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2019年12月13日 中央社会保険医療協議会 総会 第441回議事録

○日時

令和元年12月13日(金)9:48~12:13

○場所

グランドアーク半蔵門 富士の間(4階)
 

○出席者

田辺国昭会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 松原由美委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員 
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 猪口雄二委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 岩田利雄専門委員
保険医療材料等専門組織小澤委員長
<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 八神審議官 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○医療機器及び臨床検査の保険適用について
○個別事項(その13)について
○先進医療会議からの報告について
○選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果への対応について(その2)
○入院医療(その5)について
○歯科医療(その2)について


 
○田辺会長
それでは、ただいまより、第441回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
まず委員の出席状況について、御報告いたします。
本日は、染谷委員が御欠席でございます。
なお、荒井委員、岩田専門委員におかれましては、おくれて御到着とのことでございます。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りは、ここまでとさせていただきますので、御協力をよろしくお願い申し上げます。
(カメラ退室)
○田辺会長
それでは、早速でございますけれども、議事に入らせていただきます。
初めに「医療機器及び臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。小澤委員長より、御説明をお願いいたします。
それでは、よろしくお願いいたします。
○小澤委員長
それでは、説明いたします。
中医協総-1-1の資料をごらんください。
今回の医療機器の保険適用は、C2が2製品、2区分です。
2ページ目をごらんください。製品名はFreeStyle リブレです。
4ページ目の製品概要をごらんください。本品は、皮下に挿入したセンサーが間質液中のグルコース濃度を連続的に測定し、低血糖、または高血糖の検出を補助し、必要に応じて、血糖自己測定器を併用しながら、糖尿病の日常の自己管理に用いる製品です。
2ページにお戻りください。価格につきましては、本品は特定保険医療材料としては算定せず、新規技術料にて評価することが適当と保材専として判断いたしました。このため、外国平均価格との比はありません。
5ページ目をごらんください。製品名はFoundationOne CDx がんゲノムプロファイルです。
8ページ目の製品概要をごらんください。本品は、固形がん患者を対象とした腫瘍組織の包括的なゲノムプロファイリングを取得し、医薬品の適応判定の補助を目的として、対応する遺伝子変異等を検出する製品です。
5ページにお戻りください。価格におきましては、特定保険医療材料としては算定せず、新規技術料にて評価することが適当と、保材専として判断いたしました。このため、外国平均価格との比はありません。
中医協総-1-2の資料をごらんください。
今回の臨床検査の保険適用は、E3の1点です。
2ページ目をごらんください。販売名はipsogen JAK2 DX 試薬です。
測定項目は、JAK2遺伝子検査です。
測定方法は、アレル特異的定量PCR法です。
4ページ目の製品概要をごらんください。本検査は、血球成分より抽出したゲノムDNAのJAK2V617F遺伝子変異割合を測定する臨床検査です。
2ページ目にお戻りください。保険点数につきましては、D006-6、免疫関連遺伝子再構成、2,504点を参考点数としています。
今回、御説明いたします内容は、以上です。
○田辺会長
臨床検査のほうも引き続きあるのですか。とりあえず材料はこちらで区切らせていただきます。
事務局、補足はございますでしょうか。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局からは、特段、補足はございません。
○田辺会長
ありがとうございました。
この件に関しまして、御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
引き続き、臨床検査の御説明をお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
臨床検査につきましも、事務局から特段の補足はございません。
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、この件に関しましても、御質問等はございますか。よろしゅうございますか。
それでは、本件につきましては、中医協として承認するということで、諮らせていただきたいと存じます。よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
次に、次期診療報酬改正に向けた議論といたしまして「個別事項(その13)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
事務局、よろしくお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
医療技術評価推進室長でございます。
総-2をごらんください。
個別事項(その13)(がん対策3)といたしまして、2コマ目でございます。遺伝性乳がん、卵巣がん症候群(HBOC)の説明をさせていただきます。これにつきまして、御審議をいただければと思います。
3コマ目をごらんください。遺伝性乳がん卵巣がん症候群、HBOCと呼称させていただきますけれども、この症候群は、生殖細胞系列のBRCA1遺伝子、または、BRCA2遺伝子の変異によりまして、乳がんや卵巣がんなどの発症リスクが上昇する疾患概念でございます。
がんの既往歴にかかわらず、一般的には、200から500人に1人の割合でHBOCに該当するといわれておりまして、また、国内の疫学調査から、家族歴のある乳がん患者、または、卵巣がん患者の30%がBRCA1、または、BRCA2の遺伝子変異を有することがわかっているところでございます。
下段のグラフ表にデータを示させていただいております。右側にお示しをしておりますのが、BRCA1、下段がC2のそれぞれの変異の方での70歳までのがん発症率が、極めて高くなることをお示しさせていただいております。
4コマ目をごらんください。こうしたHBOCの方に対する治療につきまして、手術による介入が患者の生存率の改善に寄与することがわかっております。例えば両側の乳房の切除術を行った場合、腫瘍が発生をしている腫瘍側のみの乳房切除術と比較をいたしまして、両側の場合のほうが生存割合は高いということがわかっております。また、下段のデータでございますけれども、卵巣・卵管の切除術は、死亡リスクを低下させることもエビデンスが得られております。
5コマ目をごらんください。こうしたエビデンスも踏まえまして、海外のみならず、我が国の学会からもHBOCに係る診療上の取り扱いに関するガイドラインの取りまとめがなされておりまして、その内容につきまして、御紹介をさせていただいております。
6コマ目をごらんください。HBOCに対する検査についてでございます。HBOCを診断するためのBRCA1、BRCA2遺伝子検査は、これまで化学療法の適応判定の補助を目的として、保険適用されてきたところでございます。そうした中、本年11月14日付で、BRCA1、BRCA2遺伝子変異を検出するための医療機器が、HBOCの診断を目的として薬事承認をされたところでございます。今後、臨床現場において、HBOCの診断を目的としたBRCA1、BRCA2遺伝子変異検査が行われることが予想されているところでございます。
7コマ目をごらんください。がんゲノム医療中核拠点における遺伝カウンセリングに係る要件を参考としてお示しさせていただいております。
8コマ目をごらんください。上段ががんゲノム医療拠点病院における遺伝カウンセリングに係る要件、下段はがんゲノム医療連携病院に係る要件となっております。8コマ目の下段にございますけれども、がんゲノム医療中核拠点病院は全国11カ所、医療拠点病院は全国34カ所、医療連携病院は全国122カ所となってございます。
9コマ目をごらんください。乳房切除や卵巣切除等に係る診療報酬の評価の現状について、参考資料としてつけさせていただいたものでございます。手術に係るものを上段に、また、カウンセリング、フォローアップに関連するものを下段に示させていただいております。
10コマ目をごらんください。本日は、論点といたしまして、遺伝性乳がん卵巣がん症候群、HBOCに対する治療の有効性・安全性が確認され、国内のガイドライン等にも位置づけられたこと及び診断のための遺伝子検査が薬事承認されたこと等を踏まえ、HBOCの症状である乳がんや卵巣・卵管がんを発症している患者について、BRCA遺伝子検査及び診断の過程を通じた遺伝カウンセリングを含めて、対側乳房切除や卵巣・卵管切除の評価の対象としてはどうか。
また、あわせまして、切除を希望しない患者に対するフォローアップ検査について、保険診療として位置づけることについて、どう考えるか。
この際、適切な検査や治療、遺伝子カウンセリング等を行うことが重要であることから、HBOCに対する適切な対応が可能な施設において診療が実施されるよう、要件等を設けてはどうかとさせていただいております。
参考までに11コマ目に、今回、論点で御提示をした部分について、フローチャートのような形でお示しをさせていただいております。
事務局からは、以上でございます。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。松本委員、お願いいたします。
○松本委員
診療側といたしましては、10ページ目の論点のいずれにも賛成いたします。
○田辺会長
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
HBOCの有効性・安全性の確認をされ、ガイドラインも関係学会でまとめられているということで、確定診断するためのBRCA遺伝子検査も薬事承認を得るということも踏まえれば、評価していく方向性は理解できると思います。ここで確認をさせていただきたいのですが、いまだ発症していない部位への治療を診療報酬で評価する例は、これまでHBOC以外にあったのかどうか。
もう一つ、HBOCを疾病概念と考えているという書きぶりがありますが、この概念、考え方をもう一度整理をして、教えていただければと思います。また、未発症部位への対応を治療行為として解釈する考え方も併せて教えていただければと思います。
○田辺会長
よろしくお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
3点、御質問をいただいたと思っております。
まず未発症部位に対しまして、手術等の侵襲性のある治療を位置づけたことがあるのかということだと思いますけれども、未発症部位に直接的にそうした侵襲性のある行為を保険に位置づけたことは、これまではないと思っております。
続きまして、疾患概念でございますけれども、こちらのHBOCがその遺伝性の遺伝子変異をもとに、さまざまながんを起こし得る病態ということで、今回、未発症の部位に対する侵襲性のある治療行為も含めた保険収載を事務局から提案させていただいたというのは、その一部の既にがんを発症している方については、そうした疾患を発症しているという考え方のもと、現段階では、未発症の部位に対する治療もエビデンス等を踏まえて、収載してはどうかということを御提案させていただいているものでございます。
以上でございます。
○田辺会長
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
よくわかりました。今後、遺伝子検査等の技術進歩は、当然今の環境を考えれば、進展していくのだろうと思いますし、このような疾病概念という形での未発症部位への対応というケースも増えていくのだろうと思います。今回のHBOCのケースは、あくまでも既発症している患者さんに対しての未発症部分に対する治療の整理ということで理解はしますが、今後、今申し上げたようなことが進んでいくとなれば、予防的な医療との境界線について、しっかりとどのように線引きするか考えておかないといかなければならないと考えております。今回のケース等を参考に、疾病概念のあり方とか、保険適用にするときの考え方など、ある程度一定のメルクマールの整理をする必要があると思いますし、その考え方を明確にしておく必要があるのだろうと考えております。
もう一方、手術を希望しない場合のフォローアップ検査は、HBOC診断を疾病概念として進めて、患者さんの選択によって希望しないとなれば、当然診断後の対応としてのフォローアップは、必要な行為だと考えますので、保険診療に位置づけるのは、妥当な考え方と考えます。
もう一つのBRCA遺伝子検査を初めとした、遺伝子カウンセリングをどう考えるかということについて、HBOCのフローチャートにありますが、診断の一連のプロセスで、遺伝子カウンセリングがこの行為に対して必須のカウンセリングであるということであれば、きちっとした対応可能な施設においての適切な診療実績を担保するためには、流れをきちんと担保できるような予見設定は必要だと考えております。遺伝子カウンセリングが、HBOCの流れのプロセスの位置づけとして、必須であるかどうか教えていただければということが1つと、対応可能な施設として、中核拠点病院や連携病院など、ゲノム関連の全ての病院で対応可能なのか、一部なのか、教えていただければと思います。
