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2022年3月23日 中央社会保険医療協議会 総会 第518回議事録

○日時

令和4年3月23日(水)11:00~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 鈴木順三委員 末松則子委員
城守国斗委員 長島公之委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 中村春基専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○先進医療会議からの報告について
○患者申出療養評価会議からの報告について
○費用対効果評価専門組織からの報告について
○新薬の費用対効果評価該当性に関する取扱いについて
○最適使用推進ガイドラインについて
○令和2年度DPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告について
○被災地における特例措置について
○入院医療等の調査・評価分科会の所掌事務の変更等について
○処遇改善(その1)について

○議事 

○小塩会長
それでは、ただいまより第518回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。皆様、御無沙汰しております。よろしくお願いいたします。
本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について、御報告いたします。
本日は、秋山委員と羽田専門委員が御欠席です。
それでは、議事に入らせていただきます。
初めに「先進医療会議からの報告について」を議題といたします。
本件は報告事項です。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
事務局でございます。中医協総-1に基づきまして御報告いたします。
まず、総-1でございます。今回、先進医療会議で承認されました先進医療Aの技術が6件ございましたので御報告させていただきます。
まずは総-1の1ページ目を御覧ください。1件目の技術でございます。整理番号340の「子宮内膜刺激胚移植法」でございます。
本件にかかる費用はそれぞれ表に記載のとおりでございます。
先進医療会議における判定は2ページ目及び3ページ目を御覧ください。事前評価では「条件付き適」となってございましたが、条件に対して適切に対応がなされたため、最終的には「適」となっております。
技術の説明に移ります。技術の概要は7ページ目を御覧ください。本技術は生殖補助医療に係る技術でございまして、胚移植の数日前に胚培養液を子宮内に注入し、受精卵の着床に適した環境をつくり出すというものでございます。
ロードマップにつきましては8ページを御覧ください。本先進医療でデータを収集し、多施設共同研究を行った上で保険収載を目指すとのことでございます。
続いて、2件目の御報告に移らせていただきます。再び総-1の1ページ目を御覧ください。
2件目の技術は整理番号341「タイムラプス」でございます。
本技術にかかる費用は、それぞれ表に記載のとおりでございます。
先進医療会議における判定は9ページ目及び10ページ目を御覧ください。事前評価では「条件付き適」となってございましたが、条件に対して適切に対応がなされたため、最終的には「適」となっております。
技術の説明に移ります。技術の概要は12ページ目を御覧ください。本技術は生殖補助医療に係る技術でございまして、培養器に内蔵されたカメラによって胚培養中の胚を一定間隔で自動撮影し、培養器から取り出すことなく正確な胚の評価を可能とするというものでございます。
ロードマップにつきましては13ページを御覧ください。本先進医療でデータを収集し、別途多施設共同研究も行った上で保険収載を目指すとのことでございます。
3件目の御報告に移らせていただきます。再び総-1の1ページ目を御覧ください。3件目の技術は整理番号342「子宮内膜スクラッチ」でございます。
本技術にかかる費用はそれぞれ表に記載のとおりでございます。
先進医療会議における判定は14ページ目及び15ページ目を御覧ください。事前評価では「条件付き適」となってございましたが、条件に対して適切に対応がなされたため、最終的には「適」となっております。
技術の説明に移ります。技術の概要は17ページ目を御覧ください。本技術は生殖補助医療に係る技術でございまして、胚移植を行う前の周期に子宮内膜のスクラッチを行い、翌周期に胚移植を行うことで臨床妊娠率の向上が期待されるというものでございます。
ロードマップにつきましては18ページ目を御覧ください。多施設共同研究として本先進医療を実施し、保険収載を目指すとのことでございます。
4件目の御報告に移らせていただきます。総-1の1ページ目を御覧ください。4件目の技術は整理番号344「PICSI」でございます。
本技術にかかる費用はそれぞれ表に記載のとおりでございます。
先進医療会議における判定は19ページ目と20ページ目を御覧ください。事前評価では「条件付き適」となってございましたが、条件に対して適切に対応がなされたため、最終的には「適」となっております。
技術の説明に移ります。技術の概要は24ページ目を御覧ください。本技術は生殖補助医療に係る技術でございまして、顕微授精を行う際にヒアルロン酸を含有する培地を用いて成熟精子の選択を行うというものでございます。
ロードマップにつきましては25ページを御覧ください。本先進医療でデータを収集し、多施設共同研究を行った上で保険収載を目指すとのことでございます。
5件目の御報告に移らせていただきます。総-1の1ページ目を御覧ください。
5件目の技術は整理番号345「子宮内膜受容能検査(ERA)」でございます。
本技術にかかる費用は、それぞれ表に記載のとおりでございます。
先進医療会議における判定は26ページと27ページを御覧ください。事前評価では「条件付き適」となってございましたが、条件に対して適切に対応がなされたため、最終的には「適」となっております。
技術の説明に移ります。技術の概要は29ページを御覧ください。本技術は生殖補助医療に係る技術でございまして、子宮内膜を採取し、次世代シークエンサーを用いて遺伝子の発現を解析し、内膜組織が着床に適した状態であるかを評価する検査でございます。
ロードマップにつきましては30ページを御覧ください。多施設共同研究として本先進医療を実施し、薬事承認を目指すとのことでございます。
