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2019年12月4日 中央社会保険医療協議会 総会 第438回議事録

○日時

令和元年12月4日(水)8:59~11:36

○場所

グランドアーク半蔵門 富士の間(4階)
 

○出席者

田辺国昭会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 松原由美委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員 
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 猪口雄二委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 半田一登専門委員
 
<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 八神審議官 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○薬価調査、特定保険医療材料価格調査の結果速報について
○調剤報酬(その3)について
○個別事項(その12)について
 


 
○田辺会長
それでは、定刻でございますので、ただいまより第438回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
まず委員の出席状況について、御報告いたします。
本日は、染谷委員、岩田専門委員、田村専門委員が御欠席でございます。
なお、佐保委員と松本委員におかれましては、おくれて御到着とのことでございます。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りは、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○田辺会長
それでは、早速でございますけれども、議事に入らせていただきます。
初めに、次期診療報酬改定に向けた議論として「○薬価調査、特定保険医療材料価格決定調査の結果速報について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
それでは、経済課長、よろしくお願いいたします。
○林医政局経済課長
医政局経済課長でございます。
総-1-1をごらんください。
6月26日の総会で御了解いただきました調査概要に基づき行いました、薬価調査と材料調査の速報値がまとまりましたので、御報告を申し上げます。
まず冒頭、先週金曜日の総会でも議題になりましたが、医薬品卸売業者、いわゆるJCHOが行った医療機関に対する医薬品の入札について、談合を行った疑いで、公正取引委員会の調査を受けていることについて、簡単に御報告を申し上げます。
現在もまだ調査が進められているようでして、事実認定はされていない現状でございますけれども、疑いが事実であれば、公正自由な競争を通じた価格形成を阻害する行為でありまして、医薬品卸売業者を所管する立場として、まことに遺憾と考えております。
各事業者からは、捜査に全面的に協力する旨が表明されておりまして、卸売連合会からも陳謝の意が表明されております。厚労省としても、業界指導を含めて、全力で対応していきたいと考えております。今後、その状況について、適宜この場でも御報告を申し上げたいと思います。
今回の薬価調査に当たりまして、まだ調査の段階ではありますけれども、適正な市場実勢価格を把握するという観点に立ちまして、対応を行いました。具体的には、談合の疑いが持たれております医薬品卸4社、アルフレッサ、スズケン、東邦、メディセオでございますが、これと独立行政法人地域医療機能推進機構、JCHOへの販売データにつきましては、乖離率等の集計に当たっては、除外して計算をさせていただいております。念のため、その分のデータを除外して、算出をさせていただいた結果を御報告申し上げるということでございます。
具体的な数字でございますが、薬価調査につきまして、総-1-1にございますように、9月の取引分について、11月5日までに報告があったものの速報値ということで、例年どおりのものでございます。
平均乖離率は約8.0%になっております。
計算式は注2)にございますように、9月時点の薬価、すなわち、基本的には平成30年度薬価をベースにした乖離率になります。繰り返しになりますが、卸の4社とJCHOとのデータは、分母にも、分子にも入れていないということになります。昨年9月時点では、約7.2%ということでございましたので、そこから比べますと、0.8ポイント乖離が進んだことになります。
注3)にありますように、昨年9月の調査結果に基づきまして、ことし10月にいわゆる実勢価改定を消費税増税とあわせて対応済みとなってございます。
乖離率の内訳については、2枚目に書いてございますので、ごらんいただければと思います。
後発医薬品の数量シェアについてでございます。9月時点で76.7%となってございます。
定義は注)にあるとおり、従来から用いております新指標と言われている後発医薬品がある医薬品についての数量割合になります。昨年9月時点では、72.6%でございましたので、4.1ポイントの上昇です。平成27年9月が56.2、平成29年9月が65.8と、関係者の御努力、御協力をいただきまして、着実に上昇しております。
政府としては、来年9月に80%を目標としておりますので、このままのペースでいくと、ぎりぎり達成できるかどうかということでございます。地域差等も多い状況でございますので、さまざまな事業に取り組んでおりますが、まずは80%達成に向けて、最大限取り組んでいきたいと考えております。
次に、材料でございます。総-1-2をごらんください。
特定保険医療材料価格調査の速報値ということで、5月から9月の取引の販売サイド調査の速報値でございます。
材料につきましては、医薬品と異なりまして、基本的には少量、多品質のため、ここに掲げられているダイアライザーと、ここに掲げられているもの以外については、5月から9月の取引量となってございます。
平均乖離率は約5.8%となっております。
これにつきましても、薬価と同様、9月時点の材料価格でございますので、基本的には平成30年度改定の価格をベースにした乖離率ということで、表現をさせていただいております。
昨年の5月、9月の取引調査結果では、平均乖離率は約4.2%となっておりましたので、1.6ポイント進んでございます。
これにつきましても、昨年の調査結果に基づきまして、ことし10月にいわゆる実勢価改定を消費税増税とあわせて実施済みでございます。
材料の乖離率につきましては、徐々に縮小傾向にあるという状況でございます。
私からの報告は、以上でございます。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
この調査速報値でございますが、歯科用薬剤に関してでございます。乖離率が平成27年よりマイナスとなっております。特に歯科用局所麻酔剤の乖離率が大きく、これまでも対応をお願いしてまいりましたが、解消に向けまして、引き続き御検討のほどよろしくお願いいたしたく、要望いたします。よろしくお願いいたします。
○林医政局経済課長
経済課長でございます。
御指摘のとおり、歯科用薬剤については、逆ざやの状況が続いてございます。
今回の改定に当たりましては、企業にも改めて周知をいたしまして、不採算品再算定の申請を複数の企業から提出させていただいておりますので、その適用について、適切に検討してまいりたいと考えてございます。ありがとうございます。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
前回の中医協でも、この一連の事件については、御指摘させていただいたのですが、今、経済課長からも御報告がありましたが、本件に関しては、現在、公取による調査中であり、断定的な言い方はあえて避けさせていただきますが、報道されている内容がもし事実であれば、公定価格の基礎となる市場実勢価格が恣意的に操作されているものであり、国民への背信行為で、決して許されるものではないと考えます。
今回の件は、一部の取引で行われたものとはいえ、もしこれが事実であれば、国民の医薬品流通の信頼性が完全に損なわれる事態だと考えています。厚労省の所管部署におかれましては、早急に実態を把握の上、開示し、関係した事業者に厳格に対処されるとともに、一刻も早く国民の信頼を取り戻すために、医薬品流通の透明性、正確性を高めるための再発防止策を、この総会において、御報告いただきたいということを要望いたします。
以上です。
○田辺会長 経済課長、お願いいたします。
○林医政局経済課長
御指摘のとおりでございまして、繰り返しになりますが、今回の疑いがもし事実であれば、卸売業界を所管するものとして、また、流通の透明化改善を従来から関係者を挙げて取り組んできたわけでございますけれども、そういった関係者の努力もいわば無にするところでございますので、大変遺憾な事態であると考えてございます。
現状では、まだ調査中ですので、予断を持ったことは申し上げられませんが、公取の事実調査が明らかになる状況も踏まえつつ、所管の立場として、適切に対応してまいりたいと思いますし、関連の卸売業界ともに、信頼回復に向けて、しっかりと取り組んで指導してまいりたいと考えてございます。
その状況につきましても、この中医協に適時御報告を申し上げたいと考えております。
以上でございます。
○田辺会長
ほかにいかがですか。松本委員、お願いいたします。
○松本委員
今回の一連の事件に本当に遺憾であると思っております。内容につきましては、先ほど1号側からの意見がございましたので、重複いたしますから、詳しくは述べませんけれども、今後、しっかりと調査をして、しっかりと監督指導を行っていただきたいと思います。
○田辺会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑は、このあたりとしたいと存じます。
本日の薬価調査及び特定保険医療材料価格調査の報告を受けまして、改定までの調査については、全て報告を受けたことになります。これまでの調査報告と議論並びに次回以降お出しいただく1号側、2号側の御意見を踏まえまして、公益委員で中医協としての意見書の素案を作成させていただきたいと存じますので、次回以降の総会で、この点を御議論いただきたいと思います。
次に、次期診療報酬改定に向けた議論として「○調剤報酬(その3)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
薬剤管理官、よろしくお願いいたします。
○田宮薬剤管理官
中医協総-2をお開きください。
調剤報酬(その3)ということで、本日は、調剤基本料に関する2回目の御審議、それから、2つ目として、かかりつけ薬剤師・薬局の評価を含む対人業務について、御議論いただきたいと考えております。
3コマ目からが調剤基本料に関するものでございます。
4コマ目をごらんください。本年10月の消費税引上げに伴う改定を踏まえた現行の調剤基本料の点数の一覧を示しております。
調剤基本料1、調剤基本料2、調剤基本料3のイとロ、特別調剤基本料と5区分にされているということでございます。
5コマ目をごらんください。調剤基本料の見直しにつきましては、平成28年度、平成30年度の改定におきまして、医薬品の備蓄等の効率性や収益状況等を踏まえ、いわゆる門前薬局や大型チェーン薬局につきまして、引き下げを行ってきているところでございます。
具体的には下に図がございますが、左側に(1)大型チェーン薬局・敷地内薬局以外と書いてございますけれども、調剤基本料2の区分が処方箋の受付回数、あるいは処方箋の集中率によって設定されています。ここを平成28年度の改定で、赤のところでございますが、左側に拡大、また、平成30年度改定では、緑のところでございますけれども、集中率のところを90%超から85%超に拡大をしたことが1点目です。
右側が(2)大型チェーン薬局ということでございますけれども、平成28年度改定で初めて同一グループ薬局のグループ全体の処方箋受付枚数が4万回以上の薬局につきまして、調剤基本料3ということで設定いたしました。その後、平成30年度改定におきまして、集中率を95%超から85%超に拡大したところでございます。
(3)敷地内薬局とございますけれども、平成30年度改定におきまして、病院と不動産取引等その他の特別な関係があって、処方箋集中率が95%超のところに対する特別調剤基本料を設けたということでございます。
6コマ目をごらんください。調剤基本料の考え方でございますけれども、これまで医薬品の備蓄等の体制整備に関する経費を評価したものと整理しておりまして、その区分について、薬局への効率性を踏まえて設定しているものでございます。
一方、一定の体制を有する薬局を評価する地域支援体制加算も調剤基本料の加算としてあるということでございますが、左側をごらんいただきますと、例えば集中率が高いということであれば、医薬品の備蓄種類数が少なくて済むのではないか、また、薬局単位での処方箋の受付回数が多い、あるいはグループ単位での処方箋受付回数が多いということであれば、規模が大きいことによるメリットがあるのではないかということがございまして、医療経済実態調査等のデータを踏まえ、効率性の観点で調剤基本料を設定してきているところでございます。
7コマ目をごらんください。調剤基本料の構成比の推移を示したものでございます。
調剤基本料1を算定する薬局の割合、青の部分でございますけれども、こちらは平成26年度、97.4%でございましたが、その後、調剤基本料2、あるいは調剤基本料3の新設、拡大によりまして、平成30年度改定時点では、84.4%まで下がってきているところでございます。
下にございますとおり、各調剤基本料の算定回数の割合でいきますと、調剤基本料1の算定割合は、77%程度となっているということでございます。
8コマ目をごらんください。今回の医療経済実態調査の特別集計ということで、処方箋の集中率と備蓄品目数の関係を示したものでございます。
ごらんいただけますとおわかりになると思いますが、集中率が高くなるにつれて、医薬品の備蓄品目数が少なくなっている傾向がうかがえると思います。特に集中率95%以上のところでは、備蓄品目数が少なくなっていることがうかがえるところでございます。
9コマ目でございます。今回の医療経済実態調査における1店舗当たりの保険薬局の店舗別損益状況ということで、同一グループの保険薬局の店舗数にどのグループに属しているかといったことで分類したものでございます。
ごらんいただくと、同一グループ薬局の店舗数がふえるにつれて、損益率が高くなる傾向がございますけれども、6~19店舗と20店舗以上では、損益率について、ほとんど差がなかったという状況でございます。
この点につきましては、10コマ目に前回の医療経済実態調査の同様のデータをお示ししておりますけれども、前回ですと、6~19店舗において、損益率が8.3%だったのに比べ、20店舗以上が12.1%と大きくなっていたということと、状況としては異なっているということでございます。
11コマ目をごらんください。前回の調査と今回の調査の税引き前の損益率、税引き前の損益差額について、お示ししたものでございます。
枠囲みの中をごらんいただければと思いますけれども、平成30年度改定による影響という意味では、店舗数によらず、損益率が減少していることがうかがえるところでございます。
一方、税引き前の損益差額ということにつきましては、下に棒グラフで示しておりますけれども、20店舗以上の場合が最も大きくなっているということがおわかりいただけると思います。
12コマ目でございます。同一グループ薬局の店舗数につきまして、もう少しきめ細かく分類をしてみたものでございます。
