ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 中央社会保険医療協議会 総会 第503回議事録(2021年12月8日)
2021年12月8日 中央社会保険医療協議会 総会 第503回議事録
○日時
令和3年12月8日(水)9:00~
○場所
オンライン開催
○出席者
小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員 |
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 鈴木順三委員 末松則子委員 |
城守国斗委員 長島公之委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員 |
吉川久美子専門委員 中村春基専門委員 田村文誉専門委員 |
<事務局> |
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長 |
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他 |
○議題
○医療機器及び臨床検査の保険適用について
○先進医療会議からの報告について
○診療報酬調査専門組織「医療機関等における消費税負担に関する分科会」からの報告について
○個別事項(その8)について
○令和4年度診療報酬改定に関する基本的な見解(各号意見)について
○その他
○小塩会長
おはようございます。ただいまより、第503回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
なお、本日も、新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催としております。また、今回の会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にYouTubeによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、末松委員、秋山委員、羽田専門委員が御欠席です。
それでは、早速議事に入らせていただきます。
初めに「医療機器及び臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。小澤委員長より御説明をお願いいたします。
○小澤委員 小澤でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、説明いたします。
中医協 総-1-1の資料を御覧ください。今回の医療機器の保険適用は、C1が2製品2区分とC2が1製品1区分です。
2ページ目を御覧ください。販売名は、Harmony経カテーテル肺動脈弁システムです。
5ページ目の製品概要を御覧ください。本品は、肺動脈弁置換が臨床的に必要とされる肺動脈弁逆流症の患者に使用するために開発された、経皮的に留置する人工弁で、使用目的は記載のとおりです。
2ページにお戻りください。価格につきましては原価計算方式で評価いたしました。○の部分に有用性加算について記載しております。当該新規収載品により、対象となる疾病または負傷の治療方法の改善が客観的に示されていることから、プラス5%の有用性加算とし、当該新規収載品につきましては、薬機法に基づき希少疾患用医療機器として指定を受けていることから、プラス10%の市場性加算1とすることが妥当と保材専として判断いたしました。この結果、最終的な価格を527万円といたしました。外国平均価格との比は1.00です。
次に、6ページ目を御覧ください。製品名はExpedium Verse Fenestrated Screwシステムです。
9ページ目の製品概要を御覧ください。本品は、本品は、胸椎、腰椎及び仙椎における変性疾患等の不安定性を有する患者、または脊柱変形を有する患者に対して、脊椎の一時的な固定、支持またはアライメント補正を目的に使用する製品です。なお、骨粗鬆症、骨量減少症または悪性脊椎腫瘍により骨強度が低下し、骨内におけるスクリューの固定性が損なわれるおそれがある脊椎に対しては、骨セメントとともに使用されます。
6ページにお戻りください。価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価しました。○の部分に改良加算について記載しております。類似機能区分に属する既収載品に比して、患者にとって低侵襲な治療が可能となることや合併症の発生が減少するなど、より安全かつ有効な治療をできることが客観的に示されているため、プラス5%の改良加算とすることが妥当と保材専として判断いたしました。この結果、最終的な価格を10万1000円といたしました。外国平均価格との比は1.05です。また、費用対効果評価の対象品目に該当いたします。
次に、10ページ目を御覧ください。製品名はUroLiftシステムです。
13ページ目の製品概要を御覧ください。本品は、前立腺肥大症に伴う尿道前立腺部の閉塞による排尿障害に対して使用する製品です。
10ページにお戻りください。価格につきましては原価計算方式で評価いたしました。○の部分に改良加算について記載しております。患者にとって低侵襲な治療が可能となることや合併症の発生が減少するなど、より安全かつ有効な治療をできることが客観的に示されているため、プラス5%の改良加算とすることが妥当と保材専として判断いたしました。この結果、最終的な価格を9万7900円といたしました。外国平均価格との比は0.85です。
続きまして、中医協 総-1-2の資料を御覧ください。
今回の臨床検査の保険適用はE3の2件です。
2ページ目を御覧ください。販売名はAmoyDx肺癌マルチ遺伝子PCRパネルです。測定項目はEGFR遺伝子、BRAF遺伝子、ALK融合遺伝子、ROS1融合遺伝子、MET遺伝子エクソン14ですです。測定方法はリアルタイムPCR法です。
5ページ目の製品概要を御覧ください。本検査は、リアルタイムPCR法を用いて生体由来の組織検体から抽出した遺伝子変異を検出することで、医薬品の非小細胞肺癌患者への適応を判定するための補助に用いる臨床検査です。
2ページにお戻りください。保険点数につきましては、D004-2悪性腫瘍組織検査、1悪性腫瘍遺伝子検査、注1、イ2項目4000点、注1、ロ3項目6000点を合算した1万点を参考点数としています。
次に、6ページ目を御覧ください。販売名はSimprova呼吸器感染症パネルCPです。測定項目は肺炎クラミジアDNAです。測定方法は核酸増幅法(LAMP法)です。
8ページ目の製品概要を御覧ください。本検査は、鼻咽頭拭い液または喀痰から抽出された肺炎クラミジアDNAを検出し、肺炎クラミジア感染の診断を補助する臨床検査です。
6ページにお戻りください。保険点数につきましては、D023微生物核酸同定・定量検査、10百日咳菌核酸検出360点を参考点数としています。
御説明いたします内容は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
事務局より補足がありましたら、お願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
事務局でございます。総-1-1につきまして補足説明をさせていただきます。
6ページ目を御覧ください。今回収載予定の医療機器のうち、費用対効果評価の対象が1品目ありますので、御説明いたします。
品目はExpedium Verse Fenestrated Screwシステムでございます。類似機能区分比較方式による算定で、有用性加算あり、ピーク時の市場規模予測が50億円以上100億円未満であるためH2品目に該当します。
事務局からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして何か御質問等ございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
御説明どうもありがとうございました。
保険適用をすることについては異論はないのですけれども、一つ確認という観点で、臨床検査の1件目のパネル検査について確認をしたいと思います。
この検査は、資料によりますと、測定項目が遺伝子で5項目ございます。普通に考えれば、4項目以上で8000点という算定の部分がありますので、そこになるかと思うのですけれども、2項目と3項目にわざわざ分けて、それを足して1万点になったという理由を教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○小塩会長
それでは、事務局、お願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
今回計測する検査の測定方法、また、それぞれの検査にかかる費用等を勘案いたしまして、今回の参照区分の点数とさせていただいたものでございます。
以上でございます。
○小塩会長
松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
今の説明なのですけれども、分けるというルールとか根拠がちょっと分かりかねるのですが、それは何かあるのでしょうか。
○小塩会長
事務局、お願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
すみません。ちょっと確認をさせていただきます。
(確認中)
○小塩会長
よろしくお願いします。
○中田医療技術評価推進室長
こちらは、保材専のほうで今回5項目同時測定するという、これまでの計測方法と実態がちょっと異なるということを踏まえまして、今回、保材専での現状での計測方法等を踏まえてこのような判断をさせていただいたものでございます。
以上でございます。
○小塩会長
松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
ありがとうございました。これが標準ではなくて、あくまで今回はスペシャルだという理解をしておきますが、それでよろしいでしょうか。
○中田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
今回、この個別のもので判断したというものでございます。
以上でございます。
○松本委員
ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御質問ございますでしょうか。
それでは、ほかに御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「先進医療会議からの報告について」を議題といたします。本件は報告事項です。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
それでは、中医協 総-2に基づきまして御報告申し上げます。
総-2-1でございます。今回、先進医療会議で承認されました先進医療Bの技術が1件ございましたので、御報告させていただきます。
まずは、総-2-1の1ページ目を御覧ください。今回承認されました先進医療Bの技術でございますが、整理番号154、家族性大腸腺腫症患者への低用量アスピリン療法で、本技術にかかる費用はそれぞれ表に記載のとおりでございます。
先進医療会議における判定は5ページ目を御覧ください。事前評価では「適」となってございます。
技術の説明に移ります。
技術の概要は8ページ目を御覧ください。本技術は、家族性大腸腺腫症患者に対してアスピリンを投与し、がん化につながるとされているポリープの発生、増大のリスクを低減させるものでございます。
ロードマップにつきましては9ページを御覧ください。本先進医療でデータを収集し薬事承認を目指すとのことでございます。
続きまして、総-2-2。こちらは、令和3年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告でございます。
1頁目の表につきまして、まず1の令和3年6月30日現在の先進医療技術数は、Aとして認められているものが24種類、Bが59種類、計83種類でございます。実施医療機関数、全患者数につきましては、表にお示ししたとおりでございます。4の総金額は、Aが約92.6億円、Bが約10.3億円、計102.9億円という額になっております。そのうち5の保険外併用療養費の総額は、Aが約34.1億円、Bが6.9億円。6の先進医療にかかる費用、いわゆる患者さんの全額自己負担の部分につきましては、Aが約58.4億円、Bが約3.5億円となってございます。
2頁目には、1年間の先進医療の技術数等の推移をお示ししております。令和2年6月30日時点では、先進医療Aが22種類、先進医療Bが61種類ございましたが、その後1年間に新規で承認された技術数が、Aが3種類、Bが10種類でございます。また、3、4、5にお示ししておりますとおり、実施取り下げ技術、削除技術が幾つかございまして、6にありますように、令和3年6月30日時点での先進医療技術数は、Aが24種類、Bが59種類となってございます。
3頁目に参りまして、過去5年間の実績をお示ししてございます。技術数や実施医療機関数等につきましては、昨年度と比較してほぼ横ばいで推移しているところでございます。
4から15頁目でございますが、4頁目以降には、参考資料といたしまして、先進医療A・Bの各医療についての費用等の一覧、先進医療Bにおける試験の進捗状況の一覧等をお示ししてございます。
総-2-3でございます。こちらは、12月2日の先進医療会議におきまして保険導入に係る科学的根拠等の評価が行われた際に、先進医療からの削除が適当と判断された技術の報告でございます。有効性や効率性等が十分に示されていないことから、先進医療からの削除が適当と判断された技術は、告示番号3、神経変性疾患の遺伝子診断、告示番号10、培養細胞によるライソゾーム病の診断、告示番号11、培養細胞による脂肪酸代謝異常症又は有機酸代謝異常症の診断の3技術でございました。
なお、これら以外の技術につきましては、先進医療会議において取りまとめた評価結果を医療技術評価分科会に報告し、同分科会において保険導入に係る検討がなされる予定でございます。
簡単ではございますが、説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして何か御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
続きまして「診療報酬調査専門組織『医療機関等における消費税負担に関する分科会』からの報告について」を議題といたします。
消費税分科会の飯塚分科会長より御報告をいただきまして、引き続き、事務局より補足をお願いいたします。
飯塚委員、よろしくお願いいたします。
○飯塚委員
消費税分科会長の飯塚でございます。
「医療機関等における消費税負担に関する分科会」につきましては、本年8月及び12月に開催いたしまして、消費税率10%への引上げに伴う補てん状況を把握して、その結果を踏まえて、令和4年度診療報酬改定における対応案について審議を行いました。
まず、審議の結果をお伝えします。令和4年度診療報酬改定におきましては、消費税上乗せ分の見直しは行わないこととし、引き続き、消費税負担額と診療報酬の補てん状況を把握して検証を行うことが適当という対応案につきまして、方向性がおおむね一致しましたので、御報告をいたします。
詳細につきましては、事務局から資料により説明をお願いいたします。
○高宮保険医療企画調査室長
保険医療企画調査室長です。資料の総-3を用いまして、消費税分科会における議論について説明をいたします。
総-3の1ページをおめくりいただいて、2ページになります。「『医療機関等における消費税負担に関する分科会』における議論の経過」と書いてあって、令和3年8月4日に、「今後の進め方等について」ということで、消費税率10%への引上げに伴う補てん状況の把握の方法などについて議論をいたしました。その後、12月2日に、消費税率10%への引上げに伴う補てん状況の把握の結果を報告して、令和4年度改定における対応案をお示しして議論をいただいたということです。
その下に分科会の委員の名簿をつけております。公益・税制・会計の有識者、あと、支払側委員、診療側委員、医薬品・材料関係団体の方に委員になっていただいています。
