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2020年12月23日 中央社会保険医療協議会 総会 第471回議事録

○日時

令和2年12月23日(水)9:59~10:51

○場所

TKPイベントホールシルク新宿

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 松浦満晴委員 
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
田村文誉専門委員 半田一登専門委員
保険医療材料等専門組織小澤委員長 
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 岡田医療技術評価推進室長
山田保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○医療機器及び臨床検査の保険適用について
○先進医療会議からの報告について
○在宅自己注射指導管理料の対象薬剤の追加に係る取扱いについて
○最適使用推進ガイドラインについて
○オンライン診療について
○薬価算定組織、保険医療材料等専門組織、費用対効果評価専門組織の名簿等の公開について


 
○小塩会長
おはようございます。ただいまより、第471回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
なお、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、染谷委員、岩田専門委員、吉川専門委員が御欠席です。
それでは、議事に入らせていただきます。
初めに「医療機器及び臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にオンラインで御参加いただいております。
小澤委員長より御説明をお願いいたします。
○保険医療材料等専門組織小澤委員長
小澤でございます。それでは、説明いたします。
中医協総-1-1の資料を御覧ください。今回の医療機器の保険適用はC2が2製品、2区分です。
2ページ目を御覧ください。
製品名は「myChoice診断システム」です。
4ページ目の製品概要を御覧ください。
本品は、腫瘍組織から抽出したゲノムDNAのゲノム不安定性の状態の評価により、相同組換え修復欠損を検出し、また、腫瘍組織から抽出したゲノムDNA中のBRCA1またはBRCA2遺伝子変異を検出し、ニラパリブトシル酸塩水和物の卵巣がん患者への適応を判定するための補助に用いる製品でございます。
2ページ目にお戻りください。
価格につきましては、本品は特定保険医療材料としては設定せず、新規技術料にて評価することが適当と保材専として判断いたしました。このため、外国平均価格との比はございません。
次に、5ページ目を御覧ください。
製品名は、サピエン3です。
8ページ目の製品概要を御覧ください。
本品は、経皮的心臓弁留置に用いるバルーン拡張型人工心臓弁システムであり「3 使用目的」に記載の患者に使用することを目的とした製品です。
5ページ目にお戻りください。
価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価いたしました。最終的な価格を451万円といたしました。
続きまして、中医協総-1-2の資料を御覧ください。今回の臨床検査の保険適用はE3の3件です。
2ページ目を御覧ください。
販売名は「エクル-シス試薬 IL-6」です。
測定項目は、インターロイキン-6(IL-6)です。測定方法は、ECLIA法です。
4ページ目の製品概要を御覧ください。
本検査は、血清または血漿中のインターロイキン-6を測定し、救急搬送された患者、集中治療を要する患者、または集中治療管理下の患者の重症度判定への補助に用いる臨床検査です。
2ページ目にお戻りください。
保険点数につきましては、D008 内分泌学的検査 31 副甲状腺ホルモン(PTH)、170点を参考点数としています。
5ページ目を御覧ください。
販売名は「eQ-PCRLCCYP2C9*2,*3ジェノタイプキット」です。
測定項目は、薬物代謝酵素遺伝子CYP2C9(*2/*3)です。測定方法は、リアルタイムPCR法です。
6ページ目の製品概要を御覧ください。
本検査は、全血または口腔粘膜から抽出されたゲノムDNA中の(通信不良)。
5ページ目にお戻りください。
保険点数につきましては、D006-7 UDP グルクロン酸転移酵素遺伝子多型、2,037点を参考点数としています。
7ページ目を御覧ください。
販売名は「Geenius HIV 1/2 キット」です。
測定項目は、HIV-1特異抗体及びHIV-2特異抗体です。測定方法は、イムノクロマト法(定性)です。
9ページ目の製品概要を御覧ください。
本検査は、全血、血清または血漿中のHIV-1特異抗体及びHIV-2特異抗体の検出に用いる臨床検査です。
7ページにお戻りください。
保険点数につきましては、D012 46 HIV-1抗体(ウエスタンブロット法)、D012 49 HIV-2抗体(ウエスタンブロット法)、660点を参考点数としています。
御説明いたします内容は以上でございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
事務局から補足はございますでしょうか。
お願いします。
○岡田医療技術評価推進室長
特にございません。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等ないようでしたら、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
