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2017年12月15日 中央社会保険医療協議会 総会 第379回議事録

○日時

平成29年12月15日(金)8:58~11:15

 

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

○出席者

田辺国昭会長 野口晴子委員 松原由美委員 荒井耕委員 関ふ佐子委員 中村洋委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
松本純一委員 今村聡委員 松本吉郎委員 猪口雄二委員 島弘志委員 遠藤秀樹委員 
安部好弘委員
菊池令子専門委員 横地常弘専門委員
<事務局>
鈴木保険局長 渡辺審議官 伊原審議官 迫井医療課長 古元医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○平成30年度診療報酬改定への意見について(公益委員案の提示)
○平成30年度保険医療材料制度改革の骨子(案)について
○個別事項(その7)
○個別事項(その8)

○議事 

 

○田辺会長
それでは、おそろいのようでございますので、ただいまより、第379回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、榊原委員、岩田専門委員が御欠席です。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほうをお願いいたします。
(カメラ退室)
○田辺会長
それでは、早速でございますけれども、議事に入らせていただきます。
初めに「平成30年度診療報酬改定への意見について(公益委員案の提示)」を議題といたします。
これまでの1号側委員、2号側委員の意見書、中医協での議論等を踏まえて、公益委員のほうで、厚生労働大臣に対する意見書の案を作成いたしましたので、これについて議論したいと思います。
まず、この公益委員案につきまして、便宜上、事務局より説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、保険医療企画調査室長、よろしくお願いいたします。
○矢田貝保険医療企画調査室長
おくれまして済みません。
それでは、読み上げさせていただきます。

1.医療経済実態調査の結果について
○ 本協議会は、医業経営の実態等を明らかにし、診療報酬に関する基礎資料を整備することを目的として、第21回医療経済実態調査を実施し、その結果等について検討した。
 
2.薬価調査及び材料価格調査の結果について
○ 薬価調査の速報値による薬価の平均乖離率は約9.1%、材料価格調査の速報値による特定保険医療材料価格の平均乖離率は約7.0%であった。
 
3.平成30年度診療報酬改定について
○ 我が国の医療については、人口減少・少子高齢化が進展するとともに、人生100年時代を見据えた社会の実現が求められる中で、今後の医療ニーズの変化や技術革新等を踏まえつつ、医療現場の人材確保を含め、制度の安定性・持続可能性を確保し、国民皆保険を堅持しながら、国民一人一人が状態に応じた安心・安全で質が高く効果的・効率的な医療を受けられるよう、医療提供体制の再構築、地域包括ケアシステムの構築等に取り組むことが重要な課題である。
 
○ 社会保障審議会医療保険部会及び医療部会において取りまとめられた「平成30年度診療報酬改定の基本方針」(以下「基本方針」という。)でも、重点的に取り組む課題として、医療機能の分化・強化、連携を進め、効果的・効率的で質の高い医療提供体制を構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築することが示された。
 
○ 本協議会は、この基本方針に基づき、全ての国民が質の高い医療を受け続けるために必要な取組についての協議を真摯に進めていく。こうした基本認識については、支払側委員と診療側委員の意見の一致をみた。
 
○ しかし、このような基本認識の下で、どのように平成30年度診療報酬改定に臨むべきかについては、次のような意見の相違が見られた。
まず、支払側は、国内経済はデフレ脱却・経済再生を達成するほどの力強い成長には至っておらず、医療保険者の財政もより一層深刻な状況に陥ることが見込まれる一方で、医療経済実態調査の結果では、国公立病院以外は概ね堅調であり、高齢化と生産年齢人口の減少による国民負担の増大を抑制するための方策を早急に講じなくては2025年以降を乗り切れるとは到底思えないこと等から、平成30年度改定において、診療報酬はマイナス改定とするべきとの意見であった。また、薬価・特定保険医療材料価格改定及び薬価制度の抜本改革等による引下げ分は診療報酬本体に充当せず、確実に国民に還元する必要があるとの意見であった。
 
○ これに対し、診療側は、人生100年時代に必要な医療の在り方として、かかりつけ医を中心とした地域における必要な医療を確保すべきである一方、医療経済実態調査の結果等から、医療機関等は総じて経営悪化となったこと、社会保障と経済は相互作用の関係にあること、雇用誘発効果が大きい医療分野に財源を投入すれば、経済成長を促し、地方創生への貢献に繋がること、政府による賃金上昇の方向性と整合性を取り、医療従事者への適切な手当が必要であること等から、世界に誇るべき国民皆保険を持続可能なものとするためにも、平成30年度改定において、薬改定財源は診療報酬本体に充て、診療報酬改定はプラス改定とするべきとの意見であった。
 
○ 本協議会は、社会保険医療協議会法でその組織構成や、審議・答申事項等を法定されており、医療保険制度を構成する当事者である支払側委員と診療側委員、そして公益委員が、医療の実態や医療保険財政等の状況を十分考慮しつつ、診療報酬改定の責任を果たしてきた。
診療報酬改定は、基本方針に沿って、診療報酬本体、薬価及び特定保険医療材料価格の改定を一体的に実施することにより、国民・患者が望む安心・安全で質の高い医療を受けられるよう、医療費の適切な配分を行うものである。そのために、本協議会においては、これまでも医療制度全体を見渡す幅広い観点から、膨大な時間を費やしデータに基づいた真摯な議論を積み重ね、診療報酬改定に取り組んできており、これからもそのように取り組み続けていく。
 
○ 厚生労働大臣におかれては、これまでの本協議会の議論を踏まえ、平成30年度予算編成に当たって、診療報酬改定に係る改定率の設定に関し適切な対応を求めるものである。
 
○ また、我が国の医療が抱える様々な課題を解決するためには、診療報酬のみならず都道府県に設置された地域医療介護総合確保基金の活用や予防・健康づくりの取組など、幅広い医療施策を講じていく必要があり、この点についても十分な配慮が行われるよう望むものである。
 
