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2022年1月14日 中央社会保険医療協議会 総会 第510回議事録

○日時

令和4年1月14日(金)10:30~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 鈴木順三委員
城守国斗委員 長島公之委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 中村春基専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○最適使用推進ガイドラインについて
○医療機器の保険適用に係る経緯と今後の対応について
○これまでの議論の整理(案)について
○令和4年度診療報酬改定について(諮問)
○その他

○議事 


 
○小塩会長
おはようございます。ただいまより、第510回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。
また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、末松委員と羽田専門委員が御欠席です。
それでは、議事に入らせていただきます。
初めに、「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○吉田医薬品審査管理課長
医薬品審査管理課長でございます。
それでは、私から中医協総-1-1及び総-1-2に基づきまして、最適使用推進ガイドラインについて御報告いたします。
まず、中医協総-1-1でございますけれども、ニボルマブを有効成分とするいわゆるオプジーボについてでございますが、昨年12月24日に原発不明癌に係る効能・効果追加の一部変更について承認され、同日付で最適使用推進ガイドラインを発生しましたので、報告するものでございます。
今回のガイドラインの構成についても、これまで作成しておりますオプジーボの最適使用推進ガイドラインと同様でございます。
2ページ、「はじめに」というところでございますが、効能・効果はいわゆる原発不明癌でございます。用法・用量は、通常、成人にはニボルマブとして1回240mgを2週間間隔、または1回480mgを4週間間隔で点滴静注するというものでございます。
4ページから臨床成績でございますが、まず4ページですけれども、原発不明癌患者を対象とした臨床試験が実施されておりまして、主要評価項目とされました化学療法歴のある患者のいわゆる奏効率につきましては、事前に設定された閾値は5%ですが、これを上回ったという成績でございます。また、化学療法歴のない患者においても一定の総効率が認められてございます。
5ページから安全性プロファイルでございますが、既承認の効能・効果と比較し、新たな懸念は認められておりませんで、適切な注意喚起を実施することで管理可能と考えてございます。
それから、7ページから施設の要件でございますが、特に真ん中あたりの1-2におきまして、原発不明癌に対する化学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を持つ医師を責任者として配置するよう記載させていただいています。
その他の内容はこれまでのオプジーボの最適使用推進ガイドラインと同様でございます。
次に9ページでございますが、投与対象となる患者でございますが、まず有効性に関する事項につきましては、日本臨床腫瘍学会作成の「原発不明がん診療ガイドライン」に基づいて、適切な全身検索及び病理学的検査を実施した上で、原発臓器が不明な上皮性悪性腫瘍と診断され、かつ、腫瘍の局在・組織型等に基づいて推奨される治療法のない患者に対して本剤の移行性が示されている旨を記載させていただいています。
真ん中あたりの安全性に関する事項は、これまでのオプジーボの最適使用推進ガイドラインと同様でございます。
それから、10ページ、11ページは、投与に際して留意すべき事項でございますが、これもこれまでと同様でございます。
続きまして、中医協総-1-2でございますが、いわゆるペムブロリズマブを有効性成分とするキイトルーダでございますが、こちらについても昨年12月24日に子宮体癌に係る効能・効果の追加の一部変更が承認されまして、同日付で最適使用推進ガイドラインを発出しておりますので、報告するものでございます。
こちらについても、今回のガイドラインはこれまで作成しているキイトルーダの最適使用推進ガイドラインと基本的に同じでございます。
2ページを御覧いただきたいと思いますが、まず今回の対象となる効能・効果でございますが、枠の中でございますけれども、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌となってございます。
用法・用量ですが、レンバチニブメシル酸塩との併用になりますが、それにおいて、通常、成人にはペムブロリズマブとして1回200mgを3週間間隔、または400mgを6週間間隔で30分かけて点滴静注といった用法・用量でございます。
4ページから臨床成績を記載させていただきます。プラチナ製剤を含む化学療法歴のある切除不能な進行・再発の子宮体癌患者を対象とした臨床試験が実施されておりまして、主要評価項目とされました全生存期間(いわゆるOS)、あるいは無増悪生存期間(PFS)ですが、これについて対象とされました化学療法と比較して、本剤とレンバチニブとの併用のほうが有意な延長が認められたという結果になってございます。