3ページをお開きいただいて、これは8月4日の消費税分科会の資料になります。前回、平成30年度に実施した方法に倣って以下のとおり補てん状況の把握を行うことにしたいということで議論いただいて、今回これに沿って実施をしております。
その把握方法のイメージが次の4ページになります。下のほうに書いてある図のうち、右側の収入のうち診療報酬本体へ上乗せされている消費税分のAの部分と、左側の費用、仕入れ、支出のうち課税経費の消費税相当額のCの部分、このAとCを比較するということを行っております。
その把握の結果を5ページにお示ししております。「令和2年度補てん状況把握結果【全体】」になります。この表の一番上の行、診療報酬上乗せ分(A)、その下が消費税の5%相当負担額(B)、そのAからBを引いた補てん差額、B分のAの補てん率。今回、この補てん差額と補てん率を見ていただくことになると思います。
まず、病院と一般診療所を合わせた医科全体では補てん率が103.4%、病院が110.1%、一般診療所が87.0%という結果になっており、一般診療所は、100%を下回っています。令和2年度ですので、新型コロナで初診・再診料の算定回数が令和元年度に比べて減少している影響が大きいものと考えています。令和2年度の診療所の入院外の受診延べ日数は、令和元年度から約10%減少しています。仮にこの10%を戻して報酬分を機械的に上乗せて計算すると、この補てん率87%が10ポイント程度上がる計算になります。次の歯科診療所については補てん率103.4%、保険薬局が112.7%という結果です。
この表の外の下側に■で「病院、一般診療所、歯科診療所、保険薬局ごとの施設数による加重平均により、全体の補てん率を算出すると、103.9%」と書いています。令和2年度、全体では100%を超えているので、補てん不足という状況にはなっていないという結果になっています。
続いて6ページ。この結果を踏まえて「令和4年度診療報酬改定における対応(案)」を示しています。上の四角の中で、令和2年度の医療機関等の消費税負担の診療報酬による補てん状況については、医科、歯科、調剤を合わせた全体の補てん率は103.9%となっています。医科全体、歯科、調剤それぞれを見ても、補てん不足にはなっていない状況。2つ目の○で、令和2年度については、新型コロナの影響があり、上乗せを行った診療報酬項目の算定回数の減少、患者減に伴う課税経費の減少、他方で、消毒・マスク・機器整備等の感染対策のための課税経費の増加など、補てん額と負担額の双方にぶれが生じている。令和2年度のデータにより、上乗せ点数の厳密な検証を行うことは難しいのではないか。3つ目の○で、このため、令和4年度改定においては、診療報酬の上乗せ点数の見直しは行わないこととし、引き続き補てん状況を把握して検証することが適当ではないかという案をお示ししました。
次の7ページに、消費税分科会における議論の概要を整理しています。一番上の四角が結論になって、令和2年度の把握結果を踏まえて、令和4年度改定においては上乗せ分の見直しは行わないこととし、引き続き、補てん状況の把握や検証を行うことが適当という対応案について、方向性はおおむね一致が得られた。
その下に委員からの主な意見を記載しています。
「○支払側委員」の一番上のポツで、今回見直しを行わないことに異論はない、マクロで見れば十分補てんされている、令和2年度は、患者の受療行動が大きく変化したこと、補助金というものもあるということなど、支出・収入ともに例年と異なっていて、正確な検証は困難、再度2年後の実調で検証することでよいのではないかという御意見。その下のポツで、次回は消費税負担を公平に補てんできる方法を検討する必要があるのだという御意見。
次の「○診療側委員」では、今回は新型コロナの影響が大きい、分析しても上乗せ点数に活用することは難しい、令和4年度改定では上乗せ点数の見直しを行わないことは了解、その前提で医療機関側は大きなマイナスが出ているところもある、今回はコロナの極めて特殊な状況での判断で、前例にしては困るという御意見。その次で、今後の改定に向けての要望ということで、個々の医療機関の補てん状況、課税経費率の分布のデータなどを示して、精緻な方法を頻回に協議していくような体制を作ることを要望するという御意見をいただいております。
8ページ以降は、消費税分科会にお示しした把握方法の詳細、あるいは把握結果の類型ごとの内訳を示した資料になりますので、説明は省略をいたします。
説明は以上になります。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして何か質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。御質問ありますでしょうか。
特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「個別事項(その8)について」を議題といたします。
まず、後発医薬品及び医薬品の適切な使用促進について、事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料、総-4-1を御覧ください。「後発医薬品について」ということで資料を御用意しております。
2コマ目、3コマ目につきましては、後発医薬品の使用促進のためのこれまでの診療報酬上の取組の経緯をお示ししております。
4コマ目、一般名処方のルールと処方箋様式での対応ということで、後発医薬品に係る対応をお示ししております。
5コマ目、一般名処方に係る状況ということで、一般名処方加算の算定状況と実際の調剤の状況についてのこれまでの推移でございます。
6コマ目、後発医薬品の使用促進に関わる診療報酬上の評価ということで、医療機関の入院、外来、それから薬局におけるそれぞれの評価についてでございます。
7コマ目、医療機関、薬局における後発医薬品の使用・調剤割合の推移でございます。
8コマ目からが薬局になります。後発医薬品の使用促進に係る調剤報酬の評価についてでございます。
9コマ目、その中で後発医薬品の使用割合について指標を2つ用いております。まず、上の新指標というものがいわゆる80%の目標に相当する指標となりまして、後発品のある先発品と後発品の中で後発品が占める割合を新指標、いわゆる後発医薬品の使用割合として用いております。そのほかに、左下のほうですけれども、カットオフ指標というものを用いております。こちらは、後発なしの先発医薬品、いわゆる特許期間中の新薬なども含めた医薬品全体の中で置き換えが可能な医薬品、後発ありの先発医薬品と後発品の割合を示すものということで、全体における後発品に置き換え可能な割合をカットオフ指標として用いております。
10コマ目、薬局における後発医薬品の調剤割合ということで、それぞれ使用割合の分布をお示ししております。令和2年と令和3年のものとなります。
11コマ目、こちらがカットオフ指標の割合ということで、50%の閾値に対して現状の分布をお示ししております。
12コマ目が調剤報酬の算定状況で、後発医薬品調剤体制加算1、2、3それぞれについてこれまでの算定状況をお示ししております。それぞれ改定を経るごとに後発医薬品調剤体制加算の要件が変わっておりますので、下にお示ししております。令和2年で算定回数が減っているように見えますのは、処方箋枚数全体が減っていることによるものと考えられております。
13コマ目、薬局における医薬品の在庫品目数の推移でございます。こちらは検証調査によるものですけれども、青の部分が後発医薬品でして、後発医薬品の在庫品目数が増加している傾向は続いているというものでございます。
14コマ目からが医療機関における後発医薬品の使用促進に係る診療報酬の点数となっております。
15コマ目が、診療所における後発医薬品の使用割合の分布。
16コマ目が、カットオフ指標に関する分布となります。
17コマ目が、病院の入院における後発医薬品の使用割合の分布。
18コマ目が、病院の外来における割合の分布となります。
19コマ目が、病院におけるカットオフ指標の割合の分布となります。
20コマ目が、医科における後発医薬品使用体制加算等の算定状況ということで、それぞれの加算のこれまでの算定状況についてお示ししております。
ここから話題が変わります。
21コマ目、22コマ目が、以前にもお示ししました小林化工、日医工における行政処分の事案についてでございます。
こういった事案がある中で、現場への対応について検証調査でお伺いしたものが23コマ目となります。後発医薬品の品質問題に端を発した不適正事案を受けての薬局・医療機関での対応でございます。これまで該当する同一成分の後発医薬品の入手が困難なため、代替のための後発医薬品の調達を行うなどの対応を現場において行っていただいているものでございます。
24コマ目が、診療所・病院医師の対応についてでございます。
25コマ目は、製薬業界、日薬連のほうでアンケート調査を行った結果で公表されたものでございます。現状におきまして、欠品・出荷停止、出荷調整などが行われておりまして、全1万5000品目のうち3000品目程度で出荷停止や出荷調整などが行われているというものとなります。
26コマ目が、日本ジェネリック製薬協会の取組となっております。
27コマ目、後発医薬品の品質確保に関する今後の取組ということで、医薬品製造業、製造販売業、行政における対応についてまとめたものとなります。
28コマ目、診療報酬における先ほど御紹介した後発医薬品調剤体制加算等におきまして、その使用割合の算出について、出荷停止が行われている品目などにつきまして一時的に算出対象から除外するという取扱いを行っております。
29コマ目、後発医薬品の使用促進の目標の設定についてでございます。これまで、2020年9月までに後発医薬品の使用割合80%としてきたところです。その下にあるとおり、不祥事などによりまして後発医薬品への信頼低下が生じているという状況でもあります。
30コマ目、こちらが後発医薬品の使用割合について都道府県別に見たものとなります。
31コマ目、後発医薬品の今後の使用目標ということで、赤字の一番下のところですけれども、「後発医薬品の数量シェアを、2023年度末までに全ての都道府県で80%以上とする」という目標が設定されたところでございます。
32コマ目、令和3年度の予算執行調査が行われた結果でございます。右の3つの○の真ん中になります。令和5年度末までの新目標による適正化効果の増加分は200億円程度と見込まれる中で、現行制度では毎年加算が1200億円程度とされているという指摘を受けているものでございます。
33コマ目、後発医薬品への置換えによる医療費適正効果について試算をしたものとなります。
まず、左側ですけれども、こちらは、薬価改定のたびに、その都度、その時点における後発医薬品が全て先発医薬品であった場合、それに対してどれぐらいの適正効果があったかをお示ししたものをまとめたものとなります。令和2年度で見ますと、使用割合78.3%ということで、それによる適正効果額は1兆8000億円程度、これまでの推移を見ると、年平均1600億円程度となります。
一方、既に置き換えられた医薬品について、その割合を維持した場合であっても、毎年毎年新たに再審査期間が切れたり、特許が切れたりということで、分母として新たな先発品が加わってきて、それに対して新規の後発品も出てくる。この置き換えが毎年発生するということになります。
右側のグラフは毎年の月ごとの推移をお示ししております。6月、12月といった後発医薬品の収載月になりますと、大型先発医薬品に対して新規の後発品が出てきた場合には、一時的に使用割合が低下または伸びが鈍化するような現象が見られております。こういった新たに後発品が出る場合については、それについて置き換えを進めていくことによって、全体の割合が同じであったとしても相応の適正効果は毎年発生しているものと見込んでおります。
34コマ目、【論点】です。昨今の後発医薬品の品質や安定供給に係る問題も踏まえつつ、新目標との関係を踏まえた後発医薬品調剤体制加算等の見直しの検討など「骨太方針2021」を踏まえた今後の対応についてどのように考えるかとしております。
以上でございます。
○井内医療課長
引き続きまして、資料、総-4-2、個別事項でございます。
2ページ目にありますように、フォーミュラリ、分割調剤、薬剤給付の適正化の3点でございます。
3ページになります。閣議決定がされた「経済財政運営と改革の基本方針2021」の中に「フォーミュラリの活用等、更なる使用促進を図る」というのがございます。
4ページ目でございます。ここでフォーミュラリの説明をさせていただいております。定義であったり。また、下のほうで、院内フォーミュラリと地域フォーミュラリの2種類のそれぞれの特徴を比較しております。
5ページ目からが、厚生労働科学特別研究事業の紹介となります。研究目的、研究成果の紹介でございます。
6ページ目以降が、研究内容の御紹介になります。「貴施設にフォーミュラリがありますか」で「ある」「ない」、フォーミュラリの位置づけ、運用という形でございます。
7ページ目が、どこで作られているのか、比較検討するための資料は何なのか、承認する委員会はあるのかないのか、フォーミュラリを見直しているタイミングはというもの。
8ページが、フォーミュラリがない場合の理由、あと、どのような薬効群で作成しているかということでございます。
9ページが、病院フォーミュラリでございます。ここからは厚生労働科学特別研究ではなくて検証調査のほうになります。左側が病院フォーミュラリの作成状況、右側が薬効群の作成状況でございます。
10ページが、地域フォーミュラリということで同様の情報でございます。
11ページでございますが、【論点】といたしまして、病院内における医学的妥当性や経済性の視点も踏まえた処方の取組についてどのように考えるのかというところでございます。
12ページ以降が、分割調剤でございます。
13ページ、処方箋1枚当たりの薬剤種類数、1種類当たりの投薬日数の推移でございます。
14ページが、30日を超える処方の状況ということで、31日以上の調剤料の算定回数、処方割合をまとめております。
15ページでございます。ここからが処方日数制限に関する今までの経緯でございます。「規制改革実施計画(平成27年)」ですが、ここで新医薬品の処方日数制限について検討するということ。
16ページが、処方日数制限に関しての取扱いで、平成14年、平成22年という流れでございます。
17ページでございますが、平成28年度の診療報酬改定でございます。長期投薬の取扱いを明確化したことと、下のほうで、薬局における分割調剤ということで、分割調剤の方法を明確化しております。
さらに18ページ、平成30年、分割調剤の手続の明確化ということで、処方箋様式を追加というものでございます。
19ページが、調剤報酬における分割調剤に関する規定ということで、「分割調剤は」ということで、長期保存が困難な場合、後発医薬品を初めて使用する場合、医師による指示がある場合ということで分けられているものでございます。
20ページです。これも令和2年改定のもので、薬局における対人業務の評価というところで、分割調剤時の服薬情報等提供料の扱いということで、2回目以降の調剤時に患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について確認し、処方医に対して情報提供を行うというものの評価でございます。
21ページからが、分割調剤とリフィル制度の違いということで挙げさせていただいております。
22ページ、ここから以降がまた調査結果の御紹介でございます。長期処方における分割指示があるかないかということで、行った場合のメリット、行わない理由等でございます。
23ページ目でございますが、医師の指示による薬局での分割調剤ということで行ったことがありますか、医師からの理由の説明がありましたか、医師が分割調剤を指示する理由は、分割調剤2回目以降において調剤時に薬局が行うことは具体的にどういうものなのかというものでございます。
24ページが、薬局における分割調剤のメリット・デメリットということでまとめております。
25ページが、今度は、患者におけるメリット・デメリット、良かった点、良いと思わなかった点でございます。