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
本日は、この公益委員案について議論を行い、できれば、1号側委員、2号側委員、そして公益委員の間で合意を得まして、意見書を提出したいと考えているところでございます。
それでは、公益委員案につきまして、何か御意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。このまま提出することでよろしいと考えていいでしょうか。
それでは、御意見等もないようでございますので、この意見書案をもちまして、中医協から厚生労働大臣に対する意見書としたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、中医協から厚生労働大臣に対する意見書として提出したいと存じます。
次に「平成30年度保険医療材料制度改革の骨子(案)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
では、企画官、よろしくお願いいたします。
○古元医療課企画官
企画官でございます。
それでは、中医協総-2の資料に基づきまして、平成30年度保険医療材料制度改革の骨子(案)並びに保険医療材料専門部会での主な御議論につきまして、御説明をさせていただきます。
まず「第1 基本的な考え方」で今回の制度改革の基本的な考え方について記載してございます。そちらに記載の考え方及びさまざまな検討を行いました結果、その結果をもとに医療機器の特性を踏まえた、より適切な保険償還価格を設定するための対応を行うこととするとしております。
次に「第2 具体的内容」として、大きく4点記載してございます。そのうち「1 新規の機能区分に係る事項」につきましては「(1)イノベーションの評価について」のうち、1つ目の「ア 使用実績を踏まえた評価が必要な製品に対する対応について」で、部会におきまして、該当品目の判断の考え方及び手続などについての質疑がございました。
おめくりいただきまして、2ページの「エ 置き換わりの製品に対する改良加算の運用について」は、2回目の改定時まで時限的に加算することができる。その理由、考え方についての質疑がございました。
続きまして、一番下の「(2)外国価格調整について」は、3ページの上部に記載のとおり、外国平均価格の計算方法について、今回、見直すことといたしております。
次に「2 既存の機能区分に係る事項」につきましては「(1)再算定における外国平均価格の算出方法について」「(2)機能区分の見直し等について」「(3)激変緩和措置について」を3ページから4ページにかけまして記載してございます。
続きまして、4ページ目からは「3 費用対効果評価の試行的導入に係る事項」についてでございます。そのうち「(1)価格調整の対象品目」「(2)価格調整の範囲」「(3)価格調整方法」につきまして、記載のとおりまとめてございます。
最後に5ページ目の「4 その他」でございますが、まず「(1)保険適用区分の新設及び手続きの簡素化」につきましては、新たにA3及びB2区分を設けることといたしまして、あわせて手続などにつきましても見直すこととしてございます。
5ページの一番下の「(2)材料価格調査」につきましては、正確性の確保、公表事項の見直し、毎年価格調査についての記載をしてございます。部会におきましては、医療機器特有の流通形態などに関して見直しをする。そういったことにつきましても、御意見をいただいたところでございます。
資料の説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○田辺会長
ありがとうございました。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
次に「個別事項(その7)について」を議題といたします。12月8日と13日に議論できなかったテーマにつきまして議論いたします。本日は、テーマ4、7について議論いたしたいと存じます。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
では、薬剤管理官、お願いいたします。
○中山薬剤管理官
御説明申し上げます。総-3をごらんください。本日は、医療機関と薬局の情報共有・連携という点で御議論いただきたいと思います。
ページをおめくりいただきまして、4コマ目でございます。課題といたしまして、医師が、医薬品適正使用を進める上で、連携を図りたいと考える薬剤師といたしまして、自分の処方の意図や患者の疾患背景をある程度理解している薬剤師が挙げられるということでございます。医療機関から薬局に対して検査値などが提供された場合、薬局薬剤師が検査値等を踏まえて疑義照会を行い医師による処方変更に至るなど、医師と薬剤師の連携により薬物療法の安全性の向上につながっているということでございます。かかりつけ薬剤師・薬局を持っている患者のほうが、検査値などを薬局に提示した経験が多いとか、医療機関から検査値などの提供に当たって、患者や医師との信頼関係が構築されていることが重要であるということでございます。あとは医療機関において、薬局からの問い合わせへの対応方法はさまざまなので、特定の問い合わせ窓口を設定している医療機関は少ないといった点が挙げられます。
随時データをお示ししたいと思いますが、5コマ目です。医師の方に対する調査ですけれども、残薬、重複投薬・多剤投薬の改善など薬剤の適正使用を進めるに当たり、どのような薬局薬剤師であれば連携を図りたいかということでございますが、赤で囲ったところで「自分の処方意図や患者の疾患背景をある程度理解している薬剤師」というお答えが比較的高い率を示したということが言えるかと思います。
6コマ目は医療機関から保険薬局に提供している患者の情報ですが、これは病院薬剤師会の調査で、病院の状況ということかと思いますが「提供している」が25.1%で、その中でも「検査値等のデータ」が22.7%を占めているというデータでございます。
次に、7コマ目で、保険医療機関と保険薬局の連携状況で、これは薬局側の調査でありますけれども、医療機関から外来患者に関する情報を受け取ったことがあるかということで「受け取ったことがある」が58.5%。「身長・体重や血液検査値などのデータ」が61.7%を占めるということであります。
8コマ目、医療機関から外来患者に関する情報(処方箋以外)を受け取ることで、業務等に生じた変化という点で申し上げますと「患者への服薬指導の質が向上した」が高いパーセンテージを示したということでございます。
9コマ目も薬局側の調査ですけれども、服薬指導業務に役立つと考えられる処方箋以外の情報ですが「患者の病名」が一番高いパーセンテージでした。あとは「身長・体重や血液検査値などのデータ」も62.7%を示したということであります。
10コマ目、保険医療機関と保険薬局の連携状況ということで、薬局において医療機関から検査値などの情報提供があったのは51.7%ということで、約半数という結果でございました。医療機関から検査値等の情報提供を受けた件数という中では、受けたことがあるという中で、平成29年7月の調査ですが、1~9件というものが70%近くという状況だったということです。
11コマ目に行っていただきますが、体重や腎機能マーカーなどを中心にさまざまな検査値などを踏まえて疑義照会が実施されているということでありまして、血清クレアチニンとかeGFRといった腎機能マーカーの部分が、疑義照会に活用したことがある検査値等の種類として高い割合を示しているということかと思いますし、今後、情報提供が必要と思う検査値等の種類としては、HbA1cのような血糖コントロールマーカーのようなものが高い割合を示しているという結果が得られております。
あとは12コマ目で、検査値の共有によるアウトカムの改善ということで、検査値を共有した場合と共有していない場合、検査値なしの場合ということで、それぞれ有害事象の発見とかアドヒアランスの改善、残薬の状況、処方変更といった点を比べてみますと、いずれも「検査値あり」といったほうが、改善とか減少といった意味でも高い割合を示しているといった点が挙げられるかと思います。
13コマ目ですけれども、検査値に関連した疑義照会の内訳ということで、これは千葉大学の発表資料ですが、薬局からの検査値関連の問い合わせが643件あったという中で「医師に疑義照会し、処方変更された」は137件で、21.3%ということでございます。その137件の内訳の中では「腎機能に応じた用量調節」が95件で、高い割合を示しているということであります。
あとはかかりつけ薬剤師の有無と検査値提示の有無ですが、検査結果の報告書を処方箋と一緒に薬局に提出したことがあるかという問いに対して「はい」が14%なのですが、理由を見ていただくとわかりますとおり、かかりつけ薬剤師・薬局を持っている患者のほうが「はい」と答えている割合は18%ということで、高い傾向を示すということが言えるかと思います。
15コマ目はかかりつけ医とかかりつけ薬剤師の連携による薬物療法の安全性の向上ということで、かかりつけ医の方が必要性を認める場合に検査値の情報を提供することによりまして、かかりつけ薬剤師にとりましては、事前に患者の同意を得たかかりつけ薬剤師が検査値等に基づいた用法・用量等の確認等を実施ということで、実際に腎機能の状況が悪いという患者がわかっておれば、通常用量よりも少ない用量からの医薬品を開始するといったことなど、きめ細やかな対応も可能になるということを挙げております。
16コマ目は医療機関と薬局の連携に関しての窓口ということですけれども、病院と診療所で事情が異なると思いますが、それぞれいろいろな、医師みずからが受け付けておられるところから、薬剤師だとか事務の方が受けて医師に相談した上で回答されるとか、さまざまな状況があるということでございます。
最後に17コマ目です。論点(案)ですけれども、効果的な薬物療法や服薬指導の推進のため、医療機関からかかりつけ薬剤師に対して検査値や診療上の留意点などに関する情報を提供した場合の評価を検討してはどうかという点、その際、こうした連携がより有効性の高いものとなるよう、かかりつけ薬剤師からのフィードバックを受け取る連携担当者・窓口の明確化などを評価の要件にしてはどうかという点を挙げさせていただきました。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
引き続き、医療課長、よろしくお願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。引き続きまして、18コマ目以降で、もう一つの議題であります外来における相談・連携につきまして、御説明をいたします。
おめくりいただきまして、19コマ目からであります。課題として掲げさせていただいております、外来における相談・連携、特に入院の患者、外来の患者との対比を中心に御説明したいと思います。3つ挙げておりますけれども、まずは患者の相談窓口で、この利用状況につきましては、外来の患者と入院の患者を比較いたしますと、利用数は入院患者のほうが多いわけでありますが、これは下の20コマ目にグラフがございます。年齢に分けて見てまいりますと、年齢が若くなるに従いまして、外来患者の利用の割合がふえているということでございます。外来の患者につきまして、どういった内容かというと「病気のこと」が最も多い。対応として、実際にマンパワーとしては看護職員が対応されているということであります。
2点目、課題のところで、19コマ目でありますが、相談件数が外来については増加傾向でございまして、特に急性期について増加が著しいということでございます。
3点目、新規の外来患者の相談内容が「制度の利用」でありますとか「経済的な問題」と同じ程度の7割の医療機関においては「在宅ケア」についての内容が占めている。こんな状況であります。
ざっと見ていただきますと、20コマ目は先ほど申し上げましたが、若年になるに従いまして、外来の患者が相談窓口を利用していくという傾向があります。
隣の21コマ目でありますが、内容についてであります。これは入院、外来のそれぞれに聞いておりますけれども、外来患者は、一番上にあります「病気のこと」についての相談内容が一番多い。上から3分の1ぐらいのところに「退院後の行き先のこと」というものが入院患者について記載がありますし、その2つ下、介護の関係で「介護保険のこと」につきましても、一定程度相談の内容があるということでございます。
その下の22コマ目は対応者で、対応体制の実態でありますが、外来につきましては看護師、入院患者につきましては社会福祉士が最も多いという実態でございます。
23コマ目は相談件数の推移、24コマ目は新規の方の内容であります。先ほども触れましたが、23コマ目で、外来の新規につきましては一定程度増加しておりますし、延べというものは同じ患者ということも含めてだろうと思いますけれども、件数について言うと、特に急性期について伸びが著しいということでございます。
その下、24コマ目で新規の相談内容につきましては、どういった制度を利用するのかという制度の関係です。先ほども触れましたが、経済的な話、在宅のケアといったものについてニーズがあるということでございます。
診療報酬の関係につきまして、25コマ目にまとめてございますけれども、入院中の患者を中心に相談支援の評価は報酬上の評価を充実してきております。2つで掲げておりますが、左側が患者サポート体制充実加算でありまして、これは入院初日でありますけれども、ここに記載されておりますような医療従事者と患者の対話を促進するという趣旨でこういった評価をしております。右側は退院支援加算1、2ということで、患者が安心・納得して退院できるようにという趣旨でこういう評価をしております。
