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2021年4月14日 中央社会保険医療協議会 総会 第478回議事録

○日時

令和3年4月14日(水)10:00~12:26

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 
安藤伸樹委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 松浦満晴委員 末松則子委員
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 半田一登専門委員
保険医療材料等専門組織小澤委員長 薬価算定組織前田委員長 費用対効果評価専門組織田倉委員長、福田専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 岡田医療技術評価推進室長
山田保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○部会・小委員会に属する委員の指名等について
○医療機器及び臨床検査の保険適用について
○先進医療会議からの報告について
○費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて
○医薬品の新規薬価収載について
○再生医療等製品の保険適用について
○DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について
○在宅自己注射について
○再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて
○DPC対象病院の合併に係る報告について
○歯科用貴金属価格の随時改定について
○費用対効果評価専門組織からの報告について
○最適使用推進ガイドラインについて
○令和4年度診療報酬改定、薬価改定の議論の進め方について
○選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集について
○不妊治療の実態調査の結果について


 
○小塩会長
 おはようございます。
 ただいまより、第478回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 なお、本日もコロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、全員が御出席です。
 次に、委員の交代について御報告いたします。
 吉森俊和委員、染谷絹代委員におかれましては4月4日付で退任され、後任として4月5日付で安藤伸樹委員、末松則子委員が発令されております。
 なお、両委員からは、自らが公務員であり高い倫理観を保って行動する旨の宣誓をいただいております。
 それでは、新しく委員になられました安藤委員、末松委員よりそれぞれ一言ずつ御挨拶をお願いいたします。
 最初に安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
 ただいま御紹介にあずかりました全国健康保険協会の理事長をやっております安藤でございます。
 中医協委員に就任するに当たりまして一言、御挨拶をさせていただきます。
 協会けんぽには、現在4000万人を超える加入者がいらっしゃいます。今後、この場で発言をさせていただく際には、常に加入者の健康と利益に資することなのかを忘れずに発言させていただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 続きまして、末松委員、お願いいたします。
○末松委員
 三重県鈴鹿市長の末松則子と申します。
 大変、重要な委員にお認めをいただきましてありがとうございました。
 この協議会でいろいろお話がありましたこと、それぞれの地方自治体の医療政策に生かせればと思っておりますので、どうぞ今後とも御指導いただきますようによろしくお願いいたします。
○小塩会長
 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 初めに、委員の交代に伴いまして部会及び小委員会に属する委員につきましても異動が生じます。
 部会・小委員会に属する委員につきましては、社会保険医療協議会令第1条第2項等の規定により、中医協の承認を経て会長が指名することとされております。
 委員のお手元に総-1といたしまして、新しい中医協の委員名簿とともに、異動のある部会及び小委員会の名簿の案をお配りしております。
 安藤委員におかれましては、吉森委員の所属されていた診療報酬基本問題小委員会、調査実施小委員会、薬価専門部会、費用対効果評価専門部会に所属していただき、末松委員におかれましては、染谷委員が所属しておりました診療報酬基本問題小委員会、保険医療材料専門部会、費用対効果評価専門部会に所属していただきたいと思いますが、そのように指名することとしてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、そのようにさせていただきます。
 続きまして、「医療機器及び臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
 本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。小澤委員長より、御説明をお願いいたします。
○保険医療材料等専門組織小澤委員長
 小澤でございます。
 それでは、説明いたします。
 中医協総-2-1の資料を御覧ください。その中の2ページ目を御覧ください。
 製品名は「Accurio 変形矯正システム」です。
 6ページ目の製品概要を御覧ください。
 本品は、上腕骨または前腕骨の変形に対する矯正骨切術を行う際に用いる、カスタムメイドの変形矯正プレート及びガイドです。
 2ページ目にお戻りください。
 価格につきましては、変形矯正プレートにつきましては、類似機能区分比較方式で評価し、最終的な価格を9万1500円といたしました。骨切りガイドについては、特定保険医療材料としては設定せず、新規技術料にて評価することが適当と保材専として判断いたしました。外国における販売実績がないことから、外国平均価格との比はございません。
 次に、7ページ目を御覧ください。
 製品名は、「消化管ビデオスコープ OLYMPUS PSF-1」「ディスポーザブルパワースパイラルチューブ DPST-1」でございます。
 10ページ目の製品概要を御覧ください。
 本品は、腸管を手繰り寄せることにより小腸深部へ挿入され、小腸及び小腸に至る上部消化管、下部消化管の観察、診断、撮影、治療を行うことを目的とした製品でございます。
 7ページにお戻りください。
 価格につきましては、本品は特定保険医療材料としては設定せず、新規技術料にて評価することが適当と保材専として判断いたしました。このため、外国平均価格との比はございません。
 続きまして、中医協総-2-2の資料を御覧ください。
 今回の臨床検査の保険適用は、E3の1件です。
 2ページ目を御覧ください。
 販売名は、「リボテスト 百日咳」です。測定項目は、百日咳菌抗原定性です。測定方法はイムノクロマト法でございます。
 4ページ目の製品概要を御覧ください。
 本検査は、イムノクロマト法により、鼻咽頭拭い液中の百日咳抗原を検出し、百日咳菌感染の判定を補助する臨床検査です。
 2ページにお戻りください。
 保険点数につきましては、「D012 感染症免疫学的検査 41 レジオネラ抗原定性(尿)」217点を参考点数としております。
 御説明いたします内容は以上でございます。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 事務局より補足はございますか。
○岡田医療技術評価推進室長
 特にございません。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 特に御質問等ないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして、「先進医療会議からの報告について」を議題といたします。
 本件は報告事項です。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
 医療技術評価推進室長でございます。
 それでは、中医協総-3に基づきまして御報告をさせていただきます。
 今回、先進医療会議で承認をされました先進医療Aの技術が1件、先進医療Bの技術が2件ございましたので、御報告をさせていただきます。
 まず、総-3-1の1ページ目を御覧ください。
 今回、承認をされました先進医療Aの技術でございますけれども、整理番号339「染色体G-Banding法による流産絨毛染色体分析」でございます。本技術に係る費用は、それぞれ表に記載のとおりでございます。
 先進医療会議における判定でございますけれども、2ページ目及び4ページ目を御覧ください。事前評価で、いずれも「適」となってございます。
 技術の説明をさせていただきます。
 5ページ目を御覧ください。
 本技術は、2回目以降の自然流産の方に対しまして、流産検体を用いた染色体分析を行い、当該流産の原因が胎児の染色体異常に起因するかどうかを明らかにする技術でございます。
 ロードマップにつきまして、6ページ目を御覧ください。
 今回、先進医療でデータを収集し保険収載を目指すとのロードマップが描かれております。
 続きまして、総-3-2を御覧ください。
 1件目の先進医療Bの技術でございますけれども、整理番号147番「一側性高度感音難聴に対する人工内耳挿入術」でございます。本技術に係る費用は、それぞれ表に記載のとおりでございます。
 先進医療会議における判定につきまして、2ページ目の下段を御覧ください。総合判定「適」となっております。
 技術の説明をさせていただきます。
 5ページ目を御覧ください。
 本技術は、一側性の高度または重度感音難聴患者に対して人工内耳挿入術を行い、騒音下での聴取能、聞き取る能力、語音弁別能や聴取閾値の改善及び方向感の改善を目指す技術となります。
 ロードマップにつきまして、6ページ目を御覧ください。
 今回、先進医療を行った後、医療ニーズの高い医療機器の早期導入に関する検討会を経て薬事承認を目指すとのことでございます。
 続きまして、2件目の先進医療Bの御報告をさせていただきます。
 総-3-3の1ページ目を御覧ください。
 整理番号148番「小児膠芽腫に対するNovoTTF-100Aシステムによる腫瘍治療電場療法」でございます。本技術に係る費用は、それぞれ表に記載のとおりでございます。
 先進医療会議における判定につきまして、4ページ目及び6ページ目を御覧ください。
 事前評価におきまして、「条件付き適」となっております。これにつきましては、申請医療機関で実施する予定の最初の3症例について安全性とともに実行可能性を評価され、その結果について先進医療技術審査部会へ報告を行うという条件が付されており、その点はクリアされております。
 技術の説明をさせていただきます。
 7ページ目を御覧ください。
 本技術は、テント上という部位にある膠芽腫と診断をされた小児患者に対して、NovoTTF-100Aシステムによる腫瘍治療電場療法を行う技術となります。なお、成人については既に薬事承認及び保険適用されている技術でございます。
 ロードマップについて、8ページ目を御覧ください。
 今回、先進医療を行った後、医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会を経て薬事承認を目指すとのことでございます。
 事務局からは、以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
 間宮委員、お手が挙がっています。よろしくお願いします。
○間宮委員
 ありがとうございます。
 腫瘍治療電場療法なのですけれども、これは皮膚障害が副作用ということで書いてあるのですけれども、この皮膚障害自体はどの程度のもので、すぐ治るものなのかどうなのかを聞きたいのです。私も治療で注射を打った部位がその後、痕が残ってしまったりということがあって、そういう本来の治療をするに当たって傷とか障害が残るのはやはり望ましくないことなので、その辺りを教えていただければありがたいと思います。
○小塩会長
 事務局、お願いします。
○岡田医療技術評価推進室長
 御質問ありがとうございます。
 この療法における皮膚障害の程度について、現状、今すぐ手元に資料がございませんので、改めて調べて御報告をさせていただきます。
 申し訳ございません。
○間宮委員
 分かりました。
 ありがとうございます。
○小塩会長
 よろしいでしょうか。
 あとはいかがですか。御質問、ありますでしょうか。
 特に、ほかに御質問ないということでしたら、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
 続きまして、「費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて」を議題といたしします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 それでは、資料総-4-2参考2をまず御覧いただいてよろしいでしょうか。費用対効果評価の対象品目の一覧をお示ししております。
 前回の総会で、1のテリルジー100エリプタと、2のキムリアにつきまして費用対効果評価の結果を御確認いただいたところでございます。
 本日は、その評価結果に従いまして調整した薬価についてお諮りするものでございます。
 また、テリルジーにつきましては、こちらの一覧表の中の4のビレーズトリエアロスフィア、12のエナジア、14のテリルジー200エリプタについて、テリルジーの評価に準じるとされておりましたので、それにも併せて御説明させていただきます。
 それでは、資料総-4-1を御覧ください。「テリルジーの費用対効果評価結果に基づく価格調整について」でございます。
 前回、3月24日の総会で御説明いたしました費用対効果評価の結果に基づきまして、表の左にあります対象集団ごとの評価結果に合わせまして、右から2列目にありますとおり価格調整係数をこのように当てはめております。
 これに基づきまして薬価を調整した結果が次の紙になります。2枚目を御覧ください。<価格調整後の薬価>でございます。
 1番としまして、テリルジー100エリプタにつきましては、真ん中にありますけれども、14吸入1キットにつきまして、現行薬価4,183.50円が調整後薬価4,160.80円。30吸入1キットにつきまして、現行薬価8,853.80円が調整後薬価8,805.10円となります。
