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2019年10月25日 中央社会保険医療協議会 総会 第428回議事録

○日時

令和元年10月25日(金)9:59~12:03

○場所

TKPガーデンシティプレミアム田町 大ホール(4階)
 

○出席者

田辺国昭会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 松原由美委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員 
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 猪口雄二委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 横地常広専門委員
 
<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 八神審議官 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○個別事項(その6)について
○選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果への対応について


 
○田辺会長
それでは、おそろいのようでございますので、ただいまより第428回「中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、染谷委員、岩田専門委員が御欠席でございます。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほうをお願いいたします。
(カメラ退室)
○田辺会長
それでは、早速でございますけれども、次期診療報酬改定に向けた議論として「個別事項(その6)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
本日、個別事項(その6)につきまして御説明をさせていただきます。
資料総-1をごらんいただきたいと思います。
本日の議題でございますけれども、テーマは3つ用意をさせていただいております。
まず、1つ目が治療と仕事の両立支援、2つ目が救急医療、小児・周産期医療、3つ目が業務の効率化・合理化についてでございます。
4コマ目をごらんいただきたいと思います。まず「治療と仕事の両立支援について」でございます。
上段でございます。現状でございますけれども、日本労働人口の約3人に1人の方が何らかの疾患を抱えながら働いているという状況でございます。また、がんの患者さんの離職理由を見ますと、治療を受けながら働くための制度や社内の理解が不十分というようなことが示唆されております。
右下でございます。治療と仕事の両立が普通にできる社会を目指すためには、さまざまな施策が行われているという御紹介になります。
5コマ目を見ていただきたいと思います。これは産業保健のほうで両立支援を行うための環境整備や個別の両立支援の進め方など、具体的な取り組み方法をまとめたものとして「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」を作成して、普及促進を行っているという状況でございます。
6コマ目でございます。これは具体的な両立支援の進め方を示すものになります。図のほうを見ていただければと思うのですけれども、まず、労働者から主治医に対して業務内容を記載した書面を提出し、主治医が意見書を作成し、職場における両立支援の検討と実施を行うという仕組みになっております。
7コマ目は、平成30年度診療報酬改定において、がん患者の治療と仕事の両立に向けた支援を充実させるため、療養・就労両立支援指導料を新設したというものでございますが、下段でございますが、単月の算定回数は10回にとどまっているという状況でございます。
8コマ目を見ていただければと思います。これを受けまして「療養・就労の両立支援指導料の現状と課題」というところでまとめたものでございます。
現状の算定要件というのは、紫色の枠で囲っている部分になります。主治医は診療情報を提供した後に、産業医からの助言を踏まえて治療計画の見直し・再検討を行うまで、算定することができないということになります。また、対象となる患者は、産業医が選定されている事業場に勤めているがん患者に限られるということになっております。
9コマ目から11コマ目を見ていただきますと、参考として9コマ目に産業医の制度、10コマ目に産業医の選定状況、また、11コマ目に平成30年度で対象とした疾患の考え方をお示ししているということでございます。
12コマ目になります。今回の見直し(案)をそこにお示しさせていただいております。両立支援に係るやりとりのうち、評価する部分をオレンジのほうにくくってございます。この内容については、2のところからでございますが、企業からの勤務情報の提供に基づいて患者に療養上必要な指導を実施するとともに、企業に対して診療情報を提供した場合、この部分を評価してはどうかという御提案になります。
もちろん、企業はそれを受けて両立支援のプランを作成することになるわけですが、当然、このプランについて主治医と共有することが望ましいと私どもも考えておりますが、今回、評価する部分としては、見直しのオレンジ色の部分と考えておるところでございます。
次に、13コマ目でございます。これまで産業医が選定されている事業場に限っておりましたけれども、されていない事業場においても、労働者の健康に係る業務を担当する者が選任されている場合がございます。治療と仕事の両立支援に関与する産業医以外の者についても、診療情報の提供先となり得ると考えてございます。
14コマ目でございます。対象となる疾患については、現在、がんのほかに脳卒中、肝疾患、難病について、特に留意すべき事項が示されております。また、がん、脳卒中、肝疾患については、企業と医療機関が情報のやりとりを行うための様式の記載例が示されておりまして、難病においても今年度中に作成される予定と聞いております。
これらを受けまして、15コマ目でございます。【論点】として、療養・就労両立支援指導料について、治療と仕事の両立支援を推進する観点から、現行の算定要件や算定条件を踏まえ、評価のあり方や対象疾患の見直しを検討してはどうかという御提案でございます。
続きまして、救急医療、小児・周産期医療について御説明をさせていただきたいと思います。
これにつきましては、まず、大きく救急医療についてと小児・周産期医療についてに分けまして、そのうち救急医療管理加算と救急搬送看護体制加算の2つについて、取り上げて御説明をさせていただきたいと思います。
17コマ目でございます。これは現行の救急医療管理加算の概要でございます。
中段網かけのところにア~ケまでの状態を示しておりますが、このア~ケの状態であって、医師が診察等の結果、緊急に入院が必要であると認めた重症患者を対象とする加算でございまして、これが加算1の点数で900点になります。また、ア~ケの状態に準ずる重篤な状態の患者を対象とする加算、これが加算2の300点となっております。
これを入院した日から7日間に限りまして、1日につき加算1は900点、加算2は300点を算定するというものでございます。
施設基準というのは左下の枠に記載のとおりでございまして、また、算定回数は右下のとおりでございまして、全体としては横ばいですが、加算2が増加傾向にあるという状況でございます。
18コマ目と19コマ目は、これまでの診療報酬改定での対応を参考としておつけしております。18コマ目に示しております平成26年の診療報酬改定では、その他ア~ケに準ずる重篤な状態を新たに加算2に位置づけまして、19コマ目の平成28年の改定では、評価を見直しし、加算1を上げ、加算2のほうを下げて、より重みづけをするという改定をしているということでございます。
20コマ目をごらんいただきたいと思います。救急医療管理加算の算定の状況を示しております。
左のグラフは、救急搬送入院のうち、救急医療管理加算を算定します患者の割合でございます。50~60%の施設が最も多いのですけれども、ばらつきが見られております。
右のグラフは、救急医療管理加算を算定する患者のうち、加算2が占める割合でございまして、20~30%の割合が最も多いのですが、ばらつきが見られております。
縦軸が全施設の救急患者の占める割合を示しておりまして、横軸はそれぞれタイトルにある割合となります。
次に、21コマ目でございます。これは救急医療管理加算1の患者の内訳でございまして「呼吸不全又は心不全で重篤な状態」が最も多く、約3割となっております。
22コマ目を見ていただきますと、これ以降はそれぞれの項目に該当した患者について、分析を行っております。
まず「意識障害または昏睡」に該当した患者についての分析でございます。
左のグラフは救急医療管理加算1の算定患者でありまして、意識障害または昏睡に該当した患者の入院時のJCS(Japan Coma Scale)で評価した意識状態を見ますと、JCS0の意識清明が16%ございました。
右のグラフを見ますと、意識障害または昏睡の患者のうち、JCS0の患者が占める割合を施設ごとに見ております。そうしますと、0~5%というのが多かったわけですが、割合が高い施設もあったというところが見えるかと思います。
続きまして、今度は「呼吸不全又は心不全で重篤な状態」の患者についての分析でございます。
左のグラフは救急医療管理加算1の算定患者であって「呼吸不全又は心不全で重篤な状態」に該当した患者につきまして、傷病名が心不全の患者の入院時のNYHAという心機能を示す指標を見ますと、レベル1の身体活動に制限なしの患者が1割弱ということでございました。
右のグラフを見ますと「呼吸不全又は心不全で重篤な状態」の患者のうち、レベル1の患者の占める割合を施設ごとに見ると、0~5%が多いわけですが、割合が高いという施設もございました。
24コマ目は「広範囲熱傷」の患者についての分布でございます。
左のグラフは救急医療管理加算1の算定患者であって、「広範囲熱傷」に該当した患者につきまして、入院時のBurn Indexという熱傷の面積を示す指標を見てみますと、0~5の患者が約35%でございまして、中段に参考としてBurn Indexを示しております。
右のグラフを見ますと「広範囲熱傷」の患者のうち、Burn Index0~5の患者の占める割合を施設ごとに見てみますと、0~5%が非常に多いのですが、100%の患者も約2割いるという状況でございます。
25コマ目は「救急医療体制体系図」を示しておりまして、救命救急医療を担う救命救急センター、入院を要する救急医療を行う病院、それから、初期救急医療を担う医療機関を全国で整備しております。
26コマ目は、救急医療提供体制と救急搬送件数の関係を示したグラフとなります。救急医療提供体制別に年間の救急搬送件数を見ますと、青色が高度救命救急センター、赤色が救命救急センターでございますが、年間5,000件以上というのが最も多いということでございましたが、二次救急の医療機関の分布については、ばらついているという状況でございます。黄色の「救急部門はあるがいずれにも該当しない」医療機関については、年間500件未満というところが最も多かったという状況でございます。
27コマ目は、年間の救急搬送件数別に平日夜間帯及び休日日勤帯に救急外来に従事します医師数の合計を見ております。救急搬送件数が多いほど医師数が多い傾向にはありますけれども、ばらつきを見ますと、搬送件数が多いにもかかわらず、医師数が相対的に少ないという施設もあります。そういう状況ということで御報告させていただきます。
続きまして、今度は「救急搬送看護体制加算」について御説明をさせていただきます。
29コマ目でございます。「夜間休日救急搬送医学管理料及び救急搬送看護体制加算の概要」になります。
平成30年度診療報酬改定で創設された救急搬送看護体制加算でございまして、これの届け出は病院で1,644カ所、診療所で12カ所となってございます。
続いて、30コマ目でございます。本年度の改定検証調査の速報値を示しております。急性期一般入院料1では、5割以上が救急搬送看護体制加算の届け出を行っているということが見えるかと思います。
続きまして、31コマ目でございます。救急搬送看護体制加算の届け出がある病院におきまして、年間の救急車等の搬送件数が多いほど、専任の看護師の配置人数も多くなっているということが見えるかと思います。そのグラフでございますが、左に行きますほど救急搬送件数が多い。色別に看護師さんの配置の人数がわかるかと思います。
