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2017年11月29日 中央社会保険医療協議会 総会 第374回議事録

○日時

平成29年11月29日(水)11:32~12:37

 

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

○出席者

田辺国昭会長 野口晴子委員 松原由美委員 荒井耕委員 関ふ佐子委員 中村洋委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
松本純一委員 今村聡委員 松本吉郎委員 猪口雄二委員 島弘志委員 遠藤秀樹委員 
安部好弘委員
菊池令子専門委員 横地常弘専門委員
<事務局>
鈴木保険局長 渡辺審議官 伊原審議官 迫井医療課長 古元医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○最適使用推進ガイドラインについて
○個別事項(その6)について

○議事 

 

○田辺会長
それでは、おそろいのようでございますので、ただいまより、第374回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、榊原委員、岩田専門委員、丹沢専門委員が御欠席でございます。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほうをお願いいたします。
(カメラ退室)
○田辺会長
それでは、議事に入らせていただきます。
初めに、報告事項でございますけれども「最適使用推進ガイドラインについて」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より御説明をお願いいたします。
では、薬剤管理官、お願いいたします。
○中山薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
最適使用推進ガイドラインの改訂という話なのでございますけれども、今回の経緯上、まずは総-1-2に基づきまして私のほうから御説明させていただきたいと思います。総-1-2をごらんください。
現在、最適使用推進ガイドラインが策定されておりますレパーサ皮下注でございますけれども、これにつきまして、現在140mgシリンジとペンの最適使用推進ガイドラインが策定されているのですが、新たな規格が薬価収載されたということで、レパーサ皮下注に係る保険適用上の留意事項について検討したいということでございます。
対象品目としては、レパーサ皮下注の420mgのオートミニドーザーというものであります。
これまでの経緯について申し上げますと「3 留意事項の改正内容」というところをごらんいただきますと、これまでレパーサ皮下注の140mgシリンジとペンですが、用法・用量の中で、140mgを2週間に1回というのと、420mgを4週間に1回ということが承認されているという状況でございます。
そこで、4週間に1回の投与となりますと、140mg製剤を3本投与する必要があって、2週間に1回投与と比較した場合に、1日当たりの薬価が1.5倍となるということで、最適使用推進ガイドラインの中でも、この場合は2週間に1回投与を推奨するという形とし、留意事項通知においても2週間に1回の投与を原則とするということで措置したということでございました。
今回、レパーサ皮下注420mgオートミニドーザーの規格追加に伴って、本日付で薬価収載がされたということであります。1日薬価につきましては、下の表を見ていただくとわかりますとおり、2週に1回のシリンジとペンが、薬価が2万2,948円であるのに対して、4週間に1回の420mgのオートミニドーザーが4万4,481円ということで、1日薬価については140mg製剤の2週間1回投与時を下回るということで、140mg製剤の2週間1回投与に加えまして、レパーサ皮下注420mgオートミニドーザーによる4週間1回投与の保険適用を認めることとしたいということであります。
そうしたことで、最適使用推進ガイドラインの内容も変更し、留意事項通知の内容も変更するということにさせていただきたいということでございます。
最適使用推進ガイドラインの内容については、医薬品審査管理課長から御説明させていただきます。
○田辺会長
それでは、医薬品審査管理課長、補足のほうをお願いいたします。
○山本医薬品審査管理課長
医薬品審査管理課長でございます。
最適使用推進ガイドラインの改訂につきましては、お手元の資料総-1-1と総-1-1の参考というものが配付されております。
改訂点につきましては、新旧表になっております総-1-1参考のほうで御説明させていただきたいと思います。
今、薬剤管理官からも御説明申し上げましたように、レパーサ皮下注420mgのオートミニドーザーにつきまして追記をするとともに、420mgの仕様について変更を加えております。
1ページは、420mgの規格について入れているところ。
裏面の2ページに行っていただきまして、420mgオートミニドーザーに関する用法・用量について追記をさせていただいております。
また、2ページの下の段、ガイドラインでいけば13ページでございますが、これまでは420mgの投与を必要とする方はさておき、非家族性コレステロール等々の患者さんには140mgを2週間1回投与を推奨するという形でお願いをしておりましたが、今回、薬価収載とともに、右側でございますが、420mgを4週間1回ないしは2週間1回の投与の場合には、こちらの420mgのオートミニドーザーを使用していただくということを追記しております。
以上のことで、医療課長通知と最適使用推進ガイドライン、平仄を合わせて改訂を行いたいと考えております。
以上でございます。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
では、安部委員、お願いいたします。
○安部委員
説明ありがとうございました。
420mgを追加という改訂ということについては理解をさせていただきました。
