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2021年8月25日 中央社会保険医療協議会 総会 第486回議事録

○日時

令和3年8月25日(水)保険医療材料専門部会終了後~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 松浦満晴委員 末松則子委員
松本吉郎委員 城守国斗委員 長島公之委員  池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 半田一登専門委員 田村文誉専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
山田保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○在宅 (その1)について
○入院 (その1)について
○選定療養に導入すべき事例等に関する提案 ・ 意見募集の結果(速報)について


 
○小塩会長
 それでは、ただいまより、第486回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。 なお、本日もコロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としており
ます。また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。本日は、全員が御出席です。
 それでは、早速、議事に入らせていただきます。
 最初に「在宅(その1)について」を議題といたします。
 まずは、在宅医療及び訪問看護について、事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
 それでは、事務局より資料に沿いまして御説明させていただきます。
 中医協総-1-1「在宅(その1)」在宅医療の資料を用意させていただいておりますので、その資料の説明をさせていただきます。
 まず、在宅医療を取り巻く状況からでございます。3ページ目からでございます。
 まず、日本の人口の推移、日本の人口ピラミッドの変化ということで3ページ、4ページ。
 5ページで、死因別に見た死亡率の推移。
 6ページで、看取りに関わる状況、死亡数の将来推計。
 7ページで、要介護認定者数の見通し。
 8ページで、死亡場所の推移。
 9ページで、年を取って生活したい場所のアンケート結果。
 10ページで、在宅医療の体制のイメージ。
 11ページで、在宅医療の体制。
 12ページで、サービス必要量の考え方。
 13ページで、その在宅医療の体制構築とその必要量の見込み。
 14ページで、訪問診療を行う診療所・病院数に関する目標数。
 15ページで、重点分野に対応していくということで、いわゆる在宅医療を進めるための重点分野。もともと課題から7つの柱にして重点分野という取りまとめがなされているので、挙げさせていただいております。
 ここまでが在宅医療を取り巻く環境ということで、我が国の今後の状況を踏まえた状況、在宅医療に関連するような基礎資料を挙げさせていただいております。
 16ページ以降は、在宅医療領域における取組等ということで、まず、17ページから在宅医療と介護の連携ということでございます。
 18ページに、在宅医療・介護連携推進事業の御説明をさせていただいております。「8つの事業項目」から「PDCAサイクルに沿った取組」への見直しイメージとなっております。
 特に関連する次のページになります。先ほどの18ページの左側の(ウ)のところになります。「切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進」ということで、その取組を挙げさせていただいております。
 20ページに、在宅医療・介護連携推進事業の進捗ということで、調査研究の中で構築の推進がどういった形でされているかということを載せさせていただいております。
 21ページに、基盤整備の推進に関する事業例ということで、各地域での取組を挙げさせていただいております。
 22ページでございますが、専門的領域における在宅医療ということで、まず、23ページに「わが国における専門的緩和ケア」ということで、緩和ケアのイメージ図を挙げさせていただいております。
 24ページ、25ページが、小児のところでございます。
 24ページに、小児がん対策のこれまでの経緯。
 25ページに、小児に対する緩和ケアということで挙げさせていただいております。
 26ページ以降が、診療報酬上の評価ということで挙げさせていただいております。
 まず、27ページ以降が、診療報酬の評価構造ということで、基本的な構造ということで、3つのパート、右の在宅医療総合診療料も入れると4つのパートに分かれた評価がなされている形でございます。
 28ページで、その評価がそれぞれ機能強化型在支診・在支病であったり、そうでなかったりということの類型化、さらに、同一建物の訪問をする、しないというところでどういう点数設計になっているかというのを挙げさせていただいております。
 29ページに、機能強化型在支診・在支病の基準を挙げさせていただいております。
 30ページには、往診料と在宅患者訪問診療料を挙げさせていただいております。
 31ページに、在宅患者訪問診療料の概要という形で載せさせていただいております。
 32~34ページの中で、在宅医療に対する診療報酬上の主な評価の変遷ということで挙げさせていただいております。
 35ページも同様でございます。
 36ページに関しましては、在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料の算定状況ということで、算定回数、届出医療機関数の推移でございます。
 37ページが、在宅療養支援診療所の届出数ということで、その施設数の推移でございます。
 38ページが、往診料・在宅患者訪問診療料の算定状況ということで、これも経時的に挙げさせていただいております。
 39ページは、在宅ターミナル加算の算定状況。
 40ページが、在宅ターミナルケア加算の算定状況でございます。
 41ページが、医師が実施している連携の内容。
 42ページが、特別調査の結果、在宅療養支援診療所の要件のうち、満たすのが困難な要件を挙げさせていただいております。
 43ページが「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」を踏まえた対応。
 44ページが、オンライン在宅管理料についての御説明、中身を載せさせていただいており、45ページにその算定回数の推移を挙げさせていただいております。
 46ページが、遠隔モニタリング加算についての内容の御説明。
 47ページは、継続診療加算の中身及びその件数、医療機関数でございます。
 48ページが、継続診療加算を算定していない理由のアンケート調査でございます。
 49・50ページは、在宅医療の課題と論点ということで、まとめさせていただいております。
 課題は、この表で見ていただくところで、今までの御説明の中で見ていただくところでございます。
 論点といたしましては、今後、在宅医療の需要が大幅に増加することが見込まれる中、在宅医療を担う医療機関と市町村・医師会との連携及び医療・介護の切れ目のない提供体制の構築等を推進し、質の高い在宅医療を十分な量提供できるようにするため、診療報酬の在り方について、どのように考えるかとさせていただきました。
 引き続き、中医協資料総-1-2「在宅(その1) 訪問看護について」を御説明させていただきます。
 まず、2ページが、訪問看護の仕組みということで、病院・診療所、訪問看護ステーション、訪問看護療養費、訪問看護費であったりということで、構造をまとめさせていただいております。
 3ページ目に、訪問看護の報酬体系ということで、基本的な体系のところをまとめさせていただいております。
 4ページ目が、令和2年の改定で行っております、同一建物居住者に対する複数回・複数名の訪問看護の見直しを挙げさせていただいております。
 5ページ目でございますが、訪問看護利用者数の推移ということで、医療保険、介護保険それぞれの利用者数の推移を挙げさせていただいております。
 6ページでございますが、訪問看護ステーション数及び訪問看護を行う医療機関数の年次推移でございます。
 7ページ目が、訪問看護に係る医療費・介護給付費の推移でございます。
 8ページ目が、医療保険の訪問看護利用者における要介護被保険者等の状況を挙げさせていただいております。
 ここにあります別表第7、別表第8の中身は、9ページで御説明させていただいております。
 訪問看護ステーション利用者の状態ということで、どういった疾病構造かということが左側で、別表第7、別表第8の該当患者数ということで、年齢構成で分けたものを挙げさせていただいております。
 10ページは、訪問看護ステーション利用者の主傷病の推移ということで、年次推移を挙げさせていただいております。
 このうちということで、11ページは精神科訪問看護の利用者の状況ということで、その部分をさらに切り出したものを挙げさせていただいております。
 12ページに、小児の訪問看護利用者の状況ということで、これも年次推移を挙げさせていただいております。
 13ページは、訪問看護提供体制の充実ということで、これも令和2年改定で行いました、いわゆる人員配置要件を見直したものを挙げさせていただいております。
 14ページも、機能強化型訪問看護ステーションの要件でございます。
 15ページが、機能強化型訪問看護ステーションの届出状況ということで、その届出数の推移と都道府県別のグラフを載せさせていただいております。
 16ページが、訪問看護ステーション数の看護職員規模別の推移ということで、これも年次推移でございます。
 17ページは、理学療法士等による訪問看護の見直し。これも令和2年改定のものでございます。どこを変えたかということの御説明でございます。
 18ページが、訪問看護ステーションにおける理学療法士等の状況ということで、訪問看護ステーションの従事者で理学療法士等が占める割合を挙げさせていただいております。
 19ページが、小児への訪問看護に係る関係機関の連携強化の中身。
 20ページが、その算定要件及び算定状況ということで挙げさせていただいております。
 21ページが、専門看護師、認定看護師の概要ということで、専門性を持った、もしくは認定された、一定の研修を受けられた看護師がどのような目的で、どのような役割を担うべく、どのような教育を受けているか、それぞれの分野はどうかというものを挙げさせていただいております。
 22ページ目は、この専門性の高い看護師による同行訪問ということで、専門性の高い看護師の診療報酬上の評価を挙げさせていただいております。その同行訪問の算定件数の状況でございます。
 23ページが、人工肛門・人工膀胱の合併症を有する利用者を対象に追加した令和2年の改定の中身でございます。
 24ページが、訪問看護ステーションに所属する認定看護師・専門看護師の中身を分けたものでございます。
 25ページが、今度は特定行為研修制度のパッケージ化ということで、特定行為研修のものでございます。タスクシフト等ができるようということで、特定行為の研修がございますけれども、それがどういった構造になっているか。
 26ページで指定研修機関数であったり、研修修了者の推移であったりを挙げさせていただいております。
 27ページが、都道府県別のものでございます。
 28ページが、いわゆる活動状況でございます。
 29ページも同等で、活動状況の中身でございます。
 30ページに、課題と論点というところで挙げさせていただいておりますが、論点といたしましては、訪問看護に係る診療報酬上の評価について、令和2年度改定における見直し・評価の考え方を踏まえ、質の高い訪問看護の適切な評価を推進しつつ、地域包括ケアを推進する役割を果たしていくため、どのように考えるのかとさせていただきました。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、在宅歯科医療について、事務局より御説明をお願いいたします。
○宮原歯科医療管理官
 歯科医療管理官でございます。
 資料は総-1-3「在宅(その1) 在宅歯科医療について」でございます。
 まず、在宅歯科医療を取り巻く状況について御説明いたします。
 3ページ目をお開きください。歯科訪問診療を提供している歯科診療所の割合と1医療機関当たりの実施件数の状況ということで、ブルーが居宅への訪問診療、オレンジ色が施設への訪問診療を示しています。居宅については微増の状況、施設について増加の状況となっています。
 4ページ目は、歯科訪問診療等の実施状況ということでお示ししております。
 5ページ目には、歯科訪問診療等を実施していない理由について、令和2年度に行った特別調査の結果を紹介させていただいております。
 6ページ目には、歯科訪問診療を実施したきっかけについてお示ししております。自院の通院歴のある患者・家族等からの依頼や、ケアマネジャー、介護保険施設からの紹介が多くなっております。
 7ページ目には、歯科訪問診療等を受けたことによる患者の変化を示しています。口腔衛生状態の改善のみならず、適正な義歯の使用や口腔機能の改善等が見られたというデータでございます。
 8ページ目は、8月4日の中医協総会の資料の「歯科医療(その1)」でも御紹介させていただきましたが、要介護者の口腔状態と歯科治療の必要性について、8ページ、9ページ目にお示ししております。
 10ページ目です。在宅療養支援歯科診療所を設けておりまして、その役割を図で示したものでございます。
 11ページ目には、在宅療養支援歯科診療所1、2について、その施設基準の主なものを紹介させていただいております。
 12ページ目に、在宅療養支援歯科診療所の届出医療機関数の年次推移ということで、平成20年度以降、また、平成30年度は在宅療養支援歯科診療所1、2と区分けをして、その届出数を示したものでございます。
 これらの診療所の診療報酬上の評価について、同じページの下段にマトリックスで示しております。
