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2018年9月26日 中央社会保険医療協議会 総会 第399回議事録

○日時

平成30年9月26日(水)10:29~11:58

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

○出席者

田辺国昭会長 松原由美委員 荒井耕委員 関ふ佐子委員 中村洋委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
松本吉郎委員 今村聡委員 城守国斗委員 猪口雄二委員 島弘志委員 遠藤秀樹委員 
安部好弘委員
吉川久美子専門委員 横地常弘専門委員
<事務局>
樽見保険局長 渡辺審議官 山本審議官 森光医療課長 古元医療課企画官
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○臨床検査の保険適用について
○診療報酬改定結果検証部会からの報告について
○DPCデータの提出に係る対応について
○医療経済実態調査について
○診療報酬調査専門組織「医療機関等における消費税負担に関する分科会」からの報告について
○消費税率引上げに向けた今後の進め方について
○最近の医療費の動向について
○その他

○議事 

 

○田辺会長
それでは、おそろいのようでございますので、ただいまより第399回「中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、野口委員、平川委員、榊原委員、丹沢専門委員、岩田専門委員が御欠席でございます。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほうをお願いいたします。
(カメラ退室)
○田辺会長
それでは、早速、議事のほうに入らせていただきます。
初めに「臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
本日は、保険医療材料等専門組織の岩瀬委員長代理にお越しいただいております。岩瀬委員長代理より御説明のほうをお願いいたします。
では、よろしくお願いいたします。
○保険医療材料等専門組織 岩瀬委員長代理
よろしくお願いいたします。
それでは、御説明をさせていただきます。
中医協総-1の資料をごらんください。
今回の臨床検査の保険適用は、E3の1件です。
3ページ目をごらんください。
販売名は、抗表皮自己抗体検出キット「FR」です。
測定項目は、抗デスモグレイン1抗体、抗デスモグレイン3抗体及び抗BP180-NC16a抗体同時測定です。
測定方法は、間接蛍光抗体法(IF法)です。
5ページ目の製品概要をごらんください。
本検査は、尋常性天疱瘡及び水疱性類天疱瘡の鑑別診断の補助を目的として、血清から3項目を一括同時に測定する臨床検査です。
3ページ目にお戻りください。
保険点数につきましては、D014自己抗体検査(項目にかかわらず3項目以上行った場合)490点を参考点数としています。
今回、御説明いたします内容は、以上です。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
事務局から補足があれば、お願いいたします。
○古元医療課企画官
特にございません。
○田辺会長
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
よろしゅうございますでしょうか。
では、御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(委員首肯)
○田辺会長
ありがとうございます。それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
次に「診療報酬改定結果検証部会からの報告について」を議題といたします。
まず、診療報酬改定結果検証部会の松原部会長から平成30年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成30年度調査)の調査票案について」御報告のほうをお願いいたします。
では、よろしくお願いいたします。
○松原部会長
検証部会長の松原です。
本日御報告する資料は「平成30年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成30年度調査)の調査票案について」です。
まずは、調査票案の作成において、中医協委員の皆様には、短い期間で調査票案を御確認の上、何人かの委員の方々よりコメントを頂戴しましたことを、この場をかりて厚く御礼申し上げます。
いただきましたコメントにつきましては、できるだけ反映する方向で検討を重ねて作成した調査票案を、本日、お出ししております。
本日御報告するのは、平成30年度に実施する検証調査のうち、1「かかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等に関する実施状況調査(その1)」。
2「在宅医療と訪問看護に係る評価等に関する実施状況調査」。
3「医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進に係る評価等に関する実施状況調査(その1)」。
4「後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査」の4項目にかかわる調査票案です。今後、スケジュール案に基づき調査を実施し、それぞれの報告書がまとまり次第、改めて御報告したいと思います。
それでは、事務局より、資料の説明をお願いします。
○樋口保険医療企画調査室長
保険医療企画調査室長です。事務局から資料検-1と検-1参考に基づきまして御説明したいと思います。
まず、30年度の診療報酬改定の結果、検証調査につきましては、今年度、4項目を調査することとしておりまして、その調査票を作成したものでございます。
最初に全体のスケジュールだけ申し上げますけれども、本日、調査票案を御承認いただければ、10月から12月に調査を実施いたしまして、来年1月から2月にかけて結果を取りまとめ、報告書を作成し、中医協に御報告したいと考えております。
資料は、非常に多いので恐縮でございますけれども、なるべく簡潔に御説明したいと思います。
調査項目は4種類ございますが、まず「かかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等に関する実施状況調査(その1)」でございます。
調査の目的でございますけれども、調査は、30年度の改定におきまして、大病院受診時の定額負担の対象病院の範囲の拡大及び機能強化加算の新設、地域包括診療加算等の要件の見直しなどを行いましたので、これらの影響の検証を行っていくというものでございます。
調査対象は、受診時の定額負担等に関する施設調査といたしまして、従来から定額負担が義務づけられている地域医療支援病院、また、今回改定で定額負担を義務化した400床以上の地域医療支援病院などを含めまして、全体で860施設程度、また、それぞれ、この施設の対象施設から4名を患者の調査といたしまして調査することとしております。
また、かかりつけ医機能に関する施設調査といたしまして、地域包括診療料、届け出施設などを合わせまして1,700施設を対象とすることとしております。これにつきましても、各施設ごとに6名の患者調査を行うこととしております。
また、かかりつけ医機能に関する小児科施設調査といたしまして、小児かかりつけ診療料の届け出施設などを合わせまして500施設、また、患者につきましても調査をすることとしております。
これ以降は、具体的には調査票でございますが、まず、受診時の定額負担等に関する調査の施設票におきましては、初診時や再診時の定額負担につきまして、設定金額や定額負担を徴収した、または徴収しなかった患者さんについて調査をする。また、医療機関が感じている定額負担導入による外来医療の機能分化への影響などについて意見を伺うこととしております。
また、患者票といたしまして、定額負担をして大病院を受診した患者さんへ、定額負担の仕組みについての認知状況や、大病院を受診した理由など、また、大病院以外の病院を受診した患者さんへ、大病院受診者と同様に定額負担の仕組みにつきまして、認知状況やアンケートを受け取った病院を受診した理由などについて意見を伺うこととしております。
また、かかりつけ医機能調査の施設票でございますが、これにつきましては、地域包括診療料などの届け出状況、機能強化加算、かかりつけ医機能、オンライン診療料の届け出状況、実施状況、薬剤の使用状況、明細書の発行状況、地域包括診療料などを算定する患者が有する疾患や投薬の状況について設問を設けております。
また、かかりつけ医機能調査の患者票でございますが、これにつきましては、かかりつけ医に求められる役割、かかりつけ診療の受診、オンライン診療の受診状況、明細書の受け取り状況につきまして調査することとしております。