32コマ目でございます。これは、31コマ目と反対の視点で見ますと、専任の看護師の配置人数が多いほど、年間の搬送件数が多いという傾向にございますが、一方で、専任の看護師が1名であっても、年間2,000件以上の搬送を受け入れている施設があるという結果も見えるということでございます。
これらを受けまして【論点】でございます。
33コマ目、まず、救急医療管理加算は、緊急に入院が必要な重篤な患者に対する医療を評価する項目でございますが、現行の加算1の対象患者の状態にばらつきがあることや、加算2の算定が増加傾向にあることを踏まえて、対象患者の要件について、どのように考えるのか。
2つ目が、救急医療体制について、救急搬送件数と従事する医師数の関係等を踏まえ、救急搬送の件数や重症度に応じた適切な体制を確実に整備する観点から、どのような対応が考えられるか。
3つ目です。救急医療体制の充実とともに、救急部門におけるタスク・シフト/タスク・シェアリングの観点から、専任の看護師配置の実態を踏まえ、現行の施設基準についてどのように考えるかという論点を提示させていただいております。
続きまして「小児・周産期医療について」でございます。
35コマ目でございます。これは「周産期医療の体制」を示した図でございます。リスクの高い分娩に対応する総合周産期母子医療センターを三次医療圏に1カ所、それから、周産期に係る比較的高度な医療行為を提供する地域周産期母子医療センターを、総合周産期母子医療センター1カ所に対して数カ所という形で整備がされております。
36コマ目でございます。これは総合周産期母子医療センターと地域周産期母子医療センターの役割になります。総合周産期母子医療センターは、母体及び新生児に対する極めて高度な医療を提供する。地域周産期母子医療センターは、周産期に係る比較的高度な医療行為を実施するという役割分担となっております。
続きまして、37コマ目でございます。総合周産期母子医療センターと地域周産期母子医療センターの現在の施設数の推移でございます。施設数、所在都道府県数はいずれも増加しておりまして、平成29年度までに全ての都道府県に配置されているという状況になってございます。
38コマ目でございます。これはNICU(新生児集中治療室)とMFICU(母体・胎児集中治療室)の病床数と患者の延べ数でございますが、これはいずれも増加してきておりますが、近年、NICUの患者数は横ばい傾向にあるというのが見えるかと思います。
続きまして、39コマ目でございます。NICUの整備状況でございます。
右上の囲みで示しておりますが、平成31年度までに全都道府県で出生1万人当たり25~30床の整備を目指しておりまして、平成29年に全都道府県において目標が達成されております。
中段のところでございますが、都道府県ごとの整備状況になります。真ん中の緑の帯が目標値を示しております。
下段の左は、出生1万人当たりの病床数と出生1万人当たりの患者延べ数の関係になります。
右は、出生1万人当たり病床数と病床当たりの患者延べ数の関係、実績を踏まえた分析は必要でございますけれども、出生1万人当たりの病床数が多いほど病床利用が低値となる傾向にあります。
40コマ目を見ていただきたいと思います。
左上のグラフですが、総合周産期は15床以上のNICUが多く、地域周産期母子医療センターは6~8床、その他は3床以下が多いとなっております。
右上のグラフですが、人口規模が100万人未満の都道府県は15床以上のNICUを持つ施設の割合が少なく、3床以下の施設の割合が多いとなっております。
左下のグラフは、NICUの規模別入院児数を示したものでございます。
右下のグラフは、今度はNICUの規模別の病床利用率を示したものでございまして、規模が大きいほど病床利用率が高くなる傾向にあるということがわかるかと思います。
41コマ目ですが、NICUに関する診療報酬の施設基準となっております。NICUを見ていただきますと、A302の新生児特定集中治療室管理料、A303の総合周産期特定集中治療室管理料において、評価を行っております。新生児特定集中治療室管理料1と総合周産期特定集中治療室管理料2というのは、同じ点数ではございますけれども、要件が若干違っているという状況になっております。
42コマ目をごらんいただきたいと思います。上のグラフは新生児特定集中治療室管理料の届け出医療機関数及び病床数を示しておりまして、これはほぼ横ばいになっておりますが、下のグラフの算定患者数は減少傾向にあるというのがわかるかと思います。
43コマ目は新生児の集中治療室(NICU)の病床数の推移でございます。
左上のグラフ、総合周産期特定集中治療室管理料2と新生児特定集中治療室管理料の算定施設及び病床数の合計を見ますと、いずれも増加傾向にございます。病床数の内訳を見ますと、新生児特定集中治療室管理料2は増加しているのが見えるかと思います。
下の図、1施設当たりのNICUに関する入院料を算定する病床数の分布を見ますと、新生児特定集中治療室管理料2というのは6~8床が多いのですが、3床以下の施設もございます。総合周産期特定集中治療室管理料2というのは、15床以上の施設が最も多いというところが見えるかと思います。
これらのデータから見て、44コマ目に【論点】を示しておりますが、新生児特定集中治療室管理料及び総合周産期特定集中治療室管理料2につきまして、いずれも新生児特定集中治療室に関する評価であることを踏まえ、評価のあり方について検討してはどうかということで論点を示させていただいております。
続きまして「3.業務の効率化・合理化」について御説明させていただきます。
前回も働き方ということで御議論いただきましたが、その中の1つといたしまして「勤務環境改善に資する取組として診療報酬での評価が考えられる事項」として、届け出・報告の簡素化、人員配置の合理化の推進、書類作成・研修要件の合理化というのを挙げておりますが、今回は届け出・報告の簡素化と書類作成・研修要件の合理化の2つについて、御説明をさせていただきたいと思います。
まず、厚生局への届け出、報告の簡素化、書類作成・研修要件の合理化についてということでございまして、初めに、書類作成・研修要件の合理化について御説明をさせていただきたいと思います。
48コマ目は5月の中医協総会にも出させていただきましたが、診療報酬の算定に当たり作成を求めている書類や、研修の一例となっております。
49コマ目に示しておりますのは、書類の記載について、中段の例で挙げていますように、栄養サポートチームの加算のように、診療報酬の算定に当たり、計画書を診療録に添付するということを要件にしている項目と、計画に基づき行った指示の内容を診療録に記載すると書かれている項目がございます。
また、そこにありますように、在宅療養指導料のように医師が他職種への指示事項を診療録に記載し、他職種が実際に行った指導の内容について、記録を作成するようになっている項目がございました。
こういった事例も含めまして、医師に求めている診療録の記載につきまして、簡素化を行う方向で検討を進めてはどうかということで御提示させていただいております。
続きまして、研修につきましては、例えば感染防止対策加算と、その加算であります抗菌薬適正使用支援加算の届け出を行っている医療機関は、感染制御チームによる年2回程度の院内感染対策に関する研修に加えまして、抗菌薬適正使用支援チームによる年2回程度の抗菌薬の適正な使用を目的とした院内研修を実施する必要があるというような状況にございます。
また、例えば、院内研修の中の看護補助加算等につきましては、看護補助者に年1回以上の院内研修を要件として課しております。
その内容のうち、例えば医療制度の概要など、内容が毎年変わらないような項目についても、今は毎年の受講が求められている状況でございます。こういった点については、簡素化する形で合理化していくという検討を進めてはどうかという論点でお示しするものでございます。
続きまして「医療機関と薬局の連携による業務の効率化」というところでお示しをしたいと思います。
53コマ目でございます。「医療機関-薬局間の業務効率化の取組」でございます。これは5月にもお示しをさせていただきましたけれども、医療機関と薬局間の業務効率化の取り組みについてでございます。
左上のグラフは、医療機関、特に病院において、薬局からの形式的な問い合わせを負担に感じているということが示されております。
右半分でございますが、医療機関と薬局間での事前の取り決めによりまして、問い合わせを簡素化しているという医療機関がございます。
54コマ目はその例でございますが、京都大学医学部附属病院の例でございます。京都大学病院では、問い合わせの効率化に係る薬局との取り決めを2013年10月より行っていると聞いております。
右下のグラフでございますが、処方変更があった処方箋のうち、2014年9月時点では13%、2015年3月時点では21%の処方変更が、取り決めに基づきまして事後報告になったということでございます。
また、問い合わせがあったものの、取り決めの範囲内であったものが約15%あり、処方内容が変更されたもののうち、約3分の1が取り決めに基づきまして簡素化が可能と推定されております。
55コマ目は「薬局での問合せ簡素化の取決めの活用状況」でございます。
上のグラフは、問い合わせの簡素化に関して、医療機関と文書による取り決めを結んでいる薬局が全体の約20%となっております。
下のグラフは、取り決めを結んでいると回答した薬局のうち、取り決めを結んでいる医療機関数は平均で約1.6施設となってございます。
56コマ目でございますが、【論点】としまして、医療機関における医師の負担軽減や、患者の薬局での待ち時間短縮等の観点から、薬局から医療機関への問い合わせの簡素化の取り組みを推進するということについてどう考えるのか、御提示をさせていただきました。
57コマ目は「診療報酬明細書の記載及び地方厚生(支)局への届出に当たっての業務の効率化」についてでございます。
まず「レセプト摘要欄の記載事項の選択式化」についてでございます。58コマ目を見ていただきますと、レセプト摘要欄の記載事項の選択式化につきましては、平成30年の診療報酬改定においても見直しを行っておりまして、令和2年度改定についても、さらに合理化する余地があるのではないかということで、7月17日の総会におきまして御提案させていただきましたところでございます。
上段でございますが、例えば画像診断について「撮影部位を記載すること」と診療報酬上されておりますが、レセプト摘要欄に手入力で撮影部位を記載しているということになっておりまして、レセプト摘要欄への手入力というのが記載ミスの原因となっているという状況でございます。
また、レセプト表示のイメージをお示ししておりますけれども、入力された撮影部位のレセプト表示もわかりにくく、入力後の確認が難しいという状況になっております。
そこで、医療従事者の負担軽減や業務効率化の観点から、レセプト摘要欄に手入力で記載を求めていた事項のうち、撮影部位等については選択式記載として、撮影部位の選択肢を選べばよい仕様としてはどうかと考えております。また、レセプトに表示される際に、どの診療行為に対するコメントかわかるように、所要のコードを設定してはどうかという御提案でございます。
続きまして、今度は歯科のレセプト様式の見直しについてでございます。
歯科では、手書き請求の利便性の観点から、次の60コマ目でお示ししておりますとおり、あらかじめレセプトの様式にそれぞれの診療報酬の所定欄を設けておりますが、一方で、日付や部位情報がないことから、摘要欄に追加情報の記載を求めることがございまして、負担が大きいという御意見をいただいているところでございます。
これにつきまして、算定日順に整理した様式による摘要欄記載の簡素化をしてはどうかという御提案でございます。
なお、紙レセプトによる請求については、当面の間、従前の様式でも差し支えないという対応が必要であるというのをあわせて考えているところでございます。
続きまして、61コマ目は「地方厚生(支)局への届出の簡素化(1)」でございます。地方厚生局への施設基準の届け出や手続が医療機関の負担になっているという声がございます。7月17日の総会においても、これらの手続の合理化・簡素化をさらに進める必要があるのではないかという御意見をいただいております。
例えば、一部の施設基準については、届け出時に従事者の氏名や経歴の提出を求めているものがございます。その際、経歴書や認定証の書類の添付を求めている場合がありまして、これらの書類について、添付を省略することができないか検討しているということでございます。
このように、令和2年度の改定の対応としましては、医療従事者の負担軽減及び業務効率化の観点から、届け出に係る様式の簡素化、添付資料の低減等の取り組みをさらに進めることとしてはどうかという御提案でございます。
