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2021年11月24日 中央社会保険医療協議会 総会 第499回議事録

○日時

令和3年11月24日(水)調査実施小委員会終了後~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 鈴木順三委員 末松則子委員
城守国斗委員 長島公之委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○調査実施小委員会からの報告について
○入院(その5)について


 
○小塩会長
それでは、ただいまより第499回「中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。本日は羽田専門委員と中村専門委員が御欠席です。
それでは、議事に入らせていただきます。
初めに「調査実施小委員会からの報告について」を議題といたします。
まず、調査実施小委員会の秋山小委員長より御報告をお願いいたします。
○秋山委員
調査実施小委員長の秋山です。第23回医療経済実態調査につきまして、先ほど開催されました調査実施小委員会で議論いたしましたので、その結果を報告いたします。
この調査は病院や診療所などにおける医業経営等の実態を明らかにし、社会保険診療報酬に関する基礎資料を整理することを目的として実施したものです。
医療機関等調査については、令和元年度、令和2年度の2事業年度の状況並びに令和元年、令和2年、令和3年のそれぞれ6月の損益の状況を、保険者調査については令和元年度と令和2年度の事業報告等の状況をそれぞれ調査しております。
新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ、日々の診療などで多忙を極めておられる状況の中、調査に御協力いただいた医療機関、保険薬局、保険者の皆様、関係者各位の皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。
それでは、具体的な内容につきまして、事務局からお願いします。
○高宮保険医療企画調査室長
保険医療企画調査室長です。先ほどの調査実施小委員会で詳細を説明しておりますので、ポイントのみ紹介をさせていただきます。
資料は先ほどの調査実施小委の実-1の資料になります。
2ページのマル1、一般病院全体につきましては、令和元年度はマイナス3.1%のところが、令和2年度はマイナス6.9%に下がり、補助金を含めるとプラス0.4%となってございます。
一般診療所につきましては、11ページで入院診療収益のあるなしを含めた全体で、個人立の場合には、令和元年度は31.8%、令和2年度は28%、補助金を入れると28.8%でございます。
医療法人については、6.5%が3.8%、補助金を入れると4.2%です。
歯科の診療所については16ページです。個人立について、令和元年度の29.7%が、令和2年度は28.1%、補助金を含めると30.1%でございます。
保険薬局については、法人の場合、令和元年度の6.6%が、令和2年度は6.4%、補助金を含めると6.6%という状況でございます。
詳細は省略させていただきます。
続いて、保険者調査になります。
○鈴木数理企画官
数理企画官でございます。保険者調査についても、ポイントのみを御説明させていただければと思います。
保険者調査報告書の2ページを御覧いただければと思います。こちらは令和2年度の決算状況でございますけれども、こちらの表の真ん中の辺りに経常収支差Aと書いておりますけれども、そちらを御覧いただければと思います。
こちらは協会けんぽが6,147億円の黒字です。組合健保は2,952億円の黒字です。また、少し右のほうに飛びまして、市町村国保では3,410億円の黒字ということで、各制度を見ていただきますと、いずれも黒字の状況という形になっております。
こちらは協会けんぽ、組合健保、市町村国保ともに、保険料収入が対前年で減少しておりますけれども、支出に含まれる保険給付費も減っているということでありまして、結果的に黒字幅が前年度よりも大きくなっているという形になっております。
続きまして、3ページと4ページにつきましては適用及び保険給付状況になっておりまして、4ページを御覧いただければと思います。
協会けんぽの被保険者数は2,489万人ということで、こちらは前年度に比べましてプラス0.4%増加という形になっております。組合健保の被保険者は1,642万人で、こちらもプラス0.4%です。
一方で、市町村国保の被保険者数は2,619万人ということで、こちらは対前年度比でマイナス1.5%になってございます。
