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2018年9月21日 第37回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成30年度第7回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

健康局健康課

○日時

平成30年9月21日(金)16:00~18:00

 

○場所

中央労働委員会会館 講堂

○議事


○事務局 定刻になりましたので、ただいまより、第37回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び平成30年度第7回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして、ありがとうございます。

 はじめに、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。副反応検討部会の稲松委員、永井委員、長谷川委員から、安全対策調査会の伊藤委員からそれぞれ御欠席の御連絡を受けております。現在、副反応検討部会委員8名のうち5名、安全対策調査会委員6名のうち5名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規程により、本日の会議は成立することを御報告いたします。なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を御申告いただいております。

 また、前回の合同会議から事務局に人事異動がございましたので紹介させていただきます。本日は公務のため欠席でございますが、健康局長が福田から宇都宮に、健康課長が正林から武井にそれぞれ交代となっております。また、医薬・生活衛生局の医薬安全対策課長に関野が着任しております。なお、医薬担当の審議官は公務のため少し遅れる予定となっております。申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。

 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合には退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や、会議中に退場となった方につきましては、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。

 本日の座長につきましては、五十嵐安全対策調査会長にお願いしたいと思います。では、ここからの進行をよろしくお願いいたします。

○五十嵐委員 では、事務局から、審議参加に関する遵守事項につきまして御報告をお願いします。

○事務局 審議参加について御報告いたします。本日御出席をされた委員の方々の、過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に御申告いただきました。なお、一般財団法人化学及血清療法研究所につきましては、本年72日より、主要事業がKMバイオロジクス株式会社に承継されております。本日の議題におきまして調査審議される品目は、DPTDT、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、混合不活化ポリオ、13価肺炎球菌、ヒブ、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルス、5価ロタウイルスの各ワクチンですが、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、北里第一三共ワクチン株式会社、武田薬品工業株式会社、一般財団法人化学及血清療法研究所、デンカ生研株式会社、サノフィ株式会社、ファイザー株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、MSD株式会社で、事前に各委員に御申告いただいております。各委員からの申告内容につきましては、机上に配布しておりますので、御確認いただければと思います。本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、柿崎委員がMSD株式会社から、50万円を超えて500万円以下の受取があるため、B型肝炎、5価ロタウイルスワクチンについて、意見を述べることができますが、議決には御参加いただけませんことを御報告いたします。

 引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受取につきまして、通帳や源泉徴収票などの書類も御確認いただき、正しい内容を御申告くださいますようお願い申し上げます。以上です。

○五十嵐委員 何か、御説明について御質問等ございますか。よろしいですか。それでは、今日、配られている資料の確認をお願いします。

○事務局 配布資料は、座席表、議事次第、委員名簿、配布資料一覧、資料115、それから、委員の謝金等の受取の申告状況を配布しております。また、委員限りの資料としまして、「各社の出荷量と副作用の発現頻度」という一枚紙、各ワクチンの添付文書をファイルにて配布しております。資料を御確認いただきまして、不足の資料等がございましたら事務局までお申し付けください。

○五十嵐委員 過不足はありませんか。よろしいですか。では、早速、議題に入りたいと思います。まず、資料1から資料6までを説明いただきます。

○事務局 はじめに、全体的な事項について御説明します。本合同会議での副反応が疑われる症例の報告につきましては、平成259月の合同会議において、定期的に検討を行うワクチンを選定しまして、比較的同時接種が行われるワクチンと、そうでない、比較的単独接種が行われるワクチンに、グループを分けて報告することとしております。本日は、比較的同時接種が行われるワクチンについて、その副反応が疑われる症例の報告の状況について御説明します。比較的同時接種が行われるワクチンについては、前回は528日の合同会議において、昨年11月から本年2月末までの症例について報告しております。本日は、本年31日から本年6月末までの、4か月間に報告された症例について御説明します。

 それでは、資料1から資料6について御説明します。こちらは、百日せき、ジフテリア、破傷風、ポリオ関連のワクチンとなっております。資料1を御覧ください。DPTワクチンです。具体的な製品名は、1ページの上段にあります商品名に記載しております。1ページの中段に表がありますが、こちらには医療機関への納入数量を基に推定した接種可能のべ人数、製造販売業者及び医療機関からの副反応が疑われる症例の報告件数を記載しております。DPTワクチンは、接種可能のべ人数が4,493人、製造販売業者からの報告が2件、医療機関からの報告はゼロ件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.04%となっております。1ページの下に重篤症例の転帰等の情報をまとめておりますが、後遺症症例、死亡症例の報告はありませんでした。2ページに移る前に、本資料を含め、各資料の1ページ目の見方について補足します。

 重篤症例の報告数については、製造販売業者と医療機関の双方から報告された場合には、重複を排除するため医療機関の報告として計上しております。また、中段の表、報告数の所ですが、集計対象期間内に報告された症例を集計しているため、この件数には接種日や発生日が対象期間以前の症例も含まれており、接種日が今回の対象期間内であったものについては括弧書きでその件数を記載しております。また、企業ごとの出荷量や発現頻度については、委員限りの資料として1枚紙を机上にお配りしているところです。

