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2020年2月7日 中央社会保険医療協議会 総会 第451回議事録

○日時

令和2年2月7日(金)10:00~10:23

○場所

東海大学校友会館 阿蘇朝日東海三保の間(35階)

○出席者

田辺国昭会長 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 松原由美委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員 染谷絹代委員 
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 猪口雄二委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 半田一登専門委員
 

<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 八神審議官 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○答申について


 
○田辺会長
それでは、定刻でございますので、ただいまより第451回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、秋山委員、岩田専門委員が御欠席でございます。
なお、猪口委員におかれましては、遅れて御出席とのことでございます。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りは、一旦ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○田辺会長
それでは、早速ではございますけれども、議事のほうに入らせていただきます。
初めに「答申について」を議題といたします。
令和2年度診療報酬改定につきましては、本年1月15日に厚生労働大臣から諮問されました。
本日は、これまでの中医協における議論の成果を踏まえまして、答申書(案)及びこれに添付する附帯意見、診療報酬点数表等の改正案が提出されております。
内容につきましては、これまでの議論を踏まえたものと思いますけれども、事務局から補足することなどがございましたら、よろしくお願いいたします。
では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
医療課長でございます。
それでは、御説明をさせていただきます。
まず、資料総-1でございますけれども、これは前回までお示しいたしました、いわゆる短冊の資料でございます。
これは答申書には含まれませんけれども、前回までの議論を踏まえ、公益裁定で決定いたしました重症度、医療・看護必要度の割合や、具体的な点数などを追加したものと誤字等の修正を行っております。
次に、総-2でございます。
こちらが答申書となっております。本日の日付で、中央社会保険医療協議会会長田辺国昭先生から、厚生労働大臣加藤勝信宛てに「答申書(令和2年度診療報酬改定について)」となってございます。
おめくりいただきますと、別添で前回の中医協で御審議、御了解いただきました「答申書附帯意見」でございます。このかがみの下に別添1から8が添付されるという形になります。
別添の1でございますけれども、診療報酬の算定方法の改正案でございまして、別紙1-1が「医科診療報酬点数表」、別紙1-2が「歯科診療報酬点数表」、別紙1-3が「調剤診療報酬点数表」となっております。
別紙2は、訪問看護療養費の算定方法の改正案でございます。
別紙3は「厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する費用の額の算定方法」となっておりまして、DPC告示の改正案となっております。
別紙4は「保険医療機関及び保険医療担当規則」、いわゆる療担規則と「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」、いわゆる薬担規則の改正案でございます。
別紙5は「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」、省令の改正案でございます。
別紙6は「高齢者の医療の確保に関する法律の規定による療養の給付等の取扱い及び担当に関する基準」の改正案でございます。
別紙7、8は、保険外併用療養に関する告示の改正案となっております。
以上の総-2、附帯意見、そして別紙1から8までが令和2年度改定の答申案となっております。
次に、関連資料をおつけしておりまして、これが総-3及び総-4となっております。
総-3-1、総-3-2は薬価の算定関係でございまして、厚生労働省から発出する通知を御参考までにつけておるものでございます。
総-4-1から総-4-2、総-4-3、総-4-4は同様に、特定保険医療材料の関連通知と特定保険医療材料の見直しに伴う費用対効果評価の通知となっております。