26ページが、処方箋の反復利用に対する患者の意向。患者が選択をする薬局ということで、リフィル処方箋を利用したいと思うかということ。仕組みを利用したいと思う場合、1回目に行く薬局は、2回目に行く薬局はというものでございます。
27ページに、海外におけるリフィル制度をまとめております。
28ページは【論点】になります。「経済財政運営と改革の基本方針2021」を踏まえ、患者の通院負担を軽減する観点から、分割調剤の指示についてどのように考えるか、分割指示に係る処方箋様式の在り方についてどのように考えるのかとしております。
29ページからが薬剤給付の適正化でございます。
30ページのところで今までの経緯を並べています。平成24年度にいわゆるビタミン剤、26年うがい薬、28年に1処方について70枚を超えて投薬する湿布薬、30年が疾病の改善の目的外で血行促進・皮膚保湿剤の処方となっております。
31ページのほうでございますが、湿布薬の処方の状況ということで、平成28年改定後、70枚を超えて調剤された処方箋の割合は減少しているというものでございます。
32ページの「経済財政運営と改革の基本方針2021」のところで、OTC類似医薬品等の既収載の医薬品の保険給付範囲について引き続き見直しを図るとなっております。
33ページでございますが、外用の消炎・鎮痛薬の処方枚数の分布ということで、処方箋1枚当たりの枚数が70枚の上限というところで、64枚から70枚以下の区分にピークが見られるという状況でございます。
34ページになります。これまで薬剤給付の適正化の観点から実施している取組内容や処方の実態を踏まえつつ、外用の消炎・鎮痛薬の適正使用についてどのように考えるのかというものでございます。
以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ここで後発医薬品と医薬品の適切な使用の推進の2点について質疑にしたいと思います。
ただいまの説明につきまして御質問等ありましたら、よろしくお願いいたします。
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
それでは、まず、個別事項(その8)の後発医薬品についてのコメントからスタートさせていただきます。
34ページの【論点】でございますが、今回「骨太の方針」では、新たな目標として後発医薬品の数量シェアを2023年度末までに全ての都道府県で80%以上とするということが示されたわけですが、この目標を達成するためには、一般名処方加算と後発医薬品の使用体制加算の扱いが鍵になるわけでございます。一般名処方加算は、5ページに示されていますとおり、薬局における後発品の調剤を推進するためには欠かせない前提となっておりまして、算定割合は増加しているものの、いまだ50%強であるということから、引き続きの評価が必要であろうと考えてございます。
なお、品質に関する不適正事案への対応として、医療機関がやむなく他の後発品の銘柄指定をした場合に、一般名処方加算が算定できなくなってしまうというのは不合理ですので、これに関しては改善が必要と考えます。
次に、後発医薬品の使用体制加算についてであります。こちらも品質に関する不適正事案をきっかけに、供給停止、また出荷停止や出荷調整が頻発しており、最近では、西日本の物流倉庫での火災等もあったということで、現在も解決の見通しが立っていないという状況でございます。このため、医療機関としては、メーカーや卸から供給に関する情報収集を行うなど、後発品の使用に際してこれまで以上の労力が生じているということでございますので、目標達成のためには、後発品の安定確保に対する実効性のある取組が行われることを前提として、こちらも引き続きの評価が必要ではなかろうかと考えてございます。
続きまして、個別事項(その8)の医薬品の適切な使用の推進についてでございます。これは、11ページのフォーミュラリについてからコメントさせていただきます。
このフォーミュラリにつきましては、夏の議論でも主張したとおりでございまして、経営上、有用ではございますが、医療機関、法人経営の観点から活用されることは理解しております。リストの作成について医薬品関連企業が主導するなど、恣意的な内容になる危険性も前回も指摘してございますし、また、その定義もはっきりせず、策定の方法であるとかそのプロセスも明確になっていない。こういうものを診療報酬で評価するということはなじまないと思っておりますし、これを報酬で評価して、強引に誘導させていくことは適さないと考えております。医薬品の選定は、あくまでも治療指針等を示している学会等が推奨する医薬品を中心に、医療機関が一定程度の自由度をもって導入を検討するものと考えます。
続きまして、28ページの分割調剤についてです。この【論点】につきましても、夏の議論での主張の繰り返しになりますが、長期処方は残薬リスクや多剤投与に気づきにくくなる、あるいは病状の変化を見逃すなど、患者さんの治療と保険財政に対する弊害が懸念されるわけでございます。それにもかかわらず、長期処方を助長させる議論につきましては、日本医師会としては明確に反対をさせていただきたいと思います。むしろ、分割調剤の対象から除外すべきリスクの高い薬剤等についての議論を深めるべきであろうと考えます。
また、処方箋様式についてです。様式の見直しではなく、30日を超える長期投与が可能であると判断した理由や病状が変化した場合の対応方法等を処方箋に記載して、患者さんや薬局にお伝えをするということなども検討してはどうかと考えます。
34ページの薬剤給付の適正化についてです。今回、この外用の消炎・鎮痛薬の枚数制限をさらに適正化することが提案されていると受け止めております。これにつきましては、薬剤費の適正化ということではなく、長期処方を是正して、患者さんの治療効果を上げるという観点から検討すべきだろうと思います。
この点に関しましては、長島委員からコメントさせていただきたいと思います。お願いいたします。
○長島委員
長島です。
外用の消炎・鎮痛薬の治療効果という観点では、外用薬は、皮膚を通じて薬剤が吸収されるため、内服の消炎・鎮痛薬と比べ副作用が少ないというメリットがありますので、特に多剤を内服するような高齢者などでは有用性が高いと考えられます。従いまして、外用薬の枚数が制限され、結果的に医療上必要な量に足りなくなった場合に、鎮痛効果が十分でなくなり、新たな内服薬の追加や増量が必要となる状態は避けるべきであると考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
まず、34コマ目の後発医薬品に関わる【論点】について発言させていただきます。
これまで、国の政策や現場の努力、特に薬剤師の努力によって後発医薬品の使用促進は着実に進んできたものと自負しております。相次ぐ後発医薬品メーカーの問題により、また、直近では、大阪の物流センターの火災等によって医薬品の出荷調整や欠品が日々悪化している状況であります。薬局における負担は非常に重くなっています。まずは、医薬品の安定供給の確保・回復が大前提で、後発医薬品メーカーの基盤を強固にすることが最優先と考えます。
2023年末までには全都道府県で使用率80%以上とする目標が掲げられておりますが、現在の状況に鑑みますと、推進という観点からは、メリハリをつけていくことも考えられますが、今は報酬上の評価を大きく変更すべきでないと考えます。
次に、医薬品の適切な使用の推進についてということで、11コマ目のフォーミュラリの【論点】についてです。資料にございますように、フォーミュラリの見直しを行っていない病院が一定数いることや、時間や人手が足りないから作成していないという医療機関が一定数ございます。院内フォーミュラリへの報酬上の評価につきましては時期尚早と考えますが、医学的妥当性は十分に担保されているのか、実際にどれくらい経済的な有用性が示されるのか、院内フォーミュラリについて引き続き調査していく必要があると考えます。
次に、28コマ目の分割調剤の【論点】についてです。現在導入されている分割調剤については、まだ分割指示が少ない状況であります。24コマ目のメリットでは、患者の服薬状況を継続して確認しやすい、患者の状態等を確認しやすいという重要な役割を果たす機能を持っていることが示されており、25コマ目の患者さんの分割調剤の良いと思わなかった点では、「特に不満はない」が最も多い回答となっております。
しかしながら、24コマ目では、分割調剤のデメリットとして「手続が煩雑」ということが一番の理由となっており、現場の話を聞くと、処方箋様式が負担となっているところであります。分割調剤が現場で運用しやすくなるよう様式変更すべきと考えます。例えば、トレーシングレポートの利活用を前提に、3枚連記ではなく、1枚の処方箋様式にし、一定期間内の処方箋の反復利用を可能にすることがよいと考えます。
これらについて最も大切なことは、分割調剤を必要とする患者に対して、医療機関と薬局、医師と薬剤師の適切かつ確実な連携のもとで実施することが必要です。
最後に、34コマ目の薬剤給付の適正化についての【論点】であります。外用の消炎・鎮痛薬の適正使用というものは重要な視点であります。資料でも、これまでの施策が有効であることが確認できます。必要に応じてより適正化していくことも一つの方策であると考えます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
私からも論点に沿って意見を述べさせていただきます。
まず、後発医薬品についてですが、全都道府県で80%以上という新たな目標が設定されたという状況の変化も踏まえまして、診療報酬上の加算・減算の在り方を検討していくべき時期に来ていると考えております。
例えば、協会けんぽの令和2年度のデータで現状を申し上げますと、全体の使用率は80%に達しておりますが、いまだに80%に達していない都道府県支部が20支部前後存在しております。この20支部前後の支部が目標の80%に達した場合に見込まれる適正価格は、粗く見積りますと約60億円となります。
一方で、医科、歯科、調剤の体制加算として実際に令和2年度に支払われた金額は約325億円という状況でございます。このため、昨年度と同様の受診状況が続けば、新目標を達成し、全都道府県支部で80%以上となった場合の適正価格のおよそ5倍の額が毎年加算されていくことが見込まれております。
体制加算につきましては、その導入時など後発医薬品が普及していない状況で使用促進を図る上では有用な仕組みであったと考えております。一方、既に使用割合がある程度の水準に達し、患者側にも後発医薬品を選ぶという習慣がある程度浸透していると考えられる状況であることを踏まえますと、後発医薬品の体制加算は段階的に廃止していくことを検討すべき時期に来ているのではないかと考えております。
また、協会けんぽのデータで、後発医薬品使用割合の種別ごと、医科入院、医科入院外、歯科、調剤の数値を見ますと、特に歯科、医科入院外での使用割合が低いという傾向が見られます。最新の令和3年7月の診療分では、全国の種別合計の使用割合が80%である一方、歯科は52.0%と種別ごとでは最も低く、続いて、医科入院外が67.9%となっております。歯科におきましては、鎮痛剤や抗菌薬の使用が多いところ、後発医薬品があるにもかかわらず使用が進んでいないという状況でございます。
これらの状況を踏まえ、具体的には、1つ目として、加算対象をさらに厳格化し、特に80%という目標より低い実績での加算の廃止を検討すること、2つ目として、減算の対象を拡大し、薬局における減算基準を引き上げるとともに、使用割合が低い歯科を含めた医療機関への減算規定を創設すること、3つ目として、それらの上で後発医薬品の体制加算を段階的に廃止していくことを検討すべきではないかと考えております。
続きまして、医薬品の適切な使用の推進についてでございます。フォーミュラリの論点につきましては、令和2年度診療報酬改定の答申書附帯意見を踏まえまして、厚労科研で調査・分析をし、ガイドラインを作成していただいたのは、まだ日本においては十分に策定が進んでいないフォーミュラリ策定を推進していく上で重要な役割を果たし得るものと考えております。先日、結果を御報告いただいた後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査では、フォーミュラリの設定が困難な理由として、院内ルールの合意形成が困難、作成のための根拠情報の不足という回答が一定数ありますので、そのような課題を抱えている医療機関に活用していただけることを期待しております。
一方で、同調査では、フォーミュラリの設定が困難な理由として、診療報酬上評価されていないからという回答も一定数ありますが、医学的妥当性や経済特性等を踏まえた使用方針を作成することで、医療機関自身の経営改善にも資するものであり、そのような点も踏まえて、診療報酬上の評価がなくとも策定している医療機関が一定数あるものと思っております。
フォーミュラリの取組を推進する方向性には異論はございませんが、推進するために診療報酬上の評価が必要なのかという点については、制度のガイドライン等を定めて、その活用状況等も踏まえ、さらなる検討が必要ではないかと考えております。
続いて、分割調剤の論点につきましては、長期処方の割合増加により患者の残薬確認や服薬管理の必要性がある処方も増えているものと思いますが、分割調剤の算定回数はいまだ限定的でございます。患者側からは、分割調剤について特に不満はないという回答が多かったことを踏まえますと、医療機関側で活用が進んでいないということかと思われます。特に、手続が煩雑だから、やり方が分からないからという回答が一定数あるところ、手続的な課題や制度の周知についての取組を含め、改善の検討をしてもよいのではないかと思います。
薬剤給付の適正化の論点につきまして、資料にもありますとおり、「骨太の方針」において、OTC類似医薬品等の既収載の医薬品の保険給付範囲について引き続き見直しを図るとされております。先日行われました医療保険部会でも述べさせていただきましたが、薬剤給付の適正化を図るためには、あらゆる手段を講じる必要があると考えており、そのための最も効果的な手段の一つが、保険診療下で相対的に必要度が低下した市販品類似薬の除外、償還率変更も含めた薬剤自己負担の見直しであると考えております。
外用の消炎・鎮痛薬といった既に対応しているもの以外につきましても、引き続き検討していく必要があると考えております。
長くなりました。以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
私からも各論点に従ってお話をしたいと思います。
後発医薬品につきましては、使用促進について、まずは使用割合が低い都道府県での取組を地道に強化していくことが必要と考えます。後発医薬品に対する信頼、安定供給と関連が深いので、薬価改定の議論とも関係があると考えております。
フォーミュラリにつきましては、さらに調査・研究を推し進めながら推進していく必要があると考えます。
分割調剤については、残薬確認、飲み合わせのチェックによる認知症状や精神症状の早期発見にもつながると考えます。患者や被保険者への周知・啓発を進め、利用を広めることが必要と考えます。
薬剤給付の適正化については、33ページのグラフを見れば、外用の消炎・鎮痛剤の処方枚数が70枚に大きく偏っているといった状況であり、実際にどういう使用をされているのか、さらに分析が必要ではないかと考えます。
分割調剤やリフィル処方などの推進により適切な処方を考えるべきではないかと考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私は、28ページの分割調剤についてのみ1点意見を言わせていただきたいと思います。質問も2点ほどさせていただきたいと思います。
まず、基本的な分割調剤についての今後の在り方ということですが、そもそも30日以上の長期処方を出すというところが本当に患者さんにとって有用かどうかということを、そのリスクも含めてもう少しきちんと考えなければいけないのではないかという思いをしています。