次に「先進医療会議からの報告について」を議題といたします。
本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
医療技術評価推進室長でございます。それでは、お手元の中医協総-2-1、総-2-2を御覧ください。
まず、総-2-1でございます。今回、先進医療会議で承認されました先進医療Bの技術が1件ございましたので、御報告をさせていただきます。
今回、承認をされました先進医療Bの技術でございますが、整理番号144番「国内完結型マルチプレックスがん遺伝子パネル検査」でございます。
本技術に係る費用はそれぞれ表に記載のとおりでございます。
先進医療会議における判定でございますけれども、2ページ目の下段を御覧ください。総合判定「適」ということでございます。
続きまして、技術の説明をさせていただきます。5ページ目、横置きのポンチ絵でございますけれども、御覧ください。
本技術は、標準治療終了後の進行・再発固形がん患者に対しまして、新たながん遺伝子パネル検査でございますTSO500がん遺伝子パネルを用いて検査を行う技術となります。
ロードマップでございますけれども、続きます6ページ目を御覧ください。
本先進医療の結果を参考資料といたしまして、薬事承認を目指すとのことでございます。
新たな先進医療につきましては、以上でございます。
続きまして、総-2-2を御覧ください。こちらは定例でございますけれども、令和2年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績の御報告でございます。
まず1ページ目でございますけれども、1の欄にございます令和2年6月30日現在の先進医療技術数でございますが、Aとして認められているものが22種類、Bが61種類、計83種類でございます。
実施医療機関数、全患者数につきましては、それぞれ表にお示しのとおりでございます。
4の総金額でございますけれども、Aが約86.6億円、Bが約12億円、計約98.6億円となっておりまして、そのうち5の欄でございますけれども、保険外併用療養費の総額(保険診療分)でございますけれども、Aが約30.2億円、Bが約6.7億円、合計が約36.9億円となっております。
6の先進医療にかかる費用、いわゆる患者さんの全額自己負担の部分についてでございますが、Aが約56.4億円、Bが約5.3億円となってございます。
2ページ目にお進みください。こちらは御報告時点までの1年間の先進医療の技術数等の推移をお示ししたものでございます。
令和元年6月30日時点では、先進医療Aが29種類、Bが59種類でございました。
その後、次の2の欄にございますように、1年間で新規に承認をされた技術数、Aが1種類、Bが10種類でございました。
また、3、4、5にお示しをしておりますが、保険収載された技術でございますとか、実施取下げをされた技術、削除技術などが幾つかございまして、6にありますように、令和2年6月30日時点ではAが22種類、Bが61種類となっているということでございます。
3ページ目でございます。こちらは過去5年間の実績をお示ししてございます。
技術数といたしましては、若干の減少というところでございますが、実施医療機関数でありますとか患者数、また総金額といったものは大幅な減少となってございます。こちらは、多くは多焦点眼内レンズの先進医療からの削除による影響と考えております。
4ページ目以降でございますけれども、参考資料といたしまして先進医療A、Bの各技術についての実施件数、また費用等の一覧、さらには先進医療Bの試験の進捗状況の一覧等をお示ししてございます。
事務局からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御質問等ないようでしたら、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「在宅自己注射指導管理料の対象薬剤の追加に係る取扱いについて」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
中医協資料総-3で御説明をさせていただきます。「在宅自己注射指導管理料の対象薬剤の追加に係る取扱いについて」でございます。
この2コマ目の上の箱のところを見ていただければと思います。
1つ目の○のところでございますが「『在宅自己注射指導管理料の対象薬剤』及び『保険医が投薬することができる注射薬の対象薬剤』への追加に当たっては」というところでございますが、新医薬品は原則薬価収載に合わせて、新医薬品以外の医薬品は診療報酬改定に合わせて、中医協において追加を検討していただいているところでございます。
今般、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の現状におきまして、新医薬品以外の医薬品についても受診控えが患者のQOL低下、生命予後の短縮を招き得るということで、早期に在宅自己注射指導管理料の対象にするという御要望が出てきております。
これを踏まえまして「対象への追加時期」ということで、下のほうに行きます。赤字で書かせていただいておりますが(3)のところでございます。新型コロナウイルスの感染が拡大している間、新医薬品以外の医薬品について対象薬剤の要件を満たす場合であって学会からの要望があった場合については、ここで言う(1)でございますが(1)に準じて原則として、新医薬品の薬価収載の時期、これは年に4回でございます。これに合わせて追加することを検討してはどうかということでございます。