 2ページ、報告された症例を症状別に集計したものです。縦に見ていただき、表の左側が前回の合同会議までに報告された件数、右側が今回報告された件数となっております。3ページは、予防接種法の報告基準に定められた症状について、集計した結果を記載しております。こちらも、左側が前回までの報告、右側が今回の集計対象期間に報告されたものとなっております。4ページは報告された重篤症例の一覧表、5ページはアナフィラキシーとして報告された重篤症例の件数をまとめております。今回の対象期間に該当する症例はありませんでした。資料1は以上です。

 資料2を御覧ください。DTワクチンです。接種可能のべ人数が約79万人、製造販売業者からの報告がゼロ件、医療機関からの報告は、重篤なものが2件報告されております。医療機関からの報告頻度は0.0003%となっております。1ページ下の重篤症例の転帰ですが、今回の対象期間に後遺症症例、死亡症例の報告はありませんでした。

 2ページは症状別に集計した結果、3ページは予防接種法に基づく報告基準が定められた症状について集計した結果になります。4ページは報告された重篤症例の一覧表です。5ページはアナフィラキシーのまとめとなっており、今回の対象期間に1件がアナフィラキシーとして報告されましたが、専門家の評価により、ブライトン分類評価が3以上とされた症例はありませんでした。資料2は以上となります。

 資料3は、ジフテリアトキソイドです。接種可能のべ人数が約46人、製造販売業者からの報告が1件、医療機関からの報告はありませんでした。製造販売業者からの報告頻度は2.2%となっております。1ページ下の重篤症例の転帰ですが、後遺症症例、死亡症例の報告はありませんでした。2ページは症状別に集計した結果、3ページは報告された重篤症例の一覧表となっております。4ページにアナフィラキシーのまとめを記載しておりますが、今回の対象期間に該当症例の報告はありませんでした。資料3は以上となります。

 資料4は、破傷風トキソイドです。今回の集計期間の接種可能のべ人数が約16万人、製造販売業者からの報告が2件、医療機関からの報告は1件で、重篤なものはありませんでした。製造販売業者からの報告頻度は0.001%、医療機関からの報告頻度は0.0006%となっております。1ページ下の重篤症例の転帰ですが、後遺症症例、死亡症例の報告はありませんでした。2ページは症状別に集計した結果、3ページは予防接種法に基づく報告基準が定められた症状について集計した結果となっております。続いて、45ページが報告された症例の一覧表となっております。6ページにアナフィラキシーのまとめについて記載しておりますが、こちらも今回の対象期間に該当症例の報告はありませんでした。資料4は以上となります。

 資料5は、不活化ポリオワクチンについてです。こちらは、対象期間中に企業及び医療機関のいずれからも報告はありませんでしたので、説明は省略します。

 資料6は、4種混合ワクチンになります。接種可能のべ人数は約134万人、報告数は製造販売業者から18件、医療機関から26件、うち重篤なものが10件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.001%、医療機関からの報告頻度は0.002%となっております。1ページ下の転帰ですが、今回の集計対象期間内では、後遺症症例、死亡症例の報告はありませんでした。24ページは症状別の集計結果、5ページは予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果となっております。69ページが個別症例の一覧となっております。10ページにアナフィラキシーのまとめを記載しております。今回の対象期間内では、3件がアナフィラキシーと報告されましたが、専門家の評価により、ブライトン分類が3以上とされた症例はありませんでした。アナフィラキシー症例につきましては11ページ以降に詳細を記載しております。

 続いて、15ページからが死亡症例についてです。No.1の症例ですが、こちらは昨年9月の合同会議で既に評価いただいた症例になりますが、下線部分の追加情報が得られたために再度評価を行ったという症例になります。調査の結果としては、剖検の結果、死因は肺炎とされ、ウイルス感染の可能性も考えられるが、詳細は不明であり、ワクチン接種との因果関係は不明であるとされております。16ページ以降に、委員限りの資料として、経過や専門家の意見の詳細等を添付しております。委員限りの資料については、その内容について御発言いただく際、患者個人の特定につながらないよう御配慮いただきますようお願いします。

 続いてNo.2の症例です。こちらは今回の集計期間後に報告された症例となっております。4種混合ワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、ロタウイルスワクチンを同時接種した4か月の男児が、接種翌日に心肺停止状態で発見され、同日死亡したという症例になります。詳細な情報は現在調査中ですので、調査結果が得られ次第、改めて御報告します。資料1から資料6の御説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いします。

○五十嵐委員 それでは、説明に対しまして、何か御質問、御意見等ございますでしょうか。

○佐藤委員 ちょっと、表の見方を教えていただきたい部分があります。委員限りの資料で、出荷量がゼロなのに報告頻度に数字が付いているというのは、どういう意味なのでしょうか。これは、その会社の製品ではなくても報告として受け入れているという意味でしょうか。

