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2021年8月4日 中央社会保険医療協議会 総会 第485回議事録

○日時

令和3年8月4日(水)薬価専門部会終了後~

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 飯塚敏晃委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 中村洋委員 
安藤伸樹委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 松浦満晴委員
松本吉郎委員 城守国斗委員 長島公之委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 半田一登専門委員
保険医療材料等専門組織小澤委員長 薬価算定組織前田委員長
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
山田保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○医療機器及び臨床検査の保険適用について
○費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて
○医薬品の新規薬価収載について
○再生医療等製品の保険適用について
○最適使用推進ガイドラインについて
○DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について
○在宅自己注射について
○歯科医療(その1)について


 
○小塩会長
お待たせいたしました。ただいまより、第485回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
なお、本日もコロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。本日は、末松委員が御欠席です。
議事に先立ちまして、厚生労働省におきまして異動がございましたので、事務局より紹介をお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
保険局医療課医療技術評価推進室長の中田でございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
それでは、議事に入ります。
初めに「医療機器及び臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。
小澤委員長より、御説明をお願いいたします。
○保険医療材料等専門組織小澤委員長
小澤でございます。それでは、説明いたします。
中医協総-1-1の資料を御覧ください。今回の医療機器の保険適用は、C1が3製品3区分と、C2が1製品1区分です。
2ページ目を御覧ください。製品名は、AXS Offset デリバリー アシスト カテーテルです。
5ページ目の製品概要を御覧ください。本品は、血管内手術の際、血管内手術用カテーテル等を脳血管へ到達させることを目的に使用する製品です。
2ページにお戻りください。価格につきましては、原価計算方式で評価しました。この結果、最終的な価格を9万4800円といたしました。
外国平均価格との比は、1.00です。
次に、6ページ目を御覧ください。製品名は、SHILLA Growth Guidanceシステムです。
11ページ目の製品概要を御覧ください。本品は、早期発症側弯症の小児に対し、脊柱変形の矯正及び矯正の維持を目的に使用する脊椎内固定器具です。
6ページにお戻りください。価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価しました。
6ページの○に、有用性加算についての説明を記載しております。
臨床上有用な新規の機序を有すること及び類似機能区分に属する既収載品に比して高い有効性または安全性を有することが客観的に示されていることから、プラス20%の有用性加算とし、類似機能区分に属する既収載品に比して当該新規収載品の累計対象患者数が少ないと認められることから、プラス5%の市場性加算(Ⅱ)とすることが妥当と保材専として判断いたしました。この結果、最終的な価格を11万3000円といたしました。
外国平均価格との比は、1.45です。
次に、12ページ目を御覧ください。製品名は、レボシス-Jです。
15ページ目の製品概要を御覧ください。本品は、外傷等により生じた骨欠損の補填及び自家骨移植の補助のために使用する製品です。
12ページにお戻りください。価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価しました。この結果、最終的な価格を0.1グラム当たり1万4800円といたしました。
外国における販売実績はないことから、外国平均価格との比はありません。
次に、16ページ目を御覧ください。製品名は、AtriCure 左心耳クリップです。
20ページ目の製品概要を御覧ください。本品は、開胸または鏡視下にて行う心臓血管外科手術において、心房細動等に基づく血栓塞栓症のリスクを有する患者に対し、左心耳を閉塞するために使用する製品です。
16ページにお戻りください。価格につきましては、本品は、特定保険医療材料としては設定せず、新規技術料にて評価することが適当と保材専としては判断いたしました。このため、外国平均価格との比はありません。
続きまして、中医協総-1-2の資料を御覧ください。今回の臨床検査の保険適用は、E3の1件です。
2ページ目を御覧ください。販売名は、VGCCAb RIA「コスミック」です。
測定項目は、抗P/Q型電位依存性カルシウムチャネル抗体(抗P/Q型VGCC抗体)です。
測定方法は、RIA法です。
4ページ目の製品概要を御覧ください。本検査は、血清中の抗P/Q型カルシウムチャネル抗体の測定をし、ランバート・イートン筋無力症候群の診断を補助する臨床検査です。
2ページにお戻りください。保険点数につきましては、D014 自己抗体検査の43 抗筋特異的チロシンキナーゼ抗体1,000点を参考点数としております。
御説明いたします内容は、以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
事務局から補足がございましたら、よろしくお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
特にございません。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御意見等はないようですので、本件について、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。費用対効果評価結果につきましては、評価結果が出た後の中医協総会で、それから、それに基づく価格調整につきましては、年4回の新薬の収載に合わせてお諮りすることとしております。
まず、資料総-2-1を御覧ください。こちらは5月26日の中医協で御承認いただきましたトリンテリックス錠につきまして、費用対効果評価結果に基づく価格調整でございます。
真ん中の表を御覧ください。費用対効果評価の結果が費用増加とされたことから、価格調整係数については0.1としております。
その結果に基づきまして、価格調整を行った結果、下の表にあります「調整後薬価」にありますとおり、10mg1錠が161.70円、20mg1錠が242.50円となります。
こちらの適用日が、11月1日の適用となります。
続きまして、資料総-2-2を御覧ください。こちらも同じく5月26日に御承認いただきましたコララン錠とその類似品目の価格調整についてでございます。
コララン錠の評価結果が、上の表ですけれども、1QALY当たり200~500万円となったことから、価格調整係数については1.0となっております。
それに基づいた価格調整につきましては、下の表にありますとおり、調整については変更なしとなりまして、類似品目でありますエンレスト錠についても同じく変更なしとなります。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「医薬品の新規薬価収載について」を議題といたします。
本日は、薬価算定組織の前田委員長にお越しいただいております。
前田委員長より御説明をお願いいたします。
○薬価算定組織前田委員長
薬価算定組織の委員長の前田でございます。私から、今回検討いたしました新薬品の算定結果及び市場拡大再算定について、御報告いたします。
まず、新医薬品について、資料中医協総-3-1を御覧ください。
今回報告する新医薬品は、2ページの一覧表にありますとおり、15成分23品目です。
それでは、算定内容について、御説明いたします。
1品目めのエブリスディドライシロップです。資料の3~4ページを御覧ください。
本剤は、脊髄性筋萎縮症を効能・効果とし、スピンラザ髄注12mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、使用に際しての利便性が著しく高いことから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、60mg1瓶、974,463.70円となりました。
2品目めのベリキューボ錠です。資料の5~6ページを御覧ください。
本剤は、慢性心不全を効能・効果とし、エンレスト錠200mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、汎用規格で10mg1錠、403.80円となりました。
3品目めのツイミーグ錠です。資料の7~8ページを御覧ください。
本剤は、2型糖尿病を効能・効果とし、トラゼンタ錠5mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、500mg1錠、34.40円となりました。
4品目めのタズベリク錠です。資料の9~10ページを御覧ください。
本剤は、再発又は難治性のEZH2遺伝子変異陽性の濾胞性リンパ腫を効能・効果とし、ゾリンザカプセル100mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、臨床上有用な新規作用機序であることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、200mg1錠、3,004.60円となりました。
5品目めのハイヤスタ錠です。資料の11~12ページを御覧ください。
本剤は、再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫を効能・効果とし、ゾリンザカプセル100mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、10mg1錠、20,030.50円となりました。
6品目めのアジョビ皮下注です。資料の13~14ページを御覧ください。
本剤は、片頭痛発作の発症抑制を効能・効果とし、エムガルティ皮下注120mgシリンジを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、225mg1.5mL1筒、41,356円となりました。