かかりつけ医機能調査の小児科施設票につきましては、先ほどのかかりつけ医機能の調査、施設票と、ほぼ内容は同様のものになってございますが、小児科、小児外科の患者に対する抗菌薬の使用状況につきましても、あわせて調査をすることとなっております。
これに関連します患者票につきましては、先ほどの患者票とほぼ同様の内容でございます。
2つ目が在宅医療の関係でございます。「在宅医療と訪問看護に係る評価等に関する実施状況調査」ということでありまして、調査の目的は記載のとおりでございますが、在宅医療では、在宅療養支援診療所以外の医療機関における医学管理の評価、地域支援機能を有する訪問看護ステーションの評価などを行いました。
また、在宅歯科診療につきましては、歯科訪問診療料などの見直しを行ったことを踏まえまして、その影響を調査するというものでございます。
調査対象は、在宅療養支援診療所など2,000施設程度、また、機能強化型訪問看護ステーションなど1,000施設程度、在宅療養支援歯科診療所など3,000施設程度を調査することとしております。
また、それぞれにつきまして、各施設に具体的な患者についての回答をいただくこととしております。
それぞれの調査票でありますが、在宅医療票の中では、他の医療機関への定期的な訪問診療の依頼状況や在宅におけるターミナルケアの実施状況などを調査することとしております。
また、患者票では、調査対象患者の状態のほか、居住形態、提供している医療内容などについての設問を設けております。
訪問看護票におきましては、30年度の改定の前後の訪問看護の利用状況、訪問看護ステーションと関係機関等の連携状況などについて把握するための設問を設けております。
また、訪問看護ステーションにおける明細書の発行状況、地域での取り組みなどを調査することとしております。
利用者票につきましては、小児、精神疾患の事例から各1名、それ以外の事例から2名の利用者につきまして、患者の状態像や訪問看護の内容につきまして調査いたします。
在宅歯科医療票でございますが、ここの中では、歯科訪問診療の実施状況、他施設との連携状況、また、患者票では2名の患者の状態や、実際に行った診療内容などにつきまして調査することとしております。
3つ目の調査項目が「医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進に係る評価等に関する実施状況調査(その1)」でございます。
これは、30年度の診療報酬改定におきまして、医療従事者の常勤配置や勤務場所などに係る要件の見直しなどを行ったということで、その影響を調査するというものでございます。
調査の対象は、施設調査が1,500施設、医師調査が1施設当たり4名の医師、看護師長調査が1施設当たり5名の看護師長、あと、薬剤部の責任者調査ということで1名の薬剤部責任者を調査することとしております。
施設票の中では、医療従事者の負担軽減に関する診療報酬の届け出状況、医師の勤務状況など、また、看護職員の勤務状況、看護補助者の配置など、医師の負担軽減に関する取り組み状況、記録や会議に係る負担軽減に関する取り組み状況について調査いたします。
医師票におきましては、負担軽減策の実施状況、他職種との連携状況、その効果につきまして、また、医師の勤務状況に関する意見につきましても調査をすることとしております。
看護師長票におきましては、看護職員の月平均夜勤時間や、夜間の看護体制の病棟の基本的な情報、また、看護職員の負担軽減策の取り組み状況、他職種との連携状況、その効果に関する実態を調査することとしております。
薬剤部の責任者票では、薬剤師が配置されている病棟の薬剤師数などの基礎的な情報とともに、医師などの他職種の業務改善にも資する他職種との連携や、薬剤師の病棟業務の状況などについて調査をすることとしております。
最後の調査票は、後発医薬品調査でございまして、これは毎年度実施させていただいているものになっております。
調査対象は、保険薬局、診療所、病院、医師、患者という5種類になっておりまして、患者票に関しましては、従来と同様、今回も引き続き、インターネットを用いた調査もあわせて実施させていただく予定としております。
保険薬局票では、後発医薬品の採用状況など、また、後発医薬品への対応状況、後発医薬品の使用に当たっての問題点、課題、要望などについて調査を行うものでございます。
診療所票におきましては、後発医薬品の使用状況などにつきまして、これも調査いたします。
また、病院票におきましても、施設の状況、後発医薬品の使用状況、処方箋発行時の状況などについて調査を行うものであります。
医師票でございますが、医師票は、院外処方箋を発行している施設の医師における処方箋発行時の状況といたしまして、一般名処方、変更不可の状況、先発医薬品を指定する剤形などにつきまして調査をするとともに、院外処方箋を発行していない施設の医師における院内投薬の状況といたしまして、後発医薬品に対する積極性につきまして調査を行うものであります。
最後に患者票でございますが、処方箋を持参した日の状況といたしまして、実際に受け取った医薬品と、また、使用に関する御経験ということで、後発品に変更したきっかけや、後発品の使用に関するお考え、御経験、使用促進の取り組みについて調査を行うものでございます。
調査票の最後に1枚資料を差し込んでおりますが、電子レセプトデータの活用につきまして御説明いたします。
内容を簡潔に申し上げますと、検証調査におきまして、調査対象者の負担を軽減する、回答率を向上させると、また、幅広い対象について状況を把握するということからNDBデータのレセプト情報で診療報酬の算定状況につきましては、わかるというものがございますので、それについても分析することで調査の一部としてはどうかということでございます。27年度以降、毎年実施しておりますが、今年度も引き続き実施したいと考えております。
資料の説明は、以上でございますが、先ほど行われました検証部会におきましては、後発医薬品の調査につきまして、低分子の後発医薬品とバイオシミラーと言われるバイオ後続品につきましても、今後の課題といたしまして、バイオ後続品が増加してきた際には、分けて調査することも検討すべきだと、こういう御意見を頂戴したところでございます。
以上でございます。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
では、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
調査票の案の段階で意見を述べさせてもらいましたけれども、それは、ある程度反映していただいてよかったと思うのですけれども、その中で、少し疑問というか、教えてほしいなというところがあって、これは訪問看護とか在宅医療の現場での話ですけれども、明細書と領収書の発行のタイミングというのはいつなのかなということなのです。そのあたりというのは、実態の把握をされているのかどうかということ。されていないのであれば、調査の対象になるのではないかなと思います。
それは、なぜかというと、やはり、明細書というのは、当然、その場で受け取るものであって、時間がたってから受け取ったとしても、忘れてしまうというのもありますし、あとは、領収書に関しては支払った直後にもらえばいいということですけれども、請求のタイミングですとか、診療明細書の発行のタイミングというのは、どういうふうになっているのかというところを知りたいのです。
ちょっと考えてみたら、月決めみたいなもので後から請求書を発行して、そのときに一緒に発行するのか、もしくは最新のモバイル機器などを持っている施設などは、その訪問した先でプリントアウトして発行するなどということも考えられますけれども、今、そんなところまではいっていないのかなというところで、そのあたりを教えていただければありがたいなと思います。
以上です。
○田辺会長
では、調査室長、よろしくお願いいたします。
○樋口保険医療企画調査室長
詳細を具体的に今、御説明をできないかもしれませんが、通常は、明細書は領収書を発行する際に、その細部を明細書としてあわせて発行するということでございますので、診療したら、その料金を払って領収書を発行すると、それとあわせまして明細書も発行するというのが基本になっているということだと認識しております。
○田辺会長
間宮委員、どうぞ。
○間宮委員
訪問看護などだと、患者が直接払うということは余り考えにくいのかなと思っていて、それは、支払う人が家族だったりとかする場合、請求書は家族のほうに行って、それを振り込むと領収、その振り込み自体が領収になるのだという考え方もあるかもしれませんし、領収書を、また後で送ってくるというのもあると思うのですけれども、そのタイミングと一緒に明細書を家族だけに渡すというようなことなのかなというのがあって、それもまた、患者に対して発行していないのではないかと思うわけです。
そうすると、何か領収書と診療明細書のそれぞれの機能というのが生かせていないのかなと思いますので、もし、今の段階で実態把握をされていないのであれば、ぜひ、実態把握をしていただくような動きをしていただきたいなと思うのですけれども、そのあたり、いかがでしょうか。
