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2021年11月5日 中央社会保険医療協議会 総会 第494回議事録

○日時

令和3年11月5日(金)9:00~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 鈴木順三委員
城守国斗委員 長島公之委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 中村春基専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○部会・小委員会に属する委員の指名等について
○個別事項(その3)について


 
○小塩会長
おはようございます。ただいまより、第494回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回も会議の開催につきましては、前回に引き続き試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は末松委員、羽田専門委員が御欠席です。
本日の中医協総会につきましては、まず、総会において委員の交代について御報告し、小委員会及び部会に属する委員の指名を行った後、一度総会を中断いたしまして、薬価専門部会を開催いたします。その後、総会を再開し、その他の議題の審議を行いたいと思います。
それでは、最初に委員の交代について御報告いたします。
幸野庄司委員におかれましては、10月29日付で退任され、後任として松本真人委員が10月30日付で発令されております。
松浦満晴委員におかれましては、10月29日付で退任され、後任として鈴木順三委員が10月30日付で発令されております。
松本吉郎委員におかれましては、10月29日付で退任され、後任として江澤和彦委員が10月30日付で発令されております。
なお、各委員からは「自らが公務員であり、高い倫理観を保って行動する」旨の宣誓をいただいております。
それでは、新しく委員になられました松本委員、鈴木委員、江澤委員より、それぞれ一言ずつ御挨拶をお願いいたします。
最初に松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
御紹介がありましたとおり、10月30日付で中医協委員に就任しました松本でございます。
会長をはじめ、各委員の皆様、事務局の方々の御指導も得て、この日本の医療保険に重要な役割を果たす中医協の一員として、国民のためになる答申ができるよう今後精いっぱい努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、鈴木委員、よろしくお願いいたします。
○鈴木委員
先ほどお話がありましたように、10月30日付で就任をさせていただきました全日本海員組合の鈴木と申します。
なかなか不慣れで内容も分かりませんが、しっかりと勉強させていただいて、今後の国のためになれるようにしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございました。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
日本医師会の江澤と申します。
国民の命と健康を守り、お一人お一人の尊厳を保障すべく、我が国の医療に向き合い、真摯に取り組んでまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○小塩会長
ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
引き続きまして、厚生労働省におきましても異動がございましたので、事務局より紹介をお願いいたします。
○井内医療課長
日野原医療指導監査室長でございます。
○日野原医療指導監査室長
よろしくお願いいたします。
○小塩会長
よろしくお願いいたします。
それでは、早速議事に入らせていただきます。
今、委員の交代について御報告をいたしましたが、それに伴いまして部会及び小委員会に属する委員につきましても異動が生じます。
部会、小委員会に属する委員につきましては、社会保険医療協議会令第1条第2項等の規定により、中医協の承認を経て会長が指名することとされております。委員のお手元に総-1といたしまして、新しい中医協の委員名簿とともに、異動のある部会及び小委員会の名簿の案をお配りしております。
松本真人委員におかれましては、幸野委員の所属していました調査実施小委員会、診療報酬基本問題小委員会、薬価専門部会、保険医療材料専門部会、費用対効果評価専門部会に所属していただきます。
鈴木委員におかれましては、松浦委員の所属していた調査実施小委員会、費用対効果評価専門部会に所属していただきます。
江澤委員におかれましては、松本吉郎委員が所属していました薬価専門部会に所属していただくとともに、長島委員の所属していました調査実施小委員会に所属していただき、長島委員には、松本吉郎委員が所属していました診療報酬基本問題小委員会及び費用対効果評価専門部会に所属していただきたいと思います。
そのように指名することとしてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。
冒頭に申し上げましたように、ここで総会を中断いたします。薬価専門部会の審議を行った後に、改めて総会を開きたいと思います。
それでは、本日の総会はこれにて一時中断いたします。
(一時中断)
○小塩会長
それでは、総会を再開いたします。
本日は「個別事項(その3)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、資料に沿いまして御説明をさせていただきます。中医協総-2「個別事項(その3)」というものでございます。
本日は「精神医療について」及び「療養・就労両立支援等について」ということで資料を準備させていただいております。
まず「精神医療について」のところで「精神医療の現状等について」から説明をさせていただきます。
