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2019年11月6日 中央社会保険医療協議会 総会 第430回議事録

○日時

令和元年11月6日(水)9:27~11:57

○場所

ホテルグランドアーク半蔵門 富士の間4階

○出席者

田辺国昭会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 松原由美委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 宮近清文委員  
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 猪口雄二委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 半田一登専門委員
保険医療材料等専門組織小澤委員長
<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 八神審議官 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○医療機器の保険適用について
○在宅医療(その1)について
○診療報酬基本問題小委員会からの報告について


 
○田辺会長
 ただいまより第430回「中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、染谷委員、松浦委員、岩田専門委員が御欠席でございます。
 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほうをお願いいたします。
(カメラ退室)
○田辺会長
 それでは、早速でございますけれども、議事のほうに入らせていただきます。
 初めに「医療機器の保険適用について」を議題といたします。
 本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。
 小澤委員長より、御説明のほうをお願いいたします。
 では、よろしくお願いいたします。
○小澤委員長
 小澤でございます。
 それでは、説明いたします。
 中医協総-1の資料をごらんください。
 今回の医療機器の保険適用は、C1が2製品2区分、C2が2製品2区分でございます。
 2ページ目をごらんください。
 製品名は、Percepta MRI CRT-Pシリーズです。
 4ページ目の製品概要をごらんください。
 本品は、至適薬物療法が行われているにもかかわらず症状が改善しない、QRS幅120ms以上及び左室区出率35%以下の心不全患者の症状改善を目的とする製品です。
 2ページ目にお戻りください。
 価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価いたしました。
 2ページの○の部分に、補正加算につきましての説明を記載しております。
 既収載品に比べ、構造等における工夫により、類似材料に比して患者にとって低浸襲な治療や合併症の発生が減少するなど、より安全かつ有効な治療ができるものと評価できるため、プラス3%の改良加算とすることが妥当と、保材専として判断いたしました。
 この結果、最終的な価格を171万円といたしました。
 外国平均価格との比は1.06です。
 続きまして、5ページ目をごらんください。
 製品名は、ネオフィードジェジュナルボタン(バンパータイプ)です。
 7ページ目の製品概要をごらんください。
 本品は造設された胃瘻に留置し、長期的に胃瘻を介して腸に経腸栄養剤等の投与や胃の減圧等の経腸栄養管理を行う目的で使用する製品です。
 5ページにお戻りください。
 価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価いたしました。
 6ページの4つ目の○の部分に補正加算についての説明を記載しております。
 既収載品に比べ、構造等の工夫により、類似機能区分に属する既収載品に比して、形状の保持が可能になるといった耐久性の向上や、長期使用が可能となることが客観的に示されていることと評価されるため、プラス5%の改良加算とすることが妥当と保材専として判断いたしました。
 この結果、最終的な価格を2万6500円といたしました。
 外国における販売実績がないことから、外国平均価格との比はございません。
 続きまして、8ページ目をごらんください。
 製品名は、ネスキープです。
 10ページ目の製品概要をごらんください。
 本品は近接する消化管等のため粒子線治療の実施が困難な患者における腹腔内もしくは骨盤内の悪性腫瘍と消化管等との間隙の確保を行う目的で使用する製品でございます。
 8ページにお戻りください。
 価格につきましては、類似機能区分比較方式で評価いたしました。
 この結果、最終的な価格を51万6000円といたしました。
 外国における販売実績はないことから、外国平均価格との比はございません。
 続きまして、11ページ目をごらんください。
 製品名はVenaSeal クロージャーシステムです。
 13ページ目の製品概要をごらんください。
 本品は血液逆流を伴う伏在静脈本幹に注入し、血管を閉塞するために使用する製品でございます。
 11ページ目にお戻りください。
 価格につきましては、本品は、特定保険医療材料としては算定せず、新規技術料にて評価することが適当と保材専として判断いたしました。
 このため、外国平均価格との比はございません。
 御説明いたします内容は、以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 事務局から補足があれば、お願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
 特にございません。
○田辺会長
 それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 よろしゅうございますでしょうか。
 では、御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(委員首肯)
○田辺会長
 ありがとうございました。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
 次に、次期診療報酬改定に向けた議論として「在宅医療(その1)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明のほうをお願いいたします。
 では、医療課長、よろしくお願いします。
○森光医療課長
 資料総-2に基づきまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 「在宅医療(その1)」ということで、本日、資料を用意させていただいております。
 テーマでございますが、2コマ目を見ていただきますと、本日は、在宅医療のうち在宅医療についてと、それから、在宅歯科医療、在宅薬剤管理、この3点について用意をさせていただいております。
 次に、4コマ目から6コマ目にかけてでございます。
 これは、在宅医療に関しまして、診療報酬上の変遷という形で整理をさせていただいているものでございます。
 また、7コマ目でございます。
 7コマ目のほうは、在宅ターミナルケアに関する診療報酬の評価の変遷、これをまとめさせていただいておるところでございます。
 8コマ目をごらんいただきたいと思います。
 現行の在宅医療の診療報酬評価の構造を、そこに示してございます。
 まず、定期的に訪問をして診療を行った場合の評価でございまして、それが在宅患者訪問診療料ということで評価をされております。
 また、2つ目に、総合的な医学管理等を行った場合の評価ということでございまして、在医総管、施設総管、この2つがございます。これは、一月当たりで算定する内容となっております。
 また、3つ目に指導管理等に関する評価ということで、これは、特殊な機器ですとか、そういうものを使った場合の、人工呼吸器などの特別な機器などを使用した場合の指導管理というものがプラス対象の方に乗るというような評価となってございます。
 これが全体の評価の構造となっております。
 続きまして、9コマ目でございます。
 9コマ目は、在宅訪問診療料とターミナルケア加算、看取り加算、死亡診断加算の評価がそこに整理させていただいているところでございます。
 続きまして、10コマ目でございます。
 これは、機能強化型と通常の在支診、在支病と、その他の医療機関における報酬の一覧ということになってございます。
 在医総管、施設総管につきましては、対象患者が単一、建物内に1人、それから2から9人、10人以上の3つの場合に分けまして、報酬が区分されてございます。
 これは、平成28年の改定以降、このような形になっているというものでございます。
 続きまして、11コマ目でございます。
 これは、在支診、在支病の主な施設基準の概要でございまして、全ての在支診、在支病が満たすべき基準、全ての在支診が満たすべき基準と機能強化型において満たすべき基準、それぞれが定められているということがわかるかと思います。
 続きまして、12コマ目でございます。
 ここからは、在宅医療に関しまして、平成30年の改定で行われました主なものを列挙してございます。
