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2021年9月15日 中央社会保険医療協議会 総会 第488回議事録

○日時

令和3年9月15日(水)保険医療材料専門部会終了後~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 松浦満晴委員 末松則子委員
松本吉郎委員 城守国斗委員 長島公之委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 半田一登専門委員 田村文誉専門委員
保険医療材料等専門組織小澤委員長 費用対効果評価専門組織田倉委員長 福田専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○臨床検査の保険適用について
○再生医療等製品の保険適用について
○先進医療会議からの報告について
○患者申出療養評価会議からの報告について
○費用対効果評価専門組織からの報告について
○最適使用推進ガイドラインについて
○公知申請とされた適応外薬の保険適用について
○薬価算定組織等の議事録の取扱いについて
○令和2年度診療報酬改定における経過措置等への対応について
○令和4年度診療報酬改定に係る議論の中間とりまとめについて
○被災地における特例措置について
○最近の医療費の動向について
○その他


 
○小塩会長
それでは、ただいまより、第488回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
なお、本日もコロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
最初に、委員の出席状況について御報告いたします。本日は、全員が御出席です。
次に、厚生労働省におきまして異動がございましたので、事務局より紹介をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、紹介のほうをさせていただきます。
まず、間大臣官房審議官でございます。
榊原総務課長でございます。
安中医療介護連携政策課長でございます。
高宮保険医療企画調査室長でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、議事に入らせていただきます。
初めに「臨床検査の保険適用について」、それから「再生医療等製品の保険適用について」を一括して議題といたします。
本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。小澤委員長より御説明をお願いいたします。
○小澤保険医療材料等専門組織委員長
小澤でございます。
それでは、説明いたします。中医協総-1の資料を御覧ください。
今回の診療検査の保険適用はE3の2件です。
2ページ目を御覧ください。販売名はGenetiSure Dx Postnatal Assay「アジレント」です。測定項目は染色体ゲノムDNAのコピー数変化及びヘテロ接合性の喪失です。
測定方法は、アレイCGH法です。
5ページ目の製品概要を御覧ください。本件検査は、全血から抽出したゲノムDNAのコピー数変化及びコピー数変化のないヘテロ接合性の喪失を検出し、先天性疾患疑いのある患者の染色体変異関連疾患の診断補助をする臨床検査であります。
2ページにお戻りください。保険点数につきましては、D006-4遺伝学的検査「3」処理が極めて複雑なもの8,000点を参考点数としています。
次に、6ページ目を御覧ください。販売名はMESACUP-2テスト カルジオリピン、ステイシア MEBLuxテスト β2GPIです。
測定項目は、抗カルジオリピンIgG抗体、抗カルジオリピンIgM抗体、抗β2グリコプロテイン1IgG抗体、抗β2グリコプロテイン1IgM抗体です。
測定方法は、酵素免疫測定法(ELISA法)、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)です。
9ページ目の製品概要を御覧ください。本検査は、ELISA法により、血清中の抗カルジオリピンIgG抗体及びIgM抗体を、CLEIA法により、血清中の抗β2グリコプロテイン1IgG抗体及びIgM抗体を、それぞれ測定する検査キットで、抗リン脂質抗体症候群の診断を補助する臨床検査です。
6ページにお戻りください。保険点数につきましては、D014自己抗体検査27抗カルジオリピン抗体232点を参考点数としています。
続きまして、中医協総-2の2ページ目を御覧ください。
製品名はオキュラルです。
保険適用はC2の2区分になります。
6ページ目の製品概要を御覧ください。本品は角膜上皮幹細胞疲弊症に対して使用される製品です。
2ページ目にお戻りください。価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価いたしました。この結果、最終的な価格を組織運搬セット428万円、培養口腔粘膜上皮パッケージ547万円といたしました。外国における販売実績はないことから、外国平均価格との比はございません。
御説明いたします内容は以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、事務局より補足はございますか。
○中田医療技術評価推進室長
特にございません。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、特に御質問等がないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして、「先進医療会議からの報告について」を議題といたします。
本件は報告事項です。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
総-3に基づきまして、御報告申し上げます。
今回、先進医療会議で承認されました先進医療Bの技術が2件ございましたので、御報告させていただきます。
まずは総-3の1ページ目を御覧ください。今回承認されました1件目の先進医療Bの技術でございますが、整理番号151番「局所進行頭頸部扁平上皮癌に対する化学療法同時併用強度変調陽子線治療」で、本技術に係る費用は、それぞれ表に記載のとおりでございます。
先進医療会議における判定は、4ページ目、5ページ目を御覧ください。
事前評価では条件つき適となってございましたが、保険収載までのロードマップが修正されたため、最終的には適となってございます。
技術の説明に入ります。技術の概要は7ページ目を御覧ください。
本技術は、局所進行頭頸部扁平上皮癌の方に対して、強度変調陽子線治療を用いた化学療法治療を行うという技術となっております。
ロードマップにつきましては8ページを御覧ください。本先進医療でデータを収集し、本先進医療の結果を踏まえて第Ⅲ相試験を検討し、保険収載を目指すとのことでございます。
1件目につきましては以上でございます。
続きまして、2件目の報告でございます。総-3の1ページ目にお戻りください。
今回承認されました2件目の先進医療Bの技術でございますが、整理番号152「急性期脳梗塞へのテネクテプラーゼ投与」で、本技術にかかる費用はそれぞれ表に記載のとおりでございます。
先進医療会議における判定は12ページ目、14ページ目を御覧ください。
事前評価では条件つき適となってございましたが、試験実施計画書が修正されたため、最終的には適となってございます。
技術の説明に移ります。技術の概要は16ページ目を御覧ください。
本技術は、急性脳梗塞の方に対して、未承認薬であるテネクテプラーゼの投与を行う技術となってございまして、現在の標準治療薬であるアルテプラーゼと比較した有効性等を評価する試験となってございます。
ロードマップにつきましては、17ページを御覧ください。本先進医療を行った後、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議への要望、あるいは企業治験を経て薬事承認を目指すとのことでございます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御質問等がないようですので、本件にかかる質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして、「患者申出療養評価会議からの報告について」を議題といたします。本件は報告事項です。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
それでは、中医協総-4に基づきまして、御報告をいたします。
今回御報告する内容でございますが、7月21日の第26回患者申出療養評価会議で承認されました患者申出療養の案件でございます。
まずは総-4の1ページ目を御覧ください。今回承認されました患者申出療養の技術は、整理番号011番「免疫グロブリンGサブクラス4自己抗体陽性難治性慢性炎症性脱髄性多発神経炎患者に対するリツキシマブ追加投与療法」であり、本技術にかかる費用は表に記載のとおりでございます。
本制度は申請受理から大臣告示までの発出までが原則6週間となっておりますが、本件は受理が7月1日、告示が8月12日と6週間以内を達成できております。
技術の説明に入ります。技術の概要は4ページ目を御覧ください。
本技術は、難治性慢性炎症性脱髄性多発神経炎の患者で、IgG4自己抗体陽性の方を対象に、現在、リンパ腫等に適用となっているリツキマシブの投与を行うものでございます。
ロードマップにつきましては5ページ目を御覧ください。保険収載までのロードマップといたしましては、既に実施済みである国内医師主導治験の結果をもって薬事承認、保険適用を目指すとのことでございます。
最後に3ページ目にお戻りください。患者申出療養評価会議での議論についてですが、議論の概要の2ポツ目にありますとおり、事前評価担当構成員からは試験実施計画書の修正等の必要性につき指摘がありましたが、いずれも事前に適切な回答が得られたため事前の総合評価及び会議における評価につきましては「適」と判断されました。