 また、先ほど御説明いたしました類似品目でありますビレーズトリエアロスフィア、エナジア、テリルジーにつきましても、それぞれお示しした調整後薬価となっております。
 これらにつきまして、右側にありますとおり適用日としましては令和3年7月1日とさせていただくものでございます。
 欄外一番下、※6にありますけれども、期中の改定につきましては四半期の再算定と同様の取扱いとしておりまして、医療機関における在庫への影響等を踏まえて一定の猶予期間を設けることとするとしております。
 続きまして、資料総-4-2を御覧ください。「キムリアの費用対効果評価結果に基づく価格調整について」でございます。
 キムリアにつきましても同様に、上の表にありますとおり対象集団ごとに費用対効果評価の結果に基づきまして、右側から3列目、2列目のところに有用性加算等、それから営業利益率につきましてそれぞれの価格調整係数をこのように当てはめております。
 それに基づきまして算定した調整後の薬価が下の表にございます。現行薬価3411万3655円のところ、調整後薬価としまして3264万7761円とするものでございます。
 以上、よろしくお願いいたします。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
 幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 キムリアについて、前回の総会でも申し上げたのですけれども、反論する場がなくて会話が途切れてしまったのですが、患者割合が企業秘密ということについてどうしても納得がいかないということで、また今回提案させていただきますが、この費用対効果評価というものが、そもそも財政影響の高い医薬品について費用対効果の観点から再評価するのが目的であるにもかかわらず、重要な指標となるICERの区分と患者割合というのが価格を決める重要な指標であるにもかかわらず、患者割合が企業秘密で公開されていないのはどう考えてもおかしいと思うのです。重要なポイントなのに企業秘密というのはおかしい。
 費用対効果評価というのは再評価で、ここに不透明性というものがあってはならないと思っています。
 キムリアの場合は区分がまだ少ないのですけれども、テリルジーのように多くの区分があってICERも多くの違いがある場合も今後出てくると思うのですけれども、その場合の患者割合が公開されないと、この医薬品は費用対効果がいいのか悪いのか全く分からないまま価格が変更されることになるのですけれども、これを前例として第一弾で認めてしまえば、何でもかんでも企業秘密ということで多分公開されなくなるのではないかと思うのですけれども、こういうことはあってはならないと思うので、患者割合についても公開するべきと思います。
 企業秘密として出さないのであれば、例えばNDBの指標などを調べて大まかな割合を示すこともできると思うので、これはぜひ公開しなければいけない指標だと思うのですがいかがでしょうか。
○小塩会長
 それでは、幸野委員からの御質問について、お答えをお願いします。
○岡田医療技術評価推進室長
 事務局でございます。御質問ありがとうございます。
 費用対効果における患者割合の取扱いでございます。
 前回も御説明をさせていただいた部分と重複する部分ございますけれども、費用対の専門組織においては患者割合も確認した上で総合的評価を行っているところでございます。
 また、同時に費用対効果評価結果について、報告書等の作成に当たっては製造販売業者と協議の上、知的所有権等にも配慮をすることとなっているところでございます。
 本件、キムリアの患者割合については、上市前の企業の需要予測に基づくものでありまして、需要予測の方法のロジック等が企業秘密に当たるとのことで非公開とさせていただいたことでございます。
 幸野委員がおっしゃられますとおり、この費用対の再算定の透明性の確保も重要な課題だと思っておりますので、具体的に事例を積み重ねていく中で、どこまでの患者割合の公表が可能となるのか、今後、制度論の議論の中で改めて業界団体にも御意見を伺って整理をさせていただきたいと考えております。
○小塩会長
 幸野委員、よろしいでしょうか。
○幸野委員
 ありがとうございます。
 例えばテリルジーを見ていただいても分かるのですけれども、このように多くの区分があると、患者割合が全部非公開になると、どの区分が最も多いのかが分からなくなる。この費用対効果でいいのか悪いのかさえも分からなくなるので、今後の検討をいただくという回答をいただいたので、ぜひよろしくお願いします。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、御要望としていただくということです。
 ほかに御質問等ございますでしょうか。特に、ほかに御質問等ないようですので、本件については中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして、「医薬品の新規薬価収載について」「再生医療等製品の保険適用について
を、一括して議題といたします。
 本日は、薬価算定組織の前田委員長にお越しいただいております。
 前田委員長より御説明をお願いいたします。
○薬価算定組織前田委員長
 ありがとうございます。
 薬価算定組織の委員長の前田でございます。よろしくお願いいたします。
 私から今回検討いたしました新医薬品及び新再生医療等製品の算定結果等について御報告いたします。
 まず、新医薬品について資料中医協総-5-1を御覧ください。
 今回、報告する新医薬品は1ページの一覧表にありますとおり、11成分17品目です。
 それでは、算定内容について御説明いたします。
 1品目めのイグザレルトドライシロップ小児用です。資料2~3ページを御覧ください。
 本剤は、静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制を効能・効果とする内用薬であり、同一成分のイグザレルト細粒分包10㎎を最類似薬とした類似薬効比較方式(1)により算定いたしました。
 本剤は、国内で小児を対象とした治験を実施していることから、小児加算の5%を適用することが妥当と判断いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価は51.7㎎1瓶、5,308.30円。103.4㎎1瓶、9,333.10円となりました。
 2品目めのマスーレッド錠5㎎です。資料4~5ページを御覧ください。
 本剤は、腎性貧血を効能・効果とする内用薬であり、薬理作用類似薬が既に3以上あることから類似薬効比較方式(2)により算定いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価は、4ページ、汎用規格では75㎎1錠、405.30円となりました。
 3品目めのエドルミズ錠です。資料6~7ページを御覧ください。
 本剤は、下記の悪性腫瘍におけるがん悪液質、非小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんを効能・効果とする内用薬であり、適切な類似薬がないため原価計算方式により算定いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価は、50㎎1錠、246.40円となりました。
 4品目めのアルンブリグ錠です。資料8~9ページを御覧ください。
 本剤はALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんを効能・効果とする内用薬であり、薬理作用類似薬が既に3以上あることなどから類似薬効比較方式(2)により算定いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価は、30㎎1錠、4,200.50円。90㎎1錠、1万1598.00円となりました。
 次に5品目めのカルケンスカプセルです。資料10~11ページを御覧ください。
 本剤は、再発または難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)を効能・効果とする内用薬であり、効能や薬理作用等が類似するイムブルビカカプセル140㎎を最類似薬とした類似薬効比較方式(1)により算定いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価は、100㎎1カプセル、1万5202.20円となりました。
 6品目めのオラデオカプセルです。資料12~13ページを御覧ください。
 本剤は、遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制を効能・効果とする内用薬であり、適切な類似薬がないため、原価計算方式により算定しました。なお、本剤の製品総原価の開示度は50%以下でした。
 本剤は選択的血漿カリクレイン阻害作用を有し、臨床上有用な新規作用機序医薬品であることから、有用性加算(2)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
 また、本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、市場性加算(1)の10%加算、先駆け審査指定制度の指定を受けていることから先駆け審査指定制度加算の10%加算をそれぞれ適用することが妥当と判断しました。
 補正加算について、合計の加算率25%に対して加算係数0.2を乗じて、5%の補正加算を適用しました。
 その結果、本剤の算定薬価は、150㎎1カプセル、7万4228.20円となりました。
 7品目めのサルプレップ配合内用液です。資料14~15ページを御覧ください。
 本剤は、大腸内視鏡検査時の前処置における腸管内容物の排除を効能・効果とする内用薬であり、薬理作用類似薬が既に3以上あることから類似薬効比較方式(2)により算定いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価は、480mL1瓶、1,011.60円となりました。
 8品目めのエムガルティ皮下注です。資料16~17ページを御覧ください。
 本剤は、片頭痛発作の発症抑制を効能・効果とする注射薬であり、適切な類似薬がないため原価計算方式により算定いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価は、120㎎1mL1キット、4万5165円、120㎎1mL1筒、4万4940円となりました。
 9品目めのヒュンタラーゼ脳室内注射液です。資料18~19ページを御覧ください。
 本剤はムコ多糖症2型を効能・効果とする注射薬であり、効能や薬理作用等が類似するエラプレース点滴静注液6㎎を最類似薬とした類似薬効比較方式(1)により算定いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価は、15㎎1mL1瓶、198万1462円となりました。
 10品目めのリンスパッド点滴静注用です。資料20~21ページを御覧ください。
 本剤は重症α1-アンチトリプシン欠乏症を効能・効果とする注射薬であり、適切な類似薬がないため原価計算方式により算定いたしました。なお、本剤の製品総原価の開示度は80%以上でした。
 本剤はα1-プロテイナーゼインヒビターの補充と薬理作用とし、臨床上有用な新規作用機序医薬品であることから、有用性加算(2)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
 また、本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、市場性加算(1)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
 補正加算について、合計の加算率15%に対して加算係数1を乗じて、15%の補正加算を適用いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価は、1,000㎎1瓶、21万6054円となりました。
 11品目めのジムソ膀胱内注入液です。資料23~24ページを御覧ください。
 本剤は、間質性膀胱炎(ハンナ型)の諸症状の改善を効能・効果とする外用薬であり、適切な類似薬がないため原価計算方式により算定いたしました。なお、本剤の製品総原価の開示度は80%以上でした。
 本剤は、国内のガイドラインで推奨されており、また既存の治療方法に比べて侵襲性が低いなどの利点が認められることから、有用性加算(2)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
 また、本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、市場性加算(1)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
 補正加算について、合計加算率20%に対して加算係数1を乗じて20%の補正加算を適用いたしました。
 その結果、本剤の算定薬価は50%50mL1瓶、1万1210.50円となりました。
 以上で、資料総-5-1の説明を終わります。
 続けて、「再生医療等製品の保険償還価格の算定について」御説明いたします。資料中医協総-6-1の1~3ページを御覧ください。
 再生医療等製品のイエスカルタ点滴静注です。
 本製品は、以下の再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫を対象とする再生医療等製品です。
 本製品は、医薬品の例により算定することとされており、効能や薬理作用等が類似するキムリア点滴静注を最類似薬とした類似薬効比較方式(1)により算定いたしました。
 その結果、本製品の算定薬価は、1患者当たり3411万3655円となりました。
 なお、先ほどキムリア点滴静注の費用対効果評価に基づく価格調整について御議論がございましたが、価格調整がまだ適用されていないので、今、御説明した本製品の算定は価格調整前の価格に基づいたものとなります。
 以上で、私からの説明を終わります。
 ありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 引き続き、事務局より説明と補足をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 ただいまの御説明につきまして補足させていただきます。