62コマ目が訪問看護ステーションでの届け出でございまして、健康保険法に定める訪問看護事業所については、管理者のみならず、その他の職員が変更となった場合についても、都度、その変更の届け出を行うということが定められております。
届け出による事業所の負担が大きいという声がございます一方で、介護保険のほうではこのような届け出は規定されていないという事情もございます。このような事例も含めまして、訪問看護ステーションについても、事業所の負担軽減及び業務の効率化の観点から、変更届の内容について検討を進めてはどうかという御提案になります。
事務局からは以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、以下ではこの3つのテーマごとに議論を進めてまいりたいと存じます。
まず、今の説明の第1番目の「治療と仕事の両立支援について」でございますけれども、このテーマに関しまして何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
15ページの【論点】のところでございますけれども、この両立支援指導料は、がん患者の治療と仕事の両立という観点で主治医が産業医から助言を得て、患者さんの就労状況を踏まえた治療計画の見直し・再検討を行うなどの医学管理の評価ということで、前回改定で導入した意義は非常に大きいと考えております。
また、相談体制充実加算は、相談窓口を設置して、設置基準にあるような看護師等を配置して、さらに、両立支援コーディネーターなどもこれに取り組んでおりますけれども、これをやっているにもかかわらず、指導料そのものが算定できないと加算も算定できません。7ページにあるように、算定件数は残念な状況となっておりますので、もともとの指導料が算定できるような形で見直していくべきだと考えております。
現場の状況について、12ページ目に基づき説明いたしますと、2の産業医からの勤務情報の提供がなくても、主治医としては、患者さんからの相談を受けて、3の診療情報を勤務先に提供する場合もありますが、そういった場合、つまり、企業側から主治医に相談がない場合ですけれども、4の産業医からの助言が返ってこないこともあって、主治医としては3を出しただけで終わってしまう。結局、診療情報を提供したことに対して、何の診療報酬も算定できないという状況があると聞いております。
そこで、今回の提案のように、企業から2の相談があって、それに対して主治医が対応した時点で算定できるようにするという見直し案の方向性については、賛成したいと思います。
ただ、1点気をつけていただきたい点がございまして、1つ目は、3の診療情報の提供先です。当然のことながら、主治医が提供する情報には患者さんに関する機微な情報が含まれておりますので、原則、産業医への情報提供とすべきですが、産業医の選任義務のない中小企業におきましては、提供先が企業の人事労務担当者とか、あるいはいらっしゃれば、産業保健のスタッフなどになるという見直し案ですが、こういった場合でも、情報提供を受けた後、地域産業保健センターや都道府県の産業保健総合支援担当に相談を行うことによって、できるだけ産業医が関与するようにしていただきたいと思います。
2つ目は、情報提供の頻度ですが、現行は6カ月に1回しか算定できませんが、例えば、両立支援に取り組み始めた初期は煩雑に情報提供をすることもありますし、また、しばらくして、患者さんの状況が変化して、産業医から改めて相談を受けて治療情報等を提供することもありますので、主治医が必要に応じて情報提供を行った場合の評価についても検討していく必要があるかと考えます。
14ページ目の見直し(案)3につきましては、連携マニュアルが作成されている脳血管疾患、肝疾患、難病についても対象とするべきと考えます。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでございましょう。
では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
ありがとうございます。
今、松本委員がるる詳しく現場の状況をお話しいただいたと思います。前回の改定でこれが入ったことは、本当に意義があったなと思っています。
両立支援ということなので、前回、こういった難しい仕組みで条件がついているということで、今回、見直し案でかなり現場の感覚に近づいたなと思っていますけれども、これは対象ががんになっているということで、両立支援の問題が患者起点で始まっていた。
それが今回は産業医側から情報提供を求めるということで、地域の医療機関が主治医として出すということになっていますけれども、現場で実際に診療していると、がんではない病気、例えばメンタルの問題であるとか、糖尿病の問題であるとかというところで、やはり職場の環境がかなり疾病に影響しているということを主治医の側で気づくことがあると。
患者さんはこういう仕組みがあることを知らないので、自分から連携をとってくださいというお話が出てくることは現実にはほとんどなくて、すごく卑近な例を挙げさせていただきますけれども、物すごく不眠が続いているといって来られて、お話を聞いてみると、どうも職場ですごくいろいろな問題があって、そのためにストレスで不眠になっているとか、あるいは糖尿病を治療していてもなかなか改善しないと。食事の状況を聞いてみたら、職場の状況で食事のとれる時間帯が物すごく制限されているために、不規則な食事摂取になっていたり、そういったことが疾病に影響している。主治医の側で気づくこともあるわけです。
それを会社側に、何とか職場環境を改善していただきたいと、そのことがこの疾病をよくしますと、例えば、そういうことで情報提供をしても、この仕組みだと全然評価されないということになってしまいます。
だから、まずは限られた疾病でということでこういう条件がついているのはやむを得ないし、前回よりは今回のほうがよりよい方向には行くと思いますけれども、産業医と主治医の間の患者を通した連携ということをいうのであれば、起点はどこにあってもいいと私は思っていて、主治医の側から気づくこともある。
また、そういう仕組みができることによって、主治医の側も産業保健、あるいは働くということに対する意識が向上していくと思いますので、別に高い点数である必要はないと私は思っていて、もっと点数を下げて、お互いがやりとりできるような仕組みをぜひ考えていただければと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
15ページの【論点】ですが、今、両先生がおっしゃったように、治療を継続しながら働き続けられる環境の整備が非常に重要な課題であるというのは、皆さん承知のところでありまして、両立支援の促進策ということで療養・就労両立支援指導料が前回改定で設定されたと理解しています。
この中の産業医については、私どもの協会けんぽの加入事業所は、今、200万事業所を超えているわけですが、実はそのうちの約8割は従業員9人以下の産業医の選任義務がない小規模な事業所です。支援指導料の産業医要件において、全く選任していない事業所がほとんどということを勘案しますと、このような事業所では、治療と仕事の両立支援の流れが捉えがたい状況にあるというのは、もう歴然としておりまして、治療と仕事の両立を進めていくというのは、非常に大きな課題であると我々保険者としても考えているところであります。
そういう視点に立って考えますと、13ページにありますように、労働安全衛生法に位置づけられている職種の方が両立支援のプランにかかわることを可能にしていくということで、それを制度化して、12ページにあるように、産業医の関与をマストにしないという見直し案の方向性は理解できるわけです。
ただし、産業医の先生というのは医学的見地をお持ちの方なので、そうではない人、衛生管理者等が作成した両立支援プランというのは、その質を確保する観点が必要であり、やはり主治医の先生が内容をチェックし、必要に応じて見直しプランを共有するということが、この実効性を担保するためには本当に必要な対応であるため、本当は産業医を外して、12ページですと、5までが一つの要件設定の範囲ではないかと考えております。
それでは、今回、この見直しプランが出てきましたように、支援指導料がプラン共有まで策定できないという要因として、時間的な課題が非常に大きいのだということであるならば、12ページの3までの「療養上必要な指導を実施」と、4と5の両立支援プランの内容のチェック・見直しの2段階に指導料を分ければどうかと考えます。
そうすると、一応、3までで相談して指導を受けたということでの両立加算と、もう一つは、それに伴って、今後、両立支援を実行していくという並びの中で、プラン共有・見直しをしていただくことでも加算がとれるということで、これを分割すればいいのではないかと思います。
いずれにしろ、もし12ページの案でいくならば「療養上必要な指導を実施」ということだけですので、当然、現行の指導料1,000点というのは厳正化・適正化すべきだと考えます。
もう一つの論点でございますけれども、がん以外の14ページにお示しいただいているような対象疾患に拡大していくというのであれば、ここに示されていますように、やはり連携マニュアルの作成をされているのが大前提で、また、その対象疾患については、11ページにございますように、主治医の先生によるきめ細やかな調整が不可欠でありますし、この基本的な考え方、その他の考慮すべき要素など、こういう形がしっかりと対象疾患として満たされているのを要件とすべきだと考えます。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
では、平川委員、お願いいたします。
○平川委員
ありがとうございます。
方向性としては異論はないのですが、中医協の議論ということではないのですけれども、治療と仕事の両立をどうやって進めていくかということについての課題だけ少し発言させていただきたいと思います。
基本的にこのプラン・制度の認知度というのは、依然として事業場の中ではそれほど高くないということとか、制度を担う両立支援コーディネーターのスキルアップというのが大きな課題になっているのかなと思っています。
特に企業の中において、この相談体制を担う産業保健関係のスタッフの配置状況を見ても、JILPTの調査では67.5%が配置していない。もしくは29人以下の事業場においては、8割を超える事業場でスタッフがいないという状況でありまして、やはりこういう体制の強化も必要だと考えているところであります。
また、両立支援コーディネーターのスキルも相当な差があると聞いておりますので、関係部署を含めて連携をとって、スキルアップの体制の強化が必要ではないかと考えているところであります。
いずれにしましても、これがさらに拡大していくという方向が重要と思っているところであります。
以上、意見として言わせていただきます。
○田辺会長
では、宮近委員、お願いいたします。
○宮近委員
治療と仕事の両立支援を推進していくということは、大変重要な課題ですので、この療養・就労両立支援指導料が機能する方向で検討をする必要があろうかと思います。
ただ、13ページに情報の提供先として示されている労働者の健康にかかわる業務を担当する者のうち、産業医や保健師以外の者は専門的な医学的知見を有している者ではありませんので、医療に関する知識のギャップが大き過ぎて現場で混乱を招くことも想定されますので、こうしたものを提供先とすることについては、一定の配慮といいますか、わかりやすい平易な内容でということになるのでしょうけれども、やはり慎重な検討をしていく必要があろうかと思います。
以上です。
○田辺会長
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
これは平成30年度改定で新設されたということで、算定回数が6月審査分で10回と少ない。もう少し様子を見てもいいかなというところもあるのですが、がんとの共存ということについては、社会的にも非常に重要なテーマでありますので、どんどん促進するための見直しというのは検討の余地はあろうかと思います。
今までの算定要件というのは、産業医との双方向コミュニケーションをした場合ということになっているのですが、この見直し案では、患者に療養上必要な指導を実施し、企業に情報を提供した場合ということで、一方通行でも算定できることになっている。算定要件に入れるまでもないとは思うのですが、主治医が最低限実施しなければいけないのは、企業に提供した診療情報にのっとった両立支援プランが確実に策定されているかということについては、確認する必要があると思われます。
