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2019年7月19日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会
医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全企画課
○日時
令和元年7月19日(金)15:30~17:30
○場所
中央合同庁舎第5号館18階専用第22会議室
○出席者
食品衛生分科会員(敬称略)
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事務局(7月19日時点)
浅沼 一成 (生活衛生・食品安全審議官) |
奈尾 基広(審議官(健康、生活衛生、アルコール健康障害対策担当)) |
須田 俊孝(生活衛生・食品安全企画課長) |
矢野 好輝(生活衛生・食品安全企画課長補佐) |
吉田 易範 (食品基準審査課長) |
近藤 卓也(食品基準審査課新開発食品保健対策室長、食品監視安全課食中毒被害情報管理室長) |
井上 隆弘(食品基準審査課残留農薬等基準審査室長) |
三木 朗(食品監視安全課長) |
蟹江 誠(食品監視安全課輸入食品安全対策室長) |
横田 栄一(食品監視安全課HACCP企画推進室長) |
○議題
(1)報告事項
・食品中の農薬等の残留基準の設定について
(2)文書による報告事項
・食品中の農薬等の残留基準の設定について
(3)その他の報告事項
○議事
○矢野補佐 定刻になりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会」を開催いたします。まず初めに、分科会委員の異動等について御報告いたします。本年7月16日付けで中村委員が退任され、新たに東京都福祉保健局健康安全部長の稲見成之様が本分科会委員に着任されました。なお、稲見委員は、本日は所用により御欠席の連絡を頂いております。
続きまして、本日の分科会委員の出席状況です。安藤委員、稲見委員、財前委員、曽根委員、西内委員、松嵜委員、横田委員から御欠席の御連絡を頂いております。また、脇田委員、松本委員から遅れて御到着されるという御連絡を頂いております。現在の分科会委員総数22名のうち、現時点で13名の御出席を頂いており、出席委員が過半数に達しておりますので、本日の分科会が成立いたしますことを御報告申し上げます。
次に、本年4月1日付け及び7月9日付けで事務局に異動がありましたので、御紹介いたします。大臣官房生活衛生・食品安全審議官の浅沼です。食品監視安全課長の三木です。食品基準審査課新開発食品保健対策室長・食品監視安全課食中毒被害情報管理室長の近藤です。食品基準審査残留農薬基準審査室長の井上です。食品監視安全課HACCP企画推進室長の横田です。申し遅れましたが、大臣官房審議官の奈尾です。私は、生活衛生・食品安全企画課課長補佐の矢野です。よろしくお願いいたします。
それでは、開会に当たりまして、大臣官房生活衛生・食品安全審議官の浅沼より御挨拶を申し上げます。
○浅沼審議官 ただいま御紹介に与りました生活衛生・食品安全審議官を7月9日付けで拝命いたしました浅沼でございます。どうぞよろしくお願いいたします。顔見知りの先生方もいらっしゃいますが、委員の皆様におかれましては、日頃から食品安全行政の推進に御支援、御尽力を頂いているところです。この場を借りまして、改めて厚く御礼申し上げます。
御承知のとおり、食品の安全に対する国民の関心は非常に高いものがございます。厚生労働省としましては、食品の安全確保に関する諸課題について、全力で取り組んでいきたいと考えておりますので、委員の皆様方におかれましても、一層のお力添えを賜りますよう改めてお願いを申し上げまして、簡単ではございますが私の御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○矢野補佐 次に本日の議題です。お手元の議事次第にあるように、食品中の農薬等の残留基準の設定、食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況、器具・容器包装のポジティブリスト制度における規格基準について、事務局から御報告を申し上げたいと考えております。
また、委員の皆様には事前にお伝えしておりますが、審議会等のペーパーレス化の取組として、本日の資料はタブレットを操作して御覧いただくこととなります。操作等で御不明な点がございましたら、事務局までお申し付けください。
タブレット以外の配布物を確認させていただきます。机上には、議事次第、座席表、委員名簿、タブレット操作説明書を配布しております。配布物に不足等がございましたら、事務局までお申し付けください。
それでは、以後の進行につきましては村田分科会長にお願いいたします。なお、頭撮りはここまでとさせていただきますので、カメラの撮影は御遠慮願いたいと考えております。村田分科会長、よろしくお願いいたします。
○村田分科会長 委員の先生方におかれましては、天候不順の中ではありますが、お集まりくださいましてありがとうございます。それでは、(1)報告事項の①「食品中の農薬等の残留基準の設定について」です。事務局から報告をお願いいたします。
○井上室長 お手元のiPadの資料ですが、マイプライベートファイルの資料1の「報告事項に関する資料」をお開きください。最初に1ページですが、「食品中の農薬等の残留基準の設定について」の報告事項の概要の一覧をお示ししています。既に基準値が設定されている農薬等の基準の改正ということで、全部で9品目あります。そのうち動物用医薬品3品目について御報告いたします。いつもの一覧のばく露評価の結果の所がありますが、いずれも基準値案に基づくばく露評価の結果、特段問題はないものと部会で結論を頂いているものです。