6ページから安全性プロファイルを示しておりますけれども、既承認の効能・効果として新たな懸念は認められておりませんで、適切な注意喚起で管理可能と考えられてございます。
それから、10ページから施設要件でございます。こちらについても、真ん中あたりの1-2というところにおきまして、子宮体癌に対する科学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を持つ医師を責任者で配置することを求めております。
その他の内容はこれまでのキイトルーダの最適使用推進ガイドラインと同じでございます。
それから、12ページでございます。投与対象となる患者でございますが、まず有効性に関する事項としましては、プラチナ製剤を含むがん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌患者に対して、本剤とレンバチニブメシル酸塩との併用投与で有効性が示されているという旨をまず記載しております。
安全性に関する事項はこれまでのキイトルーダのガイドラインと同様でございます。
最後、13ページでございますが、投与に際しての留意すべき事項については、これまでのものと同様となってございます。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、引き続き事務局から補足の説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-1-3を御覧ください。
先ほど御説明いたしました最適使用推進ガイドラインに基づく保険適用上の留意事項についてでございます。
まず、こちらがオプジーボについてでございます。「2 対象品目の概要」で原発不明癌としております。
「3 留意事項の内容」としまして、共通事項のほか、(2)診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項としまして、1医療施設の要件のいずれに該当するか。2治療の責任者の要件のいずれに該当するか。それから、2ページ目にお移りいただきまして、3としまして、今回原発不明癌ですので、診断するに当たり実施した全身検索及び病理学的検査としていずれに該当するかということで、その下に※で挙げておりますような検査方法について記載いただくということとしております。
こちらにつきまして、効能追加に合わせまして、12月24日付で既に発出し、同日付適用としております。
続きまして、資料総-1-4を御覧ください。
こちらがキイトルーダについてのものとなります。
今回の対象となる効能・効果が子宮体癌のものとなります。
下の「3 留意事項の内容」としまして、(2)診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項としまして、1医療施設の要件のいずれに該当するか。2治療の責任者の要件のいずれに該当するかを記載いただくこととしております。
2ページ目にお移りいただきまして、発出日、適用日については、先ほどと同様、12月24日付で発出し、同日付適用としております。
以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして、「医療機器の保険適用に係る経緯と今後の対応について」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
中医協総-2を御覧いただきたいと存じます。
オンコタイプDXに関するこれまでの経緯と今後の対応についてでございます。
資料の【経緯】に記載のとおりでございますが、この事案につきましては、企業の開発の遅延のために、12月1日の中医協総会におきまして12月1日の保険適用を保留したものでございます。
各部局での対応状況等、また、今後の対応について御報告させていただきたいと存じます。
まず、薬事における対応の報告でございます。当該医療機器につきましては、米国Genomic Health社のクラウド上に存在する「解析プログラム」と、そこにアクセスする「日本ポータル」から構成されるものでございます。
薬事の審査におきましては、この「解析プログラム」が算出する再発スコアの臨床的妥当性、また、「日本ポータル」経由で検査依頼して得た結果と、経由せずに得た結果を比較する方法で「日本ポータル」が正常に作動することを薬事審査において確認されたところでございます。
その審査の過程におきまして、使用目的(検査対象患者)を限定したことに伴いまして、プログラム変更を販売開始まで行うよう指示した上で承認したという経緯となってございます。
今般、保険適用遅延の要望書を受け、企業に状況確認を行ったところ、当該プログラム変更がいまだ完了していないということであり、薬事におきまして早急な変更と動作確認を行うよう指示したという経緯となっております。
一方、経済課での対応状況でございますが、今般、企業からの保険適用希望書の提出があった場合につきまして、企業に対しましては、保険提供された場合に安定的に供給できるか確認しております。
今回の事案を踏まえまして、経済課から企業に確認をしたところ、12月1日までにはプログラム変更が完了する見込みであるということで、経済課から医療課に対して保険適用希望書に基づき審議を進めるよう申し出た経緯となっております。
また、2ページ目でございますが、具体的に企業におきまして開発が遅れた理由につきましては記載のとおりでございますが、この「日本ポータル」につきましては、米国側の分析結果を抽出して日本側へ表示するものとなっております。日本での運用において「日本ポータル」は必要不可欠のものでございますが、このエグザクトサイエンス社のガバナンス体制に問題があり、必要な情報が関係者に共有されていなかった結果、上市予定であった12月1日までに当該ポータルの不具合の修正及び検査フローに基づく動作確認試験が完了しなかったというものでございます。