○事務局 すみません、ちょっと確認しますので、お待ちください。

○佐藤委員 はい。

○事務局 先生から御指摘いただいている、出荷量がゼロだけれども今回報告があるという症例ですが、こちらは、接種日が不明であったり、あと、かなり以前、平成18年とか昔の症例が今回の期間に上がってきたというものです。

○佐藤委員 この期間に限ったことではなくてということですか。これまでの全部の頻度のということですか。

○事務局 お答えいたします。出荷量については、今回、報告があった期間ということで出荷量を算出しておりますが、製造販売業者からの報告及び医療機関の報告については、この期間中に受けたものをこちらの資料に掲載しておりますので、接種したタイミングがこの期間中かどうかは問わない形で示しています。

○佐藤委員 ここの出荷量に対応しているものではないということですね。

○事務局 御指摘のとおりです。

○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。

○五十嵐委員 ほかはいかがでしょうか。

○柿崎委員 資料14ページ目のNo.1の症例なのですが、これは平成18年に接種して、発生日が平成18年で、症状も余りワクチンと因果関係がなさそうな傷病名なのですが、これが、12年もたって今、報告されたというのは何か理由があるのでしょうか。

○事務局 症例の詳細を確認しましたが、かなり情報が少ない症例となっています。このタイミングでなぜ今上がってきたのかといったところまでは読み取れないのですが、症例の中身としては、ワクチンを接種した後に、胆道閉鎖症、肝移植のため追加接種をすることができず、というような経過をたどった症例というぐらいのことしか、記載がございません。担当医の協力が得られず、これ以上の情報は得られないという症例となっております。

○五十嵐委員 よろしいですか。

○桃井委員 私も同じ症例の確認をしたかっただけです。胆管欠損という構造異常ですので、そういう構造異常をワクチンによるものかを否定できないとして出してきたのか、それとも、これは記載間違いで、基礎疾患に入るべきで、症状名はほかに何かがあるのかを確認したかっただけです。

○事務局 製造販売業者からの報告としては、この先天性胆管欠損が副作用/有害事象名として報告が上がってきておりまして、今回はこの形で資料にまとめたところです。先ほど申し上げたとおり、担当医の協力も得られず、具体的な情報が得られなかったという状況になっております。

○桃井委員 ありがとうございます。

○五十嵐委員 ありがとうございました。そのほかはいかがでしょうか。そうしますと、まとめたいと思いますが、よろしいですか。副反応疑いの報告頻度は、これまでに検討したワクチンに比べて特に高いということはなかったようです。死亡症例は、今回の集計対象期間内に混合不活化ポリオワクチンを含む同時接種の症例で1例報告がありましたが、現在、詳細情報を調査中でありまして、次回以降に改めて報告がなされる予定です。また、対象期間前の混合不活化ポリオワクチンを含む同時接種1例につきましては、追加情報がありましたが、ワクチン接種との因果関係は不明であるという判断がなされています。そのようなことでよろしいでしょうか。そうしますと、この内容を踏まえまして、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、何か御意見がありますでしょうか。特にないようですので、御審議いただきましたワクチンにつきましては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念が新たに出るようなことはないという評価でよろしいでしょうか。ありがとうございました。では、そのように判断したいと思います。ありがとうございました。

 では、続きまして、資料7、資料8の説明をお願いします。

○事務局 資料7を御覧ください。13価肺炎球菌ワクチンになります。接種可能のべ人数は約130万人、報告数は製造販売業者から48件、医療機関から40件、うち重篤なものが24件でした。報告頻度は製造販売業者が0.004%、医療機関が0.003%となっております。また、肺炎球菌ワクチンに関しては、薬効欠如等の、ワクチンの副反応ではないと考えられるような症状が報告されていることについて、これまで合同会議で御指摘いただいており、うち数として、肺炎球菌感染、肺炎等を除くということで、これらを除いた値もお示ししております。今回の対象期間では、企業から肺炎や予防接種の効果不良等の症例が報告されており、これらを除くと企業の報告数が42件となります。

 1ページの下の転帰です。今回の対象期間内で後遺症症例、死亡症例の報告はありませんでした。また、表の下に6か月間の死亡症例の報告頻度を記載しておりますが、こちらは数値に誤りがありましたので訂正をさせていただきます。10万接種当たり「0.050.15」としておりますが、正しくは「0.050.10」となります。こちらの数値については急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っていることを確認しております。25ページが、症状別の集計結果となっており、こちらの表で★を付けている症状については、1ページ目でうち数として集計する際に除外したものです。6ページが予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果、714ページが個別症例の一覧です。15ページがアナフィラキシーのまとめになります。期間内にアナフィラキシーとして6件報告されましたが、専門家の評価によりブライトン分類が3以上とされた症例はありませんでした。21ページが死亡症例です。No.1No.2の症例は先ほど御説明した症例と同一ですので、詳細は省略させていただきます。資料7は以上です。

