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2021年11月10日 中央社会保険医療協議会 総会 第495回議事録

○日時

令和3年11月10日(水)診療報酬基本問題小委員会終了後~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 鈴木順三委員 末松則子委員
城守国斗委員 長島公之委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 中村春基専門委員 田村文誉専門委員
保険医療材料等専門組織小澤委員長
費用対効果評価専門組織田倉委員長 福田専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○医療機器の保険適用について
○費用対効果評価専門組織からの報告について
○診療報酬基本問題小委員会からの報告について
○在宅(その4)について
○入院(その2)について


 
○小塩会長
それでは、ただいまより第495回「中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。本日は羽田専門委員が御欠席です。
それでは、早速、議事に入らせていただきます。
初めに「医療機器の保険適用について」を議題といたします。
本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。小澤委員長より御説明をお願いいたします。
失礼いたしました。今、調整中でございますので、次の議題から議論を進めたいと思います。その後で「医療機器の保険適用について」は議論していただきたいと思います。
それでは「費用対効果評価専門組織からの報告について」を議題といたします。
本日は、費用対効果評価専門組織の田倉委員長、福田専門委員にお越しいただいております。田倉委員長より御説明をお願いいたします。
〇田倉委員長
費用対効果評価専門組織委員長の田倉です。
「中医協 総-2-1」の資料を御覧ください。医薬品等の費用対効果評価案についてですが、ノクサフィル錠について費用対効果評価案を策定いたしましたので、御報告いたします。なお、当面の間は専門組織での検討状況についても資料に詳しく記載しております。
2ページ目を御覧ください。対象品目はノクサフィル錠です。効能または効果は上段に記載しております。上段に、費用対効果評価専門組織で決定した費用対効果評価案を記載しております。また、下段に、補足として分析対象集団のICERの区分を記載しております。
3ページ目からは、参考としてノクサフィル錠の費用対効果評価案策定に係る主な検討事項を記載しております。深在性真菌症発生率と死亡確率の設定が論点となり、さらなる検証として公的分析による追加分析を実施し、公的分析による再分析及び追加分析の結果をもって本品目の評価といたしました。
続きまして「中医協 総-2-2」の資料を御覧ください。費用対効果評価の指定品目であるカボメティクス錠に関し、企業分析の提出に遅れがあり、専門組織においてその理由の妥当性を検証いたしましたので、御報告いたします。
医薬品、医療機器及び再生医療製品の費用対効果評価に関する取扱いにおいては、製造販売業者は、中央社会保険医療協議会総会において対象品目が指定された日から分析データ等を原則として9か月以内に費用対効果評価専門組織に提出しなければならないこと、提出期限までに分析データ等を提出することができなかった場合には分析データを提出する際にその理由を付すこと、及び費用対効果評価専門組織は当該理由の妥当性を検証し、当該検証結果を中央社会保険医療協議会総会に報告することとされております。
本件カボメティクス錠につきましては、令和2年5月13日に中医協総会で指定され、令和3年2月13日が企業分析の提出期限とされておりました。その後、企業分析中の令和2年11月27日に肝細胞に対する効能追加がなされました。腎細胞に対する企業分析が提出されたのは令和3年2月12日でございましたが、追加効能である肝細胞に対する企業分析が提出されたのが令和3年8月20日でありました。中段に、提出期限までに分析データ等を提出することができなかった理由に係る企業の主な説明内容を記載しております。費用対効果評価専門組織で当該理由の妥当性を検証いたしましたところ、本件に係る企業説明について妥当性があると判断いたしました。
御説明いたします内容は以上となります。
○小塩会長
ありがとうございました。
事務局から補足はございますでしょうか。
○中田医療技術評価推進室長
特にございません。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、1つ前の議題に戻りまして「医療機器の保険適用について」を議題とさせていただきます。小澤委員長から御説明をお願いいたします。
○小澤委員長
小澤でございます。申し訳ございませんでした。
それでは、説明させていただきたいと思います。「中医協 総-1」の資料を御覧ください。今回の医療機器の保険適用は、C1が2製品2区分とC2が2製品2区分でございます。
2ページ目を御覧ください。販売名は、Euloc Fixationシステムでございます。
5ページ目の製品概要を御覧ください。本品は、橈骨遠位端骨折及び尺骨骨折において骨折部の固定及び安定化を目的として使用する製品でございます。
2ページにお戻りください。価格につきましては、原価計算方式で評価いたしました。この結果、最終的な価格を3万400円といたしました。外国における販売実績がないことから外国平均価格との比はございません。
次に、6ページ目を御覧ください。製品名は、ULTRASCORE Scoring PTAバルーンカテーテル035OTWです。
9ページ目、製品概要を御覧ください。本品は、経皮的血管形成術において、一般型バルーンカテーテルによる拡張に対して抵抗性の病変の拡張等を行う目的で使用するバルーン拡張式血管形成術用カテーテルでございます。
6ページにお戻りください。価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価いたしました。この結果、最終的な価格を9万7100円といたしました。外国平均価格との比は0.97です。
次に、10ページ目を御覧ください。製品名は、オンコタイプDX乳がん再発スコアプログラムでございます。
13ページ目の製品概要を御覧ください。本品は、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の早期浸潤性乳がん患者の腫瘍組織から抽出した21遺伝子のRNA発現の定量値に基づき、再発スコアを算出し、遠隔再発リスクの提示及び化学療法の要否の決定を補助する目的で使用する製品でございます。
10ページにお戻りください。価格につきましては、本品は、特定保険医療材料としては設定せず、新規技術料にて評価することが適当と保材専として判断いたしました。このため、外国平均価格との比はございません。
次に、14ページ目を御覧ください。製品名は、術中MRイメージング装置のOPERADA Openでございます。
17ページ目の製品概要を御覧ください。本品は、脳神経外科手術において手術室内でMR検査を実施するために汎用電動式手術台及び頭部手術用クランプと組み合わせて使用する製品でございます。
14ページにお戻りください。価格につきましては、本品は、特定保険医療材料としては設定せず、新規技術料にて評価することが適当と保材専として判断いたしました。このため、外国平均価格との比はありません。
御説明いたします内容は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
事務局より補足がございましたら、よろしくお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
特にございません。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。松本委員、お願いいたします。
〇松本委員
ありがとうございます。
まず、提案のありました医療機器につきまして、いずれも保険適用については異論はございません。
ただ、それを踏まえまして、1点コメントがございます。乳がん再発スコアプログラムでございますけれども、患者の安全・安心につながるプログラム医療機器ということで、非常に期待も高いかと思います。一方、患者数も非常に多く、予測販売額もそれなりの規模ということで認識しておりますので、適切な運用をお願いしたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。御要望として承ります。
ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。
特にないようですので、本件につきましては、中医協として承認することでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
次の議題に移ります。「診療報酬基本問題小委員会からの報告について」を議題といたします。本件につきましては、診療報酬基本問題小委員会において議論を行ったところですが、小委員会で頂いた御意見も含めて事務局より説明をお願いいたします。
〇中田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
先ほど開催されました診療報酬基本問題小委員会におきまして、福井医療技術評価分科会長より医療技術評価分科会における議論の進捗状況について報告がありました。
資料「総-3」、1ページ目を御覧ください。
まず「1.現状について」のところにこれまでの経緯が記載されております。
次に「2.令和4年度診療報酬改定に向けた対応について」です。こちらでは、今年2月の医療技術評価分科会における議論につきまして、基本問題小委員会に報告した内容が記載されております。
最後に、2ページの中段を御覧ください。「3.令和4年度診療報酬改定に向けた医療技術評価等の進め方について」でございます。こちらでは個別の提案の評価等の進め方について記載されております。
事務局からの報告は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「在宅(その4)について」を議題といたします。
まず、在宅医療について事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
〇井内医療課長
それでは、資料「総-4-1」でございます。「在宅(その4)在宅医療について」を事務局で準備させていただきましたので、御説明させていただきます。
2ページは「1.在宅医療の現状等について」ということで、在宅医療の部分でございますが、こういった論点で本日考えております。
3ページ目以降でございます。まず「1-1 在宅医療を取りまく状況について」ということで、3ページは日本の人口の推移、4ページは日本の人口ピラミッドの変化、5ページは主な死因別に見た死亡率の推移、6ページは、みとりに関わる状況、死亡数の将来推計、7ページは要介護認定者数の見通し、8ページは死亡場所の推移、9ページは年を取って生活したい場所(状況別)でございます。10ページは在宅医療の体制について、在宅医療の体制構築に係る指針による在宅医療提供体制のイメージでございます。11ページは在宅医療の体制ということで「医療計画の見直し等に関する検討会」で出された資料です。12ページ、同検討会ですが、介護施設・在宅医療等の新たなサービス必要量の考え方、13ページは2025年に向けた在宅医療の体制構築ということで、病床の機能分化、連携に伴い生じるニーズ、高齢化の影響による増加、ニーズということでまとめたものを挙げさせていただいております。14ページは訪問診療を行う診療所・病院数に関する目標設定、15ページは重点分野に対応していくための課題整理と7つの柱の策定ということで挙げております。
1-2のところからは小児の在宅医療の現状をまとめております。
