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2020年11月11日 中央社会保険医療協議会 総会 第468回議事録

○日時

令和2年11月11日(水)10:29~12:02

○場所

オンライン開催

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 松浦満晴委員 
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 半田一登専門委員
保険医療材料等専門組織小澤委員長 
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 岡田医療技術評価推進室長
山田保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○医療機器及び臨床検査の保険適用について
○先進医療会議からの報告について
○医薬品の新規薬価収載について
○DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について
○在宅自己注射について
○診療報酬改定結果検証部会からの報告について
○2021年度薬価改定に係る検討の進め方について


 
○小塩会長
それでは、ただいまより第468回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
なお、本日もコロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開については、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。本日は染谷委員、松浦委員、岩田専門委員が御欠席です。
それでは、議事に入らせていただきます。
初めに、「医療機器及び臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。小澤委員長より御説明をお願いいたします。
○保険医療材料等専門組織小澤委員長
小澤でございます。それでは、説明いたします。
中医協総-1-1の資料を御覧ください。
今回の医療機器の保険適用はC2が4製品、3区分です。
2ページ目を御覧ください。
製品名は「BioBlade レーザシステム」です。
5ページ目の「製品概要」を御覧ください。
本品は、頭頸部癌に対して使用することを目的としたレーザ装置であり、記載している医薬品と組み合わせて使用する製品です。
2ページにお戻りください。
価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価いたしました。最終的な価格を、BioBlade フロンタルディフューザーBioBlade シリンドリカルディフューザー22万9000円、BioBlade ニードルカテーテル1,990円といたしました。外国平均価格との比はございません。
次に、6ページ目を御覧ください。
製品名は「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及び CO チェッカー」です。
8ページ目の「製品概要」を御覧ください。
本品は、ニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙の治療補助を行う製品です。
6ページにお戻りください。
価格につきましては、本品は特定保険医療材料としては設定せず、新規技術料にて評価することが適当と保材専として判断いたしました。このため、外国平均価格との比はございません。
次に、9ページ目を御覧ください。
製品名は「耳管ピン」です。
11ページ目の「製品概要」を御覧ください。
本品は、保存的治療が奏功しない難治性耳管開放症の症状改善を目的に、過度に開放している耳管内腔を狭くする製品です。
9ページにお戻りください。
価格につきましては、原価計算方式で評価いたしました。この結果、最終的な価格を4万3500円といたしました。外国における販売実績がないことから、外国平均価格との比はございません。
続きまして、中医協総-1-2の資料を御覧ください。
今回の臨床検査の保険適用はE3の1件です。
2ページ目を御覧ください。
販売名は「SGNP nCoV/Flu PCR 検出キット」です。
測定項目は「SARS-CoV-2・インフルエンザ核酸同時検出」です。測定方法は「PCR 法(定性)」です。
4ページ目の「製品概要」を御覧ください。
本検査は、唾液、鼻咽頭ぬぐい液または鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2 RNA、A型及びB型インフルエンザウイルスRNAの検出を目的とした臨床検査です。
2ページにお戻りください。
保険点数につきましては、D023 14SARS コロナウイルス核酸検出3回分1,350点、カテゴリーB 感染物質輸送を行う場合は4回分の1,800点を参考点数としております。
御説明いたします内容は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
事務局から補足の説明がございましたらお願いします。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局からは特にございません。
○小塩会長
ありがとうございます。
この件につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
吉森委員、お願いします。
○吉森委員
ありがとうございました。
3のニコチン依存症治療アプリについて質問と意見でございます。本製品は薬事承認を取得した国内初めての治療用アプリということなので、少し詳細にわたって質問をさせていただければと思います。
まず、本製品の有効性、安全性についての評価、これについては8ページの下段のほうに「臨床上の有用性」ということで記載はされており、安全性、有効性について標準禁煙治療と比べた場合の継続禁煙率が記載されておりますが、まずは標準禁煙治療というのは何を指しているのか、上乗せでどのような臨床試験をされたのか、被験者が何名のデータなのかという辺りを詳しく御説明いただきたいというのが一つであります。
一方で、本件は特定保険医療材料ではなくて新規技術料として評価されておりますが、その理由、考え方、これについても判然としておりません。その点数について導入期加算140点で、送信機加算600点の4回分というような準用技術料の算定根拠でされておりますが、そもそもこのアプリとその測定器のコスト並びに禁煙治療における技術料を含めたコストなどと比較してどう準用されたのか、その辺の算定の考え方について教えていただければというのがもう一点であります。
また、このアプリがどのような形で既存治療と組み合わせて活用されるのか、先ほど少しお伺いしていますが、一方でオンライン診療との関係性をどう考えればいいのか、また既存のニコチン依存症管理料の点数も含めて、標準的な治療を完了するまでに、その間どういった形での管理料形態になるのかという辺りは、各管理料形態を整理してお示しいただくということが必要ではないかと思います。
私だけかもしれませんが、少し説明不足で消化不良というふうに感じておりますので、本製品については特に初めての治療用アプリの保険適用ということも踏まえて、この中医協の場でもう少し丁寧に御説明いただければというのが私の思いであります。
また、このような治療を補助する、治療に資するというような、行動変容を促すような支援アプリというのは、今後、各社でも開発が進んでいるという報道も見られます。規制改革会議でも取り上げておりましたように記憶しておりますが、そもそも、このような治療に資するプログラム、どういったものが医療機器に該当するのかという辺り、保険適用としての考え方、これを早期に整理する必要があると考えております。また、診療報酬の当てはめ方についても現行の診療報酬の当てはめ、準用でいいのか、あるいはまた新たな体系をつくる必要があるのか、この辺についても諸外国等の事例も踏まえて議論を深めておく必要があると思います。以上、意見です。
最初の細かい質問については、お答えいただける範囲でお答えいただければと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、事務局、お願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
医療技術評価推進室長でございます。
まず、御質問いただいた点、大きく今回の評価の考え方をより詳しくというお話と、あと、エビデンスの部分についての御質問であろうかと思います。
順番が逆になって恐縮でございますけれども、今回の評価の考え方、保材専において御議論いただいた内容を私から御説明をさせていただきます。
禁煙治療という管理で、こちらについて、そのアプリを使用して在宅での禁煙の状況というのを連日把握し、その情報に基づいた行動変容を促す動画等が患者さんに届くというものでございますけれども、その管理について、アプリを使用する際に医師の追加の管理が必要となるという観点から、資料6ページの中段に記載してございますように、C110-2の注2の導入期加算の準用を行うということを1点、考えております。