 13ページ目は、8月4日の中医協の資料の「歯科医療(その1)」でお示ししましたが、かかりつけ歯科医の機能強化ということで、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の役割を示しております。
 ここに在宅歯科医療の推進という項目がございますが、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所は、ライフステージに応じた口腔機能の管理等を推進するという観点で、当然、う蝕や歯周病の継続管理も行っていただく中で、在宅医療についても関わっていただくというものであり、在宅療養支援歯科診療所の施設基準との峻別を図っているものでございます。
 14ページ目に、在宅療養支援歯科診療所1の届出を行っていない理由をお示ししております。
 15ページ目には、在宅療養支援歯科診療所1、2の届出を行っていない理由を示しております。
 16ページ目には、歯科訪問診療における新型コロナウイルス感染症拡大の影響ということで、これも令和2年度の特別調査の結果を紹介させていただいております。使用する感染防護服を増やした、あるいは予約患者数を減らした、歯科訪問診療を取りやめたといった影響があったということでございます。
 17ページ目以降は、在宅歯科医療の診療報酬上の評価となります。
18ページ目でございますが、平成26年度以降の主な評価上の対応の変遷を示しております。
 19ページ目には、歯科訪問診療料の算定状況について示しており、表にありますように、同一建物に居住する患者数で歯科訪問診療料1、2、3と区分けをし、20分以上、20分未満ということで2段階の評価を行っており、合計6つの区分で評価を行っているというものでございます。その算定状況の年次推移を下段にグラフで示しております。
 20ページ目には、在宅歯科医療の推進ということから、歯科訪問診療を算定した患者に対する歯科疾患の管理、すなわち歯科疾患在宅療養管理料を設けておりますが、令和2年度の診療報酬改定におけるこうした充実を図る取組を紹介しております。
 21ページ目には、多職種チームとの連携を踏まえた口腔機能の管理の推進ということで、栄養サポートチームの連携に関する評価の見直しを行っており、その内容を紹介させていただいています。
 歯科疾患在宅療養管理料の算定回数については、同じページの下段に、さらにどのような管理計画を行うのかについても、示してございます。
 22ページ目は、今度は歯科衛生士に関する内容になりますが、訪問歯科衛生指導料という項目がございまして、平成30年度診療報酬改定での見直しの内容を紹介させていただいております。従来、複雑なもの、簡単なものと区分けをしていたものを、単一建物の診療患者が1人の場合、2~9人以下の場合、それ以外の場合の3段階で評価することとしたというものでございます。
 23ページ目には、それぞれの算定状況がどのようになったかについて、平成30年度以降、年次推移で示したものでございます。
 このうち、単一建物居住者が1人、2~9人が少なく、1及び2以外の緑色の部分でございますが、その算定回数が85%程度を占め、多くを占めるという状況でございます。
 24ページ目につきましては、在宅等で療養を行っている患者に対して歯科衛生士が専門的に口腔衛生処置を行った場合の評価ということで、平成30年度改定での対応を紹介させていただいておりまして、その算定回数を下段に示しております。
 25ページ目には、平成28年度の診療報酬改定に行った内容について紹介させていただいております。口腔機能が低下した摂食機能障害を有する患者に対する口腔機能の管理の包括的な評価を新設しておりまして、その算定回数、その内容について紹介させていただいております。
 26ページ目には、平成30年度の診療報酬改定において通院困難な小児に対する歯科訪問診療を充実させる観点から、小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料の内容を紹介し、また、算定回数を下段に示しております。
 27ページ目は、多職種連携を推進する観点から、小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料において、栄養サポートチーム等連携加算を設定しておりまして、令和2年度における診療報酬上の対応ということで紹介させていただいております。
 28ページ目に、現状の課題及び論点を示しており、患者のニーズに合わせた歯科訪問診療を推進するために、近年における診療報酬改定の内容を踏まえ、どのような対応が考えられるかについて、様々な意見を頂戴できればと考えております。
 以上でございます。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、在宅患者訪問薬剤管理指導について、事務局より御説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 資料総-1-4を御覧ください。「在宅患者訪問薬剤管理指導について」でございます。
 2コマ目に、在宅医療における薬剤師の主な役割をまとめております。
 3コマ目は、在宅医療への移行に伴い薬局が果たす役割ということで、例えば処方の提案ということで、処方箋を頂く場合に、医薬品だけでなく、輸液ポンプやチューブ、注射針とか、無菌調剤の場合の配合を考慮した処方などについて、医師との調整等を行っているというものでございます。
 4コマ目は、薬物療法に関する連携ということで、外来医療から入院・退院時、在宅との間の連携が重要というものをまとめたイメージ図でございます。
 5コマ目は、病院薬剤師、薬局薬剤師、他の関連職種との連携が重要というものをまとめたイメージ図でございます。
 6コマ目は、在宅患者に対する訪問薬剤管理を実際に行っている薬局数ということで、左側が医療保険、右側が介護保険について算定を行っている薬局数でございます。
 7コマ目は、それぞれの在宅患者に対する訪問薬剤管理指導の算定回数の状況でございます。薄い色が介護保険、下の濃い色が医療保険になります。
 8コマ目は、薬局における訪問薬剤管理指導業務に関する診療報酬の点数をまとめたもの。
 最後の9コマ目は、課題と論点ということで、ここまで御説明しました課題と論点としまして、今後、在宅医療の需要が大幅に増加することが見込まれる中、薬物療法に関わる関係者が患者の服薬状況等の情報を共有しながら、最適な薬学的管理やそれに基づく指導を実施し、在宅患者が有効で安全な薬物療法を切れ目なく継続的に受けられるようにするための診療報酬の在り方についてどのように考えるかとしております。
 以上でございます。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 本日は、次期診療報酬改定に向けた議論のキックオフということですので、改定に向けて検討すべき論点等につきまして、様々な御意見をいただきたいと思っております。
 それでは、ただいまの説明も踏まえ、全体を通じて何か御意見がありましたら、お願いいたします。
 城守委員、お手が挙がっています。よろしくお願いいたします。
○城守委員
 ありがとうございます。
 今、会長からお話をされましたように、本日は、次回改定に向けた在宅、そして、この後御説明があります入院という大変大きなテーマのキックオフということですので、各論にはあまり言及せず、総論中心に申し上げたいと思います。
 現在、新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大により、大災害級の有事となっております。自宅療養者が9万7000人にも及び、在宅医療のニーズが著しく高まっておりますが、保健所や医療機関の手が回らず、不幸な死亡事例も発生しているところでございます。医療全体で尽力は最大限しておりますが、まさに緊急事態ということになってございます。
 こうした有事への対応については、今後も入院、在宅にかかわらず、広くニーズを捉えて、特例的な対応等によりまして、最大限の措置を講じていく必要があろうと思います。
 一方で、平時においては、高齢化の進展や地域医療構想による病床機能の分化や連携等によって在宅医療の需要が大幅に増加することも見込まれております。
 これまで改定のたびに在宅医療の推進を対応してきた経緯がございまして、今回改定でも当然ながら推進すべきであるわけでございますが、その際の注意点として特に重要なのは、かかりつけ医が外来の延長として在宅に尽力している医療機関と、在宅専門の医療機関とでは効率性が全く異なりますので、評価の在り方について、これまで以上の工夫が必要であるということでございます。
 そうした意味では、50ページの論点にありますように、質の高い在宅医療を十分な量提供できるという視点は大変重要です。すなわち、患者が求める在宅医療を提供するには、十分な量を確保することが大前提であるわけですが、安易に量の確保を追求し過ぎますと、例えばその患者のことを一番よく知っていらっしゃるかかりつけ医と在宅医療の連携が分断されて、むしろ在宅医療の質が低下する懸念がございます。
 反対に、質を追求し過ぎますと、在宅医療そのもののハードルが高くなり過ぎて、在宅医療に参入する医療機関が増えず、十分な量を確保できないということにもなってしまいます。
 こうしたことから、今後の検討方針としては、質と量のいずれかに偏った検討ということではなくて、ベストバランスを考えながら、着実にボトムアップを図るという改定を目指すべきであろうと思います。
 具体的な事例を少し申し上げれば、現場からの声として非常に大きいのは、24時間365日の対応が大きな足かせになっているということでございます。37ページに、在支診の届出は横ばいという記載がございますが、むしろ減少傾向にあると見えます。
 例えば平成30年度改定で在支診以外の診療所がほかの医療機関との連携によって24時間の往診体制・連絡体制を構築した場合の評価として、継続診療加算が創設されましたが、算定状況は47ページのようなことになっておりまして、まだあまり普及していないというのが実情です。
 かかりつけ医を活用して、在宅医療をさらに推進するということであれば、24時間往診対応を義務とするということではなくて、例えばすぐに入院できる病床を確保している医療機関や地域の一次救急と連携した上で、在支診でない一般の医療機関も含めて在宅を担う医療機関同士の連携により、地域でチーム医療として行えるようにするような評価という工夫が今後も必要になってこようと考えます。
 ただ、繰り返しになりますが、拙速に量の拡大を目指すということについては、在宅医療の質を低下させる危険性もございますので、慎重であるべきと思います。
 なお、訪問看護などにつきましては、後ほど専門委員にも意見を求めてはいかがかと思います。
 私からは以上でございますが、続けて松本委員から発言をさせていただきたいと思います。
○松本委員
 松本でございます。ありがとうございます。
 私からは、課題にもありますけれども、小児の在宅医療について、その重要点について発言させていただきたいと思います。
 小児がんの在宅医療の評価は、成人と同様に在宅がん総合診療料を算定することになっております。
 しかしながら、小児の場合、総-1-1の25ページにも提示されておりますように、小児を診療できる医師や看護師等の人材が限られていることや、診療にかかる時間や御家族との関係性を築くのに時間がかかるなどの特殊性がありまして、成人に対する医療とは大分異なる点が多くあります。したがいまして、小児につきましては、その特殊性に配慮した制度設計、評価設計が必要であると考えます。
 小児及び若年成人のがんの在宅緩和ケアは、症状コントロールの難しさや子供を失う親の心理的・精神的苦痛へのケアなど、課題が多くあります。しかしながら、小児や若年成人だからこそ、最期のときを親や家族と家庭で過ごす意義が大変大きいと考えております。
 また、小児のターミナルケアへの支援という観点からいたしますと、実はがんの患者だけではなく、がんではない患者も多く存在するということで御理解を賜りたいと思います。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 先ほど城守委員から、専門委員の御意見も伺ってはどうかという御提案がございましたが、委員の先生方の御意見を頂戴してから専門委員の方々の御意見を頂戴したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、林委員、お願いいたします。
○林委員
 ありがとうございます。総-1-3の資料に沿って意見と要望を発言いたします。
 まず、28ページの現状と課題に、歯科訪問診療を実施する歯科診療所数は微増と記載されてございますが、現状、歯科診療所の2割に満たず、都道府県格差も確認されております。地域の実情に合わせて、超高齢社会における通院困難な患者への歯科医療提供体制をどのように構築するか、非常に重要な課題として、日本歯科医師会としても取り組んでまいりました。
 8ページ、9ページの資料にありますように、歯科治療が必要な要介護高齢者の割合は64.3%あるにもかかわらず、実際に歯科治療を受けたのは2.4%で、要介護高齢者の多くの方に口腔健康管理が必要というデータがあるにもかかわらず、受診につながっていないことを大きな課題として捉えております。
 また、歯科訪問診療をしていない理由といたしまして、5ページにありますように、依頼がないという回答が最も多く、15ページですが、歯援診の届出を行っていない理由としても、算定件数が要件を下回っていることや、他の保険医療機関や他職種からの依頼がないということが大きな理由になっております。
 多職種の連携が重要だということは言われておりまして、介護保険改定でも方策が取られておりますが、必要な方への歯科医療が、まだまだ幅広い歯科医療機関につながっていないと感じております。連携の仕組みは重視しているものの、現状、自分の患者・家族からのニーズ、依頼がほとんどという状況でございます。
 歯援診も、平成30年に1と2に整理いたしましたが、より強化するという意味での歯援診1は増加傾向にありますが、歯援診2は減少していると直近のデータから把握しております。この理由も明らかで、必要な施設基準の工夫や対策が重要と感じております。
