ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(介護給付費分科会)> 第19回社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会議事録(2020年3月26日)

 
 

2020年3月26日 第19回社会保障審議会介護給付費分科会
介護報酬改定検証・研究委員会議事録

老健局老人保健課

○日時

令和2年3月26日(木)15:00~17:00

 

○場所

ベルサール神保町 Room1+2(3階)
東京都千代田区西神田3-2-1

○出席者

粟田、井上、今村、川越、田中、藤井、藤野、堀田、松田 (五十音順 敬称略)

○議題

1.平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和元年度調査)の結果について

2.その他

○議事

○北原介護保険データ分析室長 定刻となりましたので、第19回「社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会」を開催させていただきます。
 委員の先生方におかれましては、お忙しい中御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 始めに、本日の委員の出欠状況でございますが、井口委員、小坂委員、近藤委員、福井委員より御欠席の御連絡をいただいております。
 それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。御協力どうぞよろしくお願いいたします。
 (カメラ退室)
○北原介護保険データ分析室長 それでは、以降の進行につきましては、松田委員長にお願いをいたします。
○松田委員長 松田でございます。
 それでは、議事に入りたいと思いますので、事務局より本日の資料の御確認をお願いします。
○北原介護保険データ分析室長 皆様のお手元にタブレットをお配りしておりますが、そちらのタブレットの中のマイプライベートファイルというフォルダの中に資料がございます。御確認をお願いいたします。
 また、本日は紙の資料も配付をしております。
 それでは、お手元の資料に基づき説明をさせていただきます。
 まず、議事次第と、名簿がございます。
 そして、資料1「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和元年度調査)の結果について(案)」がございます。
 そして、資料1-1から1-7までがございます。
 そして、資料2が評価シートの(1)から(7)となっております。
 そして、参考資料1から6までがございます。
 また、委員の皆様に配付をいたしましたタブレットの中には、さらに参考資料といたしまして、各調査の報告書の案につきましても入れております。こちらについては、まだ作成中のものでございますので、委員の皆様にのみお配りしているものでございます。
 資料の不足等がございましたら、事務局までお申しつけくださいますようお願いいたします。
○松田委員長 ありがとうございました。
 それでは、議事次第に沿って進めていきたいと思います。
 まず、議題1の「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和元年度調査)の結果について」を事務局から御説明お願いします。
○北原介護保険データ分析室長 そうしましたら、お手元の資料1-1を御覧ください。こちらが「介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業(結果概要)(案)」となってございます。
 資料を御覧いただきますと、1ページ目に調査の目的と方法がございます。
 本調査の目的ですけれども、前回の改定で新設された「ADL維持等加算」を算定するまでのプロセス及び課題を整理しつつ、その効果を検証すること。そして、ADL評価及び報告というプロセスにおいて、今後のサービスの質の評価方法を検討するため、各事業所における評価項目の収集状況等について調査を行うという2つを目的としてございます。
 調査方法ですが、対象としたのは通所介護事業所及び地域密着型通所介護事業所でございまして、介護保険総合データベースを用いた分析と郵送法による事業所アンケート調査を行っております。
 続きまして、2ページですけれども、ADL維持等加算を算定している事業所の数につきましては、通所介護が578、地域密着型が57、全体の割合として見てみますと、それぞれ2.6%と0.3%となっておりました。
 次に3ページ目でございます。加算の算定要件の1つである5時間以上の通所介護費の算定回数が5時間未満の算定回数より多い利用者を特定するという項目についての調査結果となっております。
 5時間未満のサービスのみと回答した事業所の割合は、通所介護、地域密着型でそれぞれ5%と23%となっておりまして、多くの事業所では5時間以上か、5時間以上と5時間未満のサービスの併用となっておりました。
 次に4ページ目でございます。こちらは加算の各算定要件のうち、どの要件が算定における課題となり得るかを分析した結果です。
 赤丸で囲ってございますようにマル1からマル3の全ての要件を満たす事業所は、通所介護で63.9%、地域密着型で12.4%となっておりました。
 特に地域密着型では、要件マル1の20名以上という要件を満たす事業所の割合が16.8%と低く、これが大きな制約となっていることが推察されました。
 続きまして、5ページ目でございます。こちらは加算の届出をしていない事業所にその理由を尋ねたもので、理由が多かった順に「要介護3~5の利用者割合が算定要件を満たさない」「Barthel Indexを用いた評価の負担が大きい」といった回答が認められました。
 ちょっとページが飛びまして、8ページ目でございます。こちらはBarthel Index以外の指標についてもお尋ねをいたしましたが、今回調査した中ではBarthel Indexが最多でございまして、それに続いてFIMが用いられていたという状況でございました。
 また、理学療法士等が機能訓練指導員である事業所のほうが、そうでないところに比べ、ADL等の評価の実施割合が高いという結果が図表16に示されております。
 続きまして、9ページ目でございます。こちらは加算の要件ごとにBarthel Indexの変化を分析した結果です。
 赤で囲ってございますが、既に要件の1つとなっている初回認定12カ月という期間において、改善が認められた割合を見てみますと、12カ月以内のほうが多いといった傾向がございました。
 続きまして、10ページ目でございます。リハビリテーションサービスの利用の有無によるBarthel Indexの変化の違いを分析してみますと、全体的にリハ利用ありのほうが改善が認められた割合が高いといった傾向がございました。
 赤線で囲ってありますけれども、リハ利用なしといったカテゴリ同士を比較しますと、5時間以上と5時間未満の算定回数状況の違いによる差は明らかではございませんでした。
 11ページ目でございます。算定要件のうち上位85%のADL利得合計について分析した結果となっております。
 ゼロ以上と回答した事業所が9割弱を占めており、本要件については、大きな制約とはなっていないことが推察をされました。
 12ページ目でございます。当加算がサービスに与えた影響ですが、単にADL評価を定期的に行うようになったということだけではなく、ADL維持改善のためにサービス内容を変更した利用者がいたという回答も赤丸で囲ってございますが、6.9%ございました。
 13ページ目は、同様に介護支援専門員に影響をお尋ねした結果となっております。
 こちらも赤線で囲ってございますが、44.4%が変化ありという回答しておりまして、その内容につきましては、図表21のグラフに示されたとおりとなっております。
 14ページ目でございますが、これは他の介護の質と関連する加算の算定状況で、ADL維持等加算を算定している事業所においては、これらの加算も算定している割合が高かったといった結果でございました。
 資料1-1につきましては以上です。
 続きまして資料1-2に移ります。
 まず1ページ目ですが、本調査の目的と方法で、本調査は前回改定において、計9サービスで生活機能向上連携加算の見直し及び拡充、そして、計5サービスで機能訓練指導員の対象資格に一定の実務経験を有するはり師、きゅう師の追加が行われたことを踏まえまして、その効果等を明らかにすることを目的として、アンケート調査を実施いたしました。
 2ページ目でございます。まずは生活機能向上連携加算に関する調査でございますけれども、算定状況は上の図表の右から5番目の一番下の行に示してございますが、この全事業所・施設ベースで3.1%といった状況でございました。
 3ページ目でございます。赤線で囲っておりますけれども、算定している主体といたしましては、医療法人、生協の順に多かったという結果でございました。
 4ページ目になりますが、この算定事業所と非算定事業所を比較したときに、算定している事業所のほうで、リハ専門職が在籍している割合がより多かったという結果が示されております。
 続きまして、5ページ目ですが、加算の算定を阻害する要因といたしましては「外部のリハ事業所との連携が難しい」「加算の算定に取り組む余裕がない」等の回答が多く認められたという状況でございます。
 6ページ目が、外部との連携状況についての分析結果となっております。
 外部との連携状況につきましては、問3-6といった図表ございますけれども、同一法人という回答が過半数を占めておりました。
 続きまして、7ページ目でございますが、連携している職種としては、理学療法士が最も多い74.7%となっておりました。
 続きまして、8ページ目で、連携する上で困難であった点についてもお尋ねをしております。
 困難であった点につきましては、連携する頻度であるとか、内容に関する条件の調整といった回答が多く認められておりました。
 9ページ目以降は、加算の算定に係る効果をお尋ねした結果となっております。
 9ページ目からは、調査対象事業所及び施設にお尋ねをした結果でございまして、9ページ目では、ほぼ全ての項目について「とてもあてはまる」または「ある程度あてはまる」といった回答が過半数を占めておりました。
 10ページ目は、算定事業所と非算定事業所を比較しておりまして、算定事業所のほうが非算定事業所よりも各項目について「とてもあてはまる」または「ある程度あてはまる」という回答が多かったといった結果でございました。
 続きまして、12ページ目でございますけれども、同じく加算の算定に係る効果を連携先のリハビリテーション事業所等にお尋ねした結果となっております。
 このお尋ねをしてみますと「専門的な視点を踏まえ個別機能訓練計画等を作成できた」との回答が最も多い67.8%となっておりました。
 13ページ目からは、同様に利用者票の結果となっておりまして、利用者、家族の安心、身体機能の維持向上、重度化防止といった回答が多数を占めておりました。
 少しページが飛びまして、18ページ目からでございますけれども、ここは同様にケアマネジャー票の結果をまとめております。
 こちらでも利用者、家族の安心、身体機能の維持向上といった内容が多数を占めていたという状況でございます。
 20ページ目以降でございますが、算定に関わる職種における連携に対する意識を調査した結果となっております。
