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2018年12月19日 中央社会保険医療協議会 総会 第404回議事録

○日時

平成30年12月19日(水)11:08~11:56

○場所

厚生労働省(低層棟2階)

○出席者

田辺国昭会長 野口晴子委員 松原由美委員 荒井耕委員 中村洋委員 関ふ佐子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 猪口雄二委員 島弘志委員 遠藤秀樹委員 
安部好弘委員
吉川久美子専門委員 横地常弘専門委員 丹沢秀樹専門委員
保険医療材料等専門組織 小澤委員長
<事務局>
樽見保険局長 渡辺審議官 山本審議官 森光医療課長 古元医療課企画官
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○妊婦加算の取扱いについて
○臨床検査の保険適用について
○平成31年度DPC機能評価係数Ⅱの改定について
○平成31年度診療報酬改定の改定率等について
○その他

○議事 

 

○田辺会長
ただいまより第404回「中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、榊原委員、岩田専門委員が御欠席でございます。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほう、よろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○田辺会長
それでは、早速でございますけれども、議事のほうに入らせていただきます。
初めに、「妊婦加算の取扱いについて」を議題といたします。本日厚生労働大臣より諮問がなされておりますので、事務局より説明のほうをお願いいたします。
では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
それでは、説明をさせていただきたいと思います。まず、諮問書でございますけれども、その前に総-1参考のほうから御説明をさせていただきたいと思います。
総-1参考のほうをごらんいただきたいと思います。本日諮問をさせていただきます妊婦加算の取り扱いについてということでございますが、まず妊婦加算の概要から御説明をさせていただきたいと思っております。参考資料にございますように、妊婦加算自身は、初診料、再診料の加算ということで、それぞれ75点、38点という点数で設定をされてございます。「点数新設の趣旨」と書いてあるところを見ていただければと思いますが、妊婦の外来診療については、胎児への影響に注意して薬を選択するなど、妊娠の継続や胎児に配慮した診療が必要であること。また、妊婦にとって頻度の高い合併症や、診断が困難な疾患を念頭に置いた診療が必要であることといったような特性を踏まえて、妊娠の継続や胎児に配慮した適切な診療を評価する観点から、妊婦加算を新設したというところでございます。
2のほうを見ていただければと思います。妊婦加算に係る議論の経緯ということをごらんいただきたいと思います。「議論の背景・経緯」というところでございますが、妊婦の外来診療につきましては、通常よりも慎重な対応や胎児への配慮が必要であることから、診療に積極的でない医療機関が存在していたことや、日本産婦人科医会・日本産科婦人科学会からの妊婦の外来診療に対する評価の新設の要望などを踏まえて、平成30年診療報酬改定において、妊婦に対する通常よりも丁寧な診療を評価する観点から、妊婦加算を新設したところでございます。
あわせて、日本産婦人科医会等の事務局に対して、この要望の背景も確認をさせていただいたところでございます。背景といたしましては、地方の複数の産婦人科医等から、地域においては、妊婦の診察等については産科の主治医に診ていただくということ、どのような疾患においてもそのような傾向があるということで、妊婦にとっては、診察、診査のために長距離で受診をしなければいけないということで負担があったり、また、産婦人科医の側からも、それによってオーバーワークになるといったような背景があって、このような要望をしたということを聞いております。
また、創設後の状況を少し御説明させていただきます。これは本年の秋ごろからでございますけれども、十分な説明がないまま妊婦加算が算定されたということで、ネット上でそういう主張をされるということがありましたり、コンタクトレンズの処方など、それから妊婦でない患者と同様の診療を行う場合に妊婦加算が算定された事例など、本来加算の趣旨とは少し異なった事例の指摘がございまして、秋以降、新聞やニュース等で頻繁に取り上げられるようになったという状況でございます。
