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2019年9月25日 中央社会保険医療協議会 総会 第424回議事録

○日時

令和元年9月25日(水)10:10~12:07

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)
 

○出席者

田辺国昭会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員 染谷絹代委員
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 猪口雄二委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 横地常広専門委員
保険医療材料等専門組織小澤委員長
<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 八神審議官 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○医療機器及び臨床検査の保険適用について
○個別事項(その2)について
○調剤報酬(その1)について
○その他


 
○田辺会長
 それでは、おそろいのようでございますので、ただいまより、第424回「中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、松原委員、平川委員が御欠席でございます。
 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほう、よろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○田辺会長
 それでは、早速でございますけれども、議事のほうに入らせていただきます。
 初めに、「医療機器及び臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
 本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。小澤委員長より御説明をお願いいたします。
 では、よろしくお願いいたします。
○小澤委員長
 それでは、説明いたします。
 中医協 総-1-1の資料をごらんください。
 今回の医療機器の保険適用は、C1が1製品1区分、C2が1製品1区分です。
 2ページ目をごらんください。
 製品名はメドトロニック Advisa MRIです。
 4ページ目の製品概要をごらんください。
 本品は、皮下の外科的に作成したポケットに植え込み、心臓内に留置する電極と接続して使用する植え込み型心臓ペースメーカーの製品です。
 2ページ目にお戻りください。
 本品は、チャレンジ申請が行われた製品であり、価格につきましては、類似機能区分比較方式で再評価いたしました。
 2ページ目の1つ目の○の部分に、補正加算についての説明を記載しております。既収載品に比べ、構造等における工夫により、類似材料に比して患者にとって低侵襲な治療や合併症の発生が減少するなど、より安全かつ有効な治療をできるものと評価できるため、プラス3%の改良加算とすることが妥当と保材専として判断いたしました。この結果、最終的な価格を79万2000円といたしました。外国平均価格との比は0.66です。
 続きまして、5ページ目をごらんください。
 製品名は、ハイブリッドコート2です。
 7ページ目の製品概要をごらんください。
 本品は、象牙細管の封鎖又は歯質と修復物、補綴物等との界面の封鎖に用いる製品です。
 5ページ目にお戻りください。
 価格につきましては、本品は特定保険医療材料としては算定せず、新規技術料にて評価することが妥当と保材専として判断いたしました。このため、外国平均価格との比はありません。
 続きまして、中医協 総-1-2の資料をごらんください。
 今回の臨床検査の保険適用は、E3の1件です。
 2ページ目をごらんください。
 販売名は、デタミナーCL FGF23です。
 測定項目はFGF23です。測定方法はCLEIA法です。
 3ページ目の製品概要をごらんください。
 本検査は、血清中の線維芽細胞増殖因子23の測定(FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の診断の補助)に用いられる臨床検査でございます。
 2ページにお戻りください。
 保険点数につきましては、D007-61 1,25-ジヒドロキシビタミン D3、D007-62 25-ヒドロキシビタミンDを合わせた788点を参考点数としています。
 今回御説明いたします内容は以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 事務局から補足があればお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
 特段ございません。
○田辺会長
 それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。
 では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
 大変細かい話で恐縮なのですけれども、保材専の議論の中身を教えていただければと思います。
 メドトロニックの機器について、3%の新しい加算ということで、この加算というのはいろいろなことを検討されて3という数字にされているのだと思うのですけれども、財政的にはそんなに大したインパクトはない。というのは、予測販売金額12億の3%なので、恐らく4000万ぐらいの金額ということなのだと思うのですけれども、製品概要のところで、臨床成績あるいは製品特徴の中で、例えばこの機器を使うと心房細動の持続時間が有意に減少する。その結果、24時間以上持続する不整脈については脳梗塞の発症率が減るというような、ちょっと抽象的な記載になっていて、これはあくまで推計でやっておられるのだと思うのですけれども、実際にどの程度脳梗塞の発症患者が減るかという推計のもとで、この4000万というものが妥当なのかどうかというような検証というか、議論はされるのかどうかということを教えていただければと思います。
○田辺会長
 それでは、事務局、お願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
 事務局からお答えさせていただきます。
 ただいま御指摘いただいた評価という形も考えられるかなとは思うのですけれども、保材専で検討されていたものといたしましては、資料の4ページにあります臨床成績から蓋然性の程度を推定して、それをもって評価をするという方法で検討がなされたものと承知しております。
○今村委員
 蓋然性というのはあくまで推計でやっておられるのだと思うのですけれども、効果があるということを否定しているわけではなくて、これは有用なものだということはわかるのですが、3%という数字の考え方の中に財政的なものというのはあるのでしょうかということを聞いているということなのです。
○田辺会長
 では、お願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
 3%の考え方でございますけれども、改良加算は臨床的な効果が直接的に示されていない場合であって、臨床的な有用性が高い蓋然性を持って示されている場合ということで、その加算率はおおむね1%から10%の幅で考えるとして対応してきたところでございまして、本品について、5%の加算とする考え方が、間でということで、1ポイントであったということで5%という考え方の中、この蓋然性という考え方から3%が適当なのではないかという議論があったと承知しております。
○今村委員
 一定のルールがあるということはよくわかりますし、この金額ぐらいの話であればそれは大したことないねと、ざっくりでいいのだろうと思うのですけれども、同じような考え方でずっとやっていったときに、現実的に患者さんがどのぐらい減って、そのことによって医療費がおおよそこのぐらい減る、だからこのぐらいのパーセントという考え方があってもいいのではないかなと思って伺っているのですけれども、その辺はいかがなのでしょうか。
○田辺会長
 では、お願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
 評価のあり方につきましては非常に大きなテーマだなと認識しておりまして、今いただいた御意見は事務局からも保材専に伝えさせていただきたいと思います。
 また、費用対効果の評価についても運用を開始しているところでございますので、そうした方法も考えながら対応していきたいと考えております。
○今村委員
 わかりました。よろしくお願いいたします。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○田辺会長
 ありがとうございました。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
 小澤委員長、御説明のほう、どうもありがとうございました。
 次に、次期診療報酬改定に向けた議論として、「個別事項(その2)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
 では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
 個別事項(その2)につきましては、本日2つの議題を用意させていただいております。まず1つが、医療従事者の働き方、2つ目が地域の実情を踏まえた対応、この2つになります。
 医療従事者の働き方につきましては、医師の働き方改革に係るこれまでの経緯や、現在の令和2年度概算要求の内容につきまして御説明をさせていただきたいと思っております。
 それにつきましては、医政局総務課の佐々木課長に来ていただいておりますので、御説明をお願いしたいと思っています。
 よろしくお願いいたします。
○佐々木総務課長
 医政局総務課長の佐々木と申します。よろしくお願いします。
 お手元の資料の総-2の4ページをごらんいただきたいと思います。
 医師の働き方改革に関しましては、昨年度末に医師の働き方改革に関する検討会で一定の取りまとめをいただいております。今、ドクターにつきましては、非常に長時間労働が多いということ、一方で、医療水準の確保あるいは医療安全の確保の両立を図りながら対策を進めていく必要があるという基本認識でございます。
 ルールでございますけれども、4ページの左側の一般則でございますが、これは医師を除いた医療従事者を含めた一般の労働者にこの4月から適用されている労働時間の規制でございます。年720時間、複数月平均80時間、月100時間未満ということで、これは既に施行されているものでございます。休日労働を含めますと、年間960時間というのが一般則でございます。
 医師につきましては、時間外労働につきまして2024年4月から上限規制を行うという前提で議論がなされておりますけれども、Aに書いてございます診療従事勤務医に2024年度以降適用される水準といたしましては、休日労働を含めた一般則でありますところの年間960時間、月100時間以内というのが原則でございます。
 一方、地域医療の確保という観点から、Bの地域医療確保暫定特例水準ということで、医療機関を特定いたしまして、休日労働を含めまして年間1,860時間、月100時間ということで、(B)水準の医療機関を特定して、地域医療の確保上必要な勤務時間の上限を当てはめるということでございます。