それで、1点質問なのですけれども、30日以上の長期処方を出している医療機関というのは、恐らく大病院が多いのかなと思います。特に3カ月等になるような本当の長期処方に関しては、一般的には甲状腺機能亢進症等の安定した長期処方が必要なところ以外は、基本的には1カ月単位で見ていくほうが現在でもメリットが多いのではないかという気がしています。その辺の長期処方の医療機関の規模、分布等が分かるようなものがあるかどうか。もしあれば教えていただきたいと思います。その上で、そもそも長期処方するため、外来の機能の病診連携ということもありますけれども、むしろそれよりもしっかりした地域での病診連携をさらに図っていくことのほうが方向性としては先ではないかという気がしていますので、意見として言わせていただきます。
その上で、それでもなおかつ分割調剤等の有用性のところも一応患者のメリットにもありますので、そこは認めていくこともあるかと思いますけれども、先ほど城守委員がおっしゃったように、リスクが高い医薬品リストということを逆にしっかり指定して、そこを認めないとか、そういうネガティブリストも必要ではないかと思います。
もう一点質問です。こういう長期処方で、リフィルも含めて、薬剤の副作用等を判断しやすいということがありますけれども、仮に薬局で長期処方による副反応等々を判断した場合、あるいは患者さんからいろいろな疑義が来た場合に、医療機関に返すということが必要になってくると思うのです。そこがしっかり担保していなければいけないかと思います。有澤委員もおっしゃったように、ここが医師と薬剤師の連携がしっかりあることが条件になってくると思いますけれども、実際に分割調剤を行って医療機関に戻すということがどの程度の割合で行われているのか。本当に行われているのかどうかということも含めて、もし情報があれば教えていただきたいと思います。
いずれにしても、そういう医師と薬剤師とでしっかりした連携のもとに、しかも病診連携のもとにということで、極めてまれな例としての分割調剤、リフィルということのメリットを生かす、そういったことでないと、分割調剤を進めるありきではないかということで、意見として言わせていただきます。
以上、2点質問がありますので、よろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございました。
池端委員から2点御質問いただきましたけれども、後でまとめてお答えいただきたいと思います。
続きまして、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
ありがとうございます。
これまでの1号側委員の御意見に重なるものがありますけれども、私からもコメントさせていただきたいと思います。
まず、後発医薬品についてであります。この後発医薬品の数量シェアの新たな目標が設定されたことを踏まえれば、後発医薬品の安定供給に関わる問題も考慮に入れながら、今回の改定においても、8ページに示されているような後発医薬品使用促進に関わる各種の体制加算等の基準を見直して、メリハリづけを行うべきであると考えます。
一方で、後発医薬品調剤体制加算については、32ページに示されているように、費用対効果の点からも問題が指摘をされております。新しい目標の達成に向けてこうした指摘も踏まえながら、後発薬の使用促進の在り方について今後検討していくことが必要だと考えます。
次の医薬品の適切な使用の推進のうち、28ページの分割調剤についてです。25ページに示されているとおり、分割調剤によって薬を受け取った患者のうち半数以上が「特に不満はない」と回答しているところでありますし、24ページ、25ページを見ましても、薬局や患者においても分割調剤のメリットを感じており、普及の余地があるのではないかと考えられます。こうした点からも、分割調剤については普及・促進に向けてより使いやすくなる方向で見直しを検討していくことが望ましいと考えます。
また、同じく25ページにあるように、患者の認知度が27%と高くない状況、22ページにあるように、分割指示を行わない理由として、3割近い医療機関が「やり方が分からない」という回答をしている状況も改善していくことが必要ではないかと考えているところであります。
あと、3点目の薬剤給付の適正化につきましては、この観点から、外用の消炎・鎮痛薬の現在の処方制限枚数については適正化の方向でさらに見直していく必要があるのではないかと私も考えます。
以上でございます。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
私からは、個別事項(その8)のフォーミュラリについて意見を述べさせていただきます。
11ページにあります【論点】のように、病院内における医学的妥当性というのは、それぞれの実施施設の病院で使用できる薬剤、それから、院外処方できる薬剤、そういったものが医学的に適切なものかどうか、ガイドラインのようなものをきちっと作成するといったことは非常に重要なことだろうと理解しております。例えば急性期病院等においては、抗菌薬を適正に使用することで経済的にも病院の収支的にも非常に大きく寄与することは分かっておりますが、そういったものも含めて、こういったものをきちんと策定していくことは、医療の質を担保するという観点からも非常に重要なことだろうと思いますので、積極的に進めていく必要があります。
また、前回も発言させてもらいましたが、クリニカルパスとかクオリティーインディケーターといった質を担保するような指標とセットでどんどん進めていく必要があると思いますが、これを診療報酬として評価するべきかどうかということに関しては、必要ないと今は考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
私も論点に従ってコメントさせていただきます。
まず、後発品についてでございます。5ページ目、7ページ目に示しますとおり、関連する加算の算定状況や後発品の数量割合を見ますと、関係者の努力もありまして、全体としては増加傾向にありますけれども、7ページ目にありますように、診療種類別でのばらつき、あるいは30ページにあるように、都道府県ごとのばらつきがあることはまた事実であります。
そうした中で、「骨太の方針」の中で80%という目標を新たに設定されておりますので、それに向かっていくためにはどうしていけばいいのかということを考えた次第でありますけれども、ばらつきなく80%ということが国の目標であることを踏まえれば、数量割合を指標とした加算の基準値、これはやはり最低でも80%に引き上げるべきと考えております。
また、これに合わせまして、薬局の減算基準を引き上げるとともに、現在は設けられておりません医療機関についても減算の仕組みを検討してはどうかと考えております。
また、医療の効率化をさらに促進する観点で言いますと、後発品のある先発品を後発品に置き換えるだけではなく、同等の効果が得られるのであれば、新薬よりも類似の後発品を優先して使用する合理性は十分あると考えられますので、資料の11ページ、16ページ、19ページを参考にしながら、カットオフ指標の引上げを検討していってもいいのではないかと考えます。
今、いろいろ申し上げましたけれども、もう一方の推進の両輪の一つとしては、やはり後発品の安定供給が不可欠でございますので、業界を挙げた取組と行政による適切な指導、27ページにあるものの確実な履行をお願いしたいと考えます。
続きまして、フォーミュラリでございます。研究班で行われた事業の成果をいかに出していくかということがまず重要でありますけれども、特に報酬上の評価に結びつけていくためには、今後のガイドラインの策定状況や地域や病院の取組状況を見ながら、これについては丁寧に議論することが必要であろうと考えております。
一方で、一案としては、効果が同等であれば、より経済的な薬剤を優先的に使用するという旨を療養担当規則等に定めていくというのも方策としては考えられると思います。また、診療報酬の対応以外としては、都道府県が策定いたします医療費適正化計画の中にこうしたフォーミュラリをもし位置づけることができれば、フォーミュラリを広げていくということも考えられますので、事務局におかれましては、ぜひ関連部局と対応していただきたいと考えております。
続きまして、分割調剤です。これは、患者、医療機関ともに、使い勝手のよい安全な仕組みへと進化させる必要があるかと考えます。具体的に申し上げますと、今回、処方箋の様式の問題が掲げられておりますけれども、少なくとも一枚の処方箋を繰り返し使用できるようにまず見直していただきたいと考えます。これらについては有澤委員からも同様の発言があったと認識しております。
また一方で、服薬管理が難しい患者だけではなく、病状が安定している患者も十分対象になり得ると考えます。もちろん、これにつきましては、処方医と薬局の薬剤師が連携して処方間隔を柔軟に調整できることは言うまでもありません。最終的には医師の判断になることは十分認識しておりますけれども、こうした仕組みがまず用意されていることが重要であろうと思います。
また、薬剤師におかれましては、患者の適切なフォローと、こうした仕組みがあることの情報提供・周知をぜひお願いしたいと思います。患者側も知らない、また、医療機関側もよく分かっていないという形ではなかなか普及していかないと思いますので、その点についてはぜひよろしくお願いしたいと思います。
最後に、薬剤給付の適正化についてでございます。今回は、湿布薬ということが重点に挙げられておりますので、それについてのみコメントいたします。
33ページの処方枚数の山を見ますと、山のピークがおおむね1カ月分に相当する29-35枚と、現在の上限である70枚のところにピークが来ております。また、1カ月分を超えたところで処方箋枚数が急激に減少しているということも読み取れますので、35枚までを原則とするということで十分対応できると考えております。また、これについては安藤委員からもありましたけれども、これに限らず、幅広い観点で取り組みいただきますようよろしくお願いいたします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
先ほど安藤委員から、歯科で後発医薬品の使用割合が低いということ、遅れているということを御指摘いただきました。歯科におきましても、もちろん後発医薬品の促進を進めているところではございます。ただ、歯科治療の特性から、鎮痛剤、抗生剤といった処方が多く、従来から、歯科医師会におきましても、AMRの問題を含めまして、研修会を含み、しっかりと取り組んできているところでございます。処方内容、それから後発医薬品の推進に向けては今後とも進めていきたいとは思っております。制度どうこうということではなくて、研修会でしっかりと取り組んでいって、今後も推進していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
有澤委員、追加のコメントをよろしくお願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
先ほど1号側委員から、後発医薬品について診療報酬上のいわゆるペナルティー、減算を中心にありきのものにするような発言もありました。これについては明確に反対させていただきます。これまで現場の努力によって後発医薬品の使用促進が行われてきました。こういった指摘は、これまでの努力は何だったのかと考えるぐらい大変むなしいものであります。現場の意欲を高めるような政策をお願いしたいと思います。先ほどお話しさせていただいたように、現在の状況からすれば、メリハリをつけていくことも考えられますけれども、今は診療報酬上の評価を大きく変更するべきではないと考えておりますので、改めて意見を申し述べさせていただきました。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
私からは後発医薬品のことです。後発医薬品の使用が進めば、患者の経済的負担の軽減が考えられるので、それは進めていってほしいと思うのですが、後発医薬品メーカーの不祥事が相次いで、患者は、後発医薬品はどうなのか、ちょっと怖いのではないかという感覚を持ってしまったと思うのです。やはり患者が安心して使用できる薬を選ぶのが当然と考えています。ジェネリックメーカーの団体のほうで具体的な対応策を示していただいていて、それをきっちりと実行していっていただきたいとは思いますけれども、やはり安心・安全を確保して、仕事として本質を忘れないで働くということは、使用しているエンドユーザーの意見というか、顔が見えるような教育が必要なのではないかと私は思うのです。会社でこういうふうに取り組むよということがあったとしても、一人一人がきちっと自分の職務を全うすることができなければ、全体的に崩れてしまうことはありますので、これはやはり患者の声を聞く研修ですとか、薬品によって健康被害を受けた人の話を聞いて、そういう患者のために自分たちは働いているのだということを自覚できるような研修制度を実施すべきと思いますので、そういった点も検討していっていただきたいと思います。
それから、分割調剤です。これは、残薬について相談できるといった患者が45%ということですけれども、n数が11とかで非常に少ない。この数字というのは、別に信用していないわけではないのですけれども、ちょっと質問なのですが、残薬があったときは具体的にどういう対応を取っているのですか。医療機関、医師のほうに残薬がありますよという話をするだけなのか、例えば、残薬がある分は回収するとか、残薬がある分はそのままとして必要以上のものは渡さないという対応なのか、それをお聞きしたいと思います。
それから、薬剤給付の適正化です。今回は湿布薬のお話なのですけれども、保湿剤のことも含めて、これは患者側の問題ももちろんあると思うのです。お医者さんに行けば安く手に入るとか、家にストックを置いておくためにたくさん受け取るみたいな患者もいると思うのですけれども、まずはそういう患者の意識改革というのが必要だと思います。やはり保険者側の方々から、患者に対する患者教育ということですか、そういうものをきちっとしていく必要があると思います。
ただ、患者によってはたくさん必要な場合もありますので、そういった必要な患者に必要な薬剤が届けられないようなことが起きないようにしていただくというのも大事かなと思っております。
以上です。どうもありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
1つ残薬についての御質問がありましたけれども、これにつきまして、後で、事務局、あるいは有澤委員から御回答をいただければと思います。
その前に、池端委員、追加のコメントをよろしくお願いいたします。
○池端委員
すみません。1点だけ追加させていただきます。
33ページに外用の消炎・鎮痛薬の処方枚数等のグラフがあって、松本委員から、35枚で打切りでいいのではないかという御発言がありました。確かに、この表を見ると2つの山があるということですけれども、実際この33ページのグラフを見ると、99.5%が64-70枚だということです。実は、前々回の報酬で70枚までということを決められたので、ここがピークになっている。患者さんの希望からすれば、もっと右のほうに山が行くのですね。例えば、90枚、100枚欲しいというところで、保険で認められるのはここまでですよということで、ここに大きな山があります。
一方で、なぜ2つの山があるかというと、小さい山、35枚までの山というのは、例えば一過性の急性の打撲・捻挫等々で処方をする場合の湿布等、恐らくこの1カ月内でおさまってしまうものだと思うのですね。ところが、この70枚を超すような希望がある場合は、慢性の疼痛、腰痛症とか、慢性の肩関節周囲炎とか等で、特に高齢者を中心にこの湿布薬を処方されることが現場感覚では非常に多いと思います。これをいきなり半分の35枚までとなると、現場感覚からして相当混乱する可能性が高いのではないか。一方で、むやみやたらにという1号側の御意見も理解はしているつもりですけれども、ここは激変緩和のことも必要だなと思いますし、その大きな慢性疼痛用のパップ薬と急性の疼痛のものの処方等があるのだということを御理解いただければということで、発言させていただきました。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
実際に薬局の窓口で残薬に関する相談を受けた際、まず薬剤師は、なぜ残薬が発生しているのか、その人が単なる飲み忘れをしているのか、あるいは飲むと調子が悪くなるのか、そういったことを確認した上で、飲み忘れたりするのであれば、適切に飲めるような方法、例えば分包して一包化するなど、様々なことを考え検討します。
