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2019年10月30日 中央社会保険医療協議会 総会 第429回議事録

○日時

令和元年10月30日(水)9:29~11:48

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)
 

○出席者

田辺国昭会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 松原由美委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員 
松本吉郎委員 城守国斗委員 猪口雄二委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 半田一登専門委員
保険医療材料等専門組織小澤委員長
<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 八神審議官 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○部会・小委員会に属する委員の指名等について
○外来診療(その1)について
○調剤報酬(その2)について
○患者申出療養評価会議からの報告について


 
○田辺会長
 定刻より若干前ではございますけれども、おそろいのようでございますので、ただいまより第429回「中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、今村委員、染谷委員、岩田専門委員が御欠席でございます。
 次に、委員の交代について御報告いたします。
 平川則男委員、横地常広専門委員におかれましては、10月29日付で辞任され、後任として本日付で、佐保昌一委員、半田一登専門委員が発令されております。
 なお、委員からは、「自らが公務員であり、高い倫理観を保って行動する」旨の宣誓をいただいております。
 それでは、新しく委員となられました佐保委員より、一言御挨拶をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○佐保委員
 皆さん、おはようございます。平川の後任として委員となりました佐保でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほうをお願いいたします。
(カメラ退室)
○田辺会長
 それでは、早速でございますけれども、議事に入らせていただきます。
 初めに、委員の交代に伴いまして、部会及び小委員会に属する委員につきましても異動が生じます。
 部会、小委員会に属する委員につきましては、社会保険医療協議会令第1条第2項等の規定により、中医協の承認を経て、会長が指名することとされております。委員のお手元に、総-1として、新しい中医協の委員名簿とともに、異動のある部会及び小委員会の名簿の案をお配りしております。
 佐保委員におかれましては、前任の平川委員の所属しておりました診療報酬基本問題小委員会、調査実施小委員会、薬価専門部会、保険医療材料専門部会に所属していただきたいと思います。そのように指名することとしてよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○田辺会長
 ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 初めに、次期診療報酬改定に向けた議論として、「外来診療(その1)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
 では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
 資料総-2に従いまして御説明をさせていただきたいと思います。本日は「外来(その1)」といたしまして、(かかりつけ医機能、大病院受診時定額負担等)について、資料を用意させていただいております。
 まず、2コマ目、外来(その1)で、かかりつけ医機能に係る評価についてということでございまして、そこにありますように、かかりつけ医機能に係る経緯について、現在の算定状況等について、小児に対する診療に係る評価について、この3点について資料をまとめております。
 4コマ目をごらんいただきたいと思います。「かかりつけ医」と「かかりつけ医機能」につきまして、日本医師会と四病院団体協議会が合同提言なされている資料をつけさせていただいております。
 5コマ目、平成30年の診療報酬改定において、外来医療の今後の方向性といたしまして、外来診療の役割分担のイメージにつきまして、図のように整理をしていただいているものでございます。
 続きまして、6コマ目は、5コマ目のイメージを踏まえまして、平成30年度診療報酬改定において、かかりつけ医機能の評価を充実させる観点から、評価の新設や要件の見直し等を行ったというものでございます。
 7コマ目以降については、算定状況等について御説明をさせていただきます。
 まず、平成30年の診療報酬改定において、かかりつけ医機能を有する医療機関の評価といたしまして、機能強化加算を新設いたしました。主な施設基準のほうを見ていただきますと、次のいずれかに係る届け出を行っていることといたしまして、そこにありますように、地域包括診療加算、地域包括診療料、小児かかりつけ診療料、在宅時医学総合管理料、または施設入居時等医学総合管理料に係る届け出を行っていること。これが要件となっております。
 また、在宅時医学総合管理料、または施設入居時等医学総合管理料につきましては、在支診または在支病の届け出をあわせて行っている場合に施設基準を満たすものとなっております。
 現在の届出医療機関数及び算定回数でございますが、その下のほうについておりますとおり、病院で1,048、診療所で11793、算定回数は170万回ということが現在の算定状況となります。
 9コマ目から11コマ目は、かかりつけ医機能に係る診療報酬の現状整理といたしまして、表をつけさせていただいております。
 9コマ目にお示ししているとおり、医師の要件や緊急時の対応等について、一部共通した要件が求められております。
 10コマ目を見ていただきたいと思います。実施する取り組みや他の医療機関等との連携について整理をしたところでございます。
 11コマ目、在宅医療の提供体制や実績要件がありますものにつきましては、その実績要件等についてそれぞれお示しをしている内容でございます。
 12コマ目からは、令和元年度の検証調査の速報値でございますが、これをお示ししております。この調査は、12コマ目の下のほうに小さく書いてありまして大変恐縮ではございますけれども、これは機能強化加算の届け出のある施設と、機能強化加算の届け出のない施設につきまして、それぞれ調査をしております。また、この機能強化加算の届け出のある施設では、機能強化加算の算定患者と初診料の算定患者を対象として調査を実施してございます。そして、その患者票の集計をそこに載せているものでございます。
 12コマ目の左の図においては、届け出のある医療機関の患者では74.4%、届け出のない医療機関の患者では66.9%が「かかりつけ医を決めている」との回答が得られております。
 また、右側の図でございますが、かかりつけ医を決めている患者のうち、届け出のある医療機関の患者では87.1%、届け出のない医療機関の患者では68.1%が「調査票を受け取った医療機関がかかりつけ医である」と回答しております。
 次に、13コマ目を見ていただきたいと思います。かかりつけ医の状況についてという設問でございます。かかりつけ医を決めている患者さんに対しまして、調査票を受け取った医療機関でこれまで実施されたということをお尋ねしております。そうしますと、機能強化加算の届け出のある医療機関が上の青い棒で、ない医療機関が赤でございますけれども、「健康診断の結果等の健康管理に係る相談」「保健・福祉サービスに関する相談」「夜間・休日の問合せへの対応」を実施された者の割合が高い傾向が見えるという結果が得られております。
 また、14コマ目を見ていただきたいと思います。この機能強化加算の届け出の有無別に、他の医療機関の受診状況等の情報共有、主治医と患者さんの情報共有の状況を聞いております。そうしますと、届け出のある医療機関においては他の医療機関の受診状況、他の医療機関で処方されている薬の内容、お薬手帳の情報共有をしている割合が高い傾向でございます。また、かかりつけ医の役割について説明を受けているという患者さんの割合が高いという傾向が示されております。
 15コマ目を見ていただきたいと思います。医療機関へのかかり方に関する考え方として、生活習慣病などにより、継続的な通院が必要となった場合に、Aの、かかりつけ医としての機能を有する医師・医療機関については、その機能に対する評価として、受診した場合の費用は高くてもよいという考え方。Bの、受診したときの費用は同じがよいという考え方。この2つについてどちらがあなたの考えに当てはまるかという設問をしております。そうしますと、機能強化加算の届け出のある医療機関を受診された患者さんでは32.1%、届け出のない医療機関では27.4%がAの意見が当てはまると回答しております。
 続いて、16コマ目、医師の診察を受けた場合の加算の支払いの経験の有無について見ております。機能強化加算の届け出のある医療機関の患者では32.4%、届け出のない医療機関では26.4%が「ある」と回答しています。加算の経験の有無といいますか、これは機能強化加算を届けている場合には、要するにそれだけ意識しているかどうかということの回答なのかと思います。そうしますと、加算をされた経験のある患者さんに対しまして、どのような加算を算定されましたかということを尋ねております。そうしますと、そこにありますように算定された費用の種類、これは重複して丸印をつけてくださいということを言っておりますと、右の図のとおりとなっております。
 続きまして、17コマ目、加算を算定された経験のある患者さんに対して、費用(加算)がかかる際に望まれる対応をお尋ねしております。そうましたところ、「院内に費用についての掲示がしてあれば良い」というのが35.1%、「診療の前に事務スタッフから説明してほしい」が33.5%、「明細書の記載で十分」が22.6%、「会計時に事務スタッフから説明してほしい」が25.3%、「医師自身から費用についても説明してほしい」が7.5%という結果が得られているところでございます。
 18コマ目以降は、平成30年度検証調査の結果、主に施設調査を中心にまとめさせていただいております。
 18コマ目、下の図におきまして機能強化加算の届け出に当たり満たすことが困難な要件ということとしましては、地域包括診療加算の届け出をしていること、これが最も多いという回答を得ております。
 19コマ目は、地域包括診療料について、平成30年に変更した内容をまとめてございます。一つは、診療所の場合の常勤医師2名の配置につきましては、常勤換算2名以上の医師の配置、うち常勤医師が1名以上でよいということで要件の緩和をしております。また、あわせて、(2)にありますように、診療料1を算定する場合には、外来中心の医療機関であり、当該医療機関での外来診療を経て訪問診療に移行した患者数が10人以上であること。このような要件を設定しているということでございます。
 20コマ目は、地域包括診療加算でございます。これも同様の見直しを行っているということでございます。
 21コマ目は、地域包括診療加算の算定状況となります。届出医療機関数、算定回数ともにおおむね横ばいですが、平成29年と30年を比較いたしますと、増加をしていることがわかるかと思います。
 22コマ目は、地域包括診療料の算定状況でございまして、届出医療機関数は増加傾向でございます。また、診療所における算定回数は増加傾向にあることがわかるかと思います。
 続きまして、これは平成30年度の検証調査の結果でございますけれども、地域包括診療料及び地域包括診療加算の届け出に当たり満たすことが困難な要件として、適切な研修を終了した医師を配置していること。それから、赤で引いてありますように、24時間対応の薬局と連携していること。24時間往診等が可能な体制等を確保していること。それから、外来診療から訪問診療への移行実績などが困難な理由として挙げられておりました。
 24コマ目も以前にお示ししている資料でございますが、施設が有すると考えているかかりつけ医機能についてお尋ねをしたものでございます。
 25コマ目も以前にお示ししているものですが、これは患者側から見てかかりつけ医に求める役割について尋ねたものでございまして、1番は「どんな病気でもまずは相談に乗ってくれる」、2番目が「必要時に専門医、専門医療機関に紹介してくれる」といった機能を求めているというところがわかるかと思います。
 続きまして、26コマ目、かかりつけ医を決めている患者に対してその理由を尋ねたというものでございます。そうしますと、「どんな病気でもまずは相談に乗ってくれる」が最も多く、次に、「必要時に専門医、専門医療機関に紹介してくれる」が多いという回答になっております。
 続きまして、28コマ目以降では、小児に対する診療に係る評価についての資料をまとめております。
 平成30年度の診療報酬改定におきまして、小児かかりつけ診療料の施設基準の要件の緩和を行いました。そこにありますとおり、在宅当番医制等により地域における夜間・休日の小児科外来診療に定期的に協力する常勤小児科医が配置された医療機関について、時間外の相談対応について、地域の在宅当番医等を案内することでもよいということで緩和を行っております。
 30コマ目ですが、小児かかりつけ診療料の届出医療機関数及び算定回数は増加傾向となっていることがわかるかと思います。
 また、31コマ目、これも昨年度の検証調査の結果でございまして、小児かかりつけ診療料の届け出の理由を尋ねましたところ、「常時対応に係る算定要件が緩和されたから」が71.4%となっております。
