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2021年12月22日 中央社会保険医療協議会 総会 第507回議事録

○日時

令和3年12月22日(水)~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員
城守国斗委員 長島公之委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 中村春基専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○令和4年度薬価制度改革の骨子(案)について
○令和4年度保険医療材料制度改革の骨子(案)について
○令和4年度費用対効果評価制度改革の骨子(案)について
○外来(その5)について
○個別事項(その11)について

○議事 

 
○小塩会長
それでは、ただいまより第507回「中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開については、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。本日は、鈴木委員、末松委員と羽田専門委員が御欠席です。吉川専門委員は遅れて御出席と伺っております。
それでは、議事に入らせていただきます。
初めに「令和4年度薬価制度改革の骨子(案)について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-1を御覧ください。「令和4年度薬価制度改革の骨子(案)」についてでございます。
先立って開催されました薬価専門部会におきまして、こちらの骨子(案)についてお諮りしたところでございます。
まず1点、字句の訂正をしております。
10ページ目を御覧ください。10ページ目の上から4行目でございます。冒頭、「まで」という言葉が2つ出てきていますけれども、こちらの後ろのほうを「を」に修正しまして、「それ以外の基礎的医薬品まで価格を戻さず」というふうに修正をさせていただいております。
そして、薬価専門部会におきまして、幾つか御意見をいただきました。
まず、原価計算方式の開示等の向上につきまして、今後の研究開発や安定供給への影響について、そういった影響がないかどうか確認が必要であるという御意見をいただいております。
また、調整幅の在り方につきまして、今後、詳細な資料を提示しての議論が必要であるという御意見をいただいております。
それからもう一点、診療報酬改定がない年の薬価改定につきまして、今後も継続して、遅れることなく検討が必要であるといった御意見をいただいております。
そういった御意見をいただいた上で、こちらの骨子(案)について御了解いただいたところでございます。
以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
今の御説明にありました原価計算方式の開示度に関してですけれども、2点お願いできればと思います。
これはやはりイノベーション推進の観点からは懸念されるというのが先ほどの会議でも御指摘されたということですので、1点目は、この見直しで製造原価の開示を進めるということが目的ということなので、今後実際に開示が進んだのかどうかということを、今後、中医協に報告していただきたいと思います。
2点目ですけれども、開示度が低い場合が多いというのは、原価計算方式であるにもかかわらず原価が分からないと、原価の詳細が分からないということが多いということですので、そういう問題を提起していると。ですので、原価計算方式の適用範囲も含めて、今後さらに整理していただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
事務局、よろしいですか。
(紀平薬剤管理官首肯)
○小塩会長
それでは、今、飯塚委員からも御意見をいただきましたけれども、それも踏まえて今後検討していただくということで、本件につきましては、特にほかに御要望等がないようですので、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
次に「令和4年度保険医療材料制度改革の骨子(案)について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
それでは、総-2を御覧ください。
本総会の開催に先立ちまして、保険医療材料専門部会が開催されました。その場におきまして骨子(案)の御議論をいただき、原案を前提とした取りまとめがなされたということを御報告させていただきます。
部会におきましては、保険財源の重点的・効率的な配分や、革新的な医療材料のイノベーションの評価に加えまして、医療材料の特性を踏まえた、より適切な保険償還価格を設定する観点から、様々な議論が行われました。
特に部会におきまして、今般、プログラム医療機器について、プログラムのソフトウエア上の必要な機能がそろっておらず保険適用が保留された事案を踏まえまして、今後の再発防止策を徹底していただきたいという御意見もございました。
事務局からは以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、特に御質問等はないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「令和4年度費用対効果評価制度改革の骨子(案)について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
それでは、総-3を御覧ください。
12月1日に費用対効果評価専門部会が開催され、骨子(案)といたしまして、分析プロセス、価格調整方法及び分析体制の在り方等について御議論いただき、原案を前提とした取りまとめがなされたということを御報告させていただきます。
また、その際に部会の中で出た幾つかの主なコメントを御紹介させていただきます。
これまでの実績を踏まえた課題を解決するため、骨子として取りまとめた分析プロセスの見直しや、分析体制の充実に向けた対応を行っていくことが重要であること。
また、特に分析体制の充実のためには人材の育成が重要であり、計画的な取組が必要であることといった御意見をいただきました。
事務局からは以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
今回、この中医協におきましてこれまで時間をかけて様々な検討を重ねた上で、日本型の費用対効果評価制度を創設して、平成31年4月から運用開始、そして、この2年間で28品目を対象に13品目の評価が終了したと。こういう段階で明らかになった課題等についての対応を検討して、今回、一定の手直しができたということであろうと思います。これによりまして次のフェーズに向かって進むということができるものと考えておりますので、骨子(案)に異論はございません。
この費用対効果評価につきましては、あくまでも保険償還の可否判断に用いるのではなくて、一旦保険収載をした上で価格調整に用いて、その都度用いるという大原則があります。これを守りながら今後もあるべき日本型の制度として、海外の動きも参照にしながら進化させていくべきであろうと考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
ほかに御質問等がないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「外来(その5)について」、それから「個別事項(その11)について」を一括して議題といたします。
まず「外来(その5)」について、事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
資料総-4でございます。事務局で準備させていただきました「外来(その5)」につきまして御説明をさせていただきます。
まず、2ページ目にありますように、本日は診療におけるICTの活用ということで、「オンライン診療について」「オンライン資格確認について」「電子処方箋について」、最後に「論点」とさせていただいております。
まず1つ目の「オンライン診療に係る現状等について」でございます。
3ページ目でございますが、「経済財政運営と改革の基本方針2021(令和3年6月18日閣議決定)」におきまして、オンライン診療・オンライン服薬指導の特例措置の恒久化ということが挙げられております。
下のほうにございますこの枠の中でございますが、こちらは「規制改革実施計画(令和3年6月18日閣議決定)」のものでございますが、規制改革の内容といたしまして、cのところからでございます。情報通信機器を用いたオンライン診療については、初診からの実施は原則、かかりつけ医による実施(かかりつけ医以外の医師が、あらかじめ診療録、診療情報提供書、地域医療ネットワーク、健康診断結果等の情報により患者の状態が把握できる場合を含む。)とするとなっております。
そして、かかりつけ医がいない患者や、かかりつけ医がオンライン診療を行わない患者で上記の情報を有さない患者については、医師が、初回のオンライン診療に先立って、別に設定した患者本人とのオンラインでのやりとりの中でこれまでの患者の医療履歴や基礎疾患、現在の状況等につき、適切な情報が把握でき、医師・患者双方がオンラインでの診療が可能であると判断し、相互に合意した場合にはオンライン診療を認める方向で一定の要件を含む具体案を検討する。その上で、対面診療との関係を考慮し、診療報酬上の取扱いも含めて実施に向けた取組を進める。
そして、オンライン服薬指導については、患者がオンライン診療又は訪問診療を受診した場合に限定しない。また、薬剤師の判断により初回からオンライン服薬指導することも可能とする。介護施設等に居住する患者への実施に係る制約は撤廃する。これらを踏まえ、オンライン服薬指導の診療報酬について検討するとなっております。
次のページからでございます。この閣議決定を踏まえまして、次の4ページ目以降は、令和3年11月29日にオンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会というのが行われ、その中で出された資料を載せております。
ここでは、議論いただいた論点ということで、「初診に必要な医学的情報」「診療前相談について」「症状について」「処方について」「対面診療の実施体制について」となっております。
まず、5ページ目で「初診に必要な医学的情報」ということでございます。
「改定案」のところで、初診からのオンライン診療は、原則として「かかりつけの医師」が行うこと。ただし、既往歴、服薬歴、アレルギー歴等の他、症状から勘案して問診及び視診を補完するのに必要な医学的情報を過去の診療録、診療情報提供書、健康診断の結果、地域医療情報ネットワーク及びお薬手帳等から把握でき、患者の症状と合わせて医師が可能と判断した場合にも実施できる(後者の場合、事前に得た情報を診療録に記載する必要がある。)とされております。
6ページになります。診療前相談のところでございます。
この「改定案」のところの一番上のところですが、診療前相談は、日頃より直接の対面診療を重ねている等、患者と直接的な関係が既に存在する医師以外の医師が初診からのオンライン診療を行おうとする場合に、医師-患者間で映像を用いたリアルタイムのやり取りを行い、医師が患者の症状及び医学的情報を確認する行為とされております。
その下のなお書きのところでありますが、なお、診療前相談は、診断、処方その他の診療行為は含まない行為であるとされております。
7ページでございます。「症状について」でありますが、オンライン診療の実施の可否の判断については安全にオンライン診療が行えることを確認しておくことが必要であることから、オンライン診療が困難な症状として、一般社団法人日本医学会連合が作成した「オンライン診療の初診に適さない症状」等を踏まえて医師が判断し、オンライン診療が適さない場合には対面診療を実施すること。なお、緊急性が高い症状の場合は速やかに対面受診を促すことに留意するとなっております。
8ページ目でございます。「処方について」でございます。