さらに、調子が悪くなる場合は、、今の処方の内容の分包を一包化することも含め、医師に服薬情報の提供を行い、処方変更いただく、あるいはその場で服用の調節を図ってもらうようにするといった形になります。
最終的に残っている薬については、そのまま継続して服用するケースであれば、当然、次回の分との調整を行う形になりますし、もし使うのであれば、無駄にならないような形の調整を行っていきます。
これらのことは、処方医師との連携の下でしっかりやっていくということで、一般的にはこういう形で進めている状況であります。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。
飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
後発医薬品について2点コメントがあります。
後発品の利用促進というのは、医療費の適正化、加えて医薬品のイノベーションの観点からも非常に重要なので、さらに進めるべきだと思います。本日いろいろな資料を見せていただいて、どこにそういう余地があるかというヒントがかなりありましたので、着実に代替が進むように施策に落とし込んでいただきたいと思います。
2点目ですが、そのためのデータとして、例えば総-4-1の15のスライドなどを見ますと、これも大変示唆があるように思いますけれども、一方で、グラフの中の箱を見ますと「n=47」と書いてあるのです。これはやはり、重要な意思決定をするには少し心もとない数字なのかなと思います。一方で、NDBを使ったりすることができれば、これは全数分かる話でもありますので、今後、そういうふうなデータを使っていくことの体制を整えていって、こういうふうな施策の決定の資料として使っていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。
それでは、事務局に先ほどいただいた御質問に対する回答をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
池端委員より幾つか御質問をいただきました。
まず、30日以上の処方についてどういった病院で多いのかという御質問ですけれども、そういった分析をしたものは、今、手元に持ち合わせておりませんので、また今後そういった分析も検討していきたいと思います。
それから、分割調剤のほうで、途中で副作用などが見つかった場合にどのような対応を取られているのかということです。個別には、そういった話を患者さんから聞いて、医師と調整なり、医師への受診勧奨を行うという事例はお聞きしておりますけれども、数字としてどれぐらいの割合があるかとかいう点については、その数字が出せるほどの情報もまだないということかと思いますので、今後検討を進めていくということかと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
ほかに御質問、御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、特にほかにはないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
続きまして、個別事項(その8)のもう一つのテーマですけれども、働き方改革の推進について、事務局から資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、資料、総-4-3「個別事項(その8)働き方改革の推進について」の資料で御説明をさせていただきます。論点含めて9点にまとめております。
まず3ページ目からですが、働き方改革の推進に係る現状等でございます。ここに関しましては、今の働き方改革に関する周辺情報を挙げております。3ページで経緯でございます。4ページで法律の御説明、5ページで全体像、6ページで時間外労働規制について、7ページでいわゆる医師の個別の状況、8ページでスケジュール、9ページで関連の事業の御説明でございます。
10ページ以降からが診療報酬のところでございます。まず、医師事務作業補助体制加算というところで、11ページからになります。
11ページに、医師事務作業補助体制加算、平成20年度に新設をされたものの現状を載せております。右のほうに点数がございます。下に、届出医療機関数の推移でございます。
12ページに、平成26年度改定からの今までの経緯、施設基準の見直しが行われてきているというものでございます。
13ページに、点数に係る経緯を挙げさせていただいております。
14ページに、病床規模別の医師事務作業補助体制加算の届出の状況。
15ページのあたりからはずっと検証調査になりまして、19ページまで続きます。
医師の負担軽減効果がある取組。15ページが施設票、16ページが医師からのアンケート結果。
17ページが事務作業について負担が大きいという具体的な業務内容。
18ページが医師事務作業補助者の導入によって改善・軽減が見られた医師業務の中身でございます。
19ページに、医政局でまとめております医師事務作業補助者の業務を挙げさせていただいております。
20ページに、この加算の届出をしていない理由でございます。
21ページからは、NPO法人の日本医師事務作業補助研究会からいただいたものでございます。
まず、21ページは、左側に業務内容、右側にその課題が挙げられております。
22ページが、雇用形態。
23ページが、経験年数、年代とその前の仕事。
24ページが、配置管理者から見た医師事務作業補助者に関して書かれている課題。
25ページが、定着率に関する課題。
26ページが、実務経験期間とどういった業務をされているかということをグラフにしたもの。
27ページが、3年未満の方だけの医師事務作業補助者の方だけの施設と、3年以上の方を含む施設で分けたものの、医師の負担軽減効果があるといった施設の割合をブルーとオレンジで分けて並べております。
28ページが、医師事務作業補助者のキャリアパスでございます。
30ページからが、手術・処置の時間外等加算でございます。
31ページになりますが、手術・処置の休日・時間外・深夜加算ということで、ここには休日加算1というのを挙げさせていただいております。時間外・深夜も同じような施設基準となっていて、特に(2)のところになりますが、当該加算を算定している全ての診療科において予定手術に係る術者及び第一助手について、その手術の前日の夜勤時間帯に当直、夜勤及び緊急呼出し当番を行っている者があるかを確認し、当直等を行った者がある場合は、該当する手術と当直等を行った日の一覧を作成するということがあります。この一覧を見て、(3)のほうで、届出を行っている診療科全体で年間12日以内、ただし当直医が毎日6人以上の場合は年間24日以内という規定がされているというものでございます。
32ページが、平成28年の改定でこういう規定になったというものでございます。
33ページが、予定手術前の当直への配慮のイメージで、配慮を行う場合は、手術等があった場合には当直に組み込まないということでございます。
34ページで、手術・処置の時間外等加算の効果ということで、改善したか、改善していないかというのを、加算があるところとないところで分けて分析しております。
35ページ、36ページで、勤務環境に配慮する領域ということで、35ページが施設、36ページが医師に聞いたものでございます。
37ページが、届出医療機関数で、右の円グラフは病床規模別で分けたものでございます。
38ページで、先ほどの12日以内ということですが、いわゆる当直医師が1人であった場合は12日までできる、10人いた場合は1.2回。当然ですけれども、絶対数で決められているので、当直医師数によってその医師にかかる負担が変わってくるというものでございます。
39ページで、勤務環境に特に配慮する領域のところで、いわゆる連続当直の実態をまとめております。
41ページからは薬剤師業務になります。まず、周術期における薬学的管理業務というものでございます。
42ページで、病棟薬剤業務実施加算というのを挙げております。1と2があって、1が一般病棟、療養病棟等、2が救命救急、特定集中治療室等でございます。そういった形で既に設定がされているものがあります。
43ページからが、周術期の薬剤師関与の状況ということで、薬剤師が手術関連業務に関与している場合、薬剤師が行っている手術関連業務の内容、専従・専任で関与している場合等をまとめております。
44ページで、周術期医療における現在の薬剤師の業務と今後薬剤師に行ってほしい業務というのが調査で出ております。
45ページが、広島大学病院の一例でございます。
46ページが、術前から術後まで動いていく中で薬学的介入の具体例でございます。
47ページが、周術期における薬剤師の活用ということで、各学会のほうからこういった取りまとめがされているというものでございます。
48ページに、薬剤師の専従、いわゆる手術室に専従した場合のインシデント・アクシデントの報告件数ということで、これが減少しているというものでございます。
49ページで、対象とした7診療科ごとに、手術患者の入替え時間の短縮で業務の効率化ができるようになっていることを示すものでございます。
50ページです。これも医政局のほうでの検討会の中でまとめられたもので、赤字にしておりますが、「周術期における薬剤管理等の薬剤に関する業務として、以下に掲げる業務については、薬剤師を積極的に活用することが考えられる」というふうにまとめられております。
52ページからが、病棟薬剤業務実施加算。先ほど参考に出させていただきましたが、そのままのものでございます。
これにつきまして、53ページで、先ほどのものを再掲させていただいておりますが、先ほど紹介させていただきましたように、1、2のところが取れる病棟というのが決まっている。ここで小児入院医療管理料が入っていないというのが、まず実態としてあるということでございます。
54ページが、病棟薬剤業務実施加算の算定回数の推移でございます。
55ページが、病棟薬剤師と実施加算届出医療機関数の推移でございます。
56ページに「成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」の閣議決定を紹介させていただいております。(2)の「小児医療等の体制」というところで、薬学管理に対応ということになっております。
57ページですけれども、小児入院医療管理料を算定する病棟の病棟薬剤業務時間ということで、その実態でございます。
58ページで、薬剤師の病棟業務時間とプレアボイド件数の関連ということで、病棟業務をやっていて未然回避、薬物治療効果の向上が図られたというものでございます。
59ページで、三重大学医学部附属病院の薬剤師の取組の例を挙げさせていただいております。
61ページになります。特定行為研修修了者の活用ということで、今度は、看護師のことになります。
62ページに、特定行為に係る看護師の研修制度の概要をまとめております。
63ページに、特定行為及び特定行為区分をまとめております。
64ページに、研修修了者の推移。
65ページに、特定行為研修修了者就業状況でございます。
66ページに、平成30年度に改定したそれぞれの評価項目で、特定行為研修において該当する区分が定められたというのがあります。
67ページが、令和2年度改定でございます。
68ページは、特定行為研修の概要。再掲でございます。
69、70ページのところで、それぞれの評価項目について、特定行為区分の看護師が入っていないで、認定看護分野、専門看護分野のみが入っているという分野の紹介になります。
ここまでが特定行為研修修了者の活用ということでございます。
73ページからが、看護職員の処遇改善ということでございます。
まず73ページ、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」ということで、令和3年11月19日の閣議決定でございます。この部分で、一番下、1の2段落目でございますが、「看護については」ということで「必要な措置を講ずる」まで取りまとめられております。
さらに、74ページで、令和3年度補正予算(案)における対応ということで、第2回公的価格評価検討委員会の資料からでございます。厚生労働省関係ということで、看護、介護、保育など、現場で働く方々の収入の引上げということで、看護についてはということでまとめられております。
75ページに、職種別の平均賃金を挙げさせていただいております。
76ページ。これも公的価格評価検討委員会の資料からの抜粋で、公的価格の制度についてのまとめ、比較を挙げさせていただいております。
77ページ。これも公的価格評価検討委員会からの「公的価格をめぐる主な論点」ということで、処遇改善の方向性、処遇改善に向けた政策手法、安定財源の確保と併せた道筋ということでまとめられております。
78ページからは、看護補助者の活用というところに入ります。
79ページで、看護職員の負担軽減策の全体像ということで、看護職員の負担軽減を図るため、主に夜間の看護体制を充実するということになっております。上のほうに看護補助者との役割分担の推進、下のほうに夜間の看護体制関係のものを挙げさせていただいております。
80ページに、今までの変遷ということで、急性期・慢性期でどういった対応がされたか。
81ページで、それぞれ点数のほうの変遷でございます。
82ページで、看護補助者の配置に係る評価の充実ということで、令和2年改定で行われたもの。
83ページで、入院基本料等の看護補助者に係る加算ということで、看護補助者の関連の加算の一覧を挙げさせていただいております。
84ページに、急性期の看護補助体制加算及び看護補助加算の届出の状況を載せさせていただいております。
85ページから88ページまで、負担軽減策ということで検証調査の結果。85ページが業務負担軽減策、86、87ページがその効果でございます。
88ページが、他職種との業務分担であったり、看護補助者の配置・増員の状況であったり。
89ページに、看護補助者の業務内容。看護補助者が行っている業務と困難を感じる業務というのを挙げさせていただいております。
90ページに、看護補助者を対象とした研修を実施しているということで、研修を実施している施設は多いのですが、看護補助者との協働について、看護師長・看護職を対象とした研修を実施している施設は少なくなっているという結果でございます。
91ページに、看護補助者数の推移となっております。
93ページからは、今度は、看護職員の夜間負担軽減ということでございます。
94ページは、現在の加算とその満たす必要がある項目を整理したものでございます。
95ページが、夜間配置加算の届出状況。
96ページが、夜間看護体制加算等の届出状況と負担軽減の取組でございます。左上のほうが届出状況。その下に、先ほどのアからサということですが、満たさなければいけない項目の一覧。右側が、それぞれどこを満たしているかというものでございます。
97ページが、精神科救急における同様のまとめでございます。
98ページでございます。回復期リハビリテーション病棟の夜間における看護師配置状況でございます。先ほどの夜間の体制のところで、回復期リハビリテーション病棟というのがないということですが、現在行われている現状はどうかというものを、定点観測で、どういった状況になっているのか、夜間は看護師さんはどれぐらいいるのか、准看護師さんはどれぐらいいるのか、患者数に応じてどうなのかというものをまとめたものでございます。
99ページが、回復期リハビリテーション病棟における夜間看護業務の負担減に資する業務管理ということで、実態でございます。
100ページが、回復期リハビリテーション病棟の患者の状況ということで、いわゆる転倒等が多くなっているというものをまとめたものになります。
102ページからがICTの活用になります。
医師の業務見直し、変形労働時間制等の導入、ICTの導入、その他業務効率化ということが働き方改革推進本部でまとめられており、一つ、ICTというのが入っているというものです。
104ページに、情報通信機器を用いたカンファレンス等の推進ということで挙げさせていただいております。
105、106ページは、医療機関内でのICT活用状況の実態を調査したものでございます。