○田辺会長
では、調査室長、よろしくお願いいたします。
○樋口保険医療企画調査室長
委員から御指摘いただきました訪問しているようなケース、まさに訪問看護のようなケースで言いますと、実態といたしましては、一月まとめて実際は料金を支払って、領収書が発行されると、こういう実態があるようでございますが、いずれにいたしましても、今回の調査、明細書の機能といいますか、ちゃんと患者さんがそれを受け取って、どういうふうに受けとめていただいているかとか、そういうことを調査するということでやらせていただいておりますので、また、実態は実態として状況を確認して委員に御説明するといったこともしたいと思いますけれども、調査といたしましては、この明細書の機能を調査すると、今回の調査票でやらせていただければと考えています。
○田辺会長
では、間宮委員、どうぞ。
○間宮委員
おっしゃるとおり、調査自体は、これでやっていただいていいと思うのですけれども、実際、実態を把握していないということ、余りそんなことは言いにくいでしょうけれども、それができていないということであれば、やはり、これから在宅医療も訪問看護も広がりを見せていくわけですから、そのときに、もし、医療者側が少しいいかげんな対応になってしまうと、これは患者の利益という意味ではかなり損なうということがあると思いますので、そのあたりも含めて調査というか、実態把握というのに努めていただきたいと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでございましょうか。
では、幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
事前調整の段階で意見を反映いただいたものもありますが、反映をいただいていないもので、どうしてもこだわりたいことが2点ありますので、ここで意見を言わせていただきます。
1つ目は、かかりつけ医機能の調査の中で、平成30年度改定で新設された、機能強化加算について、これが新設された目的は、かかりつけ医機能を有する医療機関を増やすことと、患者の受療行動をかかりつけ医に促すということだと思うのですが、施設票には機能強化加算の設問が設定されている一方で、患者票を見ていますと、機能強化加算に対する設問が全くされていません。患者側がこれをどう受け取っているのか、なぜ、機能強化加算というものを自分が支払っているのか、その制度を知っているのかどうかという質問はすべきだと思います。この設問が欠けていることについて、ちょっと片手落ちではないかと思うのですが、このことについて見解をお聞かせいただけないでしょうか。
○田辺会長
では、調査室長、よろしくお願いいたします。
○樋口保険医療企画調査室長
お答えいたします。
御指摘の点でありますけれども、今年度のかかりつけ医機能に関する調査につきましては、主に再診の患者に対して、かかりつけ医機能を評価した地域包括診療料などの改定の影響につきまして検証するということとしております。
一方で、御指摘をいただいた機能強化加算でございますけれども、これは、御案内のとおり、初診料の加算ということでありますので、調査するとすれば、調査対象を含めまして、調査の実施方法につきまして、設計段階からより具体的に議論を行っていく必要があると考えております。
今年度の調査というよりも、かかりつけ医機能の調査は、今年度、また、来年度も予定されているということでございますので、御指摘の点につきましては、来年度以降、必要に応じて調査、検証を検討することとしたいと考えております。
○幸野委員
30年度改定で新設された点数ですので、そんなにn数は稼げないと思うのですが、初診料の機能強化加算を算定した方に調査票を渡すということをすれば、ある程度のn数も稼げると思います。算定をされた方が機能強化加算をどういうふうに受け取っているのかというところだけでも今回調べて、その状況を見て31年度により詳細な調査をするというやり方にすべきで、これに対する認知度も調査しないというのは、ちょっと違うと思うのですが、調査できない理由は何かあるのでしょうか。
○田辺会長
では、調査室長、よろしくお願いします。
○樋口保険医療企画調査室長
繰り返しになってしまって恐縮なのですけれども、今回の対象との関係で調査するとすれば、調査対象を含めてどんなふうに質問を設けて、選択肢をどうすると有意義かということを、少し今年度できたばかりの加算だということもございますので、やっていかなければいけないと考えているものですから、来年度に向けて具体的にどういうふうにやればいいかということは検討をさせていただきたいということでございます。
○幸野委員
機能強化加算算定あり、なしというのを医療機関側にまず書かせた上で、算定ありの患者に渡せば、その調査はできるのではないですか。
○田辺会長
では、医療課長、お願いいたします。
○森光医療課長
統計的に患者に渡すということをするということであれば、確かにその数字をとることはできるかと思うのですが、この調査自身のそもそもの目的自身は、かかりつけ医機能全体として、今、どういうふうに患者さんに受け入れられているのか、それから、医療機関をどういうふうに考えているのかというところ、それから、どういう機能を持っているのかというところを全体として調査することになっています。
ですので、患者の抽出というところについても、各医療機関ごとに6名選んで書いていただくということになります。
その6名のうち、初診の患者2名を選ぶという形になるのですが、それを全部かかりつけ医機能強化加算の患者を選出してやっていただくということも1つあると思うのですが、そうすると、今回の、本来のこの調査自身は、全体としてまず見させていただいて、その上で、確かにそういう患者さんも出てくると思います。○をつけた患者さんも少しは出てくると思います。ですから、集計のときにその数字が出てくると思いますが、そこに本当にターゲットを絞って分析をするというところまでするのであれば、別の調査をつくってしっかりとらないとまずいかと思います。
これは、全体としてかかりつけ医機能自身を再診、初診、それから、そのほかの部分も含めて、オンライン診療も含めてどのように捉えられているのかというところを見るという調査になっておりますので、幸野委員御指摘のことを、ある意味、意味のある数字として捉えようとするということであれば、もう少し調査設計を、目的のところを少し変えてやらないといけないかと思います。
ですので、私どもとしては、幸野委員御指摘の患者さんがどう受け取っていらっしゃるのかというところについて、決して次の改定までに、次回の来年の調査においてはどういう設問書をつくって、どういうふうに捉えてもらえるのかということも含めて調査をするということは否定しませんけれども、ぜひ、そのことをこの場で議論していただきながら調査票をつくっていくということはいいと思いますが、今回の調査票でそこをターゲットにやるというのは、少し調査全体としてゆがみが出るのではないかと思っておりますので、次の31年の調査の際には、ぜひ御意見をいただいたものを踏まえてつくらせていただきたいと思っております。
○幸野委員
余り納得できないのですけれども、次回の調査では必ずやっていただけるということであれば、今回は仕方がないと思います。
もう一点は、後発医薬品に対する調査の中で、後-11の保険薬局への設問の(6)の薬局として後発医薬品の調剤を積極的に進めることができるために何をすればいいかという設問がありますが、その回答の選択肢に追加していただきたいことがあります。行政機関への要望として、処方箋の様式の見直し、特に変更不可欄、これを削除してほしいという声を現場の方からよく聞くのですが、ジェネリック80%を目指すこの時代において、後発医薬品への変更不可欄を削除してもらえば、かなり進むと思いますし、薬局、薬剤師の方も、多くの方が希望されているのではないかと思うのですが、選択肢に入れていただくことは無理なのでしょうか。
○田辺会長
では、よろしくお願いいたします。
○田宮薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
幸野委員御指摘の設問でございますけれども、ここの部分につきましては、もともと薬局において処方箋では変更不可になっておらず、薬局で後発医薬品を調剤可能な場合であっても、実態としては後発医薬品が調剤されない場合があると、そういった背景を踏まえまして、薬剤師の後発医薬品に対する理解や認識、それから、薬局の体制あるいは患者側の意向など、薬局が後発医薬品の調剤に積極的に取り組む上で、どのような隘路があるのかといったことについて尋ねるという趣旨で設定しているものでございます。
したがいまして、今、委員から御提案のあった選択肢といいますのは、どちらかというと、処方側の対応に関する選択肢でございますので、他のここに載せているほかの選択肢との意味合いが異なってしまうことになるのではないかと思っているところでございます。