 まず、平成30年の診療報酬の改定では、在宅医療においては、2つ大きくテーマがございまして、在宅医療の裾野の拡大ということと、在宅ニーズの多様化、高度化への対応ということで、平成30年の改定を実施したということでございます。
 次に、13コマ目でございます。
 平成30年新設の継続診療加算というものでございまして、これは、他の医療機関との連携により、24時間往診体制と連絡体制を構築した場合に、在医総管、施設総管に加算されるといった点数が創設されております。
 また、14コマ目、平成30年新設の在宅訪問診療料の1の2というものでございまして、既に訪問診療を受けている患者に対し、主たる在宅医療機関から他の医療機関に訪問診療の依頼があり、他の医療機関が訪問診療を行った場合の評価を新設したというものでございます。
 15コマ目でございます。
 上段は、平成30年新設の在宅患者訪問診療料の2というものでございまして、併設する介護施設への訪問診療の場合を新設したものでございます。
 下段のものは、平成30年新設の在医総管、施設総管の包括支援加算ということで、下記にありますように、対象患者ゾーンに該当する場合には、150点の加算がついたというものでございます。
 16コマ目から17コマ目に関しては、患者の状態に応じたきめ細やかな評価とするために、月一回以上の訪問診療を行った場合の在医総管、施設総管を適正化し、月一回の訪問診療を行っている場合の、さらに在医総管、施設総管を充実したという内容となってございます。
 18コマ目をごらんいただきたいと思います。
 適切な往診の推進と、看取り期の患者に対する往診の評価として、往診料の算定要件の明確化及び要件の追加というものを行ったということでございます。
 さらに19コマ目でございます。
 これは、ターミナルケア関連報酬にACPのガイドラインを要件化した上で充実したというものでございます。
 続きまして、20コマ目以降は、直近の算定状況についてお示しをしております。
 21コマ目でございます。
 届出状況は、在支診は近年横ばい、在支病は増加という傾向にございます。
 22コマ目をごらんいただきたいと思います。
 これは、往診料は横ばい、在宅患者訪問診療の算定回数は増加しているというのが見てとれるかと思います。
 23コマ目でございます。
 在医総管、施設総管の届出医療機関数及び算定回数は、これも増加傾向にあるというところでございます。
 24コマ目でございます。
 在医総管と施設総管の算定回数の年次推移を出してございます。
 上段の左の図でございますが、在医総管については、単一建物内では1人の算定が多いというのが見えると思います。
 右図のほうでございますが、施設総管は、単一建物内、10人以上の算定が多いということでございます。
 また、施設総管全体の算定回数も増加傾向にあることが見えるかと思います。
 下段でございます。
 これは、在医総管と施設総管を合わせた全体でございまして、これも増加を続けているというのが見えるかと思います。
 25コマ目でございます。
 これは、新設の在宅訪問診療料1、2の算定状況でございまして、同一建物居住者以外が1,159回、同一建物居住者については4,888回の算定が行われているということでございます。
 続きまして、26コマ目、新設の在宅患者訪問診療料、要するに、介護施設が併設されている場合の訪問診療料でございますが、有料老人ホームに入居する患者に関しては、算定状況は5万8724回、他の保険医療機関から紹介された患者として107回となっております。
 続きまして、27コマ目は、新設の在医総管、施設総管に係る継続診療加算の算定状況でございまして、2,753回の算定となってございます。
 続きまして、28コマ目は、新設の在医総管、施設総管に係る包括的支援加算の算定状況でございまして、在医総管、施設総管の全体が60万回の算定でございますので、6割程度が包括支援加算の対象患者に相当しているということが考えられます。
 続きまして、29コマ目、これは、在宅ターミナル加算、看取り加算の算定回数でございまして、近年増加を続けているということが見えるかと思います。
 30コマ目でございます。
 在宅ターミナルケア加算は、特に、そこにありますように、機能強化型の在支診等において算定が伸びているところが見えるかと思います。
 続きまして、31コマ目からは、在宅領域における課題及び取り組みの状況についての整理でございます。
 まず、1つ目でございますが、複数の医療機関における連携についてというところでございます。
 この医療機関の調査結果ということで、そこにお示しをしておるところでございます。これは、平成30年の検証調査の結果をまとめたものでございます。
 調査の結果によれば、主治医が他の医療機関に訪問診療を依頼した患者について、他の医療機関が初回の月に行った訪問診療の回数について、病院では回数を把握していないが23.1%、診療所は27.3%という結果でございました。
 続いて、33コマ目でございます。
 これは、複数の医療機関が訪問診療を行う場合について、依頼先の2カ所目の医療機関が実施する訪問診療の期間は、診療所、病院とも6カ月超が最も多く、それぞれ41.6%、46.2%であったという調査結果となってございます。
 続きまして、34コマ目でございます。
 他の医療機関に訪問診療を依頼した対象診療科につきましては、診療所、病院とも内科が最多でございまして、病院は、内科に次いで精神科、皮膚科、歯科でございまして、皮膚科が2番目に多いということでございます。
 続きまして、35コマ目、依頼をした対象疾患についてまとめたものでございまして、診療所では褥瘡が最多、病院では褥瘡、歯科、心不全、認知症が並んで最多でありました。
 これらの調査結果を踏まえまして、在宅医療における複数の医療機関の連携について、どのように考えるか御議論をいただきたいと考えておるところでございます。
 続きまして、在支診、在支病についての整理でございます。
 そこに再掲でございますけれども、機能強化型の在支診・在支病の基準という中で、全ての在支病が満たすべき基準というところで、赤でくくってあるところでございます。
 赤枠の部分でございますが、往診を担当する医師は、当該病院の当直医師と別に配置するよう求めております。
 運用上、このために夜間に病院内に2名の医師を配置するというような運用がなされていると聞いておるところでございます。
 38コマ目でございますけれども、関係団体のアンケートによりますと、在支病を維持するのに、24時間の往診が可能な体制の確保が、非常に維持、継続する上で困難ということで挙げられているということでございます。
 在支病において、夜間必ずしも病院に往診医を置くべきか、例えば、往診医については、オンコールで対応することを可とすることも考えられるのではないかという点について、御提案をさせていただいておるものでございます。
 39コマ目でございます。
 ここからは、医療資源の少ない地域における在宅医療について整理をしたものでございます。
 40コマ目は、平成30年の改定におきまして、医療資源の少ない地域に配慮した病床数要件の緩和が行われたものを示しております。
 在支診、在支病、在宅療養後方支援病院についても、医療資源の少ない地域においては、基準病床数を2割不足または超過しても差し支えないということとされておるところでございます。
 42コマ目に飛んでいただきして、現行の医療資源の少ない地域として41医療圏が指定されてございます。
 43コマ目でございます。
 現行の医療資源の少ない地域に配慮した診療報酬の中で、赤枠が在宅関連となっておりまして、許可病床240床未満となっているという例になっております。
 44コマ目が、その後の調査におきまして、医療資源の少ない地域に所在する病院、診療所が対象となる特定入院料及び加算等の届出状況でございまして、赤枠部分が在宅関連でございます。届出の伸びが少ないというのが見えるかと思います。
 それから、医療機関へのヒアリングの調査結果を45コマ目に示しておりまして、人員の配置でございますが、専従要件が緩和されても、職員の絶対数が不足しているとか、医師や看護師について、常勤の職員が不足しているといったことが課題として出されておるところでございます。
 続きまして、46コマ目以降につきましては、在宅医療における褥瘡の指導管理についてでございます。
 在宅患者訪問褥瘡指導管理料の概要を47コマ目に示しております。
 この点数につきましては、重点的な褥瘡管理が必要な患者に対しまして、多職種による計画的な指導管理を行った場合に算定可能な管理料ということでございます。
 対象患者は、そこに示してありまして、また、算定要件は、そこにありますとおりでございます。
 ただ、算定回数のところの図を見ていただきますと、届出施設数は、約200を超えておるというところなのですが、算定の回数が、月に約6件ということになっておるところでございます。
 48コマ目でございます。
 26年の診療報酬改定でできました点数でございますけれども、これにつきましては、在宅褥瘡対策チームの実施の内容を示したものでございます。
 49コマ目を見ていただきますと、初回のカンファレンスでは、指導料の算定は不可となっておりまして、3カ月後、6カ月の評価カンファレンス時に算定可となっております。
 また、このカンファレンスにつきましては、下記の要件のところを見ていただきますと、患家、要するに患者さんのお宅に一堂に会して、褥瘡の指導管理方針についてカンファレンスを実施するということが要件となっておるということでございます。
 ただ、50コマ目を見ていただきますと、褥瘡有病率の推移と治療期間について示したものでございます。