3ページから1剤目です。シエノピラフェンですが、経緯です。今回、農薬取締法に基づく適用拡大申請に伴う基準値設定の要請を受け、残留基準の設定をするというものです。適用拡大の作物はアスパラガスということです。用途は殺ダニ剤ということで、ハダニ類などの殺ダニということで用いられるということです。我が国の登録状況は、かんきつ、りんご等に登録されています。中程の欄ですが、食品安全委員会における食品健康影響評価結果は、2年間の慢性毒性/発がん性併合試験のデータに基づいて、ADIが0.05mg/kg体重/dayと評価されています。今回は新たな評価ということで、Acute Reference Doseのところもございますが、今回は設定の必要はないというように評価を頂いています。
基準値案は別紙1のとおりということで、5ページを御覧ください。今回、アスパラガスに拡大の申請がありまして、登録の有無の欄に「申」と記載がありますが、アスパラガスに関して提出された作物残留の試験成績に基づく基準値設定をするというものです。そのほか、5ページに黒い太線の所がありますが、例えばすいか、メロン類果実に関しては、検査部位の変更ということで、果肉から果皮を含むものへの変更ということで、データに基づく換算で数値の改正を行っているものです。4ページにお戻りください。本基準値案に基づいて、長期ばく露評価ということで、TMDIの試算に基づき、いずれにおいてもADIの範囲内に収まっているということです。1剤目は以上です。
続いて、8ページからのジチアノンです。経緯にあるように、本剤は、農薬取締法に基づく適用拡大申請に伴う基準値の設定というものです。今回の適用拡大は、うめへの適用拡大ということです。用途は殺菌剤ということで、我が国での登録状況は、みかん、りんご等を対象作物に登録されております。食品安全委員会における食品健康影響評価の結果は、2年間慢性毒性/発がん性併合試験の結果に基づいて、ADIは0.01mg/kg体重/dayと評価されております。また、短期、ARfD、急性参照用量の所ですが、こちらも発生毒性試験の結果から0.1mg/kg体重と評価をされています。
こちらについて、基準値案に基づくばく露評価ということで、9ページの上のほうを御覧ください。まず、基準値案に基づくばく露評価を行ったところ、長期ばく露評価に関してはEDIに基づく計算の結果、いずれもADIの範囲内に収まっているというものです。また、短期のばく露評価ということで、急性参照用量を用いてということですが、それぞれ摂取量はARfDを超えていないというように結論を頂いているところです。2剤目は以上です。
続いて、14ページのゾキサミドです。こちらはインポートトレランス制度に基づく基準値の設定ということで、要請を受けて基準値の設定をするものです。海外から日本での基準の設定の要請です。設定依頼はたまねぎとバナナに関しての基準値の設定要請というものです。用途は殺菌剤ということです。食品安全委員会における食品健康影響評価の結果ですが、まずADIに関しては1年間の慢性毒性の試験に基づき、0.47mg/kg体重/dayと評価を頂いております。急性参照用量に関しては、今回は設定の必要はなしという評価です。基準値に基づくばく露評価については、14ページの下のほうにあります。TMDIの評価で、こちらもいずれもADIの範囲内ということで結論を頂いております。ゾキサミドの関係は以上です。
続いて、18ページのチアクロプリドです。経緯にあるように、農薬取締法に基づく適用拡大申請を受けてということです。あと、ポジティブリスト制度の導入時に暫定基準の見直しを行うという関係での基準の設定です。適用の拡大に関しては、こまつなへの適用拡大というものです。用途は殺虫剤ということで、我が国の登録状況はりんご、なし等などの対象作物に登録されているというものです。こちらも真ん中辺りにありますが、食品安全委員会における食品健康影響評価の結果は、2年間の慢性毒性/発がん性併合試験に基づいて、ADIを0.012mg/kg体重/dayと設定されております。また、急性参照用量についても、急性神経毒性試験の結果から、0.031mg/kg体重と評価されています。
19ページを御覧ください。基準値案に基づくばく露評価の結果ですが、長期ばく露評価についてはEDIの試算に基づく結果で、いずれもADIの範囲内ということです。また、短期ばく露評価についても、それぞれ摂取量は急性参照用量を超えていないということで結論を頂いているところです。チアクロプリドの関係は以上です。
続いて、26ページのフラメトピルです。農薬取締法に基づく適用拡大申請に伴う基準値設定というものです。こちらの適用拡大は、ばれいしょとねぎということです。それぞれの病気に関して、殺菌剤として使われるものということです。登録状況は、稲、てんさい等の対象作物に登録されています。食品安全委員会の評価の結果は、ADIに関しては0.007mg/kg体重/dayということで、慢性毒性/発がん性の併合試験の結果から評価されています。AcuteのARfDについては、今回は評価されていまして、0.3mg/kg体重ということで、急性毒性試験又は一般薬理試験の結果から評価がなされています。本剤についての基準値案に基づくばく露評価の結果ということで、27ページを御覧ください。長期のばく露評価について、EDIの試算でいずれもADIの範囲内というものです。短期のばく露評価についても、それぞれの摂取量は、急性参照用量を超えていないと結論を頂いているところです。