以上であります。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただ今の説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御質問等がないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして、「費用対効果評価専門組織からの報告について」を議題といたします。
本日は、費用対効果評価専門組織の田倉委員長、福田専門委員にお越しいただいております。田倉委員長より御説明をお願いいたします。
○田倉費用対効果評価専門組織委員長
費用対効果評価専門組織委員長の田倉です。
中医協総-5の資料を御覧ください。費用対効果評価の指定品目であるエンハーツに関し、企業分析の提出に遅れがあり、専門組織においてその理由の妥当性を検証いたしましたので、御報告いたします。
医薬品医療機器及び再生医療等製品の費用対効果評価に関する取扱いにおいて、製造販売業者は中央社会保険医療協議会総会において、対象品目が指定された日から分析データ等を原則として9か月以内に費用対効果評価専門組織に提出しなければならないこと、提出期限までに分析データ等を提出することができなかった場合には、分析データ等を提出する際に、その理由を付すこと。費用対効果評価専門組織は、当該理由の妥当性を検証し、当該検証結果を中央社会保険医療協議会総会に報告することとされています。
本件エンハーツにつきましては、令和2年5月13日に中医協総会で指定され、令和3年2月13日が企業分析の提出期限とされました。その後、企業分析中の令和2年9月25日に胃がんに対する効能追加がなされました。乳がんに対する企業分析が提出されたのは令和3年2月12日でございましたが、胃がんに対する企業分析が提出されたのは令和3年6月14日でありました。提出期限までに分析データ等を提出することができなかった理由に係る企業の主な説明内容ですが、効能追加があったが、分析枠組みを決定するための分析前協議で十分な議論を行うためには、追加効能の承認内容が定まっている必要があること、分析枠組みを決定してからでないと具体的な分析作業を開始することができないため、追加効能においても初発効能と同程度の企業分析期間が必要であり、効能追加は品目指定後に行われるものであるため、品目指定から9か月以内に追加効能に係る企業分析結果を提出することは極めて困難であったというものでありました。
費用対効果評価専門組織では、当該理由の妥当性を検証いたしましたところ、効能追加があり、新たな分析モデルの構築が必要であることや効能追加が決定されるまで事前準備ができないことに関しては一定程度理解ができることから、本件に係る企業説明について妥当性があると判断いたしました。
御説明いたします内容は以上です。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、事務局より補足はございますでしょうか。
○中田医療技術評価推進室長
特にございません。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、特に御質問等がないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして、「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。
本件は報告事項です。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○吉田医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
医薬品審査管理課長でございます。
それでは、私のほうから、中医協総-6-1から総6-4までを用いまして、御説明させていただきます。
まず、中医協総-6-1でございますけれども、ウパダシチニブ水和物を有効成分とするリンヴォックでございますが、本剤についてはこれまで関節リウマチなどの効能効果で承認されておりましたけれども、令和3年8月25日にアトピー性皮膚炎の効能を追加するという一部変更承認がなされ、同日付で最適使用推進ガイドラインを発出しておりますので、御報告するものでございます。
ガイドラインの構成については、アトピー性皮膚炎を効能効果とするこれまでの最適使用推進ガイドラインと基本的に同じでございます。
めくっていただきまして、2ページでございます。「はじめに」とございます。効能効果でございますが、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎、用法用量は、小児、成人とも通常は15mgでございますけれども、成人患者については状態に応じまして30mgまで増量可能という形になってございます。
めくっていただきまして、臨床成績でございます。3ページ以降でございますが、ステロイド外用薬などで効果不十分なアトピー性皮膚炎患者を対象とした臨床試験が実施されておりまして、結果といたしましては4ページに出ておりますが、プラセボ群に対しまして優越性が検証された形になってございます。
4ページの下辺りからでございますが、安全性プロファイルにつきましては、既承認のヤヌスキナーゼ阻害薬と比較し、明らかな懸念は認められないという形になってございます。
めくっていただきまして、10ページ辺りから施設の条件でございますが、本剤につきましては、十分な知識を有し、アトピー性皮膚炎の診断に精通する医師が当該診療科の責任者として配置され、緊急時に適切な対応が可能な体制が整っているということが条件とさせていただいております。
12ページでございますが、投与対象となる患者でございます。基本的には臨床試験に基づきまして有効性が検証された患者を記載しておりますが、1としまして、アトピー性皮膚炎の確定診断がなされているような患者さん、それから、2といたしましては、抗炎症外用薬による治療では効果不十分で、一定以上の疾患活動性を有する条件を患者として指定しております。
また、下のほう、投与の継続、投与期間の関係につきましては、投与開始から12週後までに治療反応が得られない場合は、投与を中止する。また、投与中は定期的に効果を確認し、投与の継続、用量調整あるいは中止を検討することという形で規定させていただいております。
13ページからは投与に際して留意すべき事項でございますが、内容としましては、添付文書などに記載された主な注意事項を記載するという形になってございます。
続きまして、中医協総-6-2、6-3でございますが、これはいずれもペムブロリズマブ(遺伝子組換え)を有効成分とするいわゆるキイトルーダでございます。
本剤については、令和3年の同じく8月25日に治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん、それから乳がんの効能追加に係る一部変更承認がなされておりまして、同日付で最適使用推進ガイドラインを発出しております。
また、少し遡りますが、6月15日付でキイトルーダにつきましては全ての効能効果に対しまして、重篤な副作用に関する使用上の注意を改訂しておりまして、その改訂の内容も併せましてキイトルーダに関する全ての最適使用推進ガイドラインの改正に係る通知を出しておりますので、その内容も併せて報告させていただくものでございます。
中身に入ります。総-6-2でございますが、こちらについてはMSI-Highを有する結腸・直腸がんの関係でございます。
2ページ、「はじめに」とございますが、変更箇所については網かけをしてございます。追加される効能効果としては、ここにございますいわゆるMSI-Highを有する結腸・直腸がんが追加ということでございます。
それから、臨床試験につきましては4ページ以降に載ってございます。特に今回追加されたものについては6ページ以降に記載されてございますが、化学療法歴のないMSI-Highを有する結腸・直腸がん患者を対象とした臨床試験が実施されておりまして、成績としましては7ページ辺りですが、対照群と比較して、本剤群で無増悪生存期間、いわゆるPFSの有意な延長が示されたという結果になってございます。
10ページから12ページ辺りには今回の安全性プロファイルが記載されておりますが、既承認の効能効果と比較して、新たな懸念は認められないということで、適切な注意喚起で管理可能という形になってございます。
14ページから15ページに施設の条件がございますが、これについては結腸・直腸がんに係る類薬、例えばオプジーボの最適使用推進ガイドラインと同様の内容を追加した形にしてございます。
なお、先ほど御説明しました添付文書の重要な基本的注意の変更、副作用の変更がございましたので、その内容は15ページの3-3副作用の診断や対応に関してというところに、劇症肝炎・肝不全などを追加するという形になってございます。
16ページからは投与対象となる患者でございますが、網かけしておりますとおり、有効性に関する事項については今回新たに有効性が示された患者さんの内容を追加してございます。
安全性については、特段変更はございません。
最後、投与に関しての注意事項については、これまで作成しておりますキイトルーダの最適使用推進ガイドラインと同様でございますが、繰り返しになりますが、添付文書の改訂に伴う肝機能検査に関連した内容が追加になってございます。
続きまして、総-6-3でございますが、同じくキイトルーダの乳がんの関係です。
めくっていただいて2ページ、「はじめに」でございますが、効能効果はここにありますPD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がんでございまして、用法用量は他の抗悪性腫瘍剤との併用において、1回200mgを3週間間隔または1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注という形になっています。
臨床成績は4ページ辺りから書いてございますが、臨床試験としては転移・再発乳がんに対する全身性の前治療歴のないホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がんを対象とした臨床試験が実施されておりまして、解析においては、事前に対象とされましたPD-L1陽性集団において、既存の化学療法本剤を上乗せすることによる無増悪生存期間の有意な延長が示されたという結果がございます。表とか図だと5ページになります。