これらを踏まえまして、3月上旬の告示の発出を目指して、事務的に作業を進めさせていただきたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願いしたいと思います。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
基本的には、これまでの議論を踏まえたものだと思いますけれども、1号側委員、2号側委員を代表いたしまして、それぞれ御発言等がございましたら、よろしくお願いいたします。
では、1号側委員、よろしくお願いいたします。
○幸野委員
すみません。総括でよろしいのでしょうか。
それでは、僭越ではございますが、1号側委員を代表いたしまして、私のほうから令和2年度診療報酬改定に対する1号側の総括を話させていただきたいと思います。
まずは、最後まで御議論を尽くしていただきました、2号側委員の先生、それから公益委員、専門委員の先生方をはじめ、関係各位に厚く御礼申し上げます。
そして、何よりも、厚生労働省事務局におかれましては、改定内容の議論に資する膨大なデータの作成など、かなりの御負担があったと思いますが、この場をお借りしまして、感謝を申し上げたいと思います。
改定内容についてでございますが、全体としましては、医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価や外来医療の機能分化等、医療機能の分化、連携、強化が一歩前進した改定がなされたと考えております。
個々の内容でございますが、入院医療につきましては、急性期入院医療における一般病棟用の重症度、医療・看護必要度について、評価項目や判定基準を急性期入院医療の患者の指標としてふさわしい評価に見直すとともに、急性期一般入院料1の重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の基準値が厳格化されましたことは、さらなる医療機能の分化、強化、連携の推進に資する見直しの第一歩であったと評価したいと思います。
外来医療につきましては、紹介状なしの大病院受診時の定額負担の対象医療機関の範囲を200床以上の地域医療支援病院に拡大したことにつきましては、外来医療における医療機関の役割分担を図る見直しであり、評価しております。
一方、患者にとって必要な情報提供を推進するための機能強化加算の要件見直しも大きな議論となりましたが、かかりつけ医機能の普及に向け、半歩前進した対応であると考えております。各都道府県の医療機能情報提供制度の整備や、個々の医療機関が自ら自分の言葉で患者の視点に立った分かりやすい文書を作成していただけることを求めていきたいと思います。
なお、今改定において、重点課題とされた医師の働き方改革の推進につきましては、三位一体改革の進捗状況を踏まえつつ、新設された地域医療体制確保加算については、医療機関が作成した病院勤務医の負担軽減、処遇改善計画に基づくアウトカム評価の導入も含め、引き続き、評価の在り方について検討を進めていく必要があると考えております。
少し先走りとなりますが、令和4年度の改定に向けて意見を申し上げます。
団塊の世代が後期高齢者に入り始める令和4年度以降、医療保険制度は、危機的な状況を迎えることが想定されます。中医協の共通理念として、国民皆保険制度の堅持を最大の目的としていくことが必要であると考えます。
そのため、令和4年度の改定に向け、今改定で大きく議論された項目をはじめとして、附帯意見に掲げられた調査・検証を適切に行い、その結果得られたエビデンスを踏まえ、医療機能の分化、強化、連携のさらなる推進や、効率化、適正化を通じた制度の安定性、持続可能性の向上等を中心に、引き続き検討することが重要だと考えます。
併せて、患者の視点を踏まえたかかりつけ医機能の評価、紹介状なしの大病院受診時の定額負担、オンライン診療の推進、ニコチン依存症管理料の適切な評価、明細書無料発行の完全義務化、政府目標80%を見据えた後発医薬品の使用促進、高額医薬品への対応等の課題に対し、引き続き検討するほか、患者にとって分かりやすい診療報酬体系の構築についても議論を進めていくべきだと考えます。
併せて、令和3年4月に予定されている毎年薬価調査・毎年薬価改定に向けた対応につきましても、薬価調査の対象範囲や対象品目の範囲、薬価算定方式、ルールの適用等について検討を行っていく必要があると考えます。
今後も中医協として、国民、患者中心の医療の確保のため、議論を尽くしていきたいと考えます。
1号側からは以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、2号側委員、よろしくお願いいたします。
○松本委員
診療側委員を代表いたしまして、発言させていただきます。
答申についてです。
本日示されました答申案につきましては、これまでの議論を踏まえ、了承させていただきます。その上で、今回の改定について幾つか述べさせていただきます。
まず、今回の診療報酬改定の大きな柱となる働き方改革への対応については、厳しい財政状況の中で、診療報酬プラス0.08%に当たる公費約126億円に加え、地域医療介護総合確保基金として、公費約143億円が措置されました。
