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2019年3月1日 第44回レセプト情報等の提供に関する有識者会議 議事録

保険局医療介護連携政策課保険データ企画室

○日時

平成31年3月1日(金)14:00~16:00

 

○場所

全国都市会館3階 第2会議室
(東京都千代田区平河町2-4-2)
 

○議題

        1.平成31年度DPCデータの提供審査スケジュールについて(報告)
        2.DPCデータの提供に関するガイドラインについて
        3.平成31年度第三者提供の審査スケジュールについて(報告)
        4.オンサイトリサーチセンターについて
       -以降、非公開-
        5.その他
 

○議事

 

○山本座長 定刻のほんの少し前ですけれども、構成員の先生方が全員おそろいですので、第44回「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」を開催いたします。
 構成員の皆様には、御多忙の折、お集まりいただき、大変ありがとうございます。お礼を申し上げます。
 それでは、会議に先立ちまして、本日の構成員の出欠状況について事務局から報告をお願いいたします。
○廣瀬室長 事務局でございます。
 本日の構成員の出席状況につきまして、御報告申し上げます。
 本日御欠席の構成員は、後藤構成員、宮島構成員、齋藤構成員の3名となっております。また、藤井康弘構成員が御欠席のため、新居秀夫参考人が代理出席となっております。本会議の運営規程に基づいた開催要件を満たしておりますことを御報告申し上げます。
 続きまして、参考人として御出席いただく先生が2名お見えになっておりますので、この機に御紹介させていただきます。京都大学医学部附属病院診療報酬センター、副センター長の加藤源太様です。
○加藤参考人 加藤です。どうぞよろしくお願いいたします。
○廣瀬室長 もうお一方、東京大学医学系研究科助教、松居宏樹様でございます。
○松居参考人 よろしくお願いいたします。
○廣瀬室長 続きまして、お手元の議事次第を御確認ください。議事次第は、紙、タブレット、両方で御用意しております。議事次第で1点御報告がございますのが、議事の5つ目につきまして、非公開という形で進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○山本座長 ありがとうございました。
 それでは、早速、議事に入りたいと思います。会議の開催要件を満たしているということですので、進めさせていただきます。
 なお、本日の会議はペーパーレスにて開催させていただきます。皆さんはなれていると思いますが、まずは事務局から説明をお願いいたします。
○廣瀬室長 事務局でございます。
 いつものことでございますが、厚生労働省全体の取り組みとして審議会などのペーパーレス化を進めているところでございます。これに伴いまして、本日の有識者会議につきましても、お手元のタブレットでの操作をお願いできればと思います。具体的な操作方法につきましては、お手元のカラー刷りの資料で「タブレット操作説明書」がございますので、そちらをごらんください。また、御不明な点がございましたら、随時サポートさせていただきますので、挙手やお声がけなどでお知らせいただければと思います。
 続いて、本日の会議資料について御確認をお願いいたします。
 途中で申し上げましたが、議事次第と構成員名簿、座席表の3点につきましては、お手元にホチキスどめの資料を紙でもお配りしております。そのほかの資料についてはこちらのタブレットの中に電子媒体、PDFの形で保存しておりますので、事務局からの御説明などの際には適宜タブレットの資料をお開きくださいますようお願いいたします。
 それでは、ここから議事に入ってまいりますので、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
(報道関係者退室)
○山本座長 ありがとうございます。
 ペーパーレスの件、構成員の皆様、傍聴の皆様には本趣旨に御理解と御協力のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、これより議事次第に沿って進めていきたいと思います。
 まずは、本日の議事の1つ目「平成31年度DPCデータの提供審査スケジュールについて(報告)」について事務局から説明をお願いいたします。
○堤課長補佐 事務局でございます。
 タブレットより資料1をごらんください。これは毎回出させていただいているものですが、2019年度の予定について、審査スケジュールは来年度は6月と9月の2回でお願いしたいと思っております。
 以上でございます。
○山本座長 ありがとうございます。
 何か御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、次に進みたいと思います。議事の2つ目「DPCデータの提供に関するガイドラインについて」事務局から説明をお願いいたします。
○堤課長補佐 事務局でございます。
 資料2-1をごらんください。前回の会議で御審議いただいたところですが、まず背景としまして、DPCデータの第三者提供においては、提供の申出者に対し、データを保存・利用する機器は外部ネットワークに接続しない、原則として端末を持ち出さないなどの要件を求めているところでございます。他方、DPCデータは提供の段階で、NDBの提供とは異なり、最小集計単位にのっとった集計表のみを提供しているというところがありまして、個人特定などのリスクがかなり低いものを提供させていただいています。DPCデータの活用を促進させていくために、先ほど申しましたような厳しい要件ではなくて、一定程度リーズナブルなものとしてガイドラインを修正すべきではないかということで、専門家の助言、具体的には東京医科歯科大学の伏見先生の研究班の助言をもとにガイドラインの修正を検討したところでございます。
