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2021年10月27日 中央社会保険医療協議会 総会 第493回議事録

○日時

令和3年10月27日(水)診療報酬基本問題小委員会終了後~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 松浦満晴委員 末松則子委員
松本吉郎委員 城守国斗委員 長島公之委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 半田一登専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○診療報酬基本問題小委員会からの報告について
○在宅(その3)について


 
○小塩会長
それでは、ただいまより第493回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。本日は、永瀬委員が御欠席です。
それでは、議事に入らせていただきます。
最初に「診療報酬基本問題小委員会からの報告について」を議題といたします。
本件につきましては、診療報酬基本問題小委員会において議論を行ったところですが、小委員会でまとめていただいた御意見も含めて事務局より説明をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、中医協総1-1を御覧ください。先ほど行われました基本問題小委員会におきまして尾形分科会長より入院医療等の調査・評価分科会における最終取りまとめを御報告いただきました。
最終取りまとめは、1ページ目に記載されておりますように、1から11の項目につきまして調査分析をしていただいたものでございます。詳細な報告内容につきましては、重複いたしますので、省略させていただきます。
この基本問題小委員会におきましては、取りまとめをされた分科会に対する感謝及びこの取りまとめを踏まえた次回改定に向けた見解等、お話合いがされました。事務局といたしましては、この取りまとめを踏まえ、総会では今後御議論をいただくというふうに考えております。
簡単ではございますが、報告は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、診療報酬改定に関する内容につきましては、引き続き議論していただくことにしたいと思います。
続きまして「在宅(その3)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、中医協総-2「在宅(その3)」に沿いまして御説明させていただきたいと思います。
2ページ目でございます。「訪問看護について」で「1.訪問看護の現状等について」「2.質の高い訪問看護に向けた取組に係る評価について」「3.論点」という形でまとめさせていただいております。
まず1つ目、3ページ目以降で、訪問看護の仕組みということで、現状の中でまず仕組みからということでございます。○の3つ目ですが、利用者は年齢や疾患、状態によって医療保険又は介護保険の適応となるが、介護保険の給付は医療保険の給付に優先することとしており、要介護被保険者等については、末期の悪性腫瘍、難病患者、急性増悪等による主治医の指示があった場合などに限り、医療保険の給付により訪問看護が行われるということになっております。下のほうの絵で、左側が医療による訪問看護利用者、右側が介護による訪問看護利用者ということでございます。
4ページになります。訪問看護ステーション数及び訪問看護を行う医療機関数の年次推移ということで、訪問看護ステーションが増加傾向というものでございます。
5ページ目で、訪問看護利用者数の推移ということで、医療保険、介護保険、それぞれの推移を挙げさせていただいております。
6ページ、訪問看護に係る医療費・介護給付費の推移ということで、医療費・介護給付費、折れ線グラフにつきましては伸び率ということでそれぞれ示させていただいております。
7ページでございます。医療保険の訪問看護における利用者数及び医療費増加の背景ということで、左上が訪問看護ステーション利用者における、要介護被保険者等、別表第7該当者、特別訪問看護指示書の交付を受けている利用者数の推移ということで、その右側が傷病分類別利用者数の推移、左下が小児の訪問看護利用者数の推移を挙げさせていただいております。
8ページになります。訪問看護ステーション数の看護職員規模別の推移ということで、左側が看護職員規模別の訪問看護ステーション数の推移、実際の数でございます。右側が割合の推移となっております。
ここまでが訪問看護の現状で、9ページのところに8月25日、この総会におきましていただきました御意見を挙げさせていただいているというものでございます。
10ページ以降になります。「2.質の高い訪問看護に向けた取組に係る評価について」で、まず「2-1 専門性の高い看護師による同行訪問」でございます。
11ページになります。令和2年度の診療報酬改定におきまして、専門性の高い看護師による同行訪問の充実が挙げられております。これにつきましては、利用者のニーズに合わせてということで、専門性の高い看護師による同行訪問について、人工肛門・人工膀胱の皮膚障害を伴わない合併症を対象に含めるということで、その下のほうに悪性腫瘍、真皮を越える褥瘡等々がある中で新たに加えられたというものでございます。
8ページで、専門性の高い看護師による同行訪問で、現状ということでございます。医師が作成する訪問看護指示書及び訪問看護計画書に基づき、専門・認定看護師が他の訪問看護ステーションの看護師と共同して訪問看護を行った場合、訪問看護基本療養費(I)のハを算定できるが、単独で訪問看護を行った場合は、通常の訪問看護療養費を算定することとしているというものです。これが上のほうの絵になります。Aステーション、Bステーションで、同行した場合、Aステーションの人が専門看護師・認定看護師であった場合で、その右側の絵がばらばらで行った場合はそれぞれ単独ということで、○の2つ目ですが、特定行為研修修了者においては、取扱いが定められていないということで、下の絵ということになります。
13ページになります。専門看護師・認定看護師の概要で、専門看護師・認定看護師のそれぞれの役割、経験、教育機関であったり、認定の分野であったりということで、目的から挙げさせていただいて、まとめさせていただいております。
14ページで、専門性の高い看護師による同行訪問でございますが、褥瘡ケア等のニーズを有する在宅療養者に対する専門の研修を受けた看護師による同行訪問は、医療機関によるものが多いが、訪問看護ステーションによるものも増加傾向でございます。右側のほうにあるのが医療機関における専門研修を受けた看護師の同行訪問の算定件数で、下が施設数の推移でございます。左側の下にあります棒グラフが訪問看護ステーションにおける専門の研修を受けた看護師の同行訪問の算定回数でございます。
15ページで、訪問看護ステーションに所属する認定看護師・専門看護師の状況で、左側から専門性の高い看護師の有無で、専門看護師の専門分野等の紹介をさせていただいております。
16ページで、ここからは特定行為に係る看護師の研修制度に移ります。この2.のところを見ていただければ特定行為の流れということで、医師または歯科医師から手順書であらかじめ指示があった上でということですが、研修を修了した看護師がこういった行為を行うということの御紹介でございます。
17ページに、先ほどのところで出た手順書というものはどういうものかを御紹介させていただいております。
