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2017年12月13日 中央社会保険医療協議会 総会 第378回議事録

○日時

平成29年12月13日(水)10:40~12:07

 

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

○出席者

田辺国昭会長 野口晴子委員 松原由美委員 荒井耕委員 関ふ佐子委員 中村洋委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
松本純一委員 今村聡委員 松本吉郎委員 猪口雄二委員 島弘志委員 遠藤秀樹委員 
安部好弘委員
菊池令子専門委員 横地常弘専門委員
<事務局>
鈴木保険局長 渡辺審議官 伊原審議官 迫井医療課長 古元医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○平成30年度診療報酬改定への意見について(各号意見)
○「平成30年度診療報酬改定の基本方針」について
○個別事項(その7)について

○議事 

 

○田辺会長
おそろいのようでございますので、ただいまより第378回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は榊原委員が御欠席でございます。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほうをよろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○田辺会長
早速、議事に入らせていただきます。
初めに「診療報酬改定に関する基本的な見解(各号意見)について」を議題といたします。
11月24日の総会で、医療経済実態調査の結果に対し1号側委員、2号側委員それぞれの見解をいただきました。本日は各号側委員それぞれから「次期診療報酬改定に関する基本的な見解」が提出されておりますので、資料の説明をお願いしたいと思います。
まず、1号側委員から資料の説明をお願いいたします。
幸野委員、よろしくお願いいたします。
○幸野委員
資料の説明の前に事実関係を確認したいことがあります。今朝の報道で、30年度診療報酬改定率は本体プラス0.55%という数字が出ていましたが、事実関係を御説明いただけますでしょうか。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。
幸野委員御指摘のけさ幾つかそういった報道がなされているというのは、事務局といたしましても承知いたしております。ただ、診療報酬改定の改定率につきましては、来週18日、月曜日に予定をされております予算のプロセスの中で、予算大臣折衝を設定いたしております。そこに向けて政府内で検討を進めているということでございます。したがいまして、この報道等に関しまして現時点で政府としてお答えすることは、基本的には差し控えさせていただきたいと考えております。
○田辺会長
どうぞ。
○幸野委員
では、今朝の報道は事実ではないと捉えてよろしいのでしょうか。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。
繰り返しお話をさせていただくことになるわけでありますが、あくまで予算の編成過程に現在ございますので、大臣折衝に向けて、私どもの省庁もそうですし、財政当局も含め、政府内で検討を進めているということでございます。事実関係については以上でございますので、それ以上現時点で政府としてお答えするということにつきましては、繰り返しになりますが、差し控えさせていただきたいと考えております。
○田辺会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
各側意見を踏まえて改定率が検討されると思っていたのですが、仮に改定率が内々であれ決定されているのであれば、各側の意見の提出は何のためにやるのでしょうか。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。
中医協の場でこういった意見をまとめていただくというのは、中医協における当事者を含めまして、いろいろな御意見を御協議いただくというプロセスにおいて必要だろうということで設定されていると承知いたしております。一方で、予算につきましては、予算編成のプロセスを経まして最終的に決定をされるということも、これまでもそうですし、実際にそういった実務を行っておりますので、重ねてでございますが、これはあくまで政府内で検討を進めているというのが現在の状態であります。それ以上につきまして、コメントは差し控えさせていただきたいということでございます。
○田辺会長
よろしゅうございますか。
○幸野委員
中医協前に支払側は事前打ち合わせを行っておりますが、もし、本当に改定率が内々に決まっているのであれば、意見陳述はやめようかという話までしました。我々が意見表明する前に改定率が内々に決まり、それが報道されるというのは前代未聞です。中医協のあり方自体を疑問視するようなことになると思うのですが、どのようにお考えでしょうか。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。
大変厳しい御指摘と受けとめております。これも結局繰り返しかもしれませんけれども、あくまで予算編成につきましては政府の責任において行うというプロセスでございますので、現在、その検討過程にあるというのが事実でございます。
ただ、一方で、中医協の場において各号の意見を表明していただくというプロセスは、これまでもそうですし、非常に重要な機会であろうと認識をいたしております。前後関係についてこのような形になったという御指摘についても、重く受けとめたいと思いますけれども、あくまで政府内で検討を進めているところというのが現時点での私どもの位置づけ、認識でございます。
○田辺会長
吉森委員、どうぞ。
○吉森委員
事務局のご苦労はよくわかりますが、予算は予算、我々の検討は検討ということで、それは関係としてはそうなのでしょうけれども、少なくとも同時改定で診療報酬改定について関心の高まっているその中で、中医協がそれぞれ両側で切磋琢磨の議論を重ねている。そういう状況を勘案すれば、水面下とか予算は予算というのは理解できるところでありますが、そういうことが新聞報道でくしくも今日、各側が意見表明をする当日の朝刊に出るという、ここの統制の仕方というかあり方、これについては非常に残念としか言いようがない。本当に意見表明を我々がするのをどう一般の皆さんが受けとめて。私なんかは保険者を代表して来ているわけですが、保険者として何をやっているのだということになりかねない。これは縦割りの省庁で仕方がないのかもわかりませんが、その辺はぜひ、きちんと意見交換するなり、情報統制するなり、いろいろなことへの御配慮は、大人の世界で私はよくわかりませんが、きちんと統制をしていただければありがたいと思います。
○田辺会長
平川委員、お願いいたします。
○平川委員
私のほうからも、今回の報道に関しては大変遺憾に思っているということを表明させていただきたいと思います。
今、皆さんがおっしゃっていましたけれども、きょう基本的な考え方を示すという段階において新聞報道で出されるということについては、中医協そのもののあり方が問われてしまっているのではないかと思います。制度的には予算編成過程で改定率が決定するという形にはなっていますけれども、議論の順番というか、制度設計のあり方、議論のあり方として大きな問題であったのではないかと思います。今回の事態については大きな問題があり、遺憾だということを表明させていただきたいと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
この件はよろしゅうございますか。
宮近委員、お願いいたします。
○宮近委員
私も支払側、特に健康保険料の半分を負担している企業側として、今回の報道等につきまして感じたことは、どうしてこんなことになるのだろうかというようなことです。
今回の診療報酬改定に向けて、我々は2年間、とりわけ10月以降スケジュールを詰めて、皆さんいろいろな意見を述べてまいりました。その意見がだんだん煮詰まってくる段階で、本日もそうですけれども、いろいろな場面で報道が先行して、結論があたかも出たように報道され、それがほとんどそのとおりになってきているというような現実があります。我々は何をしてきたのだろうかということもあります。結論を出そうとしているときに結論がもう出ているという実態は、本当におかしい会議運営ではなかろうかと思います。
