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2019年7月17日 中央社会保険医療協議会 総会 第419回議事録

○日時

令和元年7月17日(水)9:30~11:31

○場所

TKPガーデンシティプレミアム田町4階

 

○出席者

田辺国昭会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員 
松本吉郎委員 今村聡委員 猪口雄二委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 横地常広専門委員
 
<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 八神審議官 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○介護・障害福祉サービス等と医療との連携の在り方について
○診療報酬に係る事務の効率化・合理化及び診療報酬の情報の利活用等を見据えた対応について
○医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律の施行に向けた対応について
○選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果(速報)について
 

○田辺会長
それでは、定刻でございますので、ただいまより第419回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、岩田委員、城守委員、染谷委員、松原委員が御欠席でございます。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほうお願いいたします。
(カメラ退室)
○田辺会長
それでは、早速でございますけれども、議事のほうに入らせていただきます。
初めに「介護・障害福祉サービス等と医療との連携の在り方について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より御説明のほうをお願いいたします。
それでは、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
それでは、資料に基づきまして御説明をさせていただきます。
資料総-1をごらんいただきたいと思います。本日は「介護・障害福祉サービス等と医療との連携の在り方について」というテーマで整理をさせていただいております。
2コマ目を見ていただければと思います。地域包括ケアシステムにおける医療の役割という絵でございますけれども、前回7月10日に地域づくり・まちづくりにおける医療の在り方として、点線でくくった分については議論をいただきました。本日はその実線で囲いました右側の部分につきまして整理をいたしましたので、御議論をお願いしたいと思っております。
また、本日、このテーマにつきましては3つの整理をさせていただいております。
1つ目が、地域包括ケアシステムの構築に向けた介護サービスとの連携について。
2つ目が、精神疾患に係る施策・サービス等との連携について。
3つ目が、障害児・者に係る施策・サービス等との連携について。
この3つにつきまして整理をさせていただいております。
4コマ目を飛ばしまして5コマ目から説明をさせていただきます。
まず、医療と介護の連携と地域包括ケアシステムについてということでございますが、この地域包括ケアシステムということにつきましては中ほどのところに、地域で暮らしていくために必要なさまざまな生活支援サービスや住まいが、家族介護者を支援しつつ、本人の意向と生活実態に合わせて切れ目なく継続的に提供されることも必要であり、地域ごとの医療・介護・予防・生活支援・住まいの継続的で包括的なネットワーク、すなわち地域包括ケアシステムづくりを推進していくことも求められているということで、これに基づきましてさまざまな施策がされているということでございます。
6コマ目を見ていただければと思います。地域包括ケアシステムの構築についてということでイメージを提示させていただいておるところでございます。
7コマ目を見ていただければと思います。7コマ目は平成30年度の診療報酬改定で、医療と介護の連携の推進という点でどのような回答をしたかということで、大きく4つにまとめたものでございます。
1つ目が、訪問診療の主治医とケアマネジャーの連携強化。
2つ目が、リハビリテーションにおける医療介護連携の推進。
3つ目が、介護医療院・有床診地域包括ケアモデルへの対応。
4つ目が、国民の希望に応じたみとりの推進。
この4つについて診療報酬改定を行ってございます。
8コマ目、9コマ目が訪問診療の主治医とケアマネジャーの連携強化ということでございますので、ごらんいただければと思います。
10コマ目が維持期・生活期のリハビリテーションへの対応ということで、医療・介護間でのリハビリテーションにおける情報共有の推進という視点で、新しい新設の項目をつくっているということでございます。
11コマ目もそうであります。
12コマ目でございます。介護医療院の創設への対応ということで、介護医療院の創設に当たりまして、診療報酬上手当てする部分につきまして整理したものでございます。
現在の状況ということで、14コマ目を見ていただければと思います。介護医療院の開設状況でございます。これは平成31年3月末時点での介護医療院の開設数です。今は150施設、10,028療養床でございます。
転換元の病床割合を見ていただきますと、介護療養病床から転換したものが65.8%。老人保健施設から転換したものが18.3%。医療療養病床からの転換が15.8%ということになっております。
ただ、下にありますように、都道府県別の施設数はまだかなりまばら、ばらついているという状況でございます。
続きまして、有床診の地域包括ケアモデルの運用への支援ということで、これも前回も少し御紹介させていただきましたが、包括ケアモデルをつくりまして、それに対しての加算というのもつくっているということでございます。
16コマ目、17コマ目は国民の希望に応じたみとりの推進ということで、それぞれの施設においてのみとりを促進するための加算療養費等をつくったというところでございます。
18コマ目が在宅ターミナルケア加算ということで、今の状況がございますが、月で7,000回ほどの算定がなされているという状況でございます。
次に19コマ目以降は在宅医療の推進というところでの整理をさせていただいております。これは30年度の診療報酬改定でどのような改定を行ったかということでの、全体をまとめたものになります。19コマ目でございます。
20コマ目を見ていただきますと、特に一番大きいものが、複数の医療機関が行う訪問診療の評価ということで、複数の疾患を有している患者さんのために、主治医の依頼を受けた他の医療機関が訪問診療を提供するといった場合の評価を見直すということを行ってございます。
21コマ目、多様な在宅医療のニーズということで、併設する介護施設の訪問診療の整理ですとか、そういうことを行っております。
22コマ目を見ていただきますと、これは歯科の分野でございますが、平成30年度の診療報酬改定におきましては、歯科訪問診療を推進する観点から、一般的な歯科訪問診療における評価の見直しというのを行っております。
また、あわせて、在宅療養支援歯科診療所の施設基準についても見直しを行いまして、赤枠で下に囲った部分にありますとおり、地域包括ケアシステムでの活動実績も施設基準として設定しているというものでございます。
また、参考まででございますが、地域包括ケアシステムの構築に向けた予算的な対応というものについても資料をいただいておりまして、24コマ目にありますが、1つ目が地域医療介護総合確保基金としての支援と、2つ目が市町村による在宅医療介護連携、認知症施策の推進など、地域支援事業の充実ということで、予算事業も行われているということでございます。
26コマ目でございます。施設において退院を困難にしている事項でございます。これは平成30年の検証調査でございますが、括弧の中に書いてありますとおり、在宅支援の積極的な取り組みや促進等を困難にしている事項のほかに、施設において患者の退院を困難にしている事項を見ますと、全体として、地域の中でみとりを行える介護施設が少ないということが、退院を困難にしている事項ということで挙がってございます。
次に平成30年度の介護報酬改定の概要ということで、簡単にそこにまとめさせていただいております。「1 地域包括ケアシステムの推進」ということで、同時改定の際の主な項目という中で、中重度の要介護者を含め、どこに住んでいても適切な医療・介護サービスを切れ目なく受けることができる体制を整備ということが示されているとおりです。
次の28コマ目の1を見ていただけますと、ターミナルケアへの対応ということで、それぞれの施設への評価も設定されているということでございます。
次に、ここからは訪問看護の利用状況について整理をしておりますので、御説明をさせていただきます。
30コマ目を見ていただきますと、訪問看護ステーションの数の年次推移でございます。訪問看護ステーションの数は徐々にふえておりまして、現在、平成30年の数字でございますが9,964カ所、およそ1万カ所に近づいているという状況でございます。
31コマ目ですが、法人種別の訪問看護ステーションの推移でございます。医療法人率については横ばいでございますけれども、営利法人での事業所の増加が非常に伸びてきて、平成20年度の約4倍までになっているということでございます。
続きまして、32コマ目でございますが、これは訪問看護ステーションにおける看護師さんの年齢階級別割合を見たものでございます。
50歳以上の割合が、管理者で5割以上、従事者では3割以上が50歳以上という状況でございまして、ここにおいても病院や診療所と同じく、高齢化が進んできていることがわかるかと思います。
また、33コマ目は訪問看護ステーションの規模別を年次推移で見たものでございます。まず、5人未満の事業所が約62%、5人以上が約38%ということで、看護職員数の多いステーションが増加傾向にあることがわかるかと思います。
34コマ目は機能強化型といって、規模の大きいステーションの届け出という部分でございますが、大体、1が208、2が230という届け出になっているということでございます。
35コマ目でございます。質の高い訪問看護の確保ということで、平成30年診療報酬改定で行われたことの概要をそこに示しております。
一つは、そこにありますように機能強化型訪問看護管理療養費3というのを新しく創設しております。これは地域の訪問看護に関わる人材育成の役割を果たす訪問看護ステーションについての評価ということでございます。
36コマ目に機能強化型訪問看護ステーションの類型1、2、3を整理しておりますので、ごらんいただければと思います。
37コマ目からは訪問看護ステーションの従事者のうちの理学療法士の状況でございまして、今、訪問看護ステーションの従事者のうちの理学療法士が占める割合が増加してございます。そこの図に示しておりますとおり、平成13年は訪問看護ステーションの看護職員が占める割合が9割を超えておりましたが、現在は7割ぐらいということでございます。
また、そこにありますように、訪問看護ステーションの1事業所当たりの従業員数の総数は伸びておるのですが、看護職員数としては微増という状況がわかるかと思います。
また、訪問看護ステーションにおける理学療法士等の状況ということで、理学療法士の割合別の年次推移を左手につけております。理学療法士の割合の多い訪問看護ステーションが増加している。理学療法士の割合の多い訪問看護ステーションでは24時間体制加算の届け出が少ないというのが、右手のほうにありますとおり、80%以上の施設ですと3割しか届け出られていないということがわかるかと思います。
次に訪問看護利用者の推移というところでございます。これは訪問看護ステーションの利用者が介護保険、医療保険ともに増加しているのですが、特に医療保険の利用者さんが伸びている。平成13年度の4.7倍まで医療保険のほうでは伸びているということがわかるかと思います。