ただ、2ページのところに、レパーサ皮下注140mgシリンジ、ペンの記載はそのままに載っていて、原則は140mgなのですけれども、2週間に1回、420mgもしくは4週間に1回、420mgを皮下投与するということが残っていて、今回、レパーサ皮下注の420mgが出たために、13ページには420mgを4週間に1回または2週間に1回皮下投与する際にはレパーサ皮下注420mgオートミニドーザーを使用すると書いています。
これはこれで合っていると思うのですが、つまり何が言いたいかというと、ガイドラインを読んでいて、2ページを先に読んでしまうと、13ページの1行半のところの重要な部分が理解されにくいといいますか、読み飛ばしてしまうと、このガイドラインで示している420mgが優先であるというところが強調されていないのではないかという懸念がありますので、例えば13ページの420mg優先のところには目立つように線を引くとか、もしくは2ページのところ、これは様式があるので、そう簡単には変えられないかもしれませんけれども、420mgが優先なのだということが明確にわかるように、このガイドラインに記載していただければと思います。
以上です。
○田辺会長
では、医薬品審査管理課長、いかがでございましょう。お願いします。
○山本医薬品審査管理課長
御指摘ありがとうございます。ちょっと工夫はさせていただきたいと思います。
また、私ども、わかりやすく発信をしたいと考えておりますが、医療の現場の皆様、あるいは関係者の皆様にも、この仕組みは最適使用推進ガイドラインと保険適用の留意事項の医療課長通知、ともにごらんいただいて、全体を御理解いただいた上で、ぜひお薬を使っていただきたいとお願いをしてまいりたいと思います。
○田辺会長
よろしゅうございますか。
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
それでは、次に「個別事項(その6)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より御説明をお願いいたします。
では、企画官、よろしくお願いいたします。
○古元医療課企画官
企画官でございます。
それでは、総-2「個別事項(その6:技術的事項)」に基づきまして御説明をさせていただきます。
本日は技術的な項目、大きく6点につきまして、御協議をさせていただきたいと存じます。
おめくりいただきまして、まず1.の「(1)遺伝学的検査」についてでございます。
課題は2点、記載のとおり、遺伝学的検査の対象遺伝子領域や検査手法等は、疾患によってさまざまであり、それに伴って検査に要する費用も異なりますが、現在の診療報酬では一律の評価となっている。
また、新たに指定難病が追加されたことなどにより、認定に遺伝学的検査の実施が必須の指定難病のうち、診療報酬上の対象に含まれていないものがある。こういった課題がございます。順次、御説明をさせていただきます。
5コマ目をごらんください。これの一番下、平成28年度のところでございますが、現在、遺伝学的検査につきましては、一律3,880点といった点数設定となっておりまして、72疾患が対象となってございます。
また、6コマ目ですが、現在、衛生検査所で受託されている、これが確認された検査は72疾患のうち、これは1カ月の実績ではございますが、8疾患にとどまっているという状況がございます。
7コマ目で、先ほど申し上げた、同じ遺伝学的検査といたしましても、検査にかかるコストが大きく異なる。この理由につきまして、大きく3点、御説明を申し上げます。
1点目ですが、解析領域の長さが違う。例といたしまして、7コマ目の真ん中下の表にございますが、例えばハンチントン病。こういったものについては、解析をする遺伝子が非常に短くございますが、その下、デュシェンヌ型もしくはベッカー型筋ジストロフィー、また、原発性免疫不全症候群。こういった、下に行くにつれて解析をする遺伝子の長さが非常に長かったり、また、遺伝子の数が多い。こういったことによって、実際に要するコストが異なるということでございます。
また、8コマ目、検査法の違いで、遺伝子検査にはさまざまございまして、ある程度自動化されたものとそうでないものが混在している。
3点目といたしましては、検体数の違い。やはり検体数の少ないものにつきましては、実際のコストが割高になる。こういった状況でございます。
10コマ目をごらんください。2点目の論点といたしまして、指定難病の認定に当たりまして、遺伝学的検査が必須であるという疾病がございます。そのうち10コマ目の一番下に3つございます。遺伝性自己炎症疾患、先天異常症候群、エプスタイン症候群。この3つにつきましては、現在、診療報酬上の項目に含まれていない。こういう現状がございます。
そこで論点ですが、11コマ目。検査に要する費用に応じた形の診療報酬上の評価の細分化をしてはどうか。
また、指定難病の拡充を踏まえまして、必須の疾患につきまして、遺伝学的検査の対象疾患に追加してはどうか。こういった御提案でございます。
検査の2点目で「(2)悪性腫瘍遺伝子検査」についてでございます。
13コマ目をごらんください。課題は3点ございます。
がんの種類によりましては、治療に先立ちまして、複数の遺伝子検査を行う場合がございます。
また、今後の技術革新に伴いまして、さらなる遺伝子検査の実施が想定されてございます。
同一検体から資料を作成し、遺伝子検査に供しているにもかかわらず、単一遺伝子検査の所定点数を現在は足し合わせて算定できる。こういったルールになってございます。
順次御説明いたしますと、14コマ目は現在の保険収載されているがん関連の遺伝子検査の一覧でございます。
15コマ目で、治療法の選択に用いるために、同一のがん種に対して複数の遺伝子検査を行うケースが出てきております。
具体的な図をごらんいただきますと、16コマ目になりますが、こういった肺がんの患者さんからある検体を持っていきまして、遺伝子検査をEGFR、K-Ras、ROS1。この3つの遺伝子検査を行った上で治療方法を決定していく。こういったことが臨床現場で行われているわけでございますが、この検査そのものは同一検体から試料を作成し、遺伝子検査をしている。そういったものにかかわらず、現在はその検査を全て足し合わせる。こういった形の算定ができているという状況でございます。
17コマ目ですが、保険医療材料等専門組織からも、運用についての検討の御提案がございました。