○田辺会長
よろしくお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
HBOCの診断に関しまして、遺伝カウンセリングが必須なのかどうかということだと思いますけれども、事務局としては、ガイドラインも踏まえまして、必須ではないかと考えております。
また、その実施体制でございますけれども、本日は、参考としまして、拠点病院のおけるカウンセリングの要件という形でお示しをさせていただきましたが、どういった医療機関で行われるべきかということにつきましては、関係の学会等も含めまして、御相談をさせていただくような形で進めさせていただければと考えております。
○田辺会長
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
わかりました。その辺も事前に明確にしておいていただきたいと思います。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
遺伝カウンセリングは、遺伝のことについてなのでしょうけれども、心のケアとか、そういうところも含んでいることなのか、あと、遺伝カウンセリングということが実際に既に行われていて、実績みたいなものは、データとしてあるのでしょうか。
○田辺会長
よろしくお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
遺伝カウンセリングにつきまして、心のケアといった内容を含むのかということにつきましては、もちろんそういった内容も含んでいるものと承知をしております。
また、遺伝カウンセリングのデータは、現在、手元にございませんが、HBOCも含めて、さまざまな遺伝性疾患について、カウンセリングという形で広く行われていると承知をしております。
○田辺会長
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
現在でどのぐらいの病院が対応しているのでしょうか。わかっている範囲でいいです。
○田辺会長
よろしくお願いいたします。
○江浪健康局がん・疾病対策課長
がん・疾病対策課長の江浪と申します。よろしくお願いいたします。
今、がんゲノム医療に関しましては、がんゲノムのパネル検査が行われておりますけれども、そのパネル検査が行える医療機関に関しましては、資料の7、8あたりにありますがんゲノム医療中核拠点病院、がんゲノム医療拠点病院、また、その連携病院において行われることとなっております。
その医療機関数に関しましては、スライド7にございますけれども、医療機関数を示しております。それぞれの医療機関における実績ということでございますが、要件の中で遺伝カウンセリングに関しまして、申請の段階で1年の間に10人以上に対して実施していることが、中核拠点病院や拠点病院の中では示しておりますし、連携病院に関しまして、中核拠点病院や拠点病院において、確認をしていただいておりますけれども、1年の間に1人以上に対して、実施しているという実績をもとに認定をしております。
以上でございます。
○田辺会長
よろしゅうございますか。
ほかにいかがでございましょうか。島委員、よろしくお願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
確認ですけれども、最後の論点の下に、今、話が出ておりましたが、最終的にこういうがんゲノムのものに関しては、ここに書いてあるように、連携病院までのあたりで、将来的には収れんをさせようということでしょうか。
○田辺会長
事務局、よろしくお願いいたします。
○江浪健康局がん・疾病対策課長
がん・疾病対策課長の江浪でございます。
がんゲノム医療の特にパネル検査に関しましては、非常にたくさんの遺伝子を一遍に調べるという技術で、特に解釈、あるいはその検査を受けた方に対する、ちゃんとしたカウンセリングを含めた体制整備は、非常に重要だと考えてございまして、現時点におきましては、がんゲノム医療中核拠点病院、がんゲノム医療拠点病院、また、がんゲノム医療連携病院において、行っていただくということとしております。
もちろん医療の技術の進歩、あるいは医療提供体制の整備によって、今後、変わっていく可能性はございますけれども、現時点におきましては、3類型の医療機関の中で行っていくこととしてございます。
○田辺会長
よろしゅうございますか。
ほかにいかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑は、このあたりとしたいと存じます。
次に、報告事項でございますけれども、次期診療報酬改定に向けた議論といたしまして「先進医療会議からの報告について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
引き続き、医療評価技術推進室長、よろしくお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
それでは、中医協総-3に基づきまして、御報告をさせていただきます。
まず総-3-1をごらんください。令和元年6月30日時点で実施をされておりました、先進医療の実績報告でございます。
1ページ目の表でございますけれども、1の先進医療技術数でございますが、本年6月30日現在、Aとして認められているものが29種類、Bが59種類、合計で88種類でございます。
実施医療機関数、全患者数につきましては、表にお示しをしているとおりでございます。
4の総金額でございますけれども、Aが約337.7億円、Bが約13.9億円、合計で約351.6億円という額になっておりまして、そのうち5の保険外併用療養費として、保険診療で見ているところにつきまして、Aが47.2億円、Bが約6.9億円でございまして、6の先進医療にかかる費用、いわゆる患者さんの全額自己負担の部分につきましては、Aが約90.5億円、Bが約7.0億円となってございます。
2コマ目をごらんください。こちらは直近1年間の先進医療の技術数の推移をお示しした資料でございます。昨年、平成30年6月30日時点では、先進医療Aが28種類、Bが64種類でございました。
その後、1年間に新規で承認された技術数は、Aが1種類、Bが6種類でございました。
また、3、4の欄にお示ししておりますとおり、保険収載された技術でありましたり、また、実施取り下げをされた技術がございまして、6にありますように、本年6月30日時点での先進医療の技術数は、先ほど御説明をさせていただいたものとなっております。
3ページ目でございます。こちらは過去5年間の実績をお示しさせていただいたものでございます。技術数といたしましては、平成27年以降、おおむね100件前後で推移をしているところでございます。
一方、実施医療機関数、全患者数、総金額等につきましては、増加傾向にございます。
4ページ目以降には、参考資料といたしまして、先進医療A、先進医療Bの核技術についての実施件数でありますとか、費用等の一覧、また、先進医療Bの進捗状況などをお示しさせていただいております。
総-3-2をごらんください。12月5日に先進医療会議が開催をされまして、そちらにおいて、保険導入に係る評価が行われた際に、先進医療からの削除が適当と判断をされました技術についての御報告でございます。
有効性や効率性等が十分に示されていないことから、先進医療からの削除が適当と判断をされました技術は、下段にございますように、告示番号11番、歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法と、告知番号14番、多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術の2術でございました。
なお、これらの技術以外につきましては、先進医療会議が取りまとめた評価結果を医療技術評価分科会に報告をしまして、当分科会において、保険導入に係る検討がなされる予定となってございます。
簡単ではございますが、事務局からの説明は、以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑は、このあたりとしたいと存じます。
次に、次期診療報酬改定に向けた議論として「選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果への対応について(その2)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
資料総-4に従いまして、御説明をさせていただきます。
選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果への対応についてということでございます。
「1.背景」をごらんいただきたいと思います。毎回、診療報酬改定に合わせた形で、選定療養に追加すべき事例等を募集いたしまして、それに対して、対応を決めていくというステップがございます。今回には、そこにありますように、令和元年7月17日の中医協総会において、提案・意見募集の結果の速報を行いまして、また、10月25日の中医協総会において、その対応について、議論をいただいた状況でございます。
今回の提案につきましては、その際に日本眼科学会及び日本眼科医会からの選定療養に導入すべき事例に関する共同提案がございましたけれども、10月25日時点では、本提案と同技術であります、多 焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術が先進医療として評価中であったことでございまして、10月25日の対応の中では、検討いただいていないという状況でございました。
今般、先ほどの御説明をさせていただきましたとおり、12月5日の先進医療会議において、この技術については、先進医療からの削除が適当という御評価をいただいたところでございます。そこで、今回、御提案をさせていただいたということでございます。
「2.対応(案)」とつけさせていただいておりますけれども、多焦点眼内レンズについては、保険給付の対象としております、水晶体再建効果に加え、疾病に対する治療には位置づけられない、いわゆるアメニティーとしての眼鏡の装用率の軽減効果を有しておるということでございまして、また、その技術と一体不可分であることです。
患者のニーズが相当あるという状況等の理由から、水晶体再建術における眼鏡装用率の軽減効果を有する多焦点眼内レンズの使用を選定療養に位置づけ、通常の水晶体再建術に係る保険診療との併用を認めることとしてはどうかと考えております。
2ページ目に移りまして、また、選定理由に位置づける際には、この療養が適正に実施されるという、それを促す観点から、関係の学会と連携をいたしまして、そこにあります3点の対応を求めることとしてはどうかと考えております。
1つ目が患者に対し、本療養のメリット、デメリット及び費用について、十分な情報提供を行うこと。
2つ目が患者から徴収する費用を妥当適切な範囲とすること。
3つ目が関連学会が定める指針を遵守すること、この3点を守るという対応を求めることとしてはどうかと考えております。
提案につきましては、以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。松本委員、お願いいたします。
○松本委員
多焦点眼内レンズによる資料につきまして、これは水晶体再建効果という点では、現在、保険給付されている単焦点眼内レンズと同等ということでありますので、既存技術と同等程度の有効性・安全性しか認められなければ、da Vinciを使用した内視鏡手術のように、同じ点数で保険適用するということが、これまでの考え方だったと思います。
しかしながら、多焦点眼内レンズは、水晶体再建効果に加え、患者さんから一定のニーズがある疾病に対する治療には位置づけられない眼鏡装用率の軽減効果が一体不可分であるため、そのまま保険に位置づけることは非常に難しく、仮に保険適用とした場合であっても、現在の単焦点眼内レンズの手技料である1万2100点の中には、単焦点レンズの費用が含まれており、この点数のままでは、多焦点眼内レンズの費用を賄えないので、同じ点数で保険適用することも不可能であり、そうかといって、高い点数を設定するエビデンスもないことだと理解しております。
一方で、完全に自由診療とすることは、眼内レンズを使用した水晶体再建術の部分も、保険外適用となってしまうということから、これもまた難しく、今回のような提案が出されたのだと理解しております。
こうした事情からしますと、今回、提案された選定療養とする取り扱いにつきましては、極めて異質なものであり、高額なものを使う場合は、一部しか保険適用されないという考え方とは、全く異なるということをまずは明確にしていただきたいと思います。
その上で、多焦点眼内レンズを使用することで、眼鏡の装用率が軽減されるという、疾病に対する治療とは無関係とされるアメニティーの要素をどのように評価、判断するかという点につきましては、3ページ目の研究結果を見ましても、多焦点眼内レンズを使用しても、眼鏡が必要になる場合もあり、また、手術を受けたことに満足していない患者さんも一定程度いらっしゃることからすれば、対応案の2つ目の○に示されている、患者さんに対して、本療法のメリット、デメリット及び費用等について、十分な情報提供を行うことは、相当厳格に実施されるような仕組みとすべきと考えます。
また、本来であれば、単焦点と同じ保険点数で評価されるべきものが、選定療養となったことで、レンズの取引価格が高値のままで維持されることも非常に問題になると思います。多焦点眼内レンズの価格につきましては、したがって、厚生労働省としても、しっかりとこれを把握して、中医協として適切な価格を継続的に評価、判断できる仕組みを導入すべきと考えますが、これについてのお考えをいただきたいと思います。
○田辺会長
事務局、よろしくお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