 続きまして、32コマ目、小児のかかりつけ診療料の届け出を行っていない理由について尋ねております。そうしますと、「時間外対応加算1または2に係る届出要件を満たせないから」が最も多い回答となってございます。
 次に33コマ目は、4月10日の総会資料の再掲でございますが、0歳~19歳における全ての年齢で喘息やアトピー性皮膚炎等のアレルギー系の疾患が多く見られております。また、0歳、1~4歳、5~9歳、10~14歳と、アレルギー系が全部多いわけですが、少しずつ疾患の種類が変わってきているのが見えるかと思います。
 次に34コマ目、これも再掲の資料ではございますが、小児期においては、例えば「アレルギーマーチ」の進行ということで、これを予防するためには早期発見・早期治療のみならず、乳幼児から幼児・学童期に至るまでの継続的な管理が重要であるということでございます。
 右下の「小児かかりつけ診療料」です。「かかりつけ医として、未就学児に対して、患者の同意を得た上で、頻繁に見られる慢性疾患(アトピー性皮膚炎等)の管理や、発達段階に応じた助言・指導等、継続的かつ全人的な医療を行うことに対する評価」として、このかかりつけ診療料があることがわかるかと思います。
 35コマ目は、小児の年齢階級別の初診料・再診料等の人口当たりの算定回数を見ております。年齢が上がるごとに減少傾向になっていることがわかると思います。ここの軸の左側を見ていただきますと、1カ月当たりで何回受診するかというところでございますと、例えば3~5歳のところで見ますと、1人当たり月1回以上の算定があるというところが見えるかと思います。
 36コマ目は、10月18日の総会資料の再掲となりますが、内服抗菌薬が調剤されたレセプト件数は3歳未満で最も多く、次いで3歳以上6歳未満が多いということでございます。
 37コマ目は、小児抗菌薬適正使用支援加算の詳細となります。
 38コマ目、これも前回出させていただきました資料でございますけれども、小児かかりつけ診療料の施設基準の届け出がある施設のほうが、届け出のない施設に比べて、抗菌薬の適正使用に関する取り組みを行っている割合が高いというのが見えるかと思います。
 39コマ目は、小児かかりつけ診療料の概要となってございます。当該保険医療機関を4回以上受診した未就学児が対象となっております。また、3歳以上の患者については、3歳未満から当該診療料を算定した患者に限り算定できることになっておりまして、3歳以上の算定回数が減っている。5歳ではほぼ0に近くなるというところがわかるかと思います。
 40コマ目は、小児科外来診療料、同じように小児科の外来の点数でございます。これは3歳未満の外来患者を対象とした医学管理料となってございます。
 これを受けまして、41コマ目にかかりつけ医機能の評価として【論点】をまとめさせていただいております。
 まず、1点目、かかりつけ医機能の評価として、現行の機能強化加算及び地域包括診療料等につきまして、患者がかかりつけ医に求める機能等を踏まえ、算定要件及び施設基準等を見直すことについて、どのように考えるのか。
 2点目、小児かかりつけ診療料及び小児科外来診療料について、それらの趣旨を踏まえ、対象患者等の要件を見直すことについて、どのように考えるか。
 この2点につきまして、論点を整理させていただきました。
 42コマ目以降については、大病院受診時定額負担について資料を整理させていただいております。
 まず、43コマ目は、現状の制度の紹介でございます。保険医療機関相互間の機能の分担及び業務の連携のさらなる推進のため、平成28年度から一定規模以上の病院につきまして、大病院受診時定額負担として、定額の徴収を責務とさせていただいております。
 平成30年度の改定におきまして、対象となる病院を特定機能病院及び許可病床400床以上の地域医療支援病院に拡大してございます。
 続きまして、44コマ目からは、既に中医協で報告させていただいておりますけれども、このテーマに関する平成30年度改定の結果検証について御説明をさせていただきます。
 まず、平成30年10月の「紹介状なしの患者比率」を病院区分で比較しております。前年同月の比率との比較では、平成30年度改定より定額負担の仕組みの対象となった病院が4.4ポイント減と、最も多く比率が低下しております。
 続きまして、紹介状なしで外来受診をしました患者の割合の推移でございまして、これは病床規模別に並べてございます。
 続いて、紹介状なしで外来診療した患者の割合を病床機能別に見ましたところ、全体的に減少傾向となっておりますが、いずれの病床規模においても5割以上となっておりまして、依然として高い割合となってございます。
 次に46コマ目、紹介状なしで外来受診した患者の割合の推移を機能別に示しております。全体的に減少傾向にございますが、特定機能病院では46.3%、地域医療支援病院では61.6%と依然として高い傾向にあるのが見えるかと思います。
 47コマ目は、初診時の定額負担の導入状況と金額についてでございます。現在、定額負担の対象となっていない許可病床200~399床の地域医療支援病院においても、90%以上の病院が選定療養として特別な料金の徴収をする仕組みを導入しております。
 続きまして、48コマ目は、特定機能病院及び地域医療支援病院の数や主な要件について整理をしたものでございます。そこにありますとおり、地域医療支援病院のほうで見ていただきますと、現在の病院数が607。それから、主な要件といたしまして、「紹介率が80%以上」、または「紹介率が65%以上、かつ、逆紹介率が40%以上」、または「紹介率が50%以上、かつ、逆紹介率が70%以上」という、いずれかの要件を満たすことが要件になっております。
 また、原則として200床以上の病床、及び地域医療支援病院としてふさわしい施設を有することといったようなことが、地域医療支援病院の要件となっていることがわかるかと思います。
 49コマ目は、病床数が要件に含まれる診療報酬の項目を整理してございます。病床規模に応じた医療機関の機能等を踏まえまして、多くは400床、または200床を要件として、診療報酬項目が設定されていることがわかるかと思います。
 次に50コマ目は、紹介状なしの初診患者または他医療機関を紹介したにもかかわらず、自院を受診した患者に占める定額負担徴収対象患者の比率となっております。
 定額負担の仕組み対象病院におきまして、初診患者に占める「紹介状なしの患者」の割合は36.9%、再診患者に占める「他の病院又は診療所を紹介したにもかかわらず、自院を受診した患者」の割合は0.7%となっております。
 そのうち、定額負担の徴収対象外患者の割合は、初診では55.4%、再診では71.7%となってございます。
 51コマ目、少しグレーの色がかかってございますが、徴収を認められない患者及び徴収を求めないことができる患者の理由ということで設定しているものの一覧を、そこに提示させていただいてございます。
 52コマ目、初診時、徴収を認められない患者及び徴収を求めないことができる患者、徴収しなかった患者の事由ということで、こちらは初診時に定額負担を徴収しなかった患者の事由というものでございまして、53コマ目が、再診時に徴収しなかった患者の事由になってございます。
 ただ、この調査結果は、対象患者のいる医療機関の割合を示していますので、実際にどの理由で徴収していない患者が多いかというのは、この調査からは今のところは不明となってございます。
 こうした状況を踏まえまして、【論点】としては54コマ目に、紹介状なしの大病院受診時の定額負担の対象となる病院につきまして、平成30年度改定後の状況や診療報酬上の基準等を踏まえまして、引き続き、外来医療の機能分化を進めていく観点から、対象となる病院について、拡大することとしてはどうか。
 それから、2つ目、定額負担の徴収を行わなかった患者が一定割合存在することについて、その実態等を把握する仕組みを設けることとしてはどうかということで、論点を提示させていただきました。
 説明につきましては以上でございます。
○田辺会長
 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、以下、論点ごとに議論していきたいと存じます。
 初めに、「かかりつけ医機能に係る評価について」に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
 では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 ありがとうございます。
 41ページの【論点】の機能強化加算について、支払側の意見をまとめましたので、私が代表して発言させていただきます。
 まず、診療報酬というものは、患者みずからが受けた医療行為に対する対価ということが基本的な考え方であるということに変わりはないと思います。機能強化加算は、かかりつけ医機能を有する体制を評価するものということ、かかりつけ医を推進していくために必要であるということは百歩譲って理解いたします。
 一方、患者がかかりつけ医に求める役割というのは、25、26のスライドに、どんな病気でもまずは相談に乗ってくれる、必要なときに専門医、専門医療機関を紹介してくれる、これまでの病歴や家族背景等を把握してくれているというものであるというのが示されております。
 したがって、機能強化加算が算定される患者には、この医療機関が自分の求めるかかりつけ医として機能を有していることを理解した上で、必要なときに適切な医療を受けるということが求められるということです。
 そのような観点で現状の資料を見ていますと、例えば14ページのように、機能強化加算を届け出ているのにもかかわらず、他の医療機関の受診状況やお薬手帳を見ていない。他の医療機関で処方されている薬の内容を確認していない医療機関が一定割合存在しているという事実があります。
 また、かかりつけ医の役割さえも説明していないという医療機関が過半数存在しているということは、体制は有しているのですが、かかりつけ医としての機能を果たしているとは言い難いという事実が、この資料からは見てとれます。
 17ページのスライドでは、医師の診察を受けた場合の費用について、休日加算、時間外加算、機能強化加算等を算定された経験のある患者の33.5%が診療の前に事務スタッフから説明してほしい、25.3%が会計時に事務スタッフから説明してほしい、7.5%が医師自身から費用についても説明してほしいと、そういう対応を望んでいます。
 地域包括診療加算や地域包括診療料、小児かかりつけ診療料のように、患者の同意が算定要件とされていない機能強化加算については、例えば4ページにあります医師会、四病協の合同提言で定義されていますような、かかりつけ医の機能を有していることを院内掲示するのはもちろんのこと、診察を行う前に院内のしかるべき者が患者に文書を提示することにより、丁寧に説明を行うことを要件化すべきと提言いたします。
 医療機関が患者に丁寧な説明を行い、患者が自分の求める機能を有した医療機関であることを理解した上で、患者みずからがかかりつけ医を選択することが必要で、これによってかかりつけ医が推進されることになると考えます。
 繰り返しになりますが、体制を評価するということであれば、患者がその体制をきちんと理解して、その成果に対して支払うという仕組みをつくることが必要で、診療前の説明の要件化を提案いたします。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 まず、1つ目の「かかりつけ医機能に係る評価について」ですけれども、生涯を通じて健やかに過ごしていくために、かかりつけ医が学校医や産業医としての機能を担う中で、予防や健康づくりに努めていくことや、不幸にも病にかかられた場合には治療にあたる一方で、適宜、専門医療機関等を紹介すること。さらに、住みなれた地域で生涯を終えたいという思いに寄り添い、地域包括ケアシステムのかなめとして生活を支える体制づくりを推進していくこと。このような「防ぎ・治し・支える医療」をかかりつけ医が中心となって国民に提供していく姿こそが、人生100年時代の医療を象徴する姿であると考えています。そのため、日本医師会では、4ページ目にありますけれども、四病院団体協議会と合同提言して以降、今後のさらなる少子高齢化社会を見据えて、地域住民から信頼されるかかりつけ医の機能のあるべき姿を高めるべく、その能力を維持・向上するために、かかりつけ医機能研修制度を実施しております。受講者は既に延べ3万6000人に上り、一層の充実とさらなる普及、定着を図っている状況にあります。
 かかりつけ医機能の評価として、平成26年度の改定で地域包括診療料等が創設され、28年度改定ではこれを認知症や小児に評価を拡大し、前回改定ではかかりつけ医機能を強化した医療機関の体制を評価した機能強化加算が新設されております。
 4ページにありますけれども、日本医師会と四病協は、「かかりつけ医」を「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要なときには専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」と定義しております。機能強化加算は、まさにこの機能を強化したものであります。
 かかりつけ医機能の評価につきましては、まだ途についたばかりと理解しておりますけれども、そのような状況の中でも、今回提出された資料にあるような検証結果によって、かかりつけ医を持つことの意義が少しずつ国民に浸透してきたのではないかと感じるとともに、現場でかかりつけ医が頑張っていることがかいま見られる結果となっておりますことは、大変よろこばしいことと思っています。さらに努力をすべきとは思いますけれども、令和2年度改定においても、引き続き、かかりつけ医機能の一層の充実が図られるような対応をすべきと考えております。
 先ほど、幸野委員から、これまでにも繰り返しの御意見をいただきましたけれども、まず一つは、この体制の加算は機能強化加算以外にもたくさんの体制がございます。その体制の中で、一つ一つ、もちろんその周知を図っていかなければいけないことは当然かとは思いますけれども、それを一回一回の体制とかあるいは加算をとっている中で、全ての患者さんに診察する前にそれの全ての加算とか体制を説明していくことは、非常に難しい話でございます。