40コマ目を見ていただきますと、費用でございます。訪問看護ステーション利用にかかる費用につきましても、医療費のほうの伸びが大きい傾向にあるのがわかるかと思います。
41コマ目は要介護被保険者のうち、末期の悪性腫瘍や難病の疾病である別表第7該当者や、特別訪問看護指定書の交付を受けている利用者は、医療保険での訪問看護は提供されておりますが、医療保険における利用者のうち、要介護被保険者等の割合は約20%で横ばいです。
ただ、そのうちの特別訪問看護指示書の交付を受けている利用者は増加傾向にあるというのがわかるかと思います。
次に42コマ目でございます。利用者の状況ということで、主傷病は「精神および行動の障害」と「神経系の疾患」というのがそれぞれ3割以上を占めておる。次いで「悪性新生物」が約1割という状況でございます。
「精神および行動の障害」というのは、10年前と比較すると約6倍に伸びているという状況でございます。43コマ目は6倍に伸びているという状況でございます。
44コマ目の精神科の訪問看護の利用状況を見ますと、30~50代の利用者が半数以上を占めているという状況で、最も多い主傷病が統合失調症となっております。
次に45コマ目、小児の訪問看護の状況を見ますと、15歳未満の利用者数は近年の増加が著しくありまして、難病や医療的ケアに該当する者の割合は6年間で約2.7倍に伸びているということがわかるかと思います。
46コマ目は、これを都道府県別に見たものでございますけれども、全国的に15歳未満の人口当たりの訪問看護利用者数が伸びている。ただ、これは都道府県でかなりばらついているというのもわかるかと思います。
47コマ目から48コマ目は平成30年度診療報酬改定で行ったものの概要でございまして、中でも、次に48コマ目を見ていただきますと、訪問看護情報提供療養費についての要件等をまとめたものでございます。特に1は市町村・都道府県、2は学校、3は保険医療機関・介護老人保健施設となっております。
49コマ目を見ていただきますと、平成30年の診療報酬改定において新設されました学校への情報提供につきましては、算定した訪問看護ステーションの約6割が「患児が円滑に学校生活を送ることにつながった」と感じているということで、成果を感じているということでございます。
50コマ目に、地域包括ケアシステムの構築に向けた介護サービスの連携についてということで、論点を2つ挙げさせていただいております。
地域包括ケアシステムの構築をさらに推進する観点から、医療と介護の連携にかかる評価のあり方につきまして、平成30年診療報酬改定における対応等を踏まえてどのように考えるのか。
2つ目が、在宅医療及び訪問看護に係る評価のあり方について、平成30年度診療報酬改定における対応を踏まえて、どのように考えるのかということで提示させていただいております。
続きまして、精神疾患に係る施策・サービス等との連携についてということで整理をさせていただいております。
53コマ目を見ていただきますと、精神疾患を有する方が地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、医療、障害福祉・介護、住まい、社会参加、地域の助け合い、教育が包括的に確保された地域包括ケアシステムの構築を目指す必要があるということで、53ページ目にイメージとしてまとめられたものを提示させていただいております。
54コマ目が精神科医療の現状ということで整理をさせていただいています。左上のグラフから精神疾患を有する総患者数は増加傾向でございます。その要因は、外来患者数の増加ということで、入院患者数は徐々に減少してございます。
左下のグラフは内訳として、躁うつ病を含む気分障害、神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害、統合失調症、統合失調症型障害及び妄想障害の順に多くなっております。
右上のグラフを見ていただきますと、精神疾患を有する入院患者は減少傾向というのがわかると思います。また、右下のグラフは措置入院患者です。新規に入ってこられる措置入院患者というのは増加傾向なのですが、在院患者数の推移を見ていただきますと、入院を続ける方の数は減少傾向ということで回転しているというか、入院期間が短くなっているということがわかるかと思います。
続いて、55コマ目を見ていただきますと、これは精神病床退院患者の退院後の行き先でございます。総数を見ていただきますと、退院先としては最も家庭が多いという状況で、次いで他の病院、診療所となっております。
ただ、入院期間別に見ますと、3カ月未満及び3カ月以上1年未満入院した方は、退院先として家庭が半数を占めますけれども、長くなりますと、退院先としては他の病院、診療所に入院が最も多い割合を占めるという状況でございます。
56コマ目からですが、なぜ精神障害者にも地域包括ケアが必要かということでの説明のスライドになっておりますけれども、入院患者のうち約6割が1年以上の入院、約3割が5年以上の入院となっております。
57コマ目でございます。これは精神疾患の患者の再入院率が高いということを示したものでございます。
右のほうを見ていただきますと、精神療養病棟の入院患者が、地域へ移行する上で重要となる事業・サービス等でございますけれども、一番多いのは訪問看護、続いて精神科デイケア、グループホーム、精神科の外来となってございます。
特に、このような地域で見ていく基盤整備が必要ということがわかるかと思います。
58コマ目は精神障害の患者の再入院率が高いことを受けて、その支援体制の整備のイメージということで提示をさせていただいているものでございます。
59コマ目以降は第5期障害福祉計画に係る国の基本指針ということでまとめられたものでございます。
2つ目に、赤でかかっております基本指針の主なポイントというところでございますけれども、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築、また、その下の赤枠のところですが、2の精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築、保健・医療・福祉関係者による協議の場をつくる等が、目標の基本方針として掲げられているということがわかるかと思います。
続きまして、それに基づくガイドライン、退院支援に関するガイドライン、退院後の支援に関するガイドラインも60、61でまとめられておりますので、御参考までに見ていただければと思います。
これらを受けまして、30年度の診療報酬改定でございますけれども、地域移行、地域生活支援の充実を含む質の高い精神医療の評価ということで、62コマ目の中ほど以下でございますが、措置入院患者や重症患者に対する医療の充実、また、長期入院患者の地域移行の推進という形で、さまざまな評価を行っておるということでございます。
63コマ目は、例えば精神科措置入院退院支援加算として新しい項目を新設しております。
64コマ目は措置入院患者が退院した際の通院・在宅精神療法の区分を新しく新設するということを行っております。
また、訪問支援の充実ということで、65コマ目でございます。精神科在宅患者支援管理料を新設しているということでございます。
67コマ目は医療と障害福祉との連携の推進ということで、入退院支援や退院時の指導等における要件に障害福祉サービスの相談支援専門員との連携を追加するという形で、支援の強化を図っているということでございます。
68コマ目は30年度の診療報酬改定の際に、新しく国家資格として公認心理士が生まれるということで、これの評価として、それまで臨床心理技術者という表現にしていたものについて、公認心理士という形で書きかえたことをそこに書いております。
69コマ目でございますが、中ほどで、現在の資格登録者数が2万4000人を超えているということを報告させていただきます。
70コマ目は4月、ここでの議論の際に御質問があったものに関する整理でございまして、70コマ目に年齢階級別に中枢神経系用薬の使用量にどういう内容のものが含まれているのかというのを出してほしいという御要請がありましたので、70コマ目に出してございます。
また、71コマ目に、これを薬名別に出しておりまして、薄いブルーのところは鎮痛作用のあるもので、カロナールですとかロキソニンというものが入っていますので、それを除いて見ていただきますと、5歳~9歳、10歳~14歳のところで、濃いブルーで塗っているものはADHDの治療薬でございまして、そういうお薬が数量的にかなり出ているということがわかるかと思います。
また、エチゾラムですとか、後半の25歳以降、上に伸びてきているのがデパス等の抗不安薬等が入っているかと思います。
そういうことで御報告をさせていただきます。
72コマ目以降はさまざまな依存症対策ということで整理をさせていただいています。
73コマ目を見ていただければと思います。依存症の分類でございます。依存症を2つに分けておりまして、一つは物質依存です。これはアルコール依存ですとか、薬物依存症でございます。行動の嗜癖ということで、行動における依存ということで、ギャンブル等の依存症という3つに分類されるということでございます。
74コマ目は、厚生労働省においても依存症対策の推進ということに対策本部をつくりまして、進めているということでございます。
75コマ目は、その対策の全体像ということで、全国の専門的な医療機関としての拠点施設として、国立病院機構の久里浜医療センターを指定しております。
地方自治体等においても、専門の医療機関・治療拠点施設を設置するとともに、依存症の相談拠点を設置して、地域の支援ネットワークを構築していくということが、全体の対策としてとられているということでございます。
76コマ目は依存症患者数の推移でございます。アルコール依存症、薬物依存症については、近年増減がほぼ横ばいということですが、ギャンブル等依存症につきましては、これは診断がつき始めたというか、登録され始めたということだと思われるのですが、年々伸びているということでございます。
ただ、これで全体がわかるわけではないということで、77コマ目に依存症の推計値、患者数が示されております。
依存症の推計値でございますが、ギャンブル依存症が疑われる者の推計値は、過去1年間で約70万人とされております。
また、アルコール依存症の推計値でございますが、約57万人という形で示されておるところでございます。
78コマ目はアルコール健康障害対策推進基本計画の概要でございます。
79コマ目は診療報酬で重度のアルコール依存症の患者さんのための入院に関して、入院管理の加算を設けております。この算定状況を示しているものでございまして、近年はほぼ横ばいとなっています。重度アルコール依存症で入院されて、専門施設で入院されて治療を受けているという方については、現在ほぼ横ばいの数だということがわかるかと思います。
80ページ目はギャンブル等依存症対策基本法の概要でございます。
その中の「9 基本的施策」の中に3というのがあるかと思います。医療提供体制の整備ということがうたわれております。
81コマ目でございますが、基本計画もできておりまして、中ほどでございます。赤で示しておりますように、治療支援ということで、全都道府県政令都市への治療拠点の早期整備ですとか、専門的な医療の確立に向けた研究の推進、適切な診療報酬のあり方の検討が求められていることがわかるかと思います。
また、82コマ目は薬物の関係でございます。再犯防止推進計画ということで、これにつきましても関係省庁で計画を立てて、推進しているということがわかるかと思います。
83コマ目は平成28年の診療報酬改定で、新たに薬物依存症に対する集団療法の評価ということで、依存症集団療法340点というのを新しく新設しております。
この算定の状況というのが84コマ目に出ておりますが、施設数としては約10でございまして、なかなか専門の施設としてはそこまで広がっていないという状況かと思われます。
85コマ目が、これらの精神疾患に係る施策・サービスの連携について論点を整理したものでございます。