 主な修正案ですが、大きく3点あります。後ほど実際のガイドラインを見ながら御説明させていただきますが、外部ネットワークへの接続と情報機器の持ち出しを可能にする。セキュリティ要件を緩和するとしております。それぞれについて、ただ緩和するではなくて、最低限必要な項目を新たな要件として追加させていただくということにしております。
 今後の課題として、個人保有の情報機器についてですが、外部ネットワークへの接続や情報機器の持ち出しの緩和において、個人保有の情報機器は用いないことを新たな要件として提案させていただいております。ただ、研究の現場に伺うところ、実際、組織から認証を受けた個人所有の情報機器を使用していることがかなり多いということで、今回はそこは審査上はだめということにしますが、集計表の場合の情報機器のあり方については、今後また引き続き課題として検討させていただければと思っております。
 具体的に資料2-2でガイドライン案の変更案を御説明させていただきます。15ページから29ページに審査内容について記載がございまして、そこの一部を修正しております。
 初めに、17ページを御確認いただきたいのですが、青マーカーが引いてあるのが、今回、ガイドラインで集計表の提供に際しては審査の対象から除外する。要件を緩和する。黄色マーカーをつけているところが新たに審査の対象に追加するというところで準備しています。具体的に簡単に説明させていただきますが、1点目、DPCデータを複写した情報システムの利用、管理、保管する場所は、原則あらかじめ申し出られた施錠可能な物理的スペースに限定されており、原則として持ち出されないこと、複写した情報システムは外部ネットワークに接続しないこと、この2つは要件として緩和したい。ただ、個人保有の情報機器へのDPCデータの複写・保存を行わないこと、利用・管理・保管においても個人保有の情報機器を用いないことを設定しております。
 17ページから18ページにかけてですが、情報セキュリティマネジメントシステムの実践については、今回の集計表の提供に関しては求めないということで考えております。
 18ページ、黄色の部分ですが、個人情報が参照可能な場所においては来訪者の記録・識別、入退を制限する等の入退管理を定めることと、個人情報の取り扱いを委託する場合は、委託契約において安全管理に関する条項を含めることを体制としては求めるということで設定しております。
 19ページですが、清掃等の直接情報システムにアクセスしない作業の場合においても作業後の定期的なチェックを行うこと、個人情報保護方針の中で把握した情報種別ごとに破棄の手順を定めること、手順には破棄を行う条件、破棄を行うことができる従業者の特定、具体的な破棄の方法を含めることというところも削除します。
 DPCデータの利用に際し具備すべき条件として、DPCデータの保存場所の施錠、利用者以外の者の無断立ち入りを防ぐ対策を講じることなどについては、削除します。
 20ページですが、DPCデータが存在するPC等の重要な機器に盗難防止用のチェーンを設置することも削除します。
 ただ、窃視防止の対策を実施するとか、長時間離席する場合のクリアスクリーン等の防止策を講じるということは新たな要件として求めたいと思っております。
 21ページです。これは先ほど申しましたが、DPCデータの保存・利用に際しては、インターネット等の外部ネットワークに接続した情報システムを使用しないことと、その下は、もともと外部ネットワークに接続しない際に求めた条件ですので、こちらも削除するということで考えております。
 27ページですが、インターネット等の外部ネットワークに接続する場合及びDPCデータを複写・保存した情報機器を持ち出す場合は以下の要件を追加したいと思っております。ネットワーク経路でのメッセージ挿入やウイルス等による改ざん等を防止する対策を行うこと、ネットワーク機器は安全性が確認できる機器を利用すること、ファイアウォールやアクセス監視等の技術を用いて内部のシステムに不正な侵入等が起こらないような対策を講じることを新たな要件として求めたいと思っています。
 具体的な修正案は以上でございます。
 事務局からは以上です。
○山本座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま事務局から御提案がありましたDPCデータ提供に関するガイドラインの修正ですが、御意見、御質問がありましたらよろしくお願いいたします。
 もともとDPCの提供の場合は集計表しか提供しないということになっていて、なおかつその集計表は最小集計単位を満たしたものとするということで、このオリジナルのガイドラインも実は伏見先生のところに作業をお願いして、我々がアプルーブしたということになります。集計表にしてはちょっと厳し過ぎるのではないかという御意見があって、提供もそれほど伸びていないということもありますので、そういう意味で、使いやすさを考慮して修正しようということなのですが、いかがでしょうか。
 最初に事務局から御説明がありましたように、そもそもこのガイドラインのまとめに協力をいただいた伏見先生を初め、この研究班の方々の御了承は得ているということですが、何か御意見ございませんでしょうか。