18ページが特定行為及び特定行為区分で、特定行為に係る看護師のそれぞれの区分であったり、行う行為であったりというものを挙げさせていただいております。
19ページになりますが、特定行為研修修了者の就業状況で、都道府県別のものを挙げさせていただいております。
さらに20ページで、訪問看護ステーションに所属する特定行為研修修了者であるやなしやというところが左上でございますし、特定行為研修修了者が修了しているパッケージの研修が左下で、右のほうが特定行為研修修了者が修了している特定行為区分でございます。
21ページで、特定行為研修修了者の活動による効果を挙げさせていただいております。(研究結果)のところに記載しておりますが、特定行為研修修了者の配置前に比べ、配置後に初回介入時と治癒時のDESIGN-Rの点数の差が上昇し、褥瘡の治癒日数は短縮する傾向にあったというものでございます。
22ページ、23ページにその事例を挙げさせていただいております。
22ページの事例、左下の黄色いところの「事例」というところで、退院時の状態がこういう方でございましたというものです。22ページの右下で効果ということで、月8回の通院が必要であったが、月2回に減らすことができ、通院に伴う本人・家族の身体的負担が軽減。通院にかかる費用(治療費、介護タクシー・ヘルパーの利用料)の負担を削減。通院では3~5時間を要するが、訪問看護で特定行為を実施することで約1時間所要時間と時間的負担も軽減。こういったことが起きているということでございます。
23ページも同様に、左下に退院時、いわゆる「事例」ということで事例の紹介で、右下に特定行為研修修了者による同行訪問の効果を挙げさせていただいております。
24ページに、今までのところをまとめたものを記載させていただいております。
25ページ以降が「2-2 理学療法士等による訪問看護」でございます。
令和2年度の診療報酬改定で理学療法士等による訪問看護の見直しが行われましたとの紹介でございます。週4日目以降の評価が見直されたということ、あと、計画書・報告書への記載事項が見直されたというものでございます。
27ページが、これも令和2年の診療報酬改定でございます。機能強化型訪問看護ステーションに係る人員配置要件の見直しということで、訪問看護ステーションにおける医療従事者の働き方の観点から、看護職員の割合を要件に加え、一部の看護職員については常勤換算による算入を可能としたということで、いわゆる要件を加えたというものでございます。
28ページに、訪問看護ステーションにおける理学療法士等の状況といたしまして、左側に訪問看護ステーションにおける職種別の従業者数の推移、割合を挙げさせていただいております。右側のほうに訪問看護ステーションの1事業所当たりの従事者数ということで、ブルーのほうが常勤換算従事者数、赤のほうが常勤換算看護職員数でございます。
29ページが、理学療法士等の割合が多い訪問看護ステーションが増加しているということで、理学療法士等の割合別の事業所割合でございます。
30ページが理学療法士の従事者数の年次推移ということで、介護サービス施設、病院、一般診療所を並べて棒グラフにしたものでございます。
31ページで、訪問看護ステーションにおける職種別の算定日数のところでございます。看護師等、理学療法士等、専門の研修を受けた看護師、准看護師ということで並べております。
32ページが理学療法士等による訪問看護種別ということで、訪問看護基本療養費が上、下が精神科訪問看護基本療養費でございます。その下が理学療法士等による訪問看護の割合別の利用者の傷病名で、傷病名の割合でございます。
33ページ、34ページで、理学療法士等による訪問割合別の訪問看護におけるケア状態で、理学療法士さんが何%おられるかということで区分を分けて、その患者さん、そのサービスを受けている患者さんがどういったこと、具体的なサービスを受けたかを挙げさせていただいているものです。
35ページになります。令和3年度介護報酬改定に伴う訪問看護指示書の変更で、介護保険におきまして、時間と回数を訪問看護指示書に記載することとしているということで、一部記載の方法が変わったというものでございます。
36ページは、今のところをまとめさせていただいているものです。
37ページ以降が「2-3 小児の訪問看護における関係機関等との連携」でございます。
38ページ、これも令和2年度の改定で、自治体への情報提供の見直しということで、訪問看護ステーションから自治体への情報提供について、15歳未満の小児の利用者を含めるということで、ここが増えたというものです。あとは学校等への情報提供の見直しで、情報提供先に保育所及び幼稚園を含めたというものでございます。
39ページになります。訪問看護を受ける小児の利用者数でございます。増加をしているというものでございます。
さらに40ページ、全国的に15歳未満の訪問看護利用者は増加傾向で、増加率は都道府県によってかなり差があるというものでございます。
41ページが訪問看護情報提供療養費の状況で、それぞれ1、2、3とございます。情報提供先、算定対象ということで、こういった点数がある。その下が算定人数となっております。
42ページが算定可能な情報提供先の整理で、先ほどの診療情報提供料(I)と先ほどの訪問看護情報提供療養費のところの比較をさせていただいているものでございます。
43ページのところで、これはn数がかなり少ないものということではございますが、算定対象となる訪問看護情報提供療養費2を算定できなかった理由ということで挙げさせていただいております。右下のほうで、算定対象となる利用者ではなかったということや算定対象となる情報提供先ではなかったという回答が寄せられているというものでございます。
44ページは、今のところをまとめさせていただいております。
46ページでございます。訪問看護に係る論点で【専門性の高い看護師による同行訪問について】で、この点につきましては、専門・認定看護師や特定行為研修修了者の専門性の高い看護師による訪問看護について、どのように考えるのかということ。【理学療法士等による訪問看護について】で、理学療法士等による訪問看護の在り方について、どう考えるのか。さらに3つ目で【小児の訪問看護における関係機関等との連携について】で、訪問看護情報提供療養費の算定可能な情報提供先等や頻度等について、どのように考えるかということでございます。
事務局としては、以上を資料としてまとめさせていただきました。
事務局からは以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明も踏まえまして、何か御意見、御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
最初に、城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
今回も46ページの論点に従いましてコメントいたしたいと思います。
まず【専門性の高い看護師による同行訪問について】でございます。
在宅患者さんでは、褥瘡や末期がんなど、専門性の高い看護提供についてニーズがますます増えてくることは理解しております。専門・認定看護師の役割として、指導や教育に加えて水準の高い看護ケアの実践が挙げられており、専門性の高い看護師が同行することによって、より患者さんの状態やニーズに適した対応が可能となることから高い評価となっていると考えております。
ここで事務局に少し御質問をさせていただきたいのですが、特定行為研修修了者にも同様の役割が与えられているということなのでございましょうか。また、取得に関わる研修時間、そして、養成機関は異なりますが、特定の状態にある患者さんへの対応という観点から同等とみなしてよいということでしょうか。
