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2017年10月11日 中央社会保険医療協議会 総会 第363回議事録

○日時

平成29年10月11日(水)11:01~12:29


○場所

全国都市会館(2階 大ホール)


○出席者

田辺国昭会長 野口晴子委員 松原由美委員 荒井耕委員 関ふ佐子委員 中村洋委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
松本純一委員 今村聡委員 松本吉郎委員 万代恭嗣委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員 
安部好弘委員
菊池令子専門委員 横地常広専門委員 丹沢秀樹専門委員
<事務局>
鈴木保険局長 渡辺審議官 伊原審議官 迫井医療課長 古元医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○個別事項(その3)について

○議事

 

 

 

○田辺会長

 それではおそろいのようでございますので、ただいまより、第363回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。

 まず、委員の出席状況について御報告いたします。

 本日は榊原委員、岩田専門委員が御欠席でございます。

 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

(カメラ退室)

○田辺会長

 早速、議事に入らせていただきます。

 初めに、「個別事項(その3)について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。

 では医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 それでは「総-1」、今回は個別事項(その3)ということで、救急、小児・周産期等につきまして御審議をお願いしたいと思っております。

 2コマ目に全体の項目を掲げてございます。

 3コマ目から、まず救急関係でございます。現状について幾つかお示ししておりまして、4コマ目、5コマ目以降でございます。

 まず、5コマ目、6コマ目でありますけれども、近年の救急出動件数、搬送人員の推移、構成比率等の現状であります。5コマ目を見ていただいてのとおりですが、年々増加いたしておりまして、毎年過去最多という状況になってございます。

 年齢構成が6コマ目でありますが、特に直近のデータで、高齢者につきまして5割以上に至っているということでございます。

 7コマ、8コマ目でありますけれども、今、お話をしました高齢者の増加傾向がどのような影響を与えているかということであります。7、8を合わせて見ていただいたほうがわかりやすいと思いますが、まず7で見ていただきますと、近年、死亡、重症、中等度、軽症というふうに分けますと、軽症の方が占める割合はほぼ一貫して50%でありますが、中等度の方についてはふえていっております。

 これは8コマ目の内訳を、軽症と中等度について成人と高齢者で見ていただきますと、軽症につきましては成人はどちらかというと減少傾向でありますが、高齢者がふえておりますので、これがそれぞれ補う関係でおおむね5割を維持しているということでございます。中等度につきましては、高齢者のほうが大きくふえておりますので、そういった関係もあって、近年ではこういった推移をしているということでございます。

 次に体制でありますけれども、9コマ以降でありますが、まず10コマ目であります。全体像でありますけれども、これは初期、2次、3次という階層的な体制をとっておりますが、相互に連携をしながら全体として体制を組んでいるというのが、大ざっぱでありますが、全体像であります。

 特に11コマ目以降でありますが、まず、救命救急センターでございます。救命救急センターは、概要のところに書いてございますけれども、医療計画に基づきまして都道府県が指定をするということと、24時間365日の受け入れに応じて適切な救急医療を提供するということでございます。求められる事項をここに書いてございますけれども、箇所数としては47都道府県で288でございます。

12コマ目が近年の推移であります。見出しのところに書いてございますが、三次救は全ての都道府県で整備されて、増加傾向であるということでありますが、一方で二次救につきましては、この表を見ていただきますとわかるのですが、近年、漸減をいたしておりまして、機能の集約化のようなものも進んでおりましょうし、区域の問題につきましてもさまざまな移り変わりがあるということでございます。

 次に13コマ目でありますけれども、救命救急センターの現状、今、どういった状況にあるのか、全ての救命救急センターにつきまして件数、受け入れ人数の順番に並べるとこんな感じということで13コマ目の表がございます。これを見ていただきますとわかるのですが、これは年間でありますけれども、最大で1万2,700人、最小で772人ということで、かなりの開きがあるということです。

14コマ目以降、こういった現状を踏まえまして、救命救急センターをいかに機能強化して充実していくのかという取り組みで整理しておりますけれども、充実段階評価という評価の導入をしてきているということでございまして、14コマ目に概略がございます。

 【背景】のところに書いてございますけれども、10コマ目で見ていただきましたような一次、二次、三次の体制というものを構築し、以降、基本的にその整備を進めてきているわけでございますが、平成9年の「救急医療体制基本問題検討会」の提言を受けまして、質の向上を目的に充実段階評価が開始されました。平成20年に入りまして、その中身を見直しております。現行のものがこれでございますけれども、求められる機能の明確化でございますとか、第三者の視点・検証が可能な形での評価というようなことを導入しております。

14コマ目の下半分ですが、現行の主な項目は、ストラクチャーを中心とした評価を行っているということでございまして、これは平成28年3月31日時点でありますけれども、279の総数につきまして、A評価が278、B評価が1という状況になっているということでございます。

 充実段階評価につきましては見直しを進めているということでありますけれども、15コマ目にその経緯をまとめてございます。これは今、御紹介しました充実段階評価につきまして、平成25年度の検討の報告でございますけれども、先ほど見ていただきましたように、施設間で患者さんの数とか体制についてはかなり大きな差があるということです。これは総じて言いますと、全ての重篤な救急患者さんを24時間体制で必ず受け入れるというのが本来の趣旨でありますけれども、こういった機能が果たせていない施設が見受けられるという問題意識から、運営や結果を十分に評価したものになっていないのではないかということで、方向性としてここに記載しておりますけれども、より充実した充実段階評価とするために、地域における役割や機能の評価とか第三者の評価を導入したらどうかというようなことでございまして、これは28年度に検討会で実際にそういった検討を行っていただいております。

 これは16コマ目にまとめてございますけれども、具体的な見直しの内容としてここに記載がございます。主だったものとして16コマ目の下半分ですが、現行、ストラクチャーを中心とした評価になっていますけれども、プロセスを含めて評価をしてはどうか。具体的な例として3つここに掲げてございますけれども、地域貢献などということでございます。

 もう一つは、評価の基準といたしまして、是正を要する項目の数だけではなく、一定の評価点と是正を要する項目数の双方を合わせた評価にしたらどうかというようなことでございまして、具体的な中身とイメージが1718であります。

17コマ目は変更点、今、お話をしましたようなこと、体系の見直しと評価の基準のイメージでありまして、18コマ目が具体的なイメージ、これは現在、評価基準を検討中というふうになっておりますけれども、こういう形で新しく評価をしていってはどうかということでございます。

19コマ目からは、一方、こういった充実段階評価につきましては、診療報酬上の評価に反映をしておりまして、先ほど見ていただいたような現行の評価でありますけれども、報酬上はこのような形で赤く囲ってございます。充実段階評価のAとBに応じて一定の加算があるということでございます。

20コマ目、現状がどうなっているかというのは、冒頭見ていただきましたとおり、ほとんどがAということでございますので、算定件数はこのような状況になっているということでございます。

 以上のような状況を踏まえまして、救急医療に関しましては21コマ目でありますけれども、論点であります。救命救急センターの充実段階評価、これらの見直しが予定されておりまして、現在、評価の基準について検討中ということであります。救命救急入院料の充実段階評価、これは加算がございますので、これについてもあわせて見直しをすることとしてはどうかと。これは事務局の認識、整理でありますが、このことについて御意見をいただきたいというのが1点目、救急医療でございます。

 次に2点目、22コマ目からでありますが、小児・周産期。まず、小児の入院医療であります。

23コマ目以降でありますが、まず、24コマ目で現状、特に出生数、出生率の推移であります。御案内のとおり、日本における出生数、出生率はそれぞれ減少傾向にございます。これは全体像であります。