 右図でございます。治療期間はステージ1とか2につきましては、平均1カ月未満で治癒に至るということでございまして、このことからも3カ月後の評価のカンファレンスというものの前に治癒する事例が多いといったことから、算定回数がなかなか伸びないということが考えられるということではないかと考えておるところでございます。
 51コマ目に論点として挙げておりますが、今、示しました在宅医療に係る現状、それから、平成30年の診療報酬改定後の算定状況を踏まえまして、必要な見直しを検討してはどうかということで論点として整理をさせていただいておるところでございます。
 52コマ目以降については、在宅歯科医療についてまとめております。
 53コマ目は、歯科訪問診療の実施状況をグラフにまとめたものでございます。
 まず、歯科訪問診療の実施状況でございます。折れ線グラフのほうは、歯科訪問診療を実施している歯科医療機関の数でございます。
 棒グラフは歯科訪問診療の1カ月の実施件数を示しております。
 折れ線グラフのほうを見ていただきますと、施設において、歯科訪問診療を実施する歯科医療機関数は増加しておりまして、平成29年に居宅を上回るような状況となっておるということでございます。
 54コマ目は、平成30年診療報酬改定の全体像、在宅歯科医療推進のための全体像を示したものとなっております。
 55コマ目でございます。
 これは、歯科訪問診療料の評価の見直しということで、平成30年の診療報酬改定におきまして、同一建物に居住する患者数及び診療に要した時間に基づきまして、評価の見直しを行ったということでございます。
 続きまして、56コマ目でございますが、歯科訪問診療料の算定状況の推移を示しておるところでございます。
 歯科訪問診療料の算定回数は、全体的に増加傾向となっておりまして、棒グラフで緑色、少し暗い色になっておりますが、示している訪問診療料が2でございまして、赤色で示している訪問診療料3を見ていただきますと、特に伸びているというのが見えるかと思います。
 57コマ目を見ていただければと思います。
 平成30年10月に算定された歯科訪問診療料1と2と3、それぞれについて、NDBデータベースを分析したものが、そこについております。
 見ていただきたいのは、歯科訪問診療料1のみを算定している医療機関数は7,487施設でございました。
 一方、歯科訪問診療料1を算定していない医療機関、これは、赤の点線でくくっておりますが、施設は1,292施設であったということで、この1と2については、55コマ目を見ていただきますと、同一建物に居住する患者数のところで1人の場合が1をとっておりまして、2と3については、同一建物に居住する患者さんがたくさんいらっしゃるところを訪問していると、その訪問診療を行っているところが見えるところでございます。
 58コマ目でございます。
 歯科訪問診療の実施状況の関係でございまして、在宅療養支援歯科診療所以外の歯科診療所においては、直近1年間に歯科訪問診療を実施しない歯科医療機関が31.1%、実施していない理由については、そこにありますように、人手や時間が確保できないという回答が最も多いという状況でございます。
 続きまして、59コマ目、歯科訪問診療移行加算でございます。
 これは、平成30年の診療報酬改定におきまして、もともと外来受診していた患者さんが通院困難になり、当該患者に対して歯科訪問診療を実施した場合の評価を新設したものでございます。
 算定回数は、そこにありますように、イが3,759回、ロが2,140回となっておるところでございます。
 続きまして、60コマ目でございます。
 これは、質の高い在宅医療の確保ということで、平成30年の診療報酬改定において、介護報酬と足並みをそろえる形で、訪問歯科衛生士指導料の見直しを行ったというものでございます。
 61コマ目は、訪問歯科衛生指導料の算定要件の抜粋等をしております。
 算定方法や、およその点数についても介護保険の居宅療養管理指導と同様の見直しを行ったというものでございます。
 62コマ目は、在宅等療養患者専門的口腔衛生処置ということで、この処置につきましては、訪問歯科衛生指導料の整理に伴いまして、平成30年度診療報酬改定において新設されたものでございまして、そこに算定回数がついておりまして、4万4089回となっております。
 63コマ目でございますが、歯科疾患在宅療養管理料ということで、継続的な歯科疾患の管理が必要な在宅療養患者に対する管理料でございまして、口腔機能の低下している患者を対象としたものとなっておりまして、そこに算定回数が年々伸びていることがわかるかと思います。
 64コマ目でございますが、在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料でございまして、継続的な歯科疾患の管理が必要な在宅療養患者に対する管理料でございます。
 摂食機能や嚥下機能の低下している患者を対象とした指導管理料となってございます。
 また、そこに算定回数もついておりまして、30年、伸びてきていることがわかるかと思います。
 次に、小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料でございまして、これも平成30年の診療報酬改定で新設されたものでございます。
 通院困難な摂食機能障害を持つ小児への口腔機能管理を包括的に評価した点数でございまして、現在の算定回数は、全体で227回となっておるというところでございます。
 数字が間違っておりますけれども、66コマ目でございます。
 在宅療養支援歯科診療所についてでございますけれども、在宅療養支援歯科診療所として届出を行っている歯科医療機関数は、年々増加傾向にあるというのが見えるかと思います。
 続きまして、67コマ目が、在宅療養支援歯科診療所の施設基準をそこに示しておるところでございます。
 表の下のところにつけておりますように、経過措置がありまして、平成30年3月31日おいて、現に在宅療養支援歯科診療所に係る届出を行っている診療所については、令和2年3月31日までの間に限り、在宅療養支援歯科診療所2の施設基準に該当しているものとみなすというような経過措置がはまっているということでございます。
 68コマ目でございます。
 在宅療養支援歯科診療所の届出を行っていない理由というところでございますが、そこに3つ挙げておりますが、共通するのは、多職種連携を必要とする技術の算定実績が満たせないというような理由となっているということでございます。
 69コマ目でございます。
 このような状況を踏まえて論点を2つ挙げさせていただいております。
 まず、1つ目ですが、患者のニーズに合わせた歯科訪問診療を推進するために、近年における診療報酬改定の内容を踏まえ、どのような対応が考えられるのか。
 2つ目ですが、在宅等療養患者の口腔機能の維持向上を推進するために、どのような対応が考えられるかと、この2つを挙げさせていただいております。
 70コマ目以降は、在宅薬剤管理についてというものでございます。
 71コマ目でございます。
 在宅患者訪問薬剤管理指導料についてでございます。
 スライドの上の部分については、算定要件の概要でございまして、算定の区分は、単一患者の患者数によって分かれておるということでございます。
 下の部分は算定回数でございまして、医療保険については、患者1人の場合が最も多く算定されているということがわかるかと思います。
 72コマ目でございます。
 在宅関係での評価の全体をまとめたものでございまして、緊急訪問や重複投薬に係る疑義照会等が評価されております。
 また、スライドの下にある表は、介護報酬の点数となっております。
 73コマ目でございます。
 これは、薬局における在宅患者訪問薬剤管理指導の実施の状況でございまして、経年のものをつけております。
 薬局における訪問薬剤管理業務でございますが、医療保険部分というのは、下にあります濃い緑の部分でございます。
 一方、介護保険部分は、薄い緑の部分でございます。
 医療保険部分については、算定回数が少なく横ばいというのが見えるかと思います。
 介護保険の部分のほうが、非常に算定回数が伸びているというのが見えると思います。
 全体として、薬剤師における在宅薬剤管理は、増加傾向にあるというのが見えるかと思います。
 74コマ目でございます。
 在宅業務を実施する薬局数の推移についてでございます。
 在宅業務を実施している薬局数もあわせて増加をしているというのが見えるかと思います。
 75コマ目でございます。
 これは、小規模薬局間の連携による在宅業務の評価というものでございまして、平成24年の改定でサポート薬局と連携して、在宅業務に対応することを可能としたものでございます。
 76コマ目は、サポート薬局が臨時で訪問薬剤管理指導を行う場合ということの図をつけさせていただいております。
 77コマ目が、サポート薬局制度の利用状況でございます。
 在宅業務を実施している薬局のうち、約18%でサポート薬局制度を利用している。サポート薬局を依頼する理由としては、そこにありますように、緊急的な対応が必要なためと回答した割合が最も多いということが見えるかと思います。
 78コマ目は、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できなかった回数を示しておりまして、算定できなかった回数は17%となっております。