それを受けまして、論点で、同一検体から複数遺伝子検査を行う場合につきましては、検査の作業工程に重複する工程もあることから、それを考慮した上で、算定できる点数の上限設定を行うなどの適正化を行ってはどうか。こういった御提案でございます。
続きまして、大きな2つ目のテーマで、移植医療についてでございます。
「(1)抗HLA抗体検査」につきまして、20コマ目をごらんください。
臓器移植後の生存率もしくは臓器の生着率につきましては、中長期にわたり徐々に低下いたします。また、成績が低下する原因といたしまして、抗体関連の拒絶反応を含めた慢性拒絶反応が最も多いということでございます。
臓器移植の後の経過中に抗HLA抗体が出現することがございますが、その場合の生存率及び生着率が低下するとの御報告があります。
また、移植後に抗HLA抗体が出現した症例に対して治療を行うことにより、予後が改善するとの御報告がございます。
現在は、移植後のこの抗HLA抗体の費用については、保険適用となっていない。こういった状況でございます。
21~22コマ目は現状の御参考でございます。
23コマ目をごらんください。データをお示ししておりますとおり、臓器移植後の経過中に抗HLA抗体が出現することがございます。その場合、生存率及び生着率が低下する。こういった御報告があります。このグラフ、左側が肝移植、右が腎移植後ということであります。
24コマ目ですが、実際、そういった症例に対して治療を行うことにより、予後が改善する。こういった御報告もございます。
そこで、25コマ目。これは移植後の抗HLA抗体の費用については、保険適用とされていない。こういった現状の御説明でございます。
論点は26コマ目で、臓器移植患者の予後改善のため、移植術後の経過中に実施される抗HLA抗体検査を評価することについて、どのように考えるか。
続きまして、移植医療の2つ目のテーマでございます「(2)組織移植」になります。
28コマ目をごらんください。組織移植のうち、心臓弁・血管移植、皮膚移植、骨移植につきましては、日本組織移植学会の認定を受けた認定カテゴリー1の組織バンクが、全国に組織の供給を行っておりますが、現状では必要な組織を十分に供給できていない現状がございます。
また、現在の診療報酬上の点数は、さまざまかかる費用を含んでございますが、所定点数で費用を十分に賄えていない。こういった御指摘がございます。
29コマ目が全国の体制をお示しした資料で、下に3つ、左から心臓弁・血管、皮膚、骨につきまして、認定をされたカテゴリー1の施設がそちらに記載のとおりでございます。
30コマ目が実際の状況で、必要とされる症例に対して実績が少ない。こういった現状がございます。
31コマ目で、これが組織バンクの活動についての概念図でございます。移植をした臓器につきまして、質をしっかり保証する形で運営をされているということであります。
32コマ目で、診療報酬上、算定するに当たりましても、こういったガイドラインにしっかり沿った形で質の確保がされたものについて、現状も保険適用をしているということであります。
そこで論点、33コマ目になりますが、組織移植のうち心臓弁・血管移植、皮膚移植、骨移植につきましては、組織バンクにより全国に必要な組織を十分に供給できていない。こういった現状がございます。質を保証する取り組みを確保することを前提といたしまして、安定した組織の供給に係る費用が賄えるよう、点数を見直してはどうか。こういった御提案でございます。
続きまして、6つの項目のうちの3つ目でございます性別適合手術についてでございます。
35コマ目で、課題を3点整理して記載しております。
性同一性障害につきましては、ICD10、いわゆる国際疾病分類に位置づけられる精神障害で、性同一性障害を有する方は精神保健福祉法上の精神障害者として位置づけられてございます。
性同一性障害に対する治療のうち、現在、保険給付の対象となっているものは精神療法のみで、性別適合手術は給付の対象となっていないという現状がございます。
また、そちらに記載の法律によりまして、一定の条件を満たす場合に限り、性同一性障害者の性別の取り扱いを変更することができることとなっておりますが、この条件を満たすためには、性別適合手術が必要である。こういった現状がございます。
次の36コマ目に、性同一性障害についての概要を記載させていただいております。性同一性障害とは「身体の性」と「心の性」とが一致しない状態であり、自分の身体が自分のものではないような感覚である「性別違和感」を持つ方ということでございます。実際、疾病分類としての位置づけについては、そちらの下に記載のとおり、国際疾病分類(ICD10)におきまして、第5章、F64の性同一性障害といった位置づけがございます。
若干、背景を御説明いたしたいと思いますので、41コマ目を先にごらんください。恐れ入ります。
41コマ目が性同一性障害の性別の取り扱いの特例に関する法律についての資料でございます。こちらの第3条の4項と5項をごらんいただきますと、この条件を満たす方につきまして性別の変更が認められる。この4項と5項を満たすためには、性別の変更に係る手術が必要という状況でございます。
戻りまして、さまざま取り巻く現状について御説明をさせていただきたいと思います。
37コマ目をごらんください。これは性同一性障害に関する診断と治療のガイドラインの概要をお示ししたものでございます。上から、当事者の方が来院されてからの流れがまとめて記載されたものでございます。まず初診から始まりまして、医療チームによる身体的治療の適応の判定なども経た上で、どういった治療を行っていくのか。そういった治療方針が決定されていく。こうした流れがガイドライン上、位置づけられてございます。
また、38コマ目をごらんください。こちらも最近の動きとなりますが、性同一性障害学会による認定医制度が開始されてございます。2015年より、性同一性障害患者が有効・安全な治療を受けることができることを目的といたしまして、学会による認定医制度が創設されている。実際に、認定医の方も認定をされておりまして、こうした取り組みを踏まえますと、性同一性障害の方に対して有効・安全な治療を行う一定の体制が確保されてきたと言えるのではないかと考えてございます。