 それでは、今の提案をベースにガイドラインを修正していただくということでよろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○山本座長 それでは、そうさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、3つ目の議事に進みたいと思います。「平成31年度第三者提供の審査スケジュールについて」であります。事務局から説明をお願いいたします。
○廣瀬室長 事務局でございます。
 お手元のタブレットから資料3「平成31年度第三者提供の審査スケジュールについて(予定)」とあるファイルをお開きください。
 資料のタイトルが不十分だったのですが、こちらはNDBの審査スケジュールについての御検討をお願いできればと思います。
 お手元の資料にありますものは、ホームページ上でNDBの利用の申し出をされる方向けに御案内をしている画面のイメージのものでございます。このような形で御案内をしてはどうかということで本日お示しさせていただきました。
 例年ですと、毎年、年4回の審査をさせていただいております。ただ、現時点で案件の待機が非常に多くなっている状況がございまして、そうした状況を踏まえまして、ことし6月の審査については見送ってはどうか、それを御提案した資料がお手元の資料3でございます。
 6月の審査については、厚生労働省が申し出をする政策目的の利用と、既存の申し出の変更申し出についてのみ受け付けをすることとしてはどうかと考えております。
 こういった対応をさせていただく上で一点補足いたしますと、最近は厚生労働省内の関係部局から緊急性の高い申出が上がってくることも多くなっております。これらの緊急性の高い利用についてある程度の機動性を持って対応できるようにするという観点から、一定の余裕を持たせた対応として6月の審査を一回見送るという御提案をさせていただく次第でございます。御検討をよろしくお願いいたします。
○山本座長 ありがとうございます。
 いかがでございましょうか。
 何となく焼け石に水という気がしないでもないですが、変更の場合は審査会を開かないという意味ではなくて、審査会は開くわけですか。
○廣瀬室長 開きます。事務的なことで申し上げると、先ほどDPCの審査スケジュールの御案内があったかと思いますが、6月はNDBだけではなくて、最近、DPCの審査もお願いしている関係がございますので、審査分科会そのものは開催するという方向でお願いできればと考えております。
○山本座長 わかりました。いかがでございましょう。背に腹はかえられない、焼け石に水、両方の要素があると思いますが、よろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○山本座長 それでは、事務局の御提案どおりに進めていただくことにさせていただきます。
○廣瀬室長 ありがとうございます。
○山本座長 それでは、議事の4つ目「オンサイトリサーチセンターについて」ということで事務局から説明をお願いいたします。
○廣瀬室長 本日の議題の4つ目といたしまして、オンサイトリサーチセンターの御検討をお願いできればと思います。
 御承知のとおり、オンサイトリサーチセンターは、東京大学と京都大学、あと、厚生労働省のオンサイトリサーチセンターということで、現在、3カ所で試行利用の運用をしてまいりました。このたび、京都大学と厚生労働省のオンサイトにつきまして、一般開放する準備が整ってまいりましたので、現状の御報告と、一般開放に向けた運用上のルールにつきまして、京都大学と厚生労働省のそれぞれから御説明させていただきたいと思います。
 本日、参考人といたしまして京都大学の加藤先生にお越しいただいておりますし、また、東京大学の松居先生にも御同席いただいておりますので、必要に応じて私を含めての3名で御質問等にもお答えしてまいります。よろしくお願いいたします。
○山本座長 ありがとうございます。
 それでは、続きまして、資料4について加藤参考人から説明をお願いいたします。
○加藤参考人 京都大学の加藤でございます。きょう、このような発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 それでは、お手元のスライド資料4「オンサイトリサーチセンター(京都)の今後の方針について」を御説明させていただきます。
 1枚めくっていただきまして、本日、私から御説明するアジェンダになりますが、まずは、京都のオンサイトリサーチセンターの現在の運用状況を報告させていただきます。その知見を踏まえて、2番目に、一般開放に当たってどういったイメージで進めていけばいいのか、提案させていただきたいと思います。3番目にその他というふうに進めさせていただきます。
 まず、運用状況を御報告させていただきます。NDBオンサイトリサーチセンター(京都)は、2016年2月、約3年前になりますが、その時点から京大の学内の利用者による試行利用を行ってまいりました。当初は、NDBレセプトデータをよく知っている者や、公衆衛生、疫学、こういった分野になれ親しんだ研究者を中心にパフォーマンステストという名目の調査を行いました。これは個別のテーマに沿って研究を行うというよりも、データ分析の際に、例えばデータを抽出するのにどれぐらいの時間がかかるのか、その際に動かすソフトの使い勝手はどうなのか、負荷がかかったときにきちんとマシンは動くのかということを検証して、有識者会議でも何度か報告を続けてきたところでございます。
 2018年からは、学内の臨床医、すなわち研究をしようという意識はあるものの、NDBのことを余り知らない方たちにも試行利用の一環としてデータ提供・利用を開始いたしました。そういった際に、2016年の段階からかかわってきた、いわゆる試行利用における京都大学の古株の人間が臨床医の先生などが使用するのを支援したりする、そういったプロセスを経まして、利用者のニーズはどういったものか、評価を行ってきたところでございます。
