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2022年2月9日 中央社会保険医療協議会 総会 第516回議事録

○日時

令和4年2月9日(水)10:00~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 鈴木順三委員 末松則子委員
城守国斗委員 長島公之委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 中村春基専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○答申について
○DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について
○公知申請とされた適応外薬の保険適用について

○議事 

○小塩会長
おはようございます。
ただいまより第516回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について、御報告いたします。
本日は、羽田専門委員が御欠席です。
それでは、議事に入らせていただきます。
初めに「答申について」を議題といたします。
令和4年度診療報酬改定につきましては、本年1月14日に厚生労働大臣から諮問されました。
本日は、これまでの中医協における議論の成果を踏まえ、答申書案及びこれに添付する附帯意見、診療報酬点数表等の改正案が提出されております。
内容につきましては、これまでの議論を踏まえたものと思いますが、事務局より補足することなどがありましたら、よろしくお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、事務局より資料について説明させていただきます。
資料総-1は短冊でございますが、これは前回までお示しいたしましたいわゆる短冊でございます。
答申書に含まれるものではございませんが、前回お示ししたものに具体的な点数を追記したものとなっております。
参考資料として、重症度、医療・看護必要度の項目の判定の集計に用いたコードもつけております。
資料総-2は答申書でございます。
1ページ目が答申書のかがみとなっております。
本日の日付で中央社会保険医療協議会小塩隆士会長から、厚生労働大臣後藤茂之宛ての「答申書(令和4年度診療報酬改定について)」となっております。
2ページ目以降は別添となっており、前回2月2日の中医協総会で御審議、御了解いただきました答申書附帯意見でございます。
次に、資料総-2の別紙の資料でございますが、別紙1は、診療報酬の算定方法の改正案でございます。
別紙1-1が医科診療報酬点数表。
別紙1-2が歯科診療報酬点数表。
別紙1-3が調剤報酬点数表となっております。
別紙2は、訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の改正案でございます。
別紙3は、厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する費用の額の算定方法となっておりまして、DPCに係る告示の改正案でございます。
別紙4は、保険医療機関及び保険医療養担当規則、いわゆる療担規則の改正案でございます。
別紙5は、指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準の改正案。
別紙6は、高齢者の医療の確保に関する法律の規定による療養の給付等の取扱い及び担当に関する基準の改正案。
別紙7は、保険外併用療養費に係る療養についての費用の額の算定方法の改正案でございます。
以上、総-2の附帯意見、別紙1から別紙7までが令和4年度診療報酬改定の答申書となっております。
関連資料といたしまして、総-3、総-4、総-5とございます。
総-3-1、総-3-2は、薬価改定関係の通知の内容。
総-4-1、総-4-2、総-4-3は、特定保険医療材料の通知の内容。
総-5は、特定保険医療材料の見直しに伴う費用対効果評価の通知の内容となっております。
資料については、以上でございます。
説明も以上とさせていただきます。
○小塩会長
ありがとうございました。
基本的には、これまでの議論を踏まえたものと思いますが、1号側委員、2号側委員を代表して、それぞれ御発言等がございましたら、お願いいたします。
まず、1号側委員、いかがでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
支払側委員を代表いたしまして発言いたします。
本日示されました答申案につきましては、了承させていただきます。
その上で、今回の改定について、総括的な話をさせていただきたいと思います。
まず、最後まで議論を尽くしていただいた診療側委員、また、令和2年度診療報酬改定の結果検証や、極めて難しい案件の裁定に御尽力いただいた公益委員、さらには、技術的観点から御助言をいただいた専門委員や各分科会の委員など、関係各位に厚く御礼申し上げます。
膨大なデータの準備や成案に向けた意見調整に日夜奔走いただいた厚生労働省事務局と、丁寧に議事を進行いただいた会長に心より感謝申し上げます。
さて、新型コロナウイルス感染症の拡大と団塊の世代が75歳に到達し始めるという前例のない局面において、我々支払い側は、医療機能の分化、強化と連携をさらに推進することにより、効率的・効果的な医療を実現することがこの2つの課題を同時に解決し、国民、患者の安心・安全を高めることにつながると考えました。
議論の結果、入院医療については、急性期、回復期、慢性期それぞれの報酬体系において、患者の状態と医療資源の投入量に応じた評価を前進させることができました。
外来医療では、機能強化加算について、地域でかかりつけ医が担うべき役割が明確になりました。
また、オンライン診療の環境整備やリフィル処方箋の導入については、患者の利便性が向上し、適切な治療機会の確保に役立つものと考えております。