7品目めのアイモビーグ皮下注です。資料の15~16ページを御覧ください。
本剤は、片頭痛発作の発症抑制を効能・効果とし、エムガルティ皮下注120mgシリンジを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、70mg1mLキット、41,356円となりました。
8品目めのレベスティブ皮下注用です。資料の17~18ページを御覧ください。
本剤は、短腸症候群を効能・効果とし、原価計算方式により算定いたしました。
本剤は、既存の治療方法では効果が不十分な患者群において効果が認められることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することといたしました。
また、市場性加算(Ⅰ)の10%加算の対象と判断いたしました。
原価開示度による加算係数0.2を乗じて、3%の補正加算を適用しております。
なお、本剤は、製造販売業者より、患者数の推計が過大であること、また、研究開発費の一部について、追加で資料を提出するため計上を希望する旨の不服意見がありました。
それを受けまして、第2回算定組織では、患者数の推計について、複数の推計及び根拠を含めて確認し、推計を修正すること、また、新たに提出された資料について、原価として適当と認められるものの計上を認めることといたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、3.8mg1瓶(溶解液付)、79,302円となりました。
9品目めのライザケア輸液です。資料の19~20ページを御覧ください。
本剤は、ルテチウムオキソドトレオチドによる腎被曝の低減を効能・効果とし、モリアミンS注を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、1L1袋、1,180円となりました。
10品目めのギブラーリ皮下注です。資料の21~22ページを御覧ください。
本剤は、急性肝性ポルフィリン症を効能・効果とし、原価計算方式により算定いたしました。
本剤は、臨床上有用な新規作用機序であることなどから、有用性加算(Ⅰ)の40%加算を適用することといたしました。
また、市場性加算(Ⅰ)の10%加算の対象と判断いたしました。
原価開示度による加算係数0.2を乗じて、10%の補正加算の適用としております。
その結果、本剤の算定薬価は、189mg1mL1瓶、5,006,201円となりました。
11品目めのウパシタ静注透析用です。資料の23~24ページを御覧ください。
本剤は、血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症を効能・効果とし、パーサビブ静注透析用5mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、汎用規格で300μg1mL1筒、3,635円となりました。
12品目めのルタテラ静注です。資料の25~26ページを御覧ください。
本剤は、ソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍を効能・効果とし、原価計算方式により算定いたしました。
本剤は、ランダム化比較試験により、類似薬に比した高い有効性が示されることから、有用性加算(Ⅱ)の10%加算を適用することを妥当と判断いたしました。
原価開示度による加算係数0.2を乗じて、2%の補正加算を適用しております。
その結果、本剤の算定薬価は、7.4GBq25mL1瓶、2,648,153円となりました。
13品目めのユニツキシン点滴静注です。資料の27~28ページを御覧ください。
本剤は、大量化学療法後の神経芽腫を効能・効果とし、原価計算方式により算定いたしました。
本剤は、標準的治療に位置づけられることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することといたしました。
また、市場性加算(Ⅰ)の10%加算の対象と判断しております。
原価開示度による加算係数0.2を乗じて、3%の補正加算を適用しております。
その結果、本剤の算定薬価は、17.5mg5mL1瓶、1,365,888円となりました。
14品目めのレカルブリオ配合点滴静注用です。資料の29~30ページを御覧ください。
本剤は、標準的治療に位置づけられることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
また、市場性加算(Ⅰ)の10%加算の対象と判断しております。
原価開示度による加算係数0.2を乗じて、3%の補正加算を適用いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、1.25g1瓶、22,447円となりました。
15品目めのベクルリー点滴静注用です。資料の31~32ページを御覧ください。
本剤は、SARS-CoV-2による感染症を効能・効果とし、原価計算方式による算定をいたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、100mg1瓶、63,342円となりました。
以上で、資料総-3-1の説明を終わります。
資料総-3-2及び総-3-3は、後ほど事務局から説明がありますので、続きまして、資料総-3-4の説明に移ります。
資料総-3-4を御覧ください。市場拡大再算定について御報告いたします。
効能追加等があった医薬品などについて、一定規模以上の市場拡大があった場合は、年4回の新薬収載の機会を活用いたしまして、市場拡大再算定の規定を適用し、薬価を見直すこととされております。
今般、3月診療分のNDBデータを確認したところ、オフェブカプセル100mg、同カプセル150mgが市場拡大再算定の要件に該当すると判断いたしました。
その結果、改定薬価は、資料の表の中ほどの「改定薬価」の欄に示した額となりました。
以上で、私からの説明を終わります。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
引き続き、事務局から説明と補足をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
それでは、資料総-3-1にお戻りいただければと思います。
まず、御説明いただきました新薬につきまして、費用対効果評価の対象となる品目について御説明いたします。
1ページ目でございます。2番のベリキューボ錠、6番のアジョビ皮下注、7番のアイモビーグ皮下注につきましては、比較薬が費用対効果評価の対象となっていることから、H5区分としまして、費用対効果評価の対象となります。
それから、8番のレベスティブ皮下注につきましては、原価計算による算定で、開示度50%未満、有用性加算あり、ピーク時の市場規模予測が50億円以上ということで、H2区分に該当いたします。
それから、2ページ目の15番になります。ベクルリー点滴静注につきましては、原価計算による算定で、開示度50%未満、ピーク時の市場規模予測が100億円以上であるため、H1区分に該当いたします。
続きまして、総-3-2を御覧ください。費用対効果評価結果に基づきます新薬の薬価算定の調整でございます。
さっきの議題で御承認いただきましたコララン錠の費用対効果評価結果が出ておりますけれども、その類似品目でありましたエンレスト錠が今回、お諮りする新薬のうち、ベリキューボ錠の比較薬とされていたことから、ベリキューボ錠が費用対効果評価の対象となります。
先ほど御承認いただきましたとおり、エンレスト錠につきましては変更なしということになりましたので、ベリキューボ錠につきましても、費用対効果評価の結果を適用し、変更なしということで算定した薬価をそのまま適用するということとなります。
続きまして、資料総-3-3を御覧ください。エブリスディドライシロップにつきまして、新薬の処方日数制限のいわゆる14日ルールの例外的取扱いをすることについてお諮りするものとなります。
2ページ目を御覧ください。本剤は、脊髄性筋萎縮症に対する医薬品となりますけれども、1番としまして「疾患の特性」として、頻回の通院は患者負担も大きくなるということ、2番の「製剤上の特性」につきましては、14日間で1瓶を使い切ることができない患者が一部の患者で出ること、3番の安全性につきましては、臨床試験において14日を超える投薬における安全性が確認されていることを踏まえまして、本品目については、例外的に処方日数の制限を設けないこととすることとしてはどうかということについて、御提案するものでございます。
以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
2品目について、確認と意見をさせていただきたいと思います。
まず、1品目のエブリスディドライシロップなのですが、これは経口薬ということで、患者の負担軽減にかなり有用性が高いということで、非常に高く評価したいと思います。
ただ、ちょっと気になりますのは、1日薬価については6万円強ということで、単価は著しく高いということではないと思うのですが、市場規模予測によると、これは1日1回食後に飲まなければいけないということで、1年間飲み続けると、1人2000万円以上かかるということになります。患者にとっては、スピンラザより利便性が高いということで、有用性加算がついたのはいいことだと思いますが、例えばこれを10年間飲み続けることになりますと、ゾルゲンスマを超える薬剤費ということになります。
本来、指定難病に対する治療薬ということで、費用対効果評価の対象にはならないと思うのですが、ゾルゲンスマが例外的な措置として費用対効果評価のH3を適用することになりました。ということを考慮すれば、ゾルゲンスマと同様に、エブリスディドライシロップにつきましても、どこの価格を取るかというところを考慮すべきなのですが、同じようにH3を適用することが妥当なのではないかと思いますので、意見として述べさせていただきます。
それから、最後のレムデシビルなのですが、これは5月に薬事承認されて、国の買上げによって患者には無償提供されたということなのですが、今回、薬価収載されて、保険給付の対象になるということなのですが、一つ確認しておきたいのは、自己負担分は公費扱いになって、それ以外の部分は今後、保険給付になるということでよろしいのかということと、収載日が8月12日ということになっているのですが、供給や流通の安定を図って収載するということで、保険者としては、大体どれぐらいに金額が発生するのかについて、教えていただきたいと思います。
それから、費用対効果評価のH1に該当するということになっておるのですが、比較対照の薬はどうなるのかを含めて、参考までに教えていただければと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
幸野委員から御意見と御質問がありましたけれども、事務局、お願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
まず、エブリスディドライシロップの費用対効果評価について御意見をいただきました。
御指摘いただきましたとおり、金額等の要件はありますけれども、指定難病に対する治療薬等については、費用対効果評価の対象から除外するというのが現行ルールでございます。一方で、著しく単価が高いものとしまして、ゾルゲンスマなどについては、費用対効果評価が行われているという現状でございます。