 一方、医療に関しましてどのようになっているのか。25コマ目でありますが、以前これは中医協で別の形でお示しをした内容を改めて整理している部分があるのですけれども、15歳未満の推計の患者さんの数でありますが、入院・外来とも基本は減少傾向であります。直近に限って申し上げますと、外来につきましては横ばいからやや増に転じているということでございますけれども、大きなスパンで見ますと減少傾向であります。

 その中で、特に26コマ目でありますけれども、小児慢性特定疾患に係る医療の内容についての概要でございます。まず、医療費助成の内容をお示ししております。これは患児の家庭の医療費負担の軽減を図るというような趣旨から、医療費の自己負担分について一部助成をするという制度であります。

 御案内のとおり、小児ということでございますので、一定の年齢の枠があるわけですが、26コマ目の真ん中辺に記載がございますけれども、18歳未満の児童でありますが、しかしながら一定程度治療の継続が必要だということもありますので、20歳未満の児童あるいはその年齢での対象者となっているということでございます。

 おめくりいただきまして、患者さんの数、長期にわたり療養する小児の推移でございます。小児慢性特定疾患の対象人数というのは、見ていただきますとおおむね横ばいであります。26年の数字につきましては速報値ですので、これはまだ集計中ということもありまして、単に少なくなっているだけで、基本的なトレンドとしてはほぼ横ばいということになってございます。

 こういったことも含めました小児の入院医療に係ります診療報酬上の評価をまとめてございまして、29コマ目以降であります。今回、大きく整理しておりますのが29コマ目の「小児入院医療管理料」、これは包括報酬を設定しております小児の入院医療を評価したものであります。もう一つは30コマで、特定集中治療、小児に係ります管理料の設定がございます。

29コマ目の小児入管でありますけれども、これは28年改定で、先ほど御紹介しましたように、実質的に20歳未満の患者さんにつきましては、必要があれば提供するという枠組みの運用をしている中で、改定前は年齢の枠組みがそういったものに整合がとれておりませんでしたので、真ん中辺の左側に破線の枠囲みがございますが、年齢につきましては20歳未満の患者まで拡大したということでございます。

 一方でというふうに申し上げたほうがいいと思うのですが、30コマ目で小児特定集中治療室管理料につきましては、施設の要件とか診療の内容につきましては左側の下半分に大体書いてございますけれども、赤囲みで、こういった状態の方に関して集中治療ということなのですが、年齢の枠組みは15歳未満となってございまして、整合がとれていないというのが実態でございます。

 人数につきましては右側の折れ線グラフで、病床数については増加傾向にあるということでありますし、おめくりいただきまして、算定回数につきましても、小児入管とあわせて推移を見ているわけでございますが、赤い折れ線グラフのほうが小児特定集中治療室管理料の算定回数で増加傾向にある。先ほどの病床数と連動しているということであります。これはスケールが違いますので、数としては同じではないのですが、トレンド、増減を見ていただくために重ねております。小児入管、ブルーのほうは基本的には横ばい、わずかに減少傾向、そんな推移になっているということでございます。

32コマ目。実際問題、15歳以降の患者さんも含めて数値をとっておりますけれども、32コマ目の棒グラフのブルーで描いたところの部分につきましては、小児特定集中治療室管理料の算定になっておりますが、15歳を超えますと、結局、治療は継続しているものの、肌色、赤のところでございますが、算定対象とはなっていないということで、報酬上の取り扱いがここで少しギャップといいますか、連続性がないということでございます。

3334、これは実際の算定回数とか入院患者さんの数の移行を見ているわけでございます。33コマ目にお示ししておりますのは、特に15歳~19歳の年齢別の患者さんを見ていただきまして、診療科としては右側のグラフでありますけれども、小児科の患者さんが15歳のところで少し数としては移行しているわけでございます。しかしながら、15歳~19歳につきましても一定程度この年齢層の方がおられるということであります。その年齢層の方の内訳が左側の円グラフですが、神経とか呼吸器とか新生物、こういった疾患についての治療になっているということでございます。

34コマ目、これは先ほど御紹介しました診療報酬改定で、15歳以降を含めて年齢層を拡大しているわけでございますけれども、ここで申し上げたいのは何かと言いますと、この積み上げの棒グラフでありますが、15歳以降の患者さんにつきましても、これは診療報酬改定で28以降に設定をいたしましたので、3,770という算定回数でありますけれども、一定程度算定回数があるということであります。

 ちなみに、1519歳のところに薄くですが、一部診療報酬改定前算定があります。これは誕生月につきまして算定が可能なので、非常にわずかですけれども、一部データがあるということで、これは算定のエラーということではございません。

 以上、見ていただきましたとおり、35コマ目、課題でありますけれども、小児特定集中治療室管理料については小児慢性特定疾患医療支援の対象となる患者さんがおられますので、全体の制度の枠組みとか年齢の整合性から見ますと、小児入管と同様に年齢の上限を見直すこととしてはどうかという御提案といいますか、論点でございます。このことについて御意見をいただきたいということであります。

 次に、今度は周産期、妊産婦の関係であります。37コマ目、妊産婦の外来管理の課題あるいは現状であります。

38コマ目、全体像を見ていただいておりますけれども、妊娠・出産等に係る支援体制は、妊婦健診を初めといたしまして、特に自治体関係も含めてさまざまな取り組みが組み立てられております。その全体像であります。

 おめくりいただきまして、特に代表的なものとしまして39コマ目ですが、妊婦健診がございます。これは母子保健法を根拠といたしまして、妊婦さんの健診につきまして一定程度補助をする、公費負担をしていくということであります。

39コマ目の下に負担の現状と書いてございますが、基本的に拡充をする、継続をするというような取り組みでありまして、妊婦健診の充実につきましては相当程度力を入れているということであります。

 一方で40コマ目以降ですけれども、妊婦さんにつきましては特にさまざまな医療上の配慮が必要だということであります。これは改めてまとめているわけでございますが、例えば40コマ目、妊婦さんが外来に来られますと、例えば投薬をする場合には催奇性あるいは胎児毒性について非常に神経を使われるというのは当然であります。その具体例として催奇性があるもの、胎児毒性があるものにつきましてはこういった医薬品がありまして、こういったことについては妊婦さんが外来を受診された場合にはかなり気を使っていただいているということであります。

 そういったことも含めて、妊娠と薬に係る情報についても情報提供の整備を進めておりまして、41コマ目でありますが、事業として創設をして現在運用されているわけでありますけれども、国立成育医療研究センターを中心にさまざまな情報を集約をして、現場と連携をしながら活用していくということを進めております。

 もう一つの切り口は、42コマ目でありますが、妊婦さん特有の配慮が必要というのは、妊婦さんに頻度として高い合併症、あるいは妊婦さんがゆえに診断が困難な疾患があるということでありますので、特に妊婦さんがこういったことで受診をされる場合にはさらに配慮が要るということでございます。

 代表例として3つを掲げております。例えば尿路感染症は妊婦さんでは非常に高率に見られる。あるいは虫垂炎は妊婦さんの場合には非常に診断が難しいので、これもかなり配慮が必要な疾患の代表選手である。あるいはパルボウイルスB19の感染症でありますけれども、これは流死産の原因になるということで、これも非常に神経を使ってしかるべきである。こういった配慮が必要だということでございます。ここまでが妊婦さんの外来管理の話であります。

 引き続きで御紹介しておりますのは、43コマ目以降でありますけれども、重篤な合併症を妊婦さんが有する場合の医療提供をどういうふうに考えていくのか、どういう体制になっているのかということであります。

44コマ目は全体像で、周産期医療の体制であります。基本的に、分娩に係るリスクに応じて対応を階層的にとっているということでありまして、総合周産期母子医療センター、地域周産期母子医療センター、こういったセンターを基軸といたしまして、地域における低リスク分娩を扱えるかも含めて体制を組んでおります。

