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2019年8月28日 中央社会保険医療協議会 総会 第421回議事録

○日時

令和元年8月28日(水)10:16~11:18

○場所

TKP市ヶ谷カンファレンスセンター大ホール(8階)

○出席者

田辺国昭会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 松原由美委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 間宮清委員 宮近清文委員 
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 猪口雄二委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 横地常広専門委員
薬価算定組織坪井委員長
<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 八神審議官 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○医薬品の薬価収載等について
○再生医療等製品の保険適用について
○DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について
○在宅自己注射について
○最適使用推進ガイドラインについて
○公知申請とされた適応外薬の保険適用について
○先進医療会議からの報告について
○診療報酬基本問題小委員会からの報告について
○被災地における特例措置について
 


 
○田辺会長
それでは、ただいまより第421回「中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、染谷委員、松浦委員、岩田専門委員が御欠席でございます。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほうお願いいたします。
それでは、議事のほうに入ってまいりたいと思います。
「医薬品の薬価収載について」「再生医療等製品の保険適用について」「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」「在宅自己注射について」を一括して議題といたします。
本日は、薬価算定組織の坪井委員長にお越しいただいております。坪井委員長より御説明をお願いいたします。
では、よろしくお願いいたします。
○坪井委員長
おはようございます。薬価算定組織委員長の坪井です。
私から今回検討いたしました新医薬品の算定結果等について報告いたします。まず、資料、中医協総-1-1をごらんください。今回報告する新医薬品は、表の一覧表にありますとおり12成分17品目です。それでは、算定内容について御説明いたします。
資料1から2ページをごらんください。最初はミニリンメルトです。本剤は、男性における夜間多尿による夜間頻尿を効能・効果とする内用薬です。規格違いの同一成分ミニリンメルトOD錠120μgを最類似薬とした規格間調整により算定いたしました。その結果、本剤の算定薬価は25μg1錠59.50円、50μg1錠100.00円となりました。
資料3から4ページをごらんください。ヴァンフリタ錠です。本剤は、再発又は難治性のFLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病を効能・効果とする内用薬であり、効能、薬理作用等が類似するゾスパタ錠40㎎を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。なお、ゾスパタ錠は先駆け審査指定制度加算を受けていますので、その加算分を控除した算定となっております。その結果、本剤の算定薬価は、17.7㎎1錠1万9694.90円、26.5㎎1錠2万6582.10円となりました。
続きまして、資料5から6ページをごらんください。ロズリートレクカプセルです。本剤は、NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌を効能・効果とする内用薬であり、薬理作用や投与形態等が類似するザーコリカプセル250㎎を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤の治験では標準的治療が存在しない乳腺分泌癌等の希少な癌で一定の有用性が認められており、臨床上有用な新規作用機序を有する医薬品であることから、有用性加算(Ⅱ)の10%加算を適用することが適切と判断いたしました。また、本剤は、先駆け審査指定制度の対象となっており、本邦で初めて承認された医薬品であること等から、先駆け審査指定制度加算の10%加算を適用することが適切と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は100mg1カプセル5,214.20円、200mg1カプセル9,889.90円となりました。
続きまして、資料7から8ページをごらんください。オンパットロ点滴静注です。本剤は、指定難病であるトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーを効能・効果とする注射薬であり、効能・効果が類似するビンダケルカプセル20㎎を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、対象疾患に対して、RNA干渉によって疾患の原因となるたんぱくの発現を抑制するという新規の作用機序を有しています。また、既存薬とは異なり、遺伝子変異の型等に左右されることなく有効性が認められており、治療方法の改善にもつながります。これらの状況を踏まえ、有用性加算(Ⅰ)の40%加算を適用することが適切と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は8.8mg4.4mL1瓶98万6097円となりました。なお、本剤のピーク時市場規模は50億円以上100億円未満ですが、指定難病の治療にのみ使用されることから、費用対効果評価の対象外と提案いたします。
