるといったこと。この4つの中のいずれかに該当する施設ということになっております。(2)としてICU等を有していること、(3)としてアフェレーシス機器の使用に熟知した医療スタッフの配置、(4)として「患者登録システム(レジストリ)」に患者登録を行い、製造販売後調査を適切に実施するという条件が定められてございます。
次に医師について、1-2ですが、12ページの下から13ページにかけて、表7の(1)から(3)まで全てを満たしている医師が責任者として1名、かつ(1)の医師免許取得後6年以上の臨床経験を有し、うち3年以上は血液悪性腫瘍の研修を行っていることを満たしている医師1名、こちらを配置しているということを要件としております。
また、不具合・副作用発生時の対応につきましては、13ページの3にございますけれども、3-1の施設体制に関する要件といたしまして、CRS、サイトカイン放出症候群の緊急時に備えて、トシリズマブの在庫が本品投与前に確保されていることなど、3つの要件が求められております。
14ページ、投与の対象となる患者についてでございます。有効性に関する事項の1のところでは治験の組入れ基準、2のところでは治験の除外基準に基づきまして、該当する患者の要件を記載しております。
安全性に関する事項の1については、添付文書の禁忌に該当する事項、2につきましては、治験の除外基準に該当する患者を記載しております。
最後に15ページ、こちらは投与に際して留意すべき事項について記載しておりまして、特にCRS、サイトカイン放出症候群につきましては、表8に示しますアルゴリズムにのっとって、神経系障害事象への処置につきましては、17ページ、表9に示すアルゴリズム及び生産販売業者が提供する最新の情報に従い、適切な処置を行うよう注意喚起をしているというものでございます。
説明は以上でございます。
○紀平薬剤管理官
続きまして、薬剤管理官でございます。
資料総-3-2を御覧ください。最適使用推進ガイドライン、こちらはニボルマブ(遺伝子組換え)、オプジーボに関するものとなります。
本日、担当の医薬品審査管理課長が欠席しておりますので、代わりに御説明させていただきます。
今回適応追加されたものが、尿路上皮癌というものになります。
2ページを御覧ください。効能・効果は尿路上皮癌における術後補助療法、用法用量はこれまでのがん種のものと同じ用量となっております。
4ページを御覧ください。臨床成績でございます。筋層浸潤性尿路上皮癌の術後患者を対象とした臨床試験が実施されまして、主要評価項目とされました無病生存期間について、プラセボ群に対して本剤群で統計学的に有意な延長が示されております。
6ページを御覧ください。一方、探索的な解析ではあるのですけれども、原発部位別の解析結果というものがありまして、こちらで腎盂及び尿管癌では本剤の治療効果が小さい可能性が指摘されていたというものでございます。
7ページを御覧ください。安全性につきましては、これまでどおりの注意喚起を基に対処することで管理が可能と判断されております。
9ページを御覧ください。ここからが最適使用推進ガイドラインとしての要件となります。まず施設要件です。尿路上皮癌に係る類薬で既に出されているものがありますので、それらと同様の内容が記載されております。
11ページを御覧ください。投与対象となる患者についてです。有効性に関する事項につきましては、原発部位により本剤の有効性が異なる傾向が示されていることから、腎盂・尿管癌患者におきましては、術前補助療法歴を踏まえ、本剤以外の治療選択肢も考慮することとされております。また、シスプラチン(CDDP)を含む術前補助療法歴のない患者におきましては、シスプラチン等の白金系抗悪性腫瘍剤による治療が可能な場合には、これらの治療を優先する旨が記載されております。
安全性に関する事項は、これまでの本剤の最適使用推進ガイドラインと同様の内容となっております。
13ページを御覧ください。投与に際して留意すべき事項につきましては、これまでに作成されています本剤のガイドラインと同様の内容となっております。
こちらのほうが以上でございます。
続きまして、資料総-3-3を御覧ください。こちらはさきに御説明のありましたアベクマ点滴静注に関する最適使用推進ガイドラインに基づく保険適用上の留意事項についてでございます。
下のほう「3 留意事項の内容」としまして、(1)につきましては、これまでと同様、最適使用推進ガイドラインに従って使用する旨を記載しております。(2)診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項としまして、先ほどガイドラインにありました医療施設の要件について、いずれに該当するかを記載していただくこととしております。
2ページ目を御覧ください。こちらの留意事項通知につきましては、4月19日付発出、4月20日付適用を予定しております。
