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2019年12月20日 中央社会保険医療協議会 総会 第443回議事録

○日時

令和元年12月20日(金)9:14~11:17

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)
 

○出席者

田辺国昭会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 松原由美委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員 
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 猪口雄二委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 半田一登専門委員
 
<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 八神審議官 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○令和2年度薬価制度改革の骨子(案)について
○入院医療(その6)について
○横断的事項(その5)について
○個別医療(その15)について
○令和2年度診療報酬改定への意見について(各号意見)
○その他


 
○田辺会長
 それでは、皆様おそろいのようでございますので、ただいまより第443回「中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は染谷委員、岩田専門委員が御欠席でございます。
 なお、松原委員におかれては、おくれて到着ということでございます。
 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほうをよろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○田辺会長
 それでは、早速でございますけれども議事に入らせていただきます。
 初めに「令和2年度薬価制度改革の骨子(案)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局のほうより説明をお願いいたします。
 では、薬剤管理官、よろしくお願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 資料「総-1」をごらんください。
 本総会に先立って開催されました薬価専門部会におきまして「令和2年度薬価制度改革の骨子(案)」について了承いただきましたので、それについて御報告させていただくものでございます。
 まず、資料の「第1 基本的考え方」のところでございますが、平成30年度の薬価制度抜本改革に引き続き「国民皆保険の持続性」と「イノベーションの推進」を両立し、国民が恩恵を受ける「国民負担の軽減」と「医療の質の向上」を実現する観点から、令和2年度薬価制度改革を行うこととするということでございます。
 「第2 具体的内容」でございます。
 「Ⅰ 新規収載医薬品の薬価算定」ということでまず「1.新医療用配合剤」についてでございます。
 3成分以上が含まれる新医療用配合剤について、単剤が薬価収載されていなくとも配合剤が薬価収載されている場合、新医療用配合剤の特例の対象とするということでございます。
 「2.再生医療等製品の薬価算定」でございますけれども、原価計算方式で算定する場合の流通経費について、個々の品目ごとに精査することとし、平均的な係数を用いて算出される額よりも低い場合は、その額を用いて算定するということでございます。
 2つ目の○、補正加算前の価格が1000万円を超える著しく高額な再生医療等製品であって、ピーク時市場規模(予測)が50億円を超える場合は、補正加算の加算率を傾斜配分するということでございます。
 2ページに行っていただきまして「3.薬価算定方式の正確性(類似薬効比較方式)」に関してということでございますけれども「類似薬効比較方式(1)等で算定された新薬で、新薬創出等加算対象外のものについては、収載から4年を経過した後の初めての薬価改定(収載後3回目の薬価改定)の際に、収載後の効能追加等により新薬創出等加算対象となった場合を除き、収載時点での比較薬の累積加算分を控除する。なお、新薬の上市の状況、収載後の効能追加の状況等を踏まえて、本取扱い及び控除の影響を検証し、必要に応じ、所要の措置を検討することとする」ということでございます。
 「4.薬価算定方式の正確性(原価計算方式)」についてでございます。
 2段落目になりますけれども、バイオ医薬品でも研究開発費のみで一般管理販売費率の上限を超え、かつ開示度が80%以上でその妥当性が確認できる場合は、一般管理販売費率の上限を70%に引き上げることとする。ただし、この取扱いをピーク時市場規模(予測)が50億円未満の場合に限るということでございます。
 「5.補正加算」についてでございますが、製剤工夫以外の方法による治療の質向上、リスク低減等のうち、有用性加算(Ⅱ)の「ハ.治療方法の改善」に相当する事例は、同加算で評価され得ることを明確化するということでございます。
 「6.新規後発医薬品」についてでございます。
 1つ目の○、バイオAGの新規収載時の薬価は、先発品の薬価に100分の70を乗じて得た額とする。
 2つ目の○、バイオAGが収載された場合には、その先発品であるバイオ医薬品をG1・G2ルールの対象とする。
 3つ目の○、新規後発品の薬価算定については現在の取り扱いを継続し、引き続き検討することとするということでございます。
 次に「Ⅱ 既収載医薬品の薬価改定」でございます。
 「1.長期収載品」についてでございますけれども「後発品上市後10年を経過する前であっても、後発品への置換え率が80%以上となった長期収載品は、その2年後の薬価改定時に置換え率が80%以上となっていることを再度確認した上でG1ルールを前倒して適用する」ということでございます。
 また、Z2及びCにおける置き換え率の現行の基準を、それぞれ「50%未満」「50%以上70%未満」「70%以上80%未満」に引き上げるということでございます。
 また、G1・G2ルールにより大きな影響を受ける一定の品目・企業に対しては、円滑実施措置を行うということでございます。
 「2.後発医薬品」。
 価格帯の集約により改定前より薬価が引き上げることを抑制するため、以下の2つの対応を行うということでございます。
 1つ目は、改定前と同じ価格体に属するものとして算定を行うということ。
 2つ目は、改定前薬価が各価格帯の加重平均値を下回る品目については、改めて加重平均し、改定後薬価とするということでございます。
 また、G1品目またはG2品目に係る後発品のうち、増産対応するもの以外のものにつきましては、改定前薬価が加重平均値を下回る品目と上回る品目に分けて、それぞれ加重平均を行うということでございます。
 「3.新薬創出・適応外薬解消等促進加算」についてでございます。
 「(1)企業指標・企業要件」についてでございますが、革新的新薬の収載実績をより高く評価する観点から、5ページ目の表のように企業指標を改めるということでございます。
 それから、5ページの下のほうの「(2)品目要件」でございますけれども「革新性・有用性の高い品目を評価する観点から、先駆け審査指定制度の対象品目及び薬剤耐性菌の治療薬を品目要件に追加する」。また「収載後に効能追加等が行われたもののうち、追加された効能等において新規作用機序であって、新規作用機序医薬品の革新性及び有用性に係る基準に該当するものを品目要件に追加する」ということでございます。
 そして「これら要件については、令和二年度改定以降に薬価収載又は効能追加されたものに適用する」ということでございます。
 「4.収載後の加算」でございますが「真の臨床的有用性の検証に係る加算は、小児効能等の追加に係る加算等と併算定できることとする」ということでございます。
 「5.基礎的医薬品」につきましては、引き続き検討ということでございます。
 「6.条件・期限付承認を受けた再生医療等製品」でございますが、改めて承認を受けた際に、改めて補正加算の該当性について評価することとする。この際、下に記載した計算式により傾斜配分を行うということでございます。
 7ページ目に行っていただきまして、条件・期限付承認を受けた再生医療等製品については、その薬価を「条件・期限付承認時価格」と呼称することとするということでございます。
 「7.再算定」で「(1)過去に再算定を受けた品目への対応」でございます。
 まず「市場拡大再算定を受けた後に、再び市場規模が拡大し、改めて市場拡大再算定の対象となる品目については、前回再算定時の市場規模拡大が下止めの水準を超過した程度を踏まえて、市場規模拡大率の値を調整した上で、今回の再算定における再算定後薬価を算出する」ということでございます。
 また、2つ目の○でございますが、主たる効能または効果に係る効能変更等に伴い、用法用量変化再算定を受けた品目についても、年間基準販売額の取り扱いを明確化するということでございます。
 8ページ目に行っていただきまして、効能変化再算定に関しまして、薬理作用類似薬がない場合であっても、変更後の主たる効能・効果に係る参照薬と比較して、著しく1日薬価が高く、市場規模が著しく大きくなると考えられる場合は、当該参照薬の1日薬価を参照して、現行の効能変化再算定と同様の再算定を行う特例を設けるということでございます。
 対象となる医薬品については、下に記載した要件をいずれも満たすものとするということ。また、市場拡大再算定と同様に、年間販売額が350億円を超える場合は、新薬収載の機会(年4回)を活用して、本特例を含めて効能変化再算定を行うこととするということでございます。
 最後、8番目、既収載品目の薬価の改定についてでございますけれども、今回の改定においても、下に記載した算式を用いて、令和元年度薬価調査に基づき算定することとするということでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 よろしゅうございますでしょうか。
 では、御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○田辺会長
 ありがとうございました。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
 次に、次期診療報酬改定に向けた議論として「入院医療(その6)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
 では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
 資料「総-2」に従いまして、資料の説明をさせていただきたいと思います。
 本日は「入院医療(その6)」ということで、急性期一般入院料につきまして、資料を整理させていただいております。
 2コマ目をごらんいただきたいと思います。
 重症度、医療・看護必要度についての整理でございます。
 3コマ目、4コマ目ですが、これは現在の基準についてお示ししたものでございます。
 6コマ目でございますけれども、これは重症度、医療・看護必要度の評価項目の改定の経緯、それから7ページ目に、これまでの改定の内容をまとめておるところでございます。
 8コマ目でございます。
 この11月15日の中医協でもお示しをした資料でございますけれども、A項目の「専門的な治療・処置」、この内訳を見ますと、全体として該当項目が1つの患者が多く、中でも「免疫抑制剤の管理」が多くなっているということで、お示しした資料でございます。
 9コマ目のほうに移っていただいて、上段のグラフを見ていただきたいと思います。
 これは「専門的な治療・処置」の対象薬剤のうち、抗悪性腫瘍剤や免疫抑制剤の内服等については、主に入院よりも外来で実施されていたということで御報告をさせていただきました。
 これを踏まえまして、下段のほうでございますが、先日議論いただいた際の論点として、入院の必要性に応じてA項目の評価対象の整理を行うことについてどのように考えるかとさせていただきましたところ、主な意見として、そこに丸囲いで示しましたとおり「入院で実施する割合が低いものは、評価対象から除外すべき」「ただし、主に外来で実施されているものであっても、導入期には副作用等の評価を必要とするために、入院で実施することが必要な場合もある」ということを御指摘いただきました。