 資料8を御覧ください。Hib(ヒブ)ワクチンです。接種可能のべ人数が約128万人、報告数は製造販売業者から26件、医療機関から34件、うち重篤なものが23件でした。報告頻度は、製造販売業者が0.002%、医療機関が0.003%となっております。転帰について、今回の集計対象期間内では、死亡症例が1件医療機関から報告されております。表の下の6か月間の死亡症例の報告頻度ですけれども、こちらも数値に誤りがありますので訂正をさせていただきます。10万接種当たり「0.050.16」と記載しておりますけれども、正しくは「0.05」となります。大変失礼いたしました。こちらの数値も急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っていることを確認しております。

 25ページが症状別の集計結果、6ページが予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果となります。712ページが個別症例の一覧です。13ページは重篤なアナフィラキシーの報告のまとめです。対象期間内にアナフィラキシーとして5件報告されましたが、専門家の評価によりブライトン分類が3以上とされた症例はありませんでした。18ページは死亡症例になります。No.1No.3の症例は先ほど御説明した症例と同一ですので詳細は省略いたします。No.2の症例は前回7月の調査会で既に評価を頂いた症例となっております。資料7、資料8の説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○五十嵐委員 2つのワクチンについて御説明いただきましたけれども、御質問、御意見を頂きたいと思います。特にございませんか。それでは、御説明いただきました内容をまとめたいと思います。これまで確認できました内容としては、まず、副反応疑いの報告頻度はこれまでに検討したワクチンに比べて特に高いことはありませんでした。死亡症例については、今回の集計対象期間にアクトヒブを含む同時接種で1例報告がありました。これにつきましては前回の調査会にてワクチン接種との因果関係は情報不足で判断できないと評価されています。対象期間後にプレベナー13、アクトヒブを含む同時接種で1例の報告がありました。これにつきましては詳細情報を現在調査中で、次回以降に改めて報告がされる予定になっています。また、対象期間前のプレベナー13、アクトヒブを含む同時接種1例については追加情報が報告されましたけれども、やはりワクチン接種との因果関係は不明であると判断されています。なお、プレベナー13、アクトヒブの6か月間における死亡例の報告頻度も御報告いただきましたけれども、いずれも急ぎ検討が必要とされる10万接種当たり0.5以下でありました。それでよろしいでしょうか。そういたしますと、この内容を踏まえて、この2つのワクチンの現状での取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見を頂きたいと思います。特にありませんか。では、この2つのワクチンにつきまして、これまでの副反応報告によってその安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。では、そのように判断したいと思います。ありがとうございました。

 次に、資料9~資料14までの説明をお願いいたします。

○事務局 資料9~資料14について御説明いたします。資料9を御覧ください。BCGワクチンです。接種可能のべ人数は約33万人、報告数は製造販売業者から2件、医療機関から44件、うち重篤なものが12件となっております。報告頻度は製造販売業者が0.0006%、医療機関が0.01%です。1ページの下の転帰は、集計対象期間内に医療機関から後遺症症例が1件報告されております。2ページ目が症状別の集計、3ページ目が予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果です。47ページに個別症例の一覧を掲載しております。8ページは後遺症症例となります。BCGワクチンの接種を受けた7か月の男児が結核性髄膜炎、水頭症、視力障害を発現し、後遺症として歩行障害、視力障害が残ったという症例です。詳細な経過は9ページ以降にお示ししていますが、接種約1年後頃から歩行、立位、座位保持困難となり、頭部CTにて水頭症を認めたというところで、10ページの中ほどですが、接種463日後の検査にて結核菌のPCRが陽性と確認され、その後、抗結核薬やステロイド等による治療を受けているといった症例になっております。8ページの表の一番右のカラムに専門家の意見を記載しております。ワクチンと中枢神経系結核感染のウシ型結核菌は一致していて間違いない、ウシ型結核菌による結核性髄膜炎と脳内結核腫であることが確実、ステロイド投与が悪化させた可能性もある、診断は確定診断としてよい、免疫不全などの患者側の要因が関与した可能性がある、といった御意見を頂いております。

 12ページはアナフィラキシーのまとめになります。対象期間内に該当する症例はありませんでした。資料9は以上です。

 続いて資料10、日本脳炎ワクチンです。接種可能のべ人数は約192万人、報告数は製造販売業者から8件、医療機関から39件、うち重篤なものが15件です。報告頻度は製造販売業者が0.0004%、医療機関が0.002%です。転帰は対象期間内で後遺症症例が医療機関から2件報告されております。23ページが症状別の集計、4ページが予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果となります。58ページが個別症例の一覧です。9ページが後遺症症例となります。No.1は日本脳炎ワクチン12回目の接種を受けた6歳女児で、接種8日後から発熱、硬直等を認め、入院後に急性脳症と診断され、遷延性意識障害、中枢性尿崩症等の後遺症を認めた症例になります。一番右に専門家の意見を記載しております。専門家の意見としては、ヒトヘルペスウイルス7型の脳炎の可能性が高い、ヒトヘルペスウイルス7型の可能性が高いけれども、ワクチン接種後の脳症である可能性も否定できない、ADEMと診断するには情報不足で、ワクチン接種との因果関係は肯定も否定もできない、といった御意見を頂いております。