107ページで、診療報酬の算定に当たって求めている施設基準の中で、対面が前提になっているものがありますという例でございます。
108ページで、オンライン等による研修ということで、オンライン会議や動画配信やeラーニングといったものが現在行われているというものでございます。
109ページは、院内の会議に関する負担削減のための取組で、これも実態ということでございます。
111ページからが、地域医療体制確保加算についてでございます。
112ページが、地域医療体制確保加算、令和2年の改定のものになります。前回の改定でついたものでございます。
113ページが、地域医療介護総合確保基金の御紹介。この診療報酬とこの基金はセットで働き方改革を推進しているというものでございます。
114ページがその事業でございます。
115ページに、先ほどの基金の説明ということでございます。ここでは、2の(1)の1、2は救急医療ですが、3でいわゆる5疾病5事業のところについても言及がされているというものです。
116ページは、地域医療体制確保加算の算定状況でございます。
117ページは、年間の救急搬送受入件数と医師の労働時間の分布をクロスで集計したものでございます。
118ページは、救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会で、救急搬送件数と併せて産科・小児科・精神科救急等といったところも言及がなされているという御紹介でございます。
120ページに行きます。診療科別の週勤務時間で、いわゆる暫定の特例水準を超える医師の割合。
121ページが、同じく、診療科別の日直・宿直・オンコール回数をまとめたものでございます。
122、123ページで、小児医療の体制、周産期母子医療センター、周産期医療の体制の御紹介。
124ページで、1週間の労働時間が60時間以上の医師の割合をまとめております。
125ページが、2024年4月に向けたスケジュールで、医師についての時間外労働の上限規制の適用が開始される、もしくは開始された後、どういったことが行われるかというスケジュールでございます。
126ページは、医師労働時間短縮計画の記載内容ということで、先ほどの上限規制をするときの計画の記載事項でございます。
127ページは、先ほどの令和2年改定でやった地域医療体制確保加算の施設基準の中で定められているものと短縮計画の比較でございます。
128ページ以降は、検証調査の結果として、各医療機関で医師の負担軽減に取り組まれているものをまとめております。
これが135ページまで続くということでございます。
最後、137ページからの論点になります。
まず【医師事務作業補助者について】ということで、医師事務作業補助体制加算の評価の在り方についてどのように考えるのか。
2点目が【手術・処置における時間外等加算について】ということで、手術・処置の時間外等加算の評価の在り方についてどのように考えるのか。
3つ目が【周術期における薬学的管理業務について】、周術期における薬学的管理業務に薬剤師を活用することの評価の在り方についてどのように考えるのか。
【病棟薬剤業務実施加算について】、小児入院医療管理料を算定している病棟における病棟薬剤業務実施加算の評価の在り方についてどのように考えるのか。
【特定行為研修修了者の活用について】ということで、特定行為研修修了者の増加や医師との役割分担の状況を踏まえ、医師の働き方改革を一層推進させる観点から、特定行為研修修了者の活用に係る評価の在り方についてどのように考えるか。
【看護職員の処遇改善について】、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を踏まえ、看護職員の処遇改善の在り方についてどう考えるのか。
138ページに移ります。
【看護補助者の活用について】ということで、看護補助者に関するその評価の在り方をどのように考えるのか。
【看護職員の夜間負担軽減について】ということで、夜間看護体制加算等の項目数についてどのように考えるのか。回復リハビリテーション病棟における医療の質の観点から、看護職員の夜間配置の評価をどう考えるのか。
【医療従事者の負担軽減等に対する評価について】ということで、診療報酬の算定に当たり求めている会議等について、ビデオ会議等をさらに活用していくことについてどうやって考えていくのか。あと、研修に関して、オンライン等による研修をさらに活用していくようにするにはどのように考えるのか。
最後【地域医療体制確保加算について】のところで、働き方改革を着実に進めていく観点から、その評価の在り方についてどのように考えるのか。2024年の上限規制の適用開始に向けて「医師労働時間短縮計画作成ガイドライン」が示され、今後、各医療機関において計画策定に向けた取組が進められる中で、実効性ある取組についてどのように報酬上で考えていくのかということでございます。
説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明も踏まえて、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
最初に、城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
それでは、137ページ、138ページの論点に対しまして何点かコメントさせていただきたいと思います。
まず、医師事務作業補助者についてでございます。この医師事務作業補助体制加算は、医師の負担軽減策として特に効果があるということは、これまでの検証結果から、また今回の資料からも明らかになっていますし、また、現場感覚としてもそのとおりであろうと思います。したがいまして、この加算が多忙を極める医師の負担軽減により資するよう、19ページに掲げられています医政局の検討内容を踏まえたクラークの業務内容の整理を検討してはどうかと思います。
また、人材確保や教育体制を充実させるということで、経験を有するクラークを配置できるように評価を引き上げることも、数字の改定で増点されてきたものの、人件費として考えた場合にはまだまだ十分とは言えませんので、大切だろうと考えます。
さらに、今回の資料には示されておりませんが、最近の改定では、算定対象病棟が拡大されてきているものの、施設基準として求められています緊急入院患者数、また全身麻酔による手術件数年間800件以上の実績要件等が非常に厳しいと。そして、要件がこれら急性期に偏っているために実際には算定できないというのが実態ですので、このあたりの要件見直しを検討することが、より多くの医師の負担軽減にとって非常に効果的であると考えます。
続きまして、手術・処置における時間外等加算についてです。この手術や処置における時間外等加算につきましては、現行の施設基準では、資料にお示しいただいたとおり、特定の個々人に負担が偏ってしまう可能性があるという点は、医療機関としての勤務環境マネジメントにおいて大事な観点であると考えます。実際に救急診療を行っている地域の中核病院でこの加算を取得できないのは不合理ですし、地方に医師を充足させ、地域格差を少しでも平準化するためにも、ここでも挙げられているような連続当直への配慮等、医師の過重な勤務負担に十分配慮しつつ、この施設基準の見直しについて検討すべきだろうと考えます。
続きまして、病棟薬剤業務の実施加算についてでございます。今回、この病棟薬剤業務実施加算に関して、小児入院医療管理料算定対象病棟という形で追加することなどが提案されていると受け止めております。いただいた資料に個別医療機関の事例が幾つか示されていますが、例えばスライドの57ページの小児入院医療管理料を算定する病棟の病棟薬剤業務時間を見ますと、余り時間をかけていないところと100時間以上というところがございます。100時間以上というところも多いわけですが、薬剤師が関与することにより、医療従事者の負担軽減、また、薬物療法の有効性、安全性の向上はもちろん期待されるところではございますが、医療機関ごとに業務に幅があるということが想定され、提示されている資料だけで判断することはなかなか難しいのではないかと思いますので、事務局におかれましては、今後、方向性を定めるべく、情報の積み重ねをお願いしたいと思います。
続きまして、看護職員の処遇改善についてでございます。この看護職員の処遇改善は、人材確保をし、定着させるということで、地域医療の崩壊を防ぐためにも重要な取組であると理解はしておりますが、そのためには、医療関係職種に対して幅広く恒久的な賃上げが必要でありまして、それに見合う診療報酬上の評価、できますれば、それも加算ではなく基本診療料の引上げが必要であると考えております。
続きまして、看護補助者の活用についてです。看護補助者の活用につきましては、今回の調査結果でも、看護職員の負担軽減に効果的であるということが示されておりますけれども、実際には、人材派遣会社等に高額な紹介料を支払わないと確保が難しくなってきているという現状がございます。したがいまして、まずは人材確保のための費用を踏まえた点数設定にする必要があろうと考えます。また、食事介助や口腔ケアなど、補助者が困難を感じる業務もあることが示されていますので、そうした業務について加配している看護職員を看護補助者と見なす対応をもう少し評価することも検討してはいかがかなと考えます。
続きまして、看護職員の夜間の負担軽減についてでございます。これに関しましては、1つ目の看護職員の負担軽減に関する現場の取組等については、専門委員の御意見も伺ってみてはどうかと思いますので、会長におかれましては御配慮のほどよろしくお願いしたいと思います。
もう一つの提案でございます回復期リハ病棟での夜間看護業務における負担軽減につきましては、評価する方向で検討していく必要があろうと考えます。
続きまして、医療従事者の負担軽減等に対する評価についてでございます。これに関しましては、カンファレンスや研修にICTを活用する方向性について異論はございません。
最後ですが、地域医療体制確保加算についてでございます。まず、地域医療体制確保加算の評価の在り方ですが、118ページにございますとおり、産科救急・小児救急・精神科救急医療においては、救急搬送の受入れ件数が少なくても、地域医療確保のために必要な医療機関の役割を担っている医療機関が存在するということは確かでございます。本日の資料でも、産科救急や小児救急においては負担の大きい勤務環境になっている傾向が見て取れますので、働き方改革を着実に進めていくためにも、そうした診療科を有する医療機関への手当てがぜひとも必要であろうと考えます。
今回示されましたデータを見ましても、地域医療体制確保加算を算定している地域において、救急医療体制の核となる病院が、コロナ禍であっても医療体制のとりでとなりながら、働き方改革にも地道に取り組んでいる様子が見て取れると考えております。こういった取組はさらにしっかりと評価をされる必要があろうと考えます。
また、2024年の働き方改革の上限規制の適用開始に向けて、医師労働時間短縮計画、いわゆる時短計画の作成ガイドラインが示されて、今後、各医療機関において計画策定に向けた取組が進められるわけですが、ここで御理解していただきたいことが2点ございます。
まず1つ目です。地域医療体制確保加算の対象となるような病院はB、そしてC1、C2水準に該当するような医療機関でありますので、2024年からの上限規制が開始されて、2035年の年度末の目標に向けて労働時間短縮の取組を進めるわけですが、その間も長時間勤務をするドクターが存在することになります。したがいまして、そう簡単には労働時間短縮というアウトカムは出せないことが予想されますので、診療報酬上の評価を検討していただく際には、ガイドラインに基づきPDCAサイクルをすぐに行うことを求めることは、当該医療機関の実態には合わない部分も当然あろうと考えます。
また、このガイドラインは、労働基準法の規定に基づいて策定されたものでございまして、大変詳細に、また複雑な内容になっておりますので、必ずしもその全てを診療報酬上の要件とする必要はないと考えておりますが、重要なポイントを外すことがないような形にしつつ、現場の負担を減らす意味においても、項目設定に関しては適切に絞って決定をしていただきたいと思います。
2点目です。医療従事者の労働時間短縮など具体的なアウトカムを出すためには、医師や様々な医療従事者の増員が必須となるのは明らかでございます。そのためには、それに先立つ財政的措置が必要であります。つまり、適切な診療報酬上の評価がなければ、人員の増加など、勤務環境を改善するための具体的な計画を立案することもできないという現実を御理解いただきたいと思います。
以上、この2点、御理解をいただいた上で、地域医療体制確保加算の在り方を含めて、働き方改革の推進に向けた取組を検討していくべきであろうと考えます。
少し長くなりましたが、私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
城守委員から、専門委員の御意見も伺ってはどうかという御提案をいただきました。各委員のコメントが終わった後で専門委員から御意見を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
私からは論点の3点に絞った形で発言させていただきたいと思います。
最初に、周術期における薬学的管理業務についてであります。資料の43コマ目にありますように、周術期における薬剤師の業務では、術前、術中、術後のそれぞれで薬剤師の役割が多岐にわたっております。医療安全もしくはタスクシフトの観点から薬剤師が貢献しておりますので、このような周術期における薬剤師の取組に関わる評価の御検討をお願いしたいと思っております。
次に、病棟薬剤業務実施加算についてであります。資料の52コマ目以降にありますように、小児入院医療管理料を算定する病棟において、薬剤師が病棟薬剤業務を実施している実態がございます。ぜひ小児病棟を病棟薬剤業務実施加算の対象にしていただくよう御検討をお願いしたいと思います。
また、病棟薬剤業務実施加算で追加の御検討をお願いしていただきたい病棟がございます。具体的には、現在、評価の対象とされていない地域包括ケア病棟、あるいは回復期リハビリテーション病棟でございます。以前にも発言させていただいておりますが、患者の薬物療法を地域で支え、住み慣れた地域で継続して生活していただけるよう、地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟といった地域とつながる病棟においては、薬剤師の病棟業務を推進することは極めて重要だと考えております。
12月1日の中医協総会で報告された医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進に係る評価等に関する実施状況調査の報告書では、病棟薬剤業務実施加算を別途算定することができない患者のみが入院しており、病棟薬剤業務を実施することがある病棟で発生している入院料では、むしろ小児入院医療管理料より地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟のほうが多いという結果が示されております。ぜひとも地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟につきましても病棟薬剤業務実施加算の対象にしていただくよう御検討をお願いしたいと思います。
次に、看護職員の処遇改善であります。医療提供体制の維持・確保のためには、看護職員の処遇改善は大事な問題であることは認識しています。ただ、医療現場は実際にあらゆる職種によるチームで成り立っています。先ほど城守委員からも発言があったとおり、地域医療を守っていくためには、医療職種や医療スタッフ、従事する全ての医療関係職種に対して幅広く引き上げることが必要であり、そのためには、それに見合う診療報酬の手当てが不可欠であります。また、診療報酬という性格を考えると、特定の職種の処遇改善に特化して対応することはなじまず、例えば、別の方法で対応していくべきものであるように思われますので、慎重な対応が必要ではないでしょうか。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