専門性の高い看護師の単独による訪問看護についても、通常の訪問看護と異なり、専門性を発揮する内容の訪問看護であるならば、専門性を評価した設定も検討すべきと考えます。
そして、今回の提案は今後、在宅医療の需要が大幅に増加することが見込まれる中で、質の高い訪問看護を推進する観点から、訪問性の高い看護師による訪問看護を評価してはどうかということと受け止めておりますし、その方向性については理解するところでございます。
ただ、評価をするにしても患者さんの状態や看護の内容に応じた評価とすべきであろうと考えます。また、専門性の高い看護師による訪問看護であっても、医師も含めたチームとして在宅医療を提供することが大前提となりますので、訪問看護ステーションが作成する計画書や報告書が過度に包括的なものになり過ぎないように注意しておく必要もあろうかと思います。
その他、例えば褥瘡を有する在宅療養の患者さんであれば、在宅医療を担当する内科医だけではなく、皮膚科医も関与するなど、複数のドクターが在宅療養に関与することも考えられますが、そうした場合の指示の確認方法についてもよく検討しておく必要があろうかと思います。
さらに、今回の提案は主に訪問看護ステーションからの訪問看護を想定したものとなっておりますが、評価をするのであれば、当然ながら、医療機関からの訪問看護についても同様に考えていく必要があろうと考えております。地域医療を守る医療現場では人手不足で、看護師をこのような研修に出す余裕がないのが実情でございまして、そうした環境を改善していくことも併せて御検討いただく必要もあるかと思いますが、医療機関の看護師であれば医師との連携もよりスムーズに行えることも考えられますので、医療機関からの訪問看護についても評価する方向性でよいと考えます。
続きまして【理学療法士等による訪問看護について】でございます。
26ページや27ページですが、理学療法士等による訪問看護につきましては、前回改定で週4日目以降の評価の見直しを行って、6割以上という看護職員割合の要件を設けましたが、これは継続することでよいと考えております。
今回の提案は、訪問看護ステーションからの理学療法士等による訪問看護の在り方について、効果的な訪問看護実施を促進する観点から検討が求められているものでありますが、そのためには指示を出す我々、医師側も含め、もう少し丁寧に実態を見ていく必要があるのではないかと考えます。例えば、指示書に理学療法士等が行う訪問看護の時間や頻度について記載することを検討してはいかがかと考えております。
最後が【小児の訪問看護における関係機関等との連携について】です。
訪問看護による医療的ケアが必要となる小児への対応として、連携強化の観点から、訪問看護ステーションからの情報提供先として算定対象となっていない相談支援事業所や精神障害者の施設、高等学校など、42ページの表の右の列の×がついている4か所を○にするという提案と理解しておりますが、いずれも情報提供先としていただくことでよいのではないかと考えております。併せて、医療機関からの情報提供先として算定対象となっていない保育園や高等学校など、これは表の左の列の×の部分でございますが、ここについても引き続き検討していただきたく存じます。
必要に応じて、看護職員におけるケアの観点から吉川専門委員に御意見を聴取してもよいかと考えますので、会長におかれましてはよろしくお取り計らいのほどをよろしくお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、松本委員、関連の御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいですか。
では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
私のほうは3番目の論点にのみ、お話をさせていただきます。
38ページのように、前回の改定で行われた連携強化、情報提供の見直しが非常に小児在宅ケアの進むきっかけになったと思っております。訪問看護ステーションが小児の訪問看護に非常に取り組んでいただいていることには感謝申し上げます。
その中で、特に動ける医療的ケア児のことがございます。こういった方に対してのケアは非常に技術も手間もかかり、時間もかかります。なぜかといいますと、特に人工呼吸器とか胃瘻とかのデバイスをほとんどの方が装着しているという非常に特殊な状況がございます。そういった意味で、今回の提案の医療機関や訪問看護ステーションが他の関係機関としっかりと連携して進めていくことは非常に必要不可欠な、重要な視点であると考えております。提案に賛成いたします。
○小塩会長
ありがとうございます。
先ほど、城守委員から事務局に質問が幾つかございました。これは後でまとめて回答していただきます。
それから、専門委員からのコメントもお聞きしたほうがいいのではないかという御提案もありましたけれども、専門委員からの御意見につきましては委員の方々の御発言が終了した後で伺いたいと思いますので、吉川専門委員、よろしくお願いいたします。
それでは、続きまして、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
私からも、論点に沿いまして意見を述べさせていただきます。
まず【専門性の高い看護師による同行訪問について】の論点につきましては、専門・認定看護師や特定行為研修修了者という専門性の高い看護師による専門的な処置を評価する方向性につきましては異論はございません。専門性の高い看護師が訪問看護を行ったことのみをもって評価するのではなく、あくまでも能力を生かした専門的な処置を行ったことを評価するべきであると考えておりますので、そのような方向で具体的な要件設定についてさらなる議論が必要であると考えております。
続きまして【理学療法士等による訪問看護について】の論点につきましては、介護保険における取扱いと同様に、理学療法士等が訪問看護の一環としてリハビリテーションを行う場合は、先ほど城守委員からも御提案がありましたが、時間と回数などを訪問看護指示書に記載すべきであると考えております。前回改定において訪問看護計画書及び訪問看護報告書に訪問職種を記載することを新たな要件といたしましたが、特に訪問看護ステーション従事者に占める割合が増加している理学療法士の訪問看護における役割の明確化が必要であると考えております。
資料の33ページ、34ページで理学療法士等の訪問割合別にみた訪問看護におけるケア状況が示されておりますが、このデータだけでは理学療法士が実際にどのようなケアを実施しているのかという実態は把握できませんので、さらなる実態把握を引き続き進めることも併せて必要であると考えております。
1点質問でございます。7ページ目に傷病分類別利用者数の推移がございまして、そこで令和元年に最も多いのが精神及び行動の障害で、数を見ると12万人ぐらいであると思われます。
そして、18ページに特定行為及び特定行為区分が示されており、その中で精神に関するものの特定行為を見たら、右側の下から2番目の「精神及び神経症状に係る薬剤投与関連」という特定行為だけが記載されているのですが、これだけを行うためにあれだけの人数の方たちに訪問看護を実施しているのか、ということをよろしければ専門委員の方に教えていただきたく思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
安藤委員からも質問が幾つかございました。後で対応していただければと思います。