45コマ目、隣のページに周産期母子医療センター、総合周産期、地域周産期、こういったセンターの設置を進めておりまして、箇所所数107300というそれぞれの総合周産期、地域周産期の目標でございますとか、設備の内容についてまとめてございます。

 実態としてどうなっているのかというのが46コマ目で、重篤な合併症を有する妊婦さんの割合ということで、疾患別に見ております。身体的な疾患が多いのですが、精神疾患の合併も決して少なくはないということが数字上見てとれるということであります。

 では、それぞれの疾患につきまして、どのような対応状況になっているのかということでありますけれども、47コマ目であります。見ていただきたいのは、2つに分けて数字を並べておりますが、24時間、他の施設から、該当疾患合併の疑いがあるというような場合に、対応が可能だというのが青の斜線の棒でありまして、赤の棒は自施設では対応はしていないという数字を並べております。見ていただいたらすぐわかるのですが、精神疾患以外のものにつきましては一定程度対応可能、対応できないというよりも対応可能な数のほうが多いということでありますが、精神疾患は逆でありまして、対応可能というよりも、むしろ対応ができないという数のほうが多い。

 こういった数字を見ますと、これは47コマ目の冒頭の囲みに書いてありますけれども、身体疾患に対する対応については比較的整備されていますが、精神疾患の合併についてはまだそこまで至っていないというようなことでございます。

 こういった現状を48コマ目にまとめてございますけれども、これは検討会の意見の取りまとめということであります。破線で囲ってありますところが抜粋ですけれども、気分障害とか統合失調あるいは適応障害等の精神疾患を有する妊産婦の割合というのは、身体合併症について言いますと、緊急入院で対応できない施設は多いということなので、体制が十分ではないということから、必要と考えられる対応のところで、精神疾患を合併した妊産婦への対応ができるような体制の整備が必要なのだという問題意識を持っているということであります。

49コマ目以降、特にこれは自殺を例にデータ分析の御紹介であります。このコマでお伝えしたいのは、特に妊娠中の自殺の事例につきまして、これは周産期医療のあり方に対する検討会で提出されております資料の御紹介でありますけれども、東京都23区の例につきまして分析が行われたということであります。

 不幸にして自殺をされた妊産婦の方につきまして分析をしましたということでありますが、49コマ目の下半分を見ていただきますと、自殺事例の4割、それから産後の自殺事例も5割が精神疾患に係る、特に鬱病を中心といたしました事例でありまして、こういったものは適切な医療提供によって防ぎ得ると考えていいのではないかという課題意識を持っているということであります。

 こういったことも含めて対応体制としてどう考えるのかが50コマ目であります。基本的には母子ともに長期の継続した医療的・社会的支援が、特に精神疾患の合併につきましては必要なのだということでありまして、そのイメージ図が50コマ目であります。院内の多職種の連携プラス、医療機関の間での連携、それから冒頭にも御紹介しましたが、行政の取り組みとの連携が非常に重要なのだという問題意識、こういったことを考えていかなければいけないということでございます。

51コマ目、妊産婦の方に対するメンタルヘルスケアに関する取り組みといたしましては、日本産婦人科医会が妊産婦の心理や乳幼児の発達等の基礎知識あるいはスクリーニング手法等々に関するマニュアルを作成しているという取り組みがありますという御紹介であります。

 妊産婦の方のアセスメントでありますけれども、52コマ目以降に具体的な手法あるいは対応についてのまとめでございます。53コマ目であります。支援を要する妊婦の方、この方は特定妊婦と呼んでいますけれども、そのアセスメントといたしまして、病院とか診療所がこういったシートを参考にしていただきまして評価をするということであります。出産後の養育について、出産する前から支援が必要だと認められるような妊婦さんなのかどうなのかということをアセスメントいたしまして、必要な場合には支援につないでいくことを促していくという取り組みであります。

 こういったことも含めまして、54コマ目でありますけれども、先ほど申し上げました支援を要する妊婦さん、特定妊婦、それから要支援児童等の情報提供に関しまして支援の流れをつくっていくということを進めておりまして、これによって充実した支援につないでいくことを期待しているということでございます。

55コマ目、これは現行の診療報酬の関係でありますけれども、対象となる方の同意を得まして、行政に、これは市町村でありますけれども、情報提供を行った場合には診療情報提供料としての算定が可能になっているというのが今の報酬上の取り扱いになってございます。

 それから、妊産婦支援のための多職種、多領域の協働チームでありますけれども、56コマ目でございます。妊産婦のメンタルヘルスケアの評価とか支援、これは多職種といいますか、診療科横断的な取り組みが必要でありまして、産科・精神科・小児科あるいは行政、こういった多職種、多領域の協働チームが支援を行うことが非常に重要でありまして、そのイメージ図でございます。

 こういった全体像の中で、57コマ目以降に報酬上の取り扱いについてまとめてございます。

 まず、58コマ目であります。これは特に平成20年以降の改定についてまとめてありますけれども、概して全体像としましては、リスクの高い妊娠管理について報酬評価を充実させる方向で対応してきているということでございます。

59コマ目でありますが、直近の改定では、ハイリスク妊娠管理加算、ハイリスク分娩管理加算、ハイリスク妊産婦共同管理料の対象患者に精神疾患の患者を追加をしているということでございます。

60コマ目はスクの高い妊娠管理に関する診療報酬上の評価をまとめておりますけれども、これは基本的には入院中の患者さんに対する評価となっているということでございます。

61コマ目が外来のまとめでございますけれども、入院に係る、今、見ていただいたような報酬上の設定はあるわけでありますけれども、論点として冒頭の外来管理も含めてまとめてございます。

 2つ○を起こしていますが、妊娠中の産科疾患以外の疾患で妊婦さんが外来を受診された場合、妊娠の継続、胎児に関する配慮をした診療が現に行われているわけでありますが、さまざまな合併症等を配慮した適切な診療が必要だということでございますので、妊婦の外来管理に対する評価を検討してはどうかということが1点目であります。

 2点目でありますけれども、精神疾患を有する妊婦に対して、地域において産科あるいは精神科、自治体等が有機的に連携をして、診療を行う体制の推進に関する評価を検討してはどうかという論点のまとめでありまして、このあたりにつきましても、御意見をいただければと思っております。

 最後は医療安全であります。63コマ目以降に制度の概要等も含めてまとめてございます。

63コマ目、これは医療法の改正によりまして、平成27年に医療事故調査制度というものが開始しております。その概略が63コマ目であります。

64コマ目、さらに特定機能病院につきましては医療安全対策を強化するということで、承認要件を見直しておりまして、医療安全管理部門について一定の配置の義務が課されているということでございます。

65コマ目でありますけれども、特に医師の関与に関しましてまとめてあります。医療安全管理部門に専従の医師を配置している病院、これは特定機能病医院以外の病院についてもより高度な医療安全体制が認められているという、これは事例といいますか、データ的な分析でありますけれども、そういった報告があるということでございます。

 最後にまとめております67コマ目、68コマ目ですが、報酬上の取り扱いはどうなっているのかということでございます。

67は現状でありますけれども、一定の研修を受けました専従または専任の薬剤師、看護師等が医療安全管理者として配置をされるというようなことを報酬上、評価しておりまして、その算定件数、実態が68コマ目にまとめてございます。基本的には届け出の医療機関が増加傾向にあるということであります。

 最後、69、論点でありますが、医療機関における医療安全対策推進という観点から、専従の医師、薬剤師及び看護師等の医療安全管理部門に配置をしている場合につきまして、医療安全管理者の配置の現状も踏まえつつ、医療安全対策加算の評価の見直しについて検討してみてはどうかという論点でありますけれども、この点についても御意見をいただきたいと思っております。