続いて、30ページの農薬プロパニルです。こちらは農薬取締法に基づく新規の農薬登録申請で、水稲への登録ということで要請があります。併せて魚介類への基準値設定、さらに暫定基準の見直しということが経緯です。用途は除草剤ということです。食品安全委員会の評価結果は、ADIについては0.016mg/kg体重/dayで、Acute Reference Doseも0.57mg/kg体重という評価を頂いています。これについて、基準値に基づくばく露評価は31ページにあります。まず長期のばく露評価については、いすれもTMDIの評価で、試算でADIの範囲内ということです。また、短期のばく露評価も急性参照用量を超えていないということで結論を頂いています。
続いて、36ページの動物用医薬品のアモキシシリンです。経緯ですが、いわゆる暫定基準の見直しを行うというものです。用途は半合成抗菌剤ということで、牛、豚、鶏を対象に感染症の治療に使われるものです。食品安全委員会の評価は36ページの中程を御覧ください。毒性学的なADIに関しては、データの不足又はアレルギーの誘発性の定量的な指標を設定することができずということで、定量的な判断はしなかったということですが、微生物学的なADIに基づいて、0.0013mg/kg体重/dayと評価をされています。これについても基準値案に基づくばく露評価、36ページの真ん中の辺りを御覧ください。TMDIによる試算に基づいて、ADI比はいずれもADIの範囲内ということで結論を頂いているところです。
続いて、39ページのゲンタマイシンです。こちらは動物用医薬品の食品中の残留基準の設定ということです。ポジティブリスト制度導入時の暫定基準の見直しを行うというものです。用途は牛、豚の細菌性の下痢等に使われる抗生物質というものです。39ページの下の欄の食品安全委員会の評価ですが、毒性学的なADIとしては、亜急性毒性試験からは0.1mg/kg体重/day、微生物学的なADIとしては0.011mg/kg体重/dayという評価を頂いておりまして、このうち小さい値ということで0.011mg/kg体重/dayとADIの評価をされています。これについても基準値案に基づくばく露評価が40ページにありまして、TMDIに基づく試算、いずれもADIの範囲内ということで結論を頂いています。
続いて、43ページの動物用医薬品のブロムフェノホスの残留基準の設定です。こちらも暫定基準の見直しということです。こちらは牛の寄生虫駆除剤として用いられるものです。食品安全委員会の評価は43ページの中程にございます。ADIは0.0025mg/kg体重/dayと、発生毒性試験の結果から評価されています。これについて基準値案に基づくばく露評価が44ページにありまして、こちらもTMDI試算に基づく評価ということで、いずれもADIの範囲内ということで結論を頂いているところです。駆け足でございましたが、以上の9品目に関する報告事項の御説明でした。よろしくお願いいたします。
○村田分科会長 ただいまの事務局からの9品目の報告について、委員の方から御意見、御質問はございますでしょうか。
○佐藤委員 初めてなので教えていただきたいのですが、微生物学的ADIというのはどういうものでしょうか。
○吉田課長 これは食品安全委員会のほうで、抗生物質のようなものについて考える場合には、このような微生物学的ADIというのを考えるわけですが、抗生物質ですので、腸内細菌叢に対する影響がどうなのかということを疫学的なデータなどに基づいて算出する形を取っているものです。
その上で、最終的に抗生物質のADIを考える際には、微生物学的ADIと通常の毒性試験から得られるADIを比較しまして、いずれかの低いほうを最終的な抗生物質のADIにするといったような対応を取っているということです。
○村田分科会長 そのほかに御質問はございませんでしょうか。穐山先生から何かございますか。そちらのほうで決められたのだと思うのですが、いかがでしょうか。
○穐山委員 今、事務局からお話がありましたが、今回の報告事項でシエノピラフェンとジチアノンとフラメトピルは適用拡大申請で、ゾキサミドに関してはインポートトレランス申請ということで、食品中の残留基準を設定したもので、そのほかに残留基準の見直しや国内新規登録申請などに伴い食品中の残留基準を設定するものであります。
今回、3月と5月に開催した部会で審議を行って、幾つか報告書の記載整備に関する指摘はありましたが、食品安全委員会の評価結果では、生態にとって問題となる遺伝毒性等は認められていないので、閾値が設定できるという評価です。
また、作物残留試験や代謝試験等の結果からは、代謝物に関するデータに基づいて規制対象物質あるいは残留濃度分析法も特段の問題はないこと、また作物残留データや国際基準等の情報に基づき残留基準値は適切であるということで、特段の問題はないというように結論に至った剤であります。以上です。
○村田分科会長 ありがとうございます。今、穐山先生からも説明いただきましたが、何かございませんでしょうか。よろしいですか。どうもありがとうございました。それでは、(2)の「文書による報告事項」に移ります。文書配布による報告事項等ですが、この資料に関しては事前に委員の皆様の所に配布されていると思います。委員の方から、何か御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、特段の御意見がなさそうですので、次に移らせていただきます。議題(3)「その他の報告事項」。食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について、ということです。事務局から報告をお願いします。