続きまして、総-3-4を御覧ください。こちらは先ほどのオプジーボの尿路上皮癌についての最適使用推進ガイドラインに基づく保険適用上の留意事項についてでございます。
下のほう「3 留意事項の内容」ですけれども、(1)は共通事項でございます。(2)診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項としまして、1、医療施設の要件、2、治療の責任者の要件、それぞれいずれに該当するかを記載していただくこととしております。
2ページ目にお移りいただきまして、3番につきましては、本製剤をシスプラチン等の白金系抗悪性腫瘍剤を含む術前補助療法歴のない患者に投与する場合は、本製剤を投与することとした理由について記載いただくこととしております。
こちらにつきましては、その下、4番ですけれども、効能追加のありました3月28日付で発出し、同日付で適用としております。
事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等もないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
前回3月23日の中医協におきまして承認いただきました、エンハーツの費用対効果評価結果に基づきます価格調整についてでございます。
まず、上の表にございますけれども、こちらで対象集団別に先日御報告いたしました費用対効果評価の結果に基づきまして、右から2列目にそれぞれの価格調整係数というものをお示ししております。それと、患者割合に基づきまして見直した価格調整の結果につきまして、下の表に記載しております。真ん中のほうですけれども、現行薬価16万8434円のところ、改定薬価としまして16万4811円となります。こちらにつきましては、一番右側にありますとおり、7月1日付で適用とすることとしております。
事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に質問等はないようですので、本件については、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」「在宅自己注射について」を一括して議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
まず「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」でございます。資料総-5を御覧ください。
定例の議題ではございますが、新規に薬価収載された医薬品等につきまして、DPC/PDPSにおける診療報酬点数表に反映されないことから、一定の基準に該当する医薬品等を使用した患者については、包括評価の対象外とし、次期診療報酬改定までの間、出来高算定することとしております。今回、効能・効果が追加された医薬品、新規に薬価収載される薬剤などについて判定を行い、2の一覧にお示ししております医薬品については、対応する診断群分類において基準に該当しておりましたので、出来高算定としてはどうかという御提案でございます。
続きまして、6ページの3でございますが、こちらは類似薬効比較方式で薬価が設定された医薬品で、その類似薬に特化した診断群分類が既に設定されているものが挙げられております。この診断群分類に新規の医薬品についても反映してはどうかという御提案でございます。
続きまして、在宅自己注射指導管理料の対象薬剤の追加についてでございます。総-6を御覧ください。
今回御提案させていただく薬剤は、ガルカネズマブです。この薬剤は片頭痛発作の発症抑制に使用する薬剤です。今回総-6参考1-1、総-6参考1-2にありますとおり、学会から要望書が提出されております。投与間隔が1か月に1回とされている薬剤であり、今回14日を超える投薬が可能になるためでございます。在宅自己注射管理料の対象薬剤に追加してはどうかという御提案でございます。
事務局からの説明は以上となります。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「公知申請とされた適応外薬の保険適用について」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-7を御覧ください。「公知申請とされた適応外薬の保険適用について」でございます。
有効性・安全性が公知であると確認された適応外薬につきましては、保険適用を迅速に行う観点から、薬事・食品衛生審議会、薬食審の事前評価が終了した段階で、薬事承認を待たずに保険適用することとしております。
この資料でお示ししました下の表にあります適応外薬につきましては、本年1月と2月の薬食審で事前評価が終了し、公知申請して差し支えないとされたものでございます。これらにつきましては、今回認められた適応が不妊治療、生殖補助医療に係るものであったということで、4月1日の保険適用に合わせて、これらの適応外薬についても保険適用したというものでございます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等もないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「DPC対象病院の合併に係る報告について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
