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2021年12月17日 中央社会保険医療協議会 総会 第506回議事録

○日時

令和3年12月17日(金)10:00~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 松本真人委員 間宮清委員 眞田享委員 鈴木順三委員 末松則子委員
城守国斗委員 長島公之委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 中村春基専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○外来(その4)について
○入院(その8)について
○令和4年度DPC/PDPSの医療機関別係数の改定について


 
○小塩会長
おはようございます。ただいまより、第506回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
なお、本日も、新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催としております。また、今回の会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にYouTubeによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、佐保委員と羽田専門委員が御欠席です。
それでは、議事に入らせていただきます。
初めに「外来(その4)について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、事務局で準備をさせていただきました資料の説明をさせていただきます。
総-1「外来(その4)」でございます。
「かかりつけ医をとりまく環境について」「かかりつけ医機能に係る評価について」「論点」ということでまとめさせていただいております。
3ページ目からでございます。まず「外来医療の今後の方向性(イメージ)」ということで、平成25年8月6日の報告書から抜粋しております。
4ページ目は、かかりつけ医とかかりつけ医機能の定義や説明でございます。
5ページ目、6ページ目につきましては「外来機能の明確化・連携、かかりつけ医機能の強化等に関する報告書」、令和2年12月11日医療計画の見直し等に関する検討会のものを5ページ、6ページと並べております。現状の課題から具体的方策についてまとめているというものでございます。
7ページが診療報酬上の評価ということで、地域包括診療料1、2、地域包括診療加算1、2の説明でございます。包括範囲であったり対象疾患であったりということでまとめております。
8ページ目が、この地域包括診療料・加算の算定・届出の状況でございます。
9ページ目が、小児科かかりつけ診療料の御説明でございます。この中に平成30年、令和2年の変更点も挙げさせていただいております。
10ページ目が小児科外来診療料と小児かかりつけ診療料の比較ということで、点数、包括範囲、対象疾患等をまとめさせていただいております。
11ページ目は、小児かかりつけ診療料・小児科外来診療料の算定・届出状況の推移でございます。
12ページ目が、機能強化加算についてとなります。機能強化加算の御説明をさせていただいております。
13ページ目が、その機能強化加算の算定及び届出の状況でございます。
14ページ目には医療機能情報提供制度ということで、平成19年4月からスタートしている医療機関、都道府県、住民の関係ということで、具体的にどのような情報が提供されているかということを挙げさせていただいております。
15ページ目以降が「初診時におけるかかりつけ医機能等に係る評価」でございます。
まず、16ページ目が外来医療に係る調査ということで、かかりつけ医を決めているか、かかりつけ医を決めていない理由等の検証調査のデータでございます。
17ページ目が同じく検証調査で、かかりつけ医に求める役割等を載せているものです。
18ページ目が、日本医師会の総合政策研究機構のほうから、かかりつけ医がいるか、いないか、いない人の理由が調査されているので、ここに挙げさせていただいております。
19ページ目が外来診療の流れということで、初診外来から再診外来のほうに移っていく中で、どういったことを求めているかということで、これは検証調査の選択肢として用いているものを参考に系統的に並べさせていただきました。初診外来ではどのようなことが、再診外来ではどのようなことがということをまとめております。
20ページ目が、機能強化加算の届出有無別の施設が有するかかりつけ医機能ということで、機能強化加算の届出のある、なしで比較をしております。
21ページ目が、初診患者のうち機能強化加算の算定有無別の受診医療機関と患者の関わりをまとめております。
22ページ目が、診療所における地域活動の実施状況を挙げさせていただいております。
23ページ目が「小児におけるかかりつけ医機能等に係る評価」ということで、小児におけるかかりつけ医機能の評価の主な指摘事項、10月20日のこの総会のものを24ページにまとめております。
25ページ目から小児医療の体制構築にかかる指針ということで、25ページに指針の中の抜粋、大きな項目、26ページに少しブレークダウンしたものということで、救急医療との関わりということで、救急医療と開業医等がというようなところの関係を挙げさせていただいております。
27ページ目が小児医療の体制ということで、全体的な体制でございます。
29ページ目が、論点でございます。「中長期的に」のところですが、かかりつけ医機能を有する医療機関の体制に係る評価の在り方について、どのように考えるのかということ。さらに、小児科かかりつけ診療料に係る評価の在り方について、どのように考えるのかということでございます。
事務局で準備しました資料は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして何か質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
最初に城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
