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2019年6月26日 中央社会保険医療協議会 総会 第417回議事録

○日時

令和元年6月26日(水)9:00~12:55

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

○出席者

田辺国昭会長 秋山美紀委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員 松原由美委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員 染谷絹代委員
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 猪口雄二委員 島弘志委員 林正純委員  有澤賢二委員
吉川久美子専門委員 田村文誉専門委員 横地常広専門委員
 
<事務局>
樽見保険局長 渡辺審議官 山本審議官 森光医療課長 古元医療課企画官
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○部会・小委員会に属する委員の指名
○医薬品の薬価収載等について
○最適使用推進ガイドラインについて
○医薬品・医療機器の効率的かつ有効・安全な使用等について
○診療報酬改定結果検証部会からの報告について
○保険医療材料専門部会からの報告について
○薬価専門部会からの報告について
 

 

○田辺会長
 それでは、おそろいのようでございますので、ただいまより第417回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、岩田専門委員が御欠席でございます。
 本日の中医協総会につきましては、まず、総会において委員の交代について御報告し、小委員会及び部会に属する委員の指名を行った後、一度総会を中断いたしまして、診療改定結果検証部会、保険医療材料専門部会、薬価専門部会を開催いたします。その後、改めて総会を開催し、その他の議題の審議を行いたいと思います。
 それでは、まず、委員の交代について御報告いたします。
 遠藤秀樹委員におかれましては、6月23日付で任期を満了し、後任として6月24日付で林正純委員が発令されております。
 また、野口晴子委員におかれましては、6月20日付で任期を満了し、後任として6月21日付で秋山美紀委員が発令されております。
 なお、両委員からは、「みずからが公務員であり、高い倫理観を保って行動する」旨の宣誓をいただいております。
 それでは、新しく委員となられました林委員より一言御挨拶をお願いいたします。
○林委員
 このたび、前任の遠藤先生にかわり中医協委員を拝命いたしました日本歯科医師会常務理事の林でございます。大阪市で歯科医院を開設しており、歯周病を中心とした歯科医療を30年余り提供してまいりました。
 令和に入り、日本歯科医師会も2040年問題に向けた新しい歯科医療ビジョンの構築に向けて検討しております。前任の経験豊富な先生方のお力をおかりし、従来からの議論、特にかかりつけ歯科医を中心とした歯科疾患の重症化予防、医療・介護の連携、また検診等、地域行政との連携推進を引き継ぎながら、国民に資する歯科診療報酬になるよう取り組んでまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○田辺会長
 こちらこそよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
 次に、秋山委員より一言御挨拶をお願いいたします。
○秋山委員
 皆様、初めまして。前任の野口委員の後を継がせていただきました公益委員になりました秋山と申します。慶應義塾大学に所属しております。専門は公衆衛生、それから、コミュニティーヘルスということです。
 国民の皆様のよりよい意思決定につながるよう力を尽くす所存です。どうぞよろしくお願いいたします。
○田辺会長
 秋山委員、どうもありがとうございました。
 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○田辺会長
 それでは、議事に入らせていただきます。
 初めに、委員の交代に伴いまして、部会及び小委員会に属する委員につきましても異動が生じます。部会、小委員会に属する委員につきましては、社会保険医療協議会令第1条第2項等の規定により、中医協の承認を経て会長が指名することとされております。委員のお手元に総-1として、新しい中医協の委員名簿とともに、異動のある部会及び小委員会の名簿の案をお配りしております。
 林委員には、遠藤委員の所属しておりました診療報酬基本問題小委員会、調査実施小委員会、薬価専門部会、保険医療材料専門部会、費用対効果評価専門部会に所属していただき、秋山委員は、野口委員の所属しておりました診療報酬基本問題小委員会、調査実施小委員会、診療報酬改定結果検証部会、薬価専門部会に所属していただきたいと思いますが、そのように指名することとしてよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○田辺会長
 ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。
 冒頭にも申し上げましたとおり、ここで総会を一旦中断いたしまして、診療改定結果検証部会、保険医療材料専門部会、薬価専門部会の審議を行った後に、改めて総会を開きたいと存じます。
 それでは、本日の総会は、一時、ここで中断いたします。
 
(一時中断)

○田辺会長
 それでは、総会を再開いたします。
 早速でございますけれども、議事に入らせていただきます。
 初めに、「医薬品の薬価収載等について」を議題といたします。
 本日は、薬価算定組織の坪井委員長にお越しいただいております。坪井委員長より御説明をお願いいたします。
○坪井委員長
 薬価算定組織の委員長の坪井です。
 私から、今回検討いたしました新医薬品の算定結果等について御報告いたします。
 まず、資料、中医協総-2-1をごらんください。今回の報告品目は資料の表紙の一覧表にありますとおり、1成分1品目です。それでは、算定内容について御説明いたします。
 1番、シムツーザ配合錠です。資料1~2ページをごらんください。本剤はHIV-1感染症を効能・効果とする内服薬であり、緊急収載品目となっております。本剤は、有効成分が同一のプレジコビックス配合剤及びデシコビ配合剤LTの組み合わせを最類似薬とした類似薬効比較方式(1)により算定いたしました。その結果、本剤の算定薬価は1錠4,751.00円となりました。
 以上となります。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 引き続き事務局から補足の説明をお願いいたします。
 では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 資料総-2-2をお開きください。ただいま坪井委員長から御説明がありましたシムツーザ配合錠の薬価収載に関して、14日の処方制限ルールの例外的な取り扱いに関する御提案でございます。
 本剤はHIV感染症の治療薬でございまして、これまでの抗HIV薬と同様に、市販後は原則として全例調査が義務づけられるなど、厳格な安全性確保の枠組みが設けられているところでございます。これを踏まえまして、従来どおり処方日数の制限を設けないこととしてはどうかという御提案でございます。
 以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 よろしゅうございますでしょうか。では、御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○田辺会長
 ありがとうございました。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
 坪井委員長、御説明どうもありがとうございました。
 次に、報告事項でございますけれども、「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。では、医薬品審査管理課長、よろしくお願いいたします。
○山本医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 医薬品審査管理課長でございます。
 それでは、お手元の資料、総-3-1をごらんください。レパーサの最適使用推進ガイドラインにつきまして改正をいたしましたので、御報告申し上げます。
 エボロクマブ(遺伝子組換え)、販売名レパーサ皮下注につきまして、スタチンの治療が適さない患者に対する適用を追加する一部変更の承認を本年6月18日にいたしました。これに合わせまして、同日付で最適使用推進ガイドラインも改正いたしております。本改正につきましては、昨年11月に類薬でございますプラルエントにおいて行ったものと内容的にはほぼ同様でございます。お手元の資料の中で網かけをしておりますところが変更点でございますが、主なところを御紹介させていただきたいと思います。
 2ページ目をごらんください。今回、枠囲みの中で網かけしておりますところが変更箇所でございますが、スタチンによる治療が適さない場合に適用することを追記させていただいております。
 その後ろ、3ページに本剤の特徴、ここの点は大きな変更はしておりません。
 4ページ目から臨床試験成績が記載されておりますが、今回の改正につきましては、少し飛んで9ページ目をごらんください。ここに臨床試験成績を記載しておりますが、新たに行われた臨床試験の成績において、スタチンとの関連を考える筋肉関連の副作用等によってスタチン投与ができない患者を対象として臨床試験が実施されております。10ページ目からの表で結果が記載されておりますが、LDLコレステロール値の変化率において、投与12週時点で対象群、エゼチミブ群と比較しまして有意にLDLコレステロール値を低下させることが示されております。
 また、今回の一部変更とは直接関係しないものではございますが、本剤につきまして、新たに臨床試験データが得られましたので、それにつきましてもこの機会に追記をさせていただいております。12ページ目からでございますが、心血管系疾患の既往歴をお持ちの患者を対象とした臨床試験でございまして、心血管イベントの抑制がどうなるかを見ております。プラセボ群と比較して有意に心血管系イベントの発現リスクを低下させたという内容になっております。この内容につきましては、既に添付文書にも反映しておるものでございます。
 続きまして、16ページをごらんください。今回の一部変更による投与対象となる患者の追記を行っております。16ページの「5.投与対象となる患者」でございますが、スタチンによる治療が適さない患者について追加しており、具体的には、いずれのスタチンについても、1、副作用の既往等によってスタチンの使用が困難である場合、あるいは2、スタチンの使用が禁忌とされていることを具体的に掲げております。
 以上、重立ったところを御説明させていただきました。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 引き続き、事務局から補足の説明をお願いいたします。
 では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 続きまして、総-3-2をお開きください。ただいま医薬品審査管理課長から説明がありましたエボロクマブ(遺伝子組換え)製剤、品目名レパーサ皮下注につきましては、最適使用推進ガイドラインに基づき留意事項通知を発出しているところでございます。今般のガイドラインの改定を踏まえまして、承認事項一部変更承認が行われた6月18日付で留意事項を改正する旨の通知を発出しておりますので、その御報告になります。
 留意事項の具体的な内容につきましては、下の「3.留意事項の内容」のところをごらんいただきたいと思いますけれども、今般の改定を踏まえまして、「(2)診療報酬明細書の摘要欄に記載を求める事項」といたしまして、本製剤をHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない患者に投与する場合には、使用可能なHMG-CoA還元酵素阻害剤がないと判断した理由を明記するように追記したところでございます。
 説明は以上となります。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 よろしゅうございますでしょうか。では、御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
 次に、「医薬品・医療機器の効率的かつ有効・安全な使用等について」を議題といたします。
 まず、医薬品の資料説明、質疑を行った上で、次に医療機器の資料説明、質疑を行わせていただきたいと存じます。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より御説明をお願いいたします。
 では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
 そうしましたら、資料総-4-1、「医薬品・医療機器の効率的かつ有効・安全な使用等について」ということで御説明させていただきたいと思います。次期報酬改定に向けた議題ということで、資料総-4-1が医薬品となります。
 まず、2コマ目を見ていただきますと、本日御用意しました資料につきましては2つ、まず、「医薬品に関する現状」という資料と、それから、「個別テーマ」、そこにありますように、重複投薬、ポリファーマシー、残薬への対応ですとか、後発医薬品の使用推進、長期処方時の適正使用、向精神病薬の長期処方への対応、薬剤耐性への対応、その他について、それぞれに診療報酬等でどのように対応してきたのか、それから、その現状について整理した資料を用意してございます。
 3コマ目を見ていただきたいと思います。現状でございますけれども、これは国民医療費に占める薬剤費についてということで、緑の折れ線が薬剤費率でございますけれども、近年は20%程度で推移しているという状況でございます。
 4コマ目でございます。「薬剤費の構成割合」ということで、これは、医科、歯科、調剤での薬剤費の割合で、約60%は薬局での調剤分となります。