 20ページ目は、ケアマネジャーが関与したかどうかお尋ねをしておりますが、ケアマネジャーが関与したといった回答は、いずれも過半数を占めておりました。
 少し飛んで、25ページ目になりますが、同じくリハビリテーション事業所等にお尋ねをした結果でございますが、調査対象事業所等の職員の専門性が高まったという回答が8割近くとなっておりまして、その具体的な変化としては「利用者の状態や希望に応じたケアの機会が増えた」との回答が70.3%で最多となっておりました。
 またページが少し飛びまして、28ページ目以降でございますけれども、機能訓練指導員へのはり師、きゅう師の追加による影響を見た結果となっております。
 28ページ目では、個別機能訓練計画等を作成したことがある職種について、前回の改定前後での比較ということで、平成30年3月と令和元年の9月で比較をしておりますが、はり師、きゅう師以外の職種で大きな変化は認められませんでした。
 同様に29ページも募集状況について改定の前後で比較をしておりますが、こちらもはり師、きゅう師以外の職種では大きな差は認められませんでした。
 資料1-2につきましては以上となります。
 続きまして、資料1-3「介護ロボットの効果実証に関する調査研究事業(結果概要)(案)」を御覧ください。
 こちらも1ページ目が、調査の目的と方法となっておりまして、本調査は介護ロボットの中でも、特に介護事業所で最も多く普及している見守り機器を中心に、介護ロボット活用の実態把握を目的として、アンケート調査と、実証調査として介護ロボット導入前後のタイムスタディー等を実施しております。
 2ページ目が結果となりますが、まずはこの見守り機器及び見守り機器以外の機器の導入状況となっております。
 見守り機器の導入状況では、図表1のとおり導入していると回答したところは73.5%。その内訳としては、センサータイプが45.5%、バイタルタイプが35%、カメラタイプが17.4%となっておりました。
 また、見守り以外の機器については、図表3に示されておりますが、導入ありが35.1%となっておりまして、その内訳は移乗支援に関するものが最多となっておりました。
 3ページ目が、見守り機器の設置割合を見たものとなっております。
 図表5に示されておりますとおり、施設全体では5%未満と回答したところが最多で29.4%、次いで20%以上が24.2%となっておりました。
 また、この見守り機器を現在設置する施設が、さらに追加で設置を希望する割合を見てみますと、図表6に示されておりますとおり、現在の設置割合が5%未満の施設では、さらに追加で設置を希望する割合が5%未満と回答した施設が51.2%と最多となっておりました。
 他方、現在の設置割合が20%以上の施設では、さらに追加で設置を希望する割合が20%以上と回答した施設が20.9%となっておりました。
 4ページ目は、見守り機器のタイプの分布を見た結果をお示ししております。
 5ページ目は、見守り機器の活用場面について分析した結果となっております。
 いずれも「転倒・転落の予防、早期発見」が最多となっておりましたが、2番目の活用を場面としては、バイタルタイプでは「睡眠状態の把握」、カメラタイプでは「訪室の必要性の判断」、センサータイプでは「利用者の行動パターンの把握」が多かったという状況でございました。
 6ページ目は、見守り機器の導入効果の把握状況ですが、導入時の効果を把握していると回答したのは87.7%で、そのうちどういった項目を評価しているかを見てみますと、図表13のとおり「利用者の行動」と「ヒヤリハット、事故等」といった内容が多かったという状況でございます。
 7ページ目につきましては、組織的な対応がなされているかという観点で、委員会の設置状況をお尋ねしたものでございますが、図表16のごとく、27.1%が委員会設置ありとの回答でございました。
 8ページ目は、夜勤職員配置加算の届出状況です。図表19のとおり、昨年度は5.8%でしたが、本年度は7.1%となっておりました。
 届出を実施していないところに理由をお尋ねした結果が図表21ですが「見守り機器の導入による0.1人分の要件緩和がなくても人員配置基準を満たしている」と回答したところが57.5%。「要件以上を満たす見守り機器の台数を導入していない」と回答したところが30.1%と多くを占めておりました。
 さらに下に点線で囲ってございますが、ヒアリング調査においては「夜勤専門職員の手当と当該加算によるが増収が差し引きゼロであれば、職員1人当たりの負担が軽減されるため、当該加算を取得してもよいと考えている」といった意見ですとか、あとは「見守り機器の導入による夜勤職員配置加算の届出をしていても、実質の人員としては1人となり、0.1人分を減らすことはシフトを考えても難しい」といった意見が挙げられております。
 9ページ目でございますが、他の加算届出プロセスにおける介護ロボットの活用状況を見た結果となってございます。
 続きまして、10ページ目以降でございますが、ここからがタイムスタディーの結果となっておりまして、合計で14の施設の夜勤職員を対象に、同一施設での台数を増加した前後での比較ですとか、機器のあるフロアとないフロアの比較等、表の14に示される5つのパターン別に調査を行っております。
 11ページ目ですが、見守り機器の導入割合が横軸、縦軸が夜勤職員の業務時間に占める「直接介護」及び「巡回・移動」の時間割合となっておりまして、こちらの解析結果を見てみますと、見守り機器の導入割合が高いと、ほとんど全てのパターンにおいて、業務時間に占める「直接介護」及び「巡回・移動」の時間割合が減少していたという結果が得られております。
 12ページ目は、代表的な施設の結果を抜粋したものでございますが、見守り機器の導入により「直接介護」にかかる時間が減少していたという結果が得られております。
 13ページ目が、職員調査の結果となっておりますが、図表31に示されておりますように、機器の導入前後ではストレス反応の結果といったものが改善をしておりました。
 14ページ目は、利用者調査の結果ですが、こちらも図表33に示されておりますように、表情の変化等好ましい変化があったといった回答が見られております。
 資料1-3につきましては以上となります。
 続きまして資料1-4でございます。「訪問看護サービス及び看護小規模多機能型居宅介護サービスの提供の在り方に関する調査研究事業(結果概要)(案)」を御覧ください。
 1ページ目が本調査の目的と方法となっております。
 目的でございますが、訪問看護サービス及び看護小規模多機能居宅介護サービスにおいて、前回の改定を踏まえた見直しがサービス提供にどんな影響を与えたかについて、実態把握を行うこと、また、次回の改定に向けた基礎資料を得るための調査を行うことを目的としておりまして、調査方法につきましては、いずれも調査票を用いた郵送調査を行っております。
 2~3ページ目につきましては、訪問看護及び看多機の基本情報をお示ししているものでございます。
 まず、2ページの図表2でございますが、訪問看護ステーションの看護職員の常勤換算別事業所の割合を見ており、5人未満が54.8%で最多となっておりました。図表4の病院診療所の施設の形態では、無償診療所が48.5%と最多となっておりました。
 3ページ目が、同じく基本情報となっておりまして、図表6におきましては、訪問看護事業所の指定ありが72.5%、居宅介護支援事業所の指定ありは34.7%となっておりました。
 4ページ目につきましては、訪問看護の利用者数や訪問回数を調査した結果となっておりまして、介護保険の利用者、医療保険のみの利用者の状況については、それぞれお示ししたとおりとなっております。
 5ページ目でございますが、訪問看護の看護体制強化加算の届出を行っている事業所についての分析結果となっております。
加算の届出状況は、図表11にお示ししたとおりとなっておりまして、いずれも5%以下でございました。
 加算の算定ができない理由についての解析結果が図表12でございます。これを見てみますと「緊急時訪問看護加算の算定対象となる利用者が少ない」「特別管理加算の対象となる利用者が少ない」「ターミナルケア加算の算定要件を満たせないため」といった回答が多く、これが今後の検討課題と考えられました。
 6ページ目は、5ページ目で加算の届出を行っていた訪問看護ステーションが、1年を通して加算の要件を満たすことができるのかを分析した結果となっております。
 図表13では緊急時訪問看護加算の要件を2018年9月時点で満たしていた681の事業所について、12カ月後の状況を見てみたところ、89%の606事業所が維持していたという状況でございました。
 半年分ということで2019年の3月と9月を見てみますと、95.5%が維持できていたという結果でございました。
 同様に特別管理加算の結果が図表の14、ターミナルケア加算の結果が図表の15に示されております。
 7ページ目は、看多機の加算やサービス提供状況を示したものとなっております。
 要介護3以上が6割以上を占めておりまして、認知症高齢者の日常生活自立度は、2以上が9割近くとなっておりました。
 図表19は加算・減算の算定状況となっており、結果はお示しのとおりでございます。
 8ページ目は、理学療法士等による訪問看護の調査結果を示したものでございます。
 図表21を見てみますと、看護職員とリハビリ職員の連携や協働について「とても進んだ」または「やや進んだ」といった回答がトータルで8割を占めております。
 サービスの質への効果といたしましては、図表22になりますが「共通認識のもと統一したサービスの提供ができる」といった回答が9割近くということで、最も多くなっておりました。
 9ページ目につきましては、訪問看護及び看多機において死亡した利用者について調査した結果となっております。
 図表23に示されておりますように、訪問看護ステーションと病院・診療所では、利用者宅が最も多かったのですが、図表24に示されておりますように、看多機では事業所が最多となっておりました。
 図表26は利用者の症状の個数をお尋ねした結果となっておりまして、複数の症状を呈する患者が多数を占めていたという状況でございました。
 資料1-4につきましては以上となります。
 続きまして、資料1-5「福祉用具貸与価格の適正化に関する調査研究事業(結果概要)(案)」でございます。
 1ページ目が調査の目的と方法でございます。
 目的ですが、本調査は前年度調査に引き続き、平成30年10月に施行された福祉用具の貸与価格の上限設定等の影響を把握することを目的とし、方法といたしましては介護保険総合データベースの分析や、福祉用具貸与事業所、利用者に対するアンケートを通じて、施行後の貸与価格の実態、貸与事業所への経営の影響、提供するサービスへの影響等につき調査を行っております。
 2ページ目は、介護保険総合データベースで調査対象としたデータについての概要をお示ししております。
 3ページ目でございます。まず、介護保険制度上の財政効果について、貸与価格の上限を超えたもの、超えていないものも含めた上で商品を固定し、施行前後での実際の貸与価格の変化に伴う削減額を見たものとなっております。
 図表2に示されておりますとおり、昨年度の調査結果では確認することができなかった月遅れ請求分のデータを含めましても、全体で約4.9億円の削減となっていることが明らかとなりました。