17ページは医療的ケア児数ということで、年齢階級別の医療的ケア児の数ということで、左側が年齢階級別の医療的ケア児の年次推移、右側が年齢階級別の人工呼吸器を必要とする児童数の年次推移でございます。
18ページは医療的ケア児ということで御説明させていただいております。医療的ケア児とは、医学の進歩を背景として、NICU等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のことでございます。
19ページは在宅医療に係る主な指摘事項ということで、総会において頂いた御意見でございます。
20ページからが「2.小児の在宅医療について」ということでございます。まずは、緊急往診加算についてでございます。
21ページは現在の診療報酬の評価でございますが、まず、ベースに往診料720点というのがございます。往診料の加算についてということで、緊急往診加算、夜間・休日往診加算、深夜往診加算がございます。その下にそれぞれの要件ということで、緊急往診加算の部分につきましては、往診の結果、急性心筋梗塞、脳血管障害、急性腹症等が予想される場合が要件とされております。
22ページが往診料等の算定回数ということで、折れ線グラフが往診料全体のスケールでございます。そのうち、先ほど申し上げた各種加算が算定されているというのが下の棒グラフの積み上げで、この程度の割合でございます。
23ページは緊急の往診についてということで、小児において緊急の往診が必要となる病態のうち、多いものということで挙げております。棒グラフのほうから見ますと、発熱、呼吸不全、がん終末といったものが多くなっていて、上のほうでは急性の呼吸不全、嘔吐、けいれん、発熱が多いという報告もあります。先ほどの要件とは少し違っているというものでございます。
24ページからは「2-2 在宅がん医療総合診療料について」でございます。
25ページはわが国における専門的緩和ケアということで、緩和ケアチームが在宅ケア、緩和ケア病棟を診て、入院医療と在宅医療、切れ目なく対応するという形になっております。
26ページは小児がんにおける現状と課題でございます。成人の希少がんとは異なる対策が求められるというような年齢による特性が挙げられております。
27ページに小児がん対策のこれまでの経緯をまとめております。
そこを踏まえまして、28ページは在宅医療における診療報酬上の評価構造ということで、定期的に訪問して診療を行った場合の評価、総合的な医学的管理等を行った場合の評価、指導管理等に対する評価がありまして、右側に在宅がん医療総合診療料が構成されていて、これらを組み合わせて算定する形になっております。
29ページは自宅で療養する末期の小児がん患者に訪問診療を行った場合の報酬でございます。そのイメージを下に書いておりますが、在宅がん医療総合診療料には、注射による鎮痛療法と専門的な在宅療法に係る指導管理料が包括されているということでございます。
30ページは小児に対する緩和ケアについてということで、成人と子供の緩和ケア、成人と子供が異なる点を御報告いただいたものを挙げさせていただいております。この中では、疾病の種類が多い、まれな疾患が多い、経過も異なる、知的あるいはコミュニケーションに障害がある子供へのケアに特殊な技術を必要とする等々、疾病に対してもしくはその周辺部分に関して違いがあるということでございます。
31ページは、成人と小児のがん患者における終末期在宅医療の比較です。がんの種類ですが、左側が成人、右側が小児です。小児のほうでは脳腫瘍が非常に多くなっているという傾向がございます。
32ページも終末期の在宅医療の比較ですが、初回の訪問診療から永眠までの期間ということで、小児のほうが長くなっております。
33ページは、左側が代表的な静注用麻薬製剤の使用量、右側が輸血量ということで、いずれも小児のほうが多く使用しております。
34ページに、今、申し上げましたようなことをまとめております。
35ページからは「3.救急搬送診療料について」でございます。
36ページに現在の救急搬送診療料の概要を挙げております。救急搬送診療料が1300点、加算として長時間加算、新生児加算、乳幼児加算が算定できる構成になっております。
37ページは、今般、コロナに関しまして、特に脚光を浴びたECMOでございますが、ECMO装着患者搬送の概要を挙げております。現状、医療現場で行われているのは2パターンあると聞いております。1つ目がPrimary transport、2つ目がSecondary transportで、搬送元医療機関に搬送チームが出向き、ECMOを導入してから搬送するパターン、もしくは既にECMOが導入されている患者を搬送するパターン、2パターンあると聞いております。
38ページは、重症者治療搬送調整等支援事業ということで、集中治療の専門家等の派遣のスキームがまとめられているので挙げております。
39ページは「重症患者搬送のガイドライン(案)」ということで、現在、これを日本集中治療医学会等で作成していると聞いております。
40ページに、今、申し上げたところをまとめております。
42ページは「在宅医療に係る論点」ということです。
まず、緊急往診加算についてということで、成人と小児における緊急の往診の際の疾病等が異なること等を踏まえ、要件の在り方についてどのように考えるかということ。
2つ目が在宅がん医療総合診療料についてということで、成人と小児における在宅の末期がん診療の在り方を踏まえつつ、在宅で療養する末期の小児がん患者に訪問診療を行った場合の評価の在り方についてどのように考えるか。
3つ目が救急搬送診療料についてということで、救急搬送診療料においては、高次の医療機関へ送ることがある実態や、ECMO等を装着した患者の搬送に係るガイドラインが策定されたことを踏まえて、この評価をどのように考えるかというものでございます。
在宅医療の部分については以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、引き続きまして、在宅歯科医療について事務局より御説明をお願いいたします。
○宮原歯科医療管理官
歯科医療管理官でございます。資料「総-4-2 在宅(その4)在宅歯科医療について」に沿って御説明いたします。
本日御説明させていただく内容は、2ページに掲げている項目に沿って御説明させていただきます。
3ページ目から「1.在宅歯科医療の現状について」に関する資料です。
4ページ目は、歯科訪問診療を提供している歯科診療所の割合と、1医療機関当たりの実施件数の状況です。青い折れ線や棒グラフの居宅に比べてオレンジ色で示した施設への歯科訪問診療の増加が顕著な状況となっております。
5ページ目は都道府県別の歯科訪問診療の実施医療機関の割合を、6ページ目には、8月4日の中医協でお出ししたものですが、歯科診療の内容ごとの年齢階級別の外来受療率を示しております。
7ページ目、8ページ目も8月4日の中医協でお出しした資料ですが、要介護高齢者に対する歯科医療の必要性に関するものを示しております。
9ページ目は3か月間に歯科医師が訪問した建物数について見たものでございます。1~4か所が最も多くなっている状況でございます。
10ページ目は歯科診療所の従事者数を示したものですが、歯科医師が常勤換算で1.4人など、小規模の中で診療が行われている状況となっております。
11ページ目は歯科診療所が歯科訪問診療を実施している時間帯について見たものです。約4割の歯科診療所は外来診療時間の前後や昼休みに実施している状況となっております。
12ページ目の写真は歯科訪問診療の際に必要となる器具等をお見せしたものでございます。
13ページ目は在宅療養支援歯科診療所以外の歯科診療所における歯科訪問診療の実施状況を示しております。
14ページ目は歯科訪問診療の1、2、3の区分ごとの実施施設数を示しております。
15ページ目は、令和元年6月に歯科の外来、7月に歯科訪問診療を行った患者の状況を見たものです。約3割の患者は歯科の外来を受診した歯科医療機関とは市区町村コードが異なる歯科医療機関で歯科訪問診療を実施した状況となっております。
16ページ目は年齢階級別の歯科訪問診療の患者数であり、19歳以下でも一定数の患者が見られます。
17ページ目は歯科訪問診療を実施した患者の状態像でございます。50%を超えるものとしては、脳血管障害、認知症、高血圧性疾患、心疾患以外にパーキンソン病なども見られております。
18ページ目は中医協における在宅歯科医療に関する主な御指摘をまとめたものでございます。
19ページ目からは「2.歯科訪問診療において提供される医療について」の資料です。
20ページ目は令和2年度分を加えた歯科訪問診療料の算定状況です。歯科訪問診療1や2に比べて、歯科訪問診療3は20分未満の割合が多い状況となっております。
21ページ目は、歯科訪問診療1、2、3の区分別の20分以上と20分未満の割合を見たものです。令和2年度においては歯科訪問診療1は20分未満が約6%、他方、歯科訪問診療3は20分未満が約70%となっております。
22ページ目は、歯科訪問診療1、2、3の区分別の診療の内容を見たもので、歯科訪問診療1では補綴関係、義歯の修理や新製が多い傾向にあり、他方、歯科訪問診療3については口腔衛生や医学管理が多い傾向が見られます。
23ページ目は平成28年度診療報酬改定において新設されました在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料の概要と算定回数の推移を見たものです。
24ページ目は在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料を算定していない理由を調べたものでございます。
25ページ目は平成30年度診療報酬改定において新設されました小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料の概要と算定回数の推移です。
26ページ目は小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料を算定していない理由を調べたものでございます。
27ページ目は、在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料と小児の在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料に要する時間について、日本歯科医学会のタイムスタディー調査の結果を紹介したものです。小児の場合は、成人の在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料の約1.5倍の時間を要している結果となっております。
28ページ目に、小児在宅患者に対して歯科医療を提供する際の留意点や必要な対応等について、2021年4月に策定されました日本障害者歯科学会の「小児在宅患者歯科医療の手引き」から引用して紹介しております。心理的な要因等による筋緊張亢進状態への対応や誤嚥対策としての対応、口腔への接触拒否等があるための過敏を取り除く訓練が必要となる状況などを示しております。
29ページ目に、これまで申し上げた歯科訪問診療において提供される医療に関する課題をまとめております。
30ページ目からは「3.在宅療養支援歯科診療所について」に関する資料です。
31ページ目は、在宅療養支援歯科診療所1と2の届出医療機関数の年次推移とともに、下の表には在宅療養支援歯科診療所の診療報酬上の評価を示しております。
32ページ目に在宅療養支援歯科診療所1の届出を行っていない理由を、また33ページ目には在宅療養支援歯科診療所そのものの届出を行っていない理由を示しており、過去1年間の歯科訪問診療1または2が10回以上算定していないことや、過去1年間における在宅を担う他の保険医療機関や介護保険施設等からの依頼による歯科訪問診療料の算定が5回以上となっていないことが多くなっております。
34ページ目は在宅療養支援歯科診療所の施設基準を整理したものでございます。
35ページ目は9ページ目の歯科訪問診療における訪問建物数と訪問先についての資料の再掲です。