 まず、資料総-5-1を御覧ください。
 新薬の薬価収載についてですけれども、費用対効果評価の対象となる品目について御説明いたします。
 1ページ目、一覧の表の中で8番、エムガルティ皮下注につきましては、原価計算方式で開示度が50%以下、ピーク時の市場規模予測が100億円以上ということから、本剤につきましてはH1品目として費用対効果評価の対象となることを御報告いたします。
 続きまして、資料総-5-1参考に、薬価算定におきまして新薬創出等加算の累積額を係数として用いる場合の加算率について、薬価改定が終わった後にお示ししているものでございます。今般、令和3年度の薬価改定における加算率につきましてこちらでお示ししております。
 続きまして、資料総-6-1、先ほど御説明いただきましたイエスカルタ点滴静注の保険償還価格の算定についてでございます。
 こちらは、イエスカルタの類似薬効比較方式で算定されておりますことから、費用対効果評価につきましてH5区分に該当すると考えております。
 それに基づきまして、資料総-6-2を御覧ください。「キムリアの費用対効果評価結果に基づくイエスカルタ価格調整について」でございます。
 先ほど、前田委員長からも御紹介ありましたとおり、さきの議題でキムリアの薬価について調整されることと御確認いただきましたので、今般のイエスカルタにつきましてもそれに合わせまして薬価算定を行った価格を調整するものでございます。
 真ん中にありますとおり、調整前の薬価がその時点でのキムリアと同額であったものを、先ほど御確認いただきましたキムリアの調整後の薬価に合わせるものでございます。
 また、先ほどのキムリアにつきましては、医療機関における在庫への影響なども考慮しまして、一定の猶予期間を設けることとしていましたけれども、こちらのイエスカルタにつきましては新規収載でありますことから、欄外※にありますとおり、「保険収載日より、直ちに価格調整後の薬価を適用することとする」と考えております。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 2点ほど確認させていただきます。
 1点目は、新薬収載のナンバー8のエムガルティについてですが、この予測投与患者数が4.8万人ですが、片頭痛を持っている患者の方は何千万人といらっしゃると思うのですが、企業が予測した4.8万人は、後で説明される最適使用ガイドラインで使用する施設とか対象患者もかなり絞られているのですが、それでも4.8万人は非常に限定的だと思うのですけれども、どういう推定をされたのかをお聞かせいただきたいと思います。
 それから、再生医療等製品のイエスカルタについては、前からキムリアを類似薬にするのは妥当ではないと言っているのですが、その理由としてキムリアは高額で製造原価の開示度量が50%未満で、製造原価の半分も開示されていないものを類似薬とするのは妥当ではないから、これは原価計算でも算出して本当にこの価格が妥当なのかもちゃんと調べてくれと前回お願いしたのですが、その結果この3400万円が日本でつくられた場合に原価計算でも妥当であるという確信は得られたのかについて、2点お聞きしたいと思います。
○小塩会長
 それでは、幸野委員からいただいた御質問について、お答えをお願いします。
○紀平薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。御質問ありがとうございます。
 まず、新薬のエムガルティ皮下注についてでございます。
 対象となる片頭痛患者数予測についてどのように行っているかという御質問でございました。
 こちらは慢性頭痛を有する方、そのうち片頭痛患者などの予測を踏まえた上で、先ほど触れていただきましたとおり、この後に御説明させていただきます最適使用推進ガイドラインにおきまして、医師要件、患者要件を示しておりますので、その要件に従って対象患者の予測をしております。
 また、新しいタイプの片頭痛薬となりますけれども、似たような薬が現在開発されているところもございまして、それとの案分も考慮した上でエムガルティについての市場規模予測が出されているものでございます。
 それからもう一点、イエスカルタの薬価算定の原価についての御質問でございます。
 まず、薬価算定につきましては、基本的な考え方に従って類似薬効比較方式に該当するのか、あるいは原価計算方式とするのかというところから整理をしまして、類似薬効比較方式が適切であるという考え方の下に算定を行っていただいております。
 また先般、私のほうから御説明しましたように、参考情報として国内での製造原価について情報もいただいた上で薬価算定組織の中でも見てはいただいておりますけれども、今回の算定結果については妥当であるとお示ししているものとなっております。
 以上でございます。
○小塩会長
 幸野委員、よろしいでしょうか。
○幸野委員
 ありがとうございました。
 エムガルティについては、費用対効果評価の対象になっているということですので、この推移を見て適切な使用がされるかどうか見ていきたいと思います。
 それから、イエスカルタについては、また第三の医薬品も出てきそうな感じなので、エビデンスを集積して、ぜひ新しいルールを早期につくっていく必要があると思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 安藤委員、お願いします。
○安藤委員
 ありがとうございます。
 新参者で分からなかったので質問させていただきます。
 まず、新薬の項目10のリンスパッド点滴静注用と、項目11のジムソ膀胱内注入液についての質問でございます。
 いずれの品目も、外国価格を見ますと最初に承認された米国での承認からもう既に約30年から40年が経過しているのですけれども、この項目10を製造する株式会社オーファンパシフィックについてはこの品目が初収載のようでもありますので、どのような経緯でこのタイミングでの保険収載となったのか、分かる範囲で教えていただければと思います。
 あともう一点、再生医療等製品のイエスカルタ点滴静注なのですが、幸野委員からもお話があり、事務局からの説明もあったのですが、現行のルールにのっとって類似薬効比較方式などによって算定されているとなっていますが、再生医療等製品につきましては従来の化学合成品とは違って、類似品であっても製造原価であるとか流通の経費が大きく異なるケースも当然あると思うのです。
 そうしますと、原価計算方式により算定することも考えられるのではないかと思いますので、22年度の薬価改定に向けてはこうした観点での検討も行っていただきたいと思います。
 以上でございます。
○小塩会長
 安藤委員からいただいたコメントについて、返答をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。御質問ありがとうございます。
 まず、新薬につきましてです。
 資料総-5-1の20ページに、10番のリンスパッドの薬価算定の資料がございます。
 この中で左下に最初に承認された国としまして米国1987年と書いてありますけれども、こちら製法改良前の先行品になりますので、こちらの新しい製剤が承認されましたのは米国でも2017年になります。
 そういった改良品の海外での開発に合わせて、日本にも導入という形で開発が行われたものと承知をしております。
 11番のジムソにつきましては、こちらは未承認薬・適応外薬検討会議で開発要請がかかって、こちらの企業が開発を行ったものとなります。
 イエスカルタ、再生医療等製品の算定につきましても御意見ありがとうございます。
 再生医療等製品につきましては、製品、品目ごとのそれぞれの特色などもある中で、まだ実際承認された品目が少ないことから、再生医療等製品としての保険償還価格の考え方については事例の集積をもって今後も検討すると中医協からも御意見をいただいているところでございます。
 現状の取扱いとしましては、その製品の特色から医薬品に近いのか、あるいは医療機器に近いのかということの御判断をいただいた上で、それぞれの方式によって現時点では算定を行っているものでございます。
 今後も、製品が増えていくのに従って検討を進めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○小塩会長
 安藤委員、よろしいでしょうか。
○安藤委員
 ありがとうございました。結構です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかに、御質問はありますでしょうか。
 特にほかに御質問等ないようでしたら、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては中医協として承認したいと思います。
 次に、「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」「在宅自己注射について」を一括して議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
 まず、「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」御説明をさせていただきます。資料総-7を御覧ください。
 定例の議題ではございますが、新規に薬価収載された医薬品等につきましては、DPCにおける診療報酬点数表に反映されないことから、一定の基準に該当する医薬品等を使用した患者については包括評価の対象外とし、次期診療報酬改定までの間、出来高算定をすることとしております。
 基本的な考え方につきましては、総-7参考につけております。
 今回、効能効果が追加された医薬品、新規に薬価収載される薬剤などについて判定を行い、2の一覧にお示ししております医薬品につきましては、対応する診断群分類において基準に該当しておりましたので、出来高算定としてはどうかという御提案でございます。
 続いて、4ページ目の3でございますが、こちらは類似薬効比較方式で薬価が設定された医薬品で、その類似薬に特化した診断群分類が既に設定されているものが挙げられておりまして、この診断群分類に新規の医薬品についても反映してはどうかという御提案でございます。
 続きまして、在宅自己注射指導管理料の対象薬剤の追加についてでございます。資料総-8を御覧ください。
 総-8参考2につきまして、現在の運用基準を載せさせていただいております。
 2ページ目、「対象への追加時期」の(3)のところで、新医薬品以外の医薬品につきまして、新型コロナウイルス感染症が拡大している現状において、薬価収載の時期に合わせて追加することを検討することを昨年12月23日に御了承いただきました。
 今回、総-8参考1のとおり、この改正の後に学会から要望が提出されましたので、御審議いただければと思います。
 総-8にお戻りください。
 対象となる薬剤は、メポリズマブです。この薬剤は、気管支喘息、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に対して使用する薬剤です。
 投与間隔が4週間に1回とされている薬剤であり、在宅自己注射指導管理料の対象薬剤に追加してはどうかという御提案でございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、特に質問等ございませんようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして、「再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 資料総-9を御覧ください。「再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて」でございます。
 点線枠囲みの1の○の1つ目ポツ1つ目にありますけれども、薬事法で承認をされた再生医療等製品につきましては、医薬品の例により対応するか、医療機器の例により対応するかを薬事承認の結果を踏まえて判断するとされております。
 今般、製造販売業者から再生医療等製品として薬事承認され、保険収載を希望する旨の申出がございましたので、本日お諮りするものでございます。
 3枚目を御覧ください。品目の概要を記載しております。
 種類としまして、ヒト細胞加工製品。一般的名称が、リソカブタゲンマラルユーセル。販売名がブレヤンジ静注でございます。
 下のほう、「医療保険上の取扱い(案)」を御覧ください。
 審査報告書におきまして、「医薬品と同様に薬理的作用による治療効果を期待して、点滴で静脈内に投与される再生医療等製品」とされており、また静脈内に点滴で投与する点も医薬品のような投与法であることから、医薬品の例により対応することとしてはどうかということで本日、御意見を伺うものでございます。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
 幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 ちょっとくどいようなのですけれども、これも今のルールでいくと類似薬効比較方式でキムリアが類似薬になると思うのですが、今後、新しいルールをつくる上での参考にもなるので、ぜひ原価も調べて御報告いただきたいと思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 事務局、お願いします。
○紀平薬剤管理官
 御意見ありがとうございます。
 こちらにつきましても、できるだけ対応してまいりたいと思います。
○小塩会長
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 特にないようですので、説明のあった件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして、「DPC対象病院の合併に係る報告について」を議題といたします。本件は報告事項です。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
 それでは、「DPC対象病院の合併に係る報告について」の御説明をさせていただきます。
 資料につきましては、総-10を御覧ください。
 「1.概要」で記載してございますように、DPC対象病院に合併の予定があり、合併後もDPC制度への継続参加を希望する場合は、DPC制度への継続参加の可否について保険局医療課において確認をし、その結果について御報告を行うこととなっております。
 基本的な考え方につきましては、総-10参考1、総-10参考2におつけしております。