今回の状況については、いろいろなタイミング、あるいは政府諸般の関連の中で起きた報道なのかもしれませんけれども、保険料を苦労しながら払っている我々の立場としては、医療の充実と保険制度の維持という目標があるわけです。その目標に向かってみんなが頑張っているときに、片方で結論だけが先にどんどん出されて公表されていくようなことがあってはならないと思います。報道の問題については非常に難しい問題があるのでしょうけれども、そこのところを事務局の皆さんも何とか頑張って、中医協の議論がスムーズに進むような委員会運営をぜひお願いしたいと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
この件は2号側はよろしいですか。
松本純一委員、お願いいたします。
○松本純一委員
きょうは予習する時間がなかったと言いたかったのですけれども、1号側の委員の方々がいろいろな御意見を言われる。結果がああいう結果だったからこちらが黙っていると思われてはいけませんので、お話をさせていただきますが、遺憾に思うことは一緒であります。
先ほどの薬価専門部会で幸野委員が言われましたし、私も何度か指摘をしてきました。いわゆるマスコミ報道が先んじて、マスコミ辞令のようなことがあってはならないということは再三再四言ってまいりました。特に、事務局を責めるつもりは全くありません。どういう経路でこういう情報が漏洩したかというのはわからない状況ではありますが、幸野委員が言われるように、それだったら意見陳述、両側の意見の扱いはどうなるのか。
恐らく金曜日にされるであろう公益側の骨子案というのはどういう位置づけになるのだということは、確かに疑問であります。
ですので、きょうの朝のマスコミ報道、新聞各紙あるいはテレビ報道というのはなかったことにはならないですけれども、一旦白紙にしてここは進めるしかないと考えますし、恐らくはそれをもって、我々の意見そして公益側がそれに足していただいた意見をもって改定率が決まるのだろう、今後はそういうことになるであろうことを信じて、本日は進めたいと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
そのような了解のもとに先に進めさせていただいてよろしゅうございますでしょうか。
では、1号側、幸野委員、意見をお願いいたします。
○幸野委員
むなしさがありますが、議事ですので説明させていただきます。1号側の基本的な考え方です。
中医協総-1-1を御参照ください。時間の制約もございますので、ポイントのみを説明いたします。
1つ目の○は、2025年には医療費は60兆円を超えるということが推計されているということです。2つ目の○は、医療費を含めた社会保障費の増大は我が国の経済成長を鈍化することが懸念されるということであります。3つ目の○は、医療保険者の財政は被用者保険も国民健康保険も危機的状況にあるということを申し上げております。裏面に行きたいと思います。
2ページ目に移ります。1つ目の○は、「骨太方針2017」において、さまざまな要素を踏まえ、診療報酬改定のあり方を検討する必要があるという国家の方針が打ち出されたということです。2つ目の○は、先日公表された医療経済実態調査によれば、中期的なトレンドとしては、国公立病院以外の経営状況はおおむね堅調に推移しているということが我々の分析でわかったということです。3つ目の○につきましては、我々の究極的な主張ですが、30年度改定においては、診療報酬はマイナス改定とすべきであり、薬価・特定保険医療材料改定及び薬価制度の抜本改革による引き下げ分は、診療報酬本体に充当することなく、国民に還元すべきです。なお、最後の○ですが、現在、議論されていることを含めた個別項目の要望については、近々総会の場で提示させていただくことといたします。
以上でございます。
○田辺会長
どうもありがとうございました。
続いて、2号側委員から資料の説明をお願いいたします。
松本純一委員、よろしくお願いいたします。
○松本純一委員
私だけ嬉々として読み上げるわけにもいきませんので、簡単にさせていただきます。
総-1-2の資料をお読みになっていただければと思いますが、本来、診療報酬は医療機関にとって経営の原資であります。また、国民に安心・安全で納得できる医療を提供するために、医療機関の経営が健全であることが重要であると言えます。
また、診療報酬をふやすと国庫負担増あるいは国民負担増に直結するという考え方ではなく、国が国民にどのようなレベルの医療を提供するかという国民との約束や責任・使命を果たすための費用であると本来考えるべきであろうと考えます。
あと、縷々それぞれ述べておりますが、結論だけ述べさせていただきます。
平成30年度の医療と介護の同時改定に当たりまして、改革を継続し、世界に誇るべき国民皆保険を持続可能なものとするためにも、今回、薬価改定財源は診療報酬本体に充て、診療報酬改定はプラス改定とするべきであります。これが診療側委員の総意であります。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
前回の平成28年度改定におきましては、医療経済実態調査に対する各号側委員の見解、次期診療報酬改定に関する各号側委員の基本的な見解、薬価調査の結果等を踏まえまして、公益委員のほうで厚生労働大臣に対する意見書の素案を作成した上で、総会で議論し、意見書を取りまとめて、中医協から厚生労働大臣への意見として提出いたしました。
平成30年度改定でも同様に、中医協としての意見を取りまとめ、厚生労働大臣に提出してもよろしゅうございますでしょうか。もちろん、やめろと言えばやめます。
この点、1号側、いかがでございましょう。よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○田辺会長
2号側。
(「異議なし」と声あり)
○田辺会長
ありがとうございました。
では、本件につきましてはそのように進めさせていただきます。
次に報告事項でございます。「『平成30年度診療報酬改定の基本方針』について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、事務局より御説明をお願いいたします。
医療介護連携政策課長、よろしくお願いいたします。
○黒田医療介護連携政策課長
医療介護連携政策課長でございます。中医協総-2-1に沿いまして、おととい、12月11日付で取りまとめました「平成30年度診療報酬改定の基本方針(概要)」について御説明申し上げます。なお、総-2-2で全文を添えておりますので、あわせて御確認をいただければと存じます。
本基本方針につきましては、本年9月以降、社会保障審議会医療保険部会、医療部会におきまして、医療保険制度、医療提供体制等の観点から御審議をいただいてとりまとめたものでございます。
上から参ります。まずは、改定に当たっての基本認識として3点添えております。
1点目が、人生100年時代を見据えた社会の実現。
2点目が、地域包括ケアシステムの構築。
3点目が、制度の安定性・持続可能性の確保と医療・介護現場の新たな働き方の推進という点でございます。これら基本認識に沿いまして、下に参りますが、改定の基本的視点として4点位置づけております。
まず1点目が、地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進でございます。下の具体的な方向性の例にございますように、地域包括ケアシステムの構築のための取り組み強化、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師・薬局の機能の評価、状態像に応じた入院医療の評価等について位置づけております。
右に参りまして2番目でございますが、新しいニーズにも対応でき、安心・安全で納得できる質の高い医療の実現・充実でございます。がん、認知症、先進医療、難病、小児医療、周産期医療、救急医療、歯科医療等、個別の分野に係るポイントを添えております。
左下に参りまして、3番目が医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進でございます。チーム医療の推進などによる勤務環境の改善、業務の効率化・合理化等について添えております。
最後に右側に参りまして4点目でございますが、効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上としまして、薬価制度の抜本改革、後発医薬品の使用促進等について添えております。
以上の点を12月11日付で取りまとめましたので、御報告でございます。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明に関しまして、何か御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
説明ありがとうございました。