資料総-8を御覧ください。
「1.概要」に記載してございますように、DPC対象病院に合併の予定があり、合併後もDPC制度への継続参加を希望する場合は、DPC制度への継続参加の可否について保険局医療課において確認をいたしまして、その結果について御報告を行うことといたしております。基本的な考え方につきましては、総-8参考1、総-8参考2につけてございます。
今回「2.合併事例」でございます。独立行政法人国立病院機構弘前病院及び弘前市立病院につきまして、4月1日に合併し、合併後もDPC制度に継続参加するということでございますので、御報告させていただきます。
事務局よりの説明は以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「歯科用貴金属価格の緊急改定について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○宮原歯科医療管理官
歯科医療管理官でございます。
資料中医協総-9「歯科用貴金属価格の緊急改定について」を御説明いたします。
2ページ目でございます。歯科用貴金属の随時改定方法の見直しの概要をお示ししております。令和4年度診療報酬改定におきまして、変動幅にかかわらず、平均素材価格に応じて4月、7月、10月、1月の年4回改定を行うとともに、前回改定以降の直近2か月前までの期間の平均素材価格を用いるよう見直したところでございます。
3ページ目でございます。過去2年間における歯科用貴金属の告示価格の推移を示したものでございます。
4ページ目でございます。歯科用貴金属の素材価格の推移を示しております。一番上の茶色の折れ線がパラジウムの素材価格の推移、下から2つ目の緑色の折れ線が歯科用金銀パラジウム合金の価格の推移を示してございます。特にウクライナ情勢の影響によりまして、令和4年1月から3月にかけて、ニッケルやアルミなどの価格の高騰もございますが、特にパラジウム等の価格が急騰し、それに伴い歯科用金銀パラジウム合金につきましても3月には過去最高値となるなど、過去に例を見ない価格の急騰がみられる状況となっております。
こうした状況を踏まえて、5ページ目の論点でございますが、先ほどご説明しましたように、令和4年度診療報酬改定において随時改定の方法を見直したところでございますが、ウクライナ情勢という特殊事情により、パラジウム等の素材価格が過去に例を見ない急騰がみられ最高値を更新するなど、想定されなかった事象が生じており、また、歯科医療現場からもこうした状況から早期の対応を求める声もあること等から、7月を待たずに令和4年1月から3月の平均素材価格を用いて算出した告示価格として、5月に緊急改定を行ってはどうかというものでございます。
6ページ目でございます。5月の緊急改定(案)の概要をお示ししたものでございます。現行は4月、7月の改定で、7月につきましては令和4年1月から4月の素材価格の対象期間を用いて行うこととしておりましたが、下の緊急改定(案)にございますように、5月につきまして、令和4年の1月から3月の平均素材価格を用いて緊急改定を行い、7月は通常ルールですと前回改定以降、告示に反映させるまでの2か月前までの素材価格を用いることになっておりますので、令和4年の4月の平均素材価格を用いて、7月に通常ルールに従って随時改定を行うというものでございます。
7ページ目でございます。緊急改定を行う場合の歯科用貴金属の告示価格の案でございます。右側に告示価格の案、1グラム当たりの基準材料価格をお示ししてございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。
林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
5ページの論点について発言いたします。歯科用貴金属随時改定につきましては、これまでの議論の結果を踏まえ、令和4年度診療報酬改定におきまして、次善の策として、変動幅にかかわらず年4回改定を行うこと、直近2か月前までの平均素材価格を告示価格に反映させる見直しが行われ、次の随時改定は7月としていたところでございます。
しかしながら、ウクライナ情勢等の影響により、今年の2月下旬以降、パラジウム等の素材価格の急騰に伴い、歯科用貴金属価格に関しましても過去に例を見ないような急騰が見られました。特に3月におきましては、実際の価格が告示価格を大きく上回り、それに伴い、歯科医療機関の負担が急激に増大し、7月までの随時改定を待たずに何らかの対応を求める声が歯科医療現場に多くございました。
