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2020年3月25日 中央社会保険医療協議会 総会 第452回議事録

○日時

令和2年3月25日(水)9:57~11:04

○場所

全国都市会館 大ホール(2階)

○出席者

田辺国昭会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 小塩隆士委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員 
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 猪口雄二委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 半田一登専門委員
 
<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 八神審議官 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○部会・小委員会に属する公益委員の指名等について
○新型コロナウイルス感染症に伴う医療保険制度の主な対応状況について
○「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10回改訂(ICD-10)」におけるDPC/PDPSの対応について
○再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて
○最適使用推進ガイドラインについて
○公知申請とされた適応外薬の保険適用について
○先進医療会議からの報告について
○患者申出療養評価会議からの報告について
○平成30 年度DPC 導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告について
○歯科用金銀パラジウム合金の高騰への対応について(案)
○被災地における特例措置について


 
○田辺会長
 それでは、定刻前ではございますけれども、皆様おそろいのようでございますので、ただいまより第452回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、染谷委員、岩田専門委員が御欠席でございます。
 次に、委員の交代について御報告いたします。
 松原由美委員におかれましては、3月1日付で任期が切れ、後任として3月2日付で小塩隆士委員が発令されております。
 なお、委員からは「自らが公務員であり、高い倫理観を保って行動する」旨の宣誓をいただいております。
 それでは、新しく委員となられました小塩委員より、一言御挨拶をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○小塩委員
 皆さん、おはようございます。
 一橋大学経済研究所の小塩と申します。今日から新しいメンバーとしてこの会議に参加させていただきます。
 専門は公共経済学という分野です。ただ、最近は公衆衛生とか社会疫学、あるいは産業保健といった、どちらかというと私たち社会科学の人間でもいろいろ議論ができるような分野に興味があって、ささやかですけれども、研究を進めているところです。
 これからいろいろお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。
○田辺会長
 どうもありがとうございました。
 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をよろしくお願いいたします。
(カメラ頭撮り終了)
○田辺会長
 それでは、早速でございますけれども、議事のほうに入らせていただきます。
 初めに、委員の交代に伴いまして、部会及び小委員会に属する委員につきましても異動が生じます。部会、小委員会に属する委員につきましては、社会保険医療協議会令第1条第2項等の規定により、中医協の承認を経て会長が指名することとされております。委員のお手元に総-1として新しい中医協の委員名簿とともに、異動のある部会及び小委員会の名簿の案をお配りしております。
 小塩委員には、前任の松原委員の所属しておりました診療報酬基本問題小委員会、調査実施小委員会、診療報酬改定結果検証部会、保険医療材料専門部会に所属していただきたいと思います。そのように指名することとしてよろしゅうございますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○田辺会長
 ありがとうございました。
 それでは、そのようにさせていただきます。
 次に、報告事項でございますけれども「新型コロナウイルス感染症に伴う医療保険制度の主な対応状況について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
 医療課長です。よろしくお願いいたします。
 資料総-2-1に従いまして、御説明をさせていただきます。
 新型コロナウイルス感染症に伴いまして、診療報酬の関係で様々な対応をさせていただいております。それにつきまして、まとめたものが資料総-2-1になります。
 まず、その資料にありますように「医療機関等への配慮に関すること」ということでまとめたものでございます。診療報酬の算定の関係で患者の急激な増加もしくはその減少といったものに鑑みまして、算定について柔軟な取扱いをするという形で事務連絡を出させていただいております。
 そこにあります(1)から(5)の部分でございますが、これは大規模災害時等にも出させていただいている内容でございます。基本的には、急な患者さんの増加に伴って、看護基準等が守られなくなったような場合ですとか、逆に応援に出す、例えば今回のコロナでありますと、クルーズ船の検疫体制等に対して、看護師さん等を応援いただいた部分がございます。そういった場合に関して、また、お子さんの休校といった形で急に看護師さんが出勤できなくなったといった場合に一時的な変動がある。そういったものに関して、届出の変更は不要という形で出させていただいたものが、要するに災害と同様の扱いということで(1)から(5)という形で出させていただいているものでございます。
 今回、少し違う部分ということで、次のページの(6)研修の取扱いということで、定期的な研修や医療機関の間の評価を要件としているようなものがあります。例えば、院内感染の研修は年に1回、他の病院と共同して行うといった要件がはまっているものがございます。今までもともと予定していたものが、2月3月にどうしてもできないといった御相談がありまして、それにつきましては、実施を延期することができるといったものを事務連絡等で出させていただいております。
 それから、(7)電話や情報通信機器を用いた診療の取扱いというところでございまして、コロナウイルスに関しましては、特に持病をお持ちの方が感染しますと非常に重篤化するという情報がございまして、慢性疾患を有する定期受診の方につきましては、主治医の判断にもよりますけれども、できるだけ病院に来ずに主治医が電話や情報通信機器を用いて状況を確認して処方ができるといったことを今回、事務連絡という形で出させていただいていております。