○井上室長 こちらもiPadのマイプライベートファイルの所の資料3-1をお開きください。その他の報告事項ですが、食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について御報告させていただきます。前回、平成31年3月28日又は前々回の昨年12月19日の分科会において、御審議又は報告を頂いた農薬等の処理状況、全部で26件に関して一覧としてお示ししております。上から農薬のフルピリミンを含めて26品目です。いずれもそれぞれ手続準備次第、パブリックコメント又はWTO通報等を順次実施しております。
現時点でお諮りしました基準値案に関して変更を生じるものはありませんけれども、現在、まだパブリックコメント中であったり、WTO通報をしているものもありますので、また、この中で出てきた御意見、新しいデータといったものがありましたら、それに基づき必要に応じて、また部会でも御議論いただければと考えております。その他の報告事項で分科会における審議報告・対象品目の処理状況に関しての説明は以上です。
○村田分科会長 ただいまの事務局からの報告に対する御意見、御質問をお願いいたします。特にありませんでしょうか。どうもありがとうございます。
次に議題(3)の器具・容器包装のポジティブリスト制度における規格基準についてに移ります。事務局から御説明をお願いいたします。
○吉田課長 お手元の資料3-2のファイルをお開きください。これまでも食品衛生法改正の進捗状況については随時御報告させていただいていましたけれども、器具・容器包装のポジティブリスト制度、これも食品衛生法改正の1つの大きな柱です。それについて今般、パブリックコメントあるいはWTO通報という大きな動きを今後取りたいと思っておりますので、現在の状況について御報告させていただくものです。
資料3-2の1ページ、1ポツですが、いわゆるポジティブリストの関係で申し上げれば、政令で定める材質、合成樹脂を定めていますけれども、これの原材料についてはポジティブリストに収載された物質、法的には18条第1項の規格が定められたものになりますが、そうしたものでなければならないという形になっています。これについて2ポツ、これまで技術的なことについては、技術検討会あるいは食品衛生分科会の器具・容器包装部会において、一定の考え方を整理し、それに基づいて現在国内で製造、輸入、販売、あるいは使われているいろいろな物質、既存物質と称していますが、こうしたものについてポジティブリストに収載する必要がある物質について、その情報を集め、整理・確認をし、ポジティブリストとしての告示案を作成していると、一応そういう状況になっております。その内容については後ほど御説明いたしますが、それについての今後の作業方針について3ポツで書いております。
この告示案の作成に当たり、本来であれば食品安全基本法に基づく、いわゆる食品安全委員会のリスク評価を受けてその基準を作るべきですが、今般は実際2,000を超える物質について作業をする形になります。リスク評価を行うという一連の作業に要する時間を鑑みた場合、一部の物質についてはなかなか事前に評価は難しいということもあり、これまで分科会にも御報告させていただいていますけれども、食品安全基本法の中の規定における、あらかじめ食品健康影響評価を行ういとまがない、こういったものに該当するものということとさせていただき、事後にリスク評価を行うということを前提に、この作業を行っているという状況です。
その際、事後であってもリスク管理側としてポジティブリストに収載するに当たり、海外で収載されている物質については、海外の管理機関で使用が認められているということを踏まえる、あるいはそれ以外の物質についても、遺伝毒性に関しては、(Q)SARというような方法での解析、あるいはその他個別試験データ、文献情報等に基づいて、一定の安全性を確認してリスト化をするという形で作業を進めている状況です。
2ページの4ポツです。先ほど申し上げましたとおり、これから御説明します告示案につきましては、パブリックコメント、WTO通報を行い、そこでまたいろいろ御意見、追加情報が来るというように見込んでおりますが、その結果も含め、再度内容を精査させていただき、当分科会において御審議いただきたいと考えております。
次の3ページは横になっていますが、ポジティブリストの形式です。この見方ですが、合成樹脂については、その合成樹脂の基本を成す基ポリマーという物質に、下のほうの(2)の添加剤とか塗布剤、そういったものが添加されている、加えられているというような構造になっています。それらをここにあるような形で管理しようということで、それぞれの使用可能ポリマーについては、ここの表のように、使用可能食品がどうなのか、あるいは使用可能な温度の制限はどうなのかというようなものについて制限を加えるという形を考えております。
ここで区分というものが出てきますが、これは1個1個のポリマーごとにその添加剤が加わっていくという形になるのですが、非常にマイナーな樹脂では、その添加剤の内容というか、企業秘密に該当する内容を開示してしまうということもありますので、企業秘密にも配慮した形で、一定のグループ化をするということで、区分を1~7区分に分けた形で管理しようということを考えております。その区分分けの際には、市場におけるシェアの大きいものは単独の区分として、シェアが小さいものについては物性に基づいて更に細分化し、合計7区分にする。そのような形で7つの区分に一応分けております。
その上で、この表の中にあるとおり、(2)の添加剤については、それぞれの添加剤がその各区分ごとにどれだけ添加できるのかということをトータルの合成樹脂中の重量パーセントで上限値を定める、そのような考え方でこのリストを作っております。更に言えば、それぞれに備考欄がありますが、ここに更なる使用制限とか、いろいろな条件を付けなければならないということもありますので、それについては、この備考欄に必要な使用制限、条件を特記事項として記載していくというような形でリスト化を行っているということです。
