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2020年4月8日 中央社会保険医療協議会 総会 第453回議事録

○日時

令和2年4月8日(水)10:00~11:16

○場所

ホテルグランドアーク半蔵門 富士の間(4階)

○出席者

小塩隆士会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 永瀬伸子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 眞田享委員 松浦満晴委員 
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 猪口雄二委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 半田一登専門委員
 
<事務局>
濵谷保険局長 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○会長の選挙について
○部会・小委員会に属する公益委員の指名等について
○新型コロナウイルス感染拡大に備えた中央社会保険医療協議会の特例的な開催について
○医薬品の新規薬価収載について
○DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について
○最適使用推進ガイドラインについて
○新型コロナウイルス感染症に伴う医療保険制度の対応について
○毎年薬価改定に向けた薬価調査について


 
○森光医療課長
皆さん、おはようございます。
田辺会長が4月7日付で退任されたため、新しい会長が選任されるまでの間、慣例によりまして、濱谷局長が司会進行をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森光医療課長
それでは、司会を交代させていただきます。
○濱谷局長
おはようございます。
新しい会長の選任までの議事進行につきましては、私が務めさせていただきます。
ただいまより、第453回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
まず、委員の選任について御報告いたします。
田辺国昭前会長におかれましては、4月7日付で任期が切れ、翌8日付で永瀬伸子委員が発令されております。
田辺前会長には、4年9か月にわたり中医協の会長をお務めいただき、診療報酬改定の取りまとめ等に御尽力をいただきました。
本日は田辺前会長にお越しいただいておりますので、御挨拶をお願いいたします。
(田辺前会長着席)
○田辺前会長
おはようございます。
私が司会を務めていたときとは、一転した姿になっております。座って挨拶させていただきます。
新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が発せられ、日本の医療機能の最大限の発揮が望まれるこの折に、中医協で退任の挨拶をしなければならないことを、なかなか心深いものを感じているところでございます。
公益委員として6年、また会長として約5年、3度にわたる診療報酬改定を行ってまいりました。この間、1号側、2号側の各委員の皆様から賜りました御協力に、深く御礼申し上げます。
また、この会議体を限りない御尽力をもって支えていただきました事務局の皆様にも、感謝申し上げます。
この6年間に私が感じました幾つかの感想を述べさせていただき、本日の退任の挨拶に代えたいと存じます。
第1は、妊婦加算の中止をめぐって感じた教訓でございます。
従来、診療報酬の改定におきましては、医療提供側の行動に与える影響を中心として考え、その制度改正を進めてきたように思われます。しかしながら、妊婦加算をめぐる対応におきましては、患者、それから国民の医療需要者側の行動に与える影響も考慮していかなければならないことが示されました。
今後、医療供給者側のみならず、医療需要者側も考慮に入れた、より広く、またより深い洞察が必要とされているように思われます。
第2は、高額医療品、医薬品をめぐる課題でございます。
私の在任中、次々と高額の記録を塗り替えてまいりました。医療におけるイノベーションの成果を保険の中に取り入れ、国民の皆様に適切に届けるという点で、これは誠に必要なことであったと思っているところでございます。
しかしながら同時に、これは医療財政に多大な影響を与えかねません。今後、再生医療、遺伝子治療などの革新が進むにつれまして、イノベーションと医療財政の膨張の危険との間の緊張はますます増大するものと予想されます。そして、これに対処する知恵というものが、ますます必要となってくると考えているところでございます。
第3に、医療保険体制を守るということは、この協議会に集う全ての方の共通の目的であると感じております。
しかしながら、守るということは同じところにとどまることではありません。少子高齢化、それから医療従事者の労働市場の逼迫など変わりゆく社会環境に適応するため、絶えず制度を変えていくことが医療保険を健全な形で守ることになると思っております。
そして、制度を変える折には、ある意味スピードスケートの選手がカーブを曲がるときと同じような心構えが必要ではないかと感じてきました。つまり、カーブを曲がる際にはスピードを落とさないと、体勢を崩してリンクの壁に叩きつけられてしまいます。同じように、制度改正の折には慎重に考えていかないと、医療機能の停止を引き起こしかねません。
他方で、スピードを落とし過ぎると、一定の時間内にゴールにたどり着くことができず、その目的を果たすことができません。
慎重さとスピード感、この2つのバランスを取ることが、医療保険を維持していくための制度改正に今後ますます必要とされているように思われます。
中央社会保険医療協議会が、慎重さとスピード感のバランスを取りながら、今後直面せざるを得ない幾つもの曲がり角を上手に走り抜けていくことを期待し、またそれを確信しつつお別れをしたいと思います。
長い間、ありがとうございました。(拍手)
(田辺前会長退席)
○濱谷局長
ありがとうございました。
また、宮近清文委員におかれましては昨日付で辞任され、後任として本日付で眞田享委員が発令されております。
なお、今回発令された永瀬委員、眞田委員それぞれから、自らが公務員であり、高い倫理観を保って行動する旨の宣誓を頂いております。
それでは、まず永瀬委員より一言、御挨拶をお願いいたします。
○永瀬委員
お茶の水女子大学の永瀬伸子と申します。
専門は、労働経済学と社会保障論でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
○濱谷局長
ありがとうございます。
次に、眞田委員より一言、御挨拶をお願いいたします。
○眞田委員
皆様、おはようございます。
ただいま、御紹介をいただきました、経団連社会保障委員会医療・介護改革部会の眞田でございます。
前任の宮近委員の後を受けまして、このたび中医協委員に就任をいたしました。
今後、協議会の活動に精いっぱい取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
○濱谷局長
続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。
本日は染谷委員、岩田専門委員が御欠席でございます。
次に、「会長の選挙について」を議題といたします。
社会医療協議会法第5条1項の規定により、中医協には「公益を代表する委員のうちから委員の選挙した会長一名を置く」こととされております。