 「また」以下の部分でございますけれども、在宅の場合、在宅自己療養をされている方、特に、例えば糖尿病で自己注射もしくは血糖測定といったものをされている方について、特に材料について不足するようなものがありますので、そういうものにつきましてもちゃんと病院側が確認して支給するといった場合には、在宅療養指導管理料等を算定できるといった形を示させていただいております。
 また、処方箋の受付ということで、先ほど説明しました慢性疾患の方の処方箋等につきまして、ファクシミリ等で受け付けた保険薬局で処方箋情報に基づく調剤を行った場合、調剤技術料等を算定できるといった解釈を示させていただいております。
 また、(8)は新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるためにということで、例えば、もともと開設を4月に予定していた医療機関は、これを前倒しして3月もしくは3月上旬から開設していただくといった病院がございました。そういう病院につきましては、本来であれば、1か月前に入院基本料の届出ですとかそういうものをしていただいて、手続をしていくということでございましたけれども、急遽そういう形で開いていただいたこともありまして、手続の期間を短縮して対応させていただいたというのが(8)でございます。
 (9)のDPC/PDPSの取扱いというものでございますが、これはWHOのほうから新型コロナウイルス感染症に関しては、新しいICD分類のコードが示されました。そうしますと、これまでにDPC/PDPSの中にはその取扱いが決まっておりませんでした。今回、至急ということでございましたので、この診断群分類を取ったもの、症例については、包括評価から対象外という形で取扱いを示させていただいておるということでございます。これは3月31日までの取扱いということで示させていただいております。
 「その他」ということでございますが、これは先生方に3月上旬に説明させていただき御了解いただいた内容でございますが、改めて簡単に説明をさせていただきます。
 次の総-2-2を御覧いただきたいと思います。
 これは新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査の保険適用に関してでございまして、先生方の御了解をいただきまして、3月6日から保険適用をさせていただいております。そこにありますように、保険適用の概要といたしまして「SARSコロナウイルス核酸検出法450点」の4回分を算定するという形で1,800点という形で保険適用を決めさせていただいております。
 ただ、これは特にこの点数については、カテゴリーB感染物質輸送ということで三重に梱包して輸送することが特に危険な検体ということで求められているものでございます。この梱包ですとか搬送に非常に費用がかかるということでございましたので、それを行わない場合については、1,350点を算定するという点数とさせていただいております。
 また、このPCR検査の検査法については、そこにありますように国立感染症研究所が作成しました病原体検出マニュアルまたはそれに準じた方法のもの、または、2番目にありまようにSARSコロナウイルスの検出を目的として、薬事承認または認証を得ているものが分類されるということでございます。
 患者の負担に関しては、医療機関の窓口で免除するように行政検査として取り扱うという形を取りまして、県や国から補助が出るという形を取らせていただいております。実施体制の整備といたしまして、当面の間について、基本的には、帰国者・接触者外来、またはそれと同様の機能を有する医療機関として都道府県が認めた医療機関で実施されているということで保険適用を認めたものでございます。
 その次のページを見ていただきますと、国立感染症研究所が作成した病原体検出マニュアルに準じたものも認めるという形で示させていただいておりましたが、3月6日の保険適用から今日までの間に国立感染症研究所のほうでその準じるものとして取扱い、制度等について確認がされたものということで示されたものと、日本臨床微生物学会のほうで制度が確認されたものということで示されておりまして、そこに挙げておりますキットですとか検出試薬等について準じるものとして認められたということでそこにお示しをさせていただいております。
 検査につきましては以上でございますが、このような形で次々準じるものという形で入ってくることについて御了解いただきたいということと、これはPCRの検査ということでウイルスの遺伝子を計測するというものでございます。ただ、そのほかにもいろいろな企業ですとか開発が進んでおるところがございます。その承認等につきましては、今後、会長とも相談をしながら、迅速にしなければならないときには、また御相談をさせていただきたいと思います。基本的には、中医協の中で御議論いただきたいものだと思っております。
 それから、総-3を続けて御説明させていただきたいと思います。
 先ほど、DPC/PDPSにおいての新型コロナウイルスに関する取扱いについてでございますけれども、これにつきましては、先ほど3月31日まで出来高での評価ということで、臨時的な取扱いを示させていただきましたが、今後2年間、令和4年度診療報酬改定までの間についてでお諮りするものでございまして、基本的にこれについては新しく今までのDPCデータはございませんので、出来高算定とするという形で取扱いをさせていただきたいという御提案になっております。
 以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたらよろしくお願いいたします。
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 総-2-1のところに関連してでございますけれども、医療機関等への配慮ということで診療報酬の算定について柔軟な取扱いを行うこととし、かなりの項目が挙がっておりまして、良いことだと思いますが、1点、今後、新型コロナウイルス感染症がさらに拡大をした場合に、やはりその病棟本来の対象ではない患者さんを受け入れて入院させざるを得ないという状況がかなり出てくるのではないかということを懸念しております。
 そういった場合に、その場合の報酬の算定についても今後柔軟に対応していただきたいと思いますけれども、医療課長、これについてはいかがでしょうか。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 新型コロナウイルス感染症のこの関係につきましては、私どももこれまで想定していないような事態が起きているということがございまして、個別にいろいろな御相談を受けておるところでございます。それぞれの個別の状況を伺いながら対応していきたいと思っております。
○田辺会長
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 それでは、医療機関からいろいろな個別の状況のことが提案されたときには、それについては検討・対応していくということでよろしいでしょうか。
○森光医療課長
 そのようにさせていただきたいと思っております。
○田辺会長
 では、猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