 なお、これについては、薬剤費が包括されているDPCのような点数については集計に含まれておりませんので、念のため説明させていただきます。
 5コマ目でございます。「処方箋1枚当たり薬剤料の推移」でございます。薬局の調剤についてでございまして、処方箋1枚当たりの薬剤料は近年約7,000円弱で推移していることがわかるかと思います。
 6コマ目を見ていただきますと、「処方箋1枚当たりの薬剤種類数、1種類当たりの投薬日数の推移」でございます。処方箋1枚当たりの薬剤種類数、投薬日数についてでございますが、薬剤種類数は減少傾向、青い棒グラフになります。一方、投薬日数は増加傾向にあることがわかるかと思います。
 次に、7コマ目を見ていただきます。これは年齢階級別に薬剤種類数別件数の構成割合でございまして、1件当たりの薬剤種類数となります。年齢階級別のレセプト上の薬剤種類数について見ていただきますと、高齢になると薬剤種類数がふえるということで、7種類以上が黄色い枠になっております。
 8コマ目でございます。先ほどのはいわゆるレセプトベースでございますけれども、患者にこれを伺って把握した実態となります。患者全体として服用しているお薬について、患者調査で見ますと、65歳以上では約4割、80歳以上では約6割の患者で7種類以上のお薬を服用しているという状況がわかるかと思います。これは以前、2号側から御質問のあったことに関して、あわせて資料として提供させていただきます。
 それから、9コマ目を見ていただければと思います。これは病院での入院外の投薬、それから、注射に関する点数の推移でございます。病院の入院外の薬剤費についてでございますが、左の棒グラフは入院外の投薬、注射について、平成19年と平成29年を比較しております。技術料に比べて薬剤料の伸びが非常に大きいことがわかるかと思います。右の棒グラフの注射の薬剤料の伸びは、前回も御紹介させていただきましたが、外来の抗がん剤治療がふえてきたことが要因として推測されます。実際、外来の化学療法加算の算定回数が増加していることからわかるかと思っております。
 次に、10コマ目でございます。続いて個別テーマのほうに移りたいと思います。
 11コマ目を見ていただきますと、これは「医薬品の有効・安全な使用に関する診療報酬上の主な取組」として、平成26年、平成28年、平成30年、それぞれの改定ごとに、どのように取り組んできたのかをまとめた一つの表にしておるものでございます。重複投薬、ポリファーマシー、残薬への対応、後発医薬品の使用促進、向精神薬への対応ということで、それぞれ記載しております。<医>と書いてあるのは医科点数表での対応、<調>と書いてあるのは調剤報酬での対応ということで見ていただければと思います。
 次に、12コマ目を見ていただければと思います。以前、中医協で使用したことのあるものでございますけれども、これはポリファーマシーの現状についてまとめたものです。ポリファーマシーについては、そこの定義にありますように、単に服用する薬剤数が多いことではなくて、薬物有害事象のリスクの増加、服薬過誤、服薬アドヒアランス低下の問題につながる状態を示すものであり、多剤服用の中でも害をなすものと定義をされておるということでございます。
 次に、13コマ目を見ていただければと思います。「ポリファーマシーに対する取組」として、まず、医療機関における減薬等の評価でございまして、医療機関では、入院患者の減薬を評価しております。一方、薬局でございます。これは減薬に関する薬局の処方提案を評価したということでございまして、これは平成30年に評価したものでございます。
 続いて、14コマ目を見ていただきたいと思います。これも中医協で以前にお示ししておりますけれども、厚生労働省の医薬生活衛生局において、「高齢者の医薬品適正使用の指針」を作成しておるという状況でございます。
 15コマ目、16コマ目、この2コマについては、「ポリファーマシーの解消に向けた取組例」を2つ御紹介したいと思います。
 まず、東京大学での解消に向けた具体例でございます。東大においては、入院時に持参薬評価のテンプレートを用いまして、薬剤師がそこにあります7つのスクリーニング評価項目でスクリーニングを行って、これをもとに医師が薬剤調整を検討する取り組みをしているということでございます。
 次に、16コマ目でございます。これは国立長寿医療研究センターの事例でございます。医師、薬剤師、看護師の多職種チームで対応している事例でございまして、患者スクリーニング後に情報収集して多職種でのカンファレンスを行い、処方にフィードバックしているという取り組みでございます。
 続きまして、「処方箋料の算定回数の年次推移」でございます。黄色く塗ったものが7種類以上の内服薬投与でございます。7種類以上の薬剤を処方した場合に、処方箋料処方料が減額されております。本スライドはその処方箋料の算定状況でございまして、上のグラフは年間の処方箋料の算定回数でございまして、これは全体として微増となっておりますが、7種類以上の内服薬を投与した場合を見ますと、処方箋料の算定回数の割合は少し減少しているという状況でございます。
 18コマ目を見ていただきたいと思います。こちらは処方料でございます。年間の処方料の算定回数は減少しておりますが、7種類以上の内服薬を投与している処方料の算定回数の割合も微減しているということかと思います。
 次に、19コマ目、「残薬回収に向けた薬局の取組の評価」でございます。これは薬局での取り組みを評価したものでございまして、一包化やカレンダーによる支援、残薬の整理の取り組みを報酬上評価しているものでございます。
 20コマ目を見ていただければと思います。「平成28年の診療報酬改定」で、処方箋様式の見直しをしました。残薬解消に向けた処方箋様式の見直しでございまして、医療機関と薬局が連携して円滑に残薬確認と残薬に伴う日数調整を実施できるよう、平成28年の改定において処方箋様式の見直しを行っているものでございまして、赤で書いてありますように、薬局が残薬を確認した場合の対応のチェック欄を設けているものでございます。
 次に、21コマ目を見ていただければと思います。関連項目の算定回数についてでございまして、重複投薬・相互作用等防止加算及び外来服薬支援料の算定回数は増加傾向にあるということでございます。
 次に、後発医薬品の使用促進についてまとめております。23コマ目を見ていただければと思いますが、「後発医薬品の使用促進に関わる診療報酬上の対応」でございます。この使用促進のためには、一覧でわかりますように、医療機関の取り組みの評価、薬局の取り組みの評価、また、医療機関の中では入院での評価、それから、外来における評価、そして外来も病院の外来、診療所の外来、そして処方での評価という形で分けて評価を行ってきているということでございます。
 次に、24コマ目を見ていただければと思います。「後発医薬品の使用割合の推移と目標」でございます。平成32年9月までに使用割合80%という目標を掲げまして、現在、進めてきておりますけれども、平成30年9月段階では72.6%で進んできているという状況でございます。
 次に、スライド25、26は、この使用促進のためにさまざまな取り組みを平成14年から平成30年の改定まで、年度別に整理させていただいたものでございます。
 続いて27コマ目は、一般名処方の加算の状況についての御紹介でございます。算定回数は棒グラフでございまして、算定割合が黒の折れ線グラフになっておりまして、いずれも増加傾向にありまして、現在、算定割合は45%を超えているという状況でございます。
 28コマ目を見ていただければと思います。一般名処方された医薬品が薬局でどう調剤されているかを検証調査で調べたものでございます。下に行くにつれて増加しておりまして、近年になるほど増加しておりまして、平成30年のデータでは約80%が後発医薬品で調剤されているという状況であるかと思います。
 次に、29コマ目でございます。これは処方箋で変更不可となっている医薬品の割合でございます。変更不可となっている処方箋の割合は、平成30年度のデータでは約7%、平成29年度は約9%でありまして、2年間で約2%減少してきているという状況でございます。
 続いて30コマ目を見ていただければと思います。話題変わりまして、後発医薬品がない先発医薬品を含む後発医薬品の使用割合でございます。グラフの青色の部分が後発医薬品のない先発医薬品が薬局で調剤をされた割合。スライド30は医薬品全体のデータでございまして、病床数の多い病院ほど青色の割合が多いことがわかるかと思います。上が数量ベース、下が薬剤量ベースでございます。
 次に、それを個別の医薬品で見たときにどうなるかをまとめたものでございます。スライド31、32でございます。
 31は、血圧降下剤の一種でありますARBにつきまして見たものでございます。後発医薬品のない先発医薬品の割合は、診療所に比べまして、病床数の多い病院のほうが多かったという状況でございます。
 次に、今度は消化性潰瘍剤の一種でありますPPIについて見ましたところ、病床数の多い病院で多くなる傾向がございました。以上でございます。
 次に、また別の個別のテーマでございますが、長期使用時の適正使用、向精神薬の長期処方への対応についてでございます。先ほどお示ししましたように、処方箋1枚当たりの投与日数は増加傾向にあるという状況でございます。
 「処方日数が30日を超える処方の状況」がその次の35コマ目でございます。調剤側から投薬日数を分析したものでございまして、折れ線グラフのとおり、30日以上の調剤量の算定回数は増加傾向にあることがわかるかと思います。
 続きまして、長期処方の対象となる代表的な生活習慣病治療薬の投与日数の分布を示したものでございます。これは調剤分でございます。高血圧薬ですとか、脂質異常症の治療薬等、主なものを例示しておりまして、赤で横線を引いたもの以上が長期処方となってございます。よく見ていただきますと、約3割が30日を超えて投薬されておりまして、その割合は、経年で示しておりますが、全体的にふえてきていることがわかるかと思います。
 続きまして、37コマ目でございます。これは平成28年度診療報酬改定時でございますけれども、長期処方の取り扱いの明確化が行われてございます。30日を超える長期の投薬を行うに当たっては、長期処方が可能な程度、症状が安定し、服薬管理が可能であることを医師が確認すること等が示されております。それ以外の場合については、例えば、分割指示による処方箋の交付などを行うことが明確化されたものでございます。
 続きまして、38コマ目を見ていただきますと、分割調剤の場合の処方箋様式ということで、平成30年の改定では分割調剤の手続を明確化するために処方箋様式を変更しまして、3回の分割であれば処方箋が3枚という形で示されたということでございます。
 続きまして、スライド39でございます。これは向精神薬の処方の適正化でございまして、平成30年の改定においては、ベンゾジアゼピン受容体作動薬を1年以上、同一の用法・用量で継続処方している場合には処方箋料を減額するといった対応を行ったところでございます。
 続いて40コマ目でございますが、「向精神薬及びベンゾジアゼピン受容体作動薬等の数量の推移」でございまして、上の39コマ目に示した対応については1年の経過措置がございますので、2019年度の数値がその効果を反映したものとなりますので、残念ながらこれは反映されたものではございませんが、ほぼ向精神薬の数量は近年横ばいにあることがわかるかと思います。
 続きまして、個別テーマの薬剤耐性への対応ということでまとめてございます。
 42コマ目でございます。「向微生物薬適正使用に向けた取り組みについて」ということで、平成29年度に適正使用の手引きが作成されております。
 43コマ目でございますが、平成30年の改定時の対応についてでございます。小児の外来診療で抗菌薬の投与の必要性が認められないため、抗菌薬を使用しない患者に適切な説明を行った場合、これを評価したものでございます。
 続きまして、44コマ目でございます。もう一点、平成30年の改定時の対応で、病院における抗菌薬適正使用支援チームの組織を含む抗菌薬の適正使用を支援する体制を評価したものでございます。
 45コマ目を見ていただきますと、「広域抗菌薬の数量の推移について」でございまして、経口広域抗菌薬である第3世代セフェム系やキノロン系の数量が近年減少傾向にあることが示されております。平成30年度の検証調査から取ってきておりますが、左上のグラフ、小児のかかりつけ診療料の届出がある施設のほうが抗菌薬の適正使用の取り組みを行っている場合が多い。また、左下でございますが、受診患者の主訴は同様でございますが、右上の小児かかりつけ診療料が算定された患者のほうが抗菌薬を処方された割合が少なく、抗菌薬が不要であるとの説明を受けた患者の割合が多いことがわかるかと思います。
 次に、個別テーマでございますが、「その他」というところでまとめてございます。
 まず、革新的かつ非常に高額な医薬品については、先ほどもありましたように、最適使用推進ガイドラインで対象患者、それから、施設要件を定めておるということでございます。そこの表にありますのは、2019年5月までに作成したガイドラインの一覧になります。
 49コマ目は、例として、施設要件の設定という形で見ていただければと思いますが、ニボルマブの概要を示しておりまして、対象となる患者と、どこでということで、実施施設の要件を定めているということでございまして、最適使用推進ガイドラインはそのような形で今までつくられてきているということでございます。
 ここでちょっと御紹介させていただきますのは、先ほどちょっとありましたように、チームで医薬品の使用を判断することを要件としている対応も実はあります。例えば、感染防止対策加算でございますけれども、病院の感染制御チームにおきまして、バンコマイシン等の抗MRSA等薬の使用に当たりまして、届出制ですとか、許可制をとる、病院で体制をとっているといったことを算定の要件としている点数もございます。
 また、次に、51コマ目を見ていただければと思うのですが、これは「チームで高度な治療の適応の判定を行うことを要件としている事例」を御紹介させていただきます。左の粒子線治療でございますが、下のほうに下線を引いておりますけれども、キャンサーボードで粒子線治療の適用の判定を行うことが要件となっております。右のほうはハートシートの施設要件で、同じようなカンファレンスが開催されていることが要件となっているということでございます。