2つございまして、1つ目は精神障害にも対応した地域包括ケアシステムを構築する観点から、地域移行・地域生活支援を含む精神医療に係る評価のあり方について、平成30年度診療報酬改定における対応等を踏まえて、どのように考えるのかということを御提示させていただいております。
また、依存症対策について、それぞれの施策やエビデンス構築等の進捗状況を踏まえて、専門的な治療に係る評価のあり方についてどのように考えるかということで、論点を提示させていただいております。
続きまして、86コマ目です。障害児・者に係る施策とサービス等の連携についてということで整理をさせていただいております。
88コマ目でございます。よく御存じの方もいると思いますが、障害保険福祉施策の歴史ということで、今、さまざまな障害児・者に対する法律が統合されまして、障害者総合支援法という形でスタートしているということでございます。
89ページを見ていただきますと、障害者総合支援法の給付事業は市町村を中心に、そこに掲げております介護給付、訓練等給付、相談支援、自立支援医療、補装具、地域生活支援事業ということで全体が市町村中心になって給付されているということでございます。
90コマ目と91コマ目は、それぞれのサービスの体系を整理して、そこに提示しております。
92コマ目を見ていただければと思います。障害福祉サービスと障害児サービスの利用者数の推移でございまして、近年、障害児のほうの利用者の伸びがふえているのがわかるかと思います。
93コマ目は自立支援医療制度の概要ということで整理をしておりまして、そこに掲示をしております。
医療と保険との関係ということで、94コマ目でございます。医療機関以外の事業者との連携ということで、当然ですが、さまざまな障害を持った方も医療機関を訪れられて、さまざまなサービスを医師の指示もしくは情報提供という形で、そのような他の制度も含めて利用されている。そこに掲げておりますように、疾病や負傷の治療上、または日常生活や職業上必要であると認めた患者に、例えば装具を装着させる場合、医師の指示や処方をもとに、医療機関以外の事業者と連携して、患者に装具を提供しているということがございます。
そこに義肢装具の場合や小児弱視の場合、また、補聴器の場合を例示して掲げております。
参考までに、95コマ目を見ていただきますと、義肢装具の製作過程ということで、診察・指示から採寸・採型、製作、装着、適合、確認という流れがございますが、例えばそれぞれそこの確認のところで、医師が装具の装着を確認するということで、医療機関での役割も一部ある。また、それを評価しているということがわかるかと思います。
96コマ目は予算事業という形で、地域生活支援事業というものがありますので、それを御紹介させていただいております。
97コマ目以降が、1月に年代別で資料を整理して御提示した際に、発達障害につきましては、さらに詳細な資料を提示してほしいということで御要請がありましたので、まとめてここで提示をさせていただきます。
97コマ目は代表的な発達障害を提示しております。よく言われております自閉症、アスペルガー症候群、また、注意欠陥多動症候群、AD/HD、それから、学習障害、LD。これらが代表的な発達障害ということでございます。
98コマ目に発達障害者支援法の全体像を示しております。
これまでの主な経緯のところを見ていただきますと、平成22年12月に発達障害が障害者に含まれるものであることを、障害者自立支援法、児童福祉法において明確化しました。また、平成28年5月に発達障害者支援法の一部を改正する法律が成立ということになってございます。
これ自体は、そこにありますように、その支援ということで、就学前から就学中、就学後、全体を通じて支援をしていこうということを柱にしております。
99コマ目は発達障害の人数等でございますが、患者調査をしますと、そこにありますように、平成23年に11万ぐらいでしたのが、平成26年には19万、平成29年には23万という数となってございます。
100コマ目を見ていただきますと、発達障害者の支援体制整備ということで、各ライフステージに対応する一貫した支援を行うということで、発達障害者支援地域協議会を中心に、都道府県指定都市では相談コンサルテーションや研修会等の実施、また、市町村等では発達障害者地域支援マネジャーを配置して、発達障害者支援センターの地域支援機能の強化を図るということを行っております。
101コマ目が発達障害の早期発見に関する市町村及び都道府県の体制整備ということで出されているものでございます。
これまでどのようなことが行われてきたかということですが、102コマ目はかかりつけ医等発達障害対応力向上研修事業ということで、早期発見、早期支援の重要性に鑑みまして、小児科医などのかかりつけ医に対しまして、発達障害に関する国の研修内容を踏まえました対応力向上研修を実施しているというものでございます。
103コマ目は発達障害専門医療機関ネットワーク構築事業ということで、総務省から発達障害者支援に関する行政評価・監視結果に基づく勧告ということで、発達障害の専門医療機関が少ないという指摘がございまして、専門医療機関の確保のために行われている事業でございまして、この発達障害の診療・支援ができる医師の養成を行うための実地研修を実施して、専門医療機関の確保を図るという事業でございます。
さらに今年度からは、早期発見後の診断の待機が、かなり長く待機されているということで、これを解消するために、発達障害専門医療機関初診待機解消事業が本年度から行われるということで、現在は医療機関で患者のアセスメント、患者の診断、保護者へのカウンセリングを実施しているところでございますけれども、待機解消のために、医療機関でなくてもやれる患者へのアセスメントや保護者へのカウンセリングを、例えば児童発達支援センターや発達障害児支援センターで行って、診断については医療機関で行うという形で、待機時間を短縮するための事業か行われるということで伺っております。
105コマ目でございますが、診療報酬ではどのように対応してきたかということでございます。平成30年の診療報酬改定では、発達障害に対する診療の充実ということで、小児特定疾患カウンセリング料の対象を、15歳未満から18歳未満まで引き上げる。また、精神科ショート・ケア、疾患別等専門プログラム加算ということで、これを200点、自閉症スペクトラム等の患者に対して実施されるものについて新設をしたということでございます。
106コマ目は小児特定疾患カウンセリング料の算定状況でございますが、近年、横ばいとなっています。
107コマ目が精神科のショート・ケアでございまして、算定回数を見ていただきますと、ほぼ横ばいなのですが、大規模なものについては算定回数が増加傾向にあります。
通院の在宅精神療法の児童思春期精神科専門管理加算等の算定回数を108コマ目に掲示しております。20歳未満の患者さん及び児童思春期精神科専門管理加算の算定回数の合計というのは、徐々に増加傾向にあることがわかるかと思います。
発達障害につきましては以上でございます。
109コマ目からは児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律等の概要につきまして、少し御説明をさせていただきます。これは本年6月19日に成立したものでございます。
医療とのかかわりということでございますが、111コマ目を見ていただきますと、児童虐待相談の対応件数推移及び児童虐待相談の内容、相談経路でございますが、医療機関からの相談経路につきましては、一番下のオレンジ色の枠囲いでございますが、相談経路のうち約2%が医療機関からということになってございます。
112コマ目、113コマ目は児童虐待防止の抜本的強化についてということでまとめられたものでございますが、113コマ目の中ほどを見ていただきますと、関係機関の連携強化という中で、保護者支援プログラムの推進という中で、専門医療機関、民間団体と連携した実施、重大事例の検証を踏まえた活用方法の検討ということが求められているということでございます。
診療報酬でどのように対応してきたかということですが、114コマ目を見ていただきますと、平成30年の診療報酬改定では、そこに入退院支援加算の算定要件ということで、退院困難な要件の中に、家族または同居者から虐待を受けている、または、その疑いがあること、それから、その下の「ク」ですが「同居者の有無に関わらず、必要な養育又は介護を十分に提供できる状況にないこと」という要件を入れまして、入退院支援が十分できるように、関係機関との連携ができるようにという形で見直したところでございます。
また、115コマ目、若干関係のある診療報酬項目として掲げておりますが、小児特定疾患カウンセリング料と、乳幼児育児栄養指導料という形で、そのお子さんの状態に応じた形で保護者にも指導ができるカウンセリングですとか指導料というものがあるということを御紹介しておきます。
116コマ目、117コマ目については、これまでの経緯ということで、そこに参考までにですがつけております。
118コマ目に、これまでまとめたもので論点というのを提示させていただいております。
地域で生活する障害児・者がそれぞれ有する疾患や障害児等の障害の状況に応じて、必要な支援を早期に受けられる体制を整備する観点から、専門的治療や入退院支援、関係機関との連携に係る評価のあり方について、平成30年度診療報酬改定における対応等を踏まえて、どのように考えるかということで論点を提示させていただいております。
以上でございます。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。論点に沿って意見を述べたいと思います。
まず、50ページ目の1の論点です。前回も申し上げましたけれども、平成30年度同時改定によってツールは出そろってきていると思いますので、あとはいかに実践で評価をするかということだろうと思います。
悪性腫瘍につきましては、在宅時医学総合管理料、在宅がん医学総合診療料の要件に、ケアマネへの情報提供が記載されたこと、また、末期がんの要介護高齢者につきまして、実質的にサービス担当者会議が不要になったことは画期的と考えております。今後、さらに対象疾患がふえれば、またさらなる連携が進むと考えております。
2の論点ですが、在宅医療介護連携推進事業には8つの事業項目がありますけれども、幾つかの課題があると考えております。
1つ目としては「在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討」についてですが、課題について具体的な対応策を作成して実施することが難しく、医療・介護に詳しくない行政職員指導ではまとまらないことが多いと聞いておりますので、ここを何とかしていただきたいと思います。
「ウ」ですけれども「切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築」につきましては、実際に行う取り組みを検討したり、その運用方法を考えることがまだできていない状態にあろうかと思います。
「エ」の「在宅医療・介護関係者の情報共有の支援」についてですけれども、連携ツールの作成や、その活用についてのルールに苦慮している市町村が多いとも聞いております。情報連携のためのシステム導入に多額の費用がかかることも課題であると思っております。
「ク」の「在宅医療・介護連携に関する関係市区町村の連携」につきましては、市町村単位で事業が行われているため、隣接する市町村との協議の場がなく、ましてや、二次医療圏単位で医療・介護連携を考えることは非常に難しい状況にあると思います。地域医療構想調整会議において、在宅医療について協議する際には、市町村単位などのグループをつくり、在宅医療と介護を一緒に議論することが必要と考えています。
3の論点ですが、訪問看護、訪問介護は職員の高齢化が非常に問題になっております。病棟勤務や夜勤があり、給与も高く、子育て世代も病棟勤務を希望することが多くなっています。訪問看護、訪問介護への給与面のインセンティブが必要になっております。