 もう先週ぐらいから急激に爆発的に増えるとか、オーバーシュートというか、そういう対策をということでいろいろ議論されているところなので、本当に動き出したら一々これはやっていいかこれはやっては駄目かとかを聞いている余裕がなくなる可能性がかなりあるので、そういう場合には、ある程度やれることはやって、後でこういうことが起きてもということで、そこはうるさいことは言わないで現場に即して動けるようにということをある程度言っていただかないと、動けなくなることが多くなるのではないかと思うのです。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 正直申し上げて、現場の先生方の御苦労と対応されている職員の方々も非常に苦労されていると思っております。今回、2月から3月にかけて、例えば、クルーズ船等に関しても、正直に申し上げて、病院の判断でできるだけ助けに行っていただいたりとか、本当に急遽の患者の受入れの依頼をしてそれに応えていただいたということに非常に感謝しております。
 また、それに伴って、我々としてこういうふうになってしまったという御相談をいただいたときに、それはこういう形で対応させていただきますという形で、後追いになってしまう部分は申し訳ありませんけれども、やはり現場での対応を第一に優先していただきたいと思っておるところでございます。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょう。
 今村委員、お願いいたします。
○今村委員
 ありがとうございます。
 2-2のPCR検査の保険適用についてちょっと教えていただきたいところがございます。「実施体制の整備」というところで、「又は」以下の赤字のところですけれども「帰国者・接触者外来と同様の機能を有する」という表現があります。基本的なことで恐縮なのですけれども、この「同様の機能」と言っているのは具体的にどういうことを言っているのでしょうか。
○田辺会長
 では、事務局、お願いいたします。
○前田医政局経済課医療機器政策室長
 医政局経済課の医療機器政策室長でございます。
 所掌からいうと若干離れるのですけれども、局として、あと、コロナ本部の一員ですのでお答えをさせていただきたいと思います。
 基本的には、帰国者・接触者外来を都道府県のほうに届出いただくことが原則になっておりますし、現にこういった対応を取り始めてから外来が全国800か所から1,000か所を超える形になってございます。
 加えて、そういった同様のことができるということで、これは自己負担の部分がございますので、そこについて都道府県と調整をいただきながら実施をすることになりますので、そういった手続を取っていただいたところが、まさに準じた病院という形で今は運用されていると承知してございます。
○今村委員
 私が伺っているのは、ここの中に「同様の機能」と記載されている、この「同様の機能」というのは具体的に何か教えていただけますかということです。
 どうしてこういうことを申し上げているかというと、帰国者・接触者外来が今、800以上という御説明がございましたけれども、その帰国者・接触者外来というのは一般の地域の医療機関には公開されていないことが多くて、直接お願いすることはなかなか難しいという実態があるということ。
 それから、帰国者・接触者外来のキャパシティー自体が、もともと感染症の指定病院がこういった外来を担っているところが多くて、入院患者の対応で本当に手いっぱいになっていて、なかなか帰国者・接触者外来で十分なPCR検査ができない体制になっているのではないかという危惧を持っているということです。
 したがって、地域の中でそれぞれ体制を整備して、例えばPCR検査だけをできるような医療機関を設けることをしようと思っても、都道府県知事の認可ということで、どういう手続でそれをすればいいのかというのはなかなかボトルネックの部分が幾つもあって、十分な検査ができないということを現場が感じているということなので、この同様の機能というのは一体どういうことを整備すればいいのか教えていただきたいということを申し上げているということです。
○田辺会長
 では、よろしくお願いいたします。
○前田医政局経済課医療機器政策室長
 医政局でございます。
 これは基本的に帰国者・接触者外来自身も感染防御を十分取られているということと、十分な診断能力ということで、特に設備要件等を設けているというよりも、むしろそういったお医者様がおられて体制があるところについて都道府県に届けていただくと、その届けていただくというところがどうしても実際の臨床のニーズとずれがあるということで、準じた病院を設けさせていただいているということでございます。
 今般の医療提供体制については、もちろん中医協の場でお助けをいただくところもあると思いますけれども、全体でちょうど昨日も医療関係団体と大臣も挨拶させていただきましたが、橋本副大臣中心にどういう姿勢を取っていくかという形で議論をさせていただいて、今日、2号側で御参加の先生方あるいは所属の団体も代表の方に来ていただいて、議論させていただいたところですので、そういった医療現場からの声を確実に反映できるようにまた取り組ませていただきたいと思っています。
○今村委員
 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いします。
 都道府県が認可ということなので、その辺のプロセスがなかなか現場では分かりにくくて、例えば今、東京が爆発的に増えようという中でそれぞれの地域が独自にいろいろ取組をしようとしたときに、非常に大きな自治体なので、簡単にそういった取組を認めていただけるかどうかという危惧を現場が持っておりますので、ぜひともよろしくお願い申し上げたいと思います。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
 では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件に関わる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 次に「『疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10回改訂(ICD-10)』におけるDPC/PDPSの対応について」ということでございますけれども、先ほど御説明が課長のほうからございました。この点につきましても、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。
 出来高にするということでございますけれども、よろしゅうございますでしょうか。
 では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○田辺会長
 ありがとうございました。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
 次に「再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。では、薬剤管理官、よろしくお願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 中医協総-4をお開きください。再生医療等製品の医療保険上の取扱いについてお諮りするものでございます。