 これを踏まえまして、矢印のところでございますが「抗悪性腫瘍剤の内服治療については、導入期の評価や治療中の副作用等の理由で特に入院の必要性が高い場合があることを考慮し、引き続き評価の対象としてはどうか」ということで、論点を御提示させていただいております。
 続きまして10コマで、こちらも11月15日の中医協でお示しした資料でございます。
 C項目の対象手術についても、多くの手術が入院で実施される割合が9割以上であるのに対しまして、一部には9割未満の手術もあるということでお示ししたものでございます。
 11コマ目をごらんいただきたいと思います。
 上段のグラフ、一方で、現在、対象とはなっていないものの、入院の割合が高い手術が多くございます。下段の囲みのほうを見ていただきますと、これを踏まえまして、先日、論点として、入院の必要性等に応じて、C項目の評価対象の整理を行うことについて、どのように考えるかとさせていただきましたところ、主な意見として「入院で実施される手術や検査については、広く評価されるようにC項目に組み込んでいくべき」「ただし、C項目は手術の侵襲性の高さに着目して評価されている項目であることを踏まえ、入院で実施される割合が高いものを全て追加するのではなく、点数などを参考に判断基準に一定の線引きを設けていく必要があるのではないか」との御意見をいただいております。
 これを受けまして12コマ目でございます。
 「必要度の評価対象となっている手術等の点数」を整理して、そこにまとめております。
 現在、必要度の評価対象となっている手術等の点数の分布を、それぞれ、開頭手術、開胸手術、開腹手術というような形で分類ごとに、今、どのような点数の分布になっているのかというのをそこに示しております。
 現在の対象は、一律に○○点以上が対象というような形でしておりませんので、領域ごとに分布に多少のばらつきがございます。それを箱ひげ図で示しております。全体の中央値は右肩にありますように、約3万点となっております。
 これを踏まえまして、下段のところでございますけれども、入院で実施する割合が高い手術を新たに追加する場合、一定の点数以上の手術に限定することと、その点数の水準についてどのように考えるかということで、論点を本日御提示しております。
 13コマ目、今度は検査についてでございます。
 同じ、先日の中医協で、生体検査の一部には、入院で実施される割合が高いものがあるということをお示ししております。
 また、このほか、入院で実施する割合が9割以上の検査のうち、一定の手技等を伴うものを見ますと、例えば、呼吸心拍監視など、既に必要度の対象になっているものと、心臓カテーテル検査等の評価対象となっていないものがございます。これらについても基本的には手術と同様の考え方で対象として含めていくということで御提示をさせていただいておるところでございます。
 続きまして、14コマ目「対象となる手術等の該当日数について」でございます。
 左の上の表でございます。手術等は現在、例えば、開頭手術であれば7日間、開胸手術であれば7日間といったような形で、実施をしてから評価される期間というのは決まっております。
 右の上の表を見ていただきますと、これに対しまして、実際、各手術の在院日数の実績値というのをそこに示しております。
 中央値を加重平均をして、そこに示しておりますが、そうしますと、例えば、開頭手術であれば26.4日となるなど比較的長い期間となっています。下の表を見ていただきますと、このため、現在の評価日数は、在院日数の実態に比べて2~3割程度の評価期間にとどまっているということでございます。また、入院初期についてはICU等で管理されている場合もありまして、実際、一般病棟のほうに入っていらっしゃる期間というのは非常に短いということでございます。
 これにつきまして、術後の医学管理を適切に評価する観点から、日数を一定程度延長するということはどうかということで、論点を提示しておるというところでございます。
 15コマ目、専門的な治療・処置や手術等の医学的状況の定義についてでございます。
 上段の囲みの中を見ていただきますと、薬剤や手術等の該当、非該当の判定方法については、現在、必要度1では、項目ごとの定義に該当するかどうかを、毎日、看護師等が手作業で判定し記録をしているという状況でございます。必要度2のほうでは、指定された薬剤・手術等が実施されるかどうかで判定されるということになります。このように扱いが異なっているものの、薬剤・手術は基本的には必要度1と2で同じ治療・処置や医学的状況を評価することを想定しております。
 また、今回、御提示しておりますように、入院で実施する割合が高い手術を新たに対象とする場合に、その方法は、必要度2と同じようにコードを対象で指定するということになります。
 これを踏まえまして、今回の対象の整理とあわせて、必要度1のAとC項目のうち、一部の項目の判定方法も、必要度2と同様に指定された薬剤・手術等の実施がある場合を該当とするということとしてはどうかということで、論点を提示させていただいておるところでございます。
 続きまして、判定基準について整理をさせていただいております。
 判定基準に係る前回の論点と御意見を17コマ目に示させていただいております。
 上段の囲みでございますけれども、前回の論点として「入院患者の医療の必要性に応じた適切な評価を行う観点から、急性期の入院患者の指標として、重症度、医療・看護必要度の判定基準のうち『B14又はB15に該当し、A1点以上かつB3点以上』の基準をどのように考えるか」ということとしておりました。
 これにつきまして、主な御意見として、認知症やせん妄の患者であっても、急性期の高度な医療や複雑な医療を受けている患者は、適切に評価されるべき。また、基準2のみに該当している患者の特徴を見ると、当該基準は急性期入院医療の基準としては適切とは言いがたい。また、認知症患者が増加傾向にある中で、B14、B15の項目は引き続き評価していくことが必要。基準の問題のみならず、認知症やせん妄の患者をどのように見ていくかについて、よく考える必要があるなどの御意見をいただいております。
 18コマ目、これを踏まえまして、改めて当該基準に関して、現状と考え方を整理しております。
 上段の囲みでございますが、まず経緯といたしまして、重症度、医療・看護必要度は、平成20年度改定の導入以降、累次の改定で見直されてきたところでございますが、平成28年度改定で「重症度、医療・看護必要度」と変更され、さらに平成30年度改定において、急性期入院医療の実績評価の指標として位置づけられたとともに、基準2についても評価の対象に追加されたところでございます。
 しかしながら、改定後の調査・検証において、新たな基準2のみに該当する患者は、これまで他の基準と比較して、看護の提供頻度は多いものの、医学的な理由による入院の割合が低いなどの傾向が確認されております。これについて、中医協総会における御意見は、先ほどのスライドで御提示したとおりでございます。
 枠囲みのところ見ていただきまして、これらを踏まえまして、見直しの方向性として2点、御提示をさせていただいております。
 1点目でございます。
 「認知症、せん妄等を合併した急性期入院医療の必要性が高い患者が適切に評価されるよう、B14・B15の項目は引き続きB項目の評価対象としつつ、基準2については、改定後の検証を踏まえた評価とすることとしてはどうか。具体的には、A項目が1点である基準2は見直し、平成28年の改定後の水準である、A項目2点以上を対象とすることとしてはどうか」。
 2つ目のマルでございますが「他方、急性期病棟においても認知症・せん妄等の患者の対応は重要であることから、これらを合併した患者に対する適切なケアを行う体制が確保されるよう、重症度、医療・看護必要度とは分けて、体制の評価を拡充してはどうか」ということで整理をさせていただいております。
 19コマ目から23コマ目については、認知症、せん妄の患者の割合、また、その患者さんに対応する体制として、現在あります評価の項目、認知症ケア加算等について整理をしております。また、せん妄の予防についても、以前、中医協の総会で御議論いただいたかと思いまして、その資料をつけております。
 続きまして、24コマ目以降でございますが、この見直しを踏まえた施設基準の設定についてでございます。
 25コマ目に、前回の改定、平成30年度改定の際に、基準の見直しをした、その資料をお示ししております。
 26コマ目でございます。
 これまでの議論を踏まえまして、以下のような条件で、該当患者割合のシミュレーションを行いまして、結果を踏まえて、施設基準の見直しを検討してはどうかということで、中段にその条件を提示させていただいております。
 また、急性期入院医療を適切に評価する観点から、ほかに検討する視点がないかということもあわせて御議論いただければと考えております。
 27コマ目に論点をお示しさせていただいております。
 「重症度、医療・看護必要度について、評価項目・判定基準の見直しの方向性や、見直しを踏まえた施設基準の設定について、それぞれどのように考えるか」ということで整理をさせていただきました。
 以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
 では、松本委員、よろしくお願いいたします。
○松本委員
 27ページの論点でございますが、まず、評価項目の見直しにつきましては、水曜日の総会でも指摘いたしましたけれども、特に、過酷な勤務環境となっている救急医療体制における重要な機能を担う医療機関について、地域医療の確保を図る観点から、さらなる評価を行うために、救急医療管理加算の対象患者を、重症度、医療・看護必要度で評価することを改めて提案したいと思います。
 また、見直しを踏まえた判定基準の設定につきましては、急性期病棟における認知症・せん妄患者の評価方法や、シミュレーションの結果を見て慎重に判断する必要がございますので、今回、提案のあった評価項目の見直しで果たしてどのようになるか、事務局には資料の整理をお願いしたいと思います。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、猪口委員、よろしくお願いいたします。
○猪口委員
 今回の見直しの方向性という18ページの一番下ですが、やはり、認知症・せん妄というのは、急性期医療を必要な場合に、この合併というのはとても手がかかることですので、やはり重症度、医療・看護必要度の中で、認知症・せん妄を引き続き評価していくということが必要だと思います。
 今回のいろいろな御提案の内容を見ると、外科系の手術をかなり評価の対象にするような方向だと思いますが、そうしますと内科の重症者がきちんと評価されていくのかというところに若干疑問がありますので、ぜひ、そちらのほうも評価の対象としていくようにお願いしたいと思います。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、幸野委員、よろしくお願いいたします。
○幸野委員
 各ページごとに論点が示されていますので、それについてコメントをさせていただきたいと思います。
 まず1つ目は、9ページの抗悪性腫瘍剤については継続するということで、特に異論はございません。
 12ページの、どの手術を対象にするかということは、前回議論しました、90%以上ほぼ入院で実施する手術とか検査については対象にすべきと思われます。
 それから、一定の点数以上で判断するということについて異論はないのですが、12ページのところなのですが、では、この点数をどうするかというところについては、一つの案なのですけれども、12ページの右上にございます、中央値が3万1305点になっているところを見れば、この値が一つの目安になるのではないかと考えております。
 次は14ページの手術の日数をどうするかというところなのですが、前回決めた7日とか4日とか5日とか3日とか2日というのは、前回改定のときに議論した記憶がないのですけれども、この開頭手術であれば7日とか、開腹であれば7日、救命にかかわる内科的治療では2日と置かれた根拠をまず分析する必要があるということで、議論した経緯が記憶がないので、その辺を事務局のほうからお教えいただきたいと思います。特に、このC項目については、1点で該当すれば、もう該当患者になりますので、これは慎重に検討する必要があると思います。