 働き方改革と言われている中でも、どのような形で国民の理解を得るかというのは非常に大きな問題だとは思いますけれども、ある意味では、保険者の方々もそういった医療機関のかかり方であったり、医療費を意識した受診行動を患者さんに促すというのは、医療機関だけで行う話ではなくて、保険者の仕事でもあると考えております。
 また、そのかかりつけ医機能に関する説明を実施し同意を得た旨を、診療録や文書に記載することも働き方改革の流れの中では少し矛盾した考え方ではないかと思います。患者さんとしても、診療とは別に説明と同意の時間がとられることに負担を感じることもあると思いますので、検討するにしても事前の周知で十分かと思いますし、今回のデータからもそういったことがかいま見られるのではないかと思っております。
 これも繰り返しになりますけれども、ハードルの高い施設要件がかかっているために、逆に医療機関はこれを10%しかとれていないという事実があります。したがいまして、決して無条件にこの機能強化加算がとられているわけではなくて、一定の往診をしたり在宅医療をしたり24時間の体制をとったり、そういうことができる医療機関のみにしかこの機能強化加算はとることができないということは、改めて発言したいと思います。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでございましょう。
 では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 かかりつけ医機能の発揮について、診療側で御努力なさって研修もなさっているのはよく理解できますし、体制としてそういうかかりつけ医機能を発揮する診療機関にかかる場合には、当然、強化加算として評価されるのだと理解しています。
 一方、患者サイドとすれば、そういう診療機関にかかることについて、かかりつけ医としての機能発揮によるメリットとしてこういうものがあるのだというのを、当然、実感できることが非常に大事だと思っています。そういう意味で、これを進めていくことについては特段の異論はないわけですが、今、おっしゃっていましたように、患者の理解度を高めるため、我々も受診行動も含めて保険者として、あらゆるチャネルを使って啓蒙活動も含めて取り組んでおりますが、アンケートにもありますように、診療の先生や信頼をしている先生に色々教えていただいて、リテラシーを高めていくのが非常に有意な行為であると思います。
 そういう意味からすれば、このかかりつけ機能強化加算においても、かかりつけ医のあり方、費用のあり方も含めて、院内掲示が要件になっていますが、院内掲示において、費用については特段触れておられません。そのため、費用も含めて院内掲示をもう一度きちんとしたものにしていただくために、事務局で、ある程度最低限の要件としてこういうものを掲示すべきだという示し方をしていただくことも必要ではないかと思っています。
 やはり患者にとって理解が一番進むのは、かかりつけ医として指定されている医療機関並びに初めてのような体制の整っている医療機関で診療を受ける際に、医療機関から説明をしっかりとしていただいて理解を深めることが一番必要ではないかと思います。今、おっしゃったように、働き方改革ということも当然、視野には入れる必要はあり、責務を果たすことと働き方改革というのをどう考えるかは非常に難しい問題ですが、果たしていただくことは当然、時間がかかってもやっていただかないといけない。この果たしていただくところにこの説明が入るのかどうかという議論をしっかりとすべきだと思います。
 直接説明は誰がするのか、医師なのか看護師なのか、はたまた病院のその他の診療にかかわる人たちなのかという整理も必要です。ただ、患者としては、かかりつけ病院、または、かかりつけ医機能の体制を有している病院できちんと説明をいただき、なおかつそれが、今、何回も疾患によってというお話もありましたが、文書で初診時にかかりつけ医機能説明をしていれば、2回目に受診される場合にはかかりつけ医機能を有した医療機関であることは理解しているわけでありますし、そういうに関することの工夫も必要ではないかと思います。
○田辺会長
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 今、吉森委員からは周知をしっかりすべきだと、患者さんの理解も促したいということですけれども、その点については基本的にはよろしいかと思いますけれども、何回も繰り返しますけれども、こういった体制とか、それから、例えば時間外の加算とか対応の加算とかたくさんの加算が医院、医療機関にはありまして、そういった事前の説明を全てやれば、患者さん一人一人に初診時に30分、40分説明しなければいけないのでしょうかという話になるのです。丁寧に説明すれば当然そうなるので、そこまで医療機関に求められているのかどうかということは、御理解を賜りたいと思います。
 しかも、機能強化加算だけを特化して今、議論されていますけれども、何回も申しましたけれども、それのみを周知徹底するというのはちょっとおかしな話ではないかと思いますし、体制を評価した点数は総合入院体制加算や後発医薬品使用体制加算など、本当にたくさんのものがあります。この加算だけは個別に周知しなければならないというのは、理屈が立たないわけで、周知するというのであれば、機能強化加算というよりも、かかりつけ医機能持っている医療機関ということを、うまくわかる形で周知するような形が望ましいのではないかと思います。
○田辺会長
 吉森委員、どうぞ。
○吉森委員
 今の御意見に賛成で、患者が行っている診療機関として、ここはこういうかかりつけ医機能として、一般的に示されているようなところをきちんと医療相談ができ、専門医も紹介できるという点がまずは大事であって、例えばそれぞれの診療料をとる場合には、それぞれの診療料の要件としていろいろ説明をするとか、どうこうするとかというのは、個別に条件として入っているはずでありますから、そこで責務を果たされるのだろうと思います。機能強化加算を算定している医療機関に患者が来たときには、かかりつけ医機能はこのようなものだという説明をすればまずはよく、その上で患者がどうするのかということなのだろうと思いますし、その意味で、初診で機能強化加算もプラスされるなら、役に立つわけであります。
 例えばそういう体制のところに風邪引きで行って、初診のために機能強化加算をとられるケースがあるのなら、かかりつけ医機能はこういうことなのでここの体制としてこういうことをやっているので、ぜひ今後も理解をしてかかりつけ医として使ってくださいというお話になるのかなと思います。
○田辺会長
 では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 松本委員は体制加算というのがたくさんあり、これだけではないといつもおっしゃるのですけれども、この機能強化加算は意味がちょっと違うと思うのです。機能強化加算というのは、いわゆるかかりつけ医機能を持っていて、ここの病院をあなたがかかりつけ医として決めるとこんなにいいことがありますよと、こんなこともしてもらえますよということを説明するわけです。
 この14ページの資料にもありますとおり、かかりつけ医の役割に対する説明もしていないというところが、説明を受けた自覚をしていないというのも含めると半数を超えているのですが、これは、せっかくその機能を持っているのに、そういうことを知らずに患者は帰っていって加算をとられているわけで、もしかしたら説明を聞いて、こういったときにこの先生はこういったことをしてくれるんだ、では、自分のかかりつけ医にしようという意思決定をするかもしれない。それなのに、その説明を受けていないからその患者は知らずにかかりつけ医を選択しないということも、もしかしたらあり得るかもしれないので、かかりつけ医を推進していくためには、こういったことをきっちりと説明して、この医療機関はこういう機能を持っています、あなたにとってこういうメリットがありますということを説明した上でかかってもらうと、その人がかかりつけ医になるかもしれない。それがすなわちかかりつけ医を推進していくことにもつながるということで、ほかの総合入院体制加算とか後発医薬品使用体制加算とかとは趣旨がちょっと違う、それとは同一には語れないと思います。
○田辺会長
 では、松浦委員、お願いいたします。
○松浦委員
 ありがとうございます。
 先ほど、松本委員からお話があったことは大賛成です。松本委員がおっしゃるとおりだと思います。ただ、多くの機能強化加算があるにしても、患者の立場からすると、かかりつけ医を決めていくのに、どういうかかりつけ医の機能があって、かかりつけ医として決めた先生が何をしてくれるのか。それに対してどれだけの対価を払わなければいけないのかというのは、少なくとも松本先生が説明に時間がかかるというお話がありましたけれども、最低限、誰が説明をするかというのを決めるわけではなくて、掲示よりも紙で提示をされたり誰かが説明をしてくれて、それに納得して初めて患者はかかりつけ医を決められるのだろうと思いますし、それがあるべきだと思うので、少なくとも患者が選ぶに当たって、かかりつけ医に対する機能であったり払う対価、払う金額というものは説明をしてもらわないと、患者としてはちょっと困るのかなと。選びづらいのかなという気はします。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 では、城守委員、お願いいたします。
○城守委員
 ありがとうございます。
 先ほどから、この機能強化加算だけはほかの体制加算とは異なるというお話でございますが、保険者の方々はよく御存じのこととは思いますけれども、基本的にはその医療というのは、自分が受けた医療行為に対しての対価としての、個別の診療報酬とは別に、それぞれの医療機関が体制をしっかりと整えているということに対して、それだけのコストがかかっているので、そこを評価しようという体制加算という2つがあるわけです。総合入院体制加算とかほかの体制加算とかかりつけ機能強化加算、この機能強化加算の機能強化というのは、かかりつけ医機能を強化する加算ですから、そういう意味においてはほかの体制加算と何も変わるところはないというのが、まず基本的な認識として持っていただきたいと思います。
 その中において、この機能強化加算が受診をする初診の方なんかにはわかりにくい、見えにくいということに関して、丁寧な説明が必要なのではないかというお話でございますが、例えば医療機関でかかりつけ医機能がありますよという掲示をするぐらいなら、恐らくみんな見られると思うのですけれども、それぞれに対応する加算であるとか、点数であるとかを掲示せよということになると非常に煩雑になりますし、利用される患者さんたちはそれを果たして見られるのかどうかいうことも現実問題としてございます。
 その説明に関しても、これは松本委員のお話の繰り返しになりますが、それを一つ一つ説明するということになると、現実問題としては診療が恐らく立ち行かなくなるぐらいの時間が必要になるということにもつながります。本来、医療費を意識した受診行動と、医療機関のかかり方に関して、先ほど、誰が説明をするのかというお話がございましたが、これは基本は保険者の方のお仕事です。ですから、保険者の方がしっかりと周知をしていただいて、それに基づいてかかりつけ医機能を持っている医療機関であるという表示等を今後していくということはよろしかろうと思いますが、それ以上を医療機関に求められるということは、私は筋が違うのではないかと思います。
○田辺会長
 では、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
 ありがとうございます。
 かかりつけ医のことで、機能強化加算というのはかかりつけ医機能を強化するものであることは理解していますけれども、これが14ページにあるように、それについての説明がなされて、届け出をしているのに説明していない医療機関が多いというのは非常にびっくりしました。さらに言うと、強化加算をしている医療機関でありながらお薬手帳を見ていないとか、ほかの医療機関で処方されている薬について把握していないとか、ましてやほかの医療機関での受診状況です。受診状況というのは当然、その検査結果とかそういうものも含めているわけですから、それについても3割ぐらいが内容を把握していない、情報共有していないというのは、これはあり得ないのではないかと思います。
 基本的にかかりつけ医というのは、多くの患者は昔から通っている地域の医院でよく知っている、もっと言えば親の代からとか、おじいちゃんやおばあちゃんの代から診てもらっているというところなのかと思いますけれども、そこだったらずっと家族の病歴も含めて把握していただいているということはあると思うのです。初めて行くような病院で、かかりつけ医としてここにこれから通っていこうと考えたときには、いろいろ手厚く診ていただける医院のほうがいいわけであって、その機能が果たせていないような状態にあるように思いますので、これは非常に問題でありますし、それをお知らせしていないということは問題だと思いますので、院内に掲示するというだけではなくて、直接説明をしてもらうのが大事だと思います。
 働き方改革の話が出てきましたけれども、患者への丁寧な説明が、働き方改革を考えることによってこれを手厚くしなくていいという話はない話であって、働き方改革はもうちょっと別の部分でやるべきだと思います。夜間、休日の加算とかも説明する必要がないみたいな話がありましたけれども、今はATMなんかに行ったって、今の時間帯はお金がかかりますよということが出ますので、そのあたりは患者にわかりやすくお知らせする必要があるのではないかと思います。