最後に土地及び直営保養所・保健会館に関する調査結果が5ページ及び6ページになっておりますけれども、こちらは前回調査と比較している6ページのほうを御覧いただければと思います。
こちらは上のほうの参考1で土地の状況、下のほうの参考2で直営保養所・保健会館の状況について、前回の調査との比較を行っております。
6ページ、両方とも増減のところを見ていただきますと、減少傾向にあるというところでございます。なお、こちらは前回よりも前の、例えば2000年代前半等の数字と比べましても、一貫して減少傾向が続いているというところでございます。
以上で説明を終わります。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの報告も踏まえ、御質問等がございましたらよろしくお願いいたします。
よろしいでしょうか。御質問等はございますでしょうか。
それでは、特に御質問等はないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、報告のあった件につきましては、中医協として承認し、今後、医療経済実態調査を踏まえながら議論を進めていくこととしたいと思います。
なお、診療報酬の改定率につきましては、予算編成過程を通じて内閣が決定するものとなっておりますが、中医協においても医療経済実態調査等を踏まえ、改定率について議論を進めていき、その結果を厚生労働大臣に意見として進言することが可能です。
これまでの改定の例ですと、今後、医療経済実態調査の結果を踏まえて、1号側委員全体としての御意見、2号側委員全体としての御意見をそれぞれ提出していただき、さらにその後、両者から次期改定に対する意見を提出していただいて議論を行っておりますので、スケジュール等につきましては、事務局とも相談しながら1号側、2号側に対応をそれぞれ、どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、「入院(その5)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
中医協資料の総-2、入院(その5)について御説明をさせていただきます。
本日は2ページにありますように、DPC/PDPSについてと、短期滞在手術等基本料ということでございます。
3ページ目以降でございますが、この辺りはDPC対象病院の現状ということで、DPC/PDPSの基本事項です。
4ページに考え方、5ページにこれまでの経緯、6ページもDPC対象病院と病床数の推移、7ページは平均在院日数の相対値の分布で、2018年のもの、2020年のものが7ページです。
8ページは全許可病床に占めるDPC算定病床数の割合の分布です。
9ページには回復期リハビリテーション病棟入院料の届出を行っている医療機関の中で、DPC算定病床数が占める割合の分布です。
10ページは地域包括ケアの届出がある医療機関で、同様の分布でございます。
11ページに病床の分類ということで、全体の分類でございます。
12ページにDPC/PDPSのほうである医療機関別の係数の御説明です。基礎係数、機能評価係数I、II、激変緩和係数というものでございます。
13ページは基礎係数についての御説明です。
14ページは機能評価係数Iについての御説明です。
15ページが機能評価係数IIについてでございます。
16ページが機能評価係数IIの評価内容の詳細でございます。
16ページ、17ページと続いておりまして、18ページに機能評価係数IIの評価内容ということで、先ほどの16ページの真ん中にあります地域医療係数の詳細を書いております。これが18ページ、19ページと続きます。
20ページは激変緩和係数の御説明です。
21ページは経済財政運営と改革の基本方針2021で閣議決定されたものを挙げさせていただいております。
22ページからがDPC/PDPSの評価方法でございます。
まず、23ページにDPC/PDPSの基本事項ということで、現行の点数設定の例です。
24ページは具体的な4つの点数設計方式の御説明です。
25ページは分科会からの意見ということで、平成29年からでございますけれども、平均的な診療実態から外れる医療機関ということについて、この辺りの記述を集めさせていただいております。
26ページからは令和元年の11月6日、中医協総会の了承というものを挙げさせていただいております。
29ページも入院分科会の取りまとめ、指摘事項ということで、医療資源投入量の少ない病院及び平均在院日数の短い病院の分析でございます。
30ページで令和3年度に行っていただきました特別調査の実施ということで、その概要、目的等です。