具体的には6~19店舗のところを6~10、11~19に分けました。それから、20店舗以上のところを20~99と100店舗以上に分けたということでございますけれども、これらいずれにつきましても、損益率にはほとんど差がなかったという結果が出ているところでございます。
13コマ目、不動産の賃貸借関係別の薬局の損益率等の状況ということでございます。
賃貸借関係がある薬局とない薬局におきまして、損益率のところをごらんいただければと思いますけれども、賃貸借がある薬局では、その他の薬局と比較して、損益率が高いといった傾向がうかがえるところでございます。
14コマ目をごらんください。今度は、薬局の立地別の損益率でございます。
赤の点線で囲った部分をごらんいただきたいと思いますけれども、平成30年度改定による損益率の減少幅を見ますと、医療モール内、中小病院前、大病院前の薬局で大きかったことがうかがえるところでございます。
一方、回答のあった薬局数は少ないので、これでどのようなことが言えるかというところは、御議論があろうかと思いますけれども、診療所敷地内の薬局の損益率が高いという状況がうかがえるところでございます。
参考までに、前回の調査のデータも下のグラフに示しておりますけれども、そのときも高いということがうかがえるところでございます。
以上を踏まえまして、15コマ目に論点を記載させていただいております。
薬局の収益状況や医薬品の備蓄等の効率性を踏まえ、特定の医療機関から処方箋を多く受け、かつ一定程度の処方箋の受付枚数がある薬局、診療所の敷地内にあり、不動産の賃貸借等の関係にある薬局等の評価を見直すこととしてはどうかというのが、1点目でございます。
2点目の論点として、同様の観点から、同一グループで店舗数の多い薬局、病院の敷地内にある薬局の評価について、どのように考えるかということを挙げさせていただきました。
16コマ目からは、かかりつけ薬剤師・薬局の評価を含む対人業務についてということでございます。
まず、かかりつけ薬剤師指導料に関してということでございますが、17コマ目をごらんください。平成28年度の改定時に、かかりつけ薬剤師指導料を新設した際に、かかりつけ医とかかりつけ薬剤師の連携について、概念図を示したものでございます。
かかりつけ薬剤師は、かかりつけ医と連携しながら、患者の服薬状況を一元的・継続的に把握し、かかりつけ医に服薬情報等を報告するとともに、薬学的見地から、処方内容の疑義照会や処方提案等を行っていくということをお示ししたものでございます。
18コマ目をごらんください。かかりつけ薬剤師指導料の現行の点数、算定要件、施設基準をお示ししております。
このうち施設基準の赤字の部分でございますけれども、例えば(1)のウの部分、在籍期間について、6カ月以上から1年以上という形で、施設基準の変更なども前回改定で行っていることでございます。
あわせまして、19コマ目でございます。こちらも前回改定での対応の内容になりますけれども、かかりつけ薬剤師指導料を算定するに当たって、患者の同意書を必要としているわけですが、同意を取得する際に、下に様式を例示してございますけれども、かかりつけ薬剤師が実施すること、業務内容をしっかりと説明した上で、また、患者さんからかかりつけ薬剤師に希望することなどを聴取した上で、患者さんの同意を得て算定を行うという形で、この辺の標準化も行ったということでございます。
20コマ目でございます。患者のための薬局ビジョンからの抜粋でございますけれども、特にかかりつけ薬剤師・薬局が重要な場合ということでは、高齢者とか、あるいは生活習慣病などの慢性疾患を有する患者ということが記載されています。
21コマ目をごらんください。かかりつけ薬剤師指導料の算定状況については、2018年11月までのデータでございますけれども、かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の算定回数、あるいは算定薬局数は、横ばいになってきているところでございます。
5万9千薬局のうち、このデータでありますと、2018年11月時点で2万3千薬局余りが算定をしているということでございまして、全処方箋枚数に示す算定割合でいうと、1.5%に相当する算定回数があるという状況でございます。
22コマ目でございます。かかりつけ薬剤師指導料の同意書にサインをしたことがある患者に対して聞いた結果でございます。
赤で囲っているところになりますが、残薬の整理、検査値の活用、調剤後の電話での状況確認等を受けたことがあるという患者さんが4割から5割程度でありまして、また、受けたことはないが、今後、受けてみたい人の回答を含めると、7割から8割程度といったデータがあるということでございます。
23コマ目は、検証調査の結果でございますけれども、かかりつけ薬剤師指導料の届け出を行っている薬局と届け出をしていない薬局との間で比較をしたものでございます。
例えば左側の重複投薬等の削減のため行っている取り組みをごらんいただきますと、赤枠のところでございますが、薬局からかかりつけ医への服用薬の情報の提供とか、あるいは服用状況等に基づく、かかりつけ医への処方提案、こういったところで届出をしている薬局の割合が多いという状況でございます。
右側は、残薬解消のために行っている具体的な取り組みでございますけれども、赤枠にありますとおり、患者が服用しやすくなるような工夫や指導を行っている割合などが大きくなっている状況でございます。
24コマ目でございます。かかりつけ薬剤師とそれ以外の場合の疑義照会の取組についてということでございます。
疑義照会の割合について見ますと、かかりつけ薬剤師指導料等を算定した場合は9.2%、通常の薬剤服用歴管理指導料を算定した場合で3.0%となってございまして、また、内容につきましても、濃い赤で示しておりますように、薬学的な観点から必要と認められる事項のところの割合、あるいは件数も多くなっているところでございます。
右下にございますとおり、例えば重複投薬・相互作用等防止加算の算定においても、かかりつけ薬剤師指導料等を算定している薬局のほうが多いという状況がうかがえるところでございます。
次に、かかりつけ薬剤師・薬局の推進に関連して、同一薬局の利用推進という観点から、資料を少し用意させていただいております。
26コマ目は、平成27年の規制改革会議に厚労省から提出した資料でございますけれども、多くの患者が門前薬局で薬を受け取っているという現状に対しまして、今後は、右側にございますとおり、患者はどの医療機関を受診しても、身近なところにあるかかりつけ薬局のところに処方箋を持参して、調剤を受ける。地域包括ケアの中で、多職種と連携して取り組んでいく、こういったイメージ図を示しているものでございます。
一方、この点については、どのような状況かということを、幾つかのデータでお示ししたいと思いますけれども、例えば27コマ目でございます。受診医療機関別の来局薬局数ということで、6カ月間のデータでまとめたものでございますけれども、6カ月間に受診した医療機関数が1カ所から5カ所以上という形で数がふえていくにつれて、3カ所以上の薬局に来局する患者数が一定数いる、赤で囲ったところでございますが、そういう形になっています。例えば5カ所以上の医療機関を受診する場合ですと、3カ所以上の薬局に来局する患者が約40%存在するといったデータがあるということでございます。
28コマ目に薬局の処方箋の集中率の分布をお示ししております。
処方箋の集中率について、赤で囲っているとおり、90%を超えている薬局が減少傾向で多少減ってはおりますけれども、約37%というデータが出ているということでございます。
こうしたところに関連してでございますけれども、29コマ目でございます。平成28年度の改定で導入した同一薬局の利用推進のための対策ということでございます。
考え方としては、薬局の業務の効率性も考慮しつつ、服薬状況の一元的な把握のために、患者が同一の薬局を繰り返し利用することを推進する観点から、薬剤服用歴管理指導料につきまして、一定の要件を満たす場合に、初回来局時の点数よりも、2回目以降の来局時の点数を低く設定しているものでございます。
具体的には、赤字で示しておりますとおり、調剤基本料1の薬局におきまして、患者さんが6カ月以内に再度の来局をし、かつ、お薬手帳を持参した場合に、通常53点のところ、41点という形で低い点数を算定するという点数設定をしているものでございます。参考までに下に算定回数の割合をお示ししておりますが、薬剤服用歴管理指導料の全体の算定回数のうち、半数近くが低い点数を算定しているという状況でございます。
算定要件につきまして、今回、問題提起したいと考えておりまして、30コマ目に図で示しているところでございます。
理想的には、右側にありますとおり、患者さんが慢性疾患等で1カ月ごとに医療機関Aを受診し、3カ月ごとに医療機関Bを受診、また、急性疾患で5カ月ぶりに医療機関Cを受診した場合にも、処方箋、お薬手帳を、この右側に薬局Bと書いてございますけれども、こちらに一元的に持参するという形が望ましいわけでございますが、現行の要件の場合ですと、左側にありますとおり、例えば医療機関Aを受診した場合、医療機関B、医療機関Cをそれぞれ受診した場合に、それぞれ違う薬局A、薬局B、薬局Cで調剤を受けた場合でも、いずれも6カ月以内に再度来局していることになりますので、このような場合でも、先ほど御説明した薬剤服用歴管理指導料の低い点数が算定される状況になっているということでございます。したがいまして、必ずしも狙いどおりになっていない場合があるのではないかという問題意識でございます。
31コマ目でございますけれども、今度は、お薬手帳に関してでございます。
薬剤服用歴管理指導料の算定要件におきましては、「手帳に初めて記載する薬局」の名称等を記載することとされているところでございます。
一方で、患者が普段利用する薬局の名称に関する規定はない状況でございます。右側にお薬手帳の記載項目のイメージを示しておりますが、かかりつけ薬剤師指導料の算定要件におきましては、かかりつけ薬剤師の氏名等を記載することが、明確化されているところでございますけれども、現行は、患者さんが普段利用する薬局の名称を記載するような規定が、例えば薬剤服用歴管理指導料の算定要件にはないということでございます。
参考までに、32コマ目には、電子版お薬手帳でのデータの項目ということで、標準化された項目なども示しているところでございます。
33コマ目でございます。患者が複数枚の処方箋を薬局に提出した場合の取扱いについて、御説明いたします。
下に算定要件が書いてございますけれども、患者が同一日に複数枚の処方箋を薬局に提出した場合は、(2)に書いてございますとおり、同一医療機関の同一医師の処方の場合とか、一連の診療行為に基づいて処方された場合に、調剤基本料の算定の根拠となる受付回数は、1回とされているところでございます。
一方で、2つ以上の異なる医療機関からの処方箋である場合は、別々の受付とされているということでございます。
この点について、後ほど同一薬局の利用促進の観点から、論点を挙げさせていただいているということでございます。
34コマ目からは、その他個別事項としまして、現在、具体的な対人業務に薬局の薬剤師が取り組んでいることについて、御議論をいただきたいと考えております。
35コマ目でございますが、対物業務から対人業務への転換に関する主な改定事項を書かせていただいております。
右側に内服薬の調剤料の適正化ということで、平成28年度改定、平成30年度改定におきまして、適正化を行ってきていることをお示ししております。
それとあわせて、対物業務から対人業務の転換ということで、例えば幾つかの新たな評価、あるいは評価の拡充などを行ってきておりまして、例えば平成28年度改定ですと、かかりつけ薬剤師の評価ということで、かかりつけ薬剤師指導料を新設したということもございますし、また、平成30年度改定でいうと、「重複投薬、ポリファーマシー、残薬等への対応」の欄でございますけれども、服用薬剤調整支援料ということで、薬局の減薬の提案について評価を行ったり、あるいは「その他」の欄でございますと、平成30年度改定におきまして、服薬情報等提供料の評価の見直しの中で、医療機関の求めに応じて、情報提供する場合の評価を引き上げたりとか、そうしたことを行ってきているということでございます。
こうした取り組みを踏まえて、36コマ目でございますが、調剤料の占める割合は、近年、減少傾向にはございますが、ただ、引き続き、技術料の50%を超えているのが実態でございます。
対人業務を評価する薬学管理料の占める割合も、近年、増加傾向にあるものの、20%程度にとどまっているというのが現状でございます。
37コマ目は、調剤医療費の各技術料の内訳です。
38コマ目は、薬学管理料の社会医療診療行為別統計における算定回数をお示ししておりますので、参考としていただければと思います。
39コマ目以降で、今回、御議論いただきたい具体的な項目を4点ほどお示ししてございます。
1つ目は、吸入薬の吸入手技の指導等ということでございます。
ぜんそく治療薬等の吸入指導につきましては、患者に合うデバイスの選択と、吸入手技の指導が重要でございまして、アレルギー総合ガイドラインなどにおきましても、薬剤師がそのチェックリストを用いた誤操作の点検や実技指導等の吸入手技の指導を実施する重要な担い手であるとされているところでございます。
下に吸入療法の進め方ということで書かせていただいております。
40コマ目に、具体的な薬剤のタービュヘイラーを例示として、どのような指導を行っているかということをお示ししております。
吸入薬の吸入指導につきましては、処方されたデバイスで正しく吸入できるかの確認から始まりまして、それぞれのデバイスの操作方法に応じた吸入手順で指導する必要があるということでございます。
右側に「吸入指導のポイント」とございますけれども、例えばタービュヘイラーの吸入操作練習用具は笛が付いており、ホイッスル音を確認するということでございますけれども、ホイッスル音が鳴ると、ちょうどよい吸入速度であり、鳴らないときは、吸入速度が足りないということがあるので、疑義照会などが必要になってくるということですとか、あるいは実際に吸入するに当たって、回転グリップを持つ際に、吸入口を持つと薬剤が充填されないため、本体中央部を持って回すように指導するとか、あるいは気道への薬剤沈着率を高めるために、無理のない程度に息止めをするように指導するとか、吸入後は、口腔カンジダ等の副作用を防止するため、吸入後にうがいをするよう指導するとか、こういったことを行っているということでございます。
41コマ目でございますけれども、薬局での吸入薬の服薬指導の現状といたしましては、全体の90%超の薬局で実施しているということでございます。
その際に、約50%の薬局では、5分以上10分未満、あるいは10分以上との回答も25%の薬局であったということで、それなりの時間をかけてやっておりますし、また、下に吸入指導に使用する資材として、文書による説明だけではなく、デモ機なども用いていることがうかがえるところでございます。
2点目でございます。経管投与患者への対応ということで、簡易懸濁法についてでございます。
簡易懸濁法は、枠に書いてございますけれども、経管投与を行っている患者さんに対して、錠剤の粉砕、あるいはカプセルの開封をせずに、投与時にお湯を入れて、崩壊・懸濁を10分程度待って経管投与するものでございまして、これによって、粉砕法などに比べて、治療薬の選択範囲の拡大とか、あるいは薬剤によるチューブ閉塞の防止、あるいは配合変化の回避等のメリットがあるとされているものでございます。
43コマ目をごらんいただきたいと思いますけれども、特に在宅医療の現場などにおきまして、簡易懸濁法を実施する患者に対し、薬局の薬剤師が最新のデータに基づいた医師への薬剤選択の提案、家族、介助者等に対する簡易懸濁法の説明指導、医師、看護師等への患者の状況等の情報共有を実施しているということでございます。