まず高額なものを使う場合には、一部しか保険適用されないという考え方とは異なるのだということについてでございますけれども、本多焦点眼内レンズにつきましては、疾病に対する治療の一部を保険適用にするということではなくて、保険診療と一体不可分である疾病に対する治療には位置づけられないアメニティーの部分について、選定療養に位置づけてはどうかと提案をさせていただいているものでございます。したがいまして、御指摘のように、高額な疾病に対する治療の一部を保険適用するという考え方とは、また異なるものと承知をしております。
適切に実施すべきという点についてでございますけれども、選定療養の趣旨に基づき、十分な情報提供がなされた上で、患者さんの自由な選択意思に基づいて、適切に実施されるよう、厚労省としてもしかるべき対応を医療機関に求めていきたいと考えております。
患者さんからの徴収費用につきましても、社会的に見て、妥当、適切なものとなるよう、定期的な報告を求めるなどの対応をしっかり行いまして、それをもとに中医協の場においても、費用の適切性について、御確認をいただくような方法も考えておりますので、そうした取り組みを通じて、適切に実施されるよう、促してまいりたいと考えております。
○田辺会長
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
わかりました。今回の多焦点眼内レンズの選定療養の導入につきましては、あくまで保険診療とするにも、あるいは自由診療とするにも、非常に難しいという例外的な取り扱いであって、今後、選定療養を拡大していくという考えとはかなり違う、例外的なものだという位置づけでよろしいでしょうか。
○田辺会長
お願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
そのように考えております。
○田辺会長
ほかにいかがですか。佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
今回のように、先進医療から削除されたものをすぐに選定療養の対象にすることは、頻度的にどれぐらいあるのか、あくまでも例外的なものなのか、そこら辺のところを教えていただければと思います。
○田辺会長
お願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
御指摘の点につきまして、例外的なものだと思っております。
○佐保委員
わかりました。この件に関して、必要な対応であるということに対しても、理解はしておりますけれども、先進医療と選定療養ということで、性格が若干違うということで違和感があったので、質問をさせていただきました。
なお、松本委員がおっしゃっているように、2ページ目に書かれてある以下の対応は、しっかりやっていただきたいと思っております。
以上です。
○田辺会長
ほか、いかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑は、このあたりとしたいと存じます。
次に、次期診療報酬改定に向けた議論といたしまして「入院医療(その5)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より御説明をお願いいたします。
医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
資料総-5に基づきまして、御説明をさせていただきたいと思います。
本日は、入院医療(その5)といたしまして、4点につきまして、整理をさせていただきました。
「1.重症度、医療・看護必要度の記録について」という点でございます。3コマ目に、11月15日の総会における指摘事項を記載させていただいております。必要度の根拠の記録は、日々の看護記録の中に書けばよいことになっているが、適時調査において、必要度の記録は、別途まとめて記載するようにといった指導がされることがあり、既存の看護記録のほかに、二重の記録を求められるなど、現場において、業務負担の声があるという御指摘をいただいておるところでございます。
この記録でございますが、4コマ目の赤でくくったところを見ていただければと思いますが、B項目の患者の状況でございます。これは点線で囲んであるとおり、B項目については、評価の手引きに基づいて、患者の状況等を評価し、判断することになっております。また、これを記載するということでございます。重症度、看護必要度1でも、2でも同じ記載となっております。
評価の手引きでございますが、6コマ目を見ていただければと思います。赤線で下線を引いたところでございますけれども、評価の手引きの中には「評価においては、後日、第三者が検証を行う際に、記録から同一の評価を導く根拠となる記録を残しておく必要がある」と明記をされておるところでございます。
7コマ目は飛ばしていただきます。
8コマ目でございます。改定検証調査においても、看護職員の業務負担の要因を調査いたしております。負担の要因としては、看護記録等の書類が約5割で最も多く、この書類の内訳では、看護必要度に関する記録が4割となっております。
9コマ目でございますけれども、看護師のタイムスタディー調査によりますと、看護師の業務のうち、看護記録に要する時間は、全体の約14%で、その看護記録のうち、特に日々の看護実施記録に要する時間が多くなっているということでございます。
10コマ目を見ていただければと思います。急性期病棟において、看護業務のうち、看護必要度に係る看護記録については、ICTへの移譲が可能と考えられている割合が高い傾向があり、約3割となっております。赤線でくくったところになります。
11コマ目でございますが、現行のB項目の判断基準においては、ADLを含む患者の状態と、看護職員等による当日の介助の実施の有無が一体となって評価されているということでございまして、下の緑の枠の中を見ていただきますように、入院分科会では、患者の状態を正確に把握するために、患者の状態と介助の実施を分けて、測定することとしてはどうかという意見があったということでございます。
これらを踏まえまして、重症度、医療・看護必要度のB項目の評価方法について、案を提示しておるところでございます。矢印の下の表にありますように、患者の状態と介助の実施に分けて評価をいたしまして、それぞれをかけ合わせて、点数を算出することにより、ADLを含む患者の状態がより明確化されるために、評価の手引きで求めている根拠となる記録が不要となることに加えまして、介助の実施の有無の判断がよりわかりやすくなると考えられます。
13コマ目は、同じように特定集中治療室用・ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度の評価票についても、B項目の評価を求めておるところでございます。
これらを受けまして、14コマ目の論点でございますけれども、看護職員の看護記録等の書類作成に係る業務負担軽減の観点から、重症度、医療・看護必要度のB項目の評価方法を、患者の状態と介助の実施に分けて評価することとし、あわせて根拠となる記録を不要とする対応を進めてはどうか。また、特定集中治療室用・ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票の評価方法についても、同様の対応をすることとしてはどうかということで、整理をさせていただきました。
「2.特定機能病院に係る評価について」ということで、2点、整理をさせていただいております。
16コマ目でございますけれども、特定機能病院制度の概要となっております。赤線で引いておりますように、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発及び高度の医療に関する研修を実施する能力等を備えた病院として、厚生労働大臣が個別に承認をしているものでございます。
その要件としては、病床の規模や人員配置等に係る要件が定められているところでございます。承認の要件となっている看護の配置は、そこに書いてあるとおり、診療報酬の要件に置きかえますと、10対1相当となってございます。
17コマ目でございますが、診療報酬における病床の分類を示したものでございます。赤枠囲みの部分が特定機能病院入院基本料となってございます。
18コマ目でございます。特定機能病院入院基本料の概要となっております。特定機能病院入院基本料には、一般病棟、結核病棟及び精神病棟それぞれの評価体系が設けられております。また、同党の人員配置となります一般病棟入院基本料と比べまして、特定機能病院が担う機能を踏まえまして、より高い評価がされているということがわかると思います。
19コマ目でございますが、特定機能病院入院基本料と一般病棟入院基本料の施設基準等の比較を以下に示しております。重症度、医療・看護必要度の基準が異なることや、算定可能な加算、特定入院料との違いがあるということが見てとれます。
特定機能病院入院基本料を算定する医療機関においては、その担う機能や人員配置を踏まえ、地域包括ケア病棟入院料の届け出はできないとされておることがわかるかと思います。
20コマ目に、特定機能病院入院基本料の算定する医療機関においては、地域包括ケア病棟は算定できないわけなのですが、その地域包括ケア病棟入院料と回復期リハビリテーション病棟入院料の施設基準をそこに並べて示させていただいております。地域包括ケア病棟入院の看護配置は13対1となっておりまして、回復期リハビリテーション病棟の看護配置は13対1、または、15対1となっておるところでございます。
21コマ目でございますけれども、特定機能病院における入院患者の薬剤適正使用の推進ということでございます。
22コマ目は、使用ガイド付きの医薬品集についてということで、整理をさせていただいておりますが、本年6月26日には、フォーミュラリーと御説明をさせていただいておりましたが、非常に概念がわかりづらいという御意見をいただきましたため、基本的に日本語でわかるようにということで、使用ガイド付きの医薬品集という名称に整理をさせていただいたところでございます。
使用ガイド付きの医薬品集に関しての特定機能病院の取り組み実態は、ここにお示ししているとおりでございまして、策定しています医療機関は、まだ2割程度となっておるところでございます。
使用ガイド付き医薬品集を作成している薬効群を見ていただければと思いますが、消化性潰瘍治療薬、糖尿病治療薬、高血圧治療薬、脂質異常症治療薬のほかに、抗菌薬といったものもつくられていることがわかると思います。
23コマ目でございますが、これも6月のときにも御紹介をさせていただきました、浜松医科大学の事例となっております。左の枠囲みにありますように、使用ガイド付き医薬品集は、採用薬の治療効果や注意事項を事前に評価し、質と安全性の高い薬物治療を効率的に実施するためのものと位置づけられているものでございます。
24コマ目は、浜松医科大学のガイド付き医薬品集のリストとなっております。現在、13薬効群とあります。
右側は抗インフルエンザウイルス薬の実際のフローでございまして、患者の状況によって使用する医薬品を示したものでございます。特に問題のない場合には、オセルタミビル、いわゆるタミフルの後発品が第一選択薬となってございます。
ここでのポイントは、赤で書いてありますとおり、今、薬剤耐性が問題となっている、例えばゾフルーザが第一選択ではないところがポイントと考えております。
25コマ目でございますけれども、聖マリアンナ医科大学病院での例でございまして、右端下の箱でございますが、例えば小委員会の構成員ということで、聖マリアンナ医科大学では、副病院長を初めとした、診療科薬事委員や病棟薬剤師と連携して、院内の使用ガイド付き医薬品集が策定をされております。
また、検討に当たっては、有効性のエビデンスの評価、安全性とモニタリングの評価、ガイドラインでの推奨、費用経済性の検討等が評価書としてまとめられているということでございます。
26コマ目は、日本海ヘルスケアネットでの事例となっております。
27コマ目でございます。使用ガイド付き医薬品集に対する基本的な考えとして、整理をしたものでございまして、上の箱でございますが、使用ガイド付き医薬品集に関する基本的な考えの整理でございますが、使用ガイド付きの医薬品集の活用には、○1、有効性、安全性、経済性に関するエビデンスを収集、分析し、医療機関の状況を踏まえた適切な評価、○2、新薬発売時等の定期的な見直しが行える相当程度の体制が必要とされております。
なお、後発医薬品については、後発医薬品の情報を収集・評価し、薬事委員会等で採用薬を決定する体制の評価として、後発医薬品使用体制加算がございます。
使用ガイド付きの医薬品集の活用に当たっては、質を担保しながら進める必要がありまして、まずは特定機能病院において、試行的に推進してはどうかと考えておるところでございます。
28コマ目は、令和2年度の診療報酬改定の基本方針でも、適正使用について、医学的妥当性や経済性の視点も踏まえた処方を推進するとされておるところでございます。
29コマ目は、これまでの中医協での指摘について、まとめたものとなっております。
30コマ目でございますが、これらを整理いたしまして、論点として3つ掲げさせていただいております
1つ目は、特定機能病院に係る評価のうち、届け出ることのできる入院基本料及び特定入院料の範囲について、その位置づけや有する機能及び体制等を踏まえ、見直すこととしてはどうか。
2つ目ですが、使用ガイド付きの医薬品集を試行的に推進する観点から、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発等を実施する能力を有し、地域の拠点となる特定機能病院において、使用ガイド付きの医薬品集の作成・維持を行う体制を評価することについて、検討することとしてはどうか。
また、使用ガイド付きの医薬品集の作成に当たっては、後発医薬品の使用推進、使用ガイド付きの医薬品集の質の担保及びその効果検証の適切な実施等が重要であることから、その点も踏まえ、検討することとしてはどうかということで、整理をさせていただきました。
「3.地域の実情を踏まえた対応について」ということで、2点、整理をさせていただいております。