 選択肢としては、ここに書かれておりますとおり、平均在院日数との関連で、その中央値をとるのか、その上位のパーセンタイル値をとるのかということになろうかと思うのですけれども、手術後の病態と平均在院日数との関係が、現場の実態というのは我々は見えないところがありますので、これは判断しにくいというところがあるので、そこのところを現場の実態を踏まえてどう考えるかというところで考えていきたいということで、これについては判断しかねるというところでございます。
 15ページの測定方法について、レセプト電算処理システム用コードを対象に必要度2と同様にやるということについて異論はございません。
 最後の論点にあります、基準2をどうするかというところなのですけれども、B14、B15の項目自体を急性期の指標として残すということについて異論はありませんが、基準2の方式をどうするかというところについては、11月15日に相当時間を割いて議論をしたと思うのですけれども、出てきたエビデンスから判断しますと、基準2については、約半数が直前まで非該当であるということや、基準2に該当する方が高齢者で要介護度が高いということ。それから、医療の必要度は低く、介護の必要度が高いということ。それから、入院継続の理由が、医学的な理由のため、どちらかというと入院のほうが望ましいという割合が低いということ。それから、入院を継続する理由、退院に向けた目標として、入院先の施設の確保とか転院先の医療機関の確保の割合が高いというところから見ても、これはどう考えても急性期の指標としては妥当ではないと。看護必要度は高いのですけれども、医療必要度は余り高くないということになっているので、この基準2については削除すべきと思います。
 論点については以上でございます。1つだけお答えいただければと思います。
○田辺会長
 では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
 手術後の日数の関係でございますけれども、これは見直したのが平成28年でございまして、その際には、現在と違いまして入院調査のほうで抽出した形で一定の手術について、その日数を出したという、その数字をもとにつくったと聞いております。
 今回はDPCで、それぞれ該当する手術をきっちり抜き出した上で、正確な数値としてそこにお示しをさせていただいておりまして、そういう意味では、そういう違いがあるということで、今回、御提案をさせていただいております。
○田辺会長
 では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 ありがとうございます。
 今の論点について、支払いの意見としてはそうなのですが、私からは26ページ、論点を慎重に検討する意味でも、このシミュレーションは非常に大事であり、次の必要度のパーセンテージをどう見るかにもつながる重要なシミュレーションだと思いますので、26ページの4つ案についてコメントしたいと思います。
 まず、1つ目の基準2を除外としていますが、18ページには、基準2の見直し前2点というものがあり、先ほど猪口委員からもありましたように、せん妄は、重症度・必要度の中に入れるべきという意見もありますから、新たにどういう項目をどのように構築するかを踏まえて、18ページの方向性も入れて、除外のパターンと、それ以外のパターンをシミュレーションしてみるのも必要と考えています。
 2つ目の免疫抑制剤を除外してシミュレーションをするというのは論点どおりです。一方、必要性について、抗悪性腫瘍剤は入院で使用する割合が低くなっているのは事実ですが、導入時に副作用を評価するために、必要があるのは理解します。例えば、入院の使用割合が何%以下であれば対象にできるかというようなことは、15ページの必要度1のところでも、レセプト電子処理システムコードを使えばある程度把握できるのかと思いますので、パターン化して、シミュレーションしてみるというのも一案だと思います。
 最初から論点とせず、免疫抑制剤の内服だけというのであれば、こういうシミュレーションでもよろしいと思いますが、もう少し丁寧にやってほしいと思います。判断基準としては、そういうのも使えるのではないかと思います。
 3つ目のC項目は、先ほど幸野委員も言っていましたように、点数設定をするので1万点以上と根拠なく決めるのはないと思いますが、2万点、3万点という箱ひげの資料があるとすれば、その両パターンでシミュレーションしてみて、どういうバランスなのか見る必要があると思います。
 4つ目の対象日数についても先ほどいろいろ質問あって、意見をお聞きしましたが、要は中央値にするのか、それ以外にするのか、決めの問題ということになってしまいますので、例えば、中央値を軸に考えると、20%、25%、30%というようなパターンができるのかなと考えていますけれども、そういうパターンでシミュレーションをしてみるということが必要なのかな。
 シミュレーションの手間がどのぐらいかかるかというのは、今、全く頭に入れておりませんので、手間とのバランスもありますが、慎重に検討するには、シミュレーション結果を見て判断することが必要であり、医療現場実態も我々はよくわかっていないところもありますので、そのような点も踏まえてやっていただくとありがたいと思います。
○田辺会長
 では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
 今、御提案いただきました、シミュレーションの前提となる項目なのでございますけれども、一応コンピューターの能力面、多少の限界ございますので、まず1番の判定基準2を除外したものとしていないものというものについては、シミュレーションは十分できると思いますが、免疫抑制剤以外の薬についても探るということに関しては、今、お薬をどのように特定するかということから始まって、さらにそれをシミュレーションするということになりますと、次の改定までには間に合わないと思いますので、それ以外の幾つかのお示しいただきましたパターンにつきましては、コンピューターの能力と相談をしながら、少し御相談をさせていただきたいと思っております。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、松本委員、よろしくお願いいたします。
○松本委員
 12ページのところでございますけれども、今、中央値とかの話が出ましたけれども、これは箱ひげ図で出ておりますので、吉森委員がおっしゃったとおり、やはり偏差とか分布というのはやはり大事な問題でございますので、ここをしっかり見て、また議論していくべきだと思いますし、14ページ目の日数のところも、やはり同じようなことだろうと思います。
 また、基準2のところですけれども、猪口委員もおっしゃったとおり、中小病院に非常に影響が大きいところでございますので、これについてはシミュレーションとか、どういった影響が出るのかをもう少し見きわめてから判断すべきと考えます。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、吉川専門委員、よろしくお願いいたします。
○吉川専門委員
 ありがとうございます。
 せん妄に関しまして、1点だけ発言させていただきます。
 11月20日の中医協でも申し上げましたけれども、特に手術や病態等が危険因子になる場合は、せん妄予防の取り組みを十分に行ったとしても発症する患者さんが一定数おりますので、発症した場合、やはり非常に手厚い看護、医療を提供する必要があるということから、その点が十分に評価されるような配慮をぜひお願いしたいと思います。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょうか。
 よろしゅうございますでしょうか。
 では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 次に、次期診療報酬改定に向けた議論として「横断的事項(その5)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
 では、薬剤管理官、よろしくお願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 資料「中医協 総-3」をごらんください。
 「横断的事項(その5)(ICTの利活用○4)」ということでございますけれども、具体的にはオンライン服薬指導について御議論いただきたいということでございます。
 3コマ目をごらんください。
 令和元年12月4日に薬機法等の一部を改正する法律が公布され、施行後1年以内にオンライン服薬指導の実施が可能となるという状況でございます。それに向けまして、オンライン服薬指導に関する調剤報酬上の取扱いについて御議論いただきたいということで、資料を用意させていただいたものでございます。
 4コマ目でございます。
 「服薬指導等に関する薬機法・薬剤師法の規定」ということでまとめておりますけれども、処方箋に基づく調剤時、薬剤交付時の服薬指導について、今般の薬機法改正により、一定の要件を満たす場合にオンライン服薬指導が可能となるということでございます。
 具体的には、左側のオンラインというところに青矢印と赤枠で書いてございますけれども、これまでは従来の取り扱いとして、特区に限り一定条件下でオンラインによる服薬指導を可能としてきたところでございますけれども、一定の要件を満たせば、法改正後の取扱いとしては実施可能となると。その具体的な実施要領につきましては、省令や通知により定めることとしているということでございます。
 5コマ目「今後実施可能となるオンライン服薬指導(概要)」ということでまとめております。
 薬機法の改正により実施可能となるオンライン服薬指導につきましては、2つのパターンがございまして、まず1つ目は、オンライン診療時の処方箋に基づく服薬指導、2つ目は、在宅訪問診療時の処方箋に基づく服薬指導ということでございます。
 このオンライン服薬指導に関する具体的な要件や実施手順につきましては、12月19日、昨日付で関連省令のパブリックコメントが開始されておりまして、関連通知の要旨もあわせて提示されているといった状況でございます。その概要を下にまとめてございます。
 まず左側「外来オンライン服薬指導(オンライン診療時の処方箋に基づく調剤時)」でございますけれども、どういうものが対象となるかといいますと、対面服薬指導を行ったことのある患者に対して、患者のオンライン服薬指導の希望を踏まえ、当該薬局において調剤したものと同一内容の薬剤について、オンライン診療による処方箋に基づき調剤を行う場合ということでございます。
 一方、右側の「在宅オンライン服薬指導」に関しましては、これは在宅訪問診療時の処方箋に基づく調剤時ということになりますけれども、患家で対面服薬指導を行ったこととのある患者に、患者のオンライン服薬指導の希望を踏まえ、当該薬局において調剤したものと同一内容の薬剤について、訪問診療による処方箋に基づき調剤を行う。こういったケースということでございます。
 そのほか、診療報酬の要件の取扱いを検討する上で、関連するその他の要件等がパブリックコメント等で示されておりますけれども、その概要を下に書いてございます。
 薬剤師と患者との間に信頼関係があること、すなわち、原則として同一の薬剤師がオンライン服薬指導を実施すること。
 同一内容の処方箋により調剤された薬剤について、あらかじめ対面により服薬指導を実施していること。
 3つ目としましては、服薬指導計画を策定することということで、内容としては取り扱う薬剤の種類や授受の方法、オンラインと対面の組み合わせ、実施できない場合の規定、緊急時の対応方針などについて、あらかじめ服薬指導計画を策定しておくということなどでございます。
 6コマ目をごらんください。
 外来の場合のオンライン服薬指導の流れを、イメージ図としてお示しております。
 ○1で、薬局のほうでは業務手順の整備とか必要なシステムとかの導入が前提になるということでございますけれども、患者さんに対して対面による服薬指導を何回か実施しているという中で、オンライン診療を受けている患者さんから、オンライン服薬指導の希望があった場合、これが○2ということになりますけれども、この希望を受けた後の準備というのが下に書いてございます。
 まず、○3と書いてございますとおり、薬局と患者の間で調整ということで、通信環境の確認とか服薬指導計画の作成。右側に服薬指導計画の記載事項が記載しておりますけれども、計画から外れる場合は対面服薬指導に切り替えられるといったようなことも含めて、こういった計画をしっかり作成していただいて、その上で○4にありますとおり、医療機関と薬局の間の調整ということで、しっかり服薬指導計画を共有して、事前に処方医との間でも調整をするということでございます。その上で、オンライン服薬指導を実施するということでございますが、定期的に対面での服薬指導も実施するということとされております。
