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2021年3月24日 中央社会保険医療協議会 総会 第477回議事録

○日時

令和3年3月24日(水)9:57~11:28

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員 
吉森俊和委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 松浦満晴委員 染谷絹代委員
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 半田一登専門委員
保険医療材料等専門組織小澤委員長 費用対効果評価専門組織田倉委員長 福田専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 岡田医療技術評価推進室長
山田保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○臨床検査の保険適用について
○先進医療会議からの報告について
○診療報酬改定結果検証部会からの報告について
○費用対効果評価専門組織からの報告について
○令和元年度DPC 導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告について
○プログラム医療機器の診療報酬上の評価の検討について
○被災地における特例措置について


 
○小塩会長
ただいまより、第477回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
なお、本日もコロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開については、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、岩田専門委員が御欠席です。
それでは、早速議事に入らせていただきます。
初めに、「臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。
小澤委員長より、御説明をお願いいたします。
○保険医療材料等専門組織小澤委員長
小澤でございます。
それでは、説明いたします。
中医協総-1の資料を御覧ください。
今回の臨床検査の保険適用は、E3の1件です。
2ページ目を御覧ください。
製品名は「Eテスト「TOSOH」II(TFPI2)」です。測定項目は、組織因子経路インヒビター2(TFPI2)です。測定方法はEIA法です。
3ページ目の製品概要を御覧ください。
本検査は、血清中のTFPI2を測定し、卵巣がんの診断の補助に用いる臨床検査です。
2ページにお戻りください。
保険点数につきましては、「D009 腫瘍マーカー 23 CA602」190点を参考点数としています。
御説明いたします内容は、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
事務局より、補足はございますか。
○岡田医療技術評価推進室長
特にございません。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
本件につきましては、特に御意見、御質問がないようですので、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
次に、「先進医療会議からの報告について」を議題といたします。本件は、報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
医療技術評価推進室長でございます。
それでは、中医協総-2に基づきまして御説明をさせていただきます。
今回、先進医療会議で承認をされました先進医療Bの技術が1件ございます。
今回承認をされましたのは、1ページ目にございますように整理番号146番「成人T細胞白血病に対する移植後シクロフォスファミドを用いた非血縁者間末梢血幹細胞移植」でございます。本技術に係る費用は、それぞれ表に記載のとおりでございます。
4ページ目でございますけれども、判定は「適」となってございます。
技術の概要について説明をさせていただきます。
6ページ目を御覧ください。
本技術は成人T細胞白血病患者に対して、非血縁者間末梢血幹細胞移植を行いまして、移植後に起こる合併症でございますGVHD、移植片対宿主病でございますけれども、これを予防する目的でシクロフォスファミドを投与するという技術となります。
ロードマップにつきまして、7ページ目を御覧ください。
先進医療を行った後、公知申請を行い、薬事承認を目指すということでございます。
事務局からの御説明は、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
次に、「診療報酬改定結果検証部会からの報告について」を議題といたします。本件は報告事項です。
診療報酬改定結果検証部会の永瀬部会長より御報告をお願いいたします。引き続き、その後で事務局より補足をお願いいたします。
○永瀬委員
検証部会長の永瀬です。
令和2年度診療報酬改定の結果検証に関わる特別調査につきまして、資料総-3にございますように、令和2年度に調査を実施した5項目とした、(1)かかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等に関する実施状況調査、(2)精神医療等の実施状況調査、(3)在宅医療と訪問看護に係る評価等に関する実施状況調査、(4)医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進に係る評価等に関する実施状況調査、(5)後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査等がございます。この報告書を取りまとめましたので、御報告いたします。
それでは、事務局より資料の説明をどうぞよろしくお願いします。
○山田保険医療企画調査室長
保険医療企画調査室長です。
総-3または検-1をお開きください。
本年度は5つのテーマについて検証調査を行いました。
調査の報告内容につきましては、検証部会の委員や外部有識者などから構成されました調査検討委員会におきまして、具体的な検討を行っていただきました。
報告書本体は、5つの調査を合計しますと2,000ページを超える報告書となっております。
1つ目の調査は、「かかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等に関する実施状況調査」でありました。
この調査を含め、5つの調査には、今般の新型コロナウイルス感染症の影響に関する設問を設けております。
このかかりつけ医の外来調査におきましては、地域包括診療料等の届出状況、オンライン診療料等の届出状況、かかりつけ医に求める役割、また、明細書の発行状況等をお聞きし、その結果を記載しております。
2つ目の調査は、「精神医療等の実施状況調査」でございました。
例えば、感染防止対策加算の届出をしている施設についてお尋ねをしています。全体の約半数程度が届出をしているということでありました。
届出をしていない病院にその理由を尋ねますと、専任の院内感染管理者を配置することが難しいからなどの回答がございました。
3つ目の調査は、「在宅医療と訪問看護に係る評価等に関する実施状況調査」でございました。
在宅医療を担当する常勤の医師数や、往診、訪問診療、訪問看護の患者数の前年同月との比較状況などを調査いたしました。
訪問看護調査におきましては、例えば明細書の発行状況についてもお聞きしております。
在宅歯科医療調査におきましては、患者の実人数などについてお聞きしました。
4つ目の調査は、「医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進に係る評価等に関する実施状況調査」でございました。
地域医療体制確保加算の届出状況などを調査しております。病院規模が大きくなるに従い、届け出ている割合が高くなったといった結果になっております。
また、医師の負担軽減策として効果のある取組や、看護職員の負担軽減策としてどういった取組を行っているのかなどについても調べております。
また、薬剤部責任者調査におきましては、病棟薬剤業務実施加算の届出を行っている施設と行っていない施設の比較を行いました。
5つ目の調査は、「後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査」でございました。
薬局における処方箋受付枚数は前年度と比較して減少し、後発医薬品の調剤割合が増加している。診療所での後発医薬品の使用割合は、57.7%から59.7%に2ポイント増加しているといった調査を行っております。