以上を踏まえまして、論点が26コマ目にありますが、外来における相談・連携であります。入院患者につきまして、先ほど触れましたように、一定程度の報酬上の評価がございます。他方で、外来患者につきましては、見ていただきましたとおり、社会生活を送りながら実際に治療、通院をされているわけでありますので、治療継続のために必要な支援あるいは要望が内容的に多岐にわたっております。また、さまざまな機関との連携も当然必要になるわけでありますので、医療保険以外の公的制度が支援を担うようなことも現実問題としては多いということになります。こういった実態を踏まえまして、外来患者への相談支援について、他の公的サービスとの整合性もこれを踏まえなければいけませんので、診療報酬での対応のあり方について、どのように考えていくべきなのか。このあたりについて御審議をいただきたいと思っております。
以上でございます。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
では、松本純一委員、お願いいたします。
○松本純一委員
まずは17コマ目の論点でございますけれども、その前に、検査値をもとに、例えばチェーン薬局などで、母体の営利企業がさまざまな商品を患者に売りつけるようなおそれを心配しております。何より、薬剤師が検査値をもとに何を判断すると言われるのかがわかりません。薬剤師が医療機関と医療機関のハブとなることについては反対をするものではありませんが、医療機関が特定の薬剤師へ患者を誘導するということは禁止されておりますし、ここにはかかりつけ薬剤師と書いてありますので、かかりつけ薬剤師をお持ちの患者ということなのだと限定するものだとは思いますけれども、検査データは患者の個人情報ですし、むやみに提供するということには反対いたします。
もちろん患者が求めた場合は、患者のデータですのでお渡しするということはあり得ますが、医師のほうから、これを持って薬剤師のほうへ行きなさいというようなことはちょっと考えにくい気がいたします。ですので、医療機関間の連携のみにとどめる。限定するべきだと考えます。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございますか。
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
まず、今回の論点の2つともに意見を申し述べたいと思います。先づ、最初の17コマ目の情報共有・連携に関する論点でございます。ここで論点にしているように、薬剤の適正使用を進めるための情報連携の評価の考え方。こういう考え方で方向性を評価したいということは、理解はできますが、15コマ目のイメージ図にありますように、薬物療法、服薬指導などで、かかりつけの医師とかかりつけの薬剤師が連携して対応するということで、より実効性が上がるということは非常に重要なことだと考えます。
そこで、この情報連携体制による情報提供の評価においては、やはり連携の有用性及び実効性が重要な視点、ポイントになるのだろうと思います。提案にある医療機関の連携窓口担当者の明確化は、こういうことをやるのなら当然の要件であると思いますけれども、5コマ目にもわざわざというか、きちんとアンケートで提示されておりますように、適正使用を進める上で医療機関が求めています薬剤師の像は、日常的かつ医師の処方意図、患者の疾患背景をきちんと理解している薬剤師が必要なのだと言っているわけでございますので、もしこれを評価していく方向なら、連携の有用性、実効性を担保する必須条件としては、まず、両側ともかかりつけ医師、かかりつけ薬剤師であるということが前提であり、提案にある医療機関側ではなくて、薬局側の連携担当者窓口の明確化も必要でありますし、先ほど松本委員からもありましたけれども、何よりも事前の患者の同意の取得が最重要ポイントだと考えます。
以上、意見でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
松本吉郎委員、お願いいたします。
○松本吉郎委員
松本純一委員と同様の意見になりますけれども、今、吉森委員がおっしゃったとおり、リスクが非常に高い面も抱えている。かかりつけ薬剤師に宛てておいても、実際にはどこに行かれるかわからないという現実もあります。そういった点からすると、副作用とかデータの説明等は、まずは医師がしっかりと限られた診療時間の中で患者に対して説明を行い、副作用等のことも説明をしっかり行って、もし万が一そういった薬剤師からのフィードバックが必要と気がついた点についてフィードバックをする場合には、通常業務内でこれを行っていただければ良いと思いますので、17コマ目ですけれども、評価については反対いたします。
○田辺会長
ほかはいかがでございましょうか。
今村委員、お願いいたします。
○今村委員
16ページをごらんいただきたいのですけれども、病院と診療所と若干ニュアンスが違うのかもしれないのですが、これを見ていただくと、病院の場合には、ほとんど医師ではなくて薬剤師が窓口になっておられるというデータなのですが、私が知る限り、病院の薬剤師といわゆる保険薬局の薬剤師の連携がとれている、十分にあるとは思っていません。
したがって、まずはそれぞれの薬剤師間のしっかりとした連携ができ上がらなければいけないのではないかと思っています。きょうの論点とは若干違っているかもしれませんけれども、いきなり医療機関の医師と保険薬局のいわゆる検査データのやりとりというようなものは、直接的に行われるものではなくて、あくまでも私どもが患者に検査結果をお渡しし、説明する。それを患者が必要に応じて薬局で提示されて、薬剤師の判断で例えば情報提供を我々にされる。そのことをいけないというわけではありませんけれども、医師と薬剤師が、保険薬局と医療機関が直接的に連携をとってやりとりをするような状況にはないと思っています。
まずはしっかりとした病院の薬剤師と保険薬局の薬剤師の連携をとっていただくということが先なのではないかと思っていますので、この点については、私は反対します。
○田辺会長
ありがとうございました。
安部委員、お願いいたします。
○安部委員
きょうの資料にもありますとおり、現実には、既に薬局に患者が御自分で医療機関からいただいた情報を提出されるようなこともございますし、これも患者の同意に基づいて、病院等で検査値が書き込まれた処方箋を持参されるということはあります。たくさん御指摘をいただきましたけれども、まず、患者を介すこと、患者の同意に基づくこと。これは基本的にそういう状況でなければ非常に混乱が生じますので、前提条件となると感じております。
例えば13ページで見ていただきますと、疑義照会等問い合わせの件数では、腎機能数値ですごく多くなっています。これは現実的に、私も現場で仕事をしていますと、腎排泄型の薬剤は、添付文書上で、腎機能に応じて減量をするということが明確に示されておりますので、その方の腎機能と薬剤の組み合わせによっては、中毒性の副作用でありますとか、薬剤性の腎障害リスクがある場合に医師に連絡して確認するということは、我々は十分に果たせるのではないかと思っております。例えば、かかりつけの主治医の処方だけではなくて、急に何かの急性疾患等で、他の医療機関にかかったりしたときに処方される薬剤などに対しても、しっかりデータに基づいて薬剤師が薬学的な知見から、その薬剤の用量が適切かどうかというようなことを医師と連携をとりながら最適化するということは、できるだけ進むような施策が必要だと感じています。
そういった意味では、御指摘いただいたように連携、信頼関係は非常に重要ですので、そういった観点を踏まえながら、有用なデータが連携によって有効活用できるように推進していただければと考えております。
○田辺会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
医療機関と薬局の情報共有・連携に係る論点の方向性は良いと思います。ただし、これを評価するということであれば、きっちりと要件を設定すべきだと思います。12コマ目を見ると、検査値を共有した場合の方が、アドヒアランスの改善などのアウトカムが向上したデータが出ておりますし、4分の1の医療機関は保険薬局に患者情報を提供しているということもありますので、これは進めていく方向であると思います。
ただ、これを評価するということであれば、先ほど吉森委員がおっしゃったように、かかりつけ医とかかりつけ薬剤師の連携とすべきだと思います。かかりつけ薬剤師は、かかりつけ薬剤師指導料の算定の有無にかかわらず、患者にとってのかかりつけの薬剤師に情報提供すべきであることや、患者の同意を大前提にすべきだと思います。
また、提供する情報の内容ですが、単なる身長・体重や各種検査値を処方箋に書くだけであれば、評価の対象とすべきではなく、これらは当然のものとして処方箋料の中に含めるべきだと思います。より丁寧に服薬指導が必要な患者に対して、こういった指導を行ってくださいといった内容を情報提供した場合に評価するということであれば、良いことだと思います。論点の2つ目の○の、保険薬局からのフィードバックを受け取る連携担当者や窓口の明確化等は重要なポイントだと思います。これらがあると、薬局から処方変更などの提案がしやすいと思うので、評価をしても良いのではないかと思います。
繰り返しになりますが、医療機関と薬局の情報共有・連携を評価するのであれば、処方箋に身長・体重などを記載することを評価するのではなく、提供する情報の内容についての様式を定めて、医療機関と薬局の双方向のコミュニケーションができるような仕組みをつくることに対する評価を検討することは、特に否定するべきものではないのではないと思います。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
今村委員、お願いいたします。
○今村委員
事務局への確認ですけれども、これは医師の側を評価するということですね。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。そのとおりでございます。
○今村委員
今、医師が非常に既にたくさんこういうデータを出されているということなのですけれども、私の感覚的なもので言うと、先ほどお話ししたように、患者にお渡ししたデータを薬局に持っていっているケースはあろうかと思いますが、かかりつけ医が、かかりつけ薬剤師というものに直接お渡ししているケースは、ほとんど大きな病院が門前の薬局等に出されている情報のように思えるのです。先ほどのデータを見ても、大学病院が大学病院の前の保険薬局等にこういう情報を出されている。あまねく均等に日本中の医療機関が地域にある薬局にこういう情報を提供しているとは理解していません。
したがって、情報を出して、その情報に基づいてお互いに患者のためによい医療提供をするための情報共有をするということ自体を否定するものでは全くありませんけれども、その医師というか、出した側の医師を評価するというのは、なじまないのではないかと私は思っています。何かそういうことをしないと、医師が情報をきちんと患者に説明しないというようなイメージに見えてしまいますけれども、決してそんなことはないのではないかと思っています。
薬剤師がまた患者からいただいた情報に基づいて、医療機関側にフィードバックをするというのは、本来の薬剤師がやっていただくべきことだと思っていますので、このことを今、広く全般にこういう仕組みにするというのは、条件がついたとしても、私はちょっと拙速ではないかと思っています。
○田辺会長
島委員、お願いいたします。
○島委員
基本的に、こういう検査は医療施設でやるものなので、それを見て患者にきちんと説明する。それは当然のことなのです。ただし、万が一そういったものを患者にデータをお渡しして、患者たちが薬局にそういうものを提示したときに何かに気づかれたとしたら、そこで当然医療施設にフィードバックするということはあり得ると思いますので、そのときにどこに問い合わせるかを、院外処方であればそこに明示するようなシステムをつくるのはいいだろうと思いますが、本来やるべきことをきちんとやっておれば、そういうことはほとんどないはずなので、そこに対して対価を払うというのは、何か理屈に合わないような気がいたします。
○田辺会長
松本吉郎委員、お願いいたします。
○松本吉郎委員
重ねて申し上げますけれども、現実問題として、薬局からの照会に関しましては、診療所であれば普通は必ず院長が受け取ります。あるいは処方した医師がそのとき、その日にいれば受け取りますので、病院であれば薬剤部がきちんと受け取って対応していると思います。あくまでごく当たり前のこととしてもう実際に行われていると思いますので、そういった意味では、何回も申しますけれども、これは別に評価の対象とする必要はないのではないかと思います。
○田辺会長
松本純一委員、お願いいたします。
○松本純一委員
先ほど幸野委員が言われたように、これは双方向性といいますか、双方向で情報のやりとりをするのはいいことだと思います。当然条件があって、かかりつけ医とかかりつけ薬剤師というものであるはずなのです。そうだとすれば、今度はかかりつけ薬剤師というものが、本当につかまるかどうかということになると思うのです。
かかりつけ医は、ほとんど100%と言い切ると語弊があるかもしれませんけれども、まずつかまる。ただ、そのときに、かかりつけ薬剤師に例えばかかりつけ医から連絡をとろうとしても、連絡をとれないようなことがままあります。その辺が、かかりつけ薬剤師の条件を今度はもう少し、きょうここで決める話ではなくて、以前にありました。その際、いろいろな条件を言わせていただきました。なかなか薬剤管理官からはいいお返事をいただけませんでしたが、いろいろ言わせていただきました。そのような条件を整えた上でやる。ただ、それを評価するかどうかは、幸野さんが言ったように、もう一歩先の話だと思います。
○田辺会長
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