ここの「改定案」のところですが、患者の心身の状態の十分な評価を行うため、初診からのオンライン診療の場合及び新たな疾患に対して医薬品の処方を行う場合は、一般社団法人日本医学会連合が作成した「オンライン診療の初診での投与について十分な検討が必要な薬剤」等の関係学会が定める診療ガイドラインを参考に行うこと。ただし、初診の場合には以下の処方は行わないこととなっております。
9ページ目、10ページ目で「対面診療の実施体制」となっております。
10ページ目の「対面診療の実施体制」となっておりますが、「かかりつけの医師」以外の医師が診療前相談を行った上で初診からのオンライン診療を行うのはということで、この3点ということでまとめられています。
その際、オンライン診療の実施後、対面診療につなげられるようにしておくことが、安全性が担保されたオンライン診療が実施できる体制として求められるとなっております。
そして、オンライン診療後の対面診療についてはということで、2つ望ましいということと、想定されるということでなっております。
これが、厚生労働省内のオンライン診療の実施に係る検討でございます。
11ページ目以降から、診療報酬でございます。
まず12ページが、「オンライン診療にかかる評価の経緯」ということで、過去の経緯を並べております。
13ページ、オンライン診療料等についてということで、オンライン診療料71点でございますが、これについての要件をまとめております。[主な算定要件][対象患者][施設基準]となっております。
[主な算定要件]のところは、まず1つ目が、診療計画を作成しということで、診療計画と連続する3月の間に対面診療が一度も行われていない場合は算定できないというふうに現行はなっているというものです。
次に、日常的に通院または訪問による対面診療が可能な患者を対象として実施することということになっています。患者の急変時等の緊急時には、原則、当該医療機関が必要な対応を行うこと。ただし、やむを得ず対応できない場合は、事前に受診可能な医療機関を説明し、計画に記載しておくことでよいとなっております。
(3)が、対面診療を行った医師と同一の医師であること。
(4)が、情報通信機器を用いた診療に係る指針に沿って診療を行うこと。
(5)が、オンライン診療料を算定した同一月に、第2章第1部の各区分に規定する医学管理等は算定できないとなっております。
さらに(6)で、医療資源が少ない地域等に所在する医療機関またはへき地医療拠点病院においてのところの記載がございます。
(7)で、医師の急病等やむを得ない事情ということが書かれています。
そして、[対象患者]のところにつきましては、オンライン診療が算定可能な患者は以下マル1~マル2について3月以上診療を行っており、かつ、オンライン診療を実施する直近3月の間、毎月対面診療を行っている患者と規定されております。
マル1、マル2が、その下でございます。下表の医学管理料等を算定する患者と慢性頭痛患者となっております。
[施設基準]に関しましては、厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針に沿って診療を行う体制を有すること。1月当たりの再診料等及びオンライン診療料の算定回数に占めるオンライン診療料の割合が1割以下であることとなっております。これが、現行のオンライン診療料の要件でございます。
次の14ページに載せておりますのが、情報通信機器を用いた医学管理料100点のところと、右側、遠隔連携診療料ということで、難病またはてんかんに関するということで、特別の点数があるという御紹介でございます。
15ページに、先ほどの医学管理料についての整理ということで、それぞれの医学管理料がどういった対象疾患になっているのか、それが対面とオンラインでどういう点数になっているのかということの比較でございます。
16ページが、外来栄養食事指導料。
17ページが、「ニコチン依存症管理料の見直し」ということで、特出しで情報通信機器を活用して算定ができる点数の御紹介でございます。
18ページが、在宅医療における診療報酬上の評価構造ということで、在宅医療の基本構造を示しております。
マル1、マル2、マル3ということでこういった点数があって、右側の在宅がん、医療、総合、診療料、この4つの組合せを算定するという形になっております。
そして、それぞれの色分けで19ページに、それぞれの機能強化型在支診・在支病からその他まででその人数がどうかということと併せての点数設計というのを載せております。
20ページが、在宅時医学総合管理料、オンライン在宅管理料の御説明で、その下に、精神科在宅患者支援管理料、精神科オンライン在宅管理料の御説明となります。
21ページになりますが、新型コロナウイルス感染症の増加に際して、電話等を用いた診療に対する診療報酬上の臨時的な取扱いの御紹介でございます。これが、令和2年4月10日付の事務連絡でできたものでございます。
この下にございますように、電話等を用いた初診というのが設定をされたということ。電話等を用いた再診というのもこういった形になっております。
22ページになりますが、それぞれの点数と条件等、留意事項というのをまとめさせていただいております。
23ページが、これも新型コロナウイルス感染症が拡大している間の臨時的な取扱いといたしまして、在宅医療における臨時的な対応ということでございます。
下にまとめておりますのが、月2回以上訪問診療を行っている場合を想定した在医総管がどういった形になるのかということの御説明。特にここの場合は4月のみの特例的な取扱いと、5月以降の特例的な取扱いに分かれております。
次の24ページが、在医総管の月1回訪問診療を行っている場合の算定の仕方ということでございます。
25ページでございますが、令和3年8月16日の事務連絡ということで、新型コロナの感染拡大を受けて、自宅・宿泊療養の需要が増大しているという状況に鑑みということでございます。
右の下にありますように「追加的対応」ということで、二類感染症患者入院診療加算250点(1日当たり1回)というのがプラスアルファで算定できるようになっているというものでございます。
26ページからが、データ集となります。
26ページが、基本診療料を算定した医療機関数の推移となっております。ブルーが初診、赤が再診。それに対して、電話等を用いた場合の初診、電話等を用いた再診ということで挙げさせていただいております。
初診のほうは数がちょっと小さいので、27ページに再度まとめさせていただいております。その上で、電話等再診料、電話等再診を実施した場合の管理料の算定の状況というのが、27ページにまとめております。
28ページが、算定回数のほうになります。先ほどのほうが医療機関数でございましたが、28、29ページのほうは算定回数でまとめております。
30ページのほうは、先ほど説明をさせていただきましたオンライン診療料の算定状況等というところでございます。算定回数と医療機関数でございます。
31ページのほうは、検証調査で行いました。システム利用に係る患者からの費用徴収ということで、費用徴収をしているかしていないかということで、「あり」と答えたのが33.8%で、そのうち患者1人当たりの費用徴収額ということで、平均が787.5円という形になっております。
ここまでが、オンライン診療でございます。
33ページ以降が、「オンライン資格確認について」ということでございます。
34ページのほうが、ホームページでも公開をしておりますが、「医療機関・薬局におけるオンライン資格確認の導入状況」ということでございます。
35ページのほうが、「オンライン資格確認の利用状況」をまとめたものでございます。これは、12月1日の社会保障審議会医療保険部会で報告しているものでございます。
36ページ、37ページが、9月22日の医療保険部会で報告をさせていただいております。このオンライン資格確認で利用できる薬剤情報についてが36ページ。
37ページが、特定健診等情報の閲覧ということでまとめております。
38ページに、「オンライン資格確認のメリット」ということで、患者、医療機関・薬局、保険者ということでまとめさせていただいております。
39ページで、「マイナポイント第2弾」ということで、こういった施策が行われているということで、目的、概要、具体的な内容というのをまとめさせていただいております。
41ページ以降が、「電子処方箋について」ということになります。
42ページが、「新たな日常にも対応したデータヘルスの集中改革プラン」というのを挙げさせていただいております。
その2つ目が、「電子処方箋の仕組みの構築」になっております。
43ページが、「電子処方箋とは」と電子処方箋のまとめ。
44ページに、その導入意義についてまとめております。
最後、47ページになります。「論点」のほうになります。
まず、(オンライン診療について)ということで、オンライン診療については、対面診療とオンライン診療を組み合わせた診療計画を作成し、当該計画に基づいて計画的なオンライン診療を行った場合にオンライン診療料を算定することと現行はされております。当該特定疾患療養管理料等の対象患者等が対象となっているということです。そして、新型コロナウイルス感染症拡大下の臨時的特例が行われている現状及びオンライン診療の適切な実施に係る指針の改定も踏まえた上で、対面診療との関係を考慮し、初診及び再診における取扱い及びその評価の在り方、先ほど御説明させていただきました対象患者、算定要件、施設基準等について、どのように考えるのか。
2つ目が、オンライン診療は保険医療機関内において実施することとしていますが、オンライン診療の適切な実施に係る指針を踏まえ、医師の所在について、どのように考えるのか。
3つ目が、オンライン診療における医学管理等について、新型コロナウイルス感染症拡大下の臨時的特例が行われている現状及びオンライン診療の適切な実施に係る指針の改定も踏まえた上で、対面診療との関係を考慮し、医学管理等の取扱い及びその評価の在り方について、どのように考えるのかということ。
4つ目が、在宅医療におけるオンライン診療について、新型コロナウイルス感染症拡大下の臨時的特例及びオンライン診療の適切な実施に係る指針の改定も踏まえた上で、オンライン在宅管理の取扱い及びその評価の在り方について、どのように考えるのかということ。
そして、オンライン資格確認につきましては、令和3年10月から本格運用が開始され、薬剤情報や特定健診等情報が閲覧でき、診療や服薬指導に活用できるようになったことを踏まえ、どのように考えるのかということ。
(電子処方箋について)は、令和5年から電子処方箋の運用が開始される予定であることを踏まえ、どのように考えるのかということにさせていただいております。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
続きまして「個別事項(その11)」のオンライン服薬指導について、事務局より資料が提出されておりますので、続けて説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-5-1を御覧ください。オンライン服薬指導についての資料を取りまとめております。
3コマ目が、オンライン服薬指導のこれまでの制度の見直し等についての経緯をまとめたものとなります。
その内容については、4コマ目以降にその流れの資料をおつけしております。
4コマ目が、令和2年9月に施行されました薬機法改正におきまして、オンライン服薬指導について制度の導入が行われたというものでございます。外来患者へのオンライン服薬指導、在宅患者へのオンライン服薬指導について制度が設定されたというものでございます。
5コマ目が、改正薬機法におけるオンライン服薬指導のイメージの図となっております。
6コマ目、こちらが令和2年度改定におきまして対応しましたオンライン服薬指導に対する評価というものでございます。こちらが「外来患者へのオンライン服薬指導」ということで、[対象患者][主な算定要件][施設基準]をまとめております。
7コマ目が、「在宅患者へのオンライン服薬指導料」ということで、同様に[対象患者][主な算定要件][施設基準]を設けております。
8コマ目、こちらはその改正薬機法に少し先立ちまして、国家戦略特区におきまして遠隔服薬指導という形で進められていたものの概要となります。