これについても苦言を呈させていただくのですが、はっきりと申し上げて、基本方針が取りまとめられる時期が遅く、形骸化していると思います。議論が佳境に入っているなかで基本方針が示されるというのは非常に違和感がありますので、これもぜひ次回以降、見直していただきたいと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
今後、平成30年度診療報酬改定に向けての改定の基本方針に基づきながら、議論をさらに進めてまいりたいと存じます。
次に個別事項「個別事項(その7)について」を議題といたします。12月8日に議論できなかったテーマについて議論したいと存じます。本日は残されたテーマのうち、テーマ5、6、8、9、10について議論したいと思います。テーマを2つずつに区切って、資料説明と議論を行っていきたいと思います。
まず、5と6に関しまして事務局より資料の説明をお願いいたします。
医療課長、よろしくお願いします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。
それではお手元総-3、先ほど会長からも御紹介いただきました、まず2コマ目の5、6「医療従事者の多様な働き方」と「公認心理師」につきまして御説明をさせていただきます。
4コマ目でございます。医療従事者の多様な働き方は大きく2つに分けてございます。1つは「5-(1)リハビリ専門職の常勤要件の取扱い」であります。課題のところに3つポツがございます。リハビリ専門職、具体的には理学療法士、作業療法士、言語聴覚士という職種がございます。お隣の5コマ目になりますけれども、4割、6割、8割、女性の割合が比較的高い職種になります。
4コマ目の2つ目のポツですが、リハビリテーションに関します診療報酬関係。これは専門職の専従あるいは常勤配置等が要件になっているものが幾つかございます。6コマ目以降に具体的に掲げております。後ほど簡単に御紹介いたします。
3つ目でございますが、女性の割合が高いということと連動する話でございますけれども、育児・介護休業法におきまして、3歳に達するまでの子を養育する労働者の短時間勤務について措置を行うことが義務づけられているというものでございます。
簡単にデータを見ていただきますと、5コマ目。これは先ほど申し上げました3職種につきまして、女性の割合が比較的高いということでございます。
6~7コマ目、これは例示でございますけれども、リハビリ専門職を専従あるいは常勤配置等を要件としているものにつきまして、このような報酬項目がございます。
以上がリハビリ専門職の関係です。
そして8コマ目、2つ目であります。診療報酬における「5-(2)専従要件の取扱い」でございます。まず、1つ目のポツ、整理をしているわけでございますけれども、診療報酬におきましては、医療の従事者に専従、すなわち、括弧書きで書いていますが、他の業務との兼務が原則できませんということを要件として課しているものが幾つかございます。その考え方を1、2、3というふうに整理しているわけでありますが、3つのようなパターンで緩和措置があわせて措置されているケースがあります。
まず1つ目でありますが、チームで行う場合のうち、いずれか1人が専従であれば可という緩和のやり方があります。
2つ目は、患者さんの数が一定程度より少ない場合については、専任でもよいというやり方。
そして3つ目は、リハビリテーションについて、当該業務を実施していない時間帯について一定程度の緩和を行うというやり方で、関連する他の業務に従事することもできる。こういったさまざまなパターンがありますということでございますが、現行の診療報酬項目につきましては、さらに緩和措置が可能と考えられる項目が幾つかあるのではないか。こういう問題意識であります。
順次見ていただきますと、まず、9コマ目。これは例でございますけれども、専従要件につきまして、9コマ目、10コマ目で2つの表で整理をしておりますが、先ほど申し上げました3つのパターンについてそれぞれどう該当するのかということでございます。
申しわけございません。8コマ目と9コマ目の1、2、3の関係は、必ずしも対応しておりませんが、9コマ目、10コマ目でいう表の整理は、9コマ目の一番上に書いてありますけれども、1、2、3、というパターンについてそれぞれどのような報酬項目があるのかを御紹介しているということでございます。
11コマ目、もう一つは、医療資源の少ない地域に配慮した診療報酬上のさまざまな要件の緩和がございますけれども、要件の緩和の具体例といたしまして列挙してあるような項目につきまして、特定の地域、医療資源が少ない地域という場合につきまして、配慮とともに要件緩和をしているわけでありますが、緩和の内容と対象について列挙しているということでございまして、このような事例があるということでございます。
以上、あわせまして論点であります。12コマ目であります。
1つ目、リハビリ専門職の常勤要件でございます。先ほども既に見ていただきましたが、リハビリ専門職の特性といたしまして、医師の指示のもとで専門性の高い医療を提供していくということがまず前提になっております。こういったことを踏まえまして、リハビリ専門職の専従・常勤配置等の要件になっているものにつきましては、例えば、週一定時間の勤務を行っている複数の非常勤従業者の組み合わせによって、常勤配置されているものとみなすという扱いをしてはどうかということでございます。これが1点目です。
2点目であります。幾つか見ていただきました専従要件を設定しつつも、要件緩和をしている例があるわけでありますが、専従要件につきましては、より効率的な医療提供を可能にするという観点から2つ記載しております。業務内容の類似性あるいは対象の患者さんにおいて、先ほど見ていただきました現行の運用ですけれども、あるいは医療資源の少ない地域における緩和措置。先ほど11コマ目で見ていただきました。こういったことを参考にいたしまして、前提といたしました質の確保に十分配慮するということでございますけれども、その上で、より弾力的な運用が可能となるような見直しということでございますが、検討してはどうかということでございます。
繰り返して「また」と書いてございますけれども、先ほど見ていただきました8コマ目の2、3という事例をお示ししておりますが、対象患者さんの数が一定の数以下あるいは当該業務を実施していない場合の取り扱い、こういった視点で検討してはどうか。この2点が医療従事者の多様な働き方の論点でございます。
引き続きまして、2つ目の論点でございます。20コマ目「6.公認心理師」でございます。2つ○を書いてございます。現在、診療報酬で心理学に関する専門職といたしましては、心理に関する専門課程を修了した者を「臨床心理技術者」として評価をしているというのが現行の運用でございます。
そういった中、2つ目の○です。今般、公認心理師法という法律が施行されまして、制度化されているということでございますが、来年の9月から最初の国家試験が実施され、以降順次輩出されるというのが今後の見込みでございます。
21コマ目、先ほど触れました例示であります。臨床心理技術者につきまして、報酬上の設定があります。
22コマ目、先ほど2つ目の○で触れましたが、来年度以降、公認心理師につきまして輩出していくことを踏まえまして、23コマ目に具体的な公認心理師の資格の取得方法について実務的にまとめてございます。こういった対応が想定されているという前提です。
22コマ目に戻っていただきまして、2つ○を設定しております。これは最後、24コマ目の論点と同じでございますので、24コマ目の論点を22コマ目の御説明であわせてさせていただきます。
まず、30年4月以降、原則として、臨床心理士、公認心理師が輩出をされるということでございますので、心理師の範囲を公認心理師としてはどうかということでございます。
2つ目の○でございます。今後、要請されるわけでございますので、当面の間、以下のような扱いとしてはどうかということで2つ具体化をしております。
1つ目。これは30年度におきましては、従来の臨床心理技術者に該当する者を公認心理師とみなす。2つ目のポツですが、実施後につきましては、31年3月末までに保険医療機関で従事している臨床心理技術者と4月以降新たに臨床心理技術者として従事する者のうち、公認心理師の受験資格を有する者を公認心理師とみなすという対応をさせていただいたらどうかというのが整理案でございます。
以上、2項目につきまして御審議をお願いしたいと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
12コマ目、リハビリ専門職の常勤要件の取り扱いですが、これにつきましては賛成させていただきます。今、とにかく若年層でなかなかフルタイムで働けない人たち、いろいろな理由でそういう方が多いので、そういう方が少しでも働きやすい環境とするためには非常によい考えだと思います。また、これをリハビリ専門職以外の医療職全体に広げることによって、医療の世界に働きやすい環境が生まれるのではないかと考えております。