実際に現時点で作成しているポジティブリスト案が、4ページからです。どこにポジティブリストを加えるかということですが、「食品、添加物等の規格基準」、370号告示の中の第3に、「器具及び容器包装」とありますが、その中のAの所に、器具若しくは容器包装又はこれらの原材料一般の規格というのがありますので、この中に、4ページの下から5ページの頭にかけてある第9項ということで、今回のポジティブリストのことを文章で書き込むとこのような形になるということです。
いろいろなことを、細かいルールのことも書き込んでいますけれども、雑駁に申し上げれば、新しく別表第1というものを設定しますけれども、第9項の1行目から2行目の内容がポジティブリストですということです。2行目の後から、ただし書で少し書いている内容は、着色料ですが、現在でも指定添加物の中の着色料、あるいはそうでなかった場合には、溶出又は浸出してこないような形で加工されているものは使えるという形で現在も規定していますので、その現在のリスク管理の方法を維持した形で、包括的な規定ぶりで、ここにただし書で書くことによりポジティブリスト等に収載されているという扱いをしたいというものです。そこから下の別表第1は、また後ほど御説明しますが、第1表のほうが基ポリマーの内容です。それについての見方を書いています。5ページの6行目辺りから第2表のことが書いてありますが、添加剤に関する規定ですので、先ほど3ページの所で御説明したような内容を告示上に書くとこのような形というように考えているところです。
ここで、4ページで第7項を削除している、あるいは6ページの所でFの製造基準の中の第5項を削除しているという形を取っています。これはなぜかと申しますと、今回削除した内容は個別の添加剤についての使用あるいは製造に当たっての規格というのが個別に定められており、これは今般新しく定めます別表第1の中の、先ほど申しました備考の所に特記事項としていろいろ条件を書くと申し上げましたが、そうした形で個別の添加剤の備考欄というか特記事項の中で、今回削除する内容については条件として付記する予定ですので、重複を排除する観点から削除していると、そういう形を取っています。
実際の告示の内容についての表のイメージは7ページからです。別表第1の第1表、基ポリマーの内容で、次の8ページから9、10ページ、ここまでが基ポリマーの内容です。11ページが第2表です。添加剤・塗布剤等の内容という形になっています。ここで少しだけ、見方で申し上げたほうがいい内容ですが、右の備考欄に♯の印が付いているかと思います。これは本来であればリスク評価を事前に行わなければいけないわけですが、事前に行ういとまがない、リスク評価を行ういとまがないということで、事後的に評価を行う物について、法的には食品安全基本法第11条第1項第3号に該当することになりますので、それに該当するものであることをこの♯印で書いています。今回お示ししているのは、あくまでも記載例(抜粋)で、実際のリストはトータルで2,000を超えるようなものになりますので、ものすごい表にはなりますが、本日はあくまでもこのようなイメージということで、それぞれ抜粋で、このような形にさせていただいているということを御理解いただくためにこうした形にしております。一応このような形で現在のポジティブリストについて策定を行っていますので、今後WTO通報あるいはパブリックコメントを行いたいということです。
もう1点、報告事項があります。12ページからです。これも同じくポジティブリスト関係の内容です。1ポツです。本来であれば合成樹脂の原材料についてはポジティブリストに収載された物質でなければならない、これが大原則です。ただ、こういう容器包装については多層構造を成していることがよくあります。そういった場合に食品に接触する部分に使われていない、あるいは食品非接触面のみに使われているというものであって、人の健康を損なう恐れがないものとして、定める一定量を超えて食品のほうに溶け出てこない、移行してこないという場合には、ポジティブリストに収載された物質以外のものも使用できる、そのような規定が法の中に定められています。したがって、この量が幾らなのかということを定める必要があるということです。その際に、リスク管理の観点から考えれば、最終的には食品の疑似溶媒中の濃度で規定するのが適切だと考えております。
そうした中で、2ポツですが、本件について、食品安全委員会に評価を依頼しましたところ、その結果としては、食事中濃度で0.5μg/kg以下が適当だという答申を頂いているところです。この結果を踏まえ、私どもの器具・容器包装部会で御審議していただき、最終的には食品の濃度あるいは疑似溶媒中の濃度に換算するという過程が必要になってくるということです。
結論としては、食品濃度に換算すれば0.01mg/kg食品、さらにそれを疑似溶媒中に換算すれば、0.01mg/Lという形になると考えるのが妥当だということで了承されています。この際の補足として、食事中の濃度を出す際には、食品への移行量、濃度に食品の区分係数、食品区分係数は0から1ですが、あるいは消費係数、あるいは食品区分が何個あるのかという、それらを換算、掛け合わせることにより食事中濃度になるという形になりますので、逆に言えば、それを全部割り返せばよろしいわけですが、食品の区分は合計5区分あります。先ほど使用制限ということで、基ポリマーのところで5つ使用制限があったかと思います。そのうえで食品区分係数が0から1の係数を取りますので、一番安全側を見ると食品区分係数1を採用し、かつ食品区分が5個ありますので、一番保守的にすれば、区分×区分係数は5になり、さらに消費係数を、これは非接触面に使うことを考えるとシェアは一番少ない、ほとんど接触することはないということで、0.01が妥当だというようなことを考えると、係数として、5×1×0.01の係数で割り戻せば食品の濃度になる、量になると、そういった議論を部会で御確認いただき、この0.01mg/kg/食品、それを疑似溶媒に戻すと、これは利用する試験の条件になり、係数はほぼ1になりますから、0.01mg/Lに該当することになりますので、この値が人の健康を損なう恐れのない量ということで、妥当ではないかということで、了承を頂いているところです。この値も含め、パブリックコメントやWTO通報を行わせていただき、その結果も踏まえて、先ほどの規格基準のポジティブリストと合わせて精査した後、再度本分科会において御審議を頂きたいと思っていますので、今回はその作業の途中について御報告させていただいたものです。少し長くなりましたが、以上です。よろしく御確認いただければと思います。