具体的なイメージとして、例えば図の左側、入院中に粉砕法で投与されていた患者が在宅医療に移行した際に、主治医と看護師等と在宅のケアを行う職種と相談いたしまして、簡易懸濁法で投与するという形になった場合に、薬局薬剤師は、薬剤選択について、相談、提案をいたしますし、また、実際に看護師、あるいは患者家族等に対して、簡易懸濁法の手技等を説明する。そして、実際、在宅患者の訪問薬剤管理指導等の中で、状況をモニタリングして、患者等の状況を報告する。こういった取り組みがされているということでございます。
3点目、重複投薬・相互作用等防止加算に関連するものでございます。44コマ目をごらんいただければと思いますけれども、前回改定で残薬調整に係るもの以外の薬学的観点から処方変更が行われた場合の評価の引き上げなどを行っているところでございます。
45コマ目に、そういった疑義照会の状況などについてまとめております。
調査によりますと、疑義照会の16.8%が薬学的介入の事例でございまして、左下の円グラフにありますとおり、53%程度が副作用の回避等につながっているといったデータもあるところでございます。
右側に具体的な事例がございまして、例えばがん化学療法への介入ということで、イレッサとガスターが投与されている場合に、ガスターにより胃酸が抑制され、pHが上昇することにより、イレッサのAUCが低下するおそれがあることから、服用時点を変えるように処方を提案するとか、あるいは腎機能に応じた投与量の推奨ということで、バリキサ錠については、腎機能に応じて投与量が設定されているわけでございますけれども、腎機能の検査結果を踏まえまして、用量について、調節の提案をするといった取り組みがされているということでございます。
薬局における血液・生化学的検査の活用状況について調べたのが、46コマ目でございます。
左下に円グラフがございますとおり、約4割の患者では、血液検査等の結果を薬局・薬剤師に見せたことがあるとの回答が得られているところでございます。
右側のグラフでございますけれども、赤枠のところですが、薬局で血液検査等の結果の活用が必要な場合として、肝機能や腎機能のモニタリングが必要な薬が処方されている場合を挙げる薬局が最も多いといったデータがございます。
こうしたことを踏まえまして、47コマ目に概念図をお示ししてございますけれども、複数の医療機関を受診する患者について、患者の同意の下、薬局で患者の血液・生化学的検査の結果を確認し、医療機関に必要な情報を共用しつつ、処方薬の用法・用量の確認等を行うことにより、患者の処方薬の用法・用量の最適化が図られることが期待されるのではないかと考えているところでございます。
具体例として下に書いてございますが、医療機関Aについて、こちらは処方医療機関において血液検査を実施している場合でございますけれども、患者が処方箋とともに、血液検査値等の結果を薬局に提示した際は、患者の同意を得て、調剤時に血液検査値等の結果に基づいた処方内容のダブルチェック等を行うということでございます。その後、同じ患者さんが血液検査等を実施していない医療機関Bの処方箋を持参した場合に、4と書いてございますけれども、薬局の薬剤師が医療機関Aの血液検査値等の結果等に基づいて、用法・用量の確認を行って、○5にございますとおり、必要に応じて、血液検査値等の結果等を処方医に共有し、処方薬の用法・用量について提案を行う、最適化に貢献するという考え方でございます。
48コマ目から、4点目でございますけれども、調剤した後の患者に対する服薬状況等のフォローアップに関係するものでございます。
関連する点数として、48コマ目に向精神薬調整連携加算をお示ししておりますけれども、下の注のところ、下線部にございますとおり、薬剤師に対して、薬剤の種が類数、または、投薬量が減少したことによる症状の変化等の確認を指示する場合の所定の点数設定されているものでございます。
こうした患者への服薬状況の確認等をどの程度薬局で実施しているかということに関していいますと、49コマ目にありますけれども、約1カ月間の間に約30%がフォローアップをしている状況がうかがえるところでございます。
その方法としては、電話によるものが多いということが、右側にデータとしてございます。
左側の枠囲みでございますけれども、具体的に実施されたフォローアップの内容といたしましては、薬剤の種類数または投与量が減少した患者への状況確認、残薬解消のための処方内容が変更された患者への服薬状況の確認等が行われているということでございます。
これに関しまして、今回、このフォローアップで着目いたしたいのは、糖尿病治療薬による副作用の確認ということでございまして、50コマ目に参考までに低血糖による緊急搬送等の実態を示しているところでございます。
平成29年に救急救命士により実施された特定行為のうち、意識障害の傷病者に対する血糖測定の件数が約4万8000件、ブドウ糖静注の件数が約8,000件といったデータがあるところでございまして、もちろん必ずしも全てが糖尿病治療薬による低血糖に起因しているものと考えているわけではございませんけれども、こういったことからも糖尿病治療薬による低血糖は、一定の注意を払う必要があるのではないかと考えているところでございます。
以上を踏まえまして、52コマ目をごらんいただければと思います。一連の論点をまとめてございます。
かかりつけ薬剤師・薬局につきまして、対物業務から対人業務への転換の観点等も踏まえ、その評価についてどう考えるかというのが1つ目でございます。
次に、同一薬局の利用の推進という観点でございますが、薬剤服用歴管理指導料の点数が低くなる規定につきまして、患者が同じ薬局を繰り返し利用することを推進する観点から、再度の来局の期間を6カ月から一定程度短縮することとしてはどうか。
また、現在、調剤基本料1を算定する場合にのみ、低い点数が設定されていることについて、患者にわかりやすい制度とする観点から、調剤基本料1以外にも対象を拡大することについて、どう考えるかということでございます。
あわせて、お薬手帳に患者が普段利用する薬局の名称等を記載する取り組みを進めることを検討してはどうかということでございまして、これによって、処方医、主治医との薬局・薬剤師との間の連携がより一層進む効果が期待できるのではないかと考えているところでございます。
さらに、患者が異なる医療機関からの複数の処方箋を同時に薬局に提出した場合等について、同じ薬局を患者が繰り返し利用することを推進する観点等から、調剤基本料の算定回数を1回とすることなどを検討してはどうかということでございます。
続いて、対人業務の個別事項といたしまして、薬局での業務の実態等を踏まえ、以下の取り組みを評価することについて、どう考えるかということで、4点ほど挙げさせていただいております。
1つは、初めて吸入薬を使用する喘息患者や、処方薬が変更になった喘息患者等に対して、デモ機を用いつつ、必要な吸入指導を行った場合の評価です。
2点目は、簡易懸濁法を開始等する在宅患者に対し、医師や家族等からの依頼に基づき、薬剤師による薬剤選択の提案、家族等に対し、簡易懸濁法の説明指導を行った場合の評価、もちろんこの場合、必要に応じて、患者の状況等を医師や看護師等に情報提供することだと思っております。
3として、糖尿病等の患者であって、処方薬の種類や用法・用量等が変更になった場合について、調剤後に電話等により、服用上の注意等について、改めて指導等を行った場合です。この場合も必要に応じて、結果を処方医に情報提供することを考えております。
最後、4点目でございますけれども、患者の血液生化学的検査の結果を活用し、医師への疑義照会により、患者の処方薬の用法・用量の最適化が行われた場合の評価の拡充について、どう考えるかということでございます。
説明は以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
スライド15の論点についてであります。調剤報酬の調剤基本料とは、調剤行為や薬学管理といった薬剤師に関する技術を評価したものではなく、保険薬局という施設における医薬品の備蓄、管理、構造設備、人員配置といった処方箋や相談のための体制整備に関する経費を評価したものであると考えております。
そのような位置づけであることを踏まえれば、薬局の運営コストの評価に当たり、一定程度の効率性を考慮した設定となっていることは、やむを得ないものと理解しています。
そうした考えの上で、先日、公表された医療経済実態調査結果の損益状況などから考慮すると、処方箋の応需枚数及び集中率と医薬品の備蓄品目数の関係、あるいはn数は少ないのですが、病院及び診療所の敷地内、特定医療機関との不動産の賃貸借の有無などの違いが、薬局運営の効率に大きく影響を与える要因であると考えれば、事務局から提示された1つ目、2つ目の論点については、おおむねその方向性で検討することには、反対はしません。
その方法について、例えば医療経済実態調査を踏まえた基本料の見直し、あるいは集中率の見直しなどが考えられるのではないかと認識しています。
ただ、薬局の調剤基本料に関する過去からこれまでの議論の経緯を確認していただければ、御理解いただけると思いますが、現行の調剤基本料は、基本的に一本化されているものであり、いたずらに特例の扱い、あるいは区分を増やしたり、容易に適用範囲を拡大することは避けるべきであり、見直しに当たっては、慎重に対応することが必要であります。
52ページの論点についても、お話しさせていただきます。
1つ目の論点については、薬剤師のかかりつけ機能を推進しつつ、対物業務から対人業務への構造的転換を推進する観点から、全ての論点の前提であると思いますが、引き続き、適切かつ着実に進める必要があることは、言うまでもないと認識しております。
2つ目の論点については、本来、同一薬局の利用の推進のために導入した仕組みではありますが、お薬手帳を持参すれば、費用が少し安くなるというメッセージのほうが強く伝わったことなどもあり、残念ながら、一元化という効果が得られていない状況であると感じています。
この仕組みにより、お薬手帳の普及は着実に進んだものと確信していますが、さらなる同一薬局の利用推進のため、現行の再来局期間、6カ月という部分について、一定程度短縮することには賛同したいと思います。
その適用範囲については、現行の調剤基本料1だけではなく、他の区分にも拡大することも提案されていますが、前段の再来局の期間の短縮を前提とするものであれば、検討の可能性はあり得るのではないかと考えています。
3つ目の論点については、現行のお薬手帳でも行っております。この取り組みをさらに進める、あるいはかかりつけ医との連携をさらに推進していく点からは、当然のことと考えます。
4つ目の論点については、同一薬局の利用推進のため、患者の視点という観点としては、理解できる部分でありますが、一方で、薬局の立場としては、事務局提案の内容では、非常に一生懸命やる薬局が基本料を含めたものを失うということでは、薬局の運営に過剰な影響を与えるものであることは間違いもありませんし、そもそも一連の診療で、2枚の複数の処方箋が1枚となるものと異なる医療機関で、それぞれ算定ができるという現状は、診療報酬も含めて、横並びで組み立てをしている関係で、無理にこのように変えていくということには、さまざまな矛盾も出てくると考えています。同一薬局の利用推進のための検討は必要であるとは考えていますが、具体的な方法については、慎重かつ工夫していただく必要があると考えます。
5つ目の論点の1から4までについては、いずれも薬剤師による対人業務の推進の観点から評価すべき行為であると考えます。特に簡易懸濁法を適切に実施するための患者家族への指導については、入院中に実施していては、患者さんに在宅に移行した際も、適切に実施できるようにすることはもちろん、在宅医療において、処方変更が行われた際に必要になるケースなど、在宅医療を中心とした、かかりつけ医を中心としたさまざまな連携が必要だと思っていますので、実施に当たっては、処方医のしっかりした連携のもとで実施していくことが必要だと考えています。
ここで1点、事務局に確認させていただきたい点があります。52コマ目の論点の一番最後の4のところであります。患者の処方薬の用法・用量の最適化が行われた際の評価の拡充ということで、恐らくここに出ている資料を見れば、重複投薬・相互作用防止加算のところで、何らかの形の評価の拡充をしようと考えられていると思っておりますが、これについて、要件を厳しくするという解釈でよろしいのか、あるいは別途その評価を加える、あるいは項目を加えるという形でよいのか、その点をお尋ねしたいと思います。
○田辺会長
薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
中医協でも御議論いただければと思いますけれども、事務局といたしましては、現行の重複投薬・相互作用防止加算の要件と点数等については、そのまま維持した上で、今回、御提案している検査結果を活用し、医師への疑義照会により、患者の処方薬の用法・用量の最適化が行われた場合について、実際の効果、サービス内容も踏まえて、新たに点数を設定してはどうかと考えているところでございます。
○田辺会長
よろしゅうございますか。
ほかいかがでございましょうか。松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
15ページ目の論点でございますが、いずれの論点も賛成であり、薬局の体制整備に必要な経費について、しっかりと合理化が進んでいるところにつきましては、適正化していくべきと考えます。
52ページ目の論点ですが、1つ目の論点についてです。同じかかりつけ薬剤師といっても、個人の薬局で1人の薬剤師がさまざまな業務に対応している場合と、チェーン薬局に勤めていて、業務分担ができる場合とでは、その負担も違うと思いますので、そうした観点から評価にメリハリをつけることも検討してはどうかと思います。
2つ目のところの薬剤服用歴管理指導料につきましては、前段の再度の来局の期間を6カ月から一定程度短縮することについては、同一薬局の利用推進のためのインセンティブを付加する考え方には、賛同しかねますが、調剤の確認など、間があかないほうが作業自体が楽になると思いますので、短縮するのであれば、評価の見直しもあわせてお願いします。
一方、後段の調剤基本料1以外にも対象を拡大することについては、導入して間もない上に、内容を変更するのであれば、なおさら調剤基本料1のまま様子を見てはどうかと思います。チェーン薬局を含めた集中度の高い薬局にますます患者さんが集中しないように、実効性のある何か対策を考えられるのか、引き続き検討してはどうかと思います。
3つ目の論点ですが、普段利用する薬局の名称名を記載することは、主治医への情報提供にもなると思いますので、まずは患者さんの持ち物であることを前提に、医療関係者や保険者が、患者さんにお薬手帳を持つ意義や、賢い使い方を伝えていくことが重要だと思います。
4つ目につきましては、特に複数の医療機関で、慢性疾患など治療継続中の場合に、患者さんが計画的に通院し、できるだけ複数の処方箋をまとめて薬局に行くインセンティブにはなると思います。
一方で、その反面、複数の医療機関を受診する予定のある患者さんが、処方箋を受け取っても、すぐには薬局に行かなくなるという弊害が起きることも予想されますので、そこで、処方箋の使用期間が4日以内であることの注意喚起や、患者さんが4日以内に薬局へ行かなかった場合の医療機関側の負担についても、配慮した上での検討が必要だと考えます。