 事務局から以上でございます。

○田辺会長

 どうもありがとうございました。

 ただいまの説明に関しまして何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。

 では松本吉郎委員、お願いいたします。

○松本吉郎委員

 3点ございます。

 まず1点目は、救急のところでございます。確かに評価のところが本来の評価になっていないのではないかという御指摘はそのとおりかというふうにも思います。ただ、地域包括の中で一番必要なのは、老人の軽症とか中等症の多くの患者さんの受け入れを中心に行っている二次救急であって、今回の御提案の17コマ目のプロセスを含めた評価体系の見直しという中に赤文字で出ているのは、まさに二次と三次の機能分担とか連携が必要であるということをおっしゃりたいのかなと思います。今回は二次のところが全く触れられていなくて、救命救急センターだけの話が出たものですからちょっと違和感を覚えましたけれども、まさに二次と三次の連携、機能分担が必要であるということをおっしゃりたいのかどうかを確認したいのが一つ。

 2番目は小児のところでございます。長期にわたる小児慢性特定疾患等の患者さんがふえてきているとか、あるいは一般病床やNICUに長期に入院した後に退院した患者さんのいわゆるトランジション、移行期のバックアップ、支援体制を整えることの必要性というのは非常に大事であると思っています。まさにそのことの支援ということなのでしょうかということが2点目。

 3点目は最後の医療安全のところでございますけれども、医療従事者の働き方やチーム医療とか医療安全の観点からは、人への手当てという意味では大変重要だと思っておりますが、今回のデータから、本当に医師の専従が必要なのかどうかはもう少しデータを出していただいて、限られた医療資源の中でしっかりと医師を活用するためには、現在もこの要件の中に「等」ということでは入ってございますので、改めて医師の専従をうたわなければならないかどうかにつきましては、もう少し検討すべきではないかと思っております。

 以上、3点について御質問したいと思います。

○田辺会長

 事務局、お願いいたします。

○佐々木医政局地域医療計画課長

 地域医療計画課長でございます。

 救急の関係でございますけれども、資料では、救命救急センターのことばかり書いておりますが、当然御指摘のとおり、二次救急と三次救急の連携、役割分担は大変重要な視点と思っております。それは当然ということとして、現状、救命救急センターそのものの機能に少しばらつきがありますので、その点の評価をしたいというところでございます。

○田辺会長

 医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 2点目の小児に係る、今回課題として掲げさせていただいことも含めてなのですけれども、今回お示しをしておりますのは28改定の引き続きの整理という側面がございまして、大きく2つの報酬体系は、主に小児の入院で活用していただくべきものについて見ていただきましたとおり、年齢的な枠組みに整合がとれていない部分があるのでという趣旨です。ただ、御指摘のとおり、小児の医療の移行期をいかに支えていくのかというのは、非常に重要な論点であることは間違いございません。そこについて特にという趣旨ではなく、あくまで大きな枠組みとしての年齢の整理をうまくさせていただきたいという趣旨でございます。そのことが全く念頭にないということはもちろんないのですが、一方で、これをすることで長期の入院に係る支援ができるかというと、そういう趣旨では必ずしもないものですから、そこは解説をさせていただきました。

○田辺会長

 3点目は。お願いいたします。

○名越医政局医療安全推進室長

 医療安全推進室でございます。医療安全に関しましては65ページに、専従の医師の配置のデータを限定的ではありますがお示ししております。29病院で特定機能病院以外でも専従医師を置いているということです。この中で医療安全に関する効率が上がってきたというデータは出ておりますが、いずれにいたしましても、特定機能病院での専従医師の義務づけが始まったところでありまして、今後もデータは引き続き集めまして、どういった形で医師が医療安全にかかわると病院のためになっていくのかというところは明らかにしてまいりたいと思っております。

○田辺会長

 よろしゅうございますか。

 では松本純一委員、お願いいたします。

○松本純一委員

 幾つか質問をさせていただきます。

 まず、今、松本吉郎委員が質問をして、救命救急センターだけの問題ではないでしょうというのがあったのですけれども、13コマ目のスライドで、1年に最大12,701人~772人の搬送の救命救急センターがあると。この差、2桁も違うわけですけれども、これを事務局としてはどのように見ていますか。これはどういう解釈をされていますか。

○田辺会長

 それでは、お願いいたします。

○佐々木医政局地域医療計画課長

 地域医療計画課長でございます。

 今の御指摘の点でございますが、たくさん救急搬送を受けていただいているところというのは地域において多大な貢献されていると思いますが、必ずしも数だけで個々のセンターの機能が評価できるということではないと思います。担当している人口とか面積とか、さまざまな要素がございますので、多いところがすぐれていて、少ないところが劣っているということではない。ただし、多くの搬送を受けていただいているので、その点では大いに役割を果たしていただいているというデータかと思います。

○田辺会長

 松本純一委員、お願いします。

○松本純一委員

 恐らく、搬送された患者が、例えば先ほどのスライドにあった軽症、中等症、重症という区分の中で、どういう患者が搬送されているかというのはこれではわかりません。その地域が初期救急、二次救急が非常に充実した地域であって、年間770台なのか、全く何もなくて12,000なのかというのがわからないので、これだけでは言えないと思うのです。

 ただ、15番目のスライドで、ここに25年度と28年度の課題があります。結局、施設間で大きな差が見られると。「『全ての重篤な救急患者を24時間体制で必ず受け入れる体制』といった本来の機能を果たせていない施設も見受けられる」という、これは現地調査とかそういうことは当然されて、事実としてこういうことを書かれているのか。まさか13のスライドからこういう結論を導き出したということではないですね。

○田辺会長

 地域医療計画課長、お願いいたします。

○佐々木医政局地域医療計画課長

 地域医療計画課長でございます。

 御指摘の15ページの資料でございますが、これは検討会の報告書の抜粋でございます。当然、このコメントを書くに当たっては、13ページの資料だけではなく、その他のデータも分析した上で検討会としてこの報告書をまとめたところでございますので、どのぐらいの救急搬送に対応しているかということのみで機能が果たせている、果たせていないということではございません。

○田辺会長

 お願いいたします。

○松本純一委員

 恐らくこれが充実段階評価の見直しにつながっていくのだと思うので聞いているのです。例えば28年度の課題の中で、2つ目のポツで「医療機関によって受入れ状況に差が見られる」ということが書かれているのですけれども、これはどういう差なのでしょうか。

○田辺会長

 計画課長、お願いします。

○佐々木医政局地域医療計画課長

 地域医療計画課長でございます。

 これは御指摘の13ページの資料も当然関係する部分のコメントでございます。要するに、件数が相当違っているということでございます。その他、当然患者さんの重症の度合いとか、そういうものからの分析で、これも差があるというデータもありますので、13ページの資料だけではございませんが、おのおののセンターによって役割、機能が違っているという状況をまとめた部分でございます。

○田辺会長

 お願いします。

○松本純一委員

 最初のお答えのときに課長も言われましたから、そういう認識でおられるということで安心はしているのですけれども、13のスライドで、少ないところが必ずしも体制が整っていないとは言えないとおっしゃったので、そのとおりだと思うのですが、ただ単に年間の搬送された数が、あるいは24時間やっていないから少ないのだとか、そういうことではないということだと理解をいたします。

 次にスライドの49です。23区の妊産婦の異常死だけが書かれていて、ここから何を導くつもりなのかというのが非常にわかりづらいスライドです。そこでちょっと質問をさせていただきますが、その他が7例あるのですけれども、それはどういう疾患ですか。疾患ではないですね、病死ではないのですから。死因として何があったのかということ。

 2つ目として、妊産婦の死亡総数、例えばこれは東京都23区ですから23区に限って言ったほうがいいのか、あるいは日本全体での資料があるのかもしれないですけれども、妊産婦の死亡総数に対してどれぐらいの異常死があるのか。あるいは、日本人の死亡総数に対する自殺の割合がどれぐらいなのか。これは3番目。