 試行利用は結果的にこれまで3年にわたるわけですが、私どものほうで感じておりますことは、NDBに対する利用者のリテラシーが多様であるということ、それに伴って、以下のような課題が浮かび上がってきたかと思っております。
 まず、研究に必要となるデータの抽出ですが、オンサイトリサーチセンターはデータセンターから線がつながっているわけで、もとになるデータセンターのマシンスペックは高いと思いますけれども、そうであっても、例えば5年分の全患者のデータを抽出するとか、あるいは生活習慣病、数千万人単位で患者がいるようなトピックに関して調査しようとすると、データの切り出しだけで物すごく時間がかかるということがやはりわかってきました。
 京都大学の場合、割り当てアカウントが今のところ2つしかないので、実質的に同時並行で実施できる研究数が限られる。とにかく人が入れかわり立ちかわりというわけにはいかず、アカウント数に依拠してしまうことがあるということです。
 利用者、特に臨床医の先生などは当直の時間帯にやりたいからと言われたりしますが、そうはいいましても、できれば9時から17時でと言うと、先生方は9時から17時は診療、手術だと言われて、調整に苦労したということがございました。
 利用者には、疫学研究の経験やSQLなどのプログラム言語の知識のみならず、レセプトの特徴の理解、さまざまな知識、リテラシーが必要です。それがバランスよく備わっていて、NDBを理解してもらうことが必要ですが、なかなかそういうことができる人はいない。SQLをさわったことがある人がいても、レセプトのコードが複雑になると全然知らないとか、そういうことがあります。「できます」と手を挙げてくださった方も、結果的に、いざさわり出すと、メールでどんどん質問が来たり、最初の数回は、なれたスタッフが横について支援しないと円滑に進めるのは不可能とわかってまいりました。
 そういった課題がありましたので、課題を3つ書きましたが、これらを踏まえた上で対応を行う必要があると思っております。
 課題1は、オンサイト機能の限界を踏まえる必要があるということです。一定期間に利用できる申出者、利用者を限定せざるを得ないのではないかと思います。それから、データ処理に時間を要することはほぼわかっていますので、何回も訪問して、しっかりかかわっていただける方でないと研究を完遂することができないのではないかと思っています。
 課題2は、利用者の支援体制にも限界があるということです。ここではハード面になりますが、夜間、休日に対応するというのは継続性を考えると非現実的なので、ある程度限定しなければいけないのかと、安全面からも思っております。
 課題3は、利用者支援体制の限界、これはソフトに関しての課題になります。申出者、利用者には一定のリテラシーを備えておいていただく必要があると思っています。
 この3つの課題をどういった要件によって備えているとみなすことができるのか、考えてみました。ここで掲げているようにというわけではなく、これは一つの案としてお出しするものでして、皆さんに御議論いただきたいと思っているところです。
 課題1のオンサイト機能の限界を踏まえたイメージということで、先ほど頻回に来ていただいたり、しっかりできる方に限るしかないのではないかと申しました。
 利用期間に関して、これはガイドラインもございますので、探索的解析の場合は3カ月、それ以外の場合は6カ月としてはどうかということです。後の話にもつながりますが、ガイドラインでは利用期間の延長を認めております。ただ、今までのように生データを研究者に渡すというやり方ですと研究期間が延びるだけで済みますが、オンサイトの場合はアカウント数の制限がありますので、利用期間が延びると後の方々にもろに利用期間がずれ込む、そういうリスクがございます。このあたりをどうするか、議論が必要ではないかと思っています。
 京大に今、アカウントが2つ確保されていますが、1つを開放してはどうかと考えております。これは先ほどとも同じですが、1つしかないということは利用期間を延長すると次の人に直結するので、このあたりのルール決めとか、ユーザーに納得してもらうこととか、そういうプロセスが必要かと考えています。
 ここはぜひ御議論いただきたいのですが、私どもの印象では、2~3回来て研究が終わるということはまずないと思っています。第42回の有識者会議で東先生が言っておられたように、東先生も10回程度は来ておられたかと思います。東先生もレセプトのことをよく御存じの方でいらっしゃって、それでなおかつこうですので、期間内に10回から15回ぐらいは来ていただけることが確実な方に利用限定するのが現実的ではないかと思っております。ここは御議論いただきたいと思っております。
 課題2の利用者支援体制の限界、ハード面を踏まえたイメージとしましては、平日の9時から17時にお越しいただくことを基本にしたいと思っております。ただ、京大のオンサイトの場合は、建物自体は一応平日の8時から19時が利用時間となっていますので、どうしてもやむを得ない場合、この時間までなら調整はする、こういったところでどうかと思っています。
 課題3のソフトに関してのイメージです。現時点でオンサイトにおけるデータ抽出は、いろんな知識が必要なのですが、全部兼ね備えるというわけにはいかないので、今のところ、SQLの操作に確実に通じていただいている方に利用者を限定してはどうかと思っています。これも判定は難しいのですが、SQLは操作できる、イエスと言っていただける方にお越しいただくのが現実的かと思っています。
 最後に、その他のところに書いていますが、これまでのまとめ及び追加の提言です。今まで申し上げました要件を整理しますと、利用者に係る要件は以下になるかと思います。3カ月から6カ月程度で利用を終えられる方、利用期間中に10回から15回、そこそこの回数お越しいただける方、平日の9時から17時にお越しいただける方、SQLの操作に通じた方となるかと思っています。