 ○5、オンライン診療を受けた際に、○6にありますとおり、オンライン服薬指導を実施することになるわけですけれども、当然、服薬指導計画に従い実施しますし、必要に応じて服薬状況等のフィードバックを処方医にしっかり行うといったような流れのイメージ図でございます。
 7ページ目と8ページ目でございますけれども、今回、調剤報酬上の取扱いを検討するに当たって、関連する技術料を記載させていただいております。
 外来のオンライン服薬指導でありますと、7コマ目にありますような薬剤服用歴管理指導料、それから、それに対して加算が幾つかございますので、下のほうにその要件等を記載させていただいております。
 また、8コマ目、在宅におけるオンライン服薬指導の場合ですと、関連するのは在宅患者訪問薬剤管理指導料ということになりますので、その要件と、それに対する加算等の規定につきまして、8コマ目にまとめさせていただいております。
 9コマ目をごらんください。「オンライン服薬指導における薬学管理料の要件の方向性(案)」ということでございます。
 診療報酬上の要件につきましては、薬機法上の要件案の内容等を踏まえ、以下のような方向で検討することとしてはどうかと考えているところでございます。
 まず1つ目、在宅患者以外の場合ということで、対象患者につきましては、薬機法の規定に基づきましてオンライン診療で処方箋が発行された患者ということになります。
 「(2)要件等」のところでございますけれども、当然、薬剤服用歴管理指導料の算定要件を満たすこと。
 厚生労働省が示す指針に従って実施する体制を有すること。
 オンライン診療と同様に、一定期間内に対面による薬剤服用歴管理指導料を算定している患者であること。
 同一薬剤師が対応することを原則とすること。
 服薬指導計画に基づき実施すること。
 お薬手帳を活用すること。
 医薬品を患家に配送する場合は、患者の医薬品受領の確認を行うこと。
 さらに、○8として、オンライン服薬指導の割合が一定以下であること。
 こういった要件等を定めてどうかと考えているところでございます。
 また「(3)加算」の部分でございますけれども、オンライン服薬指導の対象となるのが、同一処方であって、かつ、オンライン診療が可能なほど安定している患者であることを踏まえまして、算定が想定され得るものがあれば認めることとしてはどうかと考えているところでございます。
 続いて、10コマ目でございます。
 在宅患者の場合でございますけれども、まず対象患者といたしましては、訪問診療時に処方箋が発行された患者であること、かつ、在宅時医学総合管理料が算定されている患者であることを考えているところでございます。
 また「(2)要件等」の部分でございますけれども、先ほどの外来の場合に加えまして、下線部分を新たに在宅患者については求めるということでございますけれども、○2にありますとおり服薬指導結果を処方医に情報提供すること。
 ○4ですけれども、同一月内に在宅患者訪問薬剤管理指導料、対面による指導料を算定している患者であること。
 ○9でございますけれども、在宅患者訪問薬剤管理指導料とあわせて、薬剤師1人につき週40回まで、また、在宅オンライン服薬指導が、薬剤師1人につき一定数以下といったような形の要件を考えているところでございます。
 「(3)その他」を書かせていただいていますけれども、現行の医科のオンライン在宅管理料と同様の考え方でございますが、訪問薬剤管理を月1回のみ行い、かつ、当該月において訪問薬剤管理指導を行った日以外にオンライン服薬指導を行った場合に1回に限り算定可能ということとしてはどうかと考えております。
 具体的なイメージは上に表として書いてございますけれども、例えば、現行で月2回、第1週と第3週に訪問をしているといったようなケースについて、そのうちの第3週、2回のうち1回をオンラインによる服薬指導に切り替えた場合に限り算定可能という形の取扱いとしてはどうかということでございます。
 また「(4)加算」につきましては、先ほどの外来の場合と同様に、算定が想定され得るのがあれば認めることとしてはどうかということでございます。
 11コマ目、あわせて御検討いただきたい事項といたしまして「医薬品の配送費等について」でございます。
 枠囲みに書いてございますが、10月25日の中医協総会におきまして、療養の給付と直接関係ないサービス等に追加するものについて御議論をいただきました。その際に、「患者の求めに応じ、保険薬局が調剤した医薬品を患家に配送する場合に係る費用について、療養の給付と直接関係ないサービス等として費用徴収が可能であることを明記してはどうか。なお、この場合、当該保険薬局の保険薬剤師は、必ず患者の医薬品受領の確認を行うものとする。」といった形で御提案させていただきまして、それにつきまして、中医協総会で御了解いただいているという状況でございます。
 今、申し上げたことも含めて、下の整理表の中に青で塗っているところが、現行、患者からの費用徴収が可能なことが告示や通知等で明示されているものということになります。
 そういったこととの整合性を考えた場合に、例えば、右上のオンライン服薬指導におけるビデオ通話等のシステム利用に係る経費について、医療機関の場合のシステム経費は、現行、患者からの費用徴収が可能な整理になっているわけでございますけれども、それとの関係で、どう考えるかということ。
 それから、下のところで、赤枠で囲っている院内処方の場合の医薬品の配送費、それから院外処方における処方箋の郵送費や医薬品の配送費につきまして、左側にある対面時の医薬品の配送費や医薬品の持参費について、現行、患者からの費用徴収が可能とされていることの関係を踏まえて、どのように考えるかという論点があろうかと思っているところでございます。
 以上を踏まえまして、12コマ目でございますけれども、論点といたしましては、オンライン服薬指導について薬機法上の要件案、実施要領案やオンライン診療での取扱いなどを踏まえ、診療報酬上の観点から、対象患者や実施要件をどのように設定するかというのが1つ目でございます。
 2つ目としては、本年10月25日の中医協総会での検討結果も踏まえ、ビデオ通話等のシステム利用に係る経費や、薬局がオンライン服薬指導時に、医薬品を患家に配送する場合の費用の負担についてどのように考えるか。
 また、同様に、医療機関がオンライン診療時に、医薬品や処方箋を患家等に配送する場合の配送費用の負担についてどのように考えるか、ということでまとめさせていただきました。
 よろしくお願いいたします。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
 では、有澤委員、よろしくお願いします。
○有澤委員
 ありがとうございます。
 オンライン服薬指導については、薬機法が改正されて実施できるものと見直されました。施行は公布から1年以内とされており、現時点では具体的な施行日は未定でありまして、今後は施行に向けて省令改正、具体的なルールの策定に関する検討が行われていくことが予定されていますが、今回の中医協の議論で言えば、それと並行した検討になることから、慎重な対応が必要であると考えています。
 オンライン服薬指導に関するルールの策定に当たっては、その基本的な考え方として、オンライン服薬指導は、対面による服薬指導を補完するための手段として活用するものである。患者の求めに応じて実施して、その可否は、患者の状況等を踏まえて、服薬指導の都度、薬剤師が判断する必要があるということが不可欠であります。
 その上で、今回、事務局から提示された要件案については、スライド9の在宅患者以外、あるいはスライド10の在宅患者いずれの考え方の方向性や内容は、おおむね妥当なものであると考えますが、幾つかの補足をさせていただきたいと思います。
 1点目は、対象となる薬剤について、既に対面で服薬指導を実施している者に限られ、新規処方や処方変更を伴う場合は認められないことは当然であります。対面で服薬指導を実施している薬剤であっても、麻薬等の規制薬品や温度管理などの品質管理を必要とする医薬品を含む薬剤については、オンライン服薬指導にはなじまないと考えます。
 2点目は、在宅患者の場合について、患者のプライバシーの確保などの観点から、患家のみのところに限定をして、施設は認めないと考えます。
 3点目はスライド9及び10ともに、加算については算定が想定され得るものであれば認めると提案されていますが、そこに示されている加算が必要なケースについては、基本的に対面による服薬指導が必要な場合であると想定されます。そのため、実際には算定が想定され得るものに該当するケースは存在しないと思われますので、慎重に対応するという意味でも、当面は加算の設定は不要ではないかと考えます。
 以上のようなことから、スライド12の論点の1つ目、スライド9及びスライド10で提案されている内容を基本とすることで、おおむね賛成いたしますが、先ほど申し上げたような内容にも十分留意をしていただくようお願いしたいと思います。
 また、論点の2つ目については、オンライン服薬指導は、患者の求めに応じて実施するものであるということを考えれば、システム利用あるいは配送にかかる費用については、所定点数に含むものではなく、実費徴収可能な項目として整理をするのが妥当ではないかと考えます。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 では、松本委員、よろしくお願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 12ページ目の論点でございますが、この議論の前提として、水曜日に議論した国家戦略特区における都市部での遠隔服薬指導が出ましたけれども、この議論と今回の薬機法改正によるオンライン服薬指導との関係をもう一度、事務局から御説明をお願いしたいと思います。
○田辺会長
 では、よろしくお願いいたします。
○総務課長
 医薬・生活衛生局総務課長でございます。
 国家戦略特区における遠隔服薬指導につきましては、地域を限定して実証を行うという性質のものでございます。地域につきましては、離島・僻地、一部都市部も今回加わりましたけれども、ポイントは地域を限定して実証するということでございます。
 これに対しまして、先般、改正いたしました薬機法に基づく措置といいますものは、対面の例外的な措置として、全国レベルの適切なルールを定めて、オンラインによる服薬指導を認めるということでございます。
 以上のことから、法律上、薬機法施行後も、実証かつ地域限定という特区制度は、引き続き存置されるものということで整理をされているということでございます。
○田辺会長
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 確認ですけれども、水曜日の特区の議論は、あくまでも例外的なケースを議論したにすぎないというような理解でよろしいでしょうか。
○田辺会長
 では、事務局、よろしくお願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 私どもとしては、例外的なケースについて議論したものと考えております。ただ、実際の調剤報酬上の取扱いにつきましては、令和2年度改定で、今回御議論いただくようなオンライン服薬指導に関する調剤報酬が設定されれば、その特区における薬剤服用歴管理指導料の取扱い等については、暫定的な取扱いということではなく、新たに設定された報酬を適用していくというのが基本的な考え方かと思っております。
 ただし、先ほどありましたとおり、一部、離島・僻地の場合、薬機法に基づく要件と異なる場合もございますので、その点の整理は必要かと考えているところでございます。
○松本委員
 そうしますと、算定要件についてですけれども、今回の議論は、やはり先日の特区のように、一部に限っての議論ではなくて、全国の医療提供体制に大きく影響する話かと思います。しかしながら、特区の実績もまだ非常に乏しい状況であることからも、まだ、試行的な段階にあると考えますので、この件に関しましては一層慎重に対応する必要があるのではないかと考えます。
 オンライン診療と同様に、オンライン服薬指導でも指針が策定されるのであれば、その指針を遵守して実施することが重要ではないかと考えます。