 右の棒グラフでございますが、算定できなかった理由ということで挙げられているのが、1つ目が、間隔が6日以上空かなかったため、2つ目が算定要件を満たさない臨時処方薬の指導管理のためというのが大きな理由であったという回答でございます。
 79コマ目は、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料についてでございまして、算定状況と要件をつけておりますが、この在宅点数につきましては、患者の容態の急変に伴い、緊急に患家を訪問した薬学的管理及び指導を行った場合に算定できるということになっておりますが、そこにありますように、原疾患の急変等に限られているというものでございます。
 真ん中に具体例ということで示させていただいておりますが、肺気腫の在宅患者の場合にあるとおり、肺気腫の悪化への対応であれば、在宅の点数がとれますが、(1)のように発熱などの肺気腫とは関係のない疾患に対する臨時投薬であれば、在宅の点数をとれないという整理になっているところでございます。
 これらを受けまして、80コマ目で論点の整理ということでございますが、原疾患以外の疾患に対応するため、訪問計画によらず、医師の求めに応じて臨時で訪問薬剤管理指導を行った場合について、評価を検討してはどうかということで論点を整理させていただいているところでございます。
 資料の説明につきましては、以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、以下では論点ごとに議論してまいりたいと存じます。
 初めに、在宅医療について、1ページ目から51ページ目まででございますけれども、この点に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員 では、51ページ目の論点に沿ってでございますけれども、まず、現状及び課題の1つ目に挙げられている訪問診療を主として行う医療機関から依頼された医療機関による訪問診療の評価についてでございますけれども、在宅療養されている患者さんは、複数の疾病を有している現状もございますので、前回改定で新設されたことは、高く評価しておりますが、まだ、算定回数も少なく、不十分な点も幾つかございます。
 1つ目は、算定期間が原則として6カ月とされていることです。33ページ目にもあるとおりですけれども、依頼先の医療機関が訪問診療を必要とする期間は6カ月超が最も多くなっております。現状に見合った要件に変更すべきと考えます。
 2つ目ですが、主治医と、その依頼を受けて訪問診療を行った医療機関との連携については、32ページにおいて依頼した医療機関の訪問回数を依頼元の医療機関が把握していないという回答が一定程度あります。
 また、35ページ目には、いろいろな医療機関がしっかりと協力しているというようなことも見てとれます。
 ただ、多くのところでは、きちんと把握できておりまして、その際には、恐らく訪問回数だけではなくて、診療内容や投薬等の診療情報もあわせて、主治医の先生に直接情報提供していると思われますけれども、そういった情報提供を行った場合の個別の評価がありません。
 また、訪問回数を把握していないけれども、通常は、依頼元に診療内容等の情報提供をし、医療機関同士で適切に連携が図られていると思われます。
 そこで、こういった医療機関の取り組みに対する評価や連携が少し弱いところへのインセンティブとして、依頼先の医療機関からの情報提供を評価することを検討すべきと思います。
 さらに、現行制度では、依頼先の医療機関が一月に複数回の訪問診療を実施しても月1回しか訪問診療料を算定できませんが、32ページにもあるとおり、月に2回以上の訪問診療を実施している割合も一定程度あります。この部分も医療現場の実情から離れていると思いますので、多様な在宅医療のニーズへの対応ということで、必要な見直しを検討すべきと考えます。
 続いて、現状及び課題の2つ目にある在宅療養支援病院についてですが、38ページにもありますけれども、24時間往診が可能な体制の確保で苦労しているという意見が多くありますので、37ページの要件のうち、当直医とは別に往診医を確保することは、働き方改革からも困難となっておりますので、往診医はオンコールでも可能とするなどの見直しをすべきであると考えます。
 37ページにもあります、看取りの実績についてですが、在支病は緊急時の入院受け入れなどが連携の機能として求められるものですから、在宅での看取り実績が必要なのか、再検討する必要があると考えます。
 さらに、在支病は、みずからあるいは診療所が行う在宅を支える必要がありますけれども、急変や看取りの際には、在支病の入院も活用する必要があります。
 そこで、現在のターミナルケア加算の算定要件は、入院24時間以内とされていますけれども、これを緩和することも必要だと考えます。
 在宅医療は、医療者の情熱によって支えられていますので、当然、医師や看護師の負担が重いので疲弊している状況もよく聞かれますことから、最近は早目に入院させている状況もあります。
 そういった意味でも、在支病の入院をもっと活用する必要があると考えます。
 3つ目の医療資源の少ない地域における在宅医療を行う医療機関についての施設基準ですが、前回改定で対応した病床数要件の緩和については、44ページにあるとおり、うまく機能していないという調査結果になっていますので、ここも見直す必要があるのではないかと思います。
 さらなる要件緩和をしつつも、質を確保することが重要だと考えますことから、病床数の要件だけではなくて、例えば、41ページにもありますが、7から9の実績要件を緩和することなどを検討してはどうかと思います。
 特に9のところで、連携機関において、看取りの実績等が、いずれか2件以上とありますけれども、看取り自体は、年間の変動が非常に激しいものですので、自助努力だけではなかなかうまくいかないので、ここの特に小さなところに関しては、少し考えてみてはいかがかと思います。
 1年という単位というのは、なかなか制限があるのかもしれませんけれども、2年単位で考えるとか、少しその辺は弾力的な対応があってもいいのではないかなと思います。
 4つ目の在宅患者訪問褥瘡管理指導料についてですが、47ページ目の左上にある対象患者ですが、改めて見ると、ショック状態の者や、重度の末梢循環器不全の者など、そもそも在宅で診る患者像としては、非常に重い症状となっておりますので、この際、見直しをすることを提案いたします。
 49ページ目の初回カンファレンスですけれども、現行では初回のカンファレンスは評価されておりませんが、50ページの右の褥瘡の治療に要した期間を見ると、ステージ1、2では、平均期間が1カ月を切っております。つまり、2回目の評価カンファレンスを実施して点数を算定する前に、もう治ってしまうというのが現実で、早期に治療を開始し、しっかりと計画的な管理指導を実践している結果であると考えます。
 しかし、その場合、初回のカンファレンスは全く評価されておりませんので、この部分についても見直しが必要と考えます。
 最後に、在宅医療全般に対する意見として、現在の在宅の点数は、人数に応じた在医総管の点数設定などに代表されるように、かなり複雑化しており、それがかかりつけ医が在宅に参入する際の障壁となっておりますので、今後、複雑化した点数要件の簡素化についても改めて検討をすることをお願いしたいと思います。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょうか。
 では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
 ありがとうございます。
 大変細かい点で、ちょっと事務局に確認をさせていただきたいと思うのですけれども、9ページの在宅患者訪問診療料1の概要のところに、看取り加算と死亡加算というのがあります。
 看取り加算は、在宅で患者を看取った場合ということで、死亡診断加算は患家でという表現がありますけれども、基本的には、同じことを言っているという理解でよろしいのかどうかというのが、まず、1点。
 29ページを見ますと、算定回数が平成25年から平成30年の6年間の間で、看取りというのは非常にふえてきている。しかしながら、死亡診断加算というのは、全く変わらない数字なのですね。
 看取っているのに、そもそも死亡診断をしていなくて加算しないというのは、ちょっとよく理解できない。つまり、死亡診断加算というものが全く知られていないのか、やはり、患者さんを看取ったときに、主治医として、なかなか同じような行為について、医学的には、純粋に看取ったということと、診断するということは別ですけれども、患者さんから見られると、なかなかそれを別々の点数として請求するということは、しづらいと思います。そもそもこれはわかりにくい、こういうふうに細かく分けるよりも、看取りと死亡診断というのは、ある程度一緒に包括した点数にしたほうが、私はわかりやすいのではないかなと思います。その辺の御意見をいただければということ。
 もう一点、先ほど、褥瘡のことについて、松本吉郎先生からもお話がありましたけれども、48ページを見ていただくと、基本的に、訪問看護については、外部、ステーションを活用していいということになっていますけれども、管理栄養士については、医療機関の中にいなければいけないということが要件になっていて、有床診等で管理栄養士を持っておられるところはいいのですけれども、通常の診療所で在宅医療を見ている、私自身も経験があるのですけれども、やはり、褥瘡の患者は結構見たりするのですけれども、この要件だと、全く管理栄養士を自分のところに持っていないとできないということになるので、今、管理栄養士についてもステーション等があるわけですから、そういった外部の管理栄養士を活用できるようなスキームで、診療所でも、こういった、いわゆる在宅の褥瘡対策チームを形成できるようにしていただくことが大事だなと思っています。