 また「歯科医療(その1)」の資料も加味いたしますと、歯科診療所は小規模で、歯科医が1名という体制がほとんどの中で、外来を閉めて訪問に出ていくかということは非常に負担が大きく、できるだけ効率的に実施できることや、これまで訪問を実施できていなかった診療所が実施しようと思うような制度にしていく必要があると思います。例えば訪問の前に、患者の同意を得てICT等も活用し、情報を集めてから実施できると、訪問機材の選定等で効率がよいということも実感しております。
 このように、訪問診療に少しでも取り組みやすくなる仕組みを引き続き検討していただきたく、要望いたします。
 16ページのコロナウイルス感染拡大の影響でございますが、一部は結果検証からも把握できますが、検証調査の時期は2020年10月時点であり、その後の影響も留意する必要があると思います。
 歯科訪問診療の算定は、他科に比べても令和2年はかなり減少しており、外部からの受入れを抑制する動きも強かったと感じております。さらに、歯科では、20分という診療時間の制限があることもコロナ禍では考慮していただき、必要な医療を的確に短時間で行うことの措置も必要ではないかと考えております。
 最後に、21ページの歯科疾患在宅療養管理料ですが、在宅療養者への管理となっており、口腔機能低下の要素も含まれておりますが、本来は切り離すことの検討も必要であり、通院困難者への計画的な長期継続管理等の評価も必要と考えております。
 引き続き、最後の議論も含めてより多くのかかりつけ歯科医が効率よく実施できる制度になるよう、御検討のほどよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
 ありがとうございます。私からは、資料1-4に沿って課題と論点についてコメントをさせていただきたいと思います。
 在宅患者への最適かつ効果的で、安全・安心な薬物療法の提供推進のために、2コマ目、3コマ目に出ておりますけれども、在宅医療における薬剤師の主な役割を軸として、引き続き薬局が在宅業務ができるように推進していくべきと考えます。
 特に、切れ目のない継続的な薬物療法を提供することが重要で、病院薬剤師と薬局薬剤師との入退院時のシームレスな連携は不可欠であります。そのためには、薬局薬剤師の退院時カンファレンスへの参加が少ない現状を改善することが必要で、参加が少ない原因は仕組みなのか、運用方法なのか、その辺りの課題を整理した上で議論を進めていただければと思います。
 また、医療機関や病院薬剤師との連携では、トレーシングレポートなどの利活用の推進や入院時のポリファーマシーが解消された後、その原薬、調整された薬剤の状況を退院後も維持していくための取組や連携の推進も重要と考えます。
 在宅における現状の課題ですが、薬局から払い出す特定保険医療材料について、償還価格が十分でなく、薬局からの持ち出しとなる場合があることから、適切な評価となるような対応をお願いできればと思います。
 また、末期の悪性腫瘍患者や中心静脈栄養患者以外の患者でも、例えばAASであったり、心臓病、循環器疾患、あるいは特定疾患など、きめ細やかなフォローやケアが必要な患者については、月4回を超えて訪問薬剤管理指導を算定できるなどの仕組みが必要と思っております。
 また、在宅における医療的ケア児の対応も重要な視点であります。特に昨今は、施設療養から自宅に戻ってやる環境整備が整いつつある中で、医療的ケア児への対応は増加しており、今後、ますます対応が必要となってきます。特に、医療的ケア児への調剤や服薬支援は複雑になることが多く、医療的ケア児を持つ親が適切な服薬を維持していくことは非常に負担となっているところです。薬剤師の介入と支援は、医療的ケア児の親の負担を軽減できるなど、非常に重要なものと理解しております。
 最後に、歯科医師と薬剤師、歯科診療所と薬局の連携推進も重要であります。
 例えば在宅訪問時に薬剤師がチェックシートやチェックリストなどを活用して口腔チェックを行い、必要に応じて歯科への受診勧奨や情報提供等を行うなど、歯薬連携の取組を推進することも必要と考えます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 ありがとうございます。私は、在宅医療、訪問看護等について、全体的なお話を少しさせていただきたいと思います。話の内容については、先ほど城守委員、松本委員がお話しいただいた内容とかなり重なる部分があるかと思います。
 まず、在宅医療に関しては、城守委員もおっしゃったように、私もかかりつけ医が24時間365日対応ということに対しては、どうしてもハードルが高くて、ニーズがあってもなかなか進まないというのが現状ではないかと思います。
 その中で、例えば夜間や週末、あるいは呼吸器管理等、医療ニーズが非常に高い患者等に関しては、少し大きな規模、例えば在支病(在宅療養支援病院)等からの訪問診療と一般のかかりつけの先生方とのタッグを組んで連携を組んでいくというシステムをさらに広めていただく継続診療加算等をさらに充実させて、そういう強固な連携ができることで在宅医療を進めるということも一つの手ではないか。
 地域によっては、本当に訪問診療をやっていただく先生がいなくて、在支病があれば、そこから直接出ていくということもありだと思いますので、特に夜間、週末等々に関しての連携ということも考えていただいてもいいのかと思っております。
 それから、今までも何人かの委員の先生からお話がありましたように、医療的ケア児に対する在宅に関しては、本当にニーズがどんどん増えてきているかと思います。ただ、一方で、先ほどの一般の在宅以上にかなり特殊性が高いものではないかと思います。ですので、一般の在宅医に関して、全てそこを担ってほしいというのはかなりハードルが高いことも現実かと思っております。
 福井県も取り組んでいますが、そこに向けて、小児在宅をどちらかというと集中的にやっていく基幹病院あるいは拠点というような医療機関を設けて、そこと地域のかかりつけの先生と連携することによって、ある程度高度な在宅と地域の在宅との連携によって一気に在宅が進んでいる地域もありますので、そういった少し集約して、小児在宅を専門に診る医療機関に一定程度インセンティブを与えて、そこを拠点にしてさらに面で広げていくといった取組に対する診療報酬上の仕掛けが何かあってもいいのかなと思っています。集約化とインセンティブということになるかと思います。それも一つの私の提案です。
 さらに、訪問看護に関しても、今後、どんどん医療ニーズが高い訪問看護が必要になってくるかと思いますので、今、専門看護師との連携等々に加算がついておりますが、今ほどの資料にもありましたように、特定行為の看護師も、これから慢性期あるいは在宅にも非常に有用な看護師になるのではないかと思います。
 まだ5%前後というデータが出ましたので、さらに特定行為ができる看護師の訪問看護が入れば、さらに高度な医療に対する訪問看護の技術も上がってきて、よりかかりつけ医との連携がしやすくなるのではないかということも考えると、訪問看護ステーションに対する何らかのインセンティブもそろそろ考えてもいいのではないかと感じました。
 以上、提案です。ありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
 ありがとうございます。私からも全般的に意見を述べさせていただければと思います。
 まず、在宅医療は、地域包括ケアシステムを構築する不可欠な要素であり、高齢化の進展や地域医療構想を進展させることによる病床の機能分化・連携により、今後、さらに在宅医療の需要が増加することが見込まれる中、在宅医療を必要とする患者に対して効果的・効率的で質の高い医療を提供するための体制の確保が引き続き求められているものであると認識しております。
 また、現在、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、自宅・宿泊療養を行っている方に対する在宅医療の需要も高まっている状況と認識しております。
 一方で、資料によりますと、在宅療養支援病院の数は増加傾向ではあるものの、在宅療養支援診療所の数は横ばいとなっており、在支診の届出を行わない理由としては、先ほど来複数の委員からも御意見がありますように、24時間の往診担当医の確保が困難であるためが最も多いとされております。特に、診療所の場合、自診療所だけで24時間の体制構築は人員的に困難という状況は容易に想定されるところです。
 そのような場合にも、他の医療機関との連携等により、24時間の体制構築をした場合の評価として、継続診療加算がございますが、算定状況は増加傾向ではあるものの、在医総管、施設総管全体の算定状況と比較すると限定的なものにとどまっている状況です。
 継続加算を算定しない理由としては、24時間の連絡、往診体制構築に向けた協力医療機関が確保できないが最も多いとされております。在支診の届出や継続加算の算定が増えない主要な要因となっている24時間の体制確保は、在宅医療には必須の要件と考えております。したがって、自医療機関のみでは体制が確保できないところにも、他機関と連携しての在宅医療提供を促すよう、継続診療加算といった報酬の在り方を検討する必要があると考えております。
 また、在宅医療、訪問看護について検討する際には、地域によって患者数や患者像といった点に大きな違いがあるということを念頭に置くことが重要であると考えますが、資料1-2の5ページを見ますと、医療保険の伸び率が高いということが気になっております。医療保険の件数は、介護保険の件数よりも少ないですが、伸び率はその2倍ぐらいになっているところが非常に気になっております。ここの部分の原因が何なのかということをはっきりさせておく必要があると思いますので、そのことが分かるような資料があれば、今後用意していただければと思います。
 また、在宅歯科医療につきましては、資料の8ページの調査を踏まえますと、特に高齢者でニーズが増えているものの、それに応えられていないというのが現状ではないかと思っております。一方で、資料の5ページの調査によりますと、歯科訪問診療を実施していない理由として、依頼がないためという割合が特に在宅療養支援歯科診療所で多くなっております。
 両者を踏まえまして、供給が十分かという論点とともに、需要と供給が適切にマッチしていないという課題があり、その課題解決といった意味でも、特に在宅療養支援歯科診療所やかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所が各地域で積極的な役割を果たしていただくことが必要であると考えております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。私からは質問と意見をまとめて述べたいと思います。
 在宅医療について、50ページで、国民の約3割が最期を迎えるときに生活したい場所として、自宅を希望されています。新型コロナ禍で自宅療養者が増加する現状では、在宅医療の重要性がより増していると感じております。
 そこで、質問が1点です。届出をしている医療機関のうち、訪問診療を実際に行っている医療機関の数や割合は把握されているのでしょうか。
 というのは、訪問診療の届出はあるものの、実際に問い合わせてみるとやっていない、行けないといった事象もあるのではないかと思っていますし、地域の格差も生じているのではないかと思っていますので、実態についてお伺いしたいと思います。訪問診療を行う医療機関と病床を持つ医療機関の連携は、今後ますます重要になると考えております。
 2点目は、訪問看護についてです。訪問看護についても重要性がより増していると感じております。
 そこで、質問です。18ページで、訪問看護ステーションの従事者数のうち、理学療法士等が占める割合が増加傾向とありますが、この要因について教えていただきたいと思います。また、看護師が行う訪問看護の行為と理学療法士が行う行為の内容は違っているのではないかと思いますが、そういった見方でいいのかどうか伺いたいです。
 介護報酬の訪問看護では、看護師が行うサービスと理学療法士等が行うサービスについて、内容に違いがあるという前提で検討されたと私のほうで理解しております。今後、この話をしていく上で、看護師、理学療法士等の行為それぞれについて検討すべきではないかと考えております。
 3点目は、総-1-3の在宅歯科診療ですが、歯科訪問診療を実施している歯科診療所は微増傾向と書いてありますが、それは都市部なのでしょうか、それとも地方なのでしょうか。
 地方では、歯科診療所に行きたくても、移動手段の不便さや身体的に移動困難、なかなか行けないという高齢者も少なくないと思われますので、介護度の重度化予防のためにも、そうした地域での歯科訪問診療のニーズに応えていくことが必要ではないかと考えております。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 幾つか質問をいただきましたけれども、後でまとめて事務局より回答をお願いいたします。
 続きまして、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
 ありがとうございます。
 私からは、在宅歯科について、資料を見た感想みたいなこともあり、意見もあるのですけれども、歯科訪問診療を実施していない理由は、5ページを見ると、依頼がないということで、括弧書きとしてニーズがあれば対応は可能というところが一番多いのですが、これは全体として母数がものすごく少ないので、これが全体に言えることなのか、どうなのかということはよく分からないことではありますけれども、在宅でやってくれるということは、患者の認知度としてはまだまだ低いそうなのです。どのように頼んでいいか分からないということもあるみたいなので、そういったことをなくすように、在宅で診療しますということを広く周知できる方策を考えていただきたいというのが一つ。
 それから、実施していない理由の中で、人員が足りないとか、時間が取れないと言っている在宅療養支援歯科診療所のデータとして、そのように言っているところが4分の1ぐらいいるわけですね。やりますと手を挙げているのに、人員が確保できないとか、時間がないというのはどうなのだろうと思いました。