 No.2の症例は、日本脳炎ワクチン11回目の接種を受けた3歳男児で、痙攣発作、脳炎、脳症、発熱を発現し、後遺症として脳性麻痺や重度知的障害等を認めたという症例です。専門家の評価として、ADEMにしては発症が早すぎる、脳MRIADEM的ではない、児が持っていたリスクを考慮すると発熱だけでも痙攣の誘因になるかもしれない、ワクチン接種が誘因になった可能性はあるが原因ではないと考えられる、ADEMと診断するには情報不足、ワクチン接種との因果関係も評価できない、といった御意見を頂いております。

 1013ページ目がADEMについての評価です。今回、医療機関からADEMの可能性のある症例が7件報告されており、うち4件が専門家の評価によりADEMとして否定できないとされております。11ページ以降が症例一覧となり、該当する症例はNo.2No.3No.5No.6となっております。こちらの症例の詳細は省略いたしますが、縦に見ていただいて一番右側に事務局評価を記載しています。いずれの症例についてもADEMの可能性は否定できない、ワクチン接種の因果関係は否定できないという評価をしております。

 14ページはアナフィラキシーのまとめになります。対象期間内に該当する症例はありませんでした。15ページ目に死亡症例を載せています。こちらは熱性けいれん、卵アレルギーの基礎疾患があった3歳男児がジェービックの接種翌日に呼吸停止状態で発見され、同日、多臓器不全及び播種性血管内凝固症候群の進行がみられ死亡したという症例になります。詳細な情報は現在調査中ですので、調査結果が得られ次第、改めて御報告させていただきます。資料10は以上です。

 続いて資料11を御覧ください。B型肝炎ワクチンです。接種可能のべ人数は約243万人、報告数は製造販売業者から31件、医療機関から27件、うち重篤なものが18件でした。報告頻度は製造販売業者が0.001%、医療機関が0.001%となっております。転帰については、対象期間内で後遺症、死亡症例の報告はありませんでした。24ページが症状別の集計結果、5ページ目が予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果になります。611ページが個別症例の一覧で、12ページにアナフィラキシーのまとめを記載しております。集計対象期間に7件報告があり、うち1件がブライトン分類3以上と評価されております。該当する症例が13ページのNo.1の症例になります。こちらは乳アレルギー等の基礎疾患を有する35週男児で、ヘプタバックスの単独接種後、体幹に発赤疹、咳嗽等を発現し、抗アレルギー剤投与にて回復した症例になります。専門家の評価の結果、ブライトン分類3以上のアナフィラキシー症例で、ワクチン接種との因果関係は否定できないと評価されております。16ページが死亡症例になります。こちらも先ほど御説明した症例と同一ですので詳細は省略させていただきます。資料11は以上です。

 資料12を御覧ください。ロタウイルスワクチンです。接種可能のべ人数は約30万人、報告数は製造販売業者が25件、医療機関から16件、うち重篤なものが14件報告されております。報告頻度は、製造販売業者が0.008%、医療機関が0.005%です。1ページ下の転帰は、製造販売業者から後遺症症例が1件報告されております。24ページに症状別の集計結果、58ページに個別症例の一覧を掲載しております。9ページに後遺症症例をお示ししております。No.1の症例は、ロタリックスの単独接種を受けた乳幼児で、ロタウイルス胃腸炎、脳症、小頭症を発現し、後遺症として脳症、小頭症を認めたという症例です。専門家の評価としては、ワクチン服用時期も不明、症状、検査所見も不明で評価できない、通常小頭症は先天性である、この児は出生時は頭囲などは正常で、脳症後に小頭になったのか、全てが情報不足で判然としない、情報があまりに少なすぎて因果関係について判断することは不可能と考えるといった御意見を頂いております。10ページがアナフィラキシーのまとめになります。今回、対象期間にアナフィラキシーの重篤症例として1例報告がありましたが、専門家による評価の結果、ブライトン分類3以上とされた症例はありませんでした。15ページは死亡症例ですが、こちらも先ほど御説明した症例と同一ですので詳細は省略いたします。資料12は以上です。

 続きまして、資料13を御覧ください。5価のロタウイルスワクチンです。接種可能のべ人数が約25万人、報告数が、製造販売業者から8件、医療機関から重篤なもの3件でした。報告頻度は、製造販売業者が0.003%、医療機関が0.001%です。1ページ下の転帰は、今回の集計対象期間内で後遺症、死亡症例の報告はありませんでした。23ページが症状別の集計結果、45ページが個別症例の一覧を掲載しております。6ページはアナフィラキシーの重篤症例のまとめになります。今回の対象期間にアナフィラキシーの重篤症例として1件報告がされましたが、専門家による評価の結果、ブライトン分類3以上と評価された症例はありませんでした。資料13は以上です。