36ページ目も、11ページ目にございました歯科訪問診療等を最も多く実施した時間帯についての資料の再掲です。
37ページ目は歯科訪問診療を実施したきっかけでございます。自院に通院歴のある患者・家族等や介護関連施設等からの依頼・紹介のほか、医科の医療機関からの依頼・紹介も一定の割合で見られます。
38ページ目は、在宅療養支援歯科診療所における医科の医療機関との連携、介護保険施設等との連携の具体的な内容を示しております。
39ページ目です。在宅療養支援歯科診療所が地域の在宅医療や介護を推進するために取り組んでいる内容として、個別の患者に関する他の医療機関への情報照会が最も多く、次いで介護関係者への情報照会のほか、地域の医療・介護関係者等が参画する会議への参加となっておりました。
40ページ目は、歯科診療所が他の医療機関や介護施設等と連携を行うきっかけを示したものでございまして、連携先である先方からの依頼が最も多く、次いで歯科訪問診療を行った患者を通じた関わり、地域の歯科医師会の事業または依頼となっております。
41ページ目は、平成29年12月に策定されました「歯科保健医療ビジョン」において示されました高齢化の進展等を踏まえた地域における歯科保健医療の提供体制のイメージを表したもので、これを紹介しております。
42ページ目には、これまで申し上げた在宅療養支援歯科診療所に関する課題をまとめております。
43ページ目から「4.在宅歯科医療における他職種との連携について」の資料です。
44ページ目は37ページ目の歯科訪問診療を実施したきっかけを再掲しております。
45ページ目は、在宅医療に関する医科歯科連携を推進する観点から医科点数表に設定されております診療情報提供料1の歯科医療機関連携加算1の概要と算定回数です。在宅療養支援診療所または在宅療養支援病院から歯科訪問診療の必要性を認めて歯科の医療機関へ情報提供を行った場合に加算の対象となるものでございます。
46ページ目、47ページ目です。在宅療養支援歯科診療所または在宅療養支援病院以外からも医科の外来から歯科医療機関に歯科訪問診療を依頼される場合がございまして、この具体的な例をお示ししております。
48ページ目に、こうした在宅医療における他職種との連携に関する課題をまとめております。
最後、50ページ目でございます。「在宅歯科医療に係る論点」としまして、歯科訪問診療として提供される医療について、実際に行われる診療行為の内容や診療時間などを踏まえ、評価の在り方についてどのように考えるか。
また、患者像を踏まえ、在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料、小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料の評価の在り方についてどのように考えるか。
在宅療養支援歯科診療所について、医科医療機関等との連携状況や訪問箇所数の実態を踏まえ、在宅歯科医療の質を確保しつつ、さらに推進する観点から、施設基準の在り方をどのように考えるか。
円滑な在宅歯科医療の実施の観点から、医科医療機関と歯科医療機関の外来から在宅に移行する場合の連携に関する評価についてどのように考えるか。
以上を挙げております。
事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明も踏まえて、項目ごとに分けて議論したいと思います。
最初に、在宅医療について議論したいと思います。御意見がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
それでは、42ページの論点についてコメントさせていただきたいと思います
まずは、緊急往診加算についてであります。緊急往診加算は、標榜時間内、つまり外来で患者さんを診療しているときに、その診療を一時中断してでも往診が必要であると判断した場合でありまして、その対象疾患としては急性心筋梗塞等とされているわけですが、小児におきましては、緊急往診というものが必要となる病態が成人とはかなり異なりますので、小児の病態、またその急性の変化を踏まえた評価を工夫するということが必要であろうと思います。症例数が必ずしも多くない中で、事務局には現場の実態を収集していただいておりますが、今後もこういった実態に基づき、整理していただきたいと思います。
次は、在宅がん医療総合診療料についてであります。成人と小児の末期がんに対する在宅対応が異なることから、包括点数である現行の在宅がん医療総合診療料を小児の末期がん患者に対する在宅医療を評価した点数に改編することを検討してはどうかと考えます。こうした不合理の是正によって小児在宅医療への参加医療機関が増えることに期待したいと思います。
また、在支診、在支病以外の医療機関でも、かかりつけのがん患者さんに対して在宅医療に尽力されている場合も多々ございますので、そのような場合の評価を検討することも必要であろうと考えます。
最後が救急搬送診療料についてですが、今回のコロナ禍において日本集中治療医学会や日本ECMOnetに御尽力いただいて、ECMO装着患者さんを含めた重症患者さんの転院搬送などが行われたわけでございますが、診療報酬上の評価はありませんでした。ガイドラインが策定された上で、ガイドラインに従った対応をした場合、救急搬送診療料に新たに評価の区分を設けることを検討してよいと考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私も今の城守委員と同じような意見ですが、論点に沿って、まずは緊急往診加算についてです。特に小児の場合、お示しされた例以外にも、特に呼吸器をつけている状況で、私自身も数例持っているのですが、気管切開部のトラブルによって急に呼吸が不全を起こして、緊急で往診要請が出ること等を含めて、かなりそういう緊急性が高い状況が日中も起こり得るということで、特に医療的ケア児の在宅に関してはこういうことも起こり得るという例を何度も経験していますので、ぜひそういう意味で見ていただけるとありがたいと思います。
さらに、救急搬送診療料ですが、福井県も実はECMOに対応できる医療機関が少のうございまして、機器は準備しているけれども、それをきちんと扱える医師、看護師等がいないということで、第1波、第2波のときには県をまたいでの広域の搬送をECMOnetにお願いしたということで、ボランティアでお願いした経緯がありますので、これもぜひ御検討いただけるとありがたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
私のほうからは救急搬送診療料につきまして意見を述べさせていただきます。ECMO等を装着した患者搬送の重点化という方向性は理解いたします。ガイドラインに沿ったものとするのかなど具体的な要件設定について今後さらなる議論が必要であると考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
緊急往診加算について、成人と小児における往診の際の疾患等が異なることについて、子供の医療の充実として理解するものの、しっかりとした要件づけが必要と考えております。
また、在宅がん医療総合診療料について、末期の小児がん患者への訪問を行った場合の評価については、33ページに書かれている医療の比較から見れば理解できると考えます。
救急搬送診療料については、例えばECMO装着患者など、対象者を限定した評価については理解したいと考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
論点に関しましては、城守委員、池端委員の発言に賛同いたしますが、特に救急搬送診療料のところで出てきております今回のECMOの装着だけではなくて、これは管理も物すごく人手が要るということです。ですから、新たにこういうきちんとしたガイドラインに基づいた救急医療が行われるということであれば、これについてはそれに相当する評価をきちんとつけていただきたいというのが意見でございます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
小児に特に焦点を置いた緊急往診であるとか、あるいは在宅のがん医療に関して、さらにはコロナも踏まえた重症者の搬送については、いずれも重要な課題であると考えておりますので、今回、いろいろな形で対応していくことについては十分理解をしております。患者が質の高い医療を受けられるように提供体制の充実も併せて推進する必要があると考えております。また、重症者の搬送につきましては、ガイドラインを策定と聞いておりますので、それを十分確認して今後の検討をしていきたいと考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
次に、在宅歯科医療について御意見等を頂きたいと思います。いかがでしょうか。田村専門委員、お願いいたします。
○田村専門委員
すみません。先に林委員からお願いいたします。
○小塩会長
失礼しました。では、林委員からお願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
地域包括ケアシステムの推進に向けて、昨年、日本歯科医師会が発刊しました「2040年を見据えた歯科ビジョン」でも言及しておりますように、在宅歯科医療に関しましても推進に尽力してまいりました。今後も重要課題と位置づけ、地域保健におきましても、引き続き啓発していくべきと考えております。
地域歯科医療を担う歯科医師自身の高齢化も進む中、各地域における歯科医療提供体制については喫緊の課題と考えております。現在、在宅歯科医療は歯科診療所の2割ほどの実施状況であり、できるだけ実施する医療機関が増えるように裾野を広くするような検討が非常に重要と考えておりまして、本日、参考資料も提出させていただいておりますので、御参考にしていただければ幸いでございます。
その上で、50ページの論点に沿って意見を発言いたします。まず、歯科訪問診療において提供される医療についてですが、1つ目の実際に行われる場所や診療行為内容や時間の違いによる評価の在り方については、賛同いたします。実施する歯科医師や歯科専門職が納得できるような、メリハリのある評価にお願いいたしたく思っております。
2つ目の小児訪問口腔リハにつきましては、新設以降なかなか数が増えていない状況でございますが、医療的ケア児等を含めて、お口の問題への対応は課題でございますので、時間や手間に見合った評価とともに、より連携が進む方策も必要と思います。また、課題として、小児から青年期への年齢の移行に伴う提供体制なども訪問口腔リハの推進とともに解決していっていただきたいと思っております。
次に、在宅療養支援歯科診療所についてですが、届出医療機関ではそれ相当の実施実績がある一方で、ある決まった医療機関への集中や、かかりつけ歯科医と分断される問題などが地域歯科医療現場ではあると聞いております。せっかく歯援診1と2に段階的に在宅を実施する施設基準を設けておりますので、1は、より専門的に、2は、より裾野が広がるような工夫をお願いしたいと思っております。
今回の資料にもありますように、在宅歯科医療は、ある一定程度の準備が必要な上に、急な依頼にすぐに対応できる歯科診療所も少ない中、昼休み時間や診療後に工夫して実施している実態もございますので、小規模な歯科診療所においても外来においてかかりつけだった方への在宅歯科医療が継続できる工夫をさらにお願いしたいと要望いたします。
最後の他職種連携についてですが、非常に重要な課題と考えております。介護施設やケアマネジャーのみならず、医科診療所や歯科のない病院並びに薬局など、幅広く患者情報を共有できるような工夫が必要と考えています。コロナ禍において、基礎疾患の訪問診療は継続されているものの、口腔の管理は延期になったケースも多かったように聞いております。平時より誤嚥性肺炎予防や口腔健康管理が感染予防につながることや、栄養改善のための口腔機能の維持向上など、歯科が関わることで在宅や施設療養者のQOLに貢献できると考えておりますので、外来診療からの移行も含めて、さらに推進できるよう配慮を頂きたいと考えています。