 これは、松本先生と同じですけれども、初回カンファレンスのときに点がとれないというのも、ちょっと変だなと思いますので、ぜひ、この点も御検討をいただければと思います。
 1点目だけ御回答をお願いします。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 御質問のありました、患家と在宅の区別ということなのですが、一応、そういうふうに分けて書いてありますが、実質上、そこに区別はないということでございます。
 看取り加算につきましては、実は、7コマ目を見ていただきますと、死亡診断加算と看取り加算について、過去からの変遷のところが書いてありますが、死亡診断加算につきましては、看取り加算を算定する場合は、算定できないというルールになっておりまして、それで数が違っていると思われます。
○今村委員
 ありがとうございます。
 では、看取り加算をとったときは、死亡の加算がとれないと、そういう整理だと。
○森光医療課長
 そうなっております。
○今村委員
 わかりました。
○田辺会長
 ほかは、いかがでございましょうか。
 では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 ありがとうございます。
 複数の医療機関による連携と、褥瘡について、質問、意見を申し上げます。まず、複数の医療機関による連携に関する課題として、32ページを見ると、実施施設が主治医として訪問診療を提供している患者のうち、他の医療機関に訪問診療を依頼した患者について、初回の訪問診療月に行った訪問診療の回数を把握していないというような円グラフがあり、病院で23.1、診療所で27.3となっています。この連携において、依頼した主治医は、患者さんから直接他の医療機関の診療状況を聞いているのかもしれませんが、医療機関同士の専門的な情報共有は、必要と考えます。そのため、この回数を把握していない状況は、連携先の医療機関が、どのような診療を行ったのかという正確な情報を把握できているのかという点で疑問であります。また、連携の期間も33ページにあるように、6カ月超の期間が多いことから、継続した治療行為ということであれば、なおさら情報共有をしっかりと主治医にはしていただいて、かかりつけ医機能を発揮していただくためにも、また、患者の医学的管理が十分行われるようにするためにも、情報共有というのは必要な行為あると思います。
 したがって、主治医と連携先の医療機関の連携を、より実効性のあるものにする観点から、14ページにあるように、在宅訪問診療料(1)の2の要件において情報共有をしっかりと要件化するなどの見直しが必要ではないかと考えます。
 次に、褥瘡について、47ページには、訪問褥瘡指導管理料の施設算定件数の回数が左下に記載されています。これを見ると、非常に少ないように感じられますが、ここで1点質問です。対象患者アからキがございますけれども、この対象患者と、重点的な褥瘡を管理しなければいけない患者や必要とする患者との、因果関係といいますか、この対象に絞っているという考え方はどのようなものか教えていただければと思います。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 この対象患者については、入院基本料の加算に褥瘡のハイリスク患者ケア加算というのがございまして、恐らくそこに褥瘡予防管理が著しく管理が難しく、重点的な褥瘡計画が必要な患者というのがありまして、そこに掲げる病態像を対象患者としてもってきたということだと思われます。
○吉森委員
 いずれにしましても、対象患者は、ベッド上安静で、深さの評価がD2以上の褥瘡を有し、重点的な褥瘡管理を必要とする患者さんということで、まず、そのような患者さんの状態に絞り込んでいるわけです。この褥瘡対象の患者さんとアからキの患者さん実態が、果たして合致しているのかどうか、甚だ疑問でありますので、現行の対象患者の見直しの検討は必要と思いますし、重点的な褥瘡管理が促進されるよう、さっき今村委員からも意見がありました、管理栄養士等も含めて、算定要件の見直しも必要ではないかと思います。
 もう1点、見直しを厳格するというよりも、患者本位で見直しを行っていくとするならば、750点という管理料の水準の見直しも必要ではないかと思います。
 51ページの初回カンファレンスにおける評価がなされていないという課題についても、そもそも在宅患者訪問褥瘡指導管理料は、重点的な褥瘡管理を行う必要があると認められる患者さんに対して、継続的な管理を行うこと、その治癒を目指すものと理解しております。したがって、継続的な管理を担保するという観点からは、初回カンファレンスに基づいた計画的な管理指導、それを実施後、評価カンファレンスを行った時点で評価するという現行の仕組みは悪くはないとは思いますが、50ページを見ますと、早く治ることもございます。
 これらを勘案すると、ステージ1の患者については、治癒に要した期間が平均して1カ月以下であり、2カ月目、3カ月目というように分けて評価する、初回も入れて評価するといったやり方があってもいいと思いますし、現行の評価点数水準を分割して考えていくという方法もあると思います。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょうか。
 では、城守委員、お願いいたします。
○城守委員
 ありがとうございます。
 2点ほど、コメントを述べさせていただきます。
 医療資源の少ない地域における要件等の緩和に関しては、可能な限りしていくという方向性に異論はございませんが、今期を含めて、今後、働き方改革に関連して、さまざまな要件緩和の議題が出てくると思いますので、特に専従要件ないしは常勤換算等の件に関しては、それがもともとどういう趣旨で設定をされたのかということを、今後整理をしていって、医療安全、そして、医療の質を担保するということに配慮しながら議論をしていただければと思います。
 それと、これは要望になるわけですが、75ページ、76ページのところでございますが、サポート薬局というのがございます。これは、平成24年度に改定をされて、創設された制度であるということのようですが、これとは別に、平成28年度に策定された健康サポート薬局というのがございます。これは、医薬局のほうがつくられた制度とお聞きしておりますが、その趣旨は、いわゆる国民が主体的に健康の維持増進をすることを支援するという意味での健康サポート薬局という、非常に似たようなネーミングでございまして、現場のドクターとかがわかりにくいというか、わからないという御意見もございますので、サポート薬局、こちらのほうが先なのですが、健康サポート薬局は、既に看板に表示もされているというお話もお聞きしておりますので、ネーミングもちょっと検討していただければと思いますので、これは、お願いでございます。
 以上です。
○田辺会長
 一応、在宅は、また後で議論いたしますので、とりあえず、51ページまでのところでということでお願いいたします。
 ほかにいかがでございましょうか。
 では、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 21ページのところですが、在宅療養支援診療所が、近年、おおむね横ばいということでございますが、住みなれた地域で安心して暮らし続けるための地域包括ケアの観点からも在宅医療は重要であると考えております。
 その上で、在宅医療を行う医療機関が他の医療機関との連携、情報共有や主治医としての役割をよりしっかりと果たしていく、そういった取り組みが必要と考えております。
 以上です。
○田辺会長
 ほかにいかがでございましょうか。
 では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 今、議論になっています、複数の医療機関による訪問なのですが、これは前回改定で新設されたのですけれども、我々は反対した経緯がございます。
 あくまで、これはかかりつけ医の方がしっかりと診るべきということで、違った医療機関に頼むのは、かかりつけ医としては妥当ではないということで反対したのですが、そのときに、二号側の先生たちから、どうしても疾患によっては複数の医療機関に頼らざるを得ない場合があるという意見があって、例外的な場合として、他の医療機関に頼むこともあるのだということで折れたわけなのですけれども、こうやってふたをあけてみると、23.1%が回数も理解していない、いわゆる委託先の医療機関との連携もされていないというのが明らかになったということや、例外で6カ月という縛りができたのですけれども、6カ月超というのが40%を超えているというのが、これは例外と言えるのかというところがあって、本当に例外的な場合ということで設定されたと認識しているのですが、少し違った状態になっているということがあるとわかったので、これは、やはり、しっかりとした縛り、まずは委託先の医療機関との情報連携、これを要件化するということや、あるいは期間もきっちりと縛るべき、いつまでも委託するということではなくて、期間もきっちりと縛るべきだと思いますので、意見として言わせていただきます。