まず、機能強化加算についてでございますが、今回のこの調査結果では、届出を行っている医療機関のほうがかかりつけ医機能を発揮するための体制、また、かかりつけ医機能に関連する診療が行われている割合が高かったということも示されておりますので、現在のこの評価方法は、かかりつけ医機能を評価するという政策目的に合致したものであろうと受け止めております。
そして、19ページで事務局からお示ししていただいておりますように、初診と再診とでどのような役割を担っているのかのイメージでございますが、特に初診におけるこれらの役割は機能強化加算の届出をされているような医療機関においてはそれぞれの要件を満たすということでできているということだと考えますので、こういった評価は必要だと考えております。
続きまして、小児かかりつけ診療料についてでございますが、10月20日の総会でも発言をいたしましたとおり、算定する患者さんに対して、時間外も含めて常時の対応が原則とされているということは、医師1人の小児科診療所等においては体力的にも大変厳しいものとなっています。そういうことも考えますと、この負担を軽減することが小児におけるかかりつけ医機能の推進にとって非常に大事になると考えます。
そこで、本日の資料に示されましたとおり、当該医療機関の医師が小児の初期救急センターなど地域における夜間・休日の初期救急医療に参画するなどして、地域の医療機関が連携をして対応している場合であれば、その参加の状態とか時間外対応について、一定程度整理をして対応するのがよいだろうと考えます。
私のほうからは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員
ありがとうございます。
全体的に機能とか体制の強化については非常に分かるのですが、現実問題、健康で病院に行かない、お医者さんにかからない現役世代にどのように周知して広げていくか、これのほうが今、問題ではないのかなという認識がありますので、そういう意見だということで御承知おきください。よろしくお願いします。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
かかりつけ医に関する論点につきまして、総論といたしましては以前から申し上げているとおり、かかりつけ医機能が果たされることによる患者のメリットを明確化していただき、そして、それに見合った評価をしていくべきであると考えております。
機能強化加算につきましては、前回の改定時にかかりつけ医機能の普及を図る観点から、体制加算として院内掲示等の情報提供に係る要件が見直されました。この際も、情報提供の方法の在り方についてかなりの議論があったことは認識しておりますが、その見直し後の特別調査結果が資料の21ページに示されているものだと思います。4)、5)、6)の情報提供に関する質問への回答は特に「5)かかりつけ医に関する院内掲示を見たことがあるか」という質問では、届出あり施設の患者のほうが、届出なし施設の患者よりも見たことがあると答えた割合が低いという結果となっております。
このような結果を踏まえた上で、加算の要件とされている情報提供の在り方について、現状で十分であると思っておられるかどうかということを、診療側の御認識を改めてお伺いできれば幸いだと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
安藤委員から診療側の御意見を伺いたいという御要望ありました。後で御回答をお願いいたします。
続きまして、末松委員、お願いいたします。
○末松委員
ありがとうございます。
論点について異論はございません。地域医療体制の強化に向け、患者にとってかかりつけ医について少し意見を述べさせていただきます。
本市においてもかかりつけ医は、地域包括ケアシステムの推進において、外来だけではなく在宅医療も含めて、ある意味チームリーダーとなるものと認識いたしております。特に高齢者が住み慣れた地域で生活をしていく中で、かかりつけ医は患者が心身の機能経過により日常生活に支障を来した場合、ケアマネジャーや地域包括支援センターと連携をし、要介護認定に必要な主治医の意見書の作成を担い、かかりつけ患者の通院が難しくなった場合には、在宅医として訪問診療を行っていくという側面も持っております。
ついては、患者がかかりつけ医を持って、身近な地域で必要な治療を受けることができるためには、かかりつけ医が外来を通じて患者や家族の状態を把握し、多職種からの情報を基に総合的に支援することが必要であると考えておりますし、その総合的支援が現実的に可能となるよう、例えば患者の家族介護者のレスパイトにも対応ができるよう、専門機関や施設へのつなぎができることが求められると思っております。
かかりつけ医を中心とした地域包括ケアシステムの推進に当たり、ふだんの外来での治療をはじめ専門的治療のための連携体制を構築し、医師や医療機関を支援するとともに、患者の暮らしへの支援も重要と考えますことから、かかりつけ医が外来及び在宅医として、また、患者を支援する多職種の医療介護連携のリーダーとして機能することと、その機能を果たすための連携についての評価がしっかりとなされていくことが必要だと考えております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
ありがとうございます。
先ほど安藤委員のほうから、かかりつけ医機能が果たされることによる患者側のメリットを明確にし、それに見合った評価をしていくべきという趣旨の御発言がありました。私もそういった点を踏まえますと、かかりつけ医機能の診療報酬上の評価に当たっては、患者にとって分かりやすさ、納得感が得られやすいことが重要であると考えております。
一方で、かかりつけ医機能に関する評価は、診療報酬改定を経て複雑になっている部分もあり、患者にとって分かりにくいものになっているのではないかと感じてもおります。
今回、19コマ目に「外来診療の流れ(イメージ)と機能・役割について」、初診・再診とかかりつけ医に求める役割の対応関係を示していただいておりますけれども、さらに現行の診療報酬項目との関係についても整理していただくことも有効ではないかと考えております。
そうした整理の中で、例えば評価の重複あるいは患者のニーズとは異なる部分での評価、また、不足しているところがあるかもしれないので、こういった課題を抽出した上で診療報酬上の対応について検討していくことが重要ではないかと考えております
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