 さらに、もっと驚いたのは、7.1%が必要な機材とか機器がないというのです。これはちょっと驚きで、訪問で使う機器は、私も1回見たことがあるのですけれども、大きめのクーラーボックスぐらいの大きさのものを持っていけば何とかなるということも見たことがあるのですが、それすらないのかしらというのはちょっと疑問に思いました。これは歯科治療が今必要な方はたくさんいるということなので、対応ができるようにしていただきたいと思います。
 それと小児への訪問の歯科診療も大事で、その一つとして、重度の障害児の方々への訪問治療も大事なのですけれども、児童養護施設に入所しているお子さんたちに対する訪問歯科診療も大事なのではないかと思っています。全体というか、児童養護施設に入っておられるお子さんたちは、虐待を受けていたり、家の環境が悪いということで、そういう施設に入っているわけですけれども、その場合に口腔状態が悪いというお子さんが多いとも聞きますので、そのお子さんたちを対象に訪問治療をできるようにしていただけたらいいのではないかと思いました。
 都市部であれば、もちろん職員の方が連れていくということはあるかもしれませんけれども、地方とか山間部なんかにある児童養護施設なんかは、一々職員の方が車で連れていくというのはなかなか難しいですから、そういう意味でも訪問を充実させていっていただけたらいいかと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、次に、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 皆様おっしゃったとおり、総論としては、高齢化に伴って、あるいは入院医療の機能分化、地域包括ケアシステムの進展が進むにつれて、在宅医療の需要は大きくなると思うのですが、やはり量の確保と質の確保が一番重要だと思っています。
 量の確保という面では、量の確保を重視するあまりに、ともすれば安易な要件緩和や診療報酬の新たなものを新設するとか、評価を引き上げるということを検討するのではなくて、質の確保を前提として、あくまでかかりつけ医を中心として地域の中で在宅の取組を進めていくことが必要だと思います。増加するのは分かっていますので、この中でどのように質を確保していくか、それから地域で行っていくかというところが在宅の一番の本質だと思います。
 その増加という点で典型的な例を一つ申し上げたいのですが、先ほどから出ております訪問看護についてでございます。訪問看護については、7ページにありますように、医療費及び介護給付費とも増加しており、医療費については2桁の伸び率がずっと続いている状況です。
 メディアスを毎月見てみますと、令和2年のコロナ禍において、医科、歯科、調剤ともマイナスが続いている中においても、訪問看護については2桁の伸び率をずっと続けておりまして、月によっては最大20%を超える伸び率となっているということで、在宅に関する増加の典型的な例となっております。
 現行のパイは必ずしも大きくないのですが、今後、高齢化に伴って増加するということは想定されておりまして、これが全体の医療費とか介護給付費に少なからず影響を及ぼしてくることは間違いないと思っています。
 懸念するのは、訪問看護の伸び率なのですが、患者の状態に応じた適切な訪問看護が行われているかどうかというところを心配しています。患者の状態に応じて適切な職種の方が適切な治療を行っているのか、適切な頻度で行っているのかについて、少しエビデンスを出してもらいながら議論していくことが必要だと思います。
 前回改定でも問題提起したのですが、訪問看護は、医師の訪問看護指示書に基づいて訪問看護ステーションが計画書を作成して訪問看護を実施して、医師に報告して、また指示書を出すという一連の流れで行われているのですが、今後、増加の一途をたどる中においては、質を高めるためにも、より適切な訪問看護を提供することが必要で、医師が適切な指示を行うためにも、医師の指示書の中に訪問する職種(看護師、PT、OT)を指定して、頻度についても、ある程度医師が指定するような仕組みを取り入れる必要があるのではないかと思っています。訪問看護ステーションが自らの意思で頻度と職種を決めるというのは、果たして適切なのかということをもう一度考えていく必要があると思います。これについては、後で専門委員からの意見等もお聞かせいただければと思います。
 それから、訪問歯科については、先ほど間宮委員が御指摘されたとおりで、在宅の体制はあまり確立されていないのではないかというのが印象です。
 訪問歯科については、地域においては、在支診とかか強診が中心になって在宅をやっていくべきだと思うのですが、11ページに要件が示されているのですが、在宅に関する要件が在支診でも年間で15回以上、在支診2では年間10回以上が要件になっている。年間10とか15ということは、月に1回ぐらいやっていれば在支診になれるというのは、基準としてはあまりにも緩いのではないか。
 か強診についても、在宅の要件は5回以上となっているのですが、これは2か月に1回も行かなくてもか強診となっているというのは、在宅に関する基準が非常に緩いのではないかということで、これについて見直しを行っていく必要があるのではないかと思います。
  それから、訪問薬剤については、やはり地域支援体制加算を取っている薬局あるいは地域連携薬局と認定されているところが推進してやっていくべきだと思うのですが、前年の改定で在宅要件が年1回から12回ということでかなり引き上げられたのですが、果たしてこれでもちょっと少ないのではないかという印象を持っていますが、件数を見ますと、特に介護を中心にかなり伸びてはきているので、さらなる伸びを期待したいと思います。
 それから、訪問薬剤については、これからの議論をしていく中で、伸びてはきているのですが、どのような薬局が中心になって在宅を行っているか、個店薬局なのか、チェーン薬局なのか、門前でもやっているのかといったことが分かるような資料を提示していただければ議論しやすいかなと思います。
 最後になるのですが、今日の論点とは異なるのですが、在宅というか、訪問診療についてなのですが、昨今、コロナ禍の発熱患者の自宅療養がかなり増加しているというところもあって、新たなビジネスモデルの訪問診療が今注目されてきておると聞いております。訪問診療については、病態の急変に迅速に対応することが求められ、過去の病歴や患者の背景を考慮する必要があって、まさにかかりつけ医がやるべきだということが基本になると思っているのですが、このような新たな形態が出てきたことについて、これはコロナ禍の感染拡大時における特別な対応として捉えていいのか、あるいはこれも訪問診療の一つの形態だと捉えるべきなのか、厚労省はこの形態についてどのようなお考えをお持ちなのか。あくまでコロナ時の特別対応と考えられているのか、その辺についてお考えをお聞きしたいと思います。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
 ありがとうございます。
 私も少し基礎資料を御提供いただければと思いまして、発言しますけれども、冒頭に城守委員から、かかりつけ医と在宅医療を専門としているような医者の方々では、かなり効率性が異なるというお話がありました。
 今、幸野委員からも近いお話があったのですが、在宅医療をどういう医療機関が実際に担当して、どういうボリュームの構成になっているのか、その全体的な分布を少し見せていただいて、例えばかかりつけ医がやっているものは1件当たり非常に少ないけれども、専門的な病院がやっている、あるいは医療機関がやっているものは非常に多いとか、そのような分布が分かれば、今後、どのようにそれを構成していくかということのかなり大きな示唆になるのではないかと思いまして、そういう資料を御提供いただければと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかの委員の方々、よろしいですか。
 それでは、先ほど城守委員、幸野委員から、訪問看護について、専門委員の先生からコメントをいただければという御意見があったのですけれども、いかがでしょうか。
 では、吉川委員、お願いいたします。
○吉川専門委員
 ありがとうございます。吉川でございます。資料総-1-2の在宅の訪問看護について、御意見を幾つか述べさせていただきたいと思います。
 まず、訪問看護について、ほかの委員から御意見がありましたように、6ページのグラフから訪問看護の利用者数、またステーション数ともに年々増加しているという状況があります。
 さらに、5ページや7ページ、8ページより、医療保険や介護費の伸び、また、特別訪問看護指示書の交付を受けている利用者割合の増加などからも、利用者の医療依存度の高さがうかがえると思います。
 このような利用者は、状態が不安定になることが非常に多いことから、緊急対応や頻回な訪問、また24時間体制で重症者に対応できる機能強化型訪問看護ステーションの役割が非常に大きいため、今後、体制整備が引き続き必要だと考えております。
 次に、10ページの訪問看護ステーションの利用者の主傷病について、「精神および行動の障害」が増加していると示されております。
 現在、高齢化の進展に伴い、主傷病こそ違いますが、認知症を伴う利用者が増えてきております。医療ニーズと認知症を併せ持つ在宅療養者に対応できる体制の充実についても考える必要があると考えております。
 それから、19~20ページについて、前回改定では医療的ケアが必要な小児への情報提供についての見直しがなされました。訪問看護情報提供療養費の算定件数はまだ非常に少ない状況ですが、小児の訪問看護利用者の増加を見ますと、今後も非常に必要な取組と考えております。
 一方で、小児は成長発達上の変化が非常に大きいことから、成長に合わせてきめ細かな情報共有が必要になりますので、引き続きそのような視点を含めた検討が必要だと考えております。
 それから、他の委員から出た御意見に関して述べたいと思います。専門性の高い看護師の活躍に関して御意見いただいたことは大変ありがたく思っております。
 本会としても、引き続き育成は続けていきたいと思います。専門性の高い看護師が病院に多く所属する理由としては、看護職員の多くが病院に所属しているため、当然のことと思っております。
 理想は、専門性の高い看護師が訪問看護ステーションや、診療所にいることではありますが、そこまではまだ時間がかかると考えております。地域医療構想や地域包括ケアが推進されている中で、病院に所属している専門性の高い看護師も、地域の人材であり、地域の看護師であるという視点で考えていくことが重要になりますので、病院から地域に出ていくためのさらなる制度上の充実も考えていく必要性があると思っております。
 また、幸野委員からの御意見に関して、訪問看護は医師の指示書に基づいて行うものであるが、訪問看護における医療費の増加などから、適切に行われているのか、指示書に職種や頻度なども指定したらよいのではないかという御意見をいただいたかと思います。
 現状としましては、訪問看護は医師の指示書に基づき行っていますが、実際に訪問し、利用者の状況をみて、回数を決めていくため、利用者の状態が指示書の状況と違うことが多々あります。そのような点を鑑みて医療を考えていきますが、計画に立てた回数や、内容につきましては、医師に報告し共有しておりますので、適切に行われていると考えております。
 以上になります。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 半田専門委員、お願いいたします。
○半田専門委員
 ありがとうございます。
 訪問看護の18ページのデータについては、理学療法士の状況ということになっておりますけれども、右の図を見ると、下は看護師の数で、青い折れ線グラフは総職員数であります。そうすると、これだけを見ても、理学療法士の割合は見えない。
 左の図を見ると、青い折れ線グラフが一番下のほうにありますけれども、私は前回の報酬改定及び前々回の報酬改定で、訪問看護における問題もいろいろな規制がうまくいっていると思います。適正化ができて、かなり伸び率が穏やかになってきて、横ばい状態になってきていると私は見ております。
 コロナ禍で全体として伸びてきているのは何かというと、その他の事務方あるいは介護職の人たちが増えているという実情があるわけです。これはある意味では、訪問看護ステーションの大規模化とともに、大きな組織としていろいろな機能を果たし出したという一つの証でもあろうと思っております。
 そこで、この割合がどうだ、こうだというのは、私の結論の中でも訪問看護ステーションは大事だと思いますけれども、訪問看護の役割は何なのか、訪問看護の役割は何なのか、もう一回その役割分担をしっかりと明確にする時期に来たのではないかと一点思っております。
 訪問看護について言及させていただきたいのですが、これは我々がどうこう言えるものでもないのですけれども、私は理学療法士として障害児の学校への復学に深く関わってまいりました。ところが、学校の先生と文章や電話で話すと、なかなか真意が伝わらないし、そういう意味で、こういう子供たちの学校あるいはそういう教育施設も居宅と拡大して、訪問看護師の方々がそこに出向いて、子供たちを中心に、さらに学校の先生と情報交換を正確にそこでやれるような体制をやると、かなり実効性の高い、いいものができると思いますので、ぜひそこまで踏み込んでいただけたらありがたいと思います。
 以上、2点です。ありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 池端委員、追加のコメントがあるようですので、よろしくお願いします。
○池端委員
 ありがとうございます。先ほど幸野委員が訪問看護の伸びについて言及された点は、吉川委員にお答えいただきましたけれども、私からも、指示を出す側としてお話ししておきたいことがありますので、手を挙げさせていただきました。
 資料1-2の5ページを御覧いただけるといいかと思います。訪問看護は、確かに伸びています。そして、令和2年度はさらに伸びていると私も実感しております。