こういった経緯がある中で、12月1日の中医協の意見では、企業が予定までに開発できなかった原因を調査し、薬事での承認から保険適用に至るまでのプロセスにおいて、今後の再発防止対策を講じるべきとの御意見をいただいたところでございます。
今般、私ども事務局で医療機器審査管理課及び経済課と協議しながら再発防止するための対応についてまとめたものが、下の四角に記載したものでございます。
まず、1つ目の○でございますが、プログラム医療機器のうち、薬事の審査過程で改修が指示され承認されたものにつきましては、承認後、上市までの間に指示に従って改修・検証されたことをPMDAが確認することとします。
また、※で記載のとおり、その際、医療機器審査管理課は、経済課に対しまして、承認時に改修予定品目を伝達するとともに、指示どおりに改修・検証されたことの確認結果を書面で共有することとしたいと考えております。
2つ目の○でございますが、保険適用のプロセスにおきましては、経済課は先ほど申し上げました書面で示された確認結果を把握した後、改めて保険適用時点においてもプログラムが稼働できることを確認するために、企業より自己宣誓書の訂正を求めた上で、保険医療材料等専門組織に諮ることとするものであります。
また、最後の○でございますが、当該企業に対しましては、厚生労働省に対して、正当な理由なく安定供給が困難な事態を遅滞なく報告しなかったものでございますので、企業からの再発防止等の改善策が示されない限り、経済課において今後の保険適用の手続を保留する対応としたいと考えております。
私からの説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
このオンコタイプDXが予定どおりに上市できなかった理由が、単純に開発に時間がかかったということではなく、業者におけるガバナンス体制に不備があって情報が共有されていなかったということに関しては、極めて大きな問題であると認識しております。
したがって、事務局から示されました対応案において、PMDAと経済課が二段階でチェックすることに加えまして、企業から改善策が示されない限り、保険適用の手続を留保するということは妥当な判断だと考えます。
一方、乳がんの再発リスクの判定は、患者の安心・安全と適切な治療の機会を確保する上で重要な技術だと認識しております。保険適用がされるまでの間、保険外併用療養制度を活用することも可能かと思いますので、患者のニーズに対応できるよう御検討いただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
これは承認された時点でプログラムの改修をしないと駄目よということで指示されたわけですけれども、承認の時点でそういうプログラムがきちんとできていないのであれば、承認を見送るとかという対応はできなかった話なのかどうかということをお聞きしたいと思うのです。保険適用になる、承認されるということは、一部の患者さんにとっては朗報ということで、待つという状態になるわけですけれども、それがはしごが外されるような状態というのはやはり精神的にもダメージを受けますので、その辺りも含めてお聞きしたいです。
○小塩会長
ありがとうございます。
事務局、御回答をよろしくお願いいたします。
○関野医療機器審査管理課長
間宮委員、御質問ありがとうございます。
医療機器審査管理課長から答えさせていただきます。
本件に関しましては、今、資料総-2で御説明したような形で、今後、再発防止を行っていくわけでございますけれども、今回の事案に関しましては、先ほどの説明にもありましたとおり、「日本ポータル」という一つのパーツの部分についての改修を求めたところ、その改修の過程で、本体のプログラムも含めて、これはプログラム医療機器特有の部分でございますが、全てのそういったアルゴリズムほかが少し変わってしまったということで、今回のような状態になっていると理解しています。
「日本ポータル」という部分に関しましては、承認審査の過程で使用目的に当たる乳がんの対象患者さんがきちんとセレクトできるような形で用意されるプログラムの部分でございまして、本体のプログラムのほうに関しましては改修を求めておりませんので、基本的には審査の過程で評価をいたしました有効性と安全性には影響しないということも含めて確認が行われたケースと御理解いただければと思います。
したがって、ポータルの部分に関しましては、適切な患者さんが登録されるようなゲートウェイのような格好の部分のプログラムでございますので、これに関しましては、少なくとも承認の段階というよりは、今回のケースであれば、上市、臨床での使用が始まる前までにきちんと整えるようにという形での取扱いをしたところでございまして、承認を止めるという意味で有効性、安全性のところに影響がある部分ではなかったということで、今回こういう取扱いをさせていただいたという経緯でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
間宮委員、よろしいでしょうか。
○間宮委員
やはり患者にというか、提供するサービスが万全になった状態が本当は承認なのではないかなと思いますので、その辺りの確認のプロセスというのももう一度考えることが大事かなと思っています。
