ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 中央社会保険医療協議会 総会 第449回議事録(2020年1月31日)

 
 

2020年1月31日 中央社会保険医療協議会 総会 第449回議事録

○日時

令和2年1月31日(金)8:59~11:39

○場所

ホテルグランドアーク半蔵門 富士の間(4階)

○出席者

田辺国昭会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 松原由美委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員 
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 猪口雄二委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 半田一登専門委員
保険医療材料等専門組織小澤委員長
<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 八神審議官 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○令和2年度実施の特定保険医療材料の機能区分の見直し等について
○先進医療会議からの報告について
○個別改定項目について(その2)
○答申書の附帯意見案について(その1)
 


 
○田辺会長
定刻前ではございますけれども、ほぼおそろいのようでございますので、ただいまより第449回「中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。本日は、染谷委員、岩田専門委員が御欠席でございます。なお、秋山委員におかれましては、ぎりぎりセーフということでございます。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○田辺会長
それでは、早速でございますけれども、議事に入らせていただきます。
初めに「令和2年度実施の特定保険医療材料の機能区分の見直し等について」を議題といたします。
本日は、保険医療材料専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。小澤委員長より御説明をお願いいたします。小澤委員長、よろしくお願いいたします。
○小澤委員長
それでは、説明いたします。
中医協総-1-1の資料を御覧ください。特定保険医療材料の機能区分は、臨床上の利用実態を踏まえて必要に応じて見直すことになっており、保険医療材料等専門組織の検討結果を御報告いたします。
今回、2ページ目から12ページ目にあります18の項目につきまして、見直すことが適切と判断いたしましたので、簡単に御説明申し上げます。
「1.」につきましては、2ページ目から3ページ目を御覧ください。臨床上の有用性や使い分けが明確であるかどうかに基づいて議論を行った結果、機能区分の細分化及び合理化を実施することが妥当と判断されたものでございます。細分化が適切と判断したものが3項目、合理化が適切と判断したものが1項目となっております。
例えば、細分化の例としては、2ページ目にあります長期留置型の腹膜透析用カテーテルについて、肉厚補強構造を有するものは当該構造を有しないものとは構造及び臨床上の有用性が異なるため、細分化を行うというものです。
また、合理化としましては、2ページ目にありますダイアライザーにつきまして、膜面積1.5平方メーター未満と膜面積1.5平方メーター以上の償還価格差が縮小傾向にあり、一部、膜面積1.5平方メーター未満が膜面積1.5平方メーター以上よりも高い償還価格となっており、不均衡を生じているため、合理化を行うというものでございます。
「2.」につきましては、4ページ目を御覧ください。機能区分の名称変更を行うことが適切と判断したもので、2項目となっております。
「3.」につきましては、5ページ目を御覧ください。プラスチックカニューレ型静脈内留置針について、特定保険医療材料としては算定せず、技術料の枠組みで評価することとし、そのほかについては既に製品が流通していないため、機能区分の簡素化を行うことが適切と判断したもので、11項目となっております。
「4.」につきましては、7ページ目を御覧ください。償還価格を1平方センチメートル単位ではなく1枚単位で設定することが適切と判断したもので、1項目となっております。
「5.」につきましては、8ページ目を御覧ください。平成30年度改定におきまして、固定用金属線の大転子専用締結器について、一部の製品を固定用金属ピンの一般用に合理化し、激変緩和措置を行っておりますが、当該機能区分の販売数量の過半数を占める製品に関して安定供給の懸念があることから、激変緩和措置を延長することとしております。
ただいま御説明しました見直しの詳細につきましては、10ページ目以降に記載しておりますので、御参照ください。
続きまして、中医協総-1-2の資料を御覧ください。供給が著しく困難で十分償還されていない特定保険医療材料の償還価格の見直しについてです。
今回、1ページ目の1に記載されているアからウまでの3つの条件に当てはまるものとして、血漿交換用血漿分離器、体外循環用カニューレの成人用と小児用に含まれ、今回の機能区分の見直しで細分化を行う先端強化型のダブルルーメン、網膜硝子体手術用材料の4つの製品について見直しを行いました。
原価計算方式による保険償還価格案は2ページ目以降を御覧ください。
最後に、中医協総-1-3の資料を御覧ください。今回の保険医療材料の制度改革により引上げ率の上限が変更となり、変更後のルールにより再算定を行うこととなりました。
2ページ目を御覧ください。今回、市場規模等を考慮して効率的に算定区分の選定を行い、150区分を対象として検証いたしました。再算定の対象となったのは全部で18区分でございました。なお、価格の下落率が大きい機能区分について激変緩和措置を行うこととしております。
7ページ目に再算定の対象となった18機能区分を記載しております。
今回御説明いたします内容は以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
事務局から補足があればお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
特にございません。
○田辺会長
それでは、ただいまの説明につきまして何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。
では、御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。小澤委員長におかれましては、御説明をどうもありがとうございました。
次に、報告事項でございますけれども、「先進医療会議からの報告について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。医療技術評価推進室長、よろしくお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
医療技術評価推進室長でございます。
それでは、中医協総-2を御覧ください。こちらの資料に基づきまして御報告させていただきます。
今回、先進医療合同会議で承認されました先進医療Bの技術について御報告させていただきます。まず、1ページ目を御覧ください。今回承認されました先進医療Bの技術は、整理番号133番「小児の神経因性排尿筋過活動による膀胱機能障害に対するボツリヌス毒素の膀胱内局所注入療法」でございまして、本技術に係る費用は表に記載のとおりでございます。
先進医療会議における判定につきまして、2ページ目を御覧ください。判定は「条件付き適」となっており、先進医療技術審査部会からの指摘事項について適切に修正されたことが確認できたため「適」と認められたものでございます。
次に、技術の説明に移ります。技術の概要は6ページ目を御覧ください。本技術は、対象疾患である脊髄等の神経病変に起因する神経因性膀胱により難治性尿失禁を来している小児患者に対して、左下の図のようにボツリヌス毒素を排尿筋内に局所注入する治療法でございます。右側中ほどのシェーマにありますとおり、本技術は用量規制毒性を決定する目的での臨床試験として実施されるものでございます。
ロードマップにつきまして、7ページ目を御覧ください。本先進医療の結果をもちまして、未承認薬迅速実用化のスキームを活用して公知申請による薬事承認を目指すというロードマップを描いているものでございます。
説明は以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。
では、御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと存じます。
次に、「個別改定項目について(その2)」を議題といたします。前回に引き続き、いわゆる短冊について議論を行いたいと思います。
本日は、資料総-3の個別改定項目の残りの「2 患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現」と「4 効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上」について議論を行います。
それでは、事務局より資料の説明をお願いいたします。医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
総-3の資料に基づきまして御説明させていただきます。
「2 患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現」の部分からの御説明とさせていただきます。
資料の56ページをお開きいただきたいと思います。「Ⅱ-1 かかりつけ機能の評価」からスタートさせていただきます。
「○1 地域包括診療加算の見直し」でございます。具体的な内容でございますけれども、地域包括診療加算の施設基準における時間外の対応に係る要件につきまして、時間外対応加算3の届出でもよいとする改定の内容でございます。
「○2 小児かかりつけ診療料の見直し」でございます。具体的な内容でございますけれども、算定対象となる患者を3歳未満から6歳未満に拡大する。
また、当該保険医療機関において処方を行わない場合の取扱いを明確にするというものでございます。
「○3 外来患者への重複投薬解消に関する取組の評価」でございます。具体的な内容でございますけれども、服用薬剤調整支援料につきまして、6種類以上の内服薬が処方されている患者からの求めに基づき、患者が服用中の薬剤について重複投薬等の状況を含めた一元的把握を行い、処方医に重複投薬の解消に係る提案を行った場合の評価を新設するというものでございまして、新たに服用薬剤調整支援料2を新設するものでございます。
「○4 かかりつけ薬剤師指導料等の評価」でございます。具体的な内容でございますけれども、患者のプライバシーに配慮することを要件として施設基準に追加するものでございます。
また、対物業務から対人業務への転換を進める観点から評価を見直すものでございます。
医療機関と薬局の連携による残薬への対応を推進する観点から、お薬手帳による医療機関への情報提供を推進する規定を要件に追加するものでございます。
「○5 同一薬局の利用推進」でございます。具体的な内容でございますが、3点ございます。患者が同一の薬局を繰り返し利用することを推進する観点から、1点目、薬剤服用歴管理指導料の点数が低くなる規定について、再度の来局の期間を「原則6月以内」から「原則3月以内」に短縮するとともに、対象を調剤基本料1以外にも拡大するものでございます。
2点目は、調剤基本料につきまして、同一患者から異なる医療機関の処方箋を同時にまとめて複数枚受け付けた場合に、2回目以上の受付分については所定点数の100分の●に相当する点数を算定する。
3点目は、薬剤服用歴管理指導料につきまして、医療機関等から薬局への連絡を円滑に行うため、患者がふだん利用する薬局の名称をお薬手帳に記載するよう患者に促す規定を追加するものでございます。
続きまして「2-2 患者にとって必要な情報提供や相談支援の推進」でございます。
「1 機能強化加算の見直し」でございます。基本的な考え方にありますように、かかりつけ医機能の普及を図る観点から、地域においてかかりつけ医機能を担う医療機関において、当該機能のさらなる周知等の在り方について機能強化加算の掲示等の情報提供に係る要件を見直すものでございます。
具体的な内容の1番目といたしまして、地域におけるかかりつけ医機能として院内に掲示する事項として2点を追加するものでございます。必要に応じて、専門医、専門医療機関に紹介すること、それから、医療機能情報提供制度を利用して、かかりつけ医機能を有する医療機関が検索できること、この2点を掲示するというものです。
2番目に、院内に掲示する事項と同様の内容について患者へ提供する。当該掲示内容を書面にしたものを患者が持ち帰れる形で医療機関内の見えやすいところに置いておくこと、当該掲示内容について患者の求めがあった場合には、当該掲示内容を書面にしたものを交付すること、これを要件に追加するという見直しの内容でございます。
「2 診療情報の提供に関する評価の新設」でございます。具体的な内容でございますが、かかりつけ医機能を有する医療機関から紹介された患者に対して継続的な診療を行っている場合に、紹介元のかかりつけ医機能を有する医療機関等からの求めに応じて診療情報の提供を行った場合の評価を新設するもので、新たに診療情報提供料3を新設するものでございます。対象患者は、そこにありますように3つ挙げております。2つ目にありますとおり、妊娠している者であって、産科もしくは産婦人科を標榜している医療機関から紹介された患者につきましても対象とするものでございます。
「3 医療的ケア児に関わる主治医と学校医との連携」でございます。具体的な内容でございますが、診療情報提供料(1)において、医療的ケア児が通う学校の学校医または医療的ケアに知見のある医師に対して、児が学校生活を送るに当たって必要な情報を主治医が提供した場合の評価を新設するものでございます。患者1人につき月1回に限り算定できるとする提案でございます。
「4 明細書発行の推進」でございます。具体的な内容でございますが、診療所において公費負担医療に係る給付により自己負担がない患者について、正当な理由がある場合でも患者から求めがあったときには明細書発行を義務とするという見直しでございます。
また、同様に、一部負担金の支払いがない患者に対応した明細書発行機能が付与されていないレセプトコンピューターまたは自動入金機の改修が必要な診療所が対応を完了する期間を考慮し、2年間の経過措置を設けるものでございます。
続きまして「2-3 地域との連携を含む多職種連携の取組の強化」でございます。
「1 質の高い外来がん化学療法の評価」「2 外来化学療法での栄養管理の評価」につきましては、2-7のほうで御紹介させていただきます。
「3 精神病棟における退院時共同指導の評価」でございます。具体的な内容でございますが、精神病棟に入院中の患者に対して、入院医療を提供する保険医療機関の多職種チームと、地域において当該患者の外来または在宅医療を担う保険医療機関の多職種チームが退院後の療養について共同で指導等を行った場合の評価を新設するものでございます。対象患者につきましては、措置入院等の期間が1年以上の患者、及び精神病棟に入院中の患者であって、別に厚生労働大臣が定める患者とするという内容でございます。
「4 精神科外来における多職種による相談支援・指導への評価」でございます。具体的な内容でございますが、先ほどの精神科退院時共同指導料1を算定した患者に対して、精神科外来において多職種による支援及び指導等を行った場合について、通院精神療法に加算を設けるものでございます。これは、初回から起算して1年を限度として、月1回に限り算定する加算の新設でございます。また、これにつきましては、多職種が共同して3か月に1回の頻度でカンファレンスを実施することを主な要件としているものでございます。
「5 腹膜透析と血液透析を併用する場合の要件の見直し」でございます。基本的な考え方にありますとおり、通院への制約等の理由により保険医療機関の変更や血液透析への変更が必要となる患者もいることから、腹膜透析を実施している患者における治療の選択肢を拡充するため、患者の利便性や臨床実態を踏まえ、腹膜透析患者が血液透析の併用を行う場合について要件を見直すというものでございます。在宅自己腹膜灌流指導管理料の改定案のところを見ていただきますと、当該管理料を算定している患者に対して、患者の希望する他の保険医療機関において人工腎臓を行った場合は、診療報酬明細書の摘要欄に記載するということで算定を可能とするもの、また、人工腎臓の項目において、同じように診療報酬明細書の摘要欄に記載するということで算定を可能とする提案となっております。