続きまして、39コマ目。これは現状でございます。まず上の表で、国内の主要26医療機関を対象とした調査で、性同一性障害者の方の総患者数。これまでの総患者数が上の段の一番右で、2万2,435名。そのうち、性別適合手術が行われた数が国内外、そちらに記載のとおり、合わせますと約3,000名弱。こういった状況でございます。
また、その下に※で記載しておりますが、平成27年12月末までに性別の取り扱いの変更が行われた、これは司法統計によりますと6,021例という状況でございます。
さらに、海外の状況はそちらの下に記載のとおりでございます。
40コマ目をごらんください。これは現在、実際に保険適用されております手術の中で、性別適合に係る手術に類似した手術の一覧になります。上段がmale to femaleの手術、下段がfemale to maleの手術ということで、こちらも御参考でございます。
こうした学会等の、また法律上の位置づけ。こういったことを勘案いたしまして、論点といたしまして42コマ目でございます。性同一性障害患者に対する性別適合手術は、現在、保険給付の対象外であるが、性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン、また、特例法による性別取り扱い変更の条件などを踏まえまして、どのように考えるか。こういった御提案でございます。
続きまして、大きな4点目になります、安定冠動脈疾患に対するPCIでございます。PCIは、経皮的冠動脈インターベンションの略でございます。
課題の1つ目ですが、血管造影上75%狭窄がある冠動脈病変に対して、実際に検査で機能的な虚血の有無を確認したところ、46.4%の病変で虚血を認めなかった。こういった御報告がございます。
関連学会によるガイドラインにおいては、虚血がないことが証明されている患者にはPCIの適応はないとされております。
PCI施行前の虚血検査の実施状況については、施設間でばらつきが多いということ。
また、現在、診療報酬上、機能的虚血については算定要件となっていない。こういう現状があるということであります。
46コマ目をごらんください。先ほど申し上げました血管造影上75%狭窄がある冠動脈病変に対しまして、機能的な虚血の有無を確認したところ、46.4%の病変で虚血を認めなかったとの御報告がございます。
また、48コマ目になりますが、関連学会によるガイドラインにおきましては、虚血がないことが証明されている患者にはPCIの適応はない。こういった内容となっております。
続きまして、50コマ目になりますが、実際にPCI施行前の虚血検査の実施状況については、そちらのグラフにありますとおり、施設間で相当なばらつきが認められるということでありまして、平均の施行率は37.8%といった状況でございます。
そこで論点(案)でございます。52コマ目になりますが、安定冠動脈疾患に対して待機的に施行するPCIについては、原則として、術前の検査などにより、機能的虚血の存在が示されていること。これを算定要件としてはどうか。こういう御提案でございます。
続きまして、5番目で、放射線治療についてでございます。
54コマ目になります。現在、がん対策推進基本計画におきましては、標準的な放射線治療については均てん化する一方で、高度な放射線治療については、必要に応じて、連携体制等について検討するということとされております。
3つ目のポツですが、入院中の患者が他医療機関での放射線治療を受ける場合には、入院料が減額される。こういったルールがございます。
また、入院中の患者さんが他医療機関で放射線治療を受ける場合に、外来放射線治療加算が算定できない。こういった状況がございます。
55コマ目が、がん対策推進基本計画の該当部分。
56コマ目が、普及状況になります。
57コマ目をごらんください。これは広島県の取り組みを御紹介いたしております。これはHiroshima High-Precision Radiotherapy Centerというものを設置いたしまして、このセンターにおいては高度なエックス線治療機器を複数設置するとともに、専門性の高い医師を複数配置することによって、集約化を図ろうといった取り組みがございます。
58コマ目で、先ほど申し上げました、入院中の患者さんが他医療機関を受診した場合には、例えば一番上の出来高病棟においては、当日の入院基本料は10%減額される。こういったルールがございます。
また、59コマ目、放射線治療管理料につきまして、注3の下線部でありますが「入院中の患者以外のもの」という規定がございまして、すなわち外来の患者さんにしか、この管理料は算定できない。こういったルールがございます。
そこで論点(案)で、61コマ目。放射線治療機器の効率的な利用の促進の観点から、高度な放射線治療を受けるために、入院中の患者が他の医療機関を受診した場合におきましては、患者が入院した医療機関が算定する入院基本料等について、まずはどう考えるか。また、患者が放射線治療を受けた医療機関における外来放射線治療加算を算定することについて、どう考えるか。こういった論点(案)でございます。
最後、皮膚科の治療につきまして御説明いたします。
63コマ目をごらんください。脂漏性角化症や軟性線維腫につきまして、これは良性の皮膚腫瘍でございます。治療としては凍結療法が行われることが多うございます。
これにつきましては、いわゆるJ、処置の項目で算定する医療機関が多うございますけれども、K、手術で算定する医療機関も存在している。こういった状況がございます。
64コマ目が、その具体的な点数を記載したものでございます。
65~66コマ目が、算定件数の実績をお示ししたデータでございます。
論点で、最後の67コマ目になりますが、脂漏性角化症や軟性線維腫に対する凍結療法につきましては、処置の「いぼ冷凍凝固法」により算定する旨を明確化してはどうかという論点でございます。
資料の説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
では、松本純一委員、お願いいたします。
○松本純一委員
それぞれの論点について、コメントさせていただきます。中には少し事務局に見解を求める部分もございますので、よろしくお願いいたします。