31ページに、その調査の中で行ったヒアリングの結果報告ということで、32ページまで続いております。
33ページに、これもまた分科会の取りまとめで、特別調査の言及がございます。
34ページ以降が、こういった点についての具体的な分析でございます。他院から自院DPC、自院地ケアに転棟した場合が左、自院DPCから自院の地ケアが右という構成になっております。
その上で、転棟時期の分布を示したものが34ページになります。
35ページは入院期間Iとの差ということで、同構成で分布を見ております。
36ページは入院期間IIとの差ということでの分布でございます。
37ページからは、先ほどの地域包括ケア病棟のほうから、回復期リハビリテーション病棟に変えたものの分析ということで、37ページが入院後日数、38ページが入院期間Iとの差、39ページが入院期間IIとの差ということでございます。
40ページが脳梗塞の中でさらに診断分類を絞った上で見ているというのが、40ページの地域包括ケアでございます。
下で資源投入量のほうも併せて分析しているというものです。
41ページが回復期リハで同様の分類です。
42ページが股関節・大腿近位の骨折ということで、これも診断群分類を絞っての分析ということになります。
42ページが地域包括ケア、43ページが回復期リハでございます。
45ページからになりますが、疾患の発症時期に関する情報ということで、入院分科会においては、急性心筋梗塞のように、発症からの日数によって病態が変わる疾患については、今後、発症日からの日数でさらに診断群分類を区別できるよう検討することが考えられるのではないかと指摘があったというものでございます。
現在のDPCデータの様式1において提出を求められている事項を挙げさせていただいております。
46ページが入院初期の医療資源投入量のところで、平成22年、平成26年、令和2年、入院1日目から14日目までの平均医療資源投入量の推移でございます。
47ページに短期滞在手術基本料3の算定イメージということで、入院から退院までの3のところを、一番左の青囲みのところで御説明させていただいております。
48ページで、平成30年度の短期滞在手術基本料の見直しの御説明です。DPC対象病院についてはということですが、短期滞在手術等基本入院料2及び3を算定不可とするという変更でございます。
49ページが30年度の算定ルールということで、一定の要件を踏まえたものについては、併せて点数設定方式Dを設定するという説明でございます。
50ページが短期滞在手術料基本料3とDPC/PDPSの比較ということで、まとめさせていただいております。
52ページからが医療機関別係数になります。
53ページが体制評価指数の状況ということで、機能評価係数2の中の地域医療指数の中の体制評価係数の状況でございます。
53ページに大学病院本院群というところで、それぞれの項目がどういう分布かというもので、一番下に合計点数が8ポイントの中で何ポイントかというところの分布を挙げさせていただいております。
54ページに、さらにそれを詳細に、各評価項目内の評価の状況を挙げさせていただいております。
53ページ、54ページと同じ構成で、55ページと56ページで特定病院群、57ページと58ページで標準病院群を挙げさせていただいております。
59ページの、先ほど見ていただいた体制評価指数のところですが、現行の評価項目のところを再掲させていただいております。
60ページで「その他」における新型インフルエンザ対応医療機関の評価ということで、「その他」の中に新型インフルエンザもあるということでございます。
61ページで新興感染症の感染拡大における医療提供体制確保に関する事項の医療計画への位置づけということで、改正の概要のところで、いわゆる「5事業」に追加して「6事業」ということで、新興感染症で第8次医療計画から追加ということになっております。
62ページは、医療機関等情報支援システム(G-MIS)が現在も稼働しておりますが、これの御説明でございます。
63ページで、入院分科会の取りまとめのところで、新型コロナウイルス感染症についても言及されております。
64ページからは、先ほどの体制評価指数の「へき地」であります。「へき地」は現在も一つの項目ということで、この2つのポイントで評価を行っているということです。
65ページでございますが「へき地」に関しては、巡回に関して、年12回以上という数字目標が通知されているという現状の御説明です。
「へき地」拠点病院の主要3事業の説明が、66ページと67ページでございます。
69ページからが体制評価指数の中の「災害」になります。「災害」が現在、この3つのポイントで評価されているというところで、70ページに一つのポイントのBCPの策定がありますが、BCPの策定の現状を70ページと71ページで説明させていただいております。