最後にかかりつけ医に関する診療報酬全般の再構築に関する意見を述べますので、少し長くなりますが御容赦いただきたいと思います。
まず、総論的な意見につきましては各委員から出ておりますので、ここでは割愛いたしますけれども、我々は診療報酬制度を使って全ての国民にかかりつけ医を割り当てるべきと主張しているわけではなく、全ての国民がかかりつけ医を持つことができるようにすべきではないかとずっと申し上げております。したがいまして、よく話題に上りますフリーアクセスを制限するというようなことは考えておりません。必要なときに必要な医療を適切に受けられるように、かかりつけ医の役割に期待しているところです。
16ページ以降のデータにもありますけれども、かかりつけ医を持っている、あるいは欲しいというものに関する意識が非常に高いことが分かります。医師と患者がお互いに認識の相違なくかかりつけの関係が構築できていて、患者の安心・安全のための機能をしっかり発揮していただいているかといえば、先ほど各委員が述べられておりますけれども、コロナ禍で経験した、なかなか迷ってしまったとか、あるいは予防接種を受けなかったとか、そういう経験を踏まえますと、どうもそこまではうまくかみ合っていない、データには現れない意識の差は感じられるというところが正直な印象です。
次に、機能強化加算がテーマになっておりますので、調査の結果について少しコメントしたいと思います。
20ページ、21ページに機能強化加算の届出医療機関で相対的にかかりつけ医機能を発揮しているという検証結果が示されておりますけれども、本来であれば届出医療機関についてはこうした機能を100点満点とは申し上げませんけれども、例えば20ページにあります左のグラフの一番上にある病気の診療に関するものであるとか、下から3番目にある項目だとか、そうしたいろいろな歴史の把握はもっと高い割合であってしかるべきというのが正直な印象です。
一方、21ページにつきましても、少しn数が少ないので正確な比較は難しいと思いますけれども、この差をもって、かかりつけ医機能に係る診療が行われていると判断するのは早計ではないかと思います。
先ほどから各委員会からもありましたけれども、特に周知広報に関しては、正直、消極的であるという印象を持たざるを得ません。やはりかかりつけ医に関する周知は院内掲示や文書を置いておくだけではなく、直接患者に文書を渡すとか、あるいは説明をしていただくということがないと、なかなか患者側の理解は深まらないのではないかということを指摘させていただきます。
それから、13コマ目に戻りますけれども、機能強化加算のベースとなります管理料や加算の届出を見ますと、未記入というのが一番多いわけですけれども、これがどういうことを意味しているのかを質問として確認したいと思います。ほかを見ますと在総管とか施設総管といった体制に関することで評価がされていることが分かります。
また、今回機能強化加算については、資料には含まれておりませんけれども、12月1日の中医協で提示されました2-2にあります令和2年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査のかかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等に関する実施状況調査を少し見てみたのですけれども、その中を見ますと、96ページに令和3年1月から6月までの6か月間における包括診療料と地域包括診療加算の算定患者数を調べたところ、回答した112医療機関のうち16医療機関が半年間に算定がゼロであるということになっています。これはベースとなる管理料や加算の算定がないにもかかわらず、機能強化加算を全ての初診患者に算定している医療機関が1割程度あることが類推されます。
理想を言えば、かかりつけ患者に限定すべきであるとしたいところですが、以上からも、機能強化加算が体制加算であることは前提としても、現行の要件ではやはり不十分ではないかと言わざるを得ません。かかりつけ医としてのふさわしい体制がどのようなものであるべきものなのか、また、かかりつけ医の在り方に関する議論が医政局主催の委員会等でも始まると聞いておりますけれども、病歴、受診歴、処方歴の確認はしっかり行っていただく、かかりつけ医に関する情報を確実に患者に周知いただく、医療機能情報提供制度のかかりつけ機能を有する医療機関について、制度の紹介だけではなく、自院が登録していることを施設基準で定めること、かかりつけ医に関する適切な研修を受けること、ベースとなる管理料・加算について一定の算定実績を求めることは少なくとも必要だと考えますので、今回の診療報酬改定での対応を強く主張いたします。
次に、小児のかかりつけ医機能につきましては、以前に小児かかりつけ診療料について、緊急対応の要件を輪番の時間外対応加算3まで広げてはどうかということで議論しておりますけれども、今回は初期救急に参画する医療機関に対する評価の在り方ということですので、機能を強化するという視点で考えますと検討に値すると考えております。ただし、評価の方法や要件等については慎重に判断させていただきたいと思っております。
最後に、かかりつけ医に関連する診療報酬全般について再構築が必要だということは常々申し上げておりますけれども、これから少し具体的なイメージを御説明したいと思います。
かかりつけ医が行う診療に対する代表的な報酬項目としては、7コマ目にありますとおり地域包括診療料と地域包括診療加算があり、主に加算がされていると認識していますが、このほかに特定疾患療養管理料についてもプライマリ・ケア機能を担う地域のかかりつけ医師が計画的に療養上の管理を行うことを評価したものであることが明確にされておりますので、患者と医師がかかりつけ医を相互に認識できるように、やはり患者の同意を要件にすべきではないかと考えます。
また、再診料の外来管理加算についても、特段の検査と処置を行わなかったら算定できるという印象がありますけれども、これも計画的な医学管理を評価したものであるということを踏まえれば、かかりつけ医の最も基本的な報酬という解釈もできるのではないかと考えます。歴史的な経緯にも配慮しつつ、幅広い疾患を対象としたかかりつけ医による計画的な医学管理を評価するものとして、位置づけを改めてはどうかということを提案させていただきます。
また、外来管理加算、特定疾患療養管理料、地域包括診療加算の併算定については、患者の視点で見ますと計画的な管理はどこでやるべきなのか、どこで評価されるべきなのかというのが非常に分かりにくいと考えますので、やめるべきであると考えます。