 一方、これまでの試行利用で見ていたのですが、当初、試行期間ということもあったので、安全な運用を期してオンサイトの利用は常勤職員に限るとともに、大学院生が使う場合には常勤職員の同伴を必須要件としておりました。ところが、常勤職員に利用者を限ると、特に6カ月中に平日の9時から17時に10回から15回は確実に来ていただける方という条件を満たすことが極めて困難であると思われます。京大の中の利用者でこうでしたから、京大の外の人にこういうイメージでというと、常勤職員の方が来てというのはかなり厳しいのではないかと思っています。ということで、最後の提言、御議論いただきたいトピックとしまして、常勤職員ではないのですが、比較的時間に余裕があって研究への意識が高い方ということで、何らかの形で大学院生の利用を認めていただくことはできないかというのが御議論いただきたい点でございます。
 私のほうからの説明は以上となります。
○山本座長 ありがとうございました。
 御議論は後でまとめてしていただくとして、続いて資料5について事務局から説明をお願いいたします。
○廣瀬室長 事務局でございます。
 お手元のタブレットから資料5「オンサイトリサーチセンター(厚生労働省)の今後の方針について」とあるPDFをお開きください。
 おめくりいただきまして、右下のページ番号で1ページとありますスライドから御説明させていただきます。このスライドは、オンサイトリサーチセンターの一連の経緯と、こちらの有識者会議でどんな御議論をいただいてきたのか、なるべく時系列に沿いまして、まとめたものでございます。
 最初は、平成25年1月の「レセプト情報・特定健診等情報データの第三者提供の在り方に関する報告書」の中でオンサイトセンターでの利用について御提言がございまして、これに沿った整備を進めてまいりました。
 先ほどプレゼンいただきました京都大学も含めまして、平成27年度に東京大学と京都大学で試行利用という形で運用を開始いたしまして、パフォーマンステストも完了いたしました。この時点では平成28年度内のオンサイトの一般開放を目指してきた、そのような経緯がございます。
 ただ、種々御懸念の点もございましたので、一般開放して安全に利用できるかどうかをきっちり検証するということで、東大と京大ではない厚生労働省単独のオンサイトを開設して、そちらでも試行利用をやってみようということで、平成28年12月から試行利用を厚労省オンサイトで続けてまいりました。
 これまでに試行利用といたしまして、先ほども加藤先生から触れていただきましたが、東先生と上家先生に試行利用として御利用いただきまして、その結果につきましても、こちらの有識者会議で御確認いただいてきたところでございます。
 具体的に、この2名の試行利用の結果、厚生労働省のオンサイトリサーチセンターでどんな課題とどんな対応案が考えられるのか、次のページ以降、2ページにわたって御紹介させていただきます。
 まず、東参考人からの御報告の概要でございます。東参考人につきましては、国内の新薬の拡散過程に関する調査研究ということで、6カ月にわたっての試行利用をしていただいております。この中で、大きく6点にわたっての問題提起がなされております。
 1点目は、NDBの特徴について系統的な解説書を整備してはどうか。
 2点目は、オンサイトの中に置いてある端末にあるソフトウェアが限定的なので、一定の条件を設けた上で利用者が使いたいソフトウェアをインストールすることを許可してはどうか。
 3点目は、今申し上げましたが、オンサイトセンターの端末が今、2台でございまして、台数が少ないというご指摘です。台数をしっかり確保してほしいという御提言でございました。
 4点目は、NDBの解析作業を進めていくとどうしても中間生成物と呼ばれているものができてくるわけですが、原則はオンサイトで始めた作業はオンサイトの中で完了していただいて、公表物確認が済んだものしか、オンサイトでしか取り出せない、そういう厳密なルールがございまして、その点について御不便を感じられたという御指摘がございました。中間集計の持ち帰りの手続についてルールを整備してほしい、このような御提言がございました。
 5点目、これは恐らくハード面というか、マシンの限界みたいなところもございますが、データ量が多くなることが原因で端末の動きが遅くなる、そのような御経験をされたということでした。
 6点目は、今の厚生労働省のオンサイトセンターが委託事業者のオフィスに隣接する形で整備している関係もございまして、委託事業者の業務でメンテナンスなどが入りますと利用を中断せざるを得ないこともあった、そのような問題点の御提言をいただいております。
 続きまして、日医総研の上家先生からも試行利用の御報告をいただきましたので、同様に復習させていただきます。
 上家先生につきましては、慢性硬膜下血腫のリスク関連要因をNDBを使って分析されるという研究に6カ月間かけて取り組んでいただいております。この中で指摘された課題と対応案でございます。
 1点目として、オンサイトを占有してしまうことになりますので、スケジュール管理が難しいことがあったという御指摘がございました。
 2点目は、先ほどの東参考人の御指摘とも重複がございますが、中間生成物と呼ばれているものをオンサイトから取り出すときには手続も含めて時間がかかっているので、その時間を短縮するためにサーバーの設置が有用ではないかという御提案でございました。
 そのほか2点については、もう少し一般的なお話になるかと思います。国としてのNDB利用に対しての支援体制の整備、NDBの解析に当たって使用したマスターを含めてのプログラムの内容は国に帰属させるような形を検討してほしい、このような御提言でございました。