今の診療側の先生のお話を聞いていると、現場実態とか実情はどうなのだろうというように、この提案が出てきた背景は、特殊なケースを例にして議論しろと言っているのかというふうに捉えるような感じになっていますけれども、私は、この提案の背景を、15コマ目にあるような、かかりつけ医、かかりつけ薬剤師というイメージで、こういうものがきちんと行われるようなところが増えてきている。そういう意味で、かかりつけ医がきちんと薬剤師に提供して、薬剤師が、一番患者に近いところで薬物療法、適正使用についていろいろ相談に乗って指導して、実効性を上げていく。そういうことの情報提供に対して評価しようというように理解したのですけれども、事務局に質問ですが、こういうイメージはレアケースなのですか。
○田辺会長
薬剤管理官、よろしくお願いいたします。
○中山薬剤管理官
私の知る範囲でございますけれども、基本的には病院を中心として検査値を処方箋とともに出して、かかりつけ薬剤師にも共有するという取り組みがあるということは承知しております。ただ、今回、御提案申し上げたのは、そういった取り組みがあるというところをもう少し進めることをしてはどうかということでありまして、あくまでかかりつけ医から患者を通じて、薬局に対して薬物療法を向上させるために必要なデータを提供していただくような仕組みをもう少し進めてはどうかという御提案でした。
○田辺会長
医療課長、引き続きお願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。若干の補足をさせていただくとすれば、取り組みの実情、取り組みの広がりには、正直に申し上げまして、かなり地域差でありますとか、医療機関の規模、かかりつけ薬剤師の分布も含めてさまざまあろうかと思います。
薬剤管理官が申し上げましたとおり、本来あるべき服薬指導、処方の質を上げていくという取り組みからすると、こういったことを進めていくことが必要ではないかという問題意識で御提案させていただいた。そういう趣旨でございます。
○田辺会長
安部委員、お願いいたします。
○安部委員
かかりつけ薬剤師に関してでありますけれども、かかりつけ薬剤師はさまざまな御提案をして、同意書に基づいて同意していただく中で、その内容をきちんと患者に説明して、その上で同意をいただくわけでありますが、その要件の中には、常勤、32時間以上勤務していることがあります。時間としては常勤要件ということになっておりますが、そのほかに24時間連絡がつくような対応をするということは規定としてなっていますので、仮にその時間帯に薬局にいない場合でも、患者に連絡先の電話番号等をお教えしているわけでありますので、その連絡先に連絡をしていただければ、多少のタイムラグは、時によってはあるかもしれませんが、かかりつけ薬剤師に連絡がつくよう、そういう要件になっているということを補足させていただきたいと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
松本純一委員、お願いいたします。
○松本純一委員
例えば14コマ目のスライドなどでもそうなのですけれども、四角囲みの中の2行目の後ろのほうから「かかりつけ薬剤師・薬局を持っている患者では」と。町のいわゆる調剤薬局であれば、店主がお一人でほぼその方がかかりつけ薬剤師という形であろうかと思いますけれども、チェーン薬局などですと、かかりつけ薬剤師が本当にどの方かというのは、すごく限定されることになると思います。ですので、この質問ですけれども、いまだに「かかりつけ薬剤師・薬局」になっている質問で、どのような質問をしてこの回答を得ているかが非常に疑問に思います。かかりつけ薬剤師・薬局はあなたにありますかと、聞かれた人はかかりつけの薬局はあると思って答える方がいるかもしれません。だから、はっきり言ってこの資料は信用できません。
○田辺会長
今村委員、お願いいたします。
○今村委員
今の松本純一委員の御意見とほぼ同じなのですけれども、病院の先生が現在こういう情報提供をされているという実態が全部ではないにしてもあるというのは、それはそれで理解できるのですが、その出されている先生が、相手方で受け取っている薬剤師がどういう薬剤師かを本当に把握されているのかどうか、私は極めて疑問だと思っていて、単に処方箋にそういう情報を書いてお渡ししているだけではないかと。
今回のこの条件は、相手があくまでかかりつけ薬剤師という極めて限定されている人なのです。現状として、そんなやりとりには多分なっていなくて、ただ情報だけをつけてお渡ししている。そういうことをこれから評価するということになりかねないので、先ほど条件のことをかなりおっしゃったのですが、そういうことの確認はどうやってやるのかという現実的な問題としても非常に難しいと私は思っています。
○田辺会長
ありがとうございました。
幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
2号側委員の方々の御懸念はよくわかりました。自分たちの提供した情報がどうなるかわからないということが非常に懸念されていると思うのですが、それは解決できるのではないかと思っています。処方箋ではなく、別に定められた様式に記載するなど、情報提供の方法をきっちりと定め、どの薬局のかかりつけの薬剤師に処方箋を持って行くのかを患者に聞いて持っていく先を特定したり、自身の医療機関の問い合わせ窓口を特定することで、適切に双方向のコミュニケーションができるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。○田辺会長
○田辺会長
松本吉郎委員、お願いいたします。
○松本吉郎委員
かなり不安な面は大きいですね。先ほど申しましたけれども、実際にはどこに行くかわからない。まず、かかりつけの薬剤師を持っているかどうかということも聞いて、本人の同意をとって、かなりの条件をつけてやらなければいけないとなると、むしろそちらのほうにすごく時間を費やしてしまって、本来医師としてやるべき時間がそちらに割かれてしまうわけです。医師としては、本来やるべき業務にもうちょっと時間を費やすような仕組みを進めるべきであって、これがいけないと言っているわけではありませんが、本来の仕事にきちんと専念できるような形で時間をいただきたいというのが本音です。
○田辺会長
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
おっしゃっていることは理解できますし、よくわかりますけれども、情報の提供と、もう一つ、連携があるのです。連携の仕組みをもう少し明確にして条件立てをしないと、今、先生たちがおっしゃっているような話にはなってしまうのだろうと思うので、幸野委員も言っていますように、つくり方、つくり込み、条件設定、その辺の問題をきちんと明確にしていって、方向的には、こだわりますけれども、15コマ目のイメージのような形がきちんと有用的にできれば、実効性は上がるのだと理解しています。
○田辺会長
松本吉郎委員、お願いします。
○松本吉郎委員
もう一つつけ加えさせていただきますと、今はかかりつけ薬剤師を持つということも重要だと思いますけれども、それよりは、門内薬局とか門前薬局がこれだけいろいろな問題が出ている中で、これを逆にふやしていく方向になっていくのではないかということを非常に懸念いたします。
○田辺会長
ありがとうございました。
島委員、お願いいたします。
○島委員
先ほども言いましたように、検査は医療施設でやるわけですから、それを見ずに患者に渡すなどということはあり得ないわけです。本来それに基づいてきちんと説明するというのが医師の責任でありますし、そういったことをやった上でも、今度は処方の時点と違う状態になったということであれば、その情報をいただくというのは非常にありがたいことですが、その結果をよくよく見ていないことで指摘されるというのはとんでもない話になってくるので、きちんとした説明があるというのが前提であって、必ず処方される薬局側に気づいたことがあって、それを医療機関にきちんとフィードバックするというところが非常に重要なことだろうとは思います。
その辺のシステムはきちんと確立するべきだろうと思いますが、何となく違和感があります。ちゃんと説明していないから薬局が気づいて医療機関にどうなっているのだという話は、ちょっとあり得ないと私は思っています。その辺の考え方をもう少し整理して、連携を図るのは非常に重要なことだろうと思いますけれども、それはそれでシステムとしてはきちんと構築していくべきだろうと思いますが、論点が変な感じがしています。
○田辺会長
猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
もう一つのほうは言ってもいいでしょうか。
○田辺会長
まずはこれを片づけてしまいましょう。
安部委員、お願いいたします。
○安部委員
今、島委員がおっしゃったように、検査値の説明とか治療方針の説明はもちろん主治医がおやりになるということでありますが、医薬分業で薬局・薬剤師が一元管理をする中で、特に薬物療法の再チェック、二重チェックを行う中で、あくまで検査値があれば、例えば単に腎臓が悪いという情報だけではなくて、実際の腎機能の数値があればより客観的なチェックもできるということでございますので、それ以上でもそれ以下でもないと私は考えております。
○田辺会長
ありがとうございました。
松本純一委員、お願いいたします。
○松本純一委員
チェックをして何をするのか。結局検査データをより細かくチェックする。それはどういうことですか。薬剤師がより詳しくチェックするというのは、あり得ないのです。
○田辺会長
安部委員、お願いいたします。
○安部委員
薬剤師は処方箋を受け取りますと、検査値だけではなく、患者のお話を聞いたり、過去の薬歴、過去の患者の状況を我々は薬歴という形で管理しておりますので、その内容も含めて処方内容について疑義があれば主治医、処方医に疑義照会をするということになります。その中で、先ほど申し上げたように、例えば腎機能が悪いという情報があれば、腎排せつ型の薬剤の用量については適切かどうかチェックをして、もちろん適切であればそのまま調剤いたしますし、薬剤師として疑義があれば処方医と連携して、その確認をするということですので、検査値がなくてもチェックをしますし、検査値があればより客観的なデータに基づいて確認ができるということかと考えております。
○田辺会長
松本純一委員、お願いします。
○松本純一委員
連携を否定するものではないのです。私が想定していることは、例えば患者の希望でデータをお渡しして、それをたまたまかかりつけ薬剤師がごらんになった。ただ、急性の疾患で、他の医療機関にかかられて何か処方された。そのときに判断するのではなくて疑問に思えば、医療機関間のハブになる。先ほどもこれは言いました。そういう連携の橋渡しをするということはいいのですけれども、そこでどうとかいう話ではないわけです。
最初に言いましたように、連携の橋渡しで、そこに徹底するべきで、それ以上でもそれ以下でもないと思います。
○田辺会長
松本吉郎委員、お願いいたします。
○松本吉郎委員
これまでもいろいろなリスクがあることは申し述べましたけれども、さらにつけ加えさせていただきますと、全ての調剤薬局とは言いませんが、大手のドラッグのチェーンの中には、保険外商品にかなり力を入れているところがあって、非常に大きな健康被害が社会的な問題となっております。こういったところを助長させて、さらに副作用とかが非常にわかりにくくなっていくということがありますので、これについても大きな問題ではないかと思っております。
○田辺会長
ありがとうございました。
4の件に関しては、ほかはいかがでございましょうか。
安部委員、お願いいたします。
○安部委員
例えば、医療用医薬品以外のさまざまな健康食品とか、そういったものに対する、これも適正に必要なものを選択して、販売する場合にはそのチェックが必要なわけであります。例えば、漢方製剤等の甘草という成分が入っているようなものを仮に販売するとすれば、カリウム値とかをきちんと見て、薬剤師は絶対に売ってはいけないというようなことを逆にチェックしなければいけないということもございます。そういった意味では、検査値をもとに何か販売する。こういったことはあってはならないことであります。そういう面だけではなく、むしろ適正にそういったものを利用していただくため、求められても販売しない。使ってはいけませんという指導をする。そういったことに検査値も使えると考えています。
○田辺会長
松本純一委員、お願いいたします。
○松本純一委員
安部委員の発言が最後で終わるわけにはいきませんので、あえて言わせていただきますが、まさに今、安部委員が言われたことが心配で、安部委員のような薬剤師ばかりだったら心配は要らないわけです。そうではなくて、バックに営利企業がついているドラッグチェーンはいっぱいあるわけです。そこでそういうことが行われかねないから心配しているわけなのです。
だから、最初に私は言いました。検査データをもとに医薬品以外のものを売りつける行為があってはならない。でも、それが心配だと言わせていただきましたが、まさに最後もそれが心配だということで、締めくくりたいと思います。
○田辺会長
よろしゅうございますでしょうか。
では「4.医療機関と薬局の情報共有・連携」については、議論はこのあたりとさせていただきたいと存じます。
続きまして「7.外来における相談・連携」ということで、猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
ありがとうございます。外来における相談とか連携は、本当に最近ふえております。これをただ外来で、診療報酬で見るというのはなかなか難しいかなと思っております。本来はそういう相談窓口を置くという体制に対する助成金等が必要なのではないか。特にこれからは、医療介護の連携の窓口もなかなか広がっておりませんので、そういうものも含めて体制を整備するということになるかと思います。
ただ、入院で評価をするわけにもいかないと思いますので、何らかの申込制とか、ちゃんとした記録を渡すとか、そのような簡単なものではなくて、時間のかかる親切な相談、それに対する回答を出していくというものが文書で示された場合の診療報酬設定はあり得るのではないかと思っております。
○田辺会長