今回の事務局の提案は、本来1月から4月までの素材価格を用い、7月に随時改定を行うところ、1月から3月までの素材価格を用いて、5月に今回の想定外の特殊事情により緊急改定を行うものであり、歯科医療機関の現場の声に沿うものと考えており、事務局提案に賛同いたします。
その上で、今回は異例の対応で周知期間が少なく、現場が混乱しないよう、事務局におかれましては、周知に関して十分な配慮をお願いしたく思っております。
あわせて、歯科用貴金属の材料価格につきましては、素材価格が変動しやすく、歯科医療機関のみならず国民にも多大なる影響が出ております。金銀パラジウム合金等の代替材料の開発推進などを含めた中長期的かつ抜本的な対応を引き続きお願いいたしたく思います。
私からは以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
まず、令和4年度の改定で、2ページ目にもありますけれども、変動幅にかかわらず年4回の随時改定を行うルールに見直しましたのは、こうした素材価格の乱高下にフレキシブルに対応することが目的でございましたので、今回なぜこういった提案が出てきたのかというのは、非常に疑問を感じざるを得ないというのが素直な感想でございます。
確かにこの制度を設計した当初はこうしたウクライナへの侵攻はなかったことでございますけれども、4ページのグラフを見る限り、極端な異例の上昇とも思えませんし、一時的に医療機関に持ち出しが生じるというのは、こうした価格の設定が後追いするというルールとしては必ず起こり得ることで、一方、逆の面では、保険者からすると一時的に払い過ぎが生じるということもありますので、このルールを認めているということかと思います。このルールどおりに運用するのが本来のやり方であり、どうしても今回緊急で行う必要性や、あるいは緊急改定によって、例を挙げていただいて、医療費や患者の自己負担にどの程度のインパクトがあるのかといったことをぜひ説明をいただきたいと思います。
こうした今回のロシアのウクライナ侵攻に伴う物価高騰対策を政府・与党で御検討と承っておりますけれども、そうしたものの一環としてこれが取り扱われるのであれば、例えば補助金が出ることが本当にないのかどうか、これについては確認をしたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員から御質問をいただきましたけれども、安藤委員の御発言を伺ってからまとめて事務局より回答していただきたいと思います。
○安藤委員
ありがとうございます。
私も事情はよく理解いたしますが、せっかく今回このような新たな仕組みを導入して4月から開始しましたので、ここはこのままやったほうがいいのではないかと思っております。緊急性というのももちろんあるのですけれども、4ページの変動価格のグラフを見ると、それ以前にも急激な高騰や、急激な価格の低下が折れ線グラフでよく見えます。これに対応するために今回の仕組みを導入したのですから、事情はよく理解しますが、今回はそのまま3か月待っていただいて、作ったルール通りにやったほうがいいのではないかと思います。
○小塩会長
ありがとうございます。
佐保委員、お手が挙がっています。よろしくお願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
私も松本委員、安藤委員と同意見でありまして、4月で改定になってルールが変わったとなったばかりでありますので、一旦様子を見て、最初の改定ルールが適用される時期ですので、7月の随時改定で改めて見るという形でよろしいのではないかなと思っていますし、事情が分からないわけでもないのですが、何となくいろいろな判断する材料が少ないのではないかなと思っております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
パラジウム合金の高騰は前から言われていて、歯科医の先生方からの悲鳴は聞こえてきていて、今回新しいルールができるということで、少しでも負担が減るようになればいいなと思っていたのですけれども、そのルールができたのにもかかわらず緊急的に改定するというのは、対応が早過ぎるのではないかと思います。
過去にパラジウムの小売価格ではありますけれども、1万円を超えたことは実際にありましたし、今回もこれで1万1000円とかも超えていますが、直近の2日間で見ると4.5%ぐらい下がっているのです。ですから、ここから上がるか下がるか分からない話なので、実際にウクライナ情勢はありますけれども、それによって上がり続けているわけではないと思いますので、これは新しいルールで3か月を待って対応していくのがいいのではないかと思います。