 最後に、資料14を御覧ください。ロタウイルスワクチンによる腸重積の発生状況について、これまでの会議と同様に、製造販売業者であるグラクソ・スミスクライン社、MSD社より資料の提供を受けております。まず、スライドの2枚目ですが、こちらはグラクソ・スミスクライン社のロタリックスについて、腸重積報告症例数、ブライトン分類評価が1に該当する症例数等を、左側の列に米国、右側の列に日本のデータを記載したものです。スライドの3枚目はブライトン分類が1相当の症例のうち、入院、外科手術、腸切除といった、実施された処置ごとに件数をまとめたものになっております。スライド4枚目のグラフは、接種から腸重積発現までの日数をまとめたもので、左側が米国、右側が日本、上の段が接種1回目、下の段が接種2回目としてまとめたものです。5枚目のスライドのグラフについては腸重積発現時週齢をまとめたグラフとなります。6枚目のスライド以降はMSD社のロタテックについて、ロタリックスと同様にまとめた資料となっていますが、資料の構成はただいま御説明したものと同様ですので、詳細は省略させていただきます。資料9~資料14の説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○五十嵐委員 ただいまの御説明について御質問、御意見等はございますか。

○長島委員 資料9BCGワクチンの8ページの所で教えていただきたいのですけれども、専門家の意見でC委員が、「これまで報告がなかったことより、予測はできなかったと考える」と書いてあるのですが、これは今まで、例えば結核性髄膜炎とか中枢神経系の結核感染の報告がなかったということなのでしょうか。

○事務局 御質問にお答えいたします。2ページを御覧ください。「感染症及び寄生虫症」という文字がある所の5つほど下に*が付いている所で、「結核性髄膜炎」という欄があります。こちらを御確認いただくと、これまで総計数としては記載がありませんので報告がなかったという形になっており、今回1件報告が上がってきたという状況です。

○長島委員 これは、例えば日本でだけですか、それとも世界的にこういう報告はないということでしょうか。

○事務局 こちらについては企業のほうに確認をしているようなのですけれども、文献等を含め、海外での報告も今回が初めてのものになるといった状況のようです。

○長島委員 そうすると、そういう報告は今までなかったので、鑑別診断の中に結核性髄膜炎が浮かばなかった、その結果としてちょっと診断が遅れてしまったということであれば、今後はこういう可能性があるという注意喚起をしておいたほうがいいとも考えられますが、その辺はいかがでしょうか。

○事務局 それでは、御指摘いただいたような注意喚起をするというところについては、検討させていただきたいと思います。

○五十嵐委員 私は予防接種の救済委員会を多屋先生と一緒に務めております。BCG関連で、重症は播種性の骨髄炎です。複数の骨の骨髄にBCG菌による骨髄炎が起こることが多いです。多屋先生、この症例のようなBCG菌による脳炎の症例は、救済の委員会に上がってくることはなかったと思います。ですから、そういう意味では確かに珍しい症例です。是非検討していただいて、副反応として上げたほうがいいかどうかの判断をしていただきたいと思います。

○事務局 現在、製造販売業者とも、この情報を踏まえて、注意喚起をする必要性があるかどうかというところの確認や、専門家の御意見も踏まえながら、必要性について検討していきたいと思います。

○五十嵐委員 9ページに免疫不全に関する諸検査を行ったと書いてあります。どの様な検査を行ったのか、もし調査できればしていただきたいと思います。というのは、メンデル遺伝性のマイコバクテリウム易感染症という免疫不全症の原因がこの10年間ぐらいの間に遺伝子レベルで分かってまいりました。ですから、そのような病気の遺伝子レベルでの検査まで含めて行ったか、調べていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。貴重な御指摘をありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。

○桃井委員 資料10です。資料10に限らずADEMは詳細な報告が上げられています。専門家の御意見と書いてあって、因果関係に関しては事務局評価というのがそこに記載されています。アナフィラキシーではグレーディングができて、我々が全体像を的確に把握できるようになったことを考えても、ADEMの世界共通の診断基準がないことが非常に大きなネックではありますが、この「否定できない」という言葉は使っている委員によって随分違う使い方をするのだろうと思います。probable ADEMを否定できないとされる方もあるでしょうし、それらしくないけれども否定はできないという表現もありますので、何らかのグレーディングを定めるほうが情報としてより良いと思います。診断のみならず因果関係に関しても、文書で書いていただいてももちろんいいのですけれども、一定のグレーディングに沿って書いていただくと、どういうお考えなのかが非常に分かりやすいと思います。後から見直したときに、極めて因果関係が強いと示唆されたものが何例ぐらいで、否定はできないけれども考えにくいというのがどのぐらいかという全体像が見えてくるのではないかと思いますので、ADEMに限りませんけれども、その辺を御検討いただければ大変有り難いと思います。

○事務局 今頂いた御指摘を踏まえて、表現としてどのように工夫できる所があるのか、あるいは専門家への意見聴取の際に、その辺の位置付けをどのように明確にしたらより分かりやすくなるか、一度事務局で検討させていただきたいと思います。

○長島委員 今の件なのですけれども、これはきちんとデータベースとして残して、後から分析を可能にするためには、やはり「否定できない」の内容がきちんとなっていないと後から分析の仕様がないということで、データベースとして余り活用できないということですので、是非、後から分析できるような形で残していただくというのはとても大切かと思います。