また、アプリ及びCO チェッカー、これは消耗品として使うものになるわけですけれども、その分について、在宅療養指導管理材料加算、こちらは装置にデータを送るという観点の類似性を鑑みまして、4回分の準用ということが保材専において決定がなされたというものでございます。
2点目の標準治療、またこのエビデンスについてでございます。
まず標準治療、こちらの学会のほうで標準手順書というものが策定されておりまして、それにのっとって実施するということとされております。
今回、本品のエビデンスにつきまして8ページ目に記載をしておりますけれども、そうした標準手順に加えてダミーのアプリ、プラセボのような形のものと標準治療にこのアプリを併用したものの2群に分けまして、N数は572名と伺っておりますけれども、そうした前向きの治験を実施されたと。
その中で、8ページの下段にありますように、24週間使用した段階で63.9%、そのダミーアプリを使った場合は50.5%と、その時点での差がありました。
さらに、その後使用を24週で終了した後、52週までの継続禁煙率を見ましても、52.3%と41.5%の差が生じたと。そういう点で薬事承認をされたものと承知をしております。
事務局からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
そうすると、例えば24週の標準治療の間にCO チェッカーを使うのは4回ですか。
○岡田医療技術評価推進室長
すみません。説明不足で恐縮でございます。
CO チェッカーは、基本的には在宅、家で毎日使用するということを想定して作られているものでございます。
○吉森委員
そうしますと、毎日チェッカーでチェックをして、その結果が配信されてメッセージや動画の提供というのはその都度来るわけですか。
○岡田医療技術評価推進室長
はい。そのようなものでございます。
○吉森委員
分かりました。
○小塩会長
ありがとうございます。
松本委員のお手が挙がっています。お願いします。
○松本委員
ありがとうございます。
やはりCureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカーについてでございます。吉森委員の御意見、御提案とちょっとかぶりますけれども、質問させていただきます。
本品は、国内初の疾病治療の補助を行うための医療機器、プログラムであります。非常に注目をしておりますけれども、このような製品がやはり次々で出てくることも予想されますので、今後こうした製品を保険適用する際の考え方として、やはり幾つか確認をさせていただきたいと思います。
保険適用する際の考え方としては、あくまでも通常の医薬品や医療機器のように一定のエビデンスレベルが得られるような臨床試験を行って、その結果、安全性や有効性について明確な成績が示され薬事承認されたアプリのみが保険適用の対象となり得るのであって、それ以外の薬事承認されていない市販のアプリ等を利用したとしても、保険診療としては評価されないということではないかと思います。これが1点目です。
また、これは薬事のほうになると思いますけれども、先ほど吉森委員もアプリの効果についての御質問がありましたけれども、チェッカーと組み合わせて治験をしているために、幾らダミーのアプリと比較して10%程度の比較成績が上がったといいましても、このアプリの治療効果については少し分かりづらいものとなっていると私も思います。
また2点目として、診療報酬上の評価としては医師の指導や技術を補助するような機能であれば技術料として評価すべきであって、そういった機能に対しては、物としての評価をすることはこれまでの保険適用の考え方としてはなじまないと考えていますけれども、これも確認させていただきたいと思います。
3点目ですけれども、その上で、本技術に対しては在宅における管理料と材料価格に倣って評価しているという理解でよろしいのでしょうか。
以上の3点についてお願いいたします。
○小塩会長
では、事務局、お願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局でございます。御質問ありがとうございます。
3点いただきました。
1点目、本品はアプリということが初めてだということでございますけれども、今後薬事で承認をされたものに原則限るということでよいかという御質問だったかと思います。基本的には御指摘のとおり、薬事承認をされて有効性、安全性が確認されたものを保険適用していくというものが原則だというふうに事務局としても認識しております。そのような点については、このアプリについても同様であると考えております。
2点目、医師の指導や技術を補助する機能の評価の仕方ということにつきましては、そうした補助する機能そのものにつきましては技術料として評価することが妥当であると考えております。
一方で、本品につきましてはCO チェッカーという消耗品とアプリが一体で薬事承認をされたというものでございまして、その商品も含めた材料価格についても併せて評価を行っているというものでございます。
3点目、本技術についての考え方ということでございますけれども、先生がおっしゃられましたとおり、在宅における管理料、材料加算に倣って評価をしているという認識でございます。
事務局からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
松本委員、お願いします。
○松本委員
分かりましたけれども、やはり今後のアプリを使ったこういった機器を次々と保険適用していくということに関しては、やはりかなり慎重な審議がどうしても必要になりますので、このことについては薬事と一体的に、少し保険適用についても、どのような仕組みでやったら一番いいのか、やはり相当厳しい目で見ていく必要があるのではないかと思いますけれども、これについてまたお願いいたします。
○小塩会長
では、医療課長、お願いします。
○井内医療課長
医療課長でございます。
今御指摘いただきましたアプリを使った薬事承認を受けたものについての今後の評価ということでございます。今回に関しましては薬事承認を受けたものということで、今までのルールどおり適用をしてこういった形にしているというものと考えております。
その上で、今後こういったものが出てくるといった場合に、まだ本品一品でございますが、今後の状況をまた踏まえまして、また議論が必要ということであればこの場で議論していただくという機会もあるのかなと考えております。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。
幸野委員のお手が挙がっています。お願いします。
○幸野委員
今までの委員と同じような意見になるのですが、意見として申し上げます。
このアプリについてですが、既に健康管理のアプリや生活習慣病患者のための運動や食事の行動変容を促すような無料のアプリが山ほど出ているのが現状だと思います。今後、医療のデジタル化ということで、健康管理なのか治療なのか治療の補助なのか、境目のつかないようなアプリが、おそらくこれから次々と出てくるのだろうと思います。
しかし、そもそも論として、いずれにしてもこの医療のデジタル化というのは、結果的には医療の効率化あるいは医療費の適正化につながるものではないといけないと思いますし、それが本来の趣旨だと思います。デジタル化によって診療報酬が今回のように2倍、3倍になるのは、本来の趣旨とは少し違うのではないかと思っています。治療の補助としてこういったアプリが使用される場合、この診療報酬でどう評価していくかについては、考え方がまだあまりはっきりと整理されていないと思いますので、今後次々と出てくるであろうこういったデジタルな部分について、技術料で評価していくのか、あるいは医療材料で評価していくのか、そういった考え方はやはりきちんと今後整理していかないといけないと思います。
○小塩会長
ありがとうございます。
事務局、よろしいですか。
○井内医療課長
御意見として賜るということでございます。繰り返しになりますが、今回に関しましては既存のルール、今までのルールにのっとりまして治療効果が上がるというものの評価をしていただいているという認識でございます。
デジタル化一般のお話でございますが、本品とはまた違うかもしれませんが、今後デジタル化の中でそういったいわゆる医療の適正化、効率化、そういったところのものがどのような形で出てくるかということも注視しながら、また必要に応じて本会でも検討を、議論をいただければと思っております。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見はございますか。
間宮委員のお手が挙がっております。どうぞ。
○間宮委員
ありがとうございます。