 続いて、2つ目の論点につきましては、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として患者さんに負担していただく場合であっても、業者から過剰な料金が請求されることがないような配慮が必要と考えます。
 以上です。
○田辺会長
 では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
 ありがとうございます。
 今、松本委員から指針のお話もありましたけれども、今回の提案の中で、その要件として厚生労働省が示す指針に従うということが記載されています。オンライン診療のほうでは、この中医協の議論の際に、同時に医政局で指針をつくって、指針に基づいてこの診療報酬の議論がされたという経緯だと理解をしておりますけれども、今回の御提案の中に、指針に関しての文言が一切書かれていないのですけれども、以前にも厚生労働省でこれを作成するというようなお話がありましたけれども、今、いろいろ調べてみても、民間団体が指針について提案はされておりますけれども、公の厚生労働省が指針をどのようにつくられているのか、現在どうなっているのかということが一切ない。これはオンライン診療においても、指針とちゃんと整合性をとって、診療報酬の議論をしていたと思っていますけれども、その辺はいかがなのでしょうか。
○田辺会長
 では、事務局、お願いいたします。
○総務課長
 医薬局総務課長でございます。
 お手元の「中医協 総-3」の参考資料というところでございますけれども、私どものほうで作業が押してしまいましたけれども、基本的な薬機法上のルール案として省令、それから、ここは施行通知(仮称)となっておりますけれども、今の資料が3ページございまして、1ページ目、2ページ目が省令で、3ページ目以降が施行通知(仮称)というものでございます。
 先ほどの資料で「指針」と書いてありましたものの内容はこの施行通知がこの指針に相当するものとお考えいただければと思います。基本的にはこれはオンラインの診療のガイドラインに準拠いたしまして作成をいたしたものでございまして、省令とともに、現在、パブリックコメント中でございますので、現時点では、こういうオンライン診療ガイドラインに準拠した指針というものを前提に御議論いただければと思っております。
○今村委員
 わかりました。
 それぞれの局によってやり方が多分違うので、こういうやり方になっているのだろうとは理解していますけれども、医政局の、いわゆる指針の作成に当たっては、さまざまな関係者が集まって、多様な議論の中で、議事録も公開された形で議論をされていたと思っております。医薬・生活衛生局においては、オンライン診療のほうで既に指針があるので、それをベースに、こういう形で出されたのだと思いますけれども、この辺をしっかりと明確にわかるようにしていただくことと、このオンライン服薬指導のいわゆる診療報酬の点数を議論する際に、きちんと記載をしていただくということが重要かなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○田辺会長
 吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 ありがとうございます。
 今、診療側の委員の先生たちがおっしゃっていた、特区との関係、さらには指針との関係ということは、そのとおりだと思います。その中で細かい話なのですが、今回提示いただいているスライド9、10の中の要件について、前回、特区に関する課題において松本委員が、例えば、9コマ目ですと4の「同一薬剤師が対応することを原則とすること」は原則だから、これをどう考えるかについて、同一薬剤師による対応が原則ではあるものの、不在の場合にはあらかじめ計画に記載した上で、他の薬剤師が対応することも可能という回答だったと思います。今回も同じような考え方でよろしいのでしょうか。
○田辺会長
 お願いいたします。
○総務課長
 それは医薬局のガイドラインのほうでも整理をしておりますけれども、御指摘のとおりでございます。
○吉森委員
 これは指針にも関係しますが、そもそも不在の場合にはあらかじめというのは当たり前の話なのでしょうが同一の薬剤師とした理由は、先ほどの、参考の考え方にもありました薬剤師と患者との信頼関係があることをきちんと担保するということだったと思うのです。
 その点からいえば、同一の特定薬剤師という前に、かかりつけ薬局とがきちんと服薬指導計画に基づいて薬剤師間で適切に情報が共有できるという、かかりつけ薬局内のあり方、定義をしっかりと明確にしておけば、このような書き方をしなくてもいいのではないかと思います。かかりつけ薬局内の薬剤師の同一人対応ではなく、対応方法や定義をしっかりと決めておくのが、オンライン診療、オンライン服薬指導の今後の普及のあり方において、大きな論点になってくると思います。
 個別の薬剤師が同一でずっと対応するというのは、今の薬剤師のあり方の現状を考えても、なかなか難しいと思います。かかりつけ薬剤師のあり方は、勤務時間とか色々な要素があると思いますので、まずはかかりつけ薬局をきちんとどのように定義して、オンライン診療の中での対応方法をどうするか決めるというのが、順番から言えば先ではないでしょうか。その点について、指針の議論の中でもしておく必要があると考えました。これは意見です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 では、幸野委員、よろしくお願いいたします。
○幸野委員
 このオンライン服薬指導につきましても、オンライン診療と同様に、まずは始めて、多分、実態の中でかなりふぐあいも出てこようかと思いますので、当面はこの要件で開始をして、その都度ごとに見直しを行っていくという、オンライン診療と同様のやり方でやっていくべきだと思います。
 その中で1点、現場の実態の運用について伺いたいのですが、処方箋の流れがどうなるかというところが疑問なのですが、オンライン診療をやった場合、患者の申し出に基づき処方箋を直接薬局に送付して、オンライン服薬指導を行うということなのですけれども、これは処方箋の原本は患者に処方されるのか、それとも電子処方箋みたいな形で薬局に行って開始されるのか、その辺の流れを教えていただきたいのです。
○田辺会長
 お願いいたします。
○総務課医薬情報室長
 医薬局医薬情報室長でございます。
 処方箋の送付につきましては、スライドの6コマ目のところで、実際に処方箋を送付するとありますけれども、基本は紙の場合であれば、原本が医療機関から薬局に送付をされるということで、電子処方箋が実際に導入されていれば、いろいろなケースが想定されますけれども、現状としては紙が通常であると思いますので、原本送付ということで、薬局のほうに送付されるところでございます。
○幸野委員
 はいそうしますと、オンライン診療やった後、医療機関から薬局のほうに原本を郵送するということであれば、これかなり時間的なものが経過して、それからオンライン服薬指導やって、医薬品を患者宅に送るということになると、また、オンライン診療やった医療機関も、すぐにその日に発送するとは限らないということを考えると、このオンライン診療から患者が医薬品を受け取るまで、結構期間を要すると思うのですが、その辺についてはいかがかというのと、電子処方箋を受け取る環境ができている薬局というのは、どれぐらいの割合であるのかというのをお教えいただきたいのですが。
○田辺会長
 よろしくお願いいたします。
○総務課医薬情報室長
 医薬局医薬情報室でございます。
 現実の原本を送付したときに、どのくらいということで、例えば、国家戦略特区の中であれば、原本送付をして、その原本が届いた段階で実際に調剤を完了するということで、数日を要するケースが通常でございます。
 ただ一方で、こういったケースについては、患者さんの病状というか、安定もしていますし、処方が同一の範囲で行っていますので、そういったときには薬に余裕を持った形で、実際には対応していくことになろうかと思います。
 もう一つの電子処方箋の関係でございますけれども、こちらのほうは電子処方箋の運用のガイドラインは厚労省のほうで示しているところでございますけれども、ただ一方で、実際に運用しているところについては、現時点で、そういうところでは把握していないというところでありますので、全国的には紙が前提に立っているというところでございます。
○田辺会長
 では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 これがどれぐらい普及するかというのをまた懸念しているのですが、それであれば、患者は一定の余裕を持って、例えば薬がなくなる1週間ぐらい前にはもうオンライン診療を受けておかないと、お薬が届くのは、オンライン診療を受けてから多分1週間程度かかるのではないかなと思われるので、その辺の実態をこれから見て、使い勝手のいいオンライン服薬指導にしなくてはいけないので、この時間軸というものも懸念されるところでありますので、その実態を見ていきたいと思います。
 以上です。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、宮近委員、よろしくお願いいたします。
○宮近委員
 資料の10ページ目の、在宅患者の(2)の要件のところの9番目で「管理指導料とあわせて薬剤師1人につき週40回まで」という具体的な数字がある一方で、9ページの在宅患者以外についてはありません。週40回という数字の意味合いと、在宅患者に対してのみ書かれている背景はなんでしょうか。
○田辺会長
 薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 御質問、ありがとうございます。
 今、御指摘のあった、薬剤師1人につき在宅患者訪問薬剤管理指導料が週40回までというところは、現行の在宅患者訪問薬剤管理指導料の中で既にある規定でございます。ですので、今回、一部をオンラインによる服薬指導に切り替えるわけですけれども、その場合もあわせて、現行どおり40回という規定を適用することが適切ではないかということで、具体的な数字が入った形で提案させていただいているものでございます。
○田辺会長
 では、宮近委員、お願いいたします。
○宮近委員
 それで、同じく10ページの(2)の要件の10ですけれども「オンラインによる服薬指導の割合が一定以下であること」ということですけれども「一定」はどういうイメージをお持ちなのでしょうか。
○田辺会長
 では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 そこはまた中医協でのこの場での御議論だと思いますけれども、今、医科のオンライン診療料のほうで、こういったオンライン診療の割合について一定の割合以下という要件がございますので、それが一つの参考になろうかなと思っているところでございます。
○田辺会長
 ほかにいかがでございましょうか。
 よろしゅうございますでしょうか。
 では、ほかに質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 ここで一旦休憩をとらせていただきます。
○医療技術評価推進室長
 事務局でございます。
 10分程度休憩の後の再開とさせていただきます。
 
(休  憩)
 
○田辺会長
 それでは、再開いたします。
 次に、次期診療報酬改定に向けた議論として「個別事項(その15)」についてを議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明のほうをお願いいたします。
 では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
 「個別事項(その15)」といたしまして、資料を整理させていただきました。「総-4」の2コマ目をごらんいただきたいと思いますが、本日は2つの事項について整理をしております。
 1つ目が「情報共有・連携について(その4)」ということで、医療機関間の情報共有の推進でございます。
 2つ目が「妊婦加算の今後の取扱について」ということで、2点の整理をさせていただいております。
 4コマ目をごらんいただきたいと思います。
 まず、医療機関の間での情報提供を行った場合の評価ということでございますけれども、それにつきましては、情報提供料(1)ということで、その情報提供を行った場合の評価がこれまで行われてきております。
 この診療情報提供料(1)は別の保険医療機関での診療の必要性を認め、患者の同意を得て、患者の紹介を行った場合、これを評価したものとなっております。