3ページ、精神疾患を有する総患者数の推移を挙げさせていただいております。外来及び入院ということで色分けをしているというものです。精神疾患を有する外来患者数の推移が4ページ、疾患別の内訳を挙げさせていただいております。5ページが入院患者の推移で疾患別の内訳、6ページが入院患者数の推移、これは年齢階級別の内訳というものでございます。7ページ、入院患者数の推移、入院期間別の内訳というものでございます。ここまでが基礎的なデータでございます。
8ページ、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づく入院形態ということで、精神科特有の入院形態の御説明をさせていただきます。1つ目が任意入院、これは本人の同意があるということで普通の入院でございます。2つ目が措置入院/緊急措置入院、3つ目が医療保護入院/応急入院ということで、2つ目は入院させなければ精神障害のため自傷他害のおそれがある精神障害者ということで、精神保健指定医2名の診断の結果が一致した場合というものでございます。医療保護に関しましても入院を必要とする精神患者で任意入院を行う状態にない者ということで、これも精神保健指定医、または特定医師の診察及び家族等のうちいずれかの者の同意が必要となっております。
9ページ、先ほどの2つ目の措置入院の流れということで、左から通報がありますが、自傷他害のおそれのある者ということで措置入院ということで、指定医による診察等が上に挙げられていて、都道府県知事の決定ということでの入院があるというものでございます。
10ページ、措置入院患者数の推移、疾患別の内訳でございます。
11ページ、精神疾患の医療体制について、第7次医療計画の御説明になります。左側の絵に示しておりますように、住まいを中心に、左に医療、右に障害福祉・介護、下に社会参加(就労)・地域の助け合いということで、いろいろな形でリンクをしてということで、一番下のほうにありますが、市町村・都道府県のバックアップがあって成立をするというところを目指しているものでございます。
12ページ、精神医療の体制構築に係る現状把握のための指標ということで、それぞれの疾患の指標を挙げさせていただいております。
13ページ、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会報告書」の御紹介になります。精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築の基本的な事項であったり、下のほうの地域包括ケアシステムを構成する要素ということでまとめております。
14ページ、第6期障害福祉計画及び第2期障害児福祉計画に係る基本指針の見直しということで、ここで見直しの中で挙げられたものをまとめさせていただいております。赤枠で囲っているところが「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」ということで、精神病床から退院後1年以内の地域における平均生活日数であったり、精神病床の1年以上入院患者数であったり、退院率であったりというところが指標として挙げられているというものでございます。
15ページ、病院に関する主な人員の標準ということで、真ん中に精神病床がございまして、一般、療養、感染症、結核と比較したときの定義、人員配置標準をまとめさせていただいております。
16ページから19ページが、精神科入院に係る診療報酬と主な要件をまとめさせていただいております。
20ページに通院・在宅精神療法、21ページに精神科デイ・ケア等に係る診療報酬と主な要件ということで、ここはファクトベースでございますが、まとめさせていただいております。
これらの現状を踏まえて、22ページ以降ということでございます。「地域精神保健医療体制に係る評価について」ということで、2-1の「地域移行の推進について」からになります。
23ページ、包括的支援マネジメントということで、複数のサービスを適切に結びつけ、継続的に包括的なサービス提供を可能にする援助方法ということで、左側に医療、また、右に障害福祉サービス、右下に行政ということで、複合的なサービスということでマネジメントということでございます。
24ページ、令和2年の診療報酬改定のところで、地域移行・地域定着に資する継続的・包括的な支援のイメージということで、令和2年改定のところでこの(新)となっておりますところ、精神科退院時共同指導料2、真ん中の精神科退院時共同指導料1(イ、ロ)、右側の療養生活環境整備指導加算が新たにつくられたというものでございます。その内容につきましては、25ページ、26ページに詳細はつけさせていただいております。
27ページ、地域精神医療におけるIntensive Case Managementの効果ということで、包括的支援マネジメントを標準的ケアと比較した有効性がまとめられております。右の点線囲みのところで方法・内容はこういったことをやっておりますということで、左下のアウトカム項目のところで「入院日数」や「ケアからの離脱」の減少が見られているというものです。「社会機能全般」は向上、「自殺による死亡」は同程度、「就労・精神状態・生活の質」は不明確だったという結果でございます。
28ページ、精神科外来における包括的支援マネジメントでございます。外来における精神保健福祉士等による包括的支援マネジメントの導入により、平均入院回数の減少に寄与したという結果でございます。右の下の棒グラフの比較が平均入院回数の変化というものでございます。
29ページ、外来における包括的支援マネジメントの実践ということで、外来に配置された精神保健福祉士等が包括的支援マネジメントを提供し、地域とのつなぎ役を担うことにより精神障害を有する方等の支援が充実するというものでございます。
30ページ、ここまでのまとめですけれども、地域移行の推進のところでは、外来における包括的支援マネジメントの提供が重要ということ、外来に配置された精神保健福祉士等が包括的支援マネジメントを提供し、地域とのつなぎ役を担うことにより精神障害を有する方等の支援が充実するということでございます。
2-2の「在宅患者支援について」に入ります。
32ページ、訪問診療等のニーズがある者の状態像ということで、重症者等でひきこもり事例ということで、集中的な支援を必要とする重症患者が左側、右側がひきこもりの状態ということで、こういった方には訪問看護、訪問診療のニーズが高いと。