 ただ、これは、まず訪問看護全体で見ると、介護保険の訪問看護の数は54万と圧倒的に多くて、その半分が医療保険(からの訪問看護)になっています。介護保険の訪問看護は、基本的にはケア担当者会議で訪問看護の回数をきちんと決めて、そこの会議で主治医の下で決めて、計画を立てて実施しているわけで、それが伸びる要因として、勝手に訪問看護ステーションがどんどん回数を増やしていっているわけでは決してないということをご理解頂きたいと思います。
 それから、医療保険に関しても、医療保険の訪問看護指示書が出ているということは、必ずかかりつけの先生が少なくとも月に1回程度往診に行っているはずです。そして、そこで患者に聞き取り調査をして、訪問看護の必要性を把握していますし、頻回に行く場合にはがんの末期、あるいは特別指示書を出して2週間点滴をしてほしいというような指示といったときには、連日訪問看護の指示を出すこともありますけれども、そういう形なので、訪問看護が勝手にどんどん行っているというイメージは、私自身は決してないので、医師の立場からも応援メッセージを出させていただきました。
 それと同時に、今回、コロナ禍で確かに訪問看護、在宅医療が伸びています。これは一つには、施設あるいは入院すると面会が全くできないので、それぐらいならちょっとつらいけれども、家で看ますという方々は非常に増えていて、在宅の看取りが私どももすごく増えています。
 その伸びを幸野委員は御心配されていますけれども、その方がもし病院、施設に入ると、実は介護保険、医療保険とも在宅医療よりもかなり高い金額が公的保険で支払われることになりますので、そういう意味では、全体を見れば、訪問看護が伸びること自体だけで見なくても、全体の保険(財政)に関しては、逆にいい効果が出る可能性も十分に高いのではないかという印象を持っていますので、ちょっと追加させていただきました。ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 林委員、お願いいたします。
○林委員
 ありがとうございます。先ほど歯科訪問診療を実施していない理由での機材の話がございましたので、ちょっと補足させていただきます。
 機材に関しましては、歯科訪問診療を実施するに当たりまして、特にポータブルユニットとかポータブルのレントゲンといったフルセットが必ずしも必要というわけではなくて、むしろ携帯型のエンジンとかそういった簡便な機器での対応が多い実例がございます。ポータブルのレントゲンも含めて、必要なときにポータブルユニット、フルセットといったものを地域の中で貸出しをしながら使用しているということもございます。その辺りで常時保有しているといった意味合いでの件数は少ないと認識しております。
 もう一点、施設基準の件ではございますが、多くのかかりつけ歯科医が地域の実情に応じて在宅歯科医療を推進するといったところに重きを置いております。多職種連携によって依頼を推進するといったものは重要視しておりますが、実際はなかなか依頼がないのだという回答も多くて、そういった意味合いで件数が少なくなってしまっているところでございます。その辺りも今後、推進していく方向で検討はしたいと思っております。
 また、補足等を田村専門委員からも後ほど御発言させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 田村専門委員、委員の方々の追加のコメントの後で御発言をお願いいたします。
 幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 これ以上訪問看護をここで議論するのは、あれだと思いますが、聞くところによると、介護保険のほうは、医師がちゃんと職種と頻度について指示書を出しているというふうに前回の介護報酬改定でなされたと聞いております。介護のほうでやるのであれば、医療のほうでやってもしかるべきではないかと思います。
 それから、適切な訪問かどうかというのは、これから議論していく中で、訪問した時間とか同一施設で何人ぐらい訪問しているかといったいろいろなエビデンスも踏まえながら議論していきたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、城守委員、お願いします。
○城守委員
 ありがとうございます。
 今、いろいろな委員の方から訪問看護に関しての内容、またその職種の割合がどうであるかというお話が出ておりますが、前回改定で、この件に関して、訪問看護の計画書とか訪問看護の報告書に訪問する職種の種類の記載とか、その訪問内容の記載等もそこに書かれているわけですから、今後、事務局にはなかなかお手数をかけることになるかと思いますが、その辺りを分析していくことによって、どのような職種が、どのような医療を提供しているのかという分析ができると思いますので、その分析を踏まえた上でまた制度設計をするということでよろしいのではないでしょうか。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、お待たせいたしました。田村専門委員、お願いいたします。
○田村専門委員
 ありがとうございます。私からは、臨床現場の立場から大きく3点について意見を述べさせていただきます。
 5ページ目ですけれども、在宅支援歯科診療所のほうで訪問診療の依頼がないというのが高率にあるということについてなのですが、現場では、特定の医療機関に依頼が集中しているということもあるのではないかと感じています。
 例えばこの先生は引き受けてくれるとなりますと、やはり紹介しやすく、そこにばかり集中するといったことがあり、今、そのため、訪問を受け入れる準備体制のあるほかの医療機関には依頼がなかなか来ないということも考えられると感じております。
 また、8ページ目の歯科治療が必要な要介護高齢者が6割いらっしゃるのに、実際に受けているのが2%と僅かであるという理由なのですけれども、これは歯科への訪問の依頼がないということも関連いたしますが、要介護者の方は、御自身で歯科にアクセスできる状況にありません。また、御家族も老々介護のため、同様に御自身では動けないことがほとんどかと思います。
 そうしますと、実際に間に入ってくださる方、例えばケアマネジャーやソーシャルワーカーなどが歯科のニーズに気づいていただいて、つないでいただかないとこの数は増えていかないのではないかと感じております。
 そして、16ページ目ですけれども、新型コロナウイルス感染拡大による訪問診療への影響についてです。訪問診療を受けている歯科の患者の多くの身体状況は大変厳しく、歯科においても、呼吸器感染リスクの高い医療的ケア児の訪問歯科診療に大変取り組んできております。特に、日本障害者歯科学会、日本小児歯科学会等の関連学会の会員を中心に推進しているところです。
 また、訪問では、全身疾患の悪化した高齢者、がんの末期患者、さらに小児・高齢者も含めて看取りの患者もいらっしゃり、時間的に待ったなしの状況にあります。そのような方々が万一感染したとして、診療の間隔を空ける、診療を控えていては、本人の残された時間に間に合わないことにもなると危惧しております。
 これまでは、患者や御家族が感染者や濃厚接触者になったと連絡を受けた場合、電話対応等を行い、対面での診療は2週間程度待ってもらうなどの対応を取ることが多かったわけですけれども、デルタ株が蔓延している現在の状況では大変変わってきておりますので、これだけ多くの方が感染してくるとなりますと、時間を空けるという体制でよいのか、それよりも感染者の方にも診療し続けるという体制に切り替えないといけないのではないかと考えております。
 その場合、飛沫感染のリスクのある新型コロナウイルスでは、これまでの標準予防策だけでは不十分であり、さらに訪問診療になりますと、現地では外来診療で使っています飛沫物を吸い込むバキュームといった機械がございませんので、そういったところに大変神経を使うということがあったり、準備、着替えとか汚染物の処理、診療所に戻ってからの滅菌・消毒処置など、平時の比ではないほどの負担となっております。
 訪問の機材が簡単であるという御指摘もございましたが、1つの診療所のミニ版を在宅に持ち込む必要があり、基本的には大変な準備が必要です。
 外来とは全く異なる状況ということで、今後、歯科の方向性として、積極的に診療していくべきという分岐点に来ていると考えておりますが、現状では、このような様々な課題があると感じております。
 以上になります。ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。今日はキックオフなのですけれども、多くの先生方から非常に貴重な御意見をたくさんいただきました。
 何人かの先生から御質問をいただいておりますので、現時点でお答えできる範囲で御回答を事務局よりお願いいたします。
○井内医療課長
 本日の御議論を踏まえまして、また今後、本日の御意見、議論がよりしっかりと深まりますようなデータ、資料を整えていくという前提で、我々としても努力はさせていただきたいと思っております。
 その上で、本日、明示的に事務局にということで言っていただきました内容で具体的なものについて、現時点でお答えできるものを少しさせていただきます。
 まず、在支診や在支病として届出がある、ただ、実際にやっているのかということについて、実際はやっていないところもあるのではないかということで、そういったデータが出せるのかということでございます。
 実際、在支診、在支病におきましても、実際に往診や訪問診療をやっている密度については、かなり差があると思っておりますが、現時点で手持ちのデータはございませんので、そういったデータを今後そろえられるかどうかということで、我々としても努力させていただきたいと思います。
 また、訪問診療でコロナ対応のときに新たなビジネスモデルについてどう考えているのかという御質問をいただきました。これにつきましては、特にコロナ対応につきましては、各地域で様々な取組、工夫をされているという中で、そういったものもあるのかなと我々としては認識しております。これが今後、どうなっていくのかといったことについては、我々も分かりませんし、実際、それぞれの地域でどういった取り組み方をしているのかというのもまだまだ差があるものだと思っておりますので、我々としては、本日の御意見を踏まえまして、しっかりと注視していきたいと思っております。また、必要に応じて中医協での御議論が必要と我々のほうで判断いたしましたら、またそういった資料提供もさせていただきたいと思っております。
 また、かかりつけ医、専門医のほうでいわゆる専門の訪問診療をやっているところ、かかりつけ医が行っているといったところの分布なんかを見るべきではないかということですが、我々としても、どのようなものが出せるかというのは検討させていただきたいと思いますが、実際、専門でやっているか、かかりつけ医がやっているか、それもオールオアナンではなくて、恐らくグラデーションがあるのだと思っておりますので、実際、そういったところでどういった線引きで、どういったものを出せるのかというのは、正直、直感的にはかなり難しいのではないかと思っております。その上で、本日の御意見を踏まえまして、それに近いもの、何か資するものがあるかどうかというのは探していきたいと思っております。
 また、訪問看護のほうで職種とその医療内容ということで、少し分析ができないかという御示唆でございましたけれども、この辺りにつきましても、どういったものが出せるのかということは、我々としてもしっかりと検証はしたいと思っております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 歯科医療管理官もお願いいたします。
○宮原歯科医療管理官
 歯科のほうで、3ページ目等の歯科訪問診療の実施状況の分布の差異等の御質問もあったかと思います。具体的な1診療所当たりの実施件数については、データを確認しないといけないのですが、医政局の歯科医療提供体制等に関する検討会の中で、歯科訪問診療料を算定した患者の数を各都道府県の人口で割った、各都道府県の人口当たりの歯科訪問診療の算定件数を出しておりまして、全国平均が0.4%と、この数自体が非常に少ないという御指摘もありますが、最も高い県で0.8%、最も低い県で0.1%と、約8倍の開きがございます。特に75歳以上になると、この差が若干開きまして、全国平均が2.5%で、最も高い県が4.9%、低い県が0.5%ということで、少ない割合ながらも差異がみられる状況がございます。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
 ほかに特に御意見等がございませんようでしたら、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
 今後、事務局におきまして、本日いただいた御意見、情報提供等の御要望も踏まえて対応していただくようにお願いいたします。ありがとうございます。
 それでは、次のテーマに移りたいと思います。「入院(その1)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
 それでは、資料総-2に沿って御説明させていただきます。
 まず、3ページ以降ですが、入院医療を取り巻く環境ということで、3~6ページは、先ほどの在宅のところで示させていただいたものと同様になっております。7ページ以降からの御説明にさせていただきます。
 7ページが、病床の種類別に見た病床数の年次推移。
 8ページが、入院料別の病床数の推移。
 9ページが、病床種類別の平均在院日数の推移。
 10ページが、入院料別の平均在院日数の推移。
 11ページが、平均在院日数の推移で、療養病棟の入院基本料。
 12ページが、入院料別の病床稼働率の推移(一般病棟)。
 13ページが、療養病棟。
 14ページが、入院料ごとの平均在院日数・病床利用率。
 15ページが、入院料ごとの入院患者の主な傷病。
 16ページが、DPC対象病院の病院数・病床数の推移でございます。
 17ページが、一般病床、療養病床、DPCであったり、それ以外、さらにそれぞれの入院料のところで幾つベッドがある、幾つ施設があるというものを一時点で切り取ったものを挙げさせていただいております。
 18ページからは「地域医療構想について」ということで、地域医療構想の考え方。