 そのほか、オレンジ色のC-1とC-2というところがございますけれども、(C)-1につきましては、初期・後期研修医が研修プログラムに沿って基礎的な技能や能力を修得するために、集中的に技能水準を向上させるための労働時間が必要になりますので、そこにつきましては1,860時間、月100時間というB水準と同様の上限を設定する。
 もう一つ、(C)-2でございますけれども、初期研修、後期研修を終えられた医籍登録後の臨床従事6年目以降の方でございますが、引き続き高度技能の育成が公益上必要な分野につきまして、特定の医療機関で診療に従事する際に適用する水準として、(C)-1と同様の水準でございます。
 (C)-1、(C)-2につきましては、いずれにしても本人がプログラムを選択して、ドクターを特定した形で(C)-1、(C)-2の水準を設定するというものでございます。
 将来、右側のところにございますが、暫定特例水準の解消は2035年度末を想定しております。これは、現在2024年度段階でも全国ベースでは約1万人の医師が不足するということを想定しておりまして、2035年、これは診療科あるいは地域偏在を解消目的として想定している水準でございますけれども、(B)水準の医療機関につきましても、2035年までに(A)水準の基準を満たしていくように改善を図るという想定でございます。
 下の図でございますけれども、(B)水準あるいは(C)水準のところでございます。1,860時間という年間上限がございますけれども、追加的な健康確保措置といたしまして、下のところでございますが、月の上限の100時間を超える場合に、面接指導と就業上の措置を講じる。いわゆるドクターストップと呼んでおります。
 それと、下のところの青印でございます。年間の上限は1,860となっておりますけれども、医療安全上、連続勤務をある程度制限いたしませんと問題でございますので、この際には連続勤務時間制限28時間、それと、睡眠確保ができる勤務時間インターバルといたしまして9時間の確保を図るということをセットで、(B)水準あるいは(C)-1、(C)-2の水準をセットするということで取りまとめが行われているところでございます。
 続きまして5ページ目、これは先ほど口頭で申し上げましたけれども、(A)水準、(B)水準、(C)水準ということで労働時間の規制をそれぞれの医療機関で適用される水準について、表の形でまとめているものでございます。
 なお、5ページ目の一番下、注の3でございますけれども、時間外労働が80時間超となった段階で睡眠及び疲労の状況について確認を行っていただいて、(A)水準適用の場合は疲労の蓄積が確認された者について、(B)・(C)水準適用の方については全ての方について時間外労働が100時間以上となる前に面接指導を実施するという想定でございます。
 現在想定しております2024年までの全体のスケジュールでございますけれども、まず足もとの2019年度については、医療機関個々で労務管理の適正化の取り組みを進めていただくということでございます。また、なるべく多くの医療機関が(A)水準の方のみの医療機関となるような取り組み支援策を講じていくと。後ほど御説明を申し上げます。
 2020年度以降でございますけれども、時短計画ということで、(B)水準あるいは960時間超えが想定される医療機関につきましては、勤務医の方の時短計画を策定していただくということで、その取り組みが実際に行われているかどうかということをPDCAサイクルで行っていく。この時短計画の策定の年度につきましては、遅くとも2021年度以降と想定いたしております。
 そういった医療機関個々の時短計画の策定、PDCAのサイクルとあわせまして、第三者評価と申します評価機能を新たに設置いたしまして、医療機関の取り組みにつきまして、時短計画の履行状況などを評価することを想定いたしております。
 そういたしまして、2023年度、年間上限が当てはまる前年度でございますけれども、(C)あるいは(B)の医療機関につきまして、都道府県によって特定をいたしまして、医療機関からの申請に基づき、(B)・(C)水準の医療機関及び医師につきまして特定をするというようなサイクルで施行を考えているところでございます。
 7ページでございます。これは、各医療機関の現状の姿から、5年間で医療機関側にどういう取り組みをお願いしたいかということでございますけれども、2024年4月の時間外労働の上限規制の5年間におきまして、各医療機関のほうでみずからのドクターの勤務時間等を適切に分析していただいて、時短計画に取り組んでいただくということでございます。
 まず足もとといたしましては、地域医療構想がございますけれども、それぞれの地域の中でどういう機能を担っていくのか、医療機関としての位置づけということにつきまして精査をしていただくとともに、時間外労働の実態をそれぞれ正確に把握していただく。
 それと、ステップ2といたしまして、自施設に適用される上限がどの程度になるのかということにつきまして御検討いただいて、機能が(B)の要件を満たさない場合については、960時間を下回って医師に働いていただくような形に持っていく。
 あるいは、(B)の要件を満たしますけれども、上限である年間960時間を下回って短縮できる場合については(A)水準の医療機関として取り組みをしていただく。あるいは、医療機関Zのところでございますけれども、実態は600~2,200時間の間でばらついている医療機関につきまして、機能として(B)要件を満たすという場合につきましては、さまざまな勤務改善を行ったとしてもなかなか960は到達できないという場合につきましては、都道府県のほうで(B)水準の医療機関ということを特定いたしまして、(B)水準の適用を行う。2024年度以降960時間を目指して、医療機関のほうで御努力いただくというようなサイクルを考えているところでございます。
 関連いたしまして、令和2年度の概算要求におけます医師・医療従事者の働き方改革の推進につきまして御説明いたします。
 9ページでございます。まず、来年度の概算要求におきましては、柱書きに書いてございますけれども、2040年の医療提供体制の展望を見据えて、地域医療構想の実現に向けた取り組み、実効性のある医師偏在対策、医師・医療従事者の働き方改革を三位一体で推進して、総合的な医療提供体制改革の実施に向けた実効的な施策を講じたいと考えておりまして、関連の予算を要求しているところでございます。
 まず1番目といたしましては、地域医療構想の実現に向けた取り組みといたしまして、これは予算要求上、対前年度と同額でございますけれども、691億円。2番目でございますけれども、地域間の医師・診療科の偏在問題につきましての対策。3番目で、本日御説明申し上げます医師・医療従事者の働き方改革の推進。それぞれの事項につきましては密接に関係しておりますので、三位一体で推進するということで予算要求をさせていただいております。
 注のところにございますけれども、地域医療介護総合確保基金は消費税財源でございますので、先ほど御説明申し上げましたように、概算要求の段階では機械的に対前年度ということで要求をさせていただいております。
 また、地域医療構想、医師偏在対策、医療従事者働き方改革につきましては、ことしの骨太の記載を踏まえまして、財源とあわせて予算編成過程で金額そのものも検討ということになっているところでございます。
 その上で、10ページでございます。医師・医療従事者の働き方改革の推進ということで、昨年度は約22億円の予算でございますけれども、今年度は充実して75.6億円ということで概算要求をさせていただいております。
 主な柱立てとしましては、働きやすく働きがいのある職場づくりに向けての環境整備、先ほど申し上げました2024年度を想定した新たな制度設計に対する準備経費や、あるいは医療機関自身の組織マネジメントの推進に対して御支援を申し上げるような予算をそれぞれ要求いたしております。
 重立ったものにつきまして、11ページ以降で御説明申し上げたいと思います。
 タスク・シフティング等医療勤務環境改善推進経費ということで、42億円程度の概算要求をさせていただいております。医療機関全体としての効率化、あるいは他職種を含めた勤務環境改善に取り組むことが不可欠でございますので、医師の他職種への業務移管、あるいはタスク・シフティング、あるいはタスク・シェアリング等に係る先駆的な取り組みを周知して普及させていくという事業でございます。
 メニューといたしましては、勤怠管理のICT導入ですとか、あるいは勤務期間インターバルの対応の準備をされているような、環境整備に取り組まれている医療機関につきまして御支援を申し上げるということで、この好事例の蓄積を通じて全国的に展開していくことを想定しているものでございます。
 続きまして、12ページでございます。医療専門職支援人材確保・活用促進事業でございます。9000万円余りを要求させていただいております。医師・看護師等の医療専⾨職から、看護補助者あるいは医師事務作業補助者のような医療専⾨職⽀援⼈材へのタスク・シフティングを進めていくということで、今、医療機関によって研修の実施状況や人材の確保状況等はさまざまばらついておりますので、内容といたしましては、eラーニングを作成したり、あるいは入職のための人材開発プログラム等を作成するということの関連経費でございます。
 13ページでございますけれども、看護師の特定行為に係る研修機関支援ということで、5.9億円程度を要求させていただいているところでございます。特定看護師につきましては、現在1,000人程度でございますけれども、2024年に1万人の規模を目指して育成をするということでございまして、現在、特定看護につきましては3領域でパッケージ化した研修が始まっております。そういう新しいプログラムに基づきまして、研修機関の設置に係るカリキュラム作成やeラーニングの導入の体制整備、あるいは指導者の育成経費等について補助を行うという事業でございます。
 関連いたしまして、14ページでございますけれども、指導者の育成経費として5800万円余りを要求させていただいているところでございます。
 また、病棟の薬剤師等でございますけれども、薬剤師につきましては、下のオレンジ色のところでございますが、一定のタスク・シフティング、病棟薬剤師のほうで可能な業務ということを既に整理いたしておりますけれども、実際はなかなか進んでいないというようなこともございますので、優良事例を蓄積して横展開を図っていくというような、研修経費について概算要求をしているところでございます。
 16ページでございます。医療従事者の取り組みだけではなくて、患者さんあるいは御家族の受療行動の改革も一体的に取り組みを進めていく必要がございますので、ことしも11月からキャンペーン等を行いたいと考えていますけれども、来年度も各種イベント等、国民の御理解をいただくための取り組みについて予算要求をさせていただいているところでございます。
 あわせまして、17ページでございます。医療機関の管理者を対象としたマネジメント研修事業ということで、先ほど来申し上げております医師の働き方改革に対応するということでございますけれども、医師の在院時間ですら管理していないというような病院もございます。あるいは、何をやればいいのかわからないというような医療機関も存在していると考えております。そういう意味で、組織トップとしてマネジメント改革の推進を図っていただくということで、関連予算を5900万円余り要求させていただいております。