 続きまして、4ページ目でございます。貸与価格の実態について制度施行後、既存の利用者に対して貸与価格の見直しが行われているかを見たものでございます。
 図表3に示されておりますが、平成30年10月の貸与分と令和元年9月の貸与分で貸与価格に変化がないレコードは99.1%となっておりまして、上限価格まで貸与価格を引き上げる等の動きは見られなかったという状況でございます。
 続きまして5~6ページ目が、今後の制度改正に伴う影響についてでございます。
 図表4、5、6におきまして、一定の条件を付した上で、施行前後の貸与価格の分布、仮に再度貸与価格の上限を設定した場合の、全国平均の貸与価格の上限に関するシミュレーションを行ったところ、例えば図表4を御覧いただきますと、次回の上限設定では、15.2%が上限を超える貸与となるといったシミュレーションでございました。
 続きまして、7ページ目でございます。こちらの図表7につきましては、上限設定による財政効果に関するシミュレーションを示しております。
 次回以降でございますが、赤線で囲っておりますところにつきまして、0.6%、0.3%の削減率にとどまるといった計算結果が出ております。
 これは今後、上限設定を継続しても、既に高額な貸与、いわゆるその外れ値が排除されておりますため、その財政効果は限定的になるといったことが想定されました。
 8ページ目以降は、福祉用具貸与事業所への経営面の影響を見たものでございます。
 費用面においては人件費等が前年度と比較して増加をしておりました。これは貸与価格の見直しに当たって、価格再設定等の検討や利用者等への案内文の作成、説明等にかかる人件費等々の費用が増大していることによると考えられています。
 図表9につきましては、この貸与事業所一月当たりにおける利益の変化を示しておりまして、赤線で囲ってございますけれども、この制度改正の影響は半年分であったにもかかわらず、介護保険請求額に対する営業利益は平成29年度と比較しますと、平成30年度は6.8%から6.3%に減少しておりまして、制度改正が貸与事業所の利益に響いており、低迷の影響が少なからずあったことが推察されました。
 9ページ目ですけれども、事業所が貸与する福祉用具を仕入れる際の価格について、いわゆるレンタル卸を利用している事業所に  つきましては、赤線で囲ってございますが34.5%が値下げ交渉を実施していましたが、図表11にございますように、それによる仕入れ価格の変化は「ほとんど変わらない」と回答した事業所が最多となっておりました。
 これにつきましては、貸与事業所は中小零細規模が多く、メーカー等に対する価格交渉力が弱く、貸与価格の値下げを補填できるほどの仕入れ価格の値下げが難しい実態があるのではないかということが推察されています。
 10、11ページ目につきましては、利用者への影響を見たものでございます。
 図表12以降でございますけれども、貸与価格が下がった中でもアセスメント、モニタリング、メンテナンス等、利用者へのサービス提供内容はほとんど変更がなく、制度改正後もサービスの質が一定担保されておりました。
 また、次の11ページでございますけれども、貸与価格の上限設定に伴う貸与事業所の変更があったと回答した介護支援専門員は6.9%となっておりました。この変更に当たっては図表16に示されておりますが、貸与価格のほか、サービスの質を重視して選定していることが明らかとなりました。
 資料1-5につきましては以上となります。
 続きまして、資料1-6「定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービス提供状況に関する調査研究事業(結果概要)(案)」でございます。
 1ページ目が、本調査の目的と調査方法となっております。
 まず、目的ですが、前回改定において各種見直しを行った影響の把握とともに、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の要件緩和等について明らかにするということで、実態調査を実施しております。
 具体的な方法といたしましては、アンケート調査を実施いたしました。
 2ページ目でございますが、請求事業所数については増加傾向にございます。
 3ページ目でございますが、1事業所当たりの平均利用者数は全ての要介護度において増加をしておりました。合計では2.0人の増加となっておりました。
 利用者の平均要介護度を見てみますと、平均2.6で、要介護度が低いほど利用者が多いといった傾向がございました。
 利用者の世帯構成割合を見ますと、赤で囲ってございますが、独居世帯が8割以上と最多となっておりました。
 4ページ目になりますが、一月のサービス提供回数を見ますと、定期巡回・随時訪問ともに、同時建物減算対象者への提供回数のほうが多いといった状況でございました。
 続きまして、5ページ目ですが、前回の改定で可能となったオペレーターの兼務についての分析結果でございます。
 随時訪問の介護員との兼務は赤線で囲ってございますが、86.4%となっておりました。
 また、調査に回答した全ての事業所が図表14に示されておりますが、オペレーター配置変更前と変わらない質のサービスを提供できていると回答しておりました。
 続きまして、6ページ目でございますが、1時間当たりのコール数を見ますと、同一建物減算対象の利用者のコール数は、同一建物減算対象外の利用者のコール数よりも多くなっていたというのが図表15、17から見てとれました。
 続きまして、7ページ目でございますが、サービス提供中に、コールを取れなかった場合や、同時コールがあった場合の対応でございます。その場合については、転送機能や着信履歴、留守電機能等を活用した対応がなされていたという状況が見てとれました。
 8ページ目につきましては、介護・医療連携推進会議の開催方法・頻度の緩和による影響を見た結果となっております。
 会議の平均回数を見てみますと、図表21でございますが、平成29年度は4回という回答が最多でしたけれども、平成30年度は2回が過半数で最多となっておりました。
 また、前回の改定で可能となった会議の合同開催を実際に実施している事業所の割合について見てみますと、図表23でございますが、合同開催していると回答したところが35.2%、その効果を見たものが図表22でございますが、効果としては「情報やノウハウの共有の促進」「会議への出席負担の軽減」が挙げられておりました。
 他方、合同開催していないと回答したのは図表23で58.0%と大半を占めておりまして、その理由は図表24に示されておりますように「日程調整等負担の軽減」が最も多い理由となっておりました。
 ページが飛びまして、10ページ目でございます。集合住宅への移動方法についてお尋ねをしております。
 同一建物減算対象の場合につきましては、9割以上が徒歩であったのに対しまして、同一建物減算対象外の場合には、自動車が56.7%ということで最多となっておりました。
 また、図表28を見ますと、集合住宅への移動時間は、同一建物減算対象の場合は、約9割が5分以内。他方、同一建物減算対象外では、おおむね20分以内といった状況でございました。
 13ページ目は、退院・退所時の在宅復帰となる利用者に対してのサービス状況を見た結果でございます。
 これを見てみますと、図表34におきましては、56.9%が通常時よりも定期巡回サービスの提供量を増やしており、また、40.3%が随時訪問のサービスの提供量を増やしていたと回答しておりました。
 続きまして、15ページ目でございますが、平成31年3月に利用を終了した者の終了理由についてお尋ねをしております。
 図表39に示されておりますが、最も多かったのが「他の介護保険サービス等への移行」続いて「医療機関へ入院した」でございました。
 割合は少ないながらも赤線で囲ってございますように「要支援・自立への移行」による利用終了といったものも認められております。
 利用終了後に、他の介護サービスへと移行している場合、その移行先としては、図表40に示されておりますように「居宅サービス等」に移行する例が48.6%と最多となっておりました。
 資料1-6につきましては以上となります。
 続きまして、資料1-7「医療提供を目的とした介護保険施設におけるサービス提供実態等に関する調査研究事業(結果概要)(案)」でございます。
 1ページ目が調査の目的と方法でございますが、本調査は、前回の改定で報酬体系の見直しが、介護老人保健施設のサービスにどのような影響を与えたか。そして、介護医療院についてサービス提供・生活環境等の実態がどうであるか。さらに介護医療院への転換に関する自治体の取組状況がどうであるかを明らかにすることを目的として、介護老人保健施設、介護老人保健施設の退所者、介護医療院、介護医療院への入所者、自治体に対しての調査を行ったものとなっております。
 まず、2ページ目でございます。ここからは介護老人保健施設に関する調査の結果となっておりまして、介護老人保健施設の基本情報についての結果等をお示ししております。
 図表1を見てみますと、運営主体では医療法人が最多で72.6%となっておりました。
 3ページ目につきましては、報酬上の区分について調査したものでございまして、図表6を見ていただきますと、報酬上の区分で基本型と加算型の合計が60.1%、在宅強化型と超強化型の合計が35.3%となっておりました。
 4ページ目は、在宅復帰・在宅療養指標等について、調査をしたものでございます。
 図表11の在宅復帰率を見てみますと、超強化型では平均が60.2%、図表12のベッド回転率は超強化型で平均14.4%、図表13の要介護4・5の入所者の割合は超強化型で47.5%。
 喀痰吸引を実施した入所者の割合は超強化型で平均8.5%と、いずれも超強化型が最も高い値となっております。
 5ページ目は、上位累計を算定困難な要件について分析した結果でございます。
 算定困難な理由についてお尋ねをしてみますと、図表15に示されておりますように「在宅復帰・在宅療養支援等指標の点数が足りない」「施設の方針として余裕を持った累計を算定するようにしている」「本人以外に関する要因により在宅復帰が困難な入所者が多い」等の回答が多く認められたという状況でございました。
 6ページ目は、かかりつけ医との連携についてお尋ねをした結果でございますが、図表19にございますように、合意形成が課題といった回答が主な理由となっておりました。
 7ページ目は、所定疾患施設療養費についての分析結果となっております。
 図表23に示されておりますように、特に肺炎については算定期間を超えて施設負担で治療を継続した人数が、それぞれ25.5%、28.1%と2割以上いることが明らかとなっております。
 8ページ目につきましては、退所者の基本情報について調査をしたものでございます。
 図表29の退所先につきまして見てみますと「本人の家」が40.7%、「病院」が29.9%となっておりました。
 ページが飛びまして、10ページ目以降が、今度は介護医療院に関する調査の結果となっております。
 10ページ目は、介護医療院の基本情報について調査をしたものでございまして、図表35を御覧いただきますと、I型介護医療院サービス費(I)が55.6%となっておりました。
 11ページ目は、生活施設としての環境を整える取組・工夫について、調査した結果をお示ししてございます。
 12ページ目は、介護医療院の移行時の状況を調査したものとなっております。
 図表46「介護医療院の開設にあたって有用だと感じた支援策」については「移行定着支援加算」が84.7%と最多を占めておりました。