以上のことを総括いたしますと、かかりつけ医の報酬体系について患者目線で整理しますと、疾患を限定しない外来管理加算が基本としてまずあり、慢性疾患等を罹患した場合に特定疾患療養管理料に移り、さらに高血圧や糖尿病、高脂血症など複数の慢性疾患を罹患した場合に地域包括診療料や地域包括診療加算に移行するということで、分かりやすくなるのではないかと考えます。
そして、このいずれも患者と医師の信頼関係が築けるような形で要件、包括範囲、点数水準を整理すれば、各報酬項目の位置づけやすみ分けがすっきりするのではないかと考えます。
今、申し上げた考え方がベストとは申し上げませんけれども、今後ぜひ検討をしていただきたいと強く申し上げるものです。
長くなりましたが以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
全ての国民がかかりつけ医を持つことが大事ということは理解しているのですけれども、今の仕組みの中で、かかりつけ医と患者との関係はどれだけそれぞれに理解されているのかというのは、何かはっきりしないで曖昧だなという感じがしているのです。
先に質問なのですけれども、一人の患者に対してかかりつけ医が何人もいるという状態、要するにかかりつけ医としての加算がされている状態が複数あるのかどうなのかというのをお聞きしたいです。
それは質問なのですけれども、鈴木委員からもありましたが、あまり医療機関にかからない元気な人でも、たまに医療機関にかかって、それはいつも行っている診療所などに行くわけです。患者のほうはそこがかかりつけ医だと思っていても、今回のコロナワクチンの受付などを考えると、あなたはかかりつけの患者ではないので打てませんというように受け付けられなかったとかということがあって、かかりつけ医だと思っていたのにそうではなかったということがあったりとか、あと、外来も在宅もいろいろあるのですけれども、年齢によってもかかりつけ医は変わっていくし、求める機能というのはそれぞれだと思うのです。都市部だといろいろなクリニックがあって、耳だったら耳鼻咽喉科とか、目だったら眼科とか、当然いろいろなところにすぐに行けるわけですけれども、医療資源があまりないようなところだと、まずはかかりつけ医の先生に相談して、紹介してもらうというようなパターンがあると思うのです。それが本来、患者が求めるかかりつけ医としての機能であると私は思っているのです。それを実現するためにどのようにしていくかというところに点数をつけていっていただきたいと思うのです。
今の考え方というか、今の加算の方法はそっちのほうではなくて、加算をつけるためにはどうしたらいいかということを考えているような気がしてならないのです。そのあたりは患者にとって分かりやすい診療報酬がこのように取られているのですよというのをちゃんと理解できるような情報提供の方法を検討していただきたいと思います。
あまり病気をしない人の場合は、医療機関にあまりかからないというのもあるのですけれども、私みたいに非常にたくさんの医療機関にかかっている場合は、かかりつけ医の位置づけが非常に難しいのです。難しいというか、私の場合は難しくはなくて、近所の内科医の先生がかかりつけ医だと思っているのですが、そこの診療所に行くのは下手をすると何年かに1回なのです。調子が悪くなったときに行って、いろいろ相談して、そのときに検査などをしたときに、こういう専門の病院がありますから、そこへ行きますかと言われて紹介されるというパターンがあって、今まで肝炎もそうですし、糖尿病のクリニックなども紹介されたのはそこだということで、そこの先生をかかりつけ医だと思っていますけれども、診療と診療の期間がかなり離れていると、もうかかりつけ医ではないというような状態にもなるのではないかと思うので、ここで患者側と医療側のかかりつけ医の感覚のずれを修正すべく、きちんとした診療報酬上の体系の再構築は図っていただいて、患者に本当に分かりやすい情報提供の仕方を模索していっていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。御質問もいただいておりますけれども、後で事務局から回答していただきたいと思います。
城守委員、お手が挙がっております。よろしくお願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
1号側の委員の方々から様々な御質問や御意見があったと認識をしておりますが、私のほうから少しコメントをさせていただきたいと思います。
まず、かかりつけ医に対する重要性の認識は、1号側、2号側ともにしっかりと共有できているのであろうと思います。その中において、これは我々が常に申しておりますが、かかりつけ医はコンビニエンスなドクターを意味するわけではなくて、患者さんと医師との信頼関係がまずベースにあって、その上で患者さんがかかりつけ医の先生を選ぶというのが基本であろうということでございます。
そういうことを踏まえた上で、まず安藤委員や松本委員からもお話がございました21ページの掲示に関してでございますが、院内掲示というものは確かに報酬の要件にもちろん入っておりますし、各医療機関においてもしっかりと掲示はされているわけですが、診療所に受診に行かれた方はお分かりかと思いますけれども、かなり多くの掲示物が貼られていたり、必要なものもございます。また、診療所の構造上、できるだけ分かりやすいところに掲示はしているということにしておりますが、それでもなかなか見にくいというところもございます。ですので、この掲示に関しては、今後、我々としても周知をしていくとともに、どういうやり方が一番よいのかということは検討していけばよいかなと思っております。
しかし、患者さんの求めに応じてその説明をするということになっているわけですが、一人一人に全て説明をしなさいという御意見がございました。これに関しましては、前期の中医協でもそのような議論があったと思いますが、このかかりつけ医の御説明というものをお一人お一人にしておりますと、1日があっても言い切れないというぐらいに時間がかかるわけでございます。ただでさえ待合時間も多いという中において、基本は患者さんの求めがあればしっかりと説明しますが、全員に説明することは物理的に不可能であろうと思いますし、そこは御理解いただきたいと思います。