 最後になりますけれども、医療従事者勤務環境改善推進事業ということで、既に平成29年度に全都道府県に医療勤務環境支援センターが設置されているところでございます。現状、取り組みによってばらつきがございますし、一層のてこ入れをしていくことが必要でございますので、予算を増額しまして対応していくということで概算要求をさせていただいたところでございます。
 関連しまして、そのほかの事業につきましては、45ページ以降に概算要求の状況についてまとめておりますので、後ほど御高覧いただければと思っております。
 説明は以上でございます。
○森光医療課長
 続きまして、診療報酬上の評価につきまして資料をつけておりますので、簡単に御説明させていただきます。
 20コマ目でございます。診療報酬におきまして、病院勤務医の負担軽減及び処遇改善に資する体制への評価を行ってまいっております。また、個別の取り組みについて、そこに4つほど挙げておりますけれども、タスク・シフティングの推進、⼈員配置の合理化、チーム医療等の推進、書類作成等の合理化といったことを進めてまいってきております。
 21コマ目は、これまでの改定でどのように取り組んできたのかというところをまとめて整理したものでございます。
 22ページ目から24ページ目につきましては、1ラウンドの議論の概要につきましてまとめたものでございまして、その際に御意見いただいたものを整理しております。その概要でございますけれども、整理の仕方としましては、まずマネジメントについて、それから、働き方改革に伴うコストについて、そして、歯科医師、薬剤師、看護師の働き方改革についてということでそれぞれ整理させていただいています。
 また、23コマ目のほうでございますけれども、業務の効率化やタスク・シフティングについて、そして、人員移動の配置に係る要件の見直しについて、それぞれ御意見をいただいております。
 あわせて24コマ目でございますが、地域全体での取り組みとしまして、救急・小児科・産科の領域における取り組みにつきましても御意見をいただいておるところでございます。
 25コマ目を見ていただきますと、これらを含めまして、論点として、医療機関における勤務環境改善に資する取り組みに評価につきまして、令和2年度概算要求等の状況やこれまでの診療報酬での対応を踏まえ、どのような評価のあり方が考えられるかということで御提示させていただいております。
 続きまして、個別事項(その2)につきまして御説明をさせていただきます。
 地域の実情を踏まえた対応ということでございます。医療資源の少ない地域についてでございます。
 まず、医療資源の少ない地域に配慮した診療報酬上の評価ということで、28コマ目にこれまでの対応をまとめております。現行の医療資源の少ない地域という整理につきましては、平成28年度改定において設定されたものでございます。
 29コマ目が、現在医療資源の少ない地域、41医療圏を示したものでございます。そして、その上のところを括弧で囲んでおりますが、二次医療圏の要件というところを見ていただければと思います。1かつ2となっております。1が、人口当たり医師数が下位1/3かつ人口当たり看護師数が下位1/2、2が病院密度が下位15%又は病床密度が下位15%ということが医療資源の少ない地域を設定する際の要件となってございます。
 また、30コマ目でございます。医療資源の少ない地域に配慮した診療報酬の要件緩和を示してございます。病床数の制限や人員配置について要件緩和を行ってきております。
 31コマ目を見ていただければと思います。平成30年の診療報酬改定におきましても、病床数の要件の緩和を医療資源の少ない地域に配慮したということで設定をさせていただいておるところでございます。
 32コマ目は、医療資源の少ない地域に配慮した評価の算定の状況でございます。平成30年度の算定回数がそこに掲示されております。
 33コマ目は、医療資源の少ない地域というのが平成28年に設定されておりますけれども、平成23年以降の人口10万対医師数を見ますと、上位下位ともに入れかわりが見られておるということがあります。
 それから、34コマ目は、人口10万対の看護師数の変化でございます。看護師数においても同様に、上位の入れかわりが見られていることがわかるかと思います。
 35コマ目、36コマ目は7月の中医協でも御紹介しました資料でございますが、人口10万対という形で推計しておりますけれども、35コマ目、36コマ目は、人口の変動が今後2040年までにどのように起こってくるかというところの増減を示したものでございます。要するに、人口が減ると、同じ医師数でも人口対10万当たりだと医師の数がふえていくというような状況もあるということの説明になります。
 次に、へき地、無医地区等についての御説明でございます。
 38コマ目を見ていただきますと、「へき地保健医療対策における『へき地』とは」ということで、そこに定義が書かれております。また、無医地区・準無医地区でございます。無医地区は、医療機関のない地域で、当該地域の中心的な場所を起点としておおむね半径4キロの区域内に人口50人以上が居住している地域であって、かつ、容易に医療機関を利用することができない地区。また、準無医地区は、無医地区には該当しないが、無医地区に準じ医療の確保が必要な地区と各都道府県知事が判断し、厚生労働大臣に協議し適当と認めた地区という定義でございます。
 この状況でございますが、39コマ目を見ていただきますと、平成21年から平成26年までを見ますと、現在のものがありませんが、無医地区が減り、準無医地区がふえている。トータルで少し減っているという状況でございます。
 次に、40コマ目を見ていただきますと、「へき地保健医療対策の概要」ということで、へき地の医療支援機構がへき地医療拠点病院を支援、連携いたしまして、また、そのへき地医療支援病院がへき地の診療所を支援、連携しているという形で、へき地の医療を確保しているという仕組みでございます。
 41コマ目は、診療報酬でへき地に配慮した対応ということで、へき地医療拠点病院等を要件としている診療報酬の項目が存在しております。例えば遠隔画像診断や遠隔病理診断でございます。
 次に、42コマ目は、診療報酬では医療資源の少ない地域に配慮した要件とへき地に配慮した要件が別々に存在しておりまして、また、医療資源の少ない地域については、その下にありますように、1ラウンドでは7月10日の総会でここにまとめてあるような御意見をいただいておるという状況でございます。
 これらを踏まえまして、論点として43コマ目に、まず1つ目、医療資源の少ない地域について、人口当たり医師数等に基づいて設定しておりますが、人口当たり医師数等が経年で変化していることを踏まえ、シミュレーションを行うに当たっては直近の統計に基づいて行うこととしてはどうか。
 また、2つ目、医療資源の少ない地域に配慮した要件とへき地に配慮した要件について、異なる診療報酬項目の要件となっておりますけれども、それぞれの要件の趣旨・目的等を踏まえて、それぞれが要件となっている診療報酬について見直すこととしてはどうかということで、論点を提示させていただいております。
 以上でございます。
○田辺会長
 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 まず、25ページ目の論点でございますが、まずは認識の共有をさせていただきたいと思います。
 これまでも何回か申し上げておりますけれども、保健医療機関の収入は診療報酬によって占められております。つまり、診療に必要なコストは診療報酬によって手当てされることが大原則であることを確認させていただきたいと思います。
 その上で、医政局の予算は限定された医療機関、行政、団体向けのものであり、一方、診療報酬は全国一律なので、全国一律に支援すべき視点から議論すべきと考えます。診療報酬上の対応につきましては、第1ラウンドで述べましたけれども、業務分担、協働の促進、常勤配置、専従要件の見直し、24時間対応体制の要件緩和など、医療提供の質の確保に配慮しつつ、現場においてある程度弾力的な運用が可能となるような柔軟な見直しを行うべきであると思います。
 続きまして、医療資源の少ない地域等について、41ページ目の論点ですが、医療資源の少ない地域については、新たに医師少数区域や医師偏在指標が設定されたので、最新データをもとに見直すことを検討すべきと考えます。地方の人口減少はますます加速しており、このような地域に配慮した診療報酬上の対応については、対象拡大する必要があると思います。
 へき地については、人口がさらに減少して、50人未満となり要件を満たせないところも出てきております。ただし、無医地区があるものの、道路の整備により通院が可能になっている場合もあり、へき地の定義がはっきりしておりません。問題は、へき地医療拠点病院と診療所です。へき地医療拠点病院は、自治医大の卒業生がいる医療機関に限定されており、しかも公的医療機関がほとんどです。へき地医療拠点病院はDPCの調整係数でも評価されております。
 ただ一方で、無医地区のある市町村に存在する民間中小病院や診療所が地域医療を支えておりますけれども、何の支援もなく、これは非常に不公平だと思います。ぜひ無医地区のある市町村に存在する民間病院にも、DPCの評価を拡大すべきと考えます。それが真に医療資源の少ない地域で頑張る民間中小病院への最大の支援になると思います。
 論点につきましては、いずれもその方向で検討していくことに賛成いたしますけれども、従来対象であった地域がそうではなくなるようなことも想定されますことから、そのような場合には一定の配慮が必要と考えます。その上で、42ページに、第1ラウンドで出た意見が記されていますけれども、算定されていない原因をよく分析して対応すべきと考えます。
 以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
 ありがとうございます。
 25ページの論点ですけれども、医療従事者の働き方に関して、患者の立場からすると、医療機関における働き方の改善を着実に進めるということは、医療の質や医療の安全を担保するために欠かせないと考えます。医師・医療従事者の働き方改革というのはその一環として重要な取り組みだと認識しているのです。これを実現するためには、医療機関でのタスク・シフティングですとかタスク・シェアリングを推進していくことが必要になると考えます。
 一方で、医療機関の施設基準や報酬算定にかかわる人員要件の緩和、専従要件の見直しについては、医療の質や安全を担保するという観点では慎重に検討していただきたいと思います。
 そういう意味で、専従要件の見直しで柔軟な対応というところで、第1ラウンドで出てきた看護職員の月平均夜勤の72時間の要件を緩和するということについては、これが出てくるということ自体が働き方改革に逆行した議論なのではないかと思いますので、そもそも論点に上がること自体に違和感を覚えざるを得ないというところであります。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
 まず、医療従事者の働き方に関してですけれども、第1ラウンドでもいろいろな意見が出ておりますので、一つ強調しておきたいのは、勤務環境を改善するということを実績として行った病院に対して、これは診療報酬上もちゃんと評価をする必要があるのではないか。それから、チーム医療もこれから先、特に病院の薬剤師さんも一緒にチーム医療を推進した場合の評価というものを診療報酬上の評価として挙げる必要があるのではないかと思っています。