 14ページが、入所者の基本情報に係る結果となってございます。
 15ページ目につきましては、入所者本人、または家族による介護医療院の評価について調査をしたものとなっております。
 図表62につきましては「施設の環境の満足度」でございまして「満足している」が60.3%、「どちらかといえば満足している」が32.7%となっておりました。
 そして、16~18ページ目が自治体への調査結果となっております。
 16ページの図表67を御覧いただきますと、この移行促進のために実施している取組について、都道府県と指定都市・中核市から回答を得たものでございますが、都道府県では「定期的に意向調査を実施している」と回答した割合が59.6%となっておりました。
 次に、18ページ目でございますが、図表72「介護医療院への移行に関する保健者としての課題」につきまして、ここでは、指定都市・中核市では「医療機関・施設の意向把握」が63.3%と最多となっておりまして、その他の保健者においては「介護保険財政への影響」が45.6%という結果でございました。
 駆け足ではございますが、以上が資料の説明となります。
○松田委員長 ありがとうございました。
 それでは、一つずつ御質問を受けたいと思いますけれども、まず、資料1-1、介護の質に関しまして、御質問、御意見等ありましたら、お願いいたします。
 担当の藤野先生、何か追加のコメントはございますでしょうか。
○藤野委員 特に質問等はございませんが、結果は事務局のほうで簡潔にまとめていただいたとおりになります。繰り返しになりますが、今回のこの加算で、この調査で分かりましたことは、基本的にこの加算を導入した施設は、ADLの改善といったことに一定の効果が見られると。それはBarthel Indexの利点、利得ということだけでなくて、そのプロセスにおいても、何らかのアクションがあって、もしくはそういったところが取っていることが確認できたかと思います。
 一方で、検証の委員会を通して私どもが議論したことなのですが、この要件が非常に複雑すぎるということが、常に我々の中では出てまいりました。その中でも幾つか設定の意図が、もともと御議論の中ではあったのでしょうが、それが現場に対して余り明確に示されないまま何%とか、何人とか来ていますので、そこで現場の運用は非常に難しくなっているというような意見もあったかと思います。
 以上です。
○松田委員長 ありがとうございました。
 要件の複雑性というのは、いろいろなところで指摘されていることだと思いますけれども、ほかはいかがでしょうか。
 どんどん先に進めてしまいますけれども、よろしいですか。また後で、全体に戻りたいと思います。
 続きまして、機能訓練の状況等に関する調査研究につきまして、御質問等はございますでしょうか。
 藤井委員、お願いします。
○藤井委員 5ページですけれども、算定しておられないところの事業所、通所介護、訪問介護に聞いている調査票の項目でございます。算定していない理由ということで、大体似た傾向で、若干違うところが「加算の適用を必要とする利用者がいないため」というのが、訪問介護では多くなっていますが、通所介護ではそれほどではないというところが大きく違っていると思うのです。特に訪問介護はnが少ないので、よく分からないのですけれども、この背景といいますか、そういったものがどのように議論されたかとか、そういった点について教えていただければと思うのです。
○川越委員 ご質問の件に関しては、データがないので憶測になってしまいますが、訪問介護の利用者にリハを入れた場合の効果のイメージが、サービス提供側が、なかなか持てていないのではないか、要は、IADL支援、家事援助などを提供している方に、リハも入れたら何がどう変わるのかというイメージが弱いのではないかと思っています。
 一方、デイサービスであれば、ADLを上げていくというニーズは高いので、ケア職が対応すべき課題とリハの接点が結構あると思われます。デイサービスの場合はケア職にリハ導入の効果のイメージがあるのに対し、訪問介護ではそのイメージを持ちにくいのではないか。この問題は、利用者がリハに何を期待するのか、ケア職がリハに何を期待するのかの期待値とも関係しているのではないかと思っています。こうした議論は会議においても少しありました。
○藤井委員 訪問介護のほうが一見生活場面があるので、これができるようになればいいという課題設定がしやすくて、通所の場合は生活場面なしなので、むしろ訪問介護のほうが向くといいますか、期待があったではないかと思うのですけれども、そこら辺は、やはり訪問介護員の方々の意識みたいなものもあると考えればよろしいですか。
○川越委員 ケアマネジャーにも同じような問題の構造があるのではないかと思っています。生活機能の向上という名称ですから、本来、生活機能を意識しないといけないにもかかわらず、実は身体機能を意識し過ぎているのではないか。期待されているのは、生活機能の向上につながるサービスの提供であり、ここが理解され、強調されていれば、ケア職ももっとリハを活用しようという意識になるのではないか。この部分に関しては、リハ職の意識も変わらなくてはいけないし、リハ職と関わる関係者の意識も変わっていかないといけないと思っております。
○松田委員長 ほかはいかがでしょうか。
 今村委員、お願いします。
○今村委員 1ページの調査票の回収率です。この調査だけでなく、ほかの全体の調査票のことですけれども、利用者票の回収率が出ていないです。母数が分からないのは、そのとおりなのですけれども、もし利用者票を各施設からの回答に一緒に回答をしてもらっているのだったら、各施設で何枚まいたかというのは無作為抽出で総人数で計算できるはずなので、本来回収されてきた施設票に回収できたはずの回収率は出てくると思うのです。
 ですから、本人から直接郵送で返してもらっていないパターンについては、施設から返ってくるはずだった利用者票の母数に対しての回収率を出したほうがいいのではないかと思います。
 これだけでなくて、ほかの調査票も全体にそうなのですけれども、回収率が全くないよりは、そちらが出ているだけでも調査の信頼度が分かると思うので、ちょっと御検討いただければと思います。
○松田委員長 もし、今年対応できれば少しやっていただいて、難しければ来年度の研究から、それをちゃんとやっていただくということで対応していただきたいと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 堀田委員、お願いします。
○堀田委員 ありがとうございます。
 18ページで質問です。生活機能向上連携加算の算定による利用者への効果というので3つ並べてくださっているのですけれども、一番右側の訪問介護のケアマネ票では、左側の2つについては、利用者の身体機能の維持向上につながったというほうが、一番上のリハ専門職が携わるため安心したことよりも上回っていることになっています。訪問介護については、維持向上につながったことが、左と比べても比較的感じている割合が低くて、携わったことで安心はしてくれたみたいだけれども、というような捉えられようなのかなと感じたのです。この違いは、どのように分析されたでしょうか。
○川越委員 ご質問の件も詳細に調査した訳ではないので、憶測の域を出ないのですが、数年前に行われた、訪問介護を対象とした生活機能向上連携加算に関する調査でも同様の結果が出ていると思います。リハ職が関わることで、利用者への説明部分であるとか、それ以外の部分でもいろいろと学ぶ部分があったし、利用者も安心感が高まるという結果であったかと記憶しています。やはり、専門職が関わることが、ケア職自身にとっても、利用者にとっても良かったのではないかと思います。
○堀田委員 逆にヘルパーさんや、あるいは訪問介護の事業所から情報を得ているケアマネさんたちは、実際には利用者さんの身体機能の維持向上にもつながっているかもしれないけれども、それを評価する視点を十分に持てていないかもしれないということも考えられるということですか。
○川越委員 視点の問題もあるかと思いますが、訪問介護の方々は、自分らが行っている支援内容や方法に対して、外部の専門職の目がなかなか入っていない。そこに専門職の視点や方法が入ったことで、利用者も安心したし、提供者側も安心されたのではないかと思います。こうした傾向は過去の調査でも同様の結果が出ているので、今回調査でも同様の傾向が出たのではないかと考えています。
○堀田委員 ありがとうございます。
○松田委員長 ほかはいかがでしょうか。
 私から1つ、同じ18ページなのですけれども、生活機能向上連携加算の本来の目的から言えば、下から4つ目の「利用者が希望した具体的な生活目標の達成に近づいたこと」というのが、もっと高い割合で出てこないといけないのかなと思うのですけれども、この辺のギャップがどの辺にあるのか、何か先生の御意見があれば。
○川越委員 リハ職の方々も、ADLや基本動作の向上というところへの視点がまだまだ強いのではないかと思います。2015年の介護報酬改定で、活動や参加を重視する方向にかなり舵が切られたかと思いますが、こうした思考や方法は徐々に現場に定着している段階で、リハの方も以前よりかなり地域に出てこられているかと思います。ただ、従来学んできた方法論まで変わっているかというと、少し時間はかかるのではないかと思います。
 これまで、リハ職を対象とした、事例検討会をやってきましたが、その際、少し弱いなと感じるのは、本人を理解する力です。状態像に対しては関心を持って見に行っているが、本人を理解するところが弱い。そのため、本人が本当は何をしたいのかが聞き出せていない可能性はあるのではないかと思います。
 きっとこの人はこれがやりたいのではないかという憶測の下で本人を理解しようとしている部分があるのではないかと感じるので、利用者の本当にしたいことは何かというところを聞いた上で、その生活目標達成に向けてどのようにリハを提供するかを考えるといった思考で、リハやケアを提供していかないといけないのではないかと思います。現在は、その過渡期なのではないかと判断しています。
○松田委員長 本来であれば、ICF的なケアプランはそういうものだったはずですよね。
 では、これも次回以降の課題としてやっていただければと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 川越委員、どうぞ。
○川越委員 今までの報告の内容とは別の課題も委員会で指摘を受けたので、その点についてコメントをします。この加算は、ケア提供事業所側には報酬がつくが、リハ側にはつかないという設定のため、リハ職側が対価を得るためには、事業所同士で契約を結ばなくてはいけないということになります。この契約という仕組みに、お互い慣れておらず、非常に大変だということなのです。報酬で対応するのであれば、提供者がそれぞれ算定できる仕組みにしないと、なかなか広がっていかないということが一つです。
 また、ケア提供事業所と病院が直接連携を取ることを、個々でやっていくのは大変なので、両者の間をつないでくれるような仕組みも必要かと思います。ケア提供事業所側は、どの医療機関でリハ職派遣が可能かも分かっていないので、連携の取りようがないという現状があるため、こうした連携を支援する仕組みを用意してあげなくてはいけない。こうした現状は、リハ職との連携を求められている自治体にもあるかと思います。連携窓口のようなものがあれば、自治体との連携部分にも活用できるのではないかという意見がありました。