33ページ、精神保健相談における困難さということで、市町村で精神保健相談をやっているということですが、そこで何らかの困難さを認識しているというのが98%、下の棒グラフですと黄色と赤が困難だと感じていると。その理由が上のほうに挙げられています医療機関受診を拒否している事例、ひきこもり、虐待ということでございます。
34ページ、精神保健相談における困難さの軽減策ということで、困難さを軽減するための対策、左側ですが、「精神医療の充実」が望まれていると。「精神医療の充実として望まれる事項」というのが右下になりますが、「精神科医による往診・訪問診療等」を望まれているという実態がございます。
35ページ、精神科における往診・訪問診療・訪問支援に関する実態調査ということで、ひきこもりや病状悪化による通院困難があるということでございます。左側で囲っておりますが、支援開始の理由でこの2つが大きいというものでございます。
36ページ、精神科で全体的な評価に使われるGAF尺度を載せさせていただいております。
37ページ、令和2年の診療報酬改定で精神科在宅患者支援管理料の見直しを行ったというものを挙げさせていただいております。左側を右側に変えたというものでございます。
38ページ、在宅患者支援の課題ということで、精神科在宅患者支援管理料の対象者は、退院後の患者や特定の精神疾患で重症度の高い者に限られているというのが現状でございます。市区町村における精神保健相談については、未治療・治療中断やひきこもりの事例への対応困難があると。精神科医による往診・訪問診療を望む声が多い、訪問診療等の提供体制がまだ足りていないということかということでございます。
39ページから「通院・在宅精神療法について」に入ります。
先ほど措置入院のところで説明をさせていただきました精神保健指定医ということで、精神保健指定医とはということでございます。精神保健指定医精神保健福祉法ということで下に挙げられています。5年以上診断または治療に従事した、3年以上精神障害の診断または治療に従事した経験、厚生労働大臣が定める程度の診断または治療に従事した経験、4つ目が研修の課程を修了というようなことでございます。
精神保健指定医についての御説明ということで、その職務を41ページに挙げさせていただいております。
42ページ、精神保健指定医のところで「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会報告書」ということで、精神保健指定医の資格の資質確保の観点からということで、ケースレポートの審査に加えて口頭試問等新たな要件が加わっているというものでございます。
43ページ、精神保健指定医の研修ということで、先ほどの要件であった研修の課程ということの研修の御紹介でございます。
通院・在宅精神療法の概要ということで、これは診療報酬、現在の通院・在宅療法の構造を44ページに挙げさせていただいております。先ほどから御説明をさせていただいておりますとおり、精神保健指定医とは一定の経験を有しており、措置入院等にも関わるというある意味優れた能力を持っている方たちでございますが、そういった方たちについて特に通院・在宅精神療法のほうで評価に区別がないのが現状というものでございます。
46ページから「精神科個別事項について」ということで、3-1の「依存症診療について」ということで、47ページから「依存症について」ということで御説明をさせていただきます。
依存症につきましては、現時点ではアルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル依存症の3依存症が該当しているというものです。
48ページ、依存症の患者数は増加傾向ということで、アルコール、薬物、ギャンブルということでまとめさせていただいております。
49ページ、依存症患者の支援には相談・医療・自助グループが重要ということで、体系的に対応をしている。
50ページ、依存症に関する診療報酬上の評価でございます。左側が薬物・ギャンブル依存症、これが依存症の集団療法ということで外来でやるもの。アルコールに関しましては入院、重度アルコール依存症入院医療管理加算があるというものでございます。
51ページ、依存症の相談・医療体制の整備ということで、薬物依存症の診療を行う医療機関及び専門医療機関は近年横ばいになっているというものでございます。
それぞれの依存症に対する、52ページが薬物依存症に係る入院治療プログラムの御紹介でございます。
53ページ、アルコール依存症に関してということで、重度アルコール依存入院管理加算の施設基準にも入っております研修の御紹介でございます。
54ページ、ギャンブル依存症に関する標準的プログラムということで、集団療法として効果のある治療プログラムが開発をされたというものの御紹介でございます。
55ページ、依存症についての課題ということで、アルコール依存症・薬物依存症ともに患者は増加傾向、特に薬物依存症の診療を行う医療機関数は横ばい、外来治療で薬物依存症、ギャンブル依存症に対する集団精神療法が評価をされており、入院治療ではアルコール依存症の入院医療のみが評価をされている、近年、効果のあるプログラムが様々開発されている状況ということでございます。
56ページから3-2の「児童・思春期精神医療について」ということでございます。
57ページから「児童・思春期精神医療について」ということで、主に20歳未満の心の問題を対象としているということで、発達障害や鬱病等の精神疾患以外に不登校、3歳になっても話さない等の理由ということで、かなり幅広の状態を受けていただいているというものでございます。
58ページ、20歳未満の精神疾患総患者数の疾病別の内訳というものになります。
59ページ、20歳未満の精神疾患の在院患者数ということで、入院形態別と疾患分類別ということになっております。
60ページ、精神疾患等を有する児童・思春期の患者に対する外来診療に関する診療報酬上の評価でございます。一番上の小児特定疾患カウンセリング料につきましては、小児科または心療内科というので、18歳未満ということで報酬上の評価がなされていると。その下になりますが、通院・在宅精神療法、これに関しては精神科を担当する医師がということで、まず20歳未満の加算があるということ。さらにその下、児童思春期精神科専門管理加算ということで、先ほどの通院・在宅精神療法の加算がある、20歳未満加算がある方に対して、精神科を担当する医師が16歳未満の患者に対しというのでもう一つあるというものでございます。61ページがその詳細でございます。