6件目の御報告に移らせていただきます。総-1の1ページ目を御覧ください。6件目の技術は整理番号346「子宮内細菌叢検査」でございます。
本技術にかかる費用はそれぞれ表に記載のとおりでございます。
先進医療会議における判定は31ページ目と32ページ目を御覧ください。事前評価では「条件付き適」となってございましたが、条件に対して適切に対応がなされたため、最終的には「適」となっております。
技術の説明に移ります。技術の概要は35ページ目を御覧ください。本技術は次世代シークエンサーを用いて子宮内の細菌叢の異常や細菌の種類に係る組成を判定する検査でございます。
ロードマップについて、36ページ目を御覧ください。本先進医療のデータと別途実施された多施設共同研究のデータを用いて薬事承認を目指すとのことでございます。
総-1の御報告は以上となります。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「患者申出療養評価会議からの報告について」議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
総-2を用いまして、令和3年6月30日時点で実施されていた患者申出療養の実績報告について御報告をさせていただきます。
まず、1項目目でございます。表につきまして、上から順に、昨年6月30日現在の患者申出療養技術数は8種類となっており、実施医療機関数は計23施設となっております。
総金額は約1.9億円になっております。そのうち、保険外併用療養費として保険診療で見ているところが約1億円です。患者申出療養にかかる費用、いわゆる患者さんの自己負担部分につきましては約1億円となっております。
全医療費のうち、患者申出療養部分の割合といたしましては50.2%となっております。
2項目めには1年間の患者申出療養の技術数の推移をお示ししておりますが、この1年間で新規承認技術が1種類ございました。
3項目めは、過去の実績を示しております。令和2年から3年にかけまして全患者数は増加しております。
4ページ目以降の参考資料につきましては技術ごとの費用等についてお示ししております。
簡単ではございますが、説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「費用対効果評価専門組織からの報告について」を議題といたします。
本日は費用対効果評価専門組織の田倉委員長、福田専門委員にお越しいただいております。田倉委員長より御説明をお願いいたします。
○田倉委員長
費用対効果評価専門組織委員長の田倉です。中医協総-3-1の資料を御覧ください。医薬品等の費用対効果評価案についてですが、エンハーツ点滴静注用について、費用対効果評価案を策定いたしましたので御報告いたします。
なお、当面の間は専門組織での検討状況についても、資料に詳しく記載しております。
2ページ目を御覧ください。対象品目はエンハーツ点滴静注用です。効能または効果は上段に記載しているとおりです。
上段に費用対効果評価専門組織で決定した費用対効果評価案を記載しております。
下段には、補足として分析対象集団のICERの区分を記載しております。
3ページ目からは参考として、エンハーツ点滴静注用の費用対効果評価案策定に係る主な検討事項を記載しております。
中医協総-3-2の資料を御覧ください。費用対効果評価の指定品目であるエンハーツ点滴静注用に関し、品目指定の4か月後に胃がんの効能が追加されたことにより、総合評価についても4か月程度の遅れが生じましたので御報告いたします。
本件エンハーツ点滴静注用につきましては、令和2年5月13日に中医協総会で指定されました。その後、企業分析中の令和2年9月25日に胃がんに対する効能追加がなされました。乳がん及び胃がんに係る公的分析による分析結果がそろった後の、令和4年2月に専門組織で総合評価を実施いたしました。そのため、費用対効果案の報告が4か月ほど遅延することとなりました。
御説明いたします内容は以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
事務局から補足はございますでしょうか。
○中田医療技術評価推進室長
特にございません。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本研究につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。田倉委員長、福田専門委員、どうもありがとうございました。
続きまして「新薬の費用対効果評価該当性に関する取扱いについて」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。資料総-4を御覧ください。新薬の費用対効果評価該当性に関する取扱いについてでございます。
2コマ目でございます。昨年8月の中医協におきまして、薬価収載について御審議いただきましたエブリスディドライシロップについてでございます。こちらは薬価収載については御了解いただいたのですけれども、その際に費用対効果評価の取扱いについて保留とされたものでございます。
薬価算定組織のほうでは、2コマ目の右上にありますとおり、費用対効果評価への該当性について、該当しないという御判断をいただいておりました。
下に現行ルールを書いておりますけれども、ピーク時市場規模(予測)につきまして、H1が100億円以上、H2が50億円以上ということで、50億円以上のものについては基本的に費用対効果評価の対象とするということになっておりますけれども、それにつきまして、表の下にありますポツですが、指定難病に対する治療に用いるものについては、原則として対象としないというものでございます。
なお、これにつきましては、一番下のポツにもありますとおり、販売額が年間350億円以上、または著しく保険償還価格が高い品目などについては、中医協総会において適当と認められれば、対象とすることが可能とされているというものでございます。
これにつきまして、当時の中医協におきまして、年間で1人当たりの薬剤費で考えたときに高額になるのではないか、また、同じ疾患に用いるゾルゲンスマが費用対効果評価の対象となっていることを考慮して、再度検討が必要ではないかという御意見をいただいたというものでございます。
これにつきまして情報を整理しましたので、資料の3コマ目を御覧ください。