こういうことは我々もしっかりと説明していくということは要件の中に入っているわけですが、これも前期の中医協でも申しましたけれども、保険者の方もその会員の方々に、しっかりとかかりつけ医というものはどういう役割があって、どういう形になっているのかということを保険者機能としてしっかり発揮をしていただいて、周知をしていただければよいと思いますので、そちらのほうもよろしくお願いしたいと思います。
そして、かかりつけ医機能の件でございますが、例えば本日の4ページにございます。日医・四病協合同提言でもお示しをしておりますとおり、かかりつけ医の機能というものは非常に幅広く、多くございます。ここにありますように、必要に応じて地域の医師や医療機関等を紹介して解決策を提供するということも重要な役割になっておりますが、それ以外にも、日常診療以外にも例えば健診であるとか学校保健、学校医の先生、産業医の先生、そのほか地域に根差した活動を求められているということもあります。さらには在宅医療も必要に応じて行う、非常に幅広い、このぐらいの幅広の機能を持とうとすると、人員の配置も含めて、この体制をかなり強化する必要もございます。ですので、この体制強化に関しての評価が大きな役割を占めているという御理解もしていただきたいと思いますし、この強化をすることによって、今、お話ししましたかかりつけ医機能の様々なものを推進し、そして強化していくことによって、地域の医療を支えていくという役割になろうと思います。
そしてもう一点、先ほど地域包括診療加算、地域包括診療料を算定していない一部のパーセンテージの医療機関があるというお話がございましたが、先ほど御説明したとおり、このかかりつけ機能というのは、それ以外にも小児かかりつけ診療料や在医総管、施設総管等、様々な施設要件もございます。さらには、先ほど御説明しましたとおり、地域における様々な役割、また、在宅も含めて非常に重要な役割を多く担っているということを御理解いただければ、加算だけが算定されないということがおかしいということだけではないということもしっかり御理解していただけるのではないかなと思います。
このかかりつけ医に関しましては、先ほど松本委員もおっしゃいましたように、基本的には医政局でこれからしっかりとした議論が始まるとお聞きしておりますし、少なくともこの中医協の場において、ミスリーディングになるような診療報酬上の要件設定や見直しということは拙速にやるべきではないだろうと思います。これまでの地域包括診療加算、地域包括診療料、小児かかりつけ診療料等も、今、御説明しました様々な機能を一つ一つ評価していきながら、過去の中医協の委員方が結果として診療報酬の項目としてつくられたというこの重みも皆さんにしっかりと御理解をしていただきながら、議論していただければと思います。
私のほうからは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
私からの質問に御回答いただきまして、ありがとうございます。
協会といたしましても、保険者としてかかりつけ医についての広報は今までも行ってきております。その保険者としての役割もしっかりと認識しております。
しかしながら、加算の要件とされている情報提供につきましては、加算を算定している医療機関において、これからもさらにしっかりと行っていただきたいと考えております。
以上でございます。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
今、安藤委員の前の御質問について城守委員にお答えいただきました。そのとおりだと思います。
さらに追加をして、私としての印象を申し上げたいと思います。21ページの6つあるグラフですが、先ほど松本委員もちらっとおっしゃいましたように、このnが44、43というような数字なのです。これで統計的有意差を見るというのは、私は統計の専門家ではありませんが、印象としてはかなり厳しいのではないか。5)がなぜ逆転しているのかという御質問があったかと思いますけれども、一方で5)を見ると無回答も倍ぐらい、機能強化加算ありのところが多いということとなると、ますます統計的有意差は出ないのではないか。あくまでも傾向としかみなせないのではないかということで、その辺は事務局に有意差があるかどうか、もし確認できていたら教えていただきたいと思います。
一方で、21ページの下のほうですが、機能強化加算あり、なしで、これも有意差があるかどうかは別として、いずれにしても8割近く、あるいは8割以上の方が受診したときにそこの医療機関はかかりつけ医だと認識しているということ、この結果そのものは、今、かかりつけ医が全然分からないという御意見がありましたけれども、実際に700、600という評価で見ても、8割前後の方々がそれぞれの医療機関をかかりつけ医だと思って受診しているということがあるということで、今、かかりつけ医が見つからなくて困っているという状況でもないのかなという印象を持ちました。
その上で、先ほど何人かの先生方がおっしゃったように、私は福井ですから地方なのですけれども、地方と都会で若干差があるのではないか。非常にアクセスがよくて、医療機関も多い都会だと、自由にどこでもクリニックに行けるということ、それぞれの科ごとに行けるというところ、地方だとなかなかそうはいかなくて、ある程度、地域で面で仕事をする、かかりつけ医自身もしなければいけないということがあって、かえってかかりつけ医機能がいい場合もあるのではないか。
私の感覚ですと、あとはもちろん年齢差もありますけれども、ほとんど地域で頑張っているクリニックというのは、家族まるごと見ているのですね。ですから、たまにしかかからない若い方でも子供さんでも、何かあるとそこにかかるということになっていて、家族まるごとかかりつけ医というところも地方では多いと思います。それが私は本来のかかりつけ医の在り方の一つではないかという印象を持っています。
いずれにしても、年齢者あるいは地方と都会の地域差も少し考えながら、この制度を考えなければいけない。ただ、それは診療報酬ではなくて、やはり医政局マターになってくるのではないかという印象を持ちました。
以上、一定、統計学的有意差があるかどうかについて、事務局でもしお答えがありましたらよろしくお願いいたします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいですか。
長島委員、お手が挙がっています。
○長島委員