これを受けまして国会等でも質疑がございましたけれども、さらに与党における議論ということで、12月4日、13日に自民党の会議、12月6日の公明党の会議等において、妊婦加算についての議論がなされました。また、12月13日には、妊婦の方が安心できる医療提供体制の充実や健康管理の推進を含めた総合的な支援の検討を行うことや、その上で、2020年度の診療報酬改定において妊婦加算のあり方を含めて検討し、見直すこと。それまでの間は妊婦加算を一時停止する方向で速やかに必要な措置をとるといったことが厚生労働省に求められたという状況でございます。こういう背景がございますけれども、それを受けまして、厚生労働大臣のほうから12月14日に記者会見がありました。
厚生労働大臣からは、厚生労働大臣として、改めてこの加算の趣旨に立ち返り、医療保険制度や診療報酬体系の中でこの妊婦加算のあり方について考えてみた。妊婦の方がより一層安心して医療を受けられるようにするという、妊婦加算が目指すものは依然として重要だと考えている。しかしながら、それを実現する手段として妊婦加算という仕組みが適当であったかどうか、改めて考えてみる必要があると考えるに至りました。妊婦の方への診療に熱心に携わっていただいている医療機関の皆様には申しわけありませんが、妊婦加算については一旦凍結することとし、妊婦の方に対する診療のあり方について、有識者も含めて御議論いただいた上で、妊婦加算のあり方について、改めて中央社会保険医療協議会で議論してもらうこととしたいと考えているということで、大臣から記者会見での発言があったという状況でございます。
これを受けまして、本日中医協のほうに諮問をさせていただきたいということでございます。
総-1、諮問書のほうをごらんいただきたいと思います。1枚目でございますけれども、健康保険法第82条第1項と各法の規定に基づきまして、診療報酬算定方法を別紙のとおり改正することについて、貴会の意見を求めるということでございます。
次のページは、別紙「診療報酬の算定方法(案)」というものになっております。診療報酬点数表第1章から第3章まで診療報酬の算定の方法が書かれております。現在は「第4章 経過措置」ということで記載がございますが、「第4章 経過措置」に加えまして、「第2部 算定制限」という項を設けていただき、そこにありますように、第1章。第1章には妊婦加算に係る加算に関しての記載がございます。読み上げさせていただきます。
第1章の規定にかかわらず、区分番号A000に掲げる初診料の注7(妊婦に対して初診を行った場合に限る。)、注10及び注11、区分番号A001に掲げる再診料の注5(妊婦に対して再診を行った場合に限る。)、注15及び注16並びに区分番号A002に掲げる外来診療料の注8(妊婦に対して再診を行った場合に限る。)、注10及び注11に規定する加算は、別に厚生労働大臣が定める日から算定できるものとする。
という規定を入れたいというものでございます。
「別に厚生労働大臣が定める日から算定できるものとする」ということは、そこの日までは算定できないという算定制限を設けるという規定でございます。
次のページ「適用期日等」というところを見ていただきますと、平成31年1月1日より適用するということですので、1月1日から別に厚生労働大臣。これはまた議論をした上で、算定制限が解除されて、厚生労働大臣が定めるその日まで算定できないということとするというような内容でございます。
2のほうは、それまでの間は従前の例によって算定すると。
そういう諮問の内容となってございます。御審議のほう、よろしくお願いしたいと思います。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
本日は、速やかに議事を進めるために、あらかじめ1号側、2号側の意見をお伺いした上で、卓上にある本件に関する答申書(案)を準備させていただいております。これにつきまして、事務局のほうから読み上げのほうをお願いいたします。
では、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
事務局から読み上げさせていただきます。
○吉川医療課長補佐
それでは、朗読させていただきます。中身のほうから。
答申書
(妊婦加算の取扱いについて)
平成30年12月19日付け厚生労働省発保1219第1号をもって諮問のあった件について、下記の通り答申する。

1.妊婦加算は、社会保障審議会医療保険部会・社会保障審議会医療部会において取りまとめられた「平成30年度診療報酬改定の基本方針」(平成29年l2日11日)に基づく診療報酬の改定を行うべきとの厚生労働大臣からの諮問を受け、本協議会において議論を行い創設したものであり、妊婦の外来診療について、通常よりも丁寧な診療を評価したものである。