患者の方は継続的に主治医を受診することになると思いますので、その際に患者を通して両立支援プランを共有して、患者の状態に応じて、変化すれば診療情報をさらに提供するという一連の流れが途絶えてはいけないと思います。
算定要件の見直しによって、算定する時期を情報提供したときにするというのは、特に異論はないのですが、双方向の確認というのは必要で、算定要件に入れないのであれば、留意事項通知等で通知するべき事項ではないかと思われます。
それから、いろいろ意見が出たのですが、今回、産業医以外の方も見られるということにするのであれば、例えば500人以上の大企業は、産業医をきっちり置いて、医学的な判断をして就労管理ができると思うのですが、先ほどから出ていますように、中小企業の衛生管理者は、例えば総務部長が兼任していたり、場合によっては社長がそのまま兼任していたりするということもあって、医学的な知識のない方が管理していることもあると思いますので、継続的に管理できる人との双方向コミュニケーションをとれるような流れは最低限確保しておく必要があるのではないかと思います。
疾患の拡大については、特に異論はございません。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございます。
では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
ありがとうございます。
ちょっと事務局に伺いたいのですが、先ほど吉森委員からガイドラインにのっとっている疾病という御意見があって、私も、診療報酬でやっている以上、一定の要件はあるので、これを前提にするということはあると思いますけれども、ここに挙がっている疾病というのは、例えば、今、実際に就労されている方たちが困っていて、この疾病があるためになかなか治療がうまくできない、あるいは両立ができないという根拠に基づいてこれがつくられているのかどうか。
つまり、疾病全体の数の多さと、疾病があるために就労が難しい、あるいは就労の条件が変わらないために病気がなかなか治りにくいというような、そういう疾病の重さに基づいてこれがつくられているのかどうかということ、何か根拠があってこのガイドラインの順番があるのかどうかというのを教えてください。
○田辺会長
では、事務局、お願いいたします。
○労働衛生課長
労働衛生課長でございます。
今の件につきましては、なぜこの疾病を使っているかということにつきましてですが、産業医の方々の意見を総合いたしまして、職場で両立するために一定程度の配慮が必要、どちらかというと、難度が高いというエキスパートの意見を取りまとめた上で、優先順位をつけて順次つくっていっているということでございます。
ですので、こういったマニュアルの方に対して、一つ一つそれぞれどれだけの人がいるかという観点ではなくて、職場での疾病の取り扱いが難しいという観点で選ばせていただいております。
○今村委員
一応、産業医側の、今おっしゃったような、会社の中でこの病気を持ちながら続けていくのが困難な順番でやっているという根拠があるということですね。わかりました。
○田辺会長
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
先ほど平川委員がおっしゃった両立支援コーディネーターの問題ですが、私も同じような考えを持っておりまして、もともと両立支援コーディネーターの研修を受けた方というのは、医師や看護師といった医療職の方もいますけれども、全く医療に関係ない職種の方でも、この研修を受けられて、こういった一定の要件を満たせば両立支援コーディネーターになりますので、当然、その質の差というのはすごくあるわけです。
こういった方がどこに所属しているか。例えば、病院に所属されているのは非常にいいと思いますし、あるいは会社側に入っていらっしゃる場合もある。あるいは全く在野にいる方もいらっしゃいますけれども、まずは病院とか、あるいは産業保健スタッフの中に入ってできる限りこれをやっていくというのが基本かと思いますので、その辺につきまして、きょうは労働衛生課長がいらっしゃるので、ちょっとお話を聞かせていただきたいと思います。
○田辺会長
では、お願いいたします。
○労働衛生課長
両立支援コーディネーターの養成でございますが、現在、2,000人を超えるコーディネーターの養成が進んでおります。今、御指摘がございましたとおり、いろいろな職種、いろいろな職場でということで、例えば病院であったり、事業所であったり、あるいは我々のほうで各都道府県に設置しております産業保健センターであったり、そういったところで業務に従事していただいており、患者さん、労働者に寄り添う形で両立支援を進めていくというコンセプトで進めております。
今のところ、さらに2,000人増加させていく中で、そういった質の面であったり、研修を受けた後の業務体制であったり、そういったところも今後検証しながら、有効活用ができるようにということで我々も進めてまいりたいと考えております。
○田辺会長
よろしゅうございますか。ほかはいかがでしょうか。
では、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
現行の両立支援は、産業医が選任されている事業場に勤務しているがん患者ということで限定されているところから、大きい会社でなくて、産業医がいない小さい会社の患者でも対象になる。それから、がん患者に限定されないで、ほかの疾患にも広がるということは、患者側としては非常にいいことだなと思っています。
ただ、患者側のイメージとしては、最初の1の両立支援の申し出のスタートのところのハードルが高いのかなと。それはなぜかというと、がんですとか病気になったときに、それを会社のほうに言うと、では、やめたらというようなことを暗に言われた患者が多いということは聞いていますので、ここは最初にまず申し出を会社とか産業医にするのではなくて、まずは主治医に相談して、そこからのスタートでもいいのではないかなと思うので、そのあたりをちょっと検討していただけないかなと思います。
以上です。
○田辺会長
ほか、いかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、次の2番目の救急、小児・周産期のパートに入ってまいりたいと思います。45ページ目ですか。この点に関しまして、御質問、御意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。
では、島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
まず、救急医療管理加算のところでございます。17ページです。内容の改定も行われていますが、基本的にここで示されているア~ケまでの病態は、集中治療室で対応する患者で三次救急の状態です。
例えば、集中治療室に5日間ぐらいいて、非常に重篤な状況を脱出することができて、一般病棟に移れた方たちは残り2日間ぐらいは算定できるというルールになっておりますが、大体こういう状態の方たちを一般病棟で診ることは現実的にはあり得ませんので、これに関しては、それぞれ救急の臨床をやっているところが非常に悩んでいるところだろうと思います。
この要件の方たちが特定入院の集中治療室に入りますと、算定できないのです。ですから、恐らく二次救急で対応している救急医療施設の病態というのは、入院して治療しなくてはいけないけれども、ここまではない病態はいっぱいあるのです。ですから、そういった人たちを一生懸命診ているのですが、そこを算定する要件がないので、ここで一生懸命無理して算定しようとしているというのが現実だろうと思います。
ですから、救急を診ている病院に関しては、救急医療管理加算というのは非常に重要な意味がありまして、一般病棟でもきちんと二次救急の患者さんを診ているところに対する評価を新たにつくるべきだろうと思います。これはあくまでも集中治療室の要件になっていると思います。それが1点です。
少し働き方のことで、新生児特定集中治療室(NICU)、それから、GCUと呼ばれる新生児回復室というのがございますが、これに関しては、隣接している場合には医師が当職を兼務することができるとなっております。
ところが、総合周産期特定集中治療室に関しましては、基本的には産科病棟が隣接することが多いのですよね。ですが、ここは兼務が認められていません。ですから、産科が全国的にこれだけ少なくなってきている状況の中で、働き方のことを考えれば、ここも兼務できるように持っていってもらうと非常に助かると思います。
意見でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでございましょう。
では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
33ページの【論点】の1つ目について、今、島委員もおっしゃった救急医療加算1の算定患者で、22ページの意識障害または昏睡の患者のJCSというスコアを見ますと、意識清明の患者が15%いるということが示されていますし、意識障害または昏睡の患者のうち、意識清明の患者が100%という医療機関が4%もあるという状況になっています。
一方で、今、17ページの救急医療管理加算の【算定要件】の(2)を見ますと、対象患者の意識障害または昏睡の該当性を判断するに当たっては、医師による診断等の結果、緊急に入院が必要と認めた重症患者とされているわけでして、率直に、JCS0の算定患者の存在、また、0の患者が100%の病院、このようなケースがなぜ存在しているのかよく理解できないので、どのような場合にこういうケースが起きているのか、どういう判断をなさっているのかがもしおわかりになれば、2号側の先生に御意見を伺えればと思います。
○田辺会長
では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
臨床の現場でいいますと、例えば、脳出血とか脳梗塞をされた患者さんが入院というか、受診されてこられると、その様子を見て決めるわけですけれども、正直言いまして、こういった患者さんは本当にもう30分、1時間で状態ががらっと変わります。
そういった中で、どの時点で評価するかということもあると思いますし、もう一つは、入院時ということになっていますが、22ページ目のJCSの「1.覚醒している」の中に0、1、2、3、それから、「2.刺激に応じて一時的に覚醒する」の中に10とか20と入っていますけれども、ここのところというのは本当に時間単位の中で微妙に変化していきます。
そういった状態があるので、1の0から2の10、20のところというのは本当に微妙なラインなのです。本当にわずかな差でここが変化しますので、そういった面では、どの時点でという問題も含めて、臨床の場ではここは非常に微妙なところがあると思っています。
それから、同じようなところで、ちょっとお話があったのでお話をしますと、24ページ目の広範囲熱傷のところですが、Burn Indexの5未満のところが出ていますけれども、例えば、右の上肢1本をやけどしますと、これは大人でいったら面積が9%とか、あるいは小児ですと10%になります。
Burn Indexは2度熱傷で2分の1にします。そうすると、腕1本をやけどすると、ここの5未満ぐらいに入ってしまうのです。腕1本やけどしたときというのは、2度の熱傷で、これは結構重症なのです。子供でいうと、きちんと管理をしないと命にかかわるぐらいのことなので、5%未満だから軽症とは思っていただきたくないと思っています。腕1本のやけどというのは結構厳しいやけどなのです。そういった点も御理解を賜りたいと思います。
以上です。
○田辺会長
では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
救急患者の状態によってさまざまなケースがあるというのはよく理解できましたが、一般的に我々が考えますと、いわゆる意識清明とか、呼吸不全等で重篤ではないのかなとも思えますので、やはり医学的見地で算定対象患者の重篤性の状態をきっちり見ていらっしゃって、こういうスコアリング、JCSやNYHA、Burn Indexという指標がもし活用できるならば、その辺の活用をしっかりと見ながら、要件の適正化を図るということも一つの方策であっていいのではないかと考えます。
○田辺会長
では、猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
確かに入院時に意識障害が余り認められないということはあるのですが、実際に経験しますと、例えば、けいれん発作が起きて、意識障害で救急車に入ったのですけれども、病院につくときにはおさまっているということが結構あります。