御指摘いただきましたエブリスディドライシロップの薬価単価につきましては、90万円を超えるようなもので、1日薬価が6万円となりますけれども、同程度、例えば単価薬価として90万円を超える品目、それから1日薬価として5万円を超える品目でずっと買い続けるような品目は、2019年4月の費用対効果評価の運用開始以降、これまで3品目ほどございまして、それらとの並びを考えますと、今回のエブリスディドライシロップについても、費用対効果評価について、特に行う必要はないと算定組織で御確認いただいた結果でもございます。
H3品目で、特に高いものの取扱いについては、総会の中で御議論いただくものと考えておりますので、もし御意見等がございましたら、お願いできればと思います。
続きまして、レムデシビルについて、2点御質問をいただいております。
まず、保険適用、自己負担等の関係についてですけれども、こちらは薬価収載されて使用されることとなりますので、通常の保険診療と同様となります。そして、自己負担分の取扱いについては、コロナウイルス感染症の療養に関する取扱いということで、それらと同様に取り扱われることとなると承知しておりますので、現状と同様であれば、自己負担は発生しないものとは思います。今後の取扱いによると思います。
それから、費用対効果評価の取扱いについては、今後、専門組織等で御議論いただくものと考えております。
以上でございます。
すみません。1点漏れました。レムデシビルが薬価収載された場合の保険収載等の時期の問題ですけれども、現状では、国から供給しております品目がまだ現場に残っていることから、まずはそちらを優先して使っていただくということで、当面はレムデシビルについての保険の費用は発生しない形でしばらく使われると承知しております。今、時期を見て、薬価収載品に切り替える準備をされていると聞いておりますけれども、その時期や取扱いについては、今後、追って通知等でお示ししていく予定としております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
同じようにエブリスディなのですけれども、資料総-3-1と資料総-3-3に関することなのですが、今回、あくまで例外的に14日を超える薬剤のルールで、制限を設けないこととしてはどうかという提案がございました。例外的にということであって、承認したいとは思いますけれども、エブリスディですが、1瓶が60ミリグラムということになっていて、仮に体重が6キロぐらいの患者ですと40日を超える量になっています。つまり、日本では、医療安全上の問題として、最初のうちは14日程度でしっかりと観察をしながら使うということになっていますので、あくまで例外的なことになります。
コロナ禍で、もともと脊髄性筋萎縮症ということで、頻回の通院がなかなか難しくて、患者の負担が大きいということは理解しますけれども、今後、この製品の製造上の問題として、60ミリではなくて、20ミリとか、もう少しそういったものを製剤としてつくっていただければ、この問題は多少解決されると思いますので、そういった面も含めて製薬会社にきちんと伝えて、日本のルールをしっかりと守るということを基本にしていただきたい。それは患者の安全性に配慮したルールなのだということの理解をもう少し求めていただきたいと思います。
また、その上で、これを例外的に承認するのであれば、例えば患者の年齢あるいは体重をきちんとレセプト上に記載するということをしてはいかがかと思いますけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
○小塩会長
事務局、お願いいたします。
○紀平薬剤管理官
御意見、御質問をいただき、ありがとうございます。
1点目の製剤についてですけれども、本品目につきましては、60mg1瓶となっておりますが、それよりも小さい製剤の開発は、実際に企業で試みられたということでございます。ただ、本品目の有効成分の特性としまして、非常に活性が高くて、小さくすると安定性等の問題が出たということで、実際、供給が難しいということで、今回は困難であったというふうに伺っております。今後も、御指摘を踏まえて、企業にはその旨を伝えていきたいと思います。
2点目につきましては、処方に際しての注意とか、処方した後の取扱い等につきましては、留意事項等でお示しする形で、適正に使われるように留意していきたいと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問等はございますでしょうか。
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
エブリスディドライシロップにつきまして、紀平薬剤管理官から、薬価算定組織では、これを費用対効果の対象としないという方向が出たということなのですが、あくまでH3は、中医協の総会で決めることになっておりますので、ここで意見収集をして結論を出していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○小塩会長
どうしましょう。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
ほかの委員の皆様の御意見にもよるかと思いますけれども、もし今、この場で決めることが難しいということであれば、費用対効果評価の取扱いについては、別途また御意見をいただくということでも差し支えないかとは思いますが、皆様いかがでしょうか。御意見をいただければと思います。
○小塩会長
この件につきまして、ほかに御意見はございますでしょうか。
安藤委員、お手が挙がっています。お願いします。
○安藤委員
ありがとうございます。
H3の取扱いにつきましては、先ほどの幸野委員からのお話にもありましたように、ただ単に1回だけの単価ということだけではなく、その薬を継続的に使用した場合に高額になるものについても考慮するべきと思います。
以上です。
○小塩会長
御意見をいただきました。
1品目めのエブリスディドライシロップ錠の扱いにつきまして、ほかにいかがでしょうか。
城守委員、お手が挙がっています。お願いします。
○城守委員
ありがとうございます。
エブリスディに関しての取扱いですが、今、1号側がおっしゃった内容に関してのことで、もう少し正確なデータ等を事務局からそろえていただいてということで、この場において決定するということはやや早いのではないかと思いますので、事務局として、一定程度資料としてそろえることが可能であるかどうかというのをお聞きしたいと思います。
○小塩会長
この件につきまして、事務局から御回答をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
今御指摘いただきましたとおり、例えばこれまで収載してきた品目について、1日薬価、1つ当たりの薬価もお示ししてきておりますけれども、使い続けた場合の薬剤費などについても併せた形で資料を整理してお示しすることはできると思いますので、少しお時間をいただいて、今後、機会を見て御議論いただくことはできると思っております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
1品目めにつきましては、いろいろと御意見をいただきました。
この品目の費用対効果評価。
まだ御意見があるようです。
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございました。
それでは、我々としては、その資料が出そろって、改めてまた議論をするというふうに考えたいと思います。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、御意見のありました1品目めの費用対効果評価の扱いにつきましては、保留といたしまして、今後、機会を設けて改めて御議論いただくということで、本件の薬価収載については、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
分かりました。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。よろしくお願いいたします。
続きまして「再生医療等製品の保険適用について」を議題といたします。
引き続き、前田委員長より御説明をお願いいたします。
○薬価算定組織前田委員長
薬価算定組織委員長の前田でございます。私から、今回検討いたしました新再生医療等製品の算定結果について御報告いたします。
資料中医協総-4を御覧ください。デリタクト注でございます。
本製品は、悪性神経膠腫を対象とする再生医療等製品です。
本製品は、医薬品の例により算定することとされており、原価計算方式により算定いたしました。
本製品は、市場性加算(Ⅰ)の10%加算の対象と判断しております。
また、本製品は、先駆け審査指定制度の対象となっていることなどから、先駆け審査指定制度加算の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本製品の算定薬価は、1mL1瓶、1,431,918円となりました。
以上で、新再生医療等製品の算定結果について、私からの説明を終わります。
○小塩会長
ありがとうございました。
引き続き、事務局より説明と補足がございましたら、お願いします。
○紀平薬剤管理官
特にございません。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等はないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。本件は、報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○吉田医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
医薬品審査管理課長でございます。
それでは、私から、中医協総-5-1、総-5-2に基づきまして御説明させていただきます。
まず、中医協総-5-1でございますが、フレマネズマブ(遺伝子組換え)の最適使用推進ガイドラインについてでございます。
販売名は、アジョビ皮下注でございますが、これについては、本年6月23日に片頭痛発作の発症抑制という形で製造販売承認されており、その最適使用推進ガイドラインについても、いわゆる薬食審で確認を受けている状況でございますので、御報告するものでございます。
片頭痛発作の発症抑制に対する抗体薬については、既にエムガルティが先行しておりまして、今回、後ほど御説明するものと併せて2剤目、3剤目となるものでございます。
ガイドラインの構成全体については、既存のエムガルティと基本的には同じでございます。
めくっていただきまして、2ページでございます。「はじめに」でございますが、今回のガイドラインにつきましても、いわゆる日本神経学会、日本頭痛学会、日本内科学会、日本脳神経外科学会、日本脳神経血管内治療学会の協力の下、作成させていただいております。
効能・効果、用法・用量は、枠内に記載しておりますが、効能・効果は片頭痛発作の発症抑制、用法・用量につきましては、4週間に1回、それから、本剤については、12週間に1回といった2つの投与間隔での用法・用量という形になってございます。