ありがとうございました。
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。この論点について、入院患者の相談支援の診療報酬上の評価においては、ここにお示しのように、患者サポート、退院支援等で充実してきているという現状と、翻って外来患者はということで、相談支援対応についても評価をしてはどうかという方向性は理解できないわけではないのですけれども、一方で、外来患者の相談支援については、保険医療機関の窓口では多岐にわたる支援相談内容があることと、医療保険以外の公的支援サービスも多数展開されている。こういうことを踏まえれば、少なくとも、もし評価するなら、公的サービスとダブルカウントになるようなことは間違いなくあってはならないわけでありますし、報酬上の評価については、患者にとって治療の一環として真に医療上必要なものに限定するということで、相談内容を明確に整理、仕分けができるということが重要なポイントだと思いますので、算定要件とか施設基準とかを含めて、このあり方については慎重に検討していく必要があるのだと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。
平川委員、お願いいたします。
○平川委員
私も吉森委員と同じ意見でございまして、診療報酬で相談を評価するということに関して、逆に言えば評価項目以外の相談が排除されてしまうという危険性も一方でありますので、慎重に検討すべきだと思います。
一方で、医政局のほうでは、医療ソーシャルワーカー業務指針というものがございます。幅広くこういう業務をしたほうがいいという標準的な指針が出されておりますので、外来患者に対するソーシャルワークとは何かということを改めて整理をしてから、検討していくべきではないかと思います。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。
菊池専門委員、お願いいたします。
○菊池専門委員
資料の30ページにもありますとおり、患者の相談窓口は既に多くの医療機関で設置されておりまして、外来患者の相談件数が増加しております。看護師は近年、外来や患者相談窓口、地域連携室、入退院支援センターなどに数多く配置されており、病気や在宅ケアに関して相談に乗り、患者の不安の軽減や重症化予防、関係職種や関係機関との連携など、療養生活の質を高めると同時に、在院日数の短縮にも寄与しております。このような病気や在宅ケアにかかわる相談支援は、診療内容と密接な関係がありますので、医療機関の外来で行われることが重要で、この活動を医療保険の中で診療報酬で評価すべきだと思います。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
では、ほかに御質問もないようでございますので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと存じます。
次に「個別事項(その8)について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
医療課長、よろしくお願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。それでは、総-4で、今回は個別事項(その8)ということで、4点の御審議をお願いしたいと思っております。
1点目は治療と仕事の両立支援であります。3コマ目に課題をまとめてございます。4点掲げております。まず、日本の労働人口の約3人に1人は何らかの疾病を抱えながら働いているという実態がございます。これはその下の4コマ目に棒グラフ等でございますけれども、データ上そのような集計がなされております。
3コマ目の課題で2点目でありますが、こういった疾病を抱えながら患者は労働者として、治療と仕事の両立を図っていくことを支援していくことが必要でありまして、これは後ほど御紹介します5コマ目、6コマ目に概略をまとめてありますが「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」が平成28年2月に策定されておりまして、公表されております。こういったものに基づきまして、これは事業者と医療機関との連携で、患者である労働者の症状でございますとか業務内容に応じた支援を実施していくということになります。具体的な内容としてここに記載がございますけれども、関係する方々、事業者は主治医、産業医等の意見を勘案しまして、就業可と判断した場合のさまざまな対応、これを両立プランという形で策定するということを求めております。
それから、関連する制度の関係でありますが、29年3月に、産業医の養成研修におきまして「病気の治療と仕事の両立支援」が追加されているということでございます。
最後に4つ目の○は、「働き方改革実行計画」に政府を挙げて取り組んでおるわけでございますけれども、医療機関向けに「企業連携マニュアル」の策定・普及、両立支援のコーディネーターの配置といった取り組みが進められようとしているということでございます。
4コマ目、これはバックグラウンドとなります治療と仕事の両立が求められている背景でございまして、字が少々細かくて申しわけないのですが、現状のところで、左側は先ほど申し上げましたいろいろな疾患、合わせて3人に1人が疾病を抱えながら働いている。上の右側でありますけれども、特にがん患者の離職が社会的に大きく注目されているわけでありますが、その場合における理由として掲げられておりますのが、仕事を続ける自信がなくなったとか、関係者に迷惑をかけると考えた、あるいは治療と静養をとるための休みが難しかったというようなことが大きな理由として書かれているということでございます。
こういったことを踏まえて、4コマ目の下半分に書いてございますが、課題、今お話ししました状況についてどう考えていくのかということと、下の右側でありますけれども、「働き方改革実行計画」に基づいて、今後、こういったことを対応していこうという中に、やはり治療と仕事の両立が普通にできる社会を目指していくのだという施策を考えていこうということでございます。
5コマ目、6コマ目は先ほど触れましたガイドラインの概略でございます。5コマ目が概要でありますけれども、まず、治療と仕事の両立支援のために企業が取り組むべき環境整備として、3点掲げてございます。その下、6コマ目でありますけれども、今度は個別の両立の支援ということで、3つのステップに分けて記載がございます。まず、患者たる労働者が事業者にそういったことを申し出て、情報としまして、主治医からの情報提供でありますとか、そういったことを参考に意見書を作成したものを参考に、労働者が事業者に提出する。それを産業医等の意見を聴取した上で、事業者が対応する。こういう流れでということでございます。
これらの流れを踏まえまして、おめくりいただきまして、7コマ目でありますが、今、御説明させていただきましたガイドラインをもとに、私ども事務局で作成したイメージであります。左側に医療サイドの関係機関、関係者。右側に企業、事業者サイドの関係者。真ん中に患者である労働者が書かれております。先ほど御説明しましたとおり、7コマ目の上に3つ○を書いてございますが、両立を支援するためには、まずは主治医が病状や治療計画といったものを記載した意見を、患者の同意を得た上で、企業に提出、提供するということが求められます。2点目でありますが、こういったことを勘案するために重要となる産業医の役割でありますけれども、主治医と産業医が連携することで、当然、前提としては患者の同意が必要でありますけれども、患者を介してやりとりをするということであります。括弧書きで書いてありますのは、当然技術的な内容のやりとりにもなりますので、患者の同意を前提として、直接のやりとりも妨げるものではないということでございます。
さらに、そういったやりとりに際しましては、主治医のもとで関係する医療機関、看護師等を念頭に置いておりますけれども、そういった方々の参画が考えられる。こういうイメージで両立支援を展開していくということでございます。
8コマ目は御参考で、現行の産業医制度で、先ほど触れました一番下に、産業医の養成研修の科目に「病気の治療と仕事の両立支援」が、本年3月公示の告示に追加されているということでございます。
9コマ目は御参考でありますが、産業医の選任状況・活動状況でございます。
10コマ目は少し詳し目に御説明しておきたいのですが、この後に御提案させていただく内容とのすみ分けの問題でありますけれども、現状では、産業医の方に意見書を主治医が記載するという場合につきましては、患者から費用徴収を行うことができる、実費徴収ができるという制度になっています。意見書について言うと、療養の給付と直接関係がないサービスだという位置づけでもって、現在このような取扱いになっているということでございます。
おめくりいただきまして、先ほど見ていただきました7コマ目のイメージで、保険医療機関と企業、事業者との間のやりとりをイメージして、11コマ目に今回御提案することを改めて書き直しているわけであります。治療と仕事の両立の支援をするということにつきましては、診療報酬上の取り扱いをどう考えるのかということでございます。
○を2つ書いてございますが、先ほど御説明したことの繰り返しにはなりますけれども、患者たる労働者が事業所においてそういったことを相談する前提として、治療の情報が必要ですので、1つ目の○でございますが、就労中の患者が働きながら、現在の治療を継続するための助言を産業医から得るためには、スタート地点として主治医から治療の情報、すなわち病状でございますが、スケジュールあるいは副作用といった情報の提供が必要となる場合が当然ございます。
11コマ目のポンチ絵の左側でございますけれども、そうやって得た情報を、まず、主治医が文書で情報を提供するということでございます。そうしますと、矢印で得た情報が産業医に伝わり、産業医のほうで、今度は事業所サイドの就労の状況とか、そういったことを踏まえて治療上の継続でこういったことを考えてほしいという助言を提供することになります。これをフィードバックとして得て、ポンチ絵の左側でありますが、2で、産業医から治療継続のための助言を得て、こういったことで治療を考えようということで、治療計画を見直したり再検討する。こういうプロセスになってくるということでございますので、先ほど10コマ目で御説明したこととの違いは、10コマ目の意見書はあくまで一方通行で療養上の給付に影響するものではないという整理ですが、11コマ目はフィードバックを得て、言ってみればUターンのように返ってきて、治療計画を見直し、再検討する。そういうつながりになっているということで、診療報酬上の評価が可能ではないかと考えるイメージでございます。
ただ、この場合、さまざまな状況が考えられますので、あくまで今回御提案する診療報酬上の対象患者の範囲については、このように考えてはどうかというのが12コマ目の御提案でありますが、これは一番上の○でありますが、今御説明しましたような評価を行うと仮にすれば、対象疾患については、主治医等によってきめ細やかな調整が不可欠な疾患、条件が必要であろうということで、以下のようなことを原則として考えてはどうかということでございます。
基本的考え方は4つ掲げてございます。まず、大前提が、治療の継続が生命予後に大きな影響を及ぼすということを優先的に考える必要があるのではないか。2と3は対になっていまして、治療を継続するための就労上の一定の配慮、同様に就労の継続のための治療上の一定の配慮、これらが2つペアで必要になるのではないか。4はある種当然でありますが、業務起因性ではない。これは別の制度で本来対応すべき話ですので、いわゆる職業病でありますとか作業関連疾患ではないということでございます。
こういったことが大原則で、その下の破線にさまざまな応用問題といいますか、詳細な条件が当然あろうかと思いますので、ここに書いてございますような詳細な条件は一定程度設定することが当然必要ですが、こういった要件を満たす疾患について、まずはがんの患者に関しましての対応を優先して評価してはどうかということでございます。
まとめて論点が13コマ目であります。概略はもうお話をしておりますけれども、がんの患者に対しまして、治療の継続に資するという観点で、がんの治療を担当する主治医が治療と仕事の両立のため、産業医宛てにこういった計画の一定の要件を満たす診療情報を提供した結果として、今度は産業医から仕事との両立の観点で助言を受けて、先ほど御説明しましたように、治療計画の見直し、再検討を行った場合について評価をしてはどうか。そういったことを検討してはどうかというのが御提案であります。
○田辺会長
どうしますか。切って議論したほうがよろしゅうございますか。いかがでございますか。
では、一旦この問題で議論を進めてまいりたいと思いますので、この点に関しまして、松本吉郎委員、お願いいたします。
○松本吉郎委員
ありがとうございます。まず、13コマ目の論点案については、方向性については賛同いたします。いろいろ御説明がありましたけれども、やはり働く方が、がんを患っても治療を気兼ねすることなく受けられて、就労が継続できるということを社会としてしっかりと取り組んでいくということは大切なことだと思います。