 52コマ目を見ていただきますと、ちょっと話題が変わりまして、「創薬動向の変化」でございます。これはバイオ後続品の議論になりますが、まず、世界の売上上位10品目の推移でございますが、2001年から2017年を見ていただきますと、今やバイオ医薬品が上位売上10品目のうち9品目を占めるという状況でございます。
 次に、53コマ目、現在薬価収載されておりますバイオ後続品の一覧をそこに示してございます。
 続きまして、54コマ目を見ていただきたいと思います。これは「バイオ後続品の使用割合」でございます。バイオ後続品の使用割合をNDBのオープンデータからまとめたものになります。エポエチン、フィルグラスチムでは、バイオ後続品の数量ベースの使用割合は約65%。赤枠部分を見ていただければと思います。ただ、これは補足がありまして、上の括弧内の補足のところを見ていただければと思います。エポエチンを人工透析に使用した場合には、「人工腎臓」という包括点数がございまして、これに含まれるため、この使用数量は、先ほど示しましたNDBのデータでは拾えないという状況でございます。そのため、公表資料に基づき試算しましたところ、エポエチンのバイオ後続品の販売実績額は約60億円、一方、NDBデータに基づく試算では、先行品、バイオ後続品合わせて約4億円でございますので、実際のエポエチンのバイオ後続品の使用割合は、そこで示していますと66.4%となっておりますが、それよりもかなり大きいことが示唆されておるということでございます。
 次に、55コマ目。これは、今、御紹介しました人工腎臓でエポエチン等が包括されている点数ということで御紹介させていただいているものでございます。
 続きまして、「バイオ後続品の備蓄状況」でございます。左の表は検証結果、調査の結果で、病院では約50%でバイオ後続品を備蓄しております。右の表は、一方、薬局では約30%でバイオ後続品を備蓄しているという状況でございます。そこにありますように、病院ではDPC対象病院、DPC準備病院で総体的に備蓄している割合が高く、また備蓄品目数も多かったという結果が出ておるということでございます。
 続きまして、これからはフォーミュラリーについて御説明させていただきたいと思います。「フォーミュラリーについて」ということで57コマ目にまとめておりますが、フォーミュラリーの厳密な定義はまだありませんけれども、一般的には、そこにありますように、「医療機関等において医学的妥当性や経済性等を踏まえて作成された医薬品の使用方針」を意味するものとして用いられているものでございます。フォーミュラリーと言われているものには、院内と地域のものがありまして、下の表にその比較をしておるということでございます。
 続きまして、これは院内フォーミュラリーについての御紹介でございます。まず、浜松医科大学附属病院での院内フォーミュラリーについての御紹介でございます。フォーミュラリーと言うと経済性に焦点が当たりがちでございますが、左の枠にありますように、採用薬の治療効果や注意事項を事前に評価し、質と安全性の高い薬物治療を効果的に実施するためのものと位置づけられております。右のフローにありますとおり、薬剤部などが院内フォーミュラリー原案を作成し、薬剤管理、院外で審議、承認するという手続をもってつくられているものでございます。
 次に、59コマ目を見ていただきますと、これは御紹介でございます。フォーミュラリーの実績ということで、左にありますように、浜松医科大学のフォーミュラリーリストで、現在、13薬効群でつくられておるということでございます。右側は、例として、抗インフルエンザウイルス薬の実際のフローでございます。患者の状況によって使用する医薬品が規定されておりまして、特に問題がない場合は、オセルタミビルの後発品が第1選択薬となっておるということでございまして、赤で書いてありますゾフルーザは第1選択薬ではないところかと思います。
 次に、「聖マリアンナ医科大学病院での院内フォーミュラリーについて」の御紹介でございます。これは以前、中医協でも御紹介させていただいたものでございます。
 飛ばさせていただきまして61コマ目は、聖マリアンナ医科大学での院内フォーミュラリーについて、現在のリストにアップデートしたものでございます。
 続きまして、地域フォーミュラリーについて御紹介させていただきたいと思います。日本海ヘルスケアネットでつくられているものでございます。右側の地域フォーミュラリー検討体制のオレンジの枠囲みを見ていただければと思います。ここにありますとおり、医師会長、薬剤師会長、総合病院長から構成される委員会で検討されまして、地域フォーミュラリー協議会で審議し、理事会で承認されて設定されるという流れになっております。
 63コマ目を見ていただければと思います。この日本海ヘルスケアネットでの実績ということで、左は対象とする薬効群のリストとなっています。右上は日本海総合病院での導入の効果でございまして、見ていただきますと、フォーミュラリーの導入後、ネキシウムの使用が減少、推奨薬であるランスプラゾールが増加していることが見えるかと思います。
 続いて64コマ目を見ていただければと思います。「地域フォーミュラリーの地域の影響」を参加者の酒田市病院機構でまとめていただいたものでございます。患者への影響と可能性でございますけれども、患者負担の減少、それから、医療機関や薬局での在庫減少による経済的なメリットが挙げられておりますが、それ以外にもメリットとして、患者においては、薬剤が絞られることによって、患者の目から見ても重複投薬やポリファーマシーがわかりやすくなって、その改善につながる。それから、医療機関においては、紹介、逆紹介を経て薬剤の使用品目が収束しまして、患者の管理が行いやすくなる。また、薬局においては、病院薬剤師と薬局薬剤師の連携が密になるといった影響を挙げられております。
 65コマ目を見ていただければと思います。これは後発医薬品の評価基準ですが、参考として挙げておりますが、後発医薬品のうち、どのメーカーのものを選ぶのかについて、評価基準をスコア化するという手法がとられておりますので、紹介させていただきます。注目すべき点としては、4に薬価とありますが、これは最大でも1点台であるのに対しまして、1、生物学的同等性試験では、例えば、5品目であれば最大5点、原薬の安定性供給では最大3点と、価格以外の観点が非常に重要視されて選ばれている。また、透明性を持った形で選ばれていることが重要かと思います。
 「現状」についてはまとめておりますので、67コマ目、「論点」でございます。論点としては、重複投薬、ポリファーマシー、残薬への対応、バイオ後続品を含む後発医薬品の使用促進、長期処方時の適正使用、薬剤耐性への対応等、医薬品の効率的かつ安全で有効な使用等について、これまでの診療報酬上の対応や、その他、最近の状況を踏まえてどのように考えるかということで論点を提示させていただいております。
 以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 では、松本委員、お願いします。
○松本委員
 では、まず、66ページと67ページにある現状と論点に沿って御質問いたします。
 1つは、重複残薬、ポリファーマシーについてですけれども、残薬の最大の原因は長期処方と思いますけれども、1処方当たりの医薬品の数の制限や、2剤減らすことによる加算の対応も長期処方がふえる要因になっているのではないかと思います。また、複数の診療科にかかれば、1処方当たりの医薬品の数の制限をしたところで無意味であることもこれまで中医協等でも指摘しております。改めて、1処方当たりで患者の医薬品数を数えるような報酬体系は見直していただきたいと思います。地域包括診療加算診療料の要件にあるとおり、医薬品の種類がふえがちな患者に対して、医師による適切な服薬管理が行われるよう、診療報酬を含めて環境整備することが重要かと思います。一方、1処方当たりの医薬品が多い場合に、院内、あるいは院外の薬剤師がより注意深く適切に処方医と連携することも重要かと思います。ポリファーマシーにつきましては、患者の病態を総合的に判断することが必要かと思います。医薬品の数がふえれば、相互作用や副作用等の危険が高まることについて、患者から積極的に医師、薬剤師に相談するような意識づけを、これは保険者の側からも取り組んでいただければいいのではないかと思います。その上で、減らせる薬は減らすことを医師が行っていくべきだと思います。国と保険者は後発医薬品使用促進の継続に力を入れたときのように、患者の安全面での観点での啓発活動も考えていただかなければならないと思います。
 それから、後発医薬品の使用促進ですけれども、後発医薬品やバイオ医薬品の使用促進については理解しております。これについては協力したいとも思いますが、しかし、同時に適切な診断のもとで一定程度の後発医薬品への変更不可が残る可能性があることは理解していただきたいと思います。各メーカーは、品質確保、安定供給、情報提供をしっかりとお願いしたいとも思います。
 長期処方ですけれども、37ページにあるように、平成28年度で予見することができる必要期間に従った投薬量が適切に処方されるよう、取り扱いの明確化が行われましたので、実効性が伴うように施策を講じるべきだと思います。長期処方が重複残薬、ポリファーマシーの要因に非常に強くなっていますので、患者の安全及び医薬品の廃棄を減らすという観点からも対策が必要だと思います。
 薬剤耐性の対応ですが、前回改定で抗菌薬の適正使用を推進しましたけれども、46ページにあるように、成果が出ていることは評価できると思います。
 もう一点、その他のところで、フォーミュラリーについてですけれども、病院においては随分前から学会の診療ガイドラインなどの医学的知見も踏まえて採用薬を会議で決定することが行われています。経済性も当然、経営上の課題として加味されるのが普通です。公立病院等で後発医薬品採用リストを公開されていることがありますけれども、このリストもその一つかと思います。それが最近ではフォーミュラリーという名前に変わって、地域で発展している状況があることと理解していますが、また、以前と比べると病院薬剤師がしっかりと医薬品情報を整理して、採用会議に臨んでいる病院もふえていることは非常に好ましいことだと認識しています。フォーミュラリーを地域拠点の医療機関が公開することで、診療所が地域の拠点病院の採用薬を参考にすることができ、もしかすると地域で協力して一括購入するところもあるかもしれません。ただ、その一方で、その地域で採用している医薬品が、万が一、メーカーや急な市場撤退があった場合、他のメーカーの代替薬剤を遅滞なく地域で選定し、卸しが地域の全医療機関に速やかに納入できるのか、この辺は卸しの対応も含めて考える必要がありますが、国としてここはどう考えていらっしゃるかはお聞きしておきたいと思います。
 それから、採用薬については、医療機関レベルでも地域レベルでも検討の場があることはよいことだと思いますが、これはある意味、中医協での報酬とは別のことなのかなという感じもいたします。
 あと、フォーミュラリーについてですけれども、1つ懸念があるのは、大手調剤等がこういったところで指導して、非常に偏ったフォーミュラリーにならないようにということだけは念を押しておきたいなと思いますが、この点についてもいかがでしょうか。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 まず、御質問ありました、地域で採用している医薬品が、万一、メーカーによる回収ですとか撤退があった場合に、卸しはちゃんと対応できるのかというお話があったかと思いますが、その薬以外は全く使えない、絞り込むということでの推奨という形は、地域のフォーミュラリーでも今までされておりません。当然、ある程度のボリュームのものがそのお薬になるとは思いますけれども、それ以外のお薬が全く供給されていない状態ではないとお聞きしておりますので、いきなりそのお薬がなくなったために、その地域でほかの薬が使えなくなるという状況にはならないのではないかと思っております。
○松本委員
 そうならないようにしっかりとお願いしたいと思います。
 もう一点のほうはいかがでしょうか。
○田辺会長
 では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 フォーミュラリーの策定に当たっての薬局の関与とか、そういった観点の御懸念かと思いますけれども、基本的にフォーミュラリーにつきましては、57コマ目にあるとおり、一般的には「医療機関等において、医学的妥当性や経済性等を踏まえて作成された医薬品の使用方針」を意味するものということで使われていると思います。浜松医科大学附属病院などでも、質と安全性の高い薬物治療を行うために、こういったフォーミュラリーを定めて、しっかりそれに基づいて、院内、あるいは地域で取り組んでいくということだと思いますので、そういったことが徹底されることが重要ではないかとは思っております。
○田辺会長
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 先ほど意見の中で話しましたけれども、報酬のこととは別だと、フォーミュラリーについてお話をしましたけれども、今後、フォーミュラリーについて、診療報酬で対応することはないといった理解でよろしいでしょうか。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 それも含めてここで議論していただきたいと思っております。私どもとしては、確かに単なる病院の経済性だけの話ではなくて、ここにありますように、質だとか、安全性という問題に関しての効果も若干あるとしていますので、それも含めて御議論いただければと思っております。
○田辺会長
 よろしゅうございますか。ほかはいかがでございましょう。
 では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
 ありがとうございます。私から2点あります。
 まず1つは、重複投薬・相互作用等の防止加算が現在あると。これは調剤薬局で医療機関に対して問い合わせ等したときの加算だと理解しております。これはこれで非常に重要なことだと思います。重複投薬ということで、同じ医療機関から複数の診療科で同じような薬が出てくるとか、あるいは他の医療機関から同じ薬が出てくる。これを連絡していただければ、大変大事なことですし、それから、この薬とこの薬はもともと飲み合わせが悪いから一緒には飲みませんよというのが違う医療機関から出ているということで連絡いただく。これは当然のことだと思っております。