 それから、医療資源の少ない地域なのですが、へき地では認められているが、逆に医療資源の少ない地域では認められているけれどもということでいろいろあるのですが、これはやはり同等の要件としたほうがいいのではないなと思います。
 それから、医療資源の少ない地域の対象地域として、医師と看護師の数ということで決めているわけですが、これから人口減の地域が非常に多いというデータも出ている以上、人口が減っていく地域でどういうふうにその医療を守るかという視点で考えたほうが、単に医師少数、看護師少数よりも、周囲の人口を対象とするべきではないかと思っております。
 以上です。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょうか。
 では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 まず、医政局に御質問です。予算を要求されているのですが、これはトータルして840億ぐらい要求されているのですが、これは今後2024年に向けて、毎年この規模の予算を確保されていくということなのか、特別に令和2年のものなのか、ちょっと教えていただけますか。
○佐々木総務課長
 お答え申し上げます。
 予算は単年度でございますので、この金額自体も、先ほど申し上げましたように、年末の予算編成過程で財源のあり方を含めて検討ということになっておりますので、来年度の概算要求の金額にしても予算セットがまず変動があり得るということでございます。
 ですが、地域医療構想の実現に向けた取り組みの推進、これは地域医療総合確保基金でございますけれども、こちらにつきましては消費税財源充当事業ということで法律上の事業として決まっておりますので、そういう意味では、この地域医療総合確保基金の丈ということは、これ以上継続していくという前提でございます。
 また、予算事業の医師偏在あるいは医療従事者の働き方改革の関係につきましては、繰り返しになりますが、これは予算編成過程で金額自体も変動があり得るという前提でございますけれども、医政局といたしましては必要な予算確保に継続して取り組んでいきたいと考えております。
○田辺会長
 では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 どうもありがとうございました。
 それを踏まえて、この働き方改革についてコメントといいますか、第1ラウンドでも申し上げたのですが、意見を言いたいと思います。
 まず、時間外労働時間の上限の適用規制まであと5年間あるということで、医師の働き方改革をこの5年でどう推進していくかということで、それぞれの役割があると思うのですが、まずは医療機関みずからが取り組むということ、それから、国がそれを支援するために、先ほど言われましたように、予算をつけて推進していくべきこと、それから、医療にかかる我々国民の医師への向き合い方にもいろいろ役割があると思っていまして、ここは中医協ですので、では診療報酬で何をやるかというところなのですが、2024年の時間外労働が上限適用されるまで3回の診療報酬改定があるということで、この働き方改革を2024年にうまく上限規制を適用するまでに、推移を確認しながら診療報酬でどう対応していくかということが必要で、進捗を見ながら段階的に行っていくということが必要だと考えています。
 まず、医療機関みずから取り組むべきことは、これは第1ラウンドでも申し上げましたが、国の予算を有効に活用して、医療機関にかかわらず、一般企業についても共通していることなのですけれども、まずは経営者のマネジメント改革、これは教育も国の予算で行われているようですが、マネジメント改革。それから、働く個々人の意識改革を進めていく。これも国の予算で横展開されていくということなのですが、こういうことをやっていく必要がある。それから、タスクシェアや、ICTが進んできたので有効に活用して業務の効率化を行うことであると思います。これがまず、医療機関みずからが行うべきこと。
 国としてやるべきことは、9ページにありますように、三位一体改革を着実に推進して、できれば毎年度同様の予算を確保していただいて、着実に進めていくということを国の役割としてやっていただきたいと思います。
 では、中医協は何をするのかというところなのですが、今回2020年の改定で対応すべきことは、今までも行われてきたのですが、やはり働き方改革を推進していくための勤務環境を改善するための環境整備にまず取り組んでいくべきかなと思います。業務の効率化に資するために、患者の安全性を損なわない範囲で、効率化を推進するための要件緩和、例えばICTの活用により代替えできるような要件は撤廃するとか、常勤要件を緩和するといったことを引き続き進めていくのだと思います。
 もう一つの対応は、医師の働き方に大きな影響を及ぼす患者の受療行動をどう変えていくかということを診療報酬で対応していくことが必要だと思います。例えば紹介状なしの大病院受診をさらに縮小していくということで、かかりつけ医に誘導するということも必要だと思いますし、前回出ました、設定はされたものの、普及が限定的であるオンライン診療も在宅などに有効に活用できれば、医師の働き方改革に資するものだと思いますので、オンライン診療の普及に向けた今の厳しい要件を少し緩和するということも検討の必要があるのではないかと思います。
 あと、生活習慣病患者がお薬受診をするという傾向も見られますので、薬局、薬剤師を有効に活用して、お薬受診を適正化するといったようなことも必要だと思います。それから、医政局からも出ましたが、国が勧める上手な医療のかかり方を推進するということも、医師の働き方改革につながる大きな要素だと思っています。「『いのちをまもり、医療をまもる』国民プロジェクト」が昨年宣言されましたが、我々保険者も国の事業に最大限協力して、上手な医療のかかり方について加入者に啓蒙を図っていきたいと思います。
 そのためには、先般、健保連から提案させていただいたのですが、湿布薬、ビタミン剤、花粉症のようなものについての保険適用についても、患者のセルフメディケーションを推進するといった観点で、患者の受療行動を変えるといった意味で、中医協の中で議論していく必要があるのではないかと思います。
 ということで、中医協の役割というのは、患者の受療行動、環境整備、上手な医療のかかり方といったところを変えていくことではないかと思います。
 以上、意見でございます。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょうか。
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 言わざるを得ないので、もう一回言わせていただきますけれども、患者の受療行動と医療従事者の働き方は全く関係ないとは言いませんが、先ほどのOTC類似薬の保険外しにつきましては、断固反対させていただきます。これは患者さんのためにならない。結局、保険料を払っておきながら、その患者さんがセルフメディケーションと称して医療機関にかからずに薬局で自分でお金を出して買いなさいということなわけですから、あくまで財政的な観点で言っていらっしゃるわけであって、これは医師・医療従事者の働き方には全然関係ないことだと思っております。
 もう一つ、オンライン診療ですけれども、在宅に関して言えば、これは現時点でもある程度認められております。前回の改定で在宅に関しては一定の範囲でルール上認められております。それは有効に使われるべきだと思いますし、月に1回はきちんと患者さんを診るということも大事なことだと思いますので、それなくして在宅医療はできません。それをさらにオンライン診療だけで効率化していこうというのは無理な話だと思っています。これは患者さん不在の議論だと思います。
 御理解をよろしくお願いいたします。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょうか。
 では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
 私からも何点か申し上げたいと思います。
 先ほど、幸野委員がおっしゃった要件緩和等については、ぜひ積極的な議論をしていただければと思います。
 また、診療報酬は何回か改定がありますので、進捗状況をしっかり見ながらというのもそれはそのとおりだと思いますし、医療機関側のマネジメントということも非常に重要。医療者側の意識改革というのも非常に重要。あるいは、タスクシフト、タスクシェアをしていくということも非常に重要。これについては全く意見の相違はないと思っておりますけれども、例えばICTの活用と言いますけれども、ICTを活用しようとすると物すごくコストがかかる。それから、三位一体となっていますけれども、医療従事者が偏在している中で、医師不足、看護師不足あるいは薬剤師不足というのが現状としてある中で、人の手当てというものをするため、あるいはこういったICTを活用するためには一定のコストがかかるということをよく理解いただきたいと思うのです。全くコストをかけないで、全て医療機関が自主的に何か努力すれば解決するというような問題ではない部分が非常に大きいと思います。
 それから、オンライン診療につきましては、今、松本委員もおっしゃいましたけれども、これは変な話、例えば在宅の場合にはそこまで行くという遠距離を移動する時間、コストが減る、負担が減るというのはそうなのですが、通常のオンライン診療だと、患者さんを対面で診ていようが、オンラインを通して診ていようが、いわゆる医療者側にかかる負担というのは変わらないのです。だから、このオンライン診療をやれば医療者側の負担が減りますという議論は間違っていると御理解をいただきたいと思います。
 かえって時間を拘束される。何時から何時までオンラインで画面の前に座っていなければいけないという制限がかかりますので、逆にオンライン診療のほうが医療機関の時間的な負担はふえるというのが実態だと思います。オンライン診療をやったら医療者側の負担が減るという御意見が先ほどありましたけれども、そこはしっかりと申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょうか。
 では、城守委員、お願いいたします。
○城守委員
 オンライン診療等に関しては先生方のお話のとおりでございます。
 この医師の働き方改革の検討会における議論においても、もう一つ問題になったのは、この改革によって地域の医療の提供体制が大きく瓦解するのではないかということです。これは現在も継続して検討されているわけです。
 その理由は言わずもがなで、基本的にコスト構造として、この医師の働き方改革をするためには人をふやさなければいけない等がございますので、結果的には非常にコストがかかる。やっていけないということになると、診療の縮小ということになる。そういう意味で、地域医療が非常にゆがむのではないかというポイントがございます。
 ですので、先ほど猪口委員もおっしゃったように、この医師の働き方改革に関しては、特にこれを積極的に行った医療機関に対しては、それに対しての報酬上の手当てというのはそういう面からも必要であろうということでございます。
 それと、国民の上手な医療のかかり方に関してでございます。これも継続して行われる案件であるわけですが、これはもちろん医療者、市民、行政も含めてオールジャパンでやっていくことが必要な事項であるわけですが、そもそもこれは保険者さんが加入者の皆様に医療に対してのかかり方を含めた指導をまずしっかりしていただくという姿勢が非常に必要でございますので、その意識をもう少し強く持っていただければと思いますので、その点、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○田辺会長