 もちろん、その患者自身が自分が病院にかかるに当たって、どういう病院にかかるのかとかどういう先生にかかりたいのかということを前もって考えて、その上で、自分でもいろいろなことを調べて医療機関を選ぶことができるような情報を出しておくことが大事かと思います。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 先ほど来、14ページ目の資料についてちょっと誤解があるように私は思うのです。これをよく読んでいただければわかりますけれども、患者さんが受診状況について聞いているとか聞いていないというのではなくて、患者さん側が伝えているか伝えていないかというデータなのです。
 それから、2番目の処方されている薬の内容についても、患者さんが伝えているか伝えていないかという視点で書かれていますので、別にこれは見ていないとかそういうことではないです。
 3番目のお薬手帳も、患者さんが見せているか見せていないかで、あえて見せない患者さんもたくさんいらっしゃるのです。そういうこともたくさんあるので、これは見ているか見ていないかという問いではないので、そこはかなり誤解があるのではないかと思います。
 それから、かかりつけ医の説明について今、周知しておりますけれども、このところは本当にもっと考えるべきであって、先ほどから本当に何回も言っていますけれども、かかりつけ医機能を説明しようと思ったら何十分かかるのか。我々の本来の、患者さんを診察させていただいて診断をして治療をするという行為が、本当に阻害されるぐらいの仕事量になってしまうことがあるということは御理解を賜りたいと思いますし、院内掲示も全ての加算とか体制加算をもし掲示するとなったら、これははっきり言って、診察室とか医院中に張っても間に合わないです。それを医院に全部求めるということなのでしょうか。
○田辺会長
 では、宮近委員、お願いいたします。
○宮近委員
 かかりつけ医制度を、地域包括ケアシステムの要としてより普及させて機能させていくということは、今後ますます必要になっていくと思います。そういった観点から、患者としての見方を話させていただきますと、かかりつけ医機能を果たす医療機関であるということを掲示等でわかりやすく示してほしいと思います。それは2号側委員のおっしゃるように、複雑なことをいろいろ並べるということではなくて掲示の仕方を工夫していただくということです。機能強化加算は前回改定で新たに入ったものですので、今後の普及のことも考えながら、病院、診療所がかかりつけ医機能を持っているということを示していただければ、患者としては非常にありがたいということです。
 それから、かかりつけ医というものがどのような役割を果たしているかについては、患者サイドの責任もあるし、保険者の責任もあるのでしょうけれども、現実的にはまだ十分に周知されておりませんので、患者に対して書面等でわかりやすく説明していただくことが重要です。誰が説明するかという議論もありますけれども、先生方が10分も20分もかけて説明するということは、診療行為の阻害につながりますので本来あってはいけないことでしょうから、周知の仕方をどうするかは、書面にしてもらうことが非常にわかりやすいし、それに口添えしていただくともっとわかりやすくなります。決して医療機関の負担になることを求めるということではなくて、周知が進むような形で進めていただきたいと思います。我々は例えば予防接種をしたら医療機関から書面をいただいて、今晩はこういうことはやめてくださいといった注意事項もいただきます。それとは次元が違うかもしれませんけれども、書面でいただくと患者としてもきちんと読みます。こういった周知方法について工夫をしながら、かかりつけ医制度が少しずつ普及していって、かかりつけ医が地域包括ケアシステムの要として機能するような形に持っていきたいということです。
 以上です。
○田辺会長
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 宮近委員、本当にありがとうございます。
 冒頭の宮近委員の発言には、診療側としては非常にほっとしましたけれども、かかりつけ医機能ということで、ある程度周知をしていくということに関しましては非常にいいことかと思いますけれども、もともと18ページ目に書かれてある施設基準の中に、地域におけるかかりつけ医機能として云々ということで、見やすい場所に掲示していることはもともと要件になっております。これについては、今後の工夫がさらに必要という御意見だろうと思っておりますので、掲示していることは掲示しております。今後、そういった御意見も賜りながら、また、かかりつけ医機能の強化をどうやって患者さんに周知していくかというのが、これは国の責務でもあるし、保険者の責務でもあるし、また、我々医療機関の責務であるということは理解しておりますしそうあるべきだと思っています。かかりつけ医の強化についてはまだ途についたばかりということでありますので、今回の資料結果を参考にして、しっかりと取り組んでいくべきだということについては賛同いたします。
○田辺会長
 後半の小児の医療の部分が誰も言及されておりませんので、そちらも含めてお願いいたします。
 では、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
 14ページのデータの件ですけれども、これは患者のほうが見せていないとかというのは、我々もここに書いてありますから理解していますけれども、これは医療者からお薬手帳を見せてと言われているのに見せていないという話ではなくて、見せてと言われれば見せるのではないかと思いますし、データの検査結果とかそういうものも見せてくださいと言われれば見せるのではないかと思うのです。ですから、患者側から見せるかどうかというこのデータ自体が、これは出し方がおかしいのではないかと思います。そういうふうに思いました。
 以上です。
○田辺会長
 では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 機能強化加算についてもう一点だけ。
 一つは、この算定状況が示されているのですけれども、6月審査分で178万件算定されているということで、6月審査分ということは5月診療分ということだと思いますが、5月はゴールデンウイークがあってかなり診療日数が少ない月にもかかわらずこういった算定がなされているということで、医療費に対する影響も懸念しております。ということで、これは30年5月診療分なのですけれども、直近のデータを、まずは次回にこれを議論するときにお示しいただきたいということを事務局にお願いします。
 それから、現行の施設基準の妥当性を判断する観点から、どういったところが算定しているかというところです。診療所、病院、在支診・在支病の区分別にどういったところが算定しているのかという内訳についてもデータを示していただきたい。その上で、また議論を継続していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いします。
○森光医療課長
 今すぐに全てのデータがそろうかどうかはお答えできませんけれども、できる限り資料はそろえてお出しをさせていただきたいと思います。
○田辺会長
 ほか、いかがでしょうか。
 では、松本委員、お願いします。
○松本委員
 では、2つ目の論点ということでよろしいでしょうか。
○田辺会長
 はい。
○松本委員
 前々回の改定で、3歳未満という限定した形で創設し、前回に要件を見直し、一層の普及を目指した小児かかりつけ診療料ですけれども、抗菌薬の適正使用など一定の効果が見られたことから、急性期への対応やアトピー性皮膚炎、喘息その他、未就学期に頻繁に見られる慢性疾患に対応するため対象年齢を拡大するなど、小児科外来診療料もあわせて、引き続き、拡大する方向で検討するべきと考えております。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでございましょう。
 では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 小児のかかりつけの年齢の拡大ということなのですが、これには違和感がある。アレルギーマーチのところの資料を見てみますと、大体3歳未満ぐらいから診ていく必要があって、小児のかかりつけ診療料は3歳未満から診ていると未就学までとれるとなっている。このアレルギーマーチは大体2歳、3歳ぐらいに始まってきているというところを見ると、もうこの時点から診ている段階で全てカバーできるのではないかと思っている。この34ページのアレルギーマーチのグラフを見て、今の要件を拡大していく必要があるのかと思うのですが、その辺はついて事務局はいかがでしょうか。
○田辺会長
 医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 34コマ目については、アレルギーマーチのことを示させていただいておりますが、その資料と、小児かかりつけ診療料の算定の39コマ目を見ていただければと思います。「年齢別小児かかりつけ診療料算定回数」というところでございます。これは2歳未満の患者さんについては算定、いわゆるそこから発症した人はそこで4回以上通えばここでずっと見ていただくということになるわけですが、3歳から4歳、5歳に関してはぐっと減っております。
 ただ、通院の理由ですとかそういうところを見ていただきますと、1歳から5歳近くまで、喘息ですとか、そういうアトピー性皮膚炎という患者さんが通っていらっしゃるという状況は見えるということからすると、今、実際に33コマ目に示している通院されている患者の受診の理由、実際に通っていらっしゃるというこのデータと、小児かかりつけ診療料が5歳ではほとんど0になっているというのは少しおかしいのではないかと、とれていないのではないかと、継続して診療ができていないのではないかというところは見える可能性があると思います。
○田辺会長
 よろしゅうございますか。
○幸野委員
 はい。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょう。
 では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 ありがとうございます。
 小児期における継続的な介入の重要性という視点から、6歳未満に係るいろいろなデータを見て、先述の抗菌薬の使用のお話も当然、関係性があるということからすれば、現在、3歳で区切っているところはもう少し拡大してもいいのかというのは、理解できるところだと思います。
 もう一つ、継続性という論点でいけば学童期。学童期まで広げることについてどう考えるのかという議論も、一定はしておく必要があるのではないかと思います。15歳未満というところです。それについては、かかりつけは今のところ3歳までにかかっているという要件が入っていますけれども、その辺の場をどう考えるかとかも含めて、もう少し丁寧な議論をする必要があるのではないかと思います。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
 では、次に「大病院受診時定額負担について」に関しまして、御意見等がございましたらよろしくお願いいたします。
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 54コマ目の1つ目の【論点】についてですけれども、地域に密着した診療所や中小病院はかかりつけ医機能を有しており果たしておりますし、先ほどの議題にもありましたが、国民の理解も深まってきております。早期診断、早期治療は医療の鉄則であり、患者さんのフリーアクセスはしっかりと守らなくてはいけません。
 一方、専門的な医療機能を担う大学病院を初めとする大病院は、既に5,000円以上、2,500円以上という選定療養によってフリーアクセスに一定のハードルを設けております。外来機能の分化・連携をさらに深めるためには、再診時の定額負担の実行性を担保することと、対象医療機関のさらなる拡大を検討する必要はあると考えています。
 なお、この点に関連して、かつて民主党政権時代に議論され廃案となった、選定療養の定額負担に加えてさらに患者負担を求める外来受診時定額負担の導入は、公的医療保険で患者さんに最大でも3割までしか負担を求めないとしてきたこれまでの原則を破って負担を求めていくものであり、容認できないと考えています。定額負担導入により患者さんのアクセスを阻害することや、医療費が上昇する部分を患者負担で賄う仕組みを入れるようなことはあってはならないと考えています。公的医療保険は相互に助け合うのが基本理念であり、共助に基づかなくてはなりません。
 受診時定額負担は財政論でしかなく、財政論に基づくリスクに応じた保険理論と社会保障としての国民皆保険とは違うものであると考えています。財政的に支えられないからといってルールを変えて患者に負担を求めることは、社会保障としての国民皆保険の理念に反するということを改めて述べたいと思います。
 2つ目の【論点】にある実態を把握する仕組みを設けることにつきましては賛成いたします。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでございましょう。
 では、猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
 この定額負担が実態としてどれぐらい徴収されているのか。例えば病院の立場でいうと、前は500床以上の一般病院だったのが、前回に400床の許可病床です。そうすると、許可病床となると、例えば余りこの機能分化とは似つかわしくない療養病床とか精神病床も入ってきていますので、どのような病床数の割合で今、これが認められているのか。
 そして、機能分化というふうに意味するところだと、私は一般病床のほうがいいのかと思いますけれども、そこら辺の影響がどれぐらい出るかというのが、どうもいま一つはっきりわからないので、さらにそのデータをお願いしたいということです。
 それから、もう一つは地域によっても、実は本当にこの病院しかなくて、周りの医療機関がとても少ない地域ではかからざるを得ないということもありますので、とらなくてもよいという要件をもう少しきちんと広げる必要があるのかなと。その地域によってはということにはなりますけれども、そこら辺のことのデータをもう少し出していかないと、これをどういうふうにしていけばいいかということがはっきりとはわからないという気がしますので、データを一つよろしくお願いしたいと思います。