また、患者に対して、後発医薬品に対する使用の意向についてもお聞きしました。
このような報告を検証部会で行いました。検証部会ではコロナ影響などもありますので、調査結果の解釈について、例年よりもさらに慎重に行うようにといった御意見、御指導をいただいております。
御報告は以上でございます。
○永瀬委員
ありがとうございました。
かなり膨大な資料になりますけれども、この説明について、御質問等ございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
○小塩会長
有澤委員、お手が挙がっております。
よろしくお願いします。
○有澤委員
ありがとうございます。
私からは、まず、医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進に係る評価等について発言させていただきます。
医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進に係る評価等の実施状況の調査案についてですが、これらについてコメントさせていただきます。
報告書概要の31コマ目、医師調査の結果の<病棟における薬剤師の関与の状況等>ですが、医師の負担軽減及び医療の質向上への効果として、患者からの情報収集、あるいは「退院時の薬剤情報管理指導」の項目が80%以上の効果があるとの回答が得られています。
また、「患者に対する処方薬の説明」「医薬品の副作用・効果等の確認」は、70%以上、事前に取り決められたプロトコルに従って、処方された薬剤の変更、「医師への処方や服薬計画等の提案」についても、多くのところで効果があるとの結果が得られています。
さらに、報告書案のところになりますが、報告書案の470ページの部分では、看護職員の業務負担の軽減に最も効果があると考えられる取組では、「薬剤師による薬剤の準備、残薬確認、継続処方の確認・処方依頼、病棟配置薬剤の確認」が一番多く回答を得られています。
これらの調査結果について、医師や看護職員等の関係職種の負担軽減、医薬品の適正使用、安全性の確保の観点から病院薬剤師の活躍、維持、さらなる推進をすべきと考えます。
そして今後、次期改定の議論を行っていく上で、しっかりと検討していく必要があります。
次に、後発医薬品の使用状況に関する検証結果についてであります。
ここ最近、相次いで発生した後発品メーカーの不祥事に関して、今回の調査結果ではその影響は見られておりませんので、次回の調査で、その影響も含め見ていく必要があると考えます。
後発品メーカーの不祥事については、製造上の問題が発覚し、その後、当該メーカーに対する行政処分が行われました。小林化工については、2月10日から116日間、日医工に対しては3月5日から32日間、もしくは24日間のいずれも業務停止命令という内容であり、業務停止期間は異なるものの、どちらも極めて重い処分であるということは、言うまでもありません。
今般の不祥事に伴い大きな2つの問題として、後発品の信用問題と流通上の問題があります。
まず、後発品の信用問題であります。報告書案の本体、26ページの「後発医薬品調剤割合」では、85~90%の割合が最も伸びており、全体の平均値も77.7%から80.2%と2.5ポイント増加しています。
また、37ページの品目ベースの「後発医薬品への変更割合等」は、令和2年度は84.7%で前年度より7.8ポイント増加しています。
我々薬剤師は、後発品の普及促進のため、患者さんの積極的に後発品への変更を提案し、後発品への変更調剤に取り組んできました。その結果、保険薬局における調剤数量では、直近で80%を超える状況に到達しています。
ところが、今般の後発医薬品のメーカーの不祥事は、医師、薬剤師、保険者、行政など様々な関係者の理解と努力により、何とかここまで進んできた国民患者の後発品の使用マインドに水を差すものであり、既に後発品を使用されている患者さんへの信頼を損なうだけでなく、これまで薬局の現場において患者さんへの積極的な後発品への変更を進めてきた薬剤師の信頼も失墜しかねないものであります。
現に薬局の薬剤師からは後発品に対して不安を抱いた患者さんから「後発品を使っても大丈夫なのか」「もう後発品は使いたくない」と言われてしまった報告を受けており、私も現場に立つ薬剤師の一人として非常に残念であり、やるせない気持ちでいっぱいであります。
薬剤師としてこうした状況にどう対応していくか、一度失った信頼を取り戻すことは非常に大変なことであり、現場は大変困っております。
もう一つは、流通上の問題であります。
現場が安心して患者さんに積極的に後発医薬品への変更調剤を行うためには、メーカーや卸による安定供給体制が大前提であります。
今回の調査結果でも、45ページの一般名処方の処方箋を持参した患者さんのうち、後発医薬品を調剤しなかったケースで最も多かった理由の「その他」の中で、後発品の流通が落ちており、納入を拒否されたところがあることや、52ページの後発医薬品の採用基準で最も多い回答が「供給停止や自主回収等による不安がないメーカーであること」、73ページの「薬局の開設者・管理者の立場として後発医薬品の調剤を積極的に進める上で必要な対応」として最も多い回答が、「後発医薬品に関する安定供給体制の確保」となっており、それは現場の切実な思いであります。
引き続き、対応の検討をお願いします。
今回の不祥事を受け、業務停止命令という行政処分が決まる以前から、既に現場での後発品の入手困難という流通上の問題が生じております。
特に、不祥事を起こした当該メーカー以外の製品、すなわち代替品を購入しようとしても、卸業者に「新規取引なので」という理由から納入を断られてしまったという苦情が薬剤師会の会員から寄せられています。これは、薬局だけで起きていることではなく、病院の薬剤師からもなかなか入手できなくて困っているといった声を聞いております。
その後、卸連から参加の卸企業に対して、新規取引の場合であっても丁寧な対応をするように周知していただいた効果もあり、ある程度の改善は図られたように思いますが、いまだに同様の苦情が散見されることを考えると、必ずしも改善されたと言い切れない状況です。
薬局が必要な医薬品を購入できないということは、患者さんに迷惑をかけるということだけではなく、医療提供体制を維持できないという事態も起こしてしまうということであります。
また、一言で代替品への変更と言っても、同一成分、同一薬効の後発品であれば、薬局で薬剤師が患者さんと相談して変更することは可能ですが、先発品への変更であったり、別成分の同効薬への変更をする場合は、当然、処方医への同意が必要であり、すなわち疑義照会が不可欠であり、処方医及び調剤する薬剤師に負担を強いることになります。
「後発品の備蓄状況・廃棄額等」についてです。
46ページでは、いずれの医薬品の備蓄品目数は上がっていますが、50ページでは、在庫金額は下がっており、これは後発品の使用が進んでいる影響であるものと考えます。
一方で、廃棄金額は上がっており、特に後発品は26.3%の増加率となっております。今回の不祥事により、薬局においては、さらに後発品の調剤に関わる備蓄等に影響が生じてくる可能性も考えられます。
これらのことは、薬局経営に大きな影響があるもので、これに対する検討も進めていくことが必要と考えます。
次に、バイオ後続品であります。
79、80、81ページですが、バイオ後続品の調剤に積極的に取り組んでいない薬局が61.2%あり、取り組んでいない理由の中で一番多いものが、バイオ後続品の処方の対象となる患者がいないことでした。
今後、バイオ後続品の使用を進めていくには、国民及び医師、薬剤師への適切な情報の周知とともに、82ページにある必要な対応をしっかりと検討し、実行していくことが重要と考えます。
最後に、今回のような後発品メーカーの不祥事が生じたことを受け、厚生労働省としてどのようにお考えか、また、今後の対応などをお聞かせいただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
事務局からの御回答につきましては、後でまとめてお願いしたいと思います。ほかの委員の方々からの御意見もいただきたいと思います。
次、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。松本です。
私からも後発医薬品の信用問題について、少し述べさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症による社会的な変化や、受療行動の変化がある中においても、継続して後発医薬品の検証、調査を実施することは、2年に一度の診療報酬改定の議論のためのデータを収集する過程として理解するところであります。