○松田委員長 ありがとうございます。重要な指摘だと思います。
 そういうのがICTみたいなものを使って、すぐ見つかるような形ができればいいのかなと思います。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 続きまして、3番目の介護ロボットの効果実証に関する研究についてお願いします。
 御質問は何かございますでしょうか。
 ちょっとつまらないことなのですけれども、本学が昨年度、大学病院の機能評価の受審をしたのですけれども。そのときにカメラを使ったモニタリングは駄目だと言われて、全ての病室から外すことに実は今なりました。
 やはりプライバシーに配慮しなくてはいけないので、その中で、このロボットの中で、センサー型とバイタル型とカメラ型があるのですけれども、介護の質は広くプライバシーのこととか、そういうことまで含めて考えたときに、これをどうするかというのにつきまして、御担当の先生は、今日は来られていないのですね。
○藤井委員 副なので。
 そこは私は気になってはいたのですけれども、そういったレベルの議論はほとんどございませんでした。むしろ、それぞれのタイプがどういうところが得意だからどういうことが起きるという議論はあったのですけれども、これは尊厳とか、プライバシーとかという面でどうかという議論は一切というか、ほぼ議論するテーブルはなかったです。
○松田委員長 これは多分介護のほうも、病院機能評価の仕組みに準ずる形で、今後、機能評価をやっていくことになると思うのですけれども、そうすると、必ず問題になってくるところだと思うのです。特に老人介護福祉施設とグループホームとかは生活施設という位置づけになるので、プライバシーをどのように保障するかというのは多分、介護の質と介護ロボットの兼ね合いのところですごく問題になってくると思うので、やはりセンサー型、バイタル型になるのかなとは思うのですけれども、これはまた、開発する側のほうと少し話し合っていただけたらと思います。
 ただ、今回のデータを見ると、これを導入することによって、直接的なケアのほうに時間が割けるようになっているということで、かなりいい結果が出ているとは思うのですけれども、何か御意見等ございますでしょうか。
 田中先生、お願いします。
○田中委員 広い意味のロボットは、生産性向上の意味でも非常に期待されていますので、これをプライバシーの問題とかを別として、さらに広めるためには、制度上、報酬上、どういうことをしたらいいか、この票をまとめた上で、どんな感想を持たれたのですか。
○藤井委員 私はサブ的な役割ですので、あれなのですけれども、一番議論に出ましたのは、今、委員長の御指摘があった、やはり結構思ったより効果が明確に出るというところで議論が集中しまして、なぜだろうかということで、そもそも、単に入れるだけではなくて、業務のあり方そのものをかなり変えなくてはいけないと。したがって、ちょっとだけ入れたところは余り効果がないといいますか、今後も入れたいと思っていないという結果が3ページとかに出ていると思いますけれども、やはりある程度以上入れて、業務のあり方そのものを変えることによって、生産性の向上が図れるのではないか。
 そうしますと、これは今、夜だけ着目しているのですけれども、昼間もケアのあり方は変わっているのではないかと。そして、前向きな意見としては、やはり個別に関われる時間が増えているのではないかといったような話もありましたので、単に見守りの時間が減らせて業務改善というよりは、ケアの質がいい意味で改善、もちろん委員長がおっしゃったような尊厳とか、プライバシーの問題を秘めつつも、それもあるのではないかというような議論は出ております。次年度以降、これをやるのであれば、そういった点にも着目すべきかなと思います。
○松田委員長 ありがとうございました。
 今村委員、お願いします。
○今村委員 12ページのタイムスタディーの調査結果の中で、時間が短くなった一番大きな要素としては、排せつ介助・支援が一番時間を占めているのですけれども、見守りの直接の時間短縮のつながる部分が分かりにくいのです。具体的にはどういうところが項目としてここに含まれているから短くなるのでしょうか。
○藤井委員 先生のおっしゃっているのは図表27ですか。
○今村委員 図表28の排せつ介助・支援の未導入と導入フロアの差が137分と91分という、これが多分主たる差だと思うのですけれども。
○藤井委員 これは実証されたというよりは、一応議論されたというレベルの話なのですけれども、現に本当に排せつが必要な状況であるか、そうでないかという見極めがこのセンサーといいますか、それによって分かるようになりまして、的確にお連れできるという部分で、お連れしたのだけれども、結局してくれなかったとか、帰ってしまったとかという、言ってみれば、空振りが少なくなっているような意見は出ておりました。
○今村委員 逆に、空振りが40分ぐらいあるということなのでしょうか。
○藤井委員 そこら辺になると、そもそも本当にこんなに効果があるのかというのが最後まで、皆さんの霧が晴れたわけではないので、これはもうちょっときちんとしたタイムスタディーとかをしていかないと、そして、ケアのあり方を変えたのが何なのかというのがないと、少しデータの解釈もできていないと。こういうことがあるのではないかといったような仮説というか、その手前のリサーチクエスチョンみたいなものが生まれた段階ですので、どうやら結構効果があるらしいということが見えてきましたので、何でだろうかということを、逆に実証から、量的なものから質的なものに帰らなくてはいけない段階なのかなと思っております。
○松田委員長 いかがでしょうか。
 粟田委員、どうぞ。
○粟田委員 これも藤井先生に聞いていいのかどうかよく分からないのですけれども、3ページの図表5で、明らかに施設類型ごとにロボットの配置状況が違うというので、この認知症対応型共同生活介護を一番よく使われていて、介護老人保健施設等々では余り使われていないです。これはまた憶測になるのかもしれないですけれども、なぜこの認知症対応型共同生活介護でよく配置されているのか。ちょっと先生のお考えを。
○藤井委員 これは%の数字でもありますので、恐らく、ちょっと入れてみようかという話になったときに、何台か入れるという%の出方もあるのではないかと思います。
 それから、やはり認知症の方が、どのように行動されるかと思ったのだけれども、こうでという、部屋まで行っての空振り等々がありますし、それから、グループホームは全部個室ですので、余計に個室見守りが個別になるのでというのが、この%の理由ではないかと私は解釈したのですけれども、議論には出ておりませんでした。
○粟田委員 ありがとうございます。
○松田委員長 ほかはいかがでしょうか。
 これは画像データとか、デジタルのデータが収集されていて、それを分析できるとすごく面白いと思うのです。多分、先ほどのモニタリングの話も交通事故と一緒で、イベントが起こったときに振り返ってそこだけ見せることができるようになると、すごく面白いなと思うのですけれども、そういう意味で、せっかく集めている画像とか、デジタルのデータをさらに分析できるような枠組みにしていただけると面白いのかなと思います。また、そういうことも少し検討していただけたらと思います。
○藤井委員 それに値するのだということが分かったのが今回の研究といいますか、単純に見守る時間が減るのではないかというところのスタート点があったように思うのです。そうでなくて、それ以上のものが何やらあるらしいと。現場で声を聞いても、そういった先生のまさにおっしゃったようなことがあって、であれば、先生のおっしゃったようなことが可能ではないかということではないかと思います。
○松田委員長 機械学習系の方が入ると面白いと思うので、次回、そういう研究者の方も入れていただいてやっていただくと、より面白い研究ができるのではないかと思います。
 続きまして、訪問看護サービス及び看多機のサービスのあり方に関する研究について、お願いします。いかがでしょうか。
 田中先生、お願いします。
○田中委員 最後の9ページの死亡についてお聞きします。図表23、図表24で死亡場所の統計が載っています。これは訪看にしても看多機にしても、いわば最後まで見た人がどこで亡くなったかの統計であって、途中でやめてしまった、例えば途中で別な病院に移ってしまったとか、特養に入ってしまった人は除かれるわけですよね。
 訪看や看多機がサービス提供を通じて見ていた人のうち、死亡までいった割合、死亡のところまでずっとその事業所が見ていた割合は取れないのでしょうか。
○松田委員長 井上先生、お願いします。
○井上委員 ありがとうございます。
 今ある調査票の中でそれが取れるかどうかということですよね。今の利用者数を取っていて、そして、この期間の死亡の方を取っているので、利用者数に占める、利用者宅での死亡というのは取れると思うのですけれども、母数がそもそも微妙に違っていると思うのです。だから、ちょっと正確なデータにはならないかなと思って、今、聞いていました。
○田中委員 今回、データの関係で取れないなら、それは仕方ないけれども、意味としては、せっかく看多機や訪看で見ていたのに、最後までずっと見られたところと離脱しまったところが分かると、効果がより明らかになるかなと思ったのですが、今回、データで無理ならば、それはやむを得ませんので。
○井上委員 次回ですね。利用している方の終了の経緯を取らなければいけないということですね。ありがとうございます。
○松田委員長 ありがとうございました。非常に重要な視点だと思います。
 仮にその病院で亡くなった、あるいは診療所で亡くなったとしても、実は直前に病院に行っている人と、1カ月前から病院に行っている人で全然意味合いが違ってきてしまうので、実際に最後の場面は病院、診療所という方が結構いらっしゃるので、そういう中の期間のことも含めて、看多機とか訪問看護の効果が見られるといいなと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 藤井委員、お願いします。
○藤井委員 福井先生がいらっしゃるときにお聞きできたほうがよかったのですけれども、訪問看護の場合は末期に特化したところであったりとか、精神、小児とか、ある種のクラスターみたいなものが出来上がってきているように思うのですけれども、看多機がそういうクラスターみたいなものがあるのかというのが1点の質問。訪問看護ステーションの場合は、福井先生などもずっとおやりになって、そういうクラスターがあるという前提で方針も出来上がってきているように思うので、そういう質問なのです。
 もう一点、今の田中委員の質問の延長といいますか、今回、老健と定期巡回で家族の状況のデータを取っておられて、定期巡回が非常に独居世帯を支えていると、老健は介護力がある御家族の特に超強化型です。それのレスパイトを支えているという図が明確に分かったのですけれども、看多機とか訪問看護は今回、御家族の状況を取られておりましたかというのが、質問の2番目です。
○井上委員 後ろの参考資料にアンケート票がそもそもあるので、そこを見て、ちょっと確認をしてお答えをしたいと思いますが、次の質問に行っていただいていいですか。確認をします。
○松田委員長 ほかはいかがでしょうか。
 世帯構成は一応取っていますね。利用者票のところに世帯構成があります。参考資料6-4です。