医療資源の少ない地域についてでございます。32コマ目をごらんいただきたいと思います。これまで対応してきました医療資源の少ない地域に配慮した診療報酬上の評価の経緯でございます。現行の医療資源の少ない地域については、平成28年度改定で見直しが行われ、設定をされておるということでございます。
33コマ目は、地域の一覧となっておりまして、左上に記載されている要件を満たす41医療圏及び離島の地域が医療資源の少ない地域と指定をされております。
34コマ目でございますが、これが医療資源の少ない地域に配慮した診療報酬上の要件の緩和をお示ししたものでございまして、入院料の算定や人員配置、夜勤の要件、病床数の要件を一部緩和しておるところでございます。
35コマ目でございます。平成28年度改定においては、平成23年度の医療施設調査の結果等をもとに、医療資源の少ない地域を設定しました。
今回、平成29年度医療施設調査等を利用しまして、見直しのシミュレーションを行ったものでございます。
シミュレーションに当たりましては、人口の構成や患者の流入についても反映できるよう、医療従事者の需給に関する検討会、医師需給分科会の第4次中間取りまとめで示されました、暫定の二次医療圏別医師偏在指標を取り入れております。
シミュレーションの結果、現行の41医療圏のうち、11医療圏が要件を満たさなくなりますが、5医療圏が新たに要件を満たし、医療資源の少ない地域は、35医療圏となります。
なお、要件を満たさなくなる医療圏のうち、6医療圏は、離島で構成される二次医療圏であるため、引き続き、要件の対象となります。
36コマ目は、参考として、医師偏在指標の算出方法を示したものでございます。
37コマ目でございます。参考として示しておりますが、医師偏在指標は、人口10万人対医師数と比較しまして、人口の高齢化率等の高い地域や、患者の流入の多い地域、医師の高齢化率の高い地域で順位が下がるという傾向にあることを、そこにまとめさせていただいております。
38コマ目でございますが、医療資源の少ない地域に対する配慮とは別に、一部の報酬の項目において、僻地医療拠点病院等の指定を受けていることを要件としている項目がございます。
39コマ目をごらんいただきたいと思います。僻地医療拠点病院の事業内容を中段にお示しいたします。巡回診療等による僻地住民の医療確保に関することや、派遣医師等の確保、遠隔医療等の各種診療支援に関すること等が事業の内容となっております。
下段に、病床の規模を示しています。僻地医療拠点病院は、約25%が400床以上の病院、約半数が200床以上となっております。
一方、医療資源の少ない地域に所在する医療機関については、約7割が200床未満でございまして、僻地医療拠点病院との状況とは異なっていることがそこにわかると思います。
40コマ目でございます。これらを踏まえまして、医療資源の少ない地域に配慮した項目と、僻地に配慮しました僻地医療拠点病院を要件としている項目の整理案を提示させていただいております。
38コマ目に示しておりますように、僻地医療拠点病院等を要件としている項目については、医療資源の少ない地域に所在している医療機関についても、対象としてはどうかという御提案となっております。
41コマ目からは、地域加算についてでございます。
42コマ目でございます。地域加算の現行の取り扱いとなっております。医療経営における地域差に配慮する観点から設けられておるものでございますが、国家公務員一般職の地域手当に関して、人事院規則で定める地域及び当該地域に準じる地域に所在する保険医療機関に対して、入院基本料の加算として算定するものでございます。
平成28年度の改定におきまして、地域加算の対象地域を見直した際に、対象から外れました7地域については、令和2年3月31日までの間、7級地とみなす経過措置を設けているということでございます。ここは下線で引いているところでございます。
43コマ目でございますが、平成28年に行った見直しの概要となっております。
44コマ目に論点として整理をさせていただきました。3点でございます。
医療資源の少ない地域については、人口構成等を反映できるよう、医療従事者の確保が困難な地域の要件を見直すとともに、直近の統計を用いて、対象地域の見直しを検討してはどうか。なお、見直しの対象となる地域にあって、現在、当該評価の届け出を行っている医療機関については、一定の配慮を行うこととしてはどうか。
僻地に配慮した要件については、医療資源の少ない地域も対象としてはどうか。
地域加算について、経過措置の対象地域となっている7地域について、現状の取り扱いを踏まえ、人事院規則で定める地域に準じる地域に定めることとしてはどうかという御提案となっております。
「4.その他の事項」ということでございまして、一連の入院の取り扱いについてと、提出データの評価加算、この2つについて御提示をさせていただいております。
46コマ目でございます。入院料の通則における再入院についてでございます。入院料の通則において、同一の保険医療機関に再入院する際の入院の起算日を規定しておりまして、一旦治癒に近い状態になって再発した場合や、退院の日から3カ月以上経過した場合を除き、初回入院日を起算日として計算するというルールとなっております。
以下は、参考として、点数表の記載をそのまま抜粋しております。
47コマ目は、入院料の通則にのっとりまして、そこに示しております加算につきましては、入院期間が通算される再入院に該当する場合は、算定できないとしておるところでございます。
48コマ目でございます。DPC、PDPSにおける再入院については、特別の扱いをしておりますので、それについて、少し御紹介をさせていただきます。DPC、PDPSにおける再入院についての整理でございますけれども、DPC、PDPSにおきましては、診断群分類に基づいた点数を算定する際の再入院に係る取り扱いを定めております。
退院してから7日以内に、DPC対象病院に再入院する際、病名が同一、または、特定の病名が選択されている場合は、入院期間の起算日を初回の入院日と取り扱うこととしております。
49コマ目でございます。入院料の通則では、一連の入院とされますけれども、DPC、PDPSにおいては、その算定にあたり、一連の入院ではない取り扱いとなるケースがございます。
下に例を示しておりまして、肺炎で入院した初日に患者サポート体制充実加算を算定し、一度は退院しましたが、退院日から10日後に再び肺炎で入院した際、入院料の通則では、一連の入院とされますが、DPC、PDPSにおいては、一連の入院料はない取り扱いとなります。
このようなケースの再入院時に、患者サポート体制充実加算等の入院中に1回のみの算定が可能とされる加算は、算定不可として明確化することを提案したいということでございます。
50コマ目でございますけれども、DPC、PDPSにおける費用対効果評価の対象となる医薬品等への対応について、お諮りをしたいということでございます。DPC、PDPSにおきましては、診療報酬改定時や期中に新規に薬価収載される医薬品等については、診断群分類点数表にこれらの医薬品等のデータがない状態で設定されていることから、診断群分類点数表を適用して、包括算定することが適切でない場合がある状態でございます。
このため、これらの医薬品等については、次の診療報酬改定までの間は、中医協での審議の上、一定の基準に該当する場合に、出来高算定とする取り扱いとしております。
しかしながら、費用対効果評価の評価対象となった薬剤につきましては、評価期間を経て、その後に価格調整が行われるということが前提でございますので、価格調整の結果を令和2年度診療報酬改定時の診断群分類点数表に反映することができないということになります。
下記にそのイメージをつけております。費用対効果評価の対象となった医薬品は、評価期間を経て価格調整をされるために、令和2年度診療報酬改定において、価格調整された薬価をDPC、PDPSの診断群分類点数表に反映することができないことがわかると思います。
51コマ目でございます。提出データ評価加算について、御説明をしたいと思います。51コマ目に11月22日の中医協総会におきまして、御指摘された事項をそこにつけております。病床規模などで、未コード化傷病名の割合を比較して検討し、例えば病床規模が低い病院で、未コード化傷病名の割合が高い等の傾向が見られた場合、病床規模が小さい病院を重点的に評価することとしてはどうかという御指摘をいただいたところでございます。
52コマ目、病床規模で未コード化傷病名の割合を比較した表でございます。黄色でくくっておりますけれども、200床未満の病院では、未コード化傷病名の割合の平均が7.85%であったことに対して、200床以上の病院では3.15%と、病床規模の小さい病院では、未コード化傷病名の割合が大きいということがわかりました。
以上を踏まえまして、53コマ目に論点を示しております。DPC、PDPSの再入院時における加算料等の取扱いについてでございますが、医科点数表において、入院料等の通則に規定する入院期間が通算される再入院の場合は、算定することができないとされている加算等については、DPC、PDPSの再入院の取り扱いで、一連の入院とみなされない場合であっても、入院料等の通則にのっとり、算定することができないことを明確化することとしてはどうか。
DPC、PDPSにおける費用対効果評価の対象となる医薬品等への対応についてですが、費用対効果評価の対象となる医薬品等及び当該医薬品等を比較薬として算定したものを使用する場合は、該当する診断群分類区分において、出来高算定とすることとしてはどうか。
3つ目でございますが、提出データ評価加算についてです。許可病床数200床未満の病院にデータ提出加算の対象が拡大することや、許可病床数200床未満の病院において、200床以上の病院と比べて、未コード化傷病名の割合が高いことを踏まえ、未コード化傷病名の割合の評価基準を見直すことについて、どのように考えるか。例えば許可病床200床未満の病院の未コード化傷病名の割合の評価基準を5%とした上で評価は継続し、許可病床200床以上の病院については、未コード化傷病名の割合の評価は、終了することとしてはどうかということで、整理をさせていただきました。
説明については、以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。松本委員、よろしくお願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
14ページ目の論点でありますが、B項目の評価方法を患者の状態と介助の実施に分けて評価することで、今まで正確に把握することができていなかった患者の状態のデータをとることが可能となります。加えて、根拠となる記録を不要とすることで、看護職員の負担軽減にもつながるとのことですので、この論点については、賛成いたします。
30ページ目ですが、1つ目の論点です。特定機能病院には、期待される機能や体制に合致した入院料を算定していただくという方向性は理解いたします。例えば特定入院料のうち、特定機能病院としては、看護配置が薄い13対1、あるいは15対1の回復期リハビリテーション病棟を算定している大学病院では、その病棟がどのような理由でこれを算定しているのか等を、もう少し中身を見た上で検討してはどうかと思います。
2つ目と3つ目につきましては、これまでも議論したとおりであり、医療機関レベルで検討の場があることは、よいとは思いますけれども、例えば医薬品の安定供給の問題、例えばある大学病院で大量に採用している医薬品で、万が一、メーカーによる回収や急な市場撤退があった場合、卸が速やかに果たして納入できるかといったこととか、あるいは薬価基準に収載された医薬品について、自主的な使用制限が設けられることと同じことになるのではないかと思いますし、高度な医療の提供等が求められる特定機能病院において、経済性を重視した医薬品の選択が期待されているのかどうか、非常に疑問もありますので、こういった課題がある中で、現時点では、診療報酬と結びつけることについては、反対いたします。
44ページですが、1つ目の論点につきまして、新しいデータでシミュレーションをすると、該当する二次医療圏が減少するということですが、その原因は、人口減少が進んだためということなのでしょうか。つまり人口当たりの医師数等を算出する際の分母となる人口が減少したために、総体的に医師数等の割合が上昇したということなのでしょうか。
人口減少が進んだだけで医師数等が増加したわけではないということでしたら、そうした地域で医療提供体制を維持するための要件緩和等の配慮は、変わらずに必要であると思います。したがって、見直しによって対象外となる地域で、現在、届け出をしている医療機関については、引き続き、医療資源の少ない地域としての取り扱いを継続すべきと考えます。
今後も人口減少は続いていきますので、現在の人口当たりの医師数等を基準とする考え方では、該当する医療圏が少なくなってしまう可能性がありますことから、医療資源の少ない地域の判断基準も改めて検討する必要があると考えます。
ただし、35ページのシミュレーションで使用されている二次医療圏別医師偏在指標につきましては、暫定的なものでありますし、さまざまな御批判的な意見もあると伺っておりますので、この指標を用いるには適当ではなく、例えば人口当たりの医師数が3分の1という基準がありますけれども、この基準をどうするのかを検討するなどの方向性が必要と考えます。
2つ目と3つ目の論点については、特に異論はありません。
53ページ目の論点であります。1つ目と2つ目の論点については、異論はありません。
3つ目の論点についてですが、まず最初に、許可病床数200床未満の病院にデータ提出加算の対象を拡大することとあります。11月22日の総会でも発言しましたとおり、データ提出加算の対象の拡大に当たっては、2年間の経過措置を設けることを改めて提案いたします。
その上で、提出データ評価加算の扱いですが、論点では、許可病床200床未満の病院の未コード化傷病名の割合の評価基準を5%とすることが提案されておりますけれども、現在の要件が10%であることや、52ページにある先ほどお示しになった分布を見ても、200床未満の病院では、大きくばらついています。つまり200床未満の病院の未コード化傷病名の割合として、平均では7.85%であっても、分布としては非常にばらついていますので、5%という御提案は、非常に厳しいのではないかと考えます。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