5つ目につきましては、1の吸入薬、2の簡易懸濁法、3の糖尿病は、それぞれ服薬指導の一環で行われていると理解しています。初めて実施する場合、医師自らが患者さんに指導するのか、あるいは薬剤師から指導するよう薬局に指示することが普通であります。患者さんが正しく使えませんと、それこそ治療に影響いたします。疾患の治療に責任を持つのは医師であり、薬剤師が気づいた点を医師に知らした上で実施されるべきではないでしょうか。
事務局からの今回の提案は、薬剤師だけで完結しようとしているようにも見えます。前回改定で取り組んだ地域の薬剤師が医師と関係が見える関係で職能を発揮するという話が提案されていないことは、大変残念です。この評価には反対いたします。
2の簡易懸濁法につきましては、投与方法として承認されていない方法ですが、治療上必要な治癒としては、病棟の管理下で以前から行われていたと認識しております。近年、在宅医療がふえてきた中で、地域包括ケアシステムにおいて、在宅の患者さんに投与方法の選択肢がふえることは大変有意義であり、薬局の薬剤師により指導されることはよいと思います。
しかし、薬局での粉砕作業が減り、調剤作業が楽になる一方、投与前の簡易懸濁の作業は、家族や介護者の負担になります。退院後、簡易懸濁を行うことを決まっていれば、あらかじめ医療機関で投与方法をお伝えすることになります。療養環境が変わる場合、改めて簡易懸濁による投与方法を介護者に指導することが必要になるかもしれませんが、そういう作業ができる環境にあるかどうか、ケアマネジャーや家族、介護者も含めて理解した上で、かかりつけ医とともに必要性を判断するべきだと思います。在宅の場では、ある意味既に現場では使われていることもありますので、これを新たな評価とすることは疑問があります。
3番目につきましても、医療機関でしっかりと指導することが必要なことでありまして、新たに電話等を使って薬局が行うことに対しては非常に疑問であり、その必要はないと思います。
4の検査結果の利用につきましては、そもそも患者さんが薬局に検査結果を提供したいと思うかどうかも、個人差が多いと思います。医療機関のチーム医療と同等レベルで、薬局・薬剤師と処方医及び患者さんとの信頼関係がなければ、事務局の期待するような最適化はなし得ません。医師への疑義照会による処方変更については、調剤報酬で評価されていますし、地域ごとに医療情報の共有方法も異なっておりますので、患者さんから提供された検査結果を活用する、あるいはしないで区別する必要はないと思いますので、この評価にも反対いたします。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。今村委員、お願いいたします。
○今村委員
今、松本委員が申し上げたことに若干私からも追加をさせていただきたいと思っております。
15ページの論点なのですけれども、特に同一敷地内の薬局について、平成30年以降について、要件がついているわけですけれども、不動産の賃貸借の関係があるところは、今回の損益差額を見ても、非常に大きな利益が出ているということで、もともとある敷地の中にある薬局に他の医療機関で出された処方箋を持っていくのは、考えにくいのです。要件に不動産取引、その他の特別な関係がありということと、処方箋の集中率が95%以上という2つの要件をかけていますけれども、処方箋の集中率は要らないのではないか。そもそも関係あること自体が重要なのではないかと思っていますので、要件はなくてもいいのではないかと思っています。
52ページの松本委員のおっしゃった、いわゆる薬局での業務の実態を踏まえて、以下の取り組みを評価することについてどう考えるかということで、2点申し上げたいと思います。特に私も呼吸器患者、糖尿病患者を診ているので、申し上げたいのですけれども、最初の吸入器のデモ機を使って、必要な吸入指導を既に87%の薬局では、当たり前のように行われていることだと思います。当然薬剤師さんの業務としてやるべきことをやっているということで、もしこれを評価するのであれば、例えば医師が処方した吸入器を使っているのだけれども、思ったほどの効果が出ていないという患者からのもので、診察をしたときに先生が感じたところで、これは吸入がうまくできていないのではないかということで、改めて医師が薬剤師さんに吸入器の使用方法について再確認して、しっかり指導してくださいという指導のもとに行われたものについての評価をすることはあると思うのですけれども、最初の吸入薬が出たからといって、使い方を教えたかということで、改めて評価をすることは、既に行われていることだと思っています。
糖尿病の低血糖について、このデータについては、厚労省について申し上げたいのですけれども、救急隊が行った応急処置で件数が増えているのですが、平成26年に救命救急士のいわゆる新しくできる行為がふえた、拡大したということで増えている件数であって、そもそも低血糖の患者が増えているというデータではないのです。昨今の処方薬については、低血糖を起こしにくい薬剤を一般的に使用することが増えてきていて、実態として、もしデータを出されるのであれば、低血糖の患者がどれだけふえているかというデータを出していただかないと困ると思っています。
52ページの書きぶりなのですが、処方薬の種類や用法・用量等が変更になった場合について、これは医師が処方箋の中で変更するものです。調剤後にと書いてあるのですけれども、そもそも調剤する時点で処方が変われば、薬剤師さんが今度、こういう薬が出て、この薬はこういうものですという説明をするのであって、調剤後に電話等により服用上の注意等について、改めて指導を行うという意味がよくわからないのです。だから、何を言っているかよくわからないものを評価しています。
低血糖については、当然のことながら、医師も非常に注意をしていて、特に認知症の問題などもあるので、今、非常に注意している事項でありますし、薬剤師さんも当然そのことは理解されていて、日ごろの処方の時点で既にやっておられることなので、改めてこの評価は、ちょっと違和感があると思います。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでございますか。吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
15ページの、見直しの方向性については、当然現状を考えて、あり方を見ていけば理解はできますが、教えていただきたいのは、基本料を見直していくのか、それとも、4にありますように、それぞれの対応において、例えば処方箋の集中率なのか、受付回数なのか、どのように変えるか具体的なコンセプトがあれば、教えていただければと思います。
○田辺会長
薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
15コマ目の論点についてということでございますけれども、先ほどお示ししたとおり、集中率が高いところですと、医薬品の備蓄等の品目数が少なくて済んでいるといったことがございますので、例えば○1の論点でいきますと、特定の医療機関の処方箋を多く受けて、かつ一定程度の処方箋の受付回数がある薬局は効率性が高いのではないかと考えており、今まで調剤基本料2は3、処方箋の受付回数と集中率でその対象範囲を設定してきているところですが、その範囲をどのような観点から拡大するかについて検討してはどうかという意味で、ここに書かせていただいているものでございます。
一方、論点○2の診療所の敷地内にあり、不動産の賃貸借等の関係のある薬局につきましては、病院の敷地内については、既に低い点数を設定しているということ、それから、実際の診療所の敷地内の薬局については、n数が少ないですけれども、損益率が高いとか、あるいは不動産の賃貸借関係にある薬局については、損益率が高いとか、こういったデータを踏まえて、要件設定をどうするかは議論があろうかと思いますけれども、病院の敷地内の薬局に対する点数と同様の考え方の点数設定が、1つ検討としてあり得るのではないかということで、挙げさせていただいているものでございます。
○田辺会長
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
5ページの適正化の変遷で、平成28年から平成30年にかけて(1)から(3)まで変遷があって、見直してきました。今回は、これの面積をもう少し伸ばすとか、点数を下げるとか、そういうイメージで考えてお示しいただくことでよろしいのですか。先ほど今村委員からもありましたが、敷地内の薬局の話は、どういうコンセプトで考えるのでしょうか。(3)では、集中率だけです。それと点数が低いことなどについて、どのように考えていくかは、次回出てくるということでよろしいのでしょうか。
○田辺会長
薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
まさに本日いただきました御議論などを踏まえて、事務局で考え方を整理して、お示しさせていただきたいと考えております。
○吉森委員
わかりました。ありがとうございます。
次に52ページについて、そもそも2つ目の薬剤服用歴管理指導料の点数が低くなる規定があり、同一薬局の利用促進がコンセプトだということになっています。
30ページにお示しいただいたイメージ図を見ますと、期間を短縮するということで、右側の1つの薬局を利用する場合の期間を短縮してしまうと、せっかく1つの薬局で受けている患者のメリットは、そこに流れるということになります。今回の同一薬局を利用促進するコンセプトにおいてインセンティブを薬局につけようとしているのか、患者につけようとしているのか、その辺はいかがなのですか。
○田辺会長
薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
基本的な考え方としては、患者側のインセンティブという形で設定をしていくということでございます。
ただ、一方、点数の設定につきましては、業務の効率性なども踏まえて、どういう点数が適切かということは検討する必要があろうかとは考えております。
○吉森委員
そうしますと、1つの薬局を利用する場合は、6カ月でなくても、ずっと使っても点数は低いということは、患者にとってもわかりやすいし、利用促進が図られると思うのです。
一方、左側の複数薬局を利用する場合、これも色々なケースがあると思うのです。症状によって違う病院をきちっと定例的に行っていて、その病院に関して使いやすい利用薬局、つまり、かかりつけ薬局が1つか、2つ持っているということによっては、違ってくると思います。期間を短縮するのであれば、この趣旨から言えば、複数薬局を利用する場合は、6カ月でなくて、3カ月という考え方はわかりますが、これを2つとも同じような期間にするとなると、理解しにくいので、この点をきちんと整理していただきたいと思います。
もし期間を短縮するならば、大体薬局受診をどれぐらいの頻度で訪れているのか。生活習慣病の場合、1カ月に1回通って、薬をもらわないといけないことが多いと思います。そうではなくて、3カ月ごとに、前回資料の中にありましたように、処方日数が2カ月、3カ月になっているケースもあり、そのようなときに同じ薬局に行くことから言えば、しっかりとデータやエビデンスで把握して、期間を設定していただきたいと思います。
とにかく、論点の提示の仕方については、患者へのインセンティブからすると、理解がしがたいという感じがあるので、その点を整理していただきたいと思います、方向性、コンセプトは理解できますが、そうだとすれば、複数薬局と1つの薬局なのか、かかりつけ医なのか、1つをどういうふうに考えるのかということを整理して、期間を設定していただきたいと思います。
3つ目のお薬手帳の論点について、服用歴管理指導料やかかりつけ薬剤師指導料の算定要件には、保険薬局の薬剤師名の記載は、条件づけられているわけでございますので、今後のかかりつけ薬局の推進や、医師との連携からいって、お薬手帳を活用していくことについては、そのとおりだと思います。お薬手帳の活用を促進していくならば、お薬手帳の使用ガイド的な、標準的指針を整理し、作成していただきたいと思います。そうなれば、我々保険者も薬局と手を携えて、患者への啓発・啓蒙をする際には、指針にのっとって、きちんと自分のかかりつけ薬局のお名前を書いてくださいということも言いやすいと思いますので、その点は整理していただきたいと思います。
5つ目の論点について、対物業務から対人業務への転換を進めるのは非常に重要なことで、技術料に占める薬学管理料の割合が高まるように、調剤基本料のあり方をしっかり見直して、その適正化で財源の活用をして、薬剤師の対人業務に資するような評価の拡充を図っていくという考え方、方向性は理解できますし、検討していくべきだとは思います。
1つ目の吸入薬は、先ほどから診療側の委員からもありましたが、吸入指導の重要性は理解できます。ただ、初めての吸入薬を使用する患者への指導は、薬剤師の服薬指導の責務の一環だと考えておりますし、このような指導対応を全て評価していくのは、対人業務への転換を促進して、患者の利益にかなうものなのかということは、いささか疑問に感じるところでございます。
41ページのデータを見ますと、90%超の薬局で吸入指導は既に行われているわけでありますから、服薬指導を果たしていることに対して、74%以上が5分以上の指導を行っているということを考えれば、新たに評価していく理由は何なのか。例えばもし評価するのならば、お年寄りや子供のように、説明に5分以上の時間がかかるケースは、当然ながらもっとかかるのでしょうし、全ての患者に対して、5分以上の対応が必要なケースなのかどうかということも、判断しないといけないと思います。使用するデバイスの説明書は、メーカーさんがつくられていると思いますが、詳しい操作方法や、吸引手順、留意事項の案内は説明書に書かれていると考えております。デモ機使用に関しての標準的な吸入指導に関する時間などは、学会、医療現場でのエビデンスも含めて、示されているのかどうか。
そういうものがもしあるならば、対応していくのは、報酬評価をしなくても、きちんと対応していけるのではないかと思いますし、文書による説明もあるわけですから、吸入の実技の手間、それに対する指導体制を評価したいということならば、若干違うと感じるので、そこを整理していただかないといけないと思います。本来は吸入の指導体制を整えていることを評価で応えたいということなのか、その辺も含めて整理をいただきたい。そうでないと、このような実技指導を評価するのは、過剰評価に間違いなくつながっていくと考えますので、もしこのままであるならば、反対せざるを得ないと思っております。
○田辺会長
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
52ページの論点の一番下の3番、4番あたりに関連したことなのですが、薬局では、その患者さんのいろいろな病気のこと、また、今回、提案のある検査のデータのこと等、薬剤師さんとカウンター越しに話をされる状況は、お薬を薬局にもらいに行かれた方は、どなたでもよく見る光景だと思いますが、その中で、個人情報的な、要は個人の機微性の情報に関しての担保がされるような環境には全くないというのが、現在の調剤薬局の現状であるということでございます。
医療機関でも従来あった中待合等は、患者さんのいろいろな情報が聞こえてしまうということで、それは撤廃になっておりますし、患者さんに対しての細かい相談等をする場所は、しっかりと人に聞こえないようなスペースを確保することになっています。そういう意味からいいますと、調剤薬局においても、さまざまな相談業務、そして、指導業務等を行うに当たって、個人情報を担保できるような環境を整備するということは、しっかりとした要件として入れておくべきだろうと思います。
もう一点、52ページのかかりつけ薬剤師さんの対物業務から対人業務への転換、この方向性は、もちろんこれでよろしいと思うわけですが、例えば36ページにございますように、調剤料は、近年、減少傾向とはいいながら、そう大きくは下がっていない。調剤料は、基本的にさまざまなコストもかかりますので、大幅にこれが下がっていくということは難しいのではないかと思います。