妊婦加算は、妊婦の診療に積極的な医療機関を増やし、妊婦がより一層安心して医療を受けられる体制の構築を目的としたものである。しかし、その趣旨・内容が国民に十分に理解されず、妊婦やその家族へ誤解と不安を与え、その結果として、算定凍結の措置を講ずるに至ったことはやむを得ないこととはいえ、誠に遺憾である。
2.本協議会では、診療報酬改定後のしかるべき時期にその実施状況等について調査・検証を行い、必要があれば見直しを行うということを基本としている。そのような中で、必要な調査・検証が行われないままに、凍結との諮問が行われたことは、極めて異例なことであると言わざるを得ない。
しかし、本協議会としては、妊婦加算に対する誤解とそれに基づく不安がある現状において、妊婦加算の算定をこのまま継続することは、当初の妊婦加算の意図の実現が十分に期待できない可能性があるとの判断をした。
今回の措置は、このような特別な事情に基づき実施するものであり、エビデンスと検証を踏まえて議論した上で対応するという、これまでの診療報酬改定の基本的な考え方を変更するものではないことを確認する。
なお、別途有識者において検討される、妊婦が安心できる医療提供体制の充実や健康管理の推進を含めた総合的な支援の内容を踏まえ、本協議会としては、改めて総合的な議論をしたいと考えている。
3.本協議会としては、診療報酬改定を行うに当たっては、その目的や趣旨・内容について、国民に十分理解されるよう、適切に対応することを厚生労働省に望みたい。また、これを契機として、妊婦に対する医療をはじめとする総合的な支援の在り方について開かれた国民的議論が行われるよう望むものである。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明及び答申書(案)につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。では、幸野委員、よろしくお願いいたします。
○幸野委員
1号側としては、この答申書(案)について了承したいと思いますが、意見として申し上げたいと思います。まずは、中医協の議論の結果が政治の場によって凍結されるということはあってはならないことで、中医協のあり方自体が問われる、非常に残念な事態であったと思います。しかしながら、この妊婦加算につきましては、丁寧な議論が行われなかったということも事実としてあると思います。妊婦加算について議論した昨年の10月11日の議事録を読み返してみますと、私は、「この加算は単なる風邪による受診でも算定できるのか、あるいは算定できる診療科を区分すべきではないか」という発言をいたしました。そのときの医療課の回答は、今後議論を深めていくという回答で終わったのですが、その後、本件に関しては全く議論が行われないまま、2月に答申が行われました。その点は我々ももっと追及すべきだったと認識しておりますし、反省しなければならないのですが、これは中医協としても反省すべき点だと思います。
そもそも妊婦加算の趣旨や内容が国民に理解を得られなかったのは、患者の視点に立った算定要件を丁寧に議論しなかったということによるものだと思っています。診療報酬は自分が受けた医療行為への対価として支払うものであり、妊婦である患者が納得して支払う要件を設定するという視点に欠けていたのではないかと思います。
また、この加算は妊婦に対する外来診療を行った場合に算定できるというルールであったにしても、例えばコンタクトレンズの処方のように、妊婦ゆえに配慮した措置がないにもかかわらず加算を算定するといった医療機関側のモラルにも問題があったのではないかと感じております。これは1号側の意見でございます。
○田辺会長
では、松本委員、よろしくお願いいたします。
○松本委員
診療側の意見といたしまして、この答申書につきましては賛同いたしますけれども、私のほうもコメントさせていただきます。
妊婦加算は、平成30年度診療報酬改定において、妊婦の外来診療について、妊娠の継続や胎児に配慮した適切な診療に対する評価として、そのとき支払い側も診療側も合意のもとで創設したものであると認識しております。妊婦の外来診療において、催奇形性や胎児毒性に留意して医薬品を処方することや、頻度の高い合併症や診断が困難な疾患があるということから、こうした合併症・疾患を念頭に置いた外来診療が必要になります。産科、婦人科では当然こういうことへの配慮は診療科特性から常態として行われていましたけれども、その他の診療科ではそのような配慮が十分ではないということも考えられた結果、今回の改定で配慮を促す点数設定を行い、妊婦の診療に積極的な医療機関をふやし、安心して医療を受けられる体制構築につながることが期待されておりました。