30コマ目の論点の上から2つ目、3つ目についてであります。院内の使用ガイド付き医薬品集を推進することは、単に経済性だけではなくて、質と安全性の高い薬物治療を効率的に行うために有益であると思われます。そういう観点からは、ここに書いてありますように、使用ガイド付きの医薬品集の作成・維持を行う体制を評価することについて、検討するということには賛同します。
しかしながら、これら医薬品集を作成すること、あるいは整備することだけをもって評価することは、本来の目的が形骸化されてしまうということでありますし、医薬品集が活用され、実績として患者にとってメリットのあるもの、質の高い、あるいは経済性、安全、そういったものを担保しながら、しっかりとした薬物治療が提供できるような組み方にしていただければと思います。
そういった観点からは、例えば後発医薬品の使用体制加算などのさまざまな既存の加算の評価項目の中の一部に、要件化することがいいのではないかと考えます。
以上です。
○田辺会長
猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
まず14ページ目の重症度、医療・看護必要度のB項目についてですが、ここの提案の10から13までを介護の実施ということで、IT化するというか、記録を簡略化ということだと思いますが、考え方によっては、9番も少し考えを整理すれば、一緒にできると思いましたので、ぜひその方向でということと、もう一点、14、15は、いわゆる問題行動ということで、非常に管理する側は大変な点でございますので、ぜひここは十分な評価をこれからもお願いしたいと思います。
今、30ページの使用ガイド付き医薬品集のお話がありましたけれども、もちろん質の高い医薬品を選んでいく面もありますが、在庫をうまく調整するとか、経営的な面がどうしても入ってきてしまいますので、診療報酬で評価するということがいいかどうかは、少しこれからも検討ということですから、そこの点は注意して検討する必要があるのではないかと思います。
44ページ目の地域加算なのですけれども、以前からずっと議論は何遍もあったと思いますが、例えば介護保険では、地域によって10%ぐらいの報酬の差があるけれども、医療では、例えば1級地の18点は、0.5%ぐらいなのです。ぜひここは時間がかかることだと思いますけれども、医療機関、特に病院の原価に基づく計算をもう一回考えていただいて、それによって地域加算がどうあるべきかということを、今後も検討していただきたいと考えております。
最後の53ページですけれども、提出データですが、今回、200床未満にも対象が広がりますし、どのような動きになるかわかりませんので、今回は余り変更せずに、もう少し広げた場合のデータをそろえてから、また検討したほうがよいのではないかと思います。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
30ページの使用ガイド付き医薬品集について、質と安全性の高い薬物治療を効率的かつ適正に実施する観点から、採用薬の治療効果、費用対効果及び使用上の注意事項を事前に評価して、医薬品の使用指針を定めた上で、使用ガイド付き医薬品集を策定しておくという対応の有効性は理解します。
22ページの特定機能病院での医薬品集の策定効果データを見ますと、策定病院数はまだ少なく、新規医薬品の更新などにも課題がある。サンプル数は少ないですが、一方で、ジェネリックの使用促進、患者の経済的負担の軽減、病院経営の効率化にも効果があることも出ております。医師・薬剤師の負担軽減にもつながっているという結果が見られております。
そういう意味では、まずは地域拠点となる基幹病院の特定機能病院における取組を促進して、それを地域に波及させていくという方向性については、非常に有意義な取組であると理解しております。もう一方で、次期改定の重要課題でもあります医療従事者の負担軽減という観点からも、取組としては必要であるのかと考えますが、論点にある使用ガイド付き医薬品集作成・維持を行う体制の評価を検討する前に、使用指針や使用ガイド付き医薬品集の策定プロセス及びその策定委員会などの体制整備、また、使用ガイド付き医薬品集の運用についての一定の標準的なあり方などを制度として評価するためには、しっかりとやっておく必要があると思います。
そういう意味では、先行している大学病院などでの事例のエビデンスの集積、運用上の課題、これをしっかり把握して、27ページに運用イメージがありますが、そういう観点等から、後発医薬品の使用促進のガイドラインも含めて、使用ガイド付き医薬品集の質が担保され、適切な実施ができる体制、標準的な一定の実施体制などのあり方をまずは検討して、十分に促進できる体制を見て、評価について、次に検討すべきだと思います。
○田辺会長
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
一部重複するところもありますが、考え方を論点に従って述べさせていただきます。
14ページのB項目の評価方法については、看護必要度がより精緻になるということで、支持したいと思います。
30ページの論点の特定機能病院なのですが、高度な医療を提供する能力を備えた病院等役割を持っているという観点からは、特定機能病院の有する機能と体制を明確化するということが必要だと思います。
その上で、10対1、7対1が基本になっている病棟で、回復期のように13対1、15対1が要件となっているような病棟が、特定機能病院としてふさわしいかということについては、疑問を呈するところでありますので、回復期リハ病棟の運用については、特定機能病院の届け出は不可とすべきと思います。
論点には書かれていないのですが、同様の観点から、平成30年度改定で見直されなかったのですけれども、重症度、医療・看護必要度は、特定機能病院の測定ⅰで28%以上、測定Ⅱで23%以上となっているのですが、急性期一般病棟と比較すると、入院料3とか、入院料4のレベルになるのですが、高度な医療を提供して点数も高い特定機能病院の重症度、医療・看護必要度の基準として妥当なのか、なぜ見直さないのかという点については、事務局のお考えを聞きたいと思います。
2点目の論点であります使用ガイド付き医薬品集については、薬物療法の質とか、安全性の向上や後発医薬品等、経済性にすぐれた手法の促進、医薬品の在庫管理の効率化に資するものであって、医薬品の効率かつ安全な、有効な使用を推進する観点から、使用ガイド付き医薬品集の作成・維持を行う特定機能病院の取り組みを、診療報酬上で評価すべきと思います。
特に令和2年9月までに後発品のシェアを80%にするという目標も掲げられておりまして、特定機能病院におけるさらなる後発医薬品の使用を促進する観点や、特定機能病院は、平成26年度以降、損益差額率が赤字基調になっているといったところもあり、そういった効率経営の観点からも、必要な診療報酬上の対応を求めるべきだと思います。
どういった診療報酬上の対応にするかということについてですが、例えば先ほど有澤委員もおっしゃりましたように、後発医薬品使用体制加算の要件に使用ガイド付きの医薬品集を作成していることを要件化するとともに、作成していることだけではなくて、地域の模範になる拠点病院でございますので、後発医薬品の使用状況や医薬品の安全性とか、経済的な効果、こういったものも測定していただいて、これらを報告するということも要件の中に入れていただきたいと思います。特定機能病院については、ぜひこれを実施していただきたいと思います。
その他の論点については、特に異論はございません。
以上です。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。松本委員、お願いいたします。
○松本委員
改めて使用ガイド付きの医薬品集の作成の診療報酬上の評価ですけれども、後発医薬品体制加算の要件に入れることにつきましては、先ほど述べたような理由から、改めて反対いたします。
また、医薬品の適正使用、品質有効性・安全性に係る治療に資する情報を整理し、支持されることは、患者のために極めて重要なことだと思っております。そのために、既にDI室といわれる医薬品情報管理室が設けられておりますので、これを各施設でしっかりと今後も運用していくことが非常に重要だと思っております。
以上です。
○田辺会長
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
松本委員の今の発言なのですけれども、何を懸念されているのか、ちょっとよくわからないのですが、このガイドつきの医薬品集のルールは、決して医師の処方権をオーバーライドするものではなくて、医師が必要と認めた場合や、患者が特に望んだ場合などは、ルールに必ずしも従う、絶対このルールに従わなければいけないというものではないと思っていますし、医師の処方権をオーバーライドするものではないと思っていますので、そういったところはないと思っています。
○田辺会長
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
医師の裁量権そのものは、確かにこれからも持続しなければなりませんけれども、使用ガイドラインを突き進めていきますと、例えば医師全体の総意のないところで、ガイドラインによって、非常に制限がかかってきたりしますので、例えば製薬会社さんの説明がどこにいくかということも含めて、もっとしっかりと検討して考えていくべきであって、かなり影響はすると思います。
○田辺会長
今村委員、お願いいたします。
○今村委員
ありがとうございました。
今回、特定機能病院での院内の使用ガイド付き医薬品集ということで、こういうことを検討することが重要だということは、1号側も、2号側も余り違いはないと思うのですけれども、考えていただきたいのは、日本の医師は、基本的に今は必ずしも特定機能病院ではないところで、医師のスタートを始める場合もありますけれども、大学病院を中心とした病院で医療を開始する医師は非常に多いわけです。
そういうところで、今、処方権制限されていないとおっしゃいましたけれども、一方で、在庫管理というお話もおっしゃいました。結局、ある程度在庫のことを考えると、いろんな薬を置いておくことをある程度制限されてくると、結局、使えるお薬は非常に限られてくる中で、いわゆる医師としての経験をするということです。
大事なことは、同じような薬効であっても、それぞれの薬に違いがあるということを医師は知っておくことができるからこそ、適切な処方ができるものもあります。そういった時期に経済原則で在庫の管理をして、製品数を減らしてみたいなやり方が必ずしもいいとは思えない。そういった場合に、院内使用ガイド付きの医薬品集をどうつくっていくかというルールが余り明確ではない中で、ただそのガイドをつくるということを、経済原則だけで進めると、今、言ったように、かなり使用されるお薬が制限されてくると思っています。
厚労省の資料で、浜松医科大学の例が出ているのですけれども、まさしくここに書かれていること、実際の中身を見ると、経済性のみではなくて、いわゆる治療効果、注意事項を評価し質と安全性の高いということを重視していることだと思います。インフルエンザの例が出ていますが、確かに原則的には何もなければ、後発品であるオセルタミビルを第一選択とすると書いてありますけれども、いろんな患者さんの病態があるので、全ての病態に対応していくと、結局、インフルエンザで用意されているお薬は、全部病院が持っていることになるわけです。
何でもかんでも経済原則と考えて、これを進めることについては、私は適切ではないと思っていて、あくまでも患者さんが受けられる医療の質や安全性を高めるために、医薬品の使い方をちゃんと病院の中でルール化しておくことが大事なのは、第一義的なのではないかと思っています。
○田辺会長
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
今村委員がおっしゃったように、その点もすごく理解ができるところで、まずは特定機能病院、地域の中では基幹的な病院で取組をしっかりと推奨し、それぞれの病院の特性や、地域の特性、高齢者の分布状況など、いろんな状況の実態把握が必要であると思います。
そういう中で、どのような使用ガイドつきの医薬品集を作っていけばいいかについては、取組を進める中でいろいろなパターンが出てきて、ある程度一定的な方向性、その薬品の決め方、委員会の内容、院内の薬剤師さんの関わり方、専門的なお医者さんと総合的なお医者さんの関わりなど、それぞれの分野があろうかと思います。
そのようなことを実証実験して実施した中でこのガイドのあり方を構築していく、一方で、経済性も今の日本の医療制度の中では、大事な観点でありますから、そういうものも含めて、これをどう使っていくかということを議論していくために、特定機能病院でまずは推進していくことは理解できます。
ところが、評価がないと推進しないのかというところをどう考えるかしっかりと議論をする必要があると思います。点数をつけないと推進しかできないのかと保険者としては思ってしまうので、この点についてしっかり議論していただきたいと思います。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
今、吉森委員がおっしゃったとおりだと私も思って、先ほど手を挙げたわけですけれども、基本的に医学的な妥当性と経済性を考えてということは、当然のことであろうと思います。
ただ、もう一つ重要な視点は、薬剤の個別の最適化という視点も重要でして、これはいわゆるがんゲノム医療とか、当然のようにされているわけですが、普通の医薬品においても、薬効が同じでも、人によっては薬剤によって副作用が出たり、ないしは飲み合わせが違ったりと、さまざまなことも起こります。ですから、そういう意味においては、一定程度、薬剤の処方に関しての柔軟性も必要であろうということも、皆さん、御理解していただけると思うのです。