私も医療の補助のツールということのものと、世の中でただで出回っている健康アプリとの線引きというところが難しいのかなと思います。もちろんその計測機器との組合せということでの提供であるということは理解していますけれども、患者としては自己管理ができるということが一番大事なことであって、そういったことの促進も含めてアプリの利用というのを促進していくということも必要だと思いますし、やはり線引きですよね。そういったものが、定義みたいなものというのがきちんと示されていないというところでこれが保険適用ということで上がってきたというところが、問題とまでは言いませんけれども、もうちょっと丁寧に、こういったものを導入するのであれば事前にちょっと検討できるようなそういう材料を出してきてもらうということが大事かなと思いました。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
松本委員のお手が挙がっていました。よろしくお願いします。
○松本委員
総-1-2のほうでもよろしいでしょうか。臨床検査の保険適用についてのSARS-CoV-2・インフルエンザ核酸同時検出でございます。
本品は、唾液検体でも新型コロナウイルス核酸検出とインフルエンザ核酸検出を同時に検出できる初めてのものであります。安全性と利便性が高いことから、簡便に実施できるのであれば相当数の需要が見込まれると思いますが、この検査が実施できる医療機関や衛生検査所としてはどういったところが想定されているのでしょうか。これが一つです。
もう一つは、相当数の需要があった場合、本製品の供給量については十分な量が確保できているのでしょうか。
以上の2点について御回答をお願いいたします。
○小塩会長
事務局、お願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局でございます。御質問ありがとうございます。
まず1点目、本検査が実施できる医療機関等についての御質問でございました。本品はリアルタイムPCRの検査装置を用いて行う検査でございまして、臨床検査技師さんの配置等一定の検査体制を有しているという医療機関で、そういう自院で検査を行うことのできる医療機関ということが想定されております。
また、衛生検査所等など外部の検査センター、こちらのほうに検査を発注、外注する場合、結果返却までに一定の時間的なタイムラグが生じるため、インフルエンザウイルスについては唾液を用いて行う検査が可能となる本検査のメリットがなかなか生かしにくいのかなというふうに認識をしております。
需要の供給については経済課のほうからお答えさせていただきます。
○堀岡医政局経済課医療機器政策室長
経済課医療機器政策室長の堀岡でございます。安定供給についての御質問をいただいておりますので、私のほうでお答えさせていただきます。
当製品は今、医療課のほうから御説明申し上げたとおり、物すごく急拡大で需要があるというふうには考えておりませんけれども、きちんと企業とは安定供給についてお話をしておりまして、さらに、この製品は経済産業省とも連携した形で、必要な場合に増産体制を整えることができるように省庁連携をしておりますので、国としてもきちんと安定供給できるように最大限努力してまいりたいと考えております。
○小塩会長
どうぞ。
○井内医療課長
すみません。間宮委員からいただいたことについて、ちょっと順番が逆になりますが、御説明をさせていただければと思います。
まず、本品に関しましては、臨床上の有用性が臨床試験において認められたという、薬事承認をされたというところで、明確にそういった効果があると示されたところが大きな特徴と考えております。
そういった中で、既存のルールにのっとって今回、こういった形で提案をさせていただいているというものでございます。普通のアプリ、また今後そういったところが、効果はあるけれども薬事承認を取っていないとかいろいろなものが出てくるかもしれません。そういったときにはまた、そういったものに関しまして本会でも議論していただくということでございますが、今の我々のスタンスとしては、あくまでも薬事承認が取れたもの、臨床上の有用性が示されたものということで整理をさせていただいております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
先ほど佐保委員のお手が挙がっていたようなのですけれども、よろしいでしょうか。
○佐保委員
佐保です。ありがとうございます。
ニコチン依存症については、ほかの委員と同様に、やはり今日の話を聞く限りではなかなか分からないというのが正直な感想です。
それから、ほかの委員もおっしゃっているように、こういったアプリがどんどん増えていくことに関してはどうなるのかなという心配も持っています。やはりしっかりと検証していくということが必要だと思っていますし、もう少し詳しい説明というのもどこかの場面で聞きたいなと思っております。
それから、間宮委員が言っていたのですが、自己管理というのがありますが、依存症の患者さんは自己管理をするのがなかなか難しいのではないかなと思っております。そういったことを含めて、このアプリの検証というのもしっかりやっていただきたいなと思っております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
幸野委員のお手が挙がっています。お願いします。
○幸野委員
CureAppのニコチン依存症治療アプリ及びCO チェッカーについて、少し違った観点なのですが、やはりこういった診療報酬というのはアウトカムが重視されなければいけないと思っています。この点数のつけ方は、これによれば準用技術料2,540点は初回に取れるとなっていますが、8ページの資料を見てみますと、24週を終わっても4割の方が脱落しています。初回に取って脱落しているということは、2,540点ですから2万5400円が無駄になっているわけです。これはアウトカムを重視する考え方からすれば、最後の5回目に算定するほうが妥当ではないかと思いますが、それについて意見をお伺いしたいと思います。
○小塩会長
今、幸野委員から御質問がありましたところについて、事務局からお願いします。
○岡田医療技術評価推進室長
御質問をいただきましたのでお答えさせていただきます。
基本的にはその診療の結果に対して診療報酬が発生するというものではなくて、その診療行為に基づく報酬ということかと思っております。7ページの上段の(3)のところに記載をしてございますけれども、管理料の平均継続回数2回以上の医療機関において本品を使用した場合に算定できるということとしておりまして、一定程度継続的な管理がなされている医療機関で使用していただくということを想定しております。
事務局からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
間宮委員、お手が挙がっていますでしょうか。
○間宮委員
すみません。やりっ放しになっておりました。
○小塩会長
分かりました。
それでは、松本委員、お願いいたします。違うかな、今村委員ですかね。
○松本委員
すみません。今村委員からニコチン依存症のほうについてちょっと追加があります。
○小塩会長
今村委員、お願いします。
○今村委員
今回、COを測定できるということがこの機器の非常に重要な要素だと思います。単なるアプリに加えて一酸化炭素を測定するということに非常に意義があってこれは評価されていると思うのですけれども、そもそも加熱式たばこではCOは出ないわけです。ですから、要するに紙巻きたばこについては禁煙治療として有効であるけれども、加熱式たばこでは禁煙治療には全くこれは役に立たない仕組みだというふうに理解をしています。したがって、これを認めるに当たっては、しっかりとその点を周知していただく必要があるのではないかと思っておりますけれども、事務局はいかがでしょうか。
○小塩会長
事務局、お願いします。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局でございます。御質問ありがとうございます。
御指摘いただきました点は大変重要だと思っておりますので、そういった周知に取り組んでまいりたいと考えております。
○小塩会長
松本委員のお手が挙がっています。松本委員、お願いいたします。
○松本委員
すみません。先ほどの臨床検査のほうの保険適用についてのところでちょっと追加でよろしいでしょうか、それとも、アプリのほうを続けて。
○小塩会長
いや、先ほどの件に戻ってお願いします。
○松本委員
ちょっと戻させていただきます。
もう一回確認なのですけれども、やはり今後ツインデミックがどの程度また増えてくるかということと非常に関わりがあると思います。確かに迅速性ということではやはり唾液でできる抗原キットのほうが臨床の場としては使われていくとは思いますけれども、ただ、陽性一致率とか感度とかそういうことを考えると、やはり医師がこのPCR検査のほうを選択するということも大いに考えられるので、そういった市場のこの動きをよく見ながら、やはりしっかりと供給ができてしっかりと検査体制とかができるようなことだけは考えておかないとまた混乱を来しますので、そういう点につきましては余裕を持った供給体制を考えておかなくてはならないと思いますので、この点についてもう一回御確認いたします。
○小塩会長
事務局、お願いします。
○林医政局経済課長
経済課長でございます。
御指摘の点は非常に重要な点だと思います。今後の感染状況、また需要状況をしっかり見ながら、供給不足が生じないようにしっかりと取り組んでまいりたいと思います。ありがとうございます。