事務局からは以上です。よろしくお願いいたします。
○小塩会長
本件につきまして、御質問等ございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
在宅自己注射指導管理料の対象薬剤につきましては、患者さんの負担は軽減できるという利便性のみならず、疾患の特徴やあるいは自己注射を認めても治療の安全性や有効性を確保できるかどうかといった医学的な側面も含めて検討してきたこれまでの経緯があります。したがいまして、たとえコロナ禍でありましても、そうした医学的なポイントについてはしっかりと確認していく必要があると考えます。
その上でですけれども、新薬以外の品目についても改定を待たずに自己注射の対象にする道を開くことであれば、患者さんにとっては福音でありますし、特にコロナ禍で受診が難しくなっている状況にあっては、患者さんの命や健康に関わることではありますので、今回の事務局提案には賛同いたします。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問ございますか。
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
このコロナ禍で患者が受診を控えている状況はありまして、それによって受診しないで必要な薬、注射を打たないということがあると体に非常に問題があるということで、この追加の提案は非常にいいことだと思っているのですけれども、ただ、在宅自己注射できると、とにかく安全であることが認められているものなのであったら、特にコロナ禍だから当面これを認めるというか、指導料の対象薬剤にするということではなくて、もうそのまま、コロナ禍で当面とかというのは省いてしまって、使えるようにしたらいいのではないかと思うのですけれども、その辺りはどういうふうなことなのでしょうか。
○小塩会長
では、医療課長、お願いいたします。
○井内医療課長
今般の御提案というのは、実際、現在こういった御要望がコロナの現状において出ているものに基づいて本日御提案をさせていただいているところでございます。
実際、コロナが仮に収束した場合、こういった御要望が続くのかどうかにつきましては、また我々としてもしっかりと関係学会、患者様といろいろとお話合いをさせていただいた中で、必要であれば再度御提案をさせていただくつもりでおります。
○小塩会長
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
今、実際に具体的に上がってきているものはあるのですか。
○小塩会長
医療課長、お願いします。
○井内医療課長
実際に上がってきているものはございます。その中で、ただ、今の運用ルールが実際、ルール上できないことになっておりますので、学会で検討する際にも無理なのではないかという前提で検討が進まない実態もございますので、ルールが本日お話合いの中で仮に構わないということになりますれば、そういった学会での検討もより一層進むのではないかという認識でおりますので、我々としては、もしこういったルールになれば該当するものはあると認識をしております。
○小塩会長
間宮委員、お願いします。
○間宮委員
対象になるものはまだあると思いますので、これがここで認められるようなことがあれば、厚生労働省のほうからも各学会に働きかけていただいて、追加できるものを増やしていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。
特にほかに御質問等ございませんようでしたら、今、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
続きまして「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。
本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○吉田医薬品審査管理課長
医薬品審査管理課長でございます。それでは、まず、私のほうから中医協総-4-1に基づきまして、最適使用推進ガイドラインについて御説明をさせていただきます。
ニボルマブ遺伝子組換えを有効成分とするオプジーボにつきましては、11月27日に非小細胞肺がんに対する他の抗悪性腫瘍剤との併用投与の用法・用量の追加、併せて120mg製剤の追加につきまして薬事承認され、また、併せまして11月5日付で全ての効能・効果に対しまして、添付文書の重要な基本的注意及び重大な副作用の項に劇症肝炎を追加するという使用上の注意の改訂がなされており、当該改訂の内容も含めましてオプジーボに関する最適使用推進ガイドラインの改正に関する通知を発出しておりますので、この内容について御報告をさせていただきます。
めくっていただきまして、2ページでございます。「はじめに」というところでございますが、主な変更箇所につきましては網かけをしてございます。対象となる医薬品として、120mg製剤を追加するとともに、非小細胞肺がんに対しまして他の抗悪腫瘍剤と併用するという用法・用量が追加されております。
4ページから臨床成績が始まりますが、具体的に追加されておりますのは7ページからでございます。ここは、化学療法未治療でPD-L1発現状況に関わらない非小細胞肺がん患者を対象とした臨床試験におきまして、本剤とイプリビマブ及びプラチナ製剤を含む化学療法の併用により、全生存期間、いわゆるOSの延長が認められております。
8ページでございますが、こちらは化学療法未治療でPD-L1発現率が1%以上の非小細胞肺がん患者を対象とした臨床試験におきまして、本剤とイプリビマブの併用により全生存期間の延長が認められております。