6ページから安全性プロファイルでございますが、これも既承認効能効果と比較して、特段新たな懸念は認められないという形になっております。
9ページから10ページは施設の条件ですが、これは乳がんにかかる類薬、例えばテセントリクなどの最適使用推進ガイドラインと同様の内容でございます。
11ページは投与対象でございますが、今回の臨床試験に基づき有効性が示された患者を規定するとともに、安全性に関する事項については、これはこれまでのキイトルーダの最適使用推進ガイドラインと同様の内容でございます。
12ページの投与に際して留意すべき事項は、これまでのキイトルーダのガイドラインと同様の内容でございます。
最後、総-6-4でございます。これはニボルマブを有効成分とするいわゆるオプジーボでございますが、こちらについても8月25日付で腎細胞がんに対する用法用量の一部変更承認がなされ、同日付で最適使用推進ガイドラインを発出しておりますので、御報告するものでございます。
めくっていただきまして、「はじめに」でございますが、主な変更箇所は網かけをしてございます。カボザンチニブとの併用における有効性及び安全性が確認されたことから、用法用量にカボザンチニブとの併用に係る内容を追加しているというものでございます。
臨床成績は5ページ以降に出ておりますが、具体的に今回追加になった部分は8ページの下段でございます。化学療法未治療の進行性または転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者を対象とした臨床試験が実施されておりまして、対象としたスニチニブと比較しまして、本剤とカボザンチニブとの併用で無増悪生存期間の有意な延長が示されたという結果でございます。グラフでは9ページでございます。
12ページから14ページは安全性プロファイルですが、これもこれまでの効能効果と比較して新たな懸念は認められておりません。
施設内容、17ページ、18ページは特段変更ありません。
19ページからは、投与対象となる患者を記載してございますが、有効性については、今回有効性が示された併用投与に関する内容を網かけのとおり追加してございます。安全性の変更はございません。
最後、21ページの投与に際して留意すべき事項は、網かけの部分は今回追加の部分に関連しますが、それ以外はこれまでと同様の内容でございます。
私のほうからは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
引き続き、事務局から補足の説明がございましたらお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
先ほど説明のありました最適使用推進ガイドラインに基づきまして、保険適用上の留意事項を発出しておりますので、御説明いたします。
総-6-5を御覧ください。こちらはリンヴォック錠のアトピー性皮膚炎の効能に関するものでございます。下の「3 留意事項の内容」の(2)診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項としまして、1のアとしまして、治療の責任者の医師の要件、それから、次の2ページ目、イの投与対象となる患者の要件としまして、最適使用推進ガイドラインに書かれた要件のうち、該当するものを記載いただくこととしております。こちら、効能追加がありました8月25日付で発出しておりまして、同日に適用となっております。
続きまして、総-6-6を御覧ください。こちらはキイトルーダの効能追加に伴うものでございます。「3 留意事項の内容」ですけれども、(2)診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項につきまして、まず1)がMSI-Highを有する結腸・直腸がんについてでございます。1としまして医療施設の要件、2ページ目に2としまして治療の責任者の医師の要件のいずれに該当するか、3としまして、MSI-Highを確認した検査の実施年月日を記載していただくこととしております。
2)が乳がんについてで、1が同じく医療施設の要件、2が治療の責任者の医師の条件、3ページ目にお移りいただきまして、3としましてPD-L1陽性を確認した検査の実施年月日及び検査結果、4としまして他の抗悪性腫瘍薬と併用する場合には、その旨、ホルモン受容体陰性及びHER2陰性であることを確認した検査の実施年月日を記載していただくこととしております。
こちらも効能追加と同じ8月25日に発出し、同日に適用となっております。
続きまして、総-6-7を御覧ください。こちらがオプジーボに関するものでございます。今回カボザンチニブとの併用療法が追加されたということで、「3 留意事項の内容」におきまして、(2)診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項としまして、1、本製剤を他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合には、その旨を記載いただくこととしております。
こちらも同じく効能追加日である8月25日に発出し、同日付適用としております。
以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御質問等がないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして、「公知申請とされた適応外薬の保険適用について」を議題といたします。
本件は報告事項です。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-7を御覧ください。「公知申請とされた適応外薬の保険適用について」でございます。
いわゆる適応外薬につきましては、医学薬学的な評価につきまして、薬事・食品衛生審議会のほうで事前評価を行うこととしておりまして、その結果、有効性・安全性について公知であるということが確認されましたら、薬事承認を待たずに保険適用することとしております。
2.でございますけれども、8月30日の医薬品第一部会、9月6日の医薬品第二部会におきまして、表にあります3品目の事前評価が終了しております。内容のほうが、グラニセトロン塩酸塩とオンダンセトロン塩酸塩水和物につきまして、術後の消化器症状(悪心、嘔吐)の適用について。それから、乾燥人フィブリノゲンにつきまして、産科危機的出血に伴う後天性低フィブリノゲン血症に対するフィブリノゲンの補充という適応についてそれぞれ事前評価が終わっております。
公知申請して差し支えないということとされておりますので、同日付で保険適用するということとしております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、特に御質問等がないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして、「薬価算定組織等の議事録の取扱いについて」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-8を御覧ください。「薬価算定組織、保険医療材料等専門組織及び費用対効果評価専門組織の議事録の公開について」でございます。
○の1つ目ですけれども、昨年末、12月23日の総会におきまして、薬価算定組織等における検討プロセスの透明性の向上を図るという件についてお諮りをしております。その結果、委員名簿と委員の利益相反の申告状況につきましては、既にホームページ等で公表をしているところでございます。また、議事録につきましては、ホームページでの公開に向けて一定の検討を行うこととさせていただいておりました。
○の2つ目ですけれども、事務局におきまして、企業秘密に係る取扱いなどにつきまして検討や調整を行ってきまして、今般、5月の中医協総会でお諮りしました新薬の薬価について、検討を行った薬価算定組織の議事録について、別添のとおり取りまとめております。
今後、こういったような形で議事録について取りまとめ、厚生労働省のホームページに掲載していくことと考えておりまして、他の2組織、保険医療材料等専門組織、費用対効果評価専門組織につきましても、同様の形式により、この議事録を作成し、公開することとしてはどうかというものでございます。
なお、薬価算定組織などにつきましては、その検討の後、速やかに総会のほうにお諮りしているということで、時間的になかなか作業時間が取れないということもありますので、下の※印ですけれども、議事録の作成に当たりましては、発言された委員ですとか、資料を提出した企業への確認等、一定の作業期間を要するということがありますので、おおむね総会から2か月程度をめどに公開するようなスケジュールになると考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ただいまの議事録の公開の説明に関しましては、何か御質問等はございますでしょうか。
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
議事録を読ませていただきました。この議事録については、なかなか生々しいことが書かれておりまして、本当に参考になりました。
また、企業の本音も見え隠れしておりまして、企業の本音に対する委員の先生方の厳しい意見も掲載されておりまして、この公開はやはり重要だというふうに思います。
ただし、本当に我々が知りたい事項のほうが丸ごとマスキングされているようなところもありまして、多分これが一番企業秘密であって、これが一番我々の知りたいところでもあって、矛盾するところなのですが、例えば原価計算方式でのやり取りとか、補正加算でのやり取りで、企業側と委員側の先生方の意見の相違についてまるきり分からない部分もありまして、数値まで厳格に出してほしいとは言いませんが、企業が出したものに対して、どういう理由でそれが受け入れられなかったかというふうなストーリーについては、丸々マスキングするのではなくて、数値が例えば100が70に査定されたというふうなことまで出してほしいとは言いませんが、企業の申請してきたものに対してどういう理由でこれが受け入れられなかったかとか、補正加算について受け入れられなかったかというような理由が分かるようなところについてはマスキングを外していただきたいというふうに思います。企業の申請と委員の先生方の対応がほとんど全部マスキングされている部分もありますので、そこはもう少しマスキングを減らしていただきますように要望いたします。