3ページでございますけれども、本剤の特徴といたしましては、片頭痛患者に多く発現します神経ペプチドでございますが、カルシトニン遺伝子関連ペプチドでございますが、これに結合することで、片頭痛発作の発症を抑制する薬剤でございます。
4ページから、臨床成績をお示ししております。
たくさんございますけれども、最初の4~6ページは、国際共同の第Ⅱ/Ⅲ相試験ですが、慢性片頭痛患者を対象とした臨床試験が実施されておりますが、プラセボとの間でいわゆる4週間当たりの中等度以上の頭痛日数のベースラインからの変化という主要評価項目で有意差を示しているという結果になっております。5ページの表2の結果でございます。
7~9ページは、別の試験でございますが、反復性片頭痛の患者を対象とした臨床試験でございまして、こちらについても、8ページにございますけれども、主要評価項目で有意差を示しているという形でございます。
10~11ページでございますが、今度は慢性片頭痛患者を対象とした臨床試験でございますが、これも10ページの表7でございますけれども、プラセボとの間で有意差を示しているという形になっています。
12~13ページですが、こちらも反復性片頭痛患者を対象とした臨床試験で、こちらでも有意差を示しているという形になっております。
これらの試験について、安全性上は、特段大きな問題は確認されてございません。
16ページからでございますが、施設についてでございます。
まず、本剤の投与については、投与が適切な片頭痛とそれ以外の頭痛との鑑別ができる、それから、重篤な副作用が発現した際に、適切な対応が取れるといったことが重要であるという考え方に立ちまして、いわゆる医師要件としまして、これまでと同様、ここにあるような要件、すなわち頭痛を呈する疾患に対して5年以上の臨床経験があるとか、投与継続の是非を適切に判断できる。
3つ目としましては、日本神経学会、日本頭痛学会、総合内科専門医に限りますが、日本内科学会、それから日本脳神経外科学会のいずれかの専門医であることを規定する形になってございます。
それから、鑑別のためのMRIなどの検査ができる施設がある、あるいはそのような施設と連携が取れるということを施設の要件としているということでございます。
17ページでございますが、投与対象となる患者でございますが、患者要件としましては、国際頭痛分類を参考に、本剤投与が適切と判断される片頭痛であるということが鑑別されている形になっていること。
投与前3か月以上において、1か月当たり平均4日以上の片頭痛があること。
3点目としまして、非薬物療法あるいは急性期治療を適切に行っても日常の生活に支障があること。
4点目としまして、既承認の発症抑制薬を少なくとも1種類検討し、効果不十分などの理由で使用できないといった全ての要件を満たすことを規定しているという形になってございます。
それから、投与継続・中止に関しましては、4週間に1回投与の場合には3回投与、すなわち3か月を目安、12週間に1回投与の場合には1回または2回、すなわち3か月または6か月目を目安に効果判定を行って、改善が認められない場合には投与中止を考慮することという形にしてございます。
最後に、18ページの投与に際しての留意事項としましては、添付文書に記載された主な注意事項を記載させていただいております。
こちらが、最初のアジョビ皮下注についての内容でございます。
続きまして、中医協総-5-2でございますけれども、エレヌマブ(遺伝子組換え)についての最適使用推進ガイドラインでございます。
販売名は、アイモビーグ皮下注でございますが、これも先ほどと同様、6月23日に片頭痛発作の発症抑制という形で承認され、最適使用推進ガイドラインについても確認を受けている形になっております。
ガイドラインの構成等々は、繰り返しになりますが、先ほどのものと基本的には同じでございます。
「はじめに」です。2ページでございますが、こちらの作成に当たっても、先ほどと同様の学会の協力の下、作成しております。
効能・効果、用法・用量の関係で申し上げれば、先ほどと違うところは、こちらについては4週間に1回の皮下投与という形になっているところが先ほどと異なっております。
めくっていただきまして、3ページですが、本剤については、片頭痛に関連する神経ペプチド、同じカルシトニン遺伝子関連ペプチドでございますが、それの受容体のほうに結合する形で片頭痛発作の発症を抑制するところが先ほどの薬剤とは異なっているという特徴がございます。
4ページからでございます。臨床成績は多々ございます。基本的には、同じような成績が出ておりますが、まずは4~8ページについては、国内の第Ⅱ相ということで、日本人の反復性片頭痛患者を対象とした臨床試験が行われ、プラセボとの有意差が示されていると5ページの表1に示されてございます。
9~10ページは、国内の第Ⅲ相で、今度は日本人の反復性片頭痛、慢性片頭痛患者を対象とした臨床試験成績でございますけれども、こちらについても、主要評価項目で有意差を示せたということで、10ページの表3に結果を示しております。
安全性の面で、こちらが特徴的なのは、11ページにございますが、上咽頭炎、背部痛のほか、便秘などの有害事象が認められているところが少し特徴的でございますが、安全性に特段大きな問題はないという結果でございます。
12ページから、施設要件等々ございますが、施設要件については、基本的に先ほどの薬剤と同じ形になってございます。
13ページが、投与対象となる患者あるいはその後の投与継続・中止の可否についてでございますが、基本的には先ほどと同じ形になってございますが、違うところとしましては、継続中止のところが、本剤投与開始3か月目を目安に評価するということが先ほどとは異なっている形でございます。
最後に、投与に際しての留意すべき事項ですけれども、こちらについては、3点目のところで重篤な合併症を伴う便秘が現れるということで注意が必要ですということが、特に注意事項で入ってございますが、それ以外は、基本的に先ほどと同じでございます。
以上、資料総-5-1、資料総-5-2についての御説明は以上でございます。よろしくお願いします。
○河野医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長
続きまして、医療機器審査管理課長でございますが、資料総-5-3に基づきまして、再生医療等製品デリタクト注の最適使用推進ガイドライン案につきまして、御説明申し上げたいと思います。
2ページを御覧ください。真ん中ぐらいのところに記載がございますが、このガイドラインにつきましては、日本脳神経外科学会など関係5学会の協力の下で作成してございます。
同じく2ページの枠囲いの部分でございますが、ここには本剤の効能・効果または用法・用量、使用方法についての記載がございます。
4ページを御覧いただきますと、本品に関します臨床成績に関しての記載がございます。
4ページで、まず、有効性につきまして、本品の臨床試験成績として、膠芽腫患者を対象とした国内第Ⅱ相試験について、主要評価項目とされました1年生存期間の割合が、中間解析の対象とされた13例におきまして、92.3%であったことなどが示されております。
また、安全性につきましては、飛びまして7ページになりますが、本品の使用時に特に注意を要する有害事象として発熱、脳浮腫、血球減少、けいれん発作、出血、感染症等が認められておるということが記載されております。
続きまして、具体的な施設基準等についての御説明を申し上げます。
9ページを御覧ください。9ページに施設基準等についての記載がございます。
まず、施設につきましては、1-1の(1)~(3)の全てに該当することを求めております。
(1)で、悪性神経膠腫の診断・治療及び脳神経外科手術手技に十分な知識、技術、経験を持つ医師が常勤しており、不具合・副作用等への対応が可能な施設体制が整っていると考えられる施設として、特定機能病院であることなど、4つのいずれかに該当することを求めてございます。
(2)は、本品の遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律、いわゆるカルタヘナ法第一種使用規程を遵守し、適切に取り扱うための要件でございます。
(3)は、本品の承認後に予定されてございます全例調査を適切に行うための要件でございます。
次に、1-2でございますが、使用していただく医師についてでございます。こちらは、悪性神経膠腫の診断・治療及び不具合・副作用発現時の対応並びに脳神経外科手技に十分な知識と経験を有し、さらに製造販売業者が実施する本品の使用に関する講習を修了した医師が、治療の責任者として配置されていることなどを要件として求めてございます。
具体的には、脳腫瘍に関する十分な臨床経験を有することなど、日本脳神経外科学会専門医の要件に相当する臨床経験等を有すること。本品の投与手技であるナビゲーション下生検術を含む定位脳手術の実績が5例以上あることなどを求めてございます。
11ページを御覧ください。投与の対象となる患者についての記載がございます。
患者選択につきましては、1で本品の臨床試験の対象患者及び臨床試験の内容を熟知し、リスクベネフィットを検討して、慎重に投与対象を選択することとしています。
2におきましては、本品の対象とならない患者及び使用方法を記載しています。
具体的には、1ポツ目、放射線治療及びテモゾロミドの治療歴のない患者。
2ポツ目、前治療実施後に腫瘍の残存または再発が確認されていない悪性腫瘍患者。
6ポツ目になりますと、脳の中でも小脳や脳幹部を含むテント下と呼ばれる部分の病変については、臨床成績がなく、投与手技に伴う合併症等のリスクが高いことから、投与対象外としてございます。
なお、この部位への投与につきましては、製造販売後、臨床試験において有効性及び安全性のさらなる評価が行われる予定でございます。
13ページでございますが、投与に際して留意すべき事項を記載してございます。ここでは、不具合・副作用へのマネジメント等、添付文書の重要な基本的注意の欄を基に、本品を投与する際の留意事項を記載してございます。
さらに、1では、添付文書に加え、製造販売業者が提供する資材等に基づき、本品の情報を十分に理解してから本品を使用すること。
2では、本品に関する臨床試験成績は限られていること並びにそれを踏まえた条件及び期限付承認であること、本品投与のためには、最大6回の定位脳手術等が必要となることのリスクを含めた、本品の正確な情報について、文書を用いて患者またはその御家族へ説明し、同意を得てから投与することなどを求めてございます。
私からの説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
引き続き、事務局から補足の説明等がございましたら、よろしくお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-5-4を御覧ください。保険適用上の留意事項についてでございます。先ほど御説明いたしました最適使用推進ガイドラインに基づきます保険適用上の留意事項についてでございます。
1ページ目の「3.留意事項の内容」としまして、(1)の共通事項としまして、最適使用推進ガイドラインに従って使用することを記載いたします。
2ページ目を御覧ください。診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項でございます。
まず、アジョビ皮下注についてです。4点ございます。