9コマ目が、そちらの国家戦略特区における遠隔服薬指導の際の調剤報酬の取扱いというものを規定しておりましたので、そちらの御紹介となります。
10コマ目、こちらは先ほど御紹介しました改正薬機法におきまして、令和2年の9月で施行されることとなっておりましたけれども、その前に新型コロナウイルス感染症が広まったことから、右側ですけれども、令和2年の4月10日時点で事務連絡が発出され、そちらにおいてオンライン服薬指導についての取扱いが広くできるように特例的に対応を行ったというものでございます。こちらは4月10日付で事務連絡が発出されておりますことから、一般に0410通知という形で言われております。
11コマ目、その(0410対応)として行われますオンライン服薬指導の流れのイメージでございます。
12コマ目、こちらは訪問薬剤管理指導における臨時的対応ということで、調剤報酬における取扱いをお示ししたものでございます。在宅患者におきましては、通常訪問した場合ということで、在宅患者訪問薬剤管理指導料というものを算定できるとしておりますけれども、在宅患者に対するオンライン服薬指導におきましては、実際には訪問を行わないということになりますので、下のほうにありますとおり、薬剤服用歴管理指導料というものを算定できるというふうにしたというものでございます。
13コマ目、こちらはオンライン服薬指導の実際の実施状況について調査を行ったものとなります。
上のほうが、電話や情報通信機器による服薬指導の実施件数と実施割合についてお示ししたものということになります。
下にあります新型コロナウイルス感染症の国内発生動向で、同様の推移をたどっているというものでございます。
また、上の右側に表を載せておりますけれども、0410対応と記載された処方箋につきまして、対面で服薬指導を実施した場合というものが一定数あります。その理由としましては、「患者の希望」が9割を占めていたというものでございます。
14コマ目以降は、検証調査結果となります。
まず14コマ目が、「診療所における0410処方箋の発行状況」というものになります。
左上の図になりますけれども、処方箋の発行状況としましては、診療所として27.9%となります。
15コマ目、こちらが「オンライン服薬指導の実施状況」となります。
左側が改正薬機法によるオンライン服薬指導、右側が0410対応としての電話や情報通信機器を用いた服薬指導となります。
16コマ目、「オンライン服薬指導を行うメリット・デメリット」について御意見を伺ったものとなります。
17コマ目が、在宅患者へのオンライン服薬指導を行うメリット・デメリットとなります。
18コマ目が、「電話による服薬指導を受けるメリット・デメリット」ということで、こちらからはオンライン服薬指導の方法についての御意見を伺ったものとなります。
19コマ目は、「ビデオ通話による服薬指導を受けるメリット・デメリット」となります。
20コマ目は、電話や情報通信機器を用いた服薬指導、いわゆる0410対応を実施した際の加算の算定状況となります。種々の加算につきましては、「算定対象となる患者がいなかった」という回答が多かったという一方で、加算が算定できなかった理由として、「非対面であるために満たすことが難しい要件があった」というものでございます。
21コマ目、こちらは0410事務連絡の実績や規制改革実施計画等を踏まえまして、薬機法に基づくルールについて、現在見直しの検討が進められているというものでございます。
そして、こちらの表のほうですけれども、左側が現行の薬機法に基づくルール、それから真ん中が0410の事務連絡による内容となっておりまして、右側が現在見直しの検討が進められております薬機法に基づくルールの改正の方針ということとなります。
上から順に、「実施方法」としましては、初回でも、薬剤師の判断と責任に基づき、オンライン服薬指導の実施が可能。
「通信方法」としては、映像及び音声による対応として、音声のみは不可。
「薬剤師」については、かかりつけ薬剤師・薬局や、患者の居住地にある薬局により行われることが望ましい。
「診療の形態」については、どの診療の処方箋でも可能。
「薬剤の種類」については、原則として全ての薬剤。
「服薬指導計画」については、服薬に関する必要最低限の情報等を記載などとしております。こういった方向で現在検討が進められているというものでございます。
22コマ目、【論点】です。
オンライン服薬指導については、新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いや薬機法に基づくルールの見直しを踏まえ、診療報酬上の取扱い及び評価の在り方(対象患者、算定要件、施設基準等)について、どのように考えるかとしております。
23コマ目以降は、電子版お薬手帳となります。
24コマ目、お薬手帳について、その意義や役割などについてでございます。また、薬剤服用歴管理指導料の算定要件としてのお薬手帳の取扱いを記載しております。
25コマ目、「電子版お薬手帳について」でございます。お薬手帳について、電子版というものが現在運用されているというものでございます。
また、26コマ目、「電子版お薬手帳の相互利用について」ということでございます。
こちらの上の※のところに記載しておりますけれども、薬剤服用歴管理指導料の算定要件では、上記に該当する電子版お薬手帳は紙のお薬手帳と同様に評価を行うということとしております。
27コマ目、電子版お薬手帳の必須データ項目の御紹介です。
28コマ目、電子版お薬手帳の導入割合と、患者の意向についてです。
左上が薬局における電子版お薬手帳の導入の部分の割合。
それから、そのほかの図が患者の状況としまして、電子版お薬手帳の利用意向、お薬手帳の保有状況、保有しているお薬手帳の数についてでございます。
29コマ目、【論点】です。
電子版お薬手帳の導入状況等を踏まえ、今後の対応についてどのように考えるかとしております。
事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいま事務局より、「外来(その5)」オンライン診療について、それから「個別事項(その11)」オンライン服薬指導について説明をしていただきました。
ただいまの説明につきまして、全体を通じて御意見、御質問等がありましたらよろしくお願いいたします。
最初に、城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
それでは、「外来(その5)」、そして「個別事項(その11)」の順番に論点に沿って少しコメントさせていただきたいと思いますが、やや長くなることをお許しいただければと思います。
まず、47ページのこの論点に示されておりますとおり、新型コロナウイルス感染症を拡大下の臨時的特例、また、オンライン診療の適切な実施に係る指針の改定も踏まえた上で、対面診療との関係を考慮しながら、オンライン診療の取扱いやその評価の在り方を検討していくと。こういう方針は理解いたしております。
その上で、このオンライン診療の適切な実施に関する指針を踏まえて議論していく上で、今後の議論の基本となる考え方を確認しておきたいと思います。それは、医療においては対面診療が原則であるということでございまして、これを共通認識として今後の議論を進めていくべきであろうと考えます。これは、医療においてはいわゆる視診や問診のみではなくて、例えば、触診によってその熱感を感じるとか、また、関節の可動域の診察、採血など、それぞれ検査、処置など、オンラインでは到底行え得ないというものが数多く存在しているということを意味しております。
したがいまして、本日、各論点を検討していく際にも、このオンライン診療を行うことのメリットやリスクというものを、医療の原則であります対面診療の場合と比較しながら丁寧に検討していく必要があると考えております。
こうした考えに従って各論点を当てはめていきますと、例えば、論点の1つ目の○にあります対象患者、算定要件や施設基準についてであれば、オンライン診療は、原則である対面診療と比較して、得られる情報が視覚や聴覚に限られております。そのために、疾病の見落としや誤診を防ぐ必要があります。
言い方を変えますと、それほど重症度の高くない人を対応する。医師が対面診療をしている過程でオンライン診療に移行しても大丈夫だろうという判断を経て実施するようなものであろうということでございます。医師が患者さんの心身の状態に関する適切な情報を得るためには、定期的な対面診療を重ねるということが、医療の安全確保のためには欠かせない要素であろうと考えます。
また、特に精神医療については、通院・在宅精神療法をはじめとした精神科の専門療法など特殊な領域であって、果たしてオンラインでその診療が有効に機能するのかどうかといった点を、他の領域とは別に、個別に慎重に見ていく必要がありますので、現時点で診療報酬上の対応は難しいのではないかと考えます。
したがいまして、指針のこの見直し検討会でも指摘されているように、オンライン診療は、定期的な対面診療と適切に組み合わせて実施されるべきであろうと思いますし、対面診療が必要になった場合に備えて、その医師が対面診療を行うことができる体制を確保しておくということを、算定要件や施設基準において求めておくということが、安全性の確保というためには欠かせない要素であろうと考えております。
したがいまして、この対面診療を想定していないようなオンライン診療のみを行う医療機関のようなものは、医療の世界においてはあり得ないということを中医協としてもしっかりと共有して、その要件というものを考えていくべきであろうと考えます。
また、中医協においてもこれまでかかりつけ医の在り方について、多くの議論がなされてきているわけですけれども、オンライン診療だけをして、後のそれ以外の診療は知りませんといった無責任な診療がばっこするということや、地域でかかりつけ医機能を果たしている医師や診療所を、遠隔地から問診と視診の一部しか行わないオンライン診療が置き換わってしまうということなどはあり得ないわけですし、あってはならないと考えます。
こういった診療が安易に行われる、広がるということは、例えば、いざというときには実際に直接診療できる場所がなくなったり、現存する医療提供体制に対して余計な負担となったり、地域医療の弱体化、ひいては崩壊させるというリスクすらあるということは明白であろうと思います。これは患者さんにとって大変大きなデメリットとなりますし、そういう認識についても中医協において共有すべきであろうと考えております。
また、2つ目のこの○でございますけれども、オンライン診療を行う際の医師の所在についてですが、医療機関にいる場合と、そして、対面による視診とか問診を行う場合と比較して、それと同じ程度に患者さんの心身の状態に関する情報とか、プライバシーの確保がきちんと得られる場面で、場所で行うということが必要であると考えます。そういったことを前提として、例外的な対応については別途考えていくということでよいのではないかと思っております。
そして、3つ目のこの○の医学管理の扱いにつきましては、これは15ページに示されておりますように、オンライン診療の対象となる管理料に包括される診療項目の内容に差がありますし、中には検査や処置、注射など、対面診療でしか実施し得ないものも含まれている管理料というものもあります。
したがって、この対面診療との関係を考慮した上で、評価の在り方について、この点に留意をしながらいま一度整理をする必要があるのではないかと考えております。
4つ目のこの○であります在宅医療におけるオンライン診療についても、あくまでも訪問して提供される医療であるということを大前提とした上で、対面による様々な処置、また、検査などを組み合わせながら管理していく必要がありますので、こちらもやはり定期的な訪問診療による対面診療等を組み合わせて実施するのが基本であると考えます。
また、その評価につきましても、対面で行われる訪問診療との比較を整理しながら検討していくべきであろうと考えます。
続きまして、オンライン資格確認のところでございますが、このオンライン資格確認によりまして、薬剤情報とか特定健診情報等が閲覧できるようになるということで、重複投薬を減らすことができるようになるなど、利点があるということは十分理解できます。医療機関にとっては、診療を行うに当たりましてそういった情報を活用することで、患者さんに対して安心・安全な医療が提供できるようになるとするのであれば、診療報酬上の評価を行うということは考えられると思います。