以上です。
○小塩会長
幸野委員、ありがとうございます。
マスキングに関する御要望をいただきましたけれども、これについていかがでしょうか。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
御意見、承りました。一般的にこういった企業側の競争上の利益に反するような情報というものは、企業からの意見、それから他に共有される情報等も考慮して、マスキングの適否について判断しております。
先ほど御指摘いただいた点につきましても、単に数字の云々だけではなくて、説明の仕方ですとか考え方についても企業のノウハウに係る部分ということであれば、情報公開法に基づくマスキング、不開示に相当する箇所というものが出てくるものは致し方ないと考えております。
今後も委員からの御指摘も踏まえまして、開示、不開示の考え方につきまして、整理をしていきたいと思います。
以上でございます。
○小塩会長
幸野委員、よろしいでしょうか。
○幸野委員
可能な限りよろしくお願いします。
ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして、「令和2年度診療報酬改定における経過措置等への対応について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、中医協資料総-9に従って御説明をさせていただきたいと思います。
まず、4ページ目を見ていただければと思います。3月10日の中医協資料でございますが、経過措置等の取扱いということで、1、2、3とございますように、1の令和2年度診療報酬改定に係る経過措置の議題と、2、施設基準等において年間実績を使用するもの、3、DPCの係数の改定がございます。本日の議題としては1と2を検討いただければと思っております。
現状といたしましては、まず1の経過措置のところについては、令和2年度は、令和3年3月31日まで経過措置を延長したというもの。さらにこの4月1日から現在に至るまで、基準を満たすものとする取扱いについて、9月30日まで全体を延長しているという状況でございます。
2について、年間実績を使用しているものにつきましては、令和3年9月30日まで令和元年の実績値で判定可能とする。ただし、コロナ病床を割り当てられている医療機関においては、令和4年3月31日まで延長、判定を可とするということが続いているというのが現状でございます。
5ページ目に経過措置の項目の一覧を上げております。
6ページ目以降で、まず、経過措置のところについてどういった状況かということを御報告させていただきます。
7ページ目の上でございます。3月10日の中医協において経過措置及び年間実績の使用に関しまして検討いただいた際に、医療機関が実際、今どういった状況になっているのかということを精緻に把握する必要があるというようなことになりましたので、今回調査をさせていただきました。
7ページ目の上のところでございますが、医療機関等において実績を記録することを求めた上で、当該入院料等が下がる場合や基準を満たさなくなる等の場合には、実績の届出を求めることとするということで、先ほどこの4月1日から延ばした経過措置は、延ばすということですが、本来であれば、いわゆる実績が落ちてしまうというようなところ、基準を満たさなくなるというところについて、届出を求めたというものの調査でございます。
8ページ目以降がその実態調査の結果でございます。
その実態調査の結果でございますが、施設基準要件を満たしていないと医療機関から報告があったものを表でまとめさせていただいております。まず、病院が161でございます。4月時点で満たしていないのが150、6月時点で満たしていないのが141、これをOR条件にしたのが161ということです。AND条件にすると130でございます。
この病院のうち、重点医療機関は37、協力医療機関が31、うち、重点医療機関、協力医療機関ではないが、コロナ患者受入病床を割り当てられた医療機関が17、1から3のいずれにも該当しないが、下にありますアからエのいずれかに該当したのが35、いずれも該当しないというのが41、訪問看護ステーションが16、機能強化型がそのうち16というものでございました。
この一番右に示しておりますパーセントに関しましては、左にありますが、令和元年10月時点での病院数、重点医療機関、協力医療機関の状況を分母とし、パーセントを出させていただいております。
届出いただいた医療機関の現状ということで、9ページ以降が詳細になります。急性期一般入院料に該当するところでございますが、それぞれ急性期一般入院料の現在1を取っているところが、2、3、4、6に落ちるのがそれぞれ22、6、5、1施設あるというようなものでございます。
それを先ほどの重点医療機関、協力医療機関を1、2、3、4、5という形で分類したものが9ページ、いわゆる急性期一般入院料のところで重点医療機関、協力医療機関を今度は左側に縦にして、要因を受診控え、受入制限、転院受入・拒否に関するもの等々で並べたのが10ページでございます。
それにさらにブレークダウンしたものが11ページ以降で、受診控えになるもので、外来患者、入院患者、在宅への訪問患者、いずれが原因だったかというのをそれぞれ並べたのが11ページです。受診控えが上、下が受入制限、12ページが転院受入・拒否に関するもの、下が病棟の運用に関するもの、さらに13ページでクラスターの発生に関するもの、改定前後の基準に関するものというものでございます。
ここまでが急性期一般入院料の医療施設でございます。
14ページ以降が、回復期リハビリテーション病棟入院料でございます。これもそれぞれどの入院料がどこに落ちるのかということ。それぞれが重点、協力のどこに当たるのか、1から5までのどこに当たるのか。15ページがそれぞれの重点、協力、1から5までのところで、その満たさなくなった要因の内訳をお示ししております。16ページ以降が、これもさらにブレークダウンをして、受診控えに関するもののうち、外来なのか、入院なのか、在宅なのか。下のほうが受入制限に関するもの、外来、入院、在宅、手術、救急搬送患者の受入制限、こういったもので分けております。
17ページも引き続き転院受入・拒否に関するもの、病棟の運用に関するもの、クラスターの発生に関するもの、改定前後の基準に関するもの。
19ページで、その他ということで挙げさせていただいております。
20ページ以降が地域包括ケア病棟入院料、地域包括ケア入院医療管理料でございます。まとめ方として、構成としては基本的に同様の構成で、20ページ、21ページ、22ページ、23ページ、24ページ、25ページ、26ページまでまとめております。27ページが急性期一般入院料、地ケア、回リハ以外のものということで、結核病棟入院基本料を挙げさせていただいております。
28ページ以降が訪問看護ステーションということで、上のほうは機能強化型1、2、3に分類をして、1から5のどこに当たるのか。1から5の内訳、いわゆる指定基準の要件を満たさない要因と報告のあったものがどれなのか。29ページ以降で、さらにそれを深掘りをしているという同様の構成になっております。
31ページ以降になりますが、年間の診療実績を求めるということで、今度は先ほどの一番最初の4ページの2に当たります年間の診療実績のところも同様の調査をさせていただいております。そこで出た報告というのが32ページでございます。病院が67、うち重点医療機関が39、うち協力医療機関が6、3のコロナ患者受入病棟が割り当てられた医療機関が7、1から3のいずれにも満たさないが、下に細かくありますが、アからエのいずれかに該当したのが14、いずれにも該当していないのが1、診療所が2、歯科診療所が1、薬局が156、訪問看護ステーションが2となっております。
33ページからが医療機関からの報告ということで、どの加算等が取れなくなっているかということで、それぞれ病院からこれが取れなくなったということと、現在の求められる実績の項目と、その実績値を挙げさせていただいております。
病院のほうが35ページの途中まで、診療所のほう、さらに36ページで歯科診療所、薬局、訪問看護ステーションでございます。
37ページも少しそれを切り分けて、また先ほどの重点、協力、割り当て、いわゆるアからエのいずれかに該当、どれも該当しないという形で分類をして、挙げさせていただいております。37、38、39ページの途中までが病院、医療機関、歯科診療所、薬局、訪問看護ステーションという形で、41ページまで続いております。
42ページ以降、経過措置等の取扱いについてということで、9月30日を超えた10月1日からどのような対応をするかということで、事務局案として提示をさせていただいております。まず、43ページが経過措置の取扱いということでございます。令和2年診療報酬改定における経過措置は、基準を持たすものとして取り扱うというのを令和3年9月30日まで延長しております。これはコロナの影響につきまして、令和3年3月時点で得られていた重症度、医療・看護必要度の分布を見ても、コロナ対応の違いで分布を説明し切れるわけではない、また、コロナ補正を講じた場合であっても、一斉の新基準適用は医療提供体制に大きな影響を与える可能性がある、いわゆるデータ等が整っていなかったということもございまして、医療機関単位や地域単位での影響を把握することが困難であって、経過措置を延長するという決定をいただいたと考えております。
今般、これらの報告による調査が出てきましたので、これらを踏まえまして、コロナ患者受入れの重点医療機関、協力医療機関及びコロナ患者受入病床を割り当てられた医療機関においては、令和4年3月31日まで経過措置を延長するということにしてはどうかというものでございます。