会長につきましては、従来の慣例で申し上げますと、1号側及び2号側の御意見を伺った上で、御賛同があれば決めていくことになっております。今回も、このような方法を取りたいと考えますがいかがでしょうか。
(首肯する委員あり)
○濱谷局長
異議なしということで、ありがとうございます。そのようにさせていただきます。
まず、1号側の委員から御推薦を頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。
はい、幸野委員。
○幸野委員
1号側といたしましては、小塩委員を御推薦申し上げます。
○濱谷局長
続きまして、2号側の委員、いかがでしょうか。
○松本委員
松本でございます。
同じく、小塩委員を推薦いたします。
○濱谷局長
1号側、2号側とも、小塩委員を御推薦いただきましたけれども、小塩委員に会長をお願いするということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○濱谷局長
ありがとうございます。
それでは、小塩委員に中医協会長をお願いいたします。
小塩会長から、一言御挨拶をお願いいたします。
○小塩会長
皆さん、おはようございます。
この度、会長に選出していただきました、一橋大学の小塩と申します。簡単に御挨拶申し上げます。
先ほど、田辺前会長がおっしゃいましたように、昨日、政府から緊急事態宣言が発令されました。日本の医療制度は、戦後最大の緊急事態に直面しております。医療の第一線で日夜御尽力していただいている医療従事者の方々に、深く感謝申し上げると同時に、心から敬意を表します。
私たち中医協にとりましても、次々と発生する問題にタイムラグなしで対応する必要が求められております。とりわけ、国民の方々が緊急事態の下でも安心して医療サービスを受けられ、現場の医療従事者の方々が業務を円滑かつ効果的に進めていただけるように、医療保険をはじめとして、制度面での課題を解決し調整をしていくということが、当面課せられている最重要なミッションだと思います。
通常の年ですとこの時期は、前回の診療報酬改定のフォローアップや次期改定に向けての課題の洗い出し、そして様々なルーチン的業務がメインになると伺っております。
今回はそうした重要な業務に加えて、緊急事態への迅速かつ適切な対応が求められていると思います。
日本の医療システムは現在、短期的にも長期的にも頑健性が真正面から問われる、極めて厳しいストレステストを受けている状態にあると思います。
私たちも、メンバー一丸となって、危機克服のために貢献してまいりたいと思っております。
新米会長として、至らない点がこれから多々出てくるかと思いますけれども、御指導、御協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○濱谷局長
ありがとうございました。
それでは、今後の議事につきましては、会長にお願いを申し上げたいと思います。
なお、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
会長、よろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○小塩会長
それでは、「部会・小委員会に属する公益委員の指名等について」を議題といたします。
部会に属する委員は社会保険医療協議会令第1条第2項の規定により、また、小委員会につきましては、中央社会保険医療協議会議事規則第13条第2項の規定によりまして、中医協の承認を得て、会長が指名することとされております。
まず、1号側の宮近委員の後任として発令された眞田委員には、これまでの宮近委員の役割を引き継いでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
一方、公益委員につきましては、田辺会長の退任や私が会長に就任したこと、それから公益委員として永瀬委員が発令されたことに伴いまして、公益委員全体の部会への所属について変更する必要がございます。
つきましては、その所属についてこれから私と事務局で相談した上で案を作成し、皆様の御意見を伺いたいと思いますので、暫時休憩としたいと思います。
よろしくお願いいたします。
(休 憩)
○小塩会長
それでは、再開いたします。
公益委員の所属につきまして、私と事務局で案を作成いたしました。
事務局より御説明をお願いいたします。
○森光医療課長
説明させていただきます。
ただいま配付させていただきました、総-1を御確認いただきたいと思います。
1ページ目、2ページ目が全体の委員の名簿、それから総会の名簿となっておりますけれども、小塩会長のところに二重丸を記載させていただいております。
3ページ目以降が、小委員会、部会の名簿となっておりますが、変更がありました委員につきまして下線を引かせていただいております。
これまで、田辺前会長が所属されていたところに小塩会長が、小塩会長が所属されていたところに永瀬委員を入れ替えております。また、最後に宮近前委員が所属されていたところに眞田委員を記載させていただいております。
また、部会長等については、実際の小委員会が開催された際に互選で決めることとなっておりますので、本日は委員の先生方の所属のみ記載をさせていただいております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
それでは、御意見、御質問はないようですので、社会保険医療協議会令及び同規則に基づき、このことに関しまして中医協として承認し、会長である私が指名するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
それでは異議がないということですので、そのように決し、私が指名させていただきます。
なお、部会の部会長、小委員会の小委員長につきましては、それぞれの部会・小委員会において選挙をすることとされています。
新たな部会長や新たな小委員長が選挙をされるまでの間、部会や小委員会の招集等の手続は、会長である私が代わって行わせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、そのようにさせていただきます。
では、早速議題に入りましょう。
まず、「新型コロナウイルス感染拡大に備えた中央社会保険医療協議会の特例的な開催について」でございます。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴いまして、緊急に中医協として判断を求められることが今後増加してくることが想定されます。
このため、今後の会議の特例的な開催につきまして御提案したいと思いますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○森光医療課長
資料総-2に基づきまして御説明をさせていただきます。総-2を御覧いただきたいと思います。
「新型コロナウイルス感染拡大に備えた中央社会保険医療協議会の特例的な開催について」ということで、お諮りするものでございます。
根拠法令は2に記載をさせていただいていますとおり、社会保険医療協議会令第5条に記載のあるとおり、「議事の手続その他中央協議会又は地方協議会の運営に関し必要な事項は、それぞれ、会長が中央協議会又は地方協議会に諮って定める」となっております。
また、中央社会保険医療協議会議事規則を御覧いただきたいと思います。それは第18条でございまして、「部会及び小委員会の議事運営並びに薬価算定組織、保険医療材料等専門組織、診療報酬調査専門組織及び費用対効果評価専門組織に関し必要な事項は、会長が協議会に諮って定める」と記載がございます。これに基づきましてお諮りするものでございます。