そのようなときには、我々としてはスコアはゼロでつけざるを得ないということがあったり、あと、よくあるのは低血糖の発作です。低血糖で本当に意識障害で来るのですけれども、ブドウ糖を注射するだけでぱっと意識が戻るのです。そうすると、入院時には戻っている。ただ、またいつ起こすかわからない。それから、心臓発作でもそういうことがあります。
したがって、入院時の意識障害だけではなくて、そういう意識障害の既往とか、今後のことを考えながらやっているということで、ただ単にそのときのスコアをつけるというと、こうなってしまうというようなことは結構あるかなと思います。
それから、先ほど島委員からもお話がありましたけれども、この救急医療管理加算の項目自体を抜本的に見直さないと、今後の二次救急、救急医療の中の正確な状態を把握するということは多分難しい。ここだけの項目ではもう、把握できないのです。
ですから、ここはちゃんと見直しをしていただいて、ましてや二次救急、救急医療の病院はこれから医師の確保というのが非常に難しくなってくるわけですので、そういう財源的な面を考えても、ぜひここのところは評価をいただきたいと考えております。
○田辺会長
では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
論点ということでもう一回もとに戻ってお話をさせていただきますが、確かに現行の加算1の対象患者の状態にばらつきがあることとか、加算2の算定が増加傾向にあるかもしれませんけれども、17ページ目にあるとおり、全体的な算定回数は横ばいの状況にあると思っています。
そもそものこの加算の意義ですけれども、救急患者がたらい回しにならないよう、二次救急医療機関で積極的に引き受けていただくことを促す点数であると理解しています。地域の中小病院みずから24時間の受け入れ体制を確保している場合や、複数の医療機関が病院群の輪番制や共同利用型病院方式などの方法でも対応して、おのおのの地域で救急医療の確保に尽力されておられます。
このような状況を考え、また、働き方改革も行われて、救急医療の受け入れ体制の確保が困難な状況になっていくということがあってはならないと思っています。今回の改定で若干の見直しをされる、検討されるということはいいとは思いますけれども、余りにも対象患者の要件を厳格化することは、救急医療体制の確保とか整備に向けた取り組みが後退する懸念もあると思いますので、これには注意が必要と思っております。
2つ目の論点につきましても、これも働き方改革の議論とも関連しますけれども、搬送件数に比較して医師が少ない施設もありますし、また、医師数が多いところであっても、十分な手当がなされているとは限りませんので、これを重点的に評価することは検討すべきではないかと思います。
3つ目の論点についてですが、32ページ目では専任の看護師が1人で2,000件以上も担当しているような様子もうかがえますので、こういった現場の献身的な努力も評価しつつ、負担軽減を図る方向で検討していくべきと考えます。
以上です。
○田辺会長
では、城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
先ほどから何度も出ているお話、救急管理加算でございますが、島委員がおっしゃられるように、この条件のア~ケまでの疾患というのは、本来はICU等で診るべき疾患であろうと思うのですけれども、現実問題の二次救急の医療機関におきましては、三次救急等でこういうものがとれない。要するに、満床である等でこういうケースが回ってくるということはままありますので、こういう疾患に対しても二次救急医療機関の一般病床で対応せざるを得ない現実もあるということに対して、管理加算1がついているという御理解だけはしておいていただきたいと思います。
それと、管理加算2の本来の要件は、先ほどから島委員、猪口委員がおっしゃっておられますように、より現実に即した形で適切な評価をしていただける体制を構築していただきたいと思います。
以上です。
○田辺会長
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
この資料を読んだら、軽症な患者も算定されているのではないかということもちょっと思っていたのですが、今、先生方の実態を聞くと、病状が日々刻刻、時々刻々変化するということで、なかなかすぐにそれが軽症とはみなせないというのはよく理解できました。
その上で申し上げるのですが、ア~ケの項目が妥当かということについては、島先生がおっしゃったように、抜本的に見直す必要があるのではないかと思いますし、病状が時々刻々変化するのであれば、例えば、イからキのところなどはちょっと曖昧な表現になっているので、これについては、もっと基準を明確化することも考えてはどうかと思います。JCSとかNYHA、Burn Index等を基準に入れるということも検討すべきではないかなと思います。本当に軽症でないということであれば、この数値でわかると思いますので、こういったところを入れるということも必要なのではないかと思います。
もう一つは、加算2のほうなのですが、これが加算1の患者に準ずる重篤な状態ということで、そうであるにもかかわらず、算定点数は300点と3倍の格差がつけられている。これもちょっと矛盾があるなと思っていまして、本当に重篤な状態であるのであれば、900点をとってもいいのではないかと思うのに、300点に抑えられて、こういった曖昧な基準になっているということもちょっとおかしいのではないかなと思っています。
何が言いたいかといいますと、加算1の基準とか対象範囲をちょっと見直して、加算2も加算1に集約するということも検討していいのではないかと思っていまして、曖昧な基準で低い点数をつけているから、ちょっと問題が生じているのではないかと思っていまして、加算1の基準を厳格化することによって、加算2も同一にする、集約するということも考えていいのではないかと思います。
以上です。
○田辺会長
では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
その意見に関しては私は反対いたします。1と2の違いがなかなか曖昧であるというのは、おっしゃるとおりかもしれませんが、1つには、先ほど島先生等もお話しましたけれども、加算1というのはかなり厳しい、本当に厳しいNICUの三次救急の状態がありますが、城守委員も先ほど話したように、二次救急のところの患者さんでも、かなり救急を要する患者さんがたくさん来られます。
そういった場合に、救急医療管理加算2をとっているという面はかなりありますので、その辺も考えていただきたいなと思いますし、また、1と2のところは、審査支払機関でもきちんと考えながら、査定をしているところもしっかりありますので、2のほうを廃止するというのは反対いたします。
○田辺会長
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
加算2というのは、加算1と同様に重篤な状態の方ということですよね。なのに、300点に抑えられているというのは非常に矛盾を感じるのですけれども、その辺はどうお考えですか。
○松本委員
300点というのは、医療機関にとってはある意味では非常に不服な点数なのです。ここはもう少し点数を欲しいというのが本音でございます。ただ、ア~ケとありますけれども、恐らく2のほうでこれを全部、例えば、非常に重篤な場合は大体1でとっていると思いますので、ア~ケの中で加算2に相当するところというのは、この中でも項目は絞られてくると思います。
○田辺会長
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
ですから、300点に抑えられて曖昧な基準になっているというところから、ともすれば、1と一緒ではない方が算定されているのではないかということを私は感じているわけで、本当に1と一緒の状態の患者であれば1をとるはずなのですが、なぜ2をとるのかというところがちょっとわからないところなのです。
○松本委員
確かに基準そのものは、このとおり準ずる状態ということになっているので、曖昧だということがもともとの原因だと思いますけれども、厳密にア~ケの中で相当すれば1をとっているというのが現状かと思いますし、それにはちょっと至らないような、本当にこの中でもある程度軽目のものについては2をとっているというところがあって、ある意味では、確かにそこは厳密にはなっていないところがあるとは思います。
○田辺会長
では、猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
救急の現場というのは、例えば、実はここのア~ケの中で救急患者全てを網羅できているかというと、全くそんなことはなくて、例えば、高齢者の転倒で大腿骨頸部骨折というのはいっぱいあるのです。絶対に動けないし、入院して本当に安静をとらなければいけない、緊急入院が絶対に必要な状態があるとします。でも、それは全然ア~ケに入らないのです。だとすると、2をとるしかないのです。
そのような算定の仕方をしているということであって、2のほうが全くア~ケと同じようなものだという意味ではない。そのように現場としては取り扱わざるを得ないというのが現状であって、ですから、本当に二次救急に適した状況というのはどういうものなのかということをきちんとスコア化できれば、それはそれでまたもっと的確になっていくのかなと考えています。
○田辺会長
では、島委員、お願いいたします。
○島委員
全く同感でして、二次救急のところの現場では、いろいろな方たちが救急車、あるいはウオークインででも入院が必要だという方たちを診ているわけです。ですから、何度も言うように、ここに書いてあるような重篤な状況というのは一般病棟で診られる病態ではありませんので、確かにそういうものが依頼されるような二次救急の病院もあるかとは思いますけれども、現実問題、やはり二次救急の病院で診ている疾病に対する評価がここにはないのですよね。
どうしてもこれは2で算定しろと。それは現場の努力だろうと思いますけれども、その辺がもっとはっきりと、二次救急とはこういった疾患、例えば急性虫垂炎とか、上部消化管の穿孔とか、そういったもので、入院してでないと治療ができないようなケースはいっぱいあるのです。そういうものをきちんと表記できれば、そして、その努力に対して算定するということをやってもらったほうがいいのではなかろうかと思っております。
○田辺会長
では、吉川専門委員、お願いいたします。
○吉川専門委員
ありがとうございます。
看護の立場から、救急搬送看護体制加算について意見を述べたいと思います。
救急医療の現場で医師が診療に集中できるよう、看護師は検査や処置の介助を行うだけでなく、医師の診察前に問診やバイタルサインのチェックなどを行って、その患者さんの全体像を把握した上で、緊急度や重症度による治療の優先順位を判断する役割を担っております。
また、救急搬送に伴って、患者さんやその御家族は精神的にも非常に不安定な状態であることが多く、また、介護施設からの搬送ですとか、認知症があるなど、生活場所や背景がさまざまであるため、精神的・社会的な状況も踏まえた対応が必要となっております。さらに、救急の現場であったとしても、看取りへの対応も求められている状況があります。そのため、救急医療体制を強化する上では、看護提供体制の充実は不可欠と考えております。
現在の救急搬送看護体制加算では専任の看護師の配置が要件となっておりますが、31枚目のスライドにも示されておりますように、多くの医療機関で手厚い看護配置がなされております。手厚く看護師を配置することによって、より安全で安心な救急医療の提供や医師の負担軽減に寄与しておりますので、看護師の複数配置について、検討が必要であると考えております。
以上です。
○田辺会長
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
今出ました救急搬送看護体制加算なのですが、この搬送件数が年200件以上というのは、365日とすると、1.5日に1件というのは基準としては低過ぎるのかなと思っていて、ここは本当に救急をたくさん受け入れているということを要件とすべきで、この200件についてもちょっと見直すべきかなと思います。
○田辺会長
では、平川委員、お願いいたします。
○平川委員
救急のところで少し意見を申し上げます。二次救急の体制、受け入れ件数もそうですし、患者実態も少し状況が違うと思います、地域によってはそれこそ輪番でやっているところもありますし、地域の救急を一手に担っているような病院もあります。その辺は少し差があると思いますので、何らかの形でメリハリのある点数のつけ方というのが必要なのではないかなと思います。