地域に病院や診療所、老健施設があるにもかかわらず、株式会社の訪問看護ステーションより過剰にリハビリが提供されている可能性が危惧されます。
前回改定では、在宅で療養しながら生活する小児への支援を充実させるための対応策を行いました。小児の訪問看護利用者は近年増加傾向が著しいことから、前回改定での対応が十分に成果が出ているのかどうか、実態に応じた評価となっているかどうかを確認するとともに、必要な対応につきましては次回改定においても検討していくべきとは考えております。
続きまして、論点の85ページ目でございます。1の論点ですが、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムにつきましては、障害福祉計画の成果目標のみが強調されて、地域包括ケアシステム構築に関する国の事業や、各自治体の施策の基盤整備ではなく、退院促進に偏重されております。したがって、施策の基盤整備に重点が置かれるべきではないかと考えています。
精神病院につきましては次の3つが必要と考えております。
社会の受け皿となる精神保健医療福祉施設への移行への評価、多様な精神疾患等に対応できる医療連携体制への評価、精神病棟の機能分化へのさらなる評価の3つの検討が必要ではないかと考えています。
依存症対策につきましては、アルコール依存症対策の整備は先行している分だけある程度できていますが、ギャンブル依存症対策基本法では取り組むべき具体的な施策として、相談支援や治療支援の基盤整備や、修了プログラムの普及が挙げられております。
今後ですけれども、ギャンブル依存症や薬物依存症対策の推進のためには、診療報酬上の具体的な対策も必要になってくると考えています。
3つ目の論点の障害児・者に係る施策サービス等の連携についてですが、発達障害は近年ますます増加傾向にあります。国はその対策を行ってはおりますけれども、御存じのとおり、ここの方々には非常に治療に時間と手間がかかります。診療報酬上の手当てがされておりますけれども、とても賄えるものではないと思います。
この分野につきましては、現場で非常に尽力されていらっしゃる先生方がたくさんいらっしゃいます。前回改定で発達障害と児童思春期の精神疾患の診療の機会を確保する観点から、小児特定疾患カウンセリング料の要件緩和や、青年期の自閉症スペクトラムの患者等に実施される専門的な精神科ショート・ケア評価を新設、さらには、入退院支援につきましては、小児における退院困難な場合を加える等の対応を実施しました。
これらにつきまして、さらに現場の状況を把握して、課題を抽出して、次回改定ではより現場での取り組みが進むよう対応していくべきと考えます。
そのほかですが、現行点数上の課題として、診療情報提供料について、紹介先を拡大することや、小児科外来診療料の包括範囲から除外することなども、連携に対する評価のあり方として検討に値するのではないかと思います。
以上、少し論点に沿って意見を述べさせていただきました。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。
今村委員、お願いいたします。
○今村委員
きょうではなくて結構なのですけれども、事務局に教えていただければと思うことがあります。
37ページ、38ページで、先ほど松本委員からも訪問看護ステーションの意見がございましたけれども、平成24年から急激に訪問看護ステーションの従事者数がふえている。これは当然、必要な仕組みだと思いますので、これはもっとふえていただきたいとは思うのですけれども、あることをきっかけにふえているように見えるのですが、このときに何があったのかということは後で確認を。
理学療法士さんが非常にふえてきている。特にびっくりしたのは、80%以上の理学療法士さんが所属されているステーションがあるということで、そのステーションの規模と、理学療法士さんのいわゆる割合に何か関係があるのかどうか。それから、経営母体というものに何か違いがあるのかどうか、もしわかれば教えていただきたい。
訪問看護ステーションはできれば24時間対応をとっていただきたいわけですけれども、そもそもこの理学療法士さんが8割以上いるようなところは、診ておられる患者さんに偏りがあるのではないかと思います。
そういう患者さんを選んで、理学療法士さんだけが行っている。それが本当に健全な望ましいステーションのあり方かどうかというのはちょっと危惧があって、もし可能だったら、ステーションの収支というか経営状況の点で、規模が大きければ当然利益率が高くなるというふうに思われるわけですけれども、そういった経営的な観点が非常に強く出ていて、理学療法士さんがどんどん雇用されていて、そのステーションにたくさんいるということが起こっていないかどうかをぜひ教えていただければと思います。
それから、90ページ、91ページ、本当にいろいろな施策があるのだなというのは改めて思ったのですが、本当に個人的なことで大変恐縮なのですけれども、私も障害児のデイケアの嘱託を実はやっていて、これは結構大変な仕事なのですけれども、これだけいろいろなサービスが提供されている中で、医師が何らかの形で例えば指示書を出すとか、あるいは嘱託でそこに関与しているとかいう、医師の関与というものがどの程度提供されているサービスの中にあるのかというのがわかれば、また一度教えていただければと思います。
私からお願いですけれども、2点よろしくお願いいたします。
○田辺会長
今、答えられるものはございますか。
○森光医療課長
資料を整理しまして、また別途提示をさせていただきたいと思います。
○田辺会長
ほかはいかがでございましょうか。
それでは、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
訪問看護について、意見と質問をさせていただきます。前回改定で入院中心の医療から在宅医療へ転換を図り、その中で、訪問看護についても見直しが行われました。訪問看護に係る医療費の推移をみてみますと、訪問看護の費用が医療費全体に占める割合は数パーセントで、数千億円しかかかっていませんが、伸び率が非常に高く、平成18年度から28年間の10年間でその費用が4倍に伸びています。
また、メディアスによりますと、平成26年あたりから、訪問看護の費用の伸び率は対前年で毎年10%台後半であることを踏まえますと、今後も、この訪問看護については相当の伸びが予想され、いずれ医療費全体に影響を与えるような数値になってくるのではないかと思います。先ほど、2号側の先生からもご意見出ていましたが、訪問看護の提供体制の適切なあり方についてご質問させていただきます。訪問看護は医師の指示書に基づいて実施し、その状況を医師に報告するということですが、医師の指示書には、この患者に対しては週に何回あるいは月に何回といった訪問回数や、看護師やPTなどの誰が行くのかという指示はなく、訪問回数や対応者は訪問看護ステーションによって決められているというのは事実でしょうか。
○森光医療課長
基本的には指示書には、回数ですとかそういうことは書かれていないというのはそのとおりでございます。
○幸野委員
やはり訪問看護が必要な患者の状態に応じて医師の指示書に、この患者はどれぐらいの頻度で診る必要があるとか、これは必ず看護師が行くべきとか、そのような指示を与えた上で実施していくべきだと思います。訪問回数や対応者を、訪問看護ステーションが独自で決めるというあり方に問題があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
訪問看護の指示書の中に、具体的にいつ行けとかそういう話はありませんけれども、こういう訪問看護をしてくださいという内容は書かれています。また、いつ、どのようにやったかということの報告も、医師のほうに報告をなされています。
ですので、不適切な形でやるという場合には、そういうチェック機能があると思っております。
○田辺会長
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
次回以降で結構ですが、事業所によって訪問回数等に偏りがあるのか、特に営利法人と医療法人の差といったデータを出していただきたいと思います。今後の診療報酬改定では重点化と適正化が大切だと思っています。24時間体制の事業所は重点化すべきでありますし、ただ単に訪問看護だけを行っているところは適正化を進めていく。そういった見直しを検討していくべきだと思います。
 
○田辺会長
医療課長、お願いします。
○森光医療課長
先ほど言い忘れましたけれども、基本的には訪問看護を始める前に、訪問看護計画書というのをつくって、それは患者さん、また主治医にも見せて、了解を得てしているということですので、さらに加えさせていただきます。
また、おっしゃるとおり、データにつきましてはまた整理をして、御提示をさせていただきたいと思っております。
○田辺会長
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
訪問看護について私のほうからも、若干ダブるところもありますけれども、まず、住みなれた地域で人生の最後を送りたいという国民の希望に応えるためにも、どこに住んでいても適切な医療介護サービスを切れ目なく受けられる体制の整備はずっと言われているわけですけれども、やはり地域包括ケアシステム推進というのは間違いなく重要な課題でありますし、その中で特に在宅医療の確保が大きな課題の一つであると認識していますけれども、現状では医師の不足、偏在が深刻化しております。
そのような中では、特にこの24時間での訪問診療の提供というのが大事でありますけれども、これも資料を見ますと一定の限界があると思っておりますし、こういう状況を鑑みますと、在宅医療の担い手としての疾病の高い訪問看護の確保が、今後より一層大きな期待と課題であると考えております。その対応策として、47ページに示されておりますような訪問看護ステーションの質の高い訪問看護の確保のためのルール、課題項目、改定内容を見ますと、31ページあたりから各資料が出ております。24時間対応体制の見直しや理学療法士の訪問看護の適正化、複数の実施主体による訪問看護の連携強化など、課題がまだまだ山積しているのだろうと思いますし、これらの重点化並びに適正化について今後しっかりと32年改定に向けて議論していく必要があるのだろうと考えております。
一方で、看護師の高齢化ということもありますし、看護師が担える医療行為というのは当然ながら限定的でございますので、訪問看護で在宅医療の全てが解決できるわけではないというのは事実であります。
そこで今、ICTを利活用するということが非常に重要な視点ではないかと思いますし、例えばですけれども、オンライン診療やオンライン服薬指導といったものも組み合わせることによって、利用者のニーズへの対応、患者の希望をかなえつつ、在宅医療を提供する医療側にとっても負担の少ない仕組みとしていくということが非常に重要な論点ではないかと考えております。
そういう意味では、この在宅医療を推進する上での視点として、ICTを活用するということについて、事務局はどのようなお考えなのか、ちょっとお聞かせいただければと思います。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
前回、平成30年の診療報酬改定でも、在宅においてもオンラインの診療等を活用するということについて、新しく評価ということも行わせていただきました。
基本的には、今、いろいろな在宅の資源が足りない地域においては、そのような方向性は一つあるのだろうと思っております。
○田辺会長
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
今の医療提供体制のいろいろな課題を克服する一つのツールとしてのICTの活用というのは非常に重要な論点だと思いますので、ぜひしっかりと議論したいと思います。
○田辺会長
吉川専門委員、お願いいたします。
○吉川専門委員
2点意見を言わせていただきます。
今、訪問看護が適切に行われているかという御質問があったかと思います。医療課長からもお返事があったかと思いますけれども、訪問看護に関しましては、医師の指示書をもとにしまして、訪問看護師が実際に利用者さんのお宅に伺い、患者さんを診て、アセスメントをして、評価して、その上で計画を立てて、訪問看護をしております。