続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
私も論点に沿ってお話をさせていただきたいと思います。
1点目の、専門性の高い看護師の同行訪問に対する評価については、看護の質という観点から理解したいと考えております。
また、3点目の小児への訪問看護に係る関係機関等との連携についても、必要な連携については理解いたします。
次に、2点目の理学療法士等による訪問看護について、訪問看護において理学療法士等が増加していることは、訪問看護でリハビリテーションを在宅で行っていることが大きいと考えております。
介護保険では訪問リハビリテーションというサービス種類がありますが、医療保険では訪問リハビリテーションというものがないため、訪問看護によるリハビリテーションについては理解をしております。一方で、看護師と理学療法士等ではケアの内容も異なっていたという調査結果からも分かるように、ケアの内容が異なっていることに対する評価としてどう考えるのかといったことも必要ではないかと考えております。
もちろん、在宅においてリハビリテーションが必要な方に対する実施は必要であることを前提に、介護保険では看護師が訪問する場合と理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の場合では評価が違っていることを踏まえて、ケアの内容を踏まえた検討も必要ではないかと考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、続きまして、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
ありがとうございます。
まず、総論として、これから高齢化に伴って、この訪問看護というものは需要が増加する領域でありますので、重要な視点としては、患者の状態に対応した医療が適切に行われていることが重要な視点だと思います。そのためには、患者の状態に対応した適切な職種の方が適切な頻度で訪問看護を行うことが重要であると考えます。
その上で論点なのですが、1つ目の【専門性の高い看護師による同行訪問について】は、専門・認定看護師と特定行為看護師の違いも考慮して、それぞれ専門性が発揮できる場面がどこなのかといった、専門的な治療を行ったという観点で議論すべきで、単に専門看護師だから、認定看護師だから、特定行為研修が修了した看護師が訪問したからということでプレミアムな価格をつけるのは違うのではないか。あくまで行った看護の質を考慮してつけるべきだと思います。
御提案としては、17ページ目にありますように、特定行為研修者の場合は同行しても同一日の算定不可を、上と同じように、専門看護師とかと平仄を合わそうという御提案なのですが、これは算定不可としたのはそれなりの経緯があろうかと思いますので、そこはどう考えてこういう違いが出たのかということについては事務局にお考えを聞かせていただきたい。なぜ、これを平仄を合わせる提案を行うのかということについてもお考えを聞かせいただきたいと思います。
2点目の理学療法士なのですが、これは33ページ目、34ページ目の資料を見ても、理学療法士がどういう訪問看護を行っているかという実態が我々、支払側にはちょっと見えにくくて、33ページとかを見てみますと、専門的な医療に対する理学療法士の関与も相当あるのですが、これは多分、他の看護師と同行して関わっている場合だと思うのですが、例えば気管切開の処置とか気管カニューレの交換に理学療法士が結構関わっているところもあるのですが、これは事務局なり、あるいは専門委員の方にお聞かせいただきたいのですが、こういう同行をした場合に理学療法士はどんなことを行っているのか。その辺についても実態を教えていただきたいと思います。
それと、先ほど2号側の委員からも出ましたように、介護保険のようにリハビリに対する理学療法士への指示については、訪問看護指示書にちゃんと頻度と回数、それから、どんなことを行うのかということについても記載すべきだと思います。
それから、もっと言えば、この介護保険と医療保険も違っていて、医療保険の場合は医療のニーズが非常に高いということから医療保険が適用されているということなので、介護保険のようなリハビリだけではなくて、リハビリ以外についても、こういった場合には専門看護師が行ってほしいとか、こういった場合には普通の看護師の対応でもいいとか、そういった指示書に訪問看護する職種をちゃんと明記して、頻度についても、リハビリだけではなくて、指示書にちゃんと書くということは今回改定でやっていただきたいと思います。
それから、3つ目の論点ですが、基本的には情報提供というものは主治医が行うべきと思っているのですが、利用者の同意と、あと、提供先の求めに応じて提供するということであれば、これは算定することに異論はございません。
以上、意見と、幾つか事務局と専門委員の方にお聞かせいただけたらと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
幸野委員からも幾つか御質問がございましたけれども、後でまとめて回答していただければと思います。
続きまして、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員 ありがとうございます。
論点については、理学療法士等による訪問看護なのですけれども、これは聞くところによると、理学療法士さんがステーションを経営して看護師を雇っているという実態があるということなので、事業所によって何か偏りとかもあるのではないかと思っているところがありますので、これはやはりきちんとした理学療法士が訪問して何をやっているのかということは、実態の把握は必要かなと思います。そのあたりは慎重にしていただきたいと思います。
論点以外のことで、いつ出てくるか分からないので、3点ほどお話をしたいと思うのです。
まず、退院の当日とか退院の直後というのは非常に患者の状態も不安定ですし、今、早期退院というものが進められている状態なので、まして患者の状態は実際、完全に安定する状態ではない段階で退院ということは実態としてあるみたいなのです。そうすると、やはり看護師の方が全身状態の把握ですとか在宅に行ったときの医療的な管理ですとか、療養の環境のステージとか、そういうものも生活も含めて助言とか管理が必要になると思いますので、長時間になったりとか、やはり複数の職員が複数訪問することはよくあることのようですので、そのあたりの評価はちょっと手厚く考えたほうがいいのではないかと思います。
それから、在宅の患者さんは在宅で療養していますけれども、当然、外来に行く、外来で受診する場合はもちろんあるわけです。そのときに訪問看護師さんに同行してもらうのはどうも行われているようなのですが、これはあまり評価されていないということで、特に医療的ケア児の場合は、医療的ケア児だけではなくて、難病とかがんの患者さんもそうですけれども、通院するときに介助してもらったりとか、関係機関等の情報共有ですとか共同医療というものを行うわけですが、そういったものの評価ももうちょっと手厚くするべきかなと思って、これは移動中に当然、状態を観察したりとか、移動中に医療的措置を行いながら同行指導とかということもありますし、あと、受診しているときにそこに一緒に立ち会うということでデータの共有ですとか治療方針とか、家に帰ったときにどういうふうに留意するのかの情報共有も可能になるということで、そういうことは在宅では在宅保健指導緩和加算というものがあるようなのですけれども、特に医療的ケア児の場合は大学病院にかかっている場合が多いですから、在宅医が存在しない場合も多いようなのです。そうすると、やはり点数がつかないということがありますので、同行支援というものは在宅で療養するためには、その継続には効果があると思いますし、そういう専門家が同行することは家族の負担を軽減することにもつながるので、そのあたりは検討していただきたいと思います。