一方、幸野委員の問題意識につきましては、今回の調査票でも、例えば、調査票のページでいきますと、後-4のページにおきまして、設問の2の(1)において、薬局で受け付けた処方箋のうち変更不可となっているものの割合が把握できるようになっておりますし、また、ページで言うと、後-12の設問の5の(11)のところで、薬局の薬剤師が医師または医師の処方に関して望む点について選択肢を設けて聞いていますので、そういった今後の処方箋の様式の見直しも含めた後発品の使用促進策に関する、議論に必要な情報というのは収集可能なものになっていると考えているところでございます。
さらにつけ加えますと、後発医薬品の本調査につきましては、先ほどの説明の部分も含めて、毎年調査を行っておりまして、その状況の経時的な変化も確認することも目的としているといったこともございますので、選択肢の一貫性というところも重要なのかなと考えているところでして、委員御指摘の部分につきましては、現在の案で調査をさせていただければと思っているところでございます。
○田辺会長
よろしゅうございますか。
ほかは、いかがでございましょうか。
では、宮近委員、お願いいたします。
○宮近委員
先ほどの幸野委員の機能強化加算に関連いたしまして、私からもお願いをしたいと思います。
今年の改定時の答申の附帯意見では、「かかりつけ医機能を有する医療機関の新たな評価等の影響を調査、検証し」という言葉が盛り込まれております。当該加算の算定にかかわる認知度や理解も含めて、今年は制度設計等の観点から難しいということであれば、来年にかけて可能な限りエビデンスを収集して調査していただきたいと思います。
先ほど幸野委員が言われたとおり、患者票において、平成30年度の診療報酬改定で新設された機能強化加算について、患者側の受けとめが非常に重要だと考えています。
来年にこうした調査を実施しても、恐らく認知度については非常に低い数字になるのではないかと想定されます。しかし、こういったデータや数値をばねにして、地域医療にコミットしている医療機関であることを地域の中で後押しできるような取り組みにしていくべきだと思います。
そういった観点からも、ぜひ、今年が難しいということであれば、来年度にかけて制度設計を含めていろんな検討をしていただいて、エビデンスをとることは非常に難しいかもしれませんけれども、何とか数字を把握していただければと思います。
以上、意見です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでございましょうか。
よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(委員首肯)
○田辺会長
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
次に「DPCデータの提出に係る対応について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局のほうより御説明のほうをお願いいたします。
では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
医療課長です。
資料総-3「DPCデータの提出に係る対応について」について御説明をさせていただきます。
まず「1 背景」というところでございますけれども、平成30年度の診療報酬改定におきまして、入院医療を担う医療機関の機能や役割を適切に評価するために、DPCデータの提出を求める対象となる病棟の拡大をさせていただきました。
資料総-3の参考というカラフルなほうの資料を見ていただきますと、その詳細が書いてありますが、平成28年までは、最初の診療実績データ提出への評価1というところを見ていただきますと、7対1入院基本料と10対1入院基本料、それから、地域包括ケア病棟入院料、これらの対応をとっている病院で、一般病床200床以上の保険医療機関が対象としてデータの提出を要件としておりました。
また、10対1の入院基本料につきましては、そこにありますように200床以上の保険医療機関です。その残りは持っている病院は全てということになっておりました。
それが、平成30年の診療報酬改定でデータを提出する病床、入院基本料を拡大いたしまして、そこにありますように、急性期一般入院基本料、特定機能病院入院基本料、それから7対1、10対1の病棟、それから、専門病院入院基本料、7対1、10対1の病棟が地域包括ケア病棟のほかに回復期リハビリテーション病棟入院料と療養病棟入院基本料、これを対象といたしました。
※2という形で書いてありますように、回復期リハビリテーション病棟入院料と療養病棟入院基本料については、回復期リハビリテーション病棟入院料の5と6と、療養病棟入院基本料は許可病床200床以上を要件化ということで、許可病床が200床以上の場合に、データ提出加算の対象となるということにしておりました。
これを要件化したということでございますけれども、この場合、実は、許可病床200床以上の病院については、データ提出をするための体制がほぼ整っているだろうということで、平成30年の診療報酬改定時に、このデータ提出加算を要件として、この入院料をとれるという形にしたという経緯がございます。
現状なのでございますが、実は、200床という数字を許可病床ということにしたために、回復期リハビリテーション病棟入院料を、例えば、1病棟50床とっているのだけれども、精神科の病床が、そのほかに20床あると、合わせて許可病床250床あるといったような病院も、このデータ提出加算の対象となっておるということでございまして、これは要件化されているということでございますので、そうなりますと、回復期リハビリテーション病棟入院料が、提出できなければとれなくなるという状況に至っております。
当時は、許可病床200床以上、基本的には、一般病床200床以上というイメージで、もしくは療養病床200床以上ということで想定したと思うのですが、その場合には、通常の場合、データ提出加算をとれるような対策となるだろうということで想定をしておったのですが、そういう病棟においては、現在のところ、データ提出加算をとれる体制、例えば、診療録管理費だとか、検査ですとか、処置というものをコードしていくという、適切なコードができるという体制が、現在のところ、まだ整っていないという状況もありまして、現在の状況では、平成31年の3月までの経過措置の対象となっておりますので、そこでは対象としては難しいだろうということで、今回、御提案させていただくのは、対応方針(案)の(1)でございますけれども、このように体制の構築ができていないという状況がありますので、具体的な対応策としては、回復期リハビリテーション病棟入院料の5と6、それから、療養病棟の入院基本料を算定する病床を有する医療機関のデータ提出については、データ提出が要件となる病棟の数が200床以上の場合にデータ提出を求めることとしてはどうかということでございまして、経過措置を、そのほかの病院については、平成32年3月まで経過措置を延ばすということで対応してはどうかと考えての御提案でございます。
もう一点、実は、DPCデータの提出の関係としまして御提案がございました。これは「1 背景」の2つ目の○のところでございますが、現在、医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議において、NDBデータと介護データの連携解析について検討が行われております。
当然ながら、DPCデータと、これらのデータベースの連携についても検討が予定されておりますけれども、この連結を行う場合に、これらのデータベースと同様に、公益目的での利用の明確化、運用の安全性の確保を図ることが必要となっております。
ところが、現在、DPCのデータ提出につきましては、参考資料の6ページ目の上のところを見ていただければと思うのですが、DPC提出に係る告示ということで、現在、告示でDPCデータに係る提出を義務づけているということでございまして、この告示という形で提出を求めておりますので、データにおけるセキュリティーですとか、個人情報保護といったような観点では、現在、少し運用の安全性の確保を図るという意味では弱いという状況でございます。
ですので、今後、データの利活用ですとか、第三者提供等を求められる状況にあるに当たっては、法制化に関しての検討を進めていく必要があるだろうということでの御提案でございます。
DPCデータの提出に係る対応についての御説明は、以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
では、猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
DPCデータですが、今回、多分、推進病棟のところが、かなり問題になったのかなと思います。
実際、今までに、療養もそうなのですけれども、包括点数の場合に、それを細かく全て何をやったかというのをデータとしてとっていない病院さんが相当多かったのだろうと思います。