続きまして、資料9から10ページをごらんください。デファイテリオ静注です。本剤は、肝類洞閉塞症候群を効能・効果とする注射薬であり、適切な類似薬はないため、原価計算方式により算定いたしました。なお、本剤の製品総原価の開示度は50%未満でした。
資料10ページの補正加算の項目にあるとおり、本剤は、これまで対症療法が主な治療方法であった肝類洞閉塞症候群に対する初の薬剤であり、海外のガイドラインでは本剤が標準的治療として推奨されていることを踏まえ、有用性加算(Ⅱ)の10%加算を適用することが妥当と判断いたしました。また、本剤は、希少疾病用医薬品に指定されていることなどから市場性加算(Ⅰ)に該当し、10%の加算を適用することが適当と判断いたしました。合計の加算率20%に加算係数0.2を適用し、4%の補正加算を適用いたしました。その結果、本剤の算定薬価は200㎎2.5mL1瓶5万3108円となりました。
続きまして、資料13から14ページをごらんください。ゾルトファイ配合注です。本剤は、インスリン療法が適応となる2型糖尿病を効能・効果とするトレシーバ注フレックスタッチと2型糖尿病を効能・効果とするビクトーザ皮下注の配合剤であることから、新医療用配合剤の特例により算定いたしました。その結果、本剤の算定薬価は1キット5,293円となりました。
続きまして、資料15から16ページをごらんください。ユルトミリス点滴静注です。本剤は、指定難病である発作性夜間ヘモグロビン尿症を効能・効果とする注射薬であり、効能・効果や薬理作用などが類似するソリリス点滴静注を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。
本剤は、長期間有効な血中濃度を維持できるような製剤設計を行い、投与間隔が2週間から8週間に延長していることから、有用性加算(Ⅱ)の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は、300㎎30mL1瓶71万7605円となりました。なお、本剤は指定難病の治療のみに使用されますが、収載から10年度の市場規模が約330億円と大きく、それ以降も患者がふえて市場規模が伸び、350億円を超えることが想定されることや、維持期には1回当たり少なくとも10本を使用し、1回当たりの薬剤費が高額となることという2点を踏まえて、算定組織としては本剤が費用対効果評価の対象に該当するとの結論に至りました。このため、本剤は指定難病の治療にのみ使用されますが、資料16ページにあるとおり、費用対効果評価の対象に該当するという提案になりますので、御検討をお願いいたします。
続きまして、資料17から18ページをごらんください。ロナセンテープです。本剤は、統合失調症を効能・効果とする外用薬であり、同一有効成分の内用剤であるロナセン錠4㎎を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。その結果、本剤の算定薬価は20mg1枚278.40円、30mg1枚401.30円、40mg1枚520.20円となりました。
続きまして、資料19から20ページをごらんください。アジマイシン点眼液です。本剤の保険適用となる、適応症は、結膜炎、眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎であり、効能・効果、薬理作用等が類似するトブラシン点眼注0.3%を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。本剤は、小児を対象とした国内臨床試験を実施していることなどから、小児加算の5%加算を適用することが妥当と判断いたしました。その結果、本剤の算定薬価は1%1mL302.20円となりました。
続きまして、資料21から22ページをごらんください。ビベスピエアロスフィアです。本剤は、慢性閉塞性肺疾患の諸症状の緩解を効能・効果とするシーブリ吸入用カプセル50μgとオーキシス9μgタービュヘイラー60吸入の配合剤であることから、新医薬用配合剤の特例により算定いたしました。その結果、本剤の算定薬価は28吸入1キット1,789.30円となりました。
続きまして、資料23から24ページをごらんください。ビレーズトリエアロスフィアです。本剤は3つの有効成分を含有し、慢性閉塞性肺疾患の諸症状の緩解を効能・効果とする外用薬です。効能・効果や薬理作用等が類似するテリルジー100エリプタ30吸入用を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。その結果、本剤の算定薬価は56吸入1キット4,074.80円となりました。
続きまして、資料25から26ページをごらんください。イナビル吸入懸濁用です。本剤は、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療を効能・効果とする外用剤で、同一有効成分のイナビル吸入粉末剤20㎎を最類似薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)により算定いたしました。その結果、本剤の算定薬価は160㎎1瓶4,164.40円となりました。
以上で資料総-1-1の説明を終わります。
続きまして、資料総-1-2の説明に移ります。市場拡大再算定について御報告いたします。資料、中医協総-1-2をごらんください。平成30年度の薬価制度抜本改革において、効能追加があった医薬品などについて、一定規模以上の市場拡大のあった場合は、2年に一度の薬価改定の時期を待たずに、年4回の新薬収載の機会を活用して、市場拡大再算定の規定を適用し薬価を見直すこととされました。今般3月診療分のNDBデータを確認したところ、タグリッソ錠は市場拡大再算定の要件に該当すると判断いたしました。その結果、本剤の改定薬価は40㎎1錠1万806.60円、80㎎1錠2万719.40円となりました。