私からは137ページにございます論点の3つ目の○と4つ目の○のところございますが、ここに関する内容に関しては有澤委員の意見に全く同感でございます。
まず3つ目のところに関しましては、周術期に薬剤師が関与することによって非常に効率的な内容になっていくのは間違いございませんので、ここを評価することに関しては賛成でございます。
4つ目のところも、以前に私も発言させてもらっておりますが、小児病棟における薬剤師の関与。成人と違って使う量も違いますので、ここは専門の薬剤師がきちんと管理することで医療の質が担保できると考えております。
ここで事務局に確認したいのは、3つ目の○の周術期と言うと、手術の前と手術と手術の後という表現が普通に考えられるのですが、これは手術室の中だけのことを考えているのか。次の4つ目のところも同じでございますが、病棟薬剤業務実施加算は小児のところは1を考えているのでしょうか。それから、周術期は同じように1で評価するのか、2で評価するのか。そこのところの考えを教えていただければと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
今、島委員から御質問がありましたけれども、これも後でまとめて事務局から御回答をお願いいたします。
それでは、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私は、論点の中で2点お話しさせていただきたいと思います。
まず1点は、城守委員からの御意見と全く同じになりますが、医師事務作業補助加算についてです。少しずつ改定のたびに広く算定加算が取れるようにしていただいたことは非常にありがたいと思います。一方で、この要件に関しては、どうしても急性期に偏った要件ということで、回復期・慢性期の病棟を持っているところには、実際取りに行こうと思うと条件がクリアできないということで、なかなかとれないというところがあります。回復期・慢性期であっても医師の忙しさ等々には余り変わりがないと思っております。変わりがないというと語弊があるかもしれませんけれども、補助が必要だと思っておりますので、その辺の要件を見直していただくことをぜひお願いしたいと思っています。
もう一点ですが、看護補助者の評価についてです。資料でお示しいただきましたように、看護補助者の加算を取るところも少し減ってきているし、なおかつ、看護補助者の採用、常勤換算も減ってきているということ。一方で、89ページにありますように、業務の内容というと、介護を中心とした口腔ケアあるいは食事介助といった直接ケアに対してニーズが大きい。なおかつ、それを負担に感じている、困難に感じていることが多いということ。となると、介護を専門にする看護補助者ということになるかと思います。一方で、介護報酬の対象になる介護保険施設での介護職員に対しては、介護報酬から処遇改善加算という形で一定程度の処遇改善が現在行われていますけれども、そことの格差がどんどん広がっているのが現状かと思います。医療関係で言えば、看護補助者という中で勤務されている介護を中心とした直接ケアをする介護補助者に対してもここに含んでいるということを考えていると、ここにしっかりとした加算手当等をしていかないと、看護師さんたちがより専門性の業務を遂行できないという状況に陥っているのではないかということで、それを含めて、広く看護補助者に対する処遇改善ということを、できれば基本料等で考えていただけるとありがたいかと思っています。
その辺については、また吉川専門委員の御意見もお伺いしたいと思いますけれども、私からは以上です。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
私からは2点意見を述べさせていただきます。
まず、看護職員の処遇改善の論点につきましては、仮に診療報酬制度で対応するとなれば、改めての議論が必要ですが、どのような政策手法であっても、対象となる個人の給与が確実に引き上げられるような仕組みを検討することが必要であると考えております。また、その結果を検証できる仕組みも併せて検討するべきであると考えております。
次に、地域医療体制確保加算の論点につきましては、加算を届け出ている医療機関の方が全体的に働き方改革の取組が進んでいるようにも見えますが、個々の医療機関の取組状況を確認する仕組みがないことは課題であると認識しております。今後は一定の医療機関で医師労働時間短縮計画が策定されることとなるため、その仕組みと加算を連動させることなどによりPDCAサイクルを回していくべきであると考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
私からも論点に沿ってお話をさせていただきますが、いつもより話が長くなりますことを御容赦いただければと思っております。
まず、医師事務作業補助者については、24ページでは、教育体制が不十分であるといったことや、25ページでは、雇用形態や処遇は課題として一番多くなっています。教育体制や雇用形態、処遇といった課題を解決し、普及を図るために評価を見直すことについては理解したいと思います。また、キャリアパスに応じた評価を行うことで、経験を積んだ医師事務作業補助者の育成にもつながるのではないかと考えています。
次に、手術・処置の時間外加算の算定に当たっては、連続当直を認めないよう基準を見直さないと働き方改革に逆行するのではないかと考えております。連続当直を必要とするならば、きちんと対応しているところとメリハリをつけて働き方改革を促してもよいのではないかと考えております。
それから、特定行為研修修了者の活用により医師の働き方改革を一層推進させるという考え方と、そのための評価の見直しについては理解いたします。一方で、医師との役割分担による業務量の増加で担い手への影響がどう及んでいるか、特定行為を行っている方の心身に影響を与えていないか、引き続き分析が必要であると考えております。
次に、看護職員の処遇改善についてです。看護職員を初め、医療現場で働く方々の処遇改善は、働き方改革とともに重要な課題であると考えております。人口減少、超少子高齢化が進むことで、医療や介護、保育や障害福祉を担う人材も将来にわたって確保が急務となってきています。今よりさらに様々な他産業との人材の争奪戦となると予想できます。
ネット報道等を見ると、来年2月から9月の間、補正予算で処遇改善を補助金で行うような記事もあったかと思いますが、そうであるとすれば、患者への負担を考えれば、10月以降も補助金を継続し、安定した処遇改善を図ることが望ましいと考えます。もし補助金での対応が困難で、診療報酬での対応を検討するようであれば、看護職員を初め、医療関係者の手元にしっかりと届くような仕組みづくりが必要であると考えます。
例にとれば、介護職員処遇改善加算や介護職員等特定事務改善加算のように、加算の全てを処遇改善に活用するとした使途制限を設けることや、処遇改善の前に給与・賃金を意図的に引き下げることの禁止など、実効性のある仕組み作りが重要であると考えます。介護の場合、加算を取得すると利用者負担が増加するため、加算をあえて取得しないといった事象があり、そうなると、それぞれの医療機関でも、処遇に差がある上にさらに差が広がるおそれがあると考えます。介護職員処遇改善加算も年数を重ねて取得率が上がってきていますが、検討に当たってはそうしたことも念頭に置きつつあると考えます。また、加算の手続は面倒なので取得しないとした事業所もあったため、申請手続や実績報告などでの手続を合理的かつ効果的に検討する必要があると考えます。
次に、138ページの看護補助者の活用については必要が増していると考えています。直接ケアを行う看護補助者は有用であり、しっかりとした育成とサポートが必要であると考えます。また、看護補助者の中から、介護福祉士といった専門の国家資格を取得できるような支援も必要ではないかと考えます。
次に、看護職員の夜間負担軽減も、働き方を改善する上で重要であると考えます。夜間看護体制加算等の項目数について、さらに満たす項目数をアップし、評価にメリハリをつけることで、より効果を上げる取組が必要ではないかと考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
ありがとうございます。
私からも2点コメントをさせていただきたいと思います。
まず1点目は、看護職員の処遇改善についてであります。先ほど安藤委員が述べられた意見と全く同意見ではありますけれども、あえて申し上げさせていただくと、今後、仮に新たに診療報酬上の評価を設けて対応することとなった場合には、2つの点が重要であると考えます。
1点目は、看護職員の個々の処遇改善に確実に結びつくことが重要です。2点目は、その効果について検証が可能な形にする必要があり、そして、着実に検証していくことが重要です。
さらに付言させてさせていただきますと、仮に診療報酬での対応となれば、その財源には保険料や患者負担も充当されることになります。極力追加的な負担を生じさせないよう、診療報酬全体でメリハリのある対応を行い、財源を捻出することも検討すべきであろうということを申し上げたい。
2つ目は、ICTの活用、医療従事者の負担軽減等に対する評価についてであります。ビデオ通話による会議やオンライン等による研修をさらに活用していくことについては、論点に示されている方向でぜひ前向きに検討していくべきだと考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
まず、働き方改革推進全般について少しコメントしたいと思うのです。
前回改定での扱い等も十分承知しておりますけれども、診療報酬での対応ということであれば、医療の質が向上し、あるいは安全が確保されるというアウトカムにも十分着目する必要があり、また、医療機関のマネジメントという側面もありますので、単純に医療従事者の負担が軽減するというだけでは、費用を負担する側の理解を得にくいということをまず最初に御指摘させていただきます。
それでは、論点に沿ってコメントいたします。
まず最初の医師事務作業補助者でございます。一定の経験を積んだ実務者を配置することが効果的ということであれば、進める方向で検討してもよいと考えますけれども、人材の取り合いにならないように、また、内部で教育体制を十分整えていただいて人材を育成するという視点も必要です。また、これが単純に点数の引上げにつながるのであれば、慎重な議論が必要かと考えます。
続きまして、手術・処置における時間外等加算でございます。これも、ほかの委員からも御指摘がありましたが、個人による負担の偏り、あるいは大病院では連続当直の実態があることも踏まえて、より効果を高めるためには要件を見直すということも考えられると思います。
3つ目の周術期における薬学的管理業務でございます。こうした業務を薬剤師が担うことで医療の安全が向上するということであれば、その活用に対しては異論はございません。ただ、43ページのデータを見る限りでは、関与が半分ぐらいとか、兼務が非常に多いという実態等もありますので、この点も十分に考慮すべきだろうと思います。
続きまして、病棟薬剤業務実施加算でございます。小児入院医療管理料の病棟に薬剤師を配置することで治療効果が高まるのであれば、算定対象とすることについてはよいと考えますけれども、治療効果が本当に高まるのか、これを継続的に検証していくことが必要だろうと考えます。
続きまして、特定行為研修修了者の活用でございます。ほかの委員からもございましたけれども、タスクシフトを進めた結果、医師が実施する場合に比べて医療の質の担保は大丈夫か、あるいは別の意味の負担が高まっているのではないかということも十分検討いただきたいと思います。
続きまして、看護職員の処遇改善でございます。この中医協の場においては、診療報酬で対応することの是非ではなく、診療報酬で対応するとなればという前提でコメントしたいと思います。
まず、対象者に確実にその増加分が届くという観点からすれば、介護保険を参考にして対処することが考えられます。77ページの2つ目の矢羽根の3つ目のポイントですけれども、利用者負担や保険者負担に影響することは間違いありませんので、全体のメリハリの中でどのように負担増を吸収していくかという視点は不可欠だと考えます。
また、先ほど診療側委員から「基本診療料の引上げ」という言葉がありましたけれども、これについては反対とさせていただきます。
続きまして、看護補助者の活用でございます。90ページにありますとおり、業務経験が少ない方が多くいらっしゃる一方、指導的な立場にある看護師の研修が2割に満たない状況というのは改善の必要がありますので、これについては、そうした研修をぜひ受けやすくする環境作りについても図っていただきたいと考えます。
続きまして、看護職員の夜間負担軽減であります。精神科の救急入院病棟における対応を促す観点から、実態を踏まえて夜間配置加算の要件を厳格化するとか、回復期リハビリテーション病棟の安全確保のために夜間配置を評価するということは考えられると思います。
続きまして、医療従事者の負担軽減として挙げられておりますビデオ会議やオンライン研修を推進することは差し支えございませんけれども、この実施方法は、できるだけ標準化を図って、それによって効率化につなげて質を担保していくことが必要だろうと考えます。
最後に、地域医療体制確保加算でございます。資料を全体的に拝見する限りでは一定の効果がうかがえると思っております。ただ、コロナの影響で勤務そのものが非常に厳しくなった場合もあれば、救急搬送や患者数が減少して負担が減った場合等もあるかと思いますので、その効果の検証については非常に難しいだろうと感じております。
さらに、医師の負担が軽減して医療のアウトカムがどのように変わっていくかというのが最終的判断にありますけれども、これについても長期的な検証が必要であると考えます。今回の改定に当たっては、127ページにございます医師労働時間短縮計画を踏まえた上で、施設基準を一部手直しすることが現実的ではないかと考えます。
また、産婦人科、小児科といった一定の診療科に対して配慮することも十分理解はできますけれども、こうした2つの診療科においては別の分野でもいろいろ配慮事項が多く出てきておりますので、ほかの項目との関係も見ながら判断していくべきだろうと考えます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに委員の方々から御質問ございますか。御意見よろしいですか。
それでは、専門委員の吉川委員からコメントをお願いいたします。
○吉川委員
ありがとうございます。
看護職の立場から、資料の137ページから138ページの論点から3点、城守委員と池端委員からの御意見も含めて意見を申し上げます。
1点目は、看護職の処遇改善についてです。看護職の処遇について説明させていただきます。
看護職の給与については、75ページの第2回公的価格評価検討委員会資料の「職種別平均賃金」のグラフや、77ページの「公的価格をめぐる主な論点」の3ポツ目、「全産業平均を上回る賃金水準である看護師の処遇改善の在り方」の書きぶりからは、看護師の給与が高いという印象を非常に強く受けますが、75ページの全産業平均には非正規職員や高卒者を数多く含んでいます。看護師は、高校卒業後3年ないしは4年間の専門教育を受け、国家資格を付与された専門職であること、かつ正規職員がほとんどという状況です。しかも、全産業平均を上回るのは比較的若いうちだけで、年齢が上がると全産業平均とは逆転していきます。また、看護職の多くは病院で2交代あるいは3交代の夜間交代制勤務を行っており、一日8時間労働として換算すると、月8日から9日分の夜勤を行っています。そのため、公的価格評価検討委員会で示された75ページのグラフの給与には、平均3万円から4万円程度の夜勤手当が含まれていることを御理解いただき、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に記載されたとおり、看護職員の3%の収入増や全ての職員を対象とした抜本的見直しなど、着実に対応を推進していただきたいと思います。
その際には、先ほど多くの委員から御意見があったとおり、看護職員の処遇改善に向けた措置による増収分については、確実に看護職員の収入増につながる仕組みとする必要があると考えます。