○藤井委員 介護保険は当初から、家族介護をどう頼るかという話があるのですけれども、定期巡回のように明らかに独居の方でも支えているというのが見えてきている段階であれば、こういう家族構成も掲載する余地があれば、ぜひ載せていただければと思います。
○井上委員 分かりました。ありがとうございます。
○松田委員長 ありがとうございます。非常に重要な視点だと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 今村委員、お願いします。
○今村委員 4ページの図表9の訪問回数の訪問看護ステーションと病院の診療所の比較の図で、印象として、この医療保険による訪問の率が少ないように思うのです。結構医療保険で行っておられると思います。その上で、その1個上の図表9のほうで言うと、これは1事業所当たりの病院のほうの平均利用実数は12人と4人なので、3対1ぐらいなのですけれども、こちら側の図表10のほうを見ると、3対1のようには見えない。
 すると、この医療保険のみの利用者のほうには、介護保険の認定者が含まれていない数が含まれているものとして計算されているものなのか。それか、図表10のほうの医療保険の利用者数が少なくなってしまっているのか、これはどちらかというのは、質問としてちょっと踏み込み過ぎですか。図表10のほうの回数が思ったより少ないなと思ったので。
○井上委員 ありがとうございます。
 図表9が介護保険の利用者とか医療保険のみの利用者になっているのに、図表10が介護保険による訪問と医療保険による訪問となっているので、そこがちょっと比較も含めておかしいのではないかということですかね。表現の方法とか。
○今村委員 そうですね。
○井上委員 上と下で、下のものは医療保険のみのものを出しているわけではないのでということですよね。
○今村委員 そうなのではないかな。
○井上委員 分かりました。ちょっとデータに当たります。ありがとうございます。
○松田委員長 これは御確認のほうをお願いいたします。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。また後で戻りたいと思います。
 続きまして、福祉用具貸与の価格の適正化に関する調査研究事業につきまして、御質問等をお願いします。いかがでしょうか。
 今村委員、お願いします。
○今村委員 私ばかり済みません。
 8ページに、今回の福祉用具貸与の経営への影響ということで、今回、営業利益は6.8から6.3に変わったという部分を、先ほど説明の中で、福祉用具の貸与の影響としてこれがあったと聞こえたのですけれども、この経営の指標は全体の数ですよね。別に福祉用具だけで、この利益率が変わったわけではないと思うのですけれども、ただ、上の福祉用具の仕入れ価格のレンタルの支払額の部分はその分下がっているので、きれいにそこは一致しているのですけれども、これが全体の影響と言い切るのはちょっと危険だとは思うのです。
 この数字の出し方と読み方のところで、少なくともこの介護事業所の経営全体はこれで左右されるような話ではないように思うのですけれども、これがそれだけ実感として影響があった話なのかというのは、分かる範囲で。
○藤井委員 ここで影響があり得るとすれば、上限価格が設定されたがゆえに、収入が減ってくるはずだということが1点と、それから、パンフレット等を刷り直したりとか、説明をケアマネにしたりとかということで、かなり現場では残業が増えたりとか、人件費が増えたということがございます。ですから、収入も減ってコストも増えているので、経営の影響があるだろうということです。
 ただ、これは営業利益で6.8と出していますけれども、分母が福祉用具貸与の請求額のみなのですけれども、福祉用具事業所ですと、当然のことながら介護保険以外のものであるとか、あるいは介護保険でも販売しているものであるとか、そういうものが分母に含まれますので、この6.8から6.3というほどは変わっていないのだろうと。
 ただし、介護事業経営実態調査でも別途、nは少ないのですけれども、やはり若干悪化はしておりますので、若干影響があったのかなと。現場ではやはり大変だったという声を聞くのが、数字になると、そこまでは出ていないのだなという感じの数字として、議論して捉えております。
○今村委員 これは経営上の利益率の0.2、0.3%の差というのは、普通偶然出てくるものだと思うのです。その上で現場の感覚と合わせて解釈するべきものだと思うので、そういう解釈をされているということであれば、大丈夫だと思います。
○松田委員長 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 上の委員会でもよく出ることで、ちょっとこれと関係があるようなないような話ですけれども、そもそも福祉用具の価格というものが、介護における効果との見合いできちんと評価されているかということは、常に議論があります。そういう視点からの福祉用具貸与価格の適正化の研究も必要なのかなと個人的にはちょっと思っています。
 今、少し分析して見ているのですけれども、下肢関節障害があって、要するに、歩行に関連するような福祉用具貸与が必要な人がいて、これを認知症がある人とない方で比較すると、圧倒的に認知症を持っている方は、福祉用具の貸与はされていないのです。
転倒のリスク要因として、認知症というのはかなり大きな要因なので、分析をするときに僕が思った仮説は、下肢関節障害があって認知症がある方は、多く福祉用具貸与をされているのではないかと思って分析したのですけれども、全く逆の結果が出てしまっていて、これが何なのかなと、今、すごく気になっているのです。
 いろいろと個人的にヒアリングをしてみると、説明が大変だとか、正しく使えないとか、いろいろなところがあるのですけれども、でも、やはり本来、福祉用具貸与はそういうものだろうと思うので、結局、徘徊感知機器なみたいなものは、当たり前ですけれども、やはり明らかに認知症の方ですごく増えるのです。
 そういう意味では、福祉用具の価格の適正化に関する調査研究事業の中では、やはり福祉用具の効果という視点からの研究も追加していただけるといいなと思っております。
 藤井委員、どうぞ。
○藤井委員 これは、もともとの大臣の折衝では、毎年上限をやるということで、昨年度は消費税の関係もありましたのですけれども、今年もやるのか、やらないのか、それ以降もやるのか、やらないのかということがありまして、来年度もこの研究をやるということを聞いておりまして、委員の中では、一番重要なのが次の段階として、松田委員長のおっしゃっている本当に適切に提供されているか、ある程度の身体の状況に応じて、この商品が提供されているかという仮説は幾つか出せるので、その辺りを見てみたいという話が出ております。
 福祉用具の場合は、ほかと違いまして自由価格であることと、質に関するあらゆる加算が設定されておりませんので、より高い価格が設定されていることは、本来ソフト部分のフィッティングであるとか、アセスメントがきちんとされると価格が乗るので、そういう適切なことが起きているであろうかとか、そういったことを確認することが、来年度は一つ必要かな。
 ちなみにもう一つは、4ページにありますような、要は、上限ができますので、これが事実上の価格になるのではないかと。4ページにあります図は、上限が設定されたことによって価格を上げているところがあるかどうかを見たのですが、これを見ますと、全部変化なしなのです。ところが、補助的に探索的に幾つかやりますと、今、貸しているものが、上限が設定されたからといって、一気に上限には持ってこられませんので、新たにできた事業所であるとか、あるいは新たにその商品を貸した事業所だけ取りますと、明らかに上限に近い値が設定されております。
 したがって、この上限価格を設定すると、上限が参考値といいますか、事実上の価格になって、むしろ財政効果がマイナスになる可能性も示唆されていまして、この点をちょっと探索的に分析したほうがいいだろうなということで、この2つが大きな柱として次年度やろうかという話をしております。
○松田委員長 ぜひよろしくお願いします。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。また最後に全体に戻ります。
 次に、定期巡回・随時対応型訪問介護事業につきましてお願いいたします。
 いかがでしょうか。
 徐々にサービス提供量が増えてきていて、特に重介護者の独居の方に関しては、かなり不可欠なサービスになってきていると思います。
 粟田委員、お願いします。
○粟田委員 これは今、松田先生が御指摘されましたように独居の方が非常に多い。特に日中独居も入れれば、9割ぐらいが独居ということになりますので、独居の方の大変重要なサービスだと思うのですけれども、要介護度別の分布を見ると、要介護が低い人が相対的に多いのです。恐らくこれは独居できることが相対的に要介護は低い人が多いということだと思うのです。
 あと、もう一つは、このサービスを利用している人のかなりの部分が認知症の方だと思うのです。認知症で独り暮らしができる程度の人が、このサービスを使って多分何とかぎりぎり暮らしているのではないかということは推測されるのですけれども、これは今、調査票を見たら、認知症高齢者の日常生活自立度とかは調べられてなかったので、できたらそういったデータも調べていただきたい。
先ほど訪看のところで藤井先生が御質問されましたけれども、世帯構成がどうかということで、以前にお話が出たかと思うのですけれども、いろいろなサービス間で、例えばそういう基本データは比べて見られるように質問項目で統一しましょうという話があった。あちらは認知症高齢者の日常生活自立度も出ていたので、この話は前から出ていることなのですけれども。ぜひ、基礎データが何か一緒に調べられるような項目立てを、今後、また改めて検討していただければと思います。
○松田委員長 ありがとうございました。
 その視点で少し追加分析等、また来年度の研究に反映させていただけたらと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 藤井委員、お願いします。
○藤井委員 3ページですが、ちょっと見方が間違っているのかもしれないのですが、図表2、3、4とありまして、2が全体で、3が同一建物減算対象外、4が対象になっているのです。下のnを見ると、274、355というのは、これは全部一緒なのですけれども、これは一緒にならないのではないかと思うのです。どのようにすると一緒になるのかということをお聞きしたい。
 それから、図表5、6で、先ほど粟田先生も御指摘の部分なのですが、同一建物減算が加わっているようなサ高住であれば独居は当たり前なので、同一建物減算か、そうでないかで、この利用者の状況を見ていただく図が必要かなと思います。いかがでしょうか。
○井上委員 ありがとうございます。
 まず、今の図表5の日中独居の割合をその方の居住場所とで分けるというお話ですね。データとしては取れているので、クロスをして本文のほうに載せたいと思っています。
 それと、図表2、3、4のn値の違いのところですね。これはその事業所の中で、全員が同一建物減算の対象という場合と、一部がそうだという場合があるので、その部分を含めたとき、全員が同一建物減算対象だ、あるいは全員が同一建物減算対象外だと考えたときには、確かにこのn値はおかしくなってくるので、そこはちょっと精査をして、もう一度確認をします。
○松田委員長 ありがとうございました。
 川越委員、どうぞ。