 今回、資料の「2.合併事例」でございますが、社会医療法人善仁会宮崎善仁会病院及び社会医療法人善仁会市民の森病院について、4月1日に合併し、合併後もDPC制度に継続参加するということですので、御報告をさせていただきます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 特に御質問等ないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
 続きまして、「歯科用貴金属価格の随時改定について」を議題といたします。本件は報告事項です。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○小椋歯科医療管理官
 歯科医療管理官でございます。
 資料総-11を御覧ください。こちらは令和3年7月の歯科用貴金属の随時改定についての資料でございます。
 1ページ目を御覧ください。
 図が3つございますけれども、今度の7月につきましては一番右側の図に該当いたします。価格のプラスマイナス15%を超えた場合に告示価格を改定するというルールに基づいて対応させていただくものでございます。
 2ページ目を御覧ください。
 一番上に1から8まで数字が振ってございますけれども、1、2、3につきましては過去の告示価格でございます。4、5の数字と期間を用いまして、6の試算価格を計算いたします。その変動率を見ましたものが7でございます。
 7の数字を見ていただきますと、プラスマイナス15%を超えるものはございませんので、今回のものにつきましては告示価格の変更は行わないものでございます。
 説明は、以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 今の説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 林委員、お願いします。
○林委員
 ありがとうございます。
 前回の診療報酬改定議論が終わった2月頃に、歯科用金銀パラジウム合金に関する急激な価格変動に関しまして、随時改定ルールの見直しを要望し、現在の随時改定(Ⅱ)の仕組みを御検討いただいて運用を始めているところでございます。
 その後の議論で幸野委員からも、反映される時期の乖離につきまして改善の余地はないかという御指摘も受けてございます。
 年に4回の価格見直しを実施していただきましても、日々変動する金属価格に翻弄される状況はあまり変化がないという歯科医療現場の意見も多くございます。
 特に、直近では市場価格の高騰傾向がさらに強く、告示価格との乖離も続いており、不公平感の声も強いところでもございます。
 この問題につきましては、より現場の実態を反映できる制度設計の構築並びに、改定ルールの透明性確保を引き続き御検討いただきたいと思ってございますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 事務局より返答をお願いいたします。
○小椋歯科医療管理官
 どうもありがとうございました。
 歯科用貴金属の随時改定につきまして、現行のルールにつきましては今、林委員からもありましたとおり、昨年に中医協総会におきまして御了承いただいたものでございます。
 この現行のルールは関係団体等の意見も踏まえたものであり、ベターなルールであるとは認識しておりますけれども、これが100点満点の完璧なルールであるとは認識しておりません。
 金属価格の動向なども今後も注視させていただきまして、これからも継続して検討していくものであると考えております。
 令和4年度診療報酬改定におきまして、現行のルールを変更するのかどうかはそのときの議論を踏まえて決定されることと思いますけれども、いずれにいたしましても歯科用貴金属の随時改定につきましては、令和4年度診療報酬改定の中で議論していただくテーマの一つであると認識はしてございます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 林委員、よろしいでしょうか。
 ほかに本件につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、ほかに御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
 続きまして、「費用対効果評価専門組織からの報告について」を議題といたします。
 本日は、費用対効果評価専門組織の田倉委員長、福田専門委員にお越しいただいております。
 田倉委員長より、御説明をお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織田倉委員長
 費用対効果評価専門組織委員長の田倉です。
 中医協総-12の資料を御覧ください。
 「医薬品等の費用対効果評価案について」ですが、ユルトミリス点滴静注について費用対効果評価結果を策定いたしましたので御報告をいたします。
 なお、当面の間は専門組織での検討状況についても資料に詳しく記載をしております。
 2ページ目を御覧ください。
 対象品目は、ユルトミリス点滴静注です。効能・効果につきましては、「A 発作性夜間ヘモグロビン尿症」「B 非典型溶血性尿毒症症候群」です。
 このうち、「A 発作性夜間ヘモグロビン尿症」について分析を行っております。
 中段に費用対効果評価専門組織で決定した費用対効果評価案を記載しております。下段には補足として、分析対象のICERの区分を記載しております。
 続いて3ページ目からは、参考として「ユルトミリスの費用対効果評価案策定に係る主な検討事項」を記載しております。
 3ページ目の中段に、「分析枠組みに係る専門組織での主な検討事項」を記載しております。
 既存の治療法BSCを比較対照技術とした感度分析の実施について検討し、臨床実態等からBSCを比較対照技術とした感度分析の実施は妥当といたしました。
 さらに、3ページ目の下段から4ページ目には、費用対効果評価結果について専門組織での検討事項を記載しております。
 投与間隔の延長によるQOLの向上についての検討を行いましたが、企業から提出されました資料は定量的な健康関連QOLの改善について追加的有用性があるものとして評価することは困難であり、効果は同等とすることが妥当といたしました。
 また、効果が同等で費用が増加する集団については、1500万円/QALYと同様の扱いをするのが妥当と決定いたしました。
 御説明いたします内容は以上です。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 事務局より補足がございましたらお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
 特にございません。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 では、本件につきまして何か御質問等ございますでしょうか。
 安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
 ありがとうございます。
 ただいまのユルトミリスの費用対効果評価案について、意見を述べさせていただきます。
 専門組織の見解によれば、比較対照技術と比べて追加的有用性があるとは認められず、ICERの区分は費用増加とされています。
 本日、保険収載の議論をしましたイエスカルタのように、今後も革新的な高額医療品等が増加していくことを踏まえますと、一方では保険財政の持続可能性の確保ということをこれまで以上に意識していく必要があると考えております。
 そうした観点から、費用対効果評価の結果、ユルトミリスのように費用増加となった品目の効能であるとか効果の取扱いを改めて検討する必要がないかどうかなど、費用対効果評価制度をよりよい仕組みとしていくための検討を、また今後も継続していく必要があると思っております。
 意見でございました。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 続きまして、幸野委員からもお手が挙がっています。お願いします。
○幸野委員
 これで明らかになったことというか、賛成はするのですけれども、ユルトミリスについては令和元年9月に薬価収載されたとき有用性加算の5%がついているのですが、それは類似薬に比較して投与頻度が4分の1でいいことについて評価されたということなのですが、この費用対効果評価において、4ページの専門組織の2回目の見解では「投与間隔の延長により定量的な健康関連QOLの改善を示すものではないため、これのみをもって追加的有用性があるものとして評価することは困難である」と薬価専門組織と異なった見解を示されているわけです。
 これはまさに費用対効果評価の成果であって、使用頻度が長くなるから有用性加算をつけるべきなのか、つけないべきなのかを議論する大きな考え方の違いがあるということで、これを費用対効果評価が示唆したもので、今後、使用頻度の間隔によって有用性加算をつけるかどうかについてはこれによって今後の議論の対象になるかと思いますので、今後も検討していく必要があると思います。
 以上意見です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 島委員、お手が挙がっています。お願いします。
○島委員
 ありがとうございます。
 質問でございますが、3ページの「決定された分析枠組み」の「その他」のところで、先ほど説明もありましたけれども、ベストサポーティブケアを比較対照技術とした場合、感度分析を実施すると書いてございますが、今後もこういうBSCを比較対照にした場合は感度分析を行っていくということでよろしいのでしょうか。
 質問でございます。
○小塩会長
 今の島委員からの御質問について、お願いします。
○岡田医療技術評価推進室長
 御質問ありがとうございます。医療技術評価推進室長でございます。
 ただいま御質問いただいたBSC、ベストサポーティブケアを比較対照技術とする感度分析の実施でございますけれども、基本的には品目の特性に準じて、通常の比較対照技術、今回の場合はソリリス点滴静注を比較対照技術とした分析でございますが、その分析だけでは不十分であって、よりその分析の妥当性を確認すべき場合にこうした感度分析を行っていくことかと思っております。
 要約いたしますと、品目ごとに必要性について検討させていただくことかと思っております。
○島委員
 了解しました。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 では、中村委員、お願いします。
○中村委員
 ありがとうございます。
 こういった形で薬価専門組織と費用対効果評価で判断が違うときに、どういうふうに情報を共有するのか、あるいはどうやって調整をするのかという制度的な仕組みも今後検討していく必要があるのではないかと感じました。
 以上になります。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 今の中村委員の御指摘について何か御回答あればお願いします。
○岡田医療技術評価推進室長
 事務局でございます。
 幸野委員、中村委員、御指摘ありがとうございます。
 今回の事案で、企業が提出していたデータのみを持って健康関連QOLの改善について定量的な評価ができなかったということでございまして、専門組織の議論の中でも、投与間隔が延長することによってQOLの向上というものは十分あり得るという御意見もありましたので、その点について補足をさせていただきたいと思います。
○小塩会長
 よろしいでしょうか。
 ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。
 それでは、ほかに御質問等ないようですので、本件については中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
 続きまして、「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。本件は報告事項です。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○吉田医薬品審査管理課長
 医薬品審査管理課長でございます。
 それでは、まず私から中医協総-13-1に基づきまして、ガルカネズマブ(遺伝子組換え)の最適使用推進ガイドラインについて御説明いたします。
 販売名、エムガルティ皮下注でございます。これは先ほど新規薬価収載についての御議論いただいた品目でございますが、令和3年1月22日に片頭痛発作の発症抑制を効能・効果といたしまして製造販売承認されております、いわゆる抗体薬でございます。最適使用推進ガイドラインにつきましては、この品目を御審議いただいた12月2日に開催された薬食審の医薬品第一部会におきまして、その内容について確認を受けているものでございますので、その内容について御報告いたします。
 おめくりいただきまして2ページ目、「はじめに」でございます。
 中段辺り、本ガイドラインにつきましては、日本神経学会、日本頭痛学会、日本脳神経外科学会、日本脳神経血管内治療学会の御協力の下、作成されたものでございます。
 効能・効果、用法・用量については、この枠内に記載しておりますが、効能・効果は片頭痛の発症抑制ということで、月に1回皮下投与する用法・用量になってございます。
 下のほうでございますが、「本剤の特徴、作用機序」でございますけれども、片頭痛患者にて多く発現しますカルシトニン遺伝子関連ペプチド、CGRPですが、これを阻害することで片頭痛発作の発症を抑制するものでございます。
 次の3ページからでございますが、「臨床成績」が出ております。
 まず3ページには国内2相の成績ですが、日本人の反復性片頭痛患者を対象とした臨床試験が実施されておりまして、プラセボ群との主要評価項目、1か月当たりの片頭痛の日数でございますが、4ページの上の表でございますけれども、有意差をもって改善されている形になっています。
 5ページからは、国際共同の第3相。これが評価のメインとなった試験でございますけれども、他剤で効果不十分な反復性片頭痛及び慢性片頭痛患者を対象とした臨床試験が実施されておりまして、結果としましては6ページですけれども、プラセボ群との間で主要評価項目で有意差をもって効果が示されております。
 安全性の関係は、7ページですけれども、上咽頭炎、それから注射部位の疼痛などの有害事象が認められておりますが、安全性に特段大きな問題はないと評価されております。
 少し飛んでいただきまして、9ページからでございますけれども、施設要件でございます。
 施設の最初のところに記載がありますが、本剤の投与が適切な片頭痛とそれ以外の頭痛との鑑別ができる。それから、重篤な副作用が発現した際に適切な対応が取れる。これが求められる要件として重要なことでございます。