以上で資料総-1-2の説明を終わります。
長くなり恐縮ですが、次の資料の説明に移ります。資料、中医協総-2をごらんください。医薬品の例によって対応することとされた再生医療等製品のコラテジェン筋注について、算定結果等を報告いたします。本剤は、標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症及びバージャー病)における潰瘍の改善を効能・効果又は性能とする再生医療等製品です。本製品と同様の薬理作用を有する既収載品はなく、適切な類似薬はないことから、原価計算方式により算定いたしました。なお、本剤の製品総原価の開示度は50%以上80%未満でした。その結果、本剤の算定薬価は、4mg1.6mL1瓶60万360円となりました。
以上で私からの説明は終わります。
○田辺会長
ありがとうございました。
引き続き、事務局から説明と補足をお願いいたします。
では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
まず、総-1-1について補足説明いたします。総-1-1の1ページ目をごらんいただきたいと思います。今回収載予定の新薬のうち、費用対効果評価の対象となる品目についての補足説明でございます。先ほど坪井委員長から提案がありましたとおり、7番目のユルトミリス点滴静注につきましては、指定難病のみの効能・効果を持つものでございますけれども、費用対効果評価の対象とすることでよろしいか、御検討いただきたいというのが1点目でございます。
また、11番目のビレーズトリエアロスフィアにつきましては、比較薬のテリルジー100エリプタが既にH1品目として費用対効果評価の対象となっておりますので、この資料の補正加算等の欄にも記載がございますとおり、H5区分として対象となることを御報告させていただきます。
続きまして、資料総-1-2についての補足説明でございます。今般市場拡大再算定を行いますタグリッソ錠につきまして、その改定薬価につきましては、資料の表の一番右の適用日に書いてございますとおり、医療機関等における在庫への影響等を考慮し、令和元年11月1日から適用したいと考えているところでございます。
以上でございます。
○田辺会長
では、引き続きお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
医療技術評価推進室長でございます。
総-3をごらんください。こちらは新規に薬価収載されました高額医薬品等につきましてのDPC上の取り扱いについてでございます。高額医薬品につきましては、指定するDPCコードにおいて、その薬剤を使用した場合は、次回診療報酬改定までの間、出来高算定とする判定を行っております。基本的な考え方につきましては、総-3-(参考)をつけておりますので、御確認いただければと思います。
総-3に戻っていただきまして、1ページ目から4ページ目までの2に掲げましたリストにつきましては、効能・効果が追加された医薬品や薬価収載される医薬品で出来高算定となるもののリストとなっております。
5ページ目の3は、類似薬効比較方式により薬価が算定されたものでございまして、こちらは当該類似薬が設定されている診断群分類に反映をさせて対応するというものでございます。
事務局からは以上でございます。
○田辺会長
では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
続きまして、総-4をごらんいただきたいと思います。在宅自己注射指導管理料の対象薬剤の追加についてということで、お諮りをしたい案件でございます。1として書いてありますように、インスリン・グルカゴン様ペプチド1-受容体アゴニスト配合剤についてでございます。この配合剤が入っておりますインスリン、グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト配合剤につきましては、それぞれが在宅自己注射指導管理料の対象薬剤となっております。今回新薬としてこの配合剤が新しく収載されたということで、この配合剤についても在宅自己注射指導管理料の対象薬剤として追加をしたいということで、御提案するものでございます。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
まず、医薬品の薬価収載等について、19-08-注-4、ラブリズマブについてです。先ほどお話のあった費用対効果評価に該当するということについては賛成いたします。その上で、1つ問題を指摘したいと思います。比較薬になっているアレクシオンファーマのソリリスについてでございますけれども、事務局は当然承知していると思いますが、ソリリスの販売につきましては、昨年2点ほど問題点が指摘されていました。1点は販売促進の資料に不適切な内容があったことで、担当の医薬・生活衛生局で資材内容の変更の指導が行われております。2点目は、この営業活動において会社が売上目標を達成するためにMRへの独自の報酬制度を導入してきたということがございます。昨年行われた薬機法の改正議論におきまして、過去の降圧剤等の不適切な営業活動を踏まえて、課徴金も含めた行政指導の強化が盛り込まれております。このような状況の中で、15ページのソリリスの注にあるような新薬創出加算等の対象品目になっているということもありますので、こういった企業に対して、今後厚労省として例えば企業要件として対象から外すとか、そういったことも含めて、どのようなことを考えているのかどうかお聞きしたいと思います。
○田辺会長
では、薬剤管理官、お願いします。
○田宮薬剤管理官
今、松本委員から御指摘いただきましたソリリスの不適切な販売促進資料に関してでございますけれども、これについては、医薬・生活衛生局に確認したところ、誤解を生じるおそれがあるような記載を改めることについて文書指導したということは、御指摘のとおりでございます。ただ、2点目のMRへの独自の報酬制度というお話につきましては、薬機法上、違反とかそういうことではないので、医薬局では特に事実確認はしていないと聞いているところでございます。