「1.特例的な取扱いについて」を御覧いただきたいと思います。
新型コロナウイルス感染拡大に備えるため、今後当面の間、中央社会保険医療協議会の開催に当たりましては、特例的に持ち回りによる開催も可能としてはどうかというものでございます。
具体的には、そこに掲げております、総会、部会、小委員会、薬価算定組織、保険医療材料等専門組織、診療報酬調査専門組織、費用対効果評価専門組織について対象としてはどうか。
また、期間については、新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえ判断することとしてはどうかという案でございます。
御説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
ただいまの説明について、何か御質問等はございますでしょうか。
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
ちょっと質問なのですが、妥当な判断だとは思うのですが、この「特例的に持ち回りによる開催」というのは、具体的にどういうものかイメージできないのです。
○小塩会長
御説明お願いします。
○森光医療課長
案件にもよると思いますけれども、要するに至急を要する案件で、次の中医協の開催よりも前に判断を頂くことが必要という内容でございまして、さらに手続のやり方としましては、基本的には3月の前半にコロナウイルスの検査に関して各委員にお示しをして御協力いただきましたとおり、お諮りする案というのを各委員にお送りをし、それに関して御質問及び御承認いただけるかどうかの記載を頂いて、事務局に返していただくという形で進めたいと思います。
もちろん、事前に会長に内容、それから手続の内容についてはお諮りして了解を得たものをお送りするということで、この持ち回りでの開催をしたいと考えておるところでございます。
○小塩会長
幸野委員、お願いします。
○幸野委員
分かりました。
何を心配しているかといいますと、今日の最後の議題でも挙がっております、毎年薬価改定の薬価調査の在り方なのですが、これについては昨年の例によりますと、6月ぐらいから準備を始める必要があるということになると、5月ぐらいまでには方法を総会で承認する必要があるのですが、これを書面でやるにはいろいろ議論が出てこようかと思います。
案件によっては書面で済ますこともいいと思いますが、特にこの薬価専門部会につきましては、時折議論をして、緊急事態宣言が5月6日までになりますと、この間は当然継続されると思うのですが、その後1か月の間に結論を得ないといけないことになりますと、一定の開催をして議論をすることも必要ではないかと思いますので、それは状況によって御判断いただきたいと思います。
○小塩会長
ありがとうございました。
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
同意見です。これは最後の総-7で申し上げようと思ったのですが、当然案件によってというのはそのとおりでありますし、今回の議論のやり方もこうしてウェブ会議でやってきているわけですから、こういう手法であれば議論はできると思いますので、適宜そういう判断を頂きたいと思います。
最後の議題については、やはり議論をしっかりとやらないといけない案件ですし、後で中身については申し上げたいと思いますが、ウェブ会議の具体的な活用方法についても、だんだん手馴れてくるとも思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○小塩会長
ありがとうございます。
医療課長、何かありますか。
○森光医療課長
御指摘の点、持ち回り開催の案件につきましては、会長とも相談して慎重にお諮りをしたいと思っております。基本的に、ウェブ会議なりでしっかり議論をしていただくことを前提とした対応をすることで、それぞれの案件について諮っていきたいと思っております。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに、御意見、御質問ありますでしょうか。
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
確認なのですけれども、コロナウイルス関係の案件で、次の中医協の開催までに決めなければいけないことのみでよろしいのでしょうか。
○小塩会長
お願いします。
○森光医療課長
想定しておりますのは、基本的にはコロナウイルスの関係を想定しております。
ただ、もちろん基本的にはそれをということで考えておりますけれども、それ以外のものであっても、それは本当に緊急で必要だという話であれば、会長と御相談し、そしてまた委員の先生と相談して諮りたいと考えています。
基本的には、コロナウイルス関連だと考えています。
○小塩会長
よろしいでしょうか。
持ち回りというのは非常に異例な対応ですので、慎重に行いたいと思います。私もしっかりと事務局と連絡を取りながら進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
それでは、本件につきましては、会長として資料のとおり定めることとしたいと思います。
続きまして、次の議題に移ります。「医薬品の新規薬価収載について」、「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」を一括して議題といたします。
まず、医薬品の新規薬価収載についてでございますが、本日は薬価算定組織の坪井委員長にお越しいただいております。
坪井委員長より、御説明をお願いいたします。
○坪井委員長
皆さん、おはようございます。薬価算定組織の委員長の坪井です。
私からは、今回検討いたしました、新医薬品の算定結果等について御報告いたします。
まず、資料「中医協総-3-1」を御覧ください。今回、報告する新医薬品は、表紙の一覧表にありますとおり、9成分14品目です。
それでは、算定内容について御説明いたします。
1品目め、フィコンパ細粒です。資料の2~3ページを御覧ください。
本剤は抗てんかん薬であり、既存のフィコンパ錠に小児の用法等を追加する際に新しく開発された細粒剤です。同じ有効成分で効能等が同じフィコンパ錠2㎎を最類似薬とした、類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は小児で治験が実施され、用法・用量に小児に係る事項が明記されていることや、最類似薬は小児加算を受けていないことから、小児加算の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は1%1g、1,068.90円となりました。
2品目めのデエビゴ錠です。資料の4~5ページを御覧ください。
本剤は、不眠症を効能・効果とする内用薬であり、効能や薬理作用等が類似するベルソムラ錠15㎎を最類似薬とした、類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は2.5㎎1錠、57.30円。5㎎1錠、90.80円。10㎎1錠、136.20円となりました。
3品目めのユリス錠です。資料の6~7ページを御覧ください。
本剤は、痛風、高尿酸血症を効能・効果とする内用薬であり、効能や投与形態等が類似するフェブリク錠20㎎を最類似薬とした、類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、0.5㎎1錠、30.00円。1㎎1錠、54.80円。2㎎1錠、100.20円となりました。