続きまして、専従要件の取り扱いです。専従要件というのは専らということで、100%ということが非常に強く出てしまうのですが、今後、働き手が減少する等のことを考えまして、医療の質を確保しつつ、効率的な運営ができることから、このような取り扱いについてもより弾力的にしていただけるようにお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
松本純一委員、お願いいたします。
○松本純一委員
12コマ目の論点につきましては、両方の○とも賛成するものであります。
今、猪口委員が言いましたように、医療従事者の多様な働き方に対応した柔軟な取り扱いとすべきでありますし、仕事と子育ての両立のためにも必要と考えますが、ただ、女性に限らず、男性もそういう働き方があってもいいのではないか。もちろんリハビリ職に限らず、医療職全般にそれは言えることだと考えます。
下の○の専従要件の取り扱いなのですけれども、おおむね了解なのですが、医療資源の少ない地域、特定地域につきましては、現行、市町村合併などで同じ市においても非常に濃淡があるという現状があります。特定地域について見直しをする気持ちがあるかどうか、見直すことができるのかどうか。あるいは、ここに決めたもの以外は医療資源が少ないとはもう言わないという定義をつくるのか。現実に非常に医療資源が少なくて困っているところもございますので、その辺の考え方をお聞きしたい。
○田辺会長
医療課長、よろしくお願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。
12コマ目の専従要件の取り扱い、見直しに関しまして、私どもで御提案しております考え方として、こういった事例があります、この事例を参考にさらにほかの部分を見直してはどうかという御提案でありますが、11コマ目でお示ししております具体的な事例の一つとして、医療資源の少ない地域に配慮した場合の考え方をお示ししています。あくまでここで対応している措置といいますか、緩和の考え方を活用してという趣旨で、まずは今回、御提案をしております。
松本純一委員の御質問的には、これは別の意味で重要な論点でありまして、具体的に今、地域においてさまざまな配慮を要すべきところについて現行の運用でいいのか。そういう御指摘だろうと思います。その点につきましてもあわせて考慮しなければいけませんけれども、今回の御提案はあくまで方法論として医療資源の少ない地域に配慮したやり方について、参考にしてほかの項目について検討させていただきたいという御提案でございます。
○田辺会長
松本純一委員、お願いします。
○松本純一委員
医療課の仕事ではないのだと思いますが、現実に今、特定地域に指定されているところで、実際どのように医療資源が少ないのか。あるいは指定されていないところでも医療資源が非常に少ないところがあるのかどうか。そういう検証は必要になってくると思いますので、ぜひその辺をお願いしたいと思いますし、関係部局への依頼をお願いしたいと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでございましょう。
平川委員、お願いいたします。
○平川委員
医療従事者の多様な働き方が議論されておりますので、若干意見させていただきます。
リハビリ専門職の常勤要件の取り扱いですけれども、女性の割合が多いというのは違和感を覚えます。育児・介護休業法による、比較的休暇をとることが多い職場とか、そういうふうに書いていかないと、前も言いましたけれども、両立支援という観点からすると、違和感を覚えます。
その上で、複数の非常勤の組み合わせによる勤務ですけれども、要件は明確化すべきだと思っています。先ほど言った育児・介護休業法に基づいた休暇を前提とし、とる場合はそれこそ厚生局等に事前に報告をするということなどについてしっかりやっていかなければならないと思います。常勤配置というのは、あとの専従要件ともかかわりますけれども、これまでのさまざまな議論の中で、患者に対しての医療の質向上であるとか、さまざまな要因があって常勤要件が配置されておりますので、要件については明確化をしていくということが重要かと思います。
その下の専従要件の取り扱いです。これについても、例えばリハビリの専従に関しても、要件を専従にすることによって、在宅復帰率の向上、多職種とのコミュニケーションの向上、ADLが改善したという要素があって専従ということで明記されていると思っています。これについても対象患者数が一定程度以下の場合等、限定的に書いてありますけれども、これについてはあくまで例外的で限定的な取り扱いにすべきだと考えております。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
菊池専門委員、お願いいたします。
○菊池専門委員
12ページの専従要件の取り扱いについては、チームの連携による診療が行われている場合で、患者数や時間帯に応じて合理的と考えられる場合に、医療の質が担保される範囲という前提で一定、理解をいたします。
資料にありますような、緩和ケア診療加算では、一定の経験や知識を持った看護師の配置が求められておりますけれども、このような看護師には院内の他部署の看護師の相談に乗ったり、在宅で緩和ケアを受けられる体制をつくるために、地域の訪問看護ステーションの訪問看護師と同行して助言するなど、質の高い看護ケアを地域全体に広げていく役割が求められております。専従要件を一部緩和することで、知識、経験を持つ看護師がより積極的に地域医療に取り組む可能性を広げる方向で検討していただければと思います。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
2点目の公認心理師にかかわる評価の論点はこの方向で進めさせていただいて構いませんでしょうか。ありがとうございました。
では、ほかに御質問もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
次に8と9に関しまして、事務局より資料の説明をお願いいたします。
医療課長、よろしくお願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。
26コマ目から「8.明細書の無料発行」でございます。課題のところに5つ記載がございます。これは後でデータ等も見ていただきますけれども、最初に整理させていただきますと、まず、明細書の無料発行につきましては、平成20年の改定以降、累次の改定におきまして進めてきているというのが前提であります。現状で病院においては明細書の無料発行が義務づけられている、というのが事実関係でございます。
2点目以降につきましては、調査等の結果の記載でございます。
まず、2つ目のポツです。診療所・薬局において正当な理由がある場合について、明細書は無料で発行する必要は現時点ではないわけでありますけれども、正当な理由があるという届け出を行っている施設については減少傾向である。これは実態でございます。
3つ目も実態でありますが、電子レセプトの普及状況ですが総計で93%が電子レセプトに対応しているということでございます。
最後、2つのポツ、これは検証調査の結果をまとめてございます。
4つ目です。調査の結果について、全ての施設について見ていますけれども、明細書を受け取ってよかったことにつきましては2つ例示しています。治療・検査・薬などの内容・具体名がわかりやすくなった、医療費の内訳がわかりやすくなったというのが上位に挙げられております。歯科診療所あるいは保険薬局につきましては、明細書を受け取った人の一定程度、特にないという回答がございました。
最後、5つ目のポツでありますけれども、同じく全部の施設につきまして、明細書発行を希望しないという場合についての理由でございますが、明細書をもらっても内容がわからない、領収証の内容で十分なためが上位に挙げられているということでございます。
それから、希望しない人のおおむね20%が個人情報であり廃棄方法が不安である。こういったことが掲げられております。
順次見ていただきますが、27~28コマ目、これは先ほど申し上げました経緯でございます。平成20年からこういった取り組みを始めておりまして、22、24、26、28と順次拡充をしていっているというのが全体像でございます。
29~30コマ目、現行制度の御説明であります。まず、大きく自己負担の有無、自己負担がある患者さんの場合とそうでない患者さんとで対応は一定程度違うところがありますので、病院診療所、保険薬局、電子レセプト請求を行っていない医療機関等々、こういった整理をさせていただいております。