○村田分科会長 いずれ本分科会において審議することになろうかと思いますので、今の事務局からの説明に質疑のある方はどんどんしていただければと思います。いかがでしょうか。
○穐山委員 膨大な添加剤のデータはかなり大変だったと思われます。基本的には添加量の規制ということで溶出量規制ではないということで、恐らく、アメリカと同じようなポジティブリストだと思うのですが、アメリカのリストとほぼ同様と考えてよろしいのでしょうか。
○吉田課長 御質問ありがとうございます。ポジティブリストのリスク管理の方法としては、アメリカが添加量規制となっており、一方で、ヨーロッパ、EUについては溶出量で管理するとなっております。結論から申し上げると、基本的にはアメリカ型ですので、添加量で管理するという形になります。
考え方はそういう形ですが、実際の添加量の値について1個1個どうなのかとなると、そこは日本における状況が当然出てまいります。現在使われている既存物質については現在の実態を踏まえて、安全性に特に問題がなければ取りあえずリスト化するという作業方針でやっているというのが現状です。
○穐山委員 どうもありがとうございます。
○村田分科会長 そのほかに、何か御質問ございますか。
○佐藤委員 4ページの別添の器具及び容器包装第3の所の今度新しく入る9条で、第1条と書かれています。これは何を指しているのでしょうか。
○吉田課長 これは、今回の食品衛生法改正を受けて政令で定める部分があり、その政令の第1条において、今回のポジティブリストの対象の材質が何なのかということを定めており、それが合成樹脂であるということです。すなわち、政令の第1条で合成樹脂であると定めていますので、それを受けた形でこういう記載になっているということです。
○佐藤委員 本文中には、政令のが詳しくここに入るという理解でよろしいのでしょうか。
○吉田課長 失礼いたしました。これは告示ですので、告示上の書きぶりは令第1に定められたという規定で問題ないのではないかと思っており、これは法令上の規定ぶりの仕方です。我々としては、現時点ではこれで差し支えないかと思いますが、最終的には法令審査で適切な表現にさせていただきたいと思っております。
○村田分科会長 佐藤委員、よろしいでしょうか。
○佐藤委員 はい。
○村田分科会長 ほかに何か御質問ございますか。有薗委員、いかがでしょうか。
○有薗委員 先ほど吉田課長から、経緯のお話がありました。私たちの部会で2月13日、6月21日、7月8日で、先ほどの量の計算式の所まで、これは最後の所にありますけれども、人の健康を損なうおそれのない量の計算式の所まで委員の方々と確認して、今、ここまで持ってきたというところです。
これからパブリックコメント、WTO通報ということがあり、ある程度、また見直し等があるかもしれませんが、後でまたここで審議していただきたいと思っています。かなり一生懸命やっていただいて、私たちも計算する所は大変なところがありましたが、よくやっていただいたと思います。ありがとうございました。
○村田分科会長 ありがとうございます。そのほかに何かございますか。五十君委員、いかがでしょうか。
○五十君委員 私は特にございません。
○村田分科会長 ありがとうございます。浦郷委員、いかがでしょうか。
○浦郷委員 私も容器・器具の部会でこのお話は聞いてきました。最後の所の食事中濃度から食品擬似溶媒中濃度に換算するという考え方は理解できました。そのとき計算式も出てきたのですが、計算式まではなかなか理解が難しかったです。ほかの委員の方も特に問題ないということでしたし、そこは食品安全委員会でもきちんと検討して基準を出していただいていますので、今日のところは計算式は出てこなかったので、皆さん、それで理解されたかよく分からないのですが、部会では、そういうことになりました。
○村田分科会長 ありがとうございます。私も初めてパッと読んだときに、食品安全委員会では0.5μg/kgで、厚労省では0.01で20倍も高い濃度になっており、その間は何も書いていないものですから、なぜかと思いました。
ほかに何かございますか。奥田委員、いかがでしょうか。
○奥田委員 今後の作業について、当面は暫定的で事後評価を後で行うということなのですが、大体、そちらの事後評価に回るものは何割ぐらいになるのかという目途はございますか。
○吉田課長 割合はなかなか難しいです。かなりのものが移ると御理解いただければと思います。今、正に並行して作業を、情報を集めて食品安全委員会でシミュレーションとかそういうものを使い、割と簡便にと言いましょうか、合理的な評価方法でできないかということを御検討いただいたのですが、それに当てはめて情報が集まっているのがどうなのかということを整理している最中なので、どれぐらいになるかという具体的な数字を答えることは難しい状況ですが、大多数のものが事後に回らざるを得ないという見立てです。