地域で一手に救急を引き受けているような病院であれば、それなりの人員配置もされていると思いますし、余り受け入れていないところはそうでもないかもしれません。実態がよくわかりませんけれども、点数的にはメリハリをつけたらどうかと思いました。
それから、周産期の関係につきましては、36ページのほうで周産期母子医療センターの概念が出ておりますが、41ページのほうで総合周産期特定集中治療室管理料2と新生児特定集中治療室管理料1があります。御説明がありましたけれども、これは同じ点数になっています。施設要件は少し違うところがありますけれども、これが同じ点数になっているという意味合いは、どういう経過でこのようになっているのかというのを少し教えていただければと思います。
○田辺会長
では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
点数の経緯としては、まず、新生児特定集中治療室管理料があって、そこに総合周産期母子医療センターができて、そのときに総合周産期特定集中治療室管理料2というのができたということで、先に1ができて、その後、総合周産期の整備がされて、そちらのほうの点数が設定されたという経緯があると聞いております。
○田辺会長
平川委員、お願いいたします。
○平川委員
そういう意味では、これは機能に違いがないということなのでしょうか。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
基本的に機能という意味では、それぞれの施設の機能というのは当然ありますが、要件のところを見ていただきますと、施設要件以外の要件は一緒なのですが、最後にありますように、6床以上設置されているというところが違うところでございまして、それ以外の医師の常時治療室内に配置・勤務ですとか、看護師さんの配置ですとか、そういうものは全部同じということでございますので、そういう意味で、提供されている内容でも同じ評価になっていると考えております。
○田辺会長
よろしゅうございますか。
ほか、いかがでございましょう。
では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
では、44ページの【論点】のところで発言させていただきます。
新生児特定集中治療室管理料を算定する病院の中には、算定病床数が少ない医療機関もありますけれども、果たしてそういった病院がどのような機能を果たしているかということにつきましては、非常に地域差があると思います。もう少しその実態を調べていただきたいと思います。
例えば、NICUは3床であっても、新生児治療回復室(GCU)とか、あるいは母子・胎児の集中治療管理室(MFICU)というものもありまして、こちらのほうを併設しているということは結構たくさんあります。
例えば、NICUが3床でMFICUは9床とか、また、ある病院では、NICUは3床だけれども、GCUが6床あって、MFICUが3床あるというようなケースもございます。そういったケースもありますので、やはり地域、地域の状況を見なければならないということと、NICUが3床であっても、その地域にはなくてはならないような新生児センターや地域周産期もございますので、そういった点をもう少し考えていただきたいと思います。
また、全国的にNICUはある程度基準には達したと、整備がされたという話ですけれども、高年齢出産の方も非常にふえていて、同じ低出生体重児でも、非常に出生体重の少ない極低出生体重児とか、1,000グラム以下の超低出生体重児も非常にふえてきておりますので、NICUの必要性とか重要性は今後も続いていくかと思いますので、この点の手当てはしっかりと考えていかなければならないと思います。
そういった上で、この課題については、医療計画で見直しが検討されておりますので、そちらの状況を踏まえた上で、診療報酬が許すような形で対応を検討していく必要があると思いますので、しっかりと議論していただきたいと思います。
以上です。
○田辺会長
ほか、いかがでございましょう。
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
今の平川委員の質問を聞いての感じなのですが、総合周産期特定集中治療室管理料2と新生児特定集中治療室管理料1については、同じ点数なのですけれども、地域によって役割は若干違うのですが、機能自体はそんなに差がないということと、それから、管理料1の機関の病床数を見てみると、6床以上配置しているところが多いということを考えれば、要件の違いはあるのですが、A303とA302については、基準もほぼ同等になっているのではないかということを踏まえれば、A303の総合周産期特定集中治療室管理料2とA302の管理料1については、これはもう統合してもいいのではないかなと一つ思いました。
それから、管理料2については、届け出は増加しているのですけれども、患者数は減っているという状況がある中で、病床数も少ないということを考えると、A302の管理料2については、一定程度病床数を置くということを要件に置いて、将来的にはA303、A302の管理料1と2というのは全て一緒にしてもいいのではないかということを今思いました。
以上です。
○田辺会長
ほか、いかがでございましょう。
では、島委員、お願いいたします。
○島委員
新生児のほうのNICUは赤ちゃんだけです。それから、総合周産期のほうは母体も一緒に入りますので、統一というのは現実的にはなかなか難しかろうと思います。
○田辺会長
ほか、いかがでございましょう。よろしゅうございますか。
では、3番目のパートの業務の効率化・合理化のところの御議論をお願いしたいと思います。御意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。
では、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
業務の効率化で、医療機関と薬局の連携による業務の効率化ということで53コマ目に示されていて、さらに、問い合わせの内容を簡素化して、取り決めの内容等が実践されている事例があります。
ただ、56コマ目の【論点】のところで、患者の待ち時間の短縮の観点、あるいは医療機関側の負担軽減から、こういったものを導入していくということは特段否定しませんが、注意しなければならないのは、医療機関1つと薬局1つといった形で取り決めをするのではなくて、当然、地域の中で複数薬局と医療機関が取り決めをしていくという形にしないと、一対一だけでやっていれば、必要なチェック機能が働かなかったり、取り決めのものが必要以上に簡素化され過ぎて、患者さんに対する安全性とか信頼が担保できないということもあります。
もう一方で、薬剤師法では疑義照会の義務がありまして、疑義が生じた場合は、解消しなければ調剤できません。その点も含めた上で、問い合わせの内容の簡素化をどのようにするのかということはきちんとまた示す必要もあるのではないかと考えます。
○田辺会長
では、猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
ありがとうございます。
今回は、46ページですと、人員配置の合理化については、また別途ということだと思いますので、この範囲の中で考えさせていただきたいと思うのですが、まず、49ページの記載の簡素化というのは非常にいい方向だと思っております。
それから、51ページの院内研修なのですが、院内研修をやろうとしても、夜勤の方とか休みの方が非常に多くて、何回かに分けないと1回分が終わらないということが現実にありますので、例えば、これをレポート形式にするとか、そのようなことで簡素化できると、逆にもっと今よりも効率的になっていいのかなと思っております。
それから、少し飛んで58ページのレセプトの記載ですけれども、ぜひこの方法で進めていただきたいと思います。
61ページ、62ページの届け出の簡素化も、今、これは非常に煩雑で、しょっちゅう届け出を変えなければいけないということがありますので、ぜひこのような方向で進めていただければ助かるなと思っております。
そのほかに、例えば、届け出のオンライン化を進めていただけるとうれしいと思います。
それから、実際、事務作業でかなり煩雑になっておりますのが、いろいろな計算の範囲が、例えば1年を通してのものとか、半年とか、1カ月のものとか、かなり分かれておりますので、そこは事務的にもかなり煩雑な作業になっているので、もちろん同じにはできないものもあるのはわかるのですけれども、できるだけそこの統一化を図ることによって、いろいろなミスが防げるかなと思います。
レセプトにおいては、症状表記を課せられている項目が結構あるのですが、症状表記をしないても済むような選択方式とか、そういうものにまた進んでいただけたらと思っております。
あと、ここには出ていないのですが、食事療養費の中のさまざまな書類がまたよくございますので、そこも過度に職員に負担をかけないで済むような食事療養費における書類の整理ということもぜひ進めていただきたいと思っております。
以上です。よろしくお願いいたします。
○田辺会長
では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
49ページ目と51ページ目の対応案ですけれども、いずれもその方向性は賛成であります。事務局には、具体的にどのような項目が対応できて、また、どのような項目は対応できないのかなど、網羅的な資料をつくっていただきますよう、お願いしたいと思います。
それから、56ページ目のところですが、既にそれぞれの現場で相談して取り決めている状況があるかと思いますけれども、さらにそれを推進させることで、患者さんは待ち時間が減り、医療機関も薬局からの照会が減り、薬局も照会する手間が減るなど、メリットは理解できますが、1点懸念することがございます。
それは、療養担当規則の特定の保険薬局への誘導の禁止に抵触する場合が出てくる可能性があるのではないかということです。例えば、患者さんに対して、この薬局に行ったら待ち時間がかからないと伝えるような場合、この点、後で結構ですけれども、事務局の考えを教えていただきたいと思います。
業務の効率化を図るという趣旨は理解しますけれども、療担違反に発展することも懸念されますので、それに対して何らかの評価をするということについては、現段階ではちょっと賛成とは言いにくい状況かと思います。
また、どのような場合に簡素化させるかは医療機関によってもさまざまだと思いますので、画一的であったり、強制的にならないような配慮も必要かと思います。
58ページ目の対応案ですが、これは記載ミスを減らす対応と理解いたしますので、賛成いたしますけれども、問題の解消のために必要なしっかりとしたマスターを厚労省で整備していただきたいというお願いをしておきたいと思います。
最後に、61ページと62ページの対応案ですけれども、本来、届け出を受理した保険医療機関については、年1回適時調査を行い、届け出内容を確認する規定になっていますが、厚生局の人員不足などの都合によって、このとおりのことが行われていない実態もあります。
そのため、届け出書類で確認することから、提出書類が膨大になっていますし、現場からは、添付書類で求められている内容にわかりにくいものがあるという指摘も受けておりますので、これについて対応をお願いしたいと思います。
前回改定に続きまして、こうした取り組みを進めていくことは非常に大切なことだと理解しますけれども、より根本的には算定要件や施設基準の簡素化を目指す方向で御検討いただきたいと思います。お願いいたします。
○田辺会長
薬剤管理官、お願いいたします。
○薬剤管理官
松本委員から、医療機関と薬局の間の問い合わせの効率化、取り決めに関して、療養担当規則との関係について御質問がありましたので、お答えいたします。
今回、例えば、54コマ目に京都大学附属病院の事例をお示ししておりますけれども、この場合ですと、本年9月時点で40薬局との間で取り決めを結んでいるということでございます。
こういった場合に、取り決めを結んでいる保険薬局の情報を網羅的に患者さんに伝えるということであれば、特定の薬局への誘導には当たらないものと考えているところでございます。
ただ、医療機関によって、どの程度の薬局と取り決めを結んでいるかなどの状況はさまざまと考えられますので、療養担当規則との関係について一般的に申し上げれば、各保険医療機関において、患者に対しての説明に当たって、特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行っていると受け取られないように留意いただく必要はあろうかとは考えております。
○田辺会長
では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