現在、使用ガイド付きの医薬品集は、これをつくっていこうという流れをどう推進しようかということで、それを診療報酬で評価するかどうかという話であるわけですが、現在、お話の中でおわかりのように、トライアルといいますか、これからやっていこうという状態であって、これを診療報酬で評価するのは、まだまだ早いというか、本当の意味での最適なガイドの医薬品集は、どういうものであるのか。その中においての個別最適化をどういうふうに取り入れることができるのかどうかということを、もう少し検討していく余地があるのではないかと思いますので、そのあたりの議論が必要であろうと思います。
以上です。
○田辺会長
島委員、お願いいたします。
○島委員
いろいろ意見が出ておりますけれども、実際、患者さんに提供する医療の質を高めるために、クリニカルパスとか、クオリティインディケーターといったものを、一生懸命それぞれの施設で見ながら、自分たちの医療を変えようとしています。この薬剤に関する考え方も、非常に重要な考え方で、こういったものがどんどん推進されていくべきだろうと思います。
医療施設によっては、同種・同効薬を幾つまでという採用の仕方をしている中で、使える薬剤がそれぞれにある中で、何が一番適しているのかという考え方をきちんとつくるというのは、非常に重要だと思いますが、それが診療報酬で評価することは、先ほど吉森委員なども言われておりましたように、もしやるとすれば、データがそろってからやればいいのではないかと思います。
確認ですけれども、39コマ目のところですが、下の表のところに病床ごとに区切ってあるのですけれども、例えば100床未満の次は、100床から199床という表現が普通あるのですが、これは意図されているのですか。
○田辺会長
よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
しておりません。済みません。
○田辺会長
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
使用ガイド付きの医薬品集の作成ですけれども、私は診療報酬で評価すべきだと思います。というのは、ただ作っていればいいというものではなくて、結構大変なルールになると思っていて、医薬品はどんどん出てくるでしょうから、常にアップデートし続けていかなければなりませんし、あと、安全性が一番大切ですので、経済性のみならず、安全性がどうであったかということも、常に報告していくということを要件に入れるとすれば、病院にとっては、大変な作業になると思いますので、これは診療報酬できちっと評価して推進されるように望みたいと思います。
そういったところで、医薬品集を作っていることだけではなくて、その効果検証もきっちりと行って、国に報告をしてもらって、それで初めて評価されるというルールに、すべきではないかと思います。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。松本委員、お願いいたします。
○松本委員
こういった取り組みをすることを別に阻害しているわけではありませんけれども、特定機能病院のような、非常に余裕のあるというか、人員の多いところ、大きなところでしかできないものを、現時点で非常に小さな病院での取り組みは、非常に難しい状況があるので、島委員がおっしゃったとおり、まずはこういったところでやってみた結果を、果たして全体に広げていくことができるかどうかとか、そういうことを含めて、今後、議論していくべきであって、これを評価することに対しましては、現時点では、改めて反対いたします。
○田辺会長
今村委員、お願いいたします。
○今村委員
幸野委員から、診療報酬で手間がかかるから評価したほうがよいという、病院側の取り組みを評価していただくのは、大変ある意味ありがたいことではありますけれども、いつも幸野委員がおっしゃるように、どういうアウトカムが出てくるのか、何もわかっていないと思います。
ルールのつくり方、医薬品の使用ガイドをどのように作成するのか。先ほど吉森委員からもお話があったように、それぞれの病院の機能によって、つくり方がまだはっきり決まっていないわけです。その中で、診療報酬で評価するのはまだまだ早いのではないか。どういうつくり方をして、どのようなものがあって、アウトカムは一体何なのか。
先ほどおっしゃったような、後発医薬品の使用率みたいなことだけを評価して、これに点数をつけることはあり得ないのではないかと思っているのです。こういうガイドができたことによって、いろんなアウトカムの評価の指標が多分あるわけで、そういうものを見た上で点数を評価しましょうというのが、今まで幸野さんがいつもおっしゃっているようなことではないのかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○田辺会長
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
これを評価しないと、推進するスピードが遅れるのではないかということも懸念していまして、実際に特定機能病院とはいえ、こういうルールをつくって、アップデートをしていきながら、効果検証をやって、国に報告する。それによって、どんどん使用ガイド付きの医薬品集のルールが標準化されてくると思いますので、一部医療機関ではやられていますが、地域の中核となる病院がまず先陣を切ってやられていると、大変な作業になると思いますので、そこは一定の評価があってもいいのではないか。1号側と2号側で評価しろとしないは、いつもと違うのですけれども、これは評価してもいいと思います。
○田辺会長
どうぞ。
○今村委員
いつもと立場が変わっていることを認識していただいているのは、非常に大事なことだと思いますけれども、先ほど島委員もおっしゃったように、医療側もこういうものが必要だという認識は、かなり進んできているのではないかと思うのです。先ほどお話ししたように、ガイドをどうつくっていくかというルールが余りまだ明確ではないので、それを今の時点で、診療報酬で評価することは、適切ではないと申し上げているだけです。
そういうものがきっちりとある程度ルール化されてきて、今、幸野委員がおっしゃったように、国に報告するアウトカムは何を想定されているのでしょうか。つまり後発医薬品の使用率という話は、具体的にありましたけれども、アウトカムを報告すべきものがどうも私にはよくわからないのです。
○田辺会長
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
私個人が考えているのは、そのルールに従って処方した場合に、何か安全性に係る問題が生じなかったのかどうか、もしそういったルールで安全性に支障があった場合は、そういった事例も報告してもらうということや、あるいは経済的な面から言えば、それによって病院の薬剤費に係るコストがどれだけ効率化したか、病院経営にとっても大切なことだと思いますので、こういった経済的な観点からも評価していただくということを想定しています。
○田辺会長
今村委員、どうぞ。
○今村委員
今、おっしゃったような指標は、いろんな要素ですごく変わってしまうので、すごく簡単に出てくる客観的なデータとは、現時点では思えないのです。医療安全についても、今、薬剤に伴って、処方された薬剤でどんな患者さんに副作用等が起こっているかという報告を集める仕組み自体も機能しているわけですから、それとこの使用ガイド付きの医薬集で、こういうガイドにのっとって処方したら何が起こったのかということとは関係がなく、今、医療安全の視点できちんと収集されているデータだと思っていますし、報告もされているわけです。このガイドがあるから、こういうふうになかったときとどう違うのかを科学的に検証することは、とても難しい作業だと思っています。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。岩田専門委員、よろしくお願いいたします。
○岩田専門委員
私からは、地域の実情を踏まえた対応ということで、31コマ目にありますけれども、この中から御意見を申し上げたいと思います。実際には地域医療の現状ということでありますけれども、全国的に医師の地域偏在、そして、診療科偏在が生じている中でありまして、特に中山間地域、離島等の条件不利地域におきまして、医師、看護師を初めとした医療従事者の不足が大変深刻化をしております。町村部では、特に医療機関自体が限られている中、医師の派遣を受けながら、地域医療を維持しているところでございます。医師1人で診療所を運営しているところもありますし、その医師が休むと休診ということになります。
地域では、このような医師等の人材不足に加え、高齢化も進んでおりまして、地域医療が安定的に維持できなくなることが懸念されております。地域医療は、住民の命を守る最後の砦であります。自治体が存続していくために必要不可欠なものでありますし、また、診療報酬制度を初めとした国の医療政策は、こうした地域医療の実態に寄り添うものとなるよう、配慮をぜひともお願い申し上げたいと思います。
なお、医療資源の少ない地域を見直す場合には、対象外となる医療圏の中で、現在、当該評価の届け出を行っている医療機関について、一定の配慮をぜひともお願いしたいと思います。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
吉川専門委員、お願いいたします。
○吉川専門委員
看護の立場から、一言だけ発言させていただきます。14ページに取り上げていただいております、重症度、医療・看護必要度の記録に係る論点についてですけれども、患者の状態のより正確なデータが取得可能になることと、看護師の業務の負担の軽減につながると考えておりますので、ぜひこの方向で進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
先ほど院内使用ガイド付きの医薬品集の策定の仕方、ルール等について、さまざまな御意見、御指摘がありましたので、本日、お示ししているところ、浜松医大の例、聖マリアンナ医大の例で御説明いたしますと、23コマ目に浜松医大の策定の考え方、手順が書いてございます。
右下にございますとおり、薬剤部、関連する院内部門・委員会、診療科におきまして、複数採用のある同種・同効医薬品、後発医薬品及びバイオシミラーの採用がある領域について、案の作成をするということでございますけれども、手順2のところでございますが、薬剤部において、例えば根拠となるガイドラインですとか、参考文献や経済効果などを示した上で、薬剤部及び関連する診療科等において協議して、原案を作成し、それを手順3
と手順4にあるような、上の委員会で決定していくという手続が浜松医大の例でございます。
次の25コマ目にあります聖マリアンナ医科大学病院の場合ですと、フロー図がございますが、診療科より新薬の採用の申請があった際に、薬剤師が中心となって新薬の評価を薬事委員会でやるわけですけれども、その場合、特に同種・同効薬がある場合に、小委員会というところで、院内使用ガイド付き医薬品集の策定について、検討するということです。
右側に○1医薬品新規採用評価書とございますけれども、医薬品の概要、使用ガイド付きの医薬品集の必要性を検討するに当たって、有効性に関するエビデンスの評価、安全性とモニタリング項目の評価、ガイドラインでの推奨がどうなっているかとか、例えば同じようなものであっても、代謝が異なるとか、そういったことで相互作用の観点で異なるとか、あるいは体内動態で血中半減期がどうなのかとか、そういったことも含めて、どういうエビデンスがあって、どういう薬がこの領域で使用されるべきなのか、また、同じ疾患の患者さんでも、先ほどの浜松医大のように、病態によってどういう薬が適切なのかというようなことを吟味していって、当然薬剤部、診療科の中でしっかりと協議した上で決めていくというプロセスが非常に重要なのではないかということです。今回、高度な医療を提供する特定機能病院であれば、そういうことを行うことができるのではないかということで、試行的な形で取り組みの評価ということで提案させていただいたところでございます。
○田辺会長
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ただいまの薬剤管理官のお話は、質問があっての答えなのでしょうか。違和感がありますけれども、ちょっとおかしいのではないでしょうか。誰も発言を求めていないと思います。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
先ほどの薬剤管理官の話は、何のルールも決まっていないというお話等々がございました。全く未知のことをお願いする、やっていただきたいという話と受け取られているのではないかと思われましたので、私の資料の説明が少し足りなかったということで、薬剤管理官に補足の説明をお願いしたということでございます。
○田辺会長
今村委員、お願いいたします。
○今村委員
私が何のルールもない中でという言い方をしたので、そういう御説明をしていただいたのだと思います。私の言い方がちょっと適切ではなかったのかと思いますけれども、それぞれの病院が御自分の工夫でやっておられるということは、この資料のとおりですし、ただいま御説明をいただいたとおりだと思います。
診療報酬で全般に評価をすることに当たっては、標準化された仕組みになっているかということを申し上げたかったということです。つまりそれぞれの病院がそれぞれの工夫でやられていることを、そのままどんな工夫でもいいから、うちはやっていますからといって評価することなのでしょうかということを問題視したということです。
○田辺会長
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
全く同意見で、事例として2つの大学の病院の例が出ているので、こういうものも少し集めて、同じようなパターン化をして、どういうプロセスが評価に値するのかというところを議論していかないと、おそらくいろいろな問題が生じるのだろうと思います。そういうものを把握して、先ほど幸野委員からありましたが、報告をさせるのかどうかという仕組みも考えていく意味では、事例をもう少し集めて検討して、国としてどういうパターンで特定機能病院に取り組んでもらえればいいのか考える必要があります。