こちらがこれまでの収載時薬価と患者当たりの年間薬剤費についての比較でございます。こちらの表にお示ししていますのは、年間市場規模予測がピーク時に50億円を超えるものということで、H2に該当し得るものの中で、指定難病であることから費用対効果評価の対象とはしないとされていた品目になります。表の左から3列目のところに収載薬価、その横にピーク時市場規模予測を記載しております。
これにつきまして、右から2列目に患者当たり年間薬剤費を概算としてお示ししているというものでございます。これまで、これらの品目が費用対効果評価の対象とはしてこなかったというものでございます。
4コマ目を御覧ください。こちらは現在、費用対効果評価の作業を進めておりますゾルゲンスマについてでございます。今年1月にこちらのほうで御報告したものですけれども、現在作業を進めているところですが、データがなかなか有効性がないということで、引き続き検討するという状況になってございます。分析のほうが一旦中断として、この後、データの集積を待つという状況になってございます。
最後に5コマ目でございます。これらの状況を踏まえてということでございます。
まず、1ポツ目ですけれども、これまで指定難病に対する医薬品の費用対効果評価につきましては、2つ目の矢頭ですけれども、制度設計時に、指定難病については、対象患者数が少ないことから一定の配慮が必要とされていたというものでございます。
一方で、その上にありますとおり、年間販売額の基準を設定しておりまして、350億円以上の場合は指定難病に対する医薬品であっても費用対効果評価の対象とするというルールがあり、今回のエブリスディについては、それよりは小さいというものでございます。
2ポツ目でございますけれども、患者当たりの年間薬剤費ということで、今回資料をお示ししましたけれども、今回のエブリスディは、これまでの指定難病の医薬品と比べて特に高額とは言えないのではないかというものでございます。
3ポツ目ですけれども、費用対効果評価の対象とするルールの中で「著しく保険償還価格が高い品目」というものがありますけれども、これにつきましては、これまで専門部会等の議論におきまして単価(薬価)の高い品目を指すものとして取り扱われてきたものと考えております。
これらを踏まえまして、下のほうですけれども、これまでの指定難病の医薬品との比較等を踏まえ、エブリスディについてはHTAの対象とはしないこととしてはどうかということでお諮りするものでございます。
以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
どうもありがとうございます。
エブリスディにつきましては事務局から御提案のあったとおりで、費用対効果評価の対象としないことで結構でございます。
本件は健保連の提案が発端になっておりますので、少しコメントさせていただきたいと思います。
経緯については、先ほど薬剤管理官から御説明がありましたので、ここでは割愛いたしますけれども、ゾルゲンスマの分析が一時中断されまして、再開されても今、伺っている限りでは結果が出るまで5、6年かかるということからいたしますと、エブリスディを対象とした場合に同様のことになる可能性もありますので、例外の例外として、コストをかけて分析することに強くこだわるものではございません。
ただし、保険者単体へのインパクトという観点から見ますと、市場規模や単価だけではなく、1人の患者にどの程度の治療費がかかるのかということも重要だと考えております。
そこを分析するのが費用対効果評価の特徴でもありますので、患者数の少ない領域のイノベーションを阻害しないようにも配慮しつつ、HTAの対象範囲を中長期的な課題として考える必要があることを指摘させていただきます。
一つ御検討いただきたいのは、総-4の参考に、新医薬品の薬価算定に関する情報を提供するシートがございますけれども、ここには当然一日薬価とか算定薬価が載っているのですけれども、今回御提供いただいた、例えば、年間にかかる薬剤費の情報を記載するということについて、事務局側として御検討いただく余地があるかについて確認をしたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
御質問がありましたが、事務局、いかがでしょうか。
○紀平薬剤管理官
どうもありがとうございます。
まず、いただきました御意見につきまして、現状のルールの中でも、ピーク時市場規模予測として設定しておりますので、指定難病とはいえ、一定数の患者数がいる場合、または、患者数は限られていても年間薬剤費が非常に高い場合というのは、年間薬剤費のところで要件に引っかかってくる可能性はあるものと思っております。
また、御指摘いただきました総-4の参考に示しております新薬の薬価算定の資料の中で、1人当たりの年間薬剤費について示すことができるかという御意見でございます。
右下にありますとおり、ピーク時の市場規模予測としまして患者数と販売金額が書いておりますので、この辺りからある程度の概算の数字は出せるものとは思いますけれども、分かりやすいようにそういった数字でお示しすることができるのかどうか、事務局のほうで検討させていただければと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
はい。よろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御質問等はないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○吉田医薬品審査管理課長
まず、私のほうから、中医協総-5-1及び総-5-2に基づきまして、最適使用推進ガイドラインについて御説明いたします。
まず、中医協総-5-1の関係ですが、ペムブロリズマブを有効成分とするキイトルーダについては、令和4年2月25日に腎細胞がんにおける併用療法の追加に係る用法、用量の変更、及び高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する固形がんに係る効能・効果の追加に関する一部変更承認がなされ、同日付で最適使用推進ガイドラインを発出しておりますので御報告するものでございます。
今回のガイドラインの構成についても、これまでのキイトルーダの最適使用推進ガイドラインと基本的には同じでございます。
まず、総-5-1でございます。腎細胞がんについてのものでございます。
進めていただいて、2ページに「1.はじめに」とございますが、今回変更した箇所については今後網掛けをしております。