 再生医療等製品の保険適用に係る取扱いにつきましては、下の枠囲みの記載のとおり平成26年11月5日の中医協総会において了承されているところでございます。
 具体的には、再生医療等製品の保険適用に関する当面の間の対応として、保険適用の希望のあった個別の製品の特性を踏まえ、医薬品の例により対応するか、医療機器の例により対応するかを薬事承認の結果を踏まえて判断した上で、薬価算定組織または保険医療材料専門組織で償還価格について検討し、その結果を踏まえ、中医協総会で薬価基準または材料価格基準に収載するかを審議するとされているところでございます。
 下の2つ目の○でございますが、令和2年3月19日に2品目の再生医療等製品が薬事承認されておりまして、製造販売業者から保険収載を希望する旨の申出がされているところでございます。
 具体的には、1品目めは販売名がゾルゲンスマ点滴静注というものでございまして、脊髄性筋萎縮症に対して用いられる製品でございます。2品目めは販売名がネピックで、適応症としては角膜上皮幹細胞疲弊症に対して使用される製品でございます。
 今般、平成26年の中医協了承に基づきまして、これらの再生医療等製品の取扱いについて御審議をお願いするものでございます。
 品目の概要につきましては、まず2ページ目の1品目めですけれども、ゾルゲンスマ点滴静注については、収載希望者がノバルティスファーマ株式会社でございまして、効能・効果、用法・用量等につきましては、下に記載のとおりでございます。用法・用量に2歳未満と記載がございますとおり、こちらの製品につきましては、2歳未満の患者に使用されるものということでございます。
 3ページ目は、製品概要を少し詳しく記載してございます。「使用目的」の欄を御覧いただければと思いますけれども、本品は、脊髄性筋萎縮症(SMA)の原因遺伝子であるヒトSMN遺伝子を搭載した非増殖性組換えアデノ随伴ウイルスを成分とする再生医療等製品でございます。
 下の「主な使用方法」の欄にイメージ図が記載されておりますけれども、本品が患者の運動ニューロンや筋細胞に感染し、本品に搭載された遺伝子発現構成体が細胞の核内にエピソームとしてとどまり、ヒトSMN遺伝子が長期間安定して発現するものということでございます。このことによって、SMAの原因であるSMNI遺伝子の機能欠損を補うことで、SMA患者の生命予後の改善が期待されるという製品でございます。
 「主な有用性」の欄を御覧いただければと思いますけれども、Ⅰ型SMA患者15例を対象に実施された海外の非盲検非対照第Ⅰ相試験におきましては、主要な有効性評価項目である「出生から永続的な呼吸補助が必要となる又は死亡までの期間」につきまして、全被験者が13.6か月齢に達した時点及び本品投与後24か月のフォローアップを完了した時点のいずれでも、永続的な呼吸補助を必要とせず生存していたという成績が得られております。
 また、2つ目の○でございますけれども、SMA患者を対象に実施された国際共同第Ⅲ相試験におきましても、臨床的な症状を発症する前の患者に対する有効性を支持する結果が得られておりまして、日本人患者3名においても本品の有効性が期待され、日本人特有の安全性上の懸念も認められなかったという成績が出ております。
 2ページ目にお戻りいただきまして、本製品の「医療保険上の取扱い(案)」ということでございますけれども、本品目につきましては、審査報告書において「本品に搭載された遺伝子発現構成体が細胞の核内にエピソームとして留まり、ヒトSMN遺伝子は長期間安定して発現する」とされ、発現するSMNたんぱく質が作用を発揮すること、及び本品は静脈内に注射して投与する点も医薬品のような投与方法であるといったことを踏まえまして、医薬品の例により対応することとしてはどうかという御提案でございます。
○田辺会長
 続きまして、医療技術評価推進室長、よろしくお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
 医療技術評価推進室長でございます。
 続きまして、4ページ目から販売名ネピックについて御説明をさせていただきます。
 効能・効果・性能の欄でございますけれども、先ほど御説明申し上げましたとおり、角膜上皮幹細胞疲弊症という疾患に対しての効能・効果が認められるものでございます。
 用法・用量の欄を御覧いただければと思いますけれども、こちらの製品につきましては、患者様の採取眼、移植予定の目の反対側から角膜輪部の組織を2掛ける3ミリメートル程度採取し、業者のほうに輸送する。できました製品を、目の表面に存在する結膜瘢痕組織というものを除去した上で、目の表面にシートの形になっているものを移植するというものでございます。
 5ページ目は、ただいま御説明申し上げたものを図で示したものが主な使用方法の欄でございます。角膜の上にこの製品を貼ることによって、角膜上皮の再建を目指すというものでございます。
 有用性の欄につきましては、多施設共同非遮蔽非対照試験というものが行われておりまして、このシートを移植された10例で経過を追ったところ、移植52週目で6例において角膜上皮の再建の成功があった。6割であった。また、104週目ではさらに1例での成功が認められ、70%であった。また、視力の臨床的な意義のある改善も認められていたということが分かってございます。
 4ページ目にお戻りいただきまして、一番下の欄「医療保険上の取扱い(案)」でございます。本品につきましては、事務局といたしましては既収載の骨格筋由来細胞でありますとか、表皮の細胞をシート状に培養し、移植する再生医療等製品と同様に、医療機器に類似した使用方法であることを踏まえ、医療機器の例により対応することとしてはどうかと考えております。
 以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
 では、御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○田辺会長
 ありがとうございました。
 それでは、説明のあった件につきましては、この方向で進めることについて中医協として承認したいと存じます。
 次に、報告事項でございますけれども「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。医薬品審査管理課長、よろしくお願いいたします。
○吉田医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 医薬品審査管理課長でございます。
 まず、私のほうから資料総-5-1、総-5-2に基づきまして、御説明いたします。
 その前に全体の経緯でございますけれども、ニボルマブ遺伝子組換えを有効成分とするオプジーボにつきましては、これまで7本の最適使用推進ガイドラインが作成されているところでございますが、先般、2月21日に高頻度マイクロサテライト不安定性を有する結腸・直腸がん及び根治切除不能な進行・再発の食道がんに係ります効能・効果を承認いたしまして、同日付でそれら3つのがん種に関しましての最適使用推進ガイドラインを作成し、作成に関する通知を発出したところでございます。これらのガイドラインの構成につきましては、いずれもこれまで作成してきたガイドラインと同じ構成でございます。