1が、治療責任者の要件としまして、医師要件。
2が、投与開始前における片頭痛の日数の平均。
3が、患者要件。
4が、投与継続に際しての効果判定の結果についてでございます。
3ページ目を御覧ください。アイモビーグ皮下注についてでございます。こちらも同様でございます。
1が、治療責任者の要件とする医師要件。
2が、投与開始前における片頭痛日数の平均。
3が、患者要件。
4が、投与継続に際しての効果判定の結果となります。
4ページ目を御覧ください。デリタクト注についてでございます。
1としまして、医療施設の要件。
2としまして、治療責任者の要件。
3としまして、患者のそれぞれ対象となる旨の記載をいただくことといたします。
これらにつきまして、発出につきましては8月11日付、適用は8月12日付を予定しております。
以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、特に御質問等はないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」「在宅自己注射について」を一括して議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
資料総-6でございます。DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応でございます。定例の議題でございます。
新規に薬価収載された医薬品につきましては、DPC/PDPSにおける診療報酬点数表に反映されていないことから、一定の基準に該当する医薬品等を使用した患者については、包括評価の対象外とし、次期診療報酬改定までの間、出来高算定するということとなっております。
基本的な考え方については、総-6参考につけております。
今回、効能・効果が追加された医薬品、新規に薬価収載される医薬品などについて判定を行い、2の一覧に示しております医薬品については、対応する診断群分類において基準に該当しておりましたので、出来高算定としてはどうかという提案でございます。
続きまして、6ページ目の3でございますが、こちらは類似薬効比較方式で薬価が設定された医薬品で、その類似薬に特化した診断群分類が既に設定されているものが挙げられております。この診断群分類に、新規の医薬品についても反映してはどうかという提案でございます。
次に、資料総-7でございます。在宅自己注射指導管理料の対象薬剤の追加についてでございます。
今回御提案させていただく薬剤は3剤でございます。
1剤目は、オマリズマブです。
この薬剤は、気管支喘息、季節性アレルギー性鼻炎、特発性の慢性蕁麻疹に対して使用する薬剤でございます。
総-7参考2に現在の運用基準がございます。
2ページ目の「2.対象への追加時期」の(3)の新医薬品以外の医薬品につきまして、新型コロナウイルス感染症が拡大している現状において、薬価収載の時期に合わせて追加することを検討することを昨年12月23日に御承認いただいております。
今回、総-7参考1-1から1-3のとおり、この改正の後に学会から要望書が提出されております。
総-7参考1-2にございますとおり、季節性アレルギー性鼻炎につきましては、現時点では最適使用推進ガイドライン上、スギ花粉に使用が限定されており、スギ花粉飛散時期の短期間しか使用されないこと及び季節性アレルギー性鼻炎の十分な治療経験が蓄積されていない旨の意見が提出されておりますことから、総-7の○の2つ目でございます。効能・効果毎の関係学会からの意見を踏まえ、気管支喘息または特発性の慢性蕁麻疹の治療のために使用する場合に限って対象とし、季節性アレルギー性鼻炎の治療のために使用する場合は対象としないこととしてはどうかとの御提案でございます。
2剤目は、サトラリズマブです。
この薬剤は、視神経脊髄炎スペクトラム障害の再発予防に対し使用する薬剤です。
投与間隔が2~4週間に1回とされている薬剤であり、今回、14日を超える投薬が可能になるため、在宅自己注射指導管理料の対象薬剤に追加してはどうかという提案でございます。
3剤目は、テデュグルチドです。
この薬剤は、短腸症候群に対し使用する薬剤でございます。
投与間隔が1日に1回とされている薬剤であり、在宅自己注射指導管理料の対象薬剤に追加してはどうかという提案でございます。
事務局からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、特に御質問等はないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「歯科医療(その1)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○宮原歯科医療管理官
歯科医療管理官でございます。資料は、総-8「歯科医療(その1)」でございます。
2ページ目ですが、まず、歯科医療を取り巻く状況、続いて、歯科医療に係る診療報酬上の評価等について御説明させていただきます。
4ページ目は、医療施設数の年次推移です。
5ページ目には、歯科を標榜する病院数の年次推移を示しております。
特に、歯科を標榜する病院数については、「歯科口腔外科」の標榜施設数は増加傾向、「歯科」を標榜する施設数は減少傾向となっています。「歯科」については、病院総数に対して約15%、「歯科口腔外科」は12%という状況になっています。
6ページ目には、歯科医師数及びそのうち医療施設への従事者数の年次推移を示しております。
7ページ目には、歯科診療所の従事者数の推移を示しており、従事者数が5人以下の小規模事業所の形態となっている状況であります。
8ページ目には、歯科診療所の推計患者数の年次推移を示しており、平成23年頃から横ばい傾向となっています。
9ページ目以降は、口腔の健康状態等に関するものとなります。
まず、9ページ目についてですが、3歳児、12歳児の1人平均う歯数、これはむし歯の本数、また、う蝕有病率、これはむし歯を有する者の割合となりますが、これらの年次推移を示しており、いずれも減少傾向にあります。
10ページ目には、年齢階級別のう蝕有病率の年次推移を示しており、赤い線で四角囲みの部分ですが、年齢が高くなるとともに、う蝕の有病者率は高くなってくる傾向がみられます。
11ページ目ですが、全ての年齢階級で20歯以上を有する者の割合は増加しており、平成28年度においては、80歳で20本を有する者の割合、いわゆる8020達成者は5割を超えている状況となっています。
12ページ目には、歯周病の罹患状況の推移を示しております。成人の約7割が歯周病に罹患している状況となっています。
13ページ目に、年齢階級別の抜歯数を示しており、抜歯の原因で最も多いものが歯周病、次いでう蝕、破折という順になっています。また、抜歯が最も多い年代が65~69歳になっています。
14ページ目は、年齢階級別の推計患者数の年次推移であり、平成29年時点で歯科診療所の約5割が高齢者になっているという状況です。
15ページ目は、歯科傷病分類別の推計患者数です。う蝕、むし歯のことですが、その全体の推計患者数は減少しておりますが、65歳以上のう蝕は増加しています。また、慢性歯周炎については、全体として増加しており、特に65歳以上の増加が顕著となっています。
16ページ目には、診療内容別の外来受療率ということで、う蝕、歯周病、歯の欠損に対する治療のことですが、歯の補綴といった外来受療率は、75歳以上から受療率が減少してくる状況となっています。
17ページ目には、年齢階級別歯科疾患に関する有訴者率を示しており、かみにくいとの有訴者率が年齢とともに高くなってくるという状況等を示しております。
要介護高齢者の歯科医療の必要性等に関する調査を18ページ目、19ページ目で紹介しております。
18ページ目では、歯科医療や口腔健康管理が必要であった高齢者は64.3%でしたが、そのうち過去1年以内に歯科診療を受療していた者が2.4%であったとの調査結果や、19ページ目は、約7割が「歯科治療の必要性あり」または「早急な対応が必要」であったというデータを紹介しています。
20ページ目には、高齢者の口腔機能の状況を示しています。
21ページ目以降は、歯科医療費に関する資料となります。
まず、22ページ目ですが、歯科診療医療費は約3兆円弱となっており、近年は増加傾向にあります。他方、国民医療費に占める歯科診療医療費の割合は、約7%弱という状況となっています。
23ページ目には、年齢階級別の推移を示しております。
24ページ目は、診療行為別に見たレセプト1件当たりの平均点数ということで、平成22年と令和元年度の診療行為別で比較したものを示しております。各年齢階級とも歯冠修復及び欠損補綴の減少が特に大きくなっています。また、75歳以上について着目しますと、在宅医療が増加している状況がございます。
25ページ目には、歯科治療の需要の将来予想ということで、これは何度か中医協でもお示ししている資料でございまして、将来的には治療中心型から口腔機能の維持・回復にだんだんシフトしていくであろうという状況を示しております。
26ページ目には、令和2年度の診療報酬改定のポイントを示しております。
27ページ目以降ですが、これから歯科医療に係る診療報酬上の評価ということで、幾つかにテーマ分けして御説明させていただきます。
1つ目は、地域包括ケアシステムの推進ということで、かかりつけ歯科医機能の評価、医科歯科連携等の推進ということで、資料を準備させていただいております。
28ページ目でございますが、2017年に日本歯科医師会から「かかりつけ歯科医とは」「かかりつけ歯科医が担う役割」についてまとめられておりますので、それを紹介させていただいております。
29ページ目には、厚生労働省で平成29年12月に歯科保健医療ビジョンを策定しております。高齢化の進展や歯科保健医療の需要の変化を踏まえた、これからの歯科保健医療の提供体制等についてあるべき姿を提言したもので、30ページ目以降に、その大きな3つのポイントを示しております。
30ページ目に、地域包括ケアシステムにおける歯科医療機関等の役割を示しております。
31ページ目は、あるべき歯科医師像とかかりつけ歯科医の機能・役割を示しており、例えば、重症化予防や口腔機能に着目した歯科医療の提供、医療関係者、介護関係者との情報共有がより可能となる連携体制の確保について示されております。
その中で、32ページ目でかかりつけ歯科医機能の評価の充実という視点で整理させていただいておりまして、例えば診療報酬上の評価については、33ページ目のかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所として評価をさせていただいております。33ページ目には、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準と診療報酬上の評価、届出医療機関数の推移を示しております。
34ページ目は、歯科保健医療ビジョンの概要の3つ目ですが、具体的な医科歯科連携方策と歯科疾患の予防策ということで、例えばがんや脳卒中患者に対する口腔管理等の推進等が示されております。
35~40ページ目までは、医科歯科連携の一つの評価項目ということで、周術期等口腔機能管理がございますが、それぞれの場面において、どのような診療の流れになるのか、どういった評価項目があるのかを示しております。
例えば35ページ目では、医科で手術を行う場合のイメージを示しております。