○小塩会長
本件はいろいろ御意見をいただきました。本会で引き続き議論していかなければいけない重要なテーマもあるということが認識されましたが、他に御意見がないようでしたら、本件つきまして、中医協として承認するということでいかがでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして、「先進医療会議からの報告について」を議題といたします。これは報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局、医療技術評価推進室長でございます。
資料総-2を御覧ください。
今回、先進医療会議で承認をされました先進医療Bの技術が1件ございましたので、御報告をさせていただきます。
1ページ目を御覧ください。
今回の技術は整理番号142番、「超急性期脳出血に対する遺伝子組換え活性型第7因子投与」でございます。
本技術にかかる費用は、それぞれ表に記載のとおりでございます。
6ページ目を御覧ください。
先進医療会議における判定でございますけれども、下段を御覧いただきますとおり、総合判定は適という評価がなされております。
7ページ目を御覧ください。技術の概要でございます。
本技術は、発症から120分以内の超急性期脳出血の患者さんに対しまして、血友病の治療薬であります遺伝子組換え活性型第7因子の投与を行うという技術になります。
ロードマップにつきましては8ページ目を御覧ください。
本先進医療の結果をもちまして、公知申請による薬事承認を目指すとのロードマップが描かれております。
事務局からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問はございますでしょうか。
特に御質問等がないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
続きまして、「医薬品の新規薬価収載について」「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」「在宅自己注射について」を一括して議題としたいと思います。
本日は、薬価算定組織の坪井委員長にお越しいただいておりますので、坪井委員長より御説明をお願いいたします。
○薬価算定組織坪井委員長
皆さん、おはようございます。薬価算定組織の委員長の坪井です。
私から、今回検討いたしました新薬品の算定結果について御報告いたします。資料は中医協総-3を御覧ください。
今回報告する新医薬品は1ページの一覧表にありますとおり、9成分21品目です。
それでは、算定内容について御説明いたします。
1品目めはリベルサス錠です。資料の2ページから3ページを御覧ください。
本剤は、2型糖尿病を効能・効果とする内用薬であり、有効成分が同一で効能や薬理作用等が類似するオゼンピック皮下注0.5ミリグラムSDを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、経口投与が可能となった初のGLP-1作動薬であり、既存の注射薬と比較してQOLの改善が示されていること等から、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
また、加算後の14ミリグラム製剤薬価が外国平均価格の1.25倍を上回ったことから、外国平均価格調整によって引下げを行いました。その結果、本剤の算定薬価は、3ミリグラム1錠143.20円、7ミリグラム1錠334.20円、14ミリグラム1錠501.30円となりました。
続きまして、2品目めのエナロイ錠です。資料の4ページから5ページを御覧ください。
本剤は、腎性貧血を効能・効果とする内用薬であり、薬理作用類似薬が既に3以上あること等から、類似薬効比較方式(Ⅱ)より算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、2ミリグラム1錠275.90円、4mg1錠486.10円となりました。
3品目めのジセレカ錠です。資料の6ページから7ページを御覧ください。
本剤は、既存治療で効果が不十分な関節リウマチを効能・効果とする内用薬であり、薬理作用類似薬が既に3以上あること等から、類似薬効比較方式(Ⅱ)より算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、100ミリグラム1錠2550.90円、200ミリグラム1錠4972.80円となりました。
4品目に移ります。ゼジューラカプセルです。資料の8ページから9ページを御覧ください。
本剤は、卵巣癌における初回治療後の維持療法、白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法及び白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌を効能・効果とする内用薬です。
効能及び薬理作用等が類似するリムパーザ錠150ミリグラムを最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)より算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、100ミリグラム1カプセル1万370.20円となりました。
続きまして、5品目めです。ゼプリオンTRI水懸筋注シリンジです。資料の10ページから11ページを御覧ください。
本剤は、統合失調症を効能・効果とする注射薬であり、規格違いの同一成分、ゼプリオン水懸筋注シリンジの100ミリグラムを最類似薬とした規格間調整により算定いたしました。既存薬が1か月1回投与のところ、本剤は3か月1回投与であり、規格間調整のみによる新薬の薬価算定の特例5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は10ページにあるとおりで、汎用規格では525ミリグラム1キット13万4858円となりました。
続きまして、6品目めです。ゼオマイン筋注用です。資料の12ページから13ページを御覧ください。
本剤は、上肢痙縮を効能・効果とする注射薬です。
同じ効能を持つ既存薬は、薬価収載から10年以上経過していること等から適切な類似薬がなく、原価計算方式で算定いたしました。
なお、本剤の製品総原価の開示度は、50単位で50%から80%、100単位及び200単位で50%未満でした。
また、本剤が分類される骨格筋弛緩剤の市場規模は全体の0.5%以下であることから、市場性加算(Ⅱ)に該当し5%の加算を適用することが妥当と判断いたしました。
補正加算について、加算率5%に対して、50単位に加算係数0.5を適用して2.5%、100単位及び200単位に加算係数0.2を適用して1%の補正加算を適用いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、50単位1瓶1万8707円、100単位1瓶3万4646円、200単位1瓶6万8922円となりました。
続きまして、7品目めのアキャルックス点滴静注です。資料の14ページから15ページを御覧ください。
本剤は、切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がんを効能・効果とする注射薬であり、適切な類似案がないため、原価計算方式で算定いたしました。
なお、本剤の製品総原価の開示度は80%以上でした。
本剤は、EGFR選択的に腫瘍細胞に結合し、光化学反応による細胞膜傷害作用を示す新規作用機序医薬品であることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
また、本剤は先駆け審査指定制度の対象となっており、本邦で初めて承認された医薬品であること等から、先駆け審査指定制度加算の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、250ミリグラム50ミリリットル1瓶102万6825円となりました。
続きまして、8品目めになります。ブコラム口腔用液です。資料の16ページから17ページを御覧ください。
本剤は、てんかん重積状態を効能・効果とする外用薬であり、同一の成分、効能・効果、薬理作用等を有する注射薬のミダフレッサ静注0.1%を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、国内のガイドラインで静脈確保が困難な場合の標準的治療法に位置づけられることを踏まえ、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。また本剤は、希少疾病用医薬品に指定されていることから、市場性加算(1)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。剤形間比を適用した後の薬価はいずれの規格も外国平均価格の0.75倍を下回っていることから、外国平均価格調整によって引上げを行いました。
その結果、本剤の算定薬価は16ページにあるとおりです。汎用規格では5ミリグラム1ミリリットル1筒1977.80円となりました。