 したがいまして、真ん中辺りに医師要件が書いてございますが、1つ目には頭痛を呈する疾患に対して5年以上の臨床経験があること。2つ目としまして、投与継続の是非を適切に判断できること。3つ目といたしましては、日本神経学会、日本頭痛学会、総合内科専門医に限りますが日本内科学会、そのほか日本脳神経外科学会のいずれかの専門医の認定を有している者という形で医師要件を定めさせていただいております。
 さらには、鑑別のためMRI等による検査ができる施設、またはそのような施設と連携が取れるといった形で施設要件を定めております。
 次の10ページでございますけれども、「投与対象となる患者」でございます。
 これについては、品目の審議のときに予測対象患者数との兼ね合いもございますけれども、一応ここに記載の患者要件を定めることとしております。
 まず、1点目は国際頭痛分類を参考に、本剤投与が適切に判断されている片頭痛であることが鑑別されていること。2点目ですが、投与前3か月以上の間において、1か月当たり平均4日以上の片頭痛があること。3つ目ですが、非薬物療法、あるいは急性期治療を適切に行っても日常生活に支障を来していること。4つ目ですが、既承認の片頭痛の発症抑制薬を少なくとも1種類検討し、効果不十分などの理由で使用できないといった要件全てを満たす患者を患者要件としておりますので、繰り返しになりますが、これが投与対象患者の予測につながっていると理解しております。
 さらには、投与の継続・中止に関しましては、月に1回投与であるということもありますので、3回投与、3か月を目安に効果判定を行い、そこで改善が認められなければ投与中止を考慮するという形で定めさせていただいております。
 最後、11ページには、「投与に際しての留意すべき事項」でございますが、添付文書に記載された主な注意事項が記載されている形になってございます。
 私からは以上でございます。
○小塩会長
 どうもありがとうございました。
 引き続き、お願いします。
○河野医療機器審査管理課長
 医療機器審査管理課長でございます。
 続きまして、イエスカルタ点滴静注の最適使用ガイドライン案について御説明申し上げたいと思います。
 お手元の資料総-13-2を御覧いただければと思います。
 2ページ目でございますが、本ガイドラインの案につきましては、日本血液学会をはじめとする6学会の御協力の下で作成をしていただいておりまして、本件につきましては薬事・食品衛生審議会、再生医療等製品審査部会においても御議論をいただいたものでございます。
 本品の対象となる効能、効果、性能につきましては、2ページの四角囲いの中に記載があるところでございます。
 また、対象となる用法及び用量、使用方法についても記載のとおりでございます。
 4ページに参りますと、「本品の特徴、作用機序」についての記載がございますし、またおめくりいただきまして5ページ目以降、「臨床成績」の記載がございます。
 具体的な施設基準等についての御説明を申し上げたいと思います。
 資料飛びまして、12ページを御覧いただければと思います。
 12ページでございますが、施設基準等についての記載でございます。
 「4.施設について」ということでございまして、1の1で(1)~(4)の全てに該当することを施設の要件として求めております。
 (1)では、日本造血・免疫細胞療法学会が定める移植施設認定基準の全ての項目を満たす診療科、これをカテゴリー1と称しておりますが、認定カテゴリー1またはこれに準ずる診療科といたしまして、移植コーディネーターの配置に関する事項以外の基準を満たす診療科を求めてございます。
 また、(2)としましては、ICU等を有していること。
 (3)では、アフェレーシスの機械の使用に熟知した医療スタッフが配置されていること。
 (4)といたしましては、レジストリに患者登録を行い、製造販売後、調査を適切に実施するという条件が定められております。
 また、本剤を使用していただく医師についてでございますが、(1)~(3)まで全てを満たせる医師が治療の責任者として1名、かつ「(1)医師免許取得後、6年以上の臨床経験を有し、うち3年以上は、血液悪性腫瘍の研修を行っていること」を満たしている医師を1名以上配置していただくことを要件としております。
 また、不具合・副作用の発生時の対応といたしまして、おめくりいただきまして13ページになりますけれども、3の1といたしまして施設体制に関する要件といたしまして、サイトカインの放出症候群の緊急時に備えてトシリズマブを速やかに使用できるように準備しておくことが求められております。
 次に、14ページ、投与の対象となる患者さんについてでございます。
 【有効性に関する事項】の1では、治験の組み入れ基準について、2につきましては治験の除外基準について、該当する患者さんの要件を記載しているところでございます。
 その下、【安全性に関する事項】の1につきましては、添付文書の禁忌に該当する事項、2につきましては治験の除外基準に該当する患者さんの記載がございます。
 次に資料の16ページを御覧いただければと思います。
 「6.投与に際して留意すべき事項」といたしまして、本剤の不具合・副作用のサイトカイン放出症候群に対する対応といたしまして、表12に示しますアルゴリズムにのっとることと、神経系事象への措置につきましては、おめくりいただいた17ページの表13に示すアルゴリズム及び製造販売業者の提供する最新の情報に従っていただくことに関しての注意喚起をさせていただいているところでございます。
 これらの規定につきましては、基本的に先行しております同種品目キムリア点滴静注の最適使用ガイドラインの規定と同様でございます。
 なお、本品のガイドライン作成に伴いましてキムリアのガイドライン改訂も必要となりましたので、よろしければ引き続きその説明をさせていただければと思います。
 お手元の資料総-13-3を御覧いただければと思います。
 キムリア点滴静注の最適使用ガイドライン案の改訂について御説明をしたいと思います。
 後ろのほうに参りますと新旧対照表がございますので、それに基づいて御説明申し上げます。資料総-13-3の23ページを御覧いただければと思います。
 先ほど、イエスカルタ点滴静注について、最適使用ガイドライン案の説明をさせていただきましたが、イエスカルタ点滴静注につきましては、令和3年の1月に承認しております。
 イエスカルタの承認を踏まえ、CD19を標的としたCAR-T細胞治療製品の1品目めであるキムリア点滴静注についても、2点について改訂を行うこととしておりますので、御報告いたします。
 1つ目は、23ページの記載にございますが、CD19標的CAR-T細胞療法の治療歴を有する患者さんへの投与を制限するという点でございます。
 イエスカルタにつきましては、CD19標的CAR-T細胞療法の治療歴を有する患者さんへの投与を禁止しているところでございますが、キムリアは同種品目の一番手の品目でございますので、当該記載はこれまで行っておりませんでした。したがいまして、CAR-T既投与者への再投与については有効性、安全性が確認されていないことから、キムリアにおきましても同様に、CD19標的CAR-T細胞療法の治療歴を有する患者さんへの投与を禁止する趣旨の改訂を行いたいと思っております。
 2つ目の変更点といたしましては、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、DLBCLについてですけれども、CD19抗原陽性の事前確認を不要とする点でございます。DLBCLを適応に含んだ製品であるイエスカルタ点滴静注については、CD19抗原陽性の事前確認は不要としておりますけれども、キムリアについては当初承認時において、CD19抗原陽性の事前確認を行うこととされておりました。
 今般、製造販売業者のノバルティス社より、DLBCL患者を対象とした治験において、CD19抗原陰性の集団においても奏効が認められたという報告を受けていること。また、同種の他社品目においても、CD19抗原陰性集団における有効性及び安全性が確認されていることを踏まえまして、本品においても0CD19抗原陽性を事前に確認することは不要として差し支えないと考えているところでございます。
 なお、キムリアの製造販売業者でありますノバルティス社は、以上2点について承認事項の一部変更申請を現在行っておりまして、併せて最適ガイドラインの改訂を行うこととしたいと考えております。
 御報告は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 事務局より、補足の説明がありましたらお願いします。
○紀平薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 続きまして、資料総-13-4を御覧ください。
 先ほど説明のありました最適使用推進ガイドラインに基づきまして、保険適用上の留意事項の発出を予定しておりますので、御報告させていただきます。
 対象品目につきましては、先ほど説明いたしましたエムガルティ皮下注とイエスカルタ点滴静注でございます。
 2ページ目を御覧ください。留意事項としまして、診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項でございます。
 エムガルティ皮下注につきましては、○1治療の責任者の要件、○2投与対象となる患者の要件、○3本剤投与開始前3か月以上における1か月当たりの片頭痛発作の回数の平均、○4本剤投与開始後3か月を目安に投与継続について判断を行った場合の評価結果を記載していただくこととしております。
 なお、こちらで誤記が1点ございます。1の枠の中、下のところに学会の専門医について記載しておりますけれども、この中で日本内科学会につきましては、先ほどのガイドラインの説明にあったとおり、総合内科専門医に限るものでございます。「認定内科医または」は削除いたします。失礼いたしました。
 続きまして、3ページ目を御覧ください。イエスカルタ点滴静注についてです。
 こちらにつきましては、医療施設の要件のいずれに該当するかを記載していただくこととしております。
 こちらにつきましても誤記がございまして、枠の中1の1、「下記の(1)~(5)の全てに該当する施設であること」という記載につきましては、ガイドライン本体のほうでも「(1)~(4)」とされておりますので、合わせて修正をさせていただきます。
 留意事項発出に当たりましては、修正を確認した上で発出したいと考えております。
 これらにつきましては、来週4月20日に発出、4月21日に適用を予定しております。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 今村委員、お手が挙がっております。よろしくお願いします。
○今村委員
 ありがとうございます。
 エムガルティの皮下注について、ちょっと教えていただければと思います。
 4ページと8ページに有害事象という項がございますけれども、この有害事象の中にインフルエンザという感染症が書かれていて、プラセボと投与群の間に大きな差があるというのが4ページ、8ページでは1割ぐらいの方にインフルエンザがあることになっておりますけれども、そもそも感染症が有害事象という形で挙げられている意味がちょっとよく分からなかったので教えていただければということ。
 もう一点は、インフルエンザに伴う頭痛を片頭痛と判断してこのお薬が使われていることがないのかどうかを教えてください。
○小塩会長
 2点、質問をいただきました。
 いかがでしょうか。
○吉田医薬品審査管理課長
 どうもありがとうございます。
 まず、1点目のインフルエンザを挙げていることにつきましては、治験を行って、その後インフルエンザが発生したことで単純に有害事象と捉えているだけだと思います。
 因果関係とかそういうものはなしに、取りあえず起こっている有害事象として挙げていることだと理解しております。それが1点目でございます。
○今村委員
 よろしいですか。
 例えば感染症の流行期にこういった治験等が行われることは十分考えられる。今年はインフルエンザはございませんでしたけれども、今までの最適使用推進ガイドラインの有害事象の中に、感染症の流行時期に例えばこういうものが行われて感染症が有害事象という形で挙げられていたことはあまり記憶がないように思うのですけれども、そもそも薬剤の有害事象と感染症は全く関係が普通はないと思うのですが、これからもこういう形で挙がってくるのでしょうか。
○小塩会長
 お願いします。
○吉田医薬品審査管理課長
 御質問ありがとうございます。
 因果関係ある、なしにかかわらず、取りあえず治験でやったときにこういうものが起こったということで広く捉えているのだと御理解いただければと思っております。
 ですので、この薬剤を使って起こったのがこうだというのではなく、投与して見られた事象として取り上げていることでございますので、これについてはそういう形でございます。
 もし問題があれば、また今後考えたいと思います。
○今村委員 分かりました。
 ただ一般的には、薬剤でどういうことが起こり得るかということを我々は見ているように思います。
 専門的な考え方があるのかもしれませんけれども、特にこのお薬は片頭痛に対するお薬ですので、インフルエンザに伴う頭痛でお薬が使われているのではないかと、少しそういうことに関係するかなと思ったので先ほど御質問でも挙げさせていただきましたけれども、その辺、どういう記載をするかをまた御検討いただければと思います。
○小塩会長
 お願いします。
○吉田医薬品審査管理課長
 ありがとうございます。
 今の御指摘は恐らく2つ目の質問とも関連するのかと思いますが、2つ目の御質問はきちんと片頭痛と確定された患者さんに対して投与されているのかという御質問だと思いますが、それにつきましては選択基準のところでしっかりと国際的な頭痛の定義に基づいて、片頭痛の診断をしっかり受けている患者さんを治験対象患者としてエントリーしておりますので、治験の段階においてはそれは問題ないと認識しております。
 今後においても、最適使用推進ガイドラインに基づきましてしっかりと確定診断できた患者さんを投与対象にすることをこれで担保するという理解でございます。
○今村委員
 ありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ほかに、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、特にほかに御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