内閣府の調査によりますと、両立支援を進めるために、患者の視点から見て非常に大切なこととして、主治医の意見書を出してもらうということがまずは出発点として大事だということは、データとして出ております。一方、これは埼玉県で私が行った調査なのですけれども、500人の主治医に聞きましたところ、主治医の意見書を書いたことがある医師はまだ20%にとどまっているという現状がございます。n数が500と少なくて申しわけないのですけれども、そういった現状を考えますと、やはり治療と仕事の両立支援に関しまして、これをしっかりと進めていくためには、まず、主治医の意見書をきちんと書いて、それをもとにしていろいろな連携が進んでいく。会社や産業医との連携が進んでいくということは非常に大事なことだと思いますので、そういった点を考えまして、ぜひこれを進めていただきたいと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。就労中のがん患者に対して、治療と仕事の両立のために、主治医と産業医が診療情報を共有して、それに基づいて治療継続のための情報をフィードバックするということを評価したいという方向性については理解いたします。そういう意味では、両立支援のためのガイドラインにありますプロトコルのようなものに基づいた両立支援プランの作成を条件化するとか、主治医の情報、産業医の助言等々の提供内容の明確化、連携の具体的な要件化。必要なのは何よりも、患者が勤務している当該事業所の支援体制の具体化。これらの両立支援体制の要件設計をしっかり確立するということがないと、この見直しで評価するという趣旨が達成できないのではないかと危惧するものですから、この辺はしっかり対応する必要があるのだろうと思っています。
ここはしっかりやらないといけないという意味で、もう一つ、今回、情報提供を受ける対象が産業医ということでございますけれども、資料の8コマ目にありますように、現行の産業医制度では、従業員が50人未満の事業所は産業医の選定義務がございません。特に私ども、保険者として協会けんぽは200万を超える事業所に加入していただいておりますけれども、そのうちの8割の事業所においては、従業員が10名未満でありまして、今、申し上げたように、産業医の設置義務がないということでありますので、こうした事業所で働いている方々が見直しの恩恵を十分に受けられるように制度設計を丁寧にしていく必要があるのではないかと考えております。
一方、今後の話になりますけれども、対象患者の範囲については12コマ目に対象患者の基本的な考え方ということでお示しいただいて、がんにおいては治療と仕事の両立の観点から、今回、対応の必要性が特に高いということで、当面優先して特定したということになっております。今後、この疾病対象をどうするのかという点についても、十分議論していく必要があるのだろうと思っていまして、この点は安易に拡大するということではなく、真に治療と仕事の両立が必要であって、今回の見直しのような効果が十分に見込まれるようなものに限定することが必要なのだろうと思っております。
以上、意見です。
○田辺会長
平川委員、お願いいたします。
○平川委員
ありがとうございます。私もこの方向性には賛成でございまして、ぜひとも治療と仕事を両立する支援の流れがしっかりと行われるようにしていくべきだと考えているところであります。また、対象患者については、今回はがんという形になっておりますけれども、今後、この両立支援がしっかりと定着していくためにはどういう疾病を対象とすべきかということについても検討すべきだと思っているところであります。
そういった中で、7枚目のスライドで、両立支援の流れのイメージがございますけれども、両立支援マニュアルによりますと、コーディネーターの位置づけが、必要性、その役割が明確化されております。
質問でございますが、保険医療機関のほうにおきますコーディネーターの位置づけは、どのようなものになっているのかということについて、これは一つ質問させていただきたいと思います。
○田辺会長
どちらですか。お願いします。
○神ノ田労働衛生課長
労働衛生課長でございます。両立支援コーディネーターについてでございますが、いろいろなところに配置されることが想定されています。医療機関内に配置されることもありますし、企業内に配置されることもありますし、産保センターに配置されるということもありますが、機能としては、患者に寄り添って、医療機関と企業との間の連携。この図で見ますと、患者が企業へ行ったり医療機関へ行ったりということで、やりとりの仲介をしなければいけないということなのですが、がんを患いながらこういったことをやるのは非常に負担になりますし、両立支援について十分な知識を持ち合わせているわけではありませんので、患者に寄り添ってしっかりとサポートをするという立場で両立支援コーディネーターを今後養成していくということになっております。
○田辺会長
医療課長、補足をお願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。7コマ目のスライドは、保険医療機関の役割について整理をさせていただいておりますが、今、労働衛生課長から説明させていただきました両立支援コーディネーターについて、保険医療機関において、例えばそれを設置する、しないということにつきまして、診療報酬においての設定は、現時点では念頭にはないということでございます。
○田辺会長
松本吉郎委員、お願いいたします。
○松本吉郎委員
先ほど吉森委員から50人以下の事業所に触れていただいて、本当にありがたいと思いました。御存じのとおりでしょうけれども、全労働者の60%は50人以下の事業所で働いている現実がございます。そういった中で、50人以下の事業場には産業医が嘱託として約3分の1であるというように統計上出ておりますので、きょうの論点の御提案は第一歩ということだと思いますが、今後、そういった50人以下で働いていらっしゃる事業所の方に、産業保健の場面で光を当てていくということは非常に重要な観点だろうと思います。ありがとうございます。
○田辺会長
今村委員、お願いします。
○今村委員
私もこの論点は積極的に賛成したいと思います。長年現場からこういった要望がありましたので、これが実現することは、本当に働く方たちにとって福音だとは思っております。
今回は限られた、まずはがん患者ということで、限定された疾病ということで私もよろしいかと思いますし、先ほど吉森委員からお話があったように、効果を見ながら将来どうするのかということをまた議論すればいいと思うのですけれども、1点、12ページの基本的な考え方に「治療の継続が生命予後に大きな影響を及ぼすこと」と。がんという疾病自体、例えば治療して治っても、そのことでもう就業を継続しないという方たちが非常に多いということで、がんという病気になっただけでやめられる方はかなり多いのです。
もちろんがん治療を継続しながら就業するというケースもあると思うのですけれども、一旦がんが手術でうまくいって治っていますといっても、患者にしてみれば、その後のフォローは物すごく心配。いつ再発するかわからない。そういう意味で言うと、生命予後に大きな影響があるかもしれないけれども、必ずしもこの生命予後に影響するという状態が続いているわけでもないので、ここまで限定的に書くと、何か縛られてしまうのかなと。もう少し治療の継続が生命予後に大きな影響を及ぼす可能性があるような方についても、幅広くがん患者というものを捉えられるようにしていただいたほうがいいのかなと思っています。
それと、この基本的な考え方は、今後もずっと継続することなのか。つまり、対象の患者ががん以外に広がる場合も、今の基本的な考え方を維持するということなのか、基本的な考え方そのものも変わり得るのかということを、可能性ですが、それを教えていただければと思います。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。2点、御指摘あるいは御質問をいただいております。
1点目は、後のほうで御質問されました、基本的考え方についてですが、今回はあくまでも御提案であり、御提案の趣旨は、今回改定でこういったことに対応してはどうかということでありますが、他の委員から幾つも御指摘をいただきましたけれども、当然、今後どうしていくかということは更に今後改めて検討される、という前提で我々は御提案しておりますというのが1点目です。
2点目は、前半のほうで御指摘を受けました。例えば現状の12コマ目、基本的考え方の1で、生命予後に大きな影響を及ぼすというのは、疾患の範囲としてそういったものを捉えるということでございますので、例えばがんの患者でも、おっしゃるとおり、根治をされる方、逆になかなかうまく治療が継続できていない方、さまざまおられますので、個別の患者の要件というよりは、あくまで疾患をどう捉えるかという意味での条件設定ということで、理解をいたしております。
以上でございます。
○田辺会長
よろしゅうございますか。
島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。吉森委員からも御指摘がありましたが、産業医と職場の環境を整備することが要件で、方向性としては、十分理解するところでございますが、これは安衛法の範囲であって、診療報酬上の範囲ではないと思いますが、その辺の理解はどうしたらよろしいのでしょうか。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。8コマ目の産業医制度で、これは補足がございましたら労働衛生課長からも解説をいただきたいと思いますが、私どもの今回の理解及び御提案は、8コマ目の産業医の制度を前提といたしまして、あくまで産業医と制度上位置づけられた一定の役割を法律上規定されている医師との連携を前提として報酬設定をすることがまずは明確でありますし、役割としても捉えやすいということでの御提案であります。
一方で、産業保健の関係で幾つか御指摘をいただきましたけれども、小規模事業所の選任義務のないような事業所における労働者をどう考えていくのかは、おっしゃるとおり、医療保険とは別次元の整理が求められておりますので、そういった方々、事業所の規模によってどのように考えていくのかは、産業保健の制度を基本的な前提として、医療保険での給付をどう組み立てていくのかという、ある意味実務的な整理の中で工夫をしていきたいと考えております。
○田辺会長
よろしゅうございますか。ほかにいかがございますか。
宮近委員、お願いいたします。
○宮近委員
私もこの治療と仕事の両立支援について、賛成の立場から意見を述べさせていただきたいと思います。
この内容につきましては、シートの5、6にありますとおり、治療と職業生活の両立支援のためのガイドラインが既に示されておりますし、事業所によっては、その内容に基づいて運用がされているようなところもあると思いますし、その内容を裏づけるものだろうと思います。実際に職場の中でも、がんについては、仕事をやめずに働きながらでも頑張って治療を継続すれば治る病気だという認識が一般的にできてきております。したがいまして、産業医と主治医の連携が図られて、産業医からのフィードバックが治療計画に反映されるということで、治療の継続性も高まって、患者、企業サイド双方にとって有益な評価だろうと思います。
シートの12ページ目にありますように、対象患者の範囲の考え方も含めて、先ほど来2号側の先生からの御指摘もありますし、吉森委員からも内容についての確認みたいなことがありましたけれども、ぜひこの方向で両立支援を進めていただきたいと思います。
以上、意見です。
○田辺会長
ありがとうございました。
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。病気をした人が就労を続けていくということは、経済的にも治療を受けるという意味でも非常に大切なことなので、両立支援は進めていっていただきたいと思うのですけれども、先ほどから意見が出ていますが、これによってどれぐらいの人が恩恵を受けられるのかと。事業規模によって、受けられる人と受けられない人が出てくるのはちょっと心配だというところがあります。同じように保険料を払っているのですから、そういう意味では、産業医がいる、いないというところでくくるのは、一旦くくって始めるにしても、その成果をきちんと今後につなげていくのが大事だと思います。
先ほどからも出ていますけれども、生命予後に大きな影響を及ぼすということでくくってしまうと、後遺症の対象の治療を続けていくことで、仕事の上で少し制限がかかるというような方もいらっしゃいますし、再発の防止のために薬をずっと使っていて、その副作用なども出るので、仕事が今までのようにできないような患者もいます。
さらに言えば、がんというくくりは、わかりやすいのかもしれないですけれども、がん以外にも、がん相当の病気はいろいろあるわけで、中には進行性の病気などもあるわけです。もちろん難病もありますから、そういう意味で、がん患者だけに絞るというのは、患者の立場としてはそのままでいいとは少し思えないかなということです。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでございますか。よろしゅうございますか。
中村委員、お願いします。
○中村委員
ちょっと確認だけなのですが、意見書の費用徴収について、治療計画の見直しとか再検討につなげた場合には、診療上の評価を行うというのですけれども、この場合でも、意見書に関しては、患者のほうから費用負担という理解でよろしいでしょうか。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。患者からの負担という御質問の御趣旨が、もしかしたら私どもは理解ができていないのかもしれませんが、保険の給付でございますので、保険診療の中での報酬設定であります。ですから、通常の報酬設定をしたものに従いまして、一部負担金あるいは被保険者としての保険料の納付も含めてですけれども、一定の費用負担はお願いするということになります。
○中村委員
10ページ目の産業医宛てで記載する意見書については、療養の給付とは直接関係ないサービス等として、患者からの費用徴収を行うことができるとされているという、その関係で質問しました。
○田辺会長
恐らく御説明にあったものだと思います。
○中村委員
そうですよね。確認だけです。
○迫井医療課長
必要があれば繰り返しますけれども。
○田辺会長
よろしゅうございますか。往復と片道の違いだと思います。
ほかはいかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
それでは、生理的な理由かもしれませんけれども、10分ほど休憩をとりまして、次のほうに入ってまいりたいと存じます。
 