一方、近年、薬学管理料は、本日の何点か提案をされておられるわけですが、この伸びぐあいは、折れ線グラフを見てもかなり上がってきています。そうしますと、薬学管理料の考え方なのですけれども、今、吉森委員もおっしゃったように、新たに業務を拡大したり、ないしは大変複雑な業務が発生したりという何らかの指標があれば、新たな評価を報酬上につけるという考え方であればいいわけですが、そうではなくて、現状の業務を切り分けて、その切り分けた中で、新たな診療報酬の項目を提案してきておられる形になっていると思います。
これが続きますと、ただでさえ薬剤量が、近年、すごく高騰してきているわけですので、ここに薬学管理が上がることになると、調剤医療費も大変多くなるということは必然でございますので、本来ある服薬指導の内容と業務範囲をもう一度しっかり整理をして、かかりつけ薬剤師の指導料、また、薬剤服用歴管理指導料がございます。それぞれに加算もございます。これで恐らく現状の薬剤師の業務は、ほぼ全て網羅されていると見ておりますので、ここの整理と基本的な服薬指導の業務の内容と範囲をもう一度整理をされた上で、その上で、薬学管理料を新たに提案される場合は、その根拠を示す形でお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺会長
宮近委員、お願いいたします。
○宮近委員
調剤報酬につきましては、先ほど城守委員からもありましたように、36ページに示されておりますとおり、長年にわたって調剤料が技術料の50%以上を占め続けております。調剤報酬における調剤料の重みの理解はいたしますけれども、これまでも主張し続けておりますので、念押しのようになりますが、調剤における対物業務から対人業務への移行を図る観点、あるいは調剤業務そのものの簡易化、そういったものなどを踏まえて、調剤料については、日数による評価の適正化を図っていく、前提に立って論議をしていくべきだろうと思います。
そこで、2つほど質問があります。52ページの2つ目の論点に前半にある、薬剤服用歴管理指導料の再来局の期間について、6カ月から一定程度短縮してはどうかという点についてですが、患者サイドから見て、患者が繰り返し同じ薬局を利用するという行動変容につながる、そういったインセンティブになるのかという疑問があります。例えばいつもと異なる場所の離れた医療機関に受診した際に、期間を短縮することによって、53点ではなく、41点になるからといって、わざわざいつもの薬局に行くかというと、どうもそういうことにはならないような気もしますけれども、この点については、どういうふうに理解すればよいのかということが1点目です。
2つ目は、これも5つ目の論点の1ですけれども、喘息患者等に対してという「等」の意味ですけれども、喘息のような長期療養に対する療養については、一定の指導は必要になってくると思うのですが、そのほか、その「等」には、どういう患者が含まれているのかを教えていただきたいと思います。
以上です。
○田辺会長
薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
今、宮近委員からの御指摘のところでございますけれども、幾つか他の委員からも御指摘がありましたとおり、薬剤服用歴管理指導料における、一定期間内に再度来局した際の低い点数のところが、患者側にとってインセンティブにならないのではないかということでございますけれども、そこはもちろん患者さん自身がどういうふうに点数設定について受けとめるかというところは、患者によって違うと思います。ただ、本日、お示しはしておりませんが、私どもの患者調査におきまして、お薬手帳を持参すると低い点数になることについては、認知度がそれなりに、70%程度あったということもございますので、そういったことも踏まえますと、要件設定は厳密にしなければいけませんけれども、一定の効果は期待できるのではないかと考えているところでございます。
喘息患者等に対する吸入指導というところに関しましては、喘息以外にCOPDの患者さんに対する指導も同様の対応になるのではないかと考えているところでございます。
○田辺会長
ほかにいかがですか。間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
喘息患者への説明の指導のことですけれども、私も吸入の薬は使ったことがあるのですが、医療機関でも結構詳しく指導されますし、もちろん薬局でも指導されるわけですが、それは当然のことであって、これにいちいち点数がつくというのは、ちょっと違うのではないかと思いますし、吸入の薬も結構新しいものが出てくるわけです。今まで使っていたものと違うものがあるので、それを使ってみますかみたいな話はあるのですけれども、それほど使用方法の違いもないという実感があるので、新しくなったからといって、指導を詳しく受けなければいけないという状態にないと思います。もし点数をつけるとすれば、どうしても患者の理解度が低い、もっと教えてほしいという申し出があったときにつければいい話であって、ここに点数をつけるのはなじまないと思います。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
何点か御指摘をいただきましたので、幾つかお答えしたいと思います。
松本先生から、今回の個別の4項目の評価、対人業務の評価等につきまして、しっかりとかかりつけ医との連携をすべきところで、薬剤師だけで完結しているように見えるといったような御指摘がございました。私どもとしては、そういう意思は全くございませんし、ここの資料においても、しっかりとかかりつけ医と連携しながら疑義照会などをして、確認しながらということで取り組みを進めていきたいと考えておりますので、もちろんそういったことを進めていく、今後、要件設定等を考える際には、そのような点も明確化したいと考えております。
今村先生から、糖尿病の患者に対する調剤後の電話等のフォローアップについて、当然調剤時に服薬指導をやっているのではないかという御指摘がございました。それはもちろん御指摘のとおりでございまして、調剤時にもしっかりと指導するわけでございますけれども、ただ、特に糖尿病の場合ですと、御指摘がありましたように、どういった薬剤についてというところも含めて、検討する必要があろうかと思いますけれども、そういった低血糖のリスクがあるような場合に、そうした患者さんに対して、ちゃんとした用法・用量を正しく使用できているかといったことを確認することは、重要なのではないかと考えているところでございます。
各委員から御指摘がございましたが、喘息に対する指導とか、これまでの点数の中で、現行でも行っていることであるとすれば、そこは新たに点数をつくるということはどうなのかといった、さまざまな御指摘があったと思います。
背景といたしましては、対物業務から対人業務への転換を
進めるに当たって、調剤料などの対物業務の部分の適正化とともに、対人業務の部分をどのように評価を重点化していくのかという中で、特に簡易懸濁法とか、吸入薬の指導とか、現場では実際にはやっているのですけれども、それなりに時間とか、手間とかがかかっているところにつきまして、現行では、薬剤服用歴管理指導料という41点とか、53点の1つの点数だけで評価を行っており、その算定要件などもたくさん書いてございますが、全てそれで賄っているといいますか、そこで対応しているというかなりいびつな状況になっているのではといった問題意識もございます。
そういう意味では、城守先生からも御指摘をいただきましたけれども、対物業務から対人業務への重点化という議論の中で、薬剤服用歴管理指導料の今の考え方はあるものの、そうは言っても、現行でいろいろと指導している中で、それなりに手間がかかっているところについて、別の形で評価することができないかということです。
あと、喘息の指導に関しても、全ての患者に対してそうなのかという御指摘もございましたけれども、確かに患者さんの選択、どういう患者さんの場合に特に指導が必要かとか、そういったところの要件設定は必要だと考えています。
特に吉森委員からは、書面で指導ができるのではないかといった御指摘もございましたけれども、実際のところは、デモ機で吸入できるかというところをしっかりと確認することが重要なのではないかと思っておりますので、そういったところにも着目した上で、いろいろと要件設定、考え方などは整理させていただきたいと考えております。
○田辺会長
今村委員、お願いいたします。
○今村委員
ありがとうございます。
改めての追加の話ですけれども、先ほど宮近委員、あるいは間宮委員からもありましたし、今、薬剤管理官からもやりとりの中で、喘息という極めて限定的な患者さんというイメージがありますけれども、先ほどCOPDとありましたが、対象患者は、慢性気管支炎、肺気腫、この2つをあわせて、慢性閉塞性肺疾患、いわゆるCOPDと言われる患者さんで、対象者も非常に多いです。冬季になると、いわゆるアレルギー性の気管支炎、咳喘息と言われるような喘息様気管支炎も非常に多いです。全部吸入の対象になりますので、対象患者は、喘息という限られた患者ではなくて、非常に多いということをよく理解していただきたいと思います。
糖尿病の薬の変更について、我々医師も処方した後に低血糖を起こしていないかどうか、頻脈が起こっていないか、動悸が起こっていないかどうか、冷や汗が起こっていないかどうか、気分が悪くなっていないかどうか、そういうことは必ず確認をします。この書きぶりだと、処方変更があった後に、電話等で確認・指導するといったら、みんな薬局で変更後に電話したら、必ず指導をするのかという、要するにどのぐらいの数でそういうことが起こるのかは、全く想定できない中で、こういう御提案をされていることについては、非常に違和感があります。
以上です。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
薬剤服用歴管理指導料ですけれども、これについては、患者さんに出される全ての薬に対しての服薬指導を行って、管理を行っていくということであります。その上で、52コマ目の新たな業務の実態を踏まえてということで、取り組みが4つ出ておりますけれども、これら全てについて、薬局が自主的にやるということではなくて、当然かかりつけ医の連携のもとで、必要に応じた判断をしてやっていくものと理解しています。
もう一点は、先ほど城守委員からも御指摘がありましたけれども、36コマ目の調剤料と薬学管理料のバランスになります。あくまでも調剤料を引き下げありきではなくて、対物業務から対人業務への転換を構造的図るという意味で、これはセットで考えていただきたい、こういうことは御理解いただければと思います。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
長くなって恐縮なのですけれども、違った観点から意見を言わせていただきます。
15ページの調剤基本料の論点なのですが、今、5つの基本料で区別をしているのですが、この考え方は、全て受付枚数と集中率によって区分されているのですけれども、このやり方は、限界があるのではないかと思っていまして、そういうのは、健保連でレセプト分析を行ったのですが、調剤基本料1、調剤基本料2、調剤基本料3を取っている薬局に対する受療行動を調べてみたのですけれども、それぞれ差はなくて、8割の患者が門前薬局に行っているという調査結果が出ました。
そういうことで、調剤基本料1が面分業をやっている薬局かというと、決してそうではないという実態があって、枚数と集中率で5つまでつくっていくやり方は、見直していくべきで、集約化していくべきで、最低限機能を持っているところを評価する基本料に一本化して、薬局の差別化は、どれだけかかりつけ機能を持っているかとか、地域に貢献しているかとか、そういったところで差別化していくような調剤報酬体系にしていくべきではないかと思います。
今回、改正薬機法も今国会で成立したのですが、ここの趣旨には薬局を機能で分類するということもうたわれておりますので、調剤基本料の考え方については、そろそろ集約していくべきと考えます。そうとはいえ、次期改定でいきなりやるかというと、これは間に合いませんので、どんどん集約していく方向で考えていくべきです。基本的には、調剤基本料1の占めている面積をどんどん小さくしていって、数も限りなく集約していく考え方が必要なのではないかと思います。
1つの問題点として掲げるのは、受付枚数が少なくても、95%を超えているところがかなりあると思うのですが、こういった薬局が基本料1をとっているのはどうなのかというところです。これは診療所前薬局と同一であって、こういった薬局が地域に貢献しているか、面分業を行っているかというと、全く行っていないにもかかわらず、調剤基本料1が算定されているのは、どうなのかというところで、今、2,000枚のところで線を引かれているのですが、2,000枚未満においても、95%以上とっているようなところは、備蓄品数も少ないし、違った点数をここは設定すべきで、診療所前薬局と同じような点数をつくるべきではないかと思います。
病院前薬局については、特別な点数ということで設定されているのですけれども、診療所前薬局についても、同様な評価にするという論点については、賛成させていただきます。
52ページの論点なのですが、皆さんが言われていない2つ目のところで、半数超の51.2%が高いほうの53点の調剤報酬を算定しているのですけれども、この要因は、調剤基本料1以外を算定しているところで、お薬手帳を持ってきても、高い点数をとられるというのがかなりの要因になっていると思われます。なので、調剤基本料1以外についても、お薬手帳を持ってきた場合には低い点数とするのは、全ての薬局に拡大していくべきだと思います。
点数設計についても、41点と53点のところにもっとメリハリをつけて、例えば41点はもう少し下げて、53点は引き上げるという対応も必要なのではないかと思います。
先ほどから議論になっています、最大6カ月の話なのですけれども、これについては、これによって受療行動がどうなるのかというところは、先ほどから議論が出ていると思いますが、6カ月は長過ぎる感覚はありまして、これでいけば、ばらばらな医療機関に行って、ばらばらな薬局に行くという受療行動を容認されるので、少し見直ししてもいいと思います。
1つ質問なのですけれども、平成30年度改定でお薬手帳を持参した患者の割合が50%以下の薬局は、特別な点数を特例で13点があるのですが、こういう薬局がどの程度あったのかということをもしつかんでおられたら、お教えいただきたい。この割合が非常に高かったら、この点数については、さらなる見直しが必要なのではないかと思います。
皆さんが言われている論点の服薬中の管理、吸入指導などをどう考えるかというところなのですが、今般、改正薬機法によってこれから義務づけられるのは、調剤時だけの管理ではなくて、服薬中に継続的に管理することが多分義務づけられたと思うのですが、施行がいつからになるのかわからないのですが、もしこれが義務づけされるということになると、例えば糖尿病の方の管理とか、あるいは用法・用量の変更などは、当然の義務として、改正薬機法で服薬中にこういった管理をすることが義務化されると思うのですが、ここで点数をつけるということになると、改正薬機法の考え方と異なるのではないかと思うのですが、その辺についての意見をお聞かせいただきたいと思います。
以上です。
○田辺会長
薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
幾つか御質問いただきました。お薬手帳を活用していない薬局に対する薬歴管理料の減額の件について、対象の薬局に関するデータは、持ち合わせておりませんので、また御報告をさせていただきたいと思います。