このたびの小林化工や日医工による製造管理並びに品質管理の基準逸脱については、国際基準の考えを満たすことができていない、世界に対しても恥ずべき事態であると考えます。
改善状況につきましては、薬食審において厳しく追及してまいりますし、日本医師会として既に日本ジェネリック製薬協会の同席の下で、両者の経営陣に対して猛省を促し、業務改善を強く申し入れておる次第であります。
しかし、問題はこの2社にとどまらず、政府によるやや強引なジェネリック推進による弊害として、他の企業や原薬メーカーにおいても国際標準からの逸脱が懸念される点であります。
安かろう悪かろうというイメージを業界自らが招いており、後発品企業への信頼が揺らいでいる今、新型コロナウイルス感染症の影響以外の要因によって、今回の調査結果で後発品の使用割合が減るといったことは想定内であると、あらかじめ指摘させていただきます。
なお、医師にとって先発品を選択するには、それなりの理由がございます。
また、特定の後発品メーカーを指定して処方したにもかかわらず、調剤薬局においてこのたび問題となっている企業の後発品に変更されたために、患者さんから処方医に対して、先生はどうしてこのような薬を処方したのかと、大変大きな苦情を受ける事態になっております。
薬局における調剤変更は大きな問題であり、処方する際に処方医と信頼関係のある薬剤師のいる薬局に対してのみ行えるように、今後、診療報酬上の仕組みの見直しも必要と考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
幸野委員、お願いします。
○幸野委員
今回の調査について、印象に残った点、あるいは新たに調査されたものについてコメントを申し上げます。
まずはコロナにおける、いわゆる患者の受療行動の変化が調査されているのですが、非常に興味深いデータが出ておりまして、検-2-1、24ページにありますように、受診間隔を延長したり、あるいは処方を長期化したりして、患者の健康にどのような影響が出ているかという調査がなされているのですが、大体7割の方がほとんど健康に影響がなかったという調査が出ております。
これは非常に興味深い結果になっていまして、今後、医療との関わり方をどうするのかというところについて検証していく上で、もっと深掘りした調査が必要なのではないかと思いますので、それが1つです。
2つ目は、先ほどから出ていますように、やはり後発医薬品の問題です。今まで築き上げてきて、8割まで達成した国民の信頼感が、これで一気に崩れ去るのではないかという懸念が出ておりまして、我々の保険者の組合員の中からも、後発医薬品はやっぱり駄目なのかという意見も出始めました。これは何とか早急に対処して、信頼を回復していかないといけないと思います。
これは、さきの二人の委員の方と同じ考えでございます。国としてこれをどう対処していくのか、これから検討していかないといけないと思います。
それから、初めて調査がありましたフォーミュラリーについてなのですが、大分医療機関が関心を持ってきたことが分かってきました。大体2割ぐらいの方が、フォーミュラリーを積極的に導入したいと答えていまして、導入したところの8割は、やはりフォーミュラリーはメリットがあると答えています。
ただ、これができないのはマンパワー不足とか、そういったところが理由に挙げられていますので、国を挙げて推進するためにも、やはり次期診療報酬改定に向けて、何らかのフォーミュラリーを推進するような後押しが必要なのではないかと思います。
今、厚生労働省の研究班がガイドラインを作成されるということも聞いておりますが、こういったことでフォーミュラリーに様々な医療機関が興味を持ち始めておりますので、推進していく必要があると感じました。
以上、今回の調査に関する3点のコメントでございます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
吉森委員、お手が挙がっております。お願いします。
○吉森委員
ありがとうございます。
私からも、今回の調査の中で各委員がおっしゃっています、ジェネリックの推進について意見を申し上げます。31ページの患者調査の結果を見ましても、幾ら安くなっても使用したくない理由の1つに、ジェネリックの効き目や副作用に不安があるからが75%あるという実態の中で、今回、皆さんがおっしゃっているように、ジェネリックメーカー2社の在りようについては、間違いなくあってはいけないビヘービアだと思います。そういうことによってジェネリックの安全性、有効性が損なわれるに至ったということについて、我々保険者として国の目標80%をどのように推進していくかに意を砕いて、いろいろと軽減額通知などの対策を取ってきた。そんな中で、今回の事象が起きた。協会の運営委員会で各委員から、また、患者さんからも保険者としてどうするのか、こういう事態をどう考えているのかとのご意見をいただいております。
我々としては、先ほどから皆さんがおっしゃっていますように、メーカー2社のみならず、日本ジェネリック製薬協会が業界を挙げてどう取り組むのか、また国としてこのジェネリック推進というのは、医療費の増加の抑制に1つの効果があるということで、推進している戦略だということを踏まえれば、どのようにこの事象をきちんと対処し信頼を取り戻すのか。皆さんおっしゃっているように、医師薬局の皆さんも含めてですが、やはり使用する患者の信頼が一番だと思います。患者としても安全性、有効性を考えれば、高くても新薬が欲しいという結果になって、このジェネリックの戦略自体が頓挫するようなことがあっては、間違いなく日本国としては大きな損失だと思いますので、しっかりと政府を挙げて今回の事象に対応いただいて、患者の信頼を取り戻していただきたいと思います。患者の意識調査の中に、今回の事象も踏まえてしっかりと安全性、有効性をどういうふうに考えていくのかというリテラシーの進展も含めて、理解度を確認できるような項目があってもいいのではないかと思っております。
以上、意見です。
○小塩会長
ありがとうございます。
松本委員、追加のコメントがあるようです。
池端委員、しばしお待ちください。
○松本委員
申し訳ございません。松本です。
幸野委員から、2点ほど御指摘があった点について、私の見解を述べさせていただきます。
まず、患者の受療行動の変化のところですけれども、かなり強引な結論づけではないかと思いました。
これを見ますと、もともと調査の内容が受診期間を延ばしたのがどの程度なのかということも示されておりません。恐らく短期ではないかと思いますが、逆に短期の中でどれだけの変化があるのか非常に難しい判断だと思います。
むしろ、ここでは1割以上の医療機関が、かなりあった、多少あったと答えていることは、むしろ私どもは重要ではないかと思っております。それを指摘しておきたいと思います。
それから、フォーミュラリーについても、やや強引な結論づけのように思います。これがどの程度、内容を考えて答えていらっしゃるか、その辺についても問題ですが、今日は後発医薬品の信用問題が出ましたので、やはりこの問題がしっかり解決できないと、フォーミュラリーを進めていくことは非常に難しいのではないかと考えております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私も、今、松本委員がおっしゃったこととほぼ同じような内容ですが、幸野委員がいみじくも御指摘いただいた、かかりつけ医の調査に関して、7割が影響はなかったと捉えられましたけれども、逆に、私は3割の方が何らかの影響があった。例えば、今、問題になっているワクチン接種に、もし3割の方が影響あったら、そのワクチンは実施できるかどうかも分からなくなってしまう。そういうことを考えると、3割の方に何らかの影響があったと捉えるほうが、むしろ自然ではないかと思いますし、そこをもっと深掘りしてしっかり検証しながら、どういうところが大きな影響があったかということを考えるべきではないかと捉えたいと思います。
以上、松本委員とほぼ同じ意見ですけれども、よろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございます。
島委員、お願いします。
○島委員
ありがとうございます。
まず、検-2-1の1ページの「調査の対象」というところの表でございますが、この上のほうの令和2年度改定以前から定額負担の仕組み対象病院となっているところに関しては、これは、地域医療支援病院は400床以上としていたはずです。令和2年度改定より定額負担の仕組み対象病院としたのは、一般病床200床以上の地域医療支援病院としたと思います。200床未満は選定療養費徴収不可となっておりましたが、200床以上は選定療養費を取ることができるとしていたはずなので、ちょっとここは誤解を与えるようなつくりになっているような気がいたします。