○田辺会長
 では、林委員、お願いいたします。
○林委員
 ありがとうございます。
 事務局へのお願いなのですけれども、51コマ目でございます。「金額の支払を求めないことができる」のところの2で「医科と歯科との間で院内紹介された患者」とございます。病院内の周術期等における医科歯科連携の足かせにならないように、この項目をしっかりと担保していっていただきたいと思ってございます。よろしくお願いいたします。
○田辺会長
 では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 論点の、紹介状なしの大病院定額負担については、外来医療の機能分化を推進するために拡大すべきと思います。200床以上に拡大すべきというのは、従来から主張しておりましたが、今は400床以上なのですが、患者の受療行動が余り変わっていないというデータも示されておりますので、患者の受療行動を変えることは、まさにこれは医師の働き方改革にもつながることで、こういったことをまずはやっていくべきだと思いますので、定額受診については200床以上の地域支援病院に拡大すべきと考えます。あわせて、大病院の外来医療の機能分化を推進するために、患者の受診時の定額負担を徴収する仕組みについて、上手な医療のかかり方ということを医師の働き方改革に捉まえて、保険者としても患者の受療行動を変えるために普及啓発に努力していく所存です。
 一方で、初診で紹介状なしの患者が36.9%で、このうち55.4%の患者が対象外となっているということなのですが、そういう病院に対しては調べていくということなのですけれども、例えばその理由を地方厚生局にも定期的に報告する等の仕組みをつくって、その結果をもってどうしていくのかという対策を考えていくべきだと思います。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。
 では、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 先ほど、猪口委員からも御発言がありましたが、51コマ目の「金額の支払を求めないことができる」の6です。「地域に他に当該診療科を標榜する保険医療機関がなく」といったところでありますが、これは地方においてはそういった地域というのは当然のことながらありますので、医療機関が限られているという地域では必要なものであり、これは今回の論点としては見直すという形ではないと私は把握しているのですが、もし見直すといったことがあったとしても、地域の実情を踏まえて慎重に検討していただきたいと思っております。
 以上です。
○田辺会長
 では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 論点の2つ目の仕組みの話ですけれども、51ページの、支払いを求めないことができるケースとして1から10までありますけれども、1の「自施設の他の診療科を受診している患者」というものについては、この機能分担の背景からすると、患者の疾患の内容、状態にもよりますが、こういう取扱いが適切なのかどうか、その実態がどうなのか。こういう項目には違和感を若干持っているわけでございます。
 また、10の「その他、保険医療機関が当該保険医療機関を直接受診する必要性を特に認めた患者」、これも具体的にどのような患者が対象外になっているのか、実態把握が必要であり、それに応じて今後見直していくということで、実態把握のための仕組みを設けることには賛成します。ただ、どういう仕組みなのかがイメージできていないので、もし具体的なイメージを今、お持ちであるならば、事務局から教えていただければと思います。
 いずれにしましても言いたいことは、実態等を確実にきちんと把握できるような実行性のある仕組みをお願いしたいと思います。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 具体的にと言いますと難しいところがありますが、今のところ考えられる方法としては、例えば今の7月1日の報告というのは各医療機関に求めておりますので、その際にあわせて報告をいただくですとか、これの細部がわかるような検証調査を組むですとか、幾つかの方法があるかと思います。ただ、おっしゃるとおり、現場の負担等が生じる可能性がありますので、それについては配慮した形でやらせていただきたいと考えております。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょう。
 では、島委員、お願いいたします。
○島委員
 ありがとうございます。
 48コマ目にありますように、今、定額負担を求められているのは、特定機能病院と400床以上の地域医療支援病院に限られております。ここにありますように、地域医療支援病院の性格、その認定の内容から考えれば、ここに関しては定額負担を広げることもいいのではなかろうかと思います。ただ、何床以上だったらいいのかというのは、ゆっくり議論しなくてはいけないところだろうと思いますけれども、地域医療支援病院についての拡大は考えてもいいのではないかと思っております。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでございましょう。
 では、休憩をとらずに、引き続きよろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○田辺会長
 では、次に、次期診療報酬改定に向けた議論といたしまして、「調剤報酬(その2)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
 では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 資料総-3をお開きください。「調剤報酬(その2)」です。
 2コマ目、議題を3つ用意しております。
 1つ目は、調剤料の2回目ということで、前回は、薬局における薬剤師の業務という観点で議論いただきましたけれども、今回は、医療機関における薬剤師の業務及び医療機関と薬局の比較という視点での検討をお願いしたいと思います。
 2つ目が、調剤基本料の1回目です。
 3つ目が、地域支援体制加算ということでございます。
 それでは、4コマ目をごらんください。これは9月25日にもお示しした資料でございますが、医療機関及び薬局の施設数、薬剤師数、処方箋発行枚数をまとめたものでございます。薬局では、約5.9万施設に約17万人の薬剤師が従事していて、一方、病院では、約8,400施設に約5.2万人の薬剤師が従事。また、診療所では、約10.1万施設に約5,900人の薬剤師が従事しているという状況でございます。
 また、処方箋の発行元を確認しますと、診療所が約8割を占めているという状況でございます。
 5コマ目、病院の薬剤師の業務と役割につきましては、平成19年に医政局で取りまとめられました「病院における薬剤師の業務及び人員配置に関する検討会報告書」の中で詳しく述べられております。ここに書いてございますとおり、「(1)医療・薬物治療の安全確保と質の向上のための業務」を中心に、「(2)医療の安全確保のための情報に関する業務」「(3)その他取組むべき業務」とまとめられております。
 (1)の部分で具体的な事例を申し上げますと、例えば○2の「患者情報に基づく服薬指導と薬学的ケアの実施(病棟における医薬品関連業務への参画)」、それから、○5の「がん化学療法への参画」ですとか、○9にありますとおり、「チーム医療への参画による安全性の確保と質の向上」といったところが業務としてまとめられているということでございます。
 6コマ目をごらんください。こちらの左側の図は、外来医療の役割分担のイメージということで何度もお出ししているものでございますけれども、これに、医療機関及び薬局における薬剤師の関わりを右側に記載したものでございます。今、御説明した検討会報告書を踏まえますと、例えば入院のところに関していうと、医療機関の薬剤師は、病棟における医薬品関連業務への参画ですとか、チーム医療への参画などが求められる。また、専門化していくべき外来ですと、例えば、がん化学療法への参画とか、抗がん剤の無菌調製、そういった役割が求められていることになろうかと思います。
 一方、薬局につきましては、当然、かかりつけ薬剤師・薬局、在宅薬剤管理指導の機能の強化、診療所の医師等との連携ということです。
 そのほか、入退院時やがん化学療法等において、医療機関の薬剤師と連携、こういった役割が求められるのではないかと整理させていただきました。
 7コマ目、病院薬剤師の業務時間の分布状況を、厚生労働科学研究の中でまとめたデータでございます。病院薬剤師の業務時間数(100床あたり)の割合でございますけれども、左側に円グラフがございますが、オレンジ色の部分の病棟薬剤業務が36%、入院調剤業務が32%で、合わせて7割ほどを占めているということでございます。
 一方、外来の調剤業務は、円グラフで言うと青塗りにしている部分でございますけれども、14%といった割合になっているということでございます。
 続きまして、8コマ目、医療機関の薬剤師の調剤、服薬指導、病棟業務等の評価の経緯ということで、昭和61年以降の分の経緯をまとめております。ちょっとビジーなスライドですけれども、見方としては、まずは外来と入院に分けていること。それから、調剤業務と病棟業務に分けて点数がどういう形で評価が推移しているかを記載してございます。例えば入院のところの調剤業務で言うと、調剤技術基本料というのが赤枠で昭和61年のときには月15点というのがございましたけれども、昭和63年のときに入院患者に対する薬剤師の服薬指導、月100点というものが調剤技術基本料の枠内で評価されたということでございます。
 その後、平成4年には月400点に評価が引き上げられておりまして、平成6年には投薬の項から指導管理等の項に変更されて、名称も薬剤管理指導料と推移していることがおわかりいただけるかと思います。
 一方、外来における調剤業務に関して言いますと、昭和63年の時点では例えば内服薬等につきましては、1剤1日当たり1点という点数でございましたけれども、平成2年の段階で内服薬等については1回当たり4点という形で評価が組みかえられたことがおわかりいただけるかと思います。
 9コマ目に移っていただければと思います。その後、平成10年、12年度診療報酬改定時に、外来の調剤料のところをごらんいただきますと、平成10年に内服薬等は1回7点、平成12年には1回当たり9点という形で評価が引き上げられております。
 あわせて、病棟業務のほうをごらんいただきますと、薬剤管理指導料につきまして、平成8年、10年、12年度診療報酬改定時に、1回当たりの点数の評価の引き上げ、あるいは月に算定できる回数の増加など、評価が引き上げられているという状況でございます。
 続きまして、10コマ目、平成19年以降でございますけれども、引き続き、薬剤管理指導料の評価の引き上げが行われたとともに、平成24年の診療報酬改定時には病棟薬剤業務実施加算も新設されているということでございます。
 一方、調剤業務に関して言いますと、調剤料の内服薬の点数につきましては平成12年以降の変更はございませんけれども、無菌製剤処理料が平成20年度に創設され、また、22年、24年度改定におきましては、抗悪性腫瘍剤の無菌製剤処理に関する評価が引き上げられているという状況でございます。
 11コマ目、平成26年以降で見ますと、引き続き、抗悪性腫瘍剤の評価や病棟業務の評価の拡充などが行われているといった状況にございます。
 続いて、12コマ目、院内処方と院外処方における調剤料等の比較ということで取りまとめております。まず、「調剤に関する基本料」としては、薬局では調剤基本料、医療機関では調剤技術基本料がそれぞれ設定されているところでございます。
 一方、薬局の基本料の点数の下に少し記載がございますとおり、薬局の調剤基本料の場合には、医薬品備蓄とか調剤用機器等の経費など薬局の運営維持費も評価しているといった意味合いがございます。
 一方、入院、医療機関の基本料については、例えば、薬剤師が常時勤務する場合のみ算定可能といったような違いがございます。
 あわせて、医療機関におきましては、診療に当たっての基本的な医療の提供に必要な設備や従事者の人件費等を評価する入院基本料、初診料/再診料が別途設定されているという状況でございます。
 次に、「調剤料」に着目してみますと、外来時におきましては、薬局の調剤に比べて院内の調剤の点数は低く設定されているという状況でございます。
 また、院内での中での比較でいきますと、外来時の院内調剤というのは入院時の院内調剤の場合と比べて低く設定されているということでございます。それをグラフに示したのが下のグラフということでございます。
 続きまして、13コマ目は参考資料ということにはなりますけれども、院内処方と院外処方のコスト差ということについては、平成29年の行政事業レビューの際に事務局から提出された資料をお付けしております。社会医療診療行為別統計の平均的な点数ということでまとめたものでございますけれども、薬剤1処方の平均的な技術料ということで、薬剤料6,360円当たりということで、オレンジ色で書いてあるところが薬局の調剤報酬に係る部分ということでございまして、トータルで見ますと、その技術料に関しては、院内処方に対して院外処方は3倍程度高いといったような指摘もされているということでございます。
 14コマ目は、医療機関における調剤料等の算定回数でございます。
 まず、病院における調剤料の算定回数は、1月当たり外来で約450万回、入院で約1800万回、やはり入院のほうが多いという状況でございます。
 診療所における調剤料の算定回数につきましては、1月当たり外来で約2000万回、入院で約70万回あったということ。また、診療所におきましては、薬剤師が少ないことなどから、調剤技術基本料の算定回数が、処方料の算定回数に比べて約10分の1になっているという状況でございます。