ありがとうございます。
医療機関と薬局の連携について、改めて幾つか確認をさせていただきたいことがございますが、京都大学の例が挙げられていますけれども、例えば、京都大学がこういうやり方をしたいのですと言ったら、恐らくその周辺というか、京都市内の薬局はみんなノーなんて誰も言わないし、そういうルールはすぐ成立すると思うのですが、地域によって病院と薬局の数だとか関係だとか、日本中ばらばらだと思います。
例えば東京だと、本当に薬局がコンビニの数ぐらいいっぱいあって、実際上、そういった多数の薬局とどうやってこういう約束を医療機関がとるのかといったら、京都大学みたいに、上からこうやりましょうと言ったら、みんな契約を結ぶのかということもできないし、東京だったら病院もいっぱいあるわけです。それぞれの病院とそこの地域にある薬局が、物すごく数多い同士がどうやって連携をとるのだというのは簡単ではないと思うのです。
逆に、有澤先生が御指摘いただいたような、あるいは松本委員もおっしゃったような危惧はあるのですけれども、地方に行ったら本当に薬局は限られたところしかなくて、中核病院も限られたところしかなければ、簡単にこういった約束ができる。正直、それと一律に日本中同じ要件でやるのはどうなのかなと思います。
それと、ぜひ教えていただきたいのは、私、ちょっと不勉強でわからないのですけれども、こういう簡素化したルールで、薬局が医療機関に問い合わせをしないでお薬を変えた場合には、事後というのは、その後、必ずファクスなりで医療機関にそれを連絡するのかどうか。
それから、薬局の対価ですね。きちんとした疑義照会をしてやりとりをした場合の対価と、簡素化をして、今申し上げたような簡単な事後指導というか、事後報告をした場合で、その対価というのはどのようになっているのかというのを、管理官、教えていただければと思います。
○田辺会長
では、薬剤管理官、お願いいたします。
○薬剤管理官
通常、医療機関と薬局の間で取り組みをしている場合には、薬局のほうから事後的に報告するという形で契約を結んでいると、取り決めを定めているということが通例かとは思っております。
あと、通常、疑義照会や問い合わせなどをして処方が変更された場合に、調剤報酬でいうと重複投薬・相互作用等防止加算というものがございますけれども、現状では、こういった取り決めをしている場合には、そういった問い合わせによって変わったということではないので、そういう加算は算定されていないのではないかと理解しております。
○今村委員
ありがとうございました。
今のお答えの中で、通例として、つまり、約束事で事後に報告するという契約をすれば、報告しているけれども、そういう中身で契約しなければ、報告しなくてもいいということになるということですか。
○田辺会長
では、薬剤管理官、お願いいたします。
○薬剤管理官
私が知る限りでは報告することになっていると理解しておりますけれども、いろいろな形でやっていることがあると思いましたので、明確には申し上げなかったということであって、通常、そういった変更があった場合に、報告するのは当然のことだと思っております。
○今村委員
今、御報告いただいた2つの点については、しっかりとルールとしてそれが守られるようにしていただきたいと思います。
○田辺会長
では、城守委員、お願いいたします。
○城守委員
管理官にもう一度重ねてお聞きしたいのですが、今、話題になっている、取り決めをした薬局が幾つかあった場合には、それを網羅したものを患者さんに提示することは構わないのではないかというお話であったような気がしますが、例えば、療担では特定の薬局に誘導してはならないということになっていますよね。これが5件ならいいのかとか、4件ならいいのかという話になりますよね。ですから、幾ら何件かに散らばった形の網羅という形になっていたとしても、それを医療機関が患者さんに提示するということはよろしくないのではないかと思いますが、この点に関してはいかがですか。
○田辺会長
では、薬剤管理官、お願いいたします。
○薬剤管理官
例えば、医療機関によっては、近隣の薬局に対して事前にファクスを送るということで、ファクスのコーナーがあって、そこで薬局が網羅的に掲示しているような場合もあろうかと思いますので、確かに城守委員の御指摘のとおり、個別の判断になるところはあろうかと思いますけれども、通常、複数のそれなりの数の薬局と取り決めを結んでいる場合に、網羅的にお示しするということであれば、療養担当規則との関係では、特定の薬局への誘導とまでは言えないのではないかと思っております。
○田辺会長
松本委員、今の関係ですか。
○松本委員
はい。同じことですが、幾つかといいましても、大手調剤チェーンとか、1つの法人が複数の調剤を経営していることはたくさんありますし、このところはもう少し慎重に対応しないと、かなり変なことになっていくのではないかなと思いますけれども、先ほどの薬剤管理官の発言については、かなり疑問を持っております。
○田辺会長
では、林委員、お願いいたします。
○林委員
ありがとうございます。
59コマ目の歯科診療報酬明細書様式の見直し提案でございますが、これに関しましては、おおむね対応案には賛同いたしております。
ただ、減少してきているとはいいましても、歯科の場合は、1割程度の施設が手書き請求を行っておりますので、○の3つ目の対応案では「当面の間」となっておりますが、この記載に関しましては、影響が出ないように御配慮いただいた上での当面の間ということで、よろしくお願いしたいと思っております。
以上でございます。
○田辺会長
では、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
先ほどの薬局の取決めをしたところを公表していく。それについては、特定の薬局の利便性みたいなものを出すということを考えれば、処方箋の応需をする薬局を公表するのはいいと思いますが、あくまでもこれは医師の負担軽減と簡素化のためにやるものですから、それをあえて患者さん側に示すことによって、逆に誤解を与えるのではないか。特別ここがいいところなのだとか、要するに、患者さんに十分に理解が得られない仕組みなので、そこはちょっと検討しないとだめだと思います。
○田辺会長
ほか、いかがでございましょう。
では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
今の56ページの医療機関と薬局の簡素化・効率化の取り組みについて、いわゆる従事者の負担軽減と、患者の受診負担というか、待ち時間の軽減という視点は理解できます。ただし、具体的な取り決め内容によっては、患者サイドにとっても期待していた効果が得られないという可能性もありますので、先ほどから出ていますが、こうした取組を普遍的に推進・促進して、さらには評価という方向で考えるのであるならば、この取り決めの内容については、やはり当該医療機関と薬局の裁量に委ねるというのは非常に危ない考え方ではないかと思います。そのため、普遍的に厚労省において一定の必要最低事項の内容をしっかりと整理・要件化していって、促進・推進についての検討を進めるというステップを踏んでいただかないといけないのではないかなと思います。
○田辺会長
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
先ほどから話題になっている医療機関と薬局の連携は、ぜひ進めていくべきだと思います。京都大学の例が示されているのですが、ちょっと論点は違うのですけれども、今、社会的に問題になっているのは、特に高齢者の残薬の問題です。残薬を薬剤師さんが確認した場合に、プロトコルを結んで、医師に疑義照会することなく処方を変更して、後で医師にファクスでそれを事後通知することも可能かどうかということをまずお聞きしたいと思います。
○田辺会長
では、薬剤管理官、お願いいたします。
○薬剤管理官
それは取り決めの内容で医療機関との間で合意があるということであれば、可能だとは考えております。
○幸野委員
それであれば、今、残薬問題というのが非常に重要になってきておりますので、このプロトコルの中に残薬も含めた形で推進していくべきだと思います。
それ以外の業務の効率化・合理化については、おおむね異論はないのですが、レセプトの摘要欄の記載事項の選択化については、今、支払基金改革が進んでおりまして、将来的にコンピューターチェックの寄与度を9割まで高めるということが行われていますので、部位の選択だけではなくて、今、手書きでやられている部分も選択というものを拡大していただきたいと思います。
それから、歯科診療報酬明細書につきましても、摘要欄を簡素化するということが必要で、医科、調剤と比べて電子化がおくれていますので、こういった電子化を促進するためにも、歯科の明細書については、コード化とか摘要欄の縮減というのをどんどん進めていただきたいなと思います。
以上です。
○田辺会長
では、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
先ほどの残薬の調整の件ですが、既に処方箋様式が変更されていて、その中で、医師の指示に基づいて変更する、あるいは疑義照会をする、後刻、報告をする旨がもう既にできているということをお伝えしておきます。
○田辺会長
では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
54ページ目ですけれども、少し疑問の点もございます。例えば「問合せ簡素化の取決めの内容等」の(1)の具体的な内容の中に、8のところに「取決め範囲内での日数短縮」というのが入っていますけれども、これに関して、取り決めの範囲であれば勝手に日数を変更していいということであれば、これは非常に大きな問題だと思いますし、こんなことはあってはならないと医療機関としては思います。
○田辺会長
では、薬剤管理官、お願いいたします。
○薬剤管理官
御指摘のところの表現ぶりがよくなかったかと思いますけれども、まさに先ほど幸野委員からも御指摘があった、残薬などがあった場合の、しかも、日数もすごくたくさん残薬があった場合とかではなくて、ある程度の範囲内の残薬の調整のところの日数の短縮と理解しております。
○田辺会長
では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
それはやはり医療機関、処方医に一旦リターンしてくれないと困ります。残薬の確認をきちんとするということは大事なことだと思いますけれども、取り決めだけではなくて、やはりちゃんと処方医に一旦ちゃんと報告をして、それによってまた進めていくべきだと思いますので、調剤のほうで判断するというのはおかしいと思います。
○田辺会長
ほか、いかがでございましょう。
では、島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
以前の資料に、外来できちんと説明して同意を得る書類とか、入院中に患者さんや御家族にきちんと説明した上でサインをいただく書類が非常にふえてきていて、実際には、電子カルテ化しているところでは、そういう書類は全部電子カルテの中から一旦プリントアウトして、そのプリントアウトしたものを説明した上で、サインをしていただいて取り込むということが、非常に煩雑というか、非常に労働力をそぐ原因になっておりまして、ぜひ電子サインで署名してもらうということを検討していただきたいと思っております。病棟での先生たちとか、看護師さんたちの労力が随分省けると考えております。よろしくお願いします。
○田辺会長
ほか、いかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
次に「選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果への対応について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明のほうをお願いいたします。
では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
総-2の資料に基づきまして御説明をさせていただきます。
「選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果への対応等について」ということでの御提案でございます。
まず、1のところにありますように、7月17日の中医協総会において、追加すべき事例に関する提案・意見募集の結果(速報)について報告をさせていただきました。今後、必要に応じて中医協で議論するということで御了解いただいたかと思います。
寄せられた意見についてでございますけれども、事務局で精査いたしまして、次のような対応とさせていただきたいということで資料をまとめたものでございます。