36ページ目では、手術前に化学療法を実施する場合の周術期等口腔機能管理のイメージを示しております。
37ページ目には、歯科の標榜がない病院での化学療法を実施する場合のイメージを示しております。
38ページ目に、R2年度の診療報酬改定で周術期等口腔機能管理における医科歯科連携の推進を図る観点から、評価項目の新たな評価が行われているということで、それを紹介させていただいております。
具体的には、真ん中の右側の「改定後」に記載しておりますが、注15の歯科医療連携加算2の新設を紹介させていただいております。
39ページ目に、周術期等口腔機能管理として、周術期等口腔機能管理料(Ⅲ)の評価の見直し、あるいは周術期等専門的口腔衛生処置の見直しといった対応を紹介させていただいております。
また、40ページ目に、周術期等口腔機能管理関連項目の算定状況の年次推移をお示ししております。
41ページ目には、多職種連携を推進する観点から、小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料において、栄養サポートチーム等連携加算を設定するといった見直しについて、紹介させていただいております。
42ページ目でございますが、医政局で行われているICTを活用した医科歯科連携に係る検証事業について紹介しております。
具体的には、事業概要のイメージとしまして、歯科標榜のない病院や介護施設において、オンライン診療を活用した口腔機能管理等に関するモデル事業を実施し、効果的・効率的な歯科専門職の介入方法について検証等を行う事業について紹介しております。
43ページ目には、いわゆる骨太の方針2021における歯科関連の記載を抜粋しております。
44ページ目以降につきましては、安心・安全で質の高い歯科医療の推進に関する資料となります。
45ページ目でございますが、歯科外来診療の特徴、例えば外来診療時に使用する患者ごとに交換・滅菌が必要な器械・器具の例をお示ししておりまして、46ページ目には、歯科医療機関における一般的な標準予防策について、そのリスク分類に応じてどのような処理が行われているのかを示しております。
47ページ目には、歯科初診料、再診料の院内感染対策に関する届出の状況や、関連して令和2年度診療報酬改定における見直しが行われておりますので、その紹介をさせていただいております。それも含めまして、歯科初診料とその加算の構造について48ページ目に示しております。
49ページ目には、歯科再診料とその加算について、分かりやすいよう図で示させていただいております。
50ページ目には、日本歯科医師会で令和2年8月に新たな感染症を踏まえた歯科診療ガイドラインがまとめられておりますので、それについて紹介させていただいております。
例えば、手袋、ゴーグルまたはフェースシールドにおける使用の徹底や、患者の治療開始前の消毒薬による含嗽等の内容が記載されています。
51ページ目、52ページ目には、新型コロナウイルス感染症を踏まえた診療に係る特例的な対応、それから小児に対する感染症の特殊性を前提とした対策を実施するといった対応について示させていただいております。
53ページ目でございますが、歯科の外来診療の特性を踏まえた、患者にとって安全で安心できる外来診療の環境の整備を図るものとして、歯科外来環境体制加算がございますが、その施設基準や届出医療機関数等について紹介させていただいております。
また、下段には、歯科外来診療環境体制加算の届出医療機関数の推移とか、加算の評価体系の推移といったものを示させていただいております。
54ページ目以降が、生活の質に配慮した歯科医療の推進に関する資料となります。
55ページ目でございますが、歯科疾患管理料とその加算の内容、評価について紹介しております。
56ページ目以降につきましては、歯周病に関する評価に関する資料となります。
57ページ目につきましては、歯周病に関する評価のうち、歯周病安定期治療(Ⅰ)及び(Ⅱ)の算定状況等を紹介させていただいております。
それから、58ページ目でございますが、令和2年度で新設されました、歯周病の重症化予防の推進関連となります。これは、歯周病の重症化が進んだ状態ではなく、比較的軽症な段階から重症化を予防するための治療について、新たな評価が設けられていることの紹介となります。
59ページ目以降は、う蝕関連の資料となります。医政局において「歯科口腔保健の推進に係るう蝕対策ワーキンググループ」の報告書が取りまとめられておりまして、4つ目の○でございますが、う蝕は進行を抑制することが相当程度可能な疾患であることから、全てのライフステージを通して、患者の状況に応じた歯科医療機関におけるう蝕の予防・重症化予防のための指導管理等が求められるといった記載等を紹介させていただいております。
60ページ目につきましては、フッ化物を応用したう蝕の重症化予防を評価している項目をまとめております。
61ページ目は、加齢による口腔機能の変化のイメージを示しており、これは過去に何度か中医協で紹介させていただいた資料でございます。乳幼児期・学齢期、高齢期における介入の必要性についてイメージとして示しており、成人期についても、必要であるとの指摘がなされている状況でございます。
62ページ目には、乳歯萌出前の乳幼児における口腔や食事指導の必要性について示したものです。
63ページ目以降で、口腔機能管理関係と、1つ目は、小児口腔機能管理料についての紹介となります。
それから、64ページ目で、日本老年歯科医学会から、口腔機能低下症についての診断基準や病態等についてまとめた資料を紹介しております。
65ページ目には、そうした診断基準等も踏まえまして、実際に口腔機能管理料として評価をしており、その項目の内容、算定回数等を紹介させていただいております。
66ページ目は、話が変わりまして、近年、診療報酬改定において導入された歯科関連の主な新規技術について、歯科点数表の部ごとにまとめさせていただいたものでございます。
67ページ目以降につきましては、歯科用貴金属の代替材料の関連についてのもので、近年、歯科用貴金属の代替となり得る材料について保険適用となっているものがございますが、その用途範囲は限定的であり、歯科用貴金属を用いる技術で全てカバーされている状況とはなっていない状況です。左側が歯科用貴金属を用いられる技術の主なもの、その隣にその代替となるようなもので保険適用となっているものを対比する形でお示ししております。
その中の一つとして、68ページ目でございますが、歯科用貴金属の代替材料にCAD/CAM冠がございまして、その技術の紹介をしております。
69ページ目は、7月21日の中医協でもお示ししましたが、小臼歯におけるCAD/CAM冠と全部金属冠の算定回数を年次推移で比較したものとなっております。
それから、先進医療技術からも金属代替材料として技術が導入されておりますので、それについては70ページ目で、高強度硬質レジンブリッジということで紹介をさせていただいております。
また、これは先進医療からも導入された技術でございますが、71ページ目、72ページ目に、広範囲顎骨支持型補綴として、やや大がかりな歯科の技術を紹介させていただいております。
73ページ目でございますが、こうした現状や課題等を踏まえた論点を下段に4つ挙げさせていただいております。
1つ目は、地域包括ケアシステムを推進する観点から、かかりつけ歯科医に求められる機能や、医科歯科連携等の他職種連携を推進するために、どのような対応が考えられるのか。
2つ目は、先ほど資料の45ページ目以降にございましたが、歯科外来診療における感染防止対策等について、どのように考えるのか。
3つ目ですが、口腔疾患の重症化予防や口腔機能の管理を推進する観点からの対応についてどのように考えるか。
4つ目でございますが、歯科固有の技術の評価について、引き続き、生活の質に配慮した歯科医療の提供等を推進する観点から、どのような対応が考えられるか。
これらを論点として挙げさせていただいており、ご意見等を頂戴できればと考えております。
以上でございます。
○小塩会長
御説明どうもありがとうございました。
本日は、次期診療報酬改定に向けた議論のキックオフということですので、改定に向けて検討すべき論点等につきまして、委員の方々から様々な御意見を頂戴できればと思っております。
それでは、ただいまの説明も踏まえまして、御意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。
林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。論点に沿って意見と要望を発言いたします。
1点目のかかりつけ歯科医に求められる機能や医科歯科連携等、他職種連携の推進についてでございます。
資料の28ページで、日本歯科医師会の定義も示しておりますが、かかりつけ歯科医は、地域住民の生涯にわたる口腔機能の維持・向上を目指し、全てのライフステージに応じた継続管理や重症化予防のための適切な医療及び指導を行っております。また、地域における医科歯科連携や他職種連携についても推進しているところでございます。
国民が生涯にわたり、自分の歯で食事ができることは、健康寿命延伸にも寄与するといった様々なデータも出てきておりまして、全世代における健診・治療・継続管理が一体となった仕組みづくりは重要と考えております。かかりつけ歯科医による口腔疾患の重症化予防や口腔健康管理の取組がより推進されるよう、引き続きよろしくお願いしたいと思っております。
次に、資料の35ページからの平成24年度から行っております周術期等口腔機能管理に関しましても、病院併設の歯科が2割と少ない上、地域の歯科診療所が参加できる機会もまだまだ少ないという認識でございますので、さらに推進できるよう検討いただきたいと考えております。
また、周術期等のみならず、医科歯科連携の推進として糖尿病連携や摂食嚥下等に取り組んでいただいており、こちらも様々な方策を実施しているところではございますが、まだまだ紹介や情報共有が進んでいない地域も多いと聞いております。前回改定でも幾つかの方策を取り入れていただいておりますが、それらの評価や新たな方策も含めて、今後お示しいただきたいと思っております。
加えまして、資料の42ページですが、歯科標榜のない病院や介護施設においてICTを活用した口腔機能管理並びに要介護高齢者等の受診困難者の増加などの地域の状況に応じたICTの利活用は、検証事業等を踏まえ、好事例に関しては、新たな仕組みとして推進していくべきと考えております。
次に、2点目の感染防止対策等についてでございます。
資料の50ページには、日本歯科医師会作成の新たな感染症を踏まえた歯科診療ガイドラインが掲載されておりますが、歯科におきましては、COVID-19以前からも観血的処置が多いことなどを踏まえ、スタンダードプリコーションを徹底してまいりました。このたびのコロナ感染症対策では、さらに予約間隔の調整や歯科用ユニットの消毒やラッピング、処置前後の消毒液での含嗽などの徹底を図っているところでございます。医科、調剤とともに、現在のコロナ特例対応を維持・継続するとともに、今後、さらなる検討をお願いしたく思っております。
3点目の口腔疾患の重症化予防や口腔機能の管理を推進するための方策でございます。
資料の58ページですが、前回、軽度な歯周病を含めた長期継続管理といった仕組みも一部導入していただきました。国民が生涯にわたり、自分の歯で食事ができることは、健康寿命延伸にも寄与することは冒頭に申しました。