パラジウムに代わる素材、代替材料の開発というお話も林先生からありましたけれども、実際に今、日本ではセラミックやジルコニアなどのいい素材もあると聞いていますし、それはほとんどが自由診療になっているということで、金属アレルギーなどを考えるとセラミックやジルコニアとかを使うほうが患者にとってはいい場合もありますし、価格的には私は比較したことはないですけれども、それらの保険適用を急いですることも考えていってもいいのではないかと思います。それは価格的に患者にとっての負担が減るということであれば大いに歓迎するべきであって、検討をするべきであると考えますが、その辺りの検討、議論はあるのでしょうか。それはここで答えられるかどうか分かりませんけれども、専門家の先生にも聞きたいですし、事務局にも聞きたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
末松委員、御発言をお願いいたします。
○末松委員
ありがとうございます。
今回のウクライナの情勢を受けてということでございまして、それについては緊急対応については理解するところではありますけれども、患者負担に直結する内容でもございまして、私もほかの1号委員と同様に、新しく始まったこの3か月ルール、新ルールの運用を、まずはスタートしたところでございますので、この対応をしていただくのが望ましいと考えております。
この情勢がいつ終結するかという見込みがまた立っていない中ですので、患者負担ということだけではなく、先ほどほかの委員からもありましたけれども、補助制度ということも大いに考えられると思いますので、ぜひそういった検討もしていただきたいと思っているところでございます。
私から以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
ありがとうございます。
1号側各委員の意見に私も賛同するところでありますけれども、これに加えて1点事務局に確認をさせていただます。今回は価格急騰への緊急的な対応ということでございますが、今後、逆の事態になった場合、つまり、急落した場合でも同様に対応が行われると理解してよいのかお尋ねをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほか、よろしいでしょうか。
1号側の委員の方々からいろいろな御意見、確認したい件について御発言がございました。事務局から説明をお願いいたします。
○宮原歯科医療管理官
重複した御質問もございますので、幾つかについてはまとめた形での御回答になるかと思います。
まず、歯科用貴金属の価格変動により対応しやすくするために随時改定を導入したにもかかわらず、なぜ今回5月に緊急改定を行うのかということにつきまして、少し詳しく申し上げますと、御案内のとおり、変動幅にかかわらず年4回随時改定を行うという令和4年度以降の随時改定の方法は、そもそも令和2年度診療報酬改定において御案内の5%を超えた場合あるいは15%を超えた場合にそれぞれ2回、最大4回の価格改定を行うという随時改定の方法を、令和2年度診療報酬改定に導入した後に、令和3年3月から5月にかけて価格が高騰したために、また、その当時、最高値を更新したと思いますが、価格変動に対応しやすくするため、昨年度から中医協における御議論を踏まえて見直されたものでございます。
今般、ウクライナ情勢等により、令和4年1月から3月の歯科用貴金属パラジウムの価格の高騰につきましては、こうした特殊事情という背景はございますが、そもそも今回の随時改定の見直しの契機となりました令和3年3月から5月にかけての価格高騰の約2倍程度の急騰が見られるような状況であり、また、歯科医療の現場からも7月を待たずにこの価格の急騰への対応を求める声がございまして、そうしたものも勘案した上で、今回5月に緊急改定を行ってはどうかと御提案させていただくものでございます。
当然、1月から3月の平均素材価格を基に5月の緊急改定を行いますが、4月以降、今後の価格動向はまだ見通せない状況はございますが、7月につきましては、まず4月の素材価格をもって上がるか下がるか、また下がれば下がったなりの改定を行うことを考えてございます。
また、患者への負担の増加という点につきましては、例えば大臼歯のむし歯を削って詰めるというもの、インレーと呼ばれる金属を詰める技術がございますが、今回の緊急改定を行うことにより180円程度増加するといった状況になります。
また、補助金制度はどうなのかというご質問でございますが、そもそも保険医療材料の保険償還価格でございます、また、今回緊急改定という要素はございますが、随時改定の方法にできるだけ即した形で保険償還価格、平均素材価格を基に算出するルールでございますので、ご提案した対応を行ってはどうかと考えております。補助金制度は、私の知る範囲においては、そうしたものの対応は検討されていないと承知しております。