○奥田委員 承知いたしました。かなり宿題が残ってしまうということですね。
○村田分科会長 阿部委員、いかがでしょうか。
○阿部委員 原料についてのポジティブリスト化ということはよく分かるのですが、リサイクルの問題との関連は何か考えられているのでしょうか。
○吉田課長 御質問どうもありがとうございます。リサイクルの関係については、今回のポジティブリストは、実際に使う物質をリスト化するというものです。ですから、極論を申し上げれば、リサイクルは今使っているものを再度使うという形になると考えれば、リサイクルの原材料だからといって、特別に追加で物質をポジティブリストに収載する必要は原則ないのではないかと考えています。
リサイクルの問題は、既に通知で適正に回収してそれを再生するためのガイドラインをお示ししており、回収から再生過程をしっかり管理していただくということが、むしろ重要かと思っております。そういう意味では、このポジティブリストを施行する段において、再生に当たっての注意事項は併せて注意喚起を徹底したいと思っております。繰り返しますが、再生材料だからといって、リストに追加しなければならない特段の物質があるとは、現状では考えていないということが答えです。
○村田分科会長 よろしいでしょうか。
○阿部委員 はい。
○村田分科会長 それでは、苅田委員、いかがでしょうか。
○苅田委員 私もリサイクルのことについて気になっていたのです。再生のときの方法や洗浄等に関しては、今後のことになるのか、それとも余りまだ。
○吉田課長 先ほども少し申し上げたとおり、リサイクルに当たって、回収、分別、洗浄してリサイクルしていく過程での留意点、方法については、既に通知でガイドラインをお示ししておりますので、現時点ではそれを見直す必要はないと思っておりますが、必要があればポジティブリストの施行に当たって、それの見直しを考えたいと思っております。現状で既に通知は出しているという状況です。
○村田分科会長 それでは、髙田委員、いかがでしょうか。
○髙田委員 詳細な説明をありがとうございます。先ほど事後評価に回る物質が多数あるということですが、その事後評価を効率的に進めていく工夫もされていると伺いました。その辺りも少し詳しく教えていただきたいのです。
○吉田課長 繰り返しになるかもしれませんが、いずれにしても、欧米で既に使われている、あるいは国内でも実証研究があるという前提に立って、事後評価を行っていきたいと思っております。したがって、現在、食品安全委員会で考えていただいている方法をベースにしていきますが、その際に、考え方としては、溶出量、食品、食事に溶け出る量が基本的に少なければ安全性を確認する事項は少なくていいはずなのですけれども、その辺りをきちんと、溶け出る量がどうなのかということを体系的に見積もって、それに基づいて必要な安全性の情報を集めていく。
そういうことを効率的に行うために業界にも一緒に協力していただきながら、必要な溶出の情報、あるいは安全性の情報を集めていき、場合によっては、似たような物質について、代表的なもので外挿できないかということも考えさせていただいて、できるだけ効率的に事後評価を行えればと思っております。如何せん膨大な数を評価しなければなりませんので、効率的に評価していただこうと考えております。
○髙田委員 ありがとうございます。
○村田分科会長 それでは、高橋委員、いかがでしょうか。
○高橋委員 特にございません。
○村田分科会長 それでは、二村委員、いかがでしょうか。
○二村委員 既存のものの評価の御説明だったかと思います。この後、新規の素材や添加剤等について指定する場合の手順の御検討はされているのかどうかお伺いいたします。
○吉田課長 御質問ありがとうございます。指定に当たっては、少なくとも食品安全委員会におけるリスク評価が必要になります。施行後に指定する場合にはそういう手続が必要になるのですが、少なくとも食品安全委員会で行うリスク評価のための評価指針については、既に食品安全委員会で策定を終えているという状況です。
あと、具体的な施行後の指定に当たっての手続についてはまだ定めておりませんが、少なくともリスク評価の方法論は示されておりますので、施行後にその評価ができる情報を我々に頂ければ、それについて食品安全委員会にリスク評価を依頼し、その結果に基づいてリストの中に追加するという作業をすればいいのだろうと考えています。大きな方向性はそういうところかと思いますが、具体的な我々の手続の手順はまだ定めておりませんが、今後、施行までの間に検討させていただきたいと思っております。
○村田分科会長 よろしいでしょうか。
○二村委員 はい。
○村田分科会長 それでは、堀内委員、いかがでしょうか。
○堀内委員 この分野は門外漢なので、先ほどの説明のところは十分理解できなかったのですが、お尋ねしたいのは、実際に今、対象になっている物質はどのぐらいあるのかということです。この最初の所の農薬のポジティブリスト制度のところは、法律が出来てからもう10年以上たっていると思うのですが、それでもやらなければいけない膨大な量があるとなったときに、容器の問題は化学物質に加えて使用形態によって複雑なパターンになると思うのですけれども、今からどのぐらいの時間軸でこれをやっていくのかという規模感を教えていただければと思います。
(松本委員到着)
○吉田課長 なかなかお答えしにくい御質問です。事後的な評価であっても、基本法においては遅滞なく事後評価しなければならないと定められておりますので、我々もできるだけ早く終えたいと思っております。農薬のポジティブリストでは780ぐらいだったと思いますが、先ほど申し上げたように、こちらは物質の数が2,000を超え、かつ、樹脂との関係もあるということで、御指摘のとおりなかなか難しく複雑なところがあるのは事実です。