 続きまして、5コマ目、これは診療情報提供料(2)というものでございまして、患者からの要望を受けて、患者が他の医療機関の医師の助言を得るために情報提供を行った場合の評価を行っております。これは、いわゆるセカンドオピニオンを求めるための情報提供という整理になっておるものでございます。
 6コマ目をごらんいただきたいと思います。
 これは診療情報連携共有料ということでございまして、平成30年度の診療報酬改定で新設したものでございます。
 これは医科と歯科の連携を推進するという観点から、かかりつけ歯科医療機関からの求めに応じて情報提供を行った場合の評価ということで新設されたものでございます。
 続きまして、7コマ目をごらんいただきたいと思います。
 こういった、現在、診療報酬で評価されているもの以外にも、医療機関の間で情報提供を行う場合についてのイメージを示しております。
 例えば、これは糖尿病の患者さんについての整理でございますけれども、糖尿病の患者さんに対しまして、糖尿病網膜症に対する専門的治療の必要性を認めて眼科医紹介を行う場合、これは診療情報提供料(1)を算定することができます。
 一方、現在、評価は求められておりませんが、紹介元の内科の医療機関からの求めに応じて、紹介先の眼科から、紹介元の内科に治療方針や今後の指導内容や今後の治療方針について情報提供を行う場合がございます。これについては現在評価をされていないという状況になります。
 8コマに糖尿病の医学管理についてまとめておりますけれども、糖尿病の医学管理においては、ガイドライン等においても、治療の目標というのは、例えば網膜症を含む臓器障害、これらを考慮した上で個別に設定をして治療を行っていくということが求められているという状況でございます。
 9コマ目でございますけれども、例えばということで、在宅医療における医療機関の間の連携のイメージを示しております。
 在宅医療においては、訪問診療を受けている患者について、専門的な治療が必要な場合に、専門の医療機関に診察を求めるということがありますが、特に、例えば、褥瘡の治療等について、主治医から皮膚科の専門医に対して、訪問診療を求める場合がございます。
 この場合は診療情報提供料(1)を算定するということになりますが、一方で、主治医からの求めに応じて皮膚科から主治医に対して、現在の指導内容や今後の診療の見通しといったようなものについて情報提供を行う場合がありまして、これも同様に評価がされていないという状況になります。
 10コマ目でございます。
 これは11月22日にお示しした外来化学療法の質の向上のための総合的な取り組みのイメージでございまして、ここにかかりつけ医とのやりとりを追記しております。
 外来化学療法は、例えば、大きい病院で受けた上で、日常的な診療に関しては在宅とか近所のかかりつけ医が行うといったようなことがよくあります。そういった場合に、かかりつけ医とのやりとりが発生をしております。がんの治療の今の状況とか、今後の見通し等については、専門医療機関からかかりつけ医に、かかりつけ医の求めに応じて、その治療方針等の情報を提供するといったような場合があります。これも同様に、今、評価をされていないということでございます。
 11コマ目を見ていただきたいと思います。
 ほかにも妊娠の経過中に妊娠糖尿病の疑いがあり、専門治療の必要性を認めて、産科医療機関から糖尿病専門医療機関へ紹介を行う場合、これも診療情報提供料(1)を算定することになりますが、一方、産科医療機関からの求めに応じて、糖尿病専門医療機関から産科医療機関に情報提供を行う場合がございます。これも現在のところ評価がなされていないという状況にございます。
 12コマ目には、産婦人科診療ガイドラインにおいて、糖尿病を発症した場合の血糖コントロールの不良例や、糖尿病合併症悪化の例については、分娩の時期や分娩法を個別に検討することや、妊娠中の明らかな糖尿病の女性に対しては、内科と連携して厳重なフォローを行うといったことを求めるガイドラインとなっておりまして、こういった情報が非常に必要であるというようなことがわかるかと思います。
 13コマ目に論点として整理をしております。
 診療情報提供料について、医療機関間の連携を推進し、質を高い診療を提供する観点から、患者の紹介を受けた医療機関において、継続的な診療を行うときに紹介元の医療機関からの求めに応じて、患者への指導内容や今後の治療方針について情報提供する場合の評価を検討してはどうかということで整理をさせていただきました。
 続きまして、2つ目でございますが「妊婦加算の今後の取扱について」ということで整理をさせていただいております。
 14コマ目の下段に、第1ラウンドの意見の概要を整理させていただいております。
 15コマ目「妊婦加算」の概要でございます。
 平成30年度診療報酬改定において、妊娠の継続や胎児に配慮した適切な診察を評価する観点から妊婦加算が新設されたということでございます。
 16コマでございます。
 しかしながら、妊婦加算の趣旨に反するような事例の指摘等があり、与党においても議論が行われ、昨年12月19日の中医協総会において妊婦加算の凍結を諮問し、即日答申をいただき、本年1月より算定ができないということとしております。
 17コマ目をごらんいただきたいと思います。
 こうした状況を踏まえて、本年2月より、妊産婦が安心できる医療体制の充実や健康管理の推進を含めた、妊産婦に対する保健・医療体制のあり方について、検討会において議論を行い、6月に取りまとめが行われました。
 その取りまとめ内容が、18コマ目、19コマ目にお示しをさせていただいております。この内容につきましては、6月12日の中医協の総会でお示しをしたものとなっております。
 20コマ目をごらんいただきたいと思います。
 この検討会の中で指摘のありました課題のうち、特に診療に関係する部分について抜き出しておりまして、対応案を20コマ目のように整理をさせていただいております。
 まず、妊産婦の診療に積極的な医療機関をふやし、体制を象強化するべしということにつきましは、妊産婦の診療に積極的な医療機関をふやし、体制強化するため、医師に対する研修の実施や相談窓口の設置を行といったことを進めるということ。
 それから、妊産婦への診療体制の周知の重要性ということも指摘を受けました。これにつきましては、妊産婦への診療体制等の周知のため、医療機関情報提供制度を活用して、妊産婦の診療に積極的な医療機関を周知することや、母子健康手帳の交付の際に、妊産婦に情報提供を行うことを進める。
 また、産婦人科以外の診療科と産婦人科の主治医との連携の強化ということについても指摘をいただきました。これについては、新たな医療機関間の情報提供の評価を活用し、産婦人科以外の診療科から産婦人科の主治医に対し、妊婦管理に必要な情報を提供するというようなことを検討しているという状況でございます。
 こうした取り組みをイメージとしてまとめたものが21コマ目になります。
 「妊産婦への情報提供の推進」や「適時適切な情報提供の実施」「妊産婦に対する診療の質のさらなる向上」を進めていきたいと考えておるところでございます。
 22コマ目に、論点としてお示しをしております、妊産婦に対する診療について、妊婦加算係るこれまでの議論や妊産婦に対する保健・医療体制のあり方に関する検討会における議論を踏まえて、妊産婦に対する診療の課題へ対応する。また、妊婦加算について、どのように考えるかということで整理をさせていただきました。
 以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
 では、松本委員、よろしくお願いします。
○松本委員
 13ページ目の論点でございますが、かかりつけ医は、患者さんの相談に何でも応じ、自身や医療機関の守備範囲を超えるときには、専門医、専門医療機関をスムーズに紹介できる環境を整えていくことが必要ですが、今後、そうした機能を強化し、外来医療の機能分化を促進していくためには、かかりつけ機能を有する医療機関と専門医療機関との機能分化、連携強化に資する評価は必ず必要であると考えます。評価については賛成いたします。
 続きまして、22ページ目の論点でございますが、妊婦加算の対応を検討するに当たりましては、創設した際の趣旨や検討会で明らかとなった解決すべき課題を踏まえることが必要かと考えます。解決に当たりましては、医療提供体制や日々の診療現場において、どのように対応するのか、中医協において、妊婦さん、医療機関の双方にとって有益な対応をしっかり議論することが重要と考えます。
 今回の提案は、現在、凍結になっている加算での対応ということではなく、妊産婦の方々に対する診療の質のさらなる向上のため、診療報酬以外での対応も含めたトータルでの再編と考えており、事務局の提案に賛成したいと思います。
 少子化が進む中、年々産科医療機関も減少傾向にあり、妊産婦の方々を取り巻く医療体制は今後も変化してまいります。妊産婦さんに対して、どのような診療があるべきかという課題につきましては、まだ議論の道半ばかと思っておりますので、次回以降の診療報酬改定においても、引き続きこの中医協で議論することを求めたいと思います。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、幸野委員、よろしくお願いいたします。
 まず、13ページの論点の医療機関間の情報共有については、かかりつけ医機能の強化に資する取り組みであって、論点に異論はございませんが、ただ、患者にとっては新たな追加負担になりますので、評価に当たっては、紹介元の医療機関の求めに応じて、文書による丁寧な説明と、その説明に対する患者の同意を算定要件として加えていただきたいと思います。
 それから、22ページの論点の妊婦加算なのですが、これについては凍結後、開催された検討会の議論によって、産婦人科以外の診療科への研修の実施とか、相談窓口の設置、また、今、提案された、産婦人科医の主治医と産婦人科以外の診療科の連携等、妊産婦にかかわる環境整備を優先するということが、まず優先課題ということで、診療報酬上の対応ということについては、こういった環境整備が一定程度確立された段階で、新たな枠組みをゼロベースで再度議論するということとしてはどうかと思います。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 ありがとうございます。
 22ページの妊産婦の加算の今後の取扱いについて、妊産婦が安心できる医療体制を充実させるために、改めて診療報酬の評価のあり方を検討する必要性は当然理解できますし、むしろ妊産婦の立場に立って何ができるかということを積極的に議論するのは重要な視と考えております。
 しかし、現状の妊産婦加算の仕組みをもとに見直しを行い、検討するのであれば、20ページ、21ページにありますように、妊産婦に対する診療に係る課題への対応、目指す医療体制充実というのは難しいと思います。
 そうであれば、現行の妊産婦加算の評価は一旦廃止して、新たな視点で、皆さんがおっしゃっているように、妊産婦への診療体制の評価の枠組みを構築していくのが自然な流れだと考えますし、そのほうが国民にとってもわかりやすいのではないかと思います。
 したがって、事務局の論点の方向性には特には異論ありませんが、やはり次へのステップへ進むためにも、凍結や廃止をどう考えるかについても明確にしておく必要があると思います。
 むしろ私としては、本件の経緯から得られた教訓、今後、これをどのように生かしていくかがより重要な論点だと思います。中医協で、つまり、診療報酬は患者が受けた医療行為の対価として支払うものでありまして、患者が理解し、納得できる要件設定が不可欠だという基本の考え方のもとで、診療報酬改定を行うに当たっては、その目的、趣旨、内容が国民に十分理解されるように、患者の視点に立って適切な対応することが必要で、今回、妊産婦加算の教訓を今後の議論に生かしていくことにしたいと思います。これは私の決意であります。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
 ありがとうございます。
 医療機関同士の情報連携というのは、今後の医療でますます重要になってくるということで、事務局の案に賛成したいと思いますけれども、先ほど幸野委員から、患者さんの立場とすれば、文書での同意が必要だというお話がありました。日ごろ、診療をしていますと、患者さんからの紹介状を書いてほしいという、診療情報を提供してほしいということもありますけれども、1分で書けるなんてことはなくて、1通書くのに、我々は十分に時間を使って書いています。その文書の同意ということですけれども、患者さんの同意がないのに情報提供書を渡して、違う医療機関に行ってきなさいということで、何の説明もなくやって、患者さんが納得するなんてことは普通ありません。