続きまして、電子処方箋についての部分でございますが、これは一定の利便性があるということは理解しておりますけれども、今後その利用を推進していくためには、医療機関への導入にかかる費用とかランニングコストを手当てする必要があろうと考えます。
特に昨今は、医療機関に対するサイバー攻撃によって医療情報システムに障害が発生したり、個人情報の漏えいや医療提供体制に支障が生じるという事態が現実問題として発生しておりますので、医療機関としてはICT化に対応したサービスを提供するための前提として、今後、セキュリティー体制の構築に相当の費用がかかることが見込まれます。そういった費用を診療報酬として手当てするのであれば、最終的には全ての患者さんにサービスを提供できる体制を確保する必要がありますので、基本診療料に対して加算するなどして評価をするべきであろうと考えます。
続きまして、「個別事項(その11)」であります。
まず、22ページのオンライン服薬指導です。このオンライン服薬指導ですが、これは進めるに当たって特例を前例とせずに、医療提供体制としてのオンライン診療と平仄を合わせるという形で実施するということが大前提であろうと考えます。
また、対象疾患の選定や医薬品の取扱いなど、慎重な検討をお願いしたいと思います。
最後になりますが、29ページの電子版お薬手帳ですが、紙のお薬手帳は医療機関でも患者さんから提示されていますし、その点は事務局も理解していると思います。しかし、今回の資料は薬局だけで情報共有を完結させるような印象を与えていますので、今後の資料提示には配慮していただければと思います。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
まず、私からは「外来(その5)」の中で、オンライン資格確認、電子処方箋についてコメントさせていただきます。
47コマ目の論点にございますオンライン資格確認についてですが、薬剤情報や特定健診等情報が閲覧でき、診療や服薬指導に活用できる重要な機能を有しています。これらの機能をしっかりと活用していくためには、まず現場での運用が進み、定着していくことが重要と理解しております。
ですが、オンライン資格確認のデータはレセプトデータを用いることから、どうしてもタイムラグが発生してしまうことや、自由診療であったり労災等であったり、あるいは患者さんが使用しているOTC医薬品など反映されないものもございますので、引き続き、お薬手帳の活用とうまく組み合わせて、より効果的な服薬指導等を実施していくものと考えます。
次に、電子処方箋ですが、こちらについてもうまく活用していくことで、より質の高い医療サービスの提供につながっていくものと考えます。本格運用はこれからで、基本的には全ての医療機関・薬局が活用していることで本来発揮するシステムだと思いますので、医療機関や薬局の体制整備の推進が重要であると考えます。
また、国民への周知、個人情報などのセキュリティーの問題、それから、リアルタイムでの情報共有など様々な課題があると思いますので、予定どおり運用開始ができるよう、しっかり課題解決をした上で進めていただきたいと思います。
オンライン資格確認システムのように、また本格運用が延期になるなど、現場が振り回されないよう、ある程度の余裕を持って進めていく視点も重要であります。そのためには、国と関係団体等の連携をより密に進めていくことが重要と考えており、我々も体制整備や課題解決に向けて対応していく所存ですので、何とぞよろしくお願いいたします。
次に、「個別事項(その11)」のオンライン服薬指導であります。
こちらの22コマ目にあるように、オンライン服薬指導の論点ですが、患者さんの利便性などの観点からICTをうまく活用していくことは理解できますが、対面がやはり原則だと考えております。対面でのやり取りや、薬局に来ていただくことの重要性は重々理解していただいていると思いますので、21コマ目の改正方針にのっとって整備をしていくことは理解いたします。特に、改正方針にございます服薬指導計画は、一見、在り方が変わるように思われるかもしれませんが、役割や果たす機能は担保されているものと思います。
このように、医療の質が担保されるよう、利便性に特化した視点のみでなく、医療の質の担保を加えたバランスよい形で整備をしていくことが重要であります。整理を進めていくに当たっては、引き続き、この辺りの御配慮をお願いできればと思います。
最後に29コマ目、電子版お薬手帳の論点ですが、利用したい方が利用できる環境整備が重要で、薬局での導入は、引き続き進めてまいります。電子より紙のお薬手帳の方が利便性が高い場合というのもございますので、諸問題については、引き続き検討が必要と考えます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
オンライン診療につきましては、オンライン診療の適切な実施に関する方針の改定等を踏まえまして、令和4年度診療報酬改定の基本方針に示されましたとおり、患者ニーズを踏まえた適切な普及促進や、安全性と信頼性の確保を前提とした適切な評価を進めていくべきであると考えております。対象患者、算定要件、施設基準等の評価の在り方につきましては、指針の改定等を踏まえ、その内容と整合的な形での見直しを検討する必要があるものと考えております。
15ページに、情報通信機器を用いた場合の医学管理料についての一覧表を御提示していただいております。初・再診や、医学管理料に係る評価につきましては、対面診療との関係を十分に考慮し、安全性と信頼性の確保を前提とした上で、対面診療と同等と評価できるのかどうかといった観点からも、それぞれ適切な評価の在り方を検討していくべきであると考えております。
次に、オンライン資格確認、電子処方箋についてですが、オンライン資格確認につきましては、現在の医療機関等における導入状況を見ますと、患者側がマイナンバーカードを保険証として利用しようとしましても、実際に医療機関等においては利用できないことが多い状況であると思われます。このような状況では、利用がなかなか進まないのではないかと思っております。事務局としても、なかなか導入が進んでいない現状は十分に認識されていると思いますが、改めて、今後いつまでにどのように進めていく予定なのか、具体的なお考えをお伺いできればと思います。
また、医療保険部会でも申し上げておりますが、オンライン資格確認や電子処方箋につきましては、新たな機能であるとか情報が追加されるたびに費用負担の在り方を議論するのではなく、まず、厚労省に総合的な今後の将来的な全体像をお示しいただき、利活用の場面、ユースケース等を整理し、その役割や受益等を踏まえ、費用負担の在り方を議論すべきであると思っております。
そして、電子版のお薬手帳ですが、電子版お薬手帳の論点につきましては、診療報酬の話ではありませんが、資料にもありますように、データの標準化であるとか相互作用といった取組を進めることにより、利用者や医療機関等において実効的に活用いただけるようなコンテンツ、もしくはツールとして活用していくことが重要であると考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
今、安藤委員から、マイナンバーの活用の仕方について御質問がありましたけれども、これにつきましては後で事務局より回答をお願いいたします。
続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
私からも何点か意見を述べたいと思います。
まず、オンライン診療につきましては、対面診療とのバランスを取りながら推進していくことが必要と考えております。その上で、患者や被保険者の利便性よりも、患者や被保険者の安全・安心をもたらすような仕組みづくりが必要であり、必要に応じて指針を見直すなど、一定のルールの下に実施すべきであると考えております。
オンライン資格確認については、運用開始施設が8.8%と、まだまだ運用が広まっていないと考えます。医療機関、患者双方の利便性、負担軽減につなげられるため、早期に準備完了、運用開始できるよう、厚生労働省としても取組をいただきたいと考えます。
なお、マイナポータルでの薬剤情報の保険医療機関・薬局による閲覧は、本人同意が前提であるため、患者の心情への配慮も必要であると考えております。
電子処方箋については、運用開始後にシステムエラー等で影響を生じさせないように、2023年の運用までの期間にしっかりとした準備が必要と考えます。また、周知啓発等にも取り組む必要があると考えます。
次に、電子版お薬手帳ですが、スマートフォンや携帯電話の機種変更時にデータ引継ぎ作業があるものの、電子版お薬手帳の利便性は、利用者の一人として感じております。さらに普及することで、電子処方箋等の機能活用といった用途の広がりが期待できると考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
ありがとうございます。
私からは、オンライン診療並びにオンライン服薬指導について意見を申し述べさせていただきたいと思います。
まず、オンライン診療でございますが、コロナ禍を通じてオンライン診療のメリットを享受できた患者は少なからずいると考えております。感染症拡大期にとどまらず、適宜適切な受診につながるという患者の利便性の向上などの観点も含め、安全性の確保を前提としながらオンライン診療を適切に普及、促進させていくことは重要な課題であると考えております。
その観点から、オンライン診療の診療報酬が対面診療よりも低いことが主因となってその普及が進まないということであれば、対面と全く同じということは難しいかもしれませんけれども、対面とオンライン診療の間の違いについて、管理料も含めてもう少し縮めるということは必要なことだと考えております。
また、算定要件につきましても、患者ニーズを踏まえた適切な普及を図る上では、患者の安心・安全を確保する措置を講ずることを条件としながら、緩和の方向で見直しを検討すべきだろうと考えております。現在の3か月の対面診療実績、3か月に1回の対面診療といった算定要件や、対象患者の制限や、30分という目安は不要ではないかと考えております。
こうした要件緩和等を図る上で、他の医療機関と連携した場合も含めて、患者の安心・安全を確保するために必要な場合に対面診療を行う体制をあらかじめ作っておくということが前提になろうかと思います。
また、オンライン診療は各月1割以下というルールについて、地域医療に与える影響も踏まえつつ、撤廃の方向で検討すべきではないかと考えております。もちろんこうした要件を緩和する前提としては、当該医療機関の所属が明らかであり、現在のように施設基準の届出、定例報告を求めることで、オンライン診療の実施状況が確認、検証できることは必要であると思います。
また、併せて地域医療への影響、医療費への影響、患者にとって安心・安全な医療が行われているかの検証も必要になろうかと考えています。
続いて、オンライン服薬指導につきましても、オンライン診療と同様、コロナ禍を通じて明らかになったメリットなども含めて、極力、患者の利便性向上につながる形で普及させていくべきと考えます。患者の安心・安全の確保を前提としつつ、オンライン服薬指導の適切な普及、促進に向けて前向きな検討をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私からもオンライン診療について、特に在宅のオンライン診療、服薬指導等を中心に、何点かお話しさせていただきたいと思います。
基本的には、先ほど城守委員がおっしゃったとおりだと思います。閣議決定でオンライン診療が推進ということが示されて、それを受けてという今回の論点かと思いますが、やはり原則は対面診療を補完するものであって、決して同等の評価をするものではないということを強くお話ししておきたいと思います。要は、置き換わるものでは決してない、あくまでも今回ありましたように、コロナ禍でもありましたように、一定の利便性は理解していますが、やはり時限的あるいは限定的なものであるべきで、あくまでも対面診療に置き換わるものではないということを強調しておきたいと思います。