「6 栄養サポートチーム加算の見直し」ですが、これは前回御紹介させていただいております。
「7 多職種チームによる摂食嚥下リハビリテーションの評価」でございます。具体的な内容でございますが、摂食機能療法の経口摂取回復促進加算について、多職種チームによる介入を評価できるよう、要件及び評価を見直すとともに名称の変更を行うものでございます。これは摂食嚥下支援加算として週1回に限り加算するものとなっております。
「8 個別栄養食事管理加算の見直し」でございます。基本的には緩和ケア診療加算について個別栄養食事管理加算が設定されておりますが、その対象患者の要件を見直すものでございまして、算定の対象に後天性免疫不全症候群及び末期心不全患者を加えるという改定の案となっております。
「9 周術期等専門的口腔衛生処置等の見直し」でございます。基本的な考え方にありますとおり、化学療法や放射線療法等が行われている患者に対して、実施される周術期等口腔機能管理を推進する観点から、現在あります周術期等口腔機能管理料(3)の評価を見直すとともに、算定回数制限を見直し、月2回に限り算定と見直すものでございます。
続きまして「2-4 重症化予防の取組の推進」でございます。
「1 生活習慣病重症化予防推進に係る要件の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、生活習慣病管理料について、糖尿病患者に対して眼科受診勧奨に関する要件を追加するもの、また、生活習慣病管理料の療養計画書の記載項目に歯科受診の状況に関する記載欄を追加するものでございます。
「2 移植を含めた腎代替療法情報提供の評価」でございます。具体的な内容でございますが、腎移植の推進に関する取組や実績をより評価する観点から、人工腎臓の導入期加算につきまして、算定実績の要件を見直すものでございます。施設基準を見ていただきますと「過去2年で1人以上いること」を「前年度に3人以上いること」に見直すものでございます。
また、腎代替療法開始前のより早期の段階から腎代替療法に関する情報提供を行うことで生命予後の改善が期待できることから、腎代替療法開始前の保存期腎不全患者に対する腎代替療法指導管理料を新設するもので、患者1人につき2回に限り算定するという案でございます。
「3 分娩後の糖尿病及び妊娠糖尿病管理の推進」でございます。具体的な内容でございますが、在宅妊娠糖尿病患者指導管理料につきまして、分娩後12週間以内も算定可能とする変更でございます。
「4 歯科疾患管理料の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、初診月の歯科疾患管理料の評価を見直す。
併せて、歯科疾患に対する管理及び療養上必要な指導について、継続的な長期管理を実施した場合の評価を新設するものでございます。
「5 歯周病重症化予防の推進」でございます。具体的な内容でございますが、歯周病安定期治療の対象となっていない、歯肉に限局する炎症症状を認める患者に対する歯周病重症化予防治療を実施した場合の評価を新設するものでございます。
「6 健康増進法の一部を改正する法律の施行に伴う見直し」でございます。具体的には、屋内禁煙については、各施設基準の要件から削除するものでございまして、削除する項目につきましては、そこにありますとおり、乳幼児加算、幼児加算のほかに、総合入院体制加算以下が対象となるものでございます。
続きまして「2-5 治療と仕事の両立に資する取組の推進」でございます。
「1 治療と仕事の両立に向けた支援の充実」でございます。具体的な内容でございますが、療養・就労両立支援指導料について、企業から提供された勤務情報に基づき、患者に療養上必要な指導を実施するとともに、企業に対して診療情報を提供した場合について評価する。また、診療情報を提供した後の勤務環境の変化を踏まえ、療養上必要な指導を行った場合についても評価する。
対象疾患について、がんのほかに、脳卒中、肝疾患及び指定難病を追加する。
対象者について、産業医の選任されている事業場に勤務する者のほかに、総括安全衛生管理者、衛生管理者、安全衛生推進者または保健師が選任されている事業場に勤務する者を追加するものでございます。
また、相談体制充実加算については廃止という見直しの案でございます。
続きまして「2-6 アウトカムにも着目した評価の推進」でございます。
「1 回復期リハビリテーション病棟入院料の見直し」については、前回御議論いただきました。
「2 データ提出加算の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、データ提出加算が要件となる入院料の拡大ということで、許可病床数200床未満の回復期リハビリテーション病棟入院料5もしくは6または療養病棟入院基本料を算定する病棟を有する医療機関に拡大というものでございます。
看護師配置等の基準は満たしているにもかかわらず、データ提出加算の要件を満たさないために急性期一般入院基本料が算定できない一定の医療機関について、急性期一般入院料7が一定期間算定できるよう規定を見直す。
急性期一般入院基本料を算定する病棟以外において、データ提出加算を90日に1回に算定可能とするものでございます。現在は退院時に1回となっております。
提出データ評価加算を許可病床数200床未満の病院に限り算定可能とする。また、未コード化傷病名の割合の基準を見直すという内容になっております。
続きまして「Ⅱ-7-1 緩和ケアを含む質の高いがん医療の評価」でございます。
「○1 がん拠点病院加算の見直し」でございます。具体的な内容にありますとおり、がん診療連携拠点病院等の類型として新たに設けられた「地域がん診療連携拠点病院(高度型)」及び「地域がん診療連携拠点病院(特例型)」の取扱いについて定めるものでございます。
新たに指定された「がんゲノム医療拠点病院」については、「がんゲノム医療中核拠点病院」と同様に、「がんゲノム医療を提供する保険医療機関に対する加算」の対象とするものでございます。
「○2 遺伝子パネル検査に係る遺伝カウンセリングの評価の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、遺伝子パネル検査の項目新設に伴い、遺伝子パネル検査やその他の遺伝性腫瘍に係る検査を実施した際の遺伝カウンセリングについて評価を新設するものでございます。がんゲノム医療中核拠点病院等で遺伝カウンセリング体制が整備されていることを踏まえ、遺伝子パネル検査に係る遺伝カウンセリング加算を算定できる施設をがんゲノム医療中核拠点病院等に限定するというものでございます。
「○3 緩和ケア病棟入院料の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、緩和ケア病棟入院料1について、緩和ケア診療加算、外来緩和ケア管理料または在宅がん医療総合診療料の届出を行っていることを要件とするとともに、平均在院日数に係る要件を削除するというものでございます。
「○4 質の高い外来がん化学療法の評価」でございます。具体的な内容でございますが、外来での抗がん剤治療の質を向上させる観点から、患者にレジメン(治療内容)を提供し、患者の状態を踏まえた必要な指導を行うとともに、地域の薬局に勤務する薬剤師を対象とした研修会の実施等の連携体制を整備している場合について、新たな評価を行うものでございまして、新たに連携充実加算を設定するものでございます。対象患者といたしましては、外来化学療法加算1のAを算定する患者でございます。
「○5 外来化学療法での栄養管理の評価」でございます。具体的な内容でございますが、外来化学療法を実施しているがん患者に対して、専門的な知識を有した管理栄養士がきめ細やかな栄養管理を患者の状態に合わせて継続的に実施した場合を評価するというものでございます。具体的には、改定案を見ていただきますと、外来化学療法加算連携充実加算の施設基準に該当する管理栄養士が具体的な献立等によって月2回以上の指導をした場合に限り、2回目にロの点数を算定するとして設定しております。
「○6 がん患者に対する薬局での薬学的管理等の評価」でございます。これは先ほどの連携充実加算に引き続いてでございますが、具体的な内容を見ていただきますと、患者のレジメンの情報を活用し、患者への副作用対策の説明や支持療法に係る薬剤の服薬指導等を実施するとともに、調剤後に電話等により服薬状況、抗悪性腫瘍剤の副作用の有無を確認し、その内容を文書等により医療機関に情報提供した場合の評価を新設するというものでございまして、新たに「薬剤服用歴管理指導料 特定薬剤管理指導加算2」を新設するという内容でございます。
「7 遺伝性乳がん卵巣がん症候群に対する治療等の評価」でございます。具体的な内容でございますが、4点ございます。1点目は、乳がん、卵巣がんまたは卵管がんの患者のうち、発症年齢や家族歴等から遺伝性乳がん卵巣がん症候群が疑われるものに対する生殖細胞系列のBRCA遺伝子検査について新たな評価を行う。
2点目は、乳がん患者のうち、遺伝性乳がん卵巣がん症候群と診断されたものに対する対側の乳房切除術や子宮附属器腫瘍切除術について新たな評価を行う。
3点目は、遺伝性乳がん卵巣がん症候群と診断された患者のうち、乳房切除術を選択しなかったものに対するフォローアップとして、乳房MRI加算を算定できるよう要件を見直す。
4点目は、遺伝性乳がん卵巣がん症候群が疑われる患者に対する一連の遺伝カウンセリングについて新たな評価を行う。
新たにBRCA1/2遺伝子検査の2として血液を検体とするものを新設する内容となっております。
また、届出に、遺伝性乳がん卵巣がん症候群に係る手術としまして、新たに要件に入れ込むという内容となっております。
「8 介護老人保健施設におけるがん診療の充実」でございます。介護老人保健施設において必要ながん診療が提供されるように、現在、介護老人保健施設入所者について算定できる注射薬を定めておりますが、ここを見直すという内容となっております。
続きまして「2-7-2 認知症患者に対する適切な医療の評価」でございます。
「1 認知症ケア加算の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、認知症ケア加算の評価体系を現在の2段階から3段階に見直すというものでございます。認知症ケア加算2を設けるとともに、現在の認知症ケア加算2を認知症ケア加算3に移し、さらに手厚い要件に見直す内容となっております。認知症ケア加算2につきましては、認知症患者の診療について十分な経験を有する専任の常勤医師または認知症患者の看護に従事した経験を5年以上有する看護師であって、認知症看護に係る適切な研修を修了した専任の常勤看護師がケアの実施状況を把握し、病棟職員に対して必要な助言等を行うことを主な要件としております。
また、認知症ケア加算1の医師及び看護師に係る要件ということで、経験年数等についての見直しを行っております。
認知症ケア加算2の名称及び看護師に係る要件を見直し、評価の充実を行うというものでございまして、看護師複数名配置を適切な研修を受けた看護師3名以上配置に見直すものでございます。
続きまして「2-7-3 地域移行・地域生活支援の充実を含む質の高い精神医療の評価」でございます。
「3 精神科在宅患者に対する適切な支援の評価」でございます。基本的な考え方にありますとおり、精神医療における在宅医療を適切に推進する観点から、当該管理料について、その本来の趣旨等を踏まえ、要件を見直すものでございます。具体的な内容でございますが、精神科在宅患者支援管理料1及び2について、対象患者の要件等を見直し、引き続き訪問診療を行う場合の評価として3を新設する。なお、見直しに伴いまして、1のハについては廃止とし、現に1のハを算定する患者については経過措置を設ける等の対応をするというものでございます。
また、関連機関の職員等と共同して実施するカンファレンスの開催頻度等の要件を見直すものでございまして、初回のカンファレンスは対面で行い、2回目以降についてはビデオ通話等によるカンファレンスも可能とする。
また、訪問看護療養費における精神科複数訪問加算及び精神科重症患者支援管理連携加算についても、精神科在宅患者支援管理料の見直しに合わせた取扱いとするというものでございます。
「4 地域移行機能強化病棟の継続と要件の見直し」でございます。具体的な内容を見ていただきますと、地域移行機能強化病棟入院料について、当該入院料の算定に当たって要件となっております許可病床数に係る平均入院患者数の割合を見直すとともに、長期入院患者の退院実績に係る要件見直しを行うものでございます。
また、当該病棟において専従の精神保健福祉士の配置に係る要件を見直す。
また、地域移行機能強化病棟入院料については、令和2年3月31日までに届け出るとなっているものですが、これを障害福祉計画の見直しの時期を考慮いたしまして、令和6年3月31日までに延長するという改定案となっております。
「5 精神科急性期医師配置加算の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、精神科急性期治療病棟入院料1における精神科急性期医師配置加算につきまして、現行の要件である新規入院患者の自宅等への移行率に加えて、クロザピンを新規に導入した患者数の実績によって、3つの類型に分けて評価するものでございます。現在の精神科急性期医師配置加算につきましては、2に移すというものでありまして、新たに精神科急性期医師配置加算1と精神科急性期医師配置加算3を新設いたします。この要件の内容につきましては、先ほど御紹介のように、新規入院患者の自宅への移行率とクロザピンの新規導入患者数の実績によってそれぞれ加算を設けるという内容になっております。
「6 精神科療養病棟入院料等における持続性抗精神病注射薬剤の取扱いの見直し」でございます。具体的な内容でございますが、精神科救急入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併症入院料、精神療養病棟入院料及び地域移行機能強化病棟入院料について、持続性抗精神病注射薬剤に係る薬剤料の包括範囲を見直すものでございます。持続性抗精神病注射薬剤(LAI)の推進のために、改正案としましては、施設基準にありますとおり、持続性抗精神病注射薬剤を投与開始日から60日以内に投与された場合に限って包括範囲から出すという内容となっております。
併せて、持続性抗精神病注射薬剤治療指導管理料について、入院中の患者につきましても算定可能とするものでございます。
「7 精神科急性期病棟におけるクロザピンの普及推進」でございます。具体的な内容でございますが、クロザピンを新規に導入することを目的として転棟する患者について、精神科救急入院料、精神科救急・合併症入院料を算定できるように見直し、また、精神科急性期治療病棟入院料を算定できる期間についても見直すというものでございます。
精神科救急入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神科急性期医師配置加算及び精神科救急・合併症入院料について、クロザピンの新規導入を目的とした入院患者を自宅等への移行率の対象から除外するという内容となっております。
「8 精神科救急入院料の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、精神科救急入院料について、複数の病棟を届け出る保険医療機関においては、病棟ごとに基準を満たす必要がある旨を明確化するというものでございます。
また、届出病床数の上限を超えて病床を有する場合について、経過措置の期限を定めるというものでございます。
「9 精神疾患を有する妊産婦に対する診療の充実」でございます。具体的な内容でございますが、算定対象となる入院料として、精神病棟入院基本料及び特定機能病院入院基本料(精神病棟)を追加するものでございます。
「10 ハイリスク妊産婦連携指導料の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、市町村または都道府県の職員とのカンファレンスに係る参加者の要件及びビデオ通話等による参加の要件を緩和する見直しでございます。
また、市町村または都道府県との連携実績に係る要件を見直すものでございます。
「11 児童思春期の精神疾患等に対する支援の充実」でございます。基本的には発達障害等、児童思春期の精神疾患の支援を充実する観点から、小児特定疾患カウンセリング料について要件を見直すものでございます。また、被虐待児等の診療機会を確保する観点から要件を見直すものでございます。具体的な内容といたしまして、小児特定疾患カウンセリング料について、公認心理師が実施する場合の評価を新設する。また、対象に被虐待児等を含むことを明確化するものでございます。