 4番目として、他の国との比較はどうなのか。他の国に比べて妊産婦の自殺率が高いのかどうか。別に比較して多いからどう、少ないから安心ということではないとは思うのですけれども、この資料だけで何を云々するのかというのがありますので、その辺がわかれば教えていただきたい。

○田辺会長

 地域医療計画課長、お願いいたします。

○佐々木医政局地域医療計画課長

 まず、1点目でございますけれども、その他についてどういうものが入っているかということでございます。手元に詳細がございませんが、たしか、交通事故のようなものがその他に含まれていたと記憶しています。

 あと、全国でこういったデータがあるかというお尋ねでございますけれども、これは研究者が東京都の事例を集めたものでございまして、全国でこういったデータというのは現在ないという状況でございます。

○田辺会長

 医療課長、補足をお願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。ここは地域医療計画課とかぶるところがありまして、あと母子保健課を含めて他の部局にもまたがる部分があるのですが、49コマ目の課題意識としましては、一定程度自殺事例、あるいは異常死をさらに詳細に分析をしたらこういったことがわかってきていて、特に自殺事例につきましては、うつ病を中心に防ぎ得る、あるいはそういった対応をもう少し考え得るという趣旨でお示しをしております。

 一方で、松本純一委員から御質問、あるいは全体像はどうなのかというお話がありました。実はきょうは手元に全体像を示すデータは用意しておりませんので、必要がありましたら後日御報告をさせていただくしかないと思っておりますが、申し上げたかったのは、妊産婦の方々に関するさまざまな配慮とかケアの中で、特に支援が必要な方々あるいはうつ病を中心として自殺の原因があるような方については、医療のほうでの対応をある程度充実させることもあってもいいのではないかと、そういう問題意識でお示ししたということでございます。

○田辺会長

 どうぞ。

○松本純一委員

 当然、周産期医療と精神疾患のある妊産婦の方に対するフォローアップをどうするかということにつながっていくのだと思います。障害福祉課か障害福祉の分野で資料はあります。計画課長はないと言いましたけれども、こういうものはありますので一度尋ねてみてください。

 その中で問題なのは、この資料で妊産婦にとって自殺が多いのか、日本の自殺率、ほかの地域も含めて全体として妊産婦に特に多いのかどうかというのがやはり問題なのだろうと思うのです。その辺、妊産婦たちは特殊な環境にあるわけなので、それでそういうことなのか、もともと精神疾患のある方が妊娠したということなのかということも含めて分析していかないと、連携体制がとりにくいのではないかと思うので、お願いしたいと思います。

 そこで61のスライドになるわけですけれども、ここに論点があります。ハイリスクの妊産婦に限らず、論点の1つ目のですけれども、妊娠中に産科疾患以外の疾患で外来を受診した場合に、妊娠の継続云々と書いてございますが、やはり妊婦の外来管理に対して評価を行うように提案をさせていただき、検討するということでいかがでしょうか。

 同様に、精神疾患を有する妊婦に対して、地域において産科と精神科、自治体が有機的に連携してという診療を行う体制の推進も評価するようにしたらいいのではないかと考えますので、提案もさせていただきます。

 以上です。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 今村委員、お願いいたします。

○今村委員

 今の松本純一委員の御意見、御質問に多少関連するところですけれども、61ページの論点の2つ目のです。今後の議論になるのだと思いますけれども、有機的な連携というのはすごく大事だなと思うのですが、具体的にどういう評価のイメージを事務局がお持ちなのか、ちょっと伺いたいと思っています。

 医療機関同士はいわゆる診療情報の提供書というものでやりとりをしている。そして、先ほどの資料の中にも幾つかあったと思うのですけれども、行政とのやりとりの中でも、診療情報の提供ということでの評価と。そういうものでは不十分なので、全体としての連携ということで、新たな評価をどの医療機関にするのかというイメージをお持ちなのかどうかというのを教えていただきたいと思います。

 それから、49ページ、本当にこういう不幸な事件、事故、自殺などをできるだけ防げるものは防ぎたいと思います。その中で、事務局が医療体制強化等で防ぎ得る群ということでくくっておられますけれども、これはもう診断がついているわけです。つまり、鬱病だとか統合失調症という診断名がついているということは、少なくともそういった医療機関に受診していない限りこういう病名は監察医務院でも出てこないわけです。要するに、連携が悪かったから防げる方が防げなかったのか、治療の問題だったのかというのはこれだけでは明確ではないと思うのです。だから、連携の体制というのは、言葉では割とどの分野でも連携、連携と出てくるのですけれども、どういう具体的な連携をイメージされているのか、もしあれば教えてください。

○田辺会長

 医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 もともとの御質問がどういった評価を考えているのかという御質問でしたので、まず私のほうから答えさせていただきまして、もし必要がございましたら地域医療計画課長を初め他局からもお答えいただきたいと思います。

 イメージをしておりますのは、ある意味大ざっぱなスキームに見えるかもしれませんけれども、今、御紹介をしましたような複数の診療科、複数の医療機関、それから行政がかかわる対応が求められているということですので、これはもちろん今からの議論でございますし、いろいろな御意見なり御提案もお聞きをしたいと思っておりますが、例えばということで、御質問がありましたのでお答えしますと、56コマ目にあるようなこういった一定の体制をとっているような場合に報酬を評価するということも一つあるのかなというのが、事務局の現時点のスタート地点としての御提案でございます。

○今村委員

 そうすると、56ページというのは基本的に病院のイメージということでよろしいですか。これは病院の中の診療科のチーム医療的に施設内にこういった体制をとっていると、それを評価すると。つまり、個々の診療所の連携というイメージではないということですか。

○田辺会長

 医療課長、お願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 現時点で産科の医療機関が病院だけと限定をするのは、まだ議論なり分析が足りないと思っています。例えば有床診を含めて分娩施設がございますし、診療所で妊婦さんに係るさまざまな対応をされておりますので、結果的にもちろん病院ということはあり得ると思いますが、今の時点で最初から枠組みをはめるということは実は余り考えてございません。今後の議論、分析によってということだろうと思います。

○今村委員

 そこは、個々の医療機関、例えば産科は産科としてかかっているけれども、精神科にかかっている方、あるいは産科で分娩していても風邪を引いて内科にかかる方というのは幾らでもいるわけです。そういった個々の医療機関同士の連携を診療情報の提供という形以外に何か評価し得るものがあるのかどうかという検討をしていただきたいと思います。

○田辺会長

 松本吉郎委員、お願いいたします。

○松本吉郎委員

 今のところの関連でございますけれども、もう一つ大事な視点として、総合にしても、地域周産期母子医療センターにしても、全ての精神科の先生が同施設に併設されているわけではないのです。そこで、精神疾患を合併しているハイリスクの患者さんが、ある特定の周産期医療センターに集中してしまうという傾向が非常に強いです。私は埼玉県のデータしか持っていないのですけれども、埼玉県で調査したところ、1,000人の精神疾患合併の妊産婦さんがおられます。そうすると、この1,000人の方がもし地域の方々の連携がなければ、特定の病院にかなりその中の方が行ってしまうことになるとしますと、そこの周産期医療センターがパンクしてしまうということになってしまうのです。これは地域の有床診療所なりの産科の先生と地域の外来の精神科の先生がしっかりと連携をして、こういった方々を支える体制をつくらないと、非常に大きな問題が生じてくるということがございます。

 そういった意味では、先ほど今村先生がおっしゃいましたとおり、御提案もありますけれども、外来の産科の先生と精神科の先生の連携に対しての評価は必要になるのではないかと思いますので、お願いしたいと思います。

 また、妊産婦の方に対する精神科の先生の手当てというのは、薬の調整とか管理の面で非常に難しい問題がありますので、全部の精神科の先生がこれに対応できるわけでもないとも伺っております。したがって、こういった精神疾患を合併している妊産婦の方の講習会なり、勉強会もしっかり取り組んでいかなければいけない課題であると思いますけれども、これについてはいかがでございましょうか。