62ページ、発達障害の診断に係る初診時の待機期間ということで、近年、発達障害の診断に係る初診時の待機時間が長期化しているということがあるということでございます。
63ページ、児童・思春期の精神医療に係る地域の連携体制構築ということで、これも地域の関係機関と連携し、包括的な支援が行われているというものでございます。
64ページ、児童・思春期精神医療の専門医療機関における診療期間ということで、児童・思春期精神医療の専門医療機関におけるカルテ調査から、初診から2年以上継続している患者は47%、5年以上については26%ということで、診療継続率が左側でございます。初診後2年以上の患者の2割で学校や児童相談所との連携が半年に1回以上行われている、初診後5年の時点でも同様に2割の連携が行われている、これが連携実施率ということで、右側の折れ線グラフになります。
65ページ、児童・思春期精神医療に係る診療報酬の算定期間ということで、先ほど御紹介させていただきました3つの加算ということで、一番上の通院・在宅精神療法20歳未満に関しては1年以内、児童思春期専門管理加算については2年以内、小児特定疾患カウンセリング料は2年以内、年齢もそれぞれ違っている状況でございます。
児童・思春期精神医療の外来では、2年以上の診療が5割の患者で行われている、2割の事例では初診後5年の時点でも他医療機関との連携を要するということで、一定の労力がかかるという中で、通院・在宅精神療法児童思春期専門管理加算等による評価は、初診から一定期間、一定年数に限られている状況でございます。
67ページから「認知症について」でございます。
68ページから「精神疾患の医療体制の構築に係る指針」の中で、目標として「認知症の人が」ということで掲げられているものを紹介させていただいております。
69ページ、認知症疾患医療センターの運営事業ということで、全国に488か所ということで、総合病院や大学病院との基幹型であったり、精神科病院、一般病院の地域型、診療所、一般病院の連携型の3種類があるというものでございます。
認知症疾患医療センターについてということで、センターの機能といたしましては、認知症に対する専門的医療、地域連携の推進、診断後の相談支援という形になっております。
71ページ、認知症疾患医療センターの診療報酬についてということで、認知症専門診断管理料1と2があるということで、下の絵を見ていただきますと、かかりつけ医が左、右側が認知症疾患医療センターということで、紹介とその紹介を受けた医療機関に対して文書での報告ということで、1については認知症疑いの患者で、2については症状増悪時ということでございます。1に関しましては基幹型・地域型、連携型、全て点数があると。2については基幹型・地域型になっているというものでございます。
認知症についての課題ということで、認知症疾患医療センターが整備されてきている、488か所ございますと。連携型の施設においても一定の身体合併症やBPSDに対する対応がなされているということでございます。
74ページ、「論点」ということで、ここまで精神科医療に係る論点といたしまして、【地域移行の推進について】では、包括的支援マネジメントに基づいた相談体制の構築を促進するという観点から、療養生活環境整備指導加算の評価の在り方についてどのように考えるかということ。
【在宅患者支援について】は、ひきこもり状態等の方を含めた精神疾患患者の治療・支援を確保する観点から、精神科在宅支援管理料の対象患者についてどのように考えるか。
【通院・在宅精神療法について】は、通院・在宅精神療法に係る評価の在り方、これに精神保健指定医が入っていないということですが、これをどう考えるか。
【依存症診療について】のところでは、依存症に対する入院・外来医療に係る診療報酬の評価の在り方についてどう考えるか。
【児童・思春期精神医療について】は、長期に継続して外来診療を要する事例に対する診療上の評価をどうするか。
【認知症について】は、認知症専門診断管理料の評価、先ほどの連携型についてどう考えるかということでございます。
76ページからは「療養・就労両立支援等について」ということになります。
77ページ、治療と仕事の両立支援の推進ということで、上のほうにありますが、労働人口の3人に1人が何らかの病気を抱えながら働いているということ。「働き方改革実行計画」の中では企業における意識改革と受入れ体制の整備、主事医、企業・産業医、両立支援コーディネーターのトライアングルサポート体制の構築ということで、仕事と治療の両立を図ることになっております。両立支援の進め方がその下の絵になっていますが、主治医、労働者、両立プラン作成、この右側が企業ということで、3者でということになります。そこにサポートとして両立支援コーディネーターが入るというのがその下の絵でございます。
診療報酬上の評価といたしましては、療養・就労両立支援指導料ということで、78ページになります。右が主治医、左が企業の産業医ということで、産業医と患者の間で共同して文書作成をし、主治医に渡し、主治医から情報をもらう。そういったところで点数化がされているというものでございます。
79ページ、療養・就労両立支援指導料になります。そこの中で対象疾患が総括安全衛生管理者、衛生管理者、安全衛生推進者及び労働者の健康管理を行う保健師が追加をされたというのが令和2年改定でございました。
相談支援料の加算が創設されたということで、下のほうですが、看護師または社会福祉士が相談支援を行った場合の評価ということで、相談支援加算が50点追加をされているというものでございます。
仕事と療養の両立支援の中でガイドラインやマニュアルがつくられているというものでございます。それが80ページでございます。がん、脳血管疾患、肝疾患が順につくられ、この辺は診療報酬上で対応されていると。心疾患、糖尿が今回追加をされ、さらに若年性認知症の治療と仕事の両立の手引が策定される予定となっております。
令和2年改定でどこに情報提供するか、産業医はいいのですけれども、それ以外どこまでオーケーかということで、安全衛生推進者まで了解が、診療報酬上は評価をしていいということになっておりますが、衛生推進者のところが抜けている状況でございます。