効能・効果については特段変更はございませんが、先ほど申しましたとおり、用法、用量につきまして、従来はアキシチニブとの併用に限定されておりましたところ、今般、レンバチニブとの併用療法追加に伴い、承認、用法、用量につきましては、ここにございますとおり、他の抗悪性腫瘍剤との併用においてという形に変更してございます。
臨床成績の内容についてでございます。進めていただいて、4ページからが臨床成績です。今回追加した内容は6ページからになります。追加の臨床試験としましては、ここにございますとおり、化学療法歴のない根治切除不能又は転移性の淡明細胞型腎細胞がん患者を対象とした臨床試験が実施されまして、主要評価項目とされました無増悪生存期間、いわゆるPFS、それから、副次評価項目とされました全生存期間、いわゆるOSについて、対象としましたスニチニブ群と比較し、本剤とレンバチニブとの併用群はいずれも有意な延長が認められたという成績になってございます。
安全性につきましては10ページからになります。安全性プロファイルにつきましては、これまでの既存の効能・効果と比較して新たな懸念は認められず、適切な注意喚起を実施することで管理可能と考えておりますので、安全性は許容可能と考えてございます。
13ページから14ページにかけましては施設の要件でございますが、これについては特段変更はございません。
15ページでございます。投与対象となる患者といたしまして、特に有効性に関する事項につきましては、従来からのアキシチニブとの併用に加えまして、レンバチニブとの併用投与で有効性が示されている旨を記載してございます。
安全性に関する事項は、特段の変更はございません。
最後に16ページでございますが、投与に際して留意すべき事項については、基本的にこれまでのキイトルーダの最適使用推進ガイドラインと同様の内容でございます。
総-5-2に移っていただきます。こちらはTMB-Highを有する固形がんに関するものでございます。
2ページ目に「1.はじめに」とございます。その中に、枠でくくってございますが、効能・効果はここにございますとおり、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行再発の固形がん(標準的な治療が困難な場合に限る)という内容でございます。
用法、用量は、これまでの既存の内容と基本的に同様でございます。
4ページからが臨床成績でございますが、臨床成績としましては、化学療法歴のある進行・再発の固形がん患者のうち、TMB-High、これはFoundationOne CDxによるTMBスコアが10mutations/megabase以上と定義されますが、これを有する患者を対象とした臨床試験成績が得られておりまして、表1にございますとおり、特にTMB-Highにつきましては、主要評価項目とされました奏効率において一定の有効性が示されたという結果になってございます。
6ページから安全性プロファイルが記載されてございますが、こちらについても既存の効能・効果と比較して新たな懸念は認められておりませんので、本剤の安全性は許容可能と考えてございます。
8ページから9ページにかけまして、施設の要件でございます。特に8ページの真ん中辺り、マル1の2におきまして、対象となるがん種での化学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を持つ医師を責任者として配置するよう記載してございます。
その他の内容については、これまでのものと基本的に同様でございます。
10ページからでございます。投与対象となる患者でございます。有効性に関する事項につきましては、本剤の有効性か示された患者に関する記載をするとともに、TMB-Highに関する本剤の、いわゆるコンパニオン診断薬に関する内容を記載してございます。
安全性に関する事項につきましては、これまでと同様でございます。
最後に12ページに、投与に際しての留意する事項がございます。これも基本的にこれまでのキイトルーダの内容と同様でございます。
総-5-1、総-5-2につきましては以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
引き続き、事務局より補足の説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。資料総-5-3を御覧ください。保険適用上の留意事項についてでございます。
先ほど御説明いたしましたキイトルーダの効能追加に係る留意事項についてでございます。
真ん中以降の3番を御覧ください。留意事項の内容についてでございます。
「(2)診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項」がございます。まず「1)根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」についてです。こちらは併用する薬剤が追加されたということで、以下の事項を記載するよう規定したというもので、本製剤を他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合には、その旨を記載することとしております。
2)がTMB-Highの固形がんに対するものでございます。こちらはこれまでと同様に、マル1の医療施設の要件のいずれに該当するかということで、施設要件です。
2ページ目のマル2としまして、治療の責任者の要件のいずれに該当するかということで、実施要件です。
マル3ということで、TMB-Highを確認した検査の実施年月日を記載いただくこととしております。
これらにつきましては、これらの効能追加が承認されました2月25日付で発出しておりまして、同日付で適用としております。
以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「令和2年度DPC導入の影響評価に係る調査『退院患者調査』の結果報告について」を議題といたします。
本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
資料総-6を御覧ください。令和2年度DPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告についてでございます。
定例の議題ではございますが、令和2年度に実施されましたDPC導入の影響評価に関する調査について取りまとめを行っておりますので、御報告させていただきます。
平成25年12月13日の中医協総会で御報告させていただいたとおり、1ページの中ほどに示しております集計の方法で集計しております。