72ページにBCP策定の研修についてということで、まとめさせていただいております。
資料で行きますと、75ページ以降になります。退院患者調査(DPCデータ)についてということでございます。
76ページにDCP導入の影響に係る調査の概要ということで、DPC導入の影響評価に係る調査に準拠したデータ、いわゆるDPCデータの中身を76ページに挙げさせていただいております。
77ページにDPCデータにおける外来診療データに係る経緯を、平成24年から30年まで並べております。
78ページはデータ提出加算の届出医療機関の推移を並べております。
80ページからが短期滞在手術等基本料についての御説明になります。
81ページが短期滞在手術基本料1~3の説明です。
82ページも、いわゆる対象となっている手術をそれぞれ挙げさせていただいています。
83ページが、包括されている検査等ということで、何が包括されているかのまとめでございます。
84ページが、手術の算定方法の全体像ということで、先ほどの短期滞在手術基本料1~3、DPCとの関係でございます。
85ページは再掲でございます。
86ページから89ページまでで、短期滞在手術等基本料の推移ということでまとめさせていただいております。
91ページが令和2年、短期滞在手術等基本料の見直しの一番直近のものでございます。
入院分科会の指摘ということで、92ページで短期滞在手術等基本料2、3についての言及があるというものです。
93ページが短期滞在手術等基本料1の年次推移です。
94ページが、1の対象手術が実施されている場合にどういった麻酔がされているかです。
95ページは2の年次推移です。
96ページが2の平成30年と令和2年の比較になります。
97ページが短期滞在手術等基本料3の年次推移です。
98ページが手術等ということでございます。
99ページが短期滞在手術基本料3の対象となっている手術等の入院外での実施割合です。
100ページが平成30年と令和2年の比較をしたものでございます。
101ページから109ページまでで、短期滞在手術等基本料3の対象となっていない手術等の分析ということで、101ページにある条件で選んだものを、102ページから109ページのところで、在院日数や出来高の点数等の分析をしたものが並んでおります。
110ページにDPC/PDPSにおける点数設定方式Dと、短期滞在手術等基本料3についての関係の御説明をさせていただいているものです。
最後に113ページになります。論点のところでございます。【DPC/PDPSの評価方法、短期滞在手術等基本料について】ということで、他院から転院した患者について、治療目的での手術が定義されている診断群分類と、そうではない場合とで比べて、医療資源投入量の傾向が異なることを踏まえ、DPC/PDPSにおける評価の在り方についてどのように考えるのか。
2つ目が、発症からの日数によって病態が変わる疾患について、発症日からの日数でさらに診断群分類を区別できるように検討することも考えられるのではないかという指摘も踏まえ、DPCデータ及び制度全体における対応について、どのように考えるのか。
3つ目ですが、DPC制度における3段階の評価の在り方についてどのように考えるのか。
4つ目ですが、短期間で退院が可能となる手術等の評価の在り方について、どのように考えるのか。
5つ目ですけれども、短期滞在手術等基本料3に相当する診断群分類を含めた評価の在り方について、どのように考えるのか。
次が医療機関別の係数でございますが、体制評価指数について、医療計画における取組も踏まえて「感染症」「へき地」「災害」の評価の在り方について、どのように考えるのかです。
退院患者調査(DPCデータ)についてのところで、外来診療データの収集の在り方について、どのように考えるのかということでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明も踏まえて、御質問等がありましたらよろしくお願いいたします。
最初に城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。入院(その5)につきましてですが、113ページの論点に沿ってコメントさせていただきたいと思います。
まず、1点目です。治療目的での手術が定義されていない診断群分類であっても、中には他院から転院した場合でも、自院に直接入院した場合でも、医療資源投入量に明確と言えるほどの差がつかないDPCもあるのではないかと考えております。