 参考までに15コマ目には、医療機関における薬剤師の対人業務に係る主な報酬を掲載してございます。
 また、16コマ目におきましては、例えばその中でも薬剤管理指導料及び病棟薬剤業務実施加算の届出施設割合を見ますと、病床数が少ない施設で小さいことがデータとして出ているということでございます。
 また、17コマ目には、薬局における薬剤師の対人業務に関する主な報酬も参考までにお示ししております。
 続きまして、18コマ目からは、調剤基本料に関してでございます。
 19コマ目をごらんください。こちらが10月の消費税引き上げに伴う改定を踏まえた現在の調剤基本料の点数でございます。調剤基本料1、2、それから、3のイ、ロとございまして、また、いわゆる敷地内薬局で要件を満たす場合の特別調剤基本料ということで11点というものも設けているということでございます。
 20コマ目、調剤基本料の見直しにつきましては、特に平成28年度と30年度の改定におきまして、医薬品の備蓄等の効率性や収益状況等を踏まえて、いわゆる門前薬局や大型チェーン薬局で引き下げを行ってきているという状況でございます。
 例えば左下の図をごらんいただければと思いますけれども、処方箋の受付回数が横軸、処方箋の集中率を縦軸にとっておりますけれども、もともとあった調剤基本料2という25点の水色の部分につきまして、平成28年度改定では処方箋受付回数2,500回超を2,000回超に拡大しています。また、平成30年度改定におきましては、この集中率の部分を90%超から85%超に、対象を下のほうに拡大しているということでございます。
 また、右側でございますけれども、(2)大型チェーン薬局ということで、まずは平成28年度改定で初めて導入された調剤基本料3というものでございますけれども、この際は、グループ内での処方箋受付回数が月4万回超かつ集中率95%超の場合に20点という点数を設けておりましたけれども、30年度改定におきましてはまずは集中率を95%超から85%超に下のほうに拡大したということです。さらに、グループ全体の処方箋受付回数が40万回超という新たな区分を設けまして、こちらは調剤基本料3のロということで15点という形で設定を行ったということでございます。
 そのほか、表の右側にありますとおり、いわゆる敷地内薬局に対する特別調剤基本料も設定したということでございます。
 21コマ目、薬局経営の効率性と薬局の機能(体制)を踏まえた調剤基本料の設定ということで、調剤基本料の考え方を説明しております。基本的に調剤基本料は医薬品の備蓄等の体制整備に関する経費を評価したものでございまして、その区分につきましては、これまでは薬局経営の「効率性」を踏まえて設定してきているところでございます。
 例えば左側をごらんいただきますと、集中率が高いということであると、医薬品の備蓄種類数が少なくて済む、あるいは薬局単位での処方箋の受付回数が多いとか、グループ単位での処方箋受付回数が多いということでありますと、規模が大きいことによる経営上のメリットがあるといったようなことから、医療経済実態調査等のデータを踏まえ、「効率性の視点」で調剤基本料の区分を設定しているということでございます。
 一方、調剤基本料の加算の一つとして、一定の機能、体制を有する薬局を評価する地域支援体制加算がございます。こちらの考え方につきましては、基本的には右側でございますけれども、かかりつけ薬剤師が機能を発揮し、地域包括ケアシステムの中で地域医療に貢献する薬局を評価するという考え方でございまして、一定の基準を満たす薬局は算定が可能としておりますけれども、これが現時点では、調剤基本料1の場合と調剤基本料1以外の場合で、共通の部分もありますけれども、特に実績のところに関して要件が異なっているということでございます。これについてはまた後ほど詳しく御説明いたします。
 続きまして、22コマ目、薬局の立地や開設規模に関する現状でございますけれども、薬局の立地に関する現状につきましては、診療所の門前や医療モール内が約6割ということで最も多くなっておりまして、次いで面分業が約2割となっている状況でございます。
 23コマ目をごらんください。調剤基本料の構成比の推移をまとめております。調剤基本料1につきましては、棒グラフのとおり、平成26年度には97.4%の薬局で算定しておりましたけれども、その後、平成28年度改定、30年度改定で調剤基本料2あるいは3といったような形の新たな区分を設けてきているということもございまして、平成30年度時点ではその割合が約84%までに減少しているということでございます。
 また、各調剤基本料の算定回数の割合が左下の円グラフでございますけれども、30年6月審査分で見ますと、調剤基本料1の算定回数の割合が約77%になっているという状況でございます。
 続いて、24コマ目でございます。調剤基本料及びその加算のうち、調剤基本料とその加算の算定割合を算定点数で見たものが下のグラフでございます。これでごらんいただくとわかるとおり、調剤基本料の算定割合に対して、地域支援体制加算及び後発医薬品調剤体制加算がそれぞれ約2割ずつを占めているということでございます。なお、「使用体制加算」と記載があるのは、「調剤体制加算」の間違いでございます。
 続いて、25コマ目は、30年度改定で調剤基本料の区分を見直した際、要件等を見直した場合にお出しした資料でございますけれども、例えば集中率が高いほど医薬品の備蓄品目数は少ない傾向にあることが伺えると思います。
 また、26コマ目をごらんいただきますと、医療機関と不動産の賃貸借関係がある薬局では、他の薬局と比較すると同じ集中率でも医薬品の備蓄品目数が少ない傾向が見られるといったデータが出ているということでございます。
 また、27コマ目は、医療経済実態調査の前回のデータでございますけれども、同一法人の保険薬局の店舗につきましては、多店舗化するにつれ収益率が高くなる傾向がある。ここの20店舗以上のところをごらんいただくと、総損益差額の構成比率の割合がほかの区分よりも高くなっている。こういったことを踏まえて、前回、調剤基本料の適正化等を行っているということでございます。
 続いて、28コマ目からは、地域支援体制加算についてでございます。
 まず、29コマ目に、地域支援体制加算の施設基準等をお示ししております。従来、基準調剤加算という形で体制を中心に評価した加算としておりましたけれども、左側の(1)から(11)に記載しているような施設基準を満たしている薬局に対して、調剤基本料の加算として算定ができるというものでございます。
 このうち、(1)の部分でございますけれども、実績についても求めるということになりまして、特にその矢印の右側に書いてございますけれども、調剤基本料1以外の薬局が地域支援体制加算を算定するという場合には、この○1から○8に示すような、1年に常勤薬剤師1人当たり、これらの回数の全ての実績を有することといったような要件が求められているということでございます。
 一方、右下にあるとおり、調剤基本料1を算定する薬局については、この○1から○3の基準を満たすことを要件として課しているということでございます。
 その結果、左下でございますけれども、平成30年7月1日時点の届出薬局数の割合というのは、27.6%となっているという状況でございます。
 30コマ目には、30年度改定以前の基準調剤加算と地域支援体制加算の比較を記載しております。例えば基準調剤加算の場合ですと、調剤基本料1のみが算定可能としておりましたけれども、地域支援体制加算の場合には要件を満たせば調剤基本料1以外でも算定可能という形で、その代わり実績要件などを設けているという状況でございます。
 そのほか、赤字の部分でございますが、後発医薬品の調剤割合に関する規定、医療安全に関してプレアボイド事例の報告、副作用報告の体制なども新たに要件などとして加わったという状況でございます。
 続いて、31コマ目、地域支援体制加算の届出状況別の医療機関等との連携状況でございます。調査いたしますと、地域支援体制加算の未届出の薬局と比較して10ポイント以上差があった項目、届け出をしている薬局のほうが医療機関と連携している傾向が伺えるということでございますけれども、その中でも枠囲みにありますとおり、「臨床検査値の情報共有」「患者の入院時の服用薬の情報提供」「医療機関の求めに応じた貴薬局から医療機関への患者の服用状況等の情報提供」「医療機関の求めによらない貴薬局から医療機関への患者の服用状況等の情報提供」といった項目で、10ポイント程度以上の差があったということで、連携の状況が伺えるというデータでございます。
 続いて、32コマ目、調剤基本料1の薬局において、地域支援体制加算の届け出が困難な理由を聞いたところ、その割合が大きかった項目といたしましては、「24時間、在宅対応体制・周知」という項目が最も多く、また、下のほうにありますとおり、「在宅患者薬剤管理の実績を有していること」「かかりつけ薬剤師指導料等に係る届出を行っていること」などの要件が、届け出が困難な理由として挙げられていることが伺えるところでございます。
 続いて、33コマ目、調剤基本料1以外の薬局に対して地域支援体制加算の算定が困難な理由を聞きましたところ、まず、左側のグラフの実績8要件以外でいきますと、「24時間、在宅対応の体制・周知」が最も多い回答であったということでございます。
 また、実績8要件でいきますと、全体的に割合が高いのですけれども、50%を超えたというところで申しますと、「外来服薬支援料」「夜間・休日等の対応」「麻薬管理指導加算の実績」などが高い項目として挙げられているという状況でございます。
 続いて、調剤基本料1以外の薬局が満たす必要がある8つの実績要件につきまして、実際に薬局全体で見た場合、調剤基本料1以外に限らず1も含めてですけれども、全体で調剤基本料の区分にかかわらずどの程度の薬局が満たしているのかをお示ししたのが34コマ目と35コマ目でございます。
 このグラフの見方は、赤で点線を引いておりますけれども、これよりも下の部分がこの項目の実績8要件の基準を満たしている薬局の割合とお考えいただければと思います。例えば(2)の麻薬管理指導加算でいきますと、10回以上の要件を満たしているのが13.4%の薬局ということでございます。
 例えば35コマ目、薬局全体で見た場合に要件を満たしている薬局が少ない項目でいきますと、薬剤師1人当たり年12回の(5)外来服薬支援料、それから、(6)服用薬剤調整支援料、(8)服薬情報等提供料といった項目について、薬局全体で見てもこの実績8要件の基準を満たしているところが少ないことが伺えるかと思います。逆に言うと、それ相応の基準になっているということも言えるかと思っているところでございます。
 続いて、36コマ目、地域支援体制加算の実績要件に関連してということでございますけれども、薬局におきまして幾つかKPIを定めておりますので、それの御紹介でございます。「経済・財政アクション・プログラム2016」におきまして、「患者のための薬局ビジョン」の進捗状況を把握・評価する指標(KPI)としまして、下のほうに表がございますけれども、この「患者のための薬局ビジョン」において示すかかりつけ薬剤師としての役割を発揮できる薬剤師を配置している薬局数のほか、例えば真ん中にありますとおり、重複投薬・相互作用防止に係る調剤報酬の算定件数ですとか、あるいは右から2つ目の、在宅患者訪問薬剤管理指導料等の算定件数といったものがKPIとして位置づけられております。
 特に左下に赤枠で囲みました「『患者のための薬局ビジョン』において示すかかりつけ薬剤師としての役割を発揮できる薬剤師を配置している薬局数」については、より具体的にKPIが定められておりまして、それが真ん中の表でございます。これは薬局機能情報提供制度に追加する項目のうち、次の項目を毎年全国で集計して把握していくということなっております。例えば、薬学的管理・指導の取組ということであれば、医師へ患者の服薬情報等を文書で提供した薬局数(過去1年間に平均月1回)。
 それから、在宅業務への対応ということであれば、在宅業務を実施した薬局数(過去1年間に平均月1回以上)。こういった薬局数をフォローしていくということでまとめられてございます。
 37コマ目、処方箋の集中率別の地域支援体制加算の届出状況を見たものでございます。調剤基本料1を算定する薬局のうち、処方箋集中率が約30%~70%程度においては地域支援体制加算の届け出をしている割合が多かったという傾向が伺えるところでございます。
 一方で、処方箋の集中率が高い薬局でも地域支援体制加算の届け出が一定程度なされていることが伺えるところでございます。
 38コマ目は、先ほど御説明した資料の再掲でございます。
 41コマ目に、【論点】としてまとめさせていただいております。
 まず、1つ目は調剤料に関してでございます。
 1つ目の論点は、医療機関の薬剤師の業務に関してですけれども、医療機関の薬剤師の業務については、医薬分業の進展も相まって、入院時では病棟業務やその他のチーム医療に関連する業務、外来時では抗がん剤治療等の高度な薬学管理を中心に評価を行ってきたという状況にございます。これらの状況、それから、医療機関の薬剤師に期待される役割、医療機関と薬局での報酬体系の違いなどを踏まえ、医療機関における薬剤師の業務の評価についてどのように考えるかということでございます。
 2つ目は、薬局における調剤料に関してでございますけれども、医療機関と薬局の報酬体系や調剤業務の特徴の違いなどを踏まえ、どのような対応が必要と考えられるか。具体的には、例えば薬局の調剤料の見直しを検討する上で、医療機関との比較において特に留意すべき点はあるかと記載させていただきました。
 続いて、(2)調剤基本料については御説明したとおり、平成30年度診療報酬改定におきましては、医療経済実態調査の結果等を踏まえ見直しの検討を行ったところでございますので、医療経済実態調査や検証調査等の結果がまとまり次第、対応を検討してはどうかということでございます。
 (3)地域支援体制加算についてですけれども、調剤基本料1を算定する薬局に求める要件及び調剤基本料1以外を算定する薬局に求める要件について、地域に貢献する薬局を適切に評価する観点から、どのように考えるかということでまとめさせていただきました。