また、後ほど田村専門委員のほうからも在宅歯科医療に関する発言をお願いしたく思っておりますので、よろしくお願いいたします。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、田村専門委員、関連して御発言をお願いできますでしょうか。
○田村専門委員
ありがとうございます。
それでは、専門委員として意見を述べさせていただきます。歯科訪問診療を実施した患者の状態像についてでありますけれども、17ページにお示しされているように、脳血管障害や認知症以外にも様々な障害・疾患を有する患者さんが対象となっています。パーキンソン病の患者さんも増えているというデータがございますが、パーキンソン病をはじめとした神経筋疾患は進行性の疾患であるため、原疾患の病状悪化の状態、スピードに合わせた対応が歯科訪問診療でも必要となっています。
次に、小児患者の対象年齢についてです。小児の歯科訪問診療の対象は、医療的ケア児、重症心身障害児、また小児がん等の有病児など、在宅で療養する小児です。これらの患者さんへの歯科訪問診療は、小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料で対応しておりますが、その対象年齢が15歳未満となっています。そのため、15歳以上の年齢の場合に現場では難しさを感じることも少なくありません。15歳以上では在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料等で算定することになりますが、小児のときと要件が異なるため、算定できないケースもあります。健常な小児の口腔機能発達不全と異なり、重度の障害のある子供たちは加齢とともに障害が改善していくことは少なく、むしろ障害が重症化し、さらに歯科的対応も困難となっていくことが想定されます。15歳以上の年齢になってもスムーズな移行ができるよう御検討いただきたく思います。
次に、患者の重症度、特に呼吸管理を行っている小児の診療についてです。歯科訪問診療では、12ページにあるように、かなり多くの器具器材が必要です。また、27ページのタイムスタディー調査にもあるように、小児の歯科訪問診療では診療時間が他と比べて長くかかっています。28ページにお示しいただいたように、感覚過敏への対応や姿勢調整など特別な対応が必要となっていることも要因にあります。人工呼吸管理を行っている患者さんも多く、呼吸不全が強い場合や嚥下障害が重度な場合は歯科診療の難易度が高くなります。患者さんの重症度に応じた対応について御考慮いただけると助かります。
最後に、他職種との連携の必要性についてです。医療的ケア児や重症心身障害児は歯科診療において特別な対応が必要なため、小児の歯科訪問診療を行っている歯科医院は全国的に充実しているわけではありません。そのため、歯科を保護者が自ら探すことは困難な現状にあります。これまで小児の歯科訪問診療の紹介元は、主に在宅医、病院主治医、訪問看護、訪問リハからとなっています。NICUやPICUから在宅に戻るタイミングに合わせて医科から歯科に御依頼いただくことで小児の歯科訪問診療の実施が可能となり、在宅療養児の口腔機能、歯科疾患の重症化予防につながると考えます。
以上です。よろしくお願いいたします。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
歯科訪問診療において提供される医療については、先ほど林委員が述べられたように、居宅や介護保険施設、病院など、診療行為や診療に要する時間を踏まえて、メリハリを利かせることが必要であると考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
在宅歯科医療につきましては、特に高齢者の口腔ケアのニーズが増えているものの、それに応えられていないというのが現状ではないかと認識しております。この前提で、在宅療養支援歯科診療所の論点につきまして、歯科訪問診療の算定件数が過去1年間で10回以上、他の医療機関等からの依頼による実績が過去1年間で5回以上という点が届出を行っていない理由と回答している診療所が一定数存在しております。これらの要件につきましては、例えば算定件数であれば平均して月1回未満の頻度となっており、これ以上の緩和は望ましくはないと考えておりますが、例えば地域内での連携不足など、満たすことができない要因を分析することが必要ではないかと考えております。
また、先ほど田村専門委員からのお話がありましたけれども、在宅歯科医療について、例えば15歳以上の方を診療したときに診療報酬の適用ができないとか、その辺の不合理な部分がまだ現状の診療報酬の体系に残っているようですので、その部分については改めるというような検討も行っていいのではないかと考えます。
○小塩会長
よろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは、続きまして、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
私からは、論点の中の在宅歯科診療における他職種連携に関連して発言させていただきたいと思います。以前、在宅の議論で発言させていただきましたが、歯科医師と薬剤師、歯科診療所と薬局の連携推進も重要なポイントであると考えます。特に薬局薬剤師が在宅訪問する際には、取り扱っている商品として口腔ケア商品等も併せて提供する機会もあります。そういった中で、薬剤師がその際にチェックシートあるいはチェックリストなどを活用して口腔チェックを行って、必要に応じて歯科医への受診勧奨を行うなど、歯薬連携の取組は今後ますます重要になってくると考えます。薬剤師会としてもこれらの取組は地域ごとに引き続き推進してまいりたいと思っております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
まず、資料の5こま目に都道府県別の実施医療機関の割合が出ておりますけれども、地域差が非常に大きいということは8月の総会でもコメントが出ております。当然、地域特性は考慮する必要があると思いますが、もし地域の連携とかで好事例があれば、それを情報共有するということで、少しでも実施機関を増やすということをぜひ検討いただければと思います。
続きまして、21こま目、22こま目に、歯科訪問診療料につきまして、人数等の区分において診療の時間とか行為に非常に違いが見られております。適正化の視点からすると非常に重要であるということを改めて指摘しておきたいと思います。
最後に、訪問口腔リハビリあるいは在宅療養支援歯科診療所について、先ほど安藤委員からもコメントがありましたけれども、積極的に地域のニーズに応えていこうという意識から変えていかないと、評価だけで提供が進んでいくのかというのは若干疑問を感じております。特に、先ほどコメントがありました在宅療養支援歯科診療所につきましては、回数そのものは決して多いとは認識しておりませんので、先ほど緩和はないというコメントがありましたけれども、より厳格化する必要があるのではないかと考えております。
以上であります。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御意見等ございますでしょうか。林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
在宅療養支援歯科診療所ですけれども、機能に応じて役割をしっかりと担っていきたいということで、在宅医療を推進していくということを論点に考えてはおりますが、役割の中でも1と2という機能、先ほど申しましたけれども、役割分担がございますので、そういったところで裾野を広げてしっかりとニーズに応じた対応をしていきたいと考えておりますので、よろしく御配慮のほどお願いしたいと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
本件につきましても委員の方々から多くの貴重なコメントを頂きました。今後、事務局におかれましては、本日頂いた御意見を踏まえて対応を引き続きお願いしたいと思います。
それでは、ここで休憩を挟みたいと思います。10時25分再開といたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
(休 憩)
 
○小塩会長
それでは、再開いたします。
次の議題といたしまして「入院(その2)」をお願いいたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、事務局より資料「総-5 入院(その2)」に沿って御説明させていただきます。
2ページは大項目でございます。「急性期入院医療について」ということで準備させていただいております。
3ページは病床の種類別に見た病床数の年次推移、4ページは入院料別の病床数の推移、5ページは病床種類別の平均在院日数の推移、6ページは入院料別の平均在院日数の推移でございます。これが一般病棟入院基本料です。
7ページに入院料別の病床稼働率の推移を挙げております。
8ページは入院料ごとの入院患者の主な傷病でございます。
9ページはDPC対象病院の推移、10ページは診療報酬における機能に応じた病床の分類のイメージということで、一般病床と療養病床、DPCであり、有床診療所が下のほうに入っているという形で、精神病棟もその下ということで、イメージ図、数等を挙げております。
11ページは、地域医療構想がまとまっておりますので、挙げております。
12ページは病床機能報告制度についての御説明、13ページは2019年度病床機能報告ということで、右側から2つ目に2025年度の見込み、高度急性期、急性期、回復期、慢性期、一番右は地域医療構想における2025年度の病床の必要数で、こうなっているというものでございます。
14ページは「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進する医療法等の一部を改正する法律」の概要ということでまとめております。医師の働き方、各医療関係職種の専門性の活用、地域の実情に応じた医療提供体制の確保等をまとめております。
15ページは、新型コロナウイルス感染症対応を踏まえた今後の医療提供体制の構築に向けた考え方ということで、令和2年12月15日の「医療計画の見直し等に関する検討会」の資料でございます。医療計画の記載事項に「新興感染症等の感染拡大時における医療」を追加ということで、いわゆる5事業に追加して6事業に、第8次医療計画から追加ということでございます。
16ページは今後の地域医療構想に関する考え方と進め方、15ページ、16ページで一くくりでございます。
17ページは入院医療の評価の基本的な考え方(イメージ)、18ページは入院医療の評価体系ということで、長期療養から急性期医療がどういった形で評価されているかのイメージでございます。
19ページが7対1入院基本料の施設基準に係る経緯ということで、歴史的な経緯を挙げております。
20ページに現在の急性期一般入院料1~7の内容をまとめております。
21ページは地域一般入院料1~3の内容でございます。
22ページは一般病棟用の重症度、医療・看護必要度I・IIの概要をまとめております。
23ページは、7対1入院基本料に係る建議書、平成19年1月31日に中医協でまとめていただいたものです。
24ページは平成26年度の診療報酬改定で先ほどの重症度、医療・看護必要度をどう見直したか、25ページが平成28年度、26ページが平成30年度、27ページが令和2年度ということでまとめております。
28ページは、重症度、医療・看護必要度(A項目)の変遷、これはA項目に絞った変遷でございます。
29ページは、B項目、C項目の変遷でございます。
30ページは令和2年度診療報酬改定の中身で施設基準の見直しでございます。
31ページは、特定集中治療室用・ハイケアユニット用重症度、医療・看護必要度評価票でございます。