ですので、他院から転院した場合の評価について、手術を含まない全てのDPCを検討対象とするということではなくて、まずは明確な差が出る診断群分類や、差が出る場面の傾向として、どのようなものがあるのかについて、実態に基づいて丁寧に対応する必要があろうと考えております。
2点目は、細分化することで分母の数が減りますと、DPCの前提であります平均的な治療内容から外れた数値になってしまう可能性もありますことから、これはDPCの前提として均質性というものが求められるわけですから、そうした点にも配慮しながら、どのような症例でどのような分析が可能なのか、無理のない範囲で検討すべきであろうと思います。
続きまして、3点目につきましては、これは24ページにございますが、実態に合わせて、4つの点数設定方式のうちA方式をもう少しメリハリをつけるということを検討してよいと考えます。
4点目の短期滞在手術等基本料につきましては、今回は短期滞在2または3の見直し、つまり、短期滞在2については1や3に振り返るということを検討した上で廃止、または3のうち外来で実施されている手術については1の対象に加えた上で、追加できる手術等があれば追加していくといった方向性が提案されていると受け止めております。
過度に包括化を進めて在院日数の短縮を進めますと、粗診粗療というものにつながるおそれもございますし、また、患者さんが半ば強制的に退院せざるを得ないような事態も起こり得ると思います。
特に今回は一部の短期滞在3の中で、外来で実施割合が高い手術があるということが指摘されておりますが、そもそも、こうした手術を外来で実施することに無理が生じていないのか、中には実は入院が必要なケースがないのかどうか等を、もう少し詳しく調査することも必要であろうと考えます。
続きまして、5点目です。これも同様でございまして、現行のD方式の中で、まだ短期滞在3に入っていないものを追加していくという方向性も考えられなくはないですが、先ほど述べましたとおり、過度な包括化は避けて、丁寧に対応していく必要があろうと思いますし、それが我が国のDPCのいいところであろうと思っております。
続きまして、医療機関別係数についてでございますが、この論点につきましては、診療報酬は医療計画に寄り添って支えていくという観点から評価する方向に異論はございません。
最後の退院患者調査についてでございますが、これに関しましては長島委員からコメントをさせていただきます。
○長島委員
長島でございます。データの重要性はよく理解しておりますが、データ提出による医療現場の業務及び費用の負担増大により、医療提供に支障を来すようなことになっては本末転倒となってしまいます。
したがいまして、まずはデータの入力と出力のために医療現場にどのような負担がどの程度生じるのかという実態の把握を行い、次に、医療機関の負担を踏まえた上でのさらなる評価や、負担の軽減策について検討すべきと考えております。
そこで、事務局にお尋ねいたしますが、医療機関の負担に関する実態の把握はされているのでしょうか。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
今、長島委員から御質問がありましたけれども、後で事務局よりまとめて回答していただきたいと思います。
島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
私も論点に沿って意見を述べさせていただきます。
まず、DPC/PDPSの評価方法、短期滞在手術等基本料の最初の○でございますが、現在のDPC/PDPSの定義、様式1以上の診療目的の項目については、4区分で表現されておりますけれども、選択肢の内容が少なくて、項目の追加をした上で、診療目的のさらなる調査が必要と思われます。
現在、再入院に関しましては、7日以内といったところの定義がございますが、従前の入院日数、転院前の施設のものを引き継ぐという形で、一連の入院治療として対応できるのではなかろうかと思われます。
2つ目の○でございます。脳卒中においては、DPC/PDPSの定義は様式1において区分調査されておりますが、診断分類番号14桁の構成には、年齢、出生時体重が8桁目にございますが、一部分類分けされておりますのみで、詳細に群分類はされておりません。
脳卒中のみならず、急性心筋梗塞などの特定の疾患についても、発症後の日数による分類分けを付与するという事務局の提案で対応可能と思われます。
3つ目の○でございますが、現在、DPC/PDPSにおいて3段階、入院初期、中期、後期と設定されておりますが、入院初期の医療資源投入量は経時的に大きくなっているということが示されております。
DPC/PDPSにおいては、期間ごとの設定点数、日数をコントロールすることで対応可能と考えます。