今後、プログラム系のサービスというのは結構出てくると思うので、そのときに、今回の話は違うかもしれませんけれども、不具合が出てサービス自体が止まってしまうということになると、患者にとってはある意味ライフラインが止まってしまうということにもつながりますので、十分にそういうことが起きないようなプロセスをつくっていっていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
事務局からよろしいですか。
○関野医療機器審査管理課長
医療機器審査管理課長でございます。
今、御指摘のとおり、非常に重要な問題として捉えまして、こういったことが起こらないように、経済課と協力して保険サイドのほうに御迷惑かからないようにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
先ほど間宮委員から御指摘があったように、プログラム医療機器というのは、今までの概念、考え方では対応できないような問題が生じ得るということが今回のポータルのところで明らかになったと考えております。
したがいまして、今回の件に関しては御提案の対応策でよろしいかと思いますけれども、以前から繰り返し申し上げておりますように、プログラム医療機器というのは極めて多岐にわたりますので、またそれぞれ個別の案件でいろいろな課題が生じてくるかと思いますので、個別に一つずつ丁寧に対応し、薬事承認の段階から最後の保険収載にわたるまでプロセス全体で一つ一つ対応すべきと考えておりますので、事務局でもよろしくお願い申し上げます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
事務局としては、今いただいた御要望に十分対応して検討していただきたいと思います。
3名の方から御意見、御質問をいただいたのですけれども、ほかによろしいでしょうか。
それでは、ほかには御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして、「これまでの議論の整理(案)について」を議題といたします。
前回の1月12日の中医協総会でいただいた御意見を踏まえて、事務局に整理をしていただきました。その修正点等を確認していただきたいと思います。
それでは、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○井内医療課長
これまでの議論の整理案につきまして、資料総-3で修正を行った案文をお示ししておりますので、御説明をさせていただきます。
まず、前回も御説明させていただきましたが、本資料は1ページ目、冒頭の留意事項に記載のあるとおり、これまでの議論の整理を行ったものであり、今後の中央社会保険医療協議会における議論により必要な変更が加えられるという前提で整理を行っているものでございます。
前回、各委員から、オンライン資格確認や紹介受診、重点医療機関等について御意見をいただいておりますが、これらを含め、個別改定項目の議論をしっかり進めていただきたいと考えております。
4ページ目でございます。Ⅰ-3、(16)でございます。地域包括ケア病棟に関する項目で、「それぞれの役割」と記載されていた部分につきましては、池端委員より、地域包括ケア病棟において一般病床と療養病床の間で役割自体に違いはないのではないかといった御発言がございました。このことを踏まえまして、該当部分の記載を削除する修正を行っております。
また、19ページ、Ⅲ-5、(1)の歯科の基本診療料の評価部分につきましては、修文は行っておりませんが、前回、2号側委員から御発言もあったとおり、この項目に記載されている研修等に係る要件の見直しだけでなく、20ページの(5)2に記載されております歯周基本治療処置の診療実態も踏まえた廃止も併せて実施するということでございます。
明細書の無料発行につきましては、前回、今改定においても推進すべきという御意見があった一方、現在は前回改定の経過措置期間中であり、引き続きの検討課題であるとの御意見もございました。
今回の議論の整理案には盛り込んでおりませんが、今後、前回改定の見直し内容が施行され、また、令和6年度から訪問看護レセプトについて電子請求が開始されることも踏まえ、医療現場の実態も確認しながら、引き続き御議論いただく課題と認識しております。
事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして何か御質問等はございますでしょうか。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
前回の中医協において発言をさせていただきましたが、診療明細書の無料発行についての再度の発言と、処遇改善について申し述べたいと思っております。
今回の診療報酬改定において、議題に上がらず、議論にならなかった診療明細書の無料発行については、大変残念でありますが、今後、中医協において施行状況等を検証しながら議論をしていくと御説明いただいたので、理解したいと思っております。
また、前回も言及いたしましたが、訪問看護事業所については令和6年4月診療分から電子請求が始まることとなっており、レセプトコンピューターのシステム事業者は開始に向けて開発を行い、販売を行っていくと思われます。明細書の発行機能を後づけすると、システム改修の手間と訪問看護事業所においてシステム改修にかかる追加の費用負担が発生すると思われるため、早期に議論を始めていただきたいと考えております。