こういった加算を算定することで、医療機関にはより丁寧な診察と診療となるよう留意してもらえるものと考えましたが、点数設定に反した取り扱いが判明し、その点で妊婦さんに不快な思いをさせた事例が生じたことは大変遺憾であると思います。
中医協は、前回改定の際の答申書附帯意見に基づく検討をベースに、改定の影響を調査・検証の上、次回改定で修正するという流れが確立しております。そのような中、創設から1年経過していない中で、本加算の凍結について諮問がなされることは非常に異例なことであると思います。このような期中での変更は、医療現場の混乱やさまざまな事務負担を増加させる場合があり、今後同様の事例をつくらないことを確認していただきたいと思います。
医療技術の評価は、診療報酬で対応するしかなく、その恩恵を受けた患者さんは一定の自己負担をする制度となっております。今回妊婦さんへ妊婦加算分の自己負担をさせることが少子化対策に逆行するということで、凍結が諮問されましたけれども、あくまでもこれは妊婦さんへの配慮という視点であって、医療技術を診療報酬で評価するという手法は変更できないと認識しております。
診療報酬はあくまでも医療サービスへの対価であり、患者さんの自己負担という観点は、保険制度全体で議論すべきものであると思います。患者負担の観点の議論を一つの報酬項目で行うべきではなく、さらに中医協による議論も医療技術を適正に評価するという観点で行うべきと考えます。
妊婦の診療のあり方を検討する場を設けた上で、次回改定で再検討するという前提で今回妊婦加算を凍結することには同意したいと思いますが、今回の改定は報道などの一部の意見に偏っているのではないかという懸念もあります。改めて申し上げますが、すべからく妊婦さんへの診療には配慮が必要であります。その上で、特別な配慮を伴う診療が必要な場合と、通常の診療と同じ診療の場合があります。今回妊婦加算が凍結となり、今後加算の対象となるべき診療内容は改めて議論されるにしましても、医療機関が妊婦さんについて、他の患者さんと同様に状態に応じて一定の配慮をするということは当然でございますので、その点は継続されるべきことと思います。その意味でも、まずは妊婦さんが医療機関を受診される際には、しっかりと妊婦であることを告げていただきたいと思います。
なお、今後の対応として、次回改定に向け、妊婦加算を創設した際の趣旨を、診療に反映するためにはどういった対応が望ましいのか、中医協において患者調査などの検証・調査を行い、妊婦さん、医療機関の双方にとって有益な対応をしっかり議論していくべきと考えております。
厚生労働省におかれましては、患者さんを初め、医療機関、審査支払機関などに速やかに今回の周知を図り、現場の混乱を最小限に抑える対応をしていただきたいと要望いたします。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほか御質問、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。では、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
これは委員としての意見ですが、今回の妊婦加算の件は、たまたまこの加算に疑問を感じた患者の方がネットに投稿して、これが波及していったということですが、2018年度改定で新設された「機能強化加算」も同様の加算であると思っています。この加算は、かかりつけ医機能に係る診療報酬を届け出ている、または在宅医療をやっている診療所や200床未満の病院は、継続的な管理を必要としない、例えば単なる風邪で受診した場合も初診料に上乗せして800円が加算されます。自己負担で言えば3割で、240円窓口負担が余計に発生するということになります。趣旨としては、かかりつけ医機能を持った医療機関を増やすという意図でつけられたと理解していますが、医療機関へのインセンティブのみで加算が新設され、患者の視点というところが欠けていると思います。
繰り返し申し上げますが、診療報酬というのは、自分が受けた医療行為に対して、その対価として支払うものであって、患者が納得して支払う要件設定が不可欠であると思いますので、妊婦加算と同様に、機能強化加算についても患者の視点が欠けていると思われるので、これも次期改定で見直しに向けて検討を要望したいと思います。
以上です。
○田辺会長
ほかいかがでございましょう。では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
今回のこの経緯に至った背景をもう一度冷静に考えてみますと、議長提案の答申書にもありますけれども、中医協のあり方を考えてみる中で、まず1つ目は、我々の議論のあり方。これが先ほど支払い側、幸野委員に発言いただきましたけれども、論点提示が10月11日1回。その後、議論の深まりもなく短冊が出て、短冊で議論をして決めてしまった。このあり方でいいのかというのは、今後ほかの個別議論をするときにも考えていかなければいけない課題の一つだろうと思っております。