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 院内のマネジメントのことがちょっと話に出されましたけれども、これも医政局のほうの17コマ目にある予算は、トップマネジメント研修の事業なのです。これは研修に対してお金が出ているだけであって、院内のマネジメントに対して予算がついているわけではないのです。これを、研修を管理者等が持ち帰って、院内の中で医療提供サービスを効率化しようということであれば、一定のコストがかかるというのは当たり前のことであって、それに対しての予算ではないということは申し述べておきたいと思います。
○田辺会長
 では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 先ほどから、診療側の委員のほうからICT並びにセルフメディケーション、かなり現状肯定的な中での否定的な意見が出ております。しかしながら、今の医療従事者の働き方改革並びに患者の受診行動の変容を求める中で、一つの大きな課題としては、当然費用負担の面もありますが、応能負担、応益負担から言えば、患者がお金を払ってそれだけのメリットを感じるかどうかということからいけば、診療側の先生の信頼度は絶大でありますから、我々保険者が何を言おうが、やはり受診行動を取ってしまいます。この点について、国家全体というか医療保険制度の安定的な維持、促進というものを踏まえて、コスト面もきちんと考えていかないといけないと思います。
 そういう意味では、議論を否定するものではないと思いますので、中医協でもぜひ議論をしていただきたいと思いますし、なおかつ、今の現場環境を考えれば、世の中の流れから言えば、ICTの活用を単に医療をどうこうということだけではなくて、それを活用しながら今の医療の体制をどう促進していくかということに使っていくことが大事なのだと思います。
 診療のために、人とICT、機械を置きかえて考えるという単純な発想ではないく、どういうふうに利活用するかという議論も必要なのだろうと思いますので、どういう面で課題があるのか、遠隔地でどうなのか、働いている患者さんが、どういうふうにきちんと診療を受けられるか、そういうことで何か活用できる面があるのかないのかという議論もきちんとしていく必要があると思います。それは、この中医協の場なのか、その前提となる医療保険部会なのか、医療部会なのか、もっと別の場で議論すべきなのか、それに対して予算づけをどうしていくのかということも踏まえて、医療に携わる皆さん全体で考えていく問題だと思いますので、中医協でこれは何も関係ないと否定すべきではないと思います。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 次に、次期診療報酬改定に向けた議論といたしまして、「調剤報酬(その1)について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
 では、薬剤管理官、よろしくお願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 資料総-3をごらんください。「調剤報酬(その1)」ということで資料を用意させていただいております。
 2コマ目をごらんください。調剤報酬、薬局、薬剤師の調剤報酬につきましては、第1ラウンドでも各テーマ別にその都度御議論いただいているところでございますけれども、調剤報酬全体について、今般資料を用意させていただいております。その中で、薬局、薬剤師の概況、薬局に関する指摘事項等、30年度調剤報酬改定の主な事項等の振り返りなどを御紹介させていただいた上で、本日は特に調剤料の1回目といたしまして、薬局における調剤業務という視点での御議論をいただければと思っております。
 4コマ目をごらんください。まず、薬局数の推移等でございます。左側でございますが、薬局数の推移は平成29年度で5.9万件となっております。また、右側のグラフは医療経済実態調査のデータでございますけれども、同一法人の中で20店舗以上を有している法人の割合がふえているという状況でございます。
 続いて、5コマ目でございます。医療課の調査の中で出てきているデータでございますけれども、薬局1店舗当たりの薬剤師数(常勤換算)は平均で2.74人で、「1.1~2人」の割合が最も大きく、また、右側でございますけれども、処方箋受付回数について見ると、平均で約1,450回となっているところでございます。
 続いて、医療機関及び薬局の施設数、薬剤師数、処方箋発行枚数でございます。グラフとして、診療所、薬局、病院の施設数が書いてございまして、その下にそこで勤務している薬剤師数をお示ししているところでございます。また、年間の処方箋受付回数約8.3億回のうち、77%が診療所から出されているものであるということでございます。
 続いて、7コマ目でございます。こちらは以前にもお示しした資料でございますけれども、医療機関に従事する薬剤師数の増加というのが、薬局における従事者数に比べるとその増加は緩やかになっているということでございます。これはまた、平成6年当時の医薬分業率が18%程度であったといったことと関係しているところもあろうかと思います。
 また、下のグラフにつきましては、医療機関及び薬局に従事している50歳以上の薬剤師の割合も若干ふえているという状況でございます。
 8コマ目は、業務種別の薬剤師数について参考までにお示ししているものでございます。
 9コマ目でございます。調剤医療費の推移ということで、平成29年度の概算医療費は約42.2兆円でございましたけれども、そのうち調剤医療費は約7.7兆円。そのうち薬剤料は約5.7兆円、技術料が約1.9兆円となっているところでございます。
 10コマ目は、処方箋受取率、いわゆる医薬分業率について、直近ですと74.0%という数字になっているということでございます。
 11コマ目をごらんください。外来患者の院内・院外処方の状況ということでございますけれども、これにつきましては二極化しておりまして、院外処方の割合が90%以上と回答した医療機関は、診療所で約6割、病院で約5割となってございます。一方、院外処方の割合が10%以下と回答した医療機関が、診療所、病院のいずれも約2割となっているところでございます。
 続きまして、「薬局における指摘事項等」でございます。
 13コマ目でございます。こちらに、いわゆる骨太の方針について、平成28年からこれまでの過去のものも含めてお示ししているところでございます。
 令和元年の骨太の方針におきましては、地域におけるかかりつけ機能に応じた適切な評価や、対物業務から対人業務への構造的な転換の推進やこれに伴う所要の適正化等、改定に向け検討するということが言われております。その際ということで、医療機関及び薬局における調剤の実態や報酬体系を踏まえ、調剤料などの技術料について改定の影響や薬剤師の業務の実態も含めた当該技術料の意義の検証を行いつつ、適切な評価に向けた検討を行うとされているところでございます。
 14コマ目から16コマ目につきましては、以前お示しした資料でございますけれども、厚生科学審議会の医薬品医療機器制度部会の中で、医薬分業の今後のあり方についてということで取りまとめがされておりますので、お示ししているものでございます。
 続きまして、17コマ目から「平成30年度調剤報酬改定の主な事項」でございます。
 まず、18コマ目に調剤報酬の体系について記載してございます。調剤報酬につきましては、調剤基本料と調剤料から成ります調剤技術料、薬学管理料、薬剤料、特定保険医療材料料から構成されているものでございます。
 主な改定の概要でございますけれども、19コマ目以降でございます。まず、服用薬剤調整支援料ということで、患者の意向を踏まえ、患者の服薬アドヒアランス及び副作用の可能性等を検討した上で、処方医に減薬の提案を行い、その結果、処方される内服薬が減少した場合の評価というものを新設したところでございます。
 それから、20コマ目でございます。服薬情報等提供料につきまして、従来の点数、要件に加えまして、例えば向精神薬の減薬の場合に医療機関から副作用の発現状況のフォローを指示された場合に、医療機関に文書等で情報を提供した場合の点数30点というものを新設したところでございます。
 21コマ目は、服薬情報等提供料の算定回数でございます。
 22コマ目でございます。重複投薬・相互作用等防止加算につきましては、疑義照会などを通じて、処方内容に変更があった場合に算定できる点数でございますけれども、従来の点数に加えて、残薬調整に係るもの以外の場合の点数、すなわち薬学的観点から疑義照会をして変更となった場合の評価を引き上げたということでございます。その下の乳幼児服薬指導加算につきましても、評価を引き上げたというところでございます。
 23コマ目の左側に、重複投薬・相互作用等防止加算の算定回数をお示ししております。
 24コマ目でございます。薬局における対人業務の評価の充実の一環といたしまして、薬剤服用歴管理指導料の評価を引き上げるとともに、調剤料につきましては引き下げを行ったということでございます。
 25コマ目をごらんください。こちらも、かかりつけ薬剤師指導料等の評価を引き上げたということでございます。
 あわせて26コマ目、施設基準のウにございますけれども、「施設基準の届出時点において、当該保険薬局に1年以上在籍していること」といった要件を加えております。以前は在籍期間6カ月という要件でございましたけれども、それを1年以上という形で要件の見直しも行っております。
 また、27コマ目でございますけれども、かかりつけ薬剤師指導料の算定に当たっては、かかりつけ薬剤師の業務内容、あるいは患者さんからかかりつけ薬剤師に希望すること等をしっかりと聞き取り、丁寧に説明し、同意を得た上で算定するという形の取り組みも進めているところでございます。
 28コマ目は、以前にもお示ししたかかりつけ薬剤師指導料等の算定状況でございます。
 29コマ目でございます。薬局における後発医薬品調剤体制加算につきまして、以前は2区分でございましたけれども、30年度改定におきましては、調剤体制加算3ということで85%以上の区分というものも新たに設けて、後発品の使用促進に取り組んでいるということでございます。
 30コマ目は、各調剤体制加算の算定状況をお示ししております。
 31コマ目でございます。いわゆる門前薬局等の評価の見直しということでございまして、以前からグループ全体の処方箋受付回数が月4万回超の場合の調剤基本料3というものがございましたけれども、これに加えまして、集中率の要件を拡大するとともに、3-ロということで、グループ全体で40万回超の場合の15点という点数も設定したところでございます。
 あわせまして、下にグラフがございますけれども、調剤基本料2の要件につきまして、集中率の要件を拡大したということ。それから、調剤基本料2の右側にございますとおり、同一建物内に保険医療機関が所在する場合の対応等につきまして、こういった形の場合も調剤基本料2の対象とするといった改正を行っております。
 32コマ目でございます。こちらは同一敷地内薬局の評価の見直しということでございまして、特定の医療機関との不動産取引の関係がある等の要件を満たす、いわゆる同一敷地内薬局については、特別調剤基本料10点という形で新たに設定したものでございます。
 その下にありますとおり、医療資源の少ない地域の薬局につきましては、次の33コマ目も同じでございますけれども、これらの調剤基本料に関しまして特例を設けているということでございます。