資料の59ページにありますように、歯周病のみならず、昨今増えてきている歯根破折の要因につながる根面齲蝕を含め、成人期以降の齲蝕にも継続管理できるような仕組みも必要と考えております。
次に、資料の61ページですが、平成30年度にこれまでの齲蝕、歯周病の病名以外に、口腔機能低下症、口腔機能発達不全症という機能面を評価した病名が新設されました。取組はまだまだ緒に就いたばかりの段階ではございますが、国民の健康寿命の延伸に資する口腔機能の管理がさらに充実されるよう、引き続き対応をお願いしたいと考えております。
具体的には、高齢期以外でも、ある一定の割合で早期から口腔機能が落ちる方もいらっしゃり、今のままではカバーされていない年齢層がございます。加えて、乳幼児期・学童期以降でも途切れることなく継続的な管理ができるよう配慮いただきたく、御検討をよろしくお願いいたします。
最後に、4点目の歯科固有の技術についてです。
新技術の活用は、非常に注目しているところでございます。資料の67ページですが、前回中医協でも議論のあった金パラへの対応も含め、歯科用貴金属の代替材料については、CAD/CAM冠等、保険適用を行ってきていただいてはおりますが、その範囲は限定的で、歯科用貴金属を用いる技術を全てカバーされておらず、引き続き代替材料、代替技術の推進をお願いいたします。
また、口腔バイオフィルムや唾液等に着目した新しい検査方法を導入することで、口腔の状況を分かりやすく客観的に提示し、治療の成果にも寄与できると考えております。そのような視点を持って、様々に御検討いただきたいと思います。
細かい部分はほかにもございますが、結論といたしまして、大きな方向については、御提示いただいた資料に沿って行っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに御意見等はございますでしょうか。
有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。論点にあります歯科と他職種連携の推進について、少し発言をさせていただきたいと思います。
歯科医師と薬剤師、あるいは歯科診療所と薬局の連携の推進も重要な視点であると考えます。歯科の院内処方における薬の飲み合わせの確認であったり、歯科における麻酔や抜歯等の処置あるいは歯科診療を行う上で、他の診療科から処方され、定期的に服用する薬剤の中止であったり、調整であったりといったものは、医科とともに連携を推進していかなければならないものと考えておりまして、お薬手帳などの情報連携は非常に有効なものと考えます。歯薬分業あるいは歯薬連携の観点も加えた連携の在り方について議論していくことが必要と考えます。
また、在宅における歯科との連携も重要な視点であると考えますが、この点については、在宅の議論の際に改めて発言させていただければと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。私からは質問をしたいと思っております。
患者の歯科医療機関間の情報連携について、例えば転居や単身赴任など、何らかの事情で、これまで治療を受けていた歯科医療機関から、県外を含めて別の医療機関を受診することになったときに、それまでの治療情報についての情報連携が歯科医療機関の間でどれほど進んでいるのかということをお伺いしたいと思います。後日の回答となるのであれば、それでも構いませんので、教えていただきたいと思っております。
歯科治療の技術が日々向上していることが理由だと思いますが、それまでの治療部分が否定というか、治療をやり直されるということを、私も経験しておりますので、情報連携の状況についてお伺いしたいと思っております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
今、御質問をいただきましたけれども、後でまとめて事務局から御回答をいただきたいと思います。
続きまして、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
資料の47ページからの院内感染対策につきましては、過去の改定で初診料、再診料の引上げにより評価を行ってきた経緯がございます。前回改定時の議論でも、1号側から指摘しましたとおり、院内感染対策は、医療機関が行う本来の責務であり、基本診療料の上乗せではなく、研修や教育の充実で対応すべきものと考えていることを改めて申し上げます。
また、新型コロナウイルス感染症を踏まえた診療に係る特例的な対応につきましては、十分な根拠や議論がないままに決定されてきた経緯もあり、しっかりとした効果検証が必要であることを改めて強調させていただきます。
歯科医療の今後の方向性につきましては、資料にも説明がありますように、治療中心型から、特に高齢者を中心とした治療・管理・連携型へのシフトが今後さらに求められるものと考えております。
このニーズの変化に応えるためには、地域包括ケア、地域連携に資する歯科医療を評価することが重要であり、そのような趣旨で、33ページのかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所を評価してきているものと認識しております。施設基準等の具体的な要件が趣旨に沿ったものとなっているのかなど、改めてその趣旨、目的に立ち返り、見直しを行うことが必要であると考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私は方向性として、特に口腔ケアの維持・回復ということに対しては、地域医療あるいは介護という面からいっても、今後、ぜひ進めていただきたい点だと非常に思います。
一方で、先ほど安藤委員からもありましたように、33ページにありますように、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所は1万ぐらい届出があるということですけれども、全体では多分、6万5000ぐらいの医療機関数だと思いますが、まだ10%ちょっとということになりますので、正直、私自身も地域でどこの歯科診療所がかかりつけ機能を担って口腔ケアをしっかりとやっていらっしゃるかが見えないところもあります。これは林委員にお聞きしたほうがいいかもしれませんけれども、その辺は、もう少しそういう情報が明るみに出るように、広く伝わるような方策も必要ではないかと感じました。
1点事務局にお聞きしたいのは、例えば医科でいえば、情報提供料が医科同士の連携の中でかなりしっかりと算定できるようになっていますが、例えば歯科から口腔機能の情報を医科の診療所・病院等に提供することに対しての情報提供料は、算定を自由にできるようになっているのかどうか。私自身、恥ずかしながら、歯科からそういう情報の連絡をいただいたことがあまりないもので、そういうことがもう少し進むとよりいいのではないか。
そして、特に介護施設あるいはデイサービスといったところに通っているところにもそういう情報をあげることによって、口腔機能は全体で見なければいけない、歯科だけではなくて、嚥下等のリハビリも含めて見なければいけないことだと思いますので、そういうことができるような仕組みが何か必要ではないかと感じましたので、事務局からお答えいただけるか、林委員からお答えいただけるか分かりませんけれども、ちょっと感じたことを話させていただきました。ありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございます。
御質問がありましたけれども、これにつきましても、後で事務局より御回答いただきたいと思います。
続きまして、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
論点に沿いまして、保険者の立場から意見を申し上げたいと思います。
1つ目の論点のかかりつけ歯科医機能への対応なのですが、地域包括ケアシステムの推進に当たりましては、本来であれば、全ての歯科診療所がかかりつけ歯科医機能を持つことが理想と思われるのですが、まずは、診療報酬において差別化されている、先ほどから出ておりますかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所、いわゆるか強診なのですが、か強診が、地域包括ケアシステムの中で中心となる役割を先陣となってやっていくべきだと思います。
か強診は、今、池端委員もおっしゃいましたが、令和元年には約1万件が届けられているのですが、残念ながら、国民への見える化はされていないのが現状だと考えています。以前より、か強診に差別化したプレミアム価格の点数設計を行うことにつきましては、従来からずっと反対してきたのですが、これを継続するのであれば、か強診がもっと地域包括ケアシステムの中で中心となる役割を果たすような施設基準に変えていくべきだと思います。
具体的には、33ページに施設基準が出ているのですが、継続的な口腔管理とかには実績要件が設けられているのですが、在宅医療の要件が年間5回、あるいは地域の他の医療機関との連携についての実績要件が示されていないところがあります。在宅とか医科歯科連携、地域との連携については、まず、か強診が担っていただく必要があるのではないかと思っていますので、ここについては、施設基準の見直しが必要なのではないかと思っております。
2つ目の歯科外来における感染防止についてなのですが、これも安藤委員からいろいろと御意見が出ましたが、前回改定を経験した私におきましても、歯科の感染防止については、十分な診療報酬上の対応が行われたと思っています。
前回改定では、47ページのとおり、院内感染防止のために、初診料と再診料が引き上げられたにもかかわらず、今年も4月より、さらに感染対策として初・再診料に5点が加算されたということになったのですが、歯科については、前回改定で対応していることが要件になっておるというのは、非常に重複した算定になっていると思っています。
歯科では、前回改定で職員研修が要件になっているのですが、今回の4月も、同じ職員研修が要件になっているということで、全て対応できているはずなのに、こういった対応がなされているということについては、非常に疑問を持っています。4月から措置された感染対策実施加算の延長、それから基本診療料への包括については、いずれについても明確に反対していきたいと思います。
3つ目の○の口腔疾患の重症化予防や口腔機能の管理への対応なのですが、確かに歯科治療については、以前と違って予防が進んで、う蝕自体が減少しているということで、少子高齢化により、25ページにあるとおり、治療中心型から治療・管理・連携型へと変わりつつあって、これがさらに進展していくことが想定されます。
口腔疾患の重症化予防や口腔機能の管理を評価する方向に異論はないのですが、治療と予防の境界線が少し曖昧になっているのではないかという感触を覚えております。例えば歯周病安定治療は、一連の治療の終了後の安定した状態にある処置なんかも含まれております。
今後も、このような高齢者の口腔管理が必要となってくると思われますが、あくまで疾病の治療が前提である保険診療を前提にしていくということに留意する必要があると思っております。
最後の論点なのですが、歯科固有の技術については、安全性・有効性のあるもの、あるいはICTを活用したものについては、保険診療としてしっかりと評価していくべきだと思われるのですが、一方、従来からある一定の役割を果たした技術もまだ残っているのではないかと思います。そういったものについては、保険診療からの除外も同時に検討していくべきだと思います。