 19ページが、病床機能報告制度。
 20ページが、病床機能報告制度による医療機関の必要量。
 21ページが、医療法の一部を改正する法律の概要でございます。
 22ページが、新型コロナウイルス感染症を踏まえた今後の医療体制の構築に向けた考え方で、新興感染症等の感染拡大時における体制確保でございます。
 23ページが、今後の地域医療構想に関する考え方・進め方でございます。
 24ページ以降は「入院医療と医療費について」で、データ集となっております。
 25ページが、入院/入院外医療費の推移。
 26ページが、入院1日当たりの入院医療費の推移。
 27ページが、年齢階級別人口1人当たりの国民医療費(入院)。
 28ページが、入院外でございます。
 29ページが、1日当たりのレセプト請求点数です。
 30ページ以降が、入院医療に係る診療報酬上の評価ということで、まず、急性期医療についてということで、32ページに入院医療の評価の基本的な考え方ということで、急性期、回復期、慢性期という形で並べています。
 33ページが、入院医療の評価体系で、長期療養、急性期から長期療養、急性期ということで、急性期、回復期、慢性期ということで、その構造。
 34ページが、7対1基本料の施設基準に係る今までの経緯でございます。
 35ページが、急性期一般入院料1~7になっておりますが、その内容。
 36ページが、地域一般入院基本料1~3の内容。
 37ページが、データ提出加算の届出を要件とする入院料の拡大についてでございます。
 38ページが、看護配置7対1の入院基本料の届出状況を並べています。
 39ページが、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の概要。
 40ページが、重症度、医療・看護必要度の評価の見直しの内容。
 41ページが、令和2年改定でやっております重症度、医療・看護必要度の測定に係る負担の軽減の内容でございます。
 42ページが、同じく令和2年改定の急性期入院医療の適切な評価の推進の内容。
 43ページも、令和2年改定で重症度、医療・看護必要度の施設基準の見直し。
 44ページが、特定集中治療用・ハイケアユニット用重症度、医療・看護必要度の評価票でございます。
 45ページが、一般病棟入院基本料の重症度、医療・看護必要度の届出状況。
 46ページも、届出状況でございます。
 47ページが、医療・看護必要度Ⅰの該当患者割合の比較。
 48ページが、医療・看護必要度Ⅱの該当患者割合の比較になっております。
 49ページが、急性期医療を担う医療機関の役割のイメージでございます。
 50ページが、総合入院体制加算の概要。
 51ページが、救命救急入院料等の主な施設基準。
 52ページも、その続きでございます。
 53ページが、救命救急入院料等の届出の状況でございます。
 54ページが、新型コロナウイルス感染症の際に出ております、簡易な報告でできるということで、簡易な報告による届出の状況でございます。
 55ページが、回復期入院医療ということで、回復期のところで、56ページが、地域包括ケア病棟の経緯ということで、平成16年から平成24年まで。
 57ページ、58ページとその引き続きということで並べています。
 59ページで、地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料の施設基準をまとめています。
 60ページが、在宅復帰率の設定により想定される在宅復帰の流れのイメージでございます。
 61ページが、地域包括ケアの重症度、医療・看護必要度の概要。
 62ページが、いわゆる包括範囲の中身。
 63ページが、地域包括ケア病棟・病室を届け出ている理由。
 64ページが、回復期リハビリテーション病棟入院料の再編・統合のイメージでございます。
 65ページが、回復期リハビリテーション病棟入院料の施設基準等。
 66ページが、いわゆる改定の経緯でございます。
 67ページも続きます。
 68ページが、回復期リハビリテーション病棟入院料の施設基準の見直し。これが令和2年改定のものになります。
 同じく令和2年改定で、69ページは要件の見直しでございます。
 70ページが、回復期リハビリテーション病棟のアウトカム評価の計算式を御紹介させていただいております。
 71ページが、日常生活動作の指標、FIMの概要を載せております。
 72ページは、回復期リハビリテーション病棟の入院患者に係る主な要件。
 73ページが、包括の範囲。
 74ページが、実績指数というところでございます。
 75ページが、入院料別の届出病床数の推移でございます。
 76ページ以降は、慢性期入院医療に関するものをまとめさせていただいております。
 77ページが、療養病棟入院基本料の概要。
 78ページが、令和2年改定で行いました療養病棟入院基本料の見直しの中身。
 79ページが療養病棟入院基本料1、2ということで、80ページが包括の範囲。
 81ページが、届出施設数・病床数の推移。
 82ページからが、障害者施設等・特殊疾患療養病棟等の位置づけということで、こちらに移っていきます。
 83ページが、障害者施設等入院基本料・特殊疾患病棟入院料等の主な施設基準ということで、まとめさせていただいております。
 84ページ、85ページで、これらのこれまでの経緯でございます。
 86ページが、障害者施設等入院基本料届出医療機関数と病床数の年次推移。
 87ページが、障害者施設等入院基本料届出医療機関数で、88ページが病床数。
 89ページに、特殊疾患病棟入院料届出医療機関数と病床数。
 90ページが、特殊疾患入院医療管理料届出医療機関数と病床数でございます。
 93ページ以降が、入院医療における他の取組ということで、基本的な診療料以外のところでの取組ということで、トピックス的に集めております。
 1つ目が、入退院支援ということで、93ページが入退院支援のイメージ。
 94ページが、入退院支援加算の概要であります。
 95ページが、入退院支援加算の概要で、引き続きのものでございます。
 96ページが、それぞれの届出状況。
 97ページが、算定状況。
 先ほどまでが入退院支援加算で、98ページが、入院時支援加算の届出状況。
 99ページが、入退院支援部門の設置状況。
 100ページが、入退院支援部門を設置していない理由でございます。
 101ページからは、入退院支援は終わりまして、救急医療のところでまとめさせていただいております。
 救急・在宅等支援病床初期加算等の見直しの内容。
 救急・在宅等支援病床初期加算等の算定状況が102ページ。
 103ページ、104ページで、これに関連するところでヤングケアラーの支援に向けたプロジェクトチームがございますので、その御紹介をさせていただいております。
 105ページは救急医療で、先ほども救急なのですが、救急医療管理加算改定に関するこれまでの経緯ということで、平成22年からの経緯がございます。
 107ページで、救急医療管理加算の概要。
 108ページで、摘要欄への記載事項。
 109ページで、救急医療管理加算の算定状況でございます。
 110ページから「医療資源の少ない地域への配慮について」でまとめさせていただいております。
 111ページが、考え方。
 112ページが、診療報酬上の評価の経緯。
 113ページが、令和2年診療報酬改定。医療資源が少ない地域の具体名でございます。
 114ページが、要件緩和をした内容。
 医療資源の少ない地域の医療機関へのヒアリング結果を115~117ページでまとめさせていただいております。
 「短期滞在手術等基本料について」が、118ページ以降になります。
 短期滞在手術等基本料の概要が119ページ。
 手術の算定方法の全体像が120ページ。
 短期滞在手術等基本料3に係る算定のイメージということで、121ページにまとめております。
 その今までの経緯を122ページからまとめさせていただいております。125ページまででございます。
 平成30年の改定にやった短期滞在手術等基本料の見直しを126ページ。
 令和2年の改定にやった短期滞在手術等基本料の見直しが127ページでございます。
 その具体的な対象疾病が128ページ。
 包括されている対象が129ページでございます。
 130ページが、短期滞在手術等基本料1の年次推移でございます。
 131ページが、基本料2。
 132ページが、基本料3となっております。
 133ページからが、多職種連携ということで、134ページが、多職種チームによる摂食嚥下リハビリテーションの評価になっています。
 135ページが、栄養サポートチーム加算。
 136ページが、病院の薬剤師ということで、病棟薬剤師の業務と役割でございます。
 137ページに、薬剤師の病棟業務の評価の続きでございます。
 その後が「f)その他」ということになっております。ここでは、経済財政運営と改革の基本方針2021を挙げさせていただいております。
 最後に、140ページから、DPC/PDPSの基本事項ということで、現在の点数設計の在り方をまとめております。
 入院医療についての課題と論点で、142ページ以降でございます。
 143ページが論点で、人口減少・高齢化が着実に進み、医療ニーズの質・量が徐々に変化し、マンパワーの制約も一層厳しくなる中、個々の患者の状態に応じて、適切に医療資源が投入され、より効果的・効率的に質の高い入院医療が提供されるよう、医療機能の分化・連携の促進を推進する入院医療の提供体制の評価の在り方について、どのように考えるかとさせていただいております。
 事務局からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。
 城守委員、お願いいたします。
○城守委員
 膨大な資料の御説明をありがとうございました。
 本日、入院のキックオフということでございますが、時間もかなり押しているところではあるわけでございますが、内容が非常に多うございますので、できるだけ総論的な形でお話をさせていただければと思います。
 前回改定は、それまでの医療状況を踏まえた対応ということでございましたが、コロナで状況が一変しております。143ページの論点を見ますと、これは通常時の論点であろうと思いますが、今申しましたように、医療現場は、改定前の状況と大きく異なって、診療報酬の算定について、柔軟な取扱いや様々な経過措置などが講じられ、危機的状況に陥った医療現場の支援が行われているところでございます。
 現状を鑑みれば、次回改定において、医療現場に大きな影響を与える対応は難しいと考えます。コロナとの闘いは長期戦になりますことから、これまで対応してきましたコロナ特例措置の効果に関する検証も踏まえつつ、前回改定で行った内容については、経過措置の延長等によりまして、検証にも限界がありますので、コロナ禍に合わせ手直しをするということが、今回の改定の重要なミッションになると考えてございます。
 入院につきましては、コロナ禍を踏まえて、地域医療構想を推進するとともに、今回のような新興感染症等の重症患者を多数入院できるような形のしっかりとした施設や、手厚い人員配置が行われている急性期病院が必要になろうと考えております。
 加えまして、介護との連携や地域等への人材派遣、まちづくりへの参画、いざというときの在宅患者の受入れなどを行う地域包括ケアを支える中小病院などの存在が必須であるということは言うまでもありません。次回改定に向けては、入院分科会における入院調査の分析等を踏まえて、総会で検討することになるものであろうと思います。
 また、32ページに、入院医療評価の基本的な考え方のイメージ図がございますが、これが基本になろうと思います。
 続きまして、やや各論的なお話を簡潔にさせていただければと思います。
 まず、急性期入院医療についてでございますが、これまでの病床削減策がコロナ禍によって、いざ急性期医療が必要となった場合に、単に病床数や医療機器を増やしても、それを支える人材がいなくては、急性期医療は成り立たないという課題が今回、明白になったわけでございます。
 この教訓を踏まえれば、前回改定もそうでありましたが、当面は、平成30年度改定で改変された評価体系の影響をしっかりと見守っていく段階でありまして、急性期医療の在り方について、診療報酬で強引な誘導をしていくというやり方は、今回は避けるべきであろうと思います。
 続きまして、回復期入院医療についてでございます。
 前回改定では、地域包括ケア病棟入院料や回復期リハビリテーション病棟入院料の診療実績に関わる基準が引き上げられております。ただ、現在は、コロナにより、その経過措置が延長されている状況にございますので、改定の影響をきちんと検証するためには、もう少し時間が必要であります。
 その一方で、例えば回復期リハ病棟入院料は、前回改定で入院料1について、管理栄養士の配置が必須となっておりますが、2~4の医療機関においても、自主的に管理栄養士を配置し、質の高い栄養管理に取り組んでいる施設もあることから、そうした現場の取組についてきちんと評価をしていただくことは重要であろうと考えております。
 続きまして、慢性期の入院医療についてでございますが、ここは池端先生から御意見があろうと思いますが、療養病棟入院料の経過措置の扱いが来年3月までとされております。これにつきましては、直近の届出医療機関数や病床数も見た上で、現場や入院中の患者に混乱が生じないような形での対応を講じるべきであろうと思います。
 その他についてですが、まず、入退院支援について、現場で様々な取組がなされて、一定の成果を上げていると受け止めておりますが、人員配置や連携機関との面会などの要件が厳しいために、届出が困難になっている事例もありますことから、現場の取組を後押しするような手直しは必要であろうと考えます。
 また、多職種連携として、136ページには、病院薬剤師の業務とその役割についても触れられておりますが、薬剤部で薬剤師が独占的に行うことのできる院内の薬剤の管理等とは異なりまして、チーム医療として患者の治療に薬剤師が参加するためには、医師や看護師をはじめ、院内の理解を得ながら進めるということが重要であろうと考えます。