30コマ目であります。同じく自己負担があるかないかということで、発行義務の関係について整理をいたしております。現行制度の事実関係です。
31コマ目「電子レセプトの普及状況」であります。まず、総計というのは医療機関等全体であります。個別に医科、歯科、調剤とそれぞれ見ていただいております。病院と調剤につきましては、非常に高い割合で電子レセプトが普及している。歯科については、まだ一定程度でとどまっている。こんな状況でございます。
先ほども触れましたが、32コマ目、正当な理由に該当して発行義務がない施設。そういった対応をしているわけでありますが、順次経過とともに減少傾向にあるということでございます。
33~34コマ目、字が細かくて申しわけないのですが、領収証と明細書、もともと取り扱い、項目、目的も当然違うわけでありますけれども、具体的な様式、このような事例として御紹介をしております。
33コマ目が医科であります。
34コマ目が歯科・調剤・訪問看護の例でございます。
35コマ目以降は、検証調査の内容の御紹介であります。
最初に35~37コマ目。これは明細書を受け取ってよかったことについて調査をいたしておりまして、35コマ目が病院、36コマ目が一般診療所と歯科診療所、37コマ目が保険薬局、訪問看護ステーションであります。
細かい棒グラフが並んでおりますけれども、大ざっぱに申し上げますと、35コマ目はよかったこと、先ほど冒頭でまとめておりますけれども、治療、検査、薬などの内容の具体名がわかりやすくなった。医療費の内訳がわかりやすくなった。こういったことが基本的に多くを占めているということでございます。
36コマ目は一般診療所、歯科です。特に歯科については特徴的な結果が出ております。右側であります。よかった点についての割合も高いわけでありますが、一方で特にないというお答えも多かったというのが一つの特徴であります。
同様に37コマ目の保険薬局につきましても、左側の図表160でありますけれども、同じような結果が出ております。
38コマ目。これは明細書発行に関します今後の希望についてお聞きいたしております。四角の枠囲みに書いてございますけれども、歯科診療所、保険薬局を除きまして、それ以外のところにつきましては、会計の都度、明細書の発行を希望するが最も多いという結果になってございます。
歯科診療所、保険薬局については希望しないというのが最も多かったという違いが若干ございます。
次に、39~41コマ目であります。明細書発行を希望しない場合について、その理由をお尋ねしております。理由のお尋ねが39コマ目が病院、40コマ目が一般診療所、歯科診療所、41コマ目が保険薬局及び訪問看護ステーションでございます。
39コマ目の病院につきましては、明細書をもらって内容がよくわからないためというのが一番多くなっておりますけれども、一定程度の割合で領収証の内容で十分なためという回答もございます。
40コマ目、一般診療所、歯科診療所、これはグラフの真ん中辺にありますけれども、領収証の内容で十分だというお答えが比較的多かったということでございます。
同様の傾向は41コマ目にもございまして、保険薬局、訪問看護ステーションについて、領収証の内容で十分なためということと、これは特に自己負担がない場合につきましては、自己負担がないからという理由が多かったということでございます。
42コマ目は制度の必要性について聞いております。明細書が無料発行される制度、必要性について問いますと、必要だと思う、どちらかというと必要というのが全てにおいて5割を超えているということでございます。ただ、自己負担がないという方に関して申し上げますと、歯科の診療所については、42コマ目の帯のところに書いてございますが、半分を超えていないという一つの特徴がございます。
同様に43コマ目、自己負担のない方について無料発行の制度について必要かどうかということをお聞きしております。これも歯科診療所を除きまして、基本的には全て5割を超えているというのが調査の結果でございます。
論点として44コマ目にまとめてございます。見ていただきましたとおり、現行で領収証、明細書はそれぞれ別の様式を定めております。それぞれ発行するということになっておりますけれども、今、見ていただきましたとおり、明細書を受けとってよかったことについては治療・検査・薬などの内容・具体名がわかりやすくなった、医療費の内訳がわかりやすくなったといった回答が多かったということでございます。
明細書を希望しない理由の中に、領収証の内容で十分である、個人情報であり、破棄の方法が不安である。こういった回答が多かったということでございます。これらについてどのように考えるのかということが1点目の論点であります。
2点目の論点。領収証と明細書が果たすべき機能、発行業務の実態をある程度踏まえた上でということでございます。
参考に書いてございますけれども、46コマ目、今、平成29年度でありますけれども、今後の支払基金の業務効率化・高度化計画を工程表として策定して、実際、これにのっとってさまざまな対応をしようとしているわけでありますが、システム全体を見直す機会が32年にございます。32年度について言いますと、ほとんど全ての保険医療機関に影響するようなレセプトを含めた様式の見直し、システムの見直しが機会として予定されているということでございます。
このことを踏まえて44コマ目に戻っていただきますが、論点の2つ目。若干繰り返しますが、領収証と明細書が果たすべき機能、発行業務の実態を踏まえた上で。領収証を発行する、明細書を発行するというのを努めて実務的に申し上げますと、システムの影響が非常に大きいということでございますが、そのシステムを大幅に見直す機会が32年にありますという趣旨で、現行レセプト様式の見直しが平成32年度に予定されているということを踏まえて、今後の明細書発行にかかわる対応についてどう考えるのか。この2点について御審議いただきたいと思っております。
○田辺会長
引き続き、歯科医療管理官、よろしくお願いいたします。
○小椋歯科医療管理官
歯科医療管理官でございます。
54コマ目でございます。歯科診療報酬の点数表に「特定薬剤」というものがございます。こちらの算定方法についての議論でございます。
課題、ポツの1つ目です。歯科の点数表には特定薬剤というものがございます。これは後ほどまた説明させていただきます。
ポツの2つ目です。特定薬剤に関する計算方法ですけれども、こちらも後ほど説明させていただきたいと思います。
特定薬剤とポツの3つ目ですが、第10部の麻酔の薬剤料についても同様の計算方法をするということでございます。
下から2つ目のポツです。この計算方法は昭和47年に導入したものでございまして、約50年前に導入された計算方法ということ。
最後のポツですけれども、特定薬剤の中で最も使用されているものが昭和47年当時と状況が大きく異なってきているということでございます。
55コマ目です。こちらのほうに特定薬剤が記載されております。歯科の点数表の処置及び手術のときに、歯科治療中に使用する薬剤の一部を特定薬剤と規定しております。特定薬剤と薬剤という2種類がございまして、55コマ目に記載されておりますものと、56コマ目に記載されているものがほぼ全ての特定薬剤という形になってございます。
特定薬剤の計算方法でございますが、57コマ目をごらんください。真ん中に「『特定薬剤』の算定方法」というものが記載されております。特定薬剤の算定方法につきましては、薬価が40円を超える場合は、薬価から40円を控除した額を10円で除して得た点数につき、1点未満の端数を切り上げた点数とします。次の三角ですが、40点を超えない薬につきましては、算定できないということでございます。あと、※で記載されておりますが、120点以上の処置とか手術の場合には、包括されて算定できないとなってございます。
下に「一般的な薬剤料の算定方法」が記載されてございます。一般的な薬剤の算定ルールにつきましては、薬価が15円を超える場合は薬価から15円を控除した額を10円で除して得た点数につき、1点未満の端数を切り上げて得た点数に1点を加算して得た点数とすると記載されております。例えば100円の薬価の薬があったとしますと、100円の薬価でありますから、15円を控除します。そうすると、85円になりまして、それを10で割りますと8.5点。8.5点を1点未満の端数を切り上げますと9点。さらに最終的に9点に1点を加算して得た点数とするということですので、10点という形になります。薬価100円の薬が10点になります。上の特定薬剤の場合は、薬価100円のものは40円を控除いたしまして、60円を10で除して得た点数6点。6点を請求するという形になってございます。
59コマ目をごらんください。こちらは第10部の麻酔の薬剤についてです。これも先ほどの特定薬剤と同じ計算方法をいたします。