ただ、先ほどお話がありましたように、必ず主治医とは連絡をして、状況によっては相談をしてということを適時行っておりますので、個々の利用者の状況にあわせて看護を提供しているという状況となっております。
また、回数に関しては、平成30年度の診療報酬の改定の中で、確かに問題があり、指摘され、また一部の運用に課題があるということで、見直しが行われました。看護師が定期的に訪問を行って、計画の実施状況を実際に見て評価するということにそのときになりまして、既にそうした問題は制度上でも改善されてきていると認識しております。
もう一点ですけれども、訪問看護の提供体制と確保の拡充についてというところですが、33ページに資料がありますように、徐々に職員数の多い訪問看護ステーションが増加してきていることは非常に喜ばしいこととは思っております。
しかし、看護職員5人未満のステーションがまだ全体の6割以上を占めているという状況があります。今後、医療ニーズの高い利用者に対して、24時間対応を可能とするためには、ある程度の体制が求められているために、大規模化の実現に向けて診療報酬ないしは制度設計を含めて議論が必要だと考えております。
また、住みなれた地域で安全に最後まで過ごせるように、安定的に訪問看護の供給量を確保するためには、病院からの訪問看護も進めていただく必要があり、平成30年度の診療報酬改定で新設されました資料の35ページにあります機能強化型訪問看護療養費3は非常に有効な取り組みの一つと考えております。
特に退院直後の頻回の訪問が必要な患者さんでしたりとか、状態がまだ不安定な方にとっては、これは非常に心強いシステムとなっておりますし、病院の医療と在宅医療との相互理解、連携の強化も期待されている状況です。
前回、7月10日の中医協のところで、医療機関等の看護師及び同行訪問も含めて、今後も医療機関が地域の訪問看護ステーションと連携しながら、在宅医療や訪問看護に取り組んでいけるような姿勢を今後も検討していくべきと考えております。
さらに、看護職員の受給分科会の粗い試算の中で、2025年に必要となる訪問看護分野の看護職員数が、現在の倍以上に当たる12万人という形で示されているため、これは中医協で議論する内容ではいなとは思うのですけれども、非常に短期間で体制の大幅な充実をどのように実現していくのかということに関しまして、国としての目標値ないしは戦略、方策等を含めた総合確保的な計画を策定し、進めていただきたいと考えております。
以上です。
○田辺会長
猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
先ほどから話に出ている訪問看護ステーションにおけるリハビリテーションのお話なのですが、現場から見ていて思うことを少し申し上げたいと思います。
まず一つは、介護保険における訪問看護ステーションからのリハビリテーションに、どのような対象を訪問すべきかという規程が全くないのです。したがって、見ておりますと、最近、営利法人という言い方をしていいかどうかわかりませんが、もう訪問看護ステーションではなくて、何とかリハビリテーションとかという、リハをやるための訪問看護ステーションがどんどんふえてきてしまっている。
それから、PT、OTが大分医療機関からそちらのほうに流れていて、かなり人手不足も起きてしまっているという現状があります。
もう一つは、この4月に経過措置が終わって、医療機関の通院のリハビリテーションがほとんどできなくなっている。そうすると、その分、介護保険の通所リハ、デイケアがふえているかというと、そこまでふえていないので、結果としては、これが訪問看護ステーションからのリハビリテーションをふやしてしまっています。
ですから、ここら辺のことを少し数値化して、すぐには出ないと思いますけれども、何らかの手を打たないと絶対まずいだろうと思います。
特に訪問リハビリテーションというのは、当然通所ができない人が中心になるべきではないのかと思うのですが、そういう規程が全くないために野放し状態になっているということを非常に危惧しております。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。
平川委員、お願いいたします。
○平川委員
前回改定で医療と介護の連携強化ということで、8ページとか9ページの資料のとおり、このような連携強化がかなり現場で進みつつあると聞いておりますし、それ相応の効果が出ていると思っているところであります。
そういった意味で、さらに連携強化が必要だと思いますけれども、ただ、その中で課題として、26ページに退院を困難にしている事項がデータとして出されているところであります。
困難事例の中で一番多いのが、みとりを行える介護施設が少ないということがありますけれども、これは引き続きみとりが行えるような体制や人材の確保ということが重要かと思います。しかし、その下の、特にない、もしくは、その他というのが結構多いということがあります。その他のほうは、結構医療系のサービスに偏っている回答だったので、その他の介護保険サービスについての体制整備の問題があるのかと思いますけれども、特にないというのは、急性期については退院を困難にしている事項は特にないというのはわかるのですけれども、一方で、療養病棟入院基本料のところも特にないというのが相当あるということであります。
これは以前指摘をしていますけれども、療養病棟については、全国的に見て、退院はできるけれども退院できないという患者さんが3割ぐらいいるというデータもありますので、特にないという部分と、一方で、退院できるのに退院できないという相矛盾するような実態について、しっかりと今後とも見きわめていかなければならないのかと思っているところであります。
ただ単に病院側の努力も必要ですけれども、それ以外にも地域資源をどうやってつくっていくのかというのは、介護保険サービスの問題でもあります。その辺をどうしていくのかというのは総合的に引き続き考えていかなければならないのかと思います。それが一つです。
もう一つは精神の関係であります。57ページ以降、さまざまな取り組みが記載されているところであります。
その中で、57ページに、地域へ移行する上で重要となる事業・サービスという記載がありますので、この辺は基盤整備が大変重要だと思っているところでありますけれども、その基盤整備のほうも、障害福祉サービスのほうでどうしていくのかという問題でもありますので、病院サイドで何ができるかということをさらに検討していく必要があるのかと思います。
先ほど言った医療と介護の連携の中で、入院時から退院時におけるケアマネさんとの連携というのがすごく強調されております。前回改定でも63ページ以降は、措置入院に対しての支援加算、支援というのが明記されているところでありますけれども、病院の中での精神保健福祉士や看護師も含めた多職種の連携による退院支援の効果的な取り組みをしっかりと検討していく必要があるのではないかと思っているところであります。
以上、意見として言わせていただきます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。
宮近委員、お願いいたします。
○宮近委員
介護医療院の開設状況に関する質問ですけれども、14ページの資料によりますと、介護医療院の開設状況ですが、今年の3月時点で北海道、山口、富山、岡山などは10施設前後開設されているわけです。その一方で、開設数がゼロの都道府県もあります。
この施設数がゼロの都道府県については、介護医療院への移行について、他の都道府県と異なる特別な事情があるのでしょうか。
○田辺会長
医療課長、答えられるかどうかわかりませんけれども、お願いいたします。
○森光医療課長
一応、各県の状況のところまでは私どもは把握しておりませんので、これは老人介護の担当から少しお話を伺って、御報告をさせていただきたいと思います。
○田辺会長
ほか、いかがでございましょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
114ページの入退院支援の推進のところで追加させていただきますけれども、先ほど、このところにつきましては、入退院支援加算ということになって、前回の改定での検証を待って、また検討すべきと話しましたけれども、ここのところは入退院支援がうまく機能すれば、医師等のスタッフの負担が非常に軽減できるというのも非常に大切な、働き方改革にも通じることかと思いますので、ここはしっかりと検証して進めていただきたいことと、もう一つは、どう評価するかは非常に難しいかもしれませんけれども、医療と介護の連携拠点事業がございますので、これとうまく連結ができれば、非常にうまく機能する可能性も秘めていますので、評価はさておき、少しその辺は考えていくべきだと思っております。
○田辺会長
今村委員、お願いいたします。
○今村委員
先ほどの宮近委員の御質問について、私もぜひ厚労省のほうで調べていただきたいと思っているのは、これは事実関係については詳しくはわからないのですけれども、一部の先生から伺うと、介護医療院に移りかえたい、転換したいという希望を持っておられても、行政側の対応というのが、いわゆる介護保険料に影響するということもあって、非常に積極的ではなくて、手続が非常に複雑というか面倒になって、受付をしてから認めていただくまで物すごく時間がかかっているとかというお話も、どの程度が事実かわからないのですが聞きます。
したがって、これは結果として、移行したのはこれだけですと。この医療機関がそういう意向を全く持っていないのかというと、実はそうではないという話も聞いているので、どれだけ転換したいと思っているかという意向についてもあわせて聞いていただければと。そして、なぜそれが進まないのかというところについても、もしわかれば教えていただきたいと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございますか。
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
介護医療院についてお聞きたいのですが、平成30年に療養病床の転換先として創設されましたが、150施設という開設状況をどう評価されているのかお伺いします。介護医療院については、1年間算定可能な「移行定着支援加算」というインセンティブまでつけられましたが、我々としては、なかなか出だしが鈍いのではないかと感じています。
もう一つは、25対1が前回改定で廃止になり、看護配置や患者の割合を満たさない病棟については経過措置がとられました。この経過措置をとっているところは介護医療院を選択されるのかと我々は考えていたのですが、事務局も同様の想定をされていたのか、お教えていただきたいのと、要望としては、この25対1の経過措置は今まで何回も延長されてきましたので、次回改定で全て解消できるように、対応していくべきだと思います。
まずは介護医療院の出だしの開設状況について、想定通りなのか、思ったより進まかったのか、経過措置をとっている施設が今後どのような意向を示しているのかわかればお教えいただきたいと思います。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
感想というと言いにくいのであれですけれども、14ページの伸びを見ていただきますと、基本的には始まりましてから、順調に伸びてきているところはあるかと思います。
また、先ほど今村先生からお話がありましたけれども、詳しい詳細はまた調べて御提供されていただきたいと思いますが、転換、移行を思っていらっしゃる施設は結構あると聞いております。
ただ、先ほど言いました経過措置のところにつきましては検証調査のほうで今、調査をしております。
また、前回の30年の入院の、分科会のほうに提出をさせていただきました経過措置対象施設の意向というのも伺っておりまして、一定の割合移行したいという希望があるというところも伺っておるところでございますので、また、今年度の検証調査も含めて、情報として提供させていただきたいと思っております。