具体的には、1番目でございますけれども、DPC対象病院の各群のほか、DPC準備病院、出来高算定病院について、2番目にお示ししている各項目の集計を行っているというものでございます。
2ページ目の中段に対象施設数を載せております。
3ページ目以降ですが、表1が在院日数の平均です。
表2が病床利用率です。
4ページにいきまして、表3-1で、救急車で搬送された患者の割合とその患者数です。
表3-2で救急医療の入院患者数の割合とその患者数です。
5ページ目の表3-3では、他院からの紹介ありの割合とその患者数でございます。
表4は退院時転帰が治癒・軽快であった患者の割合です。
6ページ目の表5-1では、退院先の状況が「自院の外来」とされたものの割合です。
表5-2では、退院先の状況が「転院」とされたものの割合です。
7ページ目の表6は再入院種別の割合です。
表7は再転棟の種別の割合を計画的、計画外に分けて示しております。
報告は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等はございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
どうもありがとうございます。
今、資料の定例の報告ということで拝見しましたけれども、まず、3ページ目の表1を見ますと、これまで短縮してきた在院日数が、令和2年度にDPC対象病院では一転して長くなっております。
下の表2を見ますと、これまでほぼ横ばいだった病床利用率が、全ての施設でかなり顕著に低下しております。
4ページ目で1施設当たりの救急搬送や救急入院の患者数が増加基調から減少に転じております。
こういったものの発生については様々な要因があって、また、新型コロナの影響もあるだろうとは思いますけれども、全体的な傾向として、どのように説明できるのか、受け止めていらっしゃるのか、事務局あるいは診療側からもコメントをいただければと思います。
よろしくお願いいたします。
○小塩会長
今、御質問がございました。事務局、お願いいたします。
○井内医療課長
ただいま御質問いただきました事項でございますが、本日のところはファクトということで、現在どうなっているかという集計のみでございます。
御指摘がございましたとおり、様々な要因があると考えており、我々もどういった要因が直接的に因果関係を持っているのかというところまでは分析しきれていないという状況でございます。
○小塩会長
よろしいでしょうか。
○松本委員
今日は事実ということだけで承りますけれども、またどこかの機会で、分析が終わりましたら見解をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小塩会長
分かりました。それでは、よろしくお願いいたします。
ほかはいかがでしょうか。御質問はございますでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「被災地における特例措置について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
資料の総-7になります。令和2年7月豪雨に伴う被災地特例措置の利用状況でございます。
本特例措置につきまして、令和4年3月時点において利用していた保険医療機関数であります。特例措置の利用状況といたしまして、調剤のところです。仮設の建物による保険診療があったというもので、現在はゼロとなっております。
2ページと3ページということで、利用がされたものでございます。
4ページになります。特例措置利用の解消に向けた取組状況対応案ということで、当該保険薬局について現状を確認したところ、令和4年4月1日付で新規の保険薬局として指定が行われる予定であることから、被災地特例措置利用の延長は希望しないと報告を受けております。
こういったことを踏まえまして、令和2年7月豪雨に伴う被災地特例措置については、令和4年3月31日で終了することとしてはどうかというものでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「入院医療等の調査・評価分科会の所掌事務の変更等について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
資料総-8であります。入院医療等の調査・評価分科会の所掌事務の変更等についてでございます。
まず「1.背景」ですが、入院医療等の調査・評価分科会、すなわち、入院分科会につきましては、平成30年度の再編以降、資料にお示ししていますように、入院医療の診療報酬に関する技術的な検討を所掌事務として担い、その下に2つの作業グループを置いて、技術的な検討課題の議論を行っていただいております。
次に「2.課題及び対応の必要性」のところで、かかりつけ医機能や生活習慣病管理等、外来医療に関する検討の必要性が高まっていることや、外来データ提出加算等の新たな仕組みも開始されることとなっており、技術的な課題に関する議論が必要になっていると考えております。
そこで「3.対応(案)」ということで、入院分科会の名称を入院・外来医療等の調査・評価分科会に改めた上で、所掌事務に外来医療を含めてはどうかと考えております。
その場合、作業グループについて、引き続き現行の2種類を置くこと、また、必要に応じて、委員を追加することとしてはどうかと考えております。
事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等はございますでしょうか。
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
資料総-8の2ページに記載されております事務局から提案されました対応案につきましては、診療側として了承させていただきたいと思います。
今回、入院分科会の所掌事務に外来医療が追加されて、これまでより検討範囲が拡大するといたしまして、1ページの最初の囲みの運営要綱には、調査専門組織は、診療報酬体系の見直しに係る技術的課題に関し、専門的な調査、検討を行うと記載されております。したがいまして、分科会で御議論いただくのは、あくまでも技術的な課題に関する調査、検討であって、診療報酬体系の見直しの方向性を議論して決定するのは、あくまでも総会であり、総会は分科会の検討結果に縛られるものではないということを改めて事務局に確認させていただきたいと思います。
○小塩会長
それでは、事務局、お願いいたします。
○井内医療課長