これで妥当性がある、合理性があるということなら、評価をしていくに当たり、そういう手順を踏むべきだと申し上げているので、全くやっていないということではないと思います。もう少し申し上げれば、我々協会けんぽのデータを使って、静岡の地域では、そのデータを提供して、大学病院と一緒に研究を重ねるという運動もしております。そこで問題があるのかということをしっかりと把握していきたいと思っており、そういう取組をもう少し進めるべきだと申し上げたのであって、評価をするなとは言っておりません。そういうものが整えば、評価していけばいいと思います。
○田辺会長
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
先ほど今村委員がおっしゃったように、基本的に形が整っていない、アウトカムも出ていない中において、先ほど薬剤管理官から、まずは特定機能病院から試行的に行ってみてはどうかということで提案をしたというお話でございますので、このような状態において、診療報酬で現時点において評価をするのは、適切ではないのではないでしょうか。
○幸野委員
今、田宮薬剤管理官がおっしゃったのは、大変な作業になるということをおっしゃったのだと思います。ルールを単につくればいいということではなくて、そのルールをつくるには、いろんな関係者がいて、その合意形成に基づいて、あるいはいろんな患者もいらっしゃるので、個別に対応していくルールにしていかなければいけないので、病院にとっては大変な作業であって、これを評価せずにやれば、多分推進は遅れるのではないかと思います。こういった大作業で、あとは、日本中に進めていくためにも、いわゆる実証実験といっては失礼ですけれども、そういった先鞭を切っていただくということになるので、評価をつけるべきだと思います。
○田辺会長
松本委員、どうぞ。
○松本委員
今、幸野委員がいみじくもおっしゃいましたけれども、実証実験に対して評価することについては、改めて反対いたします。
○田辺会長
ほかに御発言等はございますでしょうか。どうぞ。
○幸野委員
特定機能病院の重症度、医療・看護必要度について、事務局の意見をお伺いしたいと思います。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
特定機能病院については、重症度、医療・看護必要度について、前回、資料としては出しておりませんが、一般病院も同じものをもちろん使っておりますので、項目について、前回、入れかえ等の話について、御提示させていただきました。
同じように集計をしております。ですので、特別に特定機能病院として議論することではないのですけれども、基本的には全部集計して、お示しして御議論いただきたいと思っております。
○幸野委員
わかりました。同時に議論していくということで理解いたしました。
この重症度、医療・看護必要度が急性期一般入院料3と同じ基準というのは、特定機能病院としてはふさわしくないと思いますので、これはぜひ次回改定で見直していただきたいということと、10対1は基準すらないということも、特定機能病院としてはふさわしくないのではないかということで、一般病床の議論をするときにあわせて、議論していただきたいと思います。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。次へ進んでよろしゅうございますでしょうか。
それでは、入院医療(その5)につきましては、御質問等もないということで、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと存じます。
次に「歯科医療(その2)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
歯科医療管理官、よろしくお願いいたします。
○小椋歯科医療管理官
歯科医療管理官でございます。
資料総-6をごらんください。
2コマ目でございますが、歯科医療(その2)につきましては、歯科の外来診療と口腔疾患の重症化予防、口腔機能の低下への対応という2点の観点から、説明をさせていただきます。
3コマ目をごらんください。既存の資料でございます。歯科外来診療の特徴を記したものでございます。
4コマ目も既存の資料でございまして、院内感染防止対策、平成30年度に行いましたイメージ図を示してございます。
5コマ目をごらんください、歯科医療における院内感染対策でございますけれども、平成30年度に院内感染対策の推進する観点から、基本診療料の見直しを行っております。
そちらの施設基準が真ん中の囲っているところでございます。赤字で示しているところでございますが、研修を受けた常勤の歯科医師1名以上が配置されていることという施設基準がございます。
下の院内感染防止に必要な対策といたしまして、診療報酬による評価の充実とか、医療従事者に対する研修の充実ということがアンケート調査でわかっております。
6コマ目でございますが、現在、院内感染防止対策に関する関心が高まってきており、適切な滅菌処理方法の周知・運用については、喫緊の課題と考えております。
そこで、平成31年、ことしの3月29日に歯科診療時の院内感染対策に係る指針の第2版が、日本歯科医学会から取りまとめられております。この中で、機器の取り扱い方法とか、洗浄とか、仕分けなど、院内感染防止対策に係る一連の取り組みにつきまして、より適切に実施するよう、当該業務を行う職員に対しても、憲章を実施することが重要と考えております。
7コマ目をごらんください。歯科の外来診療環境体制加算についてでございます。歯科の外来診療環境体制加算の施設基準が、真ん中の点線のところに示してございます。この中に赤字で示しておりますが、歯科衛生士が1名以上配置されていることという施設基準がございます。
真ん中にすごく小さい字で恐縮ですけれども、歯科衛生士要件が施設基準になっている主な届け出が書かれておりまして、こちらに書かれているものにつきましても、施設基準の中に歯科衛生士が1名以上配置されていることという施設基準が設けられてございます。
8コマ目をごらんください。歯科医療機関における歯科衛生士の数につきましては、0人から1人が多い傾向となっておりまして、歯科衛生士1名の動向によって、施設基準を満たさなくなったりという可能性もございます。
右下の図をごらんください。近年の歯科衛生士の求人倍率でございまして、近年は20倍を超えているという状況になっておりまして、歯科衛生士の雇用は困難となっております。
9コマ目をごらんください。こちらは参考でございますが、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準をこちらに示しております。下線部が引いてあるところでございますが、こちらの施設基準につきましては、歯科医師が複数名配置されていること、または、歯科医師及び歯科衛生士がそれぞれ1名以上配置されていることというような施設基準になってございます。こちらは参考でございます。
10コマ目をごらんください。論点でございます。歯科外来診療における院内感染防止対策を充実させるため、その常勤の歯科医師だけでなく、関係する職員を対象とした研修を行うこととした上で、基本診療料の評価を見直すこととしてはどうか。
2つ目の論点でございます。歯科衛生士の配置等の歯科外来診療環境体制加算の施設基準について、必要な見直しを行うこととしてはどうか。また、歯科外来診療環境体制加算以外の施設基準における歯科衛生士の配置要件についても、見直しをしてはどうかという2点でございます。
11コマ目以降は、口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応の充実についてでございます。
12コマ目をごらんください。歯科疾患管理料の概要を示してございます。歯科疾患管理料には、下の一覧でございますが、歯科疾患管理料の加算がかなりついておりまして、後ほど下から2つですけれども、小児口腔機能管理加算と口腔機能管理加算につきましては、後ほど説明させていただきます。
13コマ目をごらんください。既存の資料でございまして、初診時に歯科疾患管理料を算定して、その3カ月後までに再診がないケースが一定程度認められているという現状でございます。
14コマ目をごらんください。こちらは、歯科の長期的な継続管理の効果について示したものでございます。歯科治療が終わった後に、長期的な継続管理を行うと、喪失歯が減少するなど、良好な口腔状態を維持できるということが、歯科の中では、かなり前から認められている状況になっておりまして、10年後の効果でありますとか、6年後の効果もこちらに記載してございます。
15コマ目をごらんください。こちらは歯周病安定期治療というものでございますが、歯周病の継続管理の一例でございます。ただし、算定要件といたしまして、4ミリメートル以上の歯周ポケットを有していないと算定できないという、算定要件が記載されております。
16コマ目は、歯周病の特徴などを示したものでございます。
17コマ目は、齲蝕の継続管理について示したものでございます。
18コマ目からは、先ほどの歯科疾患管理料の加算のものについて、説明をしております。
18コマ目は、小児口腔機能管理加算というもので、真ん中のオレンジのところの検査などを行っていくという形になっております。
全ての検査などを行おうとすると、検査の診察等に時間がかかるというアンケート結果が、19コマ目に記載されてございます。
20コマ目でございますが、こちらは口腔機能管理加算でございまして、こちらも真ん中のオレンジの検査などを行っていく形になっております。
21コマ目に、検査・診察等に時間がかかるという方が、一定程度いるというアンケート結果になってございます。
22コマ目の論点でございます。論点は3つございます。
1つ目でございますが、歯科疾患管理料において、その趣旨等を踏まえ、初診時の評価を見直す等、必要な見直しを行うこととしてはどうか。また、歯科疾患の継続管理において、長期的な継続管理の評価を充実させることとしてはどうか。
2つ目でございます。歯周病安定期治療の対象となっていない歯周病患者に対する継続的な治療を新たに評価してはどうか。
最後の論点でございます。歯科疾患管理料の口腔機能管理加算及び小児口腔機能管理加算は、現在と同様に歯科疾患管理料と関連づけた上で、歯科疾患管理料とは別の日でも算定できるようにするなど、必要な見直しを行ってはどうかでございます。
以上です。よろしくお願いいたします。
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に関しまして、御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
10コマ目の論点に沿って、発言いたします。
1つ目の論点ですが、院内感染防止対策につきましては、前回の議論の際にも申し上げておりますが、日本歯科医師会といたしましても、その普及を進めてまいりました。今後も引き続き推進し、稼働している全ての保険医療機関が届け出をし、結果、残りの減算による区分は早期に撤廃できるよう、努力したいと思っております。
研修につきましては、日本歯科医師会では、e-Learningシステムなど、さまざまなメニューを実施しており、関係職員も含め、今後も引き続き推進に取り組みたいと考えております。
その上で、基本診療料について、地域歯科医療において、あるべき姿を維持できるよう、充実した制度設計を検討いただきたく思ってございます。
2つ目の論点でございます。歯科衛生士不足はこれまでも主張しておりますので、厚労省の提案に賛同いたします。該当する幾つかの施設基準に関し、現場での混乱が少なくなるよう配慮し、施設基準を届け出した医療機関が地域で継続して歯科医療貢献できるよう、お願いいたしたく思ってございます。
次に22コマ目の論点に沿って、発言いたします。
1つ目の論点ですが、歯科疾患管理料のあり方の見直しについては、継続的な管理として、初診時の見直しと長期管理の導入ということで理解いたしました。ただ、現場では、長期管理を妨げる初診中1回限りといった通知内容にも影響を受けており、柔軟に実施できていない部分に関しましては、より推進するよう、整理していただきたく思っております。
2つ目の論点ですが、歯周病予防は成長戦略実行計画にも記載されており、重要な課題だと考えております。口腔の健康は全身の健康につながることより、できるだけ早期から歯周病の継続管理ができ、結果、国民に資するような制度設計をお願いいたします。
また、糖尿病と歯周病の相互関係のエビデンスも明確となってきており、医科歯科連携のさらなる推進のもと、多くのかかりつけの歯科医が取り組みやすく、さらに歯周病患者へより効果の上がる対策ができるよう、お願いいたします。
最後の論点ですが、前回の改定で導入されました、口腔機能管理加算や小児口腔機能管理加算は、まだまだ算定が伸びておりません。現状、歯科疾患管理料の加算というたてつけになっており、疾患本体の算定におけるさまざまな制約のため、弊害が出ていることもわかっております。特に初診から一定期間経過した後に発症した場合、疾患がないと口腔機能管理加算が算定できない不合理は、見直しをお願いいたしたくと思っております。
また、歯科疾患管理料は、無歯顎患者の入れ歯のみの場合は算定できないルールで、義歯を作製した患者は、その後の調整等は低栄養の予防など、超高齢社会において非常に重要な視点でございます。現場の実態に合わせ、必要な患者に必要な管理が実施できる視点からも、見直しをお願いしたく思っております。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
10ページ目の1つ目の論点についてです。院内感染防止対策の充実を目的として、職員を対象とした研修を行うことを条件として、基本診療料の評価を見直すという流れの意図が、いま一つ理解できておりません。95%は研修をやっているわけで、残りの5%のためにさらに研修を推進する。研修をするのは当然の責務だと思っていますが、それで見直すという意図は、いまいち理解ができておりません。
また、職員を対象にする研修ということで、歯科衛生士でもない無資格の方なのか、よくわかりませんが、そういう方に専門知識があるか否かも含めて、洗浄・滅菌等の重要性を認識して、正確な手順で行えるようにする研修内容というのは、相当きちんとしたものが必要だと思います。