○田辺会長
よろしゅうございますか。
それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
看護配置の話がちょっと出ましたけれども、看護配置につきましては、あくまで病院全体での配置ということなので、病棟単位の配置ではないということは確認させていただきたいと思います。
もう一点、介護医療院への転換ということで話がありましたけれども、医療病床でなければ受けられない方々も一定数まだいるということは認識すべきだと思います。
○田辺会長
ほかはいかがでございましょうか。
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
85ページの論点の○の2つ目の依存症対策についてです。特にギャンブル等依存症対策にかかわる診療報酬のあり方については、医療行為の治療効果等に関するエビデンスは、ここに書いてある「エビデンス構築等の進捗状況を踏まえて」、このとおりでありますので、これを踏まえて議論をすべきであろうと考えます。
81ページのことし4月に閣議決定されましたギャンブル等依存症対策基本計画の5にございますけれども、ギャンブル等依存症の標準的な治療プログラムの確立に向けたエビデンスの構築と、治療プログラムの全国的な普及が31年度から実施されると書いておりますので、ここで研究成果をきちんと構築されるのであろうと認識しておりますけれども、診療報酬のあり方を検討するに値する研究成果とエビデンスが出てこないと、まずは議論にならないのではいなかと思っていますので、これはいつごろまでに研究成果が出てくる見込みなのか、標準的な治療プログラムが確立されるのかどうなのか、それが全国に普及される、普及状況をどのように考えているのか。その辺についてお教えいただければありがたいと思います。現状わからなければあれですけれども、その状況によっては来年度のこの改定ではなくて、さらにその次の改定で議論すべきではないかとも考えますので、その辺もわかれば教えていただきたいと思います。
○田辺会長
それでは、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
研究は実施中と伺っております。その結果が今年度の改定に間に合うかどうかですとか、どれぐらいまでに成果が出るのかについては、後日ヒアリングをして、御提供したいと思っています。
○田辺会長
ほかはいかがでございましょうか。
平川委員、お願いいたします。
○平川委員
先ほど発言して、質問が1点あったのを忘れていたのですけれども、57ページの精神障害のところですけれども、精神障害者の多くが必要な地域サービスを十分利用できていないという表現があるのです。これに関するデータがないのですが、これはどういうことから、こういうことが言えるのかを教えてほしかったのです。
○田辺会長
それでは、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
57ページのところに十分データをつけておりませんでしたけれども、必要な地域サービスを十分利用できていないというのは、精神障害者を担当するところのほうから、地域サービスの十分な利用はできていないという話を伺ったということでございます。
また、もともとは再入院率が非常に高いということで、そのサービスを十分できていないということで、58ページの厚生労働科学研究費で障害者の生活支援を推進するということが必要だということで、どういうふうにサービスをつなげて利用していくのかというための、課題解決のための研究班がこういう研究を進めて、これを推進していこうという形で今、国として進めているということで御紹介をさせていただいているところでございます。
○田辺会長
平川委員、お願いいたします。
○平川委員
十分利用できていないという見解が出るというのは、大変重要な問題だと思います。
要するに、どういう実態かどうかもよくわからないところもありますけれども、これまでのいろいろな退院支援が一体何だったのだろうという意味合いにもとれますので、十分できていない実態をしっかりと出していただかないと、これは議論にならないと思いますので、引き続きこの辺は強く求めておきたいと思います。
以上です。
○田辺会長
ほかはいかがでございましょうか。
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
吉森委員がおっしゃったギャンブル依存症については私も同意見で、行動嗜癖であるギャンブル依存症は、物質依存で健康被害まで波及するアルコール依存症や薬物依存症とはちょっと性質が異なるのではないかと思っています。まずは、ギャンブル依存症の定義付け等、診療報酬で対応していく前にやるべきことがたくさんありますので診療報酬での対応を考えていくには時期尚早かと思います。
もう一点ですが、前回改定でターミナルケアに関連する診療報酬において、算定要件に、人生の最終段階における医療ケアの決定プロセスに関するガイドラインの内容を踏まえた対応をしていくという要件が入りました。
これは大変重要なことで、拡大していくことは必要だと思います。この算定状況が平成30年度以降どのようになっているかというデータはまだ示されておりませんが、例えばこれを算定した場合に、その医療機関がこのガイドラインにのっとって、どのような対応を行ったかということを把握するのは非常に重要なことだと思いますので、国として医療機関から報告を受けるとか、そういった対応をされるのでしょうか。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
幸野委員が御指摘のターミナルケア加算の中のACPへの取り組みということでございますが、これは制度として何か病院に報告を求めているということではありませんけれども、30年の診療報酬改定でこのような加算を設けて進めたということもありまして、今、行っております検証調査の中に、どのような形でそれに取り組んでいるのかということについても聞く質問項目を設けておりますので、まとまりましたらここで御紹介をさせていただきたいと思います。
○幸野委員
これは今後進めていく上で非常に重要なデータとなると思いますので、この実績については蓄積をしていくべきだと思います。
最後に、今日の論点からは外れるかもしれないのですが、94ページの医療機関以外の事業者との連携というところで、確認したいのですが、義肢装具採寸法や治療用装具採型法については、医師が指示や指導を行った場合には、医療機関で算定できないという理解でよろしいですね。
○田辺会長
それでは、お願いいたします。
○樋口保険医療企画調査室長
御質問の件でございますけれども、診療報酬上の算定は95ページのほうに資料を入れさせていただいております。診療報酬点数の例ということで、義肢装具採寸法や治療用装具採型法という、医療機関で行われる採寸・採型、装着等についての評価があるということでございます。
御質問の件は、診察指示のみの場合はどうなのかということであると思うのですけれども、医療機関のほうで採型・採寸に何の関与もないということであれば、これはまさに採寸法・採型法という診療報酬の算定にはならないということでございますけれども、医療機関の関与も状況はさまざまだと考えられます。
御質問の件は、具体的な診療報酬の項目の算定ルールに関する解釈にかかわる御質問だと思いますので、正確を期したいと思いますので、また確認して、後日御回答したいと思います。
以上です。
○田辺会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
今、おっしゃったことを繰り返すと、指示、指導のみをした場合は算定できないということでよろしいですね。
○樋口保険医療企画調査室長
余り繰り返しになるのも恐縮でございますけれども、採型・採寸に全く何の関与もないということであれば、もちろんこれは採寸法・採型法の算定にはならないということだと考えておりますけれども、その関与もさまざまあり得ると考えております。
その点についてはまた確認してと思っております。
○幸野委員
わかりました。できないものと解釈します。
○田辺会長
今村委員、お願いいたします。
○今村委員
またちょっと戻って恐縮なのですけれども、先ほどからあったギャンブル等の依存症対策ということで、これは法律までできていて、医療提供体制を整備しろと書かれているので、これは当然やらなければいけないことだということも理解していますし、診療報酬でどう対応するのかという話だと思うのですけれども、77ページを見ると、ギャンブルの依存症の患者さんというのは、推計されている患者さんの数に比べると、圧倒的に外来受診も少ないし、入院も少ない。
これは要するに医療を提供する施設がないから、患者さんとしては治療してほしいと思っているのにこの数字になっているのか、そもそもアルコール依存症は身体的な変化が起こるから、当然のことながら病院に行くわけです。しかし、ギャンブルは自分で、病気だから治療しなければいけないとそもそも思っているのかというと、そう思わないから問題で、結局それを何らかの形で医療につなげるということが非常に困難なものだと理解しています。その中で、自分は何とかこのギャンブル依存から抜け出したいと思う患者さんたちが多数いるのに、医療提供が十分ではないからこの人数になっているのか。あるいは、そもそもこれぐらいがもう本当のニーズなのか、そこがよくわからないのです。
その辺の何かデータというのが、70万人もいるのに2,900人しか医療を提供していないとなるのだったら、このギャップは何かすごく問題だと思うのです。その辺は厚労省としてどのぐらいの提供体制が必要だという想定をある程度持って、医療提供体制の構築を考えておられるのかどうかという、なかなかお答えにくい質問かもしれませんけれども、教えていただければと思います。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
基本的には先生がおっしゃるとおり、ギャンブルの依存症という形で考えられる方々が、医療機関に結びついていないという状況があるというのは、大体今の専門の先生方の意見だと思っています。
実際はギャンブル依存症を専門的に治療できる医療機関というのが、正直それほど多くないという状況にあるということ。それから、推計値という形で研究班が出している数値を提示させていただきましたけれども、これは要するに、御本人自身も疾患として思っていらっしゃらない。それから、医療につながっていらっしゃらないということもありますので、一定の診断基準から推計を出させていただいたということでございます。
また、それをどのような形で医療につなげるのか、どれぐらいの医療体制が必要なのかというのは私どもで把握はしておりませんけれども、そういう形で今後、対策を進めていかなければならないものだろうと思っているところでございます。
○田辺会長
よろしゅうございますか。
ほかはいかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
続いて、「診療報酬にかかわる事務の効率化・合理化及び診療報酬情報の利活用等を見据えた対応について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
資料総-2をごらんいただきたいと思います。今回、2つのテーマにつきまして御説明をさせていただきます。
まず、診療報酬にかかる事務の効率化・合理化ということと、診療報酬の情報の利活用を見据えた対応の2つにつきまして御説明をさせていただきます。
「1.診療報酬に係る事務の効率化・合理化」という点でございます。
資料の3コマ目を見ていただければと思います。まず、診療報酬に係る事務の効率化・合理化についての課題ということでございまして、これは前回、前々回から診療報酬に関する事務の効率化・合理化について議論、それから促進ということを図っておりますけれども、そこに挙げますように、主に3点の課題がございます。