回復期療養・地域包括ケア病棟の増加に伴って、中期に対する部分における入院が急性期病院においては減少傾向にあると思われますため、さらなる整備が必要だと考えます。
4つ目と5つ目の○に関しましては、短期滞在手術等の基本料2、3においては、DPC/PDPSへの移行となり、対象の手術等においては診療内容について一定程度の標準化が見込まれております。
今後は短期滞在手術等基本料2、3への移行、あるいは廃止することも整理して検討すべきと考えます。
医療機関別係数につきまして、感染症に関しましては、現在のコロナウイルス感染症の現状に関するところでは今とられているような臨時的な加算というのが現状でございますが、やがて沈静化して、2類相当のところから5類へ引き下げられたときには、事務局が示されておるように、ここもきちんと感染症の中に新型インフルエンザと同じような形で組み込むというのが現実的かと思います。
それから、G-MIS等による実績評価が非常に重要だろうと考えております。
「へき地」に関しましては、実際、ここに示されておりますように、大学病院本院群13施設、16%で、DPC特定病院群34施設、22%です。標準病院群228施設、15%と、地域貢献を評価するものとしては全体の1,756分の275、16%の施設しか取得しておりません。
このことは、もともと限られた施設のみが取得可能なものとなっておりまして、DPC/PDPSの参加施設全体が取得可能なものとはなっていないと考えますので、現状としては、加算等によるものが妥当ではなかろうかと考えております。
「災害」に関しましては、大学病院本院群、DPC特定病院群においては91%、82%というポイントを取得しておりますが、DPCの標準病院群では32%と格差が生じております。
平成30年度調査において、災害拠点病院におけるBCP策定は100%となっております。その他の医療機関においては25%ですが、今後、BPCの策定及びDMATの参加の促進については、現状の評価でいいのではなかろうかと考えております。
最後に、退院患者の調査につきまして、ここは超急性期病院としての外来体制の評価において、地域における専門的な外来としての機能を担う医療提供体制を評価すべきと考えます。
現状の外来データにおける評価方法として、実際的な内容としては、初診率、再診率、それから、透析患者等を除いて同一患者の年間受診回数、こういったものがきちんと評価の内容になっていくのではなかろうかと考えます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
私も論点に沿って、幾つか意見を述べさせていただきます。
まず、DPC/PDPSの評価方法の論点につきましては、データによりますと、他院から転院してきた患者が、介リハ病等に転院する前に一時的にDPC対象病棟を利用している実態があるように見受けられますが、このような取扱いは、入院分科会からの御指摘にもありますように、DPC制度の趣旨になじまないものと考えております。
治療目的で定義されていない診断群分類につきましては、同じ疾患であっても、治療目的とリハビリ目的とを区別するなど、臨床的な同質性のある診療行為または患者群に応じた病棟選択を促すことを検討してはどうかと考えております。
この観点から、2つ目の論点として挙げていただいているように、発症からの日数によって病態が変わる疾患について、発症日からの日数でさらに診断群分類を区別するということも一つの方法であろうと考えております。
3つ目の論点につきましては、46ページのデータで、経年的に入院初期に投じられる医療資源投入量が大きくなっていることは分かりますが、このデータのみでは判断が難しいものと思っております。
入院分科会からは、特に指摘がなかった事項でもあり、例えば、診断群分類、患者の状態、入院日数等に着目したさらなる分析が、議論を深めるために必要ではないかと考えております。
次に、短期滞在手術等基本料の論点につきましては、一定程度治療法が標準化され、短期間で退院が可能となる手術で、まだ対象となっていないものがある。また、逆に、対象となっているものに外来の治療が標準的になっているものや、平均在院日数の実態と基準が合致していないものがあるなど、実態と合っていない部分があるものと理解いたしましたので、実態に即した見直しを検討するという方向性に異論はござません。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私は論点の中で、最後のDPCデータの外来診療データに係る点についてだけコメントさせていただきます。