今、歯科医師会のe-Learningのお話がありましたが、その中身、あり方が非常に重要な論点になるのだろうと思いますので、歯科医師会との連携、日本歯科学会の院内感染対策に係る指針をしっかりと踏まえた研修内容、実施主体、どこがやるのか、こういうことも明確にして、標準的な研修対応案が必要ではないかと思っております。
そういうものを踏まえて、明確にした上で、基本診療料を見直していくというのは、どういうところをどう見直すのかというところの議論をしていく必要があると考えております。現行の施設基準では、研修を受けた常勤の歯科医師1名以上を配置ということになっていますが、評価の見直しをするのであれば、例えば歯科医師の研修を受けた人以外に、研修を受けた職員が勤務している日に限って算定するとか、考え方として、算定要件の工夫が必要だと考えております。
2つ目の論点ですについて、歯科衛生士の深刻な人材不足によって、配置が困難とあります。この資料を見ますと、求人倍率が20倍ということなのですが、施設基準における配置要件を見直すという論点については、患者にとってより安全で安心できる診療環境の観点からいえば、歯科衛生士が全くいなくて大丈夫なのでしょうか。歯科衛生士がこういう要件に入っている根拠は何なのかというところが、現場実態がわかりませんので、御説明をいただければありがたいと思っております。
求人倍率が現在でも20倍以上で、さらに増加傾向にある現状を踏まえると、確保が困難な状況は、今後すぐに解消できることではないと思います。こういう状況を勘案しますと、人手不足の対症療法的な配置基準であれば、その場しのぎの緊急対応になりますので、原則的に歯科衛生士の役割は何なのか、今後どのような対応策、役割をシフトしていくのか、さらには現状の環境変化を踏まえれば、将来に向けて、歯科の医療機関がどういう対応をしていくのか。これは中医協の議論ではないと思いますが、日本医師会の皆さんも含めて、歯科医療機関のあり方の骨太の議論というのがあってしかるべきだと考えております。
今後改定をしていく、見直しを図るということでは、そうした前提となる基本方針をしっかりと踏まえた上で、将来の歯科医療機関のあり方について、それを実現するための具体的な取組を体系的に議論し、評価項目の見直しをしていくという手順が必要ではないかと考えております。
以上は意見でございますので、歯科衛生士さんの考え方、状況について、事務局か、医師会の先生か、教えていただければと思います。
○田辺会長
補足をお願いいたします。
○小椋歯科医療管理官
歯科衛生士の状況でございますが、実際に現段階では就業している歯科衛生士の数は、12万人ぐらいと言われておりまして、歯科クリニックの数が6万8000件という状況になっておりますので、平均すると1~2人という状況です。そういう状況になっているのですけれども、募集をしても、ほとんど来ないという現況になっております。
施設基準につきましては、9コマ目に示しておりますように、歯科衛生士の確保が困難であるので、歯科衛生士の要件を全て撤廃してしまうということではなくて、どちらかというと、9コマ目に示してありますように、歯科医師が複数名いるということも、施設基準に加えたいと思っております。業務範囲として、歯科医師は歯科衛生士の業務範囲を全て網羅しておりますので、どちらかというと、レベルアップということになると考えております。そういう施設基準を目指したいと思っております。ただ、歯科医師が複数名いる歯科医療機関が多数あるわけではございませんので、若干の緩和にしかならないかもしれないですが、現段階では、こういう対応を図りたいと思っているところでございます。
○吉森委員
ありがとうございます。
歯科衛生士さんの代替として、歯科医師をということですね。
○田辺会長
林委員、若干の補足をお願いいたします。
○林委員
歯科衛生士の代替として、歯科医師という考えは全くございませんけれども、歯科衛生士を雇用していて、それなりの施設基準を算定していた医療機関が、1人以上いればいいのですが、0~1人というところが多くございますので、その1人が何らかの形で休職したり、退職したりという形になった場合、現状、歯科衛生士の雇用が非常に厳しい状態ですので、それにかわるという意味合いでの歯科医師の担保というところも含めて、地域医療の継続性というか、重要性で、国民に迷惑をかけない医療機関を継続して続けていきたいという意味合いがございます。
○吉森委員
実情はよくわかりましたが、今、重点課題になっている医師の働き方改革、タスクシフトに関してという観点からいうと、いかがなものかと思わざるを得ないです。これは意見です。
○田辺会長
ほかはいかがでございましょうか。事務局、お願いします。
○小椋歯科医療管理官
もともとの施設基準の趣旨としては、歯科医師と歯科衛生士ということでしたが、歯科専門職が複数名ということが、もとの趣旨だと考えておりますので、歯科医師が複数名ということになっても、もとの趣旨と変わることはないと考えております。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。佐保委員、よろしくお願いいたします。
○佐保委員
参考までに教えていただきたいのですけれども、歯科衛生士は、国家試験を合格して、有資格者になるということだと思うのですが、有資格者の数はどれぐらいいるのでしょうか。
○小椋歯科医療管理官
国で実施している調査につきましては、就業している歯科衛生士の数しか把握できておりません。就業歯科衛生士につきましては、12万人という数になっております。
○佐保委員
きょうでなくても、教えていただければと思います。登録しているはずなので、数はわかると思いますので、よろしくお願いします。
○田辺会長
幸野委員、よろしくお願いいたします。
○幸野委員
歯科衛生士のことについて意見がでましたので、歯科衛生士のところから発言させていただきますが、今、事務局から歯科衛生士の業務については、医師が担ってやるということであれば、異論がなかろうかと思います。
そもそも歯科衛生士が不足しているということですけれども、歯科診療所の数の多さにも問題がありますし、この間の実調で給与水準を見てみると、非常に下位ランクに位置されているということで、不足しているということではなくて、採用競争力が弱いということではないかと思います。歯科もプラス改定が続いている中で、プラス改定が歯科衛生士の給与に反映されていないのではないか、そういったところも1つ競争力を弱めているところがあるので、そういった努力もしていただくということで、あえて反論は申し上げません。
1点目の院内防止対策ですけれども、充実していく方向ということで、本来であれば、エビデンスを出していただきたかったのですが、出していただけないということなので、点数については、改定率を見て、ほかの診療報酬点数との整合をとるような形での設定をぜひお願いしたいと思います。
2点目の22ページ目の歯科疾患管理料については、継続的な管理を行う観点から、継続した場合に算定するというのが本筋ですが、初診料の現行の評価については、ぜひ見直しを行っていただきたいと思います。それと、これを継続的に評価する場合には、算定要件が患者の同意と管理計画をしっかりと説明するということになっていますので、そこはしっかりやっていただきたいと思います。
それから、4ミリメートル未満の歯周ポケットを有する軽度な歯周病患者に対する継続的な治療については、漫然とした治療が行われないように、一定程度のアウトカム評価を入れるべきではないかと思います。
口腔機能管理加算とか、小児の加算の別日算定については、特に異論はありません。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。宮近委員、よろしくお願いいたします。
○宮近委員
院内感染防止対策について前回改定時のことを考えますと、そもそも院内感染防止対策は、医療機関が自主的に行うことが大前提であるという前提のもとに議論があり、歯科初診料と歯科再診料が引き上げられた経緯があったと思います。
今回はさらに職員に対する研修を行うことで、基本診療料を見直して評価するという提案がなされているわけですけれども、診療に必要な研修は、歯科に限らず、当然のこととして、医療機関では行われていると思います。
ここで言う研修とは、先ほど林委員からe-Learningという話がありましたけれども、例えばe-Learningであれば、15分、20分程度で終わるものであると思いますが、具体的にどのようなイメージなのか、事務局にお伺いしたいです。
○田辺会長
お願いいたします。
○小椋歯科医療管理官
ありがとうございます。
現行の施設基準におきましては、5コマ目にございますけれども、今は研修を受けた常勤の歯科医師が1名以上という形になっておりまして、6コマ目の歯科の医療機関の中で、器具を洗浄したり、滅菌したりというのは、恐らく歯科医師以外の院内のスタッフが行っているのだろうと想像されます。歯科医師以外の職員が滅菌などの重要性とか、意義を知らずにやっといたら、言葉は悪いですけれども、ここを省略してしまおうとか、そういうことが起こらないとも限らないので、研修を受けた常勤の歯科医師以外のスタッフについても、きちんと研修を受けていただくと考えております。
院内感染のための基本的考え方とか、具体的方策を周知徹底することで、院内感染対策の向上を図って、現段階ではこのような規定を設けておりますけれども、100%を目指して、このような施設基準は、将来的には撤廃したいと考えているところでございます。
○宮近委員
ありがとうございます。
説明をお伺いしましたけれども、100%院内感染防止対策をするというのは、当然のことだと思いますし、医療機関としては、例外があってはいけないことだと思います。
6ページ目に院内感染対策防止の流れが表示されていますが、これはマニュアルであって、こういうことをやりなさいということを書いているだけのことであって、研修の話でもないと思います。院内感染防止対策は、医療機関がみずから行うべきものであって、診療報酬で評価することが果たして適切なのか、そもそも疑問があります。前回の改定に加えて、さらに診療報酬で評価するということは、慎重に対応していくべきではないかと思います。
○田辺会長
ほかはいかがでございましょうか。林委員、お願いいたします。
○林委員
今、宮近委員がおっしゃったことの補足になるわけですけれども、院内感染防止対策に対してのしかるべきホスピタリティーとしての基本診療料の評価というのは、平成30年度改定のところで一定の議論をいただきまして、歯初診という形の施設基準で評価いただいたと理解しております。
ただ、そのときの評価が、より高度な滅菌を行うに当たっての経費等も鑑みた中でのしっかりとした評価になっているかどうかというところは、いま一度、見直していただきたいということもございまして、我々が国民に資する医療提供をするに当たってのあるべき姿の追及・推進という意味合いでは、当然やっていくべき姿でございますので、これは我々としてしっかりと受けとめて、進めていきたいと思ってございますので、引き続き、検討のほど、よろしくお願いいたします。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
論点から少し外れるのですが、今、保険者が困っている切実な問題があるので、ぜひ検討していただきたいということで、限られた時間の中、恐縮ですが、発言させていただきます。
有床義歯の算定要件についてです。入れ歯です。入れ歯の算定要件には、原則として、前回作製してから半年以上経過しないと、新たな入れ歯は算定できないという規定があるのですが、これには例外規定がありまして、認知症等で入れ歯の管理が難しい場合とか、急性期状況で歯の本数が変わってしまったとか、やむを得ない場合は、再度作製することが認められています。
例外規定の中には、その他特別な場合という曖昧な要件も定められているのですが、保険者としては、その他特別な場合というのは、例えば災害とか、事故とか、本人の瑕疵がないものにあるべきだと思っているのですが、現状では、誤って捨ててしまったとか、なくしてしまったという場合が結構あって、そういう場合にも支払基金などでは、査定が行われないという問題が生じていて、非常に困っているという状況です。
1本作成すれば、技術料を含めて2万円から3万円すると聞いておりますが、決してたくさんあるわけではないのですが、適切な運用が行われるように、多くの保険者が希望していますので、入れ歯をつくるときの例外規定について、その他というところを明確に、通知なりで示していただければ結構ですので、御検討いただければと思います。
以上です。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。間宮委員、よろしくお願いいたします。
○間宮委員
先ほどの院内感染対策の件ですけれども、過去に不適切な事例があったというのは、覚えていますが、先ほど説明にあったような、歯科医師以外のスタッフが、ここははしょってしまっていいかといって、作業をした結果、重大なことが起きたという事例は、実際にあるのでしょうか。
○田辺会長
よろしくお願いいたします。
○小椋歯科医療管理官
そのような事例は認められておりません。
私の先ほどの発言は、少し不適切だったので、改めたいと思います。失礼いたしました。
○間宮委員
そういう事例があるのであれば、いいと思うのですけれども、今、適当にやっている歯科の病院があったとしたら、それは問題ですが、ほとんどの歯科の病院というのは、ちゃんとやっているのではないかと思います。そのあたりも含めて、検討が必要なのではないかと思います。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑は、このあたりとしたいと存じます。
本日の議題は、以上でございます。
なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。御参集どうもありがとうございました。

 

 
 


 
 

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