(休 憩)
 
○田辺会長
それでは、再開いたします。残りはまとめて議論してまいりたいと思います。
御説明を医療課長、よろしくお願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。引き続きまして、2点目、14コマ目でありますが、保険医療機関に所属しない病理医との連携による病理診断でございます。
課題を記載してございます。これは遠隔の病理の関係で既に一度御紹介しておりますけれども、14コマ目に2つポツがありますが、まずは1点目。現在の報酬制度では、病理診断料は病理の診断を専ら担当する医師が勤務をする保険医療機関において算定するということになっております。あるいは連携をする場合につきまして、病理診断を専ら担当する常勤の医師の配置。こういった要件を満たす場合でございます。2つ目のポツで、今回、御審議をいただきますのは、保険医療機関に所属しない個人の病理医との連携によって算定可能にすべきだという御意見がございます。この点について、御審議をお願いしたいと思っております。
おめくりいただきまして、こういった御提案の背景でございますが、15、16とまとめてございます。これは地方分権改革における地方自治体からの御提案でありまして、先ほど現行制度は御説明しましたけれども、特に離職あるいは退職をされた病理医を活用していくということを踏まえて、遠隔病理診断の保険適用について、こういった御指摘をいただいているということで、15コマ目でありますが、具体的な支障事例ということで、こんなことでという御提案の背景であります。
かいつまんで御説明いたしますと、病理医が全般に不足しているという実態がございまして、定年でございますとか結婚、育児等で離職されている病理医の方々がおられます。病院と病理医とが雇用契約を結ぶということを、現行制度はそういった形を求めておるわけでありますけれども、雇用契約を結ぶのではなく、登録をしていて謝金等で報酬を支払う制度を設けることでどうかということでございます。そういたしますと、現在の診療報酬制度は、先ほど御説明しましたが、当該保険医療機関に病理診断を専ら担当する医師が勤務するといったことを要件としておりますので難しい。そういったことから、見直しが必要ではないかと。すなわち15コマ目の一番下でありますが、雇用契約を有しない場合でも「勤務する」と準じる扱いとしてはどうかといったことでございました。
16コマ目でありますけれども、私どものほうで、これは地方分権改革との御提案でありますが、先方の事務局とのやりとりの中で、こういった回答をしております。基本的には本日、御審議をお願いする御説明の中で触れることになりますが、上であります厚生労働省からの第1次回答でありますけれども、診断に係る責任を明確にする必要が病理についてはあるということでありまして、そういったことを踏まえますと、基本的には雇用契約を結んでいるということを大前提、要件としております。その趣旨は責任の明確化ございまして、それから、安全性の確保等、そういったことから御回答させていただいているわけでありますが、改めまして意見をいただいておりますのは、16コマ目の下半分でありまして、テレパソロジーでの診断を前提、これは先般のテレパソロジー、遠隔の話でございますので、前半はそういうことなのですが、後段の責任の明確化とか安全の確保につきましては、雇用契約という手法ではなくて、保険診療の対象とすることで、すなわち他者の目に触れる状況に置くことで、という御指摘でございました。こういったことを御審議いただくということを閣議決定いたしておりますので、本日、御審議をいただくことになっているという経緯でございます。
18コマ目以降で、ごく簡単に、既に一度触れておりますが、病理診断料の算定要件についてお示ししております。18コマ目でありますが、基本的には2つのパターンといいますか形態で、一番上の1はみずからの医療機関でありますが、2のほうが今回の議論の対象であります。一定の要件、すなわち常勤の医師の配置等の要件を満たす保険医療機関との連携で、この場合は可である。矢印の下に4つポツがございますけれども、こういった要件をもとに連携して算定することができます。
簡単に御紹介しますと、18コマ目の連携の要件でありますけれども、ポツが4つありますが、まず、病理診断科を標榜、一定の常勤の医師の配置、精度管理を行うための十分な体制、4点目でありますが複数の医師の配置を求めているということでございます。
おめくりいただきまして、どうしてこのような要件を課しているか、お願いしているのかという御説明が19、20であります。今、お話をしましたようなことを概念的に整理したのが19コマ目でありまして、保険医療機関に所属していない個人病理医との連携を行うに当たってはこういったことが課題ではなかろうかと考えるものでありますが、まず、基本的な考え方として、一番下に○が3つ書いています。病理診断はそもそも疾病の治療方針の決定に非常に大きな影響を与えるものでございますので、保険医療機関に所属しない個人の病理医ということで、連携で行った場合には、保険診療としての質の確保、責任の所在、適正な実施の確保、この3つについて課題がある。
具体的には20コマ目でありまして、1点目の質の確保でありますけれども、基本的に患者の検体あるいは組織をもとに判断するわけでありますので、一番上の○でありますが、病理医は、本来、患者の主治医と同一医療機関に勤務しているということが基本的には前提であるべきでありますが、そういったことが実現できないということでありますと、離れたところであれば、患者との適切な情報共有あるいは主治医との連携がより厳しい状況下で対応するということになります。そういったことから考えて、現行の診療報酬で何を求めているかと言いますと、質の担保のために、先ほど御説明しましたような体制を求めている。すなわちその下に2つチェックがありますが、病理診断の一定の経験、7年以上の経験を求めている。それを専ら担当する常勤の医師の配置、複数の病理医が互いに相互でダブルチェックを行えるようにする。こういったことを求めているということでありますので、こういった視点から、個人の病理医が同等の体制というのはおのずと難しいのではないか。これが1点目であります。
2点目でありますが、責任の所在でございます。先ほどから何度も申し上げておりますとおり、非常に大きな判断、病理診断を行うわけでありますので、その精度の管理でありますとか責任は非常に大きいものがあります。その所在を明確にするということでございます。そのため、保険医療機関という組織がこれを担保する形をとってもらっているわけでありますけれども、個人の病理医になりますと、その所在が不明確になるのではないかということでございます。
3点目、保険診療全般の大前提でありますけれども、医療保険の制度は、保険医療機関を中心として、診療体制、診療内容について、行政の指導監査の対象としております。こういったことにつきましても、個人の病理医ということではなかなか確保ができないのではないかということでございます。
御参考までに21コマ目で、これは他の医療機関との連携を報酬上評価しているものの概略でありますけれども、基本的に全て同じような考え方で整理されているということでございます。
論点が22でありますけれども、やや繰り返しになりますが、病理診断の結果が治療方針の決定に大きく影響するということでございます。したがいまして、現行制度では、一定の体制をとることを前提に、連携によって算定を認めておるということでありますが、保険医療機関に所属しない個人の病理医との連携により病理診断を行うといった場合について、どのように考えるべきかを御審議いただきたいと思っております。
これが1点目でございます。
引き続きまして、23コマ目は3点目の議題でありますが、麻酔の技術評価のあり方でございます。課題でございますが、まず、麻酔科におきましては、外部から派遣されている医師の活用が進んでいるという分野でありますけれども、一方で課題も指摘されております。以下、簡単に御紹介したいと思います。
働き方改革で、これは既にいろいろな側面で御審議をいただいておるわけでありますが、一部の診療科について、例えば週24時間程度の勤務を行っている複数の非常勤医師の組み合わせで常勤換算を可能とするといった方向での議論も行われている。そういった中で、麻酔分野の実態についてどう考えていくのかを以下で御審議いただきたいと思っております。
まず、実態でありますが、24コマ目の1点目は「外部からの麻酔科医の要請に係る実態」ということで、これは学会がまとめられたものでありますけれども、それを拝借いたしております。大きく分けて、大学病院とそうではない一般病院とに分けてデータをとっておられます。質問として、左側にある帯グラフで、麻酔科医を外部から定期的に要請しているのかということにつきまして、大学病院は比較的組織としても大きいわけでありますので、その頻度は相対的には低いわけでありますが、一般の病院におきましては半数以上、大学におきましても半数弱。そういった要請があるということであります
これはこの後のデータでも一部関係しますが、24コマ目の右側の外部からの麻酔科医の報酬がどの程度かということでありまして、一般病院と大学病院です。これはサンプル数が違いますので数が違うわけでありますが、そのまま表を用いておりますのでわかりづらいかもしれません。見ていただきまして、一般病院のほうが相対的により高額のところに分布が多いということでございます。
2点目が実態で、25コマ目でありますけれども、どこを通して要請をしたのか。先ほど見ていただきましたとおり、一定程度の外部からの麻酔科医の派遣を要請しておるわけでありますが、どういった経緯でどこを通してと。一番多いのは大学及び医局でございます。それから、設立母体、これは同一の、例えば法人でありますとか、そういった系列といいますか、関係のあるところの別の病院からというのが、次の割合であります。その次が上記以外の一般病院との間での連携、その次が診療所で、その次は派遣業者。派遣業者を経由しての要請も少なからずあるということでございます。
こういった実態の中で、26コマ目ですが、どのような課題があるのかということも同じく学会で集計されております。同様にn数が違いますので、数字の絶対的な意味というよりも、分布の違いも含めてということでありますが、要請して常に来てもらえるとは限らないというようなことが、特に一般病院の場合は高い。先ほども触れましたが、謝金・給与の関係が他科との関係で見ますと高いということが一定程度指摘をされております。
破線で下にまとめてございますけれども、その他の指摘で、関連いたしますが、一般病院からしますと、常勤に他のドクターがいる中で謝金のバランスをとるのが難しい、あるいは手術がキャンセルになったときの補償が、麻酔医が来ていただくわけでありますので、麻酔医に来ていただいても手術をしないということがありますので、その場合の補償。大学病院につきましては、これは逆の意味かもしれませんが、病院が謝金を出さない、または少ないので要請をするのが難しい。こういったことが課題になっているということでございます。
おめくりいただきまして、この後、27、28、29は現行の麻酔に係る診療報酬の概略であります。27コマ目で概略を見ていただきたいのは、まず、麻酔料は手術によって評価を分けている。手術の形態といいますか、手術の種類です。これは左半分の表を見ていただきますとわかりますが、手術の形態とかアプローチによって報酬が違う。右側でありますけれども、麻酔管理料を常勤の麻酔科標榜医の配置等によって評価を行っているということでございまして、この算定要件は下に概略がございます。
28コマ目ですが、麻酔管理料につきましては2種類、ローマ数字で1、2とあります。破線のところに施設基準がありますが、これは少しわかりにくいのでありますが、施設基準上一見ローマ数字1のほうが常勤の麻酔科標榜医の配置が少ないわけでありますが、算定する場合、ローマ数字1のほうは、常勤の麻酔医がみずから麻酔を行うという前提になっておりますので、報酬上評価が高い。下のほうでありますが、ローマ数字2のほうは、標榜医の指導のもとでというようになっておりますので、実際に麻酔を担当する医師が麻酔科標榜医ではないということも含めて評価を行っておりますので、こういった関係から、報酬上の評価が違うということでございます。
麻酔料の例として29コマ目で、先ほど申し上げましたが、さまざまな術式あるいはさまざまな条件によって報酬を変えているということでございます。
以上、まとめて見ていただきましたが、論点といたしましては、30コマ目であります。麻酔科において、外部から派遣される医師の活用が進んでいる一方、その課題も指摘されているということであります。この下の論点に係る参考で、その後ろ、32コマ目でありますけれども、これは医政局でありますが、医師需給分科会の医師の偏在対策で、この当時年末までに検討という趣旨で掲げております。ごらんいただきたいのは、さまざまな課題がある中で、赤枠で囲っておりますけれども、フリーランス医師への対応も非常に大きな論点になっているということです。これは先ほど見ていただいたようなさまざまな状況を踏まえてのことであります。
もとの30の論点に戻っていただきますけれども、そのような課題も指摘されているという中で、麻酔科における診療の質を高める観点からしますと、特にフリーランスとの対比という意味もございますが、1、2と挙げております。手術前後で総合的な医学管理を行うことが非常に重要ではないか、2点目で、院内でしっかり他職種あるいは他の診療科との連携を進めていくということが重視されるべきではないか。こういった視点からの診療をより推進する必要があると認識をいたしております。こういったことを踏まえまして、論点の最後の○でありますけれども、常勤の麻酔科医による総合的な医学管理をより重視するような考え方で麻酔科の診療に係る評価のあり方を見直すことを考えてみてはどうかというのが、麻酔に係る課題、論点でございます。
引き続き34コマ目、最後でありますけれども、スティーブンス・ジョンソン症候群の眼後遺症に対する治療であります。この疾患については後ほど御紹介しますが、指定難病でありまして、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、これは目の後遺症、眼後遺症の生じる可能性のある疾患でありますけれども、こういった患者に用いるものとして、これも後ほど御紹介しますが、新しく治療用コンタクトレンズが開発されまして、この治療法が来年度から新しく現場で活用される運びとなっているということでございます。ところが、この治療法につきまして、現在は保険給付の対象とはなっていないというのが課題であります。
おめくりいただきまして、簡単に疾患を御紹介いたしますと、35コマ目であります。この2つの疾患につきましては指定難病でありまして、病態としましては、薬剤の使用等を原因といたしまして、全身の表皮の剥離が生じるというものであります。概略が35コマ目の真ん中の表に書いてございます。2つの疾患でありますが、似たような状況であります。詳細は省略させていただきますが、3つ目のポツに、目の症状といたしまして、眼球結膜の充血、偽膜形成、目の表面、眼表面上皮のびらんといったものが認められまして、重篤になりますと後遺症を残すということでございます。
こういった後遺症に対しまして、36コマ目が治療でありますけれども、専用の治療用コンタクトレンズを用いた治療が有効であるということが近年の研究等でわかってまいりました。