先ほど長島委員からの御質問に対する回答もお聞きした上でとは思いますが、いずれにしても、外来診療データ等も重要なデータとして今後広く集めていきたいという趣旨は理解しているつもりです。が一方で、今はまだまだ電カルが一般の診療所、中小病院まで広く普及しているとは言えない状況の中で、外来ファイルはとれるにしても、病名、特にICD-10についての病名等の入力については、まだまだ入力されていない状況が多いのではないかという実態も含めて、診療報酬改定のたびではなくて、もう少し大きなスパンで、数年にわたっているスパンの中で、この問題をどうやって前向きに取り組んでいくかというタイムスケジュール的なこともお示しいただいた上で、インセンティブをつけながら徐々に進めていく工程が必要ではないか、2年ごとに急にやるかやらないかということではなくて、そういうことも考えていただいて、中長期の工程の中で進めていただければと思っています。
以上です。よろしくお願いします。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、佐保委員、お願いします。
○佐保委員
ありがとうございます。私も論点に沿って3点ほど発言させていただきます。
DPC/PDPSの評価方法につきましては、先ほど安藤委員からの発言にもありましたように、入院分科会の分析結果を基に必要な見直しを行ってよいのではないかと考えております。
ただ、発症からの日数によって病態が変わる疾患について、発症からの日数でDPCを区別することで、より現実的なDPCになると思う反面、発症日等を全て医師に確認することにより、大きな負担増になるのではないかといった話は聞いております。
次に、医療機関別係数については、体制評価指数について、入院分科会の取りまとめにおける指摘事項でも示されているように、新型コロナウイルス感染症、へき地医療拠点病院の主要3事業、BCP策定といった項目でメリハリをつけて、DPC/PDPSの対象病院として果たす役割を強化してもよいのではないかと考えております。
退院患者調査、DPCデータにつきましては、論点に書かれている入院医療を担う医療機関の強化や役割を分析評価するための外来診療データの収集の在り方について、内容の拡充については理解いたしますが、データ提出作業により診療に影響が生じるのかどうかについては、さらに検討するための情報をいただきたいところであります。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
まず、DPC/PDPSの評価方法の関係でございますが、DPCが急性期入院医療の標準化を目的とした制度であるということを踏まえますと、真に急性期の医療を行っているということを評価することが非常に重要であります。
40ページと41ページにありますように、入院経路によって医療資源の投入量に違いが出ること自体が問題であると考えております。
他院から転院の患者と、自院に直接入院する患者で、診断群分類を区別することは当然必要であり、将来的には退出ルールというのを明確化していくべきであろうと考えております。
2つ目の論点ですけれども、発症からの日数によって病態が変わる疾患について、発症からの日数によって診断群分類を区別できるようにデータを収集して、よりよいDPC制度をつくっていく。ほかの委員さんからもございましたけれども、そういった方向に向けるべきであろうと考えております。
続きまして、3つ目の論点ですが、入院初期の医療資源投入量が経時的に大きくなっている状況については、入院期間に応じた3段階の点数の傾斜を見直すことに異論はございません。ただ、点数設計によって、医療現場にひずみ、混乱が生じないようにすることには十分注意する必要があると考えております。
4つ目は短期滞在手術等基本料ですけれども、入院分科会の意見も踏まえまして、実績がほとんどない基本料2は廃止する一方で、逆に、出来高点数のばらつきが少なく、短期間で退院できる疾患については、一入院包括を推進する観点からも積極的に基本料3に追加するべきであると考えております。
その際には、外来で実施可能なものは優先的に外来で実施するということも十分留意する必要があると考えております。
5つ目の論点でございますが、DPCの診断群分類のうち、点数設定方式Dの対象になっているものについて、今後なるべく短期滞在手術等基本料3の対象としていくべきでございます。
続きまして、医療機関別の係数でございますけれども、体制評価加算の評価項目として感染症を位置づけて、新型コロナ並びに新型インフルエンザを芽出しすることについては異論はございませんけれども、令和4年度改定で対応するということであれば、第8次計画に新興感染症が入るからということではなく、それ以外にコロナや新型インフルエンザのことが整っているかどうかを、どういった方法、どういった項目で確認していくかということも条件にして検討すべきであると考えます。