看護職員等の処遇改善については、別途諮問・答申を行うこととなっておりますが、看護職員をはじめ、医療関係者の手元にしっかりと届くような仕組みづくりが必要であり、そのための議論をできるだけ早期に開始していただきたいと考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
令和4年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理案につきましては、この内容で了承いたします。
その上で、歯科医療に関しまして1点要望がございます。
昨年12月10日の中医協総会での歯科医療(その2)の議論の際にも申し上げましたが、神経が残っている歯の処置や歯冠形成などは歯科の浸潤麻酔が必要となりますが、これはかなり以前からですが、麻酔の手術料並びに薬剤料が包括されております。歯科治療の際には、患者さんの痛みを極力軽減する努力をしておりますし、治療技術の進歩とともに現状では相当変化してきておりまして、現場の実態を踏まえ改定するべきと主張してまいりました。歯科医療機関の麻酔薬等の負担も考慮した、実態に即した適切な評価が課題と考えております。この次の改定に向けては、現場における実態把握や、関係学会による知見や文献も考慮しながら、引き続き検討をしていただきますよう、よろしくお願いいたします。
以上、要望でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私からは、まず1の(16)の地域包括ケア病棟における一般病床と療養病床の違いについての文章について、私の発言をお酌み取りいただきまして、修文いただきましたこと、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
その上で1点だけ、決して修文を求めるものではありませんが、この場を借りてコメントさせていただきたいと思います。
(3)、(4)にあります重症度、医療・看護必要度の議論について、この議論の整理については了解しておりますが、前回の総会でお示しいただいたシミュレーションの資料を見る限り、かなりの劇薬になる可能性が高いという印象を持っております。これがさらに副作用の強い毒薬になってしまい、地域の医療提供体制に対して一部崩壊につながるようなことになってしまう危惧もされるところでございます。もちろん、2号側としても病院の機能分化、連携の重要性については十分理解しているつもりでありますが、事務局におかれましては、項目の変更や重症度基準の変更も視野に入れたさらなる詳しい分析も含めて、より丁寧な議論が進められるよう、お計らいいただきますよう要望したいと思います。
以上、コメントさせていただきました。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
診療明細書の無料発行について、今改定の議論の中では議題にも上がらなくて、今回の整理の中にも盛り込まれないというのは非常に残念でありますけれども、同時に患者の立場としてここに座らせていただいている私としては非常に反省すべきだなと思っています。患者のヘルスリテラシーの向上というのは、医療を円滑に進めていくという意味でも非常に大事なことだと思いますので、まず患者に自分の受けた医療を理解してもらう。それから、保険の制度というものを理解してもらう。そういう意味でも、やはり診療明細書の無料発行というのは、いずれは完全に無料発行にして、全員の患者さんに受け取ってもらうという形にするのが望ましいと思います。
特に今回言いたかったのは、いつどういう医療を受けて、いつどういう薬剤を投与されたのか、いつどういう検査を受けたのかということをきちんと患者が把握できるようにしていただきたいと思います。通院のときというのはもちろん日付がつきますけれども、やはり入院時にそれがきちんと示されないというのは、あまり情報としては後々に使えないというか振り返れないということもありますので、それを実現していただくように今後検討していっていただきたいと思います。
もちろん事務局が診療明細書の無料発行について重視しているということは理解しましたので、医療提供側の協力も得ながら実現していっていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございました。
前回の総会で、幾つか新たな評価に関することに関して意見を申し上げましたけれども、文言そのものは修正しないということでございましたが、先ほど課長からの御発言もありましたけれども、この議論の整理が診療報酬の改定の方向性を決定づけるものではなく、また、今後の個別改定項目でしっかり議論するということで理解させていただきました。
また、ここに書かれていない内容として、先ほどから佐保委員、並びに間宮委員からも発言がございましたけれども、明細書の無料発行、さらにはフォーミュラリ、そして、かかりつけ医の報酬体系については、いずれも今回対応が難しいということについては理解いたしましたが、我々にとっては非常に関心のあるテーマでもありますので、次に向けた重要な宿題として残っているということを改めて指摘させていただきたいと考えます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
言い忘れたというか、これから検討していただきたいのですけれども、患者の安全・安心ということで検討を毎回の改定のときにしていただいてはいるのですが、情報提供や今回の診療明細書の無料発行もそうですけれども、ほかのことについても、やはり毎回の改定のときに次は何ができるかということを積極的に検討の場に出していく。それぞれの立場から課題は何があるのかというのを出す機会を持っていただきたいと思いますので、改定の最初の段階からそういうことを大項目として挙げていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