44ページが年間の診療実績を求める施設に関してでございます。これも同等の理由で経過措置を9月30日まで特例ということで認めて、令和元年の実績を用いてもよいという形で進めさせていただいております。そこにつきましては、これまでの取扱いのとおりとありますが、コロナ患者受入れの重点医療機関、協力医療機関及びコロナ患者受入病床を割り当てられた医療機関におきましては、令和4年3月31日まで特例措置を利用できることとし、その他の医療機関に係る取扱いについては令和3年9月末をもって終了するということにしてはどうかという御提案でございます。
ここにありますように、コロナの重点医療機関、協力医療機関、割り当て医療機関につきましては、コロナの状況が今は一旦落ち着きつつある中、また、ワクチンも進んでいるということではございますが、今後半年間の間にどのような変化が起きるかということは、まだ正確には予測できないということを考えまして、いわゆる経過措置及び年間実績というのを経過措置については経過措置の延長、年間実績については令和元年の実績を使えるという形にし、それ以外のところについては、9月30日で一旦経過措置については終了し、年間実績についてももともとのルールどおり運用をしていただくということにしてはどうかというものでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
城守委員、お願いします。
○城守委員
ありがとうございます。
今回の御提案ですが、重点医療機関や協力医療機関、あるいはコロナ患者の受入病床を割り当てられた医療機関以外の医療機関については、経過措置についても、また年間の診療実績の特例についても、今月末で終了するというものであります。昨年度の3月にこの取扱いを議論した際、地域医療の実態、また個別の医療機関の状況が把握し切れないという中において、4月に変更となることが医療現場への大きな影響を与えるのではないかということで、実態調査をするということを前提に、この経過措置については半年間、施設基準における実績においては重点医療機関や協力医療機関、あるいはコロナ患者さんの受入病床を割り当てられた医療機関は1年間、それ以外の医療機関は半年間、令和元年の実績を使用できるという措置を講じたものであります。
ここで事務局に確認をさせていただきたいのですが、現在、コロナの影響を受けているか、受けていないかというのはなかなか判別が難しいですけれども、全ての医療機関が何らかの影響を受けているということはまず間違いないだろうということは、皆さん方は共通の認識をしていただけると思うのですが、今回事務局のほうで、医療機関からの報告を受けているわけでございますけれども、医療界は全体としてコロナ対応に奔走しているという状況でございます。そのような中で、施設基準の届出を行うことになったり、また、さらには必要な実績について急ぎ計算する必要が出てまいります。医療機関にとっては不明な点も出てくることと思いますが、事務局におかれましてはどのような丁寧な対応をしていただけるかということに関してお伺いをしたいと思います。
いかがでしょうか。
○小塩会長
では、井内課長、お願いいたします。
○井内医療課長
今回は届出をしていただいておりますので、報告のあった医療機関については事務局のほうで全て同定をできております。報告のあった医療機関に対しましては、厚生局を通じまして、個別に今回の対応をお知らせできるのではないかと考えてございます。さらにその上で、実績値の計算、あと不明点の有無、個別対応の実施ということはできるかと考えております。いずれにいたしましても、我々としてはできる限りきめ細かい対応を心がけてまいりたいと考えております。
○小塩会長
ありがとうございます。
城守委員、いかがですか。
○城守委員
ありがとうございます。
事務局のほうから、きめ細かな対応をするということはお伺いをいたしましたが、この件に関しては、病院団体の委員からも御意見をお伺いしたいと思います。
よろしくお願いします。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
今回の経過措置の取扱いについて、意見と質問を述べさせていただきます。
令和3年3月26日の事務連絡にありますように、1の令和2年度診療報酬改定に係る経過措置及び2の施設基準等において年間実績の使用に関しては、令和3年9月30日まで延長したところでございますが、併せて医療機関等の実情を適切に把握する観点から、新たに医療機関において実績を記録することを求めた上で、該当入院料が下がる場合や基準を満たさなくなるなどの場合には、実績の届出を求めることとしております。
今回の報告については、予想よりも少ない病院数でしたが、これが実際のデータだと考えております。一方、新基準を適用する医療機関であっても、地域医療の担い手であることには違いなく、これらの医療機関において施設基準を満たさなくなることによって、医療機関の機能が損なわれ、地域医療が崩壊することも考えられます。
そこで質問でございますが、今後届出を受け付けたり、さらに医療機関からの相談が発生する中で、現状の数字と大きく異なるような実態が明らかとなる可能性も否定できません。その場合、どのように対応するのか、事務局に確認させていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○小塩会長
島委員から御質問がございました。
よろしいでしょうか。
○井内医療課長
まずは先ほどございましたように、きめ細かい対応で各医療機関、該当する医療機関が混乱をしないように努めてまいりたいと思っております。
その上でということですが、我々といたしましても、現在取り得る調査としては、今回やった調査のやり方が最善であると考えておりますので、今回出てきた数字に関しましては、これが正しい数字だというふうに我々も考えております。
ただ、御指摘がありましたように、これは何らかの法律に基づいた義務というような報告ではなく、今回任意に求めたというものでもございますので、この数字自体が今回の調査と非常に異なっている、もしくは、それによって大きなダメージを受ける医療機関が多数、我々の今回の調査の想定とは違うような数字が出てくるというようなことがもしこの過程で分かりましたら、そこの場合には事務局で整理をさせていただいて、再度中医協のほうで議論していただけるような準備はさせていただきたいと思っております。
○小塩会長
島委員、いかがでしょうか。
○島委員
今、事務局からお答えのあった丁寧な対応や御指導を行っていただけるということであれば、今回の事務局の案を支持したいと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
経過措置等の取扱いについてでございますが、年間の診療実績を求める施設基準につきまして、コロナにおける診療報酬上の臨時的な取扱いとして、施設基準の要件を満たさない場合には、令和元年度の実績を用いてもよいとされ、歯科におきましても少ないながらではございますが、報告がございます。
今回の事務局案に関しましては、一定の理解はしておりますが、今後もコロナの感染状況や報告数の推移を鑑みて、必要な状況下であれば報告のあった医療機関を含み迅速にかつ丁寧に対応していただきたく要望いたします。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
要望として受け止めさせていただきます。
続きまして、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
現場では、コロナ感染症の影響はまだ感じているところであります。引き続き、コロナ感染症に関する対応を最優先で行ってまいりたいと考えております。
今回、事務局にお示しいただいた経過措置の取扱い案については承知をいたします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
城守委員から追加のコメントがあるかと思いますので、最初に城守委員、御発言をお願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
先ほどの島委員の御質問に対しての医療課長の答弁で触れられました異なる実態が明らかになった場合はということですが、今回示されている調査結果は、4月末と6月末時点における状況でございまして、後日、9月末時点での報告がされると理解しております。
一方、7月から8月は、これまでとは大きく異なるレベルで感染が爆発的に増加をいたしまして、災害レベルとされた第5波の影響を受けた時期でもありますので、この時期に特例の対象となった医療機関は、これまで以上に増えたということが当然考えられるということを勘案して、先ほどの事務局の答弁もしっかりと踏まえさせていただきまして、2号側としては、今回の提案については一定理解をしたいというふうに思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
幸野委員、お待たせいたしました。よろしくお願いいたします。
○幸野委員
支払側の意見を言わせていただく前にちょっと確認したいのですが、8ページのところなのですが、非常に重要な要素、データが欠けていると思うのですけれども、教えていただきたいのですが、左の表にありますように、病院が8,300あって、重点医療機関が1,300、協力医療機関が940というところがあるのですけれども、右の表の3のいわゆる病床割り当て医療機関がどれぐらいの規模があるのかというところが全く見えないということ。それから、4、5についてもどれぐらいの規模があるのかというのが示されていないということ。それから、3の割り当て医療機関のうち、本当にコロナを受け入れているところはどれぐらいあるのかというところのデータが欠けているので、どこで線を引くかというところなのですけれども、当然、重点医療機関とか協力医療機関は多くのコロナ患者を受け入れ、大変な御苦労をされていると思うので、当然は入ってくると思うのですが、3についてどういう状況なのか、ここのところをしっかりとデータを出していただかないと、我々としても線引きの判断をしかねるところなのですが、これについて詳細なデータがもしないのであれば、どれぐらいのデータ、規模なのか、どれぐらいのところがコロナを受け入れているのか、その辺の状況をお教えいただけないでしょうか。
○小塩会長
ありがとうございます。
末松委員からもお手が挙がっているんですけれども、関連するような御質問でしたら、続けてお願いしたいのですけれども。
○幸野委員