○事務局 今のお話で、最初にアナフィラキシーショックの部分もブライトン分類で分類を明らかにするようにしてきたのがこれで10年ぐらいたつのですけれども、調べますとADEMも一応ブライトン分類の中で定義されているようなので、例えばそういったものを使ってどのようなカテゴリーになっているかということを判別していくとか、そういうことを積み重ねていくと、長島先生がおっしゃったように、後でもう少し分析が定量的にできるようになるということかなと思いますので、このADEMに関するブライトン分類がどのような内容のものなのかとか、それに当てはめたらそれぞれ個々の症例はどれになるのかということを、今後検討させていただくのが1つの手かと思われます。何分これは、岡田先生が紹介されている文献が出ているものですから、それなども参考にして、少し検討させていただきたいと思います。

○五十嵐委員 定量性がある解析を記録として残していただきたいと。もしできるならばということですけれども、是非御検討いただきたいと思います。ほかはいかがでしょうか。

○多屋委員 資料11B型肝炎ワクチンの副反応疑い報告なのですけれども、今回の期間とはちょっと関係ないのですが、先日の小委員会でヘプタバックスのワクチンがバイアルからシリンジ製剤に今後変わっていくということで、シリンジ製剤に変わった後、副反応疑い報告に違いがないかということをしっかりと検討していこうという話になりました。今このようにリストをしていただいているのですけれども、これがバイアルなのかシリンジなのかという区別が分かるような形でリストにしていただけると、この副反応検討部会でも小委員会で議論になった内容がディスカッションできるのではないかと思うのですが、そういうことは可能でしょうか。

○事務局 今、多屋委員から御紹介いただいた議論があった際に、今後の対応方針についても御報告を申し上げたところですけれども、その対応方針に関しては、医薬局の皆様とも御相談しながら案を作成したというところでして、今回の報告はまだバイアル製剤が入る前の段階のものですので当然分けていないということがありますが、今後、整理の仕方については相談をしていこうというところです。よろしくお願いいたします。

○多屋委員 ありがとうございます。

○五十嵐委員 そのほかはいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、これまで確認できた内容についてまとめたいと思います。まず、副反応疑いの報告頻度は、これまでに検討したワクチンに比べて特段高いことはなかったようです。後遺症の報告については、BCGワクチンの単独接種で1例、日本脳炎ワクチンを含む同時接種で1例、単独接種で1例、ロタウイルスワクチンの単独接種で1例でした。BCGワクチンの後にBCG脳炎を発症した症例がありましたので、これについては今後、注意喚起をすることを含めて、副反応として添付文書に記載することを検討したいという御要望があり、これは検討していただくことになりました。日本脳炎ワクチンでADEMの可能性のある症例は4例ありまして、いずれもADEMの可能性は否定できない、ワクチン接種との因果関係は否定できないとなりました。これについても定量性のある評価方法を導入することを検討していただきたいという御要望がありました。アナフィラキシーと評価された症例は、B型肝炎ワクチンの単独接種で1例ありました。

 死亡症例については、対象期間後に日本脳炎ワクチンの単独接種で1例、ロタウイルスワクチンを含む同時接種で1例報告がありましたけれども、現在、詳細情報を調査中でして、次回以降に改めて報告を頂く予定です。また、対象期間前のB型肝炎ワクチンを含む同時接種1例については、追加情報が報告され、ワクチン接種との因果関係は不明であるという判断になりました。このようなまとめ方にしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。

 では、この内容を踏まえて、現状での取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。特段ないようですので、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応疑い報告によってその安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。ありがとうございます。では、そのようにしたいと思います。以上で、資料914の検討は終了したいと思います。そのほか事務局から何かありますか。

○倉根委員 ちょっと申し訳ないのですけれども、ちょっと戻ってもいいですか。自分で計算しているうちに手を挙げるのがちょっと遅れてしまいました。

○五十嵐委員 資料はどれでしょうか。

○倉根委員 資料71ページの下の箱に重篤例数があって、製造販売業者からの報告があって回復/軽快、不明、計と書いてあります。下には、うち同時接種ありと。そうすると、これを計算すると、同時接種でないものについては回復/軽快したのが3で、未回復が1で不明が18で計が22という話になりますよね。通常、ほかのは、同時接種であれ同時接種でないものであれ、不明の率は大体似ているように思うのですが、ここは同時接種が計26であって不明が9で、同時接種でないものは計22のうち不明が18あるというのは、偶然こういう値になったのかなと思いつつ聞いていいものかどうかを考えていたところなので、今お答えを頂く必要はないと思うのですけれども、余りに率が随分違うなと感じたものですから、質問というか、ちょっと後でチェックしていただければいいかなというお願いです。

○事務局 御指摘ありがとうございます。資料79ページにラインリストを載せております。No.34からですが、高齢者で接種日等が不明で、副反応名としては接種部位の腫脹といった症例が10例ほどまとまって報告されていまして、恐らく同時接種なしのほうでたまたま今回このようなまとまっての報告があったといったところで、先生が御指摘のような状況になっているのかと考えております。