 それでは、資料に基づきまして、内容を御説明いたします。
 まず、資料総-5-1の2ページでございますけれども「はじめに」というところの真ん中辺りに枠で囲っておりますが、効能・効果、用法・用量が記載されています。効能・効果はがん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性を有する結腸・直腸がんでございますし、用法・用量は1回240ミリグラムを2週間間隔で点滴静注するといった内容でございます。
 4ページから7ページでございますが、まず、臨床成績が4ページに記載されております。がん化学療法後に増悪したMSI-Highを有する結腸・直腸がん患者を対象とした臨床試験におきまして、完全奏功あるいは部分奏功の中間解析の結果としまして、奏功率が31.1%であったという結果が得られてございます。
 6ページが安全性プロファイルでございますけれども、既承認の効能・効果と同様のプロファイルとなってございます。
 8ページから施設についてということでございますが、これも結腸・直腸がんと同じ消化器官でございます胃がんの最適使用推進ガイドラインと同様の内容となってございます。
 10ページが投与対象となる患者でございますが、有効性に関する事項につきましては、臨床試験に基づき有効性が示された患者を記載している形になってございます。
 最後の11ページでございますが、投与に際して留意すべき事項でございますけれども、この内容につきましても基本的にはこれまでに作成しているオプジーボの最適使用推進ガイドラインと同様の内容となってございます。
 続きまして、総-5-2のほうでございますが、いわゆる食道がんの内容でございます。
 2ページ目でございますが、同じく「はじめに」ということで、効能・効果、用法・用量が枠内に記載してございます。効能・効果はがん化学療法後に増悪した根治切除不能な進行・再発の食道がんでございますし、用法・用量は1回240ミリグラムを2週間間隔で点滴静注という形になってございます。
 4ページから臨床成績が出ております。がん化学療法後に増悪した食道がん患者を対象とし、タキサン系の抗悪性腫瘍剤、具体的にはドセタキセル水和物またはパクリタキセルでございますが、これらを対照群として設定される臨床試験におきまして、本剤の有効性が示されているという形になってございます。
 5ページの安全性プロファイルですけれども、既承認の効能・効果と同様の内容でございます。
 7ページから施設あるいは投与対象となる患者、それから投与に際して留意すべき事項が記載されてございます。まずは施設についてでございますけれども、これは先ほど御説明いたしましたMSI-Highを有する結腸・直腸がんの最適使用推進ガイドラインと同様でございます。
 9ページ以降の投与対象となる患者の有効性については、臨床試験に基づく有効性が示された患者を記載する形になっております。
 最後の投与に際しての留意すべき事項も、これまでのガイドラインと同様の内容となっているものでございます。
 最適使用推進ガイドラインにつきましては、以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 引き続き事務局のほうから補足の説明をお願いいたします。では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 資料の総-5-3を御覧ください。ただいま医薬品審査管理課長から、資料総-5-1と総-5-2により説明がありましたニボルマブ(遺伝子組換え)製剤、品目名オプジーボ点滴静注につきましては、非小細胞肺癌等につきまして、最適使用推進ガイドラインに基づき、留意事項通知を発出しているところでございます。今般、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌及び食道癌に係る最適使用推進ガイドラインが新たに策定されたことを踏まえまして、承認事項一部変更承認が行われた2月21日付で留意事項を改正する旨の通知を発出しておりますので、その御報告ということでございます。
 留意事項の具体的な内容につきましては、「3 留意事項の内容」の欄を御覧いただきたいと思いますけれども、今般のガイドラインの策定を踏まえまして「(2)診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項」として新たに記載を追記しております。
 具体的には、1)の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がんにつきましては、○1として医療施設の要件のいずれに該当するか、○2として治療の責任者の要件のいずれに該当するか、○3としてMSI-Highを確認した検査の実施年月日について、記載を求めることとしているところでございます。
 それから、2)の食道癌につきましては、○1としてガイドライン中の医療施設の要件のいずれに該当するか、○2として治療の責任者の要件のいずれに該当するかを新たに記載として求めるという取扱いをさせていただいているところでございます。
 以上、御報告いたします。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
 では、御質問等もないようでございますので、本件に関わる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 次に、これも報告事項でございますけれども「公知申請とされた適応外薬の保険適用について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。では、薬剤管理官、よろしくお願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 資料総-6を御覧ください。
 今般、オクトレオチド酢酸塩の「先天性高インスリン血症に伴う低血糖」に関する効能追加につきまして、2月28日開催の薬食審の部会で、公知申請して差し支えないとの事前評価がなされたところでございます。このような場合につきましては、同日付で保険適用することをあらかじめ中医協で御了承いただいておりますので、それに基づき、保険適用させていただいたという御報告でございます。
 以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
 では、質問等もないようでございますので、本件に関わる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 さらにこれも報告事項でございますけれども、次に「先進医療会議からの報告について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。では、医療技術評価推進室長、よろしくお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
 ありがとうございます。医療技術評価推進室長でございます。