 一方、ポリファーマシー対策ということで、これは数の問題ではないと。明らかにこの薬とこの薬は飲み合わせが悪いというのは、当然、害が出ることはわかっているわけですけれども、数が多いから悪いわけではないけれども、数が多ければ、それだけいろいろな薬同士の関係が複雑になってきて、個人、個人によりますけれども、何が起こるかわからないと。そのポリファーマシー対策を、東大の例とか、国立長寿医療研究センターの例が出ていますけれども、相当に大勢のスタッフが時間をかけて対応されている。特に病院薬剤師の役割は非常に重要だと思っておりますし、毎度申し上げますけれども、病院薬剤師の仕事の重要性は改めてここで強調したいと思います。
 それから、もう一点、いわゆる処方日数の話ですけれども、30日を超える生活習慣病薬が出ているのは3割以上あるというデータを出していただいていますけれども、これ、どういった医療機関から長期処方になっているかというデータ、今回はお示しいただいてなくて、前にあったのかもしれませんけれども、改めて、ぜひお願いしたいと思っています。というのは、今、いわゆる医療機能の分化のお話があって、例えば、60日とか90日とか120日みたいな処方を出されるような医療機関も現実にあります。数はそんなに多くないのですけれども。そういった安定した患者を病院でずっと診ておられるということは、病院の医師に対する、現在の働き方改革に逆行するようなお話でもありますし、機能分化をしっかり進めていただくという意味で非常に重要だと。あるいは長期間出るというのは、先ほど松本委員からもありましたように、残薬の問題にもつながってまいりますので、ぜひともデータを出していただいて議論させていただければと思います。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。では、城守委員、お願いいたします。
○城守委員
 ありがとうございます。今、松本委員、そして今村委員からお話があった多剤、そして残薬等の問題なのですけれども、基本的に、今、両委員がお話しされたように、高齢者になられると、人によっては疾病数がふえる、それによって服用する薬剤の量も多くなることは当然あり得ることであって、しかし、現在の制度においては、減薬を評価するという制度とともに、多剤を減額するという体制は、これから高齢者が非常にふえていく中においては、なかなか、その個別性を正しく評価できていないのではないかと思いますので、そのあたり、しっかりとその選定要件で減額ができない形等を検討していただきたいと思います。
 その中で、39ページなのですけれども、ベンゾジアゼピン系の向精神薬の適正化という項目なのですが、少し細かいお話で申しわけないですが、精神科的には、向精神薬、ベンゾジアゼピン系を含めてですけれども、その量を変更することは、患者にとってかなり大きな影響が出るということは、精神科としてはほぼ常識になっているはずではあります。現在において、単剤化に向けて治療の方針が変わってきていることは重々承知していますし、正しい方向であろうとは思いますけれども、しかし、難しい症例は多々ありますので、そういう人に対して、減薬をしていくという流れが、例えば、40のスライドでは、向精神薬の数量は横ばい、そしてベンゾジアゼピンに関しては減少傾向にあるという分析がありますけれども、例えば、精神科を標榜されている先生と、内科系、ないしは他の先生の処方によって、この傾向がどうなるかというデータを持っておられるかをお聞きしたいのが1点。
 そして、もう一点は、先ほどから出ておりますが、院内において一定程度のフォーミュラリー的な制度、体制を組んでいくことは理解していきますが、これを地域に広げていく、そしてさらにこれを厳格化していくことになりますと、その地域において、先ほどから述べていますように、人によっては、こっちの薬のほうがよく効くとかいう個別性というのは多々あるわけですね。ですから、その個別性というものがかなり制約を受けることにもなりますので、このフォーミュラリーというのは、地域にわたって余り厳格に適用していくのはいかがかなと思います。その中において、64のスライドでは、地域フォーミュラリーが患者や医療機関に与える影響という形が出ておりますが、フォーミュラリーは諸外国ではかなり進んでいるところも多いと思うのですが、いわゆるメーカー、企業に与える行動変容がどういう形になっているのかというデータをお持ちならば教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○田辺会長
 2つほど御質問あったと思いますけれども、お手元の資料等で答えられますか。では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 まず、向精神薬の件でございますけれども、これについては、NDBデータ等でわかるものがあればお示しするように、探してみたいと思っております。ただ、これは経過措置がございまして、実際適用になるのはことしの4月からという状況でございます。そのちょっと前の、診療報酬上の対応前の段階での分析ができるかどうかをやらせていただきたいと思ってございます。
○田辺会長
 では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 城守委員から御質問ありましたフォーミュラリーに関して諸外国での企業への行動変容に対する影響というところでございますけれども、すみませんが手元にはデータ、そういった情報はございませんので、確認することができるか、少し検討させていただければと思います。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょう。では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 ありがとうございます。13ページのポリファーマシーに対する取り組み、個別の話で申しわけないのですけれども、平成28年度に医療機関における薬剤総合評価調整加算及び管理料について制定されたわけで、例えば、外来に対する管理料においては、4週間以上経過した6種類以上の内服薬を受診時に2種類以上減少した場合に評価するというのですけれども、この評価の要件としては、4週間以上継続すると見込まれる場合に算定すると、こうなっていたと思うのです。ですから、受診時に2種類減少しただけではなくて、その後も継続して適切な管理指導していくことこそが薬物有害事象のリスク低減効果の観点からも重要な取り組みであると考えておりまして、それこそが報酬上での評価に値すると考えますけれども、具体的に4週間以上継続が見込まれる場合と判断するのは、例えば、管理料に算定された患者がその後どのような状況にあるのか、追跡調査のようなことをある程度実施して把握しないとわからないのではないかと考えていますけれども、また、薬局との連携での50点加算もそうですけれども、有機的に他の報酬等が連携して継続的なコントロールができているのかどうか、フォローし、チェックすることが必須要件であると考えますけれども、そういう考え方でよろしいのか、まずお聞きしたいのですが。
○田辺会長
 薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 すみません、御質問は薬局の点数ということでしょうか。
○吉森委員
 いや、医療機関における減薬の評価で、例えば、13ページの外来患者に対する減量の評価は、4週間以上継続すると見込まれる場合に算定するとなっていたと思うのですけれども、その4週間以上継続するというのをどうフォロー、チェックしているのか、それが一つの要件だと考えてよろしいのかという質問です。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 基本的には、見込まれるというのは、入院患者が退院時に見込むということでございまして、おっしゃるとおり、その後のフォロー、4週間後まで継続しているかどうかというところについては、データとして何かフォローしているということを求めているわけではございません。ただ、退院時の処方と、退院時の申し送りという中には当然、このお薬をこういう形で投与していますということは引き継いでいただいていると考えております。
○田辺会長
 では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 現実的には、入院患者に対しては、実効性からフォローはしやすいのだろうと思いますけれども、外来患者についてのケースは具体的にどうやってフォロー、チェックして、4週間継続しているかをやっているのかは教えていただけますか。
○田辺会長
 では、有澤委員。
○有澤委員
 ありがとうございます。恐らく外来においては、退院後もしっかりと薬がふえないようにということで、かかりつけ機能の中でしっかりチェックしていると考えています。
○吉森委員
 具体的には、かかりつけ医にかかってなければ、4週間継続って、たしか要件として入っている、見込まれるということはどう判断するかですけれども、言いたいことは、ここのところで、2種類減少、4週間継続のフォロー、チェック対応というのが、実効性がある形の要件設定というか、制度として明確化されているのかが重要な論点だと思いますし、薬局においてもそうですけれども、この辺のフォローアップの体制は、減薬効果を見ていくには、実効性を担保する意味でも非常に重要な論点だと思いますので、その辺について今後議論を進める必要があるのではないかと、これは一つの意見です。
○田辺会長
 では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 今まで出た意見と重複する部分もあるのですが、長期処方と後発医薬品、フォーミュラリー、それから、向精神薬について、意見と、事務局の見解を求めたいと思います。
 まず、長期処方ですが、増加傾向であるということで、何とかしなければいけない緊急な課題だと認識しております。その対策として、平成28年度改定で分割調剤という仕組みが取り入れられ、平成30年度では処方箋の見直しが行われました。平成30年度改定前後で分割調剤がどれだけ算定されているかを健保連で独自に調査したところ、改定前では0.05%、改定後は0.04%と減少しているという結果が出ました。分割調剤という仕組みは取り入れられましたが、認知度も低く、処方箋を3回に分ける場合は処方箋を3枚に分けなければいけないとか、技術料も3分割にしなければならず、薬局にとっても非常に煩雑な仕組みで、このままだと、分割調剤は一向に進まないと思います。薬局、患者にとってもっとわかりやすく活用しやすいような新たな制度を検討していくべきではないかと思っています。この点について事務局の見解を後ほどお伺いしたいと思います。
 また、フォーミュラリーについて、諸外国では関係学会が作成するガイドラインにフォーミュラリーの考え方も必ず入っています。なぜ日本の学会がつくるガイドラインには、このフォーミュラリー的な考え方が入らないのか。行政が何らかの形で関与できないのかお教えいただきたいと思います。フォーミュラリーを進めていくのであれば、まずは関係学会がガイドラインをつくっていくということを進めるべきだと思います。また、地域フォーミュラリー、院内フォーミュラリーにしても、診療報酬で誘導していくのは少し違うと考えております。
 あと、院内フォーミュラリーにつきましては、聖マリアンナのようにしっかりとやられているところがあります。DPC病院では自院の経営の効率化にもつながり、自助努力で実施していただきたいと思います。
 それから、地域フォーミュラリーも、協会けんぽの静岡支部が医師会、薬剤師会と取組んでいるという話も聞いておりますが、保険者が積極的に参加して、地域フォーミュラリーを全国展開するような仕組みを構築していくことが一番いいのではないかと思います。
 健保連では、フォーミュラリーを導入することでどのぐらい薬剤費の適正化につながるかを分析しているところで現在、精査中なので数字は申し上げられないのですが、生活習慣病治療だけで数千億単位の適正化につながる想定ですので、ぜひ進めていくべきだと思います。フォーミュラリーを作成する場合は厳格なルールをつくるのではなく、効能・効果が一緒であれば、まずは後発医薬品を第1選択薬とするだけでも良いと思います。フォーミュラリーが普及すれば、後発医薬品の推進にもつながります。まずは医療機関が率先してフォーミュラリーを推進し、それを薬剤師や保険者がチェックしていくという体制をつくっていくことが必要ではないかと思います。
 最後に、向精神薬の長期処方について、これまで平成26、28、30年度改定で3回も見直されたにもかかわらず、スライド40を見ると、ベンゾジアゼピン作動薬の数量がそんなに大きく減少していない。向精神薬の長期処方等の適正化に関する政策提言を前回、健保連でもさせていただきましたが、先ほど城守先生の御質問にありました、どういった医療機関が処方しているかを健保連の調査で回答させていただきます。向精神薬の6割が内科医からの処方という結果が出ておりまして、かなり長期にわたって向精神薬が処方されている例も多々ありました。諸外国などは、継続の処方日数を制限している国もある中で、日本は診療報酬点数の減算による対応しかしておらず、諸外国に比べると少し制限が甘いと言わざるを得ません。長期・多剤処方等について、もう少し厳格な対応をしていく必要があるのではないかと思います。
 以上3点意見を申し上げましたが、1点目、2点目について、もし医療課の見解があればお聞かせいただきたいと思います。
○田辺会長
 では、薬剤管理官、お願いします。
○田宮薬剤管理官