まず、本文、総-2の(1)の「既存の選定療養の対象範囲を見直す」という御提案について、精査をいたしました。その中で「患者や患者家族への時間外の病状説明」を選定療養の類型であります「時間外診療」に加えるということにつきまして、御提案がございました。
これにつきましては、選定療養として位置づけた場合、医師等の時間外の病状説明に係る業務が減少し、医師等の負担軽減に資する可能性があるという御提案でございました。確かにその可能性はございます。
一方、設定金額によっては時間外の病状説明が増加し、かえって医師の労働時間がふえてしまうというおそれなどもあります。
現在、各医療機関において、チーム医療の推進やタスク・シフティング等、医療従事者の働き方改革に資するさまざまな取り組みが進められておりまして、勤務時間外での病状説明についても、各医療機関で導入が進められているところであると認識しております。
また、国民(患者)に対しても、各医療機関での取り組みへの理解を含めた医療のかかり方について、周知・啓発が進められているところであるという理由から、これらの取り組みの進捗状況、医療機関及び患者の意識の変化を見きわめつつ、慎重に検討する必要があるのではないかということで、まずは、医療機関における対応、患者の意識に関する実態を把握した上で、改めて次回以降に検討することとしてはどうかと考えております。
続いて、(2)として「療養の給付と直接関係ないサービス等に追加するもの」に関する御提案を精査させていただきました。
そもそものたてつけといたしましては、治療、看護とは直接関係のないサービスあるいは物品について、患者側から費用を徴収することは、不透明な運用と不適切な運用を避けるために、参考3の通知におきまして療養の給付と直接関係ないサービス等を例示いたしまして、その取り扱いをお示ししているという状況でございます。
いただきました御提案のうち、患者の求めに応じまして保険薬局が調剤した医薬品を患家に配送する場合にかかる費用につきまして、療養の給付と直接関係ないサービス等として費用徴収が可能であることを明記してはどうかという御提案でございます。
これは既に保険薬局における患家への調剤した医薬品の持参料が療養の給付と直接関係ないサービスとして、参考3の通知に明記されています。そういうことから、調剤した医薬品を患者に届けるために発生する費用として、医薬品の配送料も同様のものと整理したということでございます。
なお、配送料や持参料が療養の給付と直接関係ないサービスとして位置づけられたとしても、調剤された医薬品を患者に届けるところまでが保険薬剤師の業務であるということですので、この場合、当該保険薬局の保険薬剤師は必ず患者の医薬品受領の確認を行うものとすると記載させていただきました。
なお、今回寄せられた意見のうち、上記以外のものは、医療技術評価分科会に同様の提案があるなど、療養の給付との関係を整理すべきものでありましたり、療養の給付として既に保険適用の対象となっているものであったり、また、保険適用の対象となっているものと組み合わせる必要がなく自由診療として行うべきもの、または、選定療養や療養の給付と直接関係ないサービスとして既に患者から費用を徴収することが認められているものでございまして、そういう理由で対応しないこととしてはどうかと考えております。
続きまして、2といたしまして、先進医療会議からの提案があった内容についてでございます。
本年7月4日の先進医療会議において、保険適用された医薬品同士を比較し、診療ガイドラインの改善につなげるなど、診療の最適化に資する臨床研究を推進するために「既に保険適用となっている医療技術等の再評価を行うことを目的とした臨床研究であって、一部に保険適用外の検査等を含むもの」につきまして、先進医療として取り扱うことについて議論しましたが、保険導入を目指すという先進医療の制度趣旨になじまないので、既存の保険外併用療養費を前提とすれば、選定療養の枠組みの中で取り扱うことが妥当ではないかという御意見がございました。
この御意見につきましては、ここにありますように、以下の対応方針としてはどうかと考えております。
「既に保険適用となっている医療技術等の再評価を目的とする臨床研究」に伴う、例えば「制限回数を超える検査等」を選定療養の類型である「制限回数を超える医療行為」に加えることについては「既に保険適用となっている医療技術等の再評価」が本来の目的であり、保険導入を前提としない選定療養の趣旨とは大きく異なること。
それから、選定療養は患者の自由の選択と同意によるものでありますが、本件は、通常、その回数や実施時期については、臨床研究計画であらかじめ規定されておりまして、必ずしも患者の自由な選択と同意によるものではないということから、選定療養の枠組みで対応することは適切ではないのではないかと考えております。
むしろ、本件につきましては、趣旨を鑑みれば、法改正を含めた保険導入のための評価を行う評価療養を見直すことによる対応を検討することとしてはどうかと考えております。
事務局からは以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
では、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
ちょっと確認なのですが、参考資料に保険薬局における患家への調剤した医薬品の持参料という記載があります。これは今回追加になるものと一緒にそのまま出すのか、あるいはこれは片方で調剤した医薬品の持参料、いわゆる薬局がみずからやるような感じを私は受けているのですが、こちらは、どちらかというと、配送業者などを委託すると考えるのか、あるいはそういう区別がないのか、その辺を確認させていただきたいのですが。
○田辺会長
では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
出し方につきましては、一応、通知上は「保険薬局における患家への調剤した医薬品の持参料」となっています。今回については配送料ということですので、宅配とか、そういう部分を含めたものでの御提案と受け取っております。そこは逆に通知上でしっかりわかるように、どのように記載すればはっきりわかるのかということを検討しました上で、記載させていただきたいと思っています。
○田辺会長
では、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
多分、そういった意味では、なかなかわかりづらいという現場の声も出てくるやに思いますので、その辺はしっかりと区別できるような形でお願いしたいと思います。
○田辺会長
ほか、いかがでございましょう。
では、平川委員、お願いいたします。
○平川委員
総-2の関係で質問なのですが、2ページの2の「先進医療会議からの提案への対応について」の1つ目の○のところですけれども「保険導入を目指すという先進医療の制度趣旨に馴染まない」という記載がありまして、これは基本的に保険導入を目指したものではないということになっているのでしょうか。
この後ろのほうになると、保険導入、保険適用を前提とすべきというような記載もありますので、ちょっとこの辺がわかりづらいので、そもそもこの研究がどちらの方向を目指しているのかわからなかったので、教えてほしいと思います。
○田辺会長
では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
評価療養そのものが、保険導入を目指す技術とか、そういうものの評価を行うものとなっておりまして、先進医療会議から提案のあった臨床研究というのは、既に入っている技術もしくは物のどちらが有効であるかということについての比較をする臨床研究の中で、それを行うに当たって、その対象となる物とか技術ではないもので、プロトコル中に制限回数を超えた検査だとかが入っている場合に、その検査自身を選定療養として認めてほしいという内容でございました。
今回につきましては、実際、そもそも評価療養自身が保険導入を目指すものと法律にも記載されておりますので、その趣旨からいうと評価療養にもなじまない。ただ、今回の選定療養というものは、そもそも患者さんの自由な選択と同意に基づいて、それを受けるかどうかということを決めていただいて、払っていただくものでございますので、もともとあらかじめプロトコルに決まったような検査についてとるというのは、なじまないのではないかということで、まとめさせていただいたということでございます。
○田辺会長
平川委員、どうぞ。
○平川委員
今後、保険導入のための評価は、評価療養を見直すことによる対応を検討したらどうかということで、これは「法改正を含め」と書いてありますけれども、この辺はどういう場で検討されることになるのでしょうか。
○森光医療課長
これにつきましては、内容的には評価療養にも選定療養にもなじまないという部分でありますが、保険に導入された物とか技術の再評価のためには必要な研究だろうということでございます。ですので、どのような形でうまく取り込んでいくのかということについて検討させていただきたいと思いますが、一部で法改正で対応する必要がある可能性もありますので、そういう可能性を含めて、法改正も含めてということになります。
当然、法改正ということになりますと、医療保険部会ですとか、そういうところでの議論になる可能性はあると思います。
○田辺会長
ほか、いかがでございましょう。
では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
ありがとうございました。
今の平川委員と課長のやりとりを聞いて大体はわかったのですけれども、これは保険導入のための評価を行う評価療養を見直すために法改正すると読み取れるのですよね。今の御説明では、そうではなくて、あくまで大前提は保険導入ということは変わらないで、評価療養の中の中身を変えるという理解でよろしいのですよね。
○田辺会長
では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
現在のところではそういう案もありますが、実際、法律をどうすればいいのか、どういう制度をつくればいいのかという検討の中では、違う選択肢も出てくる可能性がありますが、とりあえずその目的は、保険導入されたものの再評価のために、うまく円滑に進むような仕組みをということでございます。
○田辺会長
ほか、いかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
本日の議題は以上でございますけれども、平川委員が本日をもって退任となりますので、一言御挨拶のほうをお願いいたします。
○平川委員
座ったままで御挨拶をさせていただきます。
この4年間、中医協委員を担わせていただきました。このたび連合の役員を退任したことに伴い、被保険者の代表ではなくなったということもありまして、中医協委員を退任させていただきます。
中医協に出させていただいて、皆保険制度の維持、そして、一方で、質の高い医療をどう実現していくか。このバランスをどうとっていくのかという大変難しい会議だったと思いますが、この2つを引き続き維持・継続していくために、中医協の中でしっかりとした議論が継続されることを期待させていただきたいと思います。
私は、北海道庁の労働組合出身でございます。北海道においては、地域医療をどう確保していくかということは大変大きな課題でありまして、地域で暮らす連合の組合員にとってみても、それはもう大変大きな問題でありました。
そういった意味で、今、地域医療構想も議論されておりますけれども、どこにいても格差なく医療を受けられるような体制を引き続きつくっていくという問題もあります。
さらに、また、2025年や2040年に向けて地域の様子も大変大きく変わっていくということもありますので、それに向けた議論も必要だなと思っているところであります。
この場で議論したことにつきましては、私自身もこれから違う立場でまた引き続き研究等を含めて頑張っていきたいと思っているところであります。
この4年間、大変ありがとうございました。(拍手)
○田辺会長
平川委員の長年の本会への御貢献に関しまして、深く御礼申し上げます。
それでは、次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の総会はこれにて閉会でございます。どうも御参集ありがとうございました。
 


 


 
 

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

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