 それでは、中医協総-7-1及び総-7-2に基づきまして御報告をさせていただきます。
 まず、総-7-1は本年1月9日に実施されました先進医療合同会議で承認されました先進医療Bの技術2件でございます。
 1ページ目でございますけれども、今回承認されました技術は、整理番号134番「KIT遺伝子変異のある進行期悪性黒色腫に対するKIT阻害薬と抗PD-1抗体併用療法」、整理番号135番「大動脈解離術後の偽腔拡大に対する血管内治療」でございまして、かかる費用並びに申請医療機関等につきましては、表のとおりでございます。いずれの技術につきましても、適という判定をいただいたものでございます。
 それでは、技術につきまして説明をさせていただきます。
 6ページ目、本技術は皮膚の悪性腫瘍の一つでございます悪性黒色腫の患者様のうち、KIT遺伝子変異を有する方で既存の治療に抵抗性の患者に対して、KIT阻害薬であるイマチニブと抗PD-1抗体であるペムブロリズマブを併用する治療法でございます。中ほどのシェーマにありますとおり、本技術は第1相試験及び第2相試験として行われるものでございます。
 ロードマップにつきまして7ページ目で、本先進医療におきましては、その結果をもって公知申請による薬事承認を目指すものとされているものでございます。
 続きまして、2件目の技術について御説明をさせていただきます。
 12ページ目、本技術で対象となります大動脈解離でございますけれども、大動脈解離は心臓から出る血管でございます大動脈の中膜が裂けることで、本来、血管の壁であった部分に血液が流入し、偽腔というものを形成する疾患でございまして、偽腔に血液が流れ込むエントリーと呼ばれる場所の治療を本来行うものでございますけれども、その偽腔から本来の血管内に血流が戻ってくる、この表の中にございますリエントリーという部位ができた患者に対し、術後にリエントリー部位から再び血流が流れ込むことで、偽腔の拡大が起きてしまう場合がございます。そのような患者に対し、ステントグラフトをリエントリーの開口部から大動脈の分岐の動脈の間に留置をして、偽腔が拡大していくことを抑えるという治療になります。
 13ページ目は本技術のロードマップでございますけれども、本先進医療の結果をもって公知申請による薬事承認を目指していくというものでございます。
 続きまして、総-7-2も1月9日に行われました先進医療会議で承認をされました2件の技術でございます。1件目は整理番号136番「再発性Clostridioides difficile関連下痢症・腸炎に対する糞便微生物叢移植」でございます。2件目は整理番号137番「科学放射線療法後の術前後デュルバルマブ療法」でございまして、施設並びに費用については表のとおりでございます。いずれも判定は適とされたものでございます。
 5ページ目は、1件目のClostridioides difficile関連下痢症・腸炎に対する治療でございます。本疾患は抗菌薬の投与に伴いまして、腸内細菌叢が乱れたことによって生じる腸炎とされているものでございまして、本技術は既存の治療下では再発が起きてしまった患者に対し、健常人のふん便を生理食塩水で攪拌、ろ過したものを大腸内視鏡で散布するという治療法でございます。
 6ページ目はロードマップでございますけれども、本先進医療の結果をもって医療技術評価分科会等の評価を経て保険収載を目指すというものでございます。
 続きまして、2件目の技術の概要でございますけれども、10ページ目、本技術は、肺の一部でございます肺尖部にできる肺がんで胸壁に浸潤している患者を対象としたものでございます。ガイドラインでは、科学放射線治療後の手術が推奨されているところでございますけれども、この技術ではその手術の前後に免疫チェックポイント阻害剤であるデュルバルマブを投与するという治療法でございます。
 11コマ目、本先進医療の結果を持って公知申請による薬事承認を目指すこととされているものでございます。
 説明は以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
 では、御質問等もないようですので、本件に関わる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 次も報告事項でございますけれども「患者申出療養評価会議からの報告について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。では、医療技術評価推進室長、よろしくお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
 それでは、総-8に基づきまして御説明をさせていただきます。
 こちらは2月13日に実施されました患者申出療養の会議からの報告でございます。
 まず、1ページ目の表でございますが、昨年6月30日現在の患者申出療養の技術数でございますけれども、7種類となってございます。また、実施医療機関数は24施設でございます。3の総金額は約0.5億円、また保険診療分がうち約0.3億円、患者の自己負担分が約0.2億円となっております。
 2ページ目は1年間の患者申出療養の技術数の推移をお示ししたものでございます。今回の御報告の1年間で、技術数が3種類増えまして7種類となっております。
 3ページ目は過去の実績を示したものでございます。本制度は平成28年4月に始まってございますが、実績報告のなされたこの3年間につきまして、お示ししているとおりの推移となっております。技術数は増加、また、実施施設数も増加。患者数は減少の傾向がございます。
 4ページ目以降は参考資料でございまして、こちらは各技術の費用等の詳細を記載したものでございます。
 事務局からの御説明は以上とさせていただきます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
 では、御質問等もないようでございますので、本件に関わる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 次も報告事項でございますけれども「平成30年度DPC導入の影響評価に係る調査『退院患者調査』の結果報告について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。引き続き、医療技術評価推進室長、よろしくお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
 それでは、総-9に基づきまして御説明をさせていただきます。
 「平成30年度DPC導入の影響評価に係る調査『退院患者調査』の結果の報告について」ということで、DPC導入後の影響を調査したものでございます。
 平成25年12月13日の中医協総会で御報告を行わせていただいたとおり、1ページ目に記載しております集計の方法でこのたび集計をさせていただいたところでございます。内容といたしましては、DPC対象病院の各群のほか、準備病院、その他の出来高算定病院の別に、2にございます各集計項目について集計をさせていただいたものでございます。