「12 クロザピンを投与中の患者に対するヘモグロビンA1cの測定に係る要件の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、クロザピンを投与中の患者に対しては、月1回に限り別に算定できるようにするという内容でございます。
「13 精神科身体合併症管理加算の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、精神科身体合併症管理加算について、算定可能となる日数の上限を見直すものでございます。
また、対象に指定難病の患者を加えるものでございます。
「14 精神療養病棟におけるリハビリテーションの推進」でございます。具体的な内容でございますが、精神療養病棟入院料について、疾患別リハビリテーション料及びリハビリテーション総合計画評価料を別に算定できるよう見直すものでございます。
「15 ギャンブル依存症に対する治療の評価」でございます。具体的な内容にありますとおり、依存症集団療法の対象疾患にギャンブル依存症を追加するものでございます。
続きまして「2-7-4 難病患者に対する適切な医療の評価」でございます。
「1 難病患者に対する適切な医療の評価」は、具体的な内容が2点ございます。1点目は、診断基準において遺伝学的検査の実施が必須となっている指定難病について遺伝学的検査の対象疾患に追加する。
2点目は、診断基準において、臨床症状、他の検査等で診断がつかない場合に遺伝学的検査の実施が必須となっている指定難病について、臨床症状、他の検査等では診断できない場合に限り遺伝学的検査の対象とするという内容でございます。
続きまして「2-7-5 小児医療、周産期医療、救急医療の充実」でございます。
「2 小児科外来診療料の見直し」でございます。これも小児かかりつけ診療料の見直しと同様に、算定対象となる患者の年齢を3歳未満から6歳未満に拡大する。
また、当該保険医療機関において処方を行わない場合の取扱いを見直す。
それから、施設基準に係る届出を求める変更でございます。
「3 小児運動器疾患指導管理料の見直し」でございます。具体的な内容といたしまして、1点目は、初回算定日の属する月から起算して6か月以内の期間は月1回に限り、6か月を超えた期間については6か月に1回に限り算定することとする。
2点目は、算定対象となる患者について、受診の契機に係る要件を廃止し、対象年齢を6歳未満から12歳未満に拡大する。
3点目は、施設基準に係る届出を求めることとするという内容でございます。
「4 小児抗菌薬適正使用支援加算の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、小児抗菌薬適正使用支援加算について、算定の対象となる患者を3歳未満から6歳未満に拡大するとともに、月に1回に限り算定できることとするものでございます。
「8 妊婦加算の扱い」でございます。基本的な考え方でございますが、妊産婦に対する診療の課題について、産婦人科以外の診療科と産婦人科の主治医の連携を強化しつつ、妊産婦への診療体制の改善には引き続き取り組むとともに、妊婦加算につきましては、項目から削除するという御提案でございます。
「10 救急医療管理加算の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、救急医療管理加算を算定するに当たって、項目アからケのうち一部の項目に係る重症度の指標や、入院後3日以内に実施した検査、画像診断、処置または手術のうち主要なものについて、診療報酬明細書の摘要欄に記載することとする。また、当該加算の評価を見直すという提案でございます。
「12 超急性期脳卒中加算の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、超急性期脳卒中加算の施設基準及び算定要件について、人員配置や検査の体制に係る要件及び評価を見直すものでございます。
超急性期脳卒中加算の算定要件につきまして、地域の医療機関間で連携し、一次搬送された施設でrt-PAを投与した上で、より専門的な医療機関に二次搬送を行って、入院治療及び管理する場合も算定できるよう見直すものでございます。
続きまして「2-7-6 感染症対策、薬剤耐性対策の推進」でございます。
「1 抗菌薬適正使用支援加算の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、抗菌薬適正使用支援チームの業務として、モニタリングを行う広域抗菌薬の種類の拡充、外来における経口抗菌薬の処方状況の把握及び報告、抗菌薬適正使用を目的とした院内研修において「抗微生物薬適正使用の手引き」を用いること等を追加するものでございます。また、抗菌薬適正使用の推進に係る相談等を受ける体制を有していることについて、感染防止対策加算の要件であるカンファレンスの機会を通じて他の医療機関に周知するよう、要件を見直すものでございます。
また、抗菌薬適正使用加算について、感染防止対策地域連携加算の加算から感染防止対策加算1の加算に見直すという修正でございます。
「3 歯科外来診療における院内感染防止対策の推進」でございます。具体的な内容でございますが、歯科初診料、歯科再診料の施設基準について院内感染防止対策に係る要件を見直し、歯科初診料、歯科再診料の評価を充実するものでございます。
「4 中心静脈栄養の適切な管理の推進」でございます。具体的な内容にありますとおり、1点目は、療養病床入院基本料について、中心静脈カテーテルに係る院内感染対策の指針を作成すること及び中心静脈カテーテルに係る感染症の発生状況を把握することを入院基本料の要件とする。
2点目は、療養病棟の入院患者に係る医療区分3の評価項目のうち「中心静脈栄養を実施している状態」については、毎月末に当該中心静脈栄養を必要とする状態に該当しているかどうかを確認することを要件とする。
3点目は、中心静脈注射用カテーテル挿入等について、長期の栄養管理を目的として留置する場合において、患者またはその家族への説明及び他の保険医療機関等に患者を紹介する際の情報提供を要件とするものでございます。
続きまして「2-7-7 患者の早期機能回復のための質の高いリハビリテーション等の評価」でございます。
「2 疾患別リハビリテーション料の見直し」でございます。具体的には、1点目、疾患別リハビリテーションの実施に当たり作成する「リハビリテーション実施計画」の位置づけを明確化するというものでございます。
2点目、リハビリテーション実施計画の作成は、疾患別リハビリテーションの算定開始後、原則として7日以内、遅くとも14日以内に行うこととした上で、当該計画書の作成前に行われる疾患別リハビリテーションについて、医師の具体的な指示の下で行われる場合に限り、疾患別リハビリテーション料を算定できることとする。また、併せて当該計画書の作成に当たり参考とする様式を整理するというものでございます。
「3 呼吸器リハビリテーション料の見直し」でございます。これは、呼吸器リハビリテーション料の実施職種に言語聴覚士を追加するものでございます。
「4 難病患者リハビリテーション料の見直し」でございます。これも具体的には、難病患者リハビリテーション料の実施職種に言語聴覚士を追加するものでございます。
「5 外来リハビリテーション診療料の見直し」でございます。外来リハビリテーションを実施している患者に対して、医師によるリハビリテーションに関する包括的な診察をより実施しやすくするため、リハビリテーションスタッフとのカンファレンスに係る要件を緩和するというものでございます。
「6 疾患別リハビリテーションの取扱いについて」でございます。急性期から回復期、維持期・生活期まで一貫したリハビリテーションの提供を進めるとともに、疾患別リハビリテーションに係る事務手続を簡素化するため、維持期リハビリテーションについて取扱いを整理するものでございます。
「7 脳血管疾患等リハビリテーション料の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、脳血管疾患等リハビリテーション料(2)の施設基準に、言語聴覚療法のみを実施する場合の規定を設けるものでございます。
「8 がん患者リハビリテーション料の見直し」でございます。具体的には、がん患者リハビリテーション料の算定対象患者について、対象疾患等による要件から、実施される治療等による要件に変更するものでございます。
「9 リンパ浮腫指導管理料及びリンパ浮腫複合的治療料の見直し」でございます。具体的には、この算定対象となる患者について、鼠径部、骨盤部もしくは腋窩部のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍に対する手術を行った患者または原発性リンパ浮腫と確定診断された患者に変更する。また、リンパ浮腫複合的治療料「1」の「重症の場合」の対象患者について病期分類2期以降の患者に変更するものでございます。
続きまして「2-8 医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーション等の新たな技術を含む先進的な医療技術の適切な評価と着実な導入」でございます。
「1 小児の在宅呼吸管理における材料の評価」ということで、実態を踏まえた評価とするということ、また、6歳未満の乳幼児に対する「乳幼児呼吸管理材料加算」を新設するものでございます。
「2 在宅自己導尿における特殊カテーテル加算の見直し」ということで、これにつきましても、実施されている評価体系を整理した上でエビデンスを踏まえた適切な評価とする。
また、個々の患者の状態やニーズを踏まえ、受診回数及びカテーテルの使用頻度について、柔軟な算定が可能となるよう要件の見直しを行うものでございます。
「3 トレッドミル等による負荷心肺機能検査の評価の見直し」でございます。具体的には、トレッドミル等による負荷心肺機能検査について、検査の実態を踏まえ評価を見直すものでございます。
「4 冠動脈CT撮影の算定要件の新設」でございます。具体的な内容といたしまして、心筋梗塞のリスクや治療の緊急性が低い患者に対する、安定冠動脈疾患の診断を目的としましたCT撮影の冠動脈CT撮影加算について、適応疾患や目的を確認するため、診療報酬明細書の摘要欄に疾患や医学的根拠の記載をすることを算定要件に追加するという内容でございます。
「5 安定冠動脈疾患に対する経皮的冠動脈インターベンションの要件の見直し」でございます。具体的には、安定冠動脈疾患に対して待機的に実施され、機能的虚血または高度狭窄が存在することが確認されていない病変に対する経皮的冠動脈形成術及び経皮的冠動脈ステント留置術については、循環器内科または心臓血管外科を含む複数診療科の医師が参加するカンファレンス等の実施を要件とするという内容となっております。
「6 人工内耳機器調整に対する評価」で、具体的には、人工内耳植込術を行った患者について、人工内耳用音声信号処理装置の機器調整を行った場合について、高度難聴指導管理料の加算を新設するものでございます。
「7 認知機能検査等の算定要件の新設」でございます。具体的には、認知機能検査その他の心理検査のうち操作が容易なものについて、簡易な検査に該当するものを実施する際は3か月に1回算定することを原則とする。また、医学的な必要性から3か月に2回以上検査を実施する場合には、診療報酬明細書の摘要欄に医学的根拠の記載を求めることとするという内容でございます。
「8 質の高い臨床検査の適切な評価」でございます。基本的な考え方にありますとおり、質の高い臨床検査の適切な評価を進めるために、1つ目、新規臨床検査として保険適用され、現在、準用点数で行われている検査について新たな評価を行う。
2つ目、難病患者に対する診断のための検査を充実させる観点から、指定難病の診断に必要な遺伝学的検査について、評価の対象の拡大を含め要件を見直す。
3つ目、血清アルブミンの測定方法の標準化を推進するため、要件を見直す。
4つ目、遺伝子関連・染色体検査について新たな評価を行う。
この4つの観点から、それぞれ個別項目は整理をして以下につけているとおりでございます。
「9 手術等医療技術の適切な評価」でございます。基本的な考え方にありますとおり、まず、医療技術評価分科会における検討結果等を踏まえ、医療技術の評価及び再評価を行いまして、優先的に保険導入すべきとされた新規技術について新たな評価を行うとともに、既存技術の評価を見直す。
2つ目、新規医療材料等として保険適用され、現在、準用点数で行われている医療技術について新たな評価を行う。
3つ目、外科的手術等の医療技術の適正かつ実態に即した評価を行うため、外保連試案の評価等を参考に評価を見直す。
この3点に基づきまして、手術等の医療技術の評価を見直しておりまして、具体例についてはそこに示しているとおりでございます。
「10 注射の準用に係る規定の創設」でございます。
続いて、歯科をお願いいたします。
○小椋歯科医療管理官 「2-9 口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応の充実、生活の質に配慮した歯科医療の推進」でございます。
「4 ライフステージに応じた口腔機能管理の推進」でございます。具体的な内容といたしまして、歯科疾患管理料の小児口腔機能管理加算及び口腔機能管理加算の扱いを見直すということでございます。
また、口腔機能の発達不全を有する小児及び口腔機能の低下を来している患者に対して、口腔機能管理を実施した場合の評価を新設するものでございまして、先ほどの加算を評価にするということでございます。
「5 非経口摂取患者に対する口腔管理の推進」でございます。具体的な内容といたしましては、経口摂取が困難な患者に対して、歯科医師等が口腔衛生状態の改善を目的として行う処置に対する評価を新設するものでございまして、非経口摂取患者口腔粘膜処置を新設いたします。
「6 広範囲顎骨支持型装置埋入手術の要件の見直し」でございます。具体的な内容といたしまして、6歯以上の先天性部分無歯症等に対する広範囲顎骨支持型埋入手術の適応を拡大するものでございます。
「7 静脈内鎮静法の評価の見直し」でございまして、静脈内鎮静法に対する評価を見直すということでございます。
「8 歯科麻酔管理料の新設」でございます。歯科診療における全身麻酔を行った場合に、一定の実績を有する歯科医師が麻酔管理を行った場合の評価を新設するということでございまして、歯科麻酔管理料を新設いたします。
「9 機械的歯面清掃処置の充実」でございます。具体的な内容といたしましては、医科の保険医療機関との連携に基づき、糖尿病患者に対する機械的歯面清掃処置の算定要件を見直すものでございます。
「10 CAD/CAM冠の対象拡大」でございます。現行は下顎の第一大臼歯に認められていたものを、上顎も含めまして、CAD/CAM冠の適応を拡大するものでございます。
「11 手術用顕微鏡を用いた治療の評価」でございます。具体的な内容といたしましては、3根管以上の加圧根管充填におきまして、手術用顕微鏡を用いて治療した場合の評価を見直す。
根管内異物除去におきまして、手術用顕微鏡を用いて治療した場合の評価を新設するというものでございます。
「12 歯科診療における麻酔の算定に係る評価の見直し」でございます。今まで算定できなかった歯科の麻酔料ですけれども、歯科点数表第9部「手術」におきまして、歯科麻酔薬を使用した場合の算定方法を見直すというものでございます。
「13 歯科固有の技術の評価の見直し等」でございます。具体的な内容といたしましては、平成30年度以降、期中に導入されました区分C2(新機能・新技術)で保険適用された新規医療技術について、準用で行ってきておりましたが、それぞれの新設等を行うものでございます。
また、医療技術評価分科会における検討結果を踏まえ、新たに診療報酬上の評価を行うものでございます。
また、口腔疾患の重症化予防等、評価の見直しを行っていくものでございます。
以上です。
○田宮薬剤管理官
続きまして、269ページ「Ⅱ-10 薬局の地域におけるかかりつけ機能に応じた評価、薬局の対物業務から対人業務への構造的な転換を推進するための所要の評価の重点化と適正化、院内薬剤師業務の評価」に関連する事項でございます。
「○1 地域医療に貢献する薬局の評価」についてでございます。薬局の地域におけるかかりつけ機能に応じた適切な評価とする観点から、地域支援体制加算の実績要件や評価の見直しを行うということでございます。具体的には、調剤基本料1を算定している保険薬局に関しましては、現行の要件は3つございますけれども、5つの要件のうち4つ以上を満たすこと、ただし、1から3は必須とするということで要件を厳格化するというものでございます。