 それから、論点の2つ目にあります、在支診と在支病の24時間の往診体制というところなのですが、これについては、やはり緩和するのはいかがなものかなと思っていまして、やはり、在支診、在支病の24時間の往診体制というのは、非常に重要な要素で、というのも、その対象となる患者の方は、多分、御高齢の方が多くて、急変の可能性も高い方が対象になっているのだろうというふうなことから、24時間の往診体制というのは、重要な施設基準の1つであって、安易に緩和すべきではないと思います。
 もし、これを緩和するということであれば、在支診、在支病の診療報酬上の点数も見直すべきと思いますし、もう一つは、在支診、在支病の施設基準は、前回議論しました、機能強化加算を外来でとれるようになっておりますので、もし、そういった施設基準を緩和するのであれば、これは機能強化加算とセットで見直すべきだと思います。
 あとの論点は、吉森委員がおっしゃった内容と一緒でございますが、論点以外で、ちょっと問題視しているところがありまして、在医総管、施設総管の伸び率が非常に多いというところなのですが、スライド23、24を見ても、単一建物の10人以上というところが、非常に伸びているというところで、果たして、こういった施設でどういった医療が提供されているのか、これは、我々にとっては見えない部分があるので、多分、これは検証調査で医療内容を調べられていると思いますので、どういった医療が提供されているのかというのをしっかりと検証して、場合によっては、前回適正化されたのですけれども、さらなる適正化というのも考えていいのではないかと思います。
 それから、在宅患者訪問診療料2なのですが、これはお願いなのですが、これも平成30年度で改定になりまして、併設する介護施設の入居者の場合は、点数を適正化するということで、改定前は203点だったのが、144点になったのですが、算定件数を見てみると、約6万回、これは月1回にもかかわらず、6万回という点数がなされていて、事務局に調べていただきたいのは、改定前の算定件数がどれぐらいだったのかということを見させていただいて、場合によっては、これもさらに適正化するということを考えていいのではないかと思います。
 もう一つなのですが、在医総管、施設総管の包括的支援加算なのですが、この支援加算、月1回150点ということなのですが、平成30年5月の診療分の算定件数は、月1回しか算定できないにもかかわらず、37万6867回と極めて多い算定件数になっているということなのですが、この施設基準を見てみますと、対象者の要件が算定回数の多い要因と考えています。対象者の要件が設定されているのが、要介護2以上に相当する患者とか、月4回以上の訪問看護を受ける患者等の6つの状態のいずれかに該当していればいいということになっていまして、これは算定要件としては緩過ぎるのではないかということで、対象患者の見直しについても検討していくべきだと思います。
 以上です。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 2つありまして、まず、37コマ目のところでございまして、往診を担当する医師は、当該病院の当直体制を担う医師と別であることというところの要件の関係でございますけれども、実は私の説明が少し不明確だったかと思いますけれども、この実際の運用が往診を担当する医師も、それから、当該病院の当直体制を担う病院も、医師と同様に、夜間その病院にいなければならないというような運用をなされているということもありまして、これについて、基本的には往診を担当する医師がいるということは必要だと思いますけれども、別に待機場所が病院でなくて、自宅でオンコール体制でもいい、いわゆる往診がちゃんとできるという体制さえ担保できればいいのではないかという思いもありまして、そういう言葉を記載させていただきましたが、済みません、私の説明が少し悪かったようでございまして、別に往診をしなくするということではございませんで、待機場所についてのところを明確化しては、どうかというところでの整理を提示させていただいたところでございました。
 もう一つ、在医総管、施設総管等の関係でございまして、データがありましたらということだったのでございますが、24コマ目のところでございますが、施設総管のほうで、診察の、いわゆる質を評価できるような内容というのが、実は検証調査の中には、今回含まれておりませんでしたので、いわゆる質をあらわすような部分は、集計して出すのは難しい状況でございます。何かほかにあるかどうか、少し調べた上で考えさせていただきたいと思います。
 それから、実は26コマ目の在宅訪問診療料の2でございます。有料老人ホームに入居する患者というところでございますが、これは、新たに新設されたものでございますので、前にどうだったかというところについては、済みません、データがございませんので、比較するデータというのは、持ち合わせておりませんので、その点、御了承いただきたいと思います。
○田辺会長
 どうぞ。
○幸野委員
 済みません、わかりました。24時間のところは、運用を変えるということで理解いたします。
 在医総管のものは、検証調査の中で、どのような医療行為を行ったかという設問があったような気がするのですが、あれば、そういった資料を出していただきたいと思います。
 それから、203点時の算定回数というのは、わからないのでしょうか。
○森光医療課長
 そこの部分を整理して提供させていただきたいと思いますけれども、ちょっと組みかえておりますので、1対1の関係ではないというところでございます。
○田辺会長
 では、松本委員、お願いします。
○松本委員
 1つは、先ほど幸野委員からお話がありました、33ページ目の6カ月超があるということですけれども、前回の改定で、なかなか6カ月という縛りは厳しい縛りだという議論があって、その中で、一回6カ月たってリセットして、どうしても必要な場合には、また、さらに認められると、そういう切り口になっていたと理解しております。
 したがいまして、6カ月で、なかなか治癒しない患者さんが、現場にはたくさんいらっしゃるということの裏返しであって、別に、これを6カ月で切らなければいけないということではないと思います。
 35ページ目にございますけれども、ここに先ほども少し触れましたけれども、他の医療機関に訪問診療を依頼した対象病名としてということで、皮膚疾患、褥瘡等から循環器、例えば、内科の先生でも、正直言いまして、全ての先生が循環器の非常に詳しい方ということは、なかなか難しいこともありますので、こういった心疾患について、やはり継続して訪問診療を依頼したりとか、あとは認知症とか、悪性新生物、それから、この中には脊髄損傷、神経的疾患、難病とか、いろいろございますので、こういったことをしっかりと対応していくということで、もともとかかりつけ医の先生方が、全体的にしっかり診ていきますけれども、どうしても自分では対応できない患者さんも、中にはいらっしゃるのでということのあらわれだと理解しておりますので、ここのところは、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
 それから、先ほどの医療課長のお話、37ページのところは、そのとおりだと私も理解しておりますので、オンコールということを明確にしていただきたいと思います。
 それから、28ページ目の在宅時医学総合管理料等の包括的支援加算のところですけれども、申請されたばかりで(1)から(6)の対象患者の要件ということがございますので、先ほど、この内容はどうなのだという話もありましたので、あくまで、その内容を見て、また、しっかりと検討していければと思いますし、回数が多いから云々ということではないだろうと理解をしております。
 以上です。
○田辺会長
 では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
 ありがとうございます。
 私からも、複数の医療機関の依頼についてということについて、ちょっと松本先生と違う視点で申し上げたいと思うのですけれども、幸野委員のほうから、非常にレアなケースだと思うというお話がありました。
 これは、アンケート結果を見ると、病院が13で、診療所が77件のデータなのです。
 これは、在支診というのは、一万数千件もある中で、これだけの数のデータでこういう数字が出ているということだと思います。つまり、そんなに多い話ではなくて、これが大問題だという話では、まず、ないということ。
 それから、在宅医療を、これから普通の先生方にも普及していただきたいといったときに、やはり、どうしても今までの日本の医療というのは、専門性を持ってやってこられているので、おっしゃるとおり、かかりつけ医として総合的に診療していくということは非常に大事で、私どもも、今、そういう医師を養成しようとはしておりますけれども、全ての分野について、在宅で診ている患者さんのありとあらゆる病気を診ることができるというのは、それは現実的に不可能だし、そのことが、やはり在宅医療に参加することの大きなハードルになっているということも間違いない事実です。
 したがって、自分がどうしても専門性が弱くて診ることができないものを依頼するということがあっても当たり前だし、そのことが多少長期に及ぶということもあると。そのn自体は、逆に言うと、この程度の数しかないということを御理解いただければと思います。
○田辺会長
 ほかに、いかがでございましょうか。
 よろしゅうございますでしょうか。