治療と仕事の両立支援の充実で82ページ、「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」も定められていて、メンタルヘルス等へのサポートの仕方の重要性について書かれているというものです。
83ページ、先ほど冒頭でありましたが、左側が企業、真ん中が労働者、右側が主治医になりますが、その間に入って、企業の立場であったり、医療機関の立場であったり、または第三者の支援機関等であったりということで両立支援コーディネーターという方がおられて、間に入って調整をする、相談にも乗る体制が取られています。
84ページがその養成カリキュラムになっていて、85ページがこの両立支援コーディネーターはどんな方がなっているかということで、医師、看護師、社会福祉士ということで、看護師、社会福祉士が多いのですが、公認心理師や精神保健福祉士もなっておられるということです。
治療と仕事の両立支援の充実ということで、86ページ、メンタルヘルスの不調を抱えた労働者の回復の程度を考慮した支援が求められている、これも両立支援コーディネーターの一つの業務ということで、87ページ、公認心理師や精神保健福祉士による両立支援における関わりには利点が指摘をされているというものでございます。
88ページ、公認心理師の役割と配置ということでその御紹介、89ページ、精神保健福祉士の役割と就業状況ということでその御紹介でございます。
90ページ、療養・就労両立支援に係る課題ということで、両立支援のためにということで、今回マニュアルに心疾患、糖尿病の事例が追加をされた、さらに若年性認知症における治療と仕事の両立に関する手引が策定される予定と。衛生推進者については、労働者の健康に係る業務を担当する者として選任されている場合があるが、現在、診療報酬上、療養・就労両立支援指導料の評価の対象となっていないこと、一番下になりますけれども、療養・就労両立支援指導料の相談支援加算の対象となる職種は看護師または社会福祉士となっているが、両立支援コーディネーター基礎研修の受講を修了している公認心理師や精神保健福祉士も出てきている状況でございます。
91ページからが「がん患者に対する心理的支援について」でございます。
92ページ、がん患者の緩和ケアということで、がん患者が増加する中、がん患者の緩和ケアがどういう位置づけかということで、下のほうで「がん対策推進基本計画(第3期)」の中で「国は、患者等とのコミュニケーションの充実など、患者とその家族が痛みやつらさを訴えやすくするための環境を整備する」という位置づけになっているというもの。
診療報酬上ということで93ページ、がん患者指導管理料ということで、医師または看護師が心理的不安を軽減するための面接を行った場合が評価をされていて、その下に算定回数の推移がございます。
公認心理師が実施するがん患者に対する心理的支援ということで、現状でもということですが、心理職の方が様々対応されているという紹介が94ページでございます。
95ページ、がん患者に対する心理的支援のところで、がん患者の心のケアということで、現行のがん患者指導管理料の対象となる職種に公認心理師が含まれていない状況ということでございます。
「論点」といたしましては、【療養・就労両立支援について】は、療養・就労両立支援指導料についてどのように考えるか、評価の在り方、対象疾病ということ。あとは相談支援加算の評価についてどう考えるか。
【がん患者に対する心理的支援について】は、がん患者指導管理料の評価についてどう考えるのかということでございます。
事務局で準備した資料は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明も踏まえて、御意見等がございましたらよろしくお願いいたします。
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
それでは、私から本日の個別項目につきまして、それぞれの論点についてコメントさせていただきたいと思いますが、少しお時間をいただければと思います。
まず、75ページの精神医療についてでございます。精神障害にも対応した地域包括ケアシステムを構築するという観点から、退院の患者さんだけではなくて現行の療養生活環境整備指導加算では評価されていない外来患者さんに対する精神保健福祉士、いわゆるPSWの関与についても評価する方向で検討を進めるべきと考えます。
また、現行の療養生活環境整備指導加算は、26ページにありますとおり月1回の算定となっておりますが、退院後間もない患者さんはより濃厚な関わりといいますか、関係が必要であろうということから、算定回数を2回程度に見直すことも必要ではないかと考えております。
引き続きまして、在宅患者さんの支援についてでございます。前回改定で精神科在宅患者支援管理料を再編した結果、精神科の在宅患者支援におきましては困難事例が浮き彫りになった現状を鑑みれば、今回の提案にありますように、市町村等から依頼のあったひきこもり状態の患者さんなども対象に加えるなど、今回改定でもう少し要件緩和をすべきと考えます。実際にひきこもりの患者さんに対応されるのは、人員や体制が整った病院の先生方であることが多いと認識をしております。ただし、状態が落ち着くまでは十分な支援管理が必要でありますし、入院を踏まえた対応も行う必要があることから、現行の精神科医、看護師と作業療法士、PSW等とされている保険医療機関の配置基準については、精神保健指定医や公認心理師、また、管理栄養士なども加えた多職種チームとすることも検討をするべきではないかと考えます。
また、現行要件では最長でも2年間という算定期間制限がありますが、継続的な医療の必要性がある患者さんが多いということに対しては、期限を限定しない必要もあろうと考えます。また、病院のリソースも限られておりますので、治療や支援がある程度進んだ後は地域の診療所の先生方と連携して在宅支援を行うようにするなど、連携した場合の評価なども検討に値するのではないかと考えます。ひきこもりの患者さんは非常に増えているという実態もございますので、これに対しての対応はしっかりと取っていただきたいと思います。