続きまして、9品目めのエクロックゲルです。資料の18ページから19ページを御覧ください。
本剤は、原発性腋窩多汗症を効能・効果とする外用薬であり、適切な類似薬がないため原価計算方式で算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、5%1グラム243.70円となりました。
以上で私からの説明は終わります。
○小塩会長
ありがとうございます。
引き続き、事務局から説明と補足をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。ただいま御説明いただきました総-3について補足いたします。
1ページ目を御覧ください。今回収載予定の新薬のうち、費用対効果評価の対象となる品目について御説明いたします。
1番目のリベルサス錠につきましては、類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定され、有用性加算5%、そしてピーク時の予測販売金額が100億円を超えているということから、H1品目として費用対効果評価の対象となることを御報告いたします。
以上でございます。
○井内医療課長
それでは、引き続き、「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」を御説明させていただきます。資料は総-4でございます。
定例の議題ではございますが、新規に薬価収載された医薬品等につきましては、DPC/PDPSにおける診療報酬点数表に反映されないことから、一定の基準に該当する医薬品等を使用した患者については、包括評価の対象外とし、次期診療報酬改定までの間、出来高算定することとしております。
基本的な考え方につきましては、総-4(参考)につけております。
今回、効能・効果が追加された医薬品、公知申請が受理された医薬品、新規に薬価収載される薬剤などについて判定を行い、2の一覧に示しております医薬品について対応する診療群分類において基準に該当しておりましたので、出来高算定としてはどうかという御提案でございます。
続いて、4ページ目の3でございますが、こちらは類似薬効比較方式で薬価が設定された医薬品で、その類似薬に特化した診断群分類が既に設定されているものが挙げられておりまして、この診断群分類に新規の医薬品についても反映してはどうかという御提案でございます。
引き続き、資料総-5で説明をさせていただきます。在宅自己注射指導管理料の対象薬剤の追加についてでございます。
対象となる薬剤はブロスマブでございます。この薬剤は、FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症に対し使用する薬剤です。投与間隔が2週間から4週間に1回とされている薬剤で、今回、14日を超える投薬が可能となったため、在宅自己注射指導管理料の対象薬剤に追加してはどうかという御提案でございます。
総-5-参考1のほうで現在の運用基準、参考2、3では関係学会からのブロスマブに関する在宅自己注射に関する要望書でございます。
続きまして、総-5-2を御覧いただきたいと思います。在宅自己注射指導管理料の対象薬剤であるヒュミラのバイオ後続品の取扱いでございます。
今回、アダリムマブ BS 皮下注について、3ページ目の最後の「対応案」にありますとおり、先行バイオ医薬品と比較して特段の問題はないと考えられますことから、在宅自己注射指導管理料の対象薬剤に追加してはどうかという御提案でございます。
事務局からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの3件がございますけれども、説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
薬価の承認については異論はありませんが、一つ提案といいますか、検討していただきたい事項を申し上げます。
7番目のアキャルックス点滴静注についてです。アキャルックスの市場規模は年間38億円、医療機器のBio Bladeは15.3億円になり、アキャルックスを使用する場合は必ずBio Bladeも併用されるので、これを足すと年間の市場規模は53.3億円、医療費に与える影響が53.3億円ということになります。
そして、この医薬品は有用性加算がついています。これらを考えると、これは費用対効果評価のH2の基準を満たすのではないかと思います。現行の費用対効果評価のルールでは、薬剤単体では対象にならないのですが、このような医療機器と併用されるものについても、医療費に与える影響はこれだけあるわけですから、費用対効果評価の対象とするということを検討してはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
○小塩会長
事務局、お願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
医療技術評価推進室長でございます。
本品の取扱いについて今、幸野委員がおっしゃられましたとおり、現行の制度の中では品目ごとに見ていくというルールがございますので、選定はその定義に該当はいたさないというものかと承知をしております。
また今後そういうルールについて検討していくべきではないかという御意見だと承知をしましたけれども、費用対効果の今後のルール設計について、今、様々な事例を積み重ねているところでございますので、いただいた御意見も踏まえながら、事務局としても検討を進めさせていただきたいと考えております。
○小塩会長
ありがとうございます。
今村委員、お願いいたします。
○今村委員
ありがとうございます。
最初のセマグルチドについてちょっと事務局に教えていただきたいのです。先ほど補足説明で100億円以上の予測販売金額ということで費用対効果評価の該当という御説明をいただいたのですけれども、既にあるオゼンピックの皮下注、これからの今回の内服薬への切替えというのがどの程度あるのか。対象患者が15万人で116億円ということになっておりますけれども、普通に考えると、注射薬のようなものから面倒ではない経口薬に切り替わるという方向になるのかなとは思うのですけれども、服用の仕方が非常に複雑だというようなお話も伺っていて、その辺、どの程度の切替えというのを想定してこの金額を出されているのか。これは企業側のデータだと思いますけれども、教えていただければと思います。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
現在出しておりますリベルサスの市場予測でございますけれども、オゼンピックだけではなく、他のGLP-1の注射薬も含めた中で推計しており、単純に言いますと、オゼンピックのときに収載したときの予測規模よりも多めの数字にはなっております。ですから、GLP-1の注射薬全体からそれなりに移行してくるのではないかという想定の下に現在の推測が立てられております。
また、先ほど御紹介いただきましたけれども、この錠剤が通常の錠剤のように飲めばいいというものではなくて、朝、食べたり飲んだりする前に空腹の状態で飲んで、そこから30分はほかの医薬品とか飲食物を避けてというような少し手間をかけたような服用方法になりますので、きちんと教育した上で飲める方に使っていただくものかと思います。
また、そういった医師への研修なども予定されているということですので、今後、市場の販売についても注視はしていきたいと考えております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。よろしいでしょうか。
ほかに御意見はございますか。
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
最後のエクロックゲルついて確認をさせていただきます。対象患者は重症患者ということなのですが、重症患者ということをレセプトで判断するためにどのような対応をするのかということについて確認させていただきます。
○小塩会長
事務局、お願いします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
このエクロックゲルにつきましても、御紹介いただきましたように重症患者に対しての使用が想定されるということになりますので、臨床試験のほうでは、わきからの発汗重量もはかった上で試験が行われております。原発性腋窩多汗症という疾患自体について診断基準がありますので、その確定診断が行われた場合にのみ投与することということで、留意事項の発出を今回予定しております。
以上でございます。
○幸野委員
レセプトに記載するということでよろしいのでしょうか。
○紀平薬剤管理官
レセプト欄の記載は、この診断基準の中で多汗症疾患重症度の評価尺度というものがありますので、それを記載していただくということで予定しております。
○小塩会長
よろしいでしょうか。ほかに御質問はございますでしょうか。
特にほかには御質問はないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
次に、「診療報酬改定結果検証部会からの報告について」を議題といたします。