○田辺会長

 地域医療計画課長、お願いいたします。

○佐々木医政局地域医療計画課長

 今の御指摘にお答えが十分にできるかどうかわかりませんが、周産期の医療センターに関して、これも施設基準の中に、精神科の医師が配置されていることが望ましいというものもありまして、もしいない場合には周囲の精神科関係の医療機関と連携して、合併症の患者さんに対応するようにと、こういう基準になっております。ただし、地域によっては、実際に院内に精神科の医師がおられるところに集中するというようなことがある可能性もありますので、できるだけそういうことはないようにと我々も思っているところでございます。

 その他の産科医会やさまざまな関係団体とも少し相談しながら、地域でどういった連携ができるかというのは、政策レベルで少し検討していきたいとは思っております。

○田辺会長

 猪口委員、お願いいたします。

○猪口委員

 2点ほど質問させていただきたいのです。

 救急の充実段階評価を変更していくというのは、意味合いはよくわかるところですが、この変更をしていったときに、先ほどから問題になっている13ページの施設間のばらつきとか、それから19ページに救急の算定要件というものがあるのですけれども、これが実は三次救急の算定要件と救急の入院管理加算の要件とかなりだぶついているのです。そうすると、結果としては二次救急で診られる患者さんを三次救急で診てしまっているということが結構あるのではないかということが予想されるのですけれども、そこら辺についてのデータとか、またこの充実段階評価を変えることでそこら辺がきちんと機能分化されていくのかどうか、そこら辺についてのお考えを聞かせていただければと思います。

○田辺会長

 地域医療計画課長、お願いします。

○佐々木医政局地域医療計画課長

 地域医療計画課長でございます。

 まず、充実段階評価の見直しの目的と申しますのは、先ほど13ページの搬送患者数の違いということだけではなく、人員の配置でありますとか、あとは御指摘のあったようなまさに連携の体制がきちんとできているかということ。それから、地域の中で重篤な患者さんをちゃんと受け入れているかどうかということも、今までの指標では評価できておりませんので、そういったことを評価できるように見直すということでございます。

 この見直しによりまして、より本来の役割分担に合った形で地域の役割分担が進んでいけばと期待しているところではございますけれども、実際、地域によってさまざまにセンターの機能が違っておりますので、この指標を見直しただけで対応ができるとは思っておりませんで、さらに地域の情報を集めながら、本来あるべき姿というものをさらにきちんと示していくというようなことも考えていきたいと思っております。

○田辺会長

 猪口委員、お願いします。

○猪口委員

 ぜひ、その辺の二次救、三次救についてのあり方みたいなものも、データでもって示していただければと思っております。

 あと一点、お願いがあるのです。医療安全についてですけれども、確かに今度、特定機能病院で専従の医師ということが入りましたので、専従の医師をどう評価するかという話があるのでしょうが、先ほど松本吉郎委員もおっしゃっておられましたが、現段階で医師の専従を評価するということになると、また多くの病院がそこをとろうとするわけです。とにかく今、医師不足のときに、医師だけではなく、専従で配置するというのは非常に人件費を高騰させていくのです。

 ですから、これはお願いの一つとして、今後、ぜひ専従要件そのものを見直していくということが必要ではないか。今、100%というふうになっているので、それを100ではない、何か兼任ができる、ほかの仕事もやりながらきちんと責任がとれるという体制にすることは、医療における効率化を可能にするのではないかと思いますので、これを機に専従ということについても少し議論ができたらなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。これはお願いです。

○田辺会長

 安部委員、お願いいたします。

○安部委員

 まず、61ページ目の妊産婦の外来管理に関して、薬剤師の観点から意見を申し上げたいと思います。

 資料の40ページに医薬品による催奇形性、胎児毒性を示すというような資料が載っています。

 当然ながら、母体に対する薬物療法の安全性と有効性を守りつつ、かつ、胎児の催奇形性や有害胎児毒性といった有害作用が起きないように、極めて慎重に対応する必要があると考えております。また、実際に薬局に妊婦の方が処方箋を持ってくるということも当然あるわけでありますが、そのときには極めて高い緊張感を持って処方を確認するということを実際に行っております。

 現在は、添付文書だけではなく、アメリカのFDAや、オーストラリア医薬品評価委員会のデータ、それから日本で言えば虎の門病院のデータなどを中心として、複数のデータを書籍あるいはウエブサイトからも確認できますので、そういったデータを使いまして確認し、また、産科医の主治医の先生もしくは産科医以外の主治医の先生と連携をとりながら、安全性を確保しています。外来管理における課題、論点というところにいろいろ記載がございますけれども、実際は70%ぐらいは院外処方で投薬していますので、そこの部分が抜け落ちないような連携のあり方は考える必要があると考えております。

 それから、69ページの「医療安全における課題と論点(案)」のところでありますけれども、松本委員、猪口委員がおっしゃったようなところは非常に理解できるところであります。医療安全管理部門において、まさにチーム医療としてその部門の機能がより効率的かつ充実できるような評価のあり方を検討する必要があるとに思います。

 以上です。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 万代委員、お願いいたします。

○万代委員

 幾つか意見を申し上げます。これまでの委員の方と重複しますので、できるだけ簡潔にと思います。

 まず、救命救急の件でございますが、計画課長がおっしゃいましたので、その点については極めて安心しております。特にこの13ページのデータに基づいたような形でのひとり歩きしない議論が必要ということは、ぜひお願いしたいと思っております。つきましては、21ページに評価を見直してはどうかという論点が示されてございますが、具体的には19ページの赤枠で囲ったところを見直すという方向性かとは思いますが、現時点ではすぐにダイレクトに診療報酬が救命救急の体制に寄り添うのかどうかわかりませんけれども、そういったような形での論議は時期尚早かと思いまして、すぐにここをいじるということはよろしくないかなと思っております。

 さらに猪口委員がおっしゃいましたような、特に医師につきまして専従要件です。例えば少し細かくなりますけれども、11ページにありますような救命救急センターにおいて医師が常時診療しているところにつきましても、少し専従要件は緩めるべきだと考えております。

 次に、小児につきましては入院管理料と集中室の管理料の平仄を合わせるというような御提案でございますが、方向性としては正しいかと思いますが、大分点数が違いますので、さらに32ページのところの15歳以降の患者さんの推移がかなり急に落ちていたりしますので、そこら辺の必要性なども考えながら制度設計をしていくということが必要かと考えております。

 妊婦につきましては御提案のとおりかと思いますけれども、61ページの論点のところで、2つございまして、まず外来管理に関する評価と、有機的な連携に関する評価でございます。

 まず、私は有機的な連携ありきかなと思っております。具体的には54ページに図がありまして、いろいろな連携が書いてございますが、この中で上下の矢印の中に診療情報提供書のある場合とない場合ということで、ないから情報提供をしないということではないと思いますけれども、恐らく事務局の提案を類推しますと、これをひっくるめて、例えば精神科だけではないかもしれませんが、重症な特定妊婦に関する情報提供については全体を含めて何らかの評価をするというような方向性で全体の体制を整えた上で、さらに61ページの1つ目の○につきましては、外来管理を綿密にやっていると、もちろんいろいろな意味の疾患の対応があるかと思いますけれども、精神科も含めて、そういったものに対する外来管理を評価する。そのようなたてつけがいいかなと思っております。

 最後の69ページの医療安全につきましては、これまでの委員の主張のとおりでございまして、65ページにデータが出てございますが、あくまでもこれは相対的評価と認識すべきと考えておりまして、専従の医師がいるから安全、そうでなければ安全でないというような誤った解釈にならないようにするべきだと思っております。