調剤基本料1以外を算定する薬局につきましては、地域医療に貢献する体制を有することを示す相当の実績として、9つの要件のうち8つ以上を満たすことという形で整理し、要件を一部合理化するというものでございます。
併せまして、薬局の地域におけるかかりつけ機能に応じた適切な評価とする観点から、地域支援体制加算の評価の見直しを行うというものでございます。
「○2 薬局における対人業務の評価の充実」でございます。対物業務から対人業務への構造的な転換を進めるため、内服薬の調剤料の評価を見直すとともに、対人業務に係る薬学管理料の評価を見直すということでございます。具体的な内容でございますが、1番目の外来患者への重複投薬等の解消に対する取組の評価につきましては、Ⅱ-1-○3で御説明したところでございます。
2番目のがん患者に対する薬学的管理等の評価につきましては、Ⅱ-7-1―○6で御説明いたしました。
3番目、服薬情報等提供料につきまして、医師の指示による分割調剤を実施する際に処方医に情報提供を行う場合、具体的な要件を定めた上で、分割回数で除した点数ではなく、通常の点数を算定できることとするということでございます。
4番目、喘息等の患者について、医師の求めなどに応じて、吸入薬の使用方法について文書での説明に加え、練習用吸入器を用いた実技指導を行い、その指導内容を医療機関に提供した場合の評価を新設するということで、薬剤服用歴管理指導料の中に吸入薬指導加算を新設するということでございます。
5番目、経管投薬が行われている患者が簡易懸濁法を開始する場合について、医師の求めなどに応じて薬局が必要な支援を行った場合について新たな評価を行うということで、経管投薬支援料を新設するということでございます。
6番目、地域において医療機関と薬局が連携してインスリン等の糖尿病治療薬の適正使用を推進する観点から、医師の求めなどに応じて、地域支援体制加算を届け出ている薬局が調剤後も副作用の有無の確認や服薬指導等を行い、その結果を医師に情報提供した場合について新たな評価を行うということでございまして、薬剤服用歴管理指導料の中に調剤後薬剤管理指導加算を新設するということでございます。
7番目、薬剤服用歴管理指導料につきまして、同一薬局の利用推進及び対物業務から対人業務への構造的な転換の観点から、幾つかの見直しを行うということでございます。
1つ目、薬剤服用歴管理指導料の点数が低くなる規定について、再度の来局の期間を原則6月以内から原則3月以内に短縮するとともに、対象を調剤基本料1以外にも拡大する。
2つ目、医療機関と薬局の連携による残薬への対応を推進する観点から、お薬手帳による医療機関への情報提供を推進する規定を要件に追加する。
3つ目、医療機関等から薬局への連絡を円滑に行うため、患者がふだん利用する薬局の名称をお薬手帳に記載するよう患者に促す規定を追加する。
4つ目、同一薬局の利用推進及び対物業務から対人業務への構造転換の観点から、評価を見直すということでございます。
8番目、対物業務から対人業務への構造的な転換を進めるため、内服薬の調剤料につきまして、7日分以下の場合及び8日分以上14日分以下の場合の点数を定額化するなど、評価を見直すということでございます。
「○3 調剤基本料の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、1点目、特定の医療機関からの処方箋の受付割合が著しく高く、かつ処方箋の受付回数が一定程度ある薬局につきまして、医薬品の備蓄の効率性や医療経済実態調査結果における損益率の状況等を踏まえ、調剤基本料2及び調剤基本料3の要件を見直し、対象を拡大する。
2点目、調剤基本料につきまして、同一患者から異なる医療機関の処方箋を同時にまとめて複数枚受け付けた場合、2回目以上の受付分については所定点数を減額する。
3点目、特別調剤基本料につきまして、特定の診療所との不動産取引等その他の特別な関係がある診療所の敷地内薬局を対象に追加する。さらに、特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合の基準を引き下げ、点数も引き下げる。
4点目、いわゆる同一敷地内薬局の調剤基本料につきまして、かかりつけ機能に係る基本的な業務を実施していない場合の要件を見直すということでございます。
「○4 病棟薬剤業務実施加算の評価の見直し」「○5 薬剤師の常勤配置に関する要件の緩和」につきましては、前回御議論いただいたところでございます。
「○6 入院時のポリファーマシー解消の推進」につきましては、Ⅳ-6―2で御説明いたします。
○森光医療課長
続きまして「Ⅱ-11 医療におけるICTの利活用」でございます。
「○1 情報通信機器を用いた診療に係る要件の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、オンライン診療料の実施要件について、事前の対面診療の期間を6か月から3か月に見直す。また、緊急時の対応について、患者が速やかに受診可能な医療機関で対面診療を行えるよう、あらかじめ患者に受診可能な医療機関を説明した上で診療計画に記載しておくこととする。また、オンライン診療料の対象疾患について、定期的に通院が必要な慢性頭痛患者を追加するという内容でございます。
また、オンライン医学管理料について、医学管理等の通則から、個別の医学管理料における情報通信機器を用いて行った場合の評価に見直すものでございまして、それぞれの医学管理料に情報通信機器を用いた場合というのをつくりまして、そちらに移すという改定の内容となっております。
「○2 情報通信機器を用いた診療のより柔軟な活用」でございます。具体的な内容でございますが、僻地、医療資源が少ない地域に属する保険医療機関において、やむを得ない事情により、二次医療圏内の他の保険医療機関の医師が初診からオンライン診療を行う場合について、オンライン診療料が算定可能となるよう見直すというものでございます。
また、僻地もしくは医療資源が少ない地域に属する保険医療機関または僻地医療拠点病院において、他の保険医療機関の医師が継続的な対面診療を行っている場合は、当該他の保険医療機関内でオンライン診療を行うことができるよう要件を見直す。
また、オンライン在宅管理料及び精神科オンライン在宅管理料について、事前の対面診療の期間を6か月から3か月に見直すとともに、連続する3か月の算定に係る要件を見直す。オンライン在宅管理料について、月2回以上の訪問診療を行った場合についても算定可能となるよう見直す。また、複数の医師がチームで診療を行う場合について、事前の対面診療に係る要件を見直すという提案となっております。
「○3 かかりつけ医と連携した遠隔医療の評価」でございます。基本的な考え方にありますように、希少性の高い疾患等、専門性の観点から近隣の医療機関では診断が困難な疾患に対して、かかりつけ医の下で、事前の十分な情報共有の上で遠隔地の医師が情報通信機器を用いた診療を行う場合について新たな評価を行うものでございます。具体的には、そこにありますように、遠隔連携診療料を新設するものでございます。
「○4 情報通信機器を用いた遠隔モニタリングの評価」でございます。具体的な内容でございますが、在宅酸素療法指導管理料の遠隔モニタリング加算について、モニタリングを行う項目の一部を見直すものでございます。在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の遠隔モニタリング加算について、モニタリングを行った上で、療養上必要な指導を行った場合または患者の状態等を踏まえた医学的判断について診療録に記載した場合に算定できるよう見直すものでございます。また、これらの加算における緊急時の対応に係る施設基準を見直すものでございます。
「○5 情報通信機器を用いた服薬指導の評価」でございます。具体的な内容でございますが、1番目、外来患者に対する情報通信機器を用いた服薬指導について、薬剤服用歴管理指導料として評価を新設するというもので「薬剤服用歴管理指導料4 オンライン服薬指導を行った場合」を新設するという内容でございます。
2番目、在宅患者に対するオンライン服薬指導の評価を新設いたします。「在宅患者訪問薬剤管理指導料 在宅患者オンライン服薬指導料」の項目を新設するという御提案です。
「○6 ニコチン依存症管理料の見直し」でございます。具体的には、1番目、ニコチン依存症管理料について、2回目から4回目に情報通信機器を用いた診療に係る評価を新設する。
2番目、初回から5回目までの一連のニコチン依存症治療に係る評価を新設する。
3番目、ニコチン依存症管理料について、加熱式たばこの喫煙者も対象となるよう要件の見直しを行うものでございます。
次は、439ページに飛んでいただければと思います。「4-1 後発医薬品やバイオ後続品の使用促進」です
「○1 薬局における後発医薬品の使用促進」でございます。具体的な内容といたしましては、1番目、後発医薬品調剤体制加算について、調剤数量割合の高い加算に重点を置いた評価とする。
2番目に、後発医薬品の調剤数量割合が著しく低い薬局(現行基準では20%以下)に対する調剤基本料の減算規定について、当該割合の基準を拡大するものでございます。
「○2 医療機関における後発医薬品の使用促進」でございます。具体的な内容といたしまして、後発医薬品使用体制加算について、加算4を廃止するとともに、使用数量割合の高い医療機関に対する評価を充実させるものでございます。
「○3 バイオ後続品に係る情報提供の評価」でございます。具体的には、在宅自己注射指導管理料について、バイオ後続品に関する情報を患者に提供した上で、当該患者の同意を得てバイオ後続品を導入した場合の評価を新設するものでございます。
続きまして「Ⅳ-2 費用対効果評価制度の活用」でございます。
「1 費用対効果評価制度の活用」でございます。現在、6品目について評価検討を行っておりまして、今後、体制等の充実を図るとともに、事例を集積し、制度の在り方や活用方法について検討するものでございます。
続きまして「Ⅳ-6 医師・院内薬剤師と薬局薬剤師の協働の取組による医薬品の適正使用の推進」でございます。
「○2 入院時のポリファーマシー解消の推進」でございます。具体的には、薬剤総合評価調整加算について、現在は2種類以上の内服薬の減薬が行われた場合を評価していますが、これを見直しまして、処方の総合的な評価及び調整の取組と、減薬に至った場合に分けた段階的な報酬体系とする内容でございます。
また、入院前の処方薬の内容に変更、中止等の見直しがあった場合について、退院時に見直しの理由や見直し後の患者の状態等を記載した文書を薬局に対して情報提供を行った場合について、退院時薬剤情報管理指導料の加算を新設するものでございます。
「○3 調剤料等の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、医療機関における外来患者に対する調剤料、処方箋料の一般名処方加算及び調剤技術基本料を見直すものでございます。
続きまして「4-7 医薬品、医療機器、検査等の適正な評価」でございます。
「1 高度な医療機器の効率的な利用の推進」でございまして、共同利用を推進するということで、ポジトロン断層撮影を目的に、入院中の患者の他医療機関受診時の入院料の減額について取扱いを緩和するものでございます。
「2 小児頭部外傷の際のCT撮影に係る新生児、乳幼児、幼児加算の要件の見直し」でございます。具体的な内容といたしまして、小児頭部外傷患者に対して頭部CTを撮影した場合の加算を新設するものでございます。また、加算の要件といたしまして、ガイドラインに沿った撮影を行うこととし、その医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載することを求めるものでございます。
「3 超音波検査(胸腹部)の評価の見直し」でございます。具体的な内容でございますが、超音波検査のうち胸腹部等の断層撮影法を算定する際、検査を実施した臓器や領域について、診療報酬明細書の摘要欄に記載を求めるものでございます。
「4 超音波検査の評価(要件)の見直し」でございます。基本的には、超音波検査について画像を診療録に添付し、かつ当該検査で得られた所見等を報告書または診療録へ記載した場合に算定できることとするものでございます。
「5 超音波検査におけるパルスドプラ加算の評価の見直し」でございます。具体的には、超音波検査におけるパルスドプラ法加算の評価を見直すものでございます。
「6 訪問診療時の超音波検査の新設」でございます。超音波検査を訪問診療時に行った場合という項目を新設するものでございます。
「7 悪性腫瘍遺伝子検査の適正な評価」でございます。具体的な内容でございますが、1番目、悪性腫瘍の遺伝子検査について、個別の遺伝子検査ごとではなく、臨床的な位置づけや検査技術に応じて類型化した評価体系とし、同一がん種に対して同時に複数の遺伝子検査を実施する場合には、検査の項目数に応じた評価とする。
2番目、同一がん種に対して同時に実施する可能性がある遺伝子検査の項目数が増加していることを踏まえ、複数遺伝子検査に係る運用について、項目数を充実させるものでございます。
「8 局所陰圧閉鎖処置に係る評価の見直し」でございます。局所陰圧閉鎖処置は、現在、毎日算定できるところを、陰圧維持管理装置として単回使用の機器を使用した場合は、特定保険医療材料の局所陰圧閉鎖処置用材料を算定した日に限り、週3回まで算定可能とする。なお、従前どおり、特定保険医療材料「陰圧創傷治療用カートリッジ」は算定できないというものでございます。
「9 網膜中心血管圧測定に係る評価の廃止」でございます。
「10 人工腎臓の評価の見直し」でございまして、エリスロポエチン製剤のバイオ後続品等の実勢価格やHIF-PHD阻害薬の有効性及び使用方法等を踏まえ、人工腎臓に係る評価について、HIF-PHD阻害薬の使用を含め評価を見直すものでございます。
「11 バスキュラーアクセスに係る処置の評価の適正化」でございます。具体的な内容でございますが、1番目、内シャント設置術の評価を見直す。また、外シャント設置術に関する診療報酬上の評価を廃止するものでございます。
2番目に、経皮的シャント拡張術・血栓除去術の評価を見直す。また、シャントの狭窄・閉塞を繰り返す透析患者は一定程度存在し、より臨床実態に即した評価を行う必要があることから、一定の要件を満たす場合には経皮的シャント拡張術・血栓除去術を算定してから3か月以内に実施した場合であっても、2回目の算定を可能とするというものでございます。
「13 吸着式血液浄化法の評価の見直し」でございます。具体的な内容にありますとおり、吸着式血液浄化法は、グラム陰性桿菌感染症による敗血症性ショックにおいてエンドトキシンの吸着を行うことを治療目的としているという観点から、敗血症性ショックの診断基準を満たすことや、細菌培養同定検査においてグラム陰性桿菌の感染が確認されていること等を診療報酬明細書の摘要欄に記載することを算定要件に追加するものでございます。
「14 下肢静脈瘤に係る手術の評価の適正化」でございます。大伏在静脈抜去術及び下肢静脈瘤血管内焼灼術の評価を見直すものでございます。
「15 膵全摘後の患者に対する血糖管理の充実」でございます。血糖自己測定器加算について、月90回以上測定する場合及び月120回以上測定する場合の対象患者に、膵全摘後の患者を追加するものでございます。
「16 実勢価格等を踏まえた検体検査の適正な評価」ということで、検体検査の実施料につきまして、実態を踏まえ、見直しを行うものでございます。基本的には、料金調査による実勢価格等を踏まえ評価を見直すとともに、臨床的有用性がなくなった検査等について評価を廃止するものでございます。
「17 義肢装具の提供に係る評価の見直し」ということで、具体的な内容として、現行の採寸法及び採型法について、義肢、練習用仮義足または仮義手、治療用装具に分類し、対象とする装具を踏まえた項目の見直しを行うものでございます。
「18 市場が拡大した場合の評価の見直し」ということで、基本的には、医療機器や検査等において、適応追加等により市場が拡大する場合があり、これによって財政影響が無視できない範囲に及ぶこともあり得ることから、市場が著しく拡大した場合には評価を見直す仕組みを設けるものでございます。具体的な内容にありますとおり、遺伝子検査等については、将来的な市場の拡大が想定されることから、収載時の市場規模予測の2倍以上という基準を設定するものでございます。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
長い説明が続きましたので、一旦休息をとってから議論に入ってまいりたいと存じます。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局でございます。10分程度の後に再開とさせていただきます。
 