委員から御指摘がありましたとおり、薬機法改正法案におきましては、薬機法で禁止している医薬品等の虚偽・誇大広告に関しまして、課徴金制度ということで、虚偽・誇大広告の販売で得た経済的利得を徴収し、違反行為者がそれを保持し得ないようにすることによって、違反行為の抑止を図るという目的でそういった制度が盛り込まれていると承知しているところでございます。
御指摘の薬機法の違反に関する事案につきましては、私どもとしては、担当局である医薬・生活衛生局で個々の事案を精査した上で、適切に行政処分等の判断が行われることになると承知しておりまして、先ほど委員から新薬創出等加算の企業要件と関連づけた御発言がございましたけれども、直接的には関係しないものではないかと考えているところでございます。特に虚偽・誇大広告の販売で得た経済的利益に関しては、今後課徴金制度の導入が検討されておりますし、基本的には新薬創出等加算制度というのは、革新的な新薬創出を促すという目的で制定されているものでございますので、企業要件とか薬価算定と直接的に関連づけて議論すべき性質のものではなく、基本的には担当局である、薬機法も所管している医薬・生活衛生局で対応されるべき事案ではないかと考えているところでございます。
○田辺会長
では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
こういったことに対して、ある意味負の要件として今後検討すべき課題ではないかなと思っていますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
もう一点よろしいですか。
○田辺会長
どうぞ。
○松本委員
もう一つ、再生医療等製品の保険適用のコラテジェンについてですが、希少疾病に対する新しい治療の選択肢がふえたということではいいことだと思いますけれども、2点ほど確認させてください。1つ目は、先進医療として実施されていた分の保険医療分は、当然開発の原価から除かれていると思いますが、その確認です。もう一点は、再生医療等製品として早期承認制度を利用した期限付きのいわば仮承認になっています。早期承認制度の場合、再審査で有効性と安全性を改めて見直すことになりますけれども、再審査までのロードマップ、治験の概要等を含めて安全対策の実施なども今後あわせて示してもらいたいと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
○田辺会長
では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
本剤、コラテジェンの算定におきまして、御指摘の先進医療として実施した費用等については、製品総原価には含まれておりません。御指摘のとおりでございます。
それから、本製品につきましては条件期限付承認という形で承認を受けているものでございますので、今後改めて承認を受けるまでのロードマップ等につきまして、今の御指摘を踏まえまして、例えば保険収載の提案をさせていく際にどのような資料を御提示できるかにつきましては、申請企業、それから医薬・生活衛生局とも相談して、対応についてどのようなことができるか検討してまいりたいと思います。
○田辺会長
では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
今、松本委員からお話があったコラテジェンについて、厚労省に伺いたいのですけれども、これは3月に製造販売が認められて、国内初の遺伝子治療薬ということで、非常に世の中の注目を浴びていたということだと思います。いつ保険収載されるのか、そして価格が幾らになるのか。これは医療関係者だけではなくて、非常に広い範囲で注目されていたと思いますが、昨日の朝日新聞で署名記事として、本日中医協で議論される資料と全く同じ中身が決定ということで、価格まで示されて出ていた。最近こういうことがよく起こっていて、厚労省の資料管理について、中医協の中でもいろいろ意見を出させていただいているところですが、これは中医協の議論と直接関係ないにしても、きのうこの新聞記事が出たことによって、株価がストップ安になって暴落した。空売りをして、下がったところで買い戻すと莫大な利益が出ると。ある意味インサイダー取引にもなりかねないような事案だと思っております。
厚労省は、この価格の決定について、こういう資料が知らない間に出ていて、決定という形で出ることについて、どのようにお考えになっていて、どのように対応されるおつもりか、ぜひ教えてください。
○田辺会長
では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
今、今村委員から御指摘がありましたとおり、昨日の新聞記事におきましてコラテジェンの保険適用について掲載されているのは事実でございますが、委員御指摘のとおり、本製品の保険収載、及び価格等を含めた保険収載の可否については、本日のこの中医協総会の場で御審議いただいた上で決定することになるというのが大前提だと考えているところでございます。私どもとしても、これまでも情報管理には気をつけてきたつもりではございますけれども、今後このようなことがないよう、より一層情報管理は徹底してまいりたいと思っております。
○今村委員
中医協の権威というものがどうなのかという問題もあるのですけれども、こういう公定価格を決定する場が投機の場に使われるようなことがあってはならないと思います。くれぐれも厳重に管理をしていただきたいということを改めてお願い申し上げたいと思います。
○田辺会長
では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