ただいまの御質問でございますが、事務局としても同じように考えております。入院医療等の調査・評価分科会は、外来の分野を増やしたといたしましても、技術的な課題に関する調査、検討ということを行っていただく。その上で、総会のほうで方向性や結論は議論いただくということだと考えております。
○小塩会長
城守委員、いかがでしょうか。
○城守委員
ありがとうございます。
この分科会の役割というものに関して、総会の我々各委員は十分に認識していると思いますが、この入院分科会の委員の先生方にも、これからの様々なテーマに関して分析を行っていただくときに、この入院分科会の役割を改めて各委員の先生方にしっかりとお伝えしていただき、その役割を果たしていただければと思いますので、これは重ねて事務局にお願いしたいと思います。
私のほうからは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問等はございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
来年度も診療報酬改定に外来データ提出加算の新設等があったことを踏まえて、収集したデータをしっかり分析して、今後の診療報酬改定につなげるためには、分科会のこうした対応については賛同いたします。
ただ、入院とは検討の視点が異なる部分があり、関係する専門家が違ってくる可能性もあるかと思いますので、必要に応じて委員の追加をしていただければと思います。
また、将来的には、外来に特化した分科会あるいはワーキンググループを設けることも考えられますので、長期的な課題として指摘させていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御質問等はないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「処遇改善(その1)について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
資料総-9になります。処遇改善(その1)ということで、これまでの経緯から御説明させていただきます。
まず、3ページになります。「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」ということで、令和3年11月19日の閣議決定の抜粋を載せております。
「2.分配戦略~安心と成長を呼ぶ『人』への投資の強化~」の「(2)公的部門における分配機能の強化等」ということで、看護、介護、保育、幼児教育など、現場で働く方々の収入の引き上げ等というところでまとめられております。
4ページになります。看護職員等の処遇改善事業補助金の概要ということで、対象のところで、令和4年2月から9月の賃金引上げ分であります。
補助金額です。補助金事業ということで、対象となる医療機関、賃金改善の対象となる職種、申請方法、報告方法ということで、現行のものをまとめさせていただいております。
その下に申請交付スケジュールであったり、執行のイメージを並べております。
5ページになります。「公的価格評価検討委員会中間整理」というもので、令和3年12月21日のものでございます。「4.今後の処遇改善について」ということで「(2)処遇改善の方向性」というものでございます。
抜粋でございます。まず、1つ目のところで、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員について、収入を3%程度引き上げていくべきということです。
さらに、看護職員の処遇改善についてということで、令和4年度診療報酬改定の中で検討すべきであるとされております。
さらに、最後のパラグラフのところで、今後は、さらなる財政措置を講じる前にというところからですが「また」以下のところで、デジタルやICT技術、ロボットの活用により、現場で働く方々の負担軽減と業務の効率化を進めていくことも必要とされております。
6ページになります。令和3年12月22日大臣折衝事項になります。診療報酬プラス0.43%の改定率の中で、※2の赤で囲っておりますうち、看護の処遇改善のための特例的な対応プラス0.20%となっております。
7ページは大臣折衝事項の続きでございます。看護における処遇改善についてということで、看護職員の処遇改善についてはということでまとめております。
8ページで令和4年度介護報酬改定による処遇改善ということで、加算額、取得要件、対象となる職種、申請方法、報告方法、執行のイメージなど、介護の報酬改定による処遇改善の現時点のものを載せております。
9ページがその仕組みのイメージ図となっております。
10ページ目に検討の視点となっておりますが、公的価格評価検討委員会の最新の資料となります。先ほどの中間整理であった見える化ということ、負担軽減であることが論点として上げられているというものでございます。
12ページになります。課題及び論点ということでございます。
論点のところを見ていただきますと、看護の処遇改善について、診療報酬において対応するに当たり、技術的検討を進めていく必要があることから、入院・外来医療等の調査・評価分科会において必要な調査・分析を行い、検討を進めることとしてはどうかというものでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等をお願いいたします。
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
12ページに示された論点につきましては、異論はございません。
もっとも、この診療報酬で処遇改善に対応していく際には、例えば、評価方法です。基本診療料で評価するのか、加算で評価するのか、新設の項目を立てるのかといったこととか、また、評価の平準化、つまり、患者数の変動等によっての影響を受けることとなりますので、処遇改善という安定的であるべき制度との考え方の両立が難しいということであったり、さらには、先行して実施された介護報酬による処遇改善や、今年の2月から実査されております補助金と比較した場合の違いなど、様々な難しい課題が数多くあるということが予想されます。
そうした課題につきましては、この総会で議論されるべきと思いますので、分科会では複数の論点に関わる様々な技術的な課題について解決案を検討するより前に、関係者の御意見もよく踏まえながら論点整理の作業を行っていただいて、その作業を総会に御報告いただくようお願いしたいと思います。
また、専門委員にも御意見を伺っていただくようにしていただくとよいと考えております。