新型コロナウイルスの予防接種で特に初期の頃、御要望に十分お応えできなかった場合があるということは誠に残念なことではございますが、その根本的な原因は、そもそもワクチンの供給量が十分ではなくて、医療機関では接種したい接種したいと思っても、残念ながら接種できなかった。これが根本原因であるということを十分御理解いただければと思います。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかによろしいでしょうか。
それでは、事務局に幾つか御質問をいただいておりますので、御回答をお願いいたします。
○井内医療課長
幾つか御質問いただいているので、回答できる範囲でお答えをさせていただきます。
まず、資料の13ページの未記入のところがこんなに多いのはどういうことかという御質問でございましたが、これに関しましては、我々の集計するシステムのほうで、複数回答があると集計できないということになっていて、今回のこの資料では未記入という形にせざるを得なかったというものでございます。
21ページのほうで、n数が少ないのだけれども有意差はあるのかということでございますが、この資料につきましては個別に有意差の検定は行っておりません。ここにある数字そのままで評価をいただければと思っております。
間宮委員のほうから、1人の患者にかかりつけ医が何人もいるのかという御質問でございました。まず、定性的なお話をさせていただきますと、4ページにありますように、かかりつけ医の定義、かかりつけ医機能というものの中で、かなり幅広に捉えております。あと、患者さん御本人がかかりつけ医と思うかどうかというようなこと等もございますので、そういった観点からいきますと、複数おられることもあるのではないかとは思ってはいます。特に診療科等が分かれた場合には、例えば整形外科領域、耳鼻科領域、内科領域等で個別におられるのではないかとは思ってはおります。
診療報酬上の形としてはということですが、本日出させていただきました例えば7ページの地域包括診療料や加算といったものに関しては担当医を決めることとなっておりますので、診療報酬上では基本的には1人にするというような形にしております。
10ページの小児かかりつけ診療料としても、原則として1人の患者につき1か所の保険医療機関が算定するということにしております。
12ページの機能強化加算のほうにつきましては、そういったルールはないということでございます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
ほかに御質問、御意見はございますか。
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
今のお答えだと、患者の感覚としてかかりつけ医だと思っている医師が複数いる場合があるのではないかということは、それはそうなのかもしれません。でも、診療報酬上は1か所なのだよということで、それは徹底されているのかなと。いろいろなところに取られているなんてことは、実際にあるのではないかと思ったりとかもするのですけれども、それはちゃんとしているのですか。
あと、かかりつけ薬局とかかかりつけ薬剤師とは考え方が全然違うということなのですか。かかりつけ薬局とかかかりつけ薬剤師というのは、1か所の1人の薬剤師に薬を提供してもらいましょうということだと思うのですけれども、考え方は全く違うということでいいのでしょうか。
○小塩会長
ありがとうございます。
間宮委員から御質問いただきましたけれども、いかがでしょうか。
○井内医療課長
診療報酬上の例えば地域包括診療料に関しましては、7ページにありますように対象疾患が4疾患のうち2つ以上ということになっております。これについてかかっている担当医を決めることと診療報酬上なっているので、現場の先生方は、この点数等を算定するときは何らかの確認行為をやっていただいているはずと思っております。小児科のほうでもそういう形で、原則として1人ということに小児かかりつけ診療料もなっておりますので、そういった対応をしていただいているものと思っております。
あくまで、これはかかりつけ医というよりも、かかりつけ医機能のうち例えば疾病しばりのもの、小児科に限定したもの、そういったところでの点数設計ですので、かかりつけ医全体のお話とは少し外れるのかなという印象は持っております。
以上です。
○小塩会長
間宮委員、よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。
特にほかに御質問等がないようですので、本件に係る質疑はこのあたりといたします。今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、引き続き対応していただくようにお願いいたします。
続きまして、「入院(その8)について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、資料に従いまして、事務局のほうから御説明をさせていただきます。総-2「入院(その8)」でございます。
2ページ目に「急性期入院医療について(その3)」ということで、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度について、2番が治療室用の重症度、医療・看護必要度について、3番が見直しを踏まえた施設基準の設定についてとさせていただいております。
3ページからになります。3ページ、4ページで入院分科会の取りまとめ及び取りまとめにおける指摘事項をまとめさせていただいております。
4ページ目にその評価項目のところで、「点滴ライン同時3本以上の管理」「心電図モニターの管理」「輸血や血液製剤の管理」等が挙げられているというものでございます。
5ページ、6ページで、本中央社会保険医療協議会総会での御議論ということでございます。
特に6ページの12月1日でございますが、重症度、医療・看護必要度の項目や判定基準、該当患者割合に関する資料が含まれていないという御指摘を受け、迅速に中医協で示すようということで、強く要望を受けたというものでございます。
7ページからでございますが、7ページが一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ、Ⅱの概要をまとめております。
8ページのほうに一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価表、評価の手引きということで、点滴ライン同時3本以上の管理、心電図モニターの管理、輸血や血液製剤の管理をまとめさせていただいております。