 ありがとうございました。
 続きまして、「令和4年度診療報酬改定、薬価改定の議論の進め方について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
 それでは、ただいまありました「次期診療報酬改定に向けた主な検討スケジュール(案)」で、事務局として次期診療報酬改定までのスケジュール、あらあらのものでの現時点でのイメージを示させていただいております。
 資料は総-14になります。
 まず、一番上の「中医協総会」でございますが、夏頃、7月頃から次期改定の論点等の整理をさせていただきつつ、9月以降に具体的な議論をしていただく。さらに、年を明けて諮問・答申・附帯意見という形かと思っております。
 目下、コロナが流行している現状を踏まえまして、その状況を見据えつつですので、必ずしもこのスケジュールが確定というわけではないと思ってはおりますが、おおむねこういったイメージで考えております。
 その次の段からは部会での議論の進め方ということでイメージを示させていただいております。
 「診療報酬改定結果検証部会」は、コロナの影響もあるので、限定的になることもあるかもしれませんが、検討自体は6月、7月より調査を実施し、秋にその調査をまとめて総会に報告する形を取りたい。9月からそういった議論をして、11月には報告という形を考えております。
 また、「保険医療材料専門部会」「薬価専門部会」「費用対効果評価専門部会」におきましては、まず論点出しというイメージで議論。業界からの御意見等も聴取をするという段取りを踏みつつ、夏以降につきましてはその論点につきましての議論、さらに業界からその論点に沿った意見聴取等を踏まえて取りまとめを行い、総会に報告をさせていただくイメージではどうかというものでございます。
 さらに、「医療技術評価分科会」におきましては、6月、7月まで技術提案書の募集ということで学会から御意見をいただいて、その提案書の評価をしていく。また、秋以降は例年と同様、先進医療会議の取りまとめをして、そういったところで12月に取りまとめをして総会に報告をしていく段取りでどうかということでございます。
 「入院医療等の調査・評価分科会」におきましては、2020年度の調査報告をまず取りまとめることと併せて、2021年度の調査を実施し、秋に向けて取りまとめをし、総会に報告をすることではどうかと考えております。
 また、「各種調査」ということで、材料価格調査、薬価調査、医療経済実態調査等を今年行うということでございます。こういった形で調査を実施させていただき、総会に報告をさせていただいて、結果に基づいて御議論をいただくことを考えております。
 全体といたしましては、コロナの流行がございますので、その流行状況によって議論が変わる。もしくは、このタイミングでしても効果がないものに関しましては、さらに現状を調査する、調査結果を待つことも含めて考えております。
 全体としてはこれぐらいのイメージを現時点で事務局として考えているということで、本日、案として提出をさせていただきました。
 事務局からは以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 次の診療報酬改定に向けてのスケジュール案が事務局から提案されておりますけれども、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 松本です。ありがとうございます。
 新型コロナウイルス感染症によって、世の中は本当に一変しました。保険診療においてもまた同様であります。
 コロナとの闘いは長期戦に入り、コロナ患者を直接治療する医療機関、バックアップする後方の医療機関、そして地域医療確保に尽力する医療機関など、医療界全体で連携して対応しておりますが、懸命に努力はしていますけれども医療現場は大変疲弊もしております。
 次期改定に向けた検討スケジュール案に異論はありません。しかし、全てにおいてコロナを考慮した検討が必要であることは言うまでもないと思います。
 中医協はエビデンスに基づく検討を行ってきましたので、当然ながら今後もこれを継続していくべきでありますけれども、次期改定はかつてない診療報酬改定となることは明らかだと思います。今までどおりの流れ、やり方では対応できないことも予想されます。
 さて、資料総-14に、中医協の総会や部会などの検討スケジュールの記載があり、御説明もいただきましたけれども、この中に消費税分科会が書かれておりません。
 令和元年10月の消費税率引上げに伴う平成31年度診療報酬改定につきましては、その補填状況を速やかにかつ継続的に、そして丁寧に検証していくことになっています。
 調査実施小委員会で調査結果の検討をするとともに、また消費税分科会においても補填状況の検討を行うべきではないでしょうか。
 この件につきまして、事務局からのコメントをお願いいたします。
○小塩会長
 消費税の扱いについて、事務局より御回答をお願いいたします。
○山田保険医療企画調査室長
 保険医療企画調査室長でございます。御質問ありがとうございます。
 令和元年10月の消費税率引上げの後の診療報酬による補填状況につきましては、今年度行います医療経済実態調査と合わせて調査をし、把握することとしております。
 その調査結果につきましては、いわゆる消費税分科会と呼ばれております「医療機関等における消費税負担に関する分科会」におきまして御検証いただき、改めて総会に報告したいと考えております。
○小塩会長
 松本委員、お願いします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 消費税分科会の開催スケジュールや、具体的な補填状況の調査方法はどうなるのでしょうか。
 教えていただければと思います。
○小塩会長
 お願いします。
○山田保険医療企画調査室長
 具体的なスケジュールにつきましては、今年度の医療経済実態調査と合わせて補填状況の検証ができるよう、これまでの補填状況調査の方法も踏まえつつ、今後検討をさせていただきたいと思います。
○小塩会長
 松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
 非常に重要な問題ですので、しっかりとお願いしたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 ありがとうございます。
 私も今ほど松本委員がおっしゃったように、消費税の補填問題というのはコロナ禍の状況ではありますが、次期の改定にとっても重要な問題で、特に日本病院団体協議会としても非常に注目しているところなので、ぜひきちんとした検証をお願いしたいと思います。
 それからもう一点質問なのですけれども、以前の検証部会、総会等でも、医療経済実態調査でできればコロナの影響を見るために単月調査もしていきたいということがあったかと思います。
 一番ぎりぎりのところで7月ぐらいということで、可能であれば単月調査を3か年やって影響度を見たいということがありましたけれども、現状のコロナ禍の状況で、その単月調査を事務局としてどうお考えか、現時点でのお考えで結構ですのでお聞かせいただければと思います。
 よろしくお願いします。
○小塩会長
 では、単月調査について、事務局、御回答をお願いします。
○山田保険医療企画調査室長
 保険医療企画調査室長でございます。
 コロナの状況は日々大きく変わっております。今時点でこうというしっかりとしたものはございませんが、5月のどこかの中医協総会でお諮りしたいと思っております。その時点の最新の状況でお諮りし、御議論いただきたいと思っております。
○池端委員
 ありがとうございました。
○小塩会長
 ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。
 幸野委員、お願いします。
○幸野委員
 意見なのですけれども、はっきり言ってこのスケジュールは遅過ぎるのではないかと思うのです。
 まず、質問なのですけれども、次期改定の論点を7月、8月で整理するということなのですが、これはどこまで整理するというイメージなのでしょうか。
○小塩会長
 医療課長、お願いします。
○井内医療課長
 まず、柱になるところで主に議論をしなければいけないところ、9月以降どういったところにターゲットを絞って御議論をいただくのかというところだと思っております。
○幸野委員
 医科入院・外来・在宅、歯科、調剤報酬と大きく区分されるのですが、それぞれの論点を整理するにしてはあまりにも短じか過ぎるのではないかと思うのですけれども、その辺についてはいかがですか。
○小塩会長
 いかがでしょうか。
○井内医療課長
 いずれの分野につきましても、今まで継続的に中医協において御議論いただいてきたものだと考えております。
 我々のイメージといたしましては、現時点でコロナの感染状況をそれぞれの分野でどう考えるのかということ。また、医師の働き方改革等につきましても、様々な議論が中医協の外でされている状況もございます。
 そういったものを集めまして、今、言っていただいた入院、外来等でどのようなことを考えていかなければいけないのかという、ある意味骨太のところの議論だと考えております。そういったところで、秋以降に各論の御議論をお願いしていきたいと思っております。
○小塩会長
 幸野委員、よろしいでしょうか。
○幸野委員
 先ほど、松本委員もおっしゃったのですけれども、この1年コロナ禍で本当に全て世の中は一変したのですが、医療への関わり方も大きく変わったところを総括する議論が必要ではないかと思っております。
 例えばコロナ感染拡大で、今までやっていた臨時的、特例的措置があるのですが、この40近い措置をどこでどういうふうに整理していくかという議論も必要ですし、あるいは今般のコロナの感染拡大で患者の健康に対する意識とか受療行動も大きく変わったというのがあります。それから、オンライン診療の活用とかICTの活用方法についてもどうあるべきかという議論もあると思います。
 この1年ちょっとで学んだコロナ禍での教訓を次期診療報酬改定に生かすためには、今まで以上に早くこういったものを開始しなければいけないと思うのですが、その辺について今までどおりのスケジュールでいけるのかが非常に疑問なのですが、その辺についての見解をお聞かせいただけないでしょうか。
○小塩会長
 お願いします。
○井内医療課長
 今、まさに幸野委員に言っていただいたような論点、観点というものがあると考えております。
 今までの改定とは違い、それぞれ入院、今までの延長線上というだけではなくて、コロナの影響を踏まえた、また社会情勢を踏まえた論点の整理が必要だと考えております。
 そういった形で今回お示しさせていただきましたように、9月秋以降、また1月からは諮問・答申となりますので、個別の各論が中医協総会で御議論いただけるように、その準備ということで7月からそういった議論をしていただくことが可能ではないかと考えております。
 この時期になっても、まだコロナの先行きがどうなっているかがどこまで見通せるのかということはありますが、そういったことも踏まえながらこの時期からスタートするのが適切ではないかということで、事務局として本日提案をさせていただいております。
○小塩会長
 よろしいでしょうか。
 それでは、安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
 ありがとうございます。
 私からは2点申し上げさせていただきたいと思います。
 先ほど、幸野委員からも、もうちょっと早く議論を進めたほうがいいのではないかと御意見があったのですけれども、私もそれに賛成です。
 年末に向けてコロナの影響はまだまだありますので、不測の事態に備えてできるだけ早めに議論を開始する方向性で動いていただければと思います。
 もう一点、単月の実調もやっていただけるということで、ぜひお願いしたいと思っております。
 新型コロナの影響は大変大きなものなのですけれども、2020年度の改定の影響と新型コロナの影響をきちんと区別して調査する必要があると思いますので、その辺しっかりとやっていただきたいなと思います。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 事務局、お願いします。
○井内医療課長
 まず、スケジュール感で、できるだけ早くということでございますが、事務局といたしましてはそれぞれの調査等もございます。そういったところでの何もない中で議論だけということにはいかないということもございますので、この時期から始めていただければと考えております。
 また、先ほど実調で単月調査ということもございましたが、これにつきましてはまた改めて中医協の場で、どういった形で進めていくかを御議論いただきたいと思います。
 最後に御指摘いただきましたいわゆるコロナの影響とそれ以外のものをどう峻別するかという論点でございますが、我々事務局といたしましても、そういった中でどういったところで調査結果を分析できるかは最大限努力をさせていただこうと思います。
 ただ、その中でも調査の限界はございますので、そういった中でまた見ていただければと思います。
 また、そういった中で具体的にこういった分析という御示唆がございましたら言っていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○安藤委員
 よろしくお願いします。
○小塩会長
 今、多くの委員から御意見をいただきました。
 ほかによろしいでしょうか。
 ただいまいただいた多くの御意見も踏まえながら、基本的には今回提示していただいたスケジュールをベースにして議論を進めていきたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本件に係る質疑はこの辺りということでよろしいでしょうか。
 続きまして、「選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集について」を議題といたします。本件は報告事項です。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
 それでは、「選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集について」を御説明させていただきます。
 資料は総-15になります。
 「背景」にございますが、選定療養につきましては「「日本再興戦略」改訂2014」におきまして、学会等を通じて定期的に選定療養として導入すべき事例を把握する仕組みを年度内に構築することとされております。