 まず、分割調剤についての御指摘でございますけれども、なかなか分割調剤が進んでいないのではないかという御指摘だったかと思います。平成29年度の社会医療診療行為別統計を確認したところ、平成29年度のデータになりますので改定前でございますけれども、単月のデータで約1万3000回の分割調剤が行われているという実績がございます。平成30年度、改定後のデータがどうなっているかは、また統計が出ると思いますので、それも踏まえて御報告させていただければと思います。実際、分割調剤が、患者、あるいは薬局サイドから見て、現行の処方箋の様式がなかなか使いにくいのではないかといった御指摘もございました。また、医療機関側で処方医が分割調剤の指示の処方箋を出そうとしたときに、レセコンでそういった様式が打ち出せないとか、そういった話も聞いたことがございますので、そういったところも含めて対応していく必要があるのではないかとは思っております。いずれにしましても、そこは処方する側、それから、薬局側の実例の中で、どういった問題点、改善すべき点があるのかは、よく意見を伺った上で検討していかなければいけないのではないかと思っております。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 学会への働きかけという話がありますけれども、学会に対して、前回、エビデンスの会でもお話しさせていただいたように、最終のエビデンスに基づいた形でリバイスを当然していっていただきたいと思っておりますし、今、どういう状況かについては、私ども、診療報酬の中で参照しているものに関しては、そのリバイス状況についての御報告のお願いをさせていただいております。
 ただ、これは、一般的な、高血圧ですとかも含めて、いろいろなものに関してのガイドラインでございます。当然、学会として、診療に関してのガイドラインはつくっていただきたいと思っていますし、そうあるべきだろうとは思いますけれども、おっしゃっている病院の中での採用を決める際のものと、使用に関してのものと、それから、いわゆる学会がつくられているガイドライン、当然、学会がつくられるガイドラインは非常に参考になるものでございますけれども、では、それぞれの病院における採用に関して、それが本当に全てかというと、そうではなくて、それぞれの病院の中の診療の内容ですとか、選択、どういう患者が多いのか、そういうものによってまた変わると思いますし、いろいろな新しい薬が出たときに、いろいろな患者の全ての情報がその時点でそろっているという状況ではありませんので、先ほど治験のお話があったかと思いますけれども、実際の治験の情報は提供されたとしても、真の臨床上における情報が新薬が出たときにそろっているというわけではありません。ですから、病状ですとか、そういうものに合わせながら、それぞれ病院の中で適時考えていくという姿勢は必要だろうと思っております。ただ、それが本当に診療報酬上評価するかはこの場で議論していただきたいと思いますけれども、学会のその話が、イコールそれがあれば、院内のフォーミュラリーができるというものではないと考えております。
○田辺会長
 宮近委員、お願いいたします。
○宮近委員
 ありがとうございます。実態がよくわからないものですから、もう少し知りたいという観点から3点質問させていただきます。
 まず、第1点目は、21ページでは、重複投薬・相互作用防止加算と外来服薬支援料の算定件数自体は増加傾向にあると示されているわけですけれども、具体的に重複投薬や残薬削減の効果につきまして、事務局サイドで把握している内容があれば教えていただきたいと思います。
 それから、2点目は、54ページですが、3つ目の○に「実際のバイオ後続品の使用割合はNDBのデータから算出した割合よりも大きいことが示唆される」とあるわけですけれども、血液透析等の包括分の使用量も含めて、その実態を正確に把握するという方法はないものなのかということが質問の2点目です。
 3点目は、62ページ以降にある酒田市における地域フォーミュラリーの好事例についての紹介ですけれども、こういった事例について、具体的にフォーミュラリーの構成はどういった観点や基準から、もっと言うと、どういう方がリードして、どういう組織がリードして決定しているのでしょうか。もっと平たく言うと、他の自治体でこういったことをある程度参考にしてフォーミュラリーをつくりやすくなるのかということについてお伺いしたいと思います。
○田辺会長
 では、薬剤管理官、お願いいたします。
○田宮薬剤管理官
 重複薬・相互作用防止加算の効果のところでございますが、手元にデータはないのですけれども、平成30年度の診療報酬改定のときに、福岡市の薬剤師会が取り組んで、疑義照会などを通じて薬を変更することで、出し入れがあるのですけれども、削減額が幾らぐらいに推測されるといったデータがあったと思いますので、また改めて御報告させていただければと思います。
 それから、最後の質問の日本海ヘルスケアネットの地域フォーミュラリーのところでございますけれども、運営体制等については62コマ目に書いてございますとおり、地域フォーミュラリー作成運営委員会において、地域医療連携推進法人と地元の医師会、薬剤師会、それから、地域の病院長などが一体的になり、地域で、いわゆるトップダウンのような形で推進していると理解しております。地域フォーミュラリーは、地域によって、医療機関の構成とか、医療提供体制とかもさまざまだと思いますので、それぞれの地域で適切な形で進める必要があるのではないかと思います。山形県酒田市の事例がほかの地域にそのまま適用されるかというと、それはまた各地域で御議論いただく必要があるのではないかとは考えております。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 資料54ページのバイオ後続品の使用割合の中でのエポエチンの使用割合ですが、実はNDBでは、そのお薬を使用したとレセプトで書かれている場合は、どう使用されたかがはっきり数字で、全国的に集計ができますけれども、人工腎臓の中に包括されている薬剤、ほかにもいろいろな薬剤がいろいろな点数に包括されているわけなのですが、そういう場合には、薬剤量をレセプト上からは集計することができません。ですので、今回、できるだけそれが推計できるようにということで、企業が公表されている販売量から推計してみたということでございまして、そこにありますように、NDBで見た数字は66%ですけれども、NDBで見ると4億円ですけれども、実際販売されているのは66億円でございますので、今、66%と出ているものよりも相当多い数字が後続品に置きかわっているだろうと推測されるということでございまして、それよりさらに詳しいことは残念ながら、私もかなり探させていただきましたけれども、ちょっと見つからなかったということでございます。
○田辺会長
 よろしゅうございますか。ほかはいかがでございましょう。では、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
 ありがとうございます。先ほど分割調剤のことが出ましたので、私から少しお話しさせていただきたいと思います。処方箋自体が間違いなく長期化が少しずつ出ております。私も現場にいると、90日、120日というのを結構よく目にしますし、そういった中で、薬剤師が服薬期間中の患者のフォローをしっかりしていくのだということが大切だと思っています。そういう観点から、医師の指示による分割調剤の手続が明確化されて、さらに具体的な処方箋様式とかも出ています。実際には確かに数は少ないと思います。先ほど薬剤管理官から説明あったように、医療機関での分割処方箋の発出ですか、通常のオーダリングで入れるのと違って、システムの改修が必要だという話も聞いていますけれども、1年ほどたった中で、ある程度できているとも聞いていますし、直近では、医療機関、あるいは処方医から、この件についての問い合わせも現実にあります。そういったところから、これから徐々に進ませていくには、やはりネックになる部分も確かにあります。3枚一緒にしたものをばらしてはだめだとか、患者に戻して、また持ってきてもらう間に紛失のリスクもあったりとか、さまざまな課題があると思いますので、その辺のところはよく調べた上で、使いやすいものにしていくことも必要ではないかと思います。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 では、平川委員、お願いいたします。
○平川委員
 最初に12ページのポリファーマシーの現状のところで、この四角囲いの書き方が、「単に服用する薬剤数が多いことではなく」というところに下線が引いてあります。それはそうなのでしょうけれども、ただ、前回の多剤に対する診療報酬上の評価に関して、基本的には3つ目の○の、高齢者では6種類以上の投薬で有害事象の発生増加に関連したというデータがあり、この点についてかなり重視されて議論されていたという記憶があります。一般論としては、やはり多剤の問題は有害事象が比較的多いということで議論の柱となっていたわけでありますけれども、四角枠を見る限りでは、新たな多剤に関しての議論の柱が、もう少し深い論点にしていこうという意図が見えるような気がします。新たな観点について、さらに深掘りの議論をしていこうという事務局の意図があるかどうかを教えていただきたいと思います。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 意図を尋ねられていますけれども、基本的に私どもは、ポリファーマシーということに関して、先ほど言ったように、単なる多いものではなくて、多いことによって何らか有害な事象が出ている、これに対して対応しなければいけない、厚生労働省として考えておるというのはそのとおりでございます。そうしたときに、これまでいろいろなことを対策としてやってきました。それがどう効果があるのか、足りないのであれば、さらに対応を進めることも検討しなくてはいけない。また、何が有効なのか。先ほど言ったような処方箋の種類の話なのか、それとも、かかりつけ医、かかりつけ薬剤師の対応なのか、何が本当に効くのかということも含めてしっかり議論していかなければいけないと思っているということでございます。
○田辺会長
 では、平川委員、お願いいたします。
○平川委員
 わかりましたが、これを診療報酬上でどう評価していくのかは、ある意味、大変難しい問題であるものの、基本的には、これまでの一般原則について、大きな変更については、慎重に考えていかなければならないのではないかと思います。確かに患者の状況は個別性が高いのですけれども、それによって大きな問題が見逃されてしまうことにならないような対応が必要かと思います。
 それから、13ページのポリファーマシーに対する取り組みで、右側の箱の下のほうに外来患者に対する処方箋の疑義照会の評価ですけれども、平成28年の調査では、疑義照会が行われた割合が出されております。そんなに多くはないのですけれども、多ければいいというわけではありませんけれども、一方で、薬局が医療機関や医師に対して疑義照会しづらいという現場の実態があるのかどうか、もしくは疑義照会を行いやすくするための運用上の見直しについては、これは意見ですけれども、さらに分析が必要なのではないかなと考えているところであります。
 それから、このページの右側の箱の中の入院患者に対する減薬の評価と外来患者に対する減薬の評価があります。当然ではありますけれども、入院中における減薬への努力についても、どう考えるかが課題としてあるのかなと思いました。これは意見として言わせていただきます。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員 時間のないところ恐縮なのですけれども、ポリファーマシーの概念はしっかりもう一度確認したほうがいいと思うのですね。先ほど6剤以上あると有害事象が多くなるというのですけれども、12ページのデータを見ていただくとわかるのですけれども、薬は臨床で1剤でも害が出る人は出るのですね。数が多くなれば比例的に多くなるかというと、これを見ると、6剤から10剤まではほとんど同じなのです。なので、やはり個別性というのはすごく多くて、それをきちんと見きわめることが医師であり、薬剤師の役割だということで、そこについての我々の役割が大きいというのはわかりますけれども、単純に数を減らしたら有害事象が減るというような短絡的なものではないということだけ改めて確認させていただきたいと思います。
○田辺会長
 では、猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
 ありがとうございます。今のポリファーマシー、多分、すごく大きい問題だと思っています。7ページ、8ページを見ると、先ほども説明がございましたけれども、一番の問題は、1枚の処方箋よりも、多科受診、他医療機関の受診の場合なのですね。これをどう多剤にならないようにしていくかは非常に難しい問題で、中心になる主治医というか、かかりつけ医、それと薬局が協力しないと、多分、やっていけない。入院はむしろ、大体1人の医師が管理して、薬剤師が全部見ますから、やろうと思えば、かなり楽にできていけるのですけれども、外来の他科受診におけるポリファーマシーについて、じっくりといろいろなデータを見て、有効な方法をぜひ中医協の場でも議論していくべきだろうと思っております。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょう。では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 時間がないところで申しわけないのですけれども、後発医薬品の使用促進で、26ページに、前回、薬局の減算対応をさせていただいたということであるのですけれども、医療機関に対して、そのときも申し上げたのですけれども、単に後発医薬品の使用率が高いからいいということではないというのは一定理解しているわけですけれども、医療機関の使用割合のパーセンテージの分布を出していただいて、著しく使用割合が低いことが浮き彫りになるのであれば、そこに対しては、処方箋料の減算等も含めた形の減算も一つ検討に値するのではないかというのが意見です。