続きまして、通院・在宅精神療法についてですが、精神科病院だけではなくて、入院の設備のない医療機関の外来で、福祉法や精神科における人権問題について熟知していなければ十分な対応ができないと考えております。それは40ページにありますように、精神保健指定医の資格を取得することによって担保されるために、外来診療においてこの指定医の評価は重要であろうと考えております。したがいまして、この精神保健指定医による診療を評価するという方向性はよいとは思いますが、この指定医が措置入院を含めた全体感を持った対応を行うことができるという点において、その診療の質を評価することについては、今般の取組を踏まえて検討に値する対応と考えております。
続いて、依存症治療についてでございますが、50ページにありますように、アルコールの依存症については入院医療のみが評価されておりますが、入院に至る前の段階で集団療法において介入していくことも十分意義があろうと思います。
一方で、ギャンブル依存症については入院の評価がありませんが、ギャンブル依存症の患者さんへ入院治療を行うことはあまり考えられないとは思います。54ページにはギャンブル依存症に対する標準的治療プログラムが掲載されておりますが、実際にこうした治療に関与するドクターの研修の有無、また、その実施状況は、現在このコロナ禍もあるわけですが、どうなっているのか、これは後ほどお答えをいただきたいと思いますが、事務局から御説明をいただければと思います。
続きまして、児童・思春期の精神療法についてでございます。20歳未満の精神疾患を有する患者さんが近年増加をする傾向にあることなどを踏まえますと、精神保健福祉士、PSWとの連携を促進することなどと併せて、65ページにある通院・在宅精神療法などの期間制限はもう少し実態に合わせてきちんとした治療機会を提供できるよう整える必要があろうと考えております。
なお、65ページの通院・在宅精神療法の児童思春期精神科専門管理加算につきましては、施設基準の要件が専門性の高い医療機関に限られていますが、これらの患者さんの診療を担うことができるドクターは必ずしも専門性の高い医療機関で働いているとは限りませんので、対応する医療機関を増やすためにも要件を見直すことも検討すべきであろうと考えてございます。
続きまして、精神医療の最後でございますが、認知症についてでございます。72ページを見ますと、連携型の認知症疾患医療センターであっても身体合併症やBPSDへの対応が行われているというエビデンスも示されておりますので、認知症専門診断管理料2の対象として連携型も評価すべきであると考えております。
なお、この認知症につきましては、在宅患者訪問看護・指導料では、社会福祉施設等の認知症患者さんも対象に含まれているのに対して、精神科の訪問看護・指導料では除外となっている現状がございまして、この点は不合理であるということを指摘しておきたいと思います。
続きまして、療養・就労両立支援等についてでございます。97ページでございますが、今回のこの提案は対象疾患をガイドラインに合わせて整備することと、安衛法に位置づけられた職種を連携先として加えるということで、治療と仕事の両立支援をさらに推進してはどうかという御提案でございまして、賛同したいと思います。これによって50人未満の事業場での労働者の療養と就労の両立が促進されることに期待をしたいと思います。
また、現行の療養・就労両立支援指導料の相談支援加算の対象職種に精神保健福祉士や公認心理師を追加することも必要な対応と考えております。
最後になりますが、がん患者さんに対する心理的支援についてでございますが、がん患者指導管理料におきまして公認心理師による指導を評価することについても、チーム医療において適切に役割を果たすという観点から、こちらも賛同したいと思います。
私からは以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
1つ質問がございましたけれども、後で事務局よりまとめて回答していただきたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
城守委員のそれぞれの論点に関しては全面的に賛成でございますが、75ページの論点に関して幾つか意見を述べさせていただきます。
まず、精神疾患患者の在宅支援、環境整備に関してでございますが、各病院が急性期から退院までを診るスタイルを長く続けていたために、病院主体で自宅生活を維持する環境整備が行われてきた現状がございます。病院がアパートを買い取ってそこを共同住居とするなど、患者の住居の確保が行われてきました。最近は民間の訪問看護をやっている会社と同じような手法でグループホームを確保しているケースもございます。精神障害の患者は家族と疎遠な方が多く保証人がいない、経済面の問題としては労働能力がないために生活費が生活保護もしくは障害年金のみであるといったこととか、住居の確保が難しいという問題がございます。
近年の抗精神病薬は思考障害を改善させ、社会性を維持し得る薬が多く出てきておりますので、若年層の患者は訪問看護やヘルパーなどのアウトリーチで何とか自宅での単身生活適用が可能な時代になってきております。長期入院は避けるというのが今の常識になっておりますので、医療機関は患者の在宅継続への支援は十分行っている状況だと考えております。ただ、33ページにございますように非常に対応が難しいといったことに関して、さらに環境をよくするためには、相談支援をする公的な施設や役所の相談部署の人員などに予算を投入したほうがより効果的な環境をつくれると考えます。病院以外で生活環境について相談する場所がなくて困っているというのが精神科医療の現状だということでございます。
それから、依存症、児童・思春期の診療についてでございますが、この分野は治療スキルを持った医師があまりにも少ないというのが根本的な問題でございます。依存症には集団精神療法と断酒会のような自助グループが症状安定には不可欠と言われておりますけれども、集団精神療法をできる病院が非常に少なくて、ほとんどの標準的な精神科病院は依存症は避けているというのが現状のようです。
依存症とともに児童・思春期の対応も非常に重要なことで急務でございますが、児童・思春期の患者は外来で診るにしても診療時間が長くなるため、さらに評価診療で評価すべきだと思われます。発達障害の患者が社会的要因で急増しておりまして、全く医療側が対応できていないのが現状でございます。思春期は発達障害の患者が多くて、これは薬物治療では改善できない疾患なので、環境調整やカウンセリングのような手法で時間をかけてじっくりやるしかないので、基本的には避けられる傾向にあるということでございます。