 このため、平成27年1月28日の中医協総会におきまして、選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見を定期的に医療関係者、国民から募集し、寄せられた提案・意見を基に中医協において議論することについて御了承いただいたものでございます。
 これを受け、関係学会、医療関係団体及び国民から提案・意見を募集し、中医協総会における議論を踏まえ、関係告示・通知の改正を行っているところでございます。
 今後の対応方針といたしましては、これまでと同様ということで、具体的には2つ目のポツでございますが、外科系学会社会保険委員会連合、内科系学会社会保険連合及び日本歯科医学会等に依頼をし、関係学会からの提案・意見を報告いただくとともに、医療関係団体からの提案・意見を募集し、併せて厚生労働省のホームページを通じ、幅広く国民からの提案・意見を募集することとしたいと考えております。
 スケジュールといたしましては、令和3年4月より提案の募集を開始し、令和3年5月以降、提案の結果を踏まえ中医協において議論をいただく形でどうかと考えております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、本件につきましてはこの辺りとしたいと思います。
 続きまして、「不妊治療の実態調査の結果について」を議題といたします。本件は報告事項です。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○小林母子保健課長
 子ども家庭局母子保健課長でございます。
 資料総-16を御覧いただければと思います。「不妊治療の実態に関する調査研究について」でございます。
 昨年の秋口から実態の調査を行ってきたところでございます。
 2ページに調査の概要でございますけれども、下にございますが幾つかの調査を行ってございます。
 1つは、産科婦人科学会に登録されております体外受精を実施する医療機関、全国に622ございます。それからまた、日本生殖医学会において男性不妊治療を実施する医療機関を把握してございますけれども、172の施設がリスト化されてございますが、そういった施設に対しましてアンケート調査を行ったものが1つございます。
 それから、ウェブを用いまして、不妊治療を行っている当事者、患者さんの方、あるいは一般の方に不妊治療についての意識などの聞き取りを行ったものでございます。
 3ページでございますけれども、委託事業者において調査研究を行うに当たりまして、下にございますような専門家の方々に意見を伺いながら調査を実施して、報告書が今般取りまとまったということでございます。
 4ページ目に、まずは女性不妊治療についてでございますけれども、女性に対する体外受精を行っている医療機関におきます属性とか医療従事者や専門職種の職員の数をまとめてございます。
 5ページ目でございます。
 各医療機関において、どのような治療を行っているかをまとめてございます。
 6ページ目でございますけれども、細々としたいろいろな検査方法について、大半の患者で実施しているものを挙げてくださいということを聞いた結果でございます。
 右側には主な使用薬品についてまとめてございます。
 7ページも同様でございますけれども、様々なオプション的な検査がございますけれども、どういった検査を実施しているかを医療機関から報告いただいてございます。
 この概要資料におきましては、6ページ、7ページはこういう検査を行っている実施の割合のみを挙げてございますけれども、各検査の項目につきましてどのような価格設定がなされているのか。あるいは、平均値なり中央値は幾らだったかについては報告書の本体のほうに詳細は記載させていただいてございます。
 また、6ページの右側にございます薬剤につきましても、個別の有効成分、どういった薬剤が使われているのかという詳細についても本体のほうに記載をさせていただいてございます。
 8ページでございますけれども、人工授精、体外受精、simple-TESE、micro-TESEについて医療機関が設定する価格の分布、平均値、中央値を記載してございます。
 9ページからは、同様に男性不妊治療を行っている医療機関のまずは属性でございます。
 10ページにつきましては、男性不妊治療を行う各医療機関におきましてどのような治療なりが行われているかをまとめてございます。
 11ページにつきましても、どういった検査が行われているのか、どのような薬剤が使われているかでございます。
 左側の検査についても、自由診療で行われている検査の項目については報告書本体のほうで詳細をまとめさせていただいてございます。
 12ページは、男性不妊の治療の費用の分布でございます。
 13ページは、日本産科婦人科学会が公開しております既存のデータを改めて分析をしたものでございます。
 この間、左上にございますけれども、治療周期数が増えてきてございます。2016年、2017年とやや頭打ちになっているのかなという傾向でございます。
 13ページの右下にございますように、妊娠の成功率は加齢とともに下がっていくということでございます。
 14ページは、これまで私どもで行ってまいりました助成事業の受給者についてのデータを解析したものでございます。
 16ページ以下は、一般の方々、不妊治療を行っております、あるいは過去に受けた当事者の方々に対するウェブ調査の結果でございます。
 時間の都合で詳細の説明は省かせていただきますけれども、18ページにはこれまでにどういった治療を何回行ってきたかといったことを聞き取ってございます。
 19ページ、20ページでは不妊治療を受けておる当事者の方の心理状況、精神的なストレスの状況について聞いてございます。
 21ページ、22ページには、どのような相談支援とか、どういったことを相談を受けたいか、話を聞きたいかといったことをまとめてございます。
 23ページから25ページにかけましては、里親とか特別養子縁組についての認識を聞いてございます。
 26ページでは、不妊治療と仕事の両立について意見を聞いてございます。
 今般、この調査を行ったところでございますけれども、今後の取組でございますが、次の総-16参考の資料の3ページをお開きいただければと思います。
 これは昨年の12月23日の医療保険部会の論点の整理でも出てまいりましたけれども、工程表がございますが、2020年3月末の時点で実態調査最終報告がございます。これが、まさしく今般お示しさせていただいた調査の結果でございますけれども、この調査結果も踏まえまして、4ページにございますが、今現在、日本生殖医学会におきましてガイドラインづくりの検討を進めていただいているところでございます。
 これは、昨年度の厚労科研の中でガイドラインの原案を策定いただいたところでございます。
 その原案を踏まえまして、今、生殖医学会において会員に対する意見聴取、それから関係学会等への意見聴取も行ってございます。そこでいただいた意見も踏まえまして必要な修正を行い、夏頃をめどにガイドラインが公表されていく。そのガイドラインを踏まえて、また中医協で引き続き御議論いただくことを考えている次第でございます。
 説明は以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございました。
 事務局より、補足はございますか。
○岡田医療技術評価推進室長
 特にございません。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問、御意見等ございましたらお願いいたします。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 今回、不妊治療の実態調査の結果が取りまとめられたということで、その御報告をいただきました。
 資料の3ページを見ますと、調査票の設計などに関与された専門家の先生方のリストも掲載されております。そういった方々の御尽力には敬意を表したいと思います。
 一方で、参考資料の4ページ目には、ガイドラインの作成に係る内容も記載されています。
 ここでは、関係学会がしっかり関係されて作成が進んでいることがうかがえます。これを踏まえますと、今回のこの調査結果だけで不妊治療の保険適用について議論していくよりも、今後策定されるガイドラインの内容をベースにして保険適用に関する議論を進めていくことになると考えておりますけれども、この点、事務局に見解を求めたいと思います。
 よろしくお願いします。
○小塩会長
 お願いします。
○岡田医療技術評価推進室長
 事務局でございます。
 委員御指摘のとおり、不妊治療の保険適用に係る議論に当たりましては、今回の調査結果のみをもって進めるわけではなく、今後、関係学会等が関与し作成されるガイドラインの内容等も踏まえ、御議論いただくものと考えております。
○小塩会長
 松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
 非常に重要な案件だと思いますけれども、なかなかスケジュール的にもタイトであることが予想されますので、いろいろな情報とかを含めて、しっかりとこの中医協に報告いただきますよう、重ねてお願い申し上げます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 続きまして、島委員、お願いします。
○島委員
 ありがとうございます。
 松本委員の御意見と大分重なるところがございますが、不妊治療に関しては公的保険の枠組みを広げることに関しては全く異論はございませんけれども、しかしながら治療法も多様化しておりまして、さらに進展している現状の中で、全てを保険収載することはできないと考えております。
 先ほど説明がありました参考資料の3ページに示されたガイドラインの完成に基づく対応と保険外併用の組合せが現実的なものと考えて、そういうふうな理解でよろしいのでしょうか。
 質問でございます。
○小塩会長
 今の御質問についての御回答をお願いします。
○岡田医療技術評価推進室長
 御質問ありがとうございます。
 実際の保険適用に当たりましてどのような形になるかにつきましては、今後、学会において取りまとめられるガイドラインを基に御議論いただくものと思っておりますけれども、今、島委員おっしゃられましたとおり、保険適用できる部分、またさらなるエビデンスの蓄積が必要な部分については、先進医療等の保険外併用療養費の制度の活用も必要になってくると考えております。
○島委員
 分かりました。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 池端委員、お願いいたします。
○池端委員
 ありがとうございます。
 私も、松本委員、島委員と同じような意見と、もう一つ別のことでお話ししたいと思います。
 まず、不妊治療に対する保険適用ということに対しては、大枠では私も大賛成でありますが、保険適用になるとはどういうことか。いわゆる保険の制度からいったら保険事故に当たることを認めることになります。
 不妊というものが保険事故になると、いわゆる疾病になると、産む権利はもちろん、出産を希望される方ができるだけそれを治療としてやることはやぶさかではないのですが、一方で産まない権利というかそっちのことも少し考えていかないと、(産まないことは悪であると言う様な)変なふうにいってしまう可能性があると思いますので、その辺は慎重に議論すべきではないかということが一点です。
 もう一つは、先ほど補助金の受給者の都道府県別のグラフがありましたけれども、現状でこれが全て保険適用外で行われている技術でありますので、ひょっとしたらかなり地域差があるのではないか、都道府県によってそれを扱う診療所、病院等の地域差があって、ここを一定程度そろえないと、保険適用になると全国津々浦々同じ料金体系になるということになりますので、その辺の実態調査も併せてやっていって、その上でどういう保険収載をするか、あるいはどういうガイドラインを進めてということが必要ではないかと思うので、この辺の地域差が分かるような現状の医療機関の分布とかも分かるようなものをお示しいただけるとありがたいのですけれども、それが可能かどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○小塩会長
 今の池端委員の御質問に対しての御回答をお願いいたします。
○小林母子保健課長
 母子保健課長でございます。
 まず1点目の不妊治療の取組について、治療を受けることを強要することはあってはならないということは全くそのとおりでございまして、母子保健の我々の領域についてはリプロダクティブ・ヘルス/ライツということで、当事者の認識なり意向を尊重することが基本的な姿勢かということでございます。
 2点目の地域格差があるかでございまして、地域格差について、対象の医療機関の絶対的な数の制約もございまして、必ずしも首都圏とそれ以外の地域というデータの取り方はしていないのですけれども、基本的には特別区と政令市とそれ以外の地方部を比較して解析を行ってございますけれども、金額面には特に大きな差はなかったことが示されてございます。
○池端委員
 ありがとうございました。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 まず、勉強不足なので質問なのですけれども、資料の5ページに1から11まで術法があるのですが、それは全ていわゆる体外受精、顕微授精の術法と考えてよろしいのでしょうか。
○小塩会長
 お願いします。
○小林母子保健課長
 例えば1番につきましては、タイミング指導は体外受精に入る前の段階、いわゆる性交のタイミングを見て治療を行っていくものでございます。それから2番、3番の人工授精につきましても、これは体外受精の治療に入る前の段階の技術でございまして、必ずしも全てが体外受精に特化したものではないと考えてございます。
○幸野委員
 もう一つ質問なのですけれども、今、国で行われている助成については、いわゆる特定不妊治療、体外受精、顕微授精の一連の治療を行った場合に助成が支給されるということなのですが、これはどんな術法をやってもこの一連のものをやれば助成の対象になるということなのでしょうか。
○小塩会長
 御回答お願いします。
○小林母子保健課長
 現行は、体外受精、顕微授精という手技に基づくものでございまして、本年の1月からは体外受精、顕微授精については1回30万円が上限で助成されるものでございます。
 基本的にはベースの治療と、あとはオプションでいろいろな検査が行われる場合もありますけれども、そこは具体的にどういう検査なり治療をやっているかを問わずに、基本的には医療機関で行われております体外受精、顕微授精については30万円という金額。
 それから、途中で中断してしまうとか、既に凍結されている受精卵を移植して治療を継続する場合には10万円という金額が設定をされているということでございます。