その中で、例えば、栄養指導とかニコチン指導管理料等に関しては、それを対面診療と組み合わせることによって、よりきめ細かな管理ができる場合には一定の評価をするということもあるかもしれないという感じでいます。
さらに、特に在宅医療に関してのオンライン診療、今回、コロナ禍で双方のリスク管理ということも踏まえて一定の評価をして、そして進んだということがあるかと思いますが、ただし、在宅医療に関しては、よりその在宅医療の本質的なものということを考えると、対面診療というのは非常に重要な位置を占めていると私自身は感じています。
というのは、現在在宅医療を行っているのは、基本的には寝たきり患者等ということになりますので、単にその患者さんの情報だけではなくてその家の情報、あるいは服薬をどうできているか、あるいは、例えば、きちんと整理整頓ができているか、あるいはお手洗いにちゃんと行けているかどうか、家の中に入って初めて気がつくようなそういう情報も非常に重要な診療の補完される情報になります。ここに対して、それをオンライン診療ということは、非常に極めて限定的な情報しか入らないということ。普通の外来診療以上にこの在宅医療というのは非常に対面が重要な診療ツールだと思っていますので、それが置き換わるということはあり得ない。
という観点に立つと、訪問薬剤指導管理に関するオンライン、在宅に関するオンライン服薬指導ということも、これも極めて限定的というのは、やはり訪問薬剤管理指導というのは、そこにお薬を届けて、そして実際に現物を見せてその患者様あるいは御家族に服薬の状況あるいは副作用の状況等を相談して、そして場合によっては医療機関側にその情報を伝えるという非常に重要な役割を担っていただいていますので、決してその訪問薬剤管理指導に置き換わるものではない。これが逆にその管理料が普及できないものにあってはいけないと思いますので、これもあくまでも限定的なもの、補完的なものということでオンライン服薬指導等は理解していただきたいと思っています。
一方で、こういうオンライン診療がこういう俎上に上がってきて、恐らくこの普及率が伸びていないのではないかということを今後おっしゃる方が出てくるかもしれませんけれども、オンライン診療を伸ばすことが本当にいいことか。そうではなくて、あくまでもコロナ禍とかこういう有事のときには非常に有効なツールでより利用しやすくするということはやぶさかではありませんが、一方で、以前の中医協総会でも示されたように、コロナ禍で一時的に伸びたオンライン初診・再診が、コロナが落ち着いてくるとまた数字が落ちてきたデータがあったかと思います。やはりそれは対面診療のほうがより有用だということを患者さん自身も感じているのではないかと思いますので、普及率ありきの論点でこれをまとめることは、私は非常に危険ではないかと思いますので、繰り返しますが、対面診療が原則ということ、そしてそれを補完してよりいいものについては利用できるような体制をつくっていくという基本的な考え方を強調しておきたいと思います。
一方で、オンライン資格確認等に関しては、これを普及することにやぶさかではない。ただ、今の現時点でも周辺機器がそろわないということでなかなか二の足を踏んでいる医療機関もまだまだあるとお聞きしていますので、その辺はしっかり御検討いただいて、より普及できる方法を探っていただければと思います。
以上です。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
まず、オンライン診療でございますが、新型コロナウイルス感染症の教訓を生かしつつ、患者にとって安心・安全でかつ、効率的効果的な医療が提供されるという観点からは、推進は非常に重要であるという認識を持っております。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う特例的な対応、あるいはオンライン診療の適切な実施に関する指針の改定を踏まえ、オンライン診療を提供する医療機関が増加し、効率的で利便性の高い医療を患者が享受できるように、診療報酬を通じて適切な環境整備を推進すべきと考えます。
そのためには、算定要件の具体的見直しもありますけれども、通信料等の実費負担を含むトータルでの患者負担に十分配慮していただき、オンライン診療について、対面診療と同じ内容、同じレベルで実施される行為は、医学管理料も含めて、対面診療との違いを踏まえた適切な報酬体系を設定する必要がございます。
それでは、具体的な中身についてコメントさせていただきます。
現行のオンライン診療における対象患者の管理料での縛り、あるいは事前の対面実績、定期的な対面診療を組み合わせた計画の策定など、今示されております指針案とはかけ離れておりますので、これについては見直しが必要と考えます。患者の同意があれば幅広く認める方向で、指針とリンクする形で運用を明確化すべきだろうと考えております。
また、対象患者や処方については、学会の整理に基づいて対応することが指針案でも推奨されておりますので、実態が把握できるのであれば、指針を準用することが現実的な対応であろうと考えます。ただ、情報不足の中で、受診、処方が不適切なケースが生じる懸念もあり、また、これは医療費にも影響がございますので、患者の受療行動も含めて実態を継続的に把握する仕組みが必要だと考えております。
さらに、現行のオンライン患者を1割に制限するということに関して、では何割ならいいのだという妥当な線引きについてはなかなか難しいテーマであると思います。ただ、指針でも指摘されているとおり、対面診療を適切に組み合わせることは、患者の安心・安全にとっては重要であると思いますので、施設基準の届出や、定例報告により、事後的に検証していくということで整理していくこともできるのではないかと考えております。
また、距離等に関する要件につきましても、緊急時の対面診療がしっかり担保されているということが重要であると考えます。医師の所在についてもほかの委員からコメントがございましたが、指針でも医療機関以外での場所で診療を行うことが想定されておりますので、指針で示された条件を報酬上で位置づけることができるのであれば、指針を飛び越えて制限する必要もなく、事後的に検証できることが重要だと考えます。
また、15ページにあります医学管理料についてですが、問診だけで対応可能なものもあれば、処置や検査が包括されているものもありますので、基本的には医療の内容が同等であるかどうかというのが評価の在り方のポイントだろうと思います。
また、19ページに在宅管理料がマトリックスで整理されておりますけれども、その中にオンラインという区分をうまくはめ込んでいただいて分かりやすくしていただければと考えております。
それから、論点にはございませんが、電話診療とのすみ分けについて、少しコメントしたいと思います。
オンライン診療が普及しない要因の一つとして、コロナ特例による電話初診が認められていることがあるのではないかと考えております。患者と医師双方にとって、やはり電話はハードルが低く、コロナ禍における感染不安の中では一定の役割があったと思いますけれども、画像を伴わない電話診療は本人確認が曖昧であること、医師の適切な診察が行えないなど、マイナス面も多くあります。より健全なオンライン診療にしっかり移っていただき、電話初診の特例は早急に中止すべきであろうと考えております。
ただ、従来からある電話再診につきましては、緊急時の対応として活用し得ることもあると思いますので、改めてルールをしっかり検討することも必要だと考えております。
それと、2つほど要望があります。
こうしたいろいろな意見を述べましたけれども、運用面を含めて必要があれば、ほかの薬価みたいに関係団体からのヒアリングというのも御検討いただいてもいいのではないかと思います。
それと、医療機関、また、患者や国民、双方にとって、このオンラインの運用がまだ非常に分かりにくいのではないかと思いますので、この辺りの整理が一段落いたしましたら、周知広報のほうも御検討いただきたいと思います。
それと1つ、ちょっと質問があるのですけれども、疾病とか病気の状態によってオンライン診療により、対面診療と大差ない診療を行うことができる場合が考えられると思いますが、オンライン診療のみで治療が結果的に完結するということがあり得るのか、それを認めるのか。これについて事務局のお考えを教えていただきたいと思います。
続きまして、オンライン資格確認に移ります。
10月から本格運用が始まっておりますけれども、資料に示されておりますとおり、参加する医療機関がまだまだ少ない状況です。顔認証付きカードリーダーについては、補助金を利用して配布されているということですので、まず、医療機関に早期に実装していただくよう改めてお願い申し上げます。
これは、2号側委員の方にちょっと教えていただきたいのですが、システム上の対応が必要ということは理解しておりますけれども、例えば、令和4年度の診療報酬改定に伴うシステム改修に合わせてこうした実装が進むということがあり得るのか、それとも、それ以外にこの資格確認の普及が難しいという理由、背景があるのか。この辺りについて現場の意見を教えていただければというのがお願いです。
最後に、電子処方箋についてですけれども、44ページに導入の意義がいろいろ書かれておりまして、業務の効率化、医療の質の向上に資するということですので、現場においてぜひ活用いただきたいと思います。
先ほど2号側委員の方から、診療報酬による対応等を求める御意見がありましたけれども、オンライン資格確認、電子処方箋のいずれも、保険者も基盤システムの構築に費用面も含めて協力しておるところであり、お互いにそれぞれの立場で対応することで、診療報酬で評価するということには反対させていただきます。
それでは、「個別事項(その11)」のほうに移りたいと思います。
オンライン服薬指導については、薬機法に基づくルールの改正を検討しているということですけれども、21ページにございます改正方針を踏まえて、今よりも幅広い患者に柔軟な対応を可能にしていく方向で調剤報酬を考えていくという視点はあるかと考えております。
ただ、21ページの表にありますとおり、0410対応と今回の改正について、その整合性が私自身がちょっと分かりかねておるところがございます。
具体的に申し上げますと、21ページの「通信方法」のところに、0410事務連絡では電話でも可とありますけれども、薬機法に基づくルールの改正によりますと、映像及び音声による対応(音声のみは不可)といった、全く違った表現になっております。本来であれば、薬機法に包括するというのが筋ではないかと思いますが、これについてのお考えを確認したいと思います。
最後に、電子お薬手帳ですけれども、これについては、一部はオンライン資格確認システムを基盤として、仕組みの中で機能が代替されるような技術だと思いますので、電子お薬手帳も活用しながら、付加価値の高い薬歴管理指導をぜひ実施していただきたいと考えます。
以上、お願いや質問等もありますので、よろしく対応をお願いいたします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
今、松本委員から事務局、それから2号側委員の方に御質問がありましたので、後で御回答をお願いいたします。
次に、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
オンライン診療なのですけれども、やはり診療自体は対面が原則というのは、それは患者も理解していると思いますので、オンラインのみの医療機関というのはあり得ないというふうに私は思います。対面の診療が必要であればいつでも対応できる体制をきちんと整えている状態でオンライン診療を実行できるという状態が望ましいというか、それは必須だと思います。
そして、対面診療というのは本当に大事なのですけれども、やはり対面診療に誘導するためにオンライン診療というのを活用するという考え方というのも、これは前にも私はお話ししましたけれども、なかなか医療機関に行くというのがハードルが高いと思っている方々にとって、やはりオンライン診療で先生とお話しできるということがあれば、そこにアクセスして診療していただくことによって、もしかしたら検査ですとかそういうものが必要だよということを言われて対面のほうに誘導されて検査なんかを受けて、結果的に、例えば、重い病気なんかを早く見つけることはできると思うのです。なので、がんとかそういうものでも見つかったときには、ずっと気になっていたけれども医療機関に行かないで見つかったときにはもう手遅れみたいなことはありますので、そういうものを防止というか、早く発見できるような意味でも、オンライン診療というのは有効に活用していっていただきたいと思います。