依存症とともに心理の先生が不可欠でございますが、今、心理職の心理カウンセリング単体での診療報酬の評価がございませんので、この心理の方々はほぼボランティアでやっている状況ですが、心理カウンセリングを受けることができる施設のニーズは非常に高いと思います。糖尿病や心不全などのような慢性身体疾患で緩和ケア領域でも心理カウンセリングのニーズは非常に高いという現状から、公認心理師等の評価をさらに高めていくべきだと思います。
以上、意見でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
論点を中心に発言をしたいと思います。
精神疾患を有する方については、カウンセリングやケアマネジメントなどの相談援助機能によって患者の心理的な安定をもたらし、診療や入院患者の地域移行推進にも効果があると理解しています。一方で、カウンセリングやケアマネジメントなどの機能を提供できる体制がまだ十分ではないと感じております。よって、療養環境整備指導加算に係る支援の充実について、異論はありません。
また、精神科在宅支援管理料の対象患者を広げることについても理解をいたします。
通院・在宅精神療法についても、充実に向けた検討が必要であると考えています。
児童・思春期精神医療に係る診療報酬についても、さらに強化を検討することは理解したいと思います。
療養・就労両立支援指導料においては、公認心理師や精神保健福祉士の相談支援について評価することについても理解したいと考えます。
また、78ページの算定の流れで、最初に企業と患者が共同で作成した勤務情報を記載した文書を持参することになっておりますが、なかなか推進できていないと聞いております。患者が医療機関に相談し、患者の了解を得て医療機関が企業へ情報提供するなど、アプローチの方法に幅を持たせるといったことも必要ではないかと考えております。
がん患者に対する心理的支援における公認心理師を対象とすることについても、理解したいと思います。
依存症について、48ページでは若年では市販薬が多くなっているとのことですが、市販薬の管理にどう取り組むのか、登録販売業者への指導、研修等、何らかの対応策が必要ではないかと考えております。
こうした評価を検討する一方、効果分析、検証は重要であり、しっかりとした取組が必要であると考えます。
1点質問があります。35ページにある往診・訪問診療・訪問支援に関してどれぐらいの実績があるのか、また、往診・訪問診療・訪問支援が可能な精神科医はどれぐらいいらっしゃるのか、教えていただければと思います。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
御質問につきましては後でまとめて事務局より回答していただきたいと思います。
安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
私からは、療養・就労両立支援について意見を述べさせていただきます。
この論点の肝は療養・就労両立支援指導が効果的に実施されることであるところ、そして、現行の算定状況も確認しつつ、その実効性について検証していく必要があると考えております。その前提で、療養・就労両立支援指導料における企業側の連携先に衛生推進者を含めることにつきましては、中小企業における治療と仕事の両立支援の裾野を広げるという観点から、含めるという方向性に賛成いたします。
また、メンタルヘルス面を支援する観点から、相談支援加算の対象職種に公認心理師や精神保健福祉士を追加する方向性についても賛成いたします。
治療と仕事の両立の場合の話に限ったものではありませんが、職場におけるメンタルヘルスにつきましては、精神医療に至る前での早期の支援が大変重要であると考えており、診療報酬を超える部分もあると思いますが、早い段階での相談支援の充実が重要であると考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
精神医療について、少し述べたいと思います。
入院から地域へという流れを推進する必要がありまして、全体的な方向性については十分理解をしております。そうした前提の中で幾つかコメントさせていただきたいと思います。
まず、論点の地域移行の推進にあります、療養生活環境整備指導加算の評価についてでございますが、外来で包括的支援マネジメントが重要であることは十分に理解しておりますけれども、対象患者をどこまで拡大するのか。25コマ等にございますものを参照しながら拡大する方向かと思いますけれども、それについては十分見極めたいと考えております。
続きまして、在宅患者支援についてでございますが、精神科在宅患者支援管理料について、現場でいろいろ支障が生じているという説明がございましたけれども、それであれば是正すべきでありますが、前提が重度の患者ということを想定しておりますので、それについては十分留意していただきたいということがございます。
3つ目の通院・在宅精神療法についてでございますけれども、先ほど説明がございましたが、精神保健指定医と他の精神科医で全体の医療の質が上がるということであれば、ある程度それについては条件をつけて、メリハリをつけた形にしていただきたいということでお願いしたいと思います。
以上3つでございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
私からは質問を2つさせていただきたいと思います。
精神疾患を持つ方の地域移行は非常に重要だと考えています。資料の中で入院者数が減っているという説明をされていますが、確かに入院者数は減っているのでしょうけれども、日本の精神医療の中で、世界的に見ても入院患者は日本は突出して極めて多いのですね。しかも、その半数近くが強制入院や保護、措置ということで入院して、しかも長期入院、1年以上ですね。5年以上という人たちもたくさんの割合がいる。その人たちは身体拘束や隔離などの行動制限をされていると聞いています。強制入院や行動制限の要件は非常に曖昧だということもありますし、個々の現場の判断で非常に緩く解釈されていることも現状はあるということで、地域移行を進めていくことは入院患者数を減らしていく、それから、入院期間を短縮させていくことを狙っていると思うのですけれども、具体的にどういう数字というか、数字ではないのかもしれないですが、具体的な検討や対策はどこかでしているとは思うのですけれども、具体的にそういうものはどこかでしているのかを聞きたいと思います。