病院の働き方改革について、病院内の働き方の改革というものに加えて、病院で行う医療の重点化等を通じて働き方の改革を進めていくということも大変重要ではないかと思っているのですが、その辺りは今後どのようにやっていくとお考えいただいたのか、事務局にお聞かせいただければと思います。
○小塩会長
今、飯塚委員から御質問がありましたので、事務局から御回答をお願いいたします。
○井内医療課長
今後、この中医協の場において個別の議論をしていただく際に議論していただきたいと思っております。
○小塩会長
飯塚委員、よろしいでしょうか。
○飯塚委員
では、その観点から十分に御検討いただいて議論いただければと思います。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。
永瀬委員、お願いいたします。
○永瀬委員
ありがとうございます。
前回、医療の情報開示ということを飯塚委員がおっしゃっていました。これに関連し、特定不妊治療の事業では令和3年度から指定機関が情報公開することになっており、東京都では、例えば配置人員、治療内容、治療成績、患者数、治療指針などの数値が公開されています。こういった情報公開が保険適用で後退しないようにお願いしたいと思います。これは特に修文を求めるものではございませんが、意見としてここで申し述べたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
本日も多くの委員から貴重なコメント、御要望をいただきましたので、それを踏まえて、事務局ではさらに検討していただきたいと思いますが、本日提示していただきましたこれまでの議論の整理につきましてはこの内容でまとめたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
どうもありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。
続きまして、「令和4年度診療報酬改定について(諮問)」を議題といたします。
本日、厚生労働大臣より諮問がなされておりますので、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○井内医療課長
資料総-4を御覧ください。
中央社会保険医療協議会会長小塩隆士殿に対しまして、厚生労働大臣後藤茂之より諮問書が出されております。
読み上げさせていただきますと、令和4年度診療報酬改定について、健康保険法第82条第1項、第85条第3項、第85条の2第3項、第86条第3項、第88条第5項及び第92条第3項、船員保険法第59条において準用する健康保険法第82条第1項及び船員保険法第65条第12項において準用する健康保険法第92条第3項、国民健康保険法第46条において準用する健康保険法第82条第1項及び国民健康保険法第54条の2第12項において準用する健康保険法第92条第3項並びに高齢者の医療の確保に関する法律第71条第1項、第74条第8項、第75条第5条、第76条第4項、第78条第5項及び第79条第3項の規定に基づき、令和4年度診療報酬改定について、貴会の意見を求めます。
なお、答申に当たっては、別紙1「診療報酬改定について」及び別紙2「令和4年度診療報酬改定の基本方針」に基づき行っていただくよう求めます。
以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、こちらの諮問を受けて、令和4年度診療報酬改定に向けてさらに検討を進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の議題は以上ですが、事務局からその他として資料が提出されていますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
資料総-5-1を御覧いただきたいと思います。
令和4年度診療報酬改定に関するパブリックコメントの実施についての御報告でございます。
本日取りまとめていただきました「令和4年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」につきましては、厚生労働省ホームページのパブリックコメントのページにおいて幅広く御意見を募集したいと考えております。
2ページ目ですが、意見募集の期間につきましては1週間程度ということで、本日から1月21日までとしたいと考えております。
3ページ目以降が意見提出の様式でございます。
簡単ではございますが、説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、事務局より説明のあった方向で準備を進めていただきたいと思います。
続きまして、事務局より説明をお願いいたします。
○日野原医療指導監査室長
事務局、医療指導監査室長です。
お手元の総-5-2を御覧ください。
令和2年度における保険医療機関等の指導・監査等の実施状況について御報告いたします。
まず「1 指導・監査等の実施件数」につきましては、御覧のとおり、個別指導1,797件、新規個別指導2,915件、適時調査5件、監査46件となっております。
令和2年度は、皆様御承知のとおり、1年間丸々コロナ禍にあったといった最初の年でして、緊急事態宣言発令中など指導・監査の実施を控えた時期もあり、前年度比較としては御覧のとおりの数値の開きも出ておりますが、その中でも優先順位を考慮しつつ、鋭意指導及び監査実施推進に努めてきたところでございます。