そして、1割制限というのはちょっとやはり疑問があります。今の段階で1割という制限をするというのは、ちょっと危険だなという感じもしますし、もしかしたらオンライン診療を受けたいという患者さんにとっては、今はもう枠がないから駄目ですよというふうに言われてしまうことも考えられますから、それは避けていただいたほうがいいのかなと思います。
それから、オンライン診療というのは、もちろん映像も含めて行われるのですけれども、今どういうふうに行われているかは分かりませんけれども、患者と医師だけではなくて、やはり患者と医師と別に暮らしている家族も同席できるような、そういうオンライン診療というのもありなのではないかと思いますので、そうすると、やはりオンライン診療を受けつつ、ちょっと遠隔に住んでいる家族のサポートも受けられるような、そのようなシステムというのができたらいいなと思いますので、そちらのほうも考えていただければいいかなと思います。
それから、医師の所在なのですけれども、これはやはり医療機関の中で行うべきだなと思いますので、やはりオンライン診療の専用のその機器、コンピューターにつないでいる状態で行うべきだと思いますので、一部例外もあるでしょうけれども、基本的には医療機関内にお医者さんがいらっしゃるときにやっていただくということが大事かなと思っています。
それから、電子版のお薬手帳と電子処方箋の関係ですけれども、電子処方箋はこれからでしょうけれども、電子版お薬手帳の活用と一緒に連動するような仕組みが必要かなと思います。ばらばらに運用されてしまうと、患者としても何かちょっとやりにくいなという感じはしますので、何とか連動していく形があってほしいなと思います。
そして、電子処方箋ですけれども、これはやはり国でデータの設備というのを設置するのだと思うのですけれども、何かあったときにそれが全部使えない状態になるというのは非常に困るわけで、今までも銀行もそうですけれども、システムが落ちるということがあると薬が出ないなんてことがあり得ますので、それを何か補完するような手だてというのも考えておきながら進めていっていただきたいなと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
ありがとうございます。
先ほど松本委員から、医療機関におけるオンライン資格確認の導入の阻害要因ということで御質問がありましたので、回答させていただきます。
障害要因は3つあると考えます。
1、マイナンバーカードを持参する患者が非常に少ないこと。
2、導入に関わる業者側の体制がまだまだ不十分であること。
3、医療機関側に維持費の負担が生じることです。
まず、マイナンバーカードを持参する患者が少ないということは、資料総-4の35ページの運用開始施設における資格確認の利用件数の表を見ていただくと、保険証によるものが医科で300万に対しマイナンバーカードは3万、薬局でも保険証利用が600万に対してマイナンバーは2万5000というのを見ても、非常に少ないということがはっきりしております。
したがって、現場のニーズが非常に生まれにくいということです。このマイナンバーカードを持参していただかないと、医療機関で薬剤情報や健診情報の閲覧もできませんので、これは国においてしっかりと普及を図っていただきたいと思います。
次に2、導入に関する業者側の対応ですが、世界的な半導体不足ということ、あるいは様々な情報が十分に回っていなかったということがあって対応が遅れております。現在厚労省のほうで様々な業者に対する働きかけを行っておりますけれども、まだまだ、特に地方においては不十分であると考えております。
3つ目、やはり医療機関に維持費の負担が生じるということも大きな阻害要因です。導入に関しましては補助金が使われておりますけれども、維持費に関しても様々な形での支援、補助が必要だと考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
池端委員のお手が挙がっています。お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
今、長島委員がおっしゃった点について、ちょっと地方のほうの状況報告をさせていただきたいと思います。
今、長島委員がおっしゃったように、地方ではオンライン資格確認の申込みは済ませてるけれども、まだ機器が届かないというところが本当にかなりあります。それと同時に、レセプトコンピューターに接続するための費用負担がいまだに100万、200万単位で要求されている。いろいろなソフトがあるので、汎用しているものであればもう少し低いものを選んで抑えられるのでしょうけれども、そういうことを要求されてできないということが県医師会の中にも多数寄せられていますので、そういう現状があるということ。これは医療保険部会でもお話をしているのですが、そういうことをお伝えさせていただきます。
以上です。ありがとうございました。
○小塩会長
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
今、1号側の委員の方々から様々な御意見があった中で、この国の指針、検討会のこの指針を踏まえてという御意見が多数あったと思います。この指針の位置づけの確認なのですけれども、確認というよりは位置づけなのですが、これは保険診療ではとか自由診療とかということではなくて、診療全般において、オンライン診療を行うにおいて最低限守るべき、遵守すべき事項として記載をされているということでございます。ここは中医協の場であります。ですので、中医協の場ではこの指針を踏まえつつ、保険診療をしていく上においての対象疾患であるとか算定要件であるとか施設基準を決めていくということですので、この指針がこう書いてあるのでこれでいけるのですという話とはまた別だと。要するに別の場所であるという御理解をいただかないと駄目かなと思います。
そして、さらに、1号側の各委員から、安心・安全を確保してとか、安全の確保を前提としてという御意見が多く出ておりましたが、その安全を確保するためにこれまでこの中医協の場で丁寧な議論をして、対象疾患、施設要件、算定要件というものを設定してきたというこの経緯があるということもしっかり認識をしていただく必要があるのではないかなと思います。
そしてもう一点、先ほど意見でも述べましたが、我々が懸念するのは、残念ながらこのオンライン診療をビジネスチャンスと捉えている営利企業が多いということです。ですので、そのような営利企業に利するような制度設計にしてはいけないという観点から、冒頭の発言をさせていただいたわけでございます。
これに関しては、例えば、オンライン診療に占める割合が1割というものは要件撤廃していいのではないかという御意見がございました。しかし、これはなぜこういう要件があるかという御説明になるのではないかなと思いますが、フランスとかドイツでもオンライン診療というものは現在行われております。ただし、ドイツでは、その診療に占める割合というものは全体で2割ぐらいに抑えていると。そしてフランスも、このオンラインの割合を2割にするという方向になっているというふうに聞き及んでおります。
これはなぜかというと、まずはこの両国は原則ということで解禁をどうもしたようですが、これをすることによって、さきにも申しましたが、両国の家庭医、かかりつけ医との関係性が非常に壊れるおそれが出てきたと。これはオンラインによって遠隔地から対面診療を使わないで診療するということの裏返しになるわけですが、結果的にこれを見て、両国ともこのオンラインを野放しにして解禁していくと、医療の提供体制が非常にゆがむ、崩壊するという危機からこの制限をしたというふうに聞き及んでおります。
ですので、このオンラインというものは、確かにその使い方によってメリットがデメリット、リスクを凌駕するという分野はございます。ですので、我々も全面的に否定しているわけでもありませんし、適切に必要な人に届くようなシステムということで、この中医協でこれまでも遠隔連携診療料等も含めて様々な要件を認めてきたわけでございます。
しかし、何度も申しますが、1号側の方もおっしゃっておられるように、安全・安心というものを前提としてということを肝に銘じながら、このオンライン診療に対しての議論は進めていただければと思います。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
安藤委員のお手が挙がっています。お願いします。
○安藤委員
ありがとうございます。
ただいまの城守委員からの御説明、ありがとうございます。
我々のほうもその辺を認識しながらお話ししておりますが、例えば、ただいまのお話にあったドイツやフランスの例、かなり進んでいる国で2割というのであれば、これからオンライン診療をもっと拡大していこうという日本においては、当初の1割という部分についての制限はもうちょっと広げたほうがいいのかなと思います。
特に27ページの一番下のグラフに医療機関数の推移が書いてありまして、令和3年の3月の時点で1万1262医療機関ということで、まだまだ非常に少ない医療機関でなされているということですので、これから広げていくときに、当初は実施している医療機関が非常に少ないのでそこに集中するということが当然あると思います。そのときに1割という部分で制限を設けてしまいますと、やはりその診療を受けたいという患者さんに対しての制限にもなりますので、先ほど間宮委員からもお話がありましたけれども、そういうことにならないような形でやはり決めていく必要性はあるのかなと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
城守先生からいろいろな解説をどうもありがとうございました。
まず、今回、推進がある程度重要であるという認識の前提の中に、やはりコロナ感染症での教訓を踏まえてということを入れさせていただいております。そうした中で通常どおり対面診療を受けることがなかなか難しい環境が発生してきている。これはコロナだけではなくていろいろな場面で考えられると思いますので、そういった場面にも備えてこういうのを考えておく必要があるということで提案させていただいております。
これについては、26ページ以降に医療機関数であるとか実際の算定回数等のグラフが出ておりますけれども、ある程度安定的な俗に言う利用がされております。そうしたことを十分踏まえた上で提案しているということは御理解いただきたいと思いますし、何も対面診療を全面的に否定しているわけでは決してございませんので、それについては最後に申し添えておきます。
以上です。
○小塩会長
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
先ほど城守委員からドイツとフランスの例を教えていただいてすごく興味が湧いたのですが、城守委員のおっしゃるようなことというのは、患者とその家庭医との関係が悪くなったということなのですが、これは具体的に何が原因だったのかとか、どういうふうに関係が悪くなってその結果どうなったのかというのは分かるようなものを事務局にはやはり調べていただいて、やはりこういうデメリットもあるのだよというのを示していただきたいなと思いました。これが実際に関係が悪くなったというのが対面をしないからということなのであれば、日本ではそういうことはやらないという形で、対面というのが原則であって、定期的に会うというか対面で診療するということをきちんと決めればいい話であって、外国の状況というのを教訓にしながら日本の体制というのを整えていくということが大事なのかなと思いました。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