それを踏まえまして、37コマ目でありますけれども、この治療につきましては、一番上の枠に書いてございますが、来年の4月に改訂が予定されております「指定難病に係る診断基準及び重症度分類等」といったものの中で、追加部分と書いてございますが、コンタクトレンズを活用した治療が追加される見込みであるということでございます。
その下の38コマ目が、御参考までに具体的な治療用コンタクトレンズの概略をお示ししております。
以上を踏まえまして、39コマ目が論点でありますけれども、2つ○を掲げておりますが、1つ目、先ほど御説明しましたような疾患の目の後遺症の患者で、この治療法につきましては来年度から一定の位置づけになるということを踏まえて、当該治療法を保険適用としてはどうかということでございます。具体的にどういうことかと言いますと、2つ目の○でありますけれども、既存の眼鏡でありますとかコンタクトレンズを用いても十分な視力が得られないという前提で、先ほど御紹介しましたような治療用のコンタクトレンズを装用するという場合について、通常のコンタクトでは眼科的な個別の検査項目の報酬算定ができませんが、こういった要件、すなわち両疾患に係る目の症状につきましては、療養の給付の通常の疾患に係る眼科的な検査の項目について、保険上算定できるようにしてはどうか。当該コンタクトレンズにつきましては、保険医からの指示を受けて院外で作製するということになりますので、保険医療機関における現物給付はできないという療養費の支給対象としてはどうか。こういった対応を御提案したいと思います。
以上でございます。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
松本純一委員、お願いいたします。
○松本純一委員
病理のことで、22でありますが、論点(案)に書いてあることが答えそのものではないか。すなわち病理の診断は、書いてありますように、治療方針の決定に重大な影響を与えるものでありまして、診療報酬の評価として考えるのであれば、診療の質の確保は当然考慮しますと、保険医療機関に所属しない個人の病理医を評価の対象外とするのは当然のことであり、この提案自体が論外というように思います。これに関しては、明確に反対、否定したいと考えます。
○田辺会長
平川委員、どうぞ。
○平川委員
今の病理医のところであります。地方自治体からの提案で、15枚目に制度改正の必要性ということで「勤務する」と準ずる扱いという意味不明の単語が入っていまして、ここからしてこの提案自体がどうなのかという疑問を持たざるを得ません。
課題につきましては20枚目のスライドにいろいろ書いてありますが、保険診療とは何かと考えますと、かつては確かに保険医に対する給付という概念が療養の給付の中にありましたけれども、今は保険医療機関に対する給付ということで、制度が改正されています。それはなぜかというと、例えば。病理診断の質の確保であるとか、責任の所在をしっかりと明確にしていこうという形で、現行の制度ができたというわけであります。ただ、保険医療機関に所属していない個人の病理医は、保険医療機関に当然勤めてはおりませんので、保険医というようなことでは言えませんし、病院からこれに対しての委託なのかはよくわかりませんけれども、診断を頼むということについては、質の確保や責任の所在等を含めて大きな問題がありますし、保険診療とは言えないということからして、地方自治体の提案に対しては、全く認められないと考えております。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
1号、2号で意見がそろったようでございますので、この件はよろしゅうございますでしょうか。
では、ほかにいかがでございますか。
今村委員、お願いいたします。
○今村委員
30ページの麻酔の技術評価のあり方に関する論点ということで、論点(案)そのものの方向性には賛成したいと思います。
1つ目の○にありますように、外部から派遣される医師の活用が進んでいるという、若干ポジティブなイメージもありますけれども、本来的には医療の質、安全を考えると、常勤の麻酔科医が麻酔をかけるということが望ましいことであって、やむなく外部の医師を活用しているということだと思います。
現在、麻酔科医そのものの数はふえていて、比較的医師の中でも増加が多い診療科ではありますけれども、女性医師の割合が非常に多いということもございますし、高齢化に伴って対象疾病が非常にふえているとか、従来はそれぞれの診療科で麻酔をかけられていたものが、医療安全の観点から専門家に任せるということで麻酔科医にお願いすることがふえているとか、あるいは最近のような内視鏡であるとかロボット手術等の、どちらかというと従来よりも手術時間が長くかかるようなことがあって、相対的な麻酔科における医師不足感が非常に強いということが背景にあろうかと思います。
そういった中で、先ほどの資料24ページをごらんいただきますと、右側に外部からの麻酔科医への報酬ということを書いてあります。これは1日と書いてありますけれども、もちろん日当で報酬をもらっているところもあろうかと思いますが、1件の麻酔に対して幾らであるとか、半日で幾らとかいうものも全部含んで1日の対価と答えているという可能性が非常に高いデータだと思います。
特に一般病院における対価は、病院にとっても大変大きな負担になっていて、病院等の中で働いている麻酔科医との報酬の差ということも麻酔科学会の調査で明らかになっているように、もう少しこの点をしっかりと見直していただく。特に派遣業者から、フリーターという言葉が適切かどうかは別として、そういう形で派遣されているところに、一般病院が非常に高い対価を払って、なおかつ医療の質、安全の観点からも問題があるのではないかという御指摘がある中で、この見直しの方向性は、非常に重要だと私は思っています。
麻酔というのは、手術中の管理だけではなくて、術前にどういう麻酔を、この患者はこういう合併症があってこういうことが起こり得るので、どのような麻酔法を使ってどのように管理をしていくか、こういうことが起こったらどう対応するのかということをあらかじめプランをつくって麻酔に臨むのが普通だと思っています。したがって、術前の管理の評価が実は物すごく大きくて、一回軌道に乗ってしまった麻酔の術中管理よりも、術前のプランの策定ということも物すごく大事だと思っていますので、麻酔の技術料のあり方について、改めて見直していくという方向性については、私は非常に重要だと思っていて、術前術後を常勤の医師等がしっかりと見ていくということを評価していくことをぜひお願いしたいと思っています。
もう一点、同じ外から麻酔科医が来られるにしても、医療機関ごとのしっかりとしたネットワークの中で麻酔科医がお互いに労働力を提供し合っているというケースと、全く外部の委託の業者というか、派遣業者のようなところから来られるのは、ちょっと違う部分があって、その辺をどのようにちゃんと制度的に切り分けるのかは、すごく難しい問題だと思いますけれども、ぜひそういうことも御検討いただければと思っています。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
24ページで、大学と一般で、ここで外部からの麻酔医。大学といえども40%も外部から来ているということで、いかに麻酔医が不足しているかということをあらわしていると思います。したがいまして、常勤で麻酔医を雇うというのは、本当に中小の病院にとってはなかなか厳しい。非常勤に頼らざるを得ないという現実があります。そういうことで、非常勤の麻酔医をうまくちゃんとしたルートで確保するということとともに、非常勤の麻酔医と、実際に手術をする主治医がおりますので、そこの連携が非常に重要だろうと考えております。ですから、麻酔の管理料等におきましても、非常勤の麻酔医と主治医がちゃんと連携して、それなりの管理を術前術後に行うということを前提にしてみてはどうかと考えておりますので、これを要望したいと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
スティーブンス・ジョンソン症候群のコンタクトレンズの件ですけれども、これは薬による薬疹ということだと思うのですが、医薬品医療機器副作用被害救済制度とのかかわりは何かあるのでしょうか。
○田辺会長
事務局、お願いします。
○中井医療機器審査管理課長
医薬・生活衛生局の医療機器審査管理課長でございます。医薬品副作用被害救済制度については、これも対象になるということだと思ってございます。
○間宮委員
ということは、スティーブンス・ジョンソン症候群は主に薬が原因ということになっていると思うのですけれども、保険適用はもちろん進めていっていただいてもいいと思うのですが、患者の負担という観点ではどういう位置づけで考えておられるのかということなのです。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。御質問の御趣旨としましては、副作用被害の救済制度との関係についてだろうと思います。私どもの今回の御提案は、最終的にそういった救済制度がどうかかわるか、どう費用関係の負担を考えていくのかという整理は当然あろうかと思いますが、そういった制度のかかわりとは別に、現実の問題として患者が一定の疾患あるいは後遺障害も含めて治療を要しますので、まずはこの部分について、このように保険適用させていただけたらどうかという御提案です。
今回のこういった対応とは別の観点から、間宮委員が御指摘のような、そもそも原因となる事由につきまして、費用負担をどう考えるのか、労災とかももちろんそうでしょうし、あるいは薬害の関係での救済制度がどのように給付の調整をするのかは当然ありますけれども、それはもし必要があればもう少し事後に説明なり整理なりをさせていただくとしまして、今回の内容については、その点を整理をしているわけではございません。
あくまでそういった原因によらず一定の治療を要しますので、その場合には、まず、一義的には医療保険を適用して、患者の治療を優先するというのが本来の制度の趣旨だろうと思いますので、その場合の医療保険の適用についてどう考えるのかということを御提案で整理させていただくという趣旨でございます。
○田辺会長
どうぞ、間宮委員。
○間宮委員
今後整理していただくということでいいと思うのですけれども、実際にPMDAとの、患者たちは医薬品医療機器副作用被害救済制度を利用している場合が多いと思うのですが、ただ、これはまだまだこの制度自体を実際に使っている、申請できている人もなかなか多くはないようなので、そのあたりは医療機関にそういう患者が来たときに、そういう制度があるのですということもお知らせするような体制のもとに保険適用していただくということも考えていただきたいと思っています。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。
松本純一委員、お願いいたします。
○松本純一委員
ちょっとお聞きしたいのですけれども、この治療用コンタクトレンズは、ほかの疾患に何か用いられているということはあるのでしょうか。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。事務局の認識としては、この疾患に限ってということでございます。先ほどの間宮委員の関連で御紹介させていただきますと、スティーブンス・ジョンソン症候群は指定難病で38番という位置づけになっておりますが、原因は必ずしも全て医薬品によるものではございませんで、感染症あるいは原因不明のものもあります。したがいまして、確実にこれが医薬品の被害だというものではない。そういったことも含めて御審議をいただきたいと思っております。
○田辺会長
間宮委員、どうぞ。
○間宮委員
それは重々承知しております。
○田辺会長
松本純一委員、お願いいたします。
○松本純一委員
もう一点お願いしたいのですけれども、いわゆるコンタクトレンズの購入費用を療養費の支給対象ということで、それはこの中医協で議論することになるのでしょうか。その辺を教えていただければと思います。
○田辺会長
お願いいたします。
○矢田貝保険医療企画調査室長
療養費の担当をしておりますので、私からお答えさせていただきます。この場合、療養費の中でも治療用装具というカテゴリーに入ってくるものになります。治療用装具について支給するかどうかということにつきましては、その商品について支給するかどうかということ自体は中医協の場での御議論ではないのですけれども、治療用装具は、治療に用いられる装具について、療養費として保険者が支給することができるという仕組みでございますので、その支給の前提となる治療のためにこれを使うというところが、中医協の場で、治療に使うのだということで言っていただけると、その後に療養費として保険者が支給することができるようになる。そういう関係でございます。
○田辺会長
松本純一委員、お願いいたします。
○松本純一委員
例えば腰椎分離とかヘルニアが原因で腰痛があり、コルセットを装着する。コルセットの作製費などがこういうものに当たるという理解でよろしいのでしょうか。
○田辺会長
お願いいたします。
○矢田貝保険医療企画調査室長
まさにおっしゃるとおりでございまして、治療装具として支給されるものの代表例といたしましては、コルセットであったり、関節用の装具であったり、もしくは治療中に用いられるような義歯とか義眼とかいうものが対象になりまして、コンタクトレンズにつきましても、治療のために用いる。治療効果があるために用いるものでありましたら、同じように治療装具の対象になるということでございまして、医師の指示に基づいて業者がつくって、それをまた医師が装着確認して、その業者がつくった費用については療養費のほうで支給対象になる。そういう関係でございます。
○田辺会長
よろしゅうございますか。
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
おっしゃっていることはよくわかるのですが、論点の整理の仕方として、今、議論のあった治療用のコンタクトレンズは当然ながら保険医療機関で現物給付できないからというのはそのとおりなのですけれども、その次の段で、購入費用については療養費の支給対象としてはどうかと。これは今、御説明があったように、中医協マターではない。治療用装具について対象をどうするかというのは別の審議会のマターだと思うのですけれども、そもそもこのような目の後遺症に対して、コンタクトレンズを用いる治療について保険適用をするかどうか。それは認めましょうということで、それを認めれば、当然ながらコンタクトレンズを使わないと治療ができないわけですから、それは治療用ですねという解釈でいいのではないかと思うのですが、この書き方がおかしいのではないかと思います。
○田辺会長
お願いいたします。
○矢田貝保険医療企画調査室長
まさに整理としては今おっしゃったとおりでございますので、治療の対象となるかどうか中医協の話でございまして、それが対象となれば療養費の支給対象となるというものでございます。今の御発言の論理のとおりでございます。
○田辺会長
よろしゅうございますか。ほかにいかがでございましょうか。
それでは、ほかに御質問等もないようでございますので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと存じます。
本日の議題は以上でございます。
なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
 

 

 

 

 

(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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