最初に遺伝学的検査ですけれども、診療報酬上の評価をやはり細分化して適正な評価に改めるべきではないかと思います。7コマ目の資料でもそうですが、そのように思います。遺伝学的検査が必須な指定難病について、遺伝学的検査の対象とすべきとも思います。
悪性腫瘍遺伝子検査でありますが、15コマ目のスライドにもありますが、複数遺伝子検査に係る適切な運用とすべきであり、適正化は必要と考えます。がん種によって組み合わせの検討は必要ではないかと思います。
臓器移植に係る抗HLA抗体検査に関してですけれども、24コマ目のところにもありますように、移植後に抗HLA抗体が確認された症例に対して治療を行うことで予後が改善するという知見も得られていることから、手術料に包括するということではなくて、術後、別途評価することにすればいいと考えます。
次いで、組織のほうでございますが、29~30コマ目のところを参照していただいて、組織の採取・保存に費用がどのぐらいかかるのか。適正に算出し、保険収載につなげるべきではないかと思います。それと、やはり手術点数と分けることが必要ではないかと思います。
性別適合検査に関してですけれども、これはまた私の期待を裏切らずに朝刊で学習をしてまいりましたが、性同一性障害を精神障害と位置づけて、人間の性別を生物学的な観点によって区別し、その上で性別の取り扱いの変更に必要な条件を定めている以上、このような手術は必要ではないかと思います。
ただ、その場合、この性別適合検査を保険適用すべきと思いますが、実施医療機関や対象患者などについては、ある程度、一定条件を課することを検討してはどうかと思います。
次いで、安定冠動脈疾患に対するPCIでございますが、学会のガイドラインに基づいた方針であり、検討の方向性は理解いたしますが、機能的虚血を判断するための検査の中には侵襲性の高いものもあるやに聞きます。また、必要な人が必要な治療を受けられないことがないようにすることも重要であり、患者の負担にも配慮し、現場の混乱が生じないよう、慎重な検討をする必要があると考えます。
この侵襲の強い、侵襲性の高いものもあるということに対して、事務局の考えを少しお聞かせ願いたいと思います。
次いで、放射線治療といいますか、入院中の他医療機関受診の件でございますが、高度な放射線治療に限らず、入院施設にない専門的な治療等については、入院料の減額とならないよう検討すべきではないかと考えます。
皮膚科治療については、皮膚科専門医が横におりますので、松本吉郎委員からよろしくお願いいたします。
○田辺会長
ありがとうございました。
一旦、御質問がございましたので、侵襲性の問題に関してどう考えるかという件をお答えいただければと思います。
では、企画官、お願いいたします。
○古元医療課企画官
企画官でございます。ありがとうございます。
安定冠動脈疾患に対するPCIについて、御質問でございます。御指摘いただきましたとおり、機能的虚血を判断する際の検査には、FFR等の非常に侵襲性の高い検査もございます。他方、それ以外にも例えば負荷心電図など、さまざまな検査がございますので、患者様の御負担のない形で、また当然、狭心症のある症状がある方については必要な治療が行われることを確保する。こういったところも含めて、しっかり条件の設定を検討していきたいと考えてございます。
○田辺会長
では、松本吉郎委員、お願いいたします。
○松本吉郎委員
それでは、63コマ目の「皮膚科治療の課題」でございますけれども、算定件数、65~66コマ目のところから件数を見ますと、脂漏性角化症や軟性線維腫に対する凍結療法はほとんどが処置で算定されております。そういった状況から考えますと、凍結療法に関しては処置の算定にすべきだと考えます。事務局の提案に賛成いたします。
1点質問があるのですけれども、先ほどの性同一性障害者のところですが、39コマ目でございます。ここに海外における性別適合手術等の保険給付の状況ということが27カ国・地域が出ております。こういった国はもちろん、その国の法律や条件の設定によっての違いは各国であるかもしれませんけれども、こういったところで公的医療保険制度にしたときに、果たして手術数がどのように変化したかとかというデータとかはあるのでしょうか。もし、わかれば教えていただきたいなと思うのです。
○田辺会長
では、企画官、お願いいたします。
○古元医療課企画官
御質問ありがとうございます。
保険給付の対象となった、前と後でどういった変化があったかという御質問につきまして、現在、そういったデータについては持ち合わせてございません。
○田辺会長
よろしゅうございますか。
では、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
2点、事務局に質問がございます。
26ページの抗HLA抗体検査。これは検査として評価するということについては賛成です。その前提の上で、これは全ての臓器移植ということなのかどうかを教えていただきたいと思います。資料に提出していただいている23~24コマ目等については、腎移植例が主として出ていて、23コマ目を見ますと、肝移植と腎移植ではかなり大きな差がある。もちろん、肝移植でもHLA抗体がある人の予後が少しよくないというのはあるのですけれども、こういう他の臓器移植も含めて何かエビデンスがあるのかどうかということです。それで、腎移植だけというのであれば別にそれはわかりますが、それが1点です。
もう一点は42コマ目の、これも私は必要なことだと思って、賛成をいたします。その前提の上で、これは戸籍を変更するということを前提にしているのか。別に手術は受けるけれども、戸籍は別に変更しないケースもあるのか。今、精神療法しか保険適用を認められていないというお話が出ていたのですけれども、私は詳しくないのでわからないですが、37コマ目にあるガイドラインを見ますと、ホルモン療法を先に行われる方もいるわけです。それで、戸籍を変更するということになると、ホルモン療法もへったくれもなくて、これはいきなり手術ということになるのだと思うのですが、そうでないケースだと、ホルモン療法を先に実施されることになったとき、ホルモン療法は今、保険適用になっていないということなのでしょうか。手術の前に、あるべき治療の保険適用ということについての考えはどうなっているのか。