続きまして、「2 取消等の状況」を御覧いただきますと、保険医療機関等19件、保険医等18名、こちらは前年度とほぼ同様という結果となっております。
なお、取消事案の特徴といたしまして3点記載させていただいておりますが、特に監査拒否による処分といったものが4件ございまして、こちらは増加傾向が見られるようでございます。
続きまして、「3 返還金額」でございます。令和2年度中に確定した保険医療機関等からの返還額は約59億6000万円、その内訳は御覧のとおりとなります。
なお、注書きにも添えておりますとおり、これは令和2年度に確定した額でして、令和元年以前からの引き続きの案件の額も含むことを御承知おきください。
2ページに参ります。
ただいま御説明いたしました指導・監査並びに取消しの状況につきまして、医科と歯科と薬科の内訳を2ページでお示ししております。
続きまして、3ページを御覧いただけますでしょうか。
こちらは平成28年度から令和2年度までの経時的な推移をお示ししております。
続きまして、4ページ目は都道府県ごとの件数を示したものとなります。
それから、次の5ページ目は、先ほど御報告いたしました保険医療機関等の取消しについて、内容の概略をまとめた一覧でございます。
6ページに関しましては、医科、歯科の実際の取消事例につきまして、このような内容がございますと主な事例を御報告させていただいております。
7ページ、8ページは用語解説となります。
私からの説明は以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
1点質問をさせてください。
監査拒否となって保険医療機関等の指定取消処分を受けた場合の返還金額の確定は、どのような方法ですか。どのようにやっているのかが分からないので、教えていただければと思います。
以上です。
○小塩会長
御回答をお願いいたします。
○日野原医療指導監査室長
御質問ありがとうございました。
5ページの具体的事例で御説明させていただければと思いますが、御指摘のとおり、例えば6番にございます監査拒否となっております医療機関に関しましては、現在精査中という形で書かせていただいておりますが、結局、監査を拒否されて事実確認というものを行うことができない以上は額を確定させることができないという事情がございますので、精査中という形にはなっておりますが、これは確定できない限り精査中という形で続いてしまうというような状況でございます。
○小塩会長
佐保委員、よろしいでしょうか。
○佐保委員
回答自体は分かりましたけれども、幾らお金を返せという話になるのかが分からなかったので、この点について何かお答えがあれば教えてください。
○小塩会長
いかがでしょうか。
○日野原医療指導監査室長
ありがとうございます。
監査拒否なので一律に幾ら返してくださいということはありませんで、あくまでも確定した額を返してくださいということにつきます。
それから、告発という方法はございまして、過去の事例を基に刑法第246条の詐欺罪で、告発ということは手段としてあり得ます。
○佐保委員
ありがとうございました。結局、監査拒否になってお金を返さないのではないかとかという心配があったので質問しました。
○小塩会長
ありがとうございます。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
1ページ目の「1 指導・監査等の実施件数」の特徴のところに、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から指導、調査の実施の見合わせを行っているという記載がございますけれども、逆に対象となる医療機関はどのように選定されたのか、通常との違いがあれば教えていただければと思いまして発言いたしました。よろしくお願いいたします。
○小塩会長
それでは、御回答をお願いいたします。
○日野原医療指導監査室長
御質問ありがとうございます。
それぞれの指導ごとに対象の選定方法がございますが、一番いろいろなものを含みますのが個別指導の中身となります。個別指導の選定方法といたしましては、1つ目は情報提供によるもの。それから、前年度の再指導によるもの。もう一つといたしまして、これが大半を占めるのでございますが、高得点の点数が見られる医療機関を一定の基準で選定しております。
この3番目の高得点によるものということに関しましては、令和2年度中ではないのですが、令和3年度中はやはり新型コロナウイルスの影響を受けているということで、選定対象とはしないという措置は取っております。
もう少し御説明したほうがよろしいでしょうか。一通り御説明いたしますと、新規個別指導といいますのは新規に開設した医療機関に対して行うものであり、適時調査につきましては、ある一定規模以上の病院医療機関に関しまして実施しているところですが、こちらのほうは実地で行うことが原則となっておりますので、令和2年度は実施していないという形となります。
このようなところで説明になっておりますでしょうか。
○松本委員
ありがとうございました。これで結構です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
ほかに御質問はないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。


 
 

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