基金の詳細は、今後決定されることになりますが、先日の医政局からの答弁にありましたように、民間医療機関も含めて、地域医療で特別な役割のある医療機関に対して、確実に財政的な支援が行われるよう、しっかりと対応していただきたいと思いますし、医療従事者の負担軽減、働き方改革につきましては、今後も引き続き対応していくべきものと考えております。
また、今回の改定では、病院の機能分化として、重症度、医療・看護必要度の見直しのほかにも、特定機能病院での回復期リハビリテーション病棟の扱いや、400床以上の大病院における地域包括ケア病棟などが鮮明な形で線が引かれ、大病院は急性期医療をしっかり対応していただくというメッセージが明確に打ち出されたと理解しております。
さらには、外来医療の機能分化として、紹介状なしで受診した場合の定額負担の対象病院が拡大されるとともに、かかりつけ医機能の評価も行われました。
地域包括ケアシステムを推進、進展させていくためには、機能分化、連携が不可欠でありますので、こうしたメッセージが医療現場に浸透し、着実に機能していくことを期待しているところであります。
最後になりますけれども、中医協の議論を充実させるために御尽力いただきました各分科会や部会の関係者の皆様、また、立場の違いから、激しい議論になったこともございましたけれども、国民皆保険を守るという観点から様々な御意見をいただきました1号側委員の皆様に感謝を申し上げます。
さらに、我々の意見の取りまとめに御尽力いただきました公益委員の方々、また、膨大な資料の作成や丁寧な合意形成に向けて、日夜御苦労いただきました厚生労働省事務局の皆様にも感謝を申し上げます。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、この答申書及び附帯意見をもちまして、中医協から答申を行うこととしたいと存じますが、いかがでございましょう。
(首肯する委員あり)
○田辺会長
よろしゅうございますか。
ありがとうございました。
それでは、事務局におかれましては、答申書の正本を御準備願いたいと思います。
本日は、小島厚生労働大臣政務官がお見えでございますので、私より政務官に答申書をお渡ししたいと思います。
マスコミの方は、カメラ撮りもできますので、撮影を希望される方は、前のほうで御準備いただければと思います。
よろしゅうございますか。
(田辺会長から小島厚生労働大臣政務官へ答申書を手交)
○田辺会長
それでは、政務官のほうより一言御挨拶を賜りたいと思います。
政務官、よろしくお願いいたします。
○小島厚生労働大臣政務官
本日は、加藤大臣が国会答弁をしておりますので、私、厚労大臣政務官の小島でございますが、代わりまして参りました。御容赦をよろしくお願い申し上げます。
田辺会長をはじめ、委員の皆様方におかれましては、日頃から厚生労働行政の推進に御指導いただいておりまして、心から感謝を申し上げております。
また、ただいまは、これまでの精力的に御議論いただいた集大成といたしまして、令和2年度診療報酬改定についての答申を頂戴いたしました。改めて、お礼を申し上げます。
今回の改定は、人生100年時代に向けた全世代型社会保障を構築すべく、患者、国民にとって身近で安全・安心な質の高い医療を実現するとともに、制度の持続可能性にも御配慮いただいたものとなっております。
さらに、医療従事者の負担軽減や、医師等の働き方改革に関する内容も盛り込まれておりまして、時間外労働の上限規制の適用や、開始される2024年4月に向けまして、働き方改革を進めていく観点からも重要な改定となっていると考えております。
厚生労働省といたしましても、この答申に基づきまして、速やかに告示や通知の整備を行い、4月からの執行に向けまして、万全を期してまいる所存でございます。
また、改定による影響等の検証や、今回の改定で残されました課題の検討など、附帯意見としましても頂いた事項をしっかりと厚生労働省といたしましても真摯に受けとめて、対応してまいりたいと考えております。
引き続き、国民皆保険を堅持し、国民が望む安心・安全で質の高い医療の実現に向けて、委員の皆様の御指導を賜りますよう、これからもよろしくお願い申し上げます。
心から皆様方の御協力に対しましてお礼を申し上げまして、言葉に代えます。
大変どうもありがとうございました。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
マスコミの方々のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をお願い申し上げます。
(カメラ退室)
○田辺会長
それでは、私のほうからも、精力的な御議論をいただきました委員の皆様方の御協力に関して、お礼を申し上げたいと存じます。
座ったままで失礼させていただきます。
委員の皆様の御協力の下、本日、答申を行うことができましたことに、心から御礼申し上げます。
お立場の違いはあろうとも、エビデンスに基づいて共通の認識を形成しつつ、とことん議論し、そして一定の結論を得るという形で支払い側、診療側の両委員がそれぞれに御尽力されたことに、何よりも深い敬意と感謝を申し上げたいと思います。