下の※でございます。先ほどと同様に120点以上のものについては包括されており、算定できないという形になってございます。
61コマ目です。特定薬剤が昭和47年につくられた経緯でございますが、一番下に下線が引かれておりますけれども、当時から使う薬の数が大分ふえてきて、請求事務が繁雑化したということがございまして、請求事務の簡素化を考慮したということでございます。
62コマ目につきましては、昭和47年当時の特定薬剤を記載してございます。特定薬剤の赤字で書かれているところが歯の根っこの治療に使う特定薬剤でございまして、今は全て包括されている点数になって、赤字のところは全てなくなっているという状況になっております。
63コマ目をごらんください。こちらのほうは現行で算定されている特定薬剤でございますけれども、赤の点線で囲っておりますペリオフィールというものとペリオクリンというものが65%ぐらいを占めております。こちらは歯周病に使う薬でございまして、昭和47年当時と薬の使い方が大きく異なってきているということでございます。
64コマ目、最後の論点でございます。歯科の点数表に規定される「特定薬剤」と麻酔の薬剤の算定方法について、一般的な薬剤料と同じ算定方法となるよう、見直すこととしてはどうかということでございます。
説明は以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
明細書と歯科の特定薬剤2つ、質問並びに意見を申し上げたいと思います。
まず、明細書のほうですが、44コマ目にございます明細書の発行の論点、考え方についてです。明細書というのはそもそも患者個人が御自身の治療内容、医療費負担等に関心を持って、我々もいつも進めていますが、健康リテラシーを高めることにおいて重要な意義があると考えております。今後の検討の論点としては、領収証、明細書の果たすべき機能、コンセプトをより明確にして、32年度レセプト様式の見直しがありますが、歩調を合わせて検討していくことが重要だろうと思っていますし、医療保険の関係者においてのシステム改修費の負担等を勘案すれば、当然歩調を合わせるというのが重要なことだろうと考えております。
もし、明細書と領収証を一体で発行する方向を考えるのであるならば、領収証は今、税の分野で医療費控除の申告等に提出ということで使っておりますので、明細書等にございます個人情報保護法の観点からいう個人情報の扱い方についての配慮も当然必要になってくるのだろうと考えます。今後の検討については、そういう点への留意も必要なのだろうと思います。これは意見でございます。
歯科のほうでございますが、64コマ目です。歯科診療報酬点数表の算定方法に関して、今回提案のある特定薬剤とか麻酔剤について、時代に合わなくなって見直したいという方向性は理解をしておりますし、こういうことでやりたいというのはよくわかるのですけれども、61コマ目に47年からこうなっているという見直しの経緯がございますが、そもそも47年に40円という水準になぜしたのか。この辺がよくわからないので、この辺について、40円の水準というのと、一方で平仄を合わせたいという医科の一般的薬剤15円のルール、40円と15円の水準というのがよく理解できません。
乱暴な意見かもわかりませんけれども、15円ルールにしないで40円ルールに全部したらどうなのかという考え方はないのかと思います。合わせるということへの論理的な根拠があるのか、ないのか、お聞かせいただければありがたい。
○田辺会長
よろしくお願いいたします。
○小椋歯科医療管理官
歯科医療管理官でございます。
当時の40円の水準と15円の水準でございますけれども、50年ほど前のことでございまし手、実際になぜこのようなルールが定められたのかということも、基本的には推察するしかないのです。それと、実際に当時の初診料とか再診料を現在のものと比較しても、大体8分の1とか6分の1になっておりまして、金銭の価値も当時とは違ってきていると考えております。何でこういう数字が定められたのかということにつきましては、特に明確な答えは持ち合わせていないというところでございます。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。
吉森委員のもう一つ御指摘といいますか、ある意味での御提案かもしれませんが、一方で医科に15円ルールのような設定がありますが、私どもの理解は、一定程度事務の負担を軽減する、あるいは、実態上どこまで個別的に算定をするのかというさまざまな包括の考え方が恐らくありますので、一定の水準で設定をして、歴史的経緯もあり、15円ということだと思います。
一方で、私どもの理解はもちろん40円に合わせるのか、15円に合わせるのかという考え方ももちろんありますが、圧倒的なボリューム感からしますと、15円ルール見直しの影響のほうが比較にならないほど大きいわけでございますので、現実的な対応として、今回提案させていただいたような形で如何かと考えております。特に医科と歯科につきましては、共通で実施するような項目も少なからずございますので、そういった整合を見た意味で今回提案させていだいております。その点からしますと、40円ルールのほうを見直させていただくほうが合理的というのが私どもの認識でございます。
○田辺会長
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
経緯、流れはよくわかりました。40円にすれば、費用的というよりも、財政効果はあるのではないかと思ったものですからお聞きした次第です。なおかつ、ボリュームが多いほうを40円にすれば効果が上がるのだろうというのは自然な考え方だと思います。御説明は理解いたしました。
○田辺会長
間宮委員、よろしくお願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
明細書の無料発行についてですけれども、診療所において、正当な理由があるということを理由に発行の猶予を10年以上続けるということは、全患者への無料発行というものの趣旨を逸脱しているのではないかと考えます。
平成28年の改定時には、正当な理由がある場合は平成29年度末までの猶予期間を設けたという理解を私はしているのですけれども、診療所については、そのときには当分の間ということでされていましたが、現時点で、診療所においてもほぼ発行しているところがなくなってきているわけです。今回の改定では、2年後の平成32年度からは、診療所での発行も義務化することを明示すべきではないかと思っています。
それでも、トータルで10年間の猶予があったということになるわけですから、10年という節目ですっきりするのではないかと思うのです。これからレセプトの関係があると思いますけれども、これから新たな仕組みを考えるというよりも、今まで取り組んできたことを完結させるということが中医協の責務でもあるのではないかと考えています。
見てもわからないから発行を希望しないとか、領収証で事足りるとかという患者がいるという意見を前面に出して、それを判断材料にしてくださいというような発想は全く理解できないです。子供に教えられてもいない教科書を見せて、要るか要らないかを判断させたり、内容が難しいからわからないと言うから配るのをやめましょうという話にはならないです。
医政局では、患者を中心としたチーム医療による医療安全ですとか、患者と医療者の情報共有による医療安全というのが重要であるということを言い続けているのですですけれども、これで言うと保険局では見てもわからないから要らないと患者は言っていますと。そういうことではやはり縦割りなのか、そういうものがひど過ぎるのではないかと思います。保険局でも、もっと患者の安全ですとか、患者リテラシーというものの向上の重要性を重視すべきなのではないかと考えています。
10年以上前の中医協改革の原点には、患者視点重視がうたわれていたと思います。患者に診療報酬の明細を見てもらって、理解した上でフィードバックをしてもらう。それを聞かないで、どうやって中医協の場で患者視点を重視できるのか、生かせるのかということは、そういうところをやらないというのは非常に問題なのではないかと思います。
領収証と診療明細書というのは別物だと考えています。領収証というのは、お金の受け渡しがあったという事実を証明するためのものであって、確定申告ですとか医療控除をするためのものであったりするわけです。明細書というのは、自分がどんな医療を受けたのか、医療の記録を将来のために末永く保管しておくということが重要であって、それをなぜ受けた医療を理解する必要があるのかということですとか、その活用方法とかメリットを患者とか家族、保険者に対しても伝えていくということが保険局の仕事なのではないかと思います。
民間の保険会社では、明細書の発行直後から生命保険を支払う会社というのは出てきています。これらの会社では、診断書を省略できることをメリットとしています。こういった事実を保険局は把握して、患者に伝えていく努力もすべきであると思います。