続きまして、介護を担当いたしております江澤委員より発言をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○江澤委員
介護分野におきましては、介護人材確保を目的として、2009年10月に介護職員処遇改善交付金として創設され、2013年4月からは介護職員処遇改善加算、すなわち、介護報酬の加算として導入され、現在に至っております。
さらに2019年10月には、経験技能のある職員に重点化を図りつつ、その他の介護職員や、他の職種にも配分できる、介護職員等特定処遇改善加算も創設されました。
また、介護分野では先行して、このたびの介護職員処遇改善支援補助金における10月からの対応として、新たな介護報酬の加算となる介護職員等ベースアップ等支援加算を創設することが決まっております。
介護職員処遇改善加算は、介護サービスの種類ごとの介護職員数に応じて加算率が設定されており、基本報酬に加算率を乗じて算出いたします。
したがって、事業所の稼働状況により、毎月の変動を来すため、賃金の支払方法については、各事業所において、給与計算の煩雑さも勘案しつつ、毎月の賃金アップと一時金を組み合わせて支給するなど、課題がある中、現場では何とか工夫して取り組んでいる現状にあります。
また、職員数に応じた加算率が設定されていることから、同じサービス類型の中で、介護職員を平均よりも手厚く配置している事業所では、介護職員1人当たりの配分が相対的に低くなることも生じます。このたびの10月からの診療報酬による処遇改善においては報酬の配分、算定要件、賃金の支払い方法等、様々な課題を解決する必要があり、公費負担、保険料負担、患者負担を初め、国民の理解も不可欠であります。ぜひ、これまでの介護分野における経験を活かし、課題も踏まえた丁寧な対応をよろしくお願いいたします。
私からは以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
先ほど城守委員から専門委員の御意見も伺ってはどうかという御提案がありました。後ほど、もし御意見がございましたらよろしくお願いいたします。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
昨年12月8日の第503回の中医協においても発言いたしましたが、看護職員をはじめ、医療現場で働く方々の処遇改善は、働き方改革とともに重要な課題であると考えます。
人口減少、超少子高齢化社会が進む中で、医療や介護、保育、障害福祉を担う人材確保が急務となっています。
論点に書かれている入院医療等の調査・評価分科会において必要な調査・分析を行い、検討を進めることに異論はありませんが、介護報酬における介護職員の処遇改善の仕組みを参考としつつ、看護職員をはじめ、医療関係者の手元にしっかりと届くような診療報酬上の仕組みづくりが必要であると考えます。
事務局に1点質問があります。現在の補助金による処遇改善の実績について、統計がまとまるまで時間を要すると考えますが、例えば、補助金の対象に該当する医療機関数と、補助金申請を行った医療機関数の統計は早目に出ると考えますが、いかがでしょうか。
診療報酬での仕組みを考える上で、補助金での状況、なぜ申請可能であるにもかかわらず申請しないのかといった課題を分析することは重要だと考えますので、この際、状況報告を強く求めたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
今、御質問がございましたが、後で事務局よりまとめて回答していただきます。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
看護職員の処遇改善につきましては、まずは分科会で技術的な調査や分析を行っていただくことが妥当であり、12ページの論点で示された方向には賛同いたします。
その上で、今、委員からも御要望がありましたけれども、補助金に関する申請あるいは交付等の実績が、どういった形でこの場面に、分科会もしくは総会に提示されるのか、その辺りのスケジュールについてまず伺いたいのが一つございます。
あと、2つコメントがありますけれども、各医療機関への配分についてです。診療報酬で対応する場合は、補助金と異なりまして、看護職員数だけではなく、ほかの委員からも御指摘がありましたけれども、患者数も踏まえる必要がございますので、補助金の額と比べてどうしても過不足が生じることが予想されます。
個別の医療機関でどこも過不足が生じないように設計するということは、非常に難しいこともありますし、マクロで大幅に財源を超えることにもなりかねないと考えます。
個別の医療機関の過不足については、ある程度お受けいただく必要があることは、まず留意いただきたいと思います。
2つ目は、事後検証ができる仕組みです。診療報酬が確実に処遇改善に結びついていることを確認できるようにすることが必要だということを改めて指摘させていただきます。
ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございます。
松本委員からも御質問がございましたが、後で事務局より御回答をお願いいたします。
続きまして、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。私からも1点お話をさせていただきたいと思います。
間違いないと思いますが、一応念のため確認です。7ページに大臣折衝事項があります。この看護師における処遇改善についてということで、最終的に注1、注2がついているということで、この診療報酬で令和5年度末までにやる処遇改善に関しては、救急車が年に200台以上、あるいは、三次救急の医療機関にある看護師、あるいは看護師補助者等々の改善ということで、それにつきるということでいいのかどうか確認させていただきたいと思います。
その上で、そうであれば、例えば、介護職の処遇改善であれば、介護職はどの介護施設でも均等に処遇改善されるわけですけれども、今回に関しては、看護師が勤める病院の種類によって処遇改善されるかされないかが出てきます。これを(処遇改善の)第一歩ということであればある程度理解できますが、これで看護職員の処遇改善が終わりということならば、明らかに看護職を(勤務する病床種別で)差別化することになるのではないでしょうか。