もう一つ、質問も含めてなのですが、医療的ケア児の訪問看護の長時間加算が現在、15歳未満は週3回まで可能なのですけれども、それ以降になってしまうと週1回になってしまうそうなのです。15歳から二十歳、二十歳までということもないかもしれませんが、ただ、15歳以降はやはり発達に伴う変化が出る時期になるわけですよ。その時期に週1回になってしまうのはちょっとどうなのかなと思っていて、小児慢性疾患の場合は二十歳まで適用されると思うのですけれども、その年齢に合わせることはできないのか。
質問というのは、何で15歳まで週3回で、それ以降は週1回になってしまうのかということです。それと、これは小児慢性疾患とか小児だけの話ではなくて、やはりがんとか重症度の高い患者には適用してほしいと思います。週3回にしてもらいたいと思います。そして、それもやはり家族が不安なく過ごせる時間が増えることにつながると思いますので、ぜひ、これも検討していただきたいと思います。
以上です。どうもありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、よろしいでしょうか。専門委員の方々に御意見を頂戴いたします。
最初に、吉川専門委員、お願いいたします。
○吉川専門委員
ありがとうございます。
専門性の高い看護師による同行訪問と、小児の訪問看護における関係機関との連携について意見を述べます。あと、幾つか御質問がありましたので、答えられるものに関しては意見を述べたいと思います。
まず、12ページに示されている専門性の高い看護師による同行訪問について、22、23ページに特定行為研修を修了した認定看護師の活動事例で示されているように、医療機関や訪問看護ステーションにいる特定行為研修を修了した専門看護師・認定看護師が訪問し、ケアを行うことで効果的な改善に結びついた実態があります。
そうした上で、12ページの上段で示している図のように現在、評価されていない専門性の高い専門看護師・認定看護師が単独で訪問を行うことについて、相応の評価を検討していただきたいと思っています。
また、12ページの資料に関して、訪問看護基本療養費に関する内容と把握していますが、先ほど城守委員からも御意見がありましたように、訪問看護ステーションだけでなく、医療機関からの訪問数もとても増加しているので、医療機関からの訪問に関しても同様に評価を検討していただきたいと思います。
また、下段に示すように特定行為研修修了者に関しては、同行訪問及び単独訪問についての取扱いが現在定められていないので、特定行為研修修了者についても評価をしていただきたいと思います。
次に、小児の訪問看護における関係機関との連携について、39ページにあるように、15歳未満の小児の訪問看護利用者数は年々大きく増加しています。必然的に今後、訪問看護を必要とする15歳以上の小児患者が増加していくと考えられます。
しかし、42ページの算定可能な情報提供先の整理にあるように、高等学校や指定障害児相談支援事業所などが、情報提供先に含まれていません。小児患者が成長に合わせながら、地域の中で切れ目なく支援を受けられるように、訪問看護ステーションの情報提供先を広げる見直しが必要と考えます。
また、38ページの訪問看護情報提供療養費2については、各年度1回限りの算定要件となっていますが、小児は成長発達が非常に著しく、急性増悪時や、治療・ケアの変更、また、使用している機材の変更に関して情報提供する機会が多いという特徴があります。特に医療的ケア児に関しては、病状が不安定であることや、家族も非常に緊張を強いられており、支援が必要なことから、継続的に情報提供や支援が必要となる状況があります。学校の看護職員と訪問看護師の連携強化に向けて、訪問看護情報提供療養費2の算定要件の頻度を見直す必要があると考えます。
意見は以上です。
先ほど安藤委員からの御質問にありました精神の訪問看護について、7ページの傷病分類別利用者数の「精神及び行動の障害」が非常に多いことと、18ページの特定行為及び特定行為区分にある「精神及び神経症状に係る薬剤投与関連」の特定行為をしているのかという御質問だったと思います。7ページの傷病別分類は必ずしも、特定行為の対象となる患者ではなく、精神疾患を有する患者の訪問件数と理解しているので、全員が全て特定行為を必要としているわけではないと理解しています。事務局には、この理解でよいか確認したいと思います。
それから、33、34ページのリハビリテーション職による訪問看護に関する図と、ケア状況について、リハビリ提供の訪問回数の割合別にみたケアの実施状況ですので、医療的なケアに関しては、もちろん、看護職と一緒に訪問していると理解している。ただ、このケア状況に関しては、私どももいま一つ読み取れないところがあるので、事務局からの御説明をぜひ追加していただきたいと思います。
あと、先ほど間宮委員から医療的ケア児の外来受診時に訪問看護師などが同行している実態があると御意見をいただき、本当にそのとおりです。実際に同行している実態が多くあり、在宅での様子を医師に伝えたり、患者・家族の質問や不安な点などを代弁したり、家族と共に子どものケアをどのようにしていけばよいかといったことを行っていますので、これらの点に関しても御検討いただけるとありがたいと思います。
以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、半田専門委員、お願いいたします。
○半田専門委員
ありがとうございます。
まず、先ほど幸野委員から、在宅での気管切開等々について、私は、在宅の経験はないのですが、急性期においては、例えばドクターやナースが気管切開の処置をしたり、あるいはカニューレ交換のときは理学療法士たちがその時間に合わせて行って、排痰をその場でやったり、あるいは呼吸力を強くするということを急性期では通常行っております。多分、これは類推でしかないのですけれども、そのような形で在宅でもやっているのではないか。看護師さんと共にという感じではないかというふうに思っております。
それから、私のほうから理学療法士等による訪問看護に係る課題(小括2)、36ページについて2つほど意見を述べさせていただきたいと思います。
最初の中ポツで理学療法士等の割合が増加しているという書き出しになっているのですが、29ページでは「近年の増加幅は緩やかになっている」という一定の評価がされているわけです。ここのところですが、これまでの改定のたびにいろいろな対策をしていて、少し効果は出ているということをやはり認める必要もあるのではないかというのが一点です。
それから、中ポツの2つ目は、理学療法士等々が対象としているのは脳血管疾患、筋骨格あるいは運動器疾患、神経難病の人たちの割合が高いことは事実。そして、3つ目の中ポツで、看護師とリハ職についてはケアの内容が異なっているということが書かれているわけです。
以上、3つの中ポツからすると、前回の報酬改定でありました週4日目以降の点数を下げる。リハ職をやった場合は下げるという根拠が私はないような気がします。逆に言うと、障害を持った脳血管疾患、筋骨格・運動器疾患、あるいは神経難病の方々の4回目のサービスの提供料を安くするということは、ある意味では障害のある方々のサービス提供抑制政策であると感じるわけです。この点についてはぜひ御検討をお願いしたいと思います。