下がった場合はどうなのかという御質問もございました。今回は緊急改定ということで、あくまで特例的なもので、基本的には随時改定年4回の方法により対応していくべきものだと考えますが、仮に今後急激な素材価格の下落がみられ、特段の必要性があれば、特例的な価格見直しについての御議論をいただくこと自体、否定するものではないと考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ただいま事務局から説明がございましたが、林委員、コメントが追加でございましたら、よろしくお願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
今回御提案いただきましたものが新しいルールとしての議論でございましたら、先ほどから1号側委員から出ておりますように、その必要性はないものと考えております。あくまで今回のウクライナ情勢等によりまして想定外の特殊事情が起こっている、こういった現状を御理解いただいての緊急対応であると私どもは捉えております。確かに医療現場におきましては、3月上旬、実際の価格が告示価格にもかなり大きな乖離が生じまして、それに伴い、歯科医療現場の負担の急激な増加が事実生じてございます。その辺りを御理解いただきましての緊急対応と理解しておりますので、よろしく御配慮のほどお願いいたします。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
間宮委員、お手が挙がっています。よろしくお願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
代替材料については何もコメントがなかったと思うのですけれども、こういう金属の材料は価格の変動は激しい、それは当然のことであって、それよりも先ほど言ったようなセラミックとかそういう価格が安定しているようなものを導入したほうがいいのではないのと、それを保険適用したほうがいいのではないかと患者としては思うのですけれども、その辺りのコメントをいただけないでしょうか。
○小塩会長
事務局、お願いいたします。
○宮原歯科医療管理官
事務局でございます。
歯科用貴金属の代替材料の保険適用を推進していくことについては、非常に重要な課題であると考えております。今回の診療報酬改定におきましては、歯科用貴金属の代替材料であるレジンブロックを用いたCAD/CAM技術を用いた詰め物、インレーを保険適用とするなど、拡大を図ってきております。先ほど保険診療外の材料について間宮委員から言及がございましたが、引き続き関係学会や企業等からの提案に基づいて、まず有効性・安全性に関するデータも重要でございますので、そういったデータ等も踏まえながら、この中医協の場で御議論いただいて対応してまいりたいと考えております。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいま事務局から追加の説明がありましたけれども、1号側委員の皆様、いかがでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
今の管理官の御説明、制度設計の当時はなかった突然のウクライナへの侵攻、さらにはパラジウム合金が過去最高額に達しているということ、それと短期間での急激な上昇があったということを総合的に判断された結果ということだと承りました。今後、さらにこうした素材価格が上昇した場合、あるいは別の理由で素材価格が同じような値動きをしても、今回のような緊急改定は行わないと理解はいたしました。
しかし、こうしたルールを無視した運用を繰り返すことは診療報酬制度の信頼を損なうおそれがありますので、今回の緊急改定が今回限りということをこの中医協の場で改めて確認をしていただきたい。これは会長にお願いすべきことなのか若干判断には迷いますけれども、そういうことをぜひしていただきたい。
間宮委員からもありましたけれども、こうした貴金属に頼らない歯科医療を実現するために、新しい材料の開発は着実に進めていただきたいということも併せてお願いをしたいと思います。
○小塩会長
松本委員、ありがとうございました。
事務局からよろしいでしょうか。お願いします。
○宮原歯科医療管理官
松本委員が述べられましたように、基本的には随時改定の方法を見直した運用で対応するべきということで、今回はウクライナの情勢により特例的、個別的な事情により対応するものと考えております。その先の対応を100%どうこうするというのは、今後どういった特殊な事情が生じるか分かりませんが、ただ、基本的にはこの随時改定の年4回で行っていくべきものという立場です。
以上でございます。
○小塩会長
松本委員、いかがでしょうか。
○松本委員
将来のことですのでなかなか述べにくいと思いますが、事務局からの発言を重く受け止めるということで、取りあえず理解はしたいと思います。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
いろいろ御意見は頂戴いたしましたが、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
 

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