個別の課題では、医療従事者の働き方改革、不妊治療への対応、ヤングケアラー対策、医療的ケア児への支援等、国の政策や社会問題に対して、現段階で取り得る措置を講じることができました。
これらについては、診療報酬以外の手法を含めた総合的な対応が求められます。
医療保険制度の持続可能性を向上させる観点からは、後発医薬品やバイオ後続品のさらなる使用促進、医薬品の保険給付の適正化、経営効率の高い大型チェーン薬局や敷地内薬局の評価見直し等が実施される。
外来医療、在宅医療、リハビリテーション医療においては、適切な評価に向けたデータ収集の仕組みが導入されます。
一方で、急性期一般入院基本料における重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の基準値や、外来医療におけるかかりつけ機能に関する報酬体系の再構築をはじめ、依然として課題は山積しています。
また、電子的保健医療情報活用加算の新設、紹介状なし大病院受診時定額負担の見直しや、紹介受診重点医療機関入院診療加算の新設、調剤報酬体系の組替え、歯科の基本診療料引上げ等の影響は、まだ不透明です。今後、改定の結果を丁寧に検証すべきであると考えます。
令和6年度の次回改定は、団塊の世代が全て75歳以上となる2025年の直前に行われます。地域医療構想に基づく病床再編の進捗や外来医療をめぐる様々な検討の状況を注視しつつ、答申書附帯意見を踏まえ、さらなる対応について、十分に議論する必要があります。
今後も、国民皆保険制度を維持しつつ、医療の質を高めることは、中医協の共通認識だと考えます。国民、患者や医療関係者が今回改定を前向きに受け止め、適切な受療行動や医療機能が選択されることを切に願います。
国に対しては、保険診療に関する国民、患者の理解が深まるよう、周知・広報を含めた支援に期待いたします。
以上、ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、2号側委員、城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
それでは、診療側委員を代表いたしまして発言させていただきます。
本日提示されました答申案につきましては、中医協におけるこれまでの長い議論の積み重ねの結果でありますので、了承させていただきます。
前回改定施行と同時期から拡大いたしました新型コロナウイルス感染症との闘いがひたすら続き、医療関係者や医療機関は疲弊しております。
そのような中、診療報酬で行われるコロナへの対応策を講じながら、2年に一度の診療報酬改定について、前回改定の影響を調査・検証することが例年どおり行えなかった部分もございますが、様々なやり取りを行い、何とか例年どおりの日程で本日の答申にまでたどり着くことができたと感じております。
本日は、改定内容の個別項目の細かなお話はいたしませんが、今まさに第六波の中、日本全国で、そして地域全体でコロナ禍に尽力しております。医療現場が疲弊している中、無理な厳格化をいたしますと、地域の医療提供体制そのものが崩壊することになり、取り返しのつかないことにもなります。
今回、支払い側と意見の隔たりが大きく、公益裁定となった項目もございましたが、改定内容が医療現場に及ぼす影響をしっかりと把握した上で、何か問題があれば、迅速に対応していくべきということも共有できたのではないかと思っております。
最後になりますが、中医協の議論を充実させるために尽力いただきました各分科会の関係者の皆様、また、立場の違いから厳しい議論になったこともございましたが、皆保険を守るという観点から様々な御意見をいただきました支払い側委員の皆様に感謝申し上げます。
さらに、両側の意見の取りまとめに御尽力いただきました小塩会長をはじめ、公益委員の方々、そして、膨大な資料の作成や丁寧な合意形成に向けて、日夜御苦労いただきました厚生労働省事務局の皆様に感謝を申し上げたいと思います。
私からは以上でございます。
ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、この答申書及び附帯意見をもって、中医協から答申を行うこととしたいと思いますが、いかがでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、事務局におかれましては、答申書の正本の御準備をお願いいたします。
本日は、佐藤厚生労働副大臣がお見えですので、私より副大臣に答申書をお渡ししたいと思います。
(小塩会長から佐藤厚生労働副大臣へ答申書を手交)
○小塩会長
それでは、副大臣より一言御挨拶をいただきます。
よろしくお願いいたします。
○佐藤厚生労働副大臣
小塩会長をはじめ、委員の皆様におかれましては、令和4年度診療報酬改定に向けまして、長期間にわたり精力的に御議論いただきまして、心から感謝を申し上げます。
ただいまその集大成といたしまして、令和4年度診療報酬改定についての答申を頂戴しましたこと、改めて御礼申し上げたいと思います。
今回の改定は、新型コロナウイルス感染症の発生後、初めての改定となりましたが、同感染症の感染拡大により明らかになった様々な課題を踏まえた効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築や、医師等の働き方改革の推進に向け、御議論いただいたものと考えております。
また、不妊治療の保険適用をはじめ、患者、国民にとって身近であって、安全・安心で質の高い医療を実現するとともに、効率化・適正化を通じた制度の持続可能性にも御配慮いただいたものと考えております。
厚生労働省といたしましても、この答申に基づいて、速やかに告示や通知の整備を行い、4月からの施行に向けて、万全を期してまいる所存でございます。
また、改定による影響等の検証や今回の改定で残された課題の検討など、附帯意見としていただいた事項については、厚生労働省としても真摯に受け止めて対応してまいります。