めくっていただきまして、9ページでございますが、化学療法未治療でPD-L1発現率が1%未満の非小細胞肺がん患者を対象とした臨床試験において、本剤とプラチナ製剤を含む化学療法の併用により、無増悪生存期間の延長、それから、本剤とイプリビマブの併用により、全生存期間の延長傾向が認められているという結果でございます。
安全性につきましては、少し飛んでいただきまして、13ページから16ページにわたりますが、安全性プロファイルにつきましては、本剤投与時に新たに注意をするような事象は認められていないという結果でございます。
それから、少しめくっていただきまして、19ページからでございますが「施設について」でございます。この内容につきましては、基本的にこれまで作成しておりましたオプジーボの非小細胞肺がんの最適使用推進ガイドラインと同様でございますが、20ページのところでございますけれども、冒頭申し上げました添付文書の重要な基本的注意、それから、重大な副作用の項に劇症肝炎を追加したことに伴いまして、20ページの3の3「副作用の診断や対応に関して」の項に劇症肝炎を追加してございます。
さらにめくっていただきまして、21ページからが「投与対象となる患者」でございますが、有効性に関する事項については、臨床試験に基づきまして有効性が示された患者を記載させていただいております。
めくっていただきまして、23ページは安全性に関する事項ですが、これについては特に変更はございません。
最後、24ページから投与に際して留意すべき事項でございますけれども、これも基本的にはこれまでの作成しているオプジーボの非小細胞肺がんの最適使用推進ガイドラインと同様でございますけれども、これも24ページの下辺りから添付文書の改訂に伴う肝機能検査に関する内容を追加している内容になってございます。
私のほうからの御説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
引き続き、事務局から補足の説明がございましたら、お願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。資料の総-4-2を御覧ください。最適使用推進ガイドラインに基づく保険適用上の留意事項についての改正でございます。
先ほど説明のありましたニボルマブ点滴静注の最適使用推進ガイドラインの改訂に伴いまして、保険適用上の留意事項を改正しておりますので、御報告させていただきます。
「3 留意事項の内容」を御覧ください。
(1)基本的考え方につきましては、特に今回、変更はございません。
「(2)診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項」について、2項目追加しております。
まず1について、先ほど説明ありました、今回、変更がありました他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合について、摘要欄にその旨とEGFR遺伝子変異検査とALK融合遺伝子検査の実施年月日を記載することを求めております。
また2としまして、その他の抗悪性腫瘍剤との併用のうち、カルボプラチンまたはシスプラチンと併用する場合につきましては、PD-L1発現率を確認した検査の実施年月日、検査結果を記載するように求めております。
こちらにつきまして、11月27日付で留意事項通知を発出しておりますので、御報告させていただきます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「オンライン診療について」を議題といたします。
本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○井内医療課長
それでは、総-5-1、総-5-2で説明をさせていただきます。「オンライン診療について」でございます。
オンライン診療につきましては、8月にも「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」における検証状況につきまして、中医協へ御報告をさせていただいております。今般、12月21日に開催されました第13回の同検討会におきまして、今後の検討の方針、スケジュール等が示されましたので、本日、御報告をさせていただきます。
総-5-1でございます。
2コマ目の下段でございますけれども、今後の検討の方針案ということで大きな方針案が示されております。
令和2年内に一定の方向性を示すことを念頭に検討を進めてきたものの、新型コロナウイルス感染症が再度拡大している状況であることから検証を行いつつ、時限的・特例的措置を当面継続することを念頭に、上記指針の改定に関する議論について、引き続き専門的な観点も含め丁寧に検討することが適当ではないかというものでございます。
さらに、3ページ目でございます。スケジュール案が示されております。
令和3年夏を目途に恒久化に向けた取りまとめを行い、令和3年秋を目途にオンライン診療の適切な実施に関する指針の改定を行うとされております。
さらに4コマ目以降でございますが、5コマ目に検討する大きな柱のところのまとめがされておりまして、後段、それぞれのところでそれぞれの検討項目についての考え方等が示されている。
5ページ目で御説明をさせていただきますと「(1)安全性・信頼性の担保の基本としての医師・患者関係」のところ。「(2)安全性・信頼性を十分確保するための更なるルール」というところ。さらに、ルールの中では「1安全性に関するルール」「2信頼性に関するルール」「3安全性・信頼性双方に関するルール」ということで、それぞれのルールの中でもポイントを絞っておられて、そこの中でどういったことを考えるかということが検討が進んでいる状況でございます。