最初にちょっとこのデータの状況について教えていただいて、多分末松委員が意見を申し上げられると思うので、まずお願いします。
○小塩会長
分かりました。
それでは、幸野委員からいただいた御質問について、事務局から回答をお願いいたします。
○井内医療課長
今いただきました御意見でございますが、ここをバーにしておりますのは、我々としてもこの数字を正確に捉え切れていないというのが現状だということでございます。
ここにつきましては、今後、厚生労働省内のコロナ本部ともよく相談をさせていただいて、よりこういった数字がどうなるかということは、我々としても把握に努めたいとは考えてはおります。ただ、コロナに関しましては、各自治体のほうで選んでいるということもあり、なおかつ自治体のほうが今、コロナ対応ということで、喫緊、現状の対応というのに集中的に人的労力を割いているというようなところもあるので、そこのところがブレーキがかからないということが前提ではございますが、我々としても数字の把握には努めてまいりたいと思ってはおりますが、現時点においてはここの数字は、正確なものは我々としても把握していないというものでございます。
○小塩会長
幸野委員、いかがでしょうか。
○幸野委員
大体の規模も分からないのでしょうか。3とか4とか。
○小塩会長
お願いいたします。
○井内医療課長
ここについては、我々のほうとしても把握はし切れていないというものでございます。
○幸野委員
その規模も分からずに、どこで線を引くかというのを決めるのは、我々としても非常に判断しにくいのですが、ちょっといろいろ意見を言わせていただきます。
私のほうからは取りあえず以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、続きまして末松委員、お願いいたします。
○末松委員
ありがとうございます。
私も、今、幸野委員がおっしゃっていただいたところの数値をぜひお示しをいただけたらなということでございます。先ほど来、お話がありますように、このコロナで影響を受けていらっしゃる病院というものは非常にたくさんあろうかというふうにも、私自治体のほうの代表としてもしっかり認識をいたしておりますので、その点につきましては本当に感謝と敬意を表したいと思います。
特に第5波につきましては、病院関係の皆様や医師会の皆様方には多大なる御苦労やいろいろな状況の中でしっかりと勘案していただきながら、現状の救急医療と精査をしていただきながら受け入れていただいているということで、本当にありがたく感じております。しかしながら、地方と都市部とはかなりコロナの状況というものも違うと思っておりますし、このところの部分が正確に数値が分かっているのであれば、可能な限り出していただきたいと思っております。
医療人材や施設など、医療資源が大変少ない地方にとっては、重要医療機関であったり協力医療機関であったり、またそうではないけれどもコロナに対して協力をしていただきたいと言っていただいた病院にとっては、こちらとしてもぜひ受け入れていただきたいですし、そういった中で、県のほうでも病院の病床調整をしていただいておりますので、そのような中でいけば、このところの数値というものをしっかり明らかにしていただく中で、今後、第6波や第7波が来ると言われている中での病床の調整であったり、そういった医療機関の皆様方との意見交換も含めて、この辺の数値というものは大変大事なことになってくるのではないかと思っておりまして、幸野委員が先ほどその部分でというお話がありましたので、私も意見と質問をさせていただきました。
ぜひ、コロナで影響を受けている中での経過措置ということでありますので、そういった中では、できる限り丁寧な対応、丁寧なこういったものを出していただけることを私としては望みたいと思っております。
保険者といたしましても、やはりこの辺については地方と都市部とではかなり意見が違ってくるかと思いますので、その点についてまたよろしくお願いしたいと思います。
○小塩会長
末松委員からもデータについての御意見、御質問がございました。
これについてよろしくお願いいたします。
○井内医療課長
まずはここのデータにつきまして、しっかりと把握をしたいという御意見が出たということで、我々も受け止めさせていただきます。本日はないということで、私のほうから御報告させていただいておりますが、今後、これに類するようなデータが出た場合、迅速に中医協の場に御提示できるように努力をさせていただきたいというのがまず1点でございます。
今回の経過措置のところでございますが、今回事務局のほうの提案で、いわゆる3のところまで経過措置を延長、実績値を令和元年のものということで、いわゆる特例扱いということにしてはどうかという提案をさせていただきました。これにつきましては、実際、今後コロナの感染状況がどうなるかということが現時点で正確に予測できていない中で、実際にコロナに対応するということが今後、各地域でいろいろな形で取り組んでいかれるということになると考えております。
それを踏まえますと、この診療報酬の中でコロナを受け入れる病院については、一定の診療報酬上の特例、いわゆるコロナで機動的に動くということの足かせにならないようにということで、ここの部分までについては今回の特例措置、経過措置の延長、実績値の令和元年の使用を認めるべきではないかというように、診療報酬上の対応として考えてございますので、そういった意味を含めた御提案だということで御理解いただければと思っております。
○小塩会長
末松委員、よろしいでしょうか。
○末松委員
ありがとうございました。
地方医療を崩壊させないためにも、ここのところは、このコロナは特に第5波がこれだけ爆発的に感染が広がりましたので、次に向けて今はしっかり数字を把握しておく、データを把握しておくということは重要だと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
今、幸野委員、末松委員の内容について、今、私は病院協会の代表で委員を拝命しておりますが、たまたま福井県の医師会長として今、現場におりますので、現場からの情報提供をさせていただこうと思います。
今、幸野委員、3の割り当てられた医療機関が実際に受け入れているのかどうかということの御質問がありましたけれども、少なくとも福井県においては、それまで受入医療機関あるいは疑似患者を受け入れるということで手を挙げた医療機関、第5波になって全ての病院がコロナを受け入れていただきました。それでもなおかつ足りないことがあって、臨時病床をつくろうというスキームをつくったところでございます。
3をコロナ受け入れ病院としての経過措置の延長をしていただくことは非常に今後第6波、第7波にかけて、もう非常に重要なことだと思いますので、ぜひその辺の現場の内容を御理解いただければと思います。
もちろん全国的にどうかという数字を私は持ち合わせているわけではないですけれども、一地方の小さな県でもこういう状況なので、3の機能というのは非常に重要ではないかと思っております。
もう一点、先ほど城守委員、島委員がおっしゃったように、私も2号側としては、今回の提案に一定の条件できちんと提案をしていただいて、御了解させていただくことになるかと思いますが、1点知っておいていただきたいのは、今日、9月15日で、期限が切れるのが9月30日、2週間後にもう切れて、10月1日からこの体制に入るということの大変さをぜひ皆さん、各委員に御理解いただきたいと思います。2週間後に新しい体制をやる。今から準備しても、とても間に合わないのではないか。これまで分かっているのだからと言われても、ひょっとしたら延長するかもしれないと思っている医療機関もあったかもしれませんし、2週間後に経過措置が切れるという医療機関に対して、ぜひ本当に丁寧な対応をしていただいて、その方々が施設基準を満たさないということは、もう医療機関としての存亡に関わる、そういう条件だということをぜひ御理解いただいて、ぜひ丁寧な対応をお願いしたいということが私からの要望です。
以上です。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
幸野委員、お手が挙がっています。よろしくお願いします。
○幸野委員
今までやり取りしてきたのですけれども、本当にこういう重要な数値を中医協に出していただけないというのは非常に残念です。多分医政局辺りではもうつかんでおられると思うのですけれども、もう少し連携を取って、コロナの状況、病床の逼迫状況は丁寧に伝えていただきたいと思います。
個人的には、重点医療機関、協力医療機関で線を引くべきかなとは思っていたのですが、今、池端委員のほうからもおっしゃったように、割り当て病院についても多くの御苦労をされているということで、今回、頑張っていただくということで、経過措置に含めるということについては了承したいと思います。
○小塩会長
ありがとうございます。
安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
簡単に意見を述べさせていただきます。
今回の事務局からの御提案につきましては、妥当であると思っております。
ただし、10月以降にまた改めてこの結果を検証いただきますようお願いしたいと思います。幸野委員、末松委員からの御要望がありました実績などにつきましても、できる限り把握していただけると、我々も議論の基とすることができるため、お願いしたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
私も、今回の御提案については異論がありません。母数の数値については、先ほど安藤委員からもご発言があったように、10月に入ってからの精査とした中で、明らかにしてほしいと思っております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
幸野委員、追加の御意見をよろしくお願いいたします。
○幸野委員
経過措置の取扱いについては了承するということなのですが、少し離れるのですが、これも次回改定に向けて重要な要素になると思いますので、意見として申し上げさせていただきます。