 最後に、包括評価についてでございます。包括は、どうしても初診・初療ということが懸念されるわけでございますが、なぜ我が国において、これまでDPC/PDPSという制度の中で包括化が進められてきたのかということを考えれば、答えは出るのではないかと思います。再入院率や在院日数等を丁寧に評価しながら、医療の質を下げないで、適正な評価について目指してきた我が国の誇るべき制度でございます。
 DPC/PDPSは、1日当たり包括制度ではありますが、きめ細やかな評価がされておりまして、DPC対象病院では、包括評価を優先し、短期滞在手術等基本料2、3を算定不可とした上でD方式を採用するということで、まさに1入院当たり包括に近い仕組みも実現してきております。短期滞在手術等基本料について、実態に基づく見直しを繰り返していくことが重要であろうと理解しております。
 大変長くなりましたが、以上でございます。ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、島委員、お願いいたします。
○島委員
 ありがとうございます。内容が非常に多うございますので、主に急性期の立場から、少し気づいたところの御意見と質問を述べさせていただきます。
 まず、22ページでございますが、新興感染症に対する取組ということで、今、非常に現場も混乱しておりますけれども、今後のことを考えれば、平時の取組については、直接の診療報酬ではなくて、補助金での体制整備が必要だと考えます。
 それから、DPCの機能評価係数1の中にございますストラクチャーの中に感染防止対策加算がございますが、こういったものがある程度落ち着いてきて、今後の第8次医療計画の中とかにきちんとそこが反映されるような方向性が必要かと思っております。
 それから、28ページでございますけれども、入院外医療費のところを見てみますと、70代のところがこの10年間の変化の中で著しく減少が見られておりますが、ここのところの理由がはっきりと分かるのであれば、教えていただきたいと思います。
 それから、41ページに関しては、重症度、医療・看護必要度でございますけれども、右下のところで必要度Ⅱの要件化を令和2年の改定で行ったわけですが、必要度Ⅱは、許可病床数400床以上はⅠとⅡの計算をしていますが、Ⅱでやるということになっておりますので、実際のところ、こういう取組が400床以上のところでなされていることが確認されておれば、教えていただきたいと思います。
 それから、108ページでございますけれども、救急医療管理加算の条件をこのように摘要欄に記載しているということを今回の改定でやったわけです。これは前から言っておりますように、107ページにありますように、この条件のア~ケのところで状態が非常に厳しい患者は、普通は集中治療室で診ることになると思いますが、これに関して、今回、コを新たにつくりまして、どういった患者たちを救急医療管理加算2で算定しているのかという情報を得るようにしているわけですが、この辺がはっきりと出てくるとすれば、きちんとここの条件をもう一度見直す必要があるのではなかろうかと思っております。
 というのは、先ほども言いましたように、非常に重篤なア~ケの状況の方たちは集中治療室に入っていきますので、そうなるとこの算定が不可になります。実際にいろいろと診療報酬上の請求があっても、相当査定されているという現状もありますので、実態に合わせるような内容を検討していく必要があるのではなかろうかと思っております。
 それから、131ページでございますが、短期滞在手術の2でございますけれども、一番下にありますように、これは昨年6月の審査分ではありますが、ここに並べてあるようなものが入院外で結構やられているということで、恐らくこの資料も、そういったものをもう一度しっかりと見直す必要があるのではなかろうかという意味で提出されているのかと思いますが、その辺も考慮すべきかと思います。
 それから、137ページは、先ほど城守先生もおっしゃっていましたけれども、病棟薬剤師の仕事の中で、現実には今、病院に薬剤師を雇用できなくて大変困っているというのが日本の病院の実情でございまして、特に、一番上にあります病棟薬剤業務実施加算といったところは、きちんと薬剤師が病棟にいることによって、チーム医療の一員として医師の働き方を軽減させるといったことで、ここのところは小児の特定入院料の病棟とか地ケア病棟、回復期病棟といったところもぜひ認めていただければと考えております。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、次は、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
 ありがとうございます。資料の136ページ、137ページに関連して発言させていただきます。
 先ほど島委員からも御指摘があったような内容ではありますけれども、先般の7月21日の中医協総会でも述べさせていただきましたが、令和2年度診療報酬改定の結果検証に関わる特別調査において、病棟薬剤師の様々な取組が医師の負担軽減及び医療の質向上に効果があると医師の9割から回答があったということが示されています。
 また、病棟薬剤業務実施加算を算定できない患者などが入院している病棟においても、入院時の持参薬の確認及び服薬計画の提案や退院時の薬学的管理指導などの業務に病棟の薬剤師も取り組んでいることも示されています。
 入院医療における診療報酬では、病気になり入院しても、住み慣れた地域で継続して生活できるよう、入院前や入院早期からの支援の強化や退院時の地域の関係者との連携を評価していますが、医療機関の分化・連携の促進を推進する観点からも、現在、評価の対象とされていない地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟などにおいても、持参薬の確認やそれに基づく処方提案、退院時の指導などの入退院の連携に重要な業務を実施していることから、薬剤管理指導や退院時薬剤情報提供管理指導料など、連携加算を評価していただきたいと考えております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 ありがとうございます。私も、全般を通じて少し大きな話をしていきたいと思います。急性期は少し除いてということになるかと思います。
 まず、全般的には、城守委員、島委員もおっしゃったように、コロナ禍の対応についての経過措置等々については、包括支援金も継続されたということを鑑みると、基本的には急に打ち切るということは現実的に難しいかと思います。
 ただ、一方で、やみくもにただ続けるのではないと幸野委員等々のおっしゃることも十分に理解しているつもりなので、そこら辺は、少し検証できるところはしっかりと検証した上で、引き続き継続すべきところはしっかりと継続するという大きな流れが必要かと思います。
 また、5疾病・5事業に1つ新興感染症が入ったということは、8次医療計画になりますが、既に今からスタートさせないと、8次医療計画で用意ドンではスタートできないので、それも含めて少し先取りをして、次回の診療報酬改定も、そこを踏まえた上での議論も十分に必要ではないかと感じています。
 その上で、急性期医療から回復期、慢性期全てにわたってですけれども、今回の感染症で感じたことは、病院そのものは非常に余裕がない、特に病床を持つ病院は余裕がないというところだと思います。
 資料2の12ページを御覧いただけると、急性期と言われている7対1でも病棟稼働率は8割を超していない。逆に言うと8割を超していないと経営的に厳しいという状況。療養病床等の慢性期では9割を超していないと経営が成り立たないという状況をどう考えるかということも一方で考えていかなければいけないのではないかと思います。
 そして、いざというときには役立つような病院・病床、これは急性期に限らず、回復期、慢性期等に対してそれぞれ役割分担をしながら、今回のようなパンデミックに対応できるようなことに対して、何ができるかということも一方で考えること。それには、やはりどの病床種類でもしっかりと医療機能を高める努力をするというインセンティブも必要ではないかと感じています。
 一方で、慢性期に関しては、先ほど城守委員からもご依頼いただいたので、少し追加させていただきますと、一方で医療機能を高めて、人員配置も高めるということで、前回、療養病床1、2に関しては20対1を基本にして、それにあふれたところは経過措置になっています。経過措置(注11と注12)はありますけれども、これは徐々に少なくなってはきていますが、一応、それが来年度末で終了するということになっていますが、そこに対しては、やはり丁寧な議論、そして、特に注12に関してはもう10病院以下になっているかと思いますので、できればそこに関しては、個別の情報収集も含めて、少なくとも現在そこに入院されている患者の不利益にはならないような対応で、しっかりとした対応を考えていただければと思っております。
 それから、これも全般を通じてですけれども、感染症の管理加算1、2がありますが、まだまだこれを全病院が取っているわけではありません。もちろん、いろいろと施設基準が厳しいところもありますので、中小病院全てがこの加算を取るというふうに持っていくのは非常に難しいかもしれませんけれども、広く、浅くでも結構ですので、少なくともいずれは全病院がこの管理加算を取れるように、最低限の管理加算をしっかりとできるような意味でも広く、薄くするような管理加算3みたいなものを設けて、それを幅広く広げていくといった手法もコロナ禍に向けて必要ではないかと個人的に感じています。
 さらに、全体を通じては、前回の改定のときにも病院団体から挙げさせていただきましたけれども、IT化に対するインセンティブ、働き方改革、あるいはタスクシェア・タスクシフトに対するインセンティブ等々は、報酬だけではなくて、施設基準の緩和等も含めて、さらに突っ込んだ議論をしながら御検討いただきたいと思っております。
 そして、その折には、特に多職種協働の中で、先ほども何人かの先生方からもありましたけれども、病棟の薬剤師に関して、本当に喫緊の課題だと感じていますので、病棟の薬剤師に対する今後の必要性を鑑みて、そこに対してどう考えるかということはじっくりと議論していければと思っています。
 さらに、これはずっと以前から俎上に上がっていないことなのですけれども、10数年据え置かれている病院の入院時食事療養費に関しても、そろそろ一度検討して、本当にこれらの基準で今の患者層に対応できているのかどうか、この辺の材料費等が高騰している中で、この療養費に関してはどう考えるか。それもしっかりと検証していただければと思っています。
 以上、全体を通じてのお話をさせていただきました。ありがとうございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
 ありがとうございます。
 入院医療に関しましては、団塊の世代の方たちが全員後期高齢者となる2025年が迫る中、個々の患者の状態に応じた医療が地域で効果的・効率的に提供されるよう、特に急性期と回復期における機能分化・連携を引き続き推進する必要があると考えております。
 また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、医療機能の分化・連携をさらに進めることが必要であるという課題が浮き彫りにされており、全国4000万人を超える加入者の皆様が良質かつ効率的な医療を享受できるようにする使命を負っている我々としましては、この課題を見過ごすことは到底できないものであると考えております。その意味では、城守委員からもお話がありましたように、有事の体制と平時の体制ということを考える必要があると考えております。
 入院医療の課題は、突き詰めて言えば、病床の分類をどのような形にすれば、求められる機能分化・連携を推進することができるのかという点に尽きるものと考えております。しかし、言葉にすれば短いですが、この課題に本気で取り組もうとすると、根本的な検討が必要であるということは理解しております。
 時間的なことを考えても、今回の改定で対応することは難しいと理解しており、例えば今後、何度かの改定を見据えた工程表をつくりつつ、中長期的に議論を進めていくべき時期に来ているのではないかと考えております。
 また、今回の改定での論点として、前回改定で見直しが行われました重症度、医療・看護必要度につきまして意見を述べさせていただきます。
 45ページと46ページを比較しますと、ⅠからⅡへの移行が特に急性期一般入院料1及び2において進んでおりますが、これは400床以上の医療機関においてⅡを要件化したことが主な要因であると考えております。
 一方、具体的な施設基準の見直しにつきましては、本年9月まで経過措置が適用されている状況でございます。このため、前回改定による結果の検証は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、完全には難しいと思いますが、今後の議論の前提として、どれぐらいの医療機関が必要度Ⅱまたは入院料1以外に移行したのか、必要度の病床規模別の分布はどのようになっているのかといった現状分析を出していただきますよう、お願いいたします。方向性としましては、引き続き段階的に必要度Ⅱを原則化することを進めるべきであると考えております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。私からは1点だけ述べさせていただきます。
 143ページの論点に書かれておりますが、効率的な入院医療の提供について、急性期から回復期、慢性期への転院の場合、受入れ医療機関の判定待ちで期間を要したり、包括点数で赤字になるため、転院拒否になるなど、受入れ側の事情で入院日数を要することがあると聞いております。転院について様々な検討が必要ではないかと考えております。
 私からは以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 ありがとうございます。
 まず、改定の議論に入る前に、9月末で期限を迎える前回改定の経過措置の取扱いについて、後でいいので、今の調査の状況とか今後の見通しについて事務局にお伺いしたいと思います。
 入院医療なのですが、急性期について、こういう時代なのですが、私はあえて強調したいと思います。