 この2つの御報告から浮かび上がってきた課題を、粗くではございますが、当面対応が必要なものということで2点に整理しました。
 課題①が、SQLの知識を持たない利用者に対してオンサイトを利用するに当たっての支援体制が今のところ十分ではないということ、課題②が、一つのオンサイトセンターを2つの研究者グループで同時期に利用していただく場合に、時間帯が重複してしまうとどちらかが利用を諦めなければいけない、そのような状況があるということです。そもそも皆さんはNDBを使った研究のみに専念されている方ではございませんので、例えば複数のメンバーが集まってオンサイトを利用しようというときに日程の調整に手間を要するということ、オンサイトの運営時間も平日の9時から17時という制限もございますので、時間の調整にかなり手間がかかるという時間的・空間的な制約が生じることになります。これら2つについては一定の対応が必要かと考えております。
 一般開放に向けてこれらの課題を踏まえた対応案を4点にわたって記載しましたので、この点について御意見を頂戴できればと思っております。
 まず1点目は、利用者の要件、課題①に対応する対応案でございます。利用者については先ほど京大の加藤先生からもかなり似通った御提案があったかと思いますが、利用者については、やはり一定の知識や経験がある方に限定してはどうかと考えております。具体的には、アとイということで提案させていただきました。アは個票を使った解析の経験がある方、イはSQLの知識があって、CSVからエクセルファイルに加工できる方、この2つの条件を満たしている方を利用者として要件設定してはどうかと考えております。
 これをどうやって確認するかということですが、私どももいろいろと考えまして、例えば何かの研修を終えた修了証があるとか、そういうことをすぐに思いつくわけですが、現時点でこの研修を受けた方、この作業に従事したことがあるということを具体に証明することが難しいのではないかと考えております。当面は、個別に利用申し出の様式の中に自由記載の形でこのアとイの要件に関する具体な経験をご記載いただく運用にしてはどうかと考えております。
 2点目が課題②に対応することでございます。途中で申し上げましたとおり、厚労省オンサイトセンターが現時点ですと端末が2台、かつ2台の間に仕切りがないので、窃視対策の観点から、1つの利用申し出のグループしか同時には利用できないルールがございます。従いまして、ある一定期間に利用できる利用グループは最大で2つの利用者グループに限定してはどうかという御提案でございます。
 3点目は、スケジュールでございます。本日、3月でございまして、仮にこれから周知して準備してということを考えますと、申し出までの期間、申請の準備までに余りお時間がございません。こうしたことから、平成31年9月審査分から厚生労働省オンサイトの一般開放を開始してはどうかと考えております。
 4点目は、もう少し長期的な対応でございます。ひとまず今回、有識者会議の先生方のお許しがいただけましたら一般開放に踏み切りたいと思いますが、一般開放の開始後も、継続的に利用者の方々の課題などについてしっかり把握して、構成員の先生方の意見も踏まえて対応を適宜講じていく、そのような段取りを踏んではどうかと考えております。
 資料5の説明については以上です。
○山本座長 ありがとうございます。
 それでは、引き続いて資料6について事務局から説明をお願いいたします。
○廣瀬室長 資料6-1でございます。先ほど資料5の説明で申し上げるのを忘れてしまったのですが、資料5でも書きましたとおり、これまでにもオンサイトリサーチセンターは、特に厚生労働省のオンサイトリサーチセンターに限ったものとして、ガイドラインについては御審議をいただいてまいりました。その都度、修正を重ねてまいりましたが、今回、京大さんからも御提案がありますように、京大のオンサイトについても一般開放することなど少し状況の変化がございましたので、改めまして、一般開放を前提にしたガイドラインの修正内容について御提案させていただければと思います。
 おめくりいただきまして、1ページ目に修正点を書きました。基本的にはこの3点に集約しております。
 まず、真ん中でございます。今、申し上げたように、京都大学オンサイトと厚労省オンサイトにつきまして、一般開放に取り組んでいきたい、こういった意思を持って、今、御検討をお願いしている最中でございますが、これを踏まえまして、このガイドライン自体を厚労省のオンサイトに限ったものではなく京都大学のオンサイトでも使っていただけるように「厚生労働省」を名称から削除したような形に修正してはどうかと考えております。
 もう一点、その下をごらんください。「より明確な」とありますが、何を明確にしたかといいますと、先ほど資料5で東参考人と上家参考人、それぞれから中間生成物の取り扱いについてルールの整備が必要、具体的にはオンサイトセンターではなくて御自分の研究室に中間生成物を取り出して作業したいというときについて明確なルールが必要であるという御指摘があったかと思います。ご指摘を受けて改めて読み返しをしましたところ、オンサイトで中間生成物を使う場合のルールなのか、それともオンサイトではない御自身の研究室で中間生成物を使うときなのか、はっきりしないところがございましたので、この点留意しつつ、より明確な表記となるよう記載の修正をいたしました。