一つは、施設基準の届け出項目や手続等が、保険医療機関の負担となっている。重複項目の省略等、さらに効率化・合理化する余地があるのではないかということ。
告示や通知等の記載に曖昧な部分や合理的でない部分があって、算定可否の判断に苦慮する場合があるということ。
それから、3つ目ですが、診療報酬明細書、セレプトには摘要欄にフリーテキストで形式で記載するものがありまして、医療従事者の負担軽減の観点から合理化する余地があるという点につきまして、御説明を少しさせていだたきます。
一つは、4コマ目ですが、施設基準の届け出のスキームでございます。医療機関・薬局等からは、施設基準に係る届け出というのを所定の様式で書いていただいて、厚生局に提出をいただきます。厚生局は支払機関に、受理したという情報を通知するということになっております。
また、定例報告という形で、保険医療機関から、実態を把握するために毎年7月1日時点の状況を厚生局に報告するということになっているという状況でございます。
それらの報告の様式についてなのですが、5コマ目を見ていただきますと、先ほど言いましたように、一部重複している、恐らく同じ医療機関が提出するであろうと考えられる、例えば在宅療養支援診療所の報告書の届け出と、在宅支援連携対策の報告書がほぼ同じような内容を求めているということがありまして、こういうものについての合理化というか、重複を解消していくことが必要ではないかということでございます。
6コマ目に、30年度の診療報酬改定でどのような事務の効率化・合理化をやったかということをまとめているところでございます。
例えば、入院料の施設基準に関する届け出の診療料ですとか統計診療の施設基準に関する届け出につきましては、副本の提出、副本のコピーを求めておりましたが、この添付を廃止しているということでございまして、さまざまな合理化を行ったところでございます。
また、28年につきましても、7コマ目でございますが、施設基準に関する届け出の一部簡素化を行ってきたということでございまして、本年度につきましても、先ほど示しましたような様式等も含めて見直しをしていくという方向が必要ではないかと考えております。
次に8コマ目でございますが、診療報酬の算定方法の明確化でございます。
私ども事務局が反省する必要もありますけれども、告知や通知書の記載が曖昧な算定要件がありまして、算定要件の可否の判断に苦慮する場合があるということで、例えば、そこに例で挙げていますが、併算定を不可とするという規定に不可とする期間が、同一日なのか、同一週なのか、同一月なのかが明記されていないといったものがございまして、それにつきまして明確化していく必要があるということでございます。
また、9コマ目を見ていただきますと、これは6月に議論していただきました内容ですが、臨床上実施されていない技術や評価項目につきましても、これまで適時削除を行ってきましたけれども、また次回の改定につきましても、このような視点で見直しをしていく必要があるのではないかということであります。
過去の例といたしましても、10コマ目を見ていただきますと、医科点数表の解釈の明確化ということで、平成26年にも整理をしております。
11コマ目も同じ内容でございまして、そのような形で明確化・合理化をしていく必要があるかと考えております。
12コマ目からは診療報酬明細書の合理化でございます。これはレセプトの診療行為、名称や点数、算定回数などの基本事項の記載を必須としておりますが、それ以外に摘要欄にフリーテキストの形式で記載するという項目がありまして、請求の都度記入しなければならないということになっております。
平成30年の診療報酬改定については、留意事項通知等で算定可能な場合が明示されているものについて、該当するものを選択して記載するという形に見直しを行っておりまして、今後またこの点につきましても、さらに合理化する余地があるのではないかと考えているということでございます。
例1で挙げていますように、処置・手術・検査の一部について、前回実施日を記載するということになっておりますが、フリーテキスト形式による記載によって、入力ミスや入力漏れが生じているということがございます。どの診療行為の前回の実施日なのか判別困難な場合もありまして、こういうものを含めて合理化できないかと考えているところでございます。
13ページ目、14ページ目については、前回30年診療報酬改定においての記載事項の選択式化への例ということでごらんいただければと思います。
続きまして、「診療報酬に関する情報の利活用」についてでございます。
16ページ目にレセプト特定検診等情報データベースの概要ということで、通称NDBと言っているものに関しての概要を記載しております。全国のレセプトデータ、特定検診等のデータを収集しまして今、データベース化をされております。現在、10年分が格納されているということでございます。
17ページにNDBデータの第三者提供の件数が載っておりまして、近年、第三者提供の件数が伸びているということがわかるかと思います。
18コマ目でございますが、NDBデータを活用していただいた研究の例ということで、そこに出させていただいております。
九州大学の鴨打先生の研究でございますが、急性期の脳卒中診療におけるt-PA療法の普及及び地域格差に関する研究ということで、t-PAの治療法がどれぐらい普及しているのか、また、都道府県で格差がどれぐらい出ているのかということについて検討し、今後の対応について提言されているという内容でございます。
19ページ目ですが、NDBデータの利用例ということで、健康スコアリングレポートをつくって、それがけんぽ組合ですとか共済組合等に対して通知されるという形で活用されているというようなものが示されております。
20コマ目は診療報酬明細書の様式でございまして、どのような形でそこに情報として記載されているのかを例示として示しておりますので、ごらんいただければと思います。
21コマ目でございます。平成30年の診療報酬改定の附帯意見で、レセプト様式に郵便番号の追加を検討するということがされております。
郵便番号を含めてデータ利活用の観点から、21、22に挙げられているような項目が、一定の有用性があるという形で提示されております。
まず、平成30年度診療報酬改定の議論ということで、参考までにそこに挙げておりますが、郵便番号についてどのような議論があったかということで整理させていただいています。
1の必要性というところでございますが、地域医療構想ですとか、医療費適正化計画において、都道府県間、医療圏間の患者の流出入をどのように取り扱うかというのは大きな課題でございまして、地域単位の評価を地域の関係者で行うに当たって、策定段階で見込んだ流出入と、実際の患者の流れの差をできるだけ正確に把握することが必要でございます。
郵便番号をレセプトに記載すれば、患者の流出入が月次ベースで把握可能となりまして、地域医療構想や医療費適正化計画を地域の関係者で評価するに当たりまして、実際の患者の流れに即した評価が可能となる、有用なデータとなることが想定されております。
平成30年度改定における具体的な対応といたしましては、保険医療機関等においては、レセプトへ郵便番号を記載するには、保険者による住所情報の把握と被保険者証への記載が必要という御意見があり、また、平成30年度に向けて検討されている被保険者番号の個人単位化等との関係をあわせて整理するということが適当だろうと。このため、平成30年度改定に向けて検討することは適当ということで、前回の議論がなされたという記録でございます。
22コマ目からは、ほかに有用と考えられている情報にどのようなものがあるかということで、例えば研究者等の方からの問い合わせ、御意見をまとめているところでございます。郵便番号のほかに、受診経路、医師に関する情報、専門性等に関する情報や、患者の身体等の状況に関することでアレルギー歴や要介護度の状況、それから、身長、体重等の検査値についても記載していただければという形で、例を挙げていただいております。
その他の既存項目ということで、主傷病名、レセプト単位での転記ということで、死亡転記に関しての記載とか、入院期間に関する情報、同月内での入院が発生した場合の各入院期間の把握ということでの入院期間に関する情報、診療科名の入力ということで、これをコード式なり、入力方法の統一ということも含めて御提案がなされているということでございます。
24コマ目は30年の診療報酬改定で、診療情報の利活用の推進のためということで、レセプト様式の一部変更が行われているということを参考までに掲げているものでございます。
御説明につきましては以上でございます。
○田辺会長
はい、ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
まず、21ページ目の患者住所情報についてですけれども、21ページの必要性については大変理解するものではありますが、2の平成30年度改定における具体的な対応にありますように、前回改定でもこのところは議論いたしましたけれども、その後、何か状況が変わったのでしょうか。
これについて、まず事務局に質問したいと思います。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
まず、令和2年4月から、そこにありますように被保険者番号の個人単位化が決まっておりますので、それに向けて、レセプトに郵便番号の記載をするということについても御検討いただきたいということでございます。
○田辺会長
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
医療機関としましては、あくまで保険証から転記する、あるいは入力するということをしているわけでございます。
前回と同じ議論をするのでは意味がないかもしれませんけれども、今、事務局からお話があった被保険者番号の個人単位化に合わせて、保険者のほうでは、保険証に患者住所情報を入れるということについては、何か検討をされていらっしゃるのかどうかお聞きしてみたいと思います。
○田辺会長
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
前回も申しましたけれども、21ページの、32年度に向けて検討されている被保険者番号の個人単位化はそのとおりです。前提としては、マイナンバーというシステムがありまして、それに向けて被保険者の保険証をこういうふうに個人単位化していこうということでございますので、そこのところとセットにして考えないといけないと考えております。
現実的に、その下の2の具体策で、被保険者証へ住所情報を記載するということになりますと、例えば、我々協会けんぽにしますと加入社4,000万人いるわけでございますけれども、この保険証を全部差しかえて記入するのかという費用対効果も考える。マイナンバーがきちんと入ってきて、それで住所情報を確認するシステムがきちんとでき上がれば、それで対応できるのではないかと考えておりますので、この時期をいつにするのかというのは重大な論点であろうと考えております。
○田辺会長
松本委員、お願いします。
○松本委員
医療機関としましては、住所情報を入れるということに関しましては、システム化も含めてなかなか費用負担のかかる問題もありますし、手間もそれだけかかるということなので、あくまで患者さんの申し出による郵便番号ではなくて、きちんとした保険証のほうから転記をするということが基本かと考えております。
○田辺会長
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
繰り返しも含むのですけれども、3ページの2つ目の○にございます、告示や通知などの記載に曖昧な部分、合理的でない部分がある。これをきっちり明確化していくということが非常に重要な論点だと思っておりまして、医療機関だけではなくて、審査支払機関、保険者、この審査の現場においても、先ほども治療装具の判断というので、医療機関の関与をどう考えるか、指示だけではなくてということもございます。そういうことも含みまして、きちんと診療報酬上の査定方法の明確化は必然なことであると考えておりますし、また、10ページ以降にございますけれども、点数表の解釈の明確化も、医科のみならず歯科、調剤においてもきちんと明確化していく必要がある。これは医療費適正化の観点からも当然のことだと思いますし、明確化のみならず簡潔化というふうに、誰が見てもわかりやすいということの対応も必要だろうと考えておりますので、ぜひ、その辺の御努力をお願いしたいと思います。