(休 憩)
 
○田辺会長
それでは、再開いたします。
ただいまの説明につきまして、2つの項目に区切って議論したいと存じます。
最初は、2-1から2-7-7、ページ数でいいますと229ページまででございますけれども、この項目に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
64ページの「機能強化加算の見直し」については今回の改定において、かかりつけ医機能を適正に普及させるためという観点からも、支払側としても非常に重要視しておりました。
これはほかの体制加算と違って、自分のかかりつけ医を判断していく、見つけていくという観点から、その機能について、この医療機関はあなたにとってかかりつけ医機能を持っていますよということを事前に説明していただきたいということは、譲れないというスタンスで議論を行ってまいりました。
ただし、2号側の意見や、医療機関に過度な負担をかけるということも理解できます。我々もいたずらに医療機関に過度な負担をかけるということは意図するところではないので、何とか着地点を見いだしたいということで検討を行ってまいりました。
そこで、今回、新たな提案がされたわけですが、1点は、医療機能情報提供制度を利用してかかりつけ医機能を有する医療機関が検索できるということ、それから、院内の見えやすい場所に文書を設置するという要件が追加されたというところで、何とかこれで着地点を見いだせないかということで改めて我々の中で議論したのですが、これで着地点とするのであれば、最低限やっていただきたいということをこれから申し上げたいと思います。
まず、1点目の提案であります医療機能情報提供制度は、かかりつけ医機能を有する医療機関が検索できるということですが、私も実際に今の各都道府県の医療機能情報提供制度を見てみたのですが、必ずしも整備されていない状況にあるということが言えると思います。
医療機能情報は、各医療機関の管理者が都道府県に自分の持っている医療情報を提供して、都道府県がこれを集約して、住民にインターネットで分かりやすく説明する、ホームページ上で公開するという仕組みなのですが、私も全ての都道府県のホームページを見たわけではないのですが、東京都や愛知県など5か所見てみたのですが、様々な様式があって確かに使いやすい。
自分の近くにどんな医療機関があって、どんな診療科があってというのは見えるのですが、かかりつけ医機能を持っているところについては、なかなか整備されていなくて、東京都のホームページを見てみますと、この制度の中に「かかりつけ医」というバナーはあるのです。このバナーをクリックしてみると、かかりつけ医というものがどんなものかという説明はあるのですが、そこに出てくる言葉は「かかりつけ医は登録されていません」という表示が出てきて、それで終わってしまうわけなのです。だから、そういったものがまだ十分に整備されていない。
また東京都のホームページで見てみたのですが、どれだけの医療機関が東京都に情報を公開しているかというと、その数値は平成28年度でちょっと前なのですが、80%ぐらいしか情報を提供していなくて、2割は情報提供していない。これは義務化されているのですけれども、罰則規定がないということで、2割は情報すら東京都に提供していない。
各県によって差はあると思うのですが、そういう状態があるので、もしこの要件を追加するのであれば、少なくともかかりつけ医がどんなところにあって、どんな機能を持っているかぐらいは住民に分かるようなところまで整備しないと、こういった検索ができますよという要件を追加しても、これは全く実効性のないものになるので、これはぜひ整備していただきたい。
今、医療情報の在り方に関する検討会でこれを整備されようということが検討されているということで、そのホームページを見てみたのですけれども、計画では、今年度中に仕様・様式を取りまとめて、これを全国統一のシステムにするのは2年後の2022年と聞いております。
2年後に整備されるということなのですけれども、もしこの要件を追加するのであれば、来年4月に施行されるまでにこれをどういう状態まで整備しておくのかといったことをはっきりとさせていただきたい。少なくとも自分の地域にあるかかりつけ医はどんな医療機関があるのかということが分かるぐらいのホームページにしないと、こういう要件を追加しても実効性はないのではないかと思いますので、まず、その辺についての事務局のお考えをお聞きしたいと思います。
もう一つは、追加された院内掲示の内容を書面にして院内の見えやすい場所に置いておくということ、もしこれを実効性のあるものにするのであれば、この文書については、自らの医療機関で作っていただきたいというところであります。
院内掲示を書面にしたものを患者が持ち帰る形で、見えやすいところに置くということであるのですけれども、事務的に院内掲示の内容をそのまま文書にして、24時間・休日も対応しますよということだけを文書にしても、患者には響かないと思います。
事務連絡のような形で文書を作っても、患者は持って帰りもしないし、興味も示さないと思うので、医療機関が自らの言葉で、自分の医療機関はこんなかかりつけ医機能を持っていますよということを語っていただいて、ある程度患者にアピールするような形の文書を作っていただきたい。これは最低条件だと思います。
この機能強化加算を取っているところ、かかりつけ医機能を持っているところは、地域包括診療加算とか小児かかりつけ診療料、あるいは在宅を行っているとか、それぞれの特徴を持つかかりつけ医機能を持っているところなので、みんな一緒ではないと思います。それぞれの医療機関によって、かかりつけ医機能は違ったものだと思っているので、自らのかかりつけ医機能をちゃんと説明して、それで患者さんに判断してもらうという形をとらないと、単に院内掲示の説明文書を置いておくだけでは、これは全く意味がないと思うので、自らの言葉で作成していただきたいと思います。
例えば、患者に語りかけるような形で、夜間・休日に急病になった場合、容体が悪くなった場合は、当該医療機関はこんな対応をしますよとか、あるいは医療機関に来ることが困難な場合は訪問診療もできますよとか、あるいはお子様の様々な症状の相談に乗りますよとか、そういったことを書いていただきたい。
これからは高齢化が進みますので、介護の方がかかりつけ医を決めることになろうかと思います。しかも、この機能強化加算を取っているところは、在医総管を取っておられる診療所が多いと伺っています。これからは医療と介護の連携というのが非常に重要になってくる中で、もし介護が必要になった方には、当該医療機関はこんな対応をいたしますよとか、介護施設を紹介しますよとか、訪問して介護との連携を行うことができる医療機関ですということを文書で示せれば、これは高齢者にとって非常にありがたい情報になると思います。
そういう文書こそ実効性のある文書となりますので、単なる説明文書ではなくて、自分の医療機関のかかりつけ医機能をアピールするような、そして、患者が判断できるような文書を院内の見えやすいところに置くということで着地点にしたいと思いますが、この2点目については、事務局も同様の考えでいいかというところについて、お伺いしたいと思います。
以上2点について、事務局の見解をお伺いします。
○田辺会長
では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
まず、1点目でございます。医療情報提供機能制度につきましては、本年度に、かかりつけ医機能について、それぞれの県のホームページの情報に追加するようにということで、現在、県によって準備中のところもあれば、もう既に入れているというところもあって、そこの準備状況については、医政局も通じて、速やかに各都道府県が検索できるようにしてもらうように申入れしていきたいと思っています。
2022年の話は、今、各県ではなくて全国統一のシステムに移行するということで検討が進められているということで、現在の状況は、各県がまずあります。そこにかかりつけ医機能の検索機能を追加することが今年度中に求められているという状況でございます。これを速やかに各県が対応できるよう、これを後押しできるよう、また担当の部局にしっかり申入れをしていきたいと思っております。
第2点目の話でございますけれども、おっしゃることは、かかりつけ医機能を患者さんに分かりやすくという点をお話しされていると思います。基本的には、実際の地域等によっていろいろ表現が変わるということも当然あるかと思います。
必ずその医療機関かどうかというのはあるのですが、地域によって、患者さんにとって分かりやすい表現が若干変わるということもあると思います。何とか制度というのが、各市町村等によって新たに違う名称になることもあると思いますので、そういう意味で、地域の医療の状況ですとか、それから、地域における役割という意味が分かりやすい表現となるようにということは考えております。
ただ、必ず医療機関が作らなければいけないというところを求めるということではなくて、患者さんの視点で、患者さんがその地域に住まわれていて、かかりつけ医の役割はどういうものを持っているのかということが分かりやすいようにしていただくことは求めたいと思っておるところでございます。
○田辺会長
では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
この機能強化加算はこれまでもいろいろ議論してまいりましたけれども、もともとは体制に対する加算だということなので、私ども診療側としては、掲示で十分だという主張は変わっておりません。
しかしながら、こういった協議会でも会議でも、最終的には合意形成を得なければならない場ということはありますので、そういった意味では、この案のとおりに賛成したいと思います。
幸野さんは非常に熱く語っていただきましたが、ぜひその思いを健保連ニュースとか、そういったものを使ってまた表現していただいて、前の健保連ニュースを拝見しますと、事前に説明もしないで機能強化加算を取っている医療機関があって、けしからんというような内容でアナウンスしておりましたけれども、そういうことではなくて、今、幸野さんが言ったようなことを被保険者に分かりやすく伝えていただくように私からもお願いしたいと思いますし、医療機関もできる限りかかりつけ医の普及に頑張ってまいりますので、御理解をいただきたいと思います。
○田辺会長
では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
私のほうからは、医療機能情報提供制度のことに関して一言申し上げたいと思っています。
これは、国民や患者さんがきちんと医療機関の情報を受け取ることができるという非常に重要な制度と思います。東京の例を挙げていただいて、8割ぐらいということですが、正直言って、自分のことも考えて、毎年これを入れ直すのですけれども、日常の忙しい中で入れ忘れたりすることも確かにあって、そうすると、コール、リコールで必ず東京都のほうから、先生のところはまだこれが入っていませんから入れ直してくださいという通知が来る。
ある時点でそれが更新されていないということで8割になっているのか、最終的に8割にしかなっていないのか、私もよく分からないのですけれども、医療機関側とすれば、できるだけきちんと入れていくということが大事だという意味で、まさしく御指摘のとおりだと思っているところです。
ただ、申し上げたいのは、かかりつけ医の機能というのは、日本医師会と四病協で定義させていただいた、つまり、相談に乗るとか、在宅医療をするとかということはあるのですけれども、それは個々の項目の中に入っているのです。だから、相談ができるかどうかとか、訪問診療をしているかどうかとか、そういう項目にチェックを入れていく形になっている。つまり、現状では、全体としてかかりつけ医かどうかというものを入れるところはない。
その際に、もしかかりつけ医というものを入れていくのであれば、注意していただかなければいけないのは、ここでも申し上げましたが、診療報酬でかかりつけ医というものを算定できるということと、要件を満たせないけれども、かかりつけ医機能を発揮している医療機関はあるという、そこを一緒にしないでいただきたいということなのです。
これは社会保障審議会の医療部会の中でも、診療報酬のかかりつけ医の話と提供体制のかかりつけ医の話を一緒にしないようにという意見も出ています。したがって、保険局から医政局に、かかりつけ医の項目を入れてもらうところには、きちんと診療報酬上の施設要件、算定要件を満たしたかかりつけ医機能を発揮しているところということを明確に書いていただかないと、日本中で本当に一人で頑張っている先生方のかかりつけ医というものを否定することになるので、そのことだけはよく御理解いただきたいと思います。
○田辺会長
では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
今のかかりつけ機能強化加算の見直しについて、今、幸野委員も言いましたように、患者がかかりつけ医機能をしっかりと理解し、正しく活用できるように、書面という落ち着きになりましたが、内容を分かりやすく工夫していただくなり、現場の医療機関において、丁寧かつ真摯に御対応いただく。これは重ねてお願いしておきたいと思います。そのような書面を参考に、我々保険者も、それぞれの地域によって、書面内容を参考にして加入者への周知も図っていきたいと思っています。
今、今村先生からもありましたが、今回の改定では、機能強化加算の情報提供に関わる体制面の要件の在り方、診療報酬上の在り方にフォーカスした議論をしてまいりました。しかしながら、本質的には患者・国民のかかりつけ医、かかりつけ機能を具備した医療機関に対する理解が進んで、かかりつけ医との信頼関係が醸成できて、気軽に相談できる安心感を与えるような医療提供体制が構築されて、一般的な外来受診はかかりつけ医に相談するということを基本とした受診行動につなげていく。これが大事なことだと思っています。