これが総-5-1でございます。
あと、総-5-2で御説明させていただきますと、12月22日、規制改革推進会議のほうでもオンライン診療、服薬指導の恒久化につきまして、取りまとめ、提言がされている状況でございます。
我々といたしましては、総-5-1にあります、この検討会での検討を注視しつつ、必要に応じて中医協の場で御報告をさせていただきながら必要な検討を行っていいただくというつもりでおります。
本日は御報告でございます。以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
本件は報告ということで理解しております。3ページにあるスケジュール案に伴って、中医協での議論も大変重要なものになってくると考えますので、その際にはしっかりと議論してまいりたいと思います。
より具体的に申し上げれば、まずは医政局で実施されている「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」においてしっかりとした取りまとめを行っていただいて、それを受けて診療報酬上の扱いにつきましては、この中医協で十分な議論をしていくべきであり、外部からの意見によって中医協の議論が形骸化しないようにしていただきたいということを改めて事務局にお願いしたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見はございますか。
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
今日の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」の議論の整理については報告でございますので、ここで特段の意見表明はいたしませんが、そもそも、この診療報酬上におけるオンライン診療の在り方については、我々中医協として次期2022年度の診療報酬改定の重要なテーマの一つであるというのは皆さん認識しているところでございます。
一方で、現在、コロナ禍の中でオンライン診療については時限的・特例的措置がされています。当然、この中医協でも時限的・特例的措置の対応状況の検証は必要でありますし、前回改定したオンライン診療そのものの中医協での実証。これはエビデンスベースで検証して、次回改定に向けて議論を深める必要があると考えております。
ここで事務局に質問したいのですが、検討会に関する資料の3ページにありますスケジュール案。これと我々中医協での次期改定に向けた関係性についてどのようにお考えなのか、中医協としてはどのようなスケジュール感でオンライン診療に関わる改定議論を進めていくつもりなのか。
例えば具体的には、このスケジュール案には、見直し検討会の来年6月に恒久化に向けた取りまとめという案があり、秋をめどに指針改定というスケジュールが示されております。これに対して、中医協での議論をいつから始めるのかなど、現在の事務局のお考えで結構ですので、教えていただければと思います。
○小塩会長
医療課長、お願いします。
○井内医療課長
今、御指摘いただきました中医協でのスケジュールというところでございます。
この指針改定、あと、恒久化に向けた取りまとめは、この検討会の中での大きなターニングポイントになると我々としても認識しております。
これの中でどういったものが取りまとまっていくのかというものもありますし、また、いずれにいたしましても、我々、冒頭申し上げましたとおり、本検討会での検討状況を適宜必要な形で中医協の場に御報告させていただきながら、その方向性、その考え方でどういった形で取りまとまるのかを見ていただいた上で、必要なタイミングで中医協で議論を開始していただきたいと思っております。
現時点では、この検討会がどのタイミングでどういった形で取りまとまるかも我々としてはまだ未知数というところですので、中医協としてどのタイミングでスタートというところまでは申し上げられませんが、我々としてはこの検討会をきちんと御報告させていただいた上で、中医協においても必要な議論を行っていただきたいと思っております。
○小塩会長
吉森委員、お願いします。
○吉森委員
ありがとうございます。
お考えは一定の理解はいたしました。繰り返しになりますが、今回のオンライン診療の時限的・特例的措置の定期的な検証状況の報告と併せて、前回改定したオンライン診療の実証に早急に着手していただいて総会に報告いただくとともに、見直し検討会の来秋の改定と歩調を合わせつつ、並行して、この中医協においても次期改定に向けてオンライン診療に関わる議論が遅れることのないように、できる限り早期に論点整理をしていただいて議論を開始する必要があると考えております。事務局には中医協としてのオンライン診療の在り方の検討についての具体的なスケジュール案の策定をぜひお願いしたいと要望します。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
幸野委員、お願いします。
○幸野委員
今日提出された総-5-2のところが気になるのですが、第2パラグラフの下から4行目から、これは昨日行われた規制改革推進会議で令和3年夏をめどにその骨格を取りまとめた上で実施に向けた取組を進めるとうたわれています。報道を持ち出すのもあれなのですが、昨日の夕方のNHKとか今朝の一部業界誌でも、規制改革推進会議がオンライン診療の恒久化に向けて2021年度夏に制度の骨格を作成するといろいろうたわれています。昨今よくあります薬価のこととか、前回もめた初診、再診への加算、これは全部、政府主導で決められていまして、このオンライン診療の恒久化についても政府がこのように言っているのですが、この政府の規制改革推進会議と中医協の議論の関係、これはまた規制改革推進会議が先行していろいろなものを決めていくのではないかということが懸念されるのですが、その辺について、これはどういうことになっているのか、お聞かせいただきたいのです。