4品目めのリンヴォック錠です。資料の8~9ページを御覧ください。
本剤は既存治療で効能不十分な関節リウマチを効能・効果とする内用薬であり、薬理作用類似薬が既に3品目以上あることから、類似薬効比較方式(Ⅱ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、7.5㎎1錠、2,550.90円。15㎎1錠、4,972.80円となりました。
5品目めのニュベクオ錠です。資料の10~11ページを御覧ください。
本剤は、遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がんを効能・効果とする内用薬であり、効能や薬理作用等が類似するアーリーダ錠60㎎を最類似薬とした、類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、300㎎1錠、2,311.00円となりました。
6品目めのノクサフィル錠です。資料の12~13ページを御覧ください。
本剤は、トリアゾール系の抗真菌薬ですが、既存のトリアゾール系抗菌薬の内用剤は薬価収載から10年以上経過していること等から、適切な類似薬はなく、原価計算方式により算定いたしました。なお、本剤の製品総原価の開示度は50%未満でした。
その結果、本剤の算定薬価は、100㎎1錠、3,109.10円となりました。
補足となりますが、本剤の原価計算に当たって、製品総原価の開示度が50%未満であること、及びピーク時の予測市場規模が100億円を超えることから、費用対効果評価の対象となっております。
7品目めのチラーヂンS静注液です。資料の14~15ページを御覧ください。
本剤は、粘液水腫性昏睡や甲状腺機能低下症を効能・効果とする注射薬であり、既存のレボチロキシン内用剤の薬価収載から10年以上経過していることや、注射薬に類似の効能を持つ既収載品がないことから、適切な類似薬がなく、原価計算方式により算定いたしました。なお、本剤の製品総薬価の開示度は50%以上80%未満でした。
海外のガイドラインでは、レボチロキシンの静脈内投与が粘液水腫性昏睡の標準的治療法とされていること等を踏まえて、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。
その結果、本剤の算定薬価は、200μg1mL1管、20,211円となりました。
8品目めのノクサフィル点滴静注です。資料の16~17ページを御覧ください。
本剤は、6品目めのノクサフィル錠と同じ有効成分の注射薬であり、本品目も適切な類似薬がないため、原価計算方式により算定いたしました。なお、本剤の製品総薬価の開示度は50%未満でした。
その結果、本剤の算定薬価は、300㎎16.7mL1瓶、28,508円となりました。
最後になりますが、9品目めのコレクチム軟膏です。資料の18~19ページを御覧ください。
本剤は、アトピー性皮膚炎を効能・効果とする外用薬であり、適切な類似薬がないため、原価計算方式により算定いたしました。なお、本剤の製品総原価の開示度は80%以上でした。
その結果、本剤の算定薬価は、0.5%1g、139.70円となりました。
以上で私からの説明は終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、引き続きまして事務局から補足と、「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」等の説明をお願いいたします。
○田宮薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
総-3-1について、補足説明をさせていただきます。
1ページ目を御覧いただければと思います。
今回、収載予定の新薬のうち、費用対効果評価の対象となる品目について御説明いたします。
6番目のノクサフィル錠につきましては、原価計算方式により算定され、製品総原価の開示度が50%未満であること、また、ピーク時の予測販売金額が100億円を超えていることから、H1品目として対象となることを御報告させていただきます。
それから、資料総-3-1参考を御覧ください。
薬価改定ごとに、新薬創出等加算の平均的な加算率をお示ししているところでございます。
今般、令和2年度改定における、新薬創出等加算の平均的な加算率が2.1%でございましたので、御報告させていただきます。
○岡田医療技術評価推進室長
引き続きまして、「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」お諮りをさせていただきます。資料総-4を御覧ください。
こちらは従来通りの対応となりますけれども、新規に薬価収載をされました医薬品等につきまして、指定するDPCコードにおいて当該薬剤を使用した場合は、次回診療報酬改定までの間、出来高算定とするというものにつきましてお諮りをするものでございます。この対応につきましての基本的な考え方は、総-4(参考)におつけしております。
総-4に戻っていただきまして、具体的な対応でございますけれども、1ページ目の欄以降から11ページ目まで細かいリストとなっておりますけれども、こちらが効能効果、用法用量が追加された医薬品や薬価収載される医薬品で、出来高算定をするものとしてはどうかというもののリストとなります。
最終12ページの3に記載しているものが、類似薬効比較方式により薬価が設定されたものでございまして、当該類似薬が設定されている診断群分類にこちらは反映するものでございます。
事務局からの説明は以上となります。
○小塩会長
ありがとうございます。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等はございますか。
特に御質問はないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認いたしたいと思います。
続きまして、「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。
事務局より、資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○吉田医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
医薬品審査管理課長の吉田でございます。
それでは、まずは私から中医協総-5-1に基づきまして、御説明いたします。
デュピルマブ(遺伝子組換え)の最適使用推進ガイドラインでございます。
販売名はデュピクセントでございますけれども、これにつきましてはこれまで、アトピー性皮膚炎、あるいは気管支喘息の効能効果で承認されておりまして、その際、既に2つの最適使用推進ガイドラインを作成しているところでございます。
そのような中、先般3月25日に鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に係る薬事承認事項一部変更承認がなされまして、同日付で最適使用推進ガイドラインを発出したところでございます。鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に対するこのようなバイオ医薬品は初めてでございます。
今般のガイドラインにつきましては、これまでの既存のガイドラインと、基本的な構成は同じでございます。