その2点を教えていただければと思います。
○田辺会長
では、今の2点に関しまして、企画官ですか。お願いいたします。
○古元医療課企画官
まず、1点目の臓器移植に関する御質問をいただきました。今回、資料の中には腎臓移植並びに肝臓移植についてのデータをお示しいたしておりまして、こちらはエビデンスのあるものについては臓器を限ることなく、できるだけ対応していきたいという考えでございまして、また、その適用などにつきましては、本日方向性をお認めいただけましたら、詳細を詰めてまいりたいと考えてはございます。
また、性同一性障害につきまして、まず2つ目の御質問からでございますが、ホルモン療法につきまして、これはガイドラインに位置づけられた一つの治療で、現時点では保険適用とはされていないという状況でございます。これは薬事承認の適用の範囲の関係で保険適用となっていないということでございます。
また、その治療対象となる患者さんの判定につきましては、このガイドラインに従いまして判定が行われる。こういったことを考えてございます。
○今村委員
済みません。1点目については、ほかの臓器移植についても、この腎移植と同じような、あるいは肝移植と同じようなエビデンスがあるという理解でよろしいですね。
だから、全ての臓器を対象にするということであるので、事例がこの2つの例しかないので、ほかにもあるということであればそれで結構なのです。
○田辺会長
では、お願いいたします。
○井内移植医療対策推進室長
済みません。エビデンスが明確になっているかどうかということは、また再度確認させていただきますが、この慢性拒絶反応の機序自体は全ての臓器で同じと理解をしておりますので、全ての臓器で起こると考えております。
○今村委員
2点目なのですけれども、37コマ目を改めて見ますと「医療チームによる身体的治療の適応の判定」というものがあって、ホルモン療法へ行くケースと直接手術に行くケースがあるわけですね。それで、私がさっき冒頭に申し上げたのは、戸籍の変更ということがすごく大きなテーマになっているので、そうだとすると、これは直接、左側の細い矢印みたいなケースもあり得るわけですけれども、そうでなくて、ホルモン療法だけでいいですということになると、戸籍変更の要件には当たらないわけですね。そういう方たちにはホルモン療法は保険適用として認めないけれども、戸籍の部分のところでの手術を先に保険診療として認める。そういう流れになる理解でいいですかということです。
○田辺会長
では、企画官、よろしくお願いいたします。
○古元医療課企画官
今回につきましては、御指摘のとおり、ホルモン療法については保険適用外ということでありますが、手術療法について保険適用としてはどうかという御協議でございます。
○今村委員
もう一点の確認で、くどいようですけれども、別に手術療法をしても戸籍変更を前提としないということでよろしいですか。
○田辺会長
この点はいかがでございましょう。
○古元医療課企画官
今回につきましては、あくまでも疾病に対する治療という中での御議論をさせていただきたいと考えてございます。
○田辺会長
では、平川委員、お願いいたします。
○平川委員
済みません。戸籍のところなのですけれども、今、戸籍を要件にしないというのは当然な話だなと思いましたが、逆に、この戸籍の要件があるがために、この手術療法を受けようというきっかけになってしまう場合もあると思います。そういった意味で、この戸籍の要件、この戸籍の性別変更の要件そのものに対してもさまざまな意見がありまして、それについて、この辺は慎重に留意すべき事項ではないかなと考えているところであります。
それから、この37~38コマ目のスライドで、初診のところの精神科医やそのサポート体制というものはやはり大変重要なのではないかなと思っています。これは一回手術してしまえばもとの体に戻すことはできないという大変重い手術だと思いますので、慎重に専門の精神科医がしっかりと診察をし、これは「ソーシャルワーカー」と書いてありますけれども、ソーシャルワーカーや看護スタッフ、精神保健福祉士も含めて、どういったチームでサポートしていくのかというのを明確にしていく必要があるのではないかなと思っているところであります。
そういった意味で、専門の精神科医、そのサポート体制ということであれば、専門の精神科医がいる医療機関プラス、それなりの体制が整った医療機関を要件にしていくことも重要と考えているところであります。
意見として言わせていただきます。
○田辺会長
ありがとうございました。
では、松本純一委員、お願いいたします。
○松本純一委員
今回のこの提出のきっかけというのはやはり大事で、私の結論は変わらないです。この手術を保険適用にすることに対しては賛同いたしますけれども、これはいわゆる戸籍上の性別を変更することに手術が必要だからというので出されたのではなくて、戸籍を変更することは関係なく、この手術を保険で認めるか、認めないかというだけでよろしいのですね。
○田辺会長
では、医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。
少し整理をさせていただきますと、背景としていろいろ御説明をさせていただいておりますけれども、あくまで今回は疾病として概念が整理されたものについて保険適用させていただくということが御提案の趣旨でございます。
背景の事情として、戸籍の取り扱い等の制度整備は、例えば41コマ目に記載のとおりでございますけれども、こういったこととリンクをして医療保険で適用ということではございません。それがまず前提であります。
それから、なぜ今回、こういう御提案をさせていただいたかといいますと、先ほど企画官からも最初の御説明のときに解説をさせていただいているつもりですが、改めて申し上げますと、38コマ目を見ていただきますと、37コマ目のように、今、御議論がありましたが、これは一定の手術を必要とするということになっているわけであります。
ただ、この手術につきましては、やはり一定の専門性でありますとか手術を行う体制が必要で、特にこの38コマ目に記載しておりますけれども、一定の認定医に基づく手術の実施が適切であるというふうに、これまでも保険適用につきましては、今回の改定に限らず、過去の改定においても一定の検討をしてきましたが、保険適用に至っておりません。それは、主にはこういった体制が必ずしも十分できていなかったということが原因であります。