9ページは参考ということではございますが、内保連のほうでまとめていただいております新たな適正化の評価項目としてD項目案ということで、内科系の医療ニーズを挙げていただいているということの御紹介でございます。
10ページになります。重症度、医療・看護必要度の該当患者割合についてということで、一般病棟用ということで急性期1から順番に必要度Ⅰ、Ⅱということで並べています。オレンジの線がその基準となります。
11ページのほうになります。評価項目を変更してみた場合の患者割合についてということで、パターン1からパターン5-3ということで、先ほど入院分科会等で御指摘をされているところの、こういう形で分類すればというものの分類パターン、その分類パターンで、その結果ということですが、現在基準を満たしている患者のうち、各項目の見直しにより基準を満たさなくなる患者割合を出しております。
12ページが、それを必要度の中でさらに入院料別に見たものでございます。
14ページでございますが、「治療室用の重症度、医療・看護必要度について」でございます。
15ページが、この総会での御意見でございます。
16ページが、救命救急入院料等の主な施設基準。
17ページが、その評価表でございます。
18ページが、一般病棟のほうでもございましたが、対象データセットによって現状の該当患者の割合とそのラインでございます。
19ページにつきましても、パターン1-1からパターン3まで評価項目の見直しパターンをつくり、それに合わせて、下段の右のほうになりますが、現在基準を満たしている患者のうち、各項目の見直しにより基準を満たさなくなる患者割合を出しております。
こういったことを踏まえまして、21ページ以降、「見直しを踏まえた施設基準の設定について」でございますが、22ページ以降がシミュレーションの案ということで、今後こういったシミュレーションを事務局のほうで行って、本総会に提示をさせていただくということではどうかというものでございます。
シミュレーションの条件の考え方といたしましては、一般病棟用に関しましては、この3点について見直した場合、その結果として以下のように、見直しを行わない場合の各施設の該当患者割合の分布、それが見直しを行った場合にどう変わるかという右側、こういった比較をさせていただいてはどうかというものでございます。
23ページも同様の形で、治療室用にこういったことをやってみればどうかということの案でございます。
事務局で準備した資料は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等がありましたらお願いいたします。
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
まず、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度についてでございます。これは以前にも指摘をいたしましたとおり、そもそもコロナが収束をしていない現状において、急性期入院料の削減を目的として議論を進めるということは絶対に避けるべきであろうと考えております。幸いにも、我が国では現在、感染状況は下げ止まり傾向ではありますが、御案内のとおり、海外ではオミクロン株が激増しておりますし、国内にも少しその広がりが出るのではないかという懸念の状況でございます。
これまでのコロナ禍の経験によって、有事に備えた人員、体制を平時から整備しておくことの重要性が認識されているところでありまして、そうした新興感染症への対応も含めて、今後、都道府県で策定をされるであろう第8次医療計画が予定をされております。
これもずっと申しておりますが、診療報酬は地域の医療計画に寄り添い、支えていくというのが基本的な考えでありますから、診療報酬は強引に急性期入院医療の在り方について誘導していくような議論は行うべきではないと考えております。したがいまして、今回提示されましたシミュレーション、様々なものが予定されていると思いますが、これを実施するのであれば、医療上の意義を踏まえることはもちろんのこと、今後、急性期入院医療の提供体制をしっかりと成り立たせるための評価方法として、現行の評価方法よりもより適切な項目設定の方法があるのかどうかという観点というものが重要になりますので、それを踏まえてシミュレーションを実施し、その結果を検討すべきであろうと考えております。
特に、今回提示をしていただいております項目のうち心電図モニターに関しましては、循環器疾患等に関しては必須のモニタリングとなりますし、それ以外の患者さんにおいても、患者さんの状態の変化を素早く察知するという意味においては、極めて重要、医療上必要性の高い項目であるということは何ら変わりございません。今回の検証結果データから、様々に問題点も指摘されておりますが、そういう意味においては、この項目というものは医療現場においても、医療上もこの重要性は認識しておりますし、それをもって、やはりしっかりとしたこの項目の存在意義も御理解いただきたいなと思います。
続きまして、治療室用の重症度、医療・看護必要度につきましても先ほどと同じでございまして、今回提示をされております各項目が高度急性期の入院医療をより適切に評価しているのかどうかという観点から、シミュレーションを実施すべきであろうと考えます。
私のほうからは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
22ページ、23ページのシミュレーション(案)につきましては、重症度、医療・看護必要度の論点を検討していく上で非常に重要であると考えております。まずはシミュレーションを作成していただきました事務局に感謝申し上げたいと思います。
シミュレーション(案)の内容につきましては、入院分科会の御指摘やこれまでの総会における議論を踏まえて作成いただいたものであると認識しておりまして、特に異論はございませんが、2点意見を申し上げさせていただきます。
まず、A項目の「点滴ライン同時3本以上の管理」につきましては、資料の9ページの学会からの提言も踏まえまして、薬剤種類数を見直すという方向性についても理解できるものであると考えております。ただし、この項目につきましては、資料の11、12ページのデータの必要度1と2を比較いたしますと、いずれのパターンでも必要度2のほうが基準を満たさなくなる患者割合が高いという差が生じております。この差につきましては、入院分科会からの御指摘にもありますように、レセプト電算処理システム用コードが影響を与えている可能性があるため、その点にも留意して検討を進める必要があると考えております。