何点か確認させていただきます。まず、7ページのパチシランナトリウムは、体重によって投与するということなのですが、1瓶98万6097円と、1瓶の価格が非常に高く、しかも体重によって投与数が変わりますので、要は、1瓶で使い切れなかったら残薬が発生する可能性が高いのではないかと思うのです。これはかなり少量なのでさらに小分けにするというのは難しいかと思いますが、余りにも1瓶の価格が高いので、これをもう少し小分けにして、残薬を少しでも少なくするような検討はなかったのかについてお伺いしたいと思います。
また、先ほど話題になりましたラブリズマブも1瓶の価格が高いので、残薬が生じることがないのかどうかについてもお伺いしたいと思います。
ラブリズマブは、ピーク時の市場規模が331億円と予測されているのですが、1人当たりの患者の年間の医療費、医薬品費が約4500万円ぐらい見込まれる。いわゆる高額薬剤ではないのですが、医療費としては相当高い薬剤になってくる予測されます。今後患者数が増加する見込みがあるのかどうかというところをお教えいただきたい。
こういった1人当たりの医療費が高くなるものについて、高額薬剤については最適使用推進ガイドラインというものが定められるのですが、こういった薬剤について、ガイドラインのようなものが策定されないのかについて見解をお教えいただきたいと思います。
もう一点ですが、市場拡大再算定に該当した、タグリッソ40㎎、80㎎については、平成28年5月収載時にはピーク時の市場規模が135億円と想定されていたということですが、NDBで見た結果、市場規模が大体どのぐらいまで拡大されるのか、拡大した要因は、効能追加等があったからなのかどうかについて教えていただきたいと思います。何点かお答えいただきたいと思います。
○田辺会長
では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
何点か御質問をいただきました。まず、オンパットロ点滴静注(パヂシランナトリウム)につきましてですけれども、体重当たりの投与になっているということで、体重によっては残液が多く生じるのではないかという御指摘だったかと思います。本剤は海外で開発された製品ということでございまして、海外でもその規格で製剤の開発がされ、使用されているといったこともございまして、国内にもそのまま導入されたという経緯がございます。開発に当たって、実際の患者数が少ない難病の薬で、体重当たりどの程度の製剤を用意するかというのはなかなか難しい課題でありますけれども、国際共同治験の日本人患者の体重分布などを確認しましたところ、平均で57.91㎏ということでございまして、平均値で言うと2本で足りるぐらいの体重の分布だったと聞いておりますが、もちろんその前後はございますので、重い体重の方とかですと2本では足りず3本になるというところもあるということでございます。
あわせてラブリズマブ、ユルトミリス点滴静注について、残液のようなことがないのかという御指摘でございますが、添付文書におきまして、体重ごとに、例えば40㎏以上60㎏未満の場合ですと、初回投与量が2,400mg、2回目以降の投与量が3,000㎎といった形となっており、本製剤は300㎎の製剤であり、300㎎の倍数で用法が設定されておりますので、そういった残液が生じるということはないと考えているところでございます。
実際の患者数がどの程度増加する見込みがあるのかということについてです。比較薬となっておりますソリリスの使用実態などを踏まえますと、薬剤の投与によって予後がしっかりと延長するといったこともあって、患者数が少ないながらも少しずつ増加するといった傾向が見てとれるところでございます。こういったことも踏まえまして、新薬の薬価算定収載時には、市場予測として収載から10年後までの予測投与患者数と予測販売金額を企業に提示していただくわけですけれども、本剤についても、一番最後の10年度が患者予測のピークとなっているところでございます。そこで331億円程度ということでございますが、そこからさらに伸びていくということも考えると、指定難病の場合ですと、1つの基準として、ピーク時市場予測が350億円というのが一つの目安になるわけでございますけれども、今後ふえていくということも考えますと、薬価算定組織の中でもその単価や、実際の薬剤費の額なども踏まえまして、費用対効果評価の対象とすべきではないかという御意見があったというところでございます。
それから、最適使用推進ガイドラインをつくらないのかどうかということについての御質問だったと思います。最適使用推進ガイドラインにつきましては、革新的な製品で、また有効性が非常に高いもので、かつの薬理作用が、既存の医薬品と比較して大きく異なるとか、あるいは既存の医薬品と比較した臨床的位置づけが異なって、より広い患者に使用される可能性が高いというものについて、医薬局で策定されるという形と承知しております。本製品の場合は、ソリリスという既存のものもございますし、実際には患者数が非常に少ない指定難病の薬ですので、ほかの効能追加などで市場が大幅に拡大するというカテゴリーには該当しないという判断で、最適使用推進ガイドラインの策定まではされなかったというふうに理解しておりますが、添付文書に従って適切な患者に対して使用することが当然でございますので、保険適用上の留意事項通知などではその旨を注意喚起させていただきたいと考えております。
タグリッソの市場拡大再算定について御質問がございました。御指摘のとおり、薬価収載時はピーク時135億円という見込みで薬価収載されたわけでございますが、この製剤につきましては、最初は他の類似薬、EGFRヂロシンキナーゼ阻害剤が効かない患者に使うというセカンドラインでの使用だったのですけれども、昨年の8月にファーストラインでの使用が可能となるという効能追加がされたということで、大幅に市場が拡大したということでございます。その結果、計算いただくとわかりますが、実際市場拡大再算定の15%の下げ止めにかかるぐらいの市場規模の拡大がされている。具体的な計算式で言うと、当初予測よりも3倍以上は拡大しているといった状況ということでございます。
以上でございます。
○田辺会長