 それと、43ページ、抗菌薬の小児の適正使用支援加算について、3月27日の検証部会での検証結果報告によると、医療機関が抗菌薬の適正使用について困難と感じることとして、抗菌薬が不必要なケースにおける投与処方を望む患者への説明が非常に難しいとか、抗菌薬を投与処方しなかった場合の重症化リスクを恐れるとか、医療機関間での処方に関する判断の分かれがあるというのが40%ほど挙げられておりましたけれども、抗菌薬の適正使用推進ということから言えば、現状の支援加算の診療報酬上の手当だけではやはり不十分だと考えますし、啓蒙普及活動をどうやっていくかが非常に大きい論点だと思いますし、43の下に要件として、使用の手引きをきちっと小児かかりつけ医診療の要件だとしておりますけれども、ほかに厚生労働省事務局としては、関係学会、関係機関等、どのようにこれについて普及活動を行っていくのか、どういう対応を考えているのか、もしあれば教えていただければと思います。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 診療報酬の対応ということでは、この点数の説明という話になりますけれども、基本的には、いわゆるAMRの対策という形で、感染症対策課がいろいろなところにおいて、いわゆる薬剤耐性問題の中で、いろいろな学会ですとか、それから、地域とのコミュニケーションという形で啓発活動みたいなことをさせていただいておりますし、また、前回、医療のかかり方という形で、患者側から医療に対し、どうかかっていくのか、いわゆる小児救急の問題ですとか、そういうものと同じような形で、医療のかかり方を考えるということも、今、厚生労働省で取り組んでおります。その中の一つとしてやっていただきたいと思っておりますし、そのように関係部局に伝えたいと思っております。
○田辺会長
 吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 せっかく検証部会で、先ほど申し上げた3点あたりについて、診療サイドがかなり困難だと考えているわけですから、そういうことに対する、個別具体的にどういう対応をしていくのかというあたりも、今おっしゃった中の論点に入れていただいて対応を練っていただくことが先決なのだろうと思いますので、よろしくお願いします。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょう。では、島委員、お願いいたします。
○島委員
 フォーミュラリーに関してですけれども、院内の場合は当然、市場にある全てのものがあるわけではありませんので、自分の医療施設にあるものの中で患者ファーストの観点から、どういったものを使うことが患者にとって一番いいのか、無駄のない投薬が副次的にも収支の改善に値するということですので、こういった考え方を普及啓発することが非常に重要だろうと思います。これを診療報酬で評価することはちょっと違うのかなという気がします。意見です。
○田辺会長
 では、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
 ポリファーマシーの件について、先ほどから少しお話が出ていたので、薬剤師の立場からお話をさせていただければ、1つの医療機関から薬がたくさん出るよりも、他科の受診によって薬がふえることがすごく問題になっていますし、現実に一元化されている患者であれば、かかりつけ薬局薬剤師であれば、そこはしっかりと適正化を図っていっているというのが現状だと思っています。一方で、かかりつけ薬局薬剤師の認識が患者側にまだまだ足りない。そういった観点から、保険者の側でも加入者に周知をしていただくのは有効な方法ではないかということ、一方で、どうしても都合で薬局1件に決められなくても、お薬手帳の普及はしっかりしていますので、患者は常に持って、その上でチェックを受けるのだということも、私どもも一生懸命、地域住民に対して普及はしていますけれども、保険者側から加入者に対する周知、啓発もやっていただくことが大変有効だと思っております。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますか。それでは、ほかに御質問もないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○田辺会長
 ありがとうございました。それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。アジェンダが結構残っているものですから、議事の進行に御協力いただければ幸いでございます。
 次に、医療機器に関する資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
 では、企画官、よろしくお願いいたします。
○古元医療課企画官
 ありがとうございます。それでは、資料総-4-2をお願いいたします。「医療機器の効率的かつ有効・安全な利用について」ということで、2コマ目に本日の内容を記載してございます。
 3コマ目ですが、日本のCT及びMRIの台数は他国と比較して多い傾向にあるという現状がございます。
 また、次のスライドですが、CT、MRIともに年々増加傾向にございますが、そのうち64列以上のマルチスライスCTでありますとか、3テスラ以上のMRI、こういったものについては全体に占める割合は小さいと、こういった現状がございます。
 続きまして、5コマ目、各都道府県の人口10万人当たりCT及びMRIの台数を記載しております。都道府県によりましてばらつきがございますが、いずれも増加傾向にあるといったトレンドでございます。
 また、6コマ目です。これは諸外国との比較でございますが、人口1,000人当たり、CTについては最多、またMRI検査についてはドイツに次ぐ2位という現状がございます。
 他方、7コマ目ですが、CT1台当たり及びMRI1台当たりの検査数で見ますと、先進国では最小となっているという現状がございます。
 8コマ目は、国内の二次医療圏ごとの台数と1台当たり検査数につきましては、こういった相関があるといった内容でございます。
 9コマ目でございます。これは医療機関に設置されているCTやMRIの実際の1月当たりの検査回数をお示ししたものでございます。赤い丸で書いてございますとおり、1カ月間、1度も検査が行われていない機器も存在するといったことでございます。
 10コマ目、これは平成28年改定におきまして、共同利用施設において行われる場合のCT及びMRI検査について、若干高い点数をつけているといった現状の御報告でございます。
 この結果が11コマ目でございますが、こうした共同利用については、まだまだ伸び悩んでいる状況があるということでございます。
 12コマ目が、なぜ共同利用が進まないのかといったアンケート結果でございます。左側の円グラフをごらんいただきますと、共同利用の算定を行った医療機関が6%ということで、その理由が右に記載してございます。
 続きまして、13コマ目、こちらはポジトロン断層撮影という検査についてでございます。こちらにつきましては、平成14年度診療報酬改定におきまして、共同利用率を20%、その後、30%に引き上げておりますが、それを満たさない場合に減算をするという規定がございます。この検査については、そのグラフにございますとおり、ほぼ全ての施設において共同利用の要件を満たしているという状況でございます。
 14コマ目でございます。これは、診療報酬上入院している患者が他医療機関の検査、治療等を受けられた場合に入院料を減額するという規定がございますが、平成30年度診療報酬改定におきまして、高度な放射線治療機器を用いる治療を行った場合の減額措置を緩和したと、こういった取り組みの御紹介でございます。
 15コマ目、16コマ目は参考でございますが、改正医療法におきまして、「地域の外来医療に係る医療提供体制の確保に関するガイドライン」におきまして、地域ごとに共同利用についてもしっかり検討するようにと、こういったガイドラインがある状況でございます。
 17コマ目は、いわゆる骨太の方針でございますが、昨年度及び今年度におきまして、いずれも共同利用率の向上などを図ると、こういった内容が記載されております。
 ここまで、CT、MRI等の現状を御報告申し上げました。
 18コマ目が、一番下に論点を記載しておりますが、CTやMRI、ポジトロン断層撮影に係る共同利用の実態を踏まえ、医療機器の効率的な利用をさらに推進する観点から、どのような対応が考えられるかということでございます。
 続きまして、19コマ目からが大きな2つ目でございます。「医療機器の有効・安全な利用について」ということで、まず20コマ目をごらんください。日本の医療被曝の現状でございますが、日本の医療被曝の線量は世界的に見て高い。特にX線CTの検査の被曝量が大きくございます。
 こういった状況を受けまして、21コマ目、日本学術会議におきまして、放射線利用の有効性を損なうことなく、不必要な被曝を避け、国民の医療被曝を低減するための提言が行われているところでございます。
 また、22コマ目は学会の取り組みでございますが、小児の軽度の頭部外傷に対する頭部CTにつきまして、こういったリスク評価を行った上で、推奨する、しない、こういった基準を示しているということでございます。
 23コマ目は、Choosing Wiselyという、アメリカを中心とした取り組みの御参考でございます。
 そこで、24コマ目、下の「論点」でございます。画像検査を有効かつ安全に実施する観点から、ガイドライン等に基づく画像検査の実施をさらに推進していくために、どのような対応が考えられるかということであります。
 最後、超音波検査についてでございます。26コマ目をごらんください。現在、超音波検査につきましては、高度化かつ多様化が進んでおり、現場では多様な超音波診断機器が利用されております。
 27コマ目が現在の診療報酬上の評価でございます。左側に記載のとおり、基本的には検査をする部位に応じた点数が設けられておりまして、そのうち一部の検査、胎児心エコーにつきましては、実施医師及び医療機関の要件を設けているところでございます。
 そこで、28コマ目、「論点」でございます。超音波検査につきまして、高度化及び多様化が進む中、その評価をどのように考えるかということでございます。
 以上、御協議をよろしくお願いいたします。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 まず、18ページ目の論点でございますけれども、点線内の課題に、今後、より効率的な医療提供体制の構築に向け、医療機器の効率的な活用をさらに推進していく必要があるとの記載になっており、診療報酬ではなく医療部会のマターのようにも見えてしまっておりますけれども、それはさて置いて、我が国においてCTやMRIは一般的な診断機器として普及しており、超高齢社会において、低侵襲で、被曝は除きますけれども、高い診断能を有する機器として、有用性は極めて高いものです。また、医療被曝のことについても20~21に触れられておりますけれども、やはりこれはCT1回当たりの検査において、被曝線量を少なくするいろいろな仕組みをしっかりと学会ベースとかで考えていただきたいなとは思います。日本では日常において、わずかな徴候でも丁寧に診察することが行われており、胃がん、大腸がん、肺がんなど、世界的に見ても早期発見に優れております。かかりつけ医機能を有する診療所、有床診療所、中小病院に配置されることによって、高齢者に便利なワンストップサービスが可能であり、大病院でのより侵襲の高い検査を減らしているとも考えられます。また、我が国では検査コストも低いので、費用対効果は高いと思われます。
 9ページ目の利用実績がない医療機関についてですけれども、何かの理由があると考えられますので、この議論の前に医療機器の販売実態を確認する必要があると考えております。また、診療報酬改定では、毎回、より高機能の機器に高い点数が設定されてきております。このことがかえって、より高い機器の導入をあおっているとの印象を強く持っております。まず共同利用を進めるべきは、重粒子線、陽子線などを初めとした超高額医療機器であって、そちらを推進すべきと考えております。
 24ページ目のところですが、CTなどの検査に伴う放射線被曝については、先ほど少し述べさせていただきました。関連学会のガイドラインに沿って、臨床上の必要性と検査が持つデメリットのバランスを見ながら検査を行うことには賛同いたします。
 最後に、超音波検査ですけれども、患者への侵襲も少なくて臨床的な価値も高い検査であることから、通常診療で広く用いられております。CTやMRIは専門医による読影が可能であって、より高い診断精度を確保することができます。今後も国民に必要な医療を提供されないことがないように、留意しながら検討することが必要と考えています。
 以上です。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょう。では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 ありがとうございます。18ページの論点で議論する前に、CT、MRIの共同利用をさらに進めていくという、これを論点にするのであれば、12ページのアンケートの結果とか、6ページ、7ページの諸外国との比較とか、各県の状況とか、資料提示だけでは、課題抽出、論点整理に対する材料は乏しいのではないかと思いますので、もう少し具体的、詳細的な材料提示、分析が必要ではないかと考えます。
 そこで1つ教えていただきたいのは、6ページ、7ページの国別CT、MRI使用状況を拝見したときに、確かにアメリカは多いのですけれども、近年、検査数が、それぞれ人口当たりとか、1台当たりで減少傾向にあるのですけれども、この状況の理由は何かつかんでいらっしゃいますか。
○田辺会長
 では、企画官、お願いいたします。
○古元医療課企画官
 国によりまして、伸びているところ、あと減少傾向のところも幾つかございますが、原因については、申しわけございませんが、把握はしておりません。
○吉森委員
 その辺も今後、共同利用をすべきなのか、本当にトレンドが実態に合っているかも踏まえ、先ほど松本委員からもありましたけれども、CT、MRIの共同利用を推進するのか、もっと別のところでやるのかというのもあると思いますので、ぜひその辺をよろしくお願いしたいと思います。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょう。では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 先ほど向精神薬をどういったところが処方しているか、健保連の調査結果をご紹介しましたが、正確には精神科を標榜していないところから処方されているのが65%あったというのが健保連の調査の結果でございますので、訂正させていただきます。