ただ、先ほど説明したとおり、食品安全委員会でも既存物質の評価については合理的な方法論を少し検討していただき、その方法論も既に示されておりますので、それに見合うような形でできるだけデータを、全部の物質についての全部の情報というととても大変になりますが、それである程度集約できるというか外挿できるというか、そういうところはできるだけそういう形で集約していき、できるだけ合理的に、かつ、できるだけ速やかに評価を終えたいと考えているということが現時点の答えという形になるかと思っております。
○村田分科会長 松本委員におかれましては、先ほど来られたばかりで大変申し訳ないのですが、今、器具・容器包装のポジティブリスト制度における規格基準についてということで、分からないこと等も事務局に説明を伺うという姿勢で皆さんから聞いております。何かございましたら、お願いいたします。
○松本委員 ポジティブリストということで、これだけの膨大な品目を関係者が理解していくのはなかなか難しいのかと個人的には思っています。
○村田分科会長 ありがとうございます。今のような意見を踏まえて、何か更なる質問がございましたらお願いいたします。
○有薗委員 質問ではなくコメントです。皆様のお話を聞いて思ったのですけれども、先ほど消費者団体の方々の計算はというお話もありましたが、それに関しては、中の委員の先生方が取りあえずちゃんと計算して間違いありませんでしたというお話がありました。
ただ、この規格の改定とか応用の仕方にこれから入っていくわけなのですが、上流のパッケージを作っている企業の方々は理解したとしても、途中、加工でそれを実際に使われる食品加工会社、あるいはパッケージを使う人たちの所への情報伝達、使い方の応用の展開はなかなか分かりにくいだろうし、また、それを今度は消費者の所に持って行くとすると、更にコンフュージョンが起きたりするだろうということで、その所をリスクコミュニケーションと言っていいかどうか分かりませんが、これが動き出したら丁寧にそういう説明会とか内容の説明もやらないといけないという話は、部会の皆さんと情報として共有しています。
○村田分科会長 ありがとうございます。大体出たみたいですが、五十君委員、どうぞ。
○五十君委員 最初のときに穐山委員から御説明があったのですが、アメリカ方式は原材料ベースの検討で、ヨーロッパは溶出が主体の評価ということです。実際、容器包装の場合に実害が出てくるのは、どちらかというと溶出するほうの観点が非常に重要になってくるかと思います。今回、米国方式を取った形でやっていくというのは、多分、実際に企業としてやる場合の立場から考えると、そのほうがやりやすいだろうという発想かというところを確認したいのです。
(脇田委員到着)
○吉田課長 御質問ありがとうございました。最終的な安全性を考えるときに、今、正に五十君委員が御指摘のとおり、食品や食事中に溶け出る量が問題ないことを考えるということは当然です。アメリカの場合は、添加量を幾らにすれば実際にそれが溶け出る量が幾ら以下になるという形で、最終的に見るのは、添加量がこれだけであれば溶出量とその食事中に溶け出る量はこれだけなので、結果的に問題ないということを保証するという考え方で設定されております。あとは、実際に管理機関が管理する際にも、やはり添加量で見たほうが管理しやすいという面もあります。
繰り返しになりますが、安全性を確保するとしたら当然、食品中に出てくる濃度が一定量を超えない、そこで当然見ておりますが、それをどこで見るかというときには、添加量が幾ら以下であれば溶出量が幾ら以下なので問題ないという形で見ているということですので、考え方は一緒ですし、それを管理機関として管理しやすい、あるいは製造者として管理しやすい方法としては、やはり添加量でGMP的な発想で管理したほうがやりやすいということもあり、そのようにしていると御理解いただければと思います。
○村田分科会長 よろしいでしょうか。
○五十君委員 先ほどのリサイクルの問題等々があったものですから、添加量管理だけでいけるのかというところが少し心配でした。
○吉田課長 すみません。少し言葉足らず、非常に話を簡単にしてしまい、あれですが、大雑把に言えば添加量管理ですが、もちろん溶出量の管理が必要なものは当然やりますので、原則添加量で、必要な場合には溶出量でも管理するということで、それは両方で、必要な場合には溶出量も規制を掛けるということは併せてやりたいと思っております。
○村田分科会長 脇田委員は今、最後に来られたのですが、一番最後の器具・容器包装のポジティブリスト制度における規格基準についてという話をしており、分からないことはみんな事務方から聞こうという趣旨でしておりました。もし何か御意見ございましたら、どうぞ。
○脇田委員 特にございません。ありがとうございました。
○村田分科会長 これについては終わりということで、皆さん、御意見どうもありがとうございます。以上で審議事項と報告事項の議事は終わりました。最後に、事務局から何か連絡事項はありますか。
○矢野補佐 長時間の御審議ありがとうございます。次回の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会は、9月13日(金)を予定しております。また、タブレットとペンについては机の上に置いていただきますよう、よろしくお願いいたします。以上です。
○村田分科会長 予定されておりました時間より少し早めではございますが、長時間の御審議、誠にありがとうございます。これをもちまして、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会を閉会いたします。どうもありがとうございます。
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