5の1から4のいずれにも該当しないというところが41あるということなのですが、これの母数は8,300のうちかなりの規模を占めていると思うのですけれども、1から4以外のところについて、41機関が満たしていないというところについてどう考えるかということなのですが、前回の見直しで、重症度、医療・看護必要度が31%に引き上げられたのですが、このときに出されたシミュレーションだと、31%に必要度を上げると、シミュレーションが出たのですが、少なくとも4分の1の医療機関は入院医療1を維持できないという数値が出て、これはかなり厳しい改定になったのだなという感触を受けたのですが、今日出された数値を見ると、5の1から4のいずれにも該当しない医療機関といのは43ということになっていて、母数がどれだけかは分からないのですが、いずれにしてもこれは相当少ない数値だと思います。そういうことを考えると、前回改定の重症度、医療・看護必要度の見直しが、果たしてコロナがあってもなくても妥当なものだったのかどうかというのは次回改定に向けて検証する必要があると思います。A項目、B項目、C項目も関連して見直されて、31%というふうに置かれたのですが、これがかなりきつい要件になっていると予想していたのですが、実はそうではなかったということがこの資料でも分かるのではないかと思います。次回改定、第2ラウンドの議論に向けては、今日出された資料も非常に重要なエビデンスになると思いますので、ぜひ検討の対象にしていただきたいと思います。
○小塩会長
ありがとうございます。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
診療側としても一言発言させていただきたいと思います。
全国の地域医療の状況ですけれども、このところコロナの患者さんが2~3週間減少しているとはいうものの、その状況は、平時の状況にはまだほど遠い状況であります。そういった中で、こういった先ほど幸野委員からお話がありました重症度、医療・看護必要度の基準については、あくまで平時に決まった数値であります。したがって、その後の状況がもう本当に変わってきている状況の中で、その検証というのは非常に難しい状況でもありますし、医療界全体がコロナ対応に非常に必死になって頑張っている状況でございます。どの程度検証ができるかどうかは分かりませんけれども、今後も有事における対応は当面続くと考えておりますし、その状況は変わらないと思います。ぜひ、その点についての御支援、御理解をいただきたいと思います。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
私のほうからも、先ほどの幸野委員の今回のコロナの影響がどうなのかというお話がございましたけれども、先ほど松本委員もおっしゃったように、改定の影響とコロナの影響がどのような影響のし合いをしているのかということは、まだ何も分析されていないわけです。その状況において、果たしてコロナの影響がなかったのではないかとか、あったのではないかというのは、この時点で明確にそれを切り分けるということは、現状まだできないはずです。ですので、間違った予断を持って今後の改定に当たるということだけは避けていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。御意見として承ります。
ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
多くの先生方から御意見、御要望をいただきました。それは事務局としてしっかり受け止めていただくといたしまして、本件については中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして、「令和4年度診療報酬改定に係る議論の中間とりまとめについて」を議題といたします。
本件は報告事項です。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、資料総-10に沿って御説明をさせていただきます。これは7月7日から8月25日まで、中医協において御議論いただいた内容を列記しているもので、一旦取りまとめたということでの御紹介でございます。
2ページ目以降、コロナ・感染症対応というところで、例えば下のほうになりますが、主な意見として、今後の新型コロナウイルス感染症対策の在り方や、次のページで、新興感染症に対応できる医療提供体制の構築に向けた取組等、こういった項目ごとに各委員のほうから出た主な御意見を拾わせていただいているという構成になっております。
4ページが外来についてということで、5ページ、6ページのそれぞれの項目でまとめさせていただいております。
7ページが在宅ということで、まず1の在宅医療というところで、8ページの中段以降のところでそれぞれのテーマで出た御意見をまとめさせていただいております。
9ページが訪問看護について、10ページが在宅歯科医療についてです。在宅患者訪問薬剤管理指導についてが11ページ、12ページでございます。
入院医療についてのところの主な御意見は14ページ以降で、総論・急性期入院医療から15ページの回復期入院医療、慢性期入院医療、入院医療における他の取組等を16ページまでまとめさせていただいております。
歯科についてということで、17ページで歯科について、18ページ以降で主な御意見をそれぞれの項目でまとめさせていただいております。
20ページが調剤について、主な御意見は22ページ以降にまとめさせていただいております。
26ページ、個別事項ということで、働き方改革についてということ。27ページ、28ページにそれぞれの項目ごとに御意見をまとめさせていただいております。
29ページが不妊治療の保険適用、30ページに医薬品の適切な使用の促進、34ページに歯科用貴金属の随時改定についてということで、それぞれ御意見をいただいたものをまとめさせていただいております。
これは基本的には御議論いただいた中から事務局として現時点でまとめさせていただいたものという位置づけでございます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
この総-10という資料は、今、課長から御説明がありましたように、これまで委員の先生方に、令和4年度診療報酬改定に向けたキックオフとして議論していただいた内容を事務局において取りまとめていただき、御報告していただいたものであります。
次期診療報酬改定に向けた具体的な議論は、これまでいただいた御意見を踏まえながら、次回以降、進めていきたいと考えております。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、具体的な議論は次回以降、どうぞよろしくお願いいたします。
ほかに質問等ないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして、「被災地における特例措置について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、総-11-1に沿って御説明をさせていただきます。
まず、東日本大震災に伴う被災地特例措置の利用状況でございます。
特例措置の利用状況ということで、実績のあったものということで、1ページの定数超過入院ということで、利用数が宮城県で2ということで、今、続いているということでございます。
5ページに行っていただきますと、これが今、特例措置の継続の必要性、今後の見通しでございます。該当する2つの医療機関の状況でございます。
6ページがその取組状況、解消計画についてということで、その2つの医療機関のほうからいただいている計画の概要でございます。
7ページになりますが、その対応案でございます。これにつきましては、ポツの一番下でございますが、医療機関のほうでも準備が進んできたということですので、東日本大震災に伴う被災地特例措置については、令和3年9月30日で終了することとしてはどうかという御提案でございます。
次に、引き続きまして、資料総-11-2でございます。これにつきましては、令和2年7月豪雨に伴う被災地特例措置の利用状況でございます。1ページでございますが、仮設の建物による保険診療等ということで、熊本で1というものでございます。
これも4ページを見ていただければと思いますが、今、熊本のほうで、最初は保険医療機関と保険薬局の2施設であったのが、現時点では保険薬局が利用をしている。現在も利用せざるを得ない状況と聞いております。
対応案ということで、具体的には現在利用している特例措置については、厚生局に届け出の上、令和4年3月31日まで継続利用できることとすることとしてはどうかということの御提案でございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
質問ではないのですが、2011年3月11日から10年と半年が経過しております。現在も4万人を超える方々が、自宅以外の地域や仮設住宅で生活をされて、帰宅困難区域とされている区域もまだ残っているという状態であります。
被災地特例を利用する医療機関からは、いまだに震災の影響が残っており、行き場のない患者さんを引き受けざるを得ない状況がある旨の御報告がされており、加えて昨年以降、コロナの影響も多々受けているものと推察されて、そのような状況の中で、利用終了に向けた取組について御尽力いただいたものと考えております。
診療報酬上の被災地特例は、震災直後から迅速に対応され、年々利用する医療機関は減少して、このたび、残る2医療機関につきましてもこの9月末には特例の利用を終了するめどがついたとの報告をいただいたということで、この被災地特例措置を終了するという提案に反対はいたしません。
総-11-2にあります令和2年7月豪雨に伴います被災地特例につきましては、仮設の建物で調剤を行っている1つの薬局において、引き続き特例を利用すべき状況にあるということで、令和4年3月末まで継続利用でいる旨の提案がなされております。残り1つの施設だからということで、無理な解消を求めるのではなくて、被災された施設への心ある対応には感謝をいたしますし、今後もこういった被災施設に寄り添った温かい対応をぜひともお願いしたいと思います。
意見でございます。以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御意見、御質問等がないようでしたら、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長 ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