○川越委員 スライド8枚目の合同開催の点について、伺います。ケアマネジャーが行うサービス担当者会議など、様々な多職種会議があるのですが、その会議のハンドリングが非常に重要ではないかと思っています。情報やノウハウの共有といったときの、何に対する情報であったり、何に対するノウハウであったりというのが、委員会の中で意見として出てきたものがあれば、教えていただけないかと思います。
○井上委員 ありがとうございます。
 まず、情報やノウハウの共有といった場合には、ケアマネジャーとかに利用の周知を図る場合のやり方をどのように共有していくのかというようなことが、随分と話題には出ていたとなっています。
○川越委員 目的や目標を共有した上でそれぞれの役割分担を図るというのが、本来の流れかと思いますが、どちらかというと、やはり手段のところだったり、方法論のところに関心があって、その情報をもらえたから、自分の介入がしやすくなったりという感じでの共有が図られている感じなのでしょうか。
○井上委員 難しい質問なのですけれども、まず、今言った手段のほうが、意見としてはたくさん出ていたのは事実です。一方で、今先生がおっしゃったような目標の共有というところまでおっしゃる事業所も当然あるという感じです。ありがとうございます。
○松田委員長 ほかいかがでしょうか。
 堀田委員、お願いします。
○堀田委員 これは調査票の中にはないのかもしれないのですけれども、定期巡回の、確かに最初に松田委員長がおっしゃったように、請求事業所も増えてきていると思うものの、全国的な広がりという意味ではまだまだというところもあるのだろうなという認識だと思います。そういう中で今回、その委員会の中で、よりこの定期巡回・随時対応の事業を、このサービスを広げていくための課題みたいなこと、あるいはもう少し、今回も運営しやすいしやすいようにと行われた改定だったと思うのですけれども、さらに期待されていることなり、課題なりということの議論が、もしあったら教えていただければと思います。
○井上委員 ありがとうございます。
 今回の委員会というよりも、その前年のときに老健事業でやっていたときなのですけれども、他のサービスに比べて、経営をハンドリングするのが、やはり難しいところがあって、それのノウハウなどをちゃんとまとめなくてはいけないということが議論になっていました。
 例えば、重度の方がたくさんいる場合と、軽度の方がいる場合、あとそのばらつきがいいような場合というときでは、結果の中ではばらつきがいいほうが、結局経営的には安定しているというデータも出てきたりしているのです。
 あと、利用者の数が一定程度増えると、当然職員を雇わなくてはいけなくなる。でも、職員を1人雇うと、利用者がまた一定程度まで増えない限り、要は、収支が不安定な部分が出てくるというのがあって、そういう辺りもきちんと提示していくことが大事だよねということが、議論としては出ていました。ありがとうございます。
○松田委員長 ありがとうございました。
 藤井委員、お願いします。
○藤井委員 11ページの図表29です。先ほど来出ています横串で重要な、どこでお亡くなりになるかという話に関連することなのですが、図表29が、これは上の解説を見ますと、1事業所当たりの看取り件数に変化はないがということになっているのですが、これはどこを見れば変化がないと読めるのかという点と、この折れ線グラフが、要は、1事業所当たりの人数ということで、右軸を見ればいいのですか。多分この説明だけでは分からないと思うので、ちょっと補足して御説明いただきたいのと、そもそも調査票を見ましたら、サービスを終了した母数は、今回取っておられなかったのですね。したがって、看取りまでやった割合が何%という数字は出せないということでよろしいですか。
○井上委員 最初から最後までという意味ですよね。
○藤井委員 最初はいいのですけれども、最後まで。
○井上委員 死亡した人についてのデータを取っているので、そこのところはちょっと見られていないです。
 先ほどの図表の29の見方なのですけれども、まず、折れ線のほうが右のものになっていて、0.3と0.2という数字があると思うのですけれども、1事業所当たり看取りをした件数、死亡を理由にサービスを終了した利用者数が、0.2から0.3になって、ほとんど変わりがありませんというのが、変化はないという意味になっています。
○藤井委員 0.2から0.3になると結構大きな変化だと思うのです。
○井上委員 1事業所当たりというところですか。
○藤井委員 はい。
○井上委員 分かりました。そこは小数点以下まで確認をします。
 それで、68から87というのが、事業所数がそもそも286から355に増えているのですけれども、その中で死亡利用にサービスを利用した利用者数が68から87となっていますというのが、このグラフがコメントしていることになります。
○藤井委員 総人数ということですね。
○井上委員 総人数です。
○藤井委員 総人数を入れる意味はあるのですか。286と355は、事業所が同じ事業所ではないですよね。
○井上委員 分かりました。そこは検討して修正を考えます。ありがとうございます。
○松田委員長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 ちょっと私のほうから、4ページのところで、そもそも論の話になってしまうのですけれども、同一建物減算対象外と対象と比べてみると、1人当たりの平均提供回数が圧倒的に同一建物減算対象のほうが多いわけですけれども、本来は、こういうサービスは状態像に応じて提供されるべきものだろうと思うのですが、減算対象外と減算対象のところで、状態像に何か要介護度で見えないような大きな差があるものなのでしょうか。
○井上委員 ありがとうございます。
 その点は委員会でも議論になりまして、委員長がお示しいただいた今の4ページの1人当たりの提供回数、あるいは6ページのコールの回数も、同一建物減算対象外とそうでないのとで、全く様相が違っているということで、これだけ違っているのに同じサービスと考えることがそもそもいいのだろうかということが議論になりました。
 もともと同一建物減算の場合は、主としてサービス付き高齢者向け住宅だったり、住宅型有料老人ホームになっていますので、そこで職員が実質的に建物に張りつく形で支援をしていますので、一種、施設的なサービスを受けているような感覚に利用者のほうはなるわけです。だから、当然コールをやれば、すぐ来てくれるという感覚でなっていたりしますので、提供する側としては同じ定期巡回となっていますけれども、受け手の側の意識は違っているのではないかということが、やはり何度も議論になりました。
○松田委員長 その辺の利用者の側からの何か調査みたいなのがあるといいなと思いますので、次回お願いいたします。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 最後ですけれども、医療提供を目的とした介護保険施設におけるサービス提供実態等に関する調査つきまして、御意見、御質問がありましたら、お願いいたします。
 大体予想どおりの結果が出ていると思うのですが、いかがですか。
 田中先生、お願いします。
○田中委員 老健のほうは確かに予想どおりと私も感じましたが、介護医療院のほうです。
 11ページの図表39から43、どのぐらい介護医療院としての独自の取組をしているかの回答を見ると、期待より低いです。介護医療院は生活施設としての側面を持ってせっかく造らせたわけですから、39から43までもっと多いと期待したのですが、まだ思ったよりも少ないというのが感想です。これは別に統計調査のせいではなくて、実態がそうなのですね。
 これと、調査の観点からすると、12ページの図表47に開設を決めた理由があります。この中の、特に一番上の理念に共鳴したところでは、こういう数値が高いとか、理念に共鳴したのではなく、何となく報酬に魅力を感じたから、しようがないから移ったというところとで、前のページの生活施設としての取組の差があるかどうかをクロス集計ができませんか。
○今村委員 一度、それは検討してみたいと思います。
 理念に共鳴した数が少なかったなというのは、私も実感として感じているところですので、そこに差が出るかどうかは、追加分析としてはぜひやりたいと思います。
○松田委員長 ほかはいかがでしょうか。
 川越委員、お願いします。
○川越委員 1点教えていただきたいのですけれども、超強化型の老健施設が、在宅率も非常に高くて回転率も高いのにもかかわらず、要介護4・5の方の割合も高くて、そして、喀痰吸引をやっている施設が増えている、過去の調査では看取りも結構行われているという結果になっていたかと思います。そうした事業所は、なぜ、他の老健に比べて実施ができているのか。例えば、リハ職の配置率が高いなどのストラクチャー上の特徴や、運営的な側面での特徴があるのかについて分かる範囲で教えていただければと思います。
○今村委員 総じて強化型のほうはマンパワーも投入されていますし、施設としても充実しているので、早く帰すことを目的に、人も、機械も、周りの支援体制もできているので、その努力によって今回の調査の結果でもはっきりと差が出てきているのだと思います。割ときれいに差が出たので、今やればできることがよく分かったということだと思います。
○松田委員長 これは、例えば肺炎などの治療も超強化型のほうがかなりやれているというのは、そういうデータが出ていましたか。
○今村委員 そうです。
○松田委員長 分かりました。
 ほかにいかがでしょうか。
 藤井委員、お願いします。
○藤井委員 13ページのACPについての項目なのですが、取り組んでいる、取り組んでいないが、ほぼ拮抗している数になっていると思うのですけれども、図表51で、それぞれ取り組んでいる、取り組んでいないで困難なことを挙げていただいておりまして、取り組んでおられないところは、大きく差があるのは「事業所としてACPの取組に関する方針・指針がないこと」「ACPとして取り組む内容に関する職員の理解不足」というところで、先ほど田中先生がおっしゃったような、少し残念な感じがするような結果なのです。
 そうしますと、これはACPだけで決められるわけではないのですけれども、半分ぐらい報酬の魅力等で、半分ぐらいは介護医療院という新しいコンセプトをどうつくっていくかというようなイメージで捉えたくなるのですけれども、そのようになっているデータなのか、それとも、もうちょっとスペクトラムがあるのか、どんな感じの印象をお持ちでしょうか。
○今村委員 極めてストライクな質問をありがとうございます。
 これは一番もめたところで、これはおかしいのではなくて、ACPの定義そのものに問題があるのです。ACPをここでわざわざ定義を書いたのは、本人の同意を得てというのがACPの定義になっているので、介護医療院に入られる前に、既に本人の同意が取れなくなっている方が大半だということが最大の問題です。この定義でACPを聞いてしまった以上、ACPをやっていない人が半分以上を占めるというのが前提に立ってしまうのです。
 では、看取りをやっていないのかといったら、看取りは当然やっている。ナチュラルコースで、何もせずにという人も多くを占めている。ただ、この調査結果は、ACPを本人の同意を得てという前提で取ってしまったので、その前提は取られていないからACPではないと整理されてしまっている。