それでは、資料に沿って御説明しますが、まず進めていただきまして2ページでございます。
「はじめに」で、効能効果でございますけれども、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎、ただ既存治療で効果不十分な患者に限るという形になってございます。
用法用量でございますが、1回300㎎を2週間隔で皮下投与。症状が安定した後は、1回300㎎を4週間隔で皮下投与という形になってございます。
それから、さらにページを進めていただきまして、4ページからでございますが、「臨床成績」を記載させていただいています。
鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の患者448例を対象とした、プラセボ対照の無作為化二重盲検並行群間比較試験がなされてございます。
その際には、いわゆる鼻噴霧用のステロイドを併用した形ではございますけれども、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者を対象とした試験がプラセボ対照で行われてございまして、結果といたしまして、統計的に有意な差があるような成績が得られてございます。
その成績は、5~6ページのところに表1あるいは図1、図2といった形で、プラセボとの差が出されたような結果になっているところでございます。
6ページの下辺りから記載がございます安全性のプロファイルでございますが、既承認の効能効果で認められているものに加えて、新たな有害事象は認められていないという結果になってございます。
8ページからでございますが、「施設について」でございます。
施設要件につきましては、ここに記載のとおりでございますけれども、投与開始時と投与継続時で少し条件を変えてございます。これは、慢性副鼻腔炎もアレルギー疾患でございます。ただ、投与開始時には恐らく耳鼻科におきましてこのような診断が出され、投与が開始されると思いますが、その後のフォローにつきましてはアレルギー科でもフォローされることもあるということで、患者選択あるいは投与の効果判定の際には、継続時には耳鼻科以外のアレルギー科でもフォローする可能性がございますので、このような形で、開始時と継続時に2つの条件を設定した形で施設要件を定めているということになってございます。
10ページでございますが、「投与対象となる患者」でございます。
これについては、臨床試験に基づき構成が検証された患者という形になるわけでございますが、①としまして、「慢性副鼻腔炎の確定診断がなされている」というのが当然条件でございますが、加えて②、③でございますけれども、基本的に効能効果が既存治療で効果不十分な場合に限るという形になってございますので、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に対して過去2年以内に全身性ステロイド薬による治療歴がある等々の条件とか、あるいは③ですが、既存の治療によっても鼻茸スコアあるいは鼻閉重症度スコアなどが一定の基準値以上という患者に制限するといった形になってございます。
最後、11ページでございますけれども、「投与に際して留意すべき事項」としましては、添付文書などに記載された、主な注意事項を記載する形とさせていただいております。
総-5-1につきましては、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、引き続き事務局から補足の説明をお願いいたします。
○田宮薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
総-5-2を御覧いただきたいと思います。
ただいま、医薬品審査管理課長から資料総-5-1により説明がありました、デュピルマブ(遺伝子組換え)製剤、品目名デュピクセント皮下注につきましては、アトピー性皮膚炎等について、最適使用推進ガイドラインに基づき留意事項通知を発出しているところでございます。
今般、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に係る最適使用推進ガイドラインが新たに策定されたことを踏まえまして、承認事項一部変更承認が行われた3月25日付で、留意事項を改正する旨の通知を発出しておりますので、その御報告でございます。
留意事項の具体的な内容につきましては、資料の「3 留意事項の内容」の項目を御覧いただきたいと思いますが、今般のガイドラインの策定を踏まえ、「(2)診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項」として新たに追記をしております。
具体的には、「○1投与開始に当たって、診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項」についてですけれども、アとして「治療の責任者の要件に該当する旨」。
イとして、資料の1ページ目から2ページ目に記載している患者の要件全てに該当する旨、また手術による治療歴があれば手術実施年月日、手術が適応とならない場合はその理由。
ウとして、「各鼻腔の鼻茸スコア、鼻閉重症度スコア及び嗅覚障害、鼻汁等が継続している期間」の記載を求めることといたしました。
続いて「○2継続投与に当たって、診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項」についてでございますけれども、エとして「治療の責任者の要件のいずれに該当するか、また、『a)投与開始時』の要件を満たす施設と連携している場合は、適切に連携し本剤の効果判定を行った旨」。
オとして、「継続投与前における各鼻腔の鼻茸スコア及び鼻閉重症度スコア」。
カとして、「24週間を超えて本製剤を投与する場合は、継続して投与することが必要かつ適切と判断した理由」、これらの記載を求めることとしたところでございます。
説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等はございますでしょうか。
御質問はないようですので、本件に係る質疑はここで終了いたします。
続きまして、「新型コロナウイルス感染症に伴う医療保険制度の対応について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○森光医療課長
資料の説明をさせていただきます。
まず最初に、資料総-6参考2を御覧いただきたいと思います。
これが、昨日示されました「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」の概要となっております。
この内容につきましては、まず大きく3つに分かれておりまして、「感染症拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発」、(2)が「雇用の維持と事業の継続」、(3)が「強靭な経済構造の構築」となっております。
中医協で関係する部分につきましては、「(1)感染症拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発」となります。
その中で特に緊急に検討する必要が出てくるものにつきましては、まず最初の「病床の確保、医療機器導入の支援などの医療提供体制の整備」の中の上から5つ目でございますけれども、「感染拡大防止の観点からのオンライン診療等の推進」という項目。そして、その下に「あわせて、患者を受け入れる医療機関について、診療報酬において、感染防止に留意した対応等を特例的に評価」という記載がございます。ここの部分についての御議論になります。