また、今、論点になりました21ページの郵便番号の記載については、保険者サイドではなく、診療する医療機関サイドを見ても、システム改修等のコストがございますので、いわゆる目的の明確化と必要性については、コストの面も含めて十分に検討していく必要があると思います。もし被保険者証に郵便番号を記載するということになれば、先ほど申しましたように、スタート時点では、我々は4,000万人の被保険者を再発行する。また、その後、住所変更はかなり起きてきますので、その都度被保険者証を発行し直さないといけない。こういうコストを考えますと、果たしてどうなのかとも考えます。
その辺は踏まえて、ほかに方法がある。これがマイナンバーという形で今後入っていくわけでございますから、この辺についてどのように利活用していくのかを踏まえて、一緒になって考えていく必要があるのだろうと思います。
レセプトの住所情報については議論の余地があると考えておりますし、反対するものではないと考えます。
以上です。
○田辺会長
ほかはいかがでございましょうか。
猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
施設基準等々の事務に係る効率化、合理化については、ぜひ進めていただきたいと思っているところですが、例えば、7ページに届け出の一部簡素化というのがございます。もう届け出は不要としたものがありますということがあるのですけれども、届け出は確かにしなくてよくなった。ところが、その後、適時調査とかいろいろな調査に病院が来ますと、届け出はしなくていいのだけれども、この書類は出せと言われるわけです。そうすると、結局つくらなくてよくなったのではなくて、つくるのだけれども届け出をしていないだけということで、そうすると、簡素化になったほうがいいのかなというお話も現場ではあります。医事科の職員はかなりの専門業になっておりますので、そういうところで実際の作業量等々をよく調べた上で、簡素化のほうに推し進めていただきたいと思っております。
16ページからのナショナルデータベースのことですが、先日も、包括されてしまっているために医薬品がどれだけ使われているかわからないというお話があったかと思います。
今、手術の材料なども包括されている場合に、それが果たしてどれぐらいの金額になっているかということが、ナショナルデータベースから出ない。DPCデータを使うと出ることもあるようには思うのですが、そのようなことを考えますと、これからどんどん医薬品がふえていったときに、それが包括されているときに、果たして以下の診療報酬の中でどれぐらいの部分を占めているかということが出ないと、正確な医薬品の使用量がわからなくなってきてしまいますので、また作業がふえてしまうという話かもしれませんが、ぜひ、そこは何らかの方法を考えていかないとまずいのではないかと考えております。
今回の話にはなかったのですが、一つ事務的なお話をさせていただきます。看護師さんの勤務表の様式9についてお話しさせていただきたいのですが、今もあの様式9から、例えば、何かの会議になったら、勤務時間はここにあるのだけれども会議の分を引けとか、委員会はこれはいいけれども、これはだめとか、非常に煩雑な様式9になっております。
今は働き方改革もあって、仮に病棟にいなくても、委員会に出ているということは、働いて病院の業務をしているわけですから、それを引くとか、足りないとか、現場から言うと非常におかしなルールになっているかと思いますので、ぜひそこら辺のことの改善もお願いしたいと思っております。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
レセプトの摘要欄のコード化については大賛成で、現在、支払基金改革が進行していて、2022年にはコンピューターチェックの使用度を9割まで高めるという作業が行われていることからも、非常に必要なことだと思います。しかし、コード化しても、13ページにありますように、選択肢の中に、その他医師が特に必要と認めるものという項目が残っている以上、支払基金の支部間差異は解消できないと思います。その他特に医師が必要と認めるものについては、例えばテキストで簡単に書いてもらうとか、極力曖昧な選択肢はなくす方向でコード化を進めていっていだきたいというのがお願いでございます。
支払基金改革で今後、レセプトについては、診療明細書と同時に、医療の分析ツールになりますので、すぐには難しいかもしれませんが、傷病ごとの診療行為や投薬の標準化、あるいは支払基金の支部間格差を解消していくためにも、疾病ごとの診療行為や投薬が紐付けしやすいような様式に見直していくということが必要ではないかと思います。
そういったことを検討していただきたいと思います。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
続いて「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律の施行に向けた対応について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より御説明をお願いいたします。
医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
資料総-3をごらんいただきたいと思います。医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律の施行に向けた対応ということで、健保法の一部改正がございまして、それに基づきまして、診療報酬の関係で2つ対応する必要があるということで、そちらに提示をさせていただいております。
資料総-3の「2.オンライン資格確認の導入に伴う対応」をごらんいただきたいと思います。
これにつきましては、健康保険法等改正法において、保険医療機関等で療養の給付等を受ける場合の被保険者の資格情報の確認につきまして、オンラインによる資格確認を導入するということになりました。公布日から2年を超えない範囲内で、政令で定める日施行となります。
このオンライン資格確認の導入のためには、先ほど話題にもなりました世帯単位で定められている被保険者番号に2桁(枝番)を追加いたしまて、個人単位ということになっています。これによって、保険者が移動しても、資格情報の履歴管理というのが可能となります。
そのため、対応方針と書いてありますけれども、レセプト様式の中に、いわゆる今までの被保険者番号の欄を2桁追加するということでの対応をしたいという御提案でございます。
次に「3.NDB、介護DB、DPCデータベースの連結解析等に伴う対応」でございます。
この健保法改正におきまして、DPCのデータベースについては、NDB、介護DBの情報と連結する。そして、利用を提供することができるということになりました。
NDB及び介護データベースの情報というのは、医療介護のレセプトに記載されます仮名の氏名、性別、生年月日をもとに、匿名のまま同一人物の情報であるということを確認できる共通のIDを用いて連結するということになってございます。
DPCのデータに関しても、同様の共通IDを振るということが必要になってきます。(2)で対応方針案として出しておりますけれども、個々の医療機関において、特に新たな対応ということではございませんけれども、令和2年4月1日からのデータにつきましては、DPCの調査事務局のほうから各病院にツールといいますかソフトを配付しますので、かな氏名、生年月日及び性別の3情報から共通IDを生成することが必要となります。
また、DPCデータを提出する際には、共通IDを生成するのに用いました仮名氏名、生年月日、性別の3情報は削除して提出いただくという仕組みにしたいと考えておりますので、これにつきまして御提案をさせていただきます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。
よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
続いて、報告事項でございますけれども「選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果(速報)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より御説明をお願いいたします。
医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
資料総-4をごらんいただきたいと思います。選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果につきまして御報告をさせていただきます。
そこにありますように、厚生労働省のホームページについては3月11日から4月10日にかけて意見募集を行いました。また、関係学会・団体に関しても、3月11日から5月10日に締め切りという形で意見募集をかけさせていただいたところでございます。
寄せられた意見の数が合計152件、新たな選定療養の追加に係る提案というのは、そのうち105件でございました。
内訳としては、医科が24件、歯科が50件、全般その他が31件となってございます。また、既存の選定療養の見直しに係る提案が44件、療養の給付と直接関係ないサービスに関する意見が3件となってございます。
今後、この意見をもとに、事務局におきまして整理をさせていただき、秋の中医協において、必要に応じて議論をさせていただきたい、提案させていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
参考までに、別紙で全ての意見をまとめたものをつけております。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等がごさいましたらよろしくお願いいたします。
よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
本日の議題は以上でございます。なお、次回につきましては、これまでの議論の整理を行う予定といたします。
事務局より補足説明をお願いいたします。
医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
これまで第1ラウンドということで、最初に年代別の課題の整理、それから、各医療にかかわるテーマごとの整理という形で御議論いただきました。
この御議論いただいた意見をもとに、意見の整理という形で次回、提案をさせていただきたいと思っております。
特にこの議論の中で、さらに何か追加ということがあれば、また御意見をいただきたいと思っております。よろしくお願いします。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。
宮近委員、お願いいたします。
○宮近委員
調剤に関する検討のお願いですが、これまで第1ラウンドにおいては、ポリファーマシーなどについて、一部調剤の評価に関する議論が行われたように思いますけれども、調剤報酬に関連しては、必ずしも十分な議論がなされていないように思います。
調剤につきましては、前回の改定でも、調剤基本料や調剤料などについて見直しを行ってきたわけですけれども、対物業務から対人業務へという観点から、引き続き検討を継続すべきであると考えますので、よろしくお願いいたします。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御質問もないようでございますので、本日の総会はこれにて閉会といたします。どうも御参集ありがとうございました。
 
 


 
 

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