2つ目は、この中医協で決定した事項が、当然ながら診療報酬ですから、医療機関で対応する。医療機関サイドでの対応が果たしてどうだったのかというのが一つの課題なのだろうと思います。丁寧な適切な説明を患者が納得して、その対価を支払ったのかという意味も含めて、ここのところのあり方、今後中医協で決めた診療報酬改定について、どういうふうに診療サイドで対応していくかというのも一つの課題なのかなと思っています。
3つ目は、患者サイド、広く国民への周知、この辺はどういう方法をどうしたのかというのを、厚労省の事務局も含めて、保険者も含めて、あり方を検討していかないといけないのだろうと理解しております。この辺の3つの論点を今後やっていく中で、しっかりと議論を深めていきたいと思っています。
ここで確認ですが、有識者検討会議というのが、妊婦加算を含めた妊婦さんへの対応のあり方について議論がなされると理解をしましたけれども、これはいつ始まって、いつ終わるのでしょうか。というのは、この凍結したのは、次回20年の改定に向けて議論を深めていくというのと並行して、その有識者会議でいろんな検討材料が出てくると理解をすればいいのか。それが出れば、20年改定を待たずにこれについて対応するのか。その辺を教えていただければと思います。
○田辺会長
では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
この検討についてでございますが、現在どのような場でどういうふうに議論するかについて内部で検討しております。2020年の改定に向けて間に合うようにその内容を取りまとめたいと思っております。ただ、これは妊婦加算、いわゆる妊婦さんでそれ以外の病気にかかった場合というだけではなく、妊婦さんを取り巻く医療の体制、健康管理も含めたあり方というものを検討していただくことになりますので、広い有識者、関係者を入れた議論ということで進めていきたいと考えているところでございます。
○田辺会長
では、吉森委員、お願いします。
○吉森委員
わかりました。そういうスケジュール感でございましたら、今、申し上げた3つの論点、中医協での議論の深まり、医療機関サイドの対応、患者への周知、この辺も含めて有識者会議で検討いただければ。それで中医協で議論を深めていきたいと思っております。
○田辺会長
ほかいかがでございましょう。では、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
今回の一連のことで妊婦税だなどと言われてしまったということは、非常に残念に思っています。妊婦さんが病気とうまくつき合いながら安心して妊娠・出産できることが大切だということで、この創設には賛成したという経緯があると私自身も思っています。
一方で、こういう加算がされているということがわかったというのは、もちろん窓口で値段が変わりますよと言われたということもあるでしょうけれども、その中には診療明細書を見て、よくわからない加算がついているということに気がついたような方もいるということですから、そういう意味では診療明細書の発行というのがここで役に立っているのかなというところは、一つよかったなというところがあります。
今後総合的に妊婦さんを取り巻く状況を考えながら決めていくということで、妊婦加算だけではないということで話し合いをしていくということですが、私はサリドマイドの被害者ですから、サリドマイドの被害というのは、自分が妊娠しているということを自覚する前に起きているのです。そういう意味では、病気ですとかリスクがあるということを自覚していて、その方が妊娠・出産を望んでいる場合には、妊娠前からいろんなケアとか支援が必要だと考えています。そういう意味では、御自身が妊娠の確定診断を受けた以降だけではなくて、それ以前からのケアとか支援を含めた内容にしていっていただきたいと思います。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかいかがでございましょう。では、遠藤委員、よろしくお願いいたします。
○遠藤委員
今回の妊婦加算の経緯については、こういう経緯になったことはやむを得ないことかとは思いますけれども、我々の目標としている国民の健康寿命の延伸ということで言えば、高齢者だけのことではなくて、妊産婦、また母子から始まるものと考えております。そういう観点から言えば、妊婦、さらに母子一体に対する適切な、かつ充実した医療の提供は重要な課題であるということは、変わりのないことだと認識しております。今後新たな議論が行われるということでございますけれども、そういった議論においては、妊産婦に対する医療の充実を図るという観点から、前向きの議論をお願いしたいと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問等もないようですので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