まず、同部会の永瀬部会長から、「令和2年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和2年度調査)の調査票案について」御報告をお願いいたします。
○診療報酬改定結果検証部会永瀬部会長
検証部会長の永瀬です。
本日御報告する資料は、「令和2年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和2年度調査)の調査票案について」です。
まずは、本調査書案の作成において、中医協委員の皆様には、短い期間で調査票案を御確認の上、御意見を頂戴いたしましたことをこの場を借りて厚く御礼申し上げます。いただきました御意見につきましては、できるだけ反映する方向で検討を重ねて作成しました調査票案を本日お出ししております。
本日御報告するのは、令和2年度に実施する5つの調査になっております。
1、「かかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等に関する実施状況調査(その1)」。
2、「精神医療等の実施状況調査(その1)」。
3、「在宅医療と訪問看護に係る評価等に関する実施状況調査」。
4、「医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進に係る評価等に関する実施状況調査(その1)」。
5、「後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査」の5項目に関わる調査票案です。
今後、スケジュール案に基づき調査を実施し、それぞれの報告書がまとまり次第、改めて御報告したいと思います。
それでは、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○山田保険医療企画調査室長
保険医療企画調査室長でございます。資料は総-6をお願いいたします。
令和2年度診療報酬改定の結果検証調査につきましては、6月17日の中医協で御承認いただきました調査計画に基づきまして、2か年に分けて実施することとしており、今回、令和2年度に調査を実施する5項目につきまして調査票案を作成いたしました。作成に当たりましては、5つの調査ごとに公益委員、有識者等で構成しました調査検討委員会において、具体的な調査票の内容を御検討いただいております。
さらに、中医協委員の皆様にも事前に原案を二回ほど御確認いただきまして、いただいた御意見についてできる限り調査票に反映させていただきました。昨年まで、確認する時間が短いという御指摘をいただいていましたので、今回若干ではありますが、早めに調整をさせていただいたところです。それでもなお短い期間で膨大の量の調査票を御確認いただきまして、誠にありがとうございました。
今後のスケジュールといたしましては、本日、調査票案を御承認いただければ、12月に調査を実施し、督促、回収、集計、分析を経まして、調査結果について報告書を作成し、まとまり次第、3月末までに中医協に御報告したいと考えております。
それでは、総-6を御説明いたします。資料が大部でございますので、時間の関係上、ポイントを絞りまして、コロナの影響の部分及び5つうちの1つ目を代表としまして、1つ目の調査票のみ御説明を申し上げたいと思います。
資料のページ番号につきましては、右下の通しのページ数で説明を申し上げます。
今回の検証調査におきましても、従来どおり、診療報酬改定の影響を把握するというのが第一の目的でございますけれども、本年は、新型コロナウイルス感染症の大きな影響がございます。そのため、可能な限り改定の影響とコロナの影響を分けて分析できるよう、各調査票において、コロナの影響を把握するための質問を設けたところでございます。
その中で、複数の調査の施設票におきまして、横串で共通の質問を設けております。共通の質問につきましては、右下のページで20ページをお開きください。
実際の調査のときには外しますが、本日は御説明のために、コロナに関する質問には黄色、また、昨年までなかった新たな質問には青色のマーカーをつけております。
20ページは、五本の調査のうち、外来医療に係る調査(その1)の中のかかりつけ医に関する調査の施設票でございますが、問2の黄色いマーカーの部分がコロナの共通質問部分となります。
例えば、○1でコロナ感染疑いや感染患者の受入れの有無、○3で重点医療機関等の指定の有無、○5で医療提供状況の変化、○7で患者の受療行動の変化に際して行った対応と、患者の健康影響などを聞いております。これらの質問については、そのほかの調査票にも必要に応じて共通の質問を設けております。
分析の際にはこれらの質問の回答結果により、例えば、改定の影響を見る質問の結果と、コロナの影響の有無に関する結果でクロス集計を行うなどして、改定の影響とコロナの影響の関係等を分析することを検討したいと思います。
また、各調査票独自にさらに必要と考えられるコロナの影響に関する質問を設けている場合もございます。コロナの関係の質問を追加したこともありまして、全体としてページ数が増えている傾向にあります。少しでも回答者の負担軽減を図るために、可能な限り、前回調査にはあった質問の中でも削除をしたり、自由記述の部分を選択肢にしたりという変更をいたしました。削除した項目につきましては、各調査の概要の部分に記載しております。
それでは、1つ目の調査票のみ御説明させていただきたいと思います。外来の調査であります。
3ページにお戻りください。かかりつけ医機能の外来医療に係る評価等に関する実施状況調査(その1)でございます。
調査の目的でございますけれども、令和2年度改定において、かかりつけ医機能のさらなる推進等の見直しが行われた点につきまして、調査・検証を行うこととしております。
8ページをお願いいたします。
「4.調査の方法」でございます。
調査は、紙媒体への記入の後、郵送返送する方法と、施設票につきましては、専用ホームページより電子調査票をダウンロードして入力の上、メールへの添付により返送する方法を選択できるようにしておりまして、これは5つの調査とも共通であります。
また、オンライン診療の患者票につきましては、前回は患者さんに手渡し配布する方法のみを取っておりましたけれども、今回は施設から電子メールによる配布・回収も選択できるようにします。
次に、調査の対象を表で示しておりますが、説明は省略いたします。
12ページ以降が各調査票案でございます。
12ページから、定額負担の施設票です。全体的には前回調査と同様に初診時または再診時の定額負担について、設定金額や定額負担を徴収した、またはしなかった患者さんについて調査することとしております。
15ページの○4と○5でありますが、外来の機能分化を進めるためには、どのような政策が必要と考えるかという質問を追加しております。
16ページから、定額負担の患者票であります。定額負担の仕組みについての認知状況や大病院受診に関する意識などについて調査することとしております。
18ページです。かかりつけ医機能に関する調査の施設票でございます。コロナに関する共通の質問が続いた後に、25ページの○8から、コロナ患者の増加に際しての電話等診療、オンライン診療の実施状況を調べることとしております。
33ページ以降、順に、主に令和2年度改定で新設した内容の調査が続きます。
41ページの問13、オンライン診療料に関する質問となっており、届出状況などについて調査いたします。
47ページにお進みください。かかりつけ医機能・明細書に関する患者票であります。前回調査と同様に、かかりつけ医を決めているかどうか等の質問に加えまして、48ページでは、院内掲示や文書への認識に関して、51ページの問5では、コロナの影響による受療行動の変化等について、患者側の意識も調査することとしております。
52ページから、オンライン診療に関する患者票です。53ページにかけて、受診した理由、その病気、症状、通院の状況などを調査します。
55ページでありますが、オンライン診療の受診理由に、コロナに関わる内容を追加し、58ページの最後の部分では、コロナに関連して今後の受診についての意識を質問しています。
59ページから、小児科の施設票です。
かかりつけ医の施設票と一部共通した内容を入れているほか、飛びまして、74ページでありますが、問10で小児特定疾患カウンセリング料に係る状況について、質問を追加しております。
79ページから、かかりつけ医明細書の小児科患者票になります。
こちらは全体的に前回調査と同様に、抗菌薬の処方、かかりつけ医に求める役割について質問するほか、83ページの問6でありますが、かかりつけ医の患者票と共通して、コロナの影響による受療行動の変化等について、患者側の意識を調査することとしております。
以上で1つ目の調査票の説明になりますが、残りの4つの調査票も同様な構成で作成しております。コロナに関連する質問の部分は黄色、新しい質問の部分は青ということになっております。時間と分量の関係上、本日の説明は省略させていただきます。
なお、直前に開催されました改定結果検証部会における御意見の概要を御報告いたします。
御意見としましては、医療機関がコロナ対応で大変な中、回答者の負担軽減を図るためにも調査票をできるだけ早く配付するなどの工夫を講じるべきだという御意見をいただいております。