薬害被害者とか医療被害者は、被害の救済を求めるに当たって非常に苦労してきた経験から、自分が受けてきた医療の明細を知っていくことがいかに大切かということを伝えてきました。点滴とか手術中に使用された血液製剤とか麻酔薬が何という薬だったのかを、患者になった人に知らせることは必要不可欠だと思います。
そのほかにも、患者は医療消費者としての役割があるのです。2014年に山陰地方の大きな病院で診療明細書を見た患者からの指摘によって、院内トリアージの過誤請求があったということがわかったのです。このことは繰り返し大きく報道されましたけれども、この病院では約500人に同様の過誤請求が行われていたということがその後の調査でわかったわけです。結局、全員に医療費を返還したということがあったということです。患者に過誤請求分の医療費を返還した病院は、山陰地方だけでも6病院以上になったということです。こういった過誤請求に対するチェック、そういう役割も患者にあるのだということを伝えていくことも大事だということです。健全な医療保険制度を運用していく保険局の仕事なのではないかと思います。同時に、患者としても、内容がわからないから必要ないということではいけないと思っています。
以上のことから、今回の改定では、全ての医療機関において患者の求めによらない診療明細書の無料発行を強く求めます。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでございましょう。
平川委員、お願いいたします。
○平川委員
今、間宮委員が体系的に発言していただいたので、まさにそのとおりだと思います。
今後の流れの中で、平成32年にレセプトの大幅な見直しをスタートするという状況にあります。新システムが稼働するという形になりますが、これ自身が相当大きなことでもありますし、これに向けて今回の改定の議論で具体的に、少なくともこの時期には明細書の発行は義務化なのだというメッセージを明確にしていかないと、ある意味、それに向けての準備とかを含めて、間に合わないのではないかと思います。支払基金の業務の効率化・高度化計画の新システムの稼働に向けて、どういう方向で今、動いているかということをまず最初にお聞きしたいと思います。
○田辺会長
医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。
46コマ目の資料を含めまして、以前、似たようなレセプトの様式を利活用も含めて御審議いただいた際に、こういった工程が掲げられておりまして、取り組みを進めていくという御紹介をしたときも同じような話がございましたが、具体的に工程表に係る作業とか中身について、この場でつまびらかに御審議をいただく場ではないという理解をしております。
一方で、このことをあわせてお示しをしました趣旨は、間宮委員の御指摘にも若干絡む話だと思いますけれども、もともと平成20年からこういったことを取り組んでいくという前提として、これは恐らく両側共通認識という前提だと思いますが、診療の内容、医療の内容について開示をしていくということが、間宮委員も触れられましたけれども、医療安全の確保等に有効であるということが共通認識の中で進めていくという一方で、現実の問題として、46コマ目を掲げさせていただいた理由に絡む話ですが、現場で書面の交付あるいは事務手続について申し上げますと、レセプト電算処理に連動するような事務処理、特に病院についてはそうでございましょうし、小規模の診療所におかれましてもどのような対応をされるのかという実態が関係していまいります。そうなってまいりますと、現在、正当な理由と掲げられている理由は、こういった事務処理に対して対応できる医療機関もありますが、そうではない医療機関も現実の問題として存在する中で、現時点でこういった取り扱いになっているということでございます。
ですから、平川委員の御指摘についてお答えをさせていただくとすれば、あくまで支払基金の業務効率化とか高度化に係る内容につきましてはさまざまございますので、この場で私のほうから御紹介するというのは避けさせていただきたいのでありますが、少なくとも問題提起としてさせていただいているのは、明細書の発行に係る大きな要素として、レセプト発行事務との連動がございますので、そういった見直しの機会にあわせて御検討いただくことが適切ではないかという問題意識でございます。
○田辺会長
平川委員、どうぞ。
○平川委員
それであれば、次の準備も含めて、今回改定の審議の中で全ての領収証の発行義務化に向けた前向きな結論を出すべきではないかと思います。
以上です。
○田辺会長
ほか、いかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御質問等もないようでございますので、この2つの件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
次に10の論点につきまして、事務局より資料の説明をお願いいたします。
医療課長、よろしくお願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。
10番目の審議事項、66コマ目であります。「10.新医薬品の処方日数制限の取り扱い」でございます。課題として掲げさせていただいております。14日処方制限、新医薬品についての処方制限でありますが、副作用の早期発見あるいは安全性確保といった必要な診察頻度に留意しつつ、処方日数のあり方でございますとか、日数制限の対象品目など、具体的な対応の考え方、あるいは選択肢もお示しをしながら御検討いただきたいという趣旨でございます。
順次御説明をさせていただきます。今回の御提案の背景でありますけれども、67~68コマ目それから隣の69~70コマ目をあわせて見ていただくことになります。政府全体で取り組んでおります規制改革会議、規制改革の実施計画に、今回御審議をいただくことを取り組みとして掲げております。
その理由に該当する部分が規制改革会議で指摘されている内容で、68コマ目であります。これは平成28年4月1日、28改定の直後でありますけれども、中医協の審議で前回改定に至る手前のところで、69~70コマ目に資料を提出させていただいておりますが、後ほどこれを見ていただきますけれども、平成27年11月6日、すなわち前回28改定のプロセスの中で御審議をされております。
68コマ目に戻っていただきますが、その審議も念頭に、一番上の四角であります、28年4月1日でありますが、14日というのが適切なのか。例えば、28日でも変わらず安全性が担保されるのではないか。そういった議論をするべきではなかったかという御指摘をいただいております。
安全性が確保されるのであれば、むしろ処方制限を外して、働きながら病気と闘っている方々が新しいお薬を十分使えることを考えるべきではないか。そういった指摘から始まりまして、きょう御審議をいただくに至る過程で、本年の4月、11月に相次いで規制改革のワーキンググループからの指摘を得ております。
真ん中の四角であります。無制限に投与するというわけではないけれども、14という日程の設定については期間が短過ぎるのではないか。多くの新薬が出てきているわけですが、2週間に1度の頻度で医療機関に行けない患者さんというのもおられるのではないか。そういったことについて考えると、14という日数について合理性がないのではないか。例えば、原則30日にして、特殊なものについて厳しくするというやり方もあるのではないか。そういった投げかけをいただいて、最後の回、68コマ目一番下でありますが、一番直近の11月でありますけれども、安全性に疑念があるものの、例えば新しいメカニズムの医薬品が出たというようなケースであれば、それは14日でしようがない。あるいは、治験において必ずしも安心できないというデータがあれば、それも14日というのはわかりますが、一方で、同じようなメカニズムの薬が既にある、こういった場合については、14日でなくてもいいのではないか、こういった問題意識から、改めて御審議いただく必要があるのではないかということでございます。
御参考までに69~70コマ目。細かくは触れませんが、前回改定に至るプロセスで、この議題については御審議をいただいております。
69コマ目であります。課題として掲げている、先ほど御説明したような内容をおおむね御提示をして、論点として掲げさせていただいたのが2つ目の○です。新医薬品の処方日数制限、対応できる医療機関が限られている場合に負担が大きいと指摘されているけれども、この対応についてどう考えるのか。
御審議いただいた概要が70コマ目であります。これは11月6日であります。