中ポツの最後ですけれども、訪問看護の一環としてリハビリテーションを行う場合のという、これは指示の問題ですが、ぜひ、介護保険のほうが先行しておりますので、実態を十分把握して導入の可否について検討していただきたいことと、理学療法士・作業療法士の身分法では、例えば私は理学療法士ですけれども、医師の指示の下に理学療法を行うことを業とする者を理学療法士というのが身分法です。これからすると、この医療保険下における医師の指示をどう考えるのか。身分法と現状においては若干のずれがある。これをどう是正するかについては併せて今後とも御検討をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに委員の先生方から、御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、事務局から、いろいろ御質問がありましたので、それへの回答をお願いいたします。
○井内医療課長
まず、城守委員からございました専門看護師・認定看護師、特定行為研修修了者の違い、同等なのかということでございます。資料にもまとめておりますように、専門看護師は大学院で養成される。それで、看護の専門分野においては、知識・技術を深め、個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを提供という目的でやっている者で、認定看護師はがん化学療法等の特定の看護分野において水準の高い看護を実践できる指導的な役割を担っている者で、特定行為研修修了者は特定行為を行う場合に特に必要とされる判断力や高度な、専門的な知識・技能を有しているということです。いずれも御指摘のように、目的や研修の形態等については異なってはいるのが事実かとは思います。
ただ、特定の状態にある患者さんへの看護ケアというところでは、いずれにおいても患者さんへのレベルの高い看護ケアが実践できるところは同じというところも、同等というところもあるのではないかと考えているのが現在の事務局の考えでございます。
次に、安藤委員からいただきました7ページの精神疾患が多いということですが、これはあくまでも現状ということで、医療保険の訪問看護における利用者の総数になっております。
それで、特定行為との関連ということでお話を受けましたが、特定行為の中で実際、特定行為の中でも精神及び神経症状に係る薬剤投与関連という分野があるのは事実ではございますが、診療報酬上でこの特定行為ができる看護師さんが同行しているという評価はないのですが、こういったところ、精神のところで評価をされているものは特にないということですので、この数字、7ページのものといわゆる専門看護師・認定看護師、特定行為研修修了者は切り離して考えていただければと思います。
あと、幸野委員からございました、なぜ、特定行為研修修了者についての評価というものを今、考えるのかということでございますが、実際、これにつきましては、できたものが、平成27年10月に研修制度が創設されて、実際に研修を修了されてきた人がぽつぽつ出てきたところでございます。そういった中で配置がされているところも出てきたというのが20ページの資料でございますので、そういったところで、こういった制度によって研修を修了された方が出てきたということで今回、このタイミングで検討いただいてはどうかというもので上げさせていただいております。
同行した場合、理学療法士さんは何をやっているのかということにつきましては、我々もまだ類推なのですが、当然、リハビリテーションをやっております。あと、半田専門委員からも御指摘いただきましたように、いわゆる複数で訪問看護をやっている場合になりますので、いわゆる看護師さんがケアをやっているときに、家族のケアであったりとか、心理的支援であったりとか、一般的なことも同時にされているものだというふうに推測をしております。
間宮委員からございました、ケア児、15歳未満のところはいいのだけれども、それ以降はなぜなっていないのかというところですが、これについては診療報酬上の取りまとめがどうなっているかというものを42ページにまとめさせていただきましたが、必要性が高いところにつけていっているという実情かと思っております。そういった中で今、高等学校等については抜けているのがファクトだということで、これについて御検討いただきたいという資料を作成したつもりでございます。
もう一方、1つ全体としてなのですけれども、医療機関による訪問リハビリテーションというものは医療保険でもあるのがまずファクトでございます。医療機関から、例えば退院後であったりとか医療上特に必要なものはそういった形でやっているのが事実です。ここで上げさせていただいているのは、あくまでも訪問看護の一環としてのリハビリテーションというところの分野での議論であることを御承知いただければありがたいと思っております。
事務局からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの事務局からの御回答、御質問について、追加のコメントがございましたら、よろしくお願いします。
池端委員、お手が挙がっていますので、よろしくお願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
1点、今の御回答に関する質問なのですけれども、33ページ、34ページの読み方なのですが、私も自院で訪問看護ステーションでPT等も派遣していますけれども、この表の読み方は今、半田専門委員は気管切開等の処置に同行して、呼吸、喀痰、排出の訓練等を行っているのではないかという御説明でしたが、まず、この読み方は、看護職員の割合で0%から75~100%の5段階に分けてある表だと思うのですけれども、例えば当然、33ページの右の「リハビリテーション」は、50%以上のブルーと紫が多いのはよく理解できますが、例えば真ん中の気管切開の処置とかでも一部、50~75%、PT等が訪問に介入している。これは訪問看護ステーション全体の中の50~75%ということだと思います。その最後のほうは全体の75~100%ということなので、一方、100%というものはないので、割合が高い。でも、看護は一定程度行っているので、75~100%、ほとんどがリハビリ、PT・OTが行っているステーションにおいても気管切開措置等は看護師がやっているものがこれくらいあるという理解に私は取ったのですが、それではないのでしょうか。これを質問させていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
それでは、事務局から回答していただきます。
○井内医療課長
33ページ、34ページの表の見方ということですが、まず、この0%のところはいわゆる、ある患者さんに対して行っている訪問看護が、理学療法士さんが全くおられないというのがこの赤のところで、それが下に行くにつれて理学療法士さんが行く回数の割合が増えてきているものでございますので、理学療法士の方がやられた行為を書いているのではなくて、理学療法士の方が例えば25%未満の方については、その方が受けているトータルの、総合的なケアがどういったものかというものでございます。
ですので、気管切開の処置等については、基本的には看護師さんが訪問看護の中でやっている。ここについて、理学療法士の方が何らかのお手伝いをしているのか、それとも、何もしていないのかというところは、この表からは分からないというものでございます。
○小塩会長
どうぞ。
○池端委員