 現場の状況を申し上げれば、どの病院も医療安全については現状のスタッフで、あるいは医師も含めまして積極的に取り組んでいるところでございますので、余り外形基準、ストラクチャーの評価を進めるということは賛成できません。特に64ページの特定機能病院の要件の見直しというところで、真ん中あたりのグリーンの点線で囲まれた医療安全部門に専従の医師云々という記載がございますが、これは特定機能病院に限って考えるべきであって、それと診療報酬をひもづけることについては、すべきでないと考えます。

 以上でございます。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 吉森委員、お願いいたします。

○吉森委員

 ありがとうございます。

 救急医療について意見を申し上げたいと思います。救命救急センターの充実段階評価の見直しについてですけれども、質の向上を目的に、ストラクチャー中心の従来の評価からプロセスも含めた評価により細分化して、救命救急の現場実態に即して充実した取り組みを行っているところの評価をより重点化していきたいという方向性は理解し、特に異論はないところでございます。

 充実段階評価にかかわる加算についてなのですけれども、14ページにありますように、ストラクチャー中心でほとんどA評価、Bが1個だけという、この評価について、およそストラクチャーに求められる機能は十分に果たしているということなのだろうと思いますので、今回、それについてプロセスを含めてS評価を新設して、充実した評価を分厚く重点化するということであるならば、従来のA評価以下について全体的には財政的な中立を前提として、段階評価基準の報酬設定の見直し、これはより適正化していくべきであろうと考えますので、よろしくお願いしたいと思います。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 菊池専門委員、お願いいたします。

○菊池専門委員

 リスクの高い妊産婦の外来管理について意見を申し上げます。心疾患、糖尿病など、産科疾患以外の合併症を持つ妊婦に対する診療やケアは、入院中だけではなく、入院前からの管理が重要であるので、外来管理に対する評価を充実することに賛成です。

 産科外来においては、ハイリスク妊婦の不安を軽減し、安全な妊娠継続のために、助産師も医師と連携しつつ、妊娠、出産、育児等の課題をアセスメントして、相談支援に応じ、それぞれの妊婦さんの生活や状況に応じて生活指導などを行っています。

 また、産後も継続して、母体のことだけではなく、育児も含めて相談に乗っておりまして、ハイリスク妊産婦は妊娠中から出産後まで一貫した手厚いフォローが必要です。

 精神疾患を合併した妊婦への対応は、周産期の自殺や虐待を防ぐためにも重要な課題でありまして、特に地域との連携が重要と考えており、早い時期に適切なタイミングでかかわり、退院後のフォローまで行う必要があります。

 地域母子保健にかかわる保健師によりますと、統合失調症や重い鬱病の妊婦さんの場合、精神科医や産科医の間で紹介状を書いていただいて、大学病院等に入院するように調整しています。退院後には、精神疾患を合併した女性が母親となり、育児することになる新しい役割・環境に適応できるようにフォローが必要であり、訪問看護ステーションや福祉サービスにつないだりしております。

 一方、産科医療機関の外来では、妊婦に対するスクリーニングや生活状況の把握等、主に助産師が行っておりますけれども、その中でメンタル面の問題に気づき、医師につなぐこともあれば、家族、民生委員のほうから産科に連絡が入って判明するということも多くあります。

 このような場合、助産師が妊婦の生活指導、相談に個別に対応すると同時に、地域の母子保健行政や精神医療機関との連携にかかわっており、早い段階から助産師と保健師とが連絡を取り合い、退院後、早期の訪問を行うなどの対応をしています。妊婦の家族には疲弊感が強い場合が多く、助産師、保健師は連携しながら出産後の母子対応、家族対応等、さまざまな面で患者と家族を支えています。

 精神疾患を合併した妊産婦については、診療上の連携とともに、安全な妊娠継続、育児までを含めた手厚い切れ目のないサービスが必要なので、関係機関の連携を促進して、母子の地域包括ケアシステムの構築を進める必要があります。

 その一翼を担う医療機関の診療報酬の評価に当たっては、妊娠から出産後まで一貫して助産師等がかかわるなど、多機関と連携をとりながらより安全できめ細かいケアを提供する体制を評価することを御検討いただきたいと思います。

 以上です。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 平川委員、お願いいたします。

○平川委員

 最初に救急の関係であります。

 三次救急、二次救急は、さまざまな救急患者が来る中で、大変負荷がかかっているような状況だと聞いております。ただ、救命救急センターの状況を見てみましても、地域差がかなりあるということであります。例えば17スライド目の「充実段階評価の変更点」がありますけれども、これをやることによって、逆に救急体制の充実に対してのインセンティブが削がれるということのないような形での検討をお願いしたいと思っているところであります。

 地域医療については、地域の医療資源、各医療機関の関係性もかなり地域で相違がありますし、それを全国一律の基準で評価をしていくということに対してのマイナスもあるかと思いますので、しっかりとその辺は慎重な対応をしていくべきであろうと思っているところであります。

 あと、妊産婦の関係でございます。全体像は38枚目のスライドにつけていただきました。これは本当にわかりやすいかと思いますが、中には妊婦健診を受けない、もしくは全戸訪問も断る、3歳、1歳半健診も受けないという妊婦さんもいるという状況の中で、保健センターを初めとしたさまざまな医療機関との連携も重要でありますので、さまざまな場面での対応が必要だと思っているところであります。

 そういった意味で、61ページに論点案がありまして、2つめの○については産科、精神科、自治体の有機的な連携ということがありますので、その辺、しっかりと行っていくことは重要であります。ただ単に連携を行うことではなく、例えば精神科の医師の要件であるとか、研修を受けているか受けていないかということに関しての要件の明確化であるとか、1つ目の○についても、これは一般の妊婦の外来管理に関する評価でありますけれども、妊婦の継続や胎児に配慮した診療が必要だという記載がありますが、どういう配慮をすることによってこの評価をしていくのかということについては明確にしていく必要があるのではないかと思っているところであります。そうしなければ、診療報酬上の評価として甘くなってしまう可能性がありますので、今後の検討の中でその辺も明確化していくべきではないかと思います。

 以上です。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 ほか、いかがでござましょう。

 松本吉郎委員、お願いいたします。

○松本吉郎委員

 ただいま、平川委員からいわゆる未受診妊婦、つまり妊婦健康診査を全く受けないで、出産間際になって産科医療機関に飛び込むというお話がございました。

 これも私は埼玉県のデータしか持ち合わせていませんので恐縮なのですが、埼玉県の5万5,000の年間の出生数があって、そのうち150名が未受診妊婦になってございます。非常にハイリスク分娩にもなりますし、また、出産後の子供さんへの対応、例えばネグレクトとか虐待という問題にも関連すると言われてございますし、また、費用トラブルをめぐる問題も発生しやすいとも言われてございます。

 今回、中医協の場での議論ではないかもしれませんけれども、周産期のあり方検討会等でデータをしっかりとっていただいて、今後も検討すべき課題の一つかなと思っておりますけれども、これについてはいかがでございましょうか。

○田辺会長

 計画課長、お願いいたします。

○佐々木医政局地域医療計画課長

 御指摘の点、大変重要な視点かと思います。妊婦健診自体は別の部局が所管しておりますが、医療との連携という点で大事な視点だと思っておりますので、また担当部局とも相談しながら、政策的な検討も進めてまいりたいと思います。

○田辺会長

 ほか、いかがでございましょう。

 間宮委員、お願いいたします。

○間宮委員

 ありがとうございます。

 救急に関してなのですけれども、救急車を呼んだら24時間大体来てくれますけれども、救命救急センターとうたっている施設なのに受け入れ体制に差があるというのは、患者側からしてみれば、何でこういうことなのだろうということで納得できないと思うのです。なので、受け入れの体制に差があること自体をまずは是正していく必要があるのではないかと思います。