 したがって、口頭であっても、相当丁寧に、例えば、糖尿病であったら、なぜ、この情報があなたにとって必要か、だからこの情報提供書を渡すので、その先生のところに行ってくださいと、そういうやり方で、普通、情報提供書を発行しているのが実態だと思います。相当の時間をかけてそういう行為をやっているということの中で、新たに文書の同意まで求めるというようなことは、患者と医師の信頼関係の中で、こういう医療行為をしているものについて、患者さんの側で、一々ここまで、こんなことをさせられるのかと、逆に患者さん側でそういうことを思われる方もあるわけです。
 したがって、従来どおりの、医師と患者の信頼関係の中で納得をしていただいて、情報提供書をお渡しして、そして、新たな医療機関に行っていただくということで、私はよろしいのではないかなと思っています。
○佐保委員
 では、佐保委員、お願いいたします。
 妊婦加算について、幸野委員、吉森委員が発言したのとほぼ同趣旨ではありますが、前回の改定時、妊婦加算に関する議論の際に、支払側として、要件の曖昧さを指摘したと聞いております。現状では加算が難しいと考えておりますが、妊婦の方への支援は必要であると考えております。今後、要件をより明確化するなど、丁寧な検討が必要だと考えております。
 以上です。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
 ありがとうございます。
 妊婦加算についてですけれども、やはり私も、新たな枠組みということで、今後考えていっていただきたいと思います。
 その際には、これ以前にも発言させていただきましたけれども、妊娠してからだけの話ではなくて、やはり病気を持っている立場としては、妊娠をするかどうかということの選択も含めて、やはり不安というのはあるわけで、そういう意味では、妊娠前からの相談体制というのも含めた環境づくりという意味での支援という形で、そういったものも含めたケアの枠組みというのを考えていただきたいと思います。
 そういう意味では、それも含めて、安全な妊娠と安全な出産に向けての総合的な支援ということでの枠組みというのを考えていただきたいと思います。
 以上です。
○田辺会長
 では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 ありがとうございます。
 情報共有について、そもそも、お互い情報交換をして、患者側に立って寄り添うのはかかりつけ医であるというのが起点だと思います。したがって、かかりつけ医のあり方、患者さんとのあり方についての方法論をしっかり取り組んでおけばよく、その都度、紹介するたびに文書というのは、おっしゃるとおりなのかもしれませんが、その点を明確にしておく必要があると思います。
 今後、今の医療体制のあり方からいえば、専門医療機関とかかりつけ医の間というのは、ますます重要になってくると思いますので、明確にしておくことが大事だろうと思います。
○田辺会長
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 妊婦加算の22ページのところですけれども、あくまでも妊婦加算を復活するのではなくて、しないということの理解のもとで、先ほど間宮委員もおっしゃいましたけれども「妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会」の議論の取りまとめにもあるような、こういった視点をしっかりと盛り込んで、新たな視点で今後、継続して議論していくということでよろしいのではないかなと思います。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 では、田村専門委員、お願いいたします。
○田村専門委員
 ありがとうございます。
 情報共有連携に関して、6コマ目の診療情報連携共有料についてです。
 歯科訪問診療におきまして、多職種と連携するための在宅患者連携指導料というものがあります。小児在宅の例を申し上げますと、対象となる小児は重症児・医療的ケア児ですので、歯科訪問診療開始する際に、以下の主治医との間で、お子さんとの全身状態の確認などが必要になります。
 情報共有のため、この診療情報連携共有料や、あるいは診療情報提供料が算定されますと、先ほど申し上げました在宅患者連携指導料が併算定できない要件になっています。つまり、医科歯科連携を行うと、その他の職種との多職種連携を図ることが算定上できないということになっておりますので、在宅での医療連携を推進するためにも、併算定が可能となりますよう、御検討いただければと思います。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 よろしゅうございますでしょうか。
 では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 次に「令和2年度診療報酬改定の意見について(各号意見)」を議題といたします。
 本日は1号側委員、2号側委員、それぞれから令和元年度診療報酬改定に関する意見が提出されております。
 これは、中医協として一つの意見にまとめるものではなく、今後の診療報酬改定の個別項目の議論を行っていくに当たり、改めて各号から意見を整理して提出いただいたというものでございます。次回以降、これらの意見を踏まえながら議論を深めてまいりたいとは思います。
 それでは、まず1号側委員から説明のほうをお願いいたします。
 では、幸野委員、よろしくお願いいたします。
○幸野委員
 それでは、1号側委員を代表いたしまして、私のほうから令和2年度診療報酬改定に関する意見を申し述べます。
 資料は「総-5-1」をお開きいただければと思います。時間の制約もありますので、支払側の特に強調したい点について、絞って意見を申し上げたいと思います。
 まず1ページ目は背景と趣旨なので省略させていただきます。
 2ページ以降、分野ごとにポイントをかいつまんで説明いたします。
 まず、重点項目「(1)入院医療」については、1の4ポツ目でございます。特定機能病院における入院患者の薬剤適正使用の推進に向けて、一部の特定機能病院が作成している「使用ガイド付きの医薬品集」のあり方や、具体的な取り組みを検証した上で、有効性・安全性を前提に、経済性も考慮した処方の推進策を診療報酬上で講じるべきであると考えます。
 次に3ページの一番上になりますが、急性期の指標である診療実績データについては、そこから変換する方式である「重症度、医療・看護必要度2」については、ちょっと飛びますが、次期改定では、許可病床数200床以上の病院の測定方法については、測定2の届け出を必須とするということが求められます。
 その下の5ポツ目でございますが、これは「重症度、医療・看護必要度」の水準であります。
 旧7対1入院基本料相当の「急性期一般入院料1」の「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合については、判定基準や評価項目の見直しが基準値の水準や病床転換に与える影響をシミュレーションした上で、厳格化する必要があると考えます。
 次、3の回復期の入院医療でございますが、3ページ目の一番下の6ポツにありますが、回復期リハについては、アウトカム評価を一層推進し、患者に対するリハの質を充実する観点から、入院料1・3・5に導入しているFIMの実績指数の要件を、入院料2・4・6にも拡大するとともに、各入院料における、次のページになりますが、実績指数の現状を踏まえ、水準を設定すべきであると考えます。
 次に4でございます。
 慢性期の入院医療、療養病棟については、基準値であります医療区分2・3の該当患者割合を引き上げるということを求めます。
 その下のポツでありますが、今、経過措置1をとっているところについては、2年間延長した上で、減算幅を拡大する必要があると考えます。
 5でございます。中段あたりにありますが「短期滞在手術等基本料3」については、適切なレベルの包括点数を設定するということを求めていきたいと思います。
 次に「(2)外来医療」で、5ページに飛んでいただきたいと思います。
 1の1つ目のポツ「かかりつけ医機能」に係る診療報酬を届け出ている医療機関を評価した「機能強化加算」については、継続的な指導管理が必要な患者に診療を行う前に、かかりつけ医機能を有している医療機関であることや、それにより患者が享受するメリット、初診料に上乗せされる費用等について、文書で丁寧に説明するということを算定要件に追加すべきであるということです。これについてはいろいろ議論をしておりますが、支払側としては、必ずこれは実施していただきたい要件だということを改めて強調していきたいと思います。
 2、紹介状なしの大病院については、対象医療機関の範囲を200床以上の地域医療支援病院に拡大する必要があると思われます。
 下のほうに飛んでいただきまして、4、ニコチン依存症管理料につきましては、治療を継続するための対応について、まずは検証するということが求められると思います。
 2ポツ目の、同じ情報通信機器を用いた診療まで対象を拡大するということについては、慎重に検討を進める必要があると思います。
 その下の6でございます。
 分割調剤については、患者の認知度が低く、算定回数も少ない状況を踏まえ、6ページになりますが、患者が理解しやすく、活用しやすい処方箋様式への見直しと、病状が安定した患者に対し有益な仕組みである分割調剤の普及を促進すべきと考えます。
 それから7でございますが、ギャンブル依存症に対する集団療法については慎重な検討が求められると考えております。
 「(3)在宅医療」については、後でお読みいただければと思います。
 7ページに飛ばしていただきまして「(4)調剤報酬」についてでございます。
 これにつきましては1が基本的な考え方なのですが、現在、処方箋の受け付け回数と集中率によって細分化されている調剤基本料については、適正化の観点から、これを一本化した上で、さらにかかりつけ機能や24時間対応、在宅対応等、地域への貢献に資する機能に応じた評価で薬局の差別化を図るべきであり、こうした調剤報酬の抜本的な見直しを視野に入れて検討を進めるべきと考えております。
 それから2の対人業務であります「薬剤服用歴管理指導料」については、調剤基本料1以外を算定する門前薬局の場合、お薬手帳を持参した場合でも高い点数が設定されるという問題があり、患者の負担を軽減する観点から、点数設計を見直す必要があると考えます。
 その下のほうの3でございますが、対物業務の最たるものである内服薬の調剤料については、全体として適正化を図るべきという対応を求めたいと思います。
 それから、下段のほうにあります横断的事項は、オンライン診療についてなのですが、総じて言いますと、オンライン診療につきましては、適正な普及に向けて、エビデンスを構築し、環境整備を行っていくべきと考えます。
 8ページのほうに下がっていただきまして「(6)医師等の働き方改革推進」でございます。
 医師の働き方改革の推進は、地域医療構想の実現に向けた取り組みや、実効性のある医師偏在対策との三位一体改革の進捗状況を踏まえつつ、令和2年度改定におきましては、救急医療、24時間対応等々、勤務医等を対象に、ICTを活用した医療の効率化やタスクシフト・シェアの推進に資する環境整備、患者の受療行動の変容に向けた総合的な取り組みを推進するべきであり、入院基本料等で一律に評価する等、安易な患者への負担を生じさせ対応とすべきではないと考えます。
 3のほうに飛んでいただきまして、これは前回議論いたしましたものですが、特に過酷な勤務環境となっている高度な救急病院における勤務医の負担を軽減するためには、労働時間短縮に向けた緊急的な取り組みを推進する必要があり、診療報酬上の評価に当たっては、中長期的な目標設定と進捗状況の報告を要件化する等により、患者に見える化すべきであると考えます。
 その他、9ページ以降、個別項目でございますが、これについてはお読みいただければいいと思いますが、1点強調しておきますのは、10ページ目の「(9)明細書無料発行」でございます。
 これにつきましては、明細書無料発行の完全義務化を実施するとともに、明細書の内容を患者が理解しやすい表記へと改めて対応が求められるというところでございます。