○小塩会長
医療課長、お願いします。
○井内医療課長
規制改革推進会議との関係ということでの御質問でございます。
規制改革推進会議につきましては、規制改革推進会議の委員、議員によって議論をされて、その結果が取りまとめられているという認識でございます。
その上で、我々といたしましては、先ほど御説明させていただきましたように、そういった規制改革推進会議の議論もございますし、当然、厚生労働省の中で行われている検討会での検討というものがございます。そういたものを注視しつつ、繰り返しで申し訳ございませんが、我々としては必要な議論を中医協の中で行っていただけるよう、必要な情報をここで報告させていただいた上で、中医協においての検討というものを進めていただきたいと考えております。
○小塩会長
幸野委員、お願いします。
○幸野委員
ということは、規制改革推進会議がいろいろなことを決めていっても、あくまでもこのオンライン診療の在り方については中医協が決めるということでよろしいのですね。
○小塩会長
医療課長、お願いします。
○井内医療課長
オンライン診療の基本的な考え方、厚生労働省内でも先ほど申し上げた検討会の中での検討というものは進められております。診療報酬に関しましては中医協での議論ということかと思っておりますので、いずれにしましても、必要なタイミングで必要な御報告をさせていただいた上で御検討をいただくということで考えております。
○小塩会長
幸野委員、お願いします。
○幸野委員
前回もめたように、政府主導で決まって中医協が後で追認するという形に絶対ならないように、ぜひよろしくお願いします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかに、御質問、御意見はありますか。
林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
歯科におけるオンライン診療につきましては医政局での検討部分になっておりますけれども「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」の第3回では歯科についても資料が出されております。それ以降、コロナ禍におきましてどのような活用ができるのかということを日本歯科医師会といたしましても、また厚労科学研究や実証事業等でも検討・検証を始めているところでございます。
場面は限られるかも分かりませんが、歯科分野におきましても、今後、オンラインを活用することで安心かつ効率的、効果的と判断できる部分に関しましては診療報酬での立てつけを早期に御検討いただきたいと思っております。
よろしくお願いいたします。以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
オンライン診療の検証については、医療提供側だけでなく、患者側からも実際に受けてみて明らかになる課題等について検討会のほうで検証されていくと思いますが、しっかりと検証をしていただいたうえで、中医協での議論につなげていただきたいというのが1点です。
2点目は、先ほど来から発言がありますが、このオンライン診療云々に関して中医協が形骸化しないように、しっかりと中医協の中で議論をしていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。池端です。
私も皆さんと同じ意見で、特に幸野委員がおっしゃったように、これに関しては大きな政府の方針、あるいは検討会の方針が出たとしても、最終的にここで安全性とか利便性とか、患者さんベースで考えて、ここで議論して実施していく形にしないと、責任を取るのはやはり中医協だと思いますので、ぜひそういうスタンスで議論をしていきたいと思いますので、事務方もぜひそういう方向でタイムリーな情報を早めに出していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御要望等ございますでしょうか。
特にほかに御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。
続きまして「薬価算定組織、保険医療材料等専門組織、費用対効果評価専門組織の名簿等の公開について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。資料の総-6を御覧ください。薬価算定組織等における委員名簿等の公開についてでございます。
○の1つ目ですけれども、薬価や保険医療材料価格の検討を行っていただいております薬価算定組織、保険医療材料等専門組織、費用対効果評価専門組織のそれぞれにつきましては、これまで委員名簿や審議の内容等についてはホームページ等による公開は行ってきていないところでございます。
なお、※の1つ目ですけれども、その審議の結果のうち、中医協総会における審議に要する事項につきましては、中医協資料として内容を記載した上で公表しているところでございます。
また、これにつきまして、先月行われました行政事業レビューというところにおきまして、薬価算定の透明性・適正性の確保というものがテーマの一つとして取り上げられまして、評価者より委員名簿、利益相反情報等の公開を進めるべきとの御指摘を受けたところでございます。