 では、2番目の在宅歯科医療について、ページで申し上げますと、52ページから69ページでございますけれども、この点に関しまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 では、林委員、お願いいたします。
○林委員
 ありがとうございます。
 地域包括ケアシステムの推進に向けて、日歯も在宅歯科医療の推進に力を注いでまいりました。
 結果、かかりつけ歯科医における在宅歯科医療の実施率は、年々増加していると認識してございます。
 半面、個人立が多い歯科診療所にとって、在宅療養支援歯科診療所の施設基準取得に関するマンパワー等のハードルも高く、ニーズに対応できていない一面もございます。
 また、在宅歯科医療のニーズがあっても、歯科医療機関に伝わらない現状もございます。多職種連携のさらなる方策構築と同時に、算定回数が進んでいない項目については、在宅歯科医療推進の観点からも問題点を洗い出し、解決できるよう、さらに検討いただきたく思います。
 57コマ目の資料にございますように、多くは、歯科訪問診療1を中心に実施しておりますが、歯科訪問診療2や3のみの実施や、特別の関係等で初再診での算定になっている医療機関の情報なども、今後、示していただきたく思っております。
 それを踏まえまして、69コマ目の論点の1点目でございますが、かかりつけ歯科医の患者さんが病院に入院や施設に入所したり等の移動がある中で、施設と、ある特定の在宅企業等の契約により、患者さんが望むかかりつけ歯科医が行きたくても入れないという問題もございます。
 これまでの改定でも、そのような視点を持って対応いただいておりますが、より一層強化して設計いただきたく要望いたします。
 次に、論点の2点目でございます。
 前回改定で新設されました口腔機能低下症に関する問題は、要介護者では、特にニーズが多く、現行の歯在管等の管理料を含め、より推進できる形での設計にしていただきたく思っております。御配慮のほど、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほかに、いかがでございましょうか。
 では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 69ページの論点の2つ目の口腔機能の維持向上に関して、59ページの30年改定で新設された歯科訪問診療移行加算の算定要件において、当該保険機関で通院困難になった場合に、外来を最後に受診した日から起算して、3年以内に実施した場合に限るとありますが、この3年以内という期間要件設定の根拠は、何でしょうか。教えていただきたいと思います。
○田辺会長
 では、歯科医療管理官、お願いいたします。
○小椋歯科医療管理官
 歯科医療管理官でございます。
 前回の平成30年度改定におきましては、歯科診療所にかかりつけであった患者様が、訪問診療の対象となったというようなときに、移行加算というようなものをとろうというか、そういうような設定をしたところでございまして、この3年というようなものの具体的な根拠は、特に何かあったというわけではございませんで、現場の先生方の相談の上、3年以内ということで決定しているところでございます。
○田辺会長
 では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 口腔機能の維持向上の点から言えば、継続的に外来診療をしていた人が通院困難になり、通院困難になったときから3年も経過してから訪問するのは、継続性の観点からも甚だ疑問です。在宅療養患者の口腔機能の維持向上という面から見ると、継続的な口腔ケアというのは非常に必要でありますし、3年も経過もすれば、患者さんの口腔内の状況はかなり変わるとも思います。そのため、かかりつけ歯科医の対応としての評価の優位性について、3年経ってからというのは、余りにも長過ぎると思います。
 通院困難になったのであれば、かかりつけ医としては、すぐに訪問診療に切りかえて対応するというような形にすべきだと思いますので、この要件は見直すべきと思います。
○田辺会長
 では、林委員、お願いいたします。
○林委員
 3年という期間の問題というよりは、かかりつけ歯科医が在宅歯科を推進していくという、そういった概念のもと推進していくことが重要でございまして、歯科の場合は、個人立の歯科医院が8割方を占めてございますので、マンパワー的な問題も含めて、なかなか在宅に足が出ないというか、そういうところもありますので、かかりつけ歯科医が在宅を推進するといった意味をを込めて歯科訪問診療の移行加算というものを評価していただきたいと思ってございます。
○田辺会長
 では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 私も3年というのは、長過ぎるのではないかと思います。これは、ネーミングが歯科訪問診療移行加算となっているので、多分、継続的に外来から在宅に移行した場合にも、継続的に診ているということを、評価した点数ではないかと思うのですけれども、例えば、3年たって継続的に診ているのかということが言えるのかと思っていまして、これであれば、普通の初診料と措置料で加算をつけるほどのものかということを思っていまして、もし、加算をつけるのであれば、本当に外来から在宅に継続的に診るということで1年とか、それぐらいが妥当な期間ではないかと、名前をもってしても、そういった評価がなされているので、そう思います。
 それ以外のところなのですが、これも先ほどの在医総管、施設総管と同じ考えなのですけれども、歯科訪問診療についても、施設での実施が年々増加していて、平成29年では居宅の実施を上回っている状態になっているということで、前回、見直された患者10人以上に20分未満行う歯科訪問診療料3、130点の算定回数が増加している要因となっていると考えていまして、これについても、できれば、20分以内で10人以上診るのが、どのような措置が行われているのかというのを検証して、場合によっては、さらなる適正化を図っていくという必要があるのではないかと思います。
 これは、スライド63の歯科訪問衛生指導料も同じで、単一建物診療患者10人以上の訪問歯科衛生指導料3が85%を占めている。
 一方、単一建物の患者が1人の場合の指導料1は、全体の3.7%にとどまっているといったことで、これについても、その内容を精査して、指導料3については、さらに適正化を図るべきではないかと思います。
 以上です。
○田辺会長
 ほかにいかがでございましょうか。
 よろしゅうございますでしょうか。
 では、最後のパートでございますけれども、在宅薬剤管理について、70ページから80ページまででございますけれども、この点に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
 では、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
 ありがとうございます。
 薬局による在宅薬剤管理については、73、74のスライドからわかるように、ある程度積極的に取り組んできたということは、御理解いただけると思います。
 ただ、全国に5万9000の薬局がある中で、全体として見た場合、まだまだ、その割合が低いというのも現状であります。
 薬局による在宅薬剤管理については、引き続き、より一層の推進が必要であり、その支援策として、先ほど、城守委員からも御指摘があった、スライド75、76にあるような小規模薬局同士が連携して、在宅業務に取り組むことができるための仕組みがあります。
 この仕組みを利用しているケースは、まだまだ少ないのでありますが、地域に密着した小規模の薬局同士が、その機能を発揮して連携を図っていくことは、在宅医療を推進していく上で不可欠であります。
 今後の地域包括ケアシステムの構築あるいは在宅療養の追加的な需要に対応するためにも、特に資源が乏しい地方にあっては、こういったものを推進していくことが必要であると考えます。
 今後、さらに、薬局間連携による対応の仕組みの活用をしてもらえるように、さらに検討していくことは必要だと考えております。
 また、薬局による在宅薬剤管理の実施にあっては、あらかじめ作成した訪問実施計画に従って患家を訪問しますが、その計画とは別に、緊急的な対応が求められるケースがあります。
 特に、高齢者の在宅療養にあっては、さまざまな病態の変化ということが多くありまして、そのような臨時的な対応を評価する点数として79にあるような、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料が設けられています。
 現行の要件では算定できるケースは、極めて限られているというのが現状でありまして、そういう観点から論点に従って、在宅療養に積極的に取り組んでいる薬局を評価するためにも、医師の求めによる計画外の臨時的対応については、もう少し評価をしていただけますよう、現行の要件の見直しを検討していただきたいと考えております。
 以上です。
○田辺会長
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 80ページ目の論点ですが、患家にいるのが患者さんだけで、御家族の方がいない場合に、こういった必要性があることは理解いたします。ただし、小規模薬局が連携して行う在宅業務を評価するサポート薬局制度の利用状況は、77ページを拝見しますと、約18%となっており、非常に低調だと思います。
 こういった状況で、緊急時の対応を評価しても、その恩恵にあずかることができるのは、多くの人員を配置している大手チェーン薬局だけとなってしまう可能性があります。