2点目は、看護補助者の活用についてです。89ページにあるように、看護補助者は直接ケアの業務に対し困難さを感じています。日本看護協会が実施した調査結果では、看護補助者に対する研修内容の充実化を図っている病院のほうが看護補助者が定着している傾向が明らかとなっており、看護補助者の定着・確保を促せるよう、直接ケアを行う看護補助者に対する研修の充実化に向けた評価が必要と考えます。
3点目は、看護職員の夜間負担軽減についてです。96ページにあるように、夜間における看護業務の負担軽減項目として記載されている中の、「ア.勤務終了時刻と開始時刻の間が11時間以上」空いているという項目については、80%以上の施設が既に取り組まれています。不十分な勤務間インターバルは、疲労や不眠など夜勤負担を増す要因であることが多くの研究結果からも明らかになっており、勤務間インターバルの項目については、夜間看護体制加算等の必須項目としていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。
それでは、先ほど御質問いただいておりますので、事務局から御回答をお願いいたします。
○井内医療課長
島委員からいただきました病棟薬剤師の関係で、周術期の場合は手術室の中だけなのか、手術前・後も含むのか、または1、または2、どういう想定なのか、病棟薬剤師の小児入院医療管理料につきましても同様の御質問をいただきました。
事務局といたしましては、本日、現時点では、資料に示しているとおりでございまして、どういった形がより適切かというのは適時御意見をいただければと思っております。
以上です。
○小塩会長
よろしいでしょうか。
○島委員
了解しました。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御質問、追加でございますか。よろしいでしょうか。
それでは、ほかに質問等はないようですので、本件に係る質疑はこれまでといたします。個別事項、今日は3つのテーマを議論していただきましたけれども、それぞれにつきまして委員の方々から多くの貴重なコメントをいただきました。今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見を踏まえて引き続き対応していただくようにお願いいたします。
続きまして「令和4年度診療報酬改定に関する基本的な見解(各号意見)について」を議題といたします。
12月3日の総会で、医療経済実態調査の結果に対して、1号側委員、2号側委員、それぞれの見解をいただきました。本日は、各号側委員それぞれから次期診療報酬改定に関する見解が提出されていますので、その資料の説明をお願いしたいと思います。
最初に、1号側委員から資料の説明をお願いいたします。松本委員、どうぞよろしくお願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
今、会長から説明がありましたとおり、今回、令和4年度診療報酬改定に関する支払い側の意見を1号側委員7名で取りまとめまして、代表して私から御説明させていただきます。
1つ目の段落につきましては、現状を述べておりますので、詳細は割愛いたします。
2つ目の段落でございます。
一方、令和2年度は一時的に医療費が減少したが、賃金・物価の伸びを医療費の伸びが上回り、医療保険財政を圧迫する構図が長らく続いている。今後も少子高齢化は確実に進み、支え手が減少するなかで、まさに令和4年度から団塊の世代が75歳に到達し始める。コロナ禍においても地域医療構想で想定している人口構造と医療ニーズの変化は止まらない。
以下が、我々が求める主張でございます。
国民皆保険制度の長期的な持続可能性を高めつつ、医療提供体制を新興感染症にも強い効率的・効果的な仕組みへ再構築することや、高い水準の自然増を考えれば、令和4年度は診療報酬を引き上げる環境になく、国民の負担軽減につなげるべきであり、配分の見直しに主眼を置いたメリハリのある改定とする必要がある。薬価等については、イノベーションの推進にも配慮しながら、市場実勢価格の低下に伴う公定価格の引き下げ分を、長期的に上昇し続ける負担の抑制のために還元されなければ、国民の理解は得られない。
いずれにせよ、国民も非常に苦しんでおりますので、その負担軽減にぜひつなげていただきたいというメッセージであります。
続きまして、次の面に移ります。
3つ目の段落で、第23回医療経済実態調査の結果に触れております。
令和2年度における医療機関の経営状況は、全体として収益が減少した一方で費用が増加しまして、損益差額が悪化しましたけれども、医療法人の病院は黒字を維持し、一般診療所、歯科診療所、保険薬局は依然として高い水準にございます。また、令和3年6月の損益差額は、新型コロナウイルス感染症関連の補助金を含めない場合であったとしても、令和2年6月と比べて改善しており、一般診療所の損益差額は令和元年6月を上回っております。
こうした未曾有の経験から、医療機能の分化・強化と連携を推進する必要が改めて浮き彫りになっております。入院では、急性期病床における医療資源の集約と、急性期から回復期、慢性期まで目に見える形での円滑な連携、外来では、幅広い疾患に対応できるかかりつけ医を起点とした安心で安全な医療の確保、患者のニーズと技術進歩を踏まえたオンライン診療の推進等が最大の課題であります。
次に、医療の質を高めるための総合的な対応ということで、後発医薬品を患者が安心して使用できる環境のさらなる整備や、有効性・安全性を前提に経済性をも考慮した処方の推進策、並びに、創薬力の強化等のイノベーションの推進、医療従事者の働き方改革や処遇改善等、診療報酬のみならず、国を挙げた効果的な取組を強く求めます。
最後に、診療報酬の個別項目に関しては、政府による改定率の決定等を踏まえ、患者の視点も踏まえた報酬体系を目指す観点から、今後の審議状況も見定めた上で、改めて意見を提示させていただきます。
どうもありがとうございました。よろしく御配慮ください。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、2号側委員から資料の説明をお願いいたします。城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
それでは、令和4年度の診療報酬改定に対する診療側の意見として7名の御意見の取りまとめを行いまして、その報告を私が代表して行わせていただきたいと思います。
お手元の資料の最初の部分でございますが、これは概要でございます。
診療報酬は、国民にとって安全で、安心できる医療を提供するための原資であることはもとより、医学の進歩に伴う高度な医療に対応する設備投資、患者ニーズの多様化に応える医療従事者の雇用の確保および拡充に不可欠なコストを賄っている。かつ、診療報酬は2年毎に改定されることから、その間の賃金や物価の動向を適切に反映するものでなければならない。
新型コロナウイルス感染症流行下において、医療機関等は感染リスクや風評被害に耐えながら、新型コロナウイルス感染症患者への入院医療、発熱患者に対する外来医療やワクチン接種など必死で新型コロナウイルス感染症に立ち向かうとともに、コロナ以外の地域医療を全力で守っている。診療報酬は、それに対して十分な手当で応えなければならない。
また、今般の新型コロナウイルス感染症への対応において、改めて医療現場における人材の重要性が認識された。医療従事者の働き方改革と処遇改善を推進し、安定的な医療提供体制を維持することが必要であるが、医療機関等は、むしろ給与費を抑制せざるを得ない実態である。
国民の安全を守るためには、地域の医療と医療従事者を支える適切な財源が必要であり、令和4年度の診療報酬改定ではプラス改定しかあり得ない。
と考えております。
以下、項目を少しだけ述べさせていただきます。
医療機関等の経営はコロナ補助金がなければ著しく赤字の状態で、再生産は不可能な状態でございます。これは、新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け、令和2年度の医療費は前年度に比べて1.4兆円のマイナスとなっています。令和2年度の診療報酬プラス改定効果も含めて、本来あるべき医療費から見ますと甚大な損失でありまして、今回の医療経済実態調査の結果を見ても、このコロナ補助金がなければ著しく赤字の状態であるということは明白でございます。
続きまして、コロナと通常医療を両立できる医療提供体制の再構築をするためには、平時の医療提供体制の余力が必要であるということが明らかになり、また、そのためには、その財源を確保する必要がございます。これらに対して政府には適切に確保を要請したいと思います。
そして3つ目ですが、医療の充実が経済成長、地域創生につながるということは明白でございます。このため、令和4年度の診療報酬改定で十分な手当てがされなければならないと考えております。
続きまして、医療従事者の負担軽減、また医師等の働き方改革の推進は待ったなしでございます。前回の改定では、診療報酬と地域医療介護総合確保基金との組合せによる対応が図られましたが、その後、新型コロナウイルス感染症が感染拡大しまして、医療現場ではコロナの対応を最優先に行ってきたために、働き方改革に着手できかねる現状がございます。そのため、今回改めて、診療報酬による適切な対応を要請したいと思います。
続きまして、ICT活用等、医療の高度化は政府の成長戦力として別建ての財源を充当し、イノベーションの評価・促進をしっかりすべきであろうと考えております。
最後ですが、薬価改定財源は診療報酬本体に充当すべき。これは従来から我々が主張していることでございますが、診療報酬と薬価は不可分一体の関係でございます。財源が切り離されるようなことがあってはならないと考えてございますので、この点に関しては重ねて述べさせていただきたいと思います。
最初のページにお戻りください。何度も申しますが、このコロナの状況におきまして、医療機関は、このコロナ補助金がなければ著しく赤字、経営状況は極めて厳しい状況になってございますので、この状況を打破するためにも、この診療報酬改定にはプラス改定というものを強く要望したいと思います。
私からは以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
前回の令和2年度改定を振り返りますと、まず、医療経済実態調査に対する各号側意見の見解、それから、次期診療報酬改定に関する各号側意見の見解、そして、薬価調査の結果等を踏まえまして、公益委員のほうで厚生労働大臣に対する意見書の素案を作成した上で、総会で議論していただき、意見書を取りまとめて、中医協から厚生労働大臣への意見として提出いたしました。
令和4年度改定でも同様に、中医協としての意見を取りまとめ、厚生労働大臣に提出するということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、本件につきましてはそのように進めさせていただきます。
以上、予定しておりました議題はおしまいなのですけれども、事務局から「その他」といたしまして資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
(「会長」と呼ぶ者あり)
○小塩会長
はい。
○松本委員
恐れ入りますが、少し付随的な意見を述べるお時間を頂戴したいと思いますが、よろしいでしょうか。
○小塩会長
この診療報酬改定の進め方についてということですか。
○松本委員
はい。進め方というより全般にわたる話になります。
○小塩会長
それでは、手短にお願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
付随的に、健保連としての意見を少し申し添えたいと思います。
現下の厳しい国民生活を考えれば、今回改定は、保険料負担や自己負担の観点から、この意見書に記載のとおり、国民の負担軽減につなげるべきと強く考えております。ただ、今回は、既に政府において方向づけられている看護職員の処遇改善など医療従事者の働き方改革、不妊治療、オンライン診療の恒久化など財源を要する内容も多いことから、改定はあくまでも政府の決定する改定率の中でメリハリをつけた国民目線での改定としていただきたく、お願いするものであります。
以上、時間をどうもありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
以上で本日の議題はおしまいですが、事務局から「その他」として資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
資料の総-6を御覧ください。「新型コロナウイルス感染症の検査に係る保険収載価格の見直し(案)」でございます。資料に基づきまして御説明申し上げます。
経緯でございます。こちらは、令和3年11月12日、新型コロナウイルス感染症対策本部決定でございますが、保険診療として実施されているPCR検査等につきまして、その価格が自費検査価格に影響を与えているとの指摘もある中で、実勢価格を踏まえて保険収載価格の検証を行い、その結果を踏まえて、年内を目途に必要な見直しを行うというものがございます。
今回、事務局で実勢価格等を踏まえた結果につきましては、3の見直し案のほうで御説明申し上げます。
まずはスケジュールでございます。検査価格の見直しにつきましては、通常、診療報酬改定時でございますが、本件につきましては、政府方針を踏まえ、臨時的に本年12月31日に前倒して引き下げを行うものでございます。なお、一部経過措置がございます。
具体的な見直し(案)は、2ページ目の別紙の記載のとおりでございます。概要を申し上げますと、現行点数につきましては、PCR検査(委託)は1800点、PCR検査(委託以外)は1350点でございますが、今回、見直し(案)として700点を提案しております。また、抗原検出検査(定性)、抗原検出検査(定量)につきましては、現行点数は600点でございますが、見直し(案)といたしまして、それぞれ300点、560点を提案させていただいております。
なお、核酸検出(PCR)検査(委託)につきましては、激変緩和のための経過措置といたしまして、令和3年12月31日から令和4年3月31日まで1350点とし、感染状況や医療機関での実施状況を踏まえた上で、令和4年4月1日に700点とするものでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御意見、御質問等ありましたら、よろしくお願いいたします。
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
ただいまの事務局の提案でございますが、そもそもこの検査体制というものは地域によって異なっておりますし、検査会社と医療機関との間には配送業者もおります。その価格はどうしても地域差を生じるという現状がございます。同じ県内でも都市部とか地方でも差があるのが実態でございます。安い検査所でやればいいということで、今回、値段を大きく引き下げた御提案ということになっているわけでございますが、今お話しした観点もございますので、経過措置としての処置はとっていただいておりますが、現場にコストと点数のバランスで大きな負担が生じることがないように、実態を丁寧に把握していただきながらこの対応をしていただければと思います。事務局におかれましては何とぞよろしくお願いしたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
今回の見直しは、感染症対策本部決定の内容に沿って実態を踏まえた迅速な見直しということで、妥当な対応であると考えます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほか、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
それでは、本件につきましては、中医協として承認するとしたいと思います。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会はこれにて閉会といたします。長時間どうもありがとうございました。
<照会先>
保険局医療課企画法令第1係
代表: | 03-5253-1111(内線)3288 |
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