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
了解しました。よくわかりました。
その上でお願いなのですが、保険者としては、今後も高額医薬品の薬価収載が見込まれる中、この中医協でも何回かバイアル残薬についてに問題提起されているにもかかわらず、こういった小分けのものが算定されていないという状態が続くのは看過できないと思いますので、薬事承認のときに一定の額を超えるようなバイアルについては、メーカーのほうに残薬が出ないような小分けのバイアルについても価格を算定するような考え方を今後取り入れてもいいのではないかと思います。もしそれができないのであれば、保険者としては、ボトルごとの請求でなくて、使用量ごとの請求というものに変える必要がある。特に高額薬剤はその必要があると思いますので、ぜひ検討していただきたい。そういうことになると、おそらくメーカーも小分けのものをつくられてくると思いますので、これから高額薬剤対策として、承認のときに1種類だけでなくて、2種類、3種類つくって承認するということもぜひ御検討いただきたいと思います。これは要望でございます。
○田辺会長
ほかはいかがでございましょう。では、中村委員、お願いいたします。
○中村委員
先ほどのラブリズマブのところです。先ほど坪井委員長、田宮薬剤管理官から説明いただきましたけれども、本剤は10年度を超えて、それ以降にまだまだ販売が増えていくという話でした。ただ、15ページの資料だけ見ますと、ピーク時が10年度で、その時点で331億円というのが最大の予想販売額とも読み取れます。もちろん、本日説明していただきましたので、そこは非常にクリアになったのですが、この資料だけ見ますと、そういった誤解も与えかねません。そこで、ピーク時が10年を超えて販売が増える場合には、その旨を明記する。あるいは10年度以降も販売がどうなるのかを調査する仕組みも重要と思っております。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
坪井委員長、御説明のほうありがとうございました。
では、次に報告事項でございますけれども、「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
では、医薬品審査管理課長、よろしくお願いいたします。
○山本医薬品審査管理課長
それでは、資料の総-5-1に沿って御説明をさせていただきます。アテゾリズマブ(遺伝子組換え)、販売名としてテセントリク点滴静注1200㎎について、最適使用推進ガイドラインを発出しております。本品目につきましては、本年8月22日進展型小細胞肺癌の効能追加の承認をいたしました。これに伴いまして、同日付で最適使用推進ガイドラインを発出しております。抗PD-1、PD-L1抗体の幾つかの品目において小細胞肺癌に対する承認を行いましたのは初めてでございます。また、テセントリクといたしましては、非小細胞肺癌に続いて2つ目の最適使用推進ガイドラインでございます。
ガイドラインの構成はこれまでのものと同様でございます。2ページをごらんいただければと思います。囲みの中に今回の効能・効果を記載しておりまして、進展型小細胞肺癌でございます。用法・用量としては、カルボプラチン、エトポシドとの併用として用法・用量を定めております。
5ページから6ページにかけまして臨床成績を記載しております。5ページにおきまして、化学療法歴のない進展型小細胞肺癌の患者を対象とした臨床試験が実施されておりまして、カルボプラチン、エトポシドとの併用投与の群と比較いたしまして、テセントリクをお話しすることで全生存期間が有意に延長しているという結果が得られております。
また、6ページに安全性プロファイルを記載しておりますが、非小細胞肺がんでこれまで得られているものと同様でございました。
続きまして、7ページ、8ページに移らせていただきます。医療施設につきまして要件を記載しておりますが、さきに作成しました非小細胞肺癌の最適使用推進ガイドラインと同様の内容としております。
9ページに投与対象となる患者さんについて記載しております。有効性に関する事項といたしましては、今回の臨床試験に基づいて有効性が示された患者さんの要件を記載しております。安全性に関しては、テセントリクの非小細胞肺癌の最適ガイドラインと同様の内容でございます。
10ページは、投与に際して留意していただきたい事項といたしまして幾つか記載させていただいておりますが、さきに発出しておりますテセントリクの非小細胞肺癌の内容と同様のものでございます。
簡単ではございますが、説明は以上でございます。
○田辺会長
では、引き続きまして薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料総-5-2をお開きいただければと思います。ただいま医薬品審査管理課長から御説明がありましたアテゾリズマブ(遺伝子組換え)製剤、品目名、テセントリク点滴静注につきましては、非小細胞肺癌につきまして、最適使用推進ガイドラインに基づき、留意事項通知を発出しているところでございます。ただいま御説明がありましたとおり、今般小細胞肺癌に係る最適使用推進ガイドラインが新たに策定されたことを踏まえまして、承認事項一部変更承認が行われた8月22日付で留意事項を改正する旨の通知を発出しておりますので、その御報告でございます。
留意事項の具体的な内容につきましては、3の留意事項の内容のところをごらんいただきたいと思います。今般のガイドラインの策定を踏まえまして、(2)の診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項として、新たに「(2)進展型小細胞肺癌」について記載を設けております。具体的には、①として「医療施設の要件のいずれに該当するか」ということ。②として「治療の責任者の要件のいずれに該当するか」ということを、ガイドラインを参照した上で、こちらについて記載をいただくという内容となっております。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