 評価を検討する際には、どのような薬局を評価したいのかという視点から、施設基準を検討することも必要と考えます。特に地域包括ケアシステム構築に当たって、地域での連携を推進するためにも、このような薬局間連携を評価する場合には、グループ内薬局だけで完結するということはないように、制度設計に配慮が必要だと考えます。
 なお、今回、在宅薬剤管理に関連して、厚生労働省でポリファーマシーへの対応を検討している、高齢者医薬品適正使用検討会におきましては、療養環境が変わるタイミングでの処方見直しの介入が重要であることが指摘させております。
 退院後の移行期、例えば、1カ月から半年において、より確実に病院からかかりつけ医及び薬局薬剤師に薬剤の管理を引き継ぐために、必要な患者さんには、退院後に病院薬剤師が訪問薬剤管理指導を行うことがあってもよいのではないかと考えます。
 以上です。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 ありがとうございます。
 80ページの論点、原疾患以外の疾患への対応について、資料の79ページには、緊急訪問薬剤管理指導料と訪問薬剤管理指導料の記載がありますが、両方の指導料は、原疾患以外は算定できないという理解でよろしいでしょうか。
○田辺会長
 では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 御指摘のとおりでございまして、そのような場合には、薬剤服用歴管理指導料は算定できるのですけれども、この在宅に係る点数は算定できないということでございます。
○吉森委員
 わかりました。
 それならば、論点を2つに分けなければなりません。まず、訪問薬剤管理指導料については、原疾患以外で、医師の求めに応じて臨時で対応するというのは理解できると思いますが、緊急訪問薬剤管理指導料については、原疾患の急変時で臨時的対応という条件が入っていると思いますが、これも見直すということですか。
○田辺会長
 では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 算定要件の見直し等については、中医協で御議論いただければと思いますけれども、問題意識といたしましては、現行の算定要件を前提といたしますと、今、吉森委員から御指摘がありましたとおり、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料が算定できる場合というのは、原疾患の急変とか悪化とか、そういった場合に限られているということでございます。
 それ以外に、一方で、実際の在宅医療におきましては、計画的に訪問する場合以外に、患者さんの状態の変化によって、主治医が訪問診療などを行って、それで臨時の投薬などが行われた場合に、薬局のほうで処方箋を受け付けて、お薬を持参して薬剤管理指導を行う場合があるということがございますが、現行では、その場合、薬剤服用歴管理指導料しか算定できないということでございますので、ここの部分を何らかの手当ができないかという意味での論点を挙げさせていただいたということでございます。
○田辺会長
 では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 薬剤管理指導料と緊急管理指導料の違いに関して、緊急的に急変してという点は、原疾患以外でも緊急急変はあると思いますので、そういう場合に医師の指示によって駆けつけるというのは理解できると思います。急変時というのは別に変えなくても、原疾患以外という点を見直すことは理解できますが、急変時という点も全て外して、臨時的に医師の指示によって駆けつけるという考え方でいくのであれば、緊急訪問薬剤管理指導料と薬剤管理指導料との違いは何か整理すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○田辺会長
 では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 そこは、もちろん整理が必要だと思っておりまして、例えばですけれども、現行の緊急訪問薬剤管理指導料という要件を変えないということでの対応だとすれば、仮定の話になりますけれども、そうした場合に、現行は薬剤服用歴管理指導料のみが算定できるということでございます。
 ただ、実際には、薬局の立場からすると、臨時的な処方が出て、患家にも訪問して、それで薬剤管理指導を行うということでございますので、それに対する評価として、現行の薬剤服用歴管理指導料が、例えば、53点とか、そういった点数になっていますけれども、そういった点数でよろしいのかというような観点で、今回、論点を挙げさせていただいたという次第でございます。
○田辺会長
 では、吉森委員、どうぞ。
○吉森委員
 方向性は理解しましたが、そもそも緊急訪問薬剤管理指導料で評価することができた趣旨から言えば、患者さんの急変時に駆けつけていただかないといけないという背景があり点数がつけられていていると思いますが、趣旨を見直すのであれば、点数の見直しも当然ながらやるべきと思います。
○田辺会長
 では、今村委員、お願いします。
○今村委員
 ありがとうございます。
 事務局にちょっと教えていただきたいのですが、75ページの先ほどからお話のある、小規模の薬局同士の連携という話ですけれども、薬局の規模に基準はあるのかどうかということと、それから、現在、サポート薬局というのは何件くらいあるのかということと、それから、この連携というのは、同一法人内でも可能なのかどうかということだけ、一応、3つ教えてください。
○田辺会長
 では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 現行のサポート薬局制度において、薬局に関する基準というのは、特にございません。
 それから、サポート薬局が何件あるかというようなことのデータというのは、ちょっと統計がとれるような形になっておりませんので、手元にはございません。
 あと、最後の御質問の同一グループ内でもとれるのかという話につきましては、それはとれるということになっております。
 ○今村委員
 わかりました。
 本来の趣旨、先ほどお話があったように、本当になかなか在宅に参入できない小規模の薬局同士が連携する仕組みとしてあるということであれば、やはり、そこはある程度明確にしておいたほうがいいのかなと思います。
 ただ、実態として、ほとんどできていないということですし、それから、在宅している医療機関の側に、きちんとしたそういう連携システムというのがどの程度理解されているのかというのも、まだまだ疑問ですので、そういう周知も含めて御検討をいただければと思います。
○田辺会長
 ほかにいかがでございましょうか。
 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑は、このあたりとしたいと存じます。
 次に、報告事項でございますけれども「診療報酬基本問題小委員会からの報告について」を議題といたします。
 本件については、診療報酬基本問題小委員会において議論を行ったところでございますけれども、小委員会でいただいた御意見も含めまして、事務局のほうより、説明のほうをお願いいたします。
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 報告をさせていただきます。
 基本問題小委員会のほうでは、2件の報告がございました。
 まず、技術の関係につきまして、医療技術評価分科会長の福井分科会長より、現在までの技術提案書の数、また、その評価の進め方について、途中の経過報告がございました。
 また、入院医療評価分科会のほうからは、尾形分科会長より、本年度、それから、昨年度の調査結果をまとめたもの、それから、それの分析結果につきまして御報告をいただいたという状況でございます。
 また、その際、今後、急性期の入院医療に関しましては、重症度、医療・看護必要度につきましての該当項目、基準、そして、その測定方法等について、今後議論をしたいという御意見が出されました。
 また、地域包括ケア病棟、それから、回復期リハ病棟等につきましては、実績要件等につきまして、その拡大と、その妥当性について、今後議論をしたいという御意見をいただいたところでございます。
 また、慢性期の病棟につきましての、今後の経過措置の病棟等についての見直し、それについての検討等について、今後、この総会のほうでやりたいというような御意見をいただいたところでございます。
 以上、報告をさせていただきます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 よろしゅうございますでしょうか。
 では、御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(委員首肯)
○田辺会長
 ありがとうございました。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
 本日の議題は、以上でございます。
 なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。
 どうも、御参集ありがとうございました。

 

 

 


 
 

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