○倉根委員 そういうことであれば、了解いたしました。ありがとうございます。

○五十嵐委員 大変細かい所に気が付いていただいて、ありがとうございます。

○長島委員 今回の内容とは関係なくて申し訳ないのですが、ちょっとHPVワクチンに関するフォーラムについて紹介させていただければと思います。「HPVワクチンについて考える」というのをテーマに、日本医師会・日本医学会合同公開フォーラムを1013()の午後、日本医師会館にて開催いたしますので、事前申込みが必要なのですけれども、もし関心がある方がいれば是非よろしくお願いいたします。以上です。

○五十嵐委員 ありがとうございます。では事務局、お戻しいたします。どうぞお願いいたします。

○多屋委員 先生、あと1つだけ、申し訳ないです。先ほど言いそびれてしまったのですが、資料12のヒトロタウイルスワクチンの副反応疑い報告の9ページに後遺症として残ってしまっている方がいらっしゃるのですけれども、この内容を拝見しますと、ロタウイルス胃腸炎による脳症で、そして経過の所に脳症の後遺症というように記載がされています。まとめの表の中で今回、ロタウイルスワクチンで脳症が1と出てしまうのですが、ロタウイルス胃腸炎に伴う脳症というのと、ワクチンによって起こった脳症というのは、後で見たときに区別が付いたほうがいいのではないかと思うのですけれども、ここに「ロタウイルス胃腸炎に伴う脳症」という記載は難しいものでしょうか。

○事務局 今、先生に御指摘いただいた所は、製造販売業者からの報告でこのような副作用名で上がってきているといったところで、このような形となっております。

○多屋委員 ロタウイルス胃腸炎による脳症ですが、ロタウイルス胃腸炎にかかったお子さんが脳症を起こすということはあることなのですけれども、3ページのような表になって残ってしまうと、そういうのが分からなくなってしまって、今回ロタウイルスワクチンによって脳症が1人報告されているというように残ってしまうのではないかと思ったという意味なのですが。3ページの表の下から多分5番目の脳症というのが今回の脳症ではないかと思ったのですが、もし違っていたらすみません。何かワクチンで脳症が起こったというのがずっと残ったままになるのは良くないかなと思いまして、次回までで構わないので、今日すぐということでなくても大丈夫です。

○五十嵐委員 では事務局、次回までに対応していただけますか。いまの時点で何かありますか。

○事務局 私からお答えいたします。今の先生の御指摘は、資料12で申し上げると3ページにあるこちらの集計というか、こういうカウントの仕方の問題というふうに受け止めていいのかなと思いますので、ちょっとこの辺りが現に報告のあったこういう種類の9ページにあるような言い方をどのようにここの表に移し替えるかといった整理の仕方かと思いましたので、ちょっとそこは考えさせていただきたいと思います。

○多屋委員 ありがとうございます。

○佐藤委員 それに関連してですけれども、今、御指摘の症例は先天性の小頭症をお持ちの患者さんの例ですよね。ですので、やはり普通にウイルスを打たれている方とはちょっと違うというところがこの最初の表だと消えてしまうかなというところもあって、先天性の状況というところを何かうまく表現できるといいのではないかと思ったのですが。

○事務局 その点も含めて、多分、これは企業のほうも制限というか、限定的な情報の下で報告いただいている場合もありますので、どこまできちんと正しく再整理ができるか分からないのですが、取りあえず御指摘を踏まえてできるだけのことは考えてみたいと思います。

○五十嵐委員 9ページを拝見する限りにおいては、経過の中で後遺症(小頭症)と記載されており、小頭症は後遺症と判断されています。脳炎の結果として、脳の萎縮が起きた場合も、小頭症になる可能性があります。桃井先生、いかがですか。

○桃井委員 2次性の小頭症はありうると思います。

○五十嵐委員 そうですね。実際に経過を見ているわけでもないのでこの場ではなかなか判断しにくいとは思います。先天性の小頭症がある方にロタウイルス胃腸炎とそれに付随する脳症が起きたのか、それとも、先天性の水痘症ではなかった方がロタウイルス胃腸炎とそれに付随する脳炎の後遺症として、脳の萎縮が生じて小頭症になったのか、判別が必要です。それも含めて調べていただきたいと思います。いずれにせよこの場では判断が付きません。いろいろ御指摘いただきまして、ありがとうございました。

 では、よろしいですか。では、事務局にお返しいたします。

○事務局 本日は、活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。机上に配布しております添付文書中の黄色いファイルにつきましては、再利用させていただきたいと思いますので、机上に置いていただければと思います。もし書き込み等をされておりましたら、お名前を記載いただければ次回以降も同じ資料をお配りいたします。

 次回の開催については、日程調整の上、日時等を改めて御連絡いたします。また、傍聴の皆様へお願いです。審議会委員が退室いたしますので、退室が終わるまでそのままお待ちください。事務局からは以上です。

○五十嵐委員 今日の会議は、これで終了いたします。どうもありがとうございました。

 

(了)

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