では、御質問等もないようですので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
次に、報告事項でございますけれども、「公知申請とされた適応外薬の保険適用について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
御説明いたします。資料総-6をごらんください。今般、資料に記載がありますリツキシマブ(遺伝子組換え)の後天性血栓性血小板減少性紫斑病の効能追加につきまして、8月1日開催の薬食審の部会において、公知申請して差し支えないとの事前評価がなされたところでございます。このようなケースにつきましては、同日付で保険適用するということをあらかじめ中医協で御了承いただいておりますので、それに基づき保険適用させていただいたという御報告でございます。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
では、御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
次に、これも報告事項でございますけれども、「先進医療会議からの報告について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
では、医療技術評価推進室長、よろしくお願いいたします。
○岡田医療技術評価推進室長
御説明をさせていただきます。それでは、中医協総-7に基づきまして御報告させていただきます。今回御報告する案件は2件ございます。先進医療会議で承認をされました先進医療Aの案件1件と先進医療Bの案件1件の計2件でございます。
まずは総-7-1の1ページ目をごらんください。今回承認されました先進医療Bの技術でございます。整理番号131番「切除およびラジオ波治療困難な難治性肝細胞癌に対する不可逆電気穿孔法治療」でございます。本技術に係る費用は表に記載のとおりでございます。先進医療会議における総合判定は条件付き適となってございますが、その後、会議からの指摘事項に対して、申請医療機関より適切な対応がなされましたので、適の御判断をいただいております。
技術の説明をさせていただきます。技術の概要は6ページ目をごらんください。本技術は、対象疾患でございます外科的切除およびラジオ波治療困難な難治性肝細胞癌の患者に対して、右上の左側の図のように、その局所にプローブを挿入し、電気パルスでがんを細胞死に導く治療法でございまして、熱がほとんど発生しないため、ラジオ波焼灼療法等と異なり、近傍の正常組織構築の温存が期待できる技術となってございます。
ロードマップにつきましては、次の7ページをごらんください。本先進医療の結果をもってニーズ検討会のスキームを活用して薬事承認を目指すとのことでございます。
続きまして、総-7-2をごらんください。今回、こちらは共同実施が承認された技術でございます。既に先進医療Aとして告示されておりますCYP2D6遺伝子多型検査でございます。本技術は、適応症でございますゴーシェ病患者に対して、その治療薬でございますグルコシルセラミド合成酵素阻害薬サデルガの肝臓の代謝能を治療開始前に評価するための技術でございます。本技術に係る費用は表の記載のとおりで、先進医療会議における総合判定は適となってございます。今後は委託医療機関から検体を送付し、受託医療機関で検査を行うことが可能となります。
説明は以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
では、御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
次に、「診療報酬基本問題小委員会からの報告について」を議題といたします。本件については、本日の診療報酬基本問題小委員会において議論を行ったところでございますけれども、診療報酬基本問題小委員会でいただいた御意見等も含めまして、事務局より説明をお願いいたします。
では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
先ほど基本問題小委員会において入院医療等の調査・評価分科会の尾形分科会長から現在までの分析状況について御報告をいただいたところでございます。また、その御報告に対しまして、さらに分析、要因等について各委員会から御意見をいただいたということでございます。
主なものを御紹介させていただきます。一般病棟入院基本料につきましては、急性期一般入院料1をとっている病院につきまして、規模別に見たときに、自立度の高い患者が小さい病院のほうが多いといった点について、さらに分析を深めるといったこと。
それから、重症度、医療・看護必要度につきましては、前回改定での基準の変更等による影響について、さらに病院ごとのばらつきや、規模別への影響等について分析を進めるということを御指示いただいたところでございます。
また、療養病棟入院基本料につきましては、特に経過措置1をとっている病院の転換の意向とか、その状況につきましての分析をさらに進めるようにという御指示をいただいております。
また、地域包括ケア病棟入院料につきましては、その病院で提供されている手術、リハビリの提供の状況について、また、これを提供していない患者の状況についても分析をするようにという御指摘をいただいているところでございます。
回復期リハビリテーション病棟につきましては、退棟後リハビリを必要としている患者にリハビリが適切にされていない可能性について、さらに分析をするようにという点。また、FIMの上昇に関して、これをさらに分析をするようにということ。それから実績評価について、導入された、前回改定されておりますものの評価の状況を分析するようにという指摘をいただいております。また、入退院支援につきましては、退院できない患者につきまして、地域差等を含めて、その背景について、地域の介護サービス等の連携なのか、もしくは足りないのかといった理由についても分析するようにと。そのようなさまざまな御指摘をいただいておりまして、これを受けて入院分科会、さらに分析、解析を進めていきたいということでございます。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