また、高いエビデンスレベルが要求される様々な資料の作成、あるいは各種の調整に献身的に御尽力いただきました事務局の皆様方にも御礼申し上げます。
本日の答申は、委員各位の精力的な御議論の結果といたしまして、現在、さらに将来に向けて、医療を取り巻く多くの重要課題に的確に対応するものとなったのではと考えているところでございます。
第1に、医師等の働き方改革を推進するよう、診療報酬においても、これを下支えするような評価を進めてまいりました。主として、救急医療体制の充実に向けたものとなりましたけれども、併せて勤務環境を向上させるような、要件緩和を進めてまいったところでございます。
第2に、かかりつけ医機能の強化と多職種間の連携の取組の強化を進めるよう、診療報酬での評価を行いました。人々が生活を営む地域において、適切な治療を受けることができ、また、関係機関の連携を進めることによって、より身近で手厚い医療の実現に資するような評価となったと感じているところでございます。
第3に、急速な医療技術のイノベーションを診療報酬体系の中に適切に位置づけました。遺伝性乳がん、それから卵巣がん症候群、いわゆるHBOCでございますけれども、それに対する治療や、遺伝子パネル検査はその例と考えております。
今後、このような例が増大するものと思われますけれども、適切な対応を図っていく際の導きになればと思っているところでございます。
第4に、入院基本料に関わる重症度、医療・看護必要度の見直しを行いました。支払い側、診療側の意見の隔たりが大きく、結果として公益委員の裁定案を提示させていただく形となりましたけれども、地域医療構想に寄り添うとともに、より安定的な運用を可能とするものとなったのではと考えているところでございます。
今回の改定を受けまして、支払い側、それから診療側の双方におかれましては、国民の視点に立って、医療保険制度を維持しつつ、必要かつ適切な医療を確保することにより一層努めていただくともに、今回の改定の効果の検証や、残された課題の解決に向けた検討に向けまして、引き続き御協力いただきますようお願い申し上げる次第でございます。
どうもありがとうございました。
以上で「答申について」の議題は終了でございます。
小島厚生労働大臣政務官におかれましては、御出席いただきまして、誠にありがとうございました。
小島厚生労働大臣政務官は、公務によりここで御退席されます。
どうもありがとうございました。
(小島厚生労働大臣政務官退室)
○田辺会長
本日の議題は以上でございますけれども、松原委員が本日をもって御退任となりますので、一言御挨拶をお願いいたします。
では、よろしくお願いいたします。
○松原委員
皆様の貴重なお時間を頂き、ありがとうございます。
皆様の御協力のおかげで、公益委員とこれにまつわる診療報酬改定結果検証部会長、診療報酬改定の結果検討に係る特別調査委員など、6年の任期を何とか務め上げることができました。ここに厚く御礼申し上げます。
中医協で今まで認められなかったものが認められるということは、本人、その御家族に治療ができるという安心感、ひいては生きる力や勇気を与えるものになるのだということを何度も実感する場がございました。そういう意味で、中医協は、地域住民一人一人がその存在意義を発揮することを社会が支援するための場でもあると思います。
一方、中医協といえば、岩盤規制の権化のようにやゆされてもおります。
しかし、そもそも人の命や障害に関わる医療を他の産業と同列に扱い、規制緩和さえすればよくなるような前提で医療を論ずることが、真に国民のためになるでしょうか。質の高い医療を支払い能力ではなく、必要に応じて届けるには、ルールや計画、一定の枠が必要なのは当然です。そこに引け目を感じることはありません。
医療事業の事業費は、医療サービスを受けていない人にも強制的に御負担いただくことで賄われていることは、常に意識される必要があります。医療費が増大する中で、負担は負担能力に応じて、給付は必要に応じての原則維持は無理だということを前提に改革するのではなくて、この日本が誇るべき支払い能力ではなくて必要に応じた給付の原則を維持した国民皆保険を守るためにどう改革すべきか、ここに国民の英知と勇気を集結させる必要があります。
改革には常に痛みや困難を伴いますが、この国民皆保険を守るために、私たちは諦めるわけにはいきません。
最後に、皆様へ心からのエールを送り、お別れの挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
○田辺会長
松原委員の長年にわたる本会への御貢献に対しまして、心より御礼申し上げます。遠からず、私も後を追いかけます。
これで議事のほうは終了でございます。
それでは、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会は、これにて閉会といたします。
どうも御参集ありがとうございました。


 

 


 
 

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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