それから、後発医薬品に関しましては、各委員の先生方おっしゃっているように、信頼回復をどうやっていくかということは非常に大事だろうと思います。
幸野委員から言われたフォーミュラリーの推進は、非常に重要なことだろうと思っております。いかに、適切な薬剤を使うかという考え方は、きちんと医療施設に導入すべきだろうと思いますが、これをやると同時に、もともと一生懸命取り組んでいたクオリティ・インディケーター、それからクリニカルパス、こういったものをきちんと使用していくことによって医療の質を高めていくという考え方を導入することが必要だろうと思います。
以上、意見でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
今村委員、お手が挙がっております。お願いいたします。
○今村委員
ありがとうございます。
もう1号側の委員の先生方、また、2号側の皆様も、後発医薬品の問題をおっしゃっておられますけれども、ちょっと別の視点で私からも一言申し上げたいと思います。
これは、平成22年に大洋薬品工業が行政処分を受けた。当時すごく大きな問題になったと思います。その後も、この10年間の間、この後発医薬品のメーカーで行政処分を受けている会社が結構たくさんあるわけです。
医療側は後発医薬品の質だとか供給体制について、問題があるということを申し上げてきたわけですけれども、これは、政策的に財政的な問題を主として後発医薬品の数値目標がどんどん設定された。結局、その設定に併せてメーカーは無理をして生産体制をつくってきたことが、今回の弊害にもつながっていると思いますし、また、業界団体に参加されていない圧倒的な後発医薬品メーカーが多数ある状況の中で、今回また改めて反省してきちんと取り組んでくださいと言っても、私は、また同じことが繰り返されるリスクが非常に大きいと思っています。
もう少し、抜本的な取組をしない限り、こういう数値目標を達成することはなかなか困難ではないかと思っておりますので、根本的な後発医薬品の在り方について、もう一度ぜひ御検討いただきたいということをお願いしたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
皆様方の発言にかぶるわけでございますが、やはり薬剤というのは、品質の担保というものが絶対条件で、我々はそれを信じてお薬を処方しているわけでございます。
そういう意味において、今回の後発医薬品の問題ですが、先ほどから松本先生、今村先生がおっしゃっておられるように、その製造管理とか品質管理というものがしっかりできていないことが、ここずっと繰り返されているのは、極めてゆゆしき問題と思います。
それに対して、厚労省としては無通告の立入検査のガイドラインを策定するとか、監視体制を強化するとか、いろいろと策はおっしゃっておられますが、もしこれでも改善をしないということであれば、やはり薬品の承認の最初の体制も含めて変更ないしは再評価をする制度を取り入れるとか、しっかりとした品質管理の強化体制というものを要望したいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
池端委員、追加のコメントでしょうか。
○池端委員
はい。申し訳ありません。
もう一点だけ別の視点で、検-5-1の37ページにありますように、今ほど有澤委員からもお話がありましたように、病院内での薬剤師の役割が非常に大きくなってきて、それによってかなりタスクシフト、タスクシェアができるようになっている。その一端としてこの基準を取れるかどうかということがありますけれども、ここにありますように、右の図を見ていただきますと、届出をできない理由の中で薬剤師の人数が不足して病棟専任の薬剤師が勤務できないということがあります。
これは、日本病院団体協議会でもかなり大きな問題になっていて、必要なのだけれども確保できない。どんどんちまたの調剤薬局等のほうに流れてしまい、なかなか病院薬剤師が人気がないというか、待遇の問題もあるかもしれませんけれども、そういうことが問題になっているので、この辺は注目していただいて、次期の診療報酬改定で何らかの対応ができないかどうかを、ぜひ検討していただきたいと思いますので、これは意見ですけれども、よろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございます。
間宮委員、お願いします。
○間宮委員
ありがとうございます。
後発医薬品メーカーの不祥事についてですけれども、これは本当に大問題なことで、患者にとっては、先発品も後発品も同じように病気に役に立つという感覚になってきたところが、今回の不祥事で、やはり後発品は怖いのかとか、後発品メーカーというのは、先発品の大きな製薬メーカーよりも適当につくってしまっているのではないかという声が私のほうにも聞こえてきています。
ここで本当にしっかりたがをはめ直さないと、本当に大きな薬害がまた起きてしまう可能性もあるわけです。そうしたら取り返しがつかないことになりますし、これというのは、つくっている人たちとか売っている人たちというのは、やはり人がつくっているわけですから、人の教育、人材の育成というものをきちんと一からやり直して、二度とこういうことが起きないように指導していっていただきたいと思います。
業界団体の方々も本当に先発も後発も一緒になって、きちんと安全性とかそういう安心というものを担保できるような体制というものを一緒になってつくっていただきたいと、本当に切に願います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、有澤委員、お願いします。
○有澤委員
ありがとうございます。
先ほど、松本委員から御指摘のあった医師の意図としない後発医薬品に変えているところが、薬局の一部にあると聞いておりますが、現行の仕組みの中では、後発品であっても変更不可というデータをつけることで、しっかりとそこは医師の処方意図を担保できる仕組みになっていると思います。
通常で、もし、どうしても変えるのであれば疑義照会という形のものが必要ではありますが、そういったものも経ずにもし変えているという実態があれば、それは当然指導の対象となりますし、そのようなことがないように、再度、当方でもしっかりと周知していきたいと思います。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほか、よろしいでしょうか。
今回の検証結果について、多くの委員の方々から質問や御意見をいただきました。
それを踏まえて、事務局より回答をお願いします。
特に、後発医薬品につきまして、御回答をお願いいたします。
 
○林経済課長
医政局経済課長でございます。
大変多数の委員の方から後発医薬品の問題について懸念の御意見をいただきました。
我々としても、今回の事案、後発品の大手製造販売事業者において、健康被害も含めて問題を起こし、製造基準等に違反する行為、これが企業によっては長年組織的に行われたということでございまして、大変残念であり、関係者の皆様方の御理解、御協力を得てこれまで進めてまいりました後発医薬品の利用促進に水を差す行為であると懸念をしてございます。
今回の事案を受けまして厚労省といたしましても、無通告立入検査の増加、あるいは検査手法の質の向上といった行政による調査体制の強化を行うべく既に対応を始めております。
両社については、異例とは聞いていますが、国も直接立ち入るということで、日医工についても今日から立入りを行ってございます。
また、業界団体におきましても、当然ですけれども、品質管理のさらなる徹底ということで、例えば自主的な総点検を実施するなど、取組を行っていると承知しておりますが、今回の問題につきましては、後発医薬品を促進してきた我々の立場としても、非常に重大な問題と捉えておりまして、医師、薬剤師、患者さんあるいは保険者を含めた国民の信頼を回復すべく、さらなる取組をする必要があると考えておりまして、職員一人一人のコンプライアンス意識の向上も含めて業界を指導してまいりたいと思います。
業界においても、近々さらなる取組の状況を公表するなど聞いておりますが、やはり取り組みをしっかりと見える化することも重要だと考えておりますので、そういうことも含めて取り組んでまいりたいと思います。
また、後発医薬品については、従来よりこの中医協の場でも、企業数が多い、品目数が多いのではないか、あるいは共同開発の問題など指摘されてまいりました。
後発医薬品も、8割を占めるという時代を迎えまして、我々としてもこれは完全に量から質の問題に転換が必要と考えております。業界再編についても、真剣に考えるべき時期に来たと捉えております。
当然ながら、本来、品質と安定供給が確実に実施できる企業のみが、製造販売事業者として医療用医薬品を提供すべきであります。