 2コマ目でございますけれども、中段の調査対象施設数のところで御覧いただけますように、大学病院本院群、DPC特定病院群、DPC標準病院群の3群それぞれこのような病院が対象となっております。それと比較する形でDPC準備病院、出来高算定病院、それぞれこのような多種の病院を対象とした調査を行ったところでございます。
 3ページ目は調査の結果でございます。表1が在院日数の状況ということで、こちらは平成26年度以降の経時的な推移という形でお示しをさせていただいておりますが、各病院群とも短縮化の傾向が見てとれるかと思います。
 表2が病床利用率でございます。こちらはおおむね横ばいかと思われます。
 4ページ目は救急の患者さんの状況ということで、表3-1が救急車で搬送された患者様の数、また、それを退院の患者さんの数で割ったものの割合ということで、いずれの病院群も患者数及び割合ともに少しずつ増加の傾向が見てとれるかと思います。
 表3-2は救急医療の入院の患者さんの退院数を示したものとそれを総退院患者数で除したものということで、こちらは一部では増えているところもございますし、若干減少したり横ばいとなっている、おおむね横ばいの傾向かと思われます。
 5ページ目の表3-3は他院からの紹介ありの割合ということでございまして、各DPC群ともに少しずつ増加の傾向が確認できるかとかと思います。
 表4が退院時転帰(治癒・軽快)の割合でございます。こちらはおおむね横ばいかと思われます。
 6ページ目、表5-1は退院先の状況が自院の外来とされたものについての割合でございますけれども、こちらはおおむね横ばいかと思います。
 表5-2は退院先の状況が転院とされた割合でございますけれども、こちらもおおむね横ばいかと思います。
 7ページ目、再入院の割合ということで、平成28年度以降は計画的なもの、計画外のものということで調査を実施しておりまして、いずれの病院群につきましてもほぼ横ばいかと思います。
 最後、8ページ目は再転棟をされたものをそれぞれ計画的、計画外で分けたものでございます。非常にパーセントが小さい値になっておりますけれども、大きな変化はないものと思われます。
 事務局からの御報告は以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
 では、御質問等もないようでございますので、本件に関わる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 次に「歯科用金銀パラジウム合金の高騰への対応について(案)」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。では、歯科医療管理官、よろしくお願いいたします。
○小椋歯科医療管理官
 歯科医療管理官でございます。ありがとうございます。
 資料総-10-1を御覧ください。「歯科用金銀パラジウム合金の高騰への対応について(案)」とさせていただいてございます。
 「1.背景」でございますが、金銀パラジウム合金を含む歯科用の貴金属につきましては、その素材である金とかパラジウムなどの市場価格の変動の影響を受けやすいとなってございます。
 順番は前後いたしますけれども、3コマ目を見ていただきますと、歯科の合金の素材であります金でありますとかパラジウムでありますとか、あるいは銀というものの過去の変動の推移をプロットしたものでございます。この中でも特にパラジウムの茶色の線でございますが、最近の高騰が急に激しくなってきているということもございます。
 元に戻っていただきますけれども、1コマ目を御覧ください。こういうものの市場の変動を受けやすいということになっておりますので、通常の2年に1度の診療報酬改定に加えまして、6か月に1度の随時改定を行ってきているところでございます。
 ○の2つ目でございますが、現行の対応だけでは価格の乱高下に速やかに対応できないという指摘もございます。
 「2.現行の対応」でございますが、先ほども説明いたしましたように、2年に1度の診療報酬改定におきましては、市場実勢価格を踏まえまして、告示価格を決定してございます。通常の材料はこの対応しかしておりませんけれども、市場価格の変動を受けるということを受けておりまして、○の2つ目でございますが、診療報酬改定以外にも6か月に1回、4月と10月に随時改定を行っておりまして、その際に素材価格の変動幅がその時点の告示価格のプラスマイナス5%を超えた場合に告示価格を変動するという対応を6か月に1回ずつ行ってきているところでございます。
 「3.対応案」でございますが、それだけでも素材価格の乱高下には対応できない場合があるということもございます。そういう場合につきましては、現行の対応に次の対応を加えることとしてはどうかということでございまして、その診療報酬改定、随時改定、それぞれの3か月後、すなわち7月とか1月におきまして、素材価格の変動幅がその時点の告示価格のプラスマイナス15%を超える場合には、告示価格を改定するという対応を加えてはどうかということでございます。
 また、今まで随時改定を行ってきておりましたので、今回のプラスマイナス15%の場合を「随時改定2」といたしまして、現行の随時改定につきましては「随時改定1」と名称を変更することとしてはどうかということでございます。
 2コマ目につきましては、随時改定1、随時改定2のイメージ図を示してございます。
 次に、資料総-10-2でございます。今までの随時改定については、この通知で対応を図ってきたところでございますが、見え消しという形で、この赤のところを加えてはどうかという御提案でございます。
 説明は以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
 では、御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○田辺会長
 ありがとうございました。
 それでは、説明のあった件につきましては、この方向で進めることについて中医協として承認したいと存じます。
 次に「被災地における特例措置について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
 資料総-11-1を御覧いただきたいと思います。
 東日本大震災に伴います被災地特例措置の利用の状況ということでございます。
 まず、1ページ目にありますとおり、東日本大震災に伴います被災地特例を利用している保険医療機関は本年の1月時点でのデータでございますが、3保険医療機関でございます。これは前回の報告時から変わっておりません。岩手県が1、宮城県が2となっておりまして、利用されている内容でございますけれども、宮城県につきましては、定数超過入院、岩手県につきましては仮設の建物による保険診療ということになっております。
 それぞれの医療機関の状況ということで、5ページ目を見ていただきたいと思います。まず、宮城県の2件につきましては、現在、同じ市内の精神科病院等が閉院したという状況もありまして、その入院施設の減少ですとか治療が必要な患者の増加があるということがあり、利用継続が必要な状況が続いているということでございます。
 ただ、今後、特例措置の解消に向けて行政ですとか他の施設との連携を強化するとともに、退院先の確保、退院後の支援、特に在宅の精神科訪問看護を進めることによりまして、少しずつ入院患者を減少しているという状況でございます。