 以上、支払側として特に強調したい点を述べさせていただきました。
 説明は以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 続いて、2号側委員から説明のほうをお願いいたします。
 では、松本委員、よろしくお願いいたします。
○松本委員
 前回の中医協総会において報告がありました。
 令和2年度診療報酬改定の改定率の決定を受けて、2号側委員として、国民が望み納得できる、安心・安全で良質な医療を安定的に提供するための令和2年度診療報酬改定に対する意見を取りまとめましたので、簡単に述べさせていただきます。
 まず、以下の基本的な考え方ですが、人生100年時代を迎える中で、国民皆保険を守り抜き、次世代の人々、さらには医療従事者も誇りを持って仕事をすることができるよう、持続可能な社会保障制度の確立に向けて、限られた財源を適切に活用する必要があります。
 社会保障審議会が取りまとめた改定の基本方針では、医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進が重点課題として位置づけられました。
 2040年の医療提供体制の展望を見据えて、地域医療構想の実現に向けた取り組み、実効性のある医師偏在対策、医師・医療従事者の働き方改革を推進し、総合的な医療提供体制改革を実施していくことが求められております。
 この取り組みにより、国民の健康寿命を延伸させ、持続可能な社会保障制度の実現につなげるとともに、社会保障の充実により、国民不安を解消することができると考えております。
 私どもは、地域医療を守る使命感と倫理感に基づき、将来にわたり我が国の医療制度を維持発展させるため、令和2年度診療報酬改定に当たっては、2ページの1から9に示す事項を基本方針として捉え、その実現に向けて取り組むことを求めてまいりたいと考えております。
 なお、これまで中医協で検討してきた項目につきましては、あくまでも財源次第での議論であり、改定率を踏まえ、めり張りをつけたり、優先順位を決め、実施しないものが出てくることは当然であります。
 それを踏まえた上で、基本方針といたしましては、2ページ目の3、大病院、中小病院、診療所がおのおのに果たすべき機能に対する適切な評価と、地域の医療提供システムの運営の円滑化として、一つ、急性期医療から回復期・慢性期に至るまで良好に運営できる診療報酬体系の整備と十分な評価。
 一つ、救急医療、精神科救急医療等の不採算医療・政策医療を引き受けてきた医療機関が健全に運営できる診療報酬の設定。
 一つ、地域の診療所や中小病院のかかりつけ医が地域包括ケアシステムにおいて担う中核的機能を踏まえた手厚い評価を挙げております。
 次いで、4、医師・医療従事者の働き方の実情を踏まえた診療報酬上の対応として、一つ、医師等の働き方改革の推進。
 一つ、医療従事者の負担軽減策のさらなる推進(複数非常勤従事者の常勤換算等)でございます。
 一つ、専従要件である所定労働時間や設置場所の大幅な基準緩和などを主張いたします。
 次に、具体的検討事項といたしましては、代表的なものとして、1、初・再診料につきまして、初・再診療、外来診療料の適切な評価、つまり、引き上げを挙げております。
 医師の技術料の最も基本部分であるとともに、経営原資となるものであります。高齢者の増加に伴い、診療時間が長くなっている現状もあり、医療機関の健全な経営のために、医師の技術を適正に評価し、職員等の人件費や施設費等のコストに見合った点数に引き上げることとさせていただいております。
 そのほか、具体的な点数項目等につきましては、地域医療を担当する現場の医療機関等の声の中から、改定が必要であると考えるものを挙げさせていただいております。
 医科については以上です。
○林委員
 次に、11ページからは歯科であります。
 歯科の基本的考え方ですが、ライフステージに応じた口腔疾患の継続管理による重症化予防、口腔機能の維持向上をかかりつけ歯科医が中心となって提供することが、国民の健康、そして、安全・安心な生活に資すると考えております。
 また、超高齢社会において増加する要介護者や、さまざまな疾患を抱える高齢者への歯科医療並びに口腔健康管理、口腔機能低下への対応等を通じて、QOLの改善と健康寿命の延伸を目指すことも、歯科医療従事者の責務でございます。
 さらに重点課題の医療従事者の負担軽減並びに医師の働き方改革においても、歯科は医科歯科連携や周術期等、口腔機能管理の推進で、医科疾患の重症化予防に貢献できるものと考えております。
 今後も、国民の健康な生活を支えるという歯科医療提供者の責務を持続的に果たすため、一つ、かかりつけ歯科医機能のさらなる充実・推進。
 一つ、医科歯科連携の推進。
 一つ、QOL向上を目指した歯科医療の提供を基本方針に掲げてございます。
 つきましては、12ページ以降の具体的検討事項の代表的なものといたしまして、1、口腔疾患の継続管理・重症化予防。
 2、口腔機能維持向上への対応。
 3、医科医療機関との連携推進。
 13ページの7、周術期等口腔機能管理のさらなる充実。
 9、基本診療料の引き上げ。
 11、歯科固有の技術に対するあるべき評価。
 14ページの15、長期継続管理の阻害要因の排除などに関しまして、所要の改定を求めるものでございます。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○田辺会長
 では、引き続き、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
 調剤については、15ページに保険薬局における調剤報酬関係として整理したように、国民が住みなれた地域で安心して医薬品を使用できるよう、薬剤師・薬局による、安全な薬物療法の提供や、適正な医薬品供給の確保、医師を中心とする多職種との連携を図ることが必要であり、そのためには「服薬状況の一元的・継続的把握とそれに基づく薬学的管理・指導」を初め「重複投薬、ポリファーマシー等への対応」、また、後発医薬品のさらなる普及、普及促進への取り組みなどが必要であります。
 そのようなことから、具体的な検討項目として、主なものとしては、こちらの7項目ほど挙げさせていただいていますが、かかりつけ薬剤師・薬局による取り組み、医薬品適正使用のための薬学的管理指導、医療安全確保に向けた病診薬連携等の推進、地域医療に貢献する薬局へのさらなる機能の充実と強化、後発医薬品・バイオ後続品の普及促進に関する環境整備などの評価を挙げております。
 また、16ページ以降については、病院・診療所における薬剤師の業務関係として、入院・外来の医療機能の分化・強化、あるいは地域包括ケアシステムの構築など、超高齢化社会に対応した医療提供体制の構築を進める中、病院・診療所の薬剤師に求められる役割は大きく、薬剤管理指導及び病棟薬剤業務のさらなる充実や、医療機関及び保険薬局との情報共有の充実が、医療安全の確保と薬物療法の質の向上につながり、医師の働き方改革に対応するための体制確保ができると考えています。
 そのようなことから、具体的な検討項目として、現在、評価対象となっていない病棟における薬剤師業務、他の医療機関や保険薬局等の薬物療法に関する情報共有、施設基準として、2人以上の常勤薬剤師の配置が求められる診療報酬項目の要件緩和、ポリファーマシーへの対応、後発医薬品・バイオ後続品のさらなる普及推進などの評価を挙げております。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 この件に関して、今回、議論はいたしませんけれども、次回以降、これらの意見を踏まえながら、診療報酬改定の個別項目の議論を行ってまいりたいと存じます。
 本日の議題は以上でございますけれども、事務局から報告事項で、その他として資料が提出されておりますので、事務局のほうより説明をお願いいたします。
 まず、公聴会の開催について、よろしくお願いいたします。では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 資料「総-6-1」、中医協公聴会の開催についてということでございます。
 まず、令和2年度診療報酬改定に当たりまして、医療現場や患者様、国民の声を反映させるために、中医協委員が国民の声を聞く機会を設定するということを目的として、公聴会を開催しております。
 開催の日時でございますが、来年、令和2年1月24日金曜日、10時30分から12時30分を予定しております。
 開催場所でございますけれども、富士市産業交流展示場、ふじさんめっせ、展示場3というところで開催をしたいと考えておるところでございます。
 以上、よろしくお願いしたいと思っております。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの件につきまして、何か御質問等がございましたらよろしくお願いいたします。
 よろしゅうございますでしょうか。
 では、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 次に、これも報告事項でございますけれども、保険医療機関等の指導・監査等の実施状況について、事務局のほうより説明をお願いいたします。
 では、医療指導監査室長、よろしくお願いいたします。
○田中医療指導監査室長
 医療指導監査室長の田中です。
 「総-6-2」をごらんいただきたいと思います。
 我々が実施しております、保険医療機関等の指導・監査の30年度の実施状況について御報告申し上げます。
 「1.指導・監査等の実施件数」でございます。
 個別指導に関しましては4,724件、新規個別指導に関しては5,962件。適時調査に関しては3,636件、監査に関して52件という実績になってございます。
 「2.取消等の状況」でございます。
 保険医療機関等に関しまして、指定の取り消し処分が行われたのが14件、既に閉院などにより指定を取り下げている例などに対しては、指定取り消し相当というような形で扱っておりますが、それが10件。
 保険医等に関しまして、取り消しは19人、取り消し相当が0人ということです。
 「3.返還金額」でございます。
 指導による返還金が32億円、適時調査による返還金が49億円、監査による返還金が5億円でございます。
 2ページ目でございますが、先ほどお示ししました指導等の状況に関して、医科・歯科・薬局の内訳が示されてございます。
 3ページ目に関しましては、平成26年、27年、28年、29年、30年ということで、先ほどの指導等の実績の状況を時系列でお示ししているものでございます。
 4ページ目に関しましては、30年度の実績を47ある厚生局の地方事務所、都道府県単位で設置しています事務所ごとの実績件数をお示しております。
 5ページ目に関しましては、保険医療機関の取り消しになったものに関して、概略をお示しております。
 下のほうに示しておりますけれども、医科の取り消しが6件、取り消し相当が3件。歯科が取り消しが7件、相当が5件。薬局が、取り消し1件、相当が2件となっております。
 6ページ目でございます。
 医科、歯科、薬局の実際の取り消しの主な事例としてお示ししております。
 医科に関しましては、無資格者が院外処方箋を発行した、その保険診療に関して不正な請求が行われたことを認めたものでございます。
 また、歯科に関しましては、架空請求、付増請求、振替請求、自費診療で行われた診療行為に対して保険請求を行ったということを不正と認定したものでございます。
 薬局に関しましては、無資格者がつくった不正な処方箋に基づいた調剤行為に関して、報酬請求を不正にされたということを不正と認定したものでございます。
 私からの説明は以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明は報告事項でございますけれども、何か御質問等はございますでしょうか。
 よろしゅうございますでしょうか。
 では、特段の御質問等もないようでございますので、この件に関しては以上としたいと存じます。
 本日の議題は以上でございます。
 なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。
 どうも御参集ありがとうございました。それでは、皆様、よいお年をお迎えくださいませ。

 

 
 


 
 

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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