それでは、この答申書(案)をもって中医協から答申を行うこととしたいと存じますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「はい」と声あり)
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、事務局におかれましては、答申書の正本の御準備をお願いいたします。
本日は新谷政務官がお見えでございますので、私より政務官のほうに答申書をお渡ししたいと存じます。
マスコミの方はカメラ撮りもできますので、撮影を希望される方は、どうぞ近くまで寄っていい写真を撮っていただければと思います。
(会長から政務官へ答申書を手交)
○田辺会長
それでは、政務官より一言御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○新谷政務官
厚生労働大臣政務官の新谷正義でございます。
田辺会長を初め、委員の皆様におかれましては、日ごろから厚生労働行政の推進に関して御指導いただき、心から感謝を申し上げます。また、ただいま妊婦加算の取り扱いについての答申を頂戴しましたこと、改めて御礼を申し上げます。厚生労働省といたしましては、この答申を真摯に受けとめ、必要な手続を進めるとともに、今後妊婦の方々が安心できる医療提供体制や健康管理のあり方などについて、有識者の方も含めてしっかりと御議論いただくこととし、その上で、妊婦の方への診療の評価のあり方について、改めてこの中央社会保険医療協議会で御議論いただきたいと考えております。
引き続き国民の望む安心・安全で質の高い医療の実現に向けて、委員の皆様の御指導を賜りますよう心からお願い申し上げまして、私の御挨拶とさせていただきます。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
マスコミの方のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○田辺会長
以上で「妊婦加算の取扱いについて」の議題は終了いたします。
新谷政務官におかれましては、御陪席賜りまして、まことにありがとうございました。
新谷政務官は、公務によりここで御退席されます。
どうも本当にありがとうございました。
(新谷政務官退席)
○田辺会長
なお、傍聴の方におかれましては、答申書は総会終了後に出口にて配布いたしますので、御受領願いたいと存じます。
次に、「臨床検査の保険適用について」を議題といたします。本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。小澤委員長より御説明のほうをお願いいたします。
では、よろしくお願いいたします。
○小澤委員長
それでは、説明いたします。中医協総-2の資料をごらんください。今回の臨床検査の保険適用は、E3の2件でございます。
3ページ目をごらんください。販売名は、ウロビジョンDNA FISHプローブキットでございます。測定項目は、膀胱がん関連遺伝子です。測定方法は、FISH法です。
5ページ目の製品概要をごらんください。本検査は、尿中細胞の3番、7番及び17番染色体の異数倍数体並びに9p21遺伝子座の欠失の検出により、膀胱がんの再発の診断補助を目的に行われる臨床検査です。
3ページにお戻りください。保険点数につきましては、D006-3、Major BCR-ABL1、mRNA定量、1,200点。D006-5、染色体検査、注、分染法加算397点を合算した1,597点を参考点数としております。
続きまして、7ページ目をごらんください。販売名は、2-MET Plasma・ELISAキット「SML」です。測定項目は、遊離メタネフリン・遊離ノルメタネフリン分画でございます。測定方法は、ELISA法です。
8ページ目の製品概要をごらんください。本検査は、血漿中の遊離メタネフリン及び遊離ノルメタネフリンの測定により、褐色細胞腫の診断の補助を目的に行われる臨床検査でございます。
7ページ目にお戻りください。保険点数につきましては、D014自己抗体検査、注1、2項目行った場合、320点を参考点数としております。
今回御説明いたします内容は以上でございます。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