それから、小児の精神科の受診ですけれども、非常に声が大きく上がっているのが、受診できない、初診の受付をしていないとかということがどうもあるのですね。実際にこの論点の中にも書いてありますけれども、その原因と受診できるような体制に持っていく具体的な対策を検討しているのかどうか。実際に小児精神科を標榜する医療機関は少ないというのも問題でしょうけれども、多くのホームページなどを見ても、今、初診の受付はしていませんとか、11月分は予約がいっぱいで受け付けられませんとか、再診が多くて初診を受け付ける余裕が全くないということもある。今、子供たちはコロナ禍で、すごく精神的にダメージを受けている状態があるわけです。これは本当に緊急事態とも言える状況だと思います。受診が遅れれば、時間がたてばたつほど悪化することも考えられますから、これについて本当に緊急に対策や検討をしているのか。その2つを聞きたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに委員の先生方から御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、幾つか御質問もいただいておりますので、まとめて事務局から回答していただきます。よろしくお願いいたします。
○林精神・障害保健課長
精神・障害保健課長でございます。
御質問いただいた点について、私からお答えできる部分を順にお答えさせていただきたいと思います。
まず、ギャンブル依存症についてでございます。ギャンブル依存症の研修について、コロナ禍で少し遅れているようなところもあるのではないかという御指摘であったかと思いますけれども、令和3年度につきましては、ちょうど昨日、今日でございますけれども、医師31名を含めて87名の方が集団精神療法に係る集合研修について受けていただいております。また、これ以外にも厚生労働省が補助を行う研修を平成30年度より行ってきておりまして、医療従事者の方に毎年50名程度受講いただいている状況でございます。
ギャンブル依存症そのもので入院をしていただくことはあまりないということかも分からないのですけれども、ギャンブル依存症のある方は発達障害であるとか、あるいは希死念慮といったことで、ほかの精神疾患で入院されることもございますので、そういったきっかけで入院された際に、入院中にもギャンブル依存症の治療ができるということも含めた御提案を本日させていただいているところでございます。
次に、精神科の訪問診療、訪問看護等を受けていらっしゃる方の実態ということでございますけれども、今、手持ちで準備しておりますのは、本日議論になっております精神科在宅患者支援管理料についてでございまして、これを届けておられる医療機関が257か所、令和2年度でございます。病院、診療所半々ぐらい、病院が115、診療所が142ということでございました。算定患者数が、令和2年で対象が減った後でございますけれども、2,700人ぐらい1つの月にいらっしゃったということでございます。実際にはこの管理料を算定せずに訪問診療、訪問看護を受けていらっしゃる方が相当数いらっしゃると思いますので、実際の提供体制や受けていらっしゃる患者数はこれよりもかなり多いものと想定をしております。
間宮委員から、地域移行や地域生活支援に関する検討体制ということの御質問がございました。本日の資料で見ますと11ページや13ページがその例になるかと思います。医政局で医療計画というものを策定しております。現在のものは第7次で、また、今後第8次の医療計画の策定に向けた検討が始まりますけれども、そういった中で都道府県ごとの基準病床数といった検討が行われまして、医療体制の整備についても検討が行われます。また、私どもの精神・障害保健課では13ページにありますような地域包括ケアシステムの関係の検討会なども行っておりまして、地域生活支援をしっかりしていくことで地域移行を図る、こういった検討についても現在も引き続いて行わせていただいているところでございます。
児童・思春期の関係につきましては、診療に従事される人材の不足や提供体制が少ないという御指摘を多くの委員からいただきまして、間宮委員からも御質問いただきました。本日の御説明の中では62ページに、この発達障害の診断に係る初診時の待機期間についてということで、福祉側の私どもの部のほうの対応といたしましては、初診までにできるだけ情報を整理していただいて、できるだけお手間をかけずに医療機関で対応いただけるような形を取ることで受診の機会を増やせないかというような事業をさせていただいているところでございます。
また、人材を増やすことも非常に重要でありまして、例えば61ページの診療報酬の専門管理加算の中では特定機能病院を要件に入れていただいておりますので、こういったところで大学における診療の場の確保を図ることで人材養成を図っていただているような効果も生んでいることを期待しておりますし、それ以外にも、例えば都道府県が寄附講座を設けるとか、そういったことで人材育成を図っていらっしゃるという例を聞いております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
よろしいですか。
今、事務局から説明をいただきましたけれども、ほかに追加の御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、特にそのほかの御意見等はございませんようですので、本件に関わる質疑はこの辺りといたしまして、今後事務局において本日いただいた多くの御意見を踏まえて対応していただくようにお願いいたします。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会はこれにて閉会といたします。長時間、どうもありがとうございました。
 


 
 

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