 利用終了予定が近づいてはきているということでございますが、まだ入院先がなく、新たな入院患者を受け入れなくてはならない状況が続いているということで、今年度末の解消は難しく、次年度も特例措置の延長を希望するという形で要望が来ております。
 また、6ページ目の最初にありますように2つ目の医療機関からも同様の申出がありまして、特例措置の延長を希望するということで申出がなされております。
 ただ、岩手県の1施設につきましては、令和2年2月に新しい診療所が完成し、移転しましたということで、特例措置の利用は終了しますということで御報告をいただいております。
 ですので、7ページ目にありますとおり、今後の取扱いについてでございますけれども、事務局としては今後の取扱い以降に書いてありますとおり、引き続き、半年ごとに進捗状況を中医協に報告するということとした上で、特例措置を2021年3月31日まで継続利用できることとしてはどうか。昨年の中医協において、宮城県の特例措置については、2021年3月31日までとするということとしておりますので、特例措置については、当該期間をもって終了するということで変わらず進めたい。また、平成29年2月に定めましたその取組については継続するということでお諮りしたいと思っているところでございます。
 続けて2つ目の被災地の関係でございますけれども、資料総-11-2を御覧いただきたいと思います。
 令和元年台風第15号と台風19号に伴う被災地特例措置の利用状況の御報告とその取扱いについてお諮りするものでございます。
 この資料につきまして、数字の誤りがありましたので、ここで訂正させていただきたいと思います。合計の数字が違っておりまして、60保険医療機関とありますが、計算を間違えておりまして、39保険医療機関でございます。薬局につきましては、逆に75ではなくて96保険薬局でございます。延べ利用者数につきましては、また修正したものをホームページ等に上げさせていただきたいと思います。
 そうしましたら、資料の説明を続けさせていただきます。
 2ページ目から3ページ目に、どのようなものを利用しているかということがついております。多くは仮設の建物による保険診療等が多く利用されておる状況でございます。
 また、3ページのほうを御覧いただきますと、定員の受入日の場合の入院日の取扱い等の特例措置を続けているという御報告をいただいております。
 4ページ目が保険薬局の関係でございますけれども、これも仮設の建物による保険診療が行われているということ。それから、処方箋を持参しない患者について、医療機関と連絡を取ることにより保険調剤を実施しているところでございまして、この状況につきましては、本年1月時点の状況ということで御報告をいただいているものでございます。
 5ページ目に今後の取扱いについての案を示させていただいております。今回のアンケート調査によりまして、被災地特例を1月まで利用している保険医療機関、保険薬局につきましては、合わせて135施設となっております。この数字については間違っておりません。現在も特例措置を利用している保険医療機関、薬局があることを考慮しますと、引き続き一定の特例措置を設ける必要があるのではないかと考えております。
 具体的には、現に利用している特例措置については、厚生局に届出をした上で、令和2年9月30日まで継続利用できることとしてはどうか。また、先ほど申しましたように平成29年2月に定めました取扱いについては、今回も適用するという形で進めてはどうかという御提案とさせていただいております。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。
 では、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員
 ありがとうございます。
 総-11-2でございますが、訂正がございました39保険医療機関が適用を受けているということですが、このうち歯科はどのぐらい入っているかということを教えていただきたいと思います
○田辺会長
 医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 歯科の医療機関の数でございますけれども、39の保険医療機関のうち、歯科につきましては7医療機関と聞いております。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 では、御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということで、よろしゅうございますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○田辺会長
 ありがとうございました。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
 本日の議題は以上でございますけれども、宮近委員が今回をもって退任となりますので、一言御挨拶をお願いいたします。
 では、宮近委員、よろしくお願いいたします。
○宮近委員 4年間、公益、診療側、支払い側、各委員の皆様、そして、事務局の皆様、大変お世話になりました。厚く御礼を申し上げます。
 支払い側委員として、働く現役世代の目線からどうしたら保険診療や診療報酬がよりよい方向に向かうのかを考えて対応してきたつもりですが、力及ばずの4年間だったように思います。
 私としては人生100年時代にあって、特に現役世代が健康に異常を感じたときにできるだけ早い段階で医療機関にアクセスし、慢性化、重症化を予防していく必要があると考え、そのためには、かかりつけ医機能をもっと普及させ、併せてデジタル技術革新とその普及を踏まえた診療体制やそこで得られたデータをさらに活用していくべきであると考えてきたところであります。
 現在、新型コロナウイルス感染症の渦中にあって、日本におけるしっかりとした保険医療制度が評価される一方で、従来あまり想定しなかった新たな課題も出てきているように思います。正体のよく分からない新たな感染症が社会生活全体を、そして、産業活動を大きく毀損している現実を目の当たりにして、医療制度がこれまで以上に注目を集めているところです。こうした時期に改めて、100年の人生をより安心して健康に暮らせるような保険医療制度の改革に向けてさらなる検討が必要になっていると考える次第です。
 結びになりますけれども、公益、1号、2号の各委員の皆様、事務局の皆様のますますの御活躍を祈念申し上げますとともに、より質の高い医療の提供、保険財政の健全化に御尽力いただくことをお願い申し上げて退任の挨拶とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○田辺会長
 ありがとうございました。
 宮近委員の長きにわたる本会への御貢献に対しまして、深く御礼申し上げます。
 それでは、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 本日の総会はこれにて閉会といたします。
 どうも御参集ありがとうございました。


 

 


 
 

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