 最後、もう一点が、前々回の有識者会議にこのガイドラインをお諮りしたときに御、「提供」と「利用」という言葉が入り乱れているところがあったので、もう少し念入りに見てくださいという御指示がございました。その点を踏まえて確認をいたしました。ここでの概念といたしましては、基本的に、オンサイトセンターというのはデータの「提供」を受けるわけではなくてデータを「利用」する場所であるという概念に一旦整理して、オンサイトについては「利用」という言葉に一回整理するという着眼点で修正を加えさせていただきました。
 細かいものは、資料6-2、資料6-3と御用意しております。ここでの説明は割愛したいと思います。
 以上です。
○山本座長 ありがとうございました。
 オンサイトリサーチセンターについての御説明がありましたが、全体を通じて御質問、御意見がありましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 皆さんにお考えいただいている間に少し雑談をしますと、この有識者会議とは別に、レセプトデータベースと介護保険総合データベースを接続して使うことを検討する有識者会議が昨年開かれていて、とりあえずまとめが出て、今度、法案が出ているところですが、うまくいけばそれが可能となるようなことに進むのだろうと思います。
 その検討の中でさまざまな利用形態も検討されています。これは何もかも細かいところに結論が出ているわけではないのですが、こういったオンサイトセンターみたいなものも一応想定されますし、今まで我々が特別抽出でやっていたような提供するというスタイルも想定されます。そもそも分析環境をこういう箱の中ではなくてクラウド上に構築して、それをバーチャルデスクトップみたいな環境といいますか、アメリカのCMSで提供しているバーチャルリサーチデータセンターみたいな形で、あれは箱の中に入っていないので後ろからのぞかれる可能性は当然ながらありますが、そうはいっても、その中身をさわることはできないという意味ではこのオンサイトリサーチセンターに近いところがありますけれども、したがって、運用方法さえ気をつけていただければ、あるいは現場でサポートを必要としない程度になったら、そういう環境に移行して、自分たちの研究室で時間を気にせずに使えるということも将来的には考えようとしているところがあります。
 したがって、現状、このオンサイトリサーチセンターと特別抽出サンプリングデータセットしかない状態のどれかを選択しなければならないということがいつまでも続くわけではなくて、もう少し選択肢がふえるとは思います。そうはいっても、リサーチする機会をいろんな人から余り長い間お預けにするというのもよくないことですし、今回、一応、厚労省のオンサイトリサーチセンター、京都大学のオンサイトリサーチセンターで、幾らか制限があるとは思いますが、一般開放していこうというお話だと思います。
 観点の一つとしては、京都大学の加藤先生のお話では、相当サポートが大変なので、利用時間をオンサイトリサーチセンターとして対応可能な時間帯に限定するということと、そこから持って出るということにいくまでの間の期間が、どうしても10回、15回みたいな形で数多くかかる人が試行の中においても多いということで、初めからそれを理解していただいている利用者に限定する。それから、アカウント数というのは、オンサイトリサーチセンターの場合はデータセンター内にバーチャルのワークスペースをつくって、そのワークスペースの中で仕事をしますので、このワークスペースを幾つつくれるかというのにやはりデータセンター内の限界があって、今、京都大学では2アカウントしかいっていないということで、それをフルに使ったとしても同時に2人しか使えないわけです。片方のワークスペースをあけないと次の利用者が使えませんので、そういう意味では、利用者をある程度限定せざるを得ないということですね。
 厚労省からのお話では、加藤先生からのお話もそうですが、やはり一定のリテラシーがないと使えないということで、そのリテラシーをどういう条件にしようかという御提案があったと思います。いかがでしょうか。どうぞ。
○三浦構成員 研究者側の立場からになりますが、京都大学のお話を聞くと、やはり現場の限界があり、受け入れ側のいろんな条件があって、ある程度制約がある中で、とりあえず、今、言われたような範囲でまず始めてみるということで仕方ないのではないかと思います。
 もう一つ、加藤先生が言っておられましたが、かなり限られたスペースと時間で何回も行くことになりますので、大学では教員の数も限られておりまして、博士課程の学生などは大変重要な戦力ですので、大学院生が行って作業できるような条件をつけていただければ利用が進むのではないかと思います。
○山本座長 ありがとうございます。
 これも、今、提出中の法案に期待なのですけれども、今までNDBに関して言うと、法的根拠なくこれの利用を進めてきたので、そういう意味では、契約に基づいて利用していただくということで利用者に対する契約による責任が生じるのですね。余り身分のはっきりしない人とは、そういう意味では相対できないというところがあったので、基本的にはちゃんと所属しているところがあって、組織の制限もありますし、常勤ということが書かれているわけです。学生さんであれば、その大学にいる教員が責任を持てるという意味ではそれなりに根拠があるので、契約上の責任は申請された教員にあるとして、あるいはその大学にあるとして、その監督のもとでという意味では学生は不可能ではないといいますか、考えられることだと思いますけれども、いかがでしょうか。
 どうぞ、武藤先生。
○武藤構成員 武藤です。
 今の御議論、方向性には非常に賛成します。ただ、大学院生の方がこういうことになれていっていただいて、将来の指導者や戦力になっていただく必要があると思いますので、そういう意味ではいいと思いますが、加藤先生にお伺いしたいのは、今、座長もおっしゃっていただいたような本人にちゃんと契約をしてもらって、所属の大学院の学則があって、指導教員の一筆をとれてということ以外に、何か想定されるリスクというのは、そこでは担保できないような何か想定されることはございますでしょうか。