事務局から補足があれば、よろしくお願いいたします。
○古元医療課企画官
特にございません。
○田辺会長
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「はい」と声あり)
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
次に、「平成31年度DPC機能評価係数2の改定について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明のほうをよろしくお願いいたします。
では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
そうしましたら、資料総-3に基づきまして御説明させていただきます。「平成31年度DPC機能評価係数2の改定について」ということでのお諮りでございます。具体的には被災地の病院に対しての配慮ということについて、お諮りをしたいと思っております。
まず、1、概要のところでございますが、DPC対象病院の機能評価係数2というのは、毎年診療報酬実績データを提出いただきまして、それに基づいて改定をしております。次の改定は平成31年4月に予定しておりますが、この設定に当たりましては、平成29年10月から平成30年9月までの12カ月分の診療実績データをもとに算出しております。過去に東日本大震災や熊本震災で被災した病院についても一定の配慮を行っておるのですけれども、今回平成31年度の機能評価係数2の設定に当たりましては、平成29年10月以降に発生しました災害に被災しました病院について、同様の配慮をしてはどうかという御提案でございます。
対応の方針でございますけれども、対象とする病院といたしましては、大阪北部地震、西日本豪雨、北海道胆振東部地震に関しての災害で被災した地域にある病院を対象としたらどうかということでございます。
具体的な対応でございますが、診療実績に基づく指数は、当該病院の診療実績データについて、通常と同様の取り扱いをした場合、もしくはそれぞれの病院が被災した災害の発生時期を含む月の診療実績データをそれ以外の月の診療実績データの平均値に置きかえて算出した場合を比較して、より高い値に基づいて算出してはどうかという御提案でございます。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。では、猪口委員、よろしくお願いします。
○猪口委員
災害ですので、ぜひこのような対応をお願いしたいということと、地域がかなり広範囲の場合に、抜けてしまうということがないようにお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「はい」と声あり)
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
次に、報告事項でございますけれども、「平成31年度診療報酬改定の改定率等について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明のほうをお願いいたします。
では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
そうしましたら、資料総-4に基づきまして御説明をさせていただきます。12月17日の大臣折衝を踏まえまして、平成31年度の診療報酬改定につきましては、下に掲げる数字のとおりになりました。1、診療報酬改定につきましては+0.41%。これは2019年10月実施というものになります。それから各科改定率ですが、医科は+0.48%、歯科は+0.57%、調剤につきましては+0.12%というものでございます。
薬価等でございますが、これも2019年10月実施というものでございます。1、薬価につきましては-0.51%。内訳ですが、消費税対応分が+0.42%、実勢価改定等が-0.93%となっております。
2、材料価格ですが、+0.3%。内訳ですが、消費税対応分が+0.06%、実勢価改定が-0.02%となっております。
以上でございます。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
本日の議題は以上でございますけれども、事務局よりその他として資料が提出されておりますので、事務局より御説明のほうをお願いいたします。まず、公聴会の開催について、お願いいたします。
では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
資料総-5に基づきまして御説明させていただきます。中医協の公聴会の開催についての御案内でございます。毎年診療報酬改定に当たりましては、医療の現場や患者等国民の声を反映させるために、中医協委員が国民の声を聞く機会を設定することを目的として公聴会を開催することとなっております。