というのは、少なくとも、それをやるためには、オーダリングシステムぐらいがないと、多分できないので、それを長いこと包括ということで、それが不要としてきたのが原因かと思われますので、ただ、データを多く集めて、病院のやっている医療行為等を、実際に、客観的に把握するということは、今後、必要だと思います。
したがいまして、これを進めるに当たっては、十分に議論を行って、いつごろからこういうところも入れていきましょうという少し長いスパンの計画を立てていただいて、各病院がデータをつくるということに対して準備できるように、十分に議論と計画を示していただく必要があるのではないかと思っております。
よろしくお願いいたします。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでございましょうか。
よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(委員首肯)
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
次に「医療経済実態調査について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局のほうより御説明のほうをお願いいたします。
では、保険医療企画調査室長、よろしくお願いいたします。
○樋口保険医療企画調査室長
資料の総-4に基づきまして御説明いたします。
次回の医療経済実態調査でございますけれども、2年に1回行っておりますが、次回に向けた調査設計に係る議論が必要という状況でありまして、調査実施小委員会を開催いたしまして、今後、30年度中に結論を得ることとしてはどうかという御提案でございます。
毎回、こういう形で総会に御了承をいただいた上で、小委員会で具体的な議論をしていただいているということでございますので、今回につきましても、そのようにしたいということであります。
議論の進め方の(案)でございますが、事務局から主な論点を提示させていただきまして、具体的には、有効回答率の向上策でありますとか、調査項目の見直しなどにつきまして議論をしていただきまして、事務局から実施案を提示して議論をしていただくと、こういうことで考えております。
スケジュールは、下に表にしておりますけれども、前回のスケジュールを参考に(案)として掲載しております。本日、御了承いただければ、10月から12月にかけまして、調査実施小委員会で御検討をいただきまして、12月に、その結果を総会に報告し、了承をいただければ、来年6月が調査月でございますので、調査をいたしまして、7月から10月に調査票の集計、分析、11月上旬に小委員会と総会に調査結果を御報告すると、このようなスケジュールで進めていただければと思っております。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
では、遠藤委員、よろしくお願いします。
○遠藤委員
医療経済実態調査については、前回のときも、歯科のほうは、なかなか個人経営ということで、データが出にくいということで、有効回答のところの差が出たということを要望いたしまして、前回、案分の仕方とか、また、青申の活用ということで、有効回答率が上がったということは大変よかったと思うのですけれども、まだ、回答率と有効回答率の間に10%ぐらい差があります。
そういった中で、調査の設計や集計の段階でどうしても脱落が出るとバイアスがかかりやすいということもあろうかと思います。また、次の消費税等の扱いの中でも基本的な資料になるということでありますので、全体を把握することは大変重要だと思いますので、回答率を上げるとともに、有効回答というか、せっかく回答されたものが有効に生かされるような、何かうまい制度設計といいますか、そういったものを含めて有効活用の方向でさらに検討をしていただければと要望いたします。
よろしくお願いします。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(委員首肯)
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
次に、報告事項ではございますけれども「診療報酬調査専門組織『医療機関等における消費税負担に関する分科会』からの報告について」を議題といたします。
まず、消費税分科会会長の荒井委員より、御説明のほうをお願いいたします。
では、荒井委員、よろしくお願いいたします。
○荒井委員
分科会長の荒井です。
現在、平成31年10月に予定されている消費税率の引き上げに向けて、医療機関等における消費税負担に関する分科会において、診療報酬での対応方法等について議論を行っております。
今回は、7月25日と9月19日に開催された第16回と第17回分科会の内容について御報告いたします。
まず、第16回分科会では、事務局から医療機関等における控除対象外消費税に係る、診療報酬による補てん状況について、平成28年度の調査結果の報告があり、あわせて平成27年度に実施した平成26年度の調査結果の誤りについても報告がありました。
まず、資料総-5-1をごらんください。
調査の結果、平成28年度の全体の補てん率は、推計で92.5%でありました。
また、平成26年度の全体の補てん率については、平成27年11月の第13回分科会では、102.1%と報告されていましたが、今回、90.6%に訂正されました。
この報告に対しては、データ抽出に誤りがあり、その結果、誤った補てん率が公表されたこと。その結果、補てん率が100%を下回っていたにもかかわらず、是正の機会が失われてしまったこと等について、委員の皆様から厳しい御指摘があり、事務局から、今後、信頼性のあるデータで御議論いただけるよう猛省したい旨の説明がありました。
第17回の分科会では、まず、調査の誤りについて保険局長から会の冒頭に謝罪がございました。また、事務局から調査の誤りに係る詳細の説明に加え、補てん状況の要因分析、消費税10%引き上げに向けた今後の論点整理が示されました。
資料総-5-3の21ページをごらんください。
要因分析については「医科・歯科・調剤の財源配分」では、各科の課税経費率、医療費シェアをもとにした財源配分の比率を見ると、各科ごとの振れ幅は大きくありませんが、財源規模の小さい歯科、薬剤は医療費シェアや課税経費率の変動がわずかでも補てん状況への影響が大きくなること。歯科については、補てん項目の算定回数の見込みと実績の乖離が、調剤については課税経費率と医療費シェアの上昇が、それぞれ補てん状況に影響を及ぼしていると考えられること等が報告されました。
「病院・一般診療所の財源配分」では、病診間の医療費シェアの差の拡大と病院の課税経費率の上昇が病診間の補てん状況に影響を及ぼしていると考えられること等が報告されました。
「初再診料・入院料の財源配分・配点」では、初再診料・入院料のいずれも補てん項目の算定回数の見込みと実績に差が生じており、これが全体の補てん不足に影響を及ぼしていると考えられること。
入院料ごとの課税経費率は、おおむね上昇傾向ではあるが、変動幅もそれぞれ異なり、補てん状況に影響を及ぼしていると考えられること。
課税経費率や算定回数の変動だけでは、補てん率の説明が難しいものもあり、配点に当たっては、ほかに考慮すべき要素があると考えられること等が報告されました。
次に資料総-5-4をごらんください。
今後の論点整理として、配点方法等については、初再診料の配点に当たり何らかの工夫をすることは考えられないか。
入院料の配点について、入院基本料別の課税経費率をより細かく見ていくといったことは考えられないか。
課税経費率や算定回数以外に、病院の収入における当該入院料のシェア等の要素を考慮するといったことは考えられないか。
個別項目への補てんをどう考えるかといった論点が示されました。
財源配分の考え方については、医療費シェアと課税経費率の変動をどう考えるかといった論点が示されました。
使用するデータ等については、課税経費率は、直近の第21回医療経済実態調査の結果を用いることとしてはどうか。算定回数の見込みは、ナショナル・データベース・データの通年の実績データを用い、実態をより踏まえた方法で見込むように見直してはどうか。
平成31年10月の消費税率引き上げに係る補てん状況については、必要なデータがそろい次第、速やかに検証してはどうかといった論点が示されました。
次回の分科会以降、具体的な方法等について議論を進めていくこととなります。
なお、保険局長から御発言があるとのことですので、お願いいたします。
○田辺会長
では、樽見局長、よろしくお願いします。
○樽見局長
保険局長でございます。
先ほど分科会長からも御報告がありましたけれども、平成26年度補てん状況調査に誤りがあったということでございまして、私から改めておわび申し上げたいということで発言の機会をお願いしたところでございます。
この調査は、消費税が5%から8%に上がることに伴いまして実施した平成26年の診療報酬改定により、消費税負担分がどの程度補てんされているかについて調査をし、平成27年11月30日の第13回消費税分科会において御報告申し上げたものでございます。