○加藤参考人 今の御質問の答えになっているかどうかわからないのですが、今、恐らくレセプトを生で特別抽出、個票でさわっている方の中には大学院生の方もおられると思いますけれども、今回は逆に、試行期間ということで、あえて自己規制的に利用者は常勤に限ろうかという議論をして3年前にスタートさせました。自己規制したのはよかったのですが、規制し過ぎたとやりながら思っておりまして、この機会に、皆様の議論を経て、少し裾野を広げるという意味で大学院生にということを申し上げております。
 先生が言われたように、例えば一筆書く、そういうことで学生に、これは契約の範囲内で、申出者と厚生労働省、厚生労働大臣の契約なのだということをしっかり周知する必要があると思います。大学院生の中には、言われたからやりますみたいな感じの人も出てくるかもしれないので、そういうことのないような教育をするという前提でだったら私どものほうでもいいのではないかとは思っている次第です。お答えになっているかどうかわかりませんが、そういう印象でやっております。
○山本座長 ありがとうございます。よろしいですか、武藤先生。
 ほか、いかがでしょうか。どうぞ、頭金先生。
○頭金構成員 加藤先生にお聞きしたいのですが、利用者の立場としての質問になるかとは思います。大変御苦労があったということはよくわかりました。利用者に一定の、特にSQLの知識に対してのリテラシーを設けるというのは必要なことだと思いますが、前提としては、これは厚労省のオンサイトもそうなのでしょうけれども、ある程度のサポートはするという前提ですか。それともサポートは基本的になしという前提でリテラシーの要求事項を課したほうがいい[A1] とお考えでしょうか。
○加藤参考人 私の立場で感じたこととか、今の御質問に対するお答えをさせていただきます。今回、特に3年間の試行期間のうちの後半部分では、NDBのことを余り知らない人や、あるいはNDBはさわったことがないけれども、レセプト研究はしたことがあるという方に使っていただくことが多かったです。そういう方々には事前に、サポートは基本的にないので自分たちでお願いしますということは言いましたが、やり出すとやはり出てくる。サポートを前提としない状態にいて、やはりサポートが発生して、それを回してということになってきました。だから、サポートがないということで100%なしにすると、多分、回らないのです。
 実際、研究者が最初入られて数回というのは、ログインの仕方だとか、一操作に何時間ぐらい、何分ぐらいかかるのかというのになじむ時間で、その過程でわからないことがたくさん出てきて私どもで支援しているということなので、結局、支援しない前提で支援が発生してというのが我々の現実的なところです。
 ユーザーの多くは腕に覚えがありそうな人が多かったのですが、その人たちに対しても支援が要ったので、腕に覚えがないので教えてもらいながらやりますという感じで来られると、ちょっとスタックするかなと、この3年間の試行期間を経て、支援に関してはそういう印象を持った次第です。
○山本座長 どうぞ。
○棟重構成員 大学院生ということに関して若干のリスクがあるかなと思っております。今、皆さんがイメージされている研究者あるいは研究者の卵としての大学院生だけであれば、特に問題はないとは思いますが、大学院生といってもいろんなカテゴリーの方がいらっしゃいます。一番懸念されるのは、企業から来られている方もいるかと思いますので、大学院生まで認めるとすれば、どういう形でどういうカテゴリーの人を対象とするのかというのは整理していただく必要があるのかと思います。
○山本座長 ほか、いかがでしょうか。松田先生。
○松田構成員 SQLのリテラシーですが、私たちの教室の運用でいうと、基本的には、教室の中でいろんな切り出しとかするのは定型化されているものがほとんどなので、ライブラリーをつくって、それを見ていただければ、普通の子だったらできるのです。今、いきなりNDBを扱うという話をするから難しくなるので、サンプルデータみたいな、ダミーデータでもいいと思いますが、練習用のものをつくって、例えばこういう症状に対してこの薬を抽出するというのは定型分があると思いますので、そういうSQLの定型分をライブラリーとして提供して、それで練習する枠組みをつくれば、いきなりオンサイトに来ていろいろ苦労するということはかなり避けられるのではないかと思います。多分、中間的なものが必要なのだろうと思います。実際に我々が見に行った台湾でもそういう運用の仕方をしていますので、中間的なものを別途、準備したほうがいいのではないかと思います。
○山本座長 そうですね。台湾もNRIもResDACもそういう講習会は頻回に開いていますね。
 藤田先生、お願いします。
○藤田構成員 ガイドラインのほうで提供と利用の件を指摘した者として、修正は結構ややこしい部分もあったかと思いますが、ありがとうございました。大変、結構かと思っております。もともと私の指摘というのは、オンサイトに利用しに来るのであっても個人情報に触れることができるので、その段階で個人情報の提供に当たってしまうと考え得るので、そこら辺をある程度明確化しておいたほうがよいのではないかということで、今回、オンサイトリサーチセンターから中間生成物を持ち出す場合も含めて利用ということで、なるべく利用を推進しようということと理解しておりまして、よいかと思っております。先ほど山本先生からあったような、今の国会での新しい法律改正に即して、もしかしたらいろいろ変えなくてはいけないかもしれませんが、現時点ではこれでよいと思います。
 その上で、大学院生の件にも関係する部