 確かに、2号側先生のおっしゃるとおり、今はコロナ禍で非常に厳しい状況なのですが、同様の大きな問題として、人口構造や疾病構造の変化が必ず近い将来訪れるのです。地域医療を守るためにも、今、国を挙げて進めております地域医療構想は、何としてでも成し遂げなければならない大きな課題であると考えています。
 今回のコロナ禍でも分かったように、急性期医療の強化は、新興感染症対応の強化にもつながるということを認識する必要があると思います。医療法の改正で2024年から始まる第8次医療計画では、これを教訓に5疾病・5事業に新興感染症対応ということで、5疾病・6事業という対応がなされました。
 これを受けて、医政局では、医療計画の見直し検討会で、昨年末にこの取りまとめを行ったのですが、地域医療構想の今後の方向性については、23ページの(3)に重要なセンテンスが書かれているのですが、地域医療構想については、2024年から始まる第8次医療計画に向けて、2022年をめどに地域の議論が進められていることが重要と明記されております。
 あと、6月に閣議決定された骨太の方針2021においても、地域医療構想について、かなり強いメッセージが入れられているのですが、都道府県における医療体制の整備の公表は、未達成の場合の都道府県の責務の明確化を行うといった強いメッセージまで発信されています。
 コロナ禍の中で厳しい状況というのは理解する中であえて申し上げたいのですが、2022年がこのキーの年度になるというところから、2022年度の診療報酬改定においては、今までの延長線のような議論ではなくて、地域医療構想を後押しするような、強い、今までと異なった施策が必要になると思います。第8次計画が始まる2024年ではもう手後れとなるということで、2022年であえてしっかりと対応していく必要があると思います。
 地域医療構想と診療報酬の対応については、医療課長から後でお考えをお聞かせいただきたいと思います。特に強調したいのは、急性期だと思います。
 それから、回復期についてなのですが、地ケア病棟については、ポストアキュート、サブアキュート、在宅復帰支援の3機能がしっかりと発揮されているかを検証して、前回に引き続き、必要に応じて実績要件を見直していくということも必要なのではないかと思います。
 また、地ケアについては、包括範囲となっている医療行為がしっかりと実施されているか、包括範囲の例えばリハビリとかそういったものがちゃんと行われているかについては、入院分科会でデータを示していただきながら検証して、適正化の方向で検討すべきだと思います。
 それから、同じ回復期のリハ病棟については、74ページにあるのですが、入院料ごとの実績指数の凸凹がどうしても私は理解しかねるところがあります。患者にとっては、看護配置よりもしっかりと結果を出す、早期にリハで回復するといった入院料を選ぶと思いますが、入院料2より3のほうが実績指数が高いといった矛盾は、どうしても自分の中で解消できないところであります。
 そもそも、回復期リハで6つも入院料を設定する必要があるのかというところについても疑問を持っております。もう少し回復期リハの入院料を再編して、できれば3つぐらいに統合してもいいのではないかと思っていますので、意見として言わせていただきます。
 慢性期については、先ほどから2号側の先生の意見が出ておりますが、療養病棟の経過措置の取扱いをどうするかというところであります。平成30年から令和元年で100ぐらい減少しているので、令和3年の今になっては、かなり減少しているのではないかと思うのですが、どれぐらいの医療機関がまだ残っているのか、どういった状況で残っているのかというところをしっかりと分析して、基本的には次回改定、令和4年3月で移行措置は終了すべきだ、経過措置は終了すべきだと考えます。
 その他の事項なのですが、入退院支援については、ある程度の効果を発揮しているのだと思うのですが、単なる要件緩和でなくて、地域で目に見える連携が進むということが重要だと思います。
 あと、103ページなのですが、入退院支援の項目でヤングケアラーのことが触れられているのですが、これは社会的に重要な課題であることは認識しておるのですが、この中でヤングケアラーに触れられているのは、診療報酬で何か対応されようとしているのか、その辺のお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
 それから、救急管理加算は、島先生が言及されておりますが、私も思うのですが、加算2のコは、どういう状態の方が医療的根拠で加算2を選定しているのかというのは、入院分科会のほうでしっかりと分析して、検証して、加算2の在り方については、やはりもう一回議論が必要なのではないかと思います。
 それから、短期滞在手術料についても、島先生が言及されたのですが、一定程度標準化されたものについては、1入院料包括として積極的に進めていくべきだと思うのですが、やはり粗診・粗療とならないように、質の担保を確実に行うことは不可欠だと思います。
 そういった中で、131ページの短期滞在手術料2を見てみますと、外来等でも多く行われている中で、果たしてこれは必要性があるのか、もう必要性が乏しくなってきているのではないかと思っていまして、これは廃止を視野に含めて次回改定で検討してもいいのではないかと思います。
 最後に、多職種連携なのですが、これまでチーム医療に対する様々な評価が行われたのですが、それぞれがどのような効果、メリットを発揮しているのかというところをしっかりと検証して見直していく必要があるのではないかと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 城守委員、追加のコメントがあるようです。よろしくお願いいたします。
○城守委員
 ありがとうございます。
 今、1号側の委員の方から、急性期の入院医療の体系に関して、地域医療構想を進めるために、後ろから強く後押しをする改定が必要であるという御発言がございましたが、今回のコロナの状況を見ても分かりますように、各都道府県の医療の提供体制は、急性期を含めてばらつき、差が非常に大きいわけでございます。
 一方、診療報酬体系は、全国一律になります。ですので、診療報酬を大きく動かしますと、地域の医療の提供のばらつきが勘案されない形で、強引な制度設計に陥る可能性があるというよりは、陥ることになります。
 ですので、先ほど私が申しましたように、診療報酬で強引に誘導して改定をするというやり方は、特にこの状況も踏まえて避けるべきでありましょうし、我々が常々申しておりますように、地域医療構想の進み具合がうまくいくように、そこに寄り添うような形で改定ができるという視点でこの制度設計をすべきであろうと思います。
 それと、救急医療管理加算に関してですが、確かに今回、この内容が出てくるわけでございますが、これはようやくその内容が出だしたというところでございます。ですので、結果検証はこれからになろうと思います。この結果検証を進めていくことは必要であるということは認めておりますが、救急医療管理加算は、二次救急の病院を中心とした救急医療を評価するほぼ唯一の診療報酬の項目になってございます。
 ですので、この医療機関に対しての影響も非常に大きいということを考え、また、コロナの影響もあるということを考えますと、今回の改定において検証を進めていくことはやぶさかではございませんが、この改定で議論をしていくということには、我々は反対したいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 松本委員、続けてお願いいたします。
○松本委員
 松本でございます。
 1号側の委員の方々から、回リハついての御意見をいただきましたけれども、回リハにつきましても、再編・統合したばかりで、その実績指数を取り入れながら今は6段階になっているところであります。ここであまり厳しい実績を求めますと、いろいろな地域におけるバランス、それから無理に改善しやすい患者ばかり集めるなどのモラルハザードも生じる可能性もあります。
 また、比較的4や5や6といったところは、地域、いわゆる過疎地において、あまりここに高いハードルを設けますと、そういった地域から回リハの病棟がなくなってしまうという弊害が起きてまいりますので、現在の状況を見ながら、少し慎重な議論が必要かと思っております。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 ありがとうございます。
 まず、幸野委員が御指摘いただいた慢性期医療の経過措置に関しては、方向性としては、私も理解しているつもりです。
 ただ、経過措置注11、注12がありまして、注11に関してはまだ一定程度の病院数がありますので、ここに関してはかなり慎重に。先ほども言いましたけれども、地域によっていろいろと地域事情があるかと思いますので、できれば情報を収集して、とにかく患者に御迷惑をかけることがないようなことをぜひ考えていただきながら御判断いただければと思います。
 もう一点、先ほど失念しましたが、今回、資料に上がっていませんが、前回からDPCデータ加算が療養病床に原則的に入りました。ここが現状でどの程度までDPCデータ加算を算定している慢性期医療の病院があるのかについて、あるいはそれがもうある程度の数になって、診断に堪えるのであれば、それを基に慢性期医療のパフォーマンスが出せるかどうかについて、事務局に御質問させていただければと思っています。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかはよろしいですか。
 入院につきましても、既に委員の先生方から多くの貴重なコメントをいただきました。その中で経過措置、地域医療構想、DPCのデータ等について御質問をいただきました。
 現時点で答えられるところで結構なのですけれども、事務局からレスポンスをお願いいたします。
○井内医療課長
 幾つか明示的に事務局に御質問がありましたので、お答えできる範囲でお答えさせていただきます。
 まず、入院外医療費のところで、いわゆる平成30年で落ちているというデータで、その原因ということですが、明確には分からないということで、あくまでもファクトについて、お答えさせていただきます。
 平成30年は、団塊世代が70代前半に入ってくる時期に重なるということで、いわゆる年齢階級の中での平均年齢が低くなっているのではないかということが可能性としてはあるということなどがあります。ただ、だからこういったデータにつながるのですというところまでは、当然言えないところで、あくまでもファクトということでございます。
 あと、地域医療構想と次回の改定の関係ということですけれども、これにつきましては、いずれにしましても、我々としては、議論の経緯を見守っていくというスタンスでおります。その議論の過程のものなのか、あるいは一定程度の何かしらのまとまりが出てくるのかといったことは、その都度我々も見ていきますが、必要に応じて中医協にそちらのほうの議論を御報告させていただいた上で、必要な御議論をしていただくつもりでおります。
 もう一点、ヤングケアラーのところの考えということですが、ここは特に何か考えがあるというよりも、入退院支援のところで退院がなかなか難しい人への対応というところでのまとめで、その中でこういうプロジェクトチームもございますということでの御紹介でございました。
 あと、データ提出加算のところでございますが、これにつきましては、今後も検証と考えております。
 あと、本件とは直接関係ないということでございましたが、いわゆる経過措置についての現状を事務局からということでございましたので、現状の御報告をさせていただきますが、当初の予定どおり、各病院から報告はいただいております。今、それのデータの集計中で、データクリーニングをやっているところでございます。
 また、10月以降の話なので、近々なのですけれども、我々のほうでデータを取りまとめた上で、中医協の中で御議論いただけるような資料として提供させていただけるように、今鋭意努力をしているところでございます。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 ほかに御意見がないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
 今後、事務局におかれましては、本日多くの貴重な御意見、御要望をいただきましたので、それらを踏まえて対応していただくようにお願いいたします。
 それでは、本日の最後の議題になります。選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果(速報)でございますが、この結果についてを議題といたします。本件は報告事項です。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
 中医協総-3に沿って御説明させていただきます。選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果でございます。
 日本再興戦略を踏まえまして、選定療養の類型の見直しに関する意見の募集を行っております。期間が令和3年4月19日から5月18日、関係学会・関係団体は6月18日までというものです。
 寄せられた意見は109件ということでございます。この中身につきましては、それ以降の資料についております。
 今後は、事務局におきまして整理、検討を進めまして、必要に応じて中医協にて議論いただけますよう、また、必要に応じての資料の提供をさせていただきたいと考えております。
 事務局からは以上でございます。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、特に御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
 本日の議題は以上です。
 なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。
 長時間、ありがとうございました。
 


 
 

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