ということは、例えば真ん中の表の「気管切開の処置」で紫の75~100%、理学療法士の訪問看護の割合の方が1.5%というのは、その中で1.5%の方がこの気管切開の処置に関わっているという読み方になりますか。
○井内医療課長
理学療法士の方の1.5%が関わっているのではなくて、ここの例えば「気管切開の処置」の1.5%のところについては、理学療法士の方が訪問看護の75~100%を占めている患者さん。その患者さんに対して気管切開の処置がなされているのが1.5%という意味ですので、いわゆる100%ではないと思いますので、例えば80%を理学療法士の方がやっている。それはメインで、例えばリハをやっている。その中で気管切開の処置等が入ったときには当然、看護師さん等がやっていると思うのですが、そういった人が1.5%いるというものでございます。
○池端委員
分かりました。
では、私の理解と一致はしていると思うのですけれども、気管切開の処置に関しては、その中でも看護師が行っている可能性が高いということでよろしいですね。
○井内医療課長
高いというか、看護師さんがやられているのだと思っています。
○池端委員
だから、気管切開のときにPTが行って、そこを処置しているわけではないという理解でよろしいでしょうか。
○井内医療課長
何らかのサポートをされているかどうかというところまでは分かりません。
○池端委員
しつこくてすみません。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、城守委員、追加のコメントはございますでしょうか。
○城守委員
ありがとうございます。
今、事務局の御説明で大体了解はさせていただいておりますが、今回の事務局の提案で、この特定行為研修修了者の評価についての方向性というものは異論はございません。
要望ですが、基本的に、この特定行為研修修了者、そして、認定看護師さんはそれぞれ目的が違いますね。認定看護師さんは看護のケアをレベルアップしていくことが基本になっているでしょうし、特定行為研修修了者は医行為の補助を行う看護師さんの役割ということですので、若干、目的も違うということですから、そこにおいて、例えば褥瘡という形のテーマになれば、一定程度、講義ないしは研修のレベルを同一に担保していただく必要もあろうと思いますので、そこはしっかりとお願いしたいということが一点。
そして、認定看護師さん、また、特定行為研修修了者、特に特定行為研修修了の看護師さんの場合は修了した部分しかできないという決まりがございますので、例えば今、お話しした褥瘡に関しての研修を修了した看護師さんが褥瘡に関して訪問看護に同行していって、それでケアをしていただくことは非常に望ましいことだと思いますけれども、ほかの特定行為を研修した看護師さん、ないしは認定看護師さんでも違う分野の研修を修了した看護師さんもいらっしゃると思うので、そこはしっかりと対象の疾患と、そして、そこに同行する看護師さんが一致するように制度を設計していただく必要があろうかと思いますので、その点はよろしくお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御意見、御要望はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
失礼しました。長島委員、お願いいたします。
○長島委員
そういう専門性を持った看護師が同行する場合は、同行の相手の方への教育効果が期待できますが、別々に行く場合にはそのようなものが期待できないという意味で、そのあたりの評価も考慮すべきではないかと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
本日も非常に多くの貴重な御意見を委員の方々から頂戴いたしました。本日、本件に関わる質疑はこのあたりといたしますが、今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見を踏まえて引き続き対応していただくようにお願いいたします。
本日の議題は以上ですけれども、幸野委員、松浦委員、松本委員が御退任となりますので、それぞれ一言ずつ御挨拶を頂戴できればと思います。
最初に、幸野委員、よろしくお願いいたします。
○幸野委員
まだ時間がたっぷりあるのですけれども、挨拶は手短に申し上げたいと思います。
まず、残念なのは、お世話になった皆様に対面で御挨拶できないことです。最後は対面で終わりたかったという願いもかなわず、画面を通して御挨拶せざるを得ないという御無礼をどうかお許し願いたいと思います。
私は30年間、医療とは全く異なる航空会社で勤務いたしまして、全く異なった医療の世界に飛び込んでまいりました。幸い、今まで大きな病気も患った経験もなくて、医療の現場も分かっていない私を今まで温かく、時には厳しく、最後まで御指導いただいた中医協委員の皆様、それから、厚労省の皆様のみならず、この画面を共有されている全ての皆様に深く感謝申し上げます。
この6年間は、ある意味、私を最も成長させていただいた日々であると思っております。特に私が着任した6年間は、2年に一度の診療報酬改定以外にも2017年の薬価制度抜本改革や2019年の費用対効果評価の本格導入、消費税の引上げ対応、そして、昨年来の新型コロナ感染拡大による診療報酬の特例対応と、本当に密度の濃い6年間になったと思っております。
医療の現場が分からない私が何に貢献できるのか、自問自答する日々が続きましたが、支払側として常に患者の視点に立って、質の高い医療の追求ということを基軸に、ぶれない態度で臨むことのみ念頭に発言してきたつもりでございます。1号側と2号側、それぞれ立場がございますので、意見が相反するのは当然だと思っています。もっと言えば、相反しないと、それは妥協の産物を生み出すだけであり、本質は見いだせないと思っております。
ただ、言えることは、質の高い医療の追求と国民皆保険の堅持は1号側、2号側、両者共通の理念であり、中医協が背負った使命だと思っております。立場が異なる両者が議論を交わす中で最適な解を見いだしていく。これがまさに中医協だと思っています。
退任に当たりまして、思い残すことはありませんと言いたいところなのですが、私の中ではまだ思い残すことばかり残っております。最後のお願いとなりますが、大きく3点、ここはしっかりとした議論をお願いしたいと思います。
1つ目は、入院医療における急性期病床の在り方です。これはコロナ禍においても多くの課題を顕在化させました。真に急性期を名乗る病院はいかにあるべきか。今後、日本が直面する高齢化、人口減少の中で、地域に存在する急性期病床をいかに集約していくか。入院医療の機能分化の大きな課題であると思っております。
2つ目は、外来医療のかかりつけ医機能です。コロナ禍の中で国民の受療行動も変化し、感染症拡大時のみならず平時においても、いつでも安全で安心な医療を受けるためには、かかりつけ医への関心・期待が大きく高まっていることは事実ですが、一方、国民がイメージするかかりつけ医はそれぞればらばらなイメージを持っているのも事実でございます。国民全員が自らかかりつけ医を持つような環境整備を診療報酬においてもしっかり構築していただきたいと思います。
最後、3点目は、医薬品の統制でございます。医薬品の統制はPとQ、いわゆるPriceとQuantity、両面で行っていくべきだと思っています。
P、Priceの観点では、製薬会社の創薬力の強化のため、透明性を確保しながらも、やはりイノベーションはしっかりと評価し、役割を終えたものについては速やかに後発医薬品に道を譲るというメリハリがついた制度が必要だと思います。