では、御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
次に、「被災地における特例措置について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
被災地特例の利用状況についての御報告等について、御説明をさせていただきます。資料総-9-1をごらんいただきたいと思います。これは東日本大震災に伴います被災地特例の利用状況についての御報告でございます。本年7月時点で利用されている保険医療機関数は、合計3医療機関になります。岩手県で1、宮城県で2、福島県で0ということになってございます。
前回のこの報告の際に、岩手県、宮城県につきましては、令和3年3月31日までの特例措置ということでお認めいただいたということでございまして、また、福島県は引き続き状況を把握していくこととするということで御了解いただいたところでございますが、福島県につきましては解消できるということで、既に利用が0となったという状況でございます。
岩手県、宮城県の状況でございますが、資料の5ページ等につきましてですが、医療課のほうからは解消に向けてさまざまな努力、また、退院の支援ですとか、在宅のサービス等の支援を行っているということでございまして、令和2年3月31日までの解消に向けて、協力を得て改善をしていきたいということ。ただし、当面の特例措置の延長を希望するという要望が出されておるところでございます。
また、岩手県のほうからでございますが、仮設で診療を行っている保険医療機関については、現在医療機関の移転、再建に着手しているということで、本年末までには移転が完成するということで、そういう見通しをいただいておるということでございます。
続きまして、昨年7月の豪雨による被災に伴う特例措置の利用状況ということで、御報告をさせていただきます。総-9-2でございます。現在利用されている保険医療機関数は0となっております。前回は岡山県で4、広島県で1、愛媛県で2でございましたが、本年7月に確認しましたところ、現在の被災地特例を利用している医療機関は0ということでございまして、4ページを見ていただきますと、利用は現段階で全て終了しておりますので、延長の希望はないということで、この特例措置については、再度の延長は行わないこととしてはどうかということで、御提案をさせていただきます。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
では、御質問等も内容でございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○田辺会長
ありがとうございました。それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
本日こちらで用意した議題は以上でございますけれども、何か。では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
少しお時間を頂戴しますけれども、最近なされた報道について、厚労省にお聞きしたいと思います。市販薬に類似した医療用医薬品につきまして、湿布とかビタミン剤、漢方薬、皮膚保湿剤などが挙げられておりますけれども、これを保険から外したり、自己負担をふやす方向で厚生労働省が検討に入ったとの報道が少しされております。関連して、健保連のほうからも花粉アレルギー治療薬の保険適用範囲の制限などの提言もなされているようでありますが、ここで厚労省にお尋ねしますが、厚労省で検討に入ったという事実関係の真偽のほどを教えていただきたいと思います。
○田辺会長
では、お願いいたします。
○総務課長
御質問ありがとうございます。
今、御質問のありました記事は、先週、それからきのうの夕刊にも一部の報道でそのような記事がございましたけれども、これらの記事に具体的に書かれておりましたが、医師が処方する軽症向けの市販類似薬について、患者負担の引き上げを厚生労働省が検討しているという事実はございません。
なお、これらの記事とは別に、先ほど委員からの御紹介にもございましたが、薬剤の自己負担をめぐる議論、医療保険制度のあり方をめぐる議論の一環として、その中ではさまざまな御提言をいただいているところはございます。その中には例えば関係審議会からの議論などもございますが、昨年12月にまとめました経済・財政再生計画改革工程表、いわゆる改革工程表の中では、薬剤自己負担に関しまして、諸外国の薬剤自己負担の仕組みを参考としつつ、市販品と医療用医薬品との間の価格のバランス等の観点から、引き続き関係審議会において検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるというまとめもされております。こうした論点につきましては、他の論点と同様でございますけれども、引き続き検討してまいることとしております。
もう一度最初に戻りますと、先週あるいはきのうの記事にございましたような具体的な、一部の報道でございましたが、このような点について厚生労働省が検討しているという事実はございません。
以上でございます。
○田辺会長
では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
現時点では了解いたしました。
○田辺会長
よろしゅうございますでしょうか。
では、本日の議題は以上でございます。
なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。どうも御参集ありがとうございました。
 


 
 

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