城守委員のお手が挙がっていますけれども、もしよろしければ、今の間宮委員の御質問にもしお答えできるようであればそれも踏まえて御発言をお願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
今の間宮委員からの御指摘の点に関しましては、私もフランスにおられる方、そしてフランス、ドイツのことに非常に詳しい方にお聞きをしたというところまでしか情報がありませんので、それに関しては事務局においてももう少しその詳細が分かるような形で調べていただけるのであれば、私もお願いしたいなと思います。
それと、予測ということになろうと思いますが、恐らく遠隔地で、日本でいえば北海道にいる人に対して東京からの要するにオンラインをしているみたいな形で、地元、近くにも家庭医ないしはかかりつけの先生がおられるという中において、そこを要するに飛ばしてオンラインでその診療をどんどん進めていくということが出てきたりしているのではないかなというふうに推測はしますが、その辺りはもう少し詳細にチェックが必要かなと思います。
そして先ほどの、このドイツ、フランスのお話もさせていただきましたが、日本もかかりつけ医機能の強化という政策目的というものもございます。ですので、このオンラインの診療というものは、この運用を本当に適切に設定していかなければ、このかかりつけ医機能の強化という方向性とそごが生じるということは、恐らくこのドイツ、フランス等の例を見ても、他山の石として、事務局にはしっかりとその要件設定等も考えていただけるのではないかなということで情報提供させていただいたというところでございます。
いずれにしても、我々もそのオンラインのメリットというものもしっかりと理解はしておりますので、そのメリットがデメリットを、リスクをすごく凌駕する。例えば、今回のコロナなんかもそうでしたが、そういう場合も含めて、どういう場合にこの保険診療として適切に運用できるのかという視点でその制度設計を考えていくべきと考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
先ほどの城守委員の説明で、理解できていないという部分も理解が深まったと思っております。私もそうなのですけれども、オンライン診療のみで良いとかそういうことを考えているわけでは全くありません。対面診療をメインとしてオンライン診療をどう活用するかといったところでバランスを取っていくことが必要ではないかと思っています。そういった意味での安全・安心といったことも考えないといけないと思っています。今の指針だけでは十分ではないというところも理解できましたので、そういったことを含めてきちんとルールをつくっていくことが必要ではないかと考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
今ほどから欧米との比較という点で議論になっているかと思いますけれども、私も正確なデータを持っているわけではありませんけれども、海外でいろいろと実施したことの経験等々、あるいは書物等で判断する限り、かかりつけ医機能としての、例えば、イギリスのGPとかそういうこととかなりやはり違うと思うのです。日本の場合はかかりつけ医といっても、ただ診療してそしてトリアージをして風邪薬等を出しますという程度ではなくて、やはり一定程度の、少なくとも最低でも心電図、あるいは胸部レントゲン撮影等はできる機器を持っているかかりつけ医が非常に多いですし、そういうことで一定の診断、治療ができる体制、非常に手前みそな言い方で申し訳ないかもしれませんけれども、一般の欧米のトリアージだけのかかりつけ医ではなく、かなり深い機能を持ったかかりつけ医であるということ。となると、それはオンライン診療との診療の密度がかなり違うのです。だから欧米はかなり普及している。なぜ普及したかというと、あまり違いがないのだったらオンラインが便利ではないかということで一定程度普及してしまったのではないかと思うのですけれども、同等以上であればという安藤委員のお話もありましたけれども、とても同等とは思えない、そういったかかりつけ医の診療をやっているということがあるということで、1割がいいか2割がいいかという数字では表せませんけれども、そういうことで、それほどどんどん普及するものではない。対面の診療に置き換わってオンライン診療をどんどん普及させるべきものではないということはあるのではないかということの印象を持っているので、ちょっとお話しさせていただきました。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
城守委員のお手が挙がっていますが、いかがでしょうか。お願いします。
○城守委員
ちょっと言い忘れましたけれども、先ほど業界からヒアリングというお話がございましたが、業界の方は、もちろん要するに推進するという観点でのメリット論をおっしゃられるだけだと思いますので、その業界の方をお呼びしてお聞きしても、要するに今回のこの議論に役に立つということにあまりならないのではないかなと私は思いますので、あえてヒアリングは別にする必要はないのではないかなと思っております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。
それでは、先ほど安藤委員から、マイナンバーの利活用等々、資格確認に関する御質問をいただきました。
それから、松本委員から、薬機法に基づくルールについて、21ページの表に関する御質問をいただいております。
それから、これは御要望というふうに承ったほうがいいかもしれないのですけれども、海外のオンライン診療についての情報を何か持っているのか、あるいはそれをこれから集めていったほうがいいのかという御意見がありましたけれども、それぞれにつきまして事務局から御回答をお願いいたします。
○水谷医療介護連携政策課長
医療介護連携政策課長でございます。
オンライン資格確認につきまして御説明申し上げます。
導入状況につきましては資料にもございますとおり、顔認証付きカードリーダーは約23万の医療機関・薬局のうち約13万の施設、約56%強の施設に申込みいただいてございますが、一方で、準備が完了した施設、これは10月20日の本格運用開始時点で約2万施設が、現時点で約3万施設、あるいは実際に運用開始した施設は、本格運用開始時点では1万施設強だったものが今現在は2万施設ということで伸びてきてはおりますが、まだまだ導入の加速化が必要な状況と認識をしてございます。
そうした中、私どもは、デジタル・ガバメント閣僚会議においてお示しをされております令和5年3月末におおむね全ての医療機関等での導入を目指すということで、引き続き取組を進めてございます。医療機関・薬局のほうには、導入に向けたメリット等々を広報してございますが、診療側の委員からも御指摘がございましたとおり、パソコン、ルーターなどのハードウエアの不足ですとか、システム事業者のほうの対応能力、そうした課題もございます。
私どもとしては、一つ一つの課題に対応しながら加速化を図っていきたいと考えてございまして、ハードウエアの不足につきましては、経産省などとも連携をいたしまして供給元への働きかけを行っているほか、ホームページ上で、こうしたパソコン、ルーターがどこでどうしたスケジュールで手に入るか、そうしたことをお示しすることによって、システム事業者とのマッチングを支援する。あるいはシステム事業者のほうに対しましては、経営層に対しまして、こうした導入ペースの加速化に向けて体制の確保をお願いしたり、あるいはやはりその作業工程も短縮しないと、実際に医療機関・薬局で日々診療等を行っていただいているわけですから、当然作業できる時間が限られることになりますので、そうしたことも含めてお願いをしているということでございます。
こうした取組を進めていくことで、私どもは、この令和5年3月末までにおおむね全ての医療機関等での導入を目指すということに取り組んでいきたいと考えてございますが、実際にどういった形でそれを実現していくのかということにつきましては、今のこの医療機関・薬局における導入状況、本日お示ししているのは施行後4週間強の状況でございますが、近々また新しい状況も公表できるかと思ってございます。そうした医療機関・薬局における導入状況のほか、利用の状況、さらにはシステム事業者のほうの対応能力がどういうふうになっていくか、そうした状況を見極めながら検討していきたいと考えてございます。
それともちろん、国民の皆様にこうしたマイナンバーカードを保険証として利用していただくということが重要でございます。現時点でマイナンバーカードが交付されているのは約5000万枚。そのうち、健康保険証として利用登録いただいているのが12%、約600万枚強ということでございます。これにつきましては、補正予算の中でマイナポイント第2弾ということで、健康保険証としての利用登録を行っていただいた方、これは既に御登録いただいた方や利用の申込みを行った方も含みますが、そうした方々に7,500円相当のポイントを付与すると。こうしたことも盛り込んでございまして、こうしたことだけではなく、引き続き国民の皆様にもそうした活用のメリットを周知広報していきながら、取組を進めていきたいと考えてございます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、お願いします。
○伊藤医薬・生活衛生局総務課企画官
続きまして、オンライン服薬指導について松本委員から御質問いただきましたので、お答えいたします。
スライド21ページ目の「通信方法」につきましては、0410事務連絡におきまして電話のみでも可ということでやらせていただいております。
スライドの18枚目にもお示しをしておりますけれども、電話による服薬指導のメリット・デメリットということで調査結果をお示ししておりますけれども、左側のメリットのところで「ビデオ通話と比べて簡単にできる」という声があった一方で、右側のところですけれども、やはり「薬を見ながら説明を受けられない」といった御指摘も患者からも出ているというところでございます。
また、薬剤師側からも、音声のみの場合にはやはり患者の顔を見ながらの服薬指導ができないということで、そのやりづらさという御指摘もいただいていたところでございますので、現在の方向性としては、音声のみは不可ということでさせていただいているということでございます。
「通信方法」に限らず、現在オンライン服薬指導については、省令通知案の改正につきましてはパブリックコメントに付しているという状況でございますので、本日の御意見も踏まえながらよく検討していきたいと、そのように考えております。
○小塩会長
ありがとうございます。
お願いします。
○山本医政局医事課長
医事課長でございます。
オンライン診療のみで治療が完結することがあり得るかという御質問がございましたので、私から回答させていただきます。
まず、触診等を行うことができないなどの理由によりまして、オンライン診療では診療に必要な情報が十分に得られない場合もあることから、オンライン診療で得られる情報のみで十分な治療ができるかどうかは個別に判断されるものと考えております。
また、同じ疾患名でも個々の患者の状態は様々であることから、疾患名だけで判断することも困難であると考えております。
したがいまして、オンライン診療は対面診療と適切に組み合わせて行うことが基本であると考えております。そうした中でオンライン診療のみで必要な情報が得られ、結果として対面診療を行うことなく治療が完結することはあり得ると考えております。
なお、医療現場におけるオンライン診療の活用につきましては、一般社団法人日本医学会連合において検討していただける予定であり、厚生労働省といたしましても、当該検討結果や、国内外の診療実績、論文等も踏まえ、継続的に検討していく必要があると考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
○井内医療課長
御指摘がございました海外の状況ということでございますが、現時点で事務局としては、御指摘のあったようなデメリットというものの把握はしておりません。委員各位から要請があったという認識ではございますが、各国の事情というのがどういうものなのかというのは、できるかどうかということを含めて、事務局のほうでも情報を集められるかどうかということの検討はさせていただきたいと思っております。