「へき地」についてでございますけれども、3事業の実績、災害についてはBCPの策定の完了というのを要件として明確化すべきであろうと考えます。
最後の退院患者の調査でございますけれども、外来診療の内容を、入院と同様により詳細に把握できるように、外来の提出データの内容を工夫するべきであると考えております。
先ほど一部の委員から負担の話もございましたけれども、そういった観点に関する検討もぜひ必要かと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。
飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
論点の最後にありますDPCデータの収集に関連しましてコメントなのですけれども、現在、医療機関別の手術件数は分かるということで開示されているのですが、患者が最も知りたい医療の質が分かるような、例えば、公的なデータベースというものがないという状況かと思います。
医療の質というのは当然必要な情報なのですけれども、それを把握するためには、入院の患者の属性等のリスク、調整ですとか、非常に詳細なデータが必要ですけれども、DPCデータではそういうデータの把握が当然可能となる可能性が高いわけで、そういうデータも含めて収集して公開していくことで、より患者にとってのDPC制度がよくなっていくのではないかと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、事務局より、先ほど長島委員から御質問ありましたけれども、御回答、コメントをよろしくお願いいたします。
○井内医療課長
データ提出に関して、医療機関の負担の実態についてということでございますが、皆様御存じのように、こういったデータをどうとっていくかということは、例えばデータ提出加算であったりとか、実態を踏まえた上で適時どういった加算にするとか、DPC病院であれば要件となっているというのもありますし、できるところをその都度、我々としても、届出医療機関数や分布を見ながら、その実態を踏まえて、中医協の中でも御議論いただいて決めてきたという経緯がございます。
医療機関の負担ということで、どういったデータを考えておられるかということは我々も分からないのですけれども、特に医療機関にこのデータを入力するのに具体的にどういった負担があるかというデータは持ち合わせておりません。
○小塩会長
ありがとうございます。
長島委員、お願いいたします。
○長島委員
さまざまなデータを提供する、特に新しいものを提供するとなると、例えば、電子カルテや医事会計システムの改修が必要になっていたり、院内の業務体制の変更が必要になるということで、さまざまな負担が生じる可能性があります。これは決して小さいものではないと思いますし、病院の規模は、先ほどお話がありましたが、例えば電子カルテの有無によっても大きく異なると思いますので、医療現場の負担ということは十分考えていただく必要があると思います。
医療の内容ということで、アウトカムというのは極めて重要でありますが、例えば、このアウトカムを含む電子カルテ等の情報に関しては、現在、次世代医療基盤法に基づく匿名加工によるデータ収集が始まっており、これが大いに期待できると思いますので、さまざまなデータ収集の方法がありますので、そういう広い視点で考えていく必要があると思っております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
事務局より御回答がございます。
○井内医療課長
DPCデータのところで、本日挙げさせていただいておりますのは、DPCの分野での議論でございますので、あくまでDPC病院ということで、今、長島委員からも御指摘がありましたように、電子カルテ等がかなり普及しているという前提の、そういった病院を対象としたところでの議論だという御理解をいただければと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。御質問等はございますでしょうか。
ほかに御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこの辺りといたしまして、今後、事務局におかれましては、本日委員の方々からいただいた御意見も踏まえて、対応を引き続きお願いしたいと思います。
本日の議題は以上です。次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
 


 
 

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