 それと、医療機器の効率的な活用は、診療報酬での対応と、16ページに書いてあるように、協議の場で共同利用について検討されるとのことですが、地域ごとに性、年齢構成による調整人口当たりの台数指標を作成して、医療機器の台数が多い県、少ない県の見える化を行い、それをもとに、地域医療調整会議等で議論していくということですが、これがどの程度、進捗しているのか、医政局の所管になるかと思いますが、お聞かせいただけますか。また、地域医療構想では、公立・公的病院に対して、ある程度強制力を働かせることも検討されているのですが、医療機器の共同利用については、何か強制力を発揮できるのかをお教えいただきたいと思います。
 診療報酬上の対応は、平成28年度の改定で一部加算が行われましたが、共同利用する場合と、しない場合でめり張りをつけ他評価を行うことで、充実と適正化を図っていくといった対応が必要ではないかと思います。
 以上です。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 外来の医療に係る医療提供体制のところで、16ページにありますガイドラインの話でございますけれども、これはことしの3月にガイドラインが出ておりまして、今年度は県でまず検討するということでございます。来年、各病院、調整会議での協議になると伺っております。
 それから、公的病院に対する強制力でございますが、機器の設置等まで入るのかに関しては、私どもで情報を今、持っておりませんので、また次回にでも御説明させていただきたいと思います。
○田辺会長
 幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
 地域医療構想のように、もし公的・公立病院について何らかの対応ができるのであれば、そこを最優先してやっていくのも一つの手かなと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
○田辺会長
 では、猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
 共同利用に関しまして、別に反対もしないし、進めるべきだと思っているのですけれども、1点、病院の立場で言わせていただきますと、急性期とか救急をやっている病院に来る救急患者で、例えば、脳梗塞が疑われたときにMRIで診断しないと薬が使い始められないとか、腰痛、座骨神経痛で全く歩けない患者が来て、これもMRIでちゃんと診ないと、椎間板ヘルニアとか狭窄症の状態がわからない。そういう動かせない患者が来たときは、自分のところである程度診断、治療をやるためには、どうしても今やCT、MRIがないと始まらないということも実情としてある。それがゆえに、多少無理してでも、急性期、救急を名乗る場合には、自分のところで整備しなければいけないという事情があることを少し考慮していただかないと、共同利用がだめとか言っているわけでは全然ないのですけれども、そういう事情があることは理解していただきたいと思います。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょう。では、城守委員、お願いいたします。
○城守委員
 今、猪口先生がおっしゃられたことと同じになるわけですが、基本的に共同利用に関して、病院だけではなくて、診療所レベル等におきましても、やはりCT、MRIは診断力において大変大きな意味を持ちますし、それによって初期の段階から中小の診療所ないしは病院で医療をしっかりと手当てできることが重症化につながっている部分もあると思います。
 それと、もう一つ、これは診療報酬上の話等ではないわけですが、医療安全という点において、検査をしていないがために医療トラブルになる場合がございます。その場合は、CTを撮っていない、MRIを撮っていないということで、訴訟的にだめになることが一般的でございます。ですので、Choosing Wiselyというのは概念としては非常にいいわけですが、これは医療の不確実性があるのだということをわかっている国民の方々の国といいますか、そういうところでは一定程度のいい効果を発揮すると思うのですが、徹底的に医療安全を求めるという現状、我が国においては、CT、MRIを共同利用に持っていくのは難しいのではないかと思いますので、松本委員がおっしゃったように、ポジトロンとか重粒子線、そういうものに限定してまずは行っていくことがよかろうと思います。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。では、御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○田辺会長
 ありがとうございました。それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
 次に、「診療報酬改定結果検証部会からの報告について」を議題といたします。
 まず、診療報酬改定結果検証部会の松原部会長から、「平成30年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和元年度)調査の調査票案について」、御報告をお願いいたします。
 
○松原委員
 検証部会長の松原です。
 本日、御報告する資料は、「平成30年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和元年度)調査の調査票案」についてです。
 まずは、本調査票案の作成において、中医協委員の皆様には、短い期間で調査票案を御確認の上、何人かの委員の方々よりコメントを頂戴しましたことを、この場をかりて厚く御礼申し上げます。いただきましたコメントにつきましては、できるだけ反映する方向で検討を重ねて作成した調査票案を本日お出ししております。
 本日御報告するのは、令和元年度に実施する検証調査のうち、1.かかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等に係る実施状況調査(その2)、2.医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進に係る評価等に関する実施状況調査(その2)、3.かかりつけ歯科医機能の評価や歯科疾患管理料の評価の見直しの影響及び歯科疾患の継続的管理等の実施状況調査、4.かかりつけ薬剤師薬局の評価を含む調剤報酬改定の影響及び実施状況調査、5.後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査の5項目に係る調査票案です。
 今後、スケジュール案に基づき調査を実施し、それぞれの報告書がまとまり次第、改めて御報告したいと思います。時間も限られておりますので、個別の調査票の詳細の説明は省略いたします。
○田辺会長
 事務局、ほかに補足ございますでしょうか。
○樋口保険医療企画調査室長
 補足でございますけれども、検証部会におきましては、委員から有効回答率の向上策と、あと、意見照会を各委員にかけさせていただくタイミングを前倒しできないかという御指摘をいただいております。今後の課題とさせていただきたいと考えております。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 では、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
 ありがとうございます。この調査票案に対して十分にコメントできていなかったのですけれども、オンライン診療に関する意識調査の患者票なのですが、診療報酬の改定後の患者の受診行動を把握するという意味では、オンライン診療を受けるきっかけですね。結局、主体的にというか、自主的に申し出たのか、医療側に進められたのか、そういう意味のきっかけと、あと、オンライン診療を受けることにした理由もきちっと把握するべきなのではないかと思いまして、今から入れられるのかどうかわかりませんけれども、患者の受診行動の把握という意味では、入れていただいたほうがいいのかなと思っています。
 以上です。
○田辺会長
 この点、事務局、いかがでございましょう。
○樋口保険医療企画調査室長
 御指摘ありがとうございます。今、いただいた点、2点ございまして、きっかけを調査できないかということと、受けられている理由でございます。オンライン調査の患者票、外-15と、右下のページに入れさせていただいておりますけれども、オンライン診療の届出をした診療機関に対して、来られた患者に調査を行うものでありまして、調査の8に、オンライン診療を受けて感じた感想を一通り聞かせていただいております。これは継続的にさせていただいていることでありまして、こういったことで一定程度見えてくることもあろうかと思います。きっかけにつきましては、今後の検討課題とさせていただきたいと思います。
 以上です。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょう。では、平川委員、お願いいたします。
○平川委員
 この調査の考え方なのですが、よく説明を受けるのは、経年的な動向を把握するために調査を行うという項目と、単年度というか、ある一時点の患者の意識調査について把握するのだという調査が混在している感じがします。経年的な動向も重要なのですけれども、一時的な動向と経年的な動向、なぜそう区分けするか、その辺の根拠がわかるような一貫した調査方法が重要なのかと思います。
 また、経年的な調査を行うということですけれども、調査対象は別な病院だったりするわけですね。ですから、経年的なデータを使うときには、前提として母体が違うのだということをどう捉えるかということが必要なのではないかと思います。母体は違ったとしても、傾向としては受け入れることができるという捉え方でいいのかどうなのかをお聞きしたいと思います。
 もう一つ、この間、健保連で病院の調査をずっとやっていて、そのために、母体が違うのだから、そのデータはおかしいのだという意見が前にあったのですけれども、健保連が実施している経年的な調査も同じように捉えていいのかどうなのかをお聞きしたいと思います。
○田辺会長
 では、お願いいたします。
○樋口保険医療企画調査室長
 御質問、幾つかいただきました。経年で見ているところと、一点で見ているところがございますが、この検証調査の内容は、改定の結果を検証するということでありますので、基本的には改定の前と、その後、直近を把握したいということでありますが、調査項目の中では、直近の医療機関の状況がどういうことかを調べた上で、そこが改定の前と後でどう変わったかを調べるという意味で、年度をまたいでいるものと直近の状況を調べているものが混在している面がございます。
 調査項目につきましては、調査該当者の負担も考慮しなければいけないということで、こういった区分けでやらせていただいているということであります。継続的に調べるといっても、調査するごとに違いがあるというのは御指摘のとおりでございまして、一方で一定の数を調べているということでありますので、標本が違うので完全な単純比較はできないと。ただ、一定の参考になるというのは、まさに平川委員のおっしゃるとおりであると思っていますので、そういう認識のもとに結果を見なければいけないと考えております。
 以上です。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょう。では、宮近委員、お願いいたします。
○宮近委員
 ニコチン依存症管理料の調査内容について、もう少し詳細な調査をという観点からの要望意見を述べさせていただきたいと思います。これまでもこの管理料については、支払い側といたしましても再三問題意識を述べてきたところですし、その結果、前回の改定でも附帯意見としてこの点が盛り込まれたと思います。調査に関して言えば、回答者の負荷を減らすことを十分勘案することは必要だとは考えますけれども、本来的には、できるだけ詳細に、継続的にその実態を把握することが必要であると思います。例えば、前回の改定の際のような指導終了後の禁煙の継続状況などは今後も継続的に把握していく必要があるという問題意識を持っております。負担をかける調査だとは思いますが、ぜひお願いしたいという要望意見です。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 この件はいかがでございましょう。では、事務局、お願いいたします。
○樋口保険医療企画調査室長
 今、御指摘いただいた点でございますけれども、過去に調査を行ったことがございまして、平成28年度と平成21年度でございました。平成28年度につきましては、このニコチン依存症管理料に関して、重点的な調査を行うという当時の位置づけがあって調べさせていただいたということでありますが、御指摘のとおり、診療が終わった後、一定期間たった後に結果がどうなったかを調べるということで、医療機関にとっては非常に負担が大きいと事務局としても考えているものでございます。平成21年と平成28年の結果は、実はほぼ同様となっていることもございまして、前回調査から年数が大きく経過していないことでありますとか、全体の回収率の低下につながるという面もありまして、今回は調査しないこととさせていただいております。これについても今後の課題とさせていただきたいと思いますが、資料外-9に調査項目、ニコチン依存症管理料については設けさせていただいておりました。3と4という項目がありますが、治療の平均継続回数でありますとか、また、喫煙をやめた者の割合、治療を継続していく中で喫煙をやめた者の割合は、地方厚生局への届出事項になっていることもございまして、これにつきまして回答もいただく形にしておりますので、一定程度それで見ていただけるようにはしたいと考えております。