 34コマ目は、調剤基本料全体についてお示ししてございますので、御参考としていただければと思います。
 35コマ目でございます。地域医療に貢献する薬局の評価ということで、従来は夜間・休日の対応あるいは在宅対応等の体制を評価するという形で、基準調剤加算というものが設定されておりましたけれども、それを見直しまして、地域支援体制加算という新たな点数を設定したところでございます。左側に(1)から(11)まで施設基準がございますけれども、これらの施設基準を満たす必要があるということでございます。
 あわせて、(1)の実績の部分につきましては、調剤基本料1以外を算定する薬局におきましては、○1から○8の要件を満たさないと算定できないという形の対応もとったところでございます。
 参考までに、36コマ目に以前の基準調剤加算と地域支援体制加算の要件等の比較を載せております。地域支援体制加算におきましては、医療安全に関する取り組み体制などについても新たに要件としたところでございます。
 続きまして、37コマ目から調剤料についてということでございます。
 38コマ目に、まず調剤の種類あるいは調剤料の位置づけについて資料をお示ししております。まず、調剤の主な種類(内服薬)でございますけれども、ここの記載にありますとおり、計数調剤、計量混合、自家製剤、一包化などがあると考えております。
 あわせまして、調剤料の位置づけでございますが、処方内容の確認や疑義照会を含む医師への問い合わせ、薬剤調製、調剤録の作成・保存等の業務に係る技術料という形で整理しているところでございます。
 39コマ目に、薬局での調剤業務の流れをお示ししております。まず、処方箋を受け付けますと、「○1患者情報等の確認」となります。右側にお薬手帳、患者への聞き取り、薬剤服用歴等で確認する事項ということで、アからケまで記載しております。患者の基礎情報に始まり、既往歴あるいは併用薬等、前回処方の内容や服薬状況、場合によっては臨床検査値等のデータなども含めて確認するということでございます。
 この確認結果を活用して、下に矢印がございますけれども、「○2処方内容の確認」になります。処方箋に記載されている処方薬に関する承認内容との適合や、患者さんの薬歴等との関係から重複投与がないか。あるいは、検査値の情報がある場合には、患者個人の状況を踏まえた用法・用量の適正性の確認などを、○1確認結果を活用して行うということでございます。
 左側のチャートのほうにいっていただきまして、2から3にかけて、左側に医療機関に対して「問合わせ(疑義照会を含む)」と書いてございますとおり、必要に応じて問い合わせを行いまして、また、必要に応じて処方変更の指示もあるということで、それを踏まえて、「調剤設計」とありますけれども、例えば一包化が必要なのかとかといったことも含めて調剤設計を行い、その上で薬剤の調製・取りそろえを行い、ダブルチェック、最終監査を行った上で、薬剤情報提供あるいは服用指導のほうに移っていくというのが一連の流れと理解しております。
 40コマ目と41コマ目は、調剤料あるいはその調剤料の中の加算について詳細を示しておりますので、御参考としていただければと思います。
 42コマ目でございます。調剤料、特に内服薬の調剤料について御議論いただきたいと考えております。ここに記載しておりますとおり、内服薬につきましては、処方日数が1日~7日の場合は1日当たり5点、8日~14日ですと1日当たり4点、15日~21日ですと定額で67点、22日~30日ですと定額で78点というような形の点数設定となっております。下に調剤料が日数に応じてどのようになるかということをお示ししております。
 そして、43コマ目でございます。実際に内服薬の投与日数についてNDBデータから分析したものでございます。棒グラフに青で相対度数を書いてございますけれども、こちらをごらんいただくとわかるように、14日分、28日分及び30日分の投与日数処方が多いということがおわかりいただけるかと思います。あわせて、全体の累積相対度数でいきますと、全体の約45%が14日分以下の投与日数になっているということでございます。
 続いて44コマ目、調剤医療費の内訳でございますが、平成29年度でございますと技術料が約1.9兆円で薬剤料が5.7兆円でございますけれども、その1.9兆円のうち、調剤料については約9900億円といった状況になっているということでございます。
 45コマ目をごらんいただきますと、ここ2回ほど調剤報酬改定の中で対物業務から対人業務へのシフトということで、調剤料の適正化を行いつつ、対人業務である薬学管理料の引き上げを行ってきてはおりますけれども、先ほど御説明したとおり、調剤料の割合が技術料の中で50%超えているというのが現状でございます。
 続いて46コマ目からは、薬局の内服薬の調剤料に関しての変遷を示しております。昭和61年度当時は、水色の直線のグラフがありますとおり、日数に応じて比例で調剤料が算定できるという状況になってございました。ただ、補足させていただきますと、当時は2週間以上の長期投薬ができるような薬剤は限定されていたということでございますので、全ての調剤がこのような形で、長期で算定されていたということではないと理解しております。
 その後、長期の日数部分の調剤料につきましては、平成4年に定額という形で引き下げられておりまして、その後30年4月にはさらに全体として低減されているという状況でございます。もう少し詳しくお示ししたのが47コマ目ということで、平成4年4月から比べると平成30年4月でこの時点まで下がっているということでございます。
 48コマ目でございます。平成28年度改定、平成30年度改定においては、投与日数が15日分以上の部分につきまして、矢印に書いてございますとおり、少しずつ抑えて低減されてきているというのが実態でございます。
 続いて、49コマ目でございます。先ほど御説明した薬局での調剤業務の流れをお示ししたものでございます。このうち、主に調剤料でどこの部分を評価しているのかという考え方でございますが、青枠で示した○1から○5の部分、それから、○7の調剤録の作成といった部分を主に調剤料で評価しているというふうに整理できるのではないかと考えているところでございます。
 50コマ目は今まで御説明したことのまとめでございます。
 最後に51コマ目でございます。そこで、本日お示しさせていただいた論点でございますけれども、まず、総論といたしまして、患者本位の医薬分業の実現に向けて、平成30年度改定の影響を検証しつつ、地域におけるかかりつけ機能に応じた適切な評価や、対物業務から対人業務への構造的な転換の推進を進めるため、どのような対応が必要と考えるかということが1点目でございます。
 それから、内服薬の調剤料につきましては、まず、投与日数により1日分の調剤であれば5点、31日分以上の調剤であれば86点といった形で変動するということでございますけれども、先ほどお示しした薬局の調剤業務の内容を踏まえつつ、調剤料をどのように見直していくべきかということが1つ目の論点でございます。
 2つ目の論点といたしまして、調剤技術料に占める調剤料の割合は大きく、調剤料の見直しによる薬局への影響は大きいと考えられるところでございます。このことを踏まえ、対物業務から対人業務への転換をどのように進めていくべきかということをお示しさせていただいております。
 御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。
 では、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
 ありがとうございます。
 最初に、医薬分業の今後のあり方について、スライド14から16の医薬品医療機器制度部会による薬機法の制度改正に関する取りまとめの中で触れられています。医薬分業とは、医療機関と薬局の独立性はもちろん、医師、薬剤師がそれぞれの専門職能を発揮して、患者の薬物治療において医薬品の適正使用、医療安全の確保、医療の質の向上を推進するための制度であると考えます。調剤報酬は、それらを着実に進めるべく、健康保険における保険薬局の健全な経営を支えるためにこれまで中医協で議論され、適切に評価をされてきたものと認識しています。
 スライド10に示される処方箋枚数と処方箋受取率の推移を見れば、平成30年度にあっては74%まで推移しており、院内投薬という形から院外処方箋への切りかえに向けて、薬局、薬剤師による調剤の移行が着実に進んでいる状況であることが確認できます。
 ただ一方で、スライド44に示されるように、処方箋1枚当たりの費用の7割から8割が薬剤料という物の代金でありまして、スライド9でも明らかなように、医科、医療費の入院外で計上されている薬剤費が調剤医療費に移行していることが、調剤医療費が増加しているように見える主な要因であると考えます。その増加額や伸び率だけの部分をフォーカスして、あたかも調剤報酬の見直しが必要であるといった指摘は誤解を与えるものであると言わざるを得ません。
 もちろん、薬剤師による調剤にかかわる評価については、患者の視点という観点から、対物業務から対人業務への構造的な転換の推進は不可欠であり、その考え方には異論はありません。ただし、その意味は、調剤及び医薬品の供給をつかさどる任務をする薬剤師にとって、対物業務を全て切り離してしまうということではなくて、現行の調剤報酬体系を患者さんにわかりやすく、かつ理解いただけるような対人業務を重視した体系に組みかえるということで理解しております。
 その一つの検討課題が今回の議題である調剤料であり、特に内服薬の算定方法にかかわるものではないかと受けとめております。スライド49にあるとおり、実際に薬剤の調製・取りそろえを行うことができると判断するまでに、1、2に示されたように、安全に安心して使っていただくためにさまざまな事項を確認するといったことが必要でありますし、2の具体的な内容の中には、医薬品、その分量、用法、投与日数、薬事承認内容の範囲であること、あるいは健康保険のルールに基づいた範囲であることを確認した上で調剤設計を行い、その時点で薬剤師として疑義が生じた場合は、当然処方医に照会をして疑義を解消しなければならないということであります。
 さらに、薬剤を調製、取りそろえた後には、当然その調剤された薬剤が正しいかどうかということで、5の調剤監査を行わなければならないということであります。また、調剤料として評価されている部分は、薬剤の調製や取りそろえに要する時間よりも、むしろ患者さんへの調剤に必要な情報の聞き取りや処方箋の内容の確認のほうが時間がかかり、また、その確認については、投与日数が長い短いに関係なく一定量の作業が必要とされます。
 すなわち、調剤報酬における調剤料とは、単なる作業上の手間だけを評価したものではなく、薬剤師による薬学的判断を含めた点数であることは御理解いただきたいと思います。ただ、そうは言え、調剤日数に応じた点数計算については、PTP包装などによる1錠もしくは1回量包装による供給形態が多くなっている現状を考えれば、1日ごとに何点という点数の設定は患者さんから理解されにくいという指摘は否めません。しかし、調剤日数15日分以上については、スライド46、47、特に48を見ていただければわかるとおり、過去数回にわたって見直しを経た上でその点数が合理化されてきたことは明らかだと考えます。
 以上のようなことを踏まえて考えれば、スライド51の論点の1つ目においては、対物業務から対人業務への構造的転換の推進に当たり、例えば調剤料といった個別項目だけを見て判断するのではなく、報酬全体を見据えた検討が必要であると考えます。