その際には、医療機関等、全体で見た補てん率が102.07%であり、補てん状況にばらつきが見られたものの、マクロではおおむね補てんされていることが確認されたという報告をいたしていたところでございます。
しかしながら、直近の補てん状況を確認するために、平成28年度補てん状況調査の作業を進めていく中で、平成26年度調査においてDPC病院について、入院日数の重複がある不正確なデータが抽出されており、それを用いた結果、誤った補てん率を算定し、公表してしまっていたということがわかったということでございます。
具体的に申しますと、これは、資料で申しますと、先ほどの総-5-2のところで書いてあるわけでございますけれども、DPC病院の包括部分の補てんにつきまして、NDBデータから入院日数を抽出しておりましたが、複数月にまたがる入院の場合、入院日数について、後ろのほうの月に前のほうの月の入院日数が重複して抽出されてしまっていたと、それに基づく算定回数の合計値が提供されていたというものでございます。
NDBデータに、こうした重複した入院日数も含まれているという仕様、これについて特段意識されず、重複していないデータを抽出する依頼でありますとか、及びそのことの確認でありますとか、そういうことは行われていなかったというところでございます。
この補てん状況調査は、26年改定による補てんが的確に機能しているかどうかを確認するために行ったものでしたので、今回のデータ誤りにより補てん状況について、誤った認識を世の中に生じさせたということになるわけでございます。
この点、誠に申しわけなく、深くおわび申し上げたいと思います。
今後、このような事態が発生することがないように、一つ一つの作業に当たりまして丁寧に対応してまいりたいと考えております。
委員各位におかれましては、引き続きまして御指導、御鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。ありがとうございました。
○田辺会長
ありがとうございました。
事務局から、さらに補足があれば、よろしくお願いいたします。
よろしゅうございますでしょうか。
では、ありがとうございました。
では、本日は、一応経過の報告であり、引き続き分科会において議論を進めていきたいと思います。
ただいまの御説明につきまして、特段御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
では、今村委員、よろしくお願いします。
○今村委員
今、会長からもお話がありましたように、あくまで、これは分科会で御議論をいただいている御報告ですし、これはこれで結構だと思うのですけれども、あえて、この場でお願い申し上げたいと思うのですけれども、補てんの状況が経年的にどのように変化していくかということを検証するということはとても大事だというのは、今回の御報告を伺っても改めて確認ができたと思います。
消費税が導入されてから、平成26年までの26年間、診療報酬に補てんされながら、この経年的な変化というのを全く確認していない、検証をしていない状況が続いてきたわけです。
そのことが、結局、厚生労働省としては補てんが十分できている、しかし、一方、医療機関側は補てんが十分ではないのではないかという不満につながっていて、そのことが診療報酬で補てんをするという方法に対しての不信感に長年つながってきたと考えています。
したがって、今回は、この資料を見ましても、税率が上がるので検証するという記載になっているのですけれども、そもそも消費税率が上がるか、上がらないかということと関係なく、やはり定期的に、この問題は検証されていかなければいけないと思っておりますけれども、この分科会がどういう役割を担っているかということを、この総会の中で、あまりきちんと確認されたということはないように思います。
したがって、本来であれば、28年に検証すべきものが、28年に検証されなかったために、より補てんの差が大きくなっているということがあるわけですから、この中医協総会の場できちんとこの分科会は、税率が上がる、上がらないに関係なく、定期的に検証するものだということを改めて確認をしていただきたいと思います。
○田辺会長
では、医療課長、よろしくお願いします。
○森光医療課長
私どもも、今回の調査の誤り、そして、それを検証してこなかったということに対して深く反省をしております。
また、検証、調査がいかに重要であるのかと、丁寧に行うことが大事なのかということも理解をさせていただきました。
これを踏まえて、今回の改定の結果の検証を速やかに、そして丁寧にやらせていただきたいと思いますし、先生おっしゃるとおり、それが1回で済むというような話ではなく、基本的には、その結果に応じて見直しをする必要があれば見直しをし、また、検証をしていくというようなことが必要だろうと思っております。
○今村委員
よろしくお願いいたします。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。
よろしゅうございますでしょうか。
では、御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと存じます。
次に「消費税率引上げに向けた今後の進め方について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明のほうをお願いいたします。
では、保険医療企画調査室長、よろしくお願いいたします。
○樋口保険医療企画調査室長
資料の総-6に基づきまして「消費税率引上げに向けた今後の進め方について」、資料を説明させていただきます。
診療報酬本体の対応につきましては、先ほど、分科会長から御報告をいただきましたような形で、今、議論をいただいているということでございます。
この内容も含めましてということでありますが、主に、その他、薬価、そして、保険医療材料での対応もあるということでございまして、これにつきましても、今後の進め方について御説明をさせていただいて、御議論をいただければということでございます。
最初に資料の1枚目は、過去の経緯の振り返りであります。消費税導入時、平成元年、そして、9年に5%に引き上げ、直近で言いますと、26年4月の8%引き上げ時ということで、それぞれ対応してきたという経緯でございます。
2ページ目に、特に薬価の部分につきまして、どういう形でやってきたかということを整理させていただいております。
最初に算定式を四角囲いしておりますけれども、価格につきましては、この式のとおりでございまして、医療機関等への販売価格の加重平均値、これは、税抜きの市場実勢価格ということでございますが、これに消費税率を掛けたものプラス調整幅ということをやってきているということであります。
具体的には、平成元年、9年、26年それぞれの対応を表にしておりますが、平成元年におきましては、これは、通常改定の年ではございませんでしたし、薬価調査も当時はしておりませんでしたけれども、過剰転嫁にならないように、改定率に0.9%乗じるという形でやってきたということでございます。
平成9年につきましては、これも通常の改定年ではございませんでしたけれども、薬価調査を実施した上で、実勢価格を反映し、さらに消費税率の2%、当時は3%から5%に上がるということでありますので、2%分を上乗せしたということであります。
26年度につきましては、通常の改定年度でございましたので、その薬価調査をしておりましたが、それで市場実勢価格を反映させまして、それに5%から8%、3%分の消費税率を上乗せしたということでございます。
次の3ページ目は、先ほど御報告いただきました診療報酬の本体の改定の関係でございまして、先ほども御報告いただいたような論点をもとに分科会で御議論をいただいているという御紹介でございます。
4ページ目が、薬価材料価格の改定についてということでありますが、先ほど、資料の2ページ目でも御説明したとおり、これまでも、そのときの実勢価に対しまして、消費税率を上乗せするという形でやってきたということでありますが、これにつきまして、以下の論点等について御議論をいただくこととしてはどうかということでございます。
内容は、まず「改定の趣旨」でございますが、来年度に実施する薬価等の改定は、来年10月からの消費税率の引き上げに伴い、必要となるものであるという確認でございます。
そのためには、そのときの実勢価に対しまして、消費税率分を上乗せすることが必要になってくるということでございます。
「改定の時期」でありますが、そういうことで言いますと、消費税率の引き上げ分の上乗せは、消費税率の引き上げと同時に行う必要がありまして、従来、実勢価を踏まえた薬価の引き下げと同時に実施した上で改定をしてきたということであります。来年10月からの消費税率の引き上げに伴いまして必要になるという趣旨を踏まえますと、来年10月に実勢価を踏まえた上で上乗せをするということが自然であると考えられるところであります。