 以上でございます。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょう。では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 時間が経過している中、大変申しわけないのですが、ぜひとも言っておかなければいけないことがありますので、意見として述べさせていただくとともに、医療課としての見解をお聞きしたいのですが、この検証部会調査は、改定後の状況がどうなっているのか、算定状況や、医療機関の考え、患者がどう思っているのかを追跡調査するのが大きな目的です。私は、平成30年度に新設されたかかりつけ医機能を強化するための機能強化加算について、患者の認知度の調査を行うべきと。私は、平成30年の9月の総会で指摘したのですが、そのとき、樋口室長は、平成31年度、つまり今回以降、必要に応じて調査、検証を実施しますと回答されました。その後、医療課長が、次の平成31年の調査の際にはぜひ御意見も踏まえたものをつくらせていただきたいとおっしゃっていたことがはっきりと議事録に残っているのです。今年度調査票案を事前に、いただき、内容を確認したところ、機能強化加算に対する患者の認知度の調査項目が入っていないので、これはおかしいではないかということを何回も言いましたが、結局、最終的には無視されたような形で、意見が反映されませんでした。これについては非常に、抗議いたします。まずは、なぜ患者の認知度調査を入れられないのかを教えていただきたいのと、今後、支払い側に対して、意見を軽視するようなことがあれば、本当に重大な問題になりますので、その見解について、少しお聞かせいただけますでしょうか。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 幸野委員のおっしゃった機能強化加算の関係についての話でございますけれども、私ども、この調査の中において、どのような形で患者に問いかければいいのかを、逆に言うと、真剣に私どもとして考えさせていただきました。その際に、1つの診療報酬の項目の認知度なのか、そもそも機能強化加算というのは、かかりつけ医そのものの部分について、どう考えていらっしゃるのか、また、それをどう認識されているのかをしっかり聞くほうが、患者に、この言葉を知っていますかというのではなくて、いわゆるかかりつけ医機能についてどう捉えていて、病院についてどう捉えているのかということをしっかり聞いたほうが、患者の意図が誤解なくわかるのではないかということで、今回、調査設計についても、前回とかなり大幅に変わって、かかりつけ医機能についてどう考えていらっしゃるのか、医療機関について、あなたはどう思っていらっしゃるのか、さらに、かかった後に、これは幸野委員からも御指示あった、継続して医療機関にかかるのかということも含めて、聞かせていただいております。ですので、私どもとしては、その言葉ですとか、項目というよりは、それがあらわしている、いわゆるかかりつけ医機能をしっかり患者が認知されているのかということについて、調査票の中に組み立てさせていただいたと思っております。
○田辺会長
 では、幸野委員。
○幸野委員
 調査票○6-6では、かかりつけ医機能を有する医師の診察を受けた場合にかかる費用に関する設問がありますが何をもってかかりつけ医機能を有していたかというのは、この質問では患者はわからないと思います。機能強化加算を、患者は知っているのかについても、この質問ではわかりません。そうすると、機能強化加算が妥当であったのか、今後検討ができないことになります。なぜ機能強化加算の認知度を調査しないのかを私は聞いているのです。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 この調査票は、機能強化加算を取った方だけに配っているものではございませんで、初診の方に関して全部配っております。その中でかかりつけ医の役割、例えば、3ページ目に本日、受診した医療機関に対して、あなたは他の医療機関での受診状況を伝えていく、またかかりつけ医の役割に対する説明を受けていますかと、そのような形できちんと説明を受けているか、それからまた、かかりつけ医に関しての意識のほかに、今後、医療機関、またはきょうと同じ医療機関を受診しますかということを聞いています。そして、医療機関にかかった場合に加算がかかることがある、その理解度についても聞いています。ですから、それは組み合わせれば、患者が何を認知して、何を理解されているかということもわかるような調査設計にさせていただいております。言葉として機能強化加算ということを、私ども、要件の中でも説明することは求めておりませんで、基本的にはかかりつけ医機能を患者に説明するとか、掲示することを求めておりますので、それを聞かせていただいているということでございます。
○田辺会長
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 まず、機能強化加算につきましては、それなりの配慮がされている設問になっていると思いますし、特定の加算の一つ一つの認知度を尋ねて何の意味があるのでしょうかと思います。なぜかというと、通常、診療報酬項目は一般向けに周知されているものではないと認識しています。診療報酬は2年ごとに改定され、項目は非常に膨大でございますので、通常、医療機関を受診する患者が個別の診療報酬の項目名や内容を知っているということはなかなか難しいのではないかと思います。もともと出発点として、機能強化加算ですけれども、健康や医療について何でも相談できて、身近で頼りになる総合的なかかりつけ医機能を有しているという医療機関の体制を評価する点数として、前回改定で、このことは支払い側も同意の上で、中医協として、その創設を承認したものだと思っております。個々の患者に応じた診療内容を評価するのではなくて、あらかじめ医療機関が備えている体制や機能を評価した点数は、外来にも入院にも無数あります。有限でしょうけれども、たくさんあります。今回の資料の中でも、4-1を見てもたくさん入っておりまして、後発医薬品の使用体制加算とか、抗菌薬適正使用支援加算とか、24時間のいろいろな体制とか、全て体制を整えていることに対して評価されたものなのです。ですから、そういった意味での体制を評価したということは御理解を賜らなければいけないと思います。医療機関の体制は患者によって変化するのではなくて、受診した全ての患者がその対象になるものであるために、診療報酬における体制の評価に当たっては、恩恵を受ける患者だけが負担するのではなくて、その体制にある医療機関を受診する、入院する患者がみんなで負担する制度になっていることを改めて主張したいと思います。
○田辺会長
 では、幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
 今の説明をもってしても、機能強化加算が果たして妥当であったかどうかは、私はこの調査では分析できないと思いますので、ぜひNDBを使って資料を出していただきたいのですが、機能評価加算を初診で算定した方の疾患名や、算定した方がどれぐらい医療機関を継続して、かかりつけ医として受診しているのかがわかるようなデータを出していただきたいです。また、健保連でも独自に機能強化加算の在り方を調査しておりますので、今後具体的な議論を行う際には健保連の分析結果も資料として出させていただきたいと思います。
○田辺会長
 では、事務局、お願いいたします。
○樋口保険医療企画調査室長
 今、御指摘いただいた点でありますけれども、まず、NDBデータはレセプトのデータでございますので、どういった疾患かといったデータは含まれているということであります。どういった抽出方法がとれるかということは、確認の上、検討いたしたいと思います。
 また、その患者が継続的にどうかというデータがとれるかというのも、技術的にどういう形がとれるかは確認して、また具体的な御要請もよく聞かせていただいて対応を検討したいと思います。
 以上です。
○田辺会長
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 データをとることについて、別に反対はしませんけれども、そもそも機能強化加算が病名で縛られるものではないことは最初からの立てつけですので、そのことが出てきて、それによって云々することではないと思います。要件には入っておりませんから。もともとの考えに。それは考え違いですよ。
○田辺会長
 では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 そもそも機能強化加算は何たるか、かかりつけ医機能をきちっと評価しましょう、きちっとかかりつけ医の役割を果たしていただいているので加算しましょうということがコンセプトなので、それを平成30年度にやったので、今、どういう状況になっているかを調査してほしいというのがそもそもの幸野委員の話なのだろうと思うのですね。だから、それ云々ではなくて、状況を把握できるか、できないかで、この調査でいいかという議論なのだろうと思うのです。この調査票について、検証部会で、先ほど中村委員もおっしゃっていましたけれども、素案ができて議論するのにショートノーティスではないかという話があって、次回以降、もう少し工夫してほしい、いろいろやりとりができるようにしてほしいという御意見があったと理解しましたけれども、そういうことも踏まえて、最後、これでいいかという議論の場でああだこうだと言っても、時間的にもどうしようない話だとすれば、それぞれが意図しているところがきちんとそれによって調査できて、次の議論に資するような形で、材料になるような形を、どうあるべきかを、公益委員の皆さんも含めて議論していただきたいと思います。今回は、今のデータがどうだというのも踏まえて、我々が意図するところが出てくれば、それでよろしいかと思います。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょう。では、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
 私も検討期間がすごく短過ぎると思うのですね。持ち回りというか、メールで御意見をということで来ましたけれども、きちっとした意見を言える期間が少な過ぎることと、やりとりして、質問して理解するということもあると思うので、今後はもう少し、一回検討する場を持つということをお願いしたいと思います。
 以上です。
○田辺会長
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
 では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件につきましては、本日の議論も踏まえまして、一部の修正の可能性を含めた上で進めることを中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○田辺会長
 ありがとうございました。それでは、説明のあった件につきましては、本日の議論を踏まえまして、一部修正の可能性も含めた上で、中医協として承認したいと存じます。
 次に、「保険医療材料専門部会からの報告について」を議題といたします。
 まず、保険医療材料専門部会の関部会長から御報告をお願いいたします。
○関委員
 本日の保険医療材料専門部会において、令和元年度に実施する材料価格調査について議論いたしまして、資料材-2にございます事務局提案のとおりに進めていくこととしたいと存じますので、御報告いたします。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 事務局から補足があれば、お願いいたします。
○前田医政局医療機器政策室長
 医療機器政策室長でございます。
 1点だけ、この調査は、今回の案でございますが、平成29年度、前回改定時に実施させていただいたもの、また、消費税改定に伴いまして、平成30年度に実施いたしました調査と同様の調査であることを申し添えさせていただきます。
 以上でございます。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 よろしゅうございますでしょうか。では、御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○田辺会長
 ありがとうございました。
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
 次に、「薬価専門部会からの報告について」を議題といたします。
 本日は、薬価専門部会の中村部会長から御報告をお願いいたします。
○中村委員
 資料総-7をごらんください。本日の薬価専門部会におきまして、令和元年度に実施する医薬品価格調査について議論いたしまして、事務局の提案の予定どおりに進めていくこととしたいと存じますので、御報告いたします。
 以上です。
○田辺会長
 ありがとうございました。
 事務局から補足があれば、お願いいたします。
○三浦医政局経済課長
 特にございません。経済課長でした。
○田辺会長
 それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
 よろしゅうございますでしょうか。では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○田辺会長
 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
 本日の議題は以上でございます。議事進行の私の不手際で時間がかなり超過してしまったことをお詫び申し上げたいと存じます。
 どうぞ。
○松本委員
 済みません、大事なことを申し上げておりまして。6月25日付の日経新聞朝刊の1面記事のことでございます。これだけは確認させていただきたいので、申しわけございません。日経新聞の1面に、厚生労働省は、患者が自分のかかりつけ医を任意で登録する制度の検討を始めたと、そういう記事があって、診療科を月単位の定額として過剰な医療の提供を抑えたり、かかりつけ医以外を受診する場合は負担を上乗せして大病院の利用を減らしたりする案を検討すると、そういった内容の記事が掲載されております。これまで中医協の場でそのような審議を行ったことはないと理解しておりますけれども、厚生労働省で検討を始めたのかどうか、その事実関係はどうなのか、事務局に答弁を求めたいと思います。
○田辺会長
 では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
 そのような事実はございません。
○松本委員
 ありがとうございます。安心いたしました。
○田辺会長
 では、本日の議題は以上でございます。
 なお、次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。長い時間の御出席、どうもありがとうございました。
 
 

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