これにつきまして、○の2つ目です。これらの組織における検討プロセスの透明性の向上を図るため、今後、委員名簿、利益相反の申告状況、議事録につきまして、ホームページ上での公開をすることとして考えたいと思っております。
まず、委員名簿につきましては、年が明けた1月からホームページのほうで公開することを考えております。
それから「(2)利益相反の申告状況」についてですけれども、こちらにつきましては、1月以降にそれぞれの委員に申告を求める会議、具体的には2月以降に開催する会議の分につきまして公開することを考えております。
「(3)議事録」についてですが、こちらにつきましては、いわゆる企業秘密等に係る部分のマスキング等については一定の検討を要すると考えております。そこで当面、試行的な取組を行い、開示・不開示の考え方につきまして一定の検討を行った上で、早期に議事録の公開を進めるようにしたいと考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、何か質問等ございますでしょうか。
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
この「(3)議事録」には「早期に議事録の公開を行うこととする」と書いていますが、薬価収載から90日の間に公開されると考えていいのでしょうか。
○小塩会長
お願いします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
まず、ここの「早期に」の意味についてですけれども、1月以降開催するこれらの組織の議事録の作成を行って、各企業との調整等も含め、マスキング、開示・不開示の考え方について一定の整理を行った上で、今のところ夏頃をめどにこういった公開をできないかと考えております。
そして、先ほど御質問いただきましたそれぞれの会議について、いつ公開ができるのかというお話についてですけれども、これまでの他の審議会等、こちらの中医協も含めてですけれども、議事録のマスキングの調整にはやはり一定の時間を要すると考えておりますので、算定組織の開催の後、一定の時間はかかると考えております。
以上でございます。
○小塩会長
吉森委員、お願いします。
○吉森委員
ありがとうございます。
仮に算定組織とか保材専からの議事録の公開が中医協での保険適用の議論までに間に合わないようであれば、ここからは要望ですが、薬価算定の透明性・適正性確保という観点で、この中医協での保険適用についての算定価格報告の際には検討プロセスなり算定根拠なりのこの妥当性を我々は検証したいということで報告を受けながら議論を進めるということでございますので、企業秘密の部分は一定の配慮を施すのは当然であろうと思いますが、議事概要のエッセンス等については可能な限り、この総会に公開していただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
薬剤管理官、お願いします。
○紀平薬剤管理官
御意見ありがとうございます。
議事録の公開の検討と併せまして、検討させていただきます。
○小塩会長
幸野委員、お願いします。
○幸野委員
今の話と関連するのですが、やはり保険収載時にある程度の根拠等が開示されていなければいけないと思いますので、ぜひお願いしますというのと、もし時間がかかって保険収載時までに開示できないということであれば、保険収載を判断するに当たってポイントとなるようなものは選り分けて先に公開していただければと思います。長文の議事録を公開していただく必要はないので、保険収載に当たって例えば必要となる事項についてポイントを絞って公開いただければと思います。
例えば、原価計算方式で原価が開示できないことについてどのような議論があったか、委員がどういうふうに認めたのかということを私たちは知りたいです。それから、これは今でも一部開示されていますけれども、製薬業界と算定組織との意見の相違があったものがどのように解決されたかということや、あるいは委員の中で意見の乖離、相違があったのか。例えば、加算をつける、つけないで委員間でいろいろな議論があったのであれば、全員一致であればいいと思うのですが、委員で意見の相違があった場合はその旨だけでもピックアップして、いわゆる保険収載に我々が判断するに必要なポイントだけでも保険収載までに、全文でなくても結構なので、公開していただくような検討を進めていただきたいと思います。
1つ例を挙げますと、昨年5月にゾルゲンスマが収載され、これは先駆け審査指定制度加算という相当な額の加算がつきました。しかし、ほかの業界誌で、これはすごい審査に時間がかかっていて、90日どころか、1年6か月ぐらいかかっているにもかかわらず先駆け審査指定加算がついたというのを、それを読んで初めて分かり、こんなものに先駆け審査指定制度加算をつけていいのかという疑問を持ちました。そういう例もありますので、そういった内容をぜひ薬価収載や保険収載までに、ポイントを絞ってでもいいですから、公開していただくような検討をぜひお願いしたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
では、ほかに御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、ただいま説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
本日の議題は、以上です。
なお次回、来年の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。
どうもありがとうございました。




 


 
 

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