当然のことでありますけれども、こういったことがしっかりと実施できるような業界にする必要があると認識しております。現在、新たな医薬品産業ビジョンの策定に向けて議論を開始しておりますけれども、そういった議論などにおいても、こういった点を含めて議論してまいりたいと考えてございます。
引き続き、御指導いただければと思います。
私からは、以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに、今回の検証につきまして、幾つか御質問等をいただいておりますけれども、それについての事務局からの回答はいかがでしょうか。
○山田保険医療企画調査室長
島委員から記載事項についての御指摘などをいただきました。
もう一度、全体を確認させていただいて、誤解のないよう、ミスのないよう見直したいと思います。どうもありがとうございます。
また、今、令和2年度の検証調査の報告をさせていただきました。
年度を明けますと、すぐに令和3年度の検証調査の議論が始まりますので、そこにおきましても今日いただいた指摘を踏まえながら検証を進めていきたいと思っております。
また、保険局以外においてもいくつか調査を行っています。それらの調査でお答えできる部分もあるかと思いますので、そういったものも併せまして議論を進めさせていただければと思っております。
○小塩会長
ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
特にほかにコメント、御質問等ないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺りといたしたいと思いますがいかがでしょうか。
それでは、次の議題に移ります。
次に、「費用対効果評価専門組織からの報告について」を議題といたします。
本日は、費用対効果評価専門組織の田倉委員長、福田専門委員にお越しいただいております。
田倉委員長より、御説明をお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織田倉委員長
費用対効果評価専門組織委員長の田倉です。
中医協総-4の資料を御覧ください。
医薬品等の費用対効果評価案についてですが、「テリルジー100エリプタ」及び「キムリア」について、費用対効果評価の結果案が策定されましたので、御報告をいたします。
なお、当面の間は、専門組織での検討状況についても併せて資料に詳しく記載をしております。
2ページ目を御覧ください。
1つ目の対象品目名は「テリルジー100エリプタ」です。効能または効果は「A 気管支喘息」、「B 慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解」です。
このうち、Bの慢性閉塞性肺疾患について分析を行っております。中段に、費用対効果評価専門組織で決定された費用対効果評価案を示しております。
めくっていただいて3ページ目の中段に補足として、分析対象集団ごとのICERの区分をお示ししております。なお、ICERの算出が不可能であった分析対象集団については、右にお示しをしております。
続いて、4ページ目からは参考として、テリルジーの費用対効果評価案の策定に関わる主な検討事項を記載しております。
分析枠組みについては、全治療の内容と喘息様病態の指標としての好酸球数により、サブグループを設定しております。
この4ページ目の下段から、5ページ目にかけて、分析枠組みに係る専門組織での主な検討事項を記載しております。効果指標やサブグループを設定することで、サンプルサイズが極端に少ない集団が設定されることなどについて検討を行っておりましたが、より臨床的な重要な指標である、増悪や臨床実態に合わせた分析対象集団を設定することが重要であることから、妥当であるということにしております。
あと、5ページ目の下段から7ページ目には、費用対効果評価の結果に係る専門組織での検討事項をお示ししております。例えばサンプルサイズが極端に少ない集団についても、患者割合による加重平均することが妥当であるとしております。
また、効果が同等で費用が増加する集団については、1000万円/QALYと同様の扱いとすることが妥当であることにいたしました。
続いて、8ページ目を御覧ください。
2つ目の対象品目名は、「キムリア点滴静注」です。効能、効果または性能は、「A 再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)」、「B 再発又は難治性のCD19陽性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)」です。
この8ページ目に決定された費用対効果評価案を示しており、次の9ページ目に補足として分析対象集団ごとにICERの区分をお示ししております。
めくっていただいて10ページ目から、キムリアの費用対効果評価案の策定に係る主な検討事項を記載しております。
分析枠組みについては、適応等、比較対照技術に応じた集団ごとに設定をしております。
また、11ページ目からは分析枠組みに係る専門組織での検討事項を示しております。微小残存病変陽性の定義が明確でないことなども踏まえて、決定された分析枠組みについては一部を変更いたしました。
最後に、12ページ目から費用対効果評価案に係る専門組織での検討事項を示しております。例えば技術の効果を推計する際のパラメーターについて、企業分析のパラメーターのほうがより妥当であるという不服意見などもありましたが、医学的な知見から根拠に乏しいと決定をいたしております。
御説明いたします内容は、以上となります。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、事務局から補足がありましたらお願いします。
○岡田医療技術評価推進室長
特にございません。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
松本委員、お願いします。
○松本委員
ありがとうございます。
中医協で、この費用対効果評価につきましては、これまでしっかりと審議を行って試行を経て、本格的な評価結果が今回報告されましたのは、非常に感慨深いものがあります。
中医協で決めた流れに沿った対応をされておりますので、今回の結果に異論はありません。
専門組織における検討経緯について、できるだけ詳しく報告という今回の話でありましたけれども、今回の資料はこのような形で結構かと思いますが、今後、中医協での説明は何か大きな問題があった場合を除いて、もう少し簡略化する方向で事務局において検討いただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。御要望としてお伺いします。
幸野委員、お手が挙がっております。お願いします。
○幸野委員
まず、テリルジーなのですが、これは評価がすごい極端に異なっているというところがあります。
本来であれば、費用が上がるのが6項目、下がる要素は3項目と極端なのですが、こういった極端な評価を加重平均で決めるというのが妥当なのかということについて、事務局の意見をお聞きしたいと思います。
それからキムリアなのですが、重要な要素である患者割合が企業秘密に当たるので、非公開ということになっているのですが、これも患者割合に応じて加重平均で価格を決めるというのに、その大きなポイントとなる患者割合が示されていないというのは、価格の不透明さにつながるということで、これは、患者割合を出していただかなければいけないのではないかと思うのですが、その点について見解を聞かせていただきたいと思います。
○小塩会長
2点、御質問がありました。
事務局、お願いします。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
御質問どうもありがとうございます。
まず1点目、テリルジーにつきまして分析対象集団ごとのICERの区分、こちらが例えば費用削減やドミナントといったような費用対効果としてはよいサブグループがある一方、費用増加といったようなサブグループがある。こうしたものの扱い方ということでございます。
そもそも、費用対効果分析の考え方といたしましては、臨床実態に即してできるだけきめ細やかに分析を行っていくということで、今回、対応をさせていただいております。
その結果、今回結果として現れましたような費用対効果の現れ方が多様になるということは、想定をされている内容でもあるのかなと考えております。
こうした内容をどのように、今後、価格の提示については、また場を改めてお諮りをするとなっておりますけれども、どのように反映させていくか、現行のルールといたしましては、加重平均、患者割合に応じてその影響度を反映させていくこととさせていただいているところでございます。