 また、論点の2つ目については、先ほど申し上げたとおり、調剤日数15日分以上は過去何回にもわたる見直しを経て合理化されて、既に一定程度の包括的とも言える考え方になっております。しかし、処方箋の投与日数については、薬剤師、薬局側がコントロールするものではなく、患者さんの受療状況あるいは処方医の診療方針、治療方針によって、もう少し違う言い方をすれば、長期処方が多い医療機関、あるいはそうでない医療機関、診療科によっても投与日数が長い短いといった違いもあって、それを応需する薬局によって状況が全く異なってまいります。そのようなこともあわせて考えれば、投与日数14日以下の部分については、対物業務から対人業務への構造的転換の推進を図るということを前提とした一定程度の報酬体系の見直しは取り組むべきであるとは理解しますが、論点の3つ目には、急激な見直しにより、保険薬局の経営状況に大きな影響を与えないように段階的かつ慎重な対応が不可欠であると考えます。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでございましょうか。
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 まず総論ですけれども、9ページ目の調剤医療費の推移に示されておりますが、平成16年には調剤技術料が1.2兆円だったものが、平成29年には1.9兆円になっております。これは、比べると158%の伸びを示して、ふえているということです。この資料にはありませんけれども、これは処方箋枚数の伸びや医薬分業の拡大率、あるいは診療所の入院外の技術料の伸びをはるかに上回っております。また、院外処方と院内処方の調剤関連技術料を比較すると、1処方当たり3.8倍の開きが生じており、それが患者負担の差につながっているという調査結果もございます。
 これらは、医薬分業のために院外処方にあまりにもインセンティブを付与した結果だと考えます。しかしながら、14ページから16ページにあります医薬品医療機器制度部会の取りまとめにも記載されておりますけれども、現在の医薬分業に関しては、患者さんにとってメリットが感じられないなどの厳しい指摘があって、その結果、16ページ目の下の青字の部分ですが、医薬分業のあるべき姿に向けて診療報酬、調剤報酬において医療機関の薬剤師や薬局薬剤師を適切に評価することが期待されるという取りまとめがなされておりますので、これを踏まえ、次回改定に向けて調剤報酬の見直しを行うべきと考えます。
 21ページ目では、服薬情報と提供料の算定状況が、また、23ページ目では、重複投薬・相互作用等防止加算及び外来服用支援料の算定回数が示されていますけれども、1つ事務局へ質問があります。この2つの資料について、薬局当たりの算定回数はわかりますでしょうか。つまり、特別な薬局のみに偏って算定されているようなことがないかどうか。後でお答えいただければと思います。
 42ページ目に調剤料の点数の仕組みが記されていますけれども、処方日数がふえればふえるほど高い点数になっております。同様に、41ページにある一包化加算も日数に応じた評価となっていますけれども、その評価が適切かどうかは今後しっかりと検討すべきと考えます。
 43ページ目の投与日数の分布は、疾患とその薬物治療の方針によって変わってくるはずであります。重要なのは、患者さんの病状に合わせた適切な処方であって、日数に応じた基本料や加算は見直すべきと考えます。
 最後に、51ページの論点についてですが、薬局は薬機法のもとで医薬品の流通の一角を担っていることは理解しております。そのため、18ページの調剤報酬の体系の説明にあるとおり、薬局の運営維持費を評価するという意味での基本料の評価は一定程度必要と考えますが、対物業務となっている調剤料と対人業務となっている薬剤管理料とは、整理を明確にして制度を見直すべきと考えます。また、対人業務については、十分な服薬説明を患者さんが受けているとは思えない話も耳にいたしますので、実際に対人業務を行った場合に評価すべきと考えます。
 先ほどの質問は、何かありますでしょうか。
○田辺会長
 では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 先ほど松本委員から御指摘がありました21コマ目の服薬情報等提供料の算定状況、23コマ目の重複投薬・相互作用等防止加算、あるいは外来服薬支援料の薬局当たりの算定回数がわかるかという御質問でございますけれども、いずれも社会医療診療⾏為別統計からのデータでございますので、この統計自体からは算定回数は不明でございますが、ほかのデータで御指摘の参考となるようなデータが出せるかは検討させていただきまして、可能であれば次回以降の中医協の場でお示ししたいと考えます。
○田辺会長
 松本委員、お願いします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 あまり普及していないようなところがあるようでしたら、その理由を確認しておく必要があると思いますので、そのための質問でございました。よろしくお願いいたします
○田辺会長
 では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
 ありがとうございます。
 論点と若干外れるところもございますけれども、今後の議論に資するということで、ぜひ事務局にお願いしたいことがございます。
 まず、4ページの「薬局数の推移等」の右側の表ですけれども、20店舗以上の法人と一くくりにしているのですけれども、これは例えばもう少し大きな法人というのもあろうかと思いますので、その辺の区分けをわかるようにしていただきたい。
 そう申しますのは、これは4年間で20店舗以上の法人が17%から28%と物すごい勢いでふえていて、これは新規に設立されているものもあろうかと思いますけれども、資金力のあるところがいわゆるM&Aをしていって大きくなっているということがないかどうか、そういうものがわかるようなデータをお示しいただければと思います。
 それから、8ページの業務種別の薬剤師数は参考資料として提出されているものなのですけれども、薬局の薬剤師の平均年齢は46.5歳ということで、これは薬局と一くくりにしていますが、先ほどの御質問にも関連しますけれども、例えば町の中にある1店舗、2店舗の薬局の薬剤師の年齢と、全国で何百店舗も展開されているような薬局の薬剤師の年齢というのは相当違っているのではないかなと思います。
 先ほどの個別論点のところで、第1回の第1ラウンドの概要というところで、令和2年度の診療報酬改定に向けた議論の中で薬剤師のお話が出ていて、先ほど猪口先生からも、病院の薬剤師は非常に重要であると。これは働き方改革にも資する話でもありますし、先ほどの制度部会の中でも医療機関の薬剤師の役割がさらに重要になってくるという記載もございます。
 今、どうして病院の中で薬剤師が不足しているのかという問題について、2つの対立した意見があって、薬剤師の給料が調剤薬局では高いのではないか、いやいや、そんなことはないんだというやりとりがあったかと思いますけれども、いわゆる調剤薬局の新人の薬剤師の給与というのが大事で、病院の勤務薬剤師の初任給と調剤薬局の薬剤師の初任給の差がすごく大きいと思います。
 これはメディアにも出ていましたけれども、今、6年制になって、薬剤師の奨学金の返還が非常に負担になっている。その奨学金を返還するために給料の高い薬局に勤めるという行動が起こっているというのは、間違いない事実だと思っています。
 病院の薬剤師をこれからふやしていくためには、その点もしっかりと明確にしておく必要があろうかと思いますので、先ほども申し上げた御質問ですけれども、8ページは、ぜひ薬局の規模別の年齢をお示しいただきたいと思います。
 最後に、これも御質問ですけれども、38ページに「調剤の種類、調剤料の位置づけ」ということで、調剤の主な種類が幾つか挙げられていて、これは後ほど41ページに出ているようにさまざまな加算がついていると思うのですが、これは機器で代替できるもの、つまり、薬剤師が自分で用手的にやるようなものと機械を使って代替できるものというものは、同じ点数になっているのかどうかということを教えていただきたい。私は専門家ではないので、例えば医療機関だと、例えば消炎鎮痛処置といった場合に、用手的に行うものと機器が行うもので点数に差をつけているのですけれども、こちらのほうは機器で代替できるようなものについて同じ点数になっているのかどうかということを教えていただければと思います。これは御質問です。
○田辺会長
 では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 実際に、例えば一包化を行う際に、機器などを使って一包化の包装を行うというようなことは当然多くの薬局でやられているとは思うのですけれども、ただ、調剤に当たっては、最初の一包化にセットする際の薬剤に、例えば吸湿性がないかとかという確認を行うとか、あるいは実際に一包化された後にきちんと目的どおりの全ての薬剤が一包化されているか、最終監査などでしっかりと薬剤師が確認を行っているということでございますので、そういうことも含めまして、点数としては特に機械を導入しているからといって調剤料に差をつけているということはないというのが現状でございます。
○田辺会長
 では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
 改めて、何度も申し上げることになりますけれども、今、薬学教育は6年制になって、薬学部の教育というのは非常に高度化している。今の高度化した医療についていくために、薬剤師も物すごく難しい勉強をされて国家試験を通っているわけですけれども、今、お話があったような、分包するためのチェックをするというある意味単純作業みたいなものに対して、6年間一生懸命勉強された薬剤師が今まで培った知識を活用できないというのは、ある意味本当にもったいないと思っています。
 ぜひとも、病院の薬剤師が活用できるような調剤報酬について考えていただければと思います。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょうか。
 では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 ありがとうございます。
 各委員の皆さんがおっしゃっているように、現在の医薬分業が、そのあり方においては患者にとってのメリットが感じられないということは事実だと考えておりまして、患者の負担に見合ったものになっているのかということは言いがたい状況だと考えております。
 そういう意味で、対物業務から対人業務への移行をさらに進めていくことは非常に重要な観点だと思っておりますが、45ページのグラフを見ましても、やはり薬学管理料の進展状況というのは、対物から対人へ大きく進んでいるとは見てとれない状況かと思います。
 そういう状況の中で、51ページの調剤料に関する論点でございますが、先ほど来ありますが、PTPシートが一般化するなど、調剤業務の効率化、簡素化が進んで、物理的コストが非常に削減されているのではないかと思っております。
 そういう実態を踏まえますと、この調剤料の考え方においては、物理的コストからいわゆる機能的なコストへの転換をする必要があると思っております。つまり、対物から対人へどのように進むのかという観点で、調剤料を改めて整理していく必要があると考えます。