開催の日時は、1月30日(水)10時から12時を予定しております。開催場所は、TKPガーデンシティPREMIUM田町4階を予定しております。出席者は、中医協委員、保険局長、審議官。また、公募による意見発表希望者の中から公益委員が選定した意見発表者10名程度を予定しております。
内容でございますが、開会、会長挨拶、開催趣旨等説明のほかに、平成31年度診療報酬改定に係る検討状況について説明した後、意見の発表をしていただく。また、総括・閉会という形に議事を進めたいと考えてございます。
意見発表者の募集及び傍聴者でございますけれども、ホームページで開催を告知して、意見発表者の募集及び傍聴の御案内をしたいと思っております。先着順での御案内です。500名程度収容可能という形になってございます。
公聴会の御案内につきましては、以上でございます。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。では、ほかに御質問等もないようでございますので。ごめんなさい。では、遠藤委員、どうぞ。
○遠藤委員
済みません。開催日は、31年ですよね。
○森光医療課長
はい。
○田辺会長
これは誤記です。御指摘ありがとうございました。31年です。上の文章は31ですので。
○森光医療課長
済みません。大変失礼いたしました。修正させていただきます。
○田辺会長
御指摘、まことにありがとうございました。
ほかいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
次に、保険医療機関等の指導・監査等の実施状況について、事務局より説明のほうをお願いいたします。
では、山内医療指導監査室長、よろしくお願いいたします。
○山内医療指導監査室長
医療指導監査室長でございます。
資料総-6をごらんいただければと思います。1ページ目でございます。平成29年度の指導・監査の実施状況の概要に関する報告でございます。まず1、指導・監査等の実施件数につきましては、新規個別指導、監査については減。新規個別指導は6,145件、監査は66件。また、個別指導、適時調査については増。個別指導が4,617件、適時調査が3,643件でございます。
続きまして、2の取消等の状況でございます。取消等の状況については、監査の結果、取り消しになっているものが、保険医療機関等は28件。前年度比1件の増でございます。保険医等につきましては18人で、前年度比3人減でございます。取消等の状況の特徴といたしましては、取消処分の原因は、例年どおり、いわゆる架空、付増、振替、二重請求などの不正請求がほとんどを占めております。取消処分に係る発端といたしましては、保険者、医療機関の従事者、被保険者からの通報、いわゆる情報提供が全部で21件となっており、全体の多数を占めている状況でございます。
続きまして、3の返還金額についてです。指導による返還が約31億円。対前年度比9億6000万円の減。適時調査による返還分が37億円で、対前年度比6億8000万円の減。監査による返還分が約4億円で、対前年度比5000万の減になっております。これらの状況につきましては、当方が平成28年度から進めております調査項目の重点化や調査手法の標準化、これらの取り組みにより、個別指導、特に適時調査について実施件数が大幅に増加しております。数年来2,000件を超える適時調査を実施している結果、数年来にわたって複数回にわたり調査を受ける医療機関も出てきている状況でございます。施設基準の要件が医療機関において一定程度理解が進んでいるということが、この結果として影響が出ているというふうに分析しております。
2ページ目を見ていただきますと、これらの数字の医科、歯科、薬価の内訳がございます。
3ページ目以降は、年度別、平成25年から29年までのこれらのデータの推移がございます。
その次のページは、細かくて恐縮ですが、各都道府県の状況が記されてございます。
次のページにおいては、先ほどの取り消した保険医療機関等の状況の一覧表、28件が記載されております。
概要の報告は以上でございます。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
本日の議題は以上でございます。
なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
では、本日の総会はこれにて閉会といたします。どうも御参集ありがとうございました。
それでは、よいお年をお迎えください。
 

 

(了)
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