薬機法との関係でございますけれども、改正後の薬機法におきましては、調剤後の服薬指導については、全ての患者に対して、必ず薬剤師が調剤後に何か行うという形にはなっておりません。薬剤師の専門的な知見に基づき、適切に判断され、必要に応じて実施されるという形で整理されているところでございます。
このため、今回、提案している糖尿病患者に対して、しかも、一定の要件に合致した場合にフォローアップする、しかも、その後、処方医等との情報提供なども行うといった、さまざまな内容を踏まえて、要件設定することであれば、薬機法上の義務との関係では、直接的に義務の範囲ではなくて、それにプラスしたサービスについて評価をするという考え方は、あり得るのではないかと考えております。
○田辺会長
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
3の糖尿病の患者などについては、調剤時だけではなくて、服薬中も必ず管理が必要な患者さんということで、まさにこれに該当すると思うのですが、違いますか。
○田宮薬剤管理官 薬機法の中では、フォローアップといっても、再度来局した場合のフォローアップというか、そういう形で状況をしっかり確認することも含まれておりますが、今回のところは、調剤の後にさらに電話等で服薬状況、実際の服用状況とか、使用状況を確認するということでございますので、必ずしも同じ内容ではなく、それに上乗せした形の対応になるのではないかと考えているところでございます。
○田辺会長
よろしゅうございますか。
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
吸入薬の件で発言したいのですけれども、先ほども言いましたが、医療機関でも説明されて、薬局でも説明されて、それに対して、要するに2回説明されるわけです。2回説明されること自体はいいですけれども、患者の負担がふえてしまうのは、なじまない感じがしますので、そのあたりは検討いただきたいと思います。
それと、糖尿病の患者の服薬状況等の確認ですけれども、私も糖尿病があるので、薬の変更はあるのです。この調査によると、電話での問い合わせとか、そういうものがあるということなのですけれども、これも医療機関で相談すればいい話なのかという感じがしています。
以上です。
○田辺会長
薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
間宮委員からの喘息に対する患者さんの医療機関での指導との関係ということでございますけれども、そこは整理させていただきたいと思いますが、現行の診療報酬で申し上げると、6歳未満、または、65歳以上の喘息の患者に対して、吸入補助器具を提供して、服薬指導等を行った場合には、喘息治療管理料の算定が可能という形になってございますので、実際の要件に該当する場合としない場合がございます。また、その薬局との指導の関係等については、改めて整理をさせていただきたいと思います。
もう一点、先ほどの幸野委員からの調剤基本料に関して御意見がございましたので、事務局から御説明させていただきますと、調剤基本料1について、面分業でないのに、調剤基本料1の算定を行っている薬局があるのではないかという御指摘があったと思います。
繰り返しになりますけれども、現行の調剤基本料の考え方は、基本的に調剤基本料は1本で対応すべきという形で対応してきたところでございまして、そこには面分業かどうかという概念がもともと入っているわけではないということでございます。
ただ、一方で、備蓄品目数とか、あるいは集中率とか処方箋受付回数とか、そういった観点から、あるいは医療経済実態調査の結果を踏まえながら、基本料1の特例的な扱いということで、効率的と考えられるところについては、調剤基本料が低い点数で差し支えないだろうということで、調剤基本料2とか、調剤基本料3をつくってきたという考え方でございますので、処方箋の集中率が高いところが基本料1になっているとしても、必ずしも現行の考え方と沿っていないということではないということです。
また、集中率が95%以上で処方箋枚数が少ないところなどにつきましては、その地域によっては、どうしてもその地域に診療所と薬局が1件ずつしかないとか、そういったようなこともございますので、調剤基本料1以外の2とか、3の要件の設定に当たっては、処方箋受付回数などの規定も入れて、対応してきているところでございます。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
今、薬剤管理官からも説明があったと思いますけれども、幸野委員の御指摘にように、全国に5万9千ある薬局の中で、調剤基本料1を算定している薬局は、それぐらいの数があります。ただ、全てが集中率と枚数で面分業していないという判断は、避けていただきたいと思っています。
地域によっては、そこの村とか、町に1医療機関と1薬局しかない中で、しっかりと地域の患者さん、あるいは地域住民に対して貢献している薬局もあることを踏まえて、そういった観点から、今、集中率と枚数でそれ以外のものを検討してはどうかという御指摘もありましたので、そういった検討もしていくことも必要だと思います。どれだけの地域に貢献をしているかという指標を決めていくのは難しいとは思いますけれども、そういった考慮を入れて薬局を区別していくことも必要だと思っています。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、次に、次期診療報酬改定に向けた議論といたしまして「個別事項(その12)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
そうしましたら、総-3に従いまして、御説明をさせていただきます。
個別事項(その12)ということでございまして、救急、小児・周産期、がん対策、脳卒中、生活習慣病につきまして、整理をさせていただきました。主には1回議論をいただいた中で、宿題いただいたところ、課題となったところについての整理をさせていただいておるところでございます。
個別事項の中の救急医療、小児・周産期その2ということで整理したものにつきまして、御説明をさせていただきます。
4コマ目からのものでございます。まず救急医療でございます。
5コマ目は、前回の主な御意見の記載をさせていただいております。これらの御意見を踏まえまして、救急医療管理加算で評価すべき取り組みにつきまして、整理するということで御議論をいただきたいと考えております。
6コマ目は、概要でございます。
7コマ目、8コマ目は、これまでの改定の内容をまとめたものでございます。
9コマ目にお進みいただきたいと思います。前回の資料でございまして、救急医療管理加算1の対象患者の内訳を見ますと、呼吸不全、または、心不全で重篤な状態が最も多く、約3割です。次いで緊急手術、緊急カテーテル治療、検査、または、t-PA療法を必要とする状態が多く、約2割となっております。
10コマ目をごらんいただきたいと思います。これも前回の資料でございますが、救急医療管理加算1を算定する患者のうち、意識障害、または、昏睡の患者につきまして、入院時のJapan Coma Scaleを見ますと、JCSは0という患者も一定程度含まれていることをお示ししているものでございます。
11コマ目は、同様に救急医療管理加算1を算定する患者のうち、意識障害、または、昏睡の患者について、入院時のGlasgow Coma Scaleを見ますと、左グラフ、GCS15点という患者が15%含まれていることや、右のグラフ、そのような患者が占める割合が高い医療機関も一部にあることがわかると思います。
12コマ目を見ていただきたいと思います。これも全体の資料でございますが、救急医療管理加算1を算定する患者のうち、呼吸不全、または、心不全で重篤な状態の患者で、病名が心不全という患者について、入院時のNYHA、心機能分類を見ますと、NYHA分類1という患者も一定程度含まれていることをお示ししております。
13コマ目は、同様に救急医療管理加算1を算定する患者のうち、呼吸不全、または、心不全で重篤な状態の患者で、病名が呼吸不全の患者について、入院時の呼吸状態の指標、P/F比を見ますと、左グラフのP/F比が400以上、呼吸状態は正常という患者が約1割含まれていることや、右のグラフ、そのような患者が占める割合が高い医療機関も一部にあるということを示しております。
14コマ目、これは同様に救急医療管理加算1を算定する患者のうち、ショックの患者について、入院時の平均血圧を見ますと、左グラフ、平均血圧が70mmHg以上、正常という患者が約3割含まれていることや、右グラフ、そのような患者が占める割合が高い医療機関も一部にあることもお示ししております。
15コマ目は、救急医療管理加算の算定状況を見ますと、赤でくくりました右グラフを見ていただきますと、救急医療管理加算を算定する患者のうち、加算2が占める割合です。これは医療機関ごとにばらついていまして、極端に加算2が多い医療機関や加算2が少ない医療機関もあることがわかると思います。
16コマ目でございますが、これらを踏まえまして、救急医療管理加算に係る課題を整理しております。
上段の囲みでございます。救急医療管理加算は、患者の重症度の着目した評価でございまして、算定要件にあるとおり、入院時に重篤な患者に対してのみ算定するものとされております。しかしながら、左の下段でございますが、管理加算1については、項目アからケの重症度の基準が明確でなく、算定されている患者ごとや医療機関間のばらつきが大きいことが課題となっております。
加算2についてでございますが、算定基準がさらに明確でないことを踏まえまして、平成26年、平成28年の改定において、加算1と分けて、低い点数が設定されておりますが、現状においても、項目アからケに準ずる重篤な状態の基準が明確でなく、また、アからケのどの項目に準じて算定されたかなどについて、実態が明らかではないという状況でございます。
現在の救急医療体制につきまして、検討会等が開かれておりますので、この資料について、お示しをさせていただいております。
17コマ目でございますが、救急医療においては、患者の重症度と時間経過に応じて、適切な医療が受けられるよう、役割分担をして地域で医療提供体制を構築しているという図が17コマ目でございます。
18コマ目は、年間救急搬送受け入れ件数のシェアでございまして、上の円グラフは、救急搬送年間1,000件以上受け入れている医療機関で、全体の85%を占めていることがわかると思います。
19コマ目でございます。二次救急医療機関における救急搬送受け入れ件数と、勤務医の勤務時間の関係を見たものでございます。救急搬送は、年間2,000件以上受け入れている医療機関、灰色の棒グラフになりますが、2,000件未満や1,000件未満と比較しまして、長時間勤務になる傾向が若干あるということが見てとれると思います。
まとめといたしまして、20コマ目のところでございます。救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会におけるまとめを抜粋してきているところでございます。
まとめの記載の下線部のとおりでございます。救急医療は、年間1,000件以上受け入れている医療機関において、地域の脳卒中や急性心筋梗塞等の心疾患の大部分の緊急治療対応を行っているということや、救急搬送を年間2,000件以上受け入れている医療機関においては、さらにその割合やその他の急性期治療の対応が多く、また、医師の労働時間も長時間となる傾向があるとされております。
21コマ目でございますが、救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会における議論の整理では、救急搬送の年間2,000件以上や、1,000件以上の医療機関について、その実態を踏まえて、第8次医療計画における救急医療提供体制上の位置づけを検討することを基本としつつ、引き続き検討していくこととされております。
これらを受けまして、22コマ目に論点として2点整理をさせていただきました。
1点目ですが、救急医療管理加算は、緊急入院が必要な重篤の状態の患者に対する医療の評価でございます。現行加算1、2ともに、重症度の基準が明確でなく、患者間や施設間の判断にばらつきが見られることを踏まえ、項目によっては、重症度のスコアを記載する等の対応を行うことについて、どのように考えるか。
2つ目ですが、救急医療の提供体制の見直しに関する議論や、医療従事者の働き方改革の観点を踏まえ、地域における救急医療提供体制を確保することに当たり、重篤な患者に対する診療の係るさらなる評価のあり方について、どのように考えるか。
また、必ずしも入院時に重篤な状態であるとは言えないが、緊急入院が必要な二次救急等の患者を多く受け入れている医療機関について、どのような対応を考えるかという点で整理をさせていただきました。
23コマ目からは、小児・周産期医療についてでございます。
10月25日の中医協総会でいただきました御意見をそこに記載させていただいております。NICUの実態を見るべきという御意見、また、医療計画での検討状況を踏まえ、検討すべきという御意見をいただいております。
24コマ目は、診療報酬上の評価でございます。中段に算定対象となる患者、また、下段に施設基準を示しております。
25コマ目は、届け出施設及び病床数がいずれも増加傾向であること、新生児特定集中治療室管理料2につきましては、3床以下の施設が一定数見られることがわかると思います。
26コマ目でございます。NICUの規模別に分析を行ったものでございまして、右の円グラフでございますが、NICUを6床以上有する医療機関の開設主体は、その他法人が置く左円グラフの5床以下の開設主体は、公立の医療機関が多いことがわかると思います。
GCU、新生児治療回復室の併設状況を見ますと、5床以下のNICUを有する医療機関のうち、GCUを有する医療機関は約4割、NICUを6床以上有する医療機関より少なく、GCUの病床数は、6~8床が最も多いことがわかると思います。
27コマ目以降に、先日行われました、医療計画の見直しに関する検討会の小児・周産期医療に関する資料をお示ししております。
背景・現状のところでございますが、1つ目の○を見ていただきますと、これまで産科・小児科については、医療資源の集中化・重点化を推進してきたということが記載されております。
28コマ目を見ていただければと思います。背景・事実関係の2つ目の○を見ていただきますと、NICUにおいては、平成29年度の時点におきまして、全都道府県で整備目標を達成したということがわかるかと思います。
29コマ目でございます。これは出生時体重別の出生数をまとめたものでございまして、出生数は年々減少しておりまして、また、極低出生体重児、超低出生体重児の割合は、近年、横ばいとなっております。
30コマ目でございます。中段に都道府県ごとのNICUの整備状況を示しております。出生1万人当たりの病床数が多いほど、病床利用率が低値になるという傾向が、下段の図からわかるかと思います。
31コマ目は、都道府県別のNICUの整備状況でございまして、黄色の帯で示したものが、それぞれの県の目標値となっております。棒グラフが出生1万人当たりのNICU病床数でございまして、水色の部分に実際の病床数の変化を示しております。平成26年の時点で目標値を達成し、平成29年までの3年間で、さらにNICUを増床している自治体もあるということが、見えるかと思います。
32コマ目でございますが、地域周産期母子医療センター以外の医療機関については、NICUが3床以下の医療機関が多いということ、また、都道府県の人口規模が大きくなるほど、NICUの病床規模が大きい格好にあることがわかるかと思います。