また、昨今、金価格の高騰により、材料価格も上がっているという状況が前回以降、議論されていますが、安全性・有効性が確認され、コストメリットもあるものということが確認できれば、CAD/CAM冠とかの金属以外でも代替し得る技術を保険適用するということについては否定するものではありません。そういったことを考えていくべきだと思います。
それから、論点にはないのですが、いつもこだわっている歯科疾患管理料なのですが、これについては、前回改定で初診時の評価が引き下げられたのですが、逆に長期管理の評価が引き上げられました。これについては、コロナの影響があるにしても、改定後の実態がどうなっているのかというのを検証部会でしっかりと検証して、必要があれば適正化を図っていくべきだと思います。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
小児の口腔機能管理の件で、小さい頃から歯医者さんに診てもらって、口の中の健康を維持するのは非常に大事だと私も思っていますので、これは進めていっていただきたいのですけれども、歯科の矯正の治療がまだまだ自由診療であるということが多く見られていて、実際、矯正治療をしたほうがいいという状態の子も、親御さんによってはお金がないので治療できないということもあります。
子供の頃にきちんと歯列とかかみ合わせを矯正することによって、大人になってからも歯の健康を維持するということは非常に重要というか、できると思いますので、なるべく矯正治療を保険でできるようにしていっていただきたいと思います。これは矯正をした経験のある人たちからデータを取って、矯正は有効なのだということが分かれば、保険適用を拡大していく必要があるのかなと。
15歳未満の子供に対する管理料ということではありますけれども、矯正というか、歯の成長、口の成長は、15歳以上も成長するわけであって、成人ぐらいまでは管理が必要と思いますので、その辺りも検討していっていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
林委員から追加のコメントがあるかと思います。よろしくお願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。事務局から回答をしていただく前に、こちらから付け加えて御発言させていただきたいと思います。
まず、かかりつけ歯科医についてということで御質問をいただいておりますけれども、患者目線で見るかかりつけ歯科医は分かりやすくなっておりますが、そのかかりつけ歯科医が、いわゆるかかりつけ歯科医機能強化型の施設基準であるかどうかといったものに関しましては、確かに分かりにくいところはございます。そういった意味も含めまして、医療機能の情報システムとかそういったものが国民の目につくような御案内ができるように、これからも推進していきたいと思っております。
かかりつけ歯科医というものは、先ほど資料でお示ししております28ページにございますが、地域住民の生涯にわたる口腔機能の維持・向上を目指して、ライフステージに応じて継続管理や重症化予防をしっかりとやっているのだといったところは、かかりつけ歯科医皆が共有しているところではございますが、それを強化する意味合いも含めて、施設基準を立てつけていただいていると理解しております。何が障害になって推進できないのか、そういった施設基準が少ないのかというところも今後検証しながら進めていっていただけたらありがたいと思っております。
それから、感染防止に関してでございますが、幸野委員からもございましたが、令和2年度改定のときに一定の評価をいただきました。ただ、これが本当に十分なものかどうかということも、今後の検証ということになっております。
ただ、今回、COVID-19の影響によりまして、通常のスタンダードプリコーション以上の感染対策は、歯科におきましても、先ほど申しましたように、チェアユニットのラッピングとか消毒に加えて、患者調整とか患者自身の含嗽をしていくといった、チェアタイム以上にかかるところもございますし、そういった意味合いで日本歯科医師会といたしましても、どれほど負担がかかっているのかということも検証しておりますので、また今後の議論でお願いしたいと思っております。
2点、私からの追加の発言とさせていただきます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
池端委員、追加のコメントをよろしくお願いいたします。
○池端委員
追加の質問は1点だけです。
65ページの「口腔機能管理料」の一番下の点線以下に「届出医療機関数及び算定回数」とありますが、平成30年、令和元年、令和2年の数字は、算定回数なのでしょうか。もしそうであれば、医療機関数が分かれば教えていただけるとありがたいです。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかはよろしいでしょうか。
それでは、委員の先生方から幾つか御質問をいただいておりますので、現時点で回答できることがございましたら、事務局から説明をお願いいたします。
○宮原歯科医療管理官
事務局でございます。
1つ目でございます。佐保委員から、患者の歯科医療機関間の情報共有という御質問がございました。
私どもが把握しておりますのは、例えば歯科医療機関であっても別の医療機関で診療が必要だといった場合に、例えば文書を添えて情報提供し情報共有を図るという診療情報提供料(Ⅰ)、また歯科診療情報の連携共有料という項目でどの程度図られているかというのは把握できますが、日常の歯科診療の場面において、例えば患者にどのような受診歴、治療歴があるのかといったものについては、その歯科医療機関における患者に対する問診等におけるやり取りの中で収集整理し、必要があれば、個別に様々な方法で医療機関に照会をかけるといったことが想定され、その状況等について、全体がどのような状況にあるかについては把握しておりません。
2つ目の池端委員からの御質問でございますが、医科への情報提供についてということで、これも情報提供ということで、社会医療診療行為別統計等によって、例えば歯科診療情報提供料(Ⅰ)がどの程度算定されているのかについては把握できます。
ただ、その紹介先というところまでの詳細は分かりません。他方で、歯科医療機関から医科医療機関への情報提供についての御質問でございましたが、歯科の診療情報提供料自体は、社会医療診療行為別統計では約9万回が算定回数として上がっているということと、医科のほうからも歯科のほうに情報提供した場合に、例えば周術期等口腔機能管理等でそういった関連が考えられますが、例えば38ページ目の医科点数表の中の歯科診療情報提供料(Ⅰ)の中で先ほど御紹介させていただきましたが、歯科医療機関連携加算1あるいは2という項目がございます。
ただ、これにつきましては、社会医療診療行為別統計を見ても、令和元年度では1,900回、令和2年度で1と2を合わせて約1,700回程度ということで、これは多いか、少ないかというと、多いという評価にはならないのだろうと考えております。
もう一つは、65ページ目の算定届出数なのか、算定回数なのかという御質問がございました。ほかのページでも、届出医療機関数及び算定回数となっているものがございますが、算定回数をお示ししているものです。例えば63ページ目も同様なのですが、これについても算定回数ということで、届出医療機関数ではございません。この点、分かりにくい資料になっておりました。
様々な御意見を頂戴しましたので、事務局として整理をさせていただき、さらなる議論に資するよう可能な範囲で必要な資料を準備してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、本件に係る質疑は、この辺りといたしまして、今後。
間宮委員、お手が挙がっています。お願いいたします。
○間宮委員
その他なのですけれども、いいでしょうか。
○小塩会長
歯科の件についてでしょうか。
○間宮委員
歯科ではなくて、その他です。歯科が終わった後でいいです。
○小塩会長
では、まず、歯科について、議論をまとめたいと思います。
歯科につきまして、ほかに御意見がないようでしたら、この件に関わる質疑は、この辺りといたしまして、今日もたくさん御意見をいただいたのですけれども、事務局について、本日いただいた御意見も踏まえて対応していただくようにお願いしたいと思います。
それでは、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
8月2日に、報道で品川の薬剤師が以前勤務していた薬局から抗がん剤、これは血液がん系の抗がん剤だと思うのですけれども、これを盗んで転売していたことが判明したということで、逮捕されたということなのですが、このニュースを聞いて、非常にびっくりしたというか、いろいろな意味でどうなっているのだろうと思いました。
まずは、抗がん剤は劇薬なのです。この劇薬の管理は一体どうなっていたのということがまず一つ。
それから、そこの薬局に勤務していたとしても、もう辞めているので、部外者です。その人が調剤室に入ってきて盗める状態にあったと。そもそも調剤室に入れること自体がおかしい話です。
それから、部外者が発注できるというシステムです。電話を使ったという話ですけれども、実際、たしか文書をちゃんと取っておかないといけないと思いますし、発注できて納品してきたとしても、やはり納品時のチェックを当然するわけです。それも擦り抜けているということがあります。
それから、何より問題なのは、こういう犯罪が起きるのは、今、転売できる環境があるということです。これは非常に問題だと思います。
これも含めて、いろいろな意味で見直しというか、もう一回薬局の運営をきちんと締めていっていただきたいと思いますし、それが患者の安心・安全につながると思いますので、今回の事件でこの信頼がまた非常に失墜してしまったのではないかと思います。
これは1つの薬局の1人の犯罪者だけの話ではないと私は思いますので、こういうことがないようにするということで、ぜひ前向きに方策をきちんと考えていっていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
事務局からコメントしていただきます。
○山田保険医療企画調査室長
保険医療企画調査室長でございます。
ただいまいただいた御指摘は、保険の話もあるかもしれませんし、保険ではない話もたくさんあると思います。保険局医療課だけでなくて、厚生労働省の関係部局と情報共有しながら検討してまいりたいと思います。どうもありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかはよろしいですか。
それでは、本日の議題は以上といたします。
なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。
長時間、どうもありがとうございました。



 

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代表: 03-5253-1111(内線)3288

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