次の議題に移ります。「最近の医療費の動向について」を議題といたします。
本件は報告事項です。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○西岡調査課長
調査課長でございます。
令和2年度1年間の医療費の取りまとめができましたので、御報告いたします。資料は総-12を御覧になっていただけたらと思います。
1ページですけれども、令和2年度の概算医療費が42.2兆円、対前年度比マイナス3.2%、金額でマイナス1.4兆円の減ということになっています。この減少幅、減少額は過去最大でございます。これまでは平成12年度の介護保険創設時のマイナス0.6兆円が最大でございました。平時であれば、高齢化や医療の高度化により、医療費は年間で2%程度伸びるということを見ておりますが、今回、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、医療費が大幅に減少したということでございます。
総-12の資料の一番後ろのページ、(参考)と書いてある19ページを御覧になっていただいて、大まかな概略だけ解説したいと思いますが、まず全体として1.4兆円の減少の内訳を見ると、診療費、医科診療費の部分で1.2兆円減少しております。それの内訳として、主傷病別にデータを見ると、減少幅の大きかったものとしては、呼吸器系疾患が0.57兆円、循環器系疾患が0.17兆円、筋骨格系及び結合組織の疾患が0.10兆円となって、特に呼吸器系疾患は、その疾患で言うとマイナス25.3%、4分の3になっているというところが特徴でございます。
さらに一番下の表で、年齢階層で見ると、未就学者が0.27兆円、75歳以上は0.41兆円となっておりまして、減少率で見ると子供の医療費が大幅に減少しているということが分かります。
これらを踏まえまして、医療費の減少は新型コロナウイルス感染拡大に伴う受診控えとともに、基本的な感染対策としてのマスクの着用の徹底、手洗いうがいの励行、社会的距離の確保などの新しい生活様式の浸透による呼吸器系疾患を中心とする疾病の減少などの影響により、医療費が大きく減少したものと考えております。
資料の2ページに戻っていただけたらと思います。医療費の伸びにつきましては、これまで人口とか高齢化の影響、さらに医療の高度化ということで説明してきました。これらを要因分解したものでございます。
人口と診療報酬改定等の影響を除いたその他の部分がこの表の一番下のところに書いているわけですけれども、その差分が今回マイナス3.2%の医療費だった部分に対しては、マイナス3.6という数字が出てきます。ここの部分につきまして、平成27年から令和元年まで数字が並んでおりますが、27、28はC型肝炎治療薬の関係で医療費が増減しておりますが、これを押しなべてみると、おおむね1%台ぐらいで推移するのが平時と思っていただけたらと思うのですが、これがマイナス3.6となっております。
あくまでも参考の数字でございますが、この表の一番下の※3には、主傷病がCOVID-19であるレセプトを集計させていただき、その金額としては令和2年度年間で1200億円であったということを表記させていただいております。
3ページを御覧になっていただけたらと思います。今回のコロナの受診の影響で顕著に見られた傾向といたしましては、医療費の動向の見方として、患者さんが医療機関に行く頻度を表す受診延べ日数と、あと密度を表す1日当たりの医療費に分けて見ることができます。これらが入院、入院外、歯科、調剤、どれで見ても受診延べ日数が減少し、1日当たり医療費が伸びているというところが特徴でございまして、平時だと受診延べ日数が微減程度で、1日当たり医療費は2~3%程度伸びるというのが見ているところですが、例えば入院外で言えば、受診延べ日数が10.1%の減という形になっています。
これ、受診頻度が落ちる代わりに、一度に処方される医療が増えたり、あとはそもそも軽度だったので受診しなくなったというようなことで、全体としての重度の人の比重が重くなったということが要素として考えられます。
4ページは年齢階層別に見たものでございます。
そして、5ページは診療科別に見たもので、未就学者の減り幅が多いので、小児科、耳鼻咽喉科の減り幅が大きくなっているということが確認できます。
6ページは都道府県別に見るとということで、減り幅が大きかったのは東京都、石川県、福井県といったところになっております。
以下、もう少し踏み込んだ形での分析となっておりますが、1つ報告させていただきたいことといたしましては、電子レセプトの集計を7ページ以降で示しております。昨年の秋以降、医療保険部会でも説明させていただいてきたものなのですけれども、それまでは入院外の部分が100分の1の抽出で取り込んで集計しておりましたが、システム上の都合で、全てのデータをこれまでの間に取り込むことができましたので、令和2年度版の公表をもちまして、過去に遡って月報も更新したしまして、今後、正式な形で医科メディアスという形での全数の電子レセプト分の集計結果も公表していきたいと思っております。それによって、8ページにあります年齢階層別の出力だとか、9ページ、10ページにあります疾病分類別の集計、さらには診療内容別の集計といったものが出せるようになり、例えば10ページでございますけれども、入院外の疾病分類別で見ると、今回の入院外医療費がマイナス4.3%に減った部分のうちの2.4%、棒グラフの水色の部分でございますが、ここの部分が、呼吸器系疾患が減少したことによって寄与した分であるということが説明できるという分析が可能となっております。
飛んでいただきまして、13ページからは調剤メディアスです。これも電算処理分ですけれども、これは従前から公表させていただいているものでございます。調剤の状況につきましては、医療費がマイナス2.6%のうち技術料が1.3%、薬剤料は1.4%の寄与ということになっておりまして、その薬剤料の減りは、減り幅で言うとマイナス1.8%だったのですが、処方箋枚数が9.2%減少し、1枚当たりの薬剤料が8.1%増加したということでございます。
それらを薬効分類に分けて集計すると、プラスにどのように寄与した、マイナスにどのように寄与したというようなことを分けて見ることができるようにしておりますので、御覧いただけたらと思います。
最後に17ページでございますけれども、調剤医療費の中でのジェネリックの内訳としてのトレンドを見ておりまして、直近の令和2年3月のところで82.1%という形で緩やかに上昇しております。あと、都道府県別の状況をつけておりますといったことでございます。
引き続きコロナの状況が、こういう現状が続いているわけで、それが恐らく一定程度医療費に影響を与えておりますので、今後とも、この状況をしっかりと見極めて、医療費の動向がどのように推移するのかというのを分析していきたいと、そのように考えております。
以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
それでは、飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
今、御説明で、COVIDの関連が1200億円と数字をおっしゃっていただいたのですけれども、主傷病がコロナであるというのがかなり過少に把握されているのではないかという研究も少し出てきているのですが、その辺、もしお考えがあれば聞かせていただきたいのと、それから、このコロナの関連医療がどのように扱われているかというのは非常に重要ですので、もう少しその辺を周知していただくような、そのような方向性があるのか、2点伺ってよろしいですか。
○小塩会長
お願いいたします。
○西岡調査課長
御質問にお答えいたします。
資料の2ページ目の一番下に今回あえて書かせていただいたのも、先ほど御説明させていただいた電算処理分の統計を集計できるようになったからということで出力させていただいたものでございます。
ただ、あくまでもレセプトに書いている主傷病というところでの集計ということになりますので、コロナという主傷病でありながらも、他の疾患に伴う治療をされている医療費も含まれている。1200億円というのが、過大になっている部分と、あと逆に、ほかの疾患なのにコロナになった方がそれによって処理された部分ということで過少になっている部分ということで、入り出がどうしても生じてしまうということは承知しております。そこの部分については、我々として、現状としては統計の限界という形で受け止めておりまして、2つ目の御質問でいただいた、さらにこれをどうやって掘り下げていくのかについては、引き続き検討させていただきたいと思っております。
以上でございます。
○小塩会長
よろしいですか。
ありがとうございます。
ほかに御質問はありますでしょうか。
特にないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
本日の議題は以上なのですけれども、事務局から「その他」として資料が提出されています。本件は報告事項です。説明をお願いいたします。
○井内医療課長
資料総-13-1、13-2で御説明をさせていただきます。
この資料は、毎年定期的に報告させていただいているもので、令和2年7月1日時点における報告状況でございます。主な施設基準の届出状況、主な選定療養に係る報告状況についてでございます。施設基準の届出状況は3年分、選定療養に関するものは4年分を整理してございます。
ここのデータの説明については、省略をさせていただきたいと思っております。
以上でございます。
○小塩会長
説明は省略ということなのですけれども、何か御質問はございますか。
よろしいですか。
それでは、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
本日の議題は以上です。なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。
どうもありがとうございました。


 
 

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