そこで、この38コマ目に記載してございますけれども、2015年からこういった制度が創設をされ、以降、順次、人数は必ずしも多くはないですが、一定の専門医が実際に活躍されるようになって、ある程度の体制が整ってきたということで今回の改定でという御提案になったということでございます。
以上、補足でございました。
○田辺会長
では、松本純一委員、お願いします。
○松本純一委員
非常に誤解を与えるような構成になっています。確かに課長が言われるようなことで、それでいいという整理はできます。もちろん、この41コマ目のスライドは必要ではないとは言いませんが、これは参考になっていますけれども、やはりこれはそういう説明を先にしていただかないと、この流れでいくと、今、平川委員も言われたように、戸籍を変えたいから手術しようかみたいな、もちろん、戸籍を変えるためには手術をしなければいけないというふうになって、むしろ、その辺を問題視して、いわゆる生物学的な性別でなくても変えられるとか、そういう議論をしたほうがいいと思います。
それはここでやる話ではないとは思いますけれども、これだと少なくとも生物学的な性別を変えるために手術をして、それで戸籍が変えられる。そういう流れにどうしてもなってしまいますので、その辺を注意して説明していただきたいと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
2つだけ意見と、事務局への対応のお願いでございます。
まず、26コマ目の移植のところで、これは基本的には大賛成でございます。一応、全ての移植に対応するという話でございましたが、特に腎移植とかでは、これは移植しなければ透析を続けなくてはならない。そういったことを考えると、医療費的にも随分、この移植手術というものが大きく貢献しているのがわかります。
ただ、この抗HLA抗体検査をどれくらいの頻度でやるのか。全例やるのかというところと、例えばリスクファクターのあるような輸血歴とか妊娠歴とか、移植後の腎機能低下からも拒絶が強く疑われるという方たちに限定してやっていくのか。ただでできる検査ではありませんので、その辺も含めてきちんとした方向性を示していただければと思います。
それから、52コマ目ですが、循環器のところの安定冠動脈疾患に対する待機的なPCIについてというところで、これは虚血性の変化がないものに対してはインターベンションする必要はないということでガイドラインに示されておりますので、まさにそのとおりなのですけれども、ただ、この虚血性の変化をどう評価するのか。先ほども事務局からもお話がありましたように、非常に侵襲性の高いもの、そうでないものといったものがいろいろありますので、その辺を要件化というよりも、まずそういう検査をすることは推奨していきますので、これは要件化するのではなくて、そういうものをまず推奨する方向にしていただきたいということ。
それと、不安定狭心症のように負荷試験をやりますと非常に危険な状況になるのはわかっておりますので、その辺のきちんと、どういう状態の方たちにどの検査を事前にやるのが推奨されるという方向で話を進めていただければと思います。
基本的には、この方向性は全然間違っていないと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
放射線治療のことですが、58コマ目にあります、現在の他医療機関受診における減算という制度。これは前からいろいろともめていたところで、減額幅が大分縮まったところであります。このような高度な放射線治療を集約化するのは、機械がとにかく高価なものですから、本当にこういうやり方しかないので、これにおきましては、この放射線治療を行うところで集約化して、そこに診療報酬が当然支払われるべきだと思いますし、今後、必要に応じてやることに対しての減額はするべきではないと思います。
このような放射線はもちろんですが、この減額に関しましては、今回、この放射線は非常に高度な、高価なものですが、あと、ほかに専門性ということがありますので、専門性が高い医療機関もしくは医師に受診しなくてはならない場合におきましても、このような減額制度を適用しないということについて検討していただきたいと思います。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
では、平川委員、お願いいたします。
○平川委員
済みません。さっきの性別適合手術の40コマ目で、それぞれの部位の手術に対する単位が書いてありますけれども、点数のつけ方としては、個々につけるとこうなるのかもしれませんが、基本的には丸めるといいますか、包括的に点数づけをすべきではないかなと思います。
それから、他科の受診の関係で御発言がありましたが、やはり原則的なことを言わせていただきますと、療養の給付というものは現物給付でありまして、それは個人に対して給付がされることになります。そうなりますと、複数の医療機関に受診をするのは理屈として、例外的な考え方になるのではないかなと思います。これも2年前、私のほうで大分言って、他科の受診については減額をすべきだということを言わせていただきましたけれども、やはり今回、この放射線に関しての治療に関しても入院基本料について、他の医療機関を受診する場合は減額をするのが当然のことではないかなと思いますので、そういう方向で検討していただきたいと思います。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
では、間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
性同一性障害の件ですけれども、これはやはり体の形を変えるということは非常に大きなことであって、慎重にやっていかなくてはいけないと思うのですが、これはくくりとしては精神障害ということなので、その精神障害の方の患者の治療として、体の形を変えるということで治療が完了するのかどうなのかというところが、そういう見解になっているのかもしれませんけれども、そのあたりというのはどういう判断になっているのか。