そういう意味では、日本医師会の先生方が整理していただいていますが、日常的な医学管理と重症化予防、専門医療機関との連携、在宅療養支援・介護との連携、このような3点のかかりつけ機能の役割、外来の機能分化について、より分かりやすく明確化し、さらに、周知・啓発する必要があると考えております。
関係各所の審議会と検討会で色々御議論いただいていますが、いま一度かかりつけ医機能の強化、かかりつけ機能と外来機能の分化について明確化して、再確認していくことが必要と思いますし、かかりつけ機能に対する診療報酬上の対応の在り方、患者・国民へ周知・啓蒙していく在り方を検討していくことが本来の手順であると考えております。事務局におかれては、次回改定に向けて関係他部局とも連携をしていただいて、かかりつけ医機能、かかりつけ医の強化、外来機能の分化、この辺を明確にして、さらには、診療報酬上それをどのように評価するか、その在り方について検討していただきたいと思います。
○田辺会長
ほかはいかがでございましょう。
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
まず、医療課長がおっしゃったホームページを整備していくということについては、了解いたしました。特にかかりつけ医を必要とする高齢者にも分かりやすいように、今村先生がおっしゃったように、診療報酬上でこんな加算が取られていますよということを言われても、かかりつけ医なのかどうかというのは非常に分かりにくいと思うので、かかりつけ医機能を持っていることが分かるようなホームページ上の設計をしていただきたくて、機能強化加算を算定しているとか、そういったことをやっても患者には響かないので、そういった設計をぜひ検討会でお願いしたいと思います。
それから、松本先生が御指摘の医療機関のかかり方や、医療費を意識した受療行動というのは、まさに保険者の責務でありますので、これは改定後にしっかりとやっていって、これから4月以降は、かかりつけ医機能を持った診療所にはこういった文書が置かれているはずですということも保険者全体で周知していくつもりであります。
ただ、どういった文書が作られるかについては、やはり病院の質も問われてくるところだと思います。本当に院内掲示の内容を文書で羅列して終わりというところもあるでしょうし、自分のところはこんなかかりつけ医機能を持っていて、あなたにとってこんなメリットがありますということを、高齢者にも分かりやすく、地域の中でこんな診療を提供しているのですという丁寧な説明を文書にしていただくことを期待するとともに、患者のほうにはどんな文書が作られているのかということについても、保険者として追跡調査をしていきたいと思います。
以上です。
○田辺会長
では、城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
院内掲示を各医療機関の特色を持ってというお話なのですけれども、先ほどから今村先生、松本先生もおっしゃっておられたように、これはあくまで診療報酬上のかかりつけ医機能という算定要件を明示しているということですので、その要件として、例えば、地域包括診療加算とかも要件としては決まっているわけです。
ですから、これがあるとか、これがないとかではなくて、その要件が満たせなければ、そもそもが地域包括診療加算等が取れないわけですので、全てを満たしているということになると、先ほど課長からお話がございましたように、結局は同じような文章をせめて患者さんに分かりやすく記載せざるを得ない。
我々は特にそこでこれが特徴ですよとかいうことというのは、逆に言うと、広告の誘導等の規制にかかる可能性もあるわけですから、そういう意味からも、一定程度テンプレート的な内容のお知らせ的な文書にならざるを得ないと私は思いますけれども、いかがですか。
○田辺会長
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
先ほども申し上げたのですが、これは算定要件になっています地域包括診療加算や小児かかりつけ医診療料、在医総管を取っているという要件があって、機能強化加算を算定している施設のうち、在医総管を取っているところが最も多かったというデータが出たかと思うのですけれども、医療機関はそれぞれのかかりつけ医の特徴を持ってかかりつけ医としての機能強化加算を取っているので、在宅をやっているというところは、うちの医療機関は、もし在宅に行った場合はちゃんと在宅であなたを診ますよということを文書で言っていただくだろうし、小児のかかりつけで取っているところは、小児の全人的な診療をしますよと。予防医療を含めて診ますよと。予防接種もしますよということを強調されるでしょうし、やはり医療機関によって違うと思うのです。ですから、同じフォーマットにはならないと思うので、それぞれの医療機関で自ら特徴を示していただきたいというのが、いわゆる患者の目線で文書を作っていただきたいということを要望しているところです。
○田辺会長
では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
繰り返しになりますが、今、在医総管とか、地域包括診療加算とか、診療料も含めてですけれども、これは本当に決して低いハードルではないのです。これはちゃんと厚生局に届け出をして、きちんと審査の上で受理されるということになっております。
この内容につきましては、非常に多岐にわたっております。それを全て一つ一つを分かる形で説明するというのは非常に困難な話であって、これは先ほど来申し上げているとおり、厚労省を中心として、少しずつ患者さんに説明はしなければいけないと思いますけれども、その一つ一つの説明は保険者の責務でもあるわけですし、診療側のみでそこを全部細かく浸透させるのは非常に難しい話だと思います。
今回、もうこれ以上の議論はどうかと思いますけれども、私ども診療科としては、この御提案の内容で了承するという形にさせていただきたいと思います。
○田辺会長
では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
ありがとうございます。
先ほど吉森委員のおっしゃったことも非常に重要だなと思っておりますけれども、厚労省の中のそれぞれの局の役割ということで、今、医政局のほうでもまさしく医療機能の機能分化とかかりつけ医の機能強化と、かかりつけ医というものを改めて、日本医師会で四病協の定義とはまた別にもう少し議論を深めようという話もありますので、そういったところで改めていろいろな話が出てくるのかなと。
それを受けた上で、では、診療報酬上でそういった仕組みをどのようにして支援していくのかという話になっていくと思うので、どうもやりとりを聞いていると、先に診療報酬のお話が先行して、かかりつけ医というものを広げていくのだということになって、日本医師会はできるだけ全ての国民にかかりつけ医を持っていただきたいということで今までも活動していますので、そういう理念については、まさしく賛同するものですけれども、しかしながら、先ほどのような診療報酬の話が先行すると、正直、議論が難しくなってしまうのかなと思っております。
もう既にそんなに遠くない時期に医政局の中でそういう議論を始めるという話になっておりますので、かかりつけ医というものがある程度はっきりしたら、そういったものを次回の改定でしっかりと診療報酬上で支援していただくという方向で議論を進めていただければいいのではないかなと思っております。
○田辺会長
では、宮近委員、お願いいたします。
○宮近委員
患者目線からの意見を申し上げたいと思います。
かかりつけ医機能は、地域の医療提供体制を整備していく上で必須、肝となる機能であると思います。これまでの論議は、加算とリンクして、その要件の問題として取り上げられているわけですけれども、要件の論議を超えて、かかりつけ医機能が着実に発揮されるように周知・告知活動を行っていく必要があろうと思います。
当然、保険者、自治体、国を含めて、かかりつけ医を持つことの重要性について周知していく、そういった地道な活動が必要と思うのですけれども、病気になって医療機関に行ったタイミングで周知されるというのはとても意義のあることだろうと思います。
先日の公聴会で、ある発表者が、特定健診に関連して、医療機関でお医者さんが一言口添えしていただけるだけで、その効果で受診率は上がってくるのですというようなニュアンスの話があったと思います。やはり医療機関での周知活動というのは大変意義があるのだろうと思います。
患者サイドとしては、医療機関においてできるだけ丁寧な掲示等、あるいは書面の準備をお願いして、かかりつけ医機能が着実に普及していくようにぜひお願いしたいと思います。
以上、意見です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでございましょう。
では、島委員、よろしくお願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
幾つか意見と、それから、確認をしたいと思います。
まず、101ページの「治療と仕事の両立に向けた支援の充実」ということで、対象の疾患が広がったこと、それから、今まで産業医だけが相手だったところに、いろいろな職種の方たちが情報提供を受ける側に立つということで、現行はあまり算定されていないという状況から、このように内容が変わると、随分患者さんのためになっていく制度になるのではなかろうかと思っておりますので、これを見守っていきたいというのが意見でございます。
129ページのがんゲノムのところですが、施設基準の(4)のところですけれども、これに関しては、がんゲノム医療の中核病院と拠点病院と、そして、今あります制度の連携病院ということでよろしいのでしょうか。これはちょっと確認したい。
それから、170ページの「児童思春期の精神疾患等に対する支援の充実」のロのところに、今回、公認心理師が対応するということが含まれておりまして、現行、精神領域でもここを専門にしている先生方が少ないということもありますし、現場の状況を考えると、こういう公認心理師の活用というのは非常にすばらしいと思います。これは意見でございます。
もう一つ、198ページの「救急医療管理加算の見直し」でございますが、今回はいろいろ文言を変えたり、非常に内容はよくなってきていると思いますが、さらにここのところを充実させていくために、データを集積していくということがどうしても必要になってくるだろうと思いますが、その辺に関してはどうお考えかということを確認したいなと思います。
以上でございます。
○田辺会長
では、お願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
まず、遺伝性乳がん卵巣がん症候群につきましての御質問でございますけれども、御指摘のとおりで、そういった認識でございます。
○田辺会長
では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
救急管理加算の関係でございますけれども、今回の見直しについては、中医協の議論を経まして、しっかりとした状態像をつかむために必要なデータを集積していくということが必要だということで、今回、見直しをさせていただきます。
また、併せて、今、これには届け出を求めておりませんけれども、救急管理加算に関しては、届け出も併せて求めることによって、さらに手厚いデータがしっかり集まるような形をとらせていただきたいと考えておるところでございます。
○島委員
分かりました。
○田辺会長
ほかはいかがでございましょう。
では、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
70ページの「明細書発行の推進」のところでございますが、今回、一定の前進があったことについては、評価したいと考えております。
しかし、我々が求めているのは、患者への医療情報提供を保証するため、全ての保険医療機関に対し、患者の自己負担の有無を問わず、システム改修が必要な場合などの例外なく、明細書の無償発行を義務化することであり、また、全ての医療機関において、電子カルテ及びレセプト電算処理システムの導入を推進すべきと考えております。再度考え方を述べさせていただきます。
以上です。
○田辺会長
では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
207ページの「歯科外来診療における院内感染防止対策の推進」について、今回、新たに施設基準として、院内感染防止対策に関わる職員研修を行っていることを追加して、院内の体制を充実ということで点数を上乗せ・見直しすることと思いますが、207ページの(5)にある「職員研修を行っていること」という記載で果たして体制充実がされるかどうかは甚だ心もとないと思います。
細かくて申し訳ないのですが、例えば、歯科医師会が実施する研修を受講した歯科医師が実施するとか、研修の実施頻度などを要件にすることも考えられると思います。そうした対応を前提としてお書きになっているのか、その辺の書きぶりの背景を教えていただければと思います。
○田辺会長
では、歯科医療管理官、お願いいたします。
○小椋歯科医療管理官
今、こちらのほうで考えておりますのは、年に1回報告していただくということを考えておりまして、その報告の内容の詳細につきましては、今、検討中という形でございます。
○吉森委員
実効性を担保して、院内体制が充実できるような形にぜひしていただきたいと思います。
○田辺会長
ほかはいかがでございましょう。
では、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