33コマ目は、NICUの周産期医療圏における配置状況を見ております。NICUの病床規模ごとの医療機関数を棒グラフで示しております。水色は、同一周産期医療圏内で、総合周産期母子医療センター以外にNICUを有する医療機関がある施設数を示しております。同一の周産期医療圏内に、NICUを有する複数の医療機関が存在している場合というのが、一定数ございます。
34コマ目でございます。NICUにおける新生児医療の実績を示したものでございます。
NICUの入院児数は、病床規模の大きい施設ほど多い傾向にあることがわかるかと思います。
左下を見ていただくと、総合周産期母子医療センターのほうが、地域周産期母子医療センターよりも出生体重の小さい児を診療していることが見えるかと思います。
35コマ目をごらんいただきたいと思います。
左上、中央上を見ていただきますと、低出生体重児の入院児数でございます。
右の上、人工換気を実施した入院児数でございます。
左下が手術を実施した入院児数です。
いずれについても、病床規模別に見ますと、病床規模の大きい施設ほど多いという傾向にあります。
36コマ目は、平均在院日数、病床利用率を見ておりまして、平均在院日数は、病床規模が小さいほど短く、病床利用率も、病床規模が小さいほどばらつきが大きいものの、利用率の低い施設が多くなるということがわかるかと思います。
37コマ目でございます。これはNICUにおける医師の配置を見ておりまして、さらによく見ていただきますと、病床規模が小さくなるほど、新生児を担当する医師に対する当直翌日の勤務配慮がなしとなる医療機関の割合が多くなることがわかるかと思います。
38コマ目は、医療計画の見直し等に関する検討会において、事務局より見直しの方向性として示されたものでございまして、中段の2のところでございますが、NICUの整備については、既に目標を達成しており、第8次医療計画に向けて、質の高い新生児医療を効率的に提供できるよう、それぞれの役割、体制、実績等を踏まえつつ、NICUの集約化・重点化について、各都道府県において検討を開始することとしてはどうかと、提示をされておるところでございます。
39コマ目に論点として整理をさせていただきました。新生児特定集中治療室管理料について、NICUの整備状況や周産期医療における機能分化・連携のあり方に関する見直しの方向、病床規模ごとの診療実績等を踏まえ、新たに新生児特定集中治療室管理料1を届け出ることについて、どのように考えるか。また、患者状態に応じた適切な医療資源が投入できるよう、入院している患者の状態や診療実績を把握することについて、どのように考えるかということで、整理をさせていただきました。
続きまして、個別事項、がん対策についてでございます。
41コマ目をごらんいただきたいと思います。10月9日の中医協総会におきまして、がん拠点病院加算の算定要件等と新しい類型に該当する病院の機能等の関係の整理、がん診療連携拠点病院等の評価に当たっては、実際に提供されているがん診療の内容に応じた評価を行うことが重要ではないかといった御意見がございました。
42コマ目をごらんいただきたいと思います。がん拠点病院加算の概要を示しております。現状、がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院への評価と、がんゲノム医療中核拠点病院に対する加算が設けられておるところでございます。
43コマ目は、現状のがん診療連携拠点病院等の整備状況でございます。
44コマ目は、新たに設けられました、拠点病院の類型の整理でございます。新たに設けられました特例型は、経過措置的な指定の類型になるということがわかるかと思います。
45コマ目は、前回のがんゲノム医療中核拠点病院に関する資料でございます。
46コマ目、47コマ目は、がんゲノム医療中核拠点病院とがんゲノム医療拠点病院の選定基準となっておりまして、46コマ目に示しております、診療体制というところでございますが、これはほぼ同等となっております。一方、47コマ目の会議の開催、研修といった要件が異なることがわかるかと思います。
48コマ目をごらんいただきたいと思います。論点として2つ挙げておりまして、がん診療連携拠点病院等のうち、地域がん診療連携拠点病院(特例型)は、その趣旨を踏まえ、地域がん診療病院と同様の評価とすることとしてはどうか。
がんゲノム医療拠点病院については、その選定基準等を踏まえ、がんゲノム医療中核拠点病院と同様の評価とすることとしてはどうかということで、整理をさせていただきました。
続きまして、個別栄養食事管理加算についてでございます。
50コマ目をごらんいただきたいと思います。緩和ケア診療加算についてでございまして、これは平成30年の改定で、悪性腫瘍から後天性免疫不全症候群、または末期心不全の患者まで対象を広げておりまして、緩和ケアチームによる診療が評価されたものとなっております。
51コマ目は、その内容となっておりまして、平成30年度に緩和ケア診療加算の上乗せとして、がん患者に対する栄養食事管理の取り組みの評価であります、個別栄養食事管理加算が新設されております。しかしながら、下段の表のとおり、対象疾患が緩和ケア診療加算とは異なっている、いわゆる後天性免疫不全症候群と末期心不全については、対象となっていないということがわかるかと思います。
52コマ目でございます。こちらは心不全患者における栄養評価・管理に関するステートメントにおいて、終末期に近づくにつれ、栄養状態が悪化することから、栄養サポートの実施が示されております。
53コマ目でございます。同じステートメントにおいて、心不全の栄養療法における多職種連携では、管理栄養士の役割として、栄養状態の判定、栄養管理、指導を行うこと、心不全末期には、個々に合わせた適切な食事の検討が必要だとされております。
これらを受けまして、54コマ目に論点として整理をさせていただいております。個別栄養食事管理加算について、緩和ケアチームに管理栄養士が参画することを推進する観点から、緩和ケア診療加算と同様、後天性免疫不全症候群及び末期心不全患者を対象疾患として加えることとしてはどうかということでございます。
55コマ目からは、脳卒中につきまして、まとめたものでございます。
56コマ目を見ていただければと思います。前回の中医協総会における主な意見を整理させていただいております。超急性期脳卒中加算の施設基準などを検討するに当たって、例えば合併する脳出血の頻度など、rt-PA静注療法の安全性のデータが必要ではないかという御意見や、薬剤師の常時配置については、当該要件のために算定できない施設があるのかどうかを調べる必要があるのではないかという御意見をいだたいたところでございます。
57コマ目は、超急性期脳卒中加算の施設基準を示しております。
右下のグラフでございますが、近年、加算の算定要件は上昇傾向でございまして、届け出施設は横ばいという状況でございます。
58コマ目は、前回の資料でございまして、超急性期脳卒中加算の施設基準ということで、日本脳卒中学会におけるrt-PA静注療法適正治療指針の記載事項を整理して示しております。
表中の薬剤師の常時配置、診療放射線技師や臨床検査技師の常置配置は、もともと学会指針においても特に記載がない項目であり、また、その他の要件についても、施設基準の指針で差があることがわかるかと思います。
59コマ目は、前回の中医協の御意見を踏まえて、資料を整理させていただいたものでございまして、上段がアルテプラーゼ静注療法の合併症について、整理をしておるところでございます。この治療の最も大きい合併症の1つであります、症候性頭蓋内出血の頻度を見ているデータでございます。国内の承認前の第3相試験で5.8%、その出血があったということですが、市販後の調査では、約1~3%減少しております。
また、下段でございます、rt-PA静注療法を実施していますが、超急性期脳卒中加算を算定していない施設につきまして、算定に当たって満たすことができない要件をお尋ねしております。そうしますと、薬剤師の常時配置、診療放射線技師及び臨床検査技師の常時配置が多いという結果になっていることがわかるかと思います。
これらを受けまして、論点といたしまして、超急性期脳卒中加算において、現在、日本脳卒中学会の指針には、特に記載のない項目も施設基準としているが、アルテプラーゼ静注療法に伴う症候性頭蓋内出血の頻度が市販後調査等で低い割合であったことや、当該加算を算定できない理由として、薬剤師の常時配置の要件等を満たせないという回答が多かったことを踏まえ、これらの施設基準を指針に合わせるように見直してはどうかということで、整理をさせていただきました。
最後に、生活習慣病についてでございます。
1つ目は、血糖自己測定器加算についてでございます。
63コマ目に、血糖自己測定器加算の概要を示しております。月の測定回数に応じて、点数が分かれております。このうち、月90回以上測定する場合の点数については、インシュリン製剤の自己注射を毎日行っている1型糖尿病、または12歳未満の小児低血糖の患者、妊娠中の糖尿病患者が対象となっております。
64コマ目でございますが、これは膵臓の腫瘍により、膵臓を全摘出した患者についてでございまして、膵臓を全摘出した患者につきましては、現在、月90回以上測定する場合の点数の対象とはなっておりません。ただ、この患者さんにつきましては、インシュリンが全く分泌できず、生涯にわたりまして、インシュリンの自己注射が必要となる状態でございます。
病態につきましては、下の表にまとめたとおりでございまして、膵臓の全摘後も1型糖尿病患者はインシュリン分泌能が枯渇しているということで、同じ病態であることがわかるかと思います。
65コマ目からは、クロザピン投与中の患者に対するヘモグロビンA1cの測定について、整理をさせていただいております。
66コマ目でございまして、クロザピンは統合失調症の患者に対して投与される、抗精神病薬でございまして、重篤な副作用を生じる可能性があるお薬となっております。
そのため、そこにありますように、クロザピン患者モニタリングサービス、CPMSというモニタリングサービスに登録した上で、頻回に採血し、報告する等の厳格な管理が義務づけられております。
赤い枠でそれぞれ示したとおり、クロザピンの副作用の1つに、高血糖と糖尿病がございます。そのため、クロザピンを投与中の患者に対して、数値によっては、ヘモグロビンA1cを4週ごとに測定することが義務づけられております。
67コマ目は、前述のとおり、クロザピン投与中の患者についても、ヘモグロビンA1cは4週ごとに測定する場合もございますが、一方で、血液形態・機能検査のヘモグロビンA1cの測定は、月に1回に限り算定ということで、そごが出ておるということでございます。
68コマ目に論点を整理させていただいております。2つございまして、1つは、血糖自己測定器加算について、膵全摘後の病態を踏まえ、月90回以上及び月120回以上の測定をする場合の対象患者に、膵全摘後の患者を追加することを検討してはどうか。
2つ目ですが、クロザピン投与中のヘモグロビンA1cの測定について、4週ごとの測定が認められる症例があることを踏まえ、クロザピンを投与中の患者に限り、ヘモグロビンA1cの算定頻度の見直しを検討してはどうかということで、整理をさせていただきました。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
続けてしまって大丈夫ですか。休息を入れますか。大丈夫ですか。それでは、強行させていただきます。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
22ページ目の救急医療管理加算についてでございますが、1つ目の論点についてです。10月25日の総会において、診療側から意見を述べたように、現在の救急医療管理加算の算定要件は、二次救急の医療機関では対応できないような患者像が評価対象となっており、実際に地域の二次救急で懸命に尽力されている病態が十分に評価されていないというギャップがあります。したがいまして、論点にあるようなスコア等の記載を求めるとしても、現在の算定要件に関連するスコアだけでなく、現実の二次救急での対応がしっかりと評価されるための情報も収集すべきだと考えます。ただ、新たな手間を求めるのは、疲弊している救急現場に拍車をかけることになりますので、なるべく既存のデータを活用する等の方策もあわせて検討すべきだと考えます。
2つ目の前段につきましては、地域における救急医療体制の多忙な状況を踏まえますと、働き方改革の観点からも、重篤な状態の患者に対する医療をさらに評価するのは、とても大事なことであると考えます。ただ、1つ目の論点にも関連いたしますけれども、評価対象となる重篤な患者とは、あくまでも二次救急で対応できる患者さんとしなければ、意味がないと思います。
後段につきましては、必ずしも入院時には重篤な状態であるとは言えないものの、入院後に悪化する可能性がある場合、例えば脳出血や脳梗塞の患者さんは、30分、1時間で状態ががらっと変わる場合がありますので、そういった場合など、救急医療管理加算では評価されないものの、緊急入院が必要な二次救急等の患者さんを多く受け入れている医療機関についても、何らかの評価が必要であると考えます。
ここで、中医協総-3の18ページからでございますけれども、18ページには、救急搬送年間受け入れ件数の医療機関ごとの内訳が出ております。1,000件以上を受け入れている医療機関がシェアとしては85%以上を占めているということでございますけれども、ここで1,000件未満のところに着目して見ますと、およそ3分の2の医療機関が、1,000件未満のところでも頑張っているという状況です。
19ページ目を見ますと、3つのグラフには多少差がありますけれども、数値が入っていないので、ざっと目で確認しただけでございますが、例えば灰色のところ、2,000件以上の二次医療機関の60時間以上の時間を足し合わせてみますと、目視で40%ぐらいの医師が60時間以上働いていらっしゃる。ただ、ブルーのところも足すと、27%ぐらいになりますので、1,000件未満の医療機関も、それなりに長時間勤務になっている医師の割合が大きいということが言えると思います。
続けて、救急搬送件数が多い医療機関では、医師の労働時間が長時間になる傾向が示されておりますので、働き方改革の観点からも、何らかの手当を検討することは、大変重要であると考えます。
39ページ目の論点です。小児・周産期のところでの前段ですが、NICUの整備は、既に目標に達しており、また、第8次医療計画では、集約化・重点化の方向が示されていることなどからすると、新たに新生児特定集中治療室管理料1を届け出る場合には、一定の病床規模、例えば6床以上を必要とするなどの方法も提案されているのかもしれませんけれども、これには賛成できません。
なぜかというと、地域で必要で、新規に届け出る場合、例えば地域周産期母子医療センターでは、最初は3床から始めて、人員などが整えば、それを6床にしていくということが、普通、行われております。最初は人数を絞り、徐々に教育や実績を積みながら、人数をふやしていくのが通常のやり方です。
周産期医療体制の状況は、おのおのの地域によって違いますので、38ページ目の医療計画の見直し等に関する検討会で示されたように、第8次医療計画に向けて、地域の実情を踏まえながら、各都道府県で検討していくのが自然であって、診療報酬によって、全国一律に強制的に集約化・重点化していくようなやり方は、ふさわしくないと思います。特に母子を救命しなければならないような周産期医療におきましては、医療側の視点からも、あるいは患者さん側の視点からも、アクセス数というのは非常に大事な観点であって、集約化に関しては、非常に慎重であるべきだと思います。
後段につきましては、規模の小さいNICUでは、人手が少ないことも予想されますので、余り負担とならないような方法で調査するようにお願いいたします。