今後、事例を積み重ねていきまして、そうした反映のさせ方が妥当なのかどうか、そこにつきましては、事例の収集の状況を見て、また改めて検討いただく必要があれば検討いただくということかと思っております。
2件目、キムリアの患者割合でございます。
こちらにつきましては、企業の秘密に当たることから非公表とさせていただいております。非公表とさせていただく企業秘密でございますので、そのことを御理解賜って、また価格の提示をさせていただくということで、そこは御理解をいただければと思います。
事務局からは、以上です。
○小塩会長
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
今回のこの報告について、2月の総会で評価案を審議するに当たって、結論だけではなく結論に至った過程など、検討事項の内容や背景を明示していただきたいと申し上げておりました。今回、検討事項の詳細並びに不服意見等も整理していただき、またICERについても分析対象区分をプロット表示していただいた。
非常に分かりやすく整理していただいたことに対して、事務局、専門組織の御努力に対して感謝申し上げたいと思います。この費用対効果評価の充実を図る意味でも、我々中医協委員に分かりやすく内容を御説明いただいたことに感謝申し上げたいと思います。
評価案については、特段意見はございませんが、1点、質問と考え方について事務局の意見をお伺いできればと思っております。
この資料総-4の2ページ、テリルジーの効能・効果のうちのAの気管支喘息について、企業分析の終了後であったために、この分析の対象にならないということは理解しているのですが、このようなケースの今後の取扱いの考え方について、企業分析の終了後に効果・効能が追加された医薬品については、総-4の参考の3ページの選定基準表がありますが、H3のところの※3に記載されておりますとおり、「すでに費用対効果評価を行った品目のうち、評価終了後に評価に大きな影響を与える知見が得られ、再評価が必要であると認められた品目など、優先的に検証することが必要と中医協総会が判断した品目」に該当するという場合には、改めて費用対効果評価を行うことになるという理解をしております。このようなケースが発生した場合の基準でございますが、一度、費用対効果評価を行った品目で、その後、効能・効果が追加された場合、そのようなケースは定例的にこの中医協総会に報告されて、再評価の必要性の有無を検討するという手順になるのかどうか、ここの考え方をお聞かせ願いたい。
都度あるのか、定例的に何か決めて報告があるのか。効能・効果が追加された場合は、新たな効能・効果に関わるICER、患者割合によっては、その費用対効果評価に大きく影響するケースが出てくると考えておりますので、この評価終了後の効能・効果追加のケースについて、総会における再評価プロセス、検討プロセスを明確にしておく必要があるのではないかと考えています。
この辺について、事務局のお考えをお聞かせ願えればと思います。
また、この再評価プロセスを有効に機能させるためには、評価体制をしっかりと確保、整備していくというのは、以前から各委員から御意見がございましたが、企業分析、公的効果分析を担う人材の確保育成を早急に進め、評価分析体制の充実を図ることが必要と思っておりますので、今後、事務局は具体的な展望などを今、お持ちなのかどうかも併せてお聞かせ願えればと思います。
以上です。
○小塩会長
それでは、吉森委員の御質問に対する御回答をお願いします。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
まず、1点目にいただきました御質問でございます。
テリルジーにつきまして、効能・効果として認められている気管支喘息を対象とした費用対効果分析を今回行っていないことについて、吉森委員からその位置づけについて御説明をいただいた上で、そのプロセスの明確化をすべきでないかという御質問をいただいたと承知をしております。
本品の扱いにつきましては、委員のおっしゃられましたとおり、COPDにつきましての企業分析終了後に効能追加がされたものでございまして、いたずらに費用対効果の評価分析期間を長引かせて、薬価の調整を遅らせることのないように一定の区切りを持って対応するということで気管支喘息については対象としていないという扱いをルールに基づいてさせていただいております。
気管支喘息について、今後どういう扱いをしていくかにつきましては、参考資料の3ページ目の一覧の区分H3の選定基準の※3に基づいて対応するべきとルールの中で位置づいていると承知をしております。「評価終了後に評価に大きな影響を与える知見が得られ、再評価が必要であると認められた品目」に当たるかどうか。こちらにつきましては、公的分析における様々な情報収集等に基づいて対応するということと事務局としては承知をしておりますけれども、それを定例的に行うのか否か等、その明確化については、今後、例えば希少疾病で薬事承認を得た後に、多くの患者さんに使われる適応拡大がなされる事例などの想定もなされますので、明確化については事務局で検討させていただければと思っております。
2件目でございます。
委員おっしゃられましたとおり、こうした品目の取扱いに係る根本問題として、費用対効果評価に係る人材、その体制の充実という課題があると事務局としても認識をしております。
前回、御指摘をいただいた際も、一部お答えをさせていただいておりますけれども、人材育成につきましては、やや中長期的な視点を持って対応していく必要があるものと考えておりまして、今年度の当初より慶應大学の御協力もいただいて、教育プログラムの開始なども進めているところでございます。
こうした動きなども踏まえて、また、費用対効果の今後の在り方を検討いただく中で、具体的にどういった人材、また、それを踏まえて品目の拡大も含めた体制の充実、また、費用対効果評価制度の充実が可能となるのか、こちらについても中医協において御議論いただきたいと考えております。
事務局からは、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
中村委員、お手が挙がっております。よろしくお願いします。
○中村委員
費用対効果評価によって、薬価が変わることが当然あり得ると思います。したがって、国民や患者さんへの説明責任というものが大変重要になってきます。
今後になりますけれども、その点に関して一つお願いしたいと思っております。
特にテリルジーに関し、幸野委員からも御指摘があったかと思うのですが、対象集団によって費用対効果評価は大きく異なっているだけでなく、結果が逆方向になっているケースも見られます。なぜ、こういった結果になるのかについて分かりやすい説明が、国民や患者さんに対する説明責任という観点からも必要になろうかと思いますので、今後は、ぜひよろしくお願いできればと思っております。
以上になります。
○小塩会長
ありがとうございます。
どうぞ、お願いします。
○岡田医療技術評価推進室長
御指摘ありがとうございます。事務局でございます。
委員、おっしゃられたとおり、分かりやすい情報提供、御説明に心がけてまいりたいと思います。
どうもありがとうございます。
○小塩会長
ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
いろいろ御意見がありましたけれども、それを踏まえて、さらにこの件については進めていただきたいと思います。
本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
ありがとうございました。
続きまして、「令和元年度DPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告について」を議題といたします。
本件は、報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、資料総-5に沿いまして、「令和元年度DPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告について」、御説明をさせていただきます。
定例の議題でございますが、1ページ目の中ほどに示しておりますが、集計をこのような形でやったというものでございます。
2ページ目以降に内容がございます。
中段にお示ししているのが対象施設数でございまして、3ページ以降、経年的な推移ということでございます。【表1】が在院日数の平均、【表2】が病床利用率。
4ページ目では、救急医療の状況。【表3-1】では、救急車で搬送された患者の割合とその患者数、【表3-2】では、救急医療の入院患者数の割合とその患者数。
5ページ目では、【表3-3】は他院からの紹介ありの割合とその患者数、表4は退院時転帰が治癒・軽快であった患者の割合。