今、挙げました2つでございますけれども、本日は「あわせて、患者を受け入れる医療機関について、診療報酬において、感染防止に留意した対応等を特例的に評価」といった内容につきまして、中医協にお諮りさせていただき、御議論いただきたいというものでございます。
資料総-6にお戻りいただきたいと思います。「新型コロナウイルス感染症に伴う医療保険制度の対応について」という資料になります。
まず、2ページ目、3ページ目が、これまでの「新型コロナウイルス感染症に伴う医療保険制度の主な対応状況」をまとめたものでございます。多くは前回、3月25日に出した資料そのままでございますけれども、その後追加されたものとして3ページ目の赤字部分でございます。これは3月27日付の保険局医療課発出の事務連絡より引用したものでございますけれども、そこにありますように「電話や情報通信機器を用いた診療を行う以前より、管理料等を算定していた患者に対しては、『情報通信機器を用いた場合』の管理料を算定できること」を明確化したものを出しているところでございます。
本日、御議論いただきたいものは4ページ以降になります。
「新型コロナウイルス感染症への対応について」ということで、4ページ目、これはコロナウイルス感染症対策推進本部が発出しました事務連絡の関係部分を抜粋したものとなります。
まず、新型コロナウイルス感染症の対応については、この対策本部において決定されました基本方針にのっとり対応を進めている状況でございます。
2つ目の○でございますが、基本方針を踏まえて、今後各地域における状況の進展に応じて段階的に講じていくべき各対策の詳細と、対策の移行に当たっての判断の考え方が示されております。
黒字になりますけれども、3つ目でございます。地域においては感染の拡大により既存の帰国者・接触者外来で受け入れる患者数が増大し、患者への医療提供に支障を来すと判断される場合については、次のアとイのような体制整備を図るとなっております。
アについては、需要に応じて帰国者・接触者外来を増やしていく。その体制を強化した上で、その枠組みのまま外来を早急に受診できる体制とするものでございます。
イについては、さらに原則として一般医療機関において、必要な感染予防策を講じた上で外来診療を行うといったような体制整備を図っていくというものでございます。これは、地域の状況に合わせてそういうことが進んでいくものになります。
次の○でございますが、今度は入院に関してでございます。
また、これも地域での感染拡大によりまして入院を要する患者が増えていく。そして、重症者や重症化するおそれが高い者に対する入院医療の提供に支障が来すと判断されるような場合について、ウとかエのような体制整備を図ることとしているということです。
1つは、感染症指定医療機関に限らず、一般の医療機関においても一般病床を含め、一定の感染予防策を講じた上で、必要な病床を確保するということでございます。
またエでございますが、そこに挙げますように高齢者とか基礎疾患を有するような方以外で症状がない方、または医学的に症状が軽い方については、自宅での安静・療養を原則とするというような体制を整備していくことが検討されているということです。一部、東京では既にこのような状況に入ってきているということでございます。
これらに対応した診療報酬上の特例的な対応としまして、5ページ目を御覧いただきたいと思います。これが、本日お諮りする案でございます。
まず、外来についてでございます。先ほど、患者の増大に伴いまして、外来で必要な感染予防策を講じた上で実施されるという外来診療を評価することで、院内トリアージ実施料、これも準用した形で300点を、このような必要な感染予防策を講じた上での外来診療については、トリアージ実施料が算定可能とするということでございます。
それから、入院におきましてでございます。先ほどの基本方針の中にありましたように、感染症医療機関から一般の医療機関で受け入れざるを得なくなってきておりますし、また、重症患者も一般病棟で受け入れざるを得なくなってきているということで、まずは入院を必要とする新型コロナウイルス感染症患者に関する診療を評価するということで、これは「A205」と書いてありますが、救急医療管理加算がございます。これを特例的に14日までコロナ患者さんを一般病棟で受け入れた場合においては算定できることとしてはどうか。
次に、必要な感染予防策を講じた上で実施される実施される診療を評価するということで、二類感染症患者入院診療加算というものがございます。これは現在は、感染症医療機関の感染症病棟でしか取れないという点数でございますが、コロナ患者さんを別の病棟で受け入れた場合についても、この加算を取れるようにすることをお諮りするものでございます。
下の※で書いてあるものでございますが、一つは個室または陰圧室で受け入れた場合については、二類感染症の患者さんであれば環境特別加算が取れるという規定がございます。これは、もちろんコロナの患者さんであっても算定できることを明確化するということ。
それからその下でございますけれども、感染症病棟及び一般病棟のみならず、さらに患者が増大した場合に、例えば地域包括ケア病棟とか療養病棟等で受け入れることも、地域によってはある可能性がある。そういう場合に、在宅患者支援病床初期加算または在宅患者支援療養病床初期加算について取れることを明確化することを併せて提案するという内容でございます。
説明につきましては、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
5ページ目の対応案についてですが、これについては特例的な対応ということで賛成したいと思います。
今回の資料では、地域包括ケア病棟や療養病棟における扱いも示されておりますが、患者事情に応じた入院医療を提供するという観点からすれば、重症肺炎の患者さんや中等症肺炎の患者さんは集中治療室、急性期一般入院料等が引き受けられる一方、地域包括ケア病棟や療養病棟では主に軽症の肺炎の患者さんを引き受けるといった対応も想定されると思います。
そうした患者さんのゾーンに応じた入院医療の提供と、それに対応した診療報酬上の評価についても、今後もまた整理していく必要があると考えます、
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
事務局からコメントがありますか。
○森光医療課長
今、現在の状況でこのようなことを提案させていただきました。
また、医療の提供状況が変わったり、患者状況が変わるといったことに応じた形で、速やかに御提案等はさせていただくことを考えたいと思っております。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかに、御意見、御質問はございまでしょうか。
猪口先生、手を挙げていらっしゃいますか。
○猪口委員
ありがとうございます。
今の5ページの中での質問なのですが、現在も数が増えていて、一般の外来とか、コロナウイルスの患者さんがかなり見えています。
その中で、ここに書いてある「必要な感染予防策」というのはどこまでを言うのでしょうか。例えば、PPEを着て拭い液を採取する、そのようなところまでやって初めてトリアージが取れるのか。
また、院内トリアージ実施料は施設認定を受けなければならないのですけれども、この施設認定を受けていないと取れないのかどうか。
まず、これを質問させていただきたいと思います。
○小塩会長
お願いします。
○森光医療課長