また、10ページにも現状の該当患者割合のデータがございますが、前回の見直しの検証も含めまして、今後の対応について議論をする観点から、シミュレーション結果を出していただく際には、前回見直し後の変化が確認できるようにお示しいただければと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
まず、12月1日に申し上げました趣旨を御理解いただきまして、シミュレーションの準備を進めていただきました事務局に感謝いたします。
先ほど2号側委員の方から医療提供体制に関するコメントもございましたけれども、この議論は入院料の削減を目的としているのではなく、患者の状態や医療資源の投入量を適切に反映した評価をするためのものと認識しております。病床機能の分化を通じで医療資源を重点化することにより、新興感染症にも強い医療提供体制につながるということで御理解いただければと思いますし、これは基本方針の中にも明記されておりますので、今回の検討は進めるべきであるということを最初に申し述べます。
そうした中で、まず一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のA、B、C項目の変更については、11ページに示されましたパターン分けで結構でございます。
この結果を見ますと、入院料区分や必要度1、2の違いによらず、いずれも心電図モニターを削減した場合に、基準に該当しない患者が目立っております。これは言葉を換えますと、ほかの評価項目に比べて心電図モニターでぎりぎり基準を満たしているケースが多いということを意味しておりますので、この妥当性を考える上では重要な示唆ではないかというのが第一印象であります。
また、治療室用の必要度につきましても、19ページに示されたパターン分けで実施いただければと思います。治療室用については、この結果を見る限り、やはりB項目を削減することによる問題はないのではないかと考えられます。
また、22ページ、23ページのシミュレーションの考え方につきましては、一般病棟用、治療室用ともに、事務局案に異論はございません。
安藤委員からもありましたけれども、結果イメージにつきましては、見直し前後の分布の違いが比較しやすいように工夫をお願いしたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。
島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
今回のこの議論に関しましては、提供する診療行為の質と重症度、医療・看護必要度の評価が適切な状態にあるかどうかということが一番の議論の内容だろうと考えております。したがいまして、最後のところにあります22ページ、23ページ、こういった項目での検討には賛同いたします。このような評価の在り方を適切な方向に持っていくのが今回の改定の一つの大きな目的だろうと思っておりますので、この方向で話を進めていければと思っております。
意見でございます。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
事務局は、追加のコメントはございますか。
それでは、特にほかに御質問、御意見等がないようですので、本件に係る質疑はこのあたりといたします。今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、シミュレーションも含めて御対応していただくようにお願いいたします。
続きまして、「令和4年度DPC/PDPSの医療機関別係数の改定について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは資料総-3「令和4年度DPC/PDPSの医療機関別係数の改定について」の御説明をさせていただきます。
まず、「1.概要」でございますが、DPC制度におきましては、DPC対象病院の基礎係数及び機能評価係数Ⅱについて、診療実績に基づきまして、基礎係数については診療報酬改定の際に医療機関群の決定を、機能評価係数Ⅱにつきましては、毎年度診療実績に基づく指数を算出することとしております。次回は、いずれも令和4年4月に改定を行うこととなり、令和2年10月~令和3年9月までの診療実績を使用することとしております。
2つ目のところですが、診療報酬におきましては、現在新型コロナ感染症に係る臨時的な取扱いといたしまして、診療実績等に係る要件につきましては、新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れた保険医療機関等に該当していた期間と同等の期間の遡及等、いわゆるコロナ補正を講じて算出することとしております。
3つ目ですが令和4年度の基礎係数や機能評価係数Ⅱの診療実績についてもこうした対応を行うことが考えられますが、令和2年1月以降、国内で継続的に新型コロナウイルス感染症の発生がある状況の中、令和4年度に新たにDPC対象病院となる病院の中には、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた保険医療機関等に該当する以前の診療実績データの提出がなく、対象医療機関等に該当しなかった時期の診療実績データが存在しない病院もあるということでございます。
2ページ目にお進みいただきます。対応方針でございますが、こうした病院に対しましては、基礎係数や機能評価係数Ⅱの診療実績について、データを提出している期間で最も新型コロナウイルス感染症の影響が少ないと考えられる月のデータに12を掛けることによって算出することとしてはどうかという御提案でございます。
事務局よりの説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等がないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日の総会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。


 
 

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