 すると、介護医療院は、今、公式な定義でのACPはできない施設になってしまっていて、でも、それはやっていないという意味ではなくて、今の本人の同意を得るというのは、この介護医療院に来る前の話として、やってもらわなければいけないよねと整理をしなければいけないと、委員会の議論としてはそうなったのですけれども、それは世間には分かりにくいですよねというのが今の状況でして、あえてここに定義を入れることで、ここの結果の表し方としては、そういう表現を使ったという経緯があります。
○松田委員長 よろしいですか。
 多分、ACPだけではなくて、ADとか、ほかのところも聞かれたほうがいいのかもしれないですね。
○今村委員 これは結果が出てから、なぜこんな結果になったのかと追いかけていくと、そこに問題があったという、ACPを調べるのが本来の趣旨ではあったのですけれども、それだけ聞いていると、このように見えるということだと思います。
○松田委員長 特にこういう施設の場合には、代理人をどうするかという議論もやらないといけないと思うので、あとは繰り返してやっているかとか、ACPはACPで調査票をもう少し作り込んだほうがよろしいかもしれないですね。
○今村委員 前回の調査で全体に看取りをやっていないという結果が出ていたのです。病院は基本的に看取りをするところだから看取りを意識していないということであって、では、今回はACPをやっているかどうか聞こうということで聞いたら、ACPの定義が病院に入る以前の問題だったということで、もうワンステップ踏み込んで、やはり調査していかないと、介護医療院での看取りの実態は分かりにくいことが分かった状況だと思います。
○松田委員長 非常に重要な、特に介護医療院は今、これをやられていますけれども。ほかの2施設です。老健と特養は、やはりぜひやられたほうがいいのかなと思っています。
 ちょっと余計な話になりますけれども、DPCのデータの中に、介護施設からの搬送があるのです。全国の集計で見てみると、2%ぐらいに静脈性不整脈、いわゆる心停止で介護施設から運ばれている方がいらっしゃいます。そういう方の死亡率が大体6割ぐらい。24時間以内の死亡率が大体50%以上なのです。多分、ほとんどの方が施設で亡くなっているけれども、運ばれてきている。でも、そこで蘇生を受ける。余り最後の終末期としては望ましい形態ではないのかなと思っています。
 そうすると、その前のところのACPのあり方とかが、やはり非常に重要になってくると思うので、そういう意味で、そういうところの検証も少ししていただけるといいなと思います。よろしくお願いします。
 ほかはいかがでしょうか。
 藤井委員、お願いします。
○藤井委員 先ほどの田中先生に続く話なのですけれども、14ページでございますが、ここの図表59で、日中の平均的なベッド離床時間ということが書いてございます。全体を見る限り、360というのは入所者のnになっているのだと思うのですけれども、0から2が64%と非常に多いと思うのです。これは結構本当に短いなと。これの0がどれぐらいいるのか分かるように取っておられるかということと、それから、離床が短くてもやむを得ない方もいらっしゃると思うのです。それを分析することは可能なのだろうかというところは、いかがでございましょうか。
○今村委員 ゼロが多かった記憶があります。ゼロだけをできるかどうかというのは取っていません。基本的に、委員会の議論の中では寝たきりだから外に出せないというか、離床をほとんどできないという前提で、トイレのときだけ横に行くとかという人のことをいっているのだろうと理解していたのですけれども、その部分がこれだけ多く占めているという結果になっているのではないか。
○藤井委員 ゼロは分けられるということですか。
○今村委員 分けられないです。
○藤井委員 分かりました。
○松田委員長 ほかはいかがでしょうか。
 調査票の傷病のところなのですけれども、今、やはり高齢者が増えてきて、心不全と呼吸不全とか、特に心不全とかがすごく増えてきているので、単純に心臓病というよりも、心不全みたいなものが分離できるほうがいいのかなと思いますので、来年度も多分同じような調査をされると思うのですけれども、傷病のところの分析を少しやりやすいようにしていただけるといいのかなと思うのです。
何でこんなこと言っているかというと、介護施設から急性期病院に運ばれる上位疾患は大体肺炎と誤嚥性肺炎で25%です。その後に心不全、脳卒中、骨折と上がってくるので、そういうところにもつながった分析ができるようにしていただいたほうが、いろいろな政策の検討をするとき、連携の話をするときにいいと思いますので、ちょっと傷病の取り方も少し検討していただけたらと思います。
○今村委員 傷病の取り方は、なかなか難しいところがあって、ほかの調査票とできるだけ傷病の取り方を合わせようという議論が、今までも何回かあったと思うのです。そのときに、国民生活基礎調査の調査票をベースに、何個かそれを付け加える形で、これができていたと思うのです。心臓病も心不全というのを取る、取らないというのも、当時は一遍議論をして、心不全の定義そのものがなかなか難しいというのがあって、触らずに、この心臓病というのがまだ生き残っているという状況なのだということです。
 ここで出てくる心臓病は、ほとんど心不全なのだろうというのは想像がつくのですけれども、なかなかその病名の整理は、ここで特出しをすると、ほかとの比較ができなくなるという問題があって、簡単に解決ができないのです。
○松田委員長 これは厚生労働省がやっているほかの統計にも全部はね返ってくる話であって、社会保険表章用のものも、あれもやはり心不全が全部その他の心疾患に入っているのです。やはりそろそろ、この高齢社会の中で病気の情報の取り方というのを1回ちょっと見直したほうがいいのかなと思います。ちょっと余計な話ですけれども、今回、このデータを見せていただいて思いました。
 ほかは何かございますでしょうか。よろしいですか。
 では、今まで7つの調査の結果を見ていただきましたけれども、全体を通して何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 藤井委員、お願いします。
○藤井委員 それぞれの図表の母数の書き方なのですけれども、nイコールというのもあれば、回収数というのもあれば、回答数というのもありまして、回収数というのは、ちなみに私のやったところなのですけれども。回収数は明らかに間違っていますので、いずれにせよ、これも統一していただいて、nイコールにしていただくとともに、複数調査票がある場合には、これが何票なのか分かるように、事務局のほうで統一していただいて、多分、審議会とかでも、その場でこれを見て議論されるので、見た瞬間にできる限り分かるようにしていただければと思います。
○松田委員長 ありがとうございます。貴重な御意見だと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 堀田委員、お願いします。
○堀田委員 先ほど、最後のところで話題になっていたACPの話は、実際には、拝見していると、4番の訪問看護と看多機で、それから、6番の定期巡回・随時対応でも調査票の中には入っているようで、多分、調査報告書を見て議論する人は少なくて、結果概要を見ながらの議論になると思うので、全体を通じて、もしこの人生最終段階のケアのあり方ということも、認識をそろえておきたいということであれば、結果概要の中に、必要に応じて入れておいていただいたほうがいいのではないかなと思います。
 あと、同様に、たまたま見つけたというだけですが、訪問看護ステーションの4番の調査で、業務改善とか、効率化したい中身とか、その手法みたいなことも聞いておられて、実際に今、何を取り組んでいるのかということが十分聞かれていないのかもしれないのですけれども、これも今後、特に小規模の事業所や法人が多いところで、どうやって後方支援することができるのかということを考えるときには重要な材料ではないかと思うので、必要に応じて結果概要に足していただいてはどうかと思います。
 以上です。
○松田委員長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
○川越委員 調査の1の介護サービスの質も、私が担当した機能訓練もそうですが、設定された加算の算定率が数%と、なかなか算定できない状況にあります。
 報酬の額の設定レベルも影響もあると思いますが、いずれも多職種連携を促すための仕組みですので、多くのところが取り組めるような条件を、初めにもう少し作ってあげたほうが、良いのではないかと思います。いろいろな条件をつけすぎて、逆に取りにくくなって、算定されていない状況が起こっている気がします。導入後に調査して、広げていく方法を考えるよりも、初めの入り口のところも、もう少し検討いただいた上で導入していく必要もあるのではないかと思います。少し別件の話かもしれませんが。
○松田委員長 政策効果を上げるためには、やはり目的を理解して、より積極的に取っていただくことが大事だと思うので、取れない条件の分析は本当に大事だと思います。
 実際、医療・介護の連携の加算とか、管理料とか、使用料はどのくらい取られているかという分析をしたことがあるのですけれども、取られていないのです。本当に数パーセントとか、そういうものがすごく多すぎて、一定の政策効果を狙ってそういうものを導入しているはずですので、それはやはりなぜ取られていないのかを明らかにして、取れるような変更を加えていくことは大事だと思いますので、非常に重要な視点だと思います。
 川越委員、どうぞ。
○川越委員 調査をやりながら感じたのは、法人の中に様々なサービスを持っているところだと、互いに連携を取りやすい環境があって、実際、お互いに金銭のやり取りがない形でも、ケア職とリハ職間の連携が図られている実態も見えてきました。
 一方、単独のデイサービスなどは、医療機関と連携を取るのがなかなか難しい状況にある。このように置かれている状況や環境が異なる事業所に対する方策は分けて提案してかないと、医療法人系は頑張ってできるけれど、ほかはなかなかできないという状況が起こっているのではないかと思います。
○松田委員長 やはり進めるために何が必要なのかということで、今回のコールセンターのものがまさにそれで、結構ポジティブな結果になっていると思うのですけれども、そういうものを一つ一つ増やしてったらいいのだろうなと思います。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 本日、いろいろな御意見を皆様からいただきましたけれども、この指摘、御意見等の反映につきましては、事務局のほうで1回整理していただいた後、私のほうに一任させていただきたいと思います。
 最後に、今後の流れにつきまして、事務局のほうから説明をお願いします。
○北原介護保険データ分析室長 報告書の案につきましては、今後の介護給付費分科会で結果報告を行いまして、後日、正式なものを郵送及びデータで送付させていただきます。
○松田委員長 では、ほかに御質問等がなければ、これで閉会といたしたいと思います。
 今回、コロナ騒ぎのお忙しいところ、本当にありがとうございました。ちょっと委員長が元気ないのは報告書で疲れておりまして、かなり声が小さくなっていますけれども、本当に今日はありがとうございました。これで終わりたいと思います。

                                                                                                 (了)

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