それにつきまして、4ページを見ていただきたいと思います。4ページの中ほどに、「原則として、一般医療機関において、必要な感染予防策」ということで※が書いてあるかと思います。そこにあるとおり、「新型コロナウイルスへの感染を疑う方は、受診する医療機関に事前に電話連絡を行うよう周知し、電話を受けた医療機関は」というような形で、必要な予防策のイメージが書かれております。
これは、患者さんのほうから見た話ですので、例えば医療機関側からしたときには、恐らくこういう状況の時には事前に連絡をしてくださいと。また、連絡を受けた場合は、そこにあります時間的・空間的な感染予防策をしていただいた上で受け入れてくださいということを求めているかと思います。
ただ、今、猪口先生がおっしゃっているのは、本来の帰国者・接触者外来だとか、大体決まったような医療機関以外のところに急に訪れられた場合を想定されているのだと思います。当然、その場合には受付等で気づかれた場合に、別のところで待ってもらったり、最低限の診察をして、別のところを案内するといったことが想定されるかと思います。
基本的には、新型コロナウイルス感染症の診療の手引というものに従って、院内感染防止に留意した形で対応していただくことが原則だとは思いますけれども、そのような場合にそのような対応をした場合に関しては、当然算定できるものだと考えております。
○小塩会長
よろしいでしょうか。
○猪口委員
ありがとうございます。
それから、もう一つ質問というか、お願いなのですけれども、2ページの研修等の取扱いですが、現在、集合研修はとても当分の間出来ないのではないかなと思っております。
ぜひ、特例的に研修をこのようなウェブの会議で行うようなことが計画できないでしょうか。
ぜひお願いしたいと思います。
○森光医療課長
研修についても、今、様々なお問い合わせが来ております。延期できないかというようなお問い合わせですとか、ウェブで代えられないかといったようなお問い合わせが来ておりますので、もともとやる研修の内容に応じて、延ばしたり、もしくはウェブだったりというところについて、お示しをどんどんしていきたいと思っております。
基本的には今、どうしてもできないという御意見がありまして、例えば院内研修を求めているようなものについては延期を認めておりますし、おっしゃられているのは広域的な研修会の話だと思いますので、それについては内容を見ながら対応をさせていただきたいと思います。基本的には、ウェブを中心とすることになるかとは思います。
○猪口委員
ぜひ、お願いいたします。
○小塩会長
最初に、吉川専門委員からお手が挙がっていたと思いますので、よろしいでしょうか。
吉川専門委員、お願いいたします。
○吉川専門委員
ありがとうございます。吉川です。
新型コロナウイルス感染症に伴う医療保険制度の対応について、2点ほど意見を述べさせていただきます。
日本集中治療医学会からの声明にありますように、ICUの看護職員配置に関して、通常2対1ですが、新型コロナウイルス感染症重症者1人に対しては2名の看護師で現在ケアをしている状況にありまして、通常の4倍に当たる看護師のマンパワーが必要であるなど、より一層集中的な医療資源の投入というものが今、求められております。
そういったことから、今後、新型コロナウイルス感染症患者が急増することによって、ICUのみならず、ICU以外の例えばHCUですとか、先ほど出ていました一般病床においても、人工呼吸器等を必要とする重症者を受け入れざるを得ない状況になることも予測されております。
ですので、コロナウイルス感染症の重症患者を受け入れる体制を維持・整備するためにも、ICUはもとより、ICU以外で重症患者を受け入れた場合の新たな加算等を検討などもいただきたいと考えております。
2点目は、スライド5の臨時的対応としまして、第二種感染症指定医療機関の指定の有無に関わらず、二類感染症患者入院診療加算を算定できることに関しましては、ぜひその方向で進めていただきたいと思いますけれども、現在、物資等の不足もあります。感染予防を徹底しても、感染のリスクが高い状況にさらされている医療現場で勤務する看護師等の医療従事者のストレスや疲弊の蓄積を勘案して、医療機関から医療従事者への危険手当のような形でそれを還元できるように、報酬でそれを手当するのは非常に難しいかと思いますけれども、ぜひ点数の引上げなども併せて検討をお願いしたいと思っております。
以上です。
○小塩会長
どうでしょう、医療課長。お願いします。
○森光医療課長
まず1点目の話でございますけれども、集中治療医学会等から声明を出されたという話についても承知をしております。
基本的には、状況に応じて、おっしゃるとおり重症者が集中治療室だけでは対応ができなくなった場合ですとか、そのほかのいろいろな対応が考えられるかと思います。基本的には、その状況に応じた形でまたしっかり検討した上で、御提案をさせていただきたいと思っています。
2点目につきましても、基本的にはその状況に合わせた形での検討かと思っております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
医師会、松本委員から御意見、御質問があるようです。
よろしくお願いします。
○松本委員
ありがとうございます。
ほかの委員の方もおっしゃいましたけれども、今回の資料に示された診療報酬上の取扱い以外にも、今後の状況に応じて引き続き診療報酬上の柔軟な対応を検討する必要がある課題がたくさんあるということだと思います。
例えば、感染が拡大し入院患者が増えた場合、病床確保のために、新型コロナウイルス感染症の患者以外の患者さん以外を転院とか転棟させることなども想定されるわけです。そうした患者さんを一時的に一般病棟以外の病棟で受け入れて、必要な入院医療を提供した場合等についても適切な評価がなされるべきであります。これはコロナウイルス感染患者だけの問題ではなくなっておりますことを認識しなければなりません。
また、基礎疾患等がある患者さん、精神疾患患者さん、妊産婦さん等が新型コロナに感染した場合、両方の疾患を診る必要性から、医療機関から医師を含め人材を集約し対応に当たることも考えられると思います。そうした場合においても、提供された医療内容に応じて柔軟な診療報酬の算定が認められるべきでありますので、これも十分に検討をお願いしたいと思います。
医療課長、いかがでしょう。
○小塩会長
お願いします。
○森光医療課長
検討させていただきたいと思っております。
○小塩会長
ほかに、御意見はないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
それでは、御説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
それでは次に、「毎年薬価改定に向けた薬価調査について」を議題といたします。
事務局より、資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○田宮薬剤管理官
資料の中医協総-7を御覧ください。「毎年薬価改定に向けた薬価調査について」ということで、資料を用意しております。
平成28年12月に取りまとめられました「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」におきまして、市場実勢価格を適時に薬価に反映して国民負担を抑制する観点から、中間年においても全品目を対象に薬価調査を行い、その結果に基づいて価格乖離の大きい品目について薬価改定を行う旨が定められているところでございます。