診療側の御意見としてまとめているものが、治験が終わって実臨床で使ってみますと、思ってもみない副作用が1年以内に出るということがあります。腎機能、肝機能といったものの障害が出る、それは定期的に見ていかないといけないので、原則14日というのは守るべきではないか。こういった御意見を診療側からいただいております。
支払側からは、2つポツがありますが、安全かどうかが重要で、制限をつけることには賛成である。安全性が担保されているのであれば、その医薬品を例外として扱う措置は検討してもよいのではないか。
2つ目のポツです。患者の負担や個別的な理由等の観点から検討していくことは間違いであり、あくまで安全性という観点から基本は厳守していくことが妥当だ。
年末にまとめましたときの1号側の御意見として、新薬の処方日数制限について、安全性確保の観点から遵守すべきである。こういった御意見をいただいて、現在の対応に至っているということでございます。
71コマ目、現行制度の御説明を改めて確認させていただきます。まず、そもそも今回の取り扱いに至る手前のところで、平成13年度までは内服・外用、一般的な投与期間は14日という限度がありました。それについて特定の疾患・医薬品について30日分の長期投与が可能になったということであります。その後の対応でありますけれども、慢性疾患の増加等で、投薬治療が長期に及ぶものが増加をしていくということでございます。
長期投与の対象とする医薬品を拡充する必要があるのではないかというようなことで、14改定のときに原則として疾患名、医薬品名を限定した投与日数の制限を行わないという対応にしたわけでありますが、そのときに実地医療の場で初めて使用される段階の新医薬品はあくまで14日という対応をしているということでございます。
最後の○です。そういった制度の中で、下の2つのポツですけれども、こういったものが一定程度不合理だという場合には、個別に例外の扱いをしていますということです。1つ目の小さなポツでありますけれども、実質的に既収載品で1年以上臨床経験があるようなものについては、形式的に新医薬品ではなくということで制限を設けない。実際にそういう対応を御相談しているケースがございます。
2つ目、最後のポツです。14日を超える製剤のみが存在している場合について、14日を超えるというのは合理性がありますので、一定程度そういったものについても個別的に対応しているということでございます。
最後、72であります。このような背景で、今回改めて御審議いただきたいと思っておりますのは、まとめますと、14日の処方制限の対応について、具体的な選択肢を掲げて御議論いただきたいと考えております。事務局のほうで考える選択肢は4つであります。
1点目は、現状の14という数字につきまして、21、28、30等に延長するという対応。
2点目は、個別の患者さんの事情を勘案しまして、患者さんの状況に応じて処方日数を延長するという対応。
3点目です。処方日数制限を行わないとしている現在の取り扱いにつきまして、実質的には先ほど、現にこういう例外もありますという御説明をしておりますが、それについてさらにそれを拡充いたしまして、3つポツがありますが、例えば既収載品の有効成分、ラセミ体を光学分割したような場合についてはよろしいのではないか。同様に、代謝物とか代謝前の成分の場合についても同様ではないか。同一成分・同一投与経路で同じような効能・効果の場合について、既収載品と著しく異ならない配合剤については追加ができるのではないか。
4点目の選択肢は、現行の取り扱いを維持する。こういったことを事務局として御提案しますので、御審議いただきたいと思っております。
以上でございます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ただいまの説明に関しまして、何か御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。
松本純一委員、お願いいたします。
○松本純一委員
これにつきましては、私も資料69~70コマ目の27年の議論にも参加しております。既に議論済みという理解がありますし、68コマ目で言われているような部分も十分検討したという理解があります。保険収載されて、発売されて、臨床使用期間というのは最低1年必要だという主張には全く変わりはございません。
もう少し加えますと、薬事の規定で、市販されてから使用経験がある程度蓄積されるまでの間は特に注意して投与経過を観察し、副作用報告に協力しております。これはいわゆる市販直後調査です。厚労省の一方の部局でこの制度を特に重要な安全対策の制度という位置づけをしておきながら、14日制限を外すという提案というのは、余りにも縦割り行政が過ぎると考えます。
また、国は早期承認を促進し、市販後に安全性情報を集めようとしている傾向にあります。早期承認は必要としている患者にとっても販売したい企業にとっても双方にメリットがありますが、患者の安全を第一に医師としては早期承認であればあるほど当面の間、短期間、長くて2週間をめどの処方が必要と考えております。
そして、新薬は高価なので、処方日数を延長することで残薬が生ずるようなことがあると、医療経済的な観点からも問題があるのではないかと考えています。
また、次回改定に向けて、多剤重複投薬や残薬への対応について検討している中で、処方日数の延長を検討するというのは方向性が間違っているように考えます。
患者の事情を勘案するというのは、むしろ患者さんの安全のために短期間での再診を勧めるというのが医師の努めであると認識しております。
以上です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでございましょう。
間宮委員、お願いいたします。
○間宮委員
新薬は短期間でいろいろなことがわかるということがありますので、延長するというのは余り賛成できないという意見です。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでございましょう。
安部委員、お願いいたします。
○安部委員
69~70コマ目にこれまでの議論が載っておりますので、基本的にその方向性は変わらないわけですが、72コマ目の御提案の中の3)、具体的にラセミ体とか代謝物、同一成分の配合剤も、現在中医協では一個一個議論していると思います。こういう御提案がされているわけですが、ラセミ体や代謝物というのは基本的には薬物トランスポーターとか代謝酵素も違って、体内動態も違うところがありますので、必ずしも同じとは言えないわけで、中には非常に類似している薬効の部分もあるという認識しております。
こういったものを議論するにあたり、中医協の中で薬学的、臨床的な判断がどちらにしても必要だと思います。例えば、ラセミ体とか代謝物であればオートマティックに長期投与が可とされるということについては反対をさせていただきます。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでございましょう。
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
皆さんと同じような意見ですけれども、69~70コマ目で議論したスタンスというのは全く変わっていないということと、68コマ目一番下のワーキンググループの指摘にありますが、同じメカニズムの薬が既にあってということは、そのとおりだと思いますが、それについても個別で今、安部委員からもあったように議論する場が設けられているわけですから、特に新たにどうこうするという必要はないのではないか。患者にとっての安心、安全がきちんと担保されて、処方している先生たちのきちんとした個々の容体に応じての処方が大事だろうと考えます。個別の方法でいいのではないかと思います。
○田辺会長
ありがとうございました。
ほか、いかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。
本日の議題は以上でございますけれども、最後に事務局から何かございますでしょうか。
医療課長、お願いいたします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。
これは一つ、おわびといいますか、前回の御審議のときに資料提出をさせていただきました横断的事項の審議回数の数字が間違っておりました。その5、その6というのが本来であれば、その6、その7であったということでございます。申しわけございません。
○田辺会長
ありがとうございました。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
 

 

 

 

 

(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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