Q、Quantityの観点からは、この医薬品の適正使用でございます。今、供給問題が深刻になっておりますが、早期回復を願っております。
あと、後発医薬品の使用割合80%が掲げられておりますが、私はこれが究極の目的であるとは思っておりません。本当に必要なのは、特に患者の多い生活習慣病における新薬の処方の在り方、いわゆるフォーミュラリーの考え方です。日本国中にフォーミュラリーをいかに浸透させるか。これは大きな課題だと思っております。
この3点につきましては、ぜひしっかりと議論をお願いしたい。最後のお願いでございます。
私は本日をもって中医協委員を退任いたしますが、まだ医政局のほうの外来医療の検討会とか地域医療構想のワーキンググループは引き続き委員として残ります。この中医協で得た貴重な知識と経験を糧に、今後もこういった違った場で自分に課せられたミッションを全うする中で中医協を側面から支援していきたいと考えております。
この6年間、本当にありがとうございました。(拍手)
○小塩会長
幸野委員、どうもありがとうございました。委員の方々、拍手をされていらっしゃいます。
続きまして、松浦委員、お願いいたします。
○松浦委員
ありがとうございます。貴重なお時間をいただきまして、挨拶の機会をいただきましたことを感謝申し上げます。
思えば支払側委員であって、船員として働く者の代表として、いかなる状況にあっても、どうすれば平等に安全で質の高い医療が受けられるのかを考え、対応してきたつもりですが、医療という大変身近ではありますが、特殊な世界に戸惑い、皆様には大変御迷惑をおかけしたのではないかと思います。
この6年間で特に印象に残っておりますのは、費用対効果制度の創設についてでございます。これまでにない制度の試行的導入から本格導入までの議論に参加させていただき、何をどのように評価することで検証できるのか、私にとって非常に有意義な印象深いものでございました。今後の薬価制度への在り方も含めまして、より実効性のある制度となるよう充実が図られていくことを期待いたしております。
今、この中医協を取り巻く状況は、昨年来続く新型コロナウイルス感染症への対応を最優先にせざるを得ないような医療環境の下でいろいろな課題が浮き彫りになったのではないかと思っております。今次診療改定に向けて議論が既に始まっておりますが、この環境下において浮き彫りになった課題に対して、診療報酬で何をしなければならないのか。また、患者にどう寄り添っていくのか。より平等で充実した医療提供体制や診療報酬制度に向けた議論が進められることを願っております。
結びになりますけれども、中医協の委員の皆様、事務局の皆様のますますの御活躍と御健勝を祈念いたしまして私の退任の挨拶とさせていただきます。6年間、本当にお世話になりました。ありがとうございました。(拍手)
○小塩会長
松浦委員、どうもありがとうございました。
それでは、最後になりましたけれども、松本委員から御挨拶をお願いいたします。
○松本委員
皆様、松本でございます。このたび、3期、足かけ5年となる中医協委員を退任することになりましたので、一言御挨拶申し上げます。お時間を頂戴したことに感謝申し上げます。
今後、中医協の機能が最大限に発揮されることを願っておりますけれども、この中医協がしっかりとまことの役割を果たすためには、内部から発せられる求めを真摯に議論すべきと考えております。外部からの事情をもってのみ強く働かされることになりますれば、結局、上滑りの議論しかできない可能性が強くなると思います。内部からの理由、つまり、患者さんや現場の医療機関等が必要に迫られる事情によって発せられる案件は重要視すべきと考えています。
もちろん、この中医協の委員の方々は様々な立場の方がおられますので、その評価の必要性は大いに議論されるべきだと考えております。例えて言うと、本日の総会の資料にもありましたが、前回改定が行われた医療的ケア児への対応は、その後、様々な医療的ケア児への対応への支援のきっかけになりました。また、前回の総会で議論しましたけれども、児童生徒の命や成長に関わるアレルギー疾患患者への情報連携が認められたことであります。
中医協の抱える案件としては決して大きなテーマではないかもしれません。しかし、決してこれは一時的な思いつきで提案されたものではなく、この評価の方向性が認められるまで何年も要しております。まさに現場の切実な願いが発せられたものであり、中医協での評価をきっかけにして、小さな一歩かもしれませんが、少しずつ前進して育てていかなければなりません。この評価は幸い、多くのメディアにも取り上げられており、中医協の発信するインパクトはいつもながらに大きいと考えております。
また、中医協は、エビデンスに基づいて有効性・安全性の確認をされた医療であれば保険適用し、国民に安心を提供してまいりました。今回の新型コロナウイルス感染症に対する対応は緊急性や迅速性、あるいは利便性が重要視されました。それもまた現場からの必要があったことによりますけれども、一方で安全性の議論がややもすると不足した感があると考えております。今後は医療安全の観点からも、バランスを考慮した検証が必要になると考えます。
中医協は数ある厚労省の協議会・審議会・検討会の中でも特別な存在であると考えております。中医協は中医協らしく、他の審議会とはちょっと違うのだということを私ども委員は再認識すべきではないかと考えておりますし、また、厚労省も中医協の役割を守り抜いてほしいと思います。中医協が今後もその存在感を示しつつ、国民が享受する医療の未来に発信をすることを継続されることを願っております。
最後になりますが、大所高所から御意見をいただき、この会を円滑に進めていただいた小塩会長をはじめとする公益委員の方々、時には共感し、ある時は反発しながらも白熱した議論をさせていただいた1号側委員の方々、私を支えていただいた2号側委員の方々、種々の見地から御意見を賜りました専門委員の方々、そして、何より膨大で丁寧な資料を作成し、様々な論点を御提案いただいた厚労省の事務局職員の皆様、また、熱心に傍聴していただいた多くの方々、報道に携わる方々にも感謝を申し上げたいと思います。
中医協が今後もその役割を十分に果たせるように、私なりに今後も見守り、支援していく所存であります。
5年間にわたりまして、各位におかれましては大変お世話になりました。本当にありがとうございました。(拍手)
○小塩会長
松本委員、どうもありがとうございました。
幸野委員、松浦委員、それから、松本委員、3人の委員の方々から御退任の御挨拶をいただきました。長い間、本当にありがとうございました。中医協メンバーを代表いたしまして、会長からも深くお礼申し上げます。
それから、3人の方々からそれぞれ身の引き締まるようなお言葉を頂戴いたしました。それを念頭に置いて、さらにより良い医療制度の確立に向けて、中医協メンバー一丸となって頑張っていきたいと思います。今後とも引き続き御指導のほど、どうぞよろしくお願いいたします。長い間、どうもありがとうございました。
それでは、本日の議題はこれにて終了ということにさせていただきます。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会はこれにて閉会といたします。
どうもありがとうございました。
 


 
 

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保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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