61ページの対物業務から対人業務への転換を進める観点から評価を見直すというところですが、これはかかりつけ薬剤師包括管理料というのを新設するという話ですけれども、ここの中で、会話が聞こえないようなパーテーション等で区切られた独立したカウンター、隔てられたカウンターを有するなどということになっていますが、これはどれぐらいの基準というか、もう既に何か考えているものがあるのかということを聞きたいのと、聞こえるかどうかというのは意外と人によるのかなと思いますし、患者にとっては、実際に配慮が実感できるようなものを実現していただきたいと、そういう施設にしていただきたいと思っております。
64ページの機能強化加算についてですが、これは先ほどから議論もありますけれども、患者が、自分がかかる医療機関にどんな機能があって、自分にとってどんなメリットが期待できるのかというのを理解するということは、やはり大切だと思うのです。これはやはり画一的な文書ではなくて、医療機関ごとにより分かりやすい文書というのを考えていただきたいと思います。
かかりつけ機能というか、かかりつけ医に求めることということで、自分の病気の治療という意味で、医療機関を紹介してもらえるとか、そういうことはあるわけで、それらについて、提携というか、紹介できる医療機関の情報ですとか、そういうものはやはり医療機関によって当然違うので、そういった情報なども含めて、患者に提供していただけると非常にありがたいなと思います。
70ページの診療明細書についてですが、これは前からずっと言ってきていますけれども、診療明細書というのは自分が受けた医療の記録になるわけであって、これは患者の求めに応じてという受け身のものではなくて、本来であれば、ぜひこれを持ち帰って捨てずに保管してもらいたいと、何か役に立つことがあるかもしれませんよということをきちんと言うような積極性が求められるのではないかなと思います。
また、患者教育の一環として、診療明細書の内容を理解できるような情報、例えば、ホームページなどで診療明細書の文言について解説するようなものがあって、患者が簡単に調べられるような情報提供の体制の整備をしていただきたいと思っています。
それから、これは質問ですけれども、2のほうの2年間の経過期間の間というのは、一部負担金の支払いがない患者からの求めがあった場合は、手書きで明細書を発行するという理解でよろしいでしょうか。
最後ですけれども、経過期間については、きっちり守っていただきたいと思います。
以上です。
○田辺会長
2点ほど御質問がございましたので、まず、薬剤管理官からお願いいたします。
○田宮薬剤管理官
間宮委員から、かかりつけ薬剤指導料について御質問があったかと思います。かかりつけ薬剤師包括管理料というのは、既に設定されている点数でございまして、今回、新たに作るというものではなくて、評価を見直すということでございます。
御質問の施設基準のプライバシーに配慮することというのが、具体的にどういうことなのかということでございますが、実はこの規定につきましては、既に地域支援体制加算の要件の中でも用いている考え方でございます。具体的にどのようなケースが該当する通知等で示しており、例えば、複数のカウンターがある場合に、両サイドをパーテーションで区切るようなこととか、あるいはカウンターと待合室との距離が短い場合は十分な距離を確保することとか、そのようなやりとりが聞こえないような形の対応については様々な方法がございますので、そういったことも含めて周知をしているところでございます。御指摘を踏まえて、改めてそういった点に留意するような形で通知等を発出したいと考えます。
○田辺会長
では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
70ページの明細書発行の点での御質問でございますけれども、2のほうでございます。一部負担金の支払いがない患者に対応した機能がコンピューターのほうにないということですので、大概の場合は手書きになるかと思います。
○田辺会長
では、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
先ほどあった薬局のプライバシーの配慮でありますけれども、当然、診療報酬とか調剤報酬にとらわれず、今、薬局ビジョンに従って薬局の改革をしているところであります。そういった中にも、当然、健康サポート薬局も含めて、薬局というのは様々な薬を持ってこられる方もいらっしゃいますし、介護の相談であったり、一般用の医薬品の相談であったり、様々な患者さんとのやりとりがありますので、そういった観点からも、昨今は情報をきちんと管理しなければいけないということもありますし、プライバシーの配慮というのは今までよりも特段強く求められています。
機能がたくさんそろえばそろう薬局ほど、その辺について十分に留意して進めているということなので、別に部屋を用意してあったり、カウンターを仕切ってあったり、あるいはお互いの会話が聞こえないように音声を出す装置があります。待合室のほかの人に声が漏れないような形のきちんとした配慮を、そこの薬局の構造でできる範囲の中でしっかりやっておりますし、ある程度ビジョンに従って薬局を改革していく中で、中の改装等も含めて、そういったものを作っていくように進めていると御理解いただければと思います。
○田辺会長
では、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
様々な取組をしていただいているというお話だったのですけれども、私が行っている薬局では、場所があってもそういう対応をしていないところも結構ありますので、そういう意味では、もっと推進できるように関係者の皆さんで進めていっていただけたらと思います。
以上です。
○田辺会長
では、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
薬局でせっかくあるのに使わないということですか。そういう設備があっても、そういう配慮がされていないということでしょうか。
○間宮委員
そうではなくて、もともと狭いところもありますが、広いところ、例えば、これは実際に行っているところですけれども、薬局というのは前は割といろいろなものを売っていましたが、それを売らなくなって、どんどんスペースだけは広くなるのですけれども、パーテーションとか仕切りとか、別の部屋とかは特に用意されていないなというところが見えますので、せっかくそういうスペースがあるのだったら、積極的にそういう設備を作るということを推進していっていただきたいというお願いであります。
○有澤委員
分かりました。
薬局の立地だとか面積にもよるのでしょうけれども、地域住民にしっかりとした薬局の機能のサービスを提供していくためには、そういった構造面からも十分に検討して進めていくということは、当然、職能団体としても発信していますので、引き続きその案内をしていきたいと思います。
○田辺会長
229ページまで、ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
では、次のパートに移ってまいりたいと思います。
次に、2-8の230ページから2-11の306ページまで、それに加えまして4の439ページ以降でございますけれども、このパートに関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
細かい話で誠に恐縮なのですが、460ページの「超音波検査におけるパルスドプラ加算の評価の見直し」を議論したときに、このパルスドプラ機能というのが標準的に搭載されていると書いていますが、そういうことであるならば、加算はもう必要ないのではないですかという議論をさせていただいたと思っています。
特段、反対意見もなかったと思いますし、11月の業界団体のヒアリングでも方向性は理解していただいていると受け止めていました。今回、加算としては存続し、引下げを行うものと理解しているのですが、標準的な搭載を加算評価する背景や考え方を教えていただければと思います。
○田辺会長
では、お願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
御指摘のパルスドプラにつきまして御議論いただいた際、また、業界からのヒアリングの際に、機器としてのドプラ機能が標準化されつつあるという状況があるわけですけれども、臨床の場で、また、その検査の術者に、ドプラ機能を用いて検査を行う専門性でありますとか、労務等は存在するということで、今回、評価を見直すこととさせていただいておると。時間がかかっているということもあるかと考えております。
○吉森委員
分かりました。
○田辺会長
ほか、いかがでございましょう。
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
481ページの「義肢装具の提供に係る評価の見直し」については、これまで2回ほどいろいろ議論したのですが、どういう場合に採型料が算定できるか、採寸料になるのかというところが、明確な算定基準が示されるところまでは行かなかったというのは非常に残念ですが、これは本当に医療機関、義肢装具業者、保険者の間で、現場レベルで非常にもめているというか、解釈が異なっているという事実があって、非常に混乱しているという状況があります。
これは通知もあまり出されていないというところもあって、これは要望なのですが、今回ちょっと見直しされて、481ページの治療用装具採型法について、体幹装具、四肢装具、その他に区分されたのですけれども、またここで混乱する要素が一つ追加されたのは、3のその他はどういう場合が該当するのかというところは、またそれぞれ判断が異なると思いますので、算定要件については諦めますが、今、保険者が非常に混乱している内容がたくさんありますので、その他の内容も含めて、ぜひ疑義解釈とかQ&Aで、今の混乱を少しでも静めていくようなものを発出していただきたいということを要望として申し上げます。
以上です。
○田辺会長
ほか、いかがでございましょう。
では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
義肢装具の関係について、前回の議論のときにも申し上げたのですけれども、採型、採寸の項目別の明確化という意味では、その他というのはあり、ある程度整理していただいたのだとは思いますが、医療現場における医師と義肢装具士の役割、在り方の明確化に関しては、踏み込み不足だと思っていますので、次の改定の議題にして引き続き御検討いただきたいという要望です。
以上です。
○田辺会長
ほかはいかがでございましょう。
では、半田専門委員、お願いいたします。
○半田委員
よろしくお願いします。
459ページ、超音波の検査ということで、右のほうの改正案の下から3行目に「医師若しくは臨床検査技師」という記載があるのですが、私が経営する整形外科医は、放射線技師さんでそういう業務をやっている方がいらっしゃるのですけれども、こういう書き方だと、放射線技師さんが超音波をやったときは、ドクターが記録から全部考えなければいけないということになるのでしょうか。
○田辺会長
では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
その点でございますけれども、臨床放射線技師と臨床検査技師との職分の内容について、御指摘いただいたことを踏まえまして、それぞれの業務の法がございますので、その部分については、それに照らし合わせて、実際の職に合わせた形で見直しができるようにさせていただきたいと思います。超音波検査については、臨床放射線技師も臨床検査技師と同様のことができるという規定があると聞いておりますので、それに従った見直しをしたいと思っております。
○半田委員
ありがとうございます。
○田辺会長
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件に関わる質疑はこの辺りとしたいと存じます。
次に「答申書の附帯意見書について(その1)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
総-4を御覧いただきたいと思います。
答申書附帯意見ということで、事務局で素案を作成させていただきました。項目は20項目にわたっておりますので、簡単に御説明をさせていただきます。
まず、1点目は「全般的事項」ということで、先日、吉森委員等々からもお話がありましたけれども、近年、診療報酬体系が複雑化していることを踏まえ、患者を初めとする関係者にとって分かりやすいものとなるよう検討すること。
2つ目でございますが、本年入りました「働き方改革」の関係でございます。
2番目、医師・医療従事者の働き方改革を推進し、地域医療を確保するための取組に係る今回改定での対応について、その効果等を検証・調査するとともに、適切な評価の在り方について引き続き検討すること。
続きまして「入院医療」についてでございます。3と4でございます。
3つ目、一般病棟入院基本料、療養病棟入院基本料等の入院基本料や、特定集中治療室管理料、地域包括ケア病棟入院料、回復期リハビリテーション病棟入院料等の特定入院料に係る入院患者のより適切な評価指標や測定方法等について、引き続き検討すること。
4番目でございますが、救急医療管理加算の見直しの影響を調査・検証し、患者の重症度等に応じた救急医療の適切な評価の在り方について、引き続き検討すること。
「DPC/PDPS」の関係でございますけれども、5番目に載せております。急性期の医療の標準化を進めるため、病院ごとの診療実態を把握するとともに、医療資源投入量等の指標とその活用方法について、引き続き検討すること。
続きまして「かかりつけ機能、精神医療、生活習慣病等」でございます。
6番目、かかりつけ医機能を有する医療機関との連携の評価の新設等の影響を調査・検証すること。また、かかりつけ医機能を有する医療機関と専門医療機関との機能分化・連携強化に資する評価の在り方について、引き続き検討すること。
7番目、地域における質の高い在宅医療と訪問看護の提供体制の確保に資する評価の在り方について、引き続き検討すること。