 それから、妊産婦については、妊娠してから病気になるのか、病気を持っていて妊娠するのかということも含めて、かなり細やかなケアが必要なのではないかと思っています。そういう意味では、助産師とか保健師たちに活躍していっていただいて、その人たちを中心に連携をしていっていただきたいとは思いますけれども、ハイリスクの妊産婦さんたちはやはり病院で診ていただきたいと思います。

 安全対策のことですけれども、ここは専従のお医者さんを置くということになっていますけれども、ここで足りないのは、患者がここに全然出てこないのです。ここでは患者を安全対策の一員に入れるという視点が必要なのではないかと思うのです。

 例えば、検査結果とか、そういうものをきちんと患者に対して提供しているかとか、カルテへのアクセスというものを患者が自由にできるようにするとか、あとは例えば希望すればカンファレンスなんかを患者とか家族が傍聴できるとか、そういうことを受け入れる医療機関に対して評価するということがやはり大事なのではないかと思います。

 インフォームド・コンセントなんかも、通常は、例えば手術を受ける患者さんだと、前日にぱぱぱっと短時間にやるという例が多いと聞いていますので、そのあたりも余裕をもった体制でインフォームド・コンセントをしていく体制をとっているかどうかというのを評価するというのが大事なのではないかと思います。

 以上です。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 幸野委員。

○幸野委員

 他の委員の御意見と重複するかもしれませんが、まずは救急医療から意見を述べたいと思います。救命救急センターにおける充実段階評価について、プロセスを含めた評価体系へと見直すという方向性には賛成です。また、A~Cの3段階の評価のうち、ほぼ全ての医療機関がA評価となっていることから、現在の評価体系は形骸化しているため、評価点と是正を要する項目数の双方を合わせたものへと見直し、新たにS評価を設けて4段階の評価体系にするということは理解できますが、4つに分ける意味があるのかということと、評価の内容を見直すので、3段階のままでも良いのではないかと思います。

 また、14ページの右下の枠で囲んである評価方法について確認したいことがございます。現在の評価方法では、是正を要する項目が2年連続して22点以上であればB評価で、3年間継続して22点以上はC評価となっておりますが、見直し後もこの評価方法が継続されるのでしょうか。現行の評価方法のままであれば、是正を要する項目の点数が多くても2年以上継続していなければ評価は下がらないので、ほぼ全ての医療機関の評価が最も高い評価となってしまいます。そこで、できる限り単年での評価で定量的な指標を入れた方がより客観的になるのではないかと思います。

 次に妊産婦の外来管理についてですが、方向性に異論はありません。今回の提案のイメージは、妊娠中の方が医療機関を受診された場合は、どのような疾患であっても医学管理料や加算が算定されるということだと思うのですが、例えば、妊婦の方が風邪で受診した場合にも加算などが算定されるのか、それとも受診した診療科によって差を設けるということを想定しているのかをお伺いしたいと思います。

○田辺会長

 医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 まずは妊産婦の外来管理に関するお答えを私のほうからしますと、まだ議論が始まったばかりということでございますので、これからのということだろうと思いますが、きょうお示しをしましたとおり、現時点で特定の個別の疾患みたいなものを想定するというアプローチは、どちらかというとハイリスクの方を念頭に置いたアプローチでございますので、そちらについてどう評価するのかという切り口はあろうかと思います。

 一方で、妊婦さん全般にさまざまな局面で疾患によらず配慮されるということもあるということをお示ししておりますので、そちらについては余り個々の管理とか疾患について縛りを設けるというのは、もともとの趣旨に反すると思いますので、大きくこの2つの体系を念頭に今後議論を深めていただければと考えております。

○幸野委員

 診療科についてはいかがでしょうか。

○田辺会長

 お願いいたします。

○迫井医療課長

 診療科についてもある意味同様でありまして、基本的に妊婦さんはもちろん産科を中心に受診をされるとは思いますが、産科を受診しない形で他の疾患を受診されることもありますので、むしろそういった場合の配慮について、逆に言うと余り報酬評価がないわけです。そこの配慮についてある程度考えていったほうがいいのではないかというのが発端でもありますので、診療科についても、現時点でイメージでありますけれども、一般的な妊婦さんの外来管理について余り限定的にするのは本来の趣旨と合わないという印象を持っておりますが、これも今後の御議論ということだろうと思います。

○田辺会長

 よろしゅうございますか。

 前半は計画課長、お願いいたします。

○佐々木医政局地域医療計画課長

 では、前半の分でございますけれども、この評価は確かにAに張りついているというような御指摘もいただいておりますが、これは各センターの取り組みを推進するということを目的であり、センターの指定から落とすというようなことではありませんので、張りついていること自体が問題であるとは思っておりません。ただし、今回、いろいろ検討した結果、ストラクチャー、要するに体制に重きを置いておいて評価しておりましたので、地域との関係、プロセスなども入れていこうということでございます。

 そういった意味では、4段階がいいのか3段階がいいのかというのはありますけれども、これは関係学会との協議の中でこういう形でやっていこうということで、今、試案として検討を始めているところでございます。

 あと、先ほどスポットという御指摘もありましたが、このデータ自体は3月31日時点のデータを出してくださいということにしております。

○田辺会長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野委員

 前々回の中医協の議論でもありましたが、診療報酬に係る事務の効率化や合理化を進めていくということも一つの論点になっていますので、施設基準の評価についてもできるだけシンプルでわかりやすい方向に変えていくべきだと思います。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 ほかはいかがでございましょう。

○間宮委員

 その他です。

○田辺会長

 その他ですか。では、この件に関してではない。

○間宮委員

 ではないです。

○田辺会長

 間宮委員、御発言をどうぞ。

○間宮委員

 その他なのですけれども、先日、報道で9月に保険適用されたFreeStyleリブレという糖尿病の血糖値の測定器についてなのですけれども、もちろん報道もあったのですが、私の周りの患者さんから声が上がってきたのが、今まで自費で使っていて、保険適用された途端に病院が赤字になってしまう。逆ざやみたいなことになって赤字になってしまうから、出せませんというようなことを言われて使えなくなってしまったという話があって、それは一体どういうことなのかと思って、これは患者の視点で素朴な疑問としてそれがあります。

 リブレですけれども、使用方法というか、有用性みたいなものという意味、でどうも患者さんたちの中では、痛くない測定器ということで、実際にはちゃんと穿刺をしなくてはいけないというルールにはなっているようですけれども、それが痛くない測定器ということで認識されているということも含めて、どういう見解をお持ちかということと、あと業者のほうで今後、18年の改定のときに何か期待しているみたいな記事もあったので、何の保証もされていないのにそういう話が出てくるというのは一体どういうことなのかと思って、私も中医協ではまだまだ新人ですので、わからないこともあるので、教えてほしいと思いました。

 以上です。

○田辺会長

 企画官、お願いいたします。

○古元医療課企画官

 ありがとうございます。

 御指摘いただきましたFreeStyleリブレにつきましては、私どもも記事を拝見いたしまして、製品の製造販売業者にも実態について関係課を通して確認をしているところですが、現時点では詳細についてはまだ把握ができていないという状況でございます。

 また、患者様の中に使用方法についての正確な知識が得られていないという現状がもしあるようであれば、企業、また関係課とも協力をして、そういった誤解のなきよう進めていきたいと考えてございます。

 また、最後に御質問のございました製造販売業者の方の御発言につきましては、私どもとしても、その背景、根拠については理解のできない部分でございます。

 以上でございます。

○田辺会長

 どうぞ。

○間宮委員

 では、引き続きいろいろわかったことがあったら、また教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○田辺会長

 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。

 では、ほかに御質問等もないようですので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。

 本日の議題は以上でございます。

 なお、次回の日程につきましては追って事務局のほうより御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。御参集、どうもありがとうございました。

 

 


(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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