それから、実際、手術を受けた人がその後、どういうふうに思っているのかということです。それは障害が取り除かれたとか、病気が治ったということも含めてですが、もとに戻したいという話も、そういう手術を受けたいという話も聞くので、そのあたりの患者の追跡調査といいますか、患者のその後の調査みたいなことも含めて考えていかなくてはいけないことなのではないかなと思うのですけれども、そのあたりの調査は何か行われているのでしょうか。
○田辺会長
この点、いかがでございましょう。
では、企画官、お願いいたします。
○古元医療課企画官
まず、1点目の御質問でございます。今回御提案いたしました資料の中の37コマ目にございます診断の流れ、ガイドラインにございますとおり、この性同一性障害の方につきましては、恐らくさまざまな方がいらっしゃって、例えばホルモン療法を行うことで一定治療が成る方、手術まで必要な方、そういった、どういった治療の内容が必要なのかということについて、やはり医療チームによってしっかりサポートしながら判定をしていく。こういった手続が重要なのではないかと思いますので、一律にどこまでといったことはなかなか言えないのではないかと思っております。
また、実際に治療を行われた後の実態把握等につきましては、今回御指摘をいただきましたので、どういった形ができるのかを含めて検討はしていきたいと考えてございます。
○田辺会長
では、間宮委員、どうぞ。
○間宮委員
手術だけが治療ではないと思うのです。法律的に別の性別ですということを認められれば、それで精神障害という意味では取り除かれるということもあるのかもしれないので、そのあたりは、先ほども戸籍の話もありましたけれども、そういった部分も含めていろいろ調査していただきたいなと思います。
○田辺会長
では、吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
時間もおしていますが、28コマ目の「組織移植の課題」について、質問です。33コマ目にありますように、論点については、方向性は理解できるところでありますが、この28コマ目の課題の最初のポツのところに、現状は必要な組織を十分に供給できていない。その次に、現時点では費用を十分に賄えていないという指摘があるのですが、組織を十分に供給できていないのはコスト面だけの問題なのでしょうかというのが1つ質問なのです。
認定カテゴリー1の組織バンクの運営維持。これについてのあり方にもかかわる話だと思います。診療報酬上はコスト面をどうかということで、当初のこの設定としては組織の採取・保存・供給の費用、組織適合性試験の費用、質を保証する費用。これらを全部包含して、この点数設計をしたということなのですが、そもそも包含した背景、別々にしなかった背景が何かあったのか。今回のコストがなくなっているのは、やはり環境の変化、時代の要請なのか。この辺をあわせて考える必要があると思いますし、点数で解決できるのならばそれでいいのでしょうけれども、そもそも、やはり供給をきちんとできて、それも安定に質が担保できたものにするというのは、ほかの働きかけは当然必要だろうと思いますが、その辺、ちょっと知識不足なので、教えていただければと思います。
○田辺会長
では、お願いいたします。
○井内移植医療対策推進室長
組織移植は今、十分に供給できていない実情です。実際、コスト面がまず大きな障害になっているのは事実でございます。また、組織移植をさらに円滑に進めるために、組織の集め方についてもきちんと整備していかなければいけない必要もございます。
その集めるときに、関係者にお願いをしていく形というのも実際、ある程度、今、病院が持ち出しで使用しているというところ、診療報酬以上のお金をバンクに払ってやっている部分も一部ございますので、そういった中でなかなか集めるところまでお願いがし切れないということもあって、集めるほうも苦戦しているということですので、当然、診療報酬がコストに見合った形であれば、そういったところも円滑に進めていくことができると考えております。
さらにもう一つ御質問をいただきましたが、忘れてしまいました。
済みません。もう一問をもう一度お願いします。
○吉森委員
組織バンクの体制のあり方について、どうなのかということで、今、おっしゃったように、病院の持ち出しもあるというのは、そもそも当初の診療報酬上で設計したときのあり方としてどうだったのかということなのです。
○井内移植医療対策推進室長
申しわけありません。
まさに御指摘いただきましたように、時代の要請というのもあって、いわゆるクオリティーコントロールの部分が実際は大きく時代とともに変化をして、そこをきちんとしていかなければいけないということが必要となってきました。
また、これらのバンクは大学等で運営されていることが多いのですが、そちらのほうの運営も非常に明確に評価されるようになり、個々の部門のいわゆる赤字について、かなり厳しくみられるようになってきたということもございまして、実際、この診療報酬の中でしっかりとやっていける体制が望ましいと考えているというものでございます。
○田辺会長
では、吉森委員、お願いします。
○吉森委員
背景は大体わかりましたけれども、そもそも、そうするとやはり、その建付けとしては組織バンクのあり方、それと関連する、協力する各病院さんのあり方、患者さんのあり方。これをきちんと順番に整理していただいて、点数上どうするかという持ち上げ方にしていただきたいと思いますし、冒頭に松本純一委員からもありましたけれども、では、個別にどうするのだというところも含めて整理をいただきたいと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
本日の議題は以上でございます。
なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。
どうもありがとうございました。
 

 

 

 

 

(了)
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代表: 03-5253-1111(内線)3288

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