一方でございますが、次の通常改定、2020年度になりますが、このためには、来年9月に薬価調査を行いまして、実勢価を把握することが必要となりますが、上記のとおり、消費税率の引き上げに伴う改定を10月に実施するということとした場合に、その改定後の実勢価、10月に薬価が定まるということでありますと、その後の改定後の実勢価を把握するというのが難しくなってくるということでございますので、2020年度の改定に反映できないという課題がございます。
このようなことを踏まえまして、実勢価を踏まえた薬価引き下げの時期についてどう考えるかということが論点になってくると思っております。
「その他」の論点といたしまして、改定の趣旨や時期を踏まえまして、薬価との算定式を具体的にどうするか、また、実勢価改定に連動して適用しております改定ルール、新薬創出等加算でありますとか、最低薬価などの適用の範囲や内容につきまして、どう考えるかということも技術的ではありますけれども、論点になってくるということでございます。
このような論点につきまして、御議論いただく進め方でございますが、次の5ページでございますが、御提案でございますけれども、この資料の下の後半にカレンダーを書かせていただいております。
まず、真ん中のところに総会を位置づけておりますが、本日、論点と今後の進め方を提示させていただいているところでありますが、御了承いただければ、来月、10月に総会で業界から意見聴取をしていただきまして、具体的な議論を10月、11月、薬であれば薬価専門部会、材料であれば、保険医療材料専門部会のほうで、各論点につきまして御議論をいただきまして、12月にさらにまた業界からの意見聴取をいただき、骨子案をまとめていただきまして、それぞれの部会から12月の総会に、薬価と材料価格の調査結果とともに骨子案につきまして御報告をいただくと。それで御了承をいただければ、1月に具体的な改定内容等を、また、各部会で議論をしていくと、こういう形で進めるということでよろしいかどうかということでございます。
また、右側でありますけれども、現在、診療報酬の本体につきましては、消費税分科会で御議論をいただいております。これにつきましても、10月、11月と、今の各論点につきまして御議論をいただきまして骨子案をまとめまして、これもあわせまして12月に総会に御報告をいただきまして、その後、1月には具体的な改定内容につきまして、また、分科会で御議論をいただくと、こういった形で進めさせていただくこととしたいと思います。
資料は、以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
本日は、事務局のほうから、10月の総会において業界から意見聴取を行い、各論点については、部会等において議論を進めていくというスケジュール案が提示されたところでございます。
こういった点を含めまして、ただいまの説明につきまして、特段御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
では、松本委員、よろしくお願いします。
○松本委員
ありがとうございます。
4コマ目でございますけれども「改定の趣旨」にあるとおり、来年の薬価・材料価格の改定は、来年10月に予定されている消費税の引き上げに伴い必要となるものだということは十分に理解しております。
一方、2020年は診療報酬本体の通常改定の年でありますので、来年の薬価等の改定の方法や時期を決めていくに当たっては、通常改定に影響が出ることがないように十分に留意をしていただきたいと思いますが、この点については、いかがでしょうか。
○田辺会長
では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
時期やスケジュールについては、当然ここの場で議論をしていただくことにはなりますけれども、来年の臨時である消費税改定が、次の2020年の改定に影響が出ないようにという御趣旨は、非常に受けとめた上で、ぜひ、議論をし、まとめていっていただきたいと思っております。
○松本委員
ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
○田辺会長
ほかは、いかがでございましょうか。
では、吉森委員、よろしくお願いします。
○吉森委員
今後の進め方、スケジュール等については、この方向性でよろしいかと思いますし、今、松本委員からもありましたように、今後の議論に関しての課題、ポイントというような考え方は賛同するところであります。
そこで改めてもう一度、これは分科会でも申し上げているのですが、医療にかかわる消費税について、仮に診療報酬改定で対応する、この方針で進めているわけですけれども、そうであるならば、その補てんの方法は公平かつ公正であって、極力過不足、つまりばらつきが極力生じない形で行う、これが大原則だと承知しております。
そこで、先ほど、今村先生からもありましたけれども、この対応について、やはり、分科会できっちり定例的に検証していくということが必要でありますし、そのためにも、前回の分科会で申し上げましたが、総-6の3ページの論点を考察するに当たっては、やはり、データを細分化して、より精緻な分析をする必要がある。
そうしたエビデンスデータの考察は、6ページの30年度の与党税制改正大綱の抜粋にもありますが、医療機関の仕入れ税額の負担及び患者等の負担に十分配慮し、関係者の負担公平性、透明性を確保しつつ、税制上の抜本的な解決に向けて総合的に検討すると、こういうことが書かれているわけですが、こういうことを、やはり、しっかりと押さえるためにも、また、窓口負担をいたします患者の理解、これを得る観点からも、このエビデンスデータをしっかり考察していくということは必須の要件であると考えております。
一方で、5ページの今の御提案のスケジュール、これを政府予算との関係性を当然踏まえますと、一定の結論を出さざるを得ないわけでありますし、議論の時間は、そんなにあるわけではございません。それは、十分承知しておりますので、今後の進め方のスケジュールを担保するためにも、やはり、各専門部会消費税分科会並びに本総会において、しっかりと議論ができるような十分な検証、考察に資するような、繰り返して申し上げたくないですが、しっかりとしたエビデンスデータ、これを準備いただいて議論をしていくということが必要であると考えておりますので、エビデンスデータの整理並びに提示はよろしくお願いしたいと思います。
○田辺会長
では、医療課長、よろしくお願いします。
○森光医療課長
私どもも、この議論に資するようなデータの分析、それから抽出を、今、行っております。できる限り早期に委員の先生方にお示しをして、適正な議論ができるようにしたいと思っております。
○田辺会長
ほかにいかがでございましょうか。
では、猪口委員、よろしくお願いします。
○猪口委員
4ページの今後の進め方なのですけれども、現在、行っている薬価調査に基づいて、もし、来年の春、薬価を引き下げとか、変更がある場合には、そこでまた、現場においては、いろんなデータを入れかえたり大変な苦労があるわけです。
それに基づいて、今度、また9月に調査を行って、10月からは、今度は消費税対応ということで、また、そこでデータの入れかえです。9月の調査は、まともなデータが多分出てこないもので、基づいて20年改定と、余りにも複雑過ぎて、多分、我々医療機関だけではなくて、卸の方だとか、いろいろな薬価の交渉とか、そういうのが、多分、妥結に至らなくなってぐちゃぐちゃになることは目に見えていますので、ここはすごく簡素化した方法をぜひとっていただきたい。
例えば、今回、調査はしているわけですけれども、その調査に基づいて、来春にいじるとかということをしないで、何か大きいものがあれば、もちろん別ですけれども、それは極力避けていただいて、そして、消費税のときには、それらも対応する。それから、来年の9月の調査に基づいて、2020年に向けて、もう一回薬価をきちんと見直すぐらいに簡素化していかないと、本当にやるべきことを全部やっていったら、とても現場としては、多分対応し切れなくなると思いますので、ぜひ、そこは何とか簡素化する形で進めていただきたいと思っております。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでございましょうか。
では、幸野委員、よろしくお願いいたします。
○幸野委員
総-6の3コマ目の、分科会の資料を引用したところで、一番下の使用するデータをどうするかという論点の○1の課税経費率は、直近の調査である平成29年度の実調を使うということですが、その上に、財源配分の考え方については、医療費シェアと課税経費率のシェアの変動も考慮するという論点もうたわれておりまして、この使用するデータについては、平成29年度の第21回の実調をそのまま使うのか、それとも、医療費シェアや、課税経費率の変動も考慮するのか、確認しておきたいのですが、いかがでしょうか。
○田辺会長
では、医療課長、よろしくお願いします。
○森光医療課長
基本的には、そこに挙げてありますのは、論点として御議論をいただきたい点として挙げさせていただいております。