32ページは、令和2年度の診療報酬改定に係る答申書附帯意見で、3の入院医療でございますが、一般病棟入院基本料、療養病棟入院基本料等の入院基本料や、特定集中治療室管理料、地域包括ケア病棟入院料、回復期リハビリテーション病棟入院料等の特定入院料に係る入院患者のより適切な評価指標や測定方法等について引き続き検討することとなっております。
33ページは、総会のほうで9月15日に決定いただきました令和2年度診療報酬改定に係る経過措置及び施設基準等の年間実績の使い方、コロナの影響を踏まえてどのような対応をするかというものをまとめております。
34ページ、35ページ、36ページは、経過措置中の施設基準に係る保険医療機関から、経過措置がなくなった場合にどうなるか、頂いた報告をまとめております。
37ページは、経過措置が9月30日で終了した医療機関もあるということで、その結果、どうなったかをまとめております。
38ページ以降が急性期入院医療に係る評価ということで、まず、重症度、医療・看護必要度についてでございます。
39ページ、40ページは、入院分科会の取りまとめで指摘があった部分でございます。39ページは、必要度I・IIの届出状況、必要度の該当患者割合について、40ページは、評価項目として心電図モニターの管理、点滴ライン同時3本以上の管理、輸血や血液製剤の管理、こういったところについて御指摘を頂いているというものでございます。
これを踏まえまして、41ページ以降でございます。
41ページは、一般病棟入院基本料の重症度、医療・看護必要度の届出状況、42ページは、重症度、医療・看護必要度Iを届け出ている理由、43ページは、重症度、医療・看護必要度IIを届け出ている理由、44ページはIからIIへ移行した施設についての分析でございます。
45ページは各基準を満たす患者の割合、46ページは重症度、医療・看護必要度Iの該当患者割合の比較ということでございます。
47ページは、重症度、医療・看護必要度IIの該当患者割合の比較、令和1年と令和2年です。
48ページは、重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の比較、IとIIでということでございます。
49ページ以降がコロナの影響ということで分科会で分析していただいたものでございます。
49ページは、コロナ患者受入れ医療機関、非受入れ医療機関の分析です。新型コロナ患者受入れというのはア、イ、ウ、エで、受入れありがアに一度でも該当している、アに該当しないのは受入れなしという分析でございます。
50ページは、一般病棟入院基本料の重症度、医療・看護必要度Iの該当患者割合、令和1年、令和2年のコロナ受入れのあり・なし、51ページは、重症度、医療・看護必要度IIの該当患者割合、同じ令和1年、2年のコロナ受入れのあり・なし、52ページは、重症度、医療・看護必要度の各基準を満たす患者の割合でございます。
53ページからは、コロナの影響が少ないと考えられる医療機関を抽出ということで、ここに挙げております1、2、3の条件に合った医療機関の分析です。
54ページは、一般病棟入院基本料の重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の比較、令和1年、2年、55ページは、コロナウイルス感染症に係る影響を踏まえた分析、令和1年、2年ということでございます。
56ページに今まで挙げたところの課題ということでまとめております。
57ページからですが、入院分科会の指摘もありました「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票 評価の手引き」の中で「点滴ライン同時3本以上の管理」「心電図モニターの管理」「輸血や血液製剤の管理」ということで、項目の定義、選択肢の判断基準、判断に際しての留意点ということで、現状のものをまとめております。
58ページは「A2点+B3点」のみに該当している患者の分析ということで、「A2点+B3点」に該当している患者のうちということですが、「輸血や血液製剤の管理」に該当している患者、「点滴ライン同時3本以上の管理」に該当している患者、「心電図モニターの管理」に該当している患者がそのほかどういったものを取っているかということをまとめたものでございます。
59ページは退院日及び退院前日の「心電図モニターの管理」の該当状況ということで、必要度Iでございます。
60ページは同必要度IIでございます。
61ページは退院日及び退院前日の「心電図モニターの管理」の状況、必要度I・IIのものでございます。
62ページは「心電図モニターの管理」に該当する患者の状況で、基準1または2を満たし、かつ「心電図モニターの管理」に該当する患者のうち「専門的な治療・処置」に該当する患者が左、C項目に該当する患者が右ということでございます。
63ページは使用した薬剤数ごとの該当患者割合ということで、「点滴同時3本以上」を選んだ患者さんの中の割合の分布、何剤使っているかの分布でございます。
64ページは、「点滴ライン同時3本以上の管理」に該当する患者の中で「専門的な治療・処置」に該当する患者と、C項目に該当する患者でございます。
65ページは、「輸血や血液製剤の管理」に該当する患者で「A2点以上かつB3点以上」または「A3点以上」の基準を満たす患者について、それぞれ医師による診察の頻度、看護師による直接の看護提供の頻度等をまとめて、その中で輸血のある・なしで分けて分析しております。
66ページはB項目の相関関係ということで、どういったものが相関したか、口腔清潔と衣服着脱、口腔清潔と食事摂取の相関を見たものでございます。
67ページが以上のまとめでございます。
次に、68ページからは急性期入院医療の評価でございます。
69ページは、入院分科会から急性期入院医療の評価を頂いています。治療室の有無、中小病院での手術件数等や、人工心肺を用いた手術についての考え方というところの指摘を受けております。
70ページは急性期医療を担う医療機関の役割(イメージ)ということで、急性期、自宅・在宅医療、介護施設等の連携のイメージです。
71ページ、72ページは、救命・救急入院料等の主な施設基準の現状でございます。
73ページからは総合入院体制加算の概要です。加算1、加算2、加算3の中の施設条件、実績要件等が73ページです。
74ページに施設基準をまとめております。
75ページは総合入院体制加算の届出医療機関数の推移、76ページは入院基本料別・届け出ている治療室の種類、77ページは急性期1における治療室の有無別・届出病床数の状況、78ページは総合入院体制加算の届出状況でございます。
79ページは総合入院体制加算を満たすことが困難な要因のまとめ、80ページは総合入院体制加算の実績の状況でございます。
81ページは入院基本料別の救急搬送件数、82ページは入院料ごとの手術等の年間実施件数、83ページ、84ページと続きまして、84ページは、化学療法、分娩件数でございます。
85ページは急性期一般入院料1を届け出ている医療機関における手術の年間実施件数の分布です。
86ページは、放射線療法、化学療法、分娩についての分布でございます。
87ページ、88ページ、89ページは、急性期1における治療室の有無別にそれぞれの全身麻酔の手術件数、人工心肺を用いた手術の分布の比較でございます。
90ページは急性期1における時間外手術と救急搬送件数の関係ということで、時間外加算を算定した手術の回数、救急搬送受入れ件数を病床規模で分けて分析したものでございます。
91ページは、入院料別、新型コロナの診療状況ということで、急性期一般入院料1において、アの新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた保険医療機関ということで、アの該当月数が0か月の医療機関の治療室の保有状況の分析でございます。
92ページは、入院料別、新型コロナの診療状況ということで、これも急性期一般入院料1において特定集中治療室管理料を届け出ている医療機関において、アの該当月数の状況でございます。
93ページは、病床規模別の新型コロナウイルス感染症の入院患者受入れ実績ありの医療機関のうち、ICUを有する医療機関と実績があるかないかということで分けております。
94ページは各入院料ごとの感染防止対策加算の届出の有無をまとめたもの、95ページは入退院支援加算の届出状況でございます。
96ページは今までのところをまとめたものでございます。
97ページは重症患者対応についてということでございます。
98ページは、院内心停止の発生前には平均動脈圧や脈拍数、呼吸数、意識状態の変化の前兆が現れる場合があるとされている現状がございます。
それを踏まえて、99ページは院内迅速対応システム(RRS)の概要で、患者の急変の兆候を捉え、致死性の急変に至るのを未然に防ぐRRSというシステムがあるということでございます。
100ページはRRSの効果と日本における現状ということで、院内死亡数を減少させる一定のエビデンスが出ているということでございます。
101ページは、日本集中治療医学会等で開催されている研修、島根県立中央病院での例をまとめております。
102ページは、救急・集中治療領域におきましては、重症患者の家族は治療について代理意思決定という大きな負担を強いられているが、家族に対する支援体制が十分ではないのではないかという問題提起がされております。
103ページは集中治療領域における終末期患者の家族支援の方法ということで、家族の権利の擁護、家族の苦痛を緩和する、家族との信頼関係を維持する、家族に十分な情報を提供する、家族のケア提供場面への参加を促す等、特徴的なやらなければいけない要素があるということでございます。
これを踏まえまして、104ページ、入院時重症患者対応メディエーターの役割ということです。患者・患者家族と医師・看護師の関係での説明が通常でありますが、入院時重症患者対応メディエーターということで、ここに第三者が入ることで意思疎通を円滑にするというような動きがあると聞いております。治療に直接関与しない職員の必要性ということで「第3の職員」が入ることでより円滑なコミュニケーションが取れるということも報告されております。
105ページは、これに類する現状の診療報酬の評価といたしまして、患者サポート体制充実加算があるという御紹介でございます。
106ページは今までのものをまとめたものでございます。
107ページからが重症度、医療・看護必要度等についてでございます。
108ページは入院分科会の取りまとめということで、重症度、医療・看護必要度について、生理学的スコアについて、専門性の高い看護師について、バイオクリーンルームについてということで、こういった指摘があったということでございます。
109ページからは現状ということで、救命・救急入院料の施設基準を109ページ、110ページにまとめております。
その上で、111ページは、特定集中治療室用・ハイケアユニット用重症度、医療・看護必要度の評価票でございます。
112ページは、特定集中治療室の重症度、医療・看護必要度の詳細(A項目)、113ページがB項目でございます。
114ページは救命・救急入院料1・3の項目別の該当患者割合(A項目)で、右が2・4の該当患者割合(A項目)ということでございます。
115ページも同様で、B項目、1・3と2・4で分けております。
116ページは、点数別の重症度、医療・看護必要度の該当患者割合ということで、特定集中治療室管理料の1から4で分けております。
117ページは、特定集中治療室管理料を算定する患者において、必要度A項目の基準は満たしているが、B項目を満たしていない割合は1.7%だったということでございます。
118ページは、救命・救急入院料1及び3を算定する患者について、ハイケアユニット用の評価票を用いて評価したところ、基準を満たす患者割合は以下のとおりで、増加しているというものでございます。
119ページは令和2年度の改定における特定集中治療室管理料の見直しということで、生理学的スコア(SOFAスコア)について特定集中治療室管理料3・4も要件とするという変更がされております。