○幸野委員
 分かりました。
 この国の助成は体外受精、顕微授精ということで一くくりにされているのですが、5ページにありますようにいろいろな術式があって、資料として、安全性とか治療の標準化というものがどれだけなされているかについては調べられているのでしょうか。
○小塩会長
 お願いします。
○小林母子保健課長
 今般の調査は、どういう検査や治療をやっているか、またその費用負担は幾らと設定されているかという観点からの調査でございまして、有効性、安全性、医学面でのエビデンスにつきましては、まさしく生殖医学会のガイドラインを専門家の先生方に議論をいただいてございますので、そこのガイドラインづくりの中で有効性なり安全性等についてのエビデンスは整理されていくものという認識でございます。
 それから、先ほどの質問に関連する部分は、総-16参考の10ページに不妊治療の全体の流れを書いてございまして、今、私どもの助成でやっているのはここの中の体外受精なり顕微授精。それから、男性に対する精巣から精子を採取するような治療、TESEといいますけれども、そういったものが対象となっていることを記してございます。
 あとは、いろいろな段階があるというのは、次の11ページの図のようにパーツに分解されていくのかなと考えてございます。
 以上でございます。
○幸野委員
 ありがとうございます。
 なぜこういう質問をしたかと言いますと、今は一般的に不妊治療の保険適用と言われているのですが、それぞれイメージを持っているものが全然違うのではないかと思っていて、その制度設計をどうやっていくかが非常に重要だと思っています。
 今の国の助成というのは、体外受精、顕微授精を一括してやった場合に助成されることになっているのですけれども、保険適用になるとそういうわけにはいかないと思うのです。
 保険適用に当たっては、まず安全性とか治療の標準化をどうされているかが優先されるべきで、そこの制度設計をどういうふうにやっていくのかが非常に重要だと思っています。
 今、ガイドラインが検討されている中で、どういった術式がどれだけの安全性、あるいは治療の標準化を目指してつくられていると思うのですけれども、今後の検討に当たってはそのガイドラインに沿った形でどういう制度設計をしていくのかについて十分に検討していく必要があるので、今後、調べていかれる上では、治療の標準化とか安全性の観点のエビデンスもぜひ出していただきながら保険適用の範囲を検討していく必要があると思います。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 佐保委員、お願いします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 総-16の19ページから21ページにかけて、不妊症当事者が抱える悩みや心理的ストレス、相談支援ニーズについての調査結果が示されていますが、感情が不安定になることは当事者の皆さんの体調にも影響が大きいのではないかと考えております。
 保険適用により不妊治療が受けやすくなることはもちろん重要でありますが、同時に心のケアもしっかりとやっていただきたいと考えております。心の安らぎ、安心も不妊治療にとって大切であると考えます。
 以上です。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 城守委員、お願いします。
○城守委員
 ありがとうございます。
 この不妊治療の議論は、先ほどから松本先生たちがおっしゃっておられるように、基本的にはガイドラインを策定してからになろうと思いますが、それに当たって事務局に対して要望をしたいことが2点ほどございます。
 1点目は、先ほど参考資料の11ページをおっしゃいましたけれども、この不妊治療の一連の流れの中において、それぞれの治療法の有効性、安全性を確認しながら保険収載していくかどうかという話になろうと思いますが、本来、保険適用は一人の人間に対して一人の医療行為をどう点数づけるかになろうかと思いますが、不妊治療の場合は男性と女性と両方にまたがりますから、その場合に男性女性を別々に算定対象としてできる場合もありますけれども、一体となった場合にどちらに請求するのかとか、保険適用に関しての難しさが多分出てこようと思います。その辺りが1点問題としてあること。
 もう一点は、11ページの胚凍結の保存というところでございますが、凍結胚ということになると、一年一年、現在の要件では、夫婦関係が成立していることとか、様々な各人の意思決定ないしは倫理的なファクターが要件の中に入ります。
 こういうことは、本来診療報酬の算定の要件としてはほぼなかったであろうと思いますので、この倫理的な面を保険適用の中にどういう形で整理していくのか、入れ込んでいくのかに関しても、事務局がガイドラインを見ながらしっかりと整理をしていただきたいと思います。
 現時点では要望になります。
 以上です。
○小塩会長
 御要望として受け止めさせていただきます。
 永瀬委員からお手が挙がっています。お願いいたします。
○永瀬委員
 永瀬でございます。
 私は労働経済学が専門でかつ人口学会にも属して研究しておりますので、不妊治療については長く関心を持っているのですが、事務局にまずお願いしたいのは海外の制度がどのようになっているかを少し研究していただきたいということです。
 例えば私の知っている範囲では、フランスなどでは不妊治療は社会保険適用されており自費ではありません。またアメリカは、国民皆保険制度はないのですが、たとえばニューヨーク州では大手民間保険であれば必ず不妊治療を保険のカバレッジに入れなくてはいけない規制があり、不妊治療が保険でカバーされるような工夫がある。このように、いろいろな形でカバーしている国はそれなりにあるのではないかと思います。
 今まで日本においては、出産は病気ではないから医療保険は適用外で出産費用は自費でした。後から出産一時金がきていました。最近は、費用から一時金が相殺されるようになっていますが、出産や不妊という問題にこういう在り方で良いのか。海外でどうなっているかを調べていただいた上で少子化が課題である日本がどう対応すべきか考えていただきたいのが一つ要望です。
 もう一つは、日本の不妊治療の成功率がどのくらいであるのか。今は、自費治療ですから、実にさまざまな不妊治療があるのではないかと思いますが、その辺を調べていただきたい。
 不妊に関しては、医院に通院している人だけのデータではなくて、広く人口に対して網をかけて実態を見ないと分からない部分がありますから、しっかり日本の不妊の実態について調査していただきたいと思います。
 不妊治療の効果は、女性の年齢が大きな影響を与えますので、治療の効果については、年齢をコントロールした上で見るべきと思います。また医療機関に来た人のデータだけでは、その医療機関に行くことを選んだ、また費用負担ができた人だけからなるデータとなり、偏ったデータとなります。もっと幅広い国民を対象にした上で、どういう不妊の実態と効果があるのかをしっかりと検証していただきたい。
 そしてもう一つ、欲しいと思う人が持てるための自由度が拡大し、経済的な問題が緩和されるのは大変いいことだと思うのですけれども、不妊は医療だけの問題ではございません。例えば働き方の問題、企業の勤務時間の柔軟性、それからどのぐらい休みが取れるか、そういったことも子どもをもつ決断の先送りに非常に大きく関係します。ただ単純に不妊治療のアクセスを改善するという狭い見方では、必ずしもいいことにはならない。たとえば年齢が上がって成功率が低い状況のもとで不妊治療が増えるならば個人のストレスがむしろ増える可能性もある。本当は持ちたいけれども、持っていない人について、もつ時間が持てないのか、治療以外の問題がどこにあるのか、これを含めて幅広い視点で検討をしていただき、その中で保険適用も位置付けて考えていただきたいなと思います。
 以上でございます。
 海外の制度との比較や、治療の成功率などについて、事務局にお答えいただきたいと思います。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 多くの御質問、御要望がありましたけれども、現時点で事務局でお答えできるものがありましたらお願いいたします。
○小林母子保健課長
 母子保健課長でございます。
 1つ目に、海外のデータということで御意見いただきましたけれども、海外の状況も幾つかの国を今調べているところでございます。まとまったら御提示させていただきたいと考えてございます。
 それから、成功率につきましては年齢などによって異なることを委員からも御指摘いただきましたけれども、日本はよく海外と比べて成功率が低いのではないかと言われますけれども、新鮮胚を使うか凍結胚を使うのかといったこと、それから年齢の分布とか、あるいは1回に移植する受精卵の数とか、そういったところによってかなり成功率が変わってくる状況がございます。こういったところを当然視野に入れながら、また検討していきたいと考えてございます。
 それから、医療の問題だけではなく、その前の質問にもございましたけれども、倫理の問題とか働き方の問題とか、生殖医療については考える論点が多数あるかなということでございますので、保険局のみならず私ども子ども家庭局、あるいは労働部局とも連携しながらしっかりと取り組んでいきたいと考えてございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかによろしいでしょうか。
 関委員、お願いいたします。
○関委員
 ありがとうございます。
 不妊治療への保険適用については全面的に私も賛成しております。
 少し意見を述べさせていただきます。
 健康保険法は疾病、負傷もしくは死亡または出産に関して保険給付を行うと規定しておりますので、医療保険部会でもこの疾病をどう解釈するのかが議論されているところです。
 この点、何を保険の範囲とするのかといった制度の根幹に関わる議論につながることかと思いますので、中医協においてもしっかり議論をしていただければと思っております。
 現在、遺伝子検査など様々な新しい技術について何を保険の範囲にしていくかが日々問われてきております。今回の話も同様に、今の状況に合わせて保険適用の範囲を広げていくとすると、それはどうした理由でそうするのかを今後に向けてしっかり説明のつく形で議論する必要があるのではないかと思っております。
 また、現在ある助成制度、支援制度では対象年齢を限定しています。先ほど永瀬委員からも年齢の話が出てきました。この点、現在の医療保険制度の中では年齢を限定して給付を行うものは少ないため、もし年齢を限定するのであれば、それをどういった形で理由づけていくのかもしっかりとした議論が必要ではないかと思っております。
 以上、意見でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 ほかはよろしいでしょうか。
 池端委員、お手が挙がっております。お願いします。
○池端委員
 すみません。2度目で申し訳ありません。
 今の関委員からのお話にも少し関連するかもしれませんけれども、総-16参考の10ページの表ですが、今後、中医協で議論するところをどこまでにするかということで随分議論の内容が変わってくるかと思います。
 青印の保険適用以外の赤で囲ったところが保険適用外、これを全てここで議論するのか、それとも、今現状、国費で助成している特定不妊治療、点線の赤枠のところです。体外受精と顕微授精と男性に対する治療、ここをもって保険適用するかどうかを議論するのか。あるいは、夫婦間で行われる人工授精、AIHも含めての議論、さらに突っ込んでAIDとか卵子・胚提供等、代理出産までを議論するかによって、とても中医協では議論しきれないもっと広い、先ほど城守委員もおっしゃったような議論も踏まえなければいけなくなるのではないかと思うので、少しここを絞った形で議論を進めないといけないのではないかと思いますが、現在、事務局としてはこの保険適用外を全部一旦議論に乗せて、それから絞っていく形を取るのか、ある程度絞った形を想定しているのか。もし現時点での方向性が決まっていたら教えていただければと思います。
○小塩会長
 今、中医協での議論の範囲についての御質問がありましたけれども、事務局、よろしいでしょうか。
○岡田医療技術評価推進室長
 御質問ありがとうございます。事務局でございます。
 委員のただいまの御質問につきましては、これまでも御説明をさせていただいておりますとおり、まず学会でのガイドラインでのエビデンスの評価を踏まえて検討していくということで、現状、事務局内で何か固まったものはございません。
 学会でのエビデンスを踏まえて、またどの範囲を対象としていくのかも含めて、省内でも保険局のみならず子ども家庭局、関係局とも連携しながら資料の整理を行い、中医協での御議論をいただきたいと考えております。
○小塩会長
 時間が超過してしまって申し訳ないのですけれども、不妊治療につきましてはいろいろ重要な論点がございます。これからも引き続き、先生方に御審議をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 本日の議題は以上なのですけれども、先ほど先進医療会議の報告につきまして、間宮委員から御質問がありましたので、それについての回答を事務局よりお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
 事務局でございます。
 先ほど、先進医療会議からの報告につきまして、資料総-3-3、整理番号148番の技術について、間宮委員からこの技術、頭に医療機器を貼って治療を行う機器でございますけれども、頭皮への有害事象についての御質問がございました。
 この間、調べさせていただきまして、小児に限らないエビデンスでございますけれども、治療対象者の16%に軽症から中等症の皮膚への刺激反応が見られたということとなっております。
 こういったことも踏まえまして、この先進医療においては有害事象の発生の状況も確認をしていくこととなっております。
 以上でございます。
○小塩会長
 ありがとうございます。
 間宮委員、よろしいでしょうか。
 以上で今日の議題は終了いたしますけれども、ほかに何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本日の議題は以上ですので、これで終了させていただきます。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。
 長時間、ありがとうございました。


 


 
 

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