 説明は以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたらよろしくお願いいたします。
 では、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
 ありがとうございます。各論点に沿ってコメントさせていただきます。
 まず、41コマ目の調剤料についてであります。医療機関の薬剤師の業務と、医療機関と薬局の比較という視点の調剤料についてということで、医療機関の薬剤師の業務あるいは役割については、5コマ目から7コマ目について、今回、事務局で整理していただいた資料をごらんになっていただければ明らかなように、医薬品を調剤することだけではなく、外来患者に対する高度な薬学管理、あるいは調剤した薬剤を使用する入院患者への薬剤管理指導や病棟薬剤業務など、薬局の薬剤師とは異なる部分が多くあることはおわかりいただけたと思います。
 そうは言っても、さまざまな医療機関に従事する薬剤師の業務を考えると、現行点数は8コマ目から11コマ目の中で変遷を見てみますと、2000年に設定をされている調剤料です。20年間見直されていないという現状もありますので、そういう観点からすれば、対人業務の評価という観点からさらなる評価を検討していただきたいと思っています。
 ただ、薬剤師業務の一つである調剤を行ったことに対する評価、調剤料という部分だけに焦点を当てて、医科点数表の院内調剤と薬局の薬剤師が行った調剤報酬点数表上の院外処方箋による調剤に係る点数差の違いを比較することは、極めて困難だと考えます。それだけをもって高い、安いといった議論をすることは、医療機関の薬剤師の業務に対する評価というものについて、一定の誤解を与えてしまうのではないかと考えます。
 そもそも医療機関と薬局という報酬体系が異なる施設の中で、それぞれの薬剤師に求められるあるいは期待される役割や機能も異なります。
 したがって、医療機関における調剤料と薬局の薬剤師が行う調剤料だけを単純に比較することは無理があると言わざるを得ません。
 一方で、薬局の調剤報酬(その1)の留意点については先ほど述べておりますが、9月25日開催の総会において調剤料1の議論の際に考え方やスタンスは述べておりますので、繰り返しになるためここでは割愛させていただきます。
 次に調剤基本料であります。調剤基本料は薬剤師の業務に対する評価ではなく、薬局としての機能、使命を果たすために必要な体制整備にかかわる評価であります。その評価に当たっては、応需している処方箋の調剤内容を踏まえた評価、すなわち、経営上の効率性を踏まえた上で点数が設定されています。
 したがって、調剤基本料の検討については、今後公表される医療経済実態調査の結果を踏まえた上で、いわゆる敷地内薬局に関する評価も含め、見直しの必要性の有無を判断すべきと考えます。
 ただ、調剤基本料については、過去4区分されていたものを国民に対してわかりやすいものにすべきという指摘を踏まえ、原則一本化を実現してきたことを考えれば、特例部分をこれ以上設けることは避けるべきと考えます。
 最後に、地域支援体制加算についてであります。地域支援体制加算は、調剤基本料の加算という位置づけとして、薬剤師によるかかりつけ機能ではなく、薬局のかかりつけ機能の体制整備を評価するものだということが言えます。
 薬局のかかりつけ機能とは、処方箋の集中率のみをもって判断するものではありません。集中率という指標は、例えば都市部、あるいは地方でさまざまな事情が異なる、こういったことも勘案すれば、その薬局が備えるさまざまな機能を踏まえた上で、慎重な検討が必要であると考えます。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 41ページ目の【論点】でございますけれども、まず、医療機関における薬剤師業務の評価についてです。前回も申し上げましたけれども、現在の医薬分業に対しては、患者にとってのメリットが感じられないなどの厳しい指摘があって、その結果、医薬分業のあるべき姿に向けて診療報酬、調剤報酬において医療機関の薬剤師や薬局の薬剤師を適切に評価するとの、医薬品医療機器制度部会での取りまとめを踏まえて、次回改定に向けて見直しを行うべきと考えます。
 また、これも前回、今村委員が指摘しましたけれども、薬剤師の養成が6年間になり教育が高度化しており、薬局で機械などを使って包装するような単純作業に従事するだけでは知識が有効に活用できませんので、病院薬剤師がもっとしっかりと活躍できるような報酬に改めるべきであると考えております。
 その上で、1つ目の論点でございますが、資料からもわかるとおり、入院においても外来においても、医療機関に勤務する薬剤師の業務は高度化、多様化しております。
 したがって、これまでの累次の改定で医療機関の薬剤師の業務を評価してきたことは妥当であると考えます。薬剤師の参画が望ましい業務が多々ありますけれども、病院のほかの職種との業務分担を踏まえた上で、どのような評価が可能かを検討する必要があると思います。
 2つ目につきましては、医療機関との比較の観点において、薬局の調剤料の見直しを検討すべきという問題提起の仕方、つまり医療機関は調剤料のほかにも基本料として入院料、初・再診料が設定されていますけれども、薬局における調剤料は基本料を補う役割があるので、削減するとしても配慮すべきという問題提起の仕方は適当ではないと思います。
 繰り返しになりますが、制度部会における患者にとってのメリットが感じられない、公的医療保険財源や患者の負担に見合ったものになっていないという指摘や、対物業務から対人業務を中心とした業務にシフトという指摘を踏まえて、院外処方における薬局の調剤料がその業務内容と比較してコスト的にどうなのかという観点から議論すべきと考えます。例えばですが、日数に応じた調剤料は14日以内を統一点数とするなどの見直しを行うべきかと考えます。
 なお、39ページ目の【現状・課題】の3つ目の○にありますけれども、初診料・再診料は記載のとおり、医師を独占的に評価しているものではなく全般的な基本料ですので、人件費等の高騰に応じて点数を上げていく必要があると考えております。
 【現状・課題】の4つ目の○ですけれども、15ページにあります特定薬剤治療管理料は、血中濃度の測定が算定できる薬剤を限定しております。これは実際に医療現場では、指定された医薬品に限らず副作用や相互作用、中毒の疑いを確認するために血中濃度測定が必要となる場合がたくさんあります。医療安全の観点から医師や薬剤師が必要と判断した場合に、ちゅうちょすることなく薬物の血中濃度を測定できるように、治療管理以外での患者の安全管理を目的とした血中濃度測定も必要だと思いますので、今後ぜひ、今回検討いただくようにお願いいたします。
 なお、診療所で薬剤情報提供料以外の算定回数が少ないことは、薬剤師が薬局に偏在していることや薬剤師を雇えないような医科の報酬体系にも原因があるため、ここで掲示されましても議論にはなかなか値しないのではないかと思います。
 調剤基本料についてですが、基本的には論点で示された方向性、つまり医療経済実態調査や検証調査の結果等を見て検討するという方向性には賛成しますけれども、最近はドラッグストアのように、大手調剤薬局ほどには門前型ではないため、調剤基本料1も地域支援体制加算を算定できているところもありますので、大手門前か中小かという切り口だけではなくて、今、話したような最近の実態も踏まえた分析をお願いしたいと思います。
 なお一層の地域包括ケアシステムの構築、推進のためには、調剤基本料において薬局経営の効率性を踏まえることの中に、在宅支援に対応できるかどうかという視点でその要素を盛り込むことも検討していただきたいと思います。
 最後に、地域支援体制加算につきましては、前回改定で創設されたばかりの加算でありますし、地域包括ケアシステム構築の観点からはいずれの要件も重要と考えられますことから、このまま継続して薬局には頑張っていただきたいと考えます。
 その上で、今回の論点について40ページ目の【現状・課題】に即して意見を申し上げますと、1つ目の○ですけれども、連携を促進するために創設した加算と理解しておりますので、連携の傾向があるのは当たり前ですけれども、裏を返せば、地域支援体制加算を算定しているのに医療機関との連携が十分でない薬局もあるということは問題であるかと思います。またさらに、届出ができていない薬局の課題についても検討すべきと考えます。
 2つ目の○ですけれども、29ページ目の右側にある8つの実績条件はいずれも重要な事項ですので、緩和するということではなくて、あるべき姿を目指して今後とも頑張っていただきたいと思います。
 最後に、3つ目の○ですけれども、指標の内容を調剤報酬で用いた結果として、スライド30のプレアボイド事例の報告として、医療機能評価機構へのヒヤリ・ハット報告数が以上な増加を見せました。地域支援体制加算の算定要件にKPIの医療機関との連携に関する指標を活用することも考えられますけれども、KPIだから報酬の要件に入るのが当たり前ではなくて、一つ一つ今後も丁寧に中医協で確認すべきだと思います。
 長くなりましたけれども、以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでございましょう。
 では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 ありがとうございます。
 まずは41ページの調剤料です。医療機関の薬剤師については、チーム医療への参加、高度な薬学管理など、薬局の薬剤師とは違った役割は当然求められておりますし、それらの役割に応じた報酬上の評価も随分拡充されているという経緯を勘案しますと、また、入院基本料や初・再診の基本的な評価設定というものも含めて踏まえますと、医療機関における薬剤師の業務の評価については、薬局と院内、院外の処方比較で、調剤料だけで単純に高い、安いという比較で議論すべきではありません。病院における調剤業務、それらを取り巻く報酬体系全体のあり方や、また一方で、薬局における対物業務から対人業務へのシフトの観点から、調剤業務及び調剤料のあり方などを今後議論していくわけですが、それらを踏まえて検証していくという方向で考えるべきだと思います。
 そういう前提で考えますと、1点だけ質問ですが、12ページには、入院時の院内調剤については1日7点と設定されており、下のグラフを見ると、ずっと右肩が上がっておりますが、投与日数の上限を設けるなどの考え方、すなわち投与日数のあり方については議論としてあり得るのかどうかを、事務局にお伺いしたいと思います。
○田辺会長
 では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 入院時の院内調剤につきましては、形式上はこういう形で日数に比例していくわけでございますけれども、現時点におきましては在院日数もどんどん短くなっているというところもございます。また、1日当たりで点数が上がるような、比例しているというところの中には、入院の場合ですと患者さんがその場にいらっしゃって、薬剤師さんがやりとりする中で例えばそういった問い合わせに対応したりとか、あるいはリクエストに応えるといったことも含めて追加の業務などが発生しているといったようなことも含めて、このような評価になっているのではないかと理解しているところでございます。
○吉森委員
 わかりました。
 そういう意味では、今回はここのところは余り論点にはならないという理解でよろしいわけですよね。
○田宮薬剤管理官
 はい。
○吉森委員
 それでは、もう一つ。地域支援体制加算についてです。29ページに、その施設基準の要件においては調剤基本料1以外を算定している薬局については「(1)地域医療に貢献する体制を有することを示す相当の実績」が求められていますが、調剤基本料1では求められていないということであります。本来、38ページにありますように、この支援加算はかかりつけ薬剤師がその機能を発揮し、地域包括ケアシステムの中で地域医療に貢献する機能を有する薬局を評価するための加算であるのを踏まえれば、薬局経営の効率性を踏まえた体制の評価設定でございまして、その調剤基本料の算定区分による評価よりも一定の機能発揮による実績をもって評価すべきと基本的には考えます。
 したがって、調剤基本料1を算定している薬局については、その貢献実績などの努力評価以外の、マーケットに左右されるような評価基準は当然見直してもいいのかと思いますが、36ページにあります「患者のための薬局ビジョン」のKPI的な考え方を参考に、薬局の機能発揮の努力によって地域にどう貢献しているかというような実績を一定評価していくという項目などを、要件として追加し見直していくべきだと考えております。
 一方、調剤基本料1以外を算定している医療機関については、地域医療に貢献する薬局を評価する観点から、一定の実績要件を課したのでありますから、算定困難な理由が33ページにいろいろ示されておりますが、基本的には現行の要件を維持して、もう少ししっかり取り組んでいただくということでよいのかと思います。
 要件の緩和をもし議論するのであれば、どの程度の実績を有する医療機関があれば地域における医療需要をカバーできるのか。地域包括ケアシステムを構築する観点から、そのような分布がどうなっているのかのエビデンス等を見ながら、論理的に整理していく必要があるのだろうと考えております。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでございましょう。
 では、城守委員、お願いいたします。
○城守委員
 ありがとうございます。
 論点の調剤料に関して、医療機関と薬局の報酬体系の差を含めてその検討というお話でございますが、例えばこの資料の14コマ目にありますように、診療所でも薬剤師が常時勤務するということがなかなか少ない。