説明は以上とさせていただきます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
幸野委員のお手が挙がっております。よろしくお願いします。
○幸野委員
事前の調整でいろいろ我々の意見を反映していただきましてありがとうございました。
しかしながら、その調整の段階でどうしても解決できなかったことについて、この場を借りて要望させていただきたいと思います。
後発医薬品の使用促進に係る保険薬局調査なのですが、270ページの7の(3)にあります。どのような対応がなされれば、後発医薬品の調剤を積極的に進めることができると思いますかという質問なのですが、この選択肢に「処方箋の変更不可欄の削除」というのを追加していただきたいと思います。
理由は、これはおそらく、多くの薬局、薬剤師の方が要望されていることだと思うからです。ぜひ御検討をお願いします。
○小塩会長
ただいまの要望につきまして、事務局からありますでしょうか。
○山田保険医療企画調査室長
ありがとうございます。
270ページの7の(3)でありますけれども、ここに選択肢の7つ目を入れさせていただいております。「医療機関が変更不可とした具体的な理由の明確化」という選択肢を新たに加えさせていただいております。
まずは、この7の「医療機関が変更不可とした具体的な理由の明確化」というものを追加させていただきまして、理由の明確化が後発医薬品の調剤を積極的に進めるための対応として効果的と思われているのかどうかについて調査をさせていただければと考えております。
以上であります。
○小塩会長
この点について、松本委員からお手が挙がっています。お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
その点でございますけれども、私も270ページの7の(3)のところは、幸野委員から御意見がありましたけれども、7に「医療機関が変更不可とした具体的な理由の明確化」ということが入っておりますので、これで十分であろうと考えます。
○小塩会長
ほかにも御意見を伺いたいと思います。
有澤委員のお手が挙がっています。
○有澤委員
ありがとうございます。
そもそも、まず処方とは、患者さん一人一人の状態によって医師が医学的な知見に基づいて判断して行うものと考えています。その中で、医薬品の効能・効果や特性などを鑑みて、場合によっては、要するに先発品でないと駄目だと、あるいはこの薬でないとどうしてもその症状、あるいは病状がコントロールできないという人がいるのも事実でありまして、変更不可と判断される理由があるというふうに理解しています。
そういった観点から、処方箋の中で変更不可とされているものについては、その理由によって薬剤師の視点から変更の提案ができることもありますし、そのような意見については選択肢の中にある「医療機関が変更不可とした具体的な理由の明確化」というもので把握できるものと考えております。
幸野委員の御指摘のように、確かに、変更不可がないほうがいいのではという考えの薬局もありますので、現実的には変更不可にレ点をつけてくる処方箋は、現場感覚でいえば、かなり減少しているというのも実情でありますし、一方で、そういった闇雲に薬局のほうで確認をして変更するということについても、やはり先ほどの薬剤の変更による病状の様態の変化ということを考えれば、具体的にこういった変更不可の理由を明確に出していただければ、薬局のほうとして患者さんにより適切な薬剤の使用であったり、あるいは医師への情報提供がしやすい環境にもなりますので、この項目でいいと考えております。
○小塩会長
池端委員、お願いいたします。
○池端委員
ありがとうございます。池端です。
私も同じ考えで、医師が変更不可をチェックした理由に、もちろん医師の判断ということもあるかもしれませんが、一方で、対面の診察時に、前回変更したけれどもやはり元へ戻してほしい、いろいろな理由で戻してほしい、症状がどうも合わなかったとかということで、患者さんとの話合いの中で医師がそこに変更不可をつける例も随分あります。だから、「不可」の選択肢をなくすということに対して私は反対したいと思いますし、まずそれが不安であれば、この理由を書くということで十分対応できると思います。私もこの案でいいと思いますのでよろしくお願いいたします。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
幸野委員、いかがですか。
○幸野委員
私は、この7番の明確化を否定しているのではありません。これはこれでいいと思います。また、変更不可を否定しているものでもありません。変更不可の理由がある場合は、変更不可欄を削除しても摘要欄に書けばいいと考えます。この変更不可欄があるがゆえにここにレ点を入れて理由を書かないということが無いように、「処方箋の変更不可欄の削除」を選択肢に入れていただきたいと申し上げているわけです。
○小塩会長
1号側委員でほかに御意見はございますか。
吉森委員、いかがでしょうか。
○吉森委員
現場の感覚というか、処方する医療機関、それを受けて処方する薬局、それぞれの実態が分かるという意味では、どういう理由であればいいのかということからいえば、そういう項目があってもいいのではないか。今、幸野委員が言っているような項目を入れてもいいのではないかと思います。
○小塩会長
ありがとうございます。
池端委員のお手が挙がっています。
○池端委員
失礼しました。手を下げるのを忘れました。すみません。先ほどので結構です。
○小塩会長
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
診療側としての総意として、先ほどいろいろな委員もおっしゃいましたけれども、やはり変更不可の欄をなくすことというのはかなり抵抗がございます。それはいろいろな御意見を今、述べたところですけれども、この7の理由の明確化ということで十分だということを改めて述べさせていただきます。
○小塩会長
この件につきまして、ほかに御意見はありますか。
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
この場で変更不可欄をなくすとか残すとかいう議論をしているわけではなくて、取りあえずこの件について、薬局、薬剤師の方の意見を聞いてみてはどうかということで入れていただきたいと申し上げているのです。これが不要だと申し上げているわけではありません。
○小塩会長
この件につきまして、いろいろ御意見をいただいていますけれども、2号側の委員の方々で追加の御意見はございますでしょうか。
有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
変更不可のところを削除したらいいというふうな取り方はどうなのかなと思うのです。実際に私も現場で初めて来局された方に、変更可だからいきなり変えるのかと。当然、患者さんの希望もありますし、今までの服薬の情報等をお薬手帳で確認した中でやっていきます。もし、何もない状態であれば、当然、変更不可であれば正直言ってそのほうがかえって楽です。そのとおりのものを出せばいいのですが、それが全くない状態だと、どうしてもこの薬を指定だとというところで摘要欄に書けばいいと言いますが、なかなかお医者さんの診療の中でその摘要欄というのをきちんとは書けない状態のもの、書き忘れがあったり書き漏れがあったりということもありますので、やはり変更不可のレ点がつく、つかないという部分は、今は残しておくべきだと思いますし、今後の中でそれはまた議論してやっていく必要もあるのではないかと思っております。
○小塩会長
松本委員のお手が挙がっていますのでお願いします。
○松本委員
重ねてになりますけれども、今、有澤委員から発言があったとおり、調剤薬局の現場でもそのような意見ということもありますし、医療機関としましても、医師側としましても全く同意見でございます。これは調査とはいいましても、そもそも論ということになりますので、この点については明確に反対させていただきます。
○小塩会長
この件につきましていろいろ御意見がありました。
事務局から追加の御説明がありますのでお願いします。
○山田保険医療企画調査室長
事務局でございます。
今までの御議論を聞いていますと、この変更不可欄を削除するという選択肢をアンケートに加えるべきかどうかというのも大きな議論かと思っております。なかなかこの場で加える、加えないという結論が一日で出るものだとも思いませんので、事務局としては、できるだけ長い間の期間を取ってこの調査票に回答いただきたいという思いもありまして、処方箋の様式の改正が直接必要となるような質問については、今回の7のこの選択肢を踏まえて引き続き議論させていただくということで、調査としては今の7で認めていただけないかと思っております。いかがでしょうか。
○小塩会長
今、事務局から御提案がありましたが、いかがでしょうか。
島委員からお手が挙がっていますのでお願いします。
○島委員
ありがとうございます。