48ページ目ですけれども、いずれの論点も、提供されている診療内容が同じであれば、類型をふやすことなく、同様に評価していくことであり、示された方向性に賛成いたします。
54ページの論点も賛成いたします。
61ページ目の論点ですが、加算の導入当初は、安全性の確保のため、厳し目の施設基準でスタートしたものの、その後、安全性等が確認されていることから、施設基準を現状に合わせた内容に緩和すべきだと考えます。
最後の68ページ目の論点は、2点とも、診療実態に合わせて算定要件を変更するということであり、異論はありません。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
きょうも遅参して、申しわけございません。
私からは、22ページの救急医療等に関することについてですが、1つ目の○ですが、重症度のスコア記載について、実施する必要性は感じるものの、記載することで負担がかかるようでは、働き方改革に逆行するのではないかと思っております。負担度合いに注意しながら検討することが必要ではないかと考えております。
2つ目の○ですが、二次救急の実績や体制によって、メリハリをつけていくといったことも必要ではないかと考えております。
以上です。
○田辺会長
島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
22ページのところでございますが、前回もお話ししたように、病態というのは、重篤なという言葉がございますので、基本的には集中治療室で診る患者さんたちのほとんどだろうと思います。ところが、特定入院料のところでは加算ができませんので、基本的にこの内容自体は、二次救急を対象としていると理解しておりますが、重篤なという言葉は消したほうがいいのではなかろうかと思っております。
後段ですが、救急医療のところで一生懸命患者さんを診ている医療施設の評価、救急車の台数だけが全てだとは思いませんが、それだけ働いているというところの評価は、別個にきちんと考えていただければ、非常に助かると思います。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
60コマ目の論点についてです。超急性期脳卒中加算に関する件ですが、施設基準の要件を満たさない理由として、薬剤師の常時配置という理由が多かったのは、大変残念でありますが、要件の見直しにより、多くの患者さんに必要な医療を適切に提供できるということについては、反対する理由はありません。ただ、当然のことではありますが、薬剤師の常置配置という要件を何らかの形で見直すにしても、医療安全の確保という観点から、しっかりその点が担保されていることが必要であると考えます。
また、要件の見直しによって、既に現行要件を一生懸命やっている施設もございます。こういった施設の体制が後退することがないように、当然のことながら、必要に応じて薬剤師が参画することを明記するなど、考慮いただくことをお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
22ページの1つ目の救急医療管理加算については、資料にもありますように、患者の重症度に応じたもので、今、重症度が問題だという意見がございましたが、重症度に応じた評価になっているわけです。緊急医療管理加算1に関しては、前回の議論でも申し上げました通り、この加算は、入院時に重篤な状態の患者に対して算定して、入院後に悪化の可能性が存在する患者は対象外とするとされている加算であるということを踏まえると、入院時に意識清明な方を意識障害または昏睡として扱うというのは、やはり違和感があると考えております。したがって、JCSが0の患者は対象外にすることも踏まえて、JCSのスコア値などによる一定の算定要件を設けるべきだと考えます。
また、意識障害、昏睡以外の呼吸不全、心不全で重篤な状態またはショック状態にある患者さんについても、入院時の状態に応じて、同様のケースが見受けられるとありますので、項目ごとに重症度を明確にした基準、どういう基準にするかというのは、検討いただいて、設定すべきだと思っております。
2つ目の緊急医療管理加算2については、算定要件の項目アからケが、どの項目に準じて算定したのかの実態が明確でなく、重症度の状況も緊急に入院が必要であると認めた患者とされているわけですが、基準が明確でない状況の中では、その見直しを含めて、次期2020年改定では間に合わないというのは、そのとおりだと思います。したがって、2022年改定に向けて、まずは現場実態を明らかにして、重篤な状態、重症度のスコア、これがどの程度のものであるのかということを含めて、データ収集をしていただき、算定要件の明確化に向けた対応について議論していくべきだと考えます。
次に小児・周産期の論点ですけれども、39ページですが、NICU病床の整備については、全都道府県で出生1万人当たり25~30床という整備目標があって、これが達成されていると示されておりますし、今後、出生数の低下傾向を鑑みますと、NICUの現状・課題について、改めて見直す必要性があるということは、理解できるところだと考えております。
36ページを見ますと、5床以下のNICUの病床利用率というのは、6床以上の病床に比べて低い傾向にあり、施設ごとのばらつきも大きくなっていることもあります。また、一方で、規模の小さい5床以下のNICU病床であっても、担当医師の配置というのは、当然必要で、勤務配慮も応分に必要だということもあります。
また、規模の小さい5床以下のNICU病床については、赤字損益状況にある国公立の医療機関が多い現状を踏まえ、国公立を主体とした5床以下のNICUが多い現状の歴史的背景や地域事情も勘案し、今後のあり方について、事務局はどのようにお考えか、ぜひ聞かせていただければと思います。
したがって、NICU病床の見直し整備、周産期医療における機能分化・連携、また、医師の働き方改革を推進する観点から、新たな新生児特定集中管理料1で増やしていく方向性については、例えば6床以上を要件とするなど要件を設定し、集約・適正化を図っていくという観点からは、何らかの対応策が必要であると考えております。
いずれにしましても、患者状態に応じた医療資源の投入と質の高い最適な医療を提供する観点から、NICUに入院している新生児の状態や診療実績を把握することは、重要な視点であると考えておりますし、各施設の役割を踏まえて、その体制、病床規模別にどのような実態になっているかを明確にした上で、各都道府県において集約化・重点化について、議論を深めていくという方向性だと考えます。
○田辺会長
1点、御質問がございましたので、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
NICUの現状の話でございますけれども、データに示したとおり、基本的にNICUというのは、集中的な治療資源の投入が必要な患者さんに入っていただいて、集中治療していただくことを目的としたところでございます。
内容については、いわゆるどういう患者さんが入っているかとか、入院日数がどうであるかということしかわかりませんけれども、集中した資源を投入しているところにふさわしい医療が行われているかどうか、これをしっかり見きわめていかなければいけないというところが、1つあると思います。
また、地域の事情によっては、施設数が過剰になっていることによって、実際に医療の内容がどうなっているのか、これも含めて考えなければいけないと思っております。
○田辺会長
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
全体的にそうなのですけれども、私が質問したのは、5床以下の規模の小さいNICUの開設主体は、赤字損益状況にある国公立医療機関が多い現状だということです。今回、見直しを図る中で、国公立が多い現状というのは、地域差とか、歴史背景があるということは理解しますが、どのような考えをお持ちなのかを聞きたかったのです。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
経営状況ですとか、そういうことに関しては、明確な話はできない部分がありますけれども、小さい病床数にかなりの医療資源を投入しているということ、また、平均在院日数が非常に短いということに関しては、病院の経営について、思わしくない影響を与えるのではないかと思っております。ただ、地域の中で、どういう医療が必要なのかということは、しっかり考えていただく。そういうことで、この検討会が始まったのだろうと考えておりますので、そういう中で考えていただくことが必要だろうと思っております。
○田辺会長
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
いずれにしましても、各都道府県で、今後、医療計画に基づいて、集約化・重点化について議論を深めていく中では、国公立の立ち位置というのは、非常に大きな課題になると思います。どういう方向性なのか、診療報酬でどう対応していくかについては、なかなか難しい論点だと思いますので、慎重に、どう寄り添って後押しするのか、それとも、しないのか。その点も含めて、議論すべきと思います。
○田辺会長
ほかはいかがでしょうか。城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
NICUに関してですが、前々回の本会でも意見を述べましたけれども、基本的に医療計画の見直し検討会においても、各都道府県において、NICUの目標の病床数は達成されているにもかかわらず、増床を申請する都道府県もあれば、減床する都道府県もあるという報告がございましたが、その理由、なぜ増床が必要なのかに関しての把握もできていない。さらには各病床にどのような方が入っておられるのか、その状態はどうであるのか、そして、受け皿となる在宅の体制はどうなっているのか、そのあたりの把握も全くできていないということでありましたので、それを把握して、その状態をしっかりと見た上で、整備の計画を見直すという形にすべきだと申しましたし、次年度の診療報酬の改定において、報酬で誘導するというのは、明らかに早過ぎる、拙速だと思いますので、避けていただければと思います。
以上です。
○田辺会長
ほかはいかがでございしましょうか。幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
今回の論点については、総じて異論がないのですが、救急医療管理加算については、こだわりがありますので、言わせていただきます。
前回の議論でも言ったのですけれども、管理加算2は要るのか、必要なのかということについて、反論を覚悟であえて言わせていただくのですが、管理加算2がアからケまでに準じる重篤な状態ということであれば、900点を算定されればいいわけであって、なぜそれを算定されずに、3分の1の300点を算定されるのか。900点を算定するには、ちょっと忍びないから、2にしておこうかという感じではないかと受け取られるのですが、本当に重篤な状態であれば、加算1を算定されればいいわけで、2があるから、2に逃げてしまうところもあると思われますので、2の必要性があるのかということを、まずは提起させていただきます。
管理加算1については、どれだけ重篤な状態であるかというところを書かせることが必要で、今、吉森委員もおっしゃいましたけれども、意識障害だとJCSが幾ら以上とか、そういった記載を求めないと、ただどれに回答するかということを書くだけでは、支払基金とか、国保連も査定できないので、どれに該当して、どういう状態以上という要件設定は、少なくとも必要ではないかと思います。
管理加算2についても、このまま残すのであれば、1ほど重篤ではないけれども、少し重篤だということであれば、これも要件設定をすべきだと思います。
それから、小児・周産期のところについては、集約化をしていくということで、異論はないのですが、ある程度の病床規模があれば、重篤な受け入れが多いとか、平均在院日数に影響しているということからも、新規届け出の場合についても、病床規模を検討すべきだと思います。
それ以外の論点については、特に異論ありません。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
今、救急のことについて御意見がありましたので、臨床から言わせていただきますが、必ずしも救急医療管理加算のアからケだけが、救急の患者ではないわけです。さまざまな状態の中から、救急の患者さんに対応しているわけですから、アからケに当たることだけが救急患者ではないということが前提で申し上げますが、現在、ここの加算に関しては、非常に議論があるところで、今、解決策というのは、多分出ないです。ですから、先ほど吉森委員が言われたことに賛同いたします。今回の改定ではなくて、次の改定に向けてということです。実は前の改定のときにも、私、提案しているのですけれども、早期から実態をちゃんと把握して、調査をして、どういうふうにあるべきかということを早く議論していただきたいと思います。前回も今回もこのことについて、こういう疑義が出ておりますので、早くそこに対応していただくように、お願いしたいと思います。
○田辺会長
松浦委員、お願いいたします。
○松浦委員
今、猪口委員から話がありましたけれども、私もそう思います。この部分については、今回では難しいということも分からないことはないですけれども、ただ、判断をするに当たって、何が問題なのかというのは、多分わかっていることだろうと思いますし、今、猪口委員がおっしゃったように、アからケまでだけではないということも、患者の立場からすれば、救急でというのはわかります。ただ、そこをはっきりさせるためにも、それ以外にどういうものがあるのかということをしっかり調べていただいて、救急に対応する場合はどういう人が対象なのかということを、しっかり明記できるような形をとっていただければと思います。
○田辺会長
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
救急医療管理加算2についてですけれども、前回もお話しいたしましたが、今、猪口委員もおっしゃられたので、重ねてになりますが、アからケで拾い切れない、二次救急の患者さんがたくさんいるという事実は明らかでございますので、ここはしっかりと残すべきだと思いますが、ただし、今後、その点につきましては、いろいろと御提案があったので、検討はしていかなければいけないと思っております。
もう一つ、NICUのところで、集約化ということが出ておりましたけれども、重ねて申し上げますと、NICUの周産期医療は、あくまで救急医療なのです。1分1秒を争って母体、あるいは児を救命しなければならないような医療機関でございますので、アクセスの問題というのは、非常に大事な問題でございます。10分違えば、かなり違ってまいりますので、そういった面をよくお考えいただいて、地域における状況を考えながら、集約化については、慎重に議論をすべきだと、重ねてお願い申し上げます。
○田辺会長
ほかはいかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑は、このあたりとしたいと存じます。
本日の議題は、以上でございます。
なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。御参集どうもありがとうございました。
 

 

 
 


 
 

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代表: 03-5253-1111(内線)3288

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