 そして、16コマ目の薬剤管理指導料、病棟薬剤業務実施加算、ここも病床規模が少ないほど算定回数が少ない。これは雇えないということで、先ほどもお話に出ていましたが、医科の基本的な入院基本料や基本料のたてつけが少ないために今は雇えないという状況がございます。
 一方、27コマ目のように大手の薬局チェーン店では利益が非常に高くて、結果、病院と薬局では薬剤師さんの初任給が非常に違うということです。これは以前にもこの中医協でもお話がございましたが、結果としてはこういう状態になっていることを考えた上で、病院薬剤師さんの調剤料だけではなくて、その評価体系そのものをどう考えるのかということとともに、薬局の調剤料を含めた適正化等をどう考えるのかという視点で議論をしていただければと思います。
 それと、地域支援体制加算でございますが、これに関しましては29ページにございますように、基本的には地域の医療に貢献するということでの実績要件が調剤基本料1以外には係るという形になるわけです。両方に係るわけですけれども、その中ででも29ページの右の点線の枠囲みありますように、調剤基本料1を算定している場合は、この1から3までの要件を満たすと、基本的には実績要件は免除されるというたてつけになっています。
 この上の1から8の貢献に対する実績の要件というのは、地域の医療に貢献するという意味においては非常に重要な要件が多く入ってございますが、ややもすると、大手の調剤チェーン店では調剤基本料2とか3ではなくて、要件的に集中率等がうまくかからなくて、調剤基本料が1になっているところも多いと聞き及んでおります。
 ですので、29ページの点線のところでございますが、ここの要件は地域の医療をしっかりと支えるという要件としては重要なところではございますが、ここに例えば大手のチェーン薬局に関しては調剤基本料1であっても何らかの要件を課すという形にして、大手の薬局でもしっかりと、この上の8つの要件を責務として果たしていただくというたてつけにしていただくと、この地域支援体制加算が実質上もう少し有効に機能するのではないかと思いますので、そのあたりをよろしくお願いしたいと思います。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょう。
 では、猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
 医療機関、特に病院における薬剤師業務がどういう評価になっているかをよくまとめていただきましてありがとうございます。
 こういう病棟業務についているのだということがわかるのですが、7ページ目の薬剤師の勤務の時間の割合から見ても、この青いところが14プラス1で15%ぐらいは外来で業務をしているのだとわかります。そういうものに対して、13ページ目の非常に技術料が低いということについてはいかがなものかという気がします。
 ここでの議論ではないかもしれませんが、今、敷地内薬局が大きい病院を中心にだんだんふえてきているように思います。そういうところですと、1つの病院にかかって同じ敷地でそのお薬をもらうということになるわけです。そうすると、病院によってはいまだに院内で外来の患者さんに対して処方している病院もあるわけで、患者さんからしてみるとそこと非常に同じように見えるのではないかと思います。ですが、調剤料の差は歴然としていますので、院内で外来の処方をしているほうがはるかに技術料が安いという、非常に矛盾している姿が今、起きつつあると思います。ここは何かをもう少し整理していかないと、そういう敷地内薬局をやるといいよというような形で、敷地の広い病院はそちらのほうにどんどん向かう。むしろその調剤薬局に占める大手がそういうところにどんどん仕事をしていく。そういうところが何か非常に、どうすればいいかという答えがあるわけではないですが、あり方として本当にじくじたる思いをしております。ぜひそういうことも考えて、この調剤のあり方を考える上で考慮すべきであろうと思っております。
 以上です。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょう。
 では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 すみません。重複している部分も多いかと思いますが、意見を言わせていただきます。
 まず、病棟薬剤師についてはチーム医療が求められている中、病棟薬剤師の専門性も高くなっているということから、これについて評価するということについては妥当だと思います。
 ただし、病棟における薬剤師の業務の評価を充実しても、その報酬は結局その病院の収入になるということから、点数設計に当たっては、小規模な医療機関でも薬剤師を雇うというインセンティブが働くような報酬設定を考えていく必要があるのではないかと思います。
 あと、調剤料についてなのですが、単純比較をして3倍だとか、そういう議論は妥当ではないと思います。
 従前と違ってPTP化とか調剤の自動化が進んでおりますので、将来的には一本化するのが理想だと思うのですが、段階的にやっていくというところから改定においては2分類に整理した上で、例えば15日で区切るとか、そういったことをやっていく必要があるのではないかと思います。
 それから、調剤基本料については検証調査の結果を踏まえてということなのですが、対物業務から対人業務にシフトしていくためには、今のやり方、すなわち、処方箋の受付回数と集中率で調剤基本料1の面積をどんどん小さくしていくというやり方は、もう限界に来ているのではないかと思っています。22ページと23ページを見ても、調剤基本料1をとっているところは84%にものぼっているのですが、22ページを見てみると門前が75%ある。そういったところから、こういった集中率で基本料を決めていくというやり方はもう限界に来ているのではないか。それよりも、かかりつけ機能や地域への貢献実績、こういったところで薬局を差別化していくという報酬体系について検討を進めていくべきだと思います。
 極端に言えば、調剤基本料は適正化の観点からも一本化して、あとは薬局の持っている付加価値でどんどん報酬を決めていって、例えば地域支援体制加算なんかで差別化していくという考え方をするというのも一つの手ではないかと思います。
 それから、多くの皆さんがおっしゃったように、地域支援体制加算が調剤基本料1とそれ以外のところに差があり過ぎるということ。あと、問題だと思うのは、37ページを見ると集中率が90%以上の薬局でも地域支援体制加算を2割の薬局がとっている。これは果たして、一医療機関が90%にもかかわらず地域に貢献しているというふうにはとても想定しがたいので、そういった観点も踏まえて要件の見直しをやっていくべきだと思います。
 それから、調剤基本料1に実績要件を求めるということは、KPIで定められているものを実績評価するということは必要だと思います。
 以上、意見です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでございましょう。
 では、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
 ありがとうございます。
 先ほど、松本委員から、薬局における調剤料は基本料を補う役割があるという御発言がありましたが、基本料と薬局の調剤料は、私どもは全く別物と考えていまして、基本料に関してはさまざまな医療機関から処方箋を応需するための医薬品の備蓄であったり、調剤機器であったり、あるいは事務職員の配置、薬剤師も含めてですが、そういったものできちんと区分けができていると思っています。
 もう一点は、地域支援体制加算に対してですが、先ほど、幸野委員が御指摘のような、例えば37コマ目に、90%以上の集中率があって届け出ているところが19%あるということが出ています。これは一方で、どれぐらいの応需枚数かということは出ていませんので、今後検討するに当たっては応需枚数とその届け出、こういった軸で見ていく必要があるのではないかと考えています。
 以上です。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょう。
 では、中村委員、お願いいたします。
○中村委員
 1点だけ、調剤基本料のところで意見を。21ページの薬局の経営の効率を踏まえた調剤基本料の考え方は理解していますが、一方で、患者さんの行動あるいは選好についても考えなくてはいけないのではません。当然ですが、調剤基本料が変わりますと、自己負担という面では調剤基本料の低いほうに流れていく可能性があります。これはあくまでも理論的な話で、本当にそうなるのかはわかりませんが、実際にこういった調剤基本料の違いによって患者さんの行動が変わっているのか。もしそうであれば、それに伴うさまざまな問題が生じていないかという議論が必要かと思います。
 以上です。
○田辺会長
 では、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
 時間がないところ済みません。もう一点。先ほど、猪口委員から御指摘があった敷地内薬局の増加についてどのように考えているかということを、私どもの考えを意見させていただきたいと思います。
 いわゆる敷地内薬局については、日本薬剤師会としては一貫して反対してきたところであります。医薬分業が目指してきた意義や目的に完全に逆行していると考えておりまして、医薬品の適正使用の推進はもちろん、患者さんや地域住民のために必要なかかりつけ機能を発揮できない薬局であることなどを考えても、一体誰が何のために進めているのか全く理解できませんし、依然としてそれを進めようとしている状況が続いていることには、非常に残念としか言いようがありません。
 前回の調剤報酬改定において、敷地内薬局の調剤基本料については、最も低い評価に該当するものとして整理したところでありますが、次回改定においてもさらなる対応が必要であると判断せざるを得ない状況であるならば、調剤基本料といった限られた範囲ではなく、また、総合的な視野での検討も必要ではないかと考えます。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
 では、御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 次に、報告事項でございますけれども、「患者申出療養評価会議からの報告について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
 では、医療技術評価推進室長、よろしくお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
 それでは、中医協総-4をごらんください。
 今回御報告する内容でございますけれども、9月12日に開催されました「第17回患者申出療養評価会議」で承認されました患者申出療養の案件1件でございます。
 まず、総-4の1ページ目をごらんください。
 今回承認されました患者申出療養の技術は、整理番号008番「遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく複数の分子標的治療に関する患者申出療養」であり、本技術に係る費用は表に記載のとおりでございまして、患者申出療養評価会議の総評として「適」とされたものでございます。
 それでは、技術について御説明をさせていただきます。3ページ目をごらんください。
 まず、今回の患者申出に至った経緯を御説明させていただきますが、中断の1ポツ目の3行目あたりからをごらんいただければと思います。がん遺伝子パネル検査の結果、効果が期待できる治療薬が見つかりながら、治療が受けられない患者が生じた場合には、患者申出療養としての申請がなされる可能性が非常に高く、こうした患者からの申請に迅速に対応するため、特例的に患者申出療養評価会議での協議結果を踏まえ、厚生労働省から国立がん研究センター中央病院に研究計画書等の作成をあらかじめ依頼したという経緯がございます。
 2ポツ目、今回の患者さんは、がん遺伝子パネル検査で判明した遺伝子異常に対応する適応外薬の投与を希望し、先ほど御説明いたしました、国立がん研究センター中央病院の研究計画書等を活用した申し出がなされたものでございます。
 技術の概要は、4ページ目をごらんください。
 左上の四角枠で囲っている部分でございますけれども、遺伝子パネル検査の結果を踏まえ、エキスパートパネル、専門家らでの会議でございますけれども、そこで適応外薬が推奨された患者さんについては、通常は矢印の右側に進みまして、既存の治験等を紹介することとなります。しかしながら、これらに該当しない患者さん、該当する臨床試験がないまたは的確基準を満たさないなどが今回の技術の対象となります。
 右下の点線の枠が今回の患者申出療養の範囲となりまして、例えば医薬品Aまたは医薬品Bなどといった、幾つかの適応外医薬品の治療を行う研究計画となってございまして、この医薬品は、賛同の得られた製薬企業から提供を受けたものとなっております。
 また、実施体制でございますけれども、左側にございますように、まずはがんゲノム医療中核拠点病院で行う予定となっております。
 さらに、ロードマップにつきまして5ページ目をごらんください。
 患者の申し出に基づいて実施されるため、目標症例数の設定はございませんが、右のフローにございますとおり、医薬品のコホートごとに適時解析が行われまして、一定の有効性が確認されたものについては、薬事承認に向けたステップへ進むこととなります。
 事務局からの説明は以上となります。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
 では、御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 本日の議題は以上でございます。
 なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。どうも御参集ありがとうございました。
 

 

 
 


 
 

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