 具体的には、例えば内服薬において、当然薬局への影響というのは考慮しないといけませんが、内服薬の調剤料については、投与日数14日目まで1日当たりの加算点数であり、15日以上になりますと定額の点数である。この水準がどうなのか。こういうことについては、調剤業務のあり方をどう考えるか。49ページにございますが、先ほどからありました1~7の業務、こういう調剤業務とその業務対応の観点で、日数とどういうふうに整理をするのか、調剤料のあり方は、一包化に関することも含めてきちんと考えていくべきだと思います。
○田辺会長
 では、城守委員、お願いいたします。
○城守委員
 ありがとうございます。
 何点か要望を述べさせていただきたいと思います。
 この論点の、対物業務から対人業務という流れを推進するということには当然賛成なわけでございますが、対人業務においては薬剤師さんの基本的な業務である服薬指導というのがございます。この服薬指導の内容がさまざまな対人業務の要件の中に組み込まれているということもございますので、改めてこの服薬指導というものの整理をしていただいて、その位置づけを明確にした上で、薬学管理料と重なったりすることのないような形で明確な制度設計をお願いしたいと思います。
 それと、地域のかかりつけ機能の推進というものを評価することはとてもよいことだなと私も思いますが、そのためにかかりつけ薬剤師さんというものが重要になってくると思うのですけれども、26ページのかかりつけ薬剤師の評価ということに関して、今回も要件を見直しされて少し厳しくされているというところもあろうかと思いますが、今、今村構成員がおっしゃったように、薬学も6年制になっているということ、医科と同じであるということです。医学部も、座学を含めてまずは研修をよくするわけですが、実際には診療現場、臨床現場に出てみないと、患者さんも含めて対応がわからないということが多いわけです。
 そういう意味においては、薬剤師さんも、特にかかりつけ薬剤師さんの評価をするという意味において、その要件として、まずは診療現場での経験値を必要とするということをこの要件に組み込まれたほうが、よりよいかかりつけ薬剤師さんになっていかれるのではないかと私は思いますので、これは強く要望したいと思います。
 もう一点、34ページの調剤基本料のところですけれども、今回も門前薬局とか大手のチェーン薬局に対しての調剤基本料の適正化ということでされているわけですが、例えば調剤基本料3でも、処方箋の集中率が85%以下ですと調剤基本料1か2になりますし、そうなりますと、その次のページの地域支援体制加算の最初の地域医療に貢献する体制を有することを示す相当の実績要件でございます。実績要件の下の部分に、調剤基本料1を算定している保険薬局については、これは(1)を適用しないと。これは、主にまちの薬局のためにつくられたのだろうと思うのですけれども、それが逆にはね返った形に使われることもあろうかと思いますので、このあたりも含めて、さらに大手のチェーン店に対しての調剤基本料のあり方を検討していただきたい。
 以上でございます。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょうか。
 では、宮近委員、お願いいたします。
○宮近委員
 先ほど吉森委員からありました調剤料について、私も全く同じ観点から意見を述べさせていただきます。
 51ページの論点の総論についてですけれども、調剤については、皆さんおっしゃっているように、対物業務から対人業務への構造的な転換を進めているということ、また、包装技術の改良やIT機器の普及などによって、調剤の物理的な手間、負担が減ってきていることを踏まえると、日数に応じて評価する現状の体系については、前回の改定の影響なども見ていく必要がありますけれども、さらなる適正化の方向で引き続き検討していくべきではないかと思います。
 有澤委員が先ほどおっしゃっていましたように、前回改定では15日分以上の調剤料について適正化が行われておりますけれども、43ページで示されているように、投与日数の分布によれば、内服薬全体の45%が14日分以下の投与日数であるということを踏まえますと、今回の改定では14日以内の部分についても全体的に適正化する方向で見直しを検討する余地があるのではないかと考えます。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでございましょうか。
 では、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
 ありがとうございます。
 投与日数が長いとか短いのというのは、結局急性の病気か慢性の病気かということになると思うのですけれども、私は慢性疾患がありますので、ほぼ同じ薬をずっと服用しているわけですが、そうなると、薬局に行っていつものお薬ですねというだけで、ほぼ指導も何もないですし、何かチェックがあるかというとそれもないわけです。その中で、調剤料として一定の額のお金を支払っているということを理解している患者自体がそんなに多くはないと思うのです。それを、そういうふうになっているのですよとお知らせしたときに、ええ、そんなのおかしいじゃんという話になるのではないかなと思うのです。
 そういう意味では、調剤料というくくりというよりも、対人的に何かしてもらったときに報酬が発生するという考え方がやはり大事ですし、逆に、急性の場合の服薬指導などについては、短期的に飲む場合に注意事項などはいろいろ詳しく聞くことがあるでしょうし、さらに言えば、飲んだときに何か異常があったことに対して対応しなければいけないということもあるでしょうから、むしろ短期の投与日数の場合には報酬自体を引き上げるということも考えていく必要があるとは思いますけれども、長期の投与の場合の調剤料というのは考え直すべきかなと思います。
 以上です。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょうか。
 では、猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
 今回、調剤報酬ということでの議論ですが、調剤報酬イコール薬局での調剤報酬の話になるわけです。13ページの骨太の方針の令和元年の赤文字のところを見ますと、医療機関及び薬局における調剤の実態を踏まえると書かれております。
 院内調剤を考えたときに、例えば42ページに本日のテーマである調剤料が書かれているわけですが、これは質問させていただきたいのですけれども、院内調剤において外来の患者さんに対する調剤料というのは何点なのでしょうか。
○田辺会長
 では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 院内処方の場合の調剤料は、9点でございます。
○猪口委員
 9点というのは、ここに書いてある1日が5.4点ではなくて、何日分でも9点ということでよろしいですか。
○田宮薬剤管理官
 はい。定額の9点ということでございます。
○猪口委員
 そういうことを実態としてちゃんと示していただく必要があると思うのです。ですから、それによって院内調剤と院外調剤にこれだけの差が出るということを示した上で、ぜひ調剤についての議論をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○田辺会長
 では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 皆さんおっしゃったとおりなので、処方日数に応じた点数設計というのは見直すべきだと思います。
 それと、ことしの4月に、ピッキングや一包化については薬剤師以外の方でも薬剤師の管理のもと実施を可能とするという通達が出されて、さらに業務が軽減されたということも一つ見直しをしていく理由になると思います。
 それから、今村先生が指摘された一包化なのですが、大手のチェーン薬局は全て機械化されているのではないかと思うのですが、現状、どれぐらいの割合で一包化が機械化されているかというのは何かつかんでおられますか。
○田辺会長
 では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 必要があれば有澤委員から補足いただければと思いますけれども、一包化についてもいろいろな機械がございまして、少なくとも分包にするというところは多くの薬局で導入されているのではないかと思います。ただ、その後にしっかりと確認をするところについては、目視でやっているところもたくさんあるのではないかと思っているところでございます。
○田辺会長
 では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 先ほど今村先生もおっしゃったのですけれども、やはり機械化されているところについては、それなりに業務の負荷が違うわけですから、医科の診療報酬にもあるように、機械化によるものとは点数を区別するという考え方もあっていいのではないかと思いますし、これをまた42日で区切るというのも、今となってはレガシーな基準となっておりまして、ここも検討していく必要があるのではないかと思います。
 以上です。
○田辺会長
 では、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
 今、出た機械化の点ですけれども、一包化に関してカセット等でやって一括してオペレーションをかけてどんとできるものもあれば、昔ながらに一個一個外していって印字をかけた分包もある。どれぐらい普及しているかというのは持ち合わせがないのですけれども、何らかの形で事務局でも提案していただければいいと思います。
 もう一点、先ほど猪口委員からの指摘があった院内と院外の価格差であります。私は、医科と調剤では報酬体系がまず異なるということで、薬剤師の関与が義務か否かなど、状況がさまざま異なるので、単純に比較ができるものではないと考えておりますし、今回は調剤報酬における調剤料のあり方で議論するという場と理解していますので、事務局においては、医科と調剤の報酬体系の違いなどを整理して、資料をまとめた上で次回以降の議論の際に提出いただければと思います。
○田辺会長
 ほか、いかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 では、ほかに御質問もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 本日の議題は以上でございますけれども、事務局から「その他」として資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
 では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
 総-4をごらんいただきたいと思います。
 本年9月の台風15号の影響による停電に伴う対応ということで、そこにまとめております。これまでの災害と同様に、被災地特例という形で通知を出させていただいております。
 今の状況については、少し落ちついてから状況をちゃんと把握した上で中医協の総会に御報告をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 本日の議題は以上でございます。
 なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。御参集どうもありがとうございました。
 

 
 


 
 

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