6ページ目に行きまして、表5-1は退院先の状況が自院の外来とされたものの割合。【表5-2】は退院先の状況が転院とされたものの割合。
7ページ目、【表6】は再入院の割合。
8ページ、【表7】は再転棟の割合を、「計画的」「計画外」と分けてお示しをさせていただいております。
御報告は、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして、「プログラム医療機器の診療報酬上の評価の検討について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
ありがとうございます。事務局でございます。
総-6を御覧ください。
今回、お諮りする内容は、プログラム医療機器に係る診療報酬上の対応の検討の在り方についてでございます。
「1.背景」から御説明をさせていただきます。
疾病の診断・治療を目的とした、新しいプログラムの開発により、アプリや人工知能、AIを使用したプログラム医療機器といったものが、薬事承認され、保険収載される事例が出てきております。
昨年11月に中医協に個別品目をお諮りした際に、点線囲みの中のような御意見をいただきました。一例でございますけれども、デジタルな部分について技術料で評価していくのか、あるいは医療材料で評価していくのか、そういった考え方を整理する必要があるのではないかといった御意見。
また、治療に資するプログラムの報酬の当てはめ方について、準用する現状のような形でいいのか、また新たな体系をつくる必要があるのか、諸外国の事例等も含めて議論を深めておく必要があるという御指摘をいただいたところでございます。
2つ目の○でございます。
こちらは、昨年、政府の規制改革会議で決定をされました当面の規制改革の実施事項、この中でもプログラム医療機器の医療保険上の扱いについて、その評価の考え方を明確化するという内容が盛り込まれたところでございます。
点線囲み中段の「エ」の部分でございますけれども、「医療機器プログラムの普及に資する医療保険の評価の明確化」は今年度中に検討を開始し、早期に結論ということとなっております。
「a」の部分、診療報酬上の技術料等の算定における医療機器プログラムの評価については、医療従事者の働き方改革等の視点を含めて、当該医療機器プログラムを活用して患者に対して提供される医療の質の確保・向上に係る評価の考え方を明確化する。
「b」でございますけれども、医療機器プログラムを使用した医療技術について、先進医療として保険外併用療養費制度の活用が可能であることを周知するとともに、選定療養の枠組みの適用についても検討するという内容となっております。
2ページ目に行っていただきまして、こうした状況を踏まえての御提案でございますけれども、プログラム医療機器に係る報酬上の対応について、今後令和4年度、次期改定に向けた議論に併せて、国内外における事例等、こちらは事務局で収集分析をすることを想定しておりますけれども、そういったものも踏まえつつ、保険医療材料等専門部会において御議論いただいて、年末をめどに取りまとめることとしてはどうかをお諮りするものでございます。
その下に、予定のイメージを記載させていただいております。
事務局いたしましては、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
本件につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
島委員、お願いします。
○島委員
ありがとうございます。
今後、増えてくることが予想されるこのプログラム医療機器に対しては、事務局提案の1ページ下の、先ほど説明がありました「エ」のaの視点、bの制度利用を検討して、2ページ2のスケジュールで進めていくことでよいと考えます。
意見でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
プログラムの医療機器の問題につきましては、これまでもこの中医協やあるいは薬事のほうでも指摘させていただいております。
次回改定に向けて、しっかりと専門組織で検討していく流れについての提案でありますので、賛成をいたします。
以上です。
○小塩会長
有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
医療用アプリについては、医師の指示の下で使用されるものと理解しております。
薬局でのアプリのインストールや指導は行うことが想定されるといったようなものを現在、開発をしているという話も聞いております。
現在、薬局では特定保険医療材料等を供給していることを考えれば、患者さんに医療用アプリを正しく使ってもらうために、薬剤師がそのフォローを行う。当然これは、医師との連携、医師の指示に基づいて行うものではありますが、そういった必要性も出てくるということも十分想定されると考えています。
診療報酬の対応では、医療材料あるいは医科の技術料としてだけではなくて、今後出てくるアプリのどういうものかに併せてですけれども、調剤報酬での検討も想定していただければと思っております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。
私も、この案に関しては、特に異存はありませんので賛成させていただきたいと思います。
一方、一般論としての懸念ですけれども、これからどんどんいろいろなところでアプリというものは開発されると思います。こういうものがどんどん出てきて、いわゆる医療用アプリ等が市販される場合、そことの線引きをどうするかというのが結構大きな問題になってくるのではないか。
医師が関わったちゃんとしたアプリと、似て非なるもので一般にどんどん利用してしまったアプリとの線引き、そこをどうきちんと検証していくかということは結構難しい問題になるかなと思います。
その辺について、事務局のお考えがあれば、お伺いしたいと思います。
○小塩会長
池端委員から御質問がありました。
それについてお願いします。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
御質問どうもありがとうございます。
委員御懸念の点、事務局としても懸念を持っております。
一方で、線引き、現行の考え方といたしましては、有効性、安全性が確認された薬事で認められたもの、こちらが医療、保険医療の中で用いられていくものと承知をしております。
また、今後、事例の収集を行って、どういった事例があるのかということを踏まえて、また、検討いただければと思います。
事務局からは、以上でございます。
○小塩会長
池端委員、お願いします。
○池端委員
具体的に言いますと、例えば、もう今、既にアップル社の心電図を自分で、ウオッチでモニターできる等々が、本当にどんどん進んできているわけですけれども、その辺の歯止めというものは可能なものなのか、それもお伺いしたいのです。
○小塩会長
どうでしょう。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
現状で個別具体に、この品目がどうだということをお答えする準備はございませんが、いずれにしましても、医療保険の中で活用いただくということにつきましては、中医協で定められたルールにのっとって、有効性、安全性が確認されているものを適正に使うということが、どのように担保できるのかということも明示しながら対応させていただければと思っております。
○池端委員
ありがとうございました。
○小塩会長
ほかに御質問、御意見ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
この件につきましては、これから非常に重要性が高まるかと思います。
本件に係る質疑はこの辺りといたしますが、今後につきましては、本日いただいた御意見も踏まえて、保険医療材料専門部会で議論を進めていただくようお願いしたいと思います。
次の議題に移ります。
「被災地における特例措置について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、資料総-7-1、7-2で説明をさせていただきます。
まず、総-7-1、東日本大震災特例措置に関してでございます。
東日本大震災に係る被災地特例措置を利用している医療機関は、ここに1ページで2医療機関ということで、定数超過入院の特例措置を利用しているものでございます。
この特例措置の取扱いにつきましては、発災直後の平成23年7月に策定しました「東日本大震災からの復興の基本方針」におきまして、復興期間を2020年度までの10年間と定めさせていただいていること等を踏まえまして、その期限は2020年度までの10年間と定めていることを踏まえ、その期限について2021年3月31日までとさせていただいておりました。