ですので、財源配分の考え方ということで、26年の改定後、変化があったということについてどう考えるかという点。それと、ただ、31年の消費税改定に向けて基本となるデータというのは、まず、29年のデータを使いましょうということでの議論になっております。
それを、その後の変動をどうするのかというところについては、前回の消費税分科会でも議論になりました。結論は、恐らく、まだ御意見があるということだと思いますが、また、10月の消費税分科会で議論をしていただくことになるかと思っております。
○田辺会長
よろしゅうございますか、ほかは、いかがでございましょうか。
よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(委員首肯)
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
次に、報告事項でございますけれども「最近の医療費の動向について」を議題といたします。
事務局より、資料が提出されておりますので、事務局のほうより、説明のほうをお願いいたします。
では、調査課長、よろしくお願いいたします。
○山内調査課長
調査課長でございます。
資料の総-7-1と総-7-2に基づきまして、平成29年度の医療費の動向などについて御説明をいたします。
まず、総-7-1をごらんください。
「Press Release」と書かれている1枚目の囲みの上のほうに書いておりますけれども、厚生労働省では、医療費の動向を迅速に把握するために、医療機関からの診療報酬の請求データに基づきまして、医療保険と公費負担医療分の医療費を集計して、毎月、最近の医療費の動向ということで公表しています。
概算医療費と呼んでいますけれども、国民医療費の約98%に相当しているということでございます。
囲みの中の1つ目の○をごらんください。
平成29年度の医療費は42.2兆円となりまして、前年度に比べて0.9兆円の増加となりました。
囲みの下に「参考」と書いてある表がございますが、こちらをごらんいただきますと、一番上の行が医療費の額でありまして、その下に対前年度の伸び率があります。
医療費の伸び率は、平成25年度と26年度は、おおむね2%程度で推移していましたけれども、C型肝炎治療薬などの高額な薬剤の影響がありまして、平成27年に3.8%と一時的に高くなりまして、平成28年度はマイナス0.4%ということで、前年度の反動などもあって一時的に低くなっているということでありました。
ただし、平成27年度と28年度の一時的な変動をならしまして、平成25年度の2.2%から平成28年度までのマイナス0.4%の平均をとりますと、1.9%ということになっていたということであります。
平成29年度につきましては、医療費の伸び率は2.3%ということになっておりまして、これは、最近の傾向とおおむね同程度と見ているということであります。
伸び率の下に「(参考:休日数等補正後)」とありますけれども、これは、医療機関の稼働日数を補正した伸び率であります。
平成29年度で言えば、日曜日や祝祭日などが前年度と同じ数でありましたので、稼働日数の影響はほとんどなかったということになっています。
下の2行ですけれども、医療費は1日当たり医療費と受診延べ日数とを掛け合わせたものでありますので、伸び率につきましても、1日当たり医療費の伸び率と受診延べ日数の伸び率に分解することができるということになっております。
平成29年度は、1日当たり医療費の伸び率が2.4%と、それから、受診延べ日数の伸び率はマイナス0.1%ということになっています。
近年の傾向としまして、基本的には、受診延べ日数は減少傾向、それから、1日当たり医療費は増加傾向という形になっていますけれども、平成29年度も同様の傾向になっているということかと考えております。
また、囲みの中に戻っていただきまして、囲みの3つ目の○に書いておりますけれども、診療種別に見た医療費の伸び率につきましては、入院が2.6%、入院外が1.6%、歯科が1.4%、調剤が2.9%となっています。
最近の傾向から見ますと、入院がやや高目、調剤が低目となっていますけれども、全体としましては、今、申し上げたとおり、2.3%ということで、最近の傾向とおおむね同程度ということで推移しているということかと見ております。
続きまして、資料総-7-2をごらんいただけますでしょうか。
「Press Release」と書かれている1枚目でございますが、医療費のうち調剤医療費については、比較的電算化が普及するのが早かったので、平成17年ごろから電子レセプトのデータを収集しまして、調剤医療費(電算処理分)の動向を作成してきたということでございます。
めくっていただきまして、1ページ目の表1をごらんいただけますでしょうか。
平成29年度の調剤医療費、電算処理分は表の4行目ということになりますけれども、7兆6664億円で、対前年度伸び率は3.1%ということになっております。
先ほど御紹介した概算要求の数値、2.9%でありましたけれども、基本的には同程度ということかと思います。
その下のほうになっていきますが、年間の処方箋枚数は、約8億3000万枚ということで、処方箋1枚当たりの調剤医療費は9,187円ということで、対前年度の伸び率は1.9%ということになっております。
2ページ目の表2-1をごらんいただけますでしょうか、上のほうの表になりますけれども「2.調剤医療費の内訳」でございますが、表の上から2行目が技術料ということになっておりますが、1兆9122億円で、対前年度の伸び率は3.4%。
表の中ほどに薬剤料がございますけれども、薬剤料が平成29年度は5兆7413億円で、対前年度の伸び率は2.9%ということになっています。
先ほど、概算医療費の説明の中で、平成29年度の調剤医療費の伸び率が低目と申し上げましたが、技術料につきましては、これまでの傾向と大きくは違わない形で推移しており、一方で、薬剤料が、例えば、薬価改定のなかった平成25年度などに比べると低くなっているといったような形になっております。
下から2行目でございますが、後発医薬品の薬剤料でございますけれども、平成29年度は1兆92億円となっておりまして、対前年度の伸び率は16.9%ということになっております。
もう一枚めくっていただきまして、4ページの表の4-1、一番上の表のさらに一番上の行をごらんいただけますでしょうか。
これは、後発医薬品割合で、一番上が、現在使っている数量ベースの指標でございます。
平成29年度の一番右側の3月の欄でございますが、後発医薬品の割合につきましては、数量ベースで平成29年度末、平成30年3月で73.0%ということになっています。
左から2列目が28年度の3月でございますが、前年度末が68.6%ということでしたので、伸び幅として4.4%ポイント上昇したということになります。
以上、保険薬局における調剤医療費の動向について御説明しました。
ただ、薬剤については、これ以外に入院とか外来に含まれるものもありますので、医療費全体の動向なども含めて、引き続き見ていきたいと考えております。
説明は、以上でございます。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
よろしゅうございますでしょうか。
では、御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと存じます。
本日の議題は、以上でございますけれども、事務局から、その他として資料が提出されておりますので、事務局のほうより御説明のほうをお願いいたします。
では、医療課長、よろしくお願いいたします。
○森光医療課長
医療課長です。
総-8に従いまして、北海道の地震に伴う対応につきまして御報告をさせていただきます。
そこにありますように、本年の9月初めにありました北海道の地震につきまして、これまでの東日本大震災、それから、熊本の震災と同様に被災者の方への支援に関するということで、被保険者証の提示がない場合の受診ですとか、それから、主に被災地の医療機関への配慮ということで、診療報酬請求の取り扱い、概算払いができるようにするとか、それから、請求書の提出期限の延長、診療報酬の算定の要件の緩和というようなことにつきまして事務連絡を出しております。
また、次の10月の総会におきまして、この措置の期限等につきましてお諮りをさせていただきたいと思います。
報告は、以上でございます。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
よろしゅうございますでしょうか。
では、御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと存じます。
本日の議題は、以上でございます。
なお、次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。
どうも御参集ありがとうございました。
 

 

 

 

 

(了)
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