そういう意味で、そこに当たる施設に勤務している看護職と、そうでない看護職で、何らかのそういう働き方に齟齬があるということではないのではないかということで、その辺は中医協で決められることではないかもしれませんけれども、そういう問題点があることも重々御理解いただいた上で、この処遇改善を図っていただきたい。第一歩であれば理解しますけれども、これがもしこのままずっと続くということであれば、大きな問題になるのではないか。特に官民格差ということがさらに広がってくるのではないか。あるいは、介護職に関しても、一方で、介護保険は全ての介護職員に処遇改善が行われる一方、病院に勤務している介護職員、いわゆる看護補助者に関しては、ますます差が開いていくということも現実にありますので、その辺に大きな問題点があることも重々御理解いただいた上で、慎重に進めていくことを期待したいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
池端委員からも確認していただきたい点を御指摘していただきました。後で御回答をお願いいたします。
続きまして、島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
処遇改善に関しまして、非常に重要な問題だと理解しております。この論点で示されておりますように、入院・外来医療等の調査・評価分科会において、ある程度分析、調査を行っていき、最終的には、この中医協で話をまとめるという方向性に関しては、全くそのとおりだろうと思っております。
ただ、既に看護職員と処遇改善補助金が2月から交付されるようになっておりまして、現場では非常に戸惑っております。対象が看護職系のところだけにとどまらず、医師や歯科医師、薬剤師以外のところには配賦しても構わないという話になっておりますので、実際、具体的にどのように進むのかというのは、それぞれの医療施設ですごく悩みながら今、この支給を考えているところだろうと思っております。
池端先生もおっしゃいましたけれども、実際、同じ看護職系という言い方のほうがいいのかもしれませんが、これが受け取れる施設とそうではない施設が現実にあるわけでして、診療報酬でこれをきちんと支給していくという形になると、相当いろいろな問題をクリアしなくてはならないと考えております。ですから、実際にタイムリミットとしては、10月からはという話になっていますので、そこまでに我々中医協の委員が納得できるような、そして、国民が納得できるような制度にできるのかという疑問が少しありますが、方向性としてはきちんと定めていかなくてはならないと思いますので、鋭意この方向で検討を進めていこうと思っております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。
飯塚委員、お手が挙がっています。お願いします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
既に御議論があった点ですけれども、診療報酬の増加が確実に賃金に反映されるということが重要だということかと思います。
経済学ではそういった現象はパススルーと呼んでいるのですが、実際にどの程度、診療報酬の増加が賃金に反映されるかといった研究も実はありますし、介護においてもそういう研究が日本でも少しずつされているということがありますので、そういった知見も踏まえて、分科会等で御議論をお願いしたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、吉川専門委員、お願いいたします。
○吉川専門委員
ありがとうございます。
論点にある入院外来医療の調査・評価分科会において必要な調査、分析を行うことに賛同いたします。
それを踏まえまして、看護職の処遇改善について2点意見を述べさせていただきます。
1点目は、先ほどから出ていますが、診療報酬で実現していくためには、対象となる看護職員数や患者数、診療報酬の算定方法など、様々な技術的な検討が必要であることから、しっかりと調査、分析を行い、慎重な議論をお願いしたいと思います。
2点目は、これらの処遇改善に当たっては、確実に看護職員の賃金に反映されるよう、適切な担保措置を講じる必要性があります。介護報酬と同様に、実績報告書等、何らかの確認方法の検討も必要と思います。
一方で、事務手続が煩雑にならないよう、手続等の負担軽減についても十分に検討いただきたいと思っています。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、幾つか御質問いただいておりますので、事務局より現時点で回答していただけるところがありましたら、よろしくお願いいたします。
○井内医療課長
まず、いわゆる補助金事業のほうで、実態が分かるのはという御質問をいただきました。
例えば、実績報告等におきましては10月以降に実績報告を出していただくということになりますので、それを取りまとめると、それ以降ということになります。
また、いわゆる申請状況につきましては、医療機関から都道府県、都道府県から国ということで、5月いっぱいかかると聞いておりますので、それを取りまとめるとなると、それ以降と考えております。
いずれにしても、まだ具体的なスケジュールは未定ということでございます。
池端委員のほうからありました7ページであります。大臣折衝事項のところでございます。まさにこの前提で現在予算審議ということでございますので、ここにあります注1、注2といったところは、この範疇で、中医協の中で議論いただくということになると考えております。
今、各委員からいただきました様々なポイントがあると考えております。それを診療報酬上どういった形で考えていくのかにつきましては、本日の論点のところで御提案させていただいております入院外来医療等の調査・評価分科会において必要な調査、分析を行い、いずれにしても総会のほうで決定いただくというプロセスを考えております。
事務局からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
この点は非常に重要なテーマでございまして、これから検討を進めていく必要があるかと思います。
本件に係る本日の質疑はこの辺りといたしまして、今後、本日の議題にもありましたように、入院・外来医療等の調査・評価分科会におきまして、技術的検討を進めていくということといたしまして、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて対応していただくようにお願いいたします。
本日の議題は以上でございます。次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

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