SOFAスコアの分析で、120ページはどういった職種の人が入力しているのか、121ページは患者割合、122ページが入室日の必要度とSOFAスコアの比較でございます。123ページ、124ページと続きます。
125ページは最も医療資源を投入した傷病名とSOFAスコアとの比較でございます。
126ページがその取りまとめでございます。
127ページからは人員配置等ということでございます。
特定集中治療室管理料の見直しということで、128ページは令和2年度の診療報酬改定の中身で、改定後のところで専任の常勤看護師を2名組み合わせることにより当該治療室内に週20時間以上配置しても差し支えないことになったというものでございます。
129ページからが適切な研修の中身で、認定、専門、特定行為における分野や新たな認定看護分野の御紹介、130ページは研修を修了した専任常勤看護師配置の特定集中治療室管理料1から4の分析、131ページが配置人数の分析、132ページが看護師の配置時間数の分析、133ページが20時間の配置要件を使っているかどうかの分析でございます。
134ページは特定行為研修制度における領域別パッケージ研修の説明、135ページが具体的な研修の内容でございます。
136ページはこのパッケージ研修を修了した看護師の見込みも含めた養成数でございます。
137ページは、集中治療において必要となる看護師の能力・研修の一つの例といたしまして、クリニカルラダーを御紹介しております。
138ページは各治療室の職員配置状況ということで、それぞれの職種別で分析しております。
139ページは臨床工学技士の配置状況ということで、臨床工学技士に特化した分析でございます。
140ページは人工呼吸器及びECMOの管理に必要な看護師数の分析、141ページは特定集中治療室における人工呼吸管理における業務ということで、看護師が全て行うか、全く行わないか、その程度別の分析です。142ページがV-V ECMOの分析でございます。
143ページは集中治療に関する各種業務でございます。
144ページは臨床工学技士の概要ということで、業務と現況をまとめております。
145ページは配置状況ということで、100床当たりICU専従臨床工学技士の配置数ごとの施設割合ということで挙げております。
146ページは特定集中治療室管理料ごとの臨床工学技士の専従体制でございます。
147ページは臨床工学技士の手厚い配置によるメリットということで、初期対応率や、どういったことを専門的な知識を持った臨床工学技士がやったかというものをまとめております。
148ページは治療の実施状況ということで、ここについてはかなり大きな開きが施設ごとにあるということでございます。
149ページからはバイオクリーンルームの要件でございます。特定集中治療室管理料においては、原則として当該治療室内はバイオクリーンルームであることを施設基準としているという現状でございます。
150ページは、「集中治療部設置のための指針」を日本集中治療医学会が出していて、これが一部変わったということで、「集中治療部には」というところから一部の記載を削除し、置き換えるというものでございます。
151ページは集中治療室における個室の設置状況です。
152ページは今までのことをまとめております。
154ページ、155ページは論点でございます。
まず「急性期入院医療について」です。
重症度、医療・看護必要度についてまとめておりますが、1つ目は、必要度IIの届出をさらに進めることについてどのように考えるか。
2つ目は、心電図モニターの管理、点滴ライン同時3本以上の管理、輸血や血液製剤の管理についてどのように考えるか。
3つ目は、B項目については項目間の相関が高い場合があること、C項目については術後経過日数の実態を踏まえ、どのように考えるか。
4つ目は、一般病棟入院基本料等の該当患者割合についてどのように考えるか。
次が急性期入院医療の評価についてです。急性期入院医療を担う医療機関の役割としてということからでございますが、充実した急性期入院医療を担っている医療機関に対する評価の在り方についてどのように考えるか。
次に、重症患者対応については、1つ目が、院内迅速対応システム(RRS)についてどう考えるのか。2つ目が、入院時重症患者対応メディエーターについてどう考えるのか。
155ページは「高度急性期入院医療について」です。
重症度、医療・看護必要度について、1つ目は、心電図モニターの管理、輸液ポンプの管理についてどう考えるのか。
2つ目は、B項目についてどう考えるのか。
3つ目は、看護師配置及び患者の状態像が異なっている実態を踏まえということで、救命・救急入院料1・3と2・4の差というものでございます。
4つ目は、A項目についてはレセプト電算処理システムコードを用いた測定方法を導入することについてどう考えるのか。
5つ目は、SOFAスコアに係る取扱い等についてどう考えるのか。
次が人員配置等について、1つ目は、適切な研修の具体的な範囲についてどう考えるのか。
2つ目は、人工呼吸器やECMO等を実施する場合に、専門性の高い看護師や臨床工学技士が手厚く配置された上で、専門的なケア・技術を実施している、こういったことの評価の在り方についてどう考えるのか。
3つ目は、高度急性期の患者を治療する治療室の適正な評価、ガイドラインが変更されたことでどう考えるのかということでございます。
事務局で準備した資料につきましては、以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見等ありましたら、よろしくお願いいたします。城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
本日は急性期入院医療についてということで論点が大変多うございますので、若干お時間を頂きながら、154ページ、155ページの論点についてコメントさせていただきたいと思います。
まずは、154ページの重症度、医療・看護必要度についてであります。業務負担軽減等の観点からも必要度IIの届出をさらに進めるということについては一定の理解はいたしておりますが、41ページにありますとおり、届出が進んでいるのは主に急性期一般入院料1でも7割程度である。そして、入院料4から7までに関しましては、まだまだ普及していないという現状がございます。また、前回改定後に必要度IIに切り替えた医療機関は公立病院や病床規模の大きい病院であったことなどを踏まえれば、同じ急性期1の中でも必要度Iに対するニーズが一定程度あるということが言えるのではないかと思います。したがいまして、業務負担軽減等の観点から必要度IIを進めるといたしましても、一律に進めると、かえって現場に負担が生じてしまうということにも配慮が必要であろうと考えます。
それから、A項目につきましては、心電図モニターの管理や点滴ライン同時3本以上の管理などの在り方、またB項目であれば相関性の高い項目の整理、C項目であれば評価日数の実態の検討等が今回提案されていると理解いたしますが、これまで改定のたびに評価項目を変更すること自体、医療現場にとって負担となっているという現状がございます。ましてや、コロナ禍で経過措置の延長対応、病床の確保やコロナ患者さんの受入れ等、通常とは異なる対応が求められてきたという現状もございますので、評価項目に関してもう少し実態の正確な把握をするということをやるべきであって、今回ここを触るということには賛同いたしかねます。
また、今回の経過措置の特例が一部終了して類下げとなった病棟が少なかったからというデータがございますが、今回のコロナの対応によって中小の医療機関の救急対応能力というものが、度重なる診療報酬の改定によっての急性期医療への厳しい評価の切り下げとも相まって、非常に下がってきているという現状もございます。ですので、現状において急性期入院医療をさらに削減するような方向性を打ち出すということは到底考えられないのではないかと思っております。
続きまして、急性期入院医療の評価についてでございますが、充実した急性期の入院医療を担っている医療機関につきまして、現行評価よりさらに充実した評価とする方向性で検討すべきと考えます。一方、治療室を持たない医療機関は急性期入院医療を担っていないかというと、そうではないわけでございます。
特に中小の病院におきましては、ユニットを分けてするだけの構造的な余裕がなかったり、また看護のさらなる重層な手厚い配置がなかなかしにくいということもあって、特定入院料を取れていないということがございます。そして、治療室がないという今回の評価に出てきたわけでございますが、実はこれらの病院においてもナースステーションの横に処置室を置いて、その処置室に手厚い看護をした体制で重症患者さんや救急の患者さんを診ているという現状がございます。そういう状況もございますので、このような病院においてもしっかりとした対応をしていただきたいと思いますし、こういう医療機関を評価しない、または評価を切り下げるということになれば、さらなる地域においての救急体制ないしは救急対応の低下、弱体化につながるということになりますので、ここはそういう方向で議論するということであれば、我々としては明確に反対させていただきたいと思います。
次の重症患者対応についてでありますが、重症患者さんへの対応として、院内迅速対応システム、いわゆるRRSの活用や、御家族への支援として重症患者対応メディエーターを評価するという方向性については賛同いたしたいと思います。
続きまして、155ページの論点に移ります。重症度、医療・看護必要度についてでございます。ICUや救命・救急入院料2・4において、心電図モニターの管理、また輸液ポンプの管理につきましては、今回、該当患者が非常に多い、9割を超えているという現状がございます。そういう調査が示されたわけですが、その分、ここに手を入れるということになりますと、現行の評価方法に大きな影響を生じるということになりますので、該当患者さんの基準についても併せて検討していく必要があろうと思います。
それから、救命・救急入院料の1・3と2・4では看護師配置や患者さんの状態像が異なっておりますことから、1・3ではICU用の評価票ではなくてHCU用の評価票を用いてはどうかという御提案については、おおむね理解いたします。ただし、病院によって1・3の使い方が異なっておりまして、中には、現行のICUの評価票でも、基準、A4のB3点以上を超える重症患者さんを引き受けている1・3もございますので、HCU用の評価票に切り替えた場合に患者さんの実態をきちんと把握できるのか、シミュレーションしてみる必要もあるのではないかと考えます。
続いてA項目については、レセプトデータから自動的に抽出する御提案については、現行の評価方法と完全に一致するのか、もう少しデータをお示しいただく必要があろうと思います。
SOFAスコアにつきましては、今回の分析結果だけでは特定集中治療室の評価として適切かどうかは現状ではまだまだ判断できないと考えますので、今後、時間をかけて、例えば必要度の代わりになるような位置づけにするのか、または必要度では評価できない部分について別の視点から見る指標とするのかなど、さらなる検討、分析をしていくということが必要と考えます。
最後が人員配置についてでございます。特定集中治療室管理料1・2の施設基準におきまして、パッケージ研修を評価することについては今後の実態に合わせて施設基準を手直しするということであり、特に異論ございません。
また、人工呼吸器やECMO等を実施する場合に専門性の高い看護師や臨床工学技士を手厚く配置した場合のメリットにつきましては、理解はいたしますが、施設基準の要件とするか検討するには、データとして一部お出ししていただいておりますが、資格取得者が、実際働く状態にある方が十分おられるのかどうかなど疑問点も残りますので、まずは症例によって必要な場合とそうではない場合も考え、治療室への常勤、また専従を直ちに評価するということでは必ずしもなくて、必要に応じて活用できるような体制のほうが実態に合っているのではないかと考えます。完全に治療室に張りついた形以外の考え方についても御検討いただくとよいのではないかと考えます。
最後に、バイオクリーンルームにつきましては、今回の御提案のとおり、現状はやや過剰な求めとなっておりますので、学会の指針の改正に合わせて緩和することで差し支えないと判断いたしております。