8番目、妊産婦に対する診療の適切な評価について、引き続き検討すること。
9番目、地域移行・地域生活支援の充実を含む質の高い精神医療の評価について、引き続き検討すること。
10番目、依存症に対する管理料等の評価の見直しの影響を調査・検証し、適切な評価の在り方について、引き続き検討すること。
11番目、オンライン診療料の見直しや、オンライン服薬指導の評価の新設に係る影響を調査・検証し、ICTを活用した診療や薬学的管理等の評価の在り方について、引き続き検討すること。
続きまして「医薬品の適正使用」の関係でございます。
12番目、重複投薬、ポリファーマシー及び残薬等への対応に関して、影響を調査・検証し、引き続き検討すること。
13番目、AMRアクションプランの進捗状況及び抗微生物薬適正使用の手引きの見直し状況等を踏まえ、外来における抗菌薬の処方状況等について把握・分析し、抗菌薬の適正使用のための新たな方策を講じる等、抗菌薬の使用量のさらなる削減を推進すること。
14番目、病院内における医学的妥当性や経済性の視点も踏まえた処方の取組について、院内における実施体制や実施方法等の実態把握や分析を進めること。
「歯科診療報酬」の関係でございます。
15番目、院内感染防止対策に係る初診料・再診料の見直しの影響を把握し、院内感染防止対策の推進に資する評価の在り方について、引き続き検討すること。
16番目、口腔疾患の長期的な管理を含めた継続的管理の実施状況等を調査・検証するとともに、診診連携及び病診連携の在り方について、引き続き検討すること。
「調剤報酬」についてです。
17番目、調剤基本料、調剤料及び薬学管理料の評価の見直しによる影響や、かかりつけ薬剤師・薬局の取組状況を調査・検証し、薬局の地域におけるかかりつけ機能に応じた適切な評価、対物業務から対人業務への構造的な転換を推進するための調剤報酬の在り方について、引き続き検討すること。
「後発医薬品の使用促進」でございます。
18番目、バイオ後続品を含む後発医薬品使用のさらなる推進のために、医療機関や薬局における使用状況を調査・検証し、薬価の在り方や診療報酬におけるさらなる使用促進策について、引き続き検討すること。
「医療技術の評価」について。
19でございます。医療技術の高度化や専門化に対応して、費用対効果の観点を踏まえつつ、イノベーションの評価等がより適切となるよう、引き続き検討すること。
「その他」といたしまして、20番目、医療機関と関係機関との連携の下で提供される医療について、その実態に応じた報酬の在り方について、引き続き検討すること。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
要望でございます。
まず、10の依存症として一くくりにされているのですが、これについては、新設されたギャンブル依存症、ニコチン依存症管理料についての検証、特にニコチンにつきましては、今回、新たに情報通信機器を用いた管理料というのが設定されたので、これもぜひ検証していただきたいということと、また、新たに管理料2として一連の包括点数が設定されたので、この状況についてもぜひ検証していただきたいと思います。
最後の20ページ目は、今、話題にもなりましたが、医師と義肢装具士の連携ということも含めていただくということで理解したいと思います。
もう一つは、これも入れていただきたいという要望なのですが、医療用保湿剤の適正な処方と医薬品の適正な保険給付の在り方について、引き続き検討するという文言を追記していただきたいという要望を言わせていただきます。
平成30年度改定の答申の附帯意見書で、医療用保湿剤の適正な処方について、引き続き検討ということが附帯意見として明記されたのですが、今回の改定では、保湿剤を含めたものについては、一切議論がなかったと理解しておりますので、ぜひこれを入れていただきたい。
あと、医薬品の保険給付の在り方というのが、平成28年度の改定で湿布薬が70枚制限されたという結論を得たのですが、それ以降、保湿剤については、議論はしたのですけれども、定性的な文言に終わったということがあって、医薬品の適正な保険給付の在り方について、中医協の中であまり議論されていないので、高齢化に向けて高額医薬品もこれから出てくる中で、保険用医薬品の保険給付の在り方については、議論をしていくことが必要だと思いますので、ぜひ次回改定に向けての附帯意見として入れていただきたいということを要望いたしますが、いかがでしょうか。
○田辺会長
では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
当然、これは附帯意見ということでございますので、この場の議論ということになるかと思います。今回、基本的にこの附帯意見全体につきましては、個別の項目というよりは、できるだけ今回課題となった点、そして、それを情報収集・検証して、次の改定に向けてというような内容で全体をまとめさせていただいておるところでございます。できれば、個別の品目等については、そうではなく、検討の方向性として、おっしゃったような医薬品の適正使用として附帯の中にそういうものを入れるかどうかについて、ここの場で御議論いただければと思います。
○田辺会長
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
それであれば、個別でなくても結構ですので、「保険用医薬品の適正な保険給付の在り方」という抽象的な表現でもいいので、ぜひ入れていただければと思います。
○田辺会長
では、松本委員。
○松本委員
今のお話は確かに大切な問題かとは思いますけれども、まず、ここでいきなり議論するのではなくて、その辺のところは、社保審の医療保険部会、保険医療部会、医療部会で先行して少し話し合っていただいて進めるのがよろしいかなと思います。
もう一つ、先ほど保湿剤の話が出ましたけれども、もしその話をされるのであれば、あのとき、健保連がレセプト抽出した保湿剤の内容に発端があったということでしたよね。そうですよね。あの資料をまたここにお出ししてやっても結構ですが、あのレセプトから抽出したデータがいかに雑なものだったかということがかなり明らかにされることになりますけれども、それでもよろしいでしょうか。
○田辺会長
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
それはどの部分をおっしゃっているのでしょうか。
○松本委員
推計に推計を重ねたあげくの数値だったと理解しておりますので、あの数字が妥当だったという証明ができるのでしょうか。
○田辺会長
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
多分、年齢補正をされていないという御指摘だと思うのですが、それについては、確かに年齢補正はかけておりません。健保組合は確かに若い女性も結構多いので、その部分はしておりませんが、それが誤った数値だとは思っておりませんで、約93億円という数字は確かに精緻な数字ではなかったかと思いますが、決して間違った数字、大きく外れた数字ではないと思っております。
○松本委員
約93億円が何だったというのでしょうか。それが保険適用以外にも使われたという証拠がどこにあるのでしょうか。
○幸野委員
単なる皮膚乾燥症でこういった保湿剤が給付されたということを基にやったわけです。
○松本委員
単なる皮膚乾燥症は病気ではないのでしょうか。そういうお考えでしょうか。それはあまりにも患者さんに対する失礼な言い方だと思います。透析をされている患者さんとか、放射線障害で苦しんでいる患者さんとか、そういったことで非常に苦しんでいる患者さんが世の中にたくさんおられます。その発言は非常に遺憾に私は思います。
○田辺会長
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
もう一度議論していただくというのであれば、健保連としては、再度レセプトを分析することは否定いたしません。
○田辺会長
では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
正直言いまして、健保連の一方的なレセプト分析をここに出すこと自体が私としては納得いきません。非常に不確かなデータで判断することはできないと思います。したがって、附帯意見に書くことにも反対いたします。
○田辺会長
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
実態を申し上げますと、医療機関のほうから私に手紙が届くこともあります。それは保湿剤についてです。それは医療機関としては必要ないと思っていても、患者のほうから、先生出してくれということで、非常に困っているという実態もあるのです。
だから、全くそういったことが行われていないということはないはずで、そういった現場の声もあるということで、健保連はこういった分析をさせていただいた。その数値が正確なものであるかどうかということについては、こちらも多少反省点はありますが、もう一度議論していただくということであれば、レセプト分析をやり直すということは否定いたしません。
それと、何も保湿剤だけを附帯意見に入れてくれということではなくて、そのほかにも湿布薬とか花粉症の提言をしておりますが、こういった公的保険の財政が厳しくなる中で、OTC類似薬の医療保険収載が本当に妥当なのかどうかというのは検討する時期に来ていると思いますので、そういった提案で附帯意見として入れてくれと言ったわけです。
○田辺会長
では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
給付と負担という形の大きなテーマであれば、やはり先ほど言ったとおり、まず、社保審のほうで議論していただくのが筋だと思いますし、幸野さん、先ほど保湿剤の話で手紙が一つあると。1名、2名の手紙でもって、附帯意見に入れて検証しなければならないのでしょうか。もしそういったことがあれば、保険者としてやるべきことがあるのではないでしょうか。それを全て、保険制度が悪い、給付しているのが悪いという話になるのでしょうか。仮にそういったことがあれば、保険者としてすべきことがあると私は思います。
○田辺会長
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
社保審の医療保険部会や医療部会で検討するレベルもあろうかと思いますが、例えば、28年改定でやった湿布薬の処方制限などは中医協レベルでも議論できることだと思います。償還率を変えるとか、法律を変えなければいけないものは社保審、医療保険部会で検討すべき事項でありますが、こういった適正な給付の在り方というのは、中医協レベルでも検討できることは多々あろうかと思います。
それから、保険者も、医薬品の適正な処方については、十分啓発しておるつもりでございます。
○田辺会長
では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
では、その啓発した内容を受診前に患者さんに一々説明してください。あなたの言っていらっしゃることは、今までの議論はそういうやり方です。一人一人に対して受診前に説明してください。保険の給付の在り方について、患者さんに説明をお願いしたいと思います。
○田辺会長
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
保険者としても、当然、啓発はやっていきます。やり方は検討していきたいと思います。
○松本委員
では、患者さん、被保険者の方々がそういった無理な要求をしないように、まず保険者のほうでしっかりと取り組んでから議論を進めていきたいと思います。
○田辺会長
附帯意見のほうの扱いは、この件に関しましては、御一任いただけますでしょうか。事務局等と相談させていただきまして、入れる、入れない、それから、入れるとしたらどういう書きぶりになるか等々、非常に一般的過ぎて、もしかしたら無理な議論なのかもしれませんし、そうでないのかもしれませんので、このところはお預けいただきたいと思います。よろしゅうございますか。
ほかの点に関しましては、いかがでございましょう。
では、吉川専門委員、お願いいたします。
○吉川委員
ありがとうございます。
入院医療につきまして、看護の立場から1点意見を述べさせていただきます。
今回の改定では、重症度、医療・看護必要度の項目と基準、そして、該当患者割合が大幅に見直されましたことから、入院基本料における現在の看護職員の配置基準が医療現場の状況に見合っているか。つまり、安全性の確保、また、効果的・効率的な医療とか看護の提供に見合っているかという点につきまして、検証・調査を行うとともに、引き続き検討するということをこの附帯意見の中に含めていただきたいと思います。
○田辺会長
では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
基本的には患者さんへのサービスの提供という視点で、入院医療にありますような適切な評価指標、測定方法を検討するということにしておりますので、当然、その中に含まれると考えておるところでございます。
○田辺会長
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御意見等もないようでございますので、本件に関わる質疑はこの辺りとしたいと存じます。
事務局におかれましては、本日の意見を踏まえまして、附帯意見の案を修正していただき、次回の総会で取りまとめたいと存じます。
本日の議題は以上でございます。
なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。御参集、どうもありがとうございました。
 

 

 


 
 

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 中央社会保険医療協議会 総会 第449回議事録(2020年1月31日)

ページの先頭へ戻る