また、その後の平成30年度薬価制度抜本改革におきまして、市場実勢価格の推移、薬価差の状況、医薬品卸・医療機関・薬局等の経営への影響等を把握した上で、2020年中にこれらを総合的に勘案して、具体的な対象品目の範囲を設定することとされているところでございます。
また、その際の薬価調査の方法についてでございますけれども、5ページ目を御覧いただければと思います。
こちらは、平成30年度薬価制度抜本改革の骨子の記載の一部でございますけれども、赤枠で囲っておりますが、その中で「全ての医薬品卸から、大手事業者を含め調査対象を抽出し、全品目の薬価調査を実施することとし、その結果に基づき、薬価を改定する」とされているところでございます。
2ページ目にお戻りいただきまして、「論点」ということでございますけれども、例年の薬価調査におきましては、販売サイドにつきましては、全ての営業所等を調査客体としているところでございますが、今、御説明したとおり、2年に一度の薬価改定の間の年度においては、全ての医薬品卸から大手事業者を含め調査対象を抽出し、全品目の薬価調査を実施することとされているところでございます。
薬価調査につきましては、その実施の計画、準備等に一定の時間を要するということですので、まずは薬価調査の実施方法について薬価専門部会で議論することとしてはどうか、ということをお諮りするものでございます。
説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等はございますでしょうか。
それでは、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
この2ページの御提案については、特に異論はありません。
通例どおりであれば、薬価調査は昨年の例にあるように9月から実施しなければならず、今回は中間年であり、6月までには実施方法、対象範囲などは議論しなければいけないということなので、特に異論はございません。
また、昨年度の消費税改定の影響も当然ながらきちんと調査をして勘案しなければいけないのも、皆さんが御案内のとおりだと思っております。今日のこの御提示いただいた論点については異論がないということではありますが、毎年薬価調査の在り方について、5ページに示されているような形でやるのかどうか。昨晩、緊急事態宣言が発令されておりますし、2020年度の毎年改定の決定に向けて議論は当然この方向でやるべきだとは考えておりますが、そういう方向で議論するという前提でよろしいかどうか、事務局にお答え願いたいと思います。
○小塩会長
今の御質問について、いかがでしょうか。
○田宮薬剤管理官
御質問ありがとうございます。
現時点におきましては、平成30年度薬価制度抜本改革で定められた内容、こちらの内容がいわゆる骨太の方針等におきましても閣議決定されている状況でございますので、事務局としては、毎年薬価調査、薬価改定に向けて準備は進めていくということかと思っているところでございます。
○吉森委員
ありがとうございます。
そういうことであれば、今日もウェブ会議を行っているわけですが、薬価専門部会で議論をするのに持ち回りで開催することはくれぐれもないようにお願いしたいと思います。
この方法で議論をしていく流れの中では、5ページの方針にのっとってやるのは先ほど申し上げたとおりですが、やはり今の状況を考えれば、製薬メーカー、卸業者、医療機関、薬局等の薬価改定の影響を受ける方々の影響度合いに応じては、現行の方針でやるのか、どのようなスケジュールで実施するのか。今、事前に協議をしておくとおっしゃっていただきましたけれども、その点も配慮しながら、コロナウイルス感染症の拡大影響等を踏まえつつ、やっていくべきだと思います。
また、9月からの調査の実効性の問題において、現在の医薬品卸、大手事業者などが対応可能なのかどうか、別途議論をして、2021年度の中間改定の実施の有無についてもきちんと議論をしておく必要があると思いますので、よろしくお願いしたい。
○小塩会長
よろしいでしょうか。
○田宮薬剤管理官
はい。
○小塩会長
それでは、医師会からお手が挙がっています。
松本委員、お願いします。
○松本委員
松本でございます。
本日はこの薬価調査を実施する場合に、その計画、準備等に一定時間を要することから、今後、薬価専門部会で議論を行っていくという提案でありますので、これには同意させていただきます。
ただし、毎年薬価改定につきましては、国として閣議決定してきたものではありますけれども、これは今から3年以上前のことであり、今般の新型コロナウイルス感染症が拡大している状況とは前提が全く異なるわけであります。したがって、現状を鑑みて国として改めて、その実施について御検討いただくことを要望したいと思います。
また、1ページ目の一番下ですが、骨子には2018年度から2020年度までの3年間継続して全品目の薬価改定が行われることから、この間の市場実勢価格の推移、薬価差の状況、医薬品卸・医療機関・薬局等の経営への影響等を把握した上で、2020年中にこれらを総合的に勘案して具体的な配慮を設定するとされております。3年間継続して薬価改定を実施したことによる経営上の影響は、過去にないものであると思います。
加えまして、今般の新型コロナウイルス感染症患者の対応によるコスト増や、逆に感染拡大防止のために長期処方によって受診間隔を空けるような努力をしたことによる収入減等もあり、いつにも増して医療機関の経営への影響は甚大な状況になっております。
このような中で、本当に期中の薬価改定を行うかという点につきましては、薬価専門部会でも十分に御議論いただきたいと要望いたします。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
今の要望について、よろしいですか。
○田宮薬剤管理官
はい。
○小塩会長
今、お二人から御意見がございました。
ほかに、有澤委員からお手が挙がっております。御発言お願いします。
○有澤委員
ありがとうございます。
先ほど松本委員からも御指摘があったように、昨年の10月に薬価を改定し、また改めて4月に改定をしている。短期間でこのような薬価の改定が繰り返し行われて、かつ現在のコロナの影響もあることから、そもそもこれを設定されたものが平時において、こういったスキームで行くのだろうというものでありまして、今の状況を鑑みますと、十分慎重な検討、議論を通して実施も含めて考えていかなければならないと思っておりますので、この辺のところは基本的に薬価専門部会の中で議論をするということは賛同しますけれども、しっかりその中で議論を尽くしていくべきだと考えます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。よろしいですか。
何人かの先生方から、貴重な御意見を頂きました。
慎重にこの問題については事務局でも、様々な部会でも検討していただきたいと思います。
ほかに、御意見はありますでしょうか。
それでは、御質問等はございませんようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○小塩会長
それでは、今御説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
本日の議題は以上です。
なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会は、これにて閉会といたします。
どうもありがとうございました。お疲れさまでした。



 
 


 
 

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