長くなりましたが、私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
論点に関しましては、城守委員の意見に賛同させていただきます。
幾つか追加したいのは、総合入院体制加算のところにおいて、オフポンプ、人工心肺を使わずに手術するというところがさらに高度な技術が必要になってくるわけで、条件の年間40例以上のポンプ手術というところは少し条件を緩和してもいいのではなかろうかと思っておりますので、御検討をお願いしたいと思います。
それから、重症患者対応においてのRRS(Rapid Response System)、これは非常に重要なことでございますので、院内で急変するような患者さんたちに全職員がきちんと対応できるようなトレーニングをやった場合には、評価するようにしたほうがいいのではなかろうかと思っております。
それから、入院時の重症患者対応メディエーターの育成も非常に重要でして、実は移植に関するところについては教育を受けたメディエーターがいないと、実際、移植の仕事がスムーズにいかないのが分かっておりますので、こういう重症患者に対応するようなメディエーターを育成していくということに時間もかかりますから、そういうのがきちんとできている施設に関しては評価するということは賛成でございます。
それから、150ページにありますように、集中治療のところに関する設備、部屋の条件等とかは学会のほうも指針を変えておりますので、こういう方向で現実に即した対応をしていくということに関しては賛成でございます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私は、各論については、今、城守委員、また島委員がおっしゃったことについて賛同させていただきたいと思います。その上で、今回のコロナ対応ということで大きな話も含めて意見を言わせていただきたいと思います。
まず、診療報酬改定に当たって、先月の医療保険部会で改定の基本的視点ということで特に重点課題として挙がっています視点1と2、特に視点1というのは新型コロナウイルス感染症にも対応できる効率的・効果的な質の高い医療提供体制の構築、医師等の働き方改革等の推進が視点2に挙がっています。そういった視点で見ると、この課題の中でそこの視点が少し欠けているのではないかという気がしたので、その視点で意見を言わせていただきます。
まず、7ページですけれども、そもそも入院料別の病床稼働率の推移を見ていただきますと、主にコロナ対応、特に重症対応をしていた7対1の病棟、急性期一般入院料1に関しても、これまで80%を超している稼働率を維持しているわけです。コロナ対応でそれが80%を切っている状況が現状だと思いますが、急性期の稼働率が8割を超さないといけない、経営的に成り立たないという、そもそもここがどうなのかということを感じています。
コロナ対応でしっかり診ようとすると稼働率を落とさなくてはいけないというのが全国各地であったかと思います。急性期が7割以下、場合によったら6割に落としてコロナを診ている現状があって、そうしないと人が集まらないという現状、ここをどうするかということを近い将来的に考えて、新興感染症の対応ということも考えると、そこの視点がいろんなところで必要ではないかということを感じています。
そういう意味で、高度急性期をさらにきちんと評価するという各論については賛同したいと思いますが、例えば治療室を持っている高度急性期以外の一般急性期も非常に頑張っていて、今回、コロナをしっかり受け入れて大変な思いをしているところがあります。そこに対してどういう目配りをするかということも大事ではないかという気がしています。
そういう視点で49ページの表を見ていただきますと、コロナありとなしで重症度を見ていて、50ページ以降に出ていますが、52ページの必要度I・IIに関して、コロナ受入れあり・なしで見ると、「なし」のほうが基準3、これは当然といえば当然かもしれませんが、コロナを受け入れていないところのほうが重症度が下がっている。逆に、コロナを受け入れていないところのほうが基準が上がっている。必要度が高くなっている。この辺をどう考えるかということの視点も工夫が必要ではないか。しっかりコロナを受け入れているけれども、重症度が下がってしまうのでは、何をやっているか分からないという話になってしまう、そういうこともあるのではないかということで、感じたことを意見として言わせていただきました。
さらに、66ページの表、B項目の見直し等、特に相関があるか、これに関しても、今、島委員、城守委員もおっしゃったように、この相関があるからといってこの項目を大きく変えるというのはあまりにも時期的に難しいのではないかということで、もう少しきちんとしたシミュレーションをした上でやっていかないといけないのではないか。B項目を大きく見直すということは、たとえ治療室を持っている高度急性期だけというわけにはいかないと思うので、B項目を外すあるいは見直すということに対して私は反対したいと思っています。
91ページを御覧いただければと思います。これも治療室ある・なしで見ていて、92ページに関しては、特定集中治療室管理料を届け出ている医療機関ではしっかりコロナを受け入れていると言いたい文面かと思いますが、一方で棒グラフの下を見ていただきますと、治療室を届け出ていない医療機関でも半分以上は1か月以上13か月以下、あるいは14か月以上受け入れているということです。特に治療室を持っている高度急性期を評価するということに対して反対するものではありませんけれども、それだけで今回のコロナパンデミックは受入れ不可能だったわけですので、ここに対して、治療室を持たずにしっかりコロナを受け入れなければいけない、場合によってはナースステーションの隣に治療室もどきを置いて、そこでしっかり呼吸管理をしている一般の医療機関も随分あって、そこがあったからこそ日本の死亡率が世界と比較しても小さくなったという現実もあるかと思います。ここをしっかり評価していかないと、せっかく日本のいいところがどんどん失われてしまうのではないかということで、ここにも目を配っていただければと思っています。
いずれにしても、現状がこうだから効率化的にこうすればいいのではないかということではなくて、少し先を見て、同じような新興感染症が起きたらということが6事業目に入ったわけですから、そこに向けてどういう対応を取るか、大きな視点も考えながら、今回の診療報酬改定を考えていただきたいと思っています。
全体に大きな話で申し訳ありませんでしたけれども、コロナを今後どうするかという視点をもう少し入れた形でここを見ていかなければいけないのではないかということでお話しさせていただきました。
以上です。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
私からも何点か論点に沿って意見を述べさせていただきたいと思います。
急性期入院医療の重症度、医療・看護必要度の論点につきまして、必要度IIの届出をさらに進めるという方向性につきましては、賛同したいと思っております。看護師の業務負担軽減の観点から、将来的には入院基本料を算定する全ての医療機関において必要度IIを原則とすることを目指し、必要度IIを要件とする医療機関のさらなる拡大を検討すべきであると考えております。
また、A項目の心電図モニターの管理、点滴ライン同時3本以上の管理につきましては、自宅退院患者が退院日まで心電図をつけている、使用薬剤が2種類以下といった実態があることがデータから分かります。入院分科会からの御指摘等も踏まえまして、この2項目については除外する方向で検討を進めるべきではないのかと考えております。
次に、急性期入院医療の評価の論点につきまして、現行の急性期一般入院料1の中でも特に充実した急性期入院医療を担っている医療機関を評価すべく、メリハリをつけるという方向性につきましては、異論ございません。ただし、現在でも複雑な報酬体系をさらに複雑にすることは、避けるべきであると考えますので、新たな類型を追加するのではなく、現行の報酬体系に組み込む方向で検討を進めるべきであると考えております。
続きまして、高度急性期入院医療の重症度、医療・看護必要度の論点につきまして、急性期入院医療での検討状況も踏まえつつ、少なくとも心電図モニターの管理については除外する方向で検討を進めてはどうかと考えます。
最後に、特定集中治療室におけるB項目の測定につきましては、高度急性期入院医療という性質を踏まえまして、また看護師の業務負担軽減の観点からも、必要度として測定を必須とする取扱いは緩和することを検討してもよいのではないかと考えております。ただし、早期のリハビリテーションの介入等が有用であるというエビデンスもありますので、患者の状態に応じ測定していただくほうがよいのではないかと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
私も論点に沿って発言したいと思っております。
急性期入院医療についてですが、重症度、医療・看護必要度IIについて安藤委員と同意見であり、医療機関に対して移行のメリットをさらに周知することが必要と考えます。
心電図モニターの管理等についても安藤委員と同意見であります。A項目において、レセプト電算処理システムコードを用いた測定方法導入について、医療従事者の負担軽減に資するのであれば導入は理解できると考えます。
次に、高度急性期入院医療についてですが、特定集中治療室用の心電図モニターの管理、輸液ポンプの管理についても、分科会の分析結果を踏まえて見直すことが必要と考えます。また、人員配置等について専門性の高い看護師や臨床工学技士が手厚く配置され、専門的なケア・技術を実施している実態を踏まえて、メリハリを利かせた評価を考えることについても理解したいと考えます。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、眞田委員、お願いいたします。
○眞田委員
ありがとうございます。
私からは1点、一般病棟入院基本料等の該当患者割合についてコメントさせていただきたいと思います。
今回の論点にも示されております「入院患者における急性期入院医療の必要性に応じた適切な評価」という視点については、今後の人口動態の変化などを踏まえれば、コロナのいかんを問わず引き続き重要な視点であろうかと考えております。今回、高度急性期入院医療や充実した急性期入院医療を担っている医療機関に対する評価の在り方が論点として挙がっておりますけれども、こうした論点と併せて、急性期全般についても医療の必要性に応じた適切な評価の視点からの検討が必要だろうと考えております。
その視点から、重症度、医療・看護必要度については、46ページ、47ページに示されているとおり、I、IIのいずれにおいても令和元年よりも令和2年のほうが基準を満たす患者割合が高い傾向にあることを踏まえ、各項目の中身についての必要な見直しをした上で、該当患者割合についても十分な検討をすべきだと考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
今回議題に上がっております急性期入院医療につきまして、その基本認識として、コロナ禍による教訓を生かして機能の分化・強化・連携をこれまで以上に推進する必要があることをまず申し上げたいと思います。特に高度急性期については医療資源を散在することなく集約するということが極めて重要だと認識しております。
先ほどからの診療側委員のいろんなコメントの中で、あまり大きなものではなく手直しにとどめるべきというトーンの発言も出ておりますけれども、今後の人口構造あるいは疾病構造の変化を見据えて、コロナ禍で分かった医療の脆弱性を今こそ是正すべきであり、これが先ほど来、出ております新興感染症にも強い医療提供体制の構築につながる。これは支払側委員の総意として代表として強く主張させていただきます。
その上で、154、155こま目にあります論点についてコメントさせていただきます。