あくまでもこのアンケート自体は、開設者や管理者の立場としてどう考えるかという内容ですので、ジェネリックをどんどん推進していくというのが今の日本の医療施設の立場ですから、あくまでもこういうふうに変更不可としたという内容はどういうことかということをきちんと表現されていたほうが我々も考えやすいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
意見を聴取することになぜそれだけこだわられるのか非常に疑問なのですが、現場の立場でおられる日薬の有澤委員が今のままでいいとおっしゃるのなら、私が反対するのも違うと思いますので、下ります。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。
それでは、ほかに御質問等がないようでしたら、本件につきましては、中医協としては承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
それでは、そのようにさせていただきます。中医協として本件については承認したいと思います。
それでは、次の議題に移ります。「2021年度薬価改定に係る検討の進め方について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○紀平薬剤管理官
薬剤管理官でございます。総-7を御覧ください。
「2021年度薬価改定に係る検討の進め方について」ということで資料を御用意しております。
2枚目、右下の番号で1コマ目を御覧ください。これまでの薬価改定に係る議論の経過について資料にお示ししております。
まず、1コマ目ですけれども、本年の経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針におきまして、本年の薬価調査を踏まえて行う2021年度の薬価改定については、骨太方針2018等の内容に新型コロナウイルス感染症による影響も勘案して、十分に検討し、決定するとされております。
2コマ目を御覧ください。
こちらが、平成28年に薬価制度の抜本改革に向けた基本方針としまして、いわゆる四大臣で合意された決定事項でございます。
左の1の(2)に、薬価改定に関する記載がございます。市場実勢価格を適時に薬価に反映して国民負担を抑制するため、毎年薬価調査を行い、薬価改定を行うとされております。続けて、価格乖離の大きな品目について薬価改定を行うという記載もございます。
3コマ目を御覧ください。
こちらは平成29年12月に中医協におきまして、薬価制度の抜本改革について定められた骨子でございます。
こちらに対象品目の範囲がございます。対象品目の範囲については、国民負担の軽減の観点から、できる限り広くすることが適当であるとされております。
また、その次の○ですけれども、平成30年度から令和2年度にかけて、消費税改定も含めて3年間継続して薬価改定が行われるということから、この間の市場実勢価格の推移、薬価差の状況、医薬品卸・医療機関・薬局等の経営への影響等を把握した上で、具体的な範囲を設定するとされております。
4コマ目、2018年と2019年の骨太の方針で、その他内容が書かれております。
5コマ目が、本日、この総会にお諮りする内容でございます。こういった経緯から、2021年度の薬価改定につきましては、これまでの骨太方針を踏まえまして、まずは、薬価専門部会において所要の検討を行うこととしてはどうかというものでございます。また、その際、併せて、関係業界からの意見聴取を実施することとしてはどうかということで、本日、総会のほうにお諮りするものでございます。
以上でございます。
○小塩会長
本件につきまして、いろいろ御意見があるかと思います。
松本委員のお手が挙がっていますのでお願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
5ページ目の論点に沿ってですけれども、今回の薬価調査につきましては、7月の中医協において、調査を実施したとしても医療現場とのそごが生じる懸念が多々あることから、調査結果については例年以上に慎重に検討した上で、それに基づく薬価改定の是非については改めて検討すること、そして調査の実施に際しては、医療現場への十分な配慮をしていただくということを条件に了承いたしました。
今回、総-7の5ページ目ですけれども、まずは薬価専門部会において所要の検討を行うことや関係業界からの意見聴取をすることが提案されましたけれども、あくまでも調査結果について慎重に検討した上で、2021年度薬価改定について改めて検討するということは言うまでもありません。
その際に強く意識すべきところは、現在も医療現場はそれどころではない。つまり、正常の状態、通常の診療体制には戻れていない。さらにまた悪化する可能性も高いような状況がもう目の前に迫っているということであります。新型コロナウイルス感染症への対応や感染拡大防止に、医療現場全体で最大限取り組んでいる状況が続いております。
また、患者さんの受診控え等により、医療機関の経営も悪化しております。特に小児科や耳鼻咽喉科は大変厳しい状況で、まさに崩壊寸前であります。新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた医療機関、また、そのような病院をバックアップする医療機関など、各施設の役割に応じて、かかりつけ医から大病院まで医療全体でコロナウイルス対策については分担し対応して、地域医療の確保に努めております。
この冬の季節性インフルエンザの流行も踏まえた発熱患者の診療を担う医療体制確保にも対応し、医療界全体で地域医療の確保に尽力しておりますことから、私はこれまでも何度も申し上げてまいりましたが、改めて申し上げますけれども、このままでは、地域の医療機関がなくなってしまうというおそれが非常にあるということを改めて申し上げたいと思います。
最後に、骨太の方針におきまして新型コロナウイルス感染症による影響も勘案して十分に検討し決定するとされており、これは2021年度薬価改定について検討する際には、新型コロナウイルス感染症の影響について十分に検討し決定するという趣旨であるというふうに理解しておりますことを申し述べたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
有澤委員のお手が挙がっています。よろしくお願いします。
○有澤委員
ありがとうございます。
私も松本委員同様の内容ではありますが、今回の調査結果というのはまだ公表されておりません。新型ウイルスの感染拡大の影響により、適切な調査結果が得られているのかどうか、その数字が正しく活用できるものなのかどうか、こういった分析も当然必要であると考えております。
その上で、薬価改定を実施するということについては、改めてコロナの感染拡大防止、あるいは特に薬局に関しては平成30年、平成31年、2020年と連続して薬価の改定が行われています。調剤報酬の全体の中で75%を薬剤料が占めている中で、特に零細の薬局においては、そういった資産価値の目減り等で経営状況がかなり悪化しているのも事実であります。こういったことを含めて考えて慎重に検討した結果、改定の幅、あるいは対象範囲、品目、これは検討して対応していただきたいと考えておりまして、当然、御提案のとおり、薬価専門部会で所要の、今言ったものも含めた検討を行い、関係団体、業界からの意見聴取というものも実施するということには賛同させていただきたいと思います。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見や御質問はございますでしょうか。
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
今の先生方の状況説明により、現状はよく理解しておりますが、次のステップとして5ページにあります事務局の提案のとおり、次回以降、薬価専門部会で所要の検討をしていくべきだと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
事務局案のとおり賛成したいと思います。その際には、先ほど皆さんがおっしゃっていましたように、薬価調査の結果、これは当然ながらしっかりと見据えて、2021年度の改定をどうするかというのは議論を交わすべきだと思っています。
もう一方で、毎年改定ということで、その改定の在り方はどういう範囲でどうするかという平常時の在り方についても併せて議論をしておく必要があると思いますので、この辺は薬価専門部会できちんと、このコロナはコロナとしてというのは置いておいて、議論すべきことは議論するという姿勢でやるべきだと思っております。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。
それでは、ほかに御質問等がないようでしたら、本件に係る質疑はこのあたりといたします。今後につきましては、本日いただいた御意見を踏まえ、薬価専門部会にて議論を進めていただくようお願いしたいと思います。
本日の議題は以上です。
なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。




 


 
 

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