ですが、7ページでございますが、一方、いまだ震災の影響が残っており、行き場のない患者を引き受けざるをえない状況、患者が高齢施設や精神疾患を持つ被災者であって退院が困難、あるいは転院先がない等の状況があるとの指摘もいただいているところでございます。
こうした状況を踏まえまして、令和3年3月31日を期限としていた特例措置の利用につきまして、令和3年9月30日まで継続しつつ、特例措置利用の解消に向け現在の取組状況、具体的な解消計画の届出を求めることとしてはどうかという御提案でございます。
次に、資料総-7-2でございます。令和2年7月豪雨の特例措置でございます。
令和2年9月16日の中医協におきまして、令和2年7月豪雨に関する特例措置の期限を年度末までと設定させていただいておりました。
今回、アンケート等を実施いたしましたところ、この3月時点におきまして、熊本県内の5施設におきまして、仮設の建物による保険診療等の特例措置を利用しているという状況でございました。
特例措置の期限といたしましては、令和3年3月31日までとしているところですが、現在のこういった状況を踏まえまして、本特例措置を令和3年9月30日まで継続利用できることとしてはどうかという御提案でございます。
以上、2つの御提案でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの御提案につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
総-7-1の被災地における特例措置についてでありますが、東日本大震災から10年を経過いたしましたけれども、震災の影響がまだ非常に強く残っており、いまだに4万人を超える方々が避難生活を送られています。10年の歳月を経てもまだ復興途上であるということであります。
被災地特例を活用する宮城県の2医療機関の入院患者は、ほとんどが被災者でありまして、転院や退院が非常に難しいのは理解できます。
特に、精神疾患の患者さんは医療機関との相性もございますので、転院によって症状を悪化させる懸念もあることが容易に想像されます。
特例措置の利用を半年間継続して、その状況をよく聞いていくという提案について、診療側として賛成いたします。
よろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございます。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
特例措置の解消について、当該医療機関等をはじめ、関係各機関においても御尽力のことと思います。
特例措置の継続について異論はありませんが、入院患者に配慮しつつ本来の環境に戻していくことが、患者にとっても重要だと考えております。
国からの支援も併せてお願いをしたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかの方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、今、御意見、御要望がありましたが、それを踏まえて、これからこの件について進めていただければありがたいと思います。
特に、ほかに御意見がないようでしたら、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
有澤委員、お手が挙がっているようですが。
○有澤委員
すみません、賛成のリアクションを起こしたのです。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては中医協として承認したいと思います。
本日の議題は以上ですけれども、染谷委員、それから吉森委員が今回をもって御退任になります。
一言、御挨拶を頂戴できればと思います。
最初に染谷委員、お願いできますでしょうか。
○染谷委員
ありがとうございます。
自治体からの代表として中医協に参加をさせていただきました。
2年という短い時間でありましたが、毎回出席することができなくて、大変、御迷惑をおかけしたと思っております。
また、中医協のメンバーとして、この席にあずからせていただいたことは、大変大きな地方自治を担う者として勉強になりました。
今後も皆様方の御活躍を期待しております。
ありがとうございました。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
続きまして、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
貴重なお時間をいただきまして、挨拶の機会をいただきましたこと、感謝申し上げたいと思います。
2015年4月に支払い側委員として、私が就任以来、公益、支払い、診療の各先生方に、また、事務局の皆様に厳しくも暖かい御指導をいただきました。6年間、この任期を私なりに果たすことができたと思っております。本当にありがとうございました。
思えば、保険者の代表として中医協委員のこの6年間は、診療報酬のみならず、医療保険制度にも縁がなかった金融の世界で大半を過ごしてきた私にとっては、全く新しい分野でございまして、有意義でかつ貴重な時間を皆様と共有させていただいたことには、本当にありがたく、心から感謝を申し上げ、皆様の御厚情に御礼を申し上げたいと思います。
この6年間、少し振り返ってみますと、2016年、2018年、2020年の3回の診療報酬改定に参画させていただきました。
これらの改定で印象深い点、3点ほどこの機会に申し上げたいと思います。
1つは、入院医療の評価体系についてです。
新たな入院医療の評価体系として、基本的な医療の評価部分と診療実績に応じた段階的な評価部分の2階建てで再編統合し、急性期医療、そして急性期から長期医療、さらには長期医療、この3つの機能に大別した評価体系に編成できたことが非常に印象深く思っております。
入院医療の基本的な考え方として、個々の患者の状態に応じて適切に医療資源が投入され、より効果的、効率的に質の高い入院医療が提供されることが期待するところでございまして、その実現への第一歩を踏み出したのかなと、この評価体系が今後より充実されることを願っております。
2つ目は、薬価制度の抜本的改革についてです。
新薬のイノベーション評価の見直し、新薬創出加算の抜本的な見直しなどの議論が非常に印象深く残っております。薬価制度の在り方については、まだまだ取り組まねばならない課題は多くあると考えております。
特に、生物由来の高額な新薬の登場、また治療用アプリなどのプログラム医療機器の登場、これが目前に迫っております。これらの診療報酬上の課題への対応について速やかに議論が開始され、またその診療報酬上の基準制度の創設が果たされることを切に願っております。
3つ目は、今日も議論がございました費用対効果評価制度の創設についてです。
試行的実施から本格導入まで、制度設計の議論に参画できたことは非常に印象深く、また私にとってもこの6年間の中でも非常に有意義な活動であったと感じております。
今後の薬価制度への在り方を含め、より実効性のある制度へ充実が図られていくことを期待しております。
以上、3点が印象深いことでございましたが、今、この中医協を取り巻く状況というのは、昨年来の新型コロナ感染症への対応を最優先せざるを得ないような医療環境の下で、医療保険制度、医療提供体制、診療報酬制度の在り方についても、いろいろな課題が浮き彫りになってきております。
このような環境の中で、医療機能の分化、強化の重要性、さらには連携の必要性がより高まっているのだと感じております。
このような環境変化の中で、中医協として、かかりつけ医機能の在り方や地域包括ケアシステムの推進などについては、診療報酬における重要な論点であると思っております。診療報酬で何ができるのか、どう寄り添うのか、この中医協での今後の議論の進展に大いに期待するところであります。
最後になりますが、中医協委員の皆様並びに中医協に関わるステークホルダーの皆様のますますの御活躍と御健勝を祈念いたしまして、私の退任の挨拶とさせていただきます。
6年間、本当にお世話になりました。
ありがとうございました。
○小塩会長
吉森委員、どうもありがとうございました。6年間、お疲れさまでございました。
それでは、本日の議題は、これでおしまいとさせていただきます。
今回が今年度最後ということで、次回は来年度のルーチンに入るということでございます。
日程等につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会は、これにて閉会といたします。
どうもありがとうございました。


 


 
 

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