まず、この資料の中にも各所出ておりますけれども、総論として、入院分科会の御指摘、御報告を踏まえて適切な対応を検討していくべきであるということを考えております。具体的に申し上げますと、重症度、医療・看護必要度の測定方法については、先ほどから何人かの委員の方がおっしゃっておりますけれども、最終的にIIのほうに統一することを意識しながら届出を増やしていくべきであろうと考えております。
さらには、先ほどからA、B、Cの項目についても御意見が出ておりますけれども、分科会の検討において不合理があるということが指摘されております。特に心電図モニターにつきましては、以前から問題意識を持っておりまして、分科会から、純粋に患者の状態を反映しているとは必ずしも言えないとの御指摘も出ておりますので、次回改定で必ず解決すべきであると考えております。
さらには、該当患者割合でございますけれども、入院料1の基準値を引き上げて入院料区分ごとに一定の差を設けることによって、メリハリをつけて急性期医療の必要性を適切に反映できるようになると考えております。
また、分科会の報告の中で、入院料1を算定する病院の中で手術などの実績に差があるという報告も出ておりますけれども、これは一つの大きな成果であると考えておりまして、急性期入院医療の評価にメリハリをつける新たな切り口となるのではないかと考えておりますので、次回改定でぜひ対応していきたいと考えております。
さらには、先ほどの項目に戻りますが、ICU等ではB項目は削除すべきであると、御意見を述べておきたいと思います。
以上であります。
○小塩会長
ありがとうございました。
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
私からは入院時重症患者対応メディエーターについてですけれども、いわゆる医療メディエーターと言われるもので、大分、今、活躍していただいていると思います。これは、病院の職員でありながら、中立第三者としての位置づけということで、一部にはまだ職員を擁護する役割と思っている方も少なからずいるということも聞いています。ただ、養成の講座が開かれていて、高度な倫理性を持った方を養成しているということで非常に期待していますので、その評価というのは手厚くしていただきたいと思います。
重症患者への対応ということになると、家族への対応ということで、家族というのは非常に短期間に重要な代理意思決定、これは脳死とか臓器提供とかも含めてでしょうけれども、そういったものの意思決定をしなければならないわけです。御家族が複数いれば当然その意見というのは様々で、それに対して対応していかなくてはいけないということがありますし、死に関わるお仕事ですから、やはり高い倫理性と強い気持ちがなければできないものだと思いますので、養成もぜひ進めていただきたいのですけれども、第三者の評価とともに、サポートの体制もしっかり用意しながら進めていっていただければいいかなと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
城守委員、追加のコメントがあるようですので、よろしくお願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
先ほどからの1号側の委員からの御意見に対して再度コメントさせていただきたいと思います。
まず、コロナ禍における医療の提供体制に関しての御意見がございました。今回、コロナにおいて各都道府県におかれて様々な対応がされたわけですが、救急体制、人員の確保体制、さらには様々な医療資源、これは各都道府県において全く異なるわけです。今回、各都道府県において対応された中でどこがボトルネックであったのかという状況は異なりますので、それは各都道府県で検証していただき、それを基に第8次の医療計画の見直し検討会で医療計画の中で策定していく、それを診療報酬で支えていくというのが基本的な考えであろうと思いますので、まずそれを1点、付け加えさせていただきたいと思います。
それと、特に重症度、医療・看護必要度の中における心電図モニターの御意見、多うございました。見た感じ、今回の資料だけではまだ実態が正確に把握できないということがございます。特にICUにおいて心電図モニターの重要性というのが9割を超えているわけですから、心電図モニターというのは臨床の状態をしっかり把握する上において重要な指標であることは間違いないと思います。この評価に対しては、もう少し実態を正確に事務局で把握していただいたデータを出していただいてからでないと、これを次回改定で削除するなどということはあり得ないと思いますので、それは重ねて申し上げたいと思います。
もう一点、ICUにおけるB項目の削除という御意見もございました。B項目というのはそもそもが看護必要度、看護必要度というのは、各病棟において看護師さんにどれだけの手間暇がかかるのか、またそのために多くの看護配置が必要になるのかということを指標の一つとして、重症度、医療・看護必要度の中に組み入れられたという経緯がございます。ですので、この評価は、申し訳ないですけれども、分科会での御意見の経緯は分かりますが、その辺りが全く加味されていない、根本的なことが分かっておられないのではないかと思います。安易にB項目を削除するということはあってはならないのではないかと個人的には思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
吉川専門委員からも御意見よろしくお願いいたします
○吉川専門委員
ありがとうございます。
城守委員からご意見がありましたが、B項目は基本的には看護の必要量を示すものであり、どの程度、患者に対して看護が必要かを測定するものです。ICUにおいてB項目は必要ないのではないかといった意見や、一般病棟用の看護必要度B項目では一部の項目間で相関が認められるといった意見がありましたが、急性期では医療依存度の高い患者をみていますので、口腔清潔、食事摂取、衣服の着脱の項目で相関が認められるのは当然のことと考えています。
また、ICUに入室している患者は、その後、一般病棟に移動していきます。そのときに看護の必要量がどの程度かを把握しながら一般病棟では受入れを考えてもいますので、B項目は継続してみるための指標として非常に重要なポイントです。したがって、そのような活用をしていることも含めて御検討いただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
城守委員からもコメントを頂きましたので、こちらからも少し述べたいと思います。
まず、今回のコロナに関する検証等を各都道府県ごとでというお話もあって、その後の第8次医療計画という話も承りましたけれども、そうすると、現在、医療保険部会あるいは医療部会等で検討していただいている基本方針、改定の基本的視点あるいは方向性等に明確に、先ほど池端委員からもありましたが、新型コロナウイルス感染症にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療体制の構築というのが重要課題で、現在、上がっております。その中に考えられる具体的な方向性の例としても、医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価というのが現段階で明記されております。そうした基本方針を踏まえた今回の提案であり、支払側の意見であるということを申し添えたいと思います。
それと、B項目に関する御意見を頂きましたけれども、分科会の報告、指摘等だけでは分からないということでございました。それをどうつなぐかということについて改めて事務局のほうに整理いただいて、これについては改定の作業の中でぜひ実現していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上であります。
○小塩会長
ありがとうございます。
池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
今、松本委員もおっしゃったとおりで、目指す方向は同じだと思いますが、だからこそコロナを受け入れる各都道府県に、城守委員もおっしゃったように、非常に違いがある。福井県の例を言わせていただきますと、高度急性期医療、いわゆる治療室を持っている病院は大きく4つしかなくて、それ以外のあと200床ぐらいは地域の一般急性期の先生方が非常に頑張っていただいて受け入れているのです。ここを評価しないで、ただ治療室を持っているところだけに収れんすればいい、そういう機能分化は地方ではあり得ないということもお分かりいただきたいと思います。
それと、もう一点、B項目に関してですけれども、これも各地域で行った、今回、介護施設クラスターのコロナ患者を受け入れた際に、重症度は中等度なのだけれども、介護度が非常に大変で、ICU等が非常に大変な思いをしたということがあります。こういうことを考えても、これからどんどん高齢者が増えていく、高度急性期といえども高齢者を診て何ぼということになりますので、そこにB項目を外すというのは今後の流れを考えても現時点ではあり得ないと思います。現場からの意見としてお話しさせていただきます。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
先ほどの松本委員のコメントに関してですが、医療保険部会においての基本方針の中におけるコロナの対応というのは、あくまで現状、中医協でエビデンスに基づいてその評価ができるものに対して診療報酬で手当てができるかどうかということを言うのであって、何か新しいものをこの現状においてここでつくるということではないであろうと思います。
それとともに、このコロナの状況において様々な特例が診療報酬上も取られているわけですが、それが医療機関においてしっかりと機能しているのかどうかという評価もこの中医協で行うマターであろうと思いますので、そういうことを含めたものがこの基本方針の中に組み込まれていると御理解されたほうがよいのではないかと思います。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
多くの意見を頂いておりますけれども、ほかに追加で御意見ございますでしょうか。いかがでしょうか。
それでは、特にほかに御意見、追加の御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとし、今後、事務局におかれましては、本日頂いた多くの意見を踏まえて、引き続き対応していただくようにお願いいたします。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
松本委員からお手が挙がっていますので、よろしくお願いいたします。
○松本委員
今回の議題とは直接的に関係はないのでございますが、1つお願いがございます。
昨日、九州地区において医薬品卸が談合の疑いで公正取引委員会の立入検査を受けたとの報道が出ました。このうちの4社は一昨年にも談合が判明した業界の大手でもありますし、今回の件はまだ疑いということでありますけれども、これが事実ということであれば、前回にも増して薬価制度の根幹に影響する極めて深刻な問題であります。厚生労働省におかれましては、事実関係を正確に把握いただいて、中医協にも報告いただきたいと思います。
それと、今日は出席されておられませんけれども、次期薬価制度改革について議論する上で、医薬品のこうした流通は重要なテーマであることは周知の事実であります。業界団体としても厳正な対応と説明責任を果たしていただきたいということを最後に申し添えさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございました。要望として受け止めさせていただきます。
今の点、何か事務局から、よろしいですか。
それでは、本日の議題は以上といたします。
本日の総会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。


 
 

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