引き続き国民皆保険を堅持し、国民が望む安心・安全で質の高い医療の実現に向けて、委員の皆様の御指導を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。
本日はどうもありがとうございました。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、お時間を頂戴して、私からも一言御挨拶を申し上げます。
今回の診療報酬改定には、大きく分けて3つの課題がございました。
第1は、高齢化の本格的な進展の下で、医療保険制度の効率性と持続可能性をどのように高めるべきかという長期的な課題です。
2番目は、新型コロナウイルス感染拡大に診療報酬面でどのように対応すべきかという極めてリアルタイムの課題です。
第3に、不妊治療の保険適用、オンライン診療、リフィル処方箋といった新たな面の改革を診療報酬面でどのように反映させるべきかという課題がございました。言わば、連立3元方程式を解く必要があったわけです。
しかも、その連立方程式を対面ではなく、ほぼ全会にわたってオンラインでの議論で解かなければならないという極めて異例な展開となりました。
しかし、1号側、2号側双方の各委員、専門委員、そして各分科会の皆様におかれましては、極めて精力的かつ真摯に議論していただき、本日、無事答申に至ることができました。
お立場によって意見が対立する場面もございましたが、制度をよりよいものにするというスタンスは、我々全員に共有されており、現時点では連立方程式のベストの解を得ることができたと思っております。会長として深く御礼申し上げます。
また、連日連夜、まさしく働き方改革に真っ向から反対するような形で、深夜まで役所に残って膨大な量の資料を作成し、各関係者との調整に当たり、会場の設営を含む様々なロジスティクスに御尽力してくださった事務局スタッフの皆様にも、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
4月からは新しい診療報酬体系及び薬価体系に移行するわけですが、コロナの収束までにはまだ時間がかかりそうですし、事態は極めて流動的です。改定の効果をしっかりと検証していく必要がございます。
そして、今回の改定作業では、診療報酬、薬価そのものをめぐる議論のほかに、2点注目すべき議論がございました。
一つは、できるだけ制度や改革の効果を統計データやエビデンスを用いてしっかりと検証する必要があるということ。
もう一つは、制度が非常に複雑になっておりますので、医療関係者は当然のこと、一般の国民の方々にも分かりやすい形で情報公開を進めること。この2つの重要性が指摘されておりました。この点も肝に銘じる必要があると思います。
診療報酬改定の作業は、本日でひとまず一段落するわけですが、制度のさらなる充実を目指して、委員、専門委員の皆様には一層の御協力、御指導をお願いする次第です。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○小塩会長
以上をもちまして「答申について」の議題は終了いたします。
佐藤副大臣、どうもありがとうございました。
○佐藤厚生労働副大臣
ありがとうございました。
○小塩会長
佐藤副大臣におかれましては、公務により、ここで御退席ということになります。
ありがとうございました。
(佐藤厚生労働副大臣退室)
○小塩会長
続きまして「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
資料総-6になります。
「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」でございます。
定例の議題ではございますが、新規に薬価収載された医薬品等については、DPC/PDPSにおける診断群分類点数表に反映されないことから、一定の基準に該当する医薬品等を使用した患者については、包括評価の対象外とし、次期診療報酬改定までの間、出来高算定することとしております。
今回、令和4年4月1日に新規に薬価収載される薬剤について判定を行い、一覧にお示ししております医薬品については、対応する診断群分類において基準に該当しておりましたので、出来高算定としてはどうかという御提案でございます。
なお、2の※にも記載しておりますが、本判定は現行薬価を基に判定しております。
令和4年4月1日に適用する際には、令和4年度改定を受けた薬価及び診断群分類点数表を踏まえた対応としたいと考えております。
説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「公知申請とされた適応外薬の保険適用について」を議題といたします。
本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-7を御覧ください。
「公知申請とされた適応外薬の保険適用について」でございます。
いわゆる適応外薬につきましては、薬事・食品衛生審議会の事前評価が終了した段階で保険適用することとしております。
2ポツですが、2月4日付で開催されました薬食審医薬品第二部会におきまして事前評価が終了した、表にあります4品目につきまして、同日付で保険適用しておりますので、御報告させていただきます。
品目につきましては、最初がベバシズマブですが、卵巣がんに対する用法・用量の追加でございます。
その下が、レノグラスチムまたはフィルグラスチムとフルダラビンの併用という使い方になりますが、再発または難治性の急性骨髄性白血病について、抗悪性腫瘍剤として、または抗悪性腫瘍剤との併用療法としてということで、今回、評価が終了しておりますので、保険適用としております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会は、これにて閉会といたします。
どうもありがとうございました。
 

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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