また、この資料にもございますように、オンライン診療の適切な実施に関する指針の位置づけということで御議論をいただきました。事務局といたしましては、まずはここで御議論いただいておりますのは、保険、医療、診療の話、診療報酬の話ですので、診療報酬、いわゆる保険でやるという一定の制限がかかるということはあり得るかとは思っております。ただ、原則といたしましては、オンライン診療がいわゆるこの指針に基づいて適切に実施されるということで取りまとめが行われておりますので、この形で現場で実施が行われるというのが原則というふうに考えております。
以上です。
○小塩会長
長島委員のお手が挙がっています。お願いいたします。
○長島委員
結果としてオンライン診療だけで完結する診療というのは、一度オンライン診療で診察して、その後、例えば、1週間後とか2週間後に対面での診療を予定していたが、それまでの間に症状がよくなってしまって、結果として受診に至らなかったというものを想定していると考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
よろしいでしょうか。
(山本医政局医事課長首肯)
○小塩会長
ほかに御質問、御意見等はございますでしょうか。
飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
海外の事例も少し出ましたので少しコメントしたいのですが、イスラエルもこのオンライン診療が非常に進んでいまして、その影響を分析した論文というのも海外で出ているのですが、最初のロックダウンでオンライン診療というのは5%ぐらいから40%に上昇して、解除後も20%で安定していると。そんな状況です。どのようにオンライン診療を行っているかというのをちょっと聞いてみたのですけれども、プライマリーケアのお医者さんがいて予約制で枠が取ってあると。対面であればもちろん対面で行いますし、オンラインであればその同じ枠でオンラインの診療を行うと。そんな感じでやっていると。
翻って我が国の場合はというふうに考えますと、出来高払いで診療を行いますので、枠が取ってあるような場合というのはほとんどないと。そうすると、オンラインと対面を同一の診療日で行うということにすると、これは医療機関側の事情としてもかなりなかなか難しいのではないかなと思います。いろいろな異なることを一緒にやるわけですよね。
そうすると、ある一定のボリュームがないと医療機関側としてもなかなかやりづらいのではないかなというふうに想像するのですけれども、例えば、週5日のうちに1日そうするとすると2割ぐらいになってしまうと。半日であれば1割と。そんな感じになると思いますけれども、そういうことも考えてどれぐらいのボリュームを認めるかというのも考えていただくとよいのではないかなと思いました。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。海外の情報を提供していただきました。
ほかに御質問、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
各委員の方々から多くの論点をいただきました。
本日は、本件に関わる質疑はこの辺りといたしますけれども、今後、事務局におかれましては、本日いただいた多くの御意見を踏まえて、さらに検討していただくようにお願いいたします。
続きまして、「個別事項(その11)」についての歯科用貴金属材料の基準材料価格改定について、事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○宮原歯科医療管理官
歯科医療管理官でございます。
資料中医協総-5-2の「個別事項(その11)」の歯科用貴金属材料の基準材料価格の改定についてを御説明いたします。
2ページ目は、現行の対応を改めてお示ししたものでございます。素材価格が市場価格の影響を受けやすいことから、2年に1度の診療報酬改定における告示価格の決定のほか、4月、10月に素材価格の変動幅がその時点での告示価格のプラスマイナス5%を超えた場合に随時改定I、7月、1月にはプラスマイナス15%を超えた場合に随時改定Ⅱを行い、最大年4回の改定により対応しているところでございます。
3ページ目は、これまでの歯科用貴金属の価格変動への対応を参考としてまとめたものでございます。
4ページ目は、現行の歯科用貴金属の告示価格の随時改定方法の概要をお示ししたものでございます。
5ページ目は、素材価格の変動推移となります。
6ページ目は、中医協における主な御指摘事項でございます。より直近の平均素材価格を反映できる制度や、随時改定を行う頻度について、検討する必要があるとの御指摘をいただいております。
7ページ目でございます。歯科鋳造用金銀パラジウム合金を例に、歯科用貴金属の告示価格の改定の時期と、対象となった素材価格の対象期間を示しております。基本的には3か月間の素材価格の平均を取り、随時改定が行われますが、変動幅が随時改定を行う5%や15%を超えない場合は改定は行われず、さらに3か月の素材価格の平均を取っていく仕組みとなっております。
8ページ目でございます。随時改定を行う変動率を一律0%や5%とした場合の令和2年度診療報酬改定以降の材料価格の変化の推移を示したものでございます。仮に随時改定を行う変動率を現行のプラスマイナス5%、プラスマイナス15%とする場合の現行の改定頻度は4回となり、また、一律プラスマイナス5%とした場合の改定頻度は4回と同じとなります。変動率をプラスマイナス0%(平均素材価格に応じて毎回変動)とした場合の改定頻度は、その都度改定を行いますので7回というふうになります。
9ページ目は、現行、歯科用貴金属価格の随時改定においては、素材価格の対象期間から随時改定までの期間は、中医協への報告、告示・通知の発出、周知等により、おおむね3か月程度となってございます。中医協への報告後、事務連絡で告示・通知の内容を事前に周知することにより、約1か月程度の期間を短縮でき、直近の平均素材価格の反映が可能となるというものをお示しした作業スケジュールでございます。
これらを踏まえまして、10ページ目に論点として2つ掲げさせていただいております。
まず、1つ目の○でございますが、現行、歯科用貴金属の基準材料価格の随時改定についてでございます。
丸の1つ目、現行のまま。
2つ目、変動幅が一律に告示価格のプラスマイナスα%、例えば5%というような%を超えた場合に改定する。
3つ目として、変動幅にかかわらず、素材価格に応じて年4回改定する等の対応案についてどのように考えるのか。
2つ目の○でございます。歯科用貴金属価格の随時改定において、医療機関等への周知期間は確保しつつ、2か月前までの平均素材価格を用いるなど、できる限り直近の素材価格を告示価格に反映することについて、どのように考えるのか。
事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等よろしくお願いいたします。
林委員、お願いします。
○林委員
ありがとうございます。
論点について発言いたします。
まず、論点の1つ目ですが、マル1に関しましては、資料3ページの参考にもありますように、2年に1度の定時改定に加え、平成12年には随時改定が加わり、平成22年には随時改定の変動幅が改定され、加えて、令和2年に急激な価格変動の乱高下への対応として随時改定Ⅱが導入され、一定の効果があったものと評価しております。
次に、マル2に関しましては、その随時改定Ⅱの変動幅を改定し感度を上げるということですが、資料8ページのとおり、現行制度と比較しても特に優れた対応とは思えず、タイムリーな改定とは言えないと考えております。
マル3に関しましては、市場実勢価格を告示価格に反映する、その感度を極力高めるための対応と理解し、事務局提案に反対するものではありませんが、医療機関における事務負担、事務費用等、付随する課題が多いと認識します。今後しっかりとしたシミュレーションを行うとともに、課題への対応をお願いしたく思っております。従前から使用する貴金属材料の素材価格が相場の影響を受けやすいことが問題点として指摘されておりまして、価格決定が後追いとなる理解の得にくい制度ですが、金パラ代替材料の開発や保険収載、加えて、中長期的な抜本的な対応を検討しながら、次善の策として進めていただければよいと思っております。
次に、2つ目の論点でございますが、反映される時期のタイムラグの問題等を解消するために、平均素材価格の対象期間をできるだけ直近にするという事務局案については了承いたします。医療機関や関係方面に事前に事務連絡で案内するとのことですが、現場に混乱が生じないよう、しっかりと周知をお願いしたく思っております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
歯科用の貴金属につきましては、技術料で評価されていて分かりにくいものですけれども、歯科医療費の動向にも関わりますので、我々も非常に注目しております。基本的な考え方としては、歯科用貴金属に限らず、実態を適時に反映することが基本だという認識をしております。
その観点からいいますと、2つ目に挙げていただいた観点であります平均素材価格の適用を2か月前までとするということについては、ぜひ実施していただきたいと思っております。
その前提で、一方で、令和2年度改定で随時改定IIを導入したばかりであり、頻回な改定による事務負担は、医療機関のみならず保険者にも発生いたします。
また、歯科医療機関がどのように仕入れてどのように償還していくかといった取引上の実態については分かりませんので、そういったことも配慮しながら、例えば、8ページにシミュレーションを示していただきましたけれども、例えば、先ほどの2か月前までを取った場合のシミュレーションをお示しいただくとか、そういったものをまた見させていただいて、最終的には判断させていただきたいと思います。
また、先ほど他の委員からもコメントがございましたけれども、国際的にも大きく変動する貴金属価格に影響されない歯科材料の開発や、保険適用を進めることも別途必要かと思いますので、そちらの対応もよろしくお願いいたします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
事務局、よろしいですか。
(宮原歯科医療管理官首肯)
○小塩会長
それでは、ほかに御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこの辺りといたします。
今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、引き続き対応していただくようにお願いいたします。
本日の議題は以上ですが、事務局からその他として説明がございます。
それでは、よろしくお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、事務局から、大臣折衝を踏まえた改定率ということで御説明をさせていただきます。
令和4年度予算につきまして、先ほど、大臣折衝が行われました。令和4年度の診療報酬改定率が決まりましたので御報告いたします。
診療報酬の改定率は、全体でプラス0.43%となっており、その内訳は、看護職員の処遇改善でプラス0.20%、リフィル処方箋の推進でマイナス0.10%、不妊治療の保険適用でプラス0.20%、小児の感染防止対策に係る加算措置の期限到来分でマイナス0.10%、これらを除き、医科、歯科、調剤に配分する改定分ということでプラス0.23%となっております。
薬価の改定率は、全体でマイナス1.35%となっており、その内訳は、実勢価格改定でマイナス1.44%、不妊治療の保険適用でプラス0.09%となっております。
材料価格の改定率は、マイナス0.02%となっています。
詳細につきましては、次回の中医協で改めて御報告をさせていただきます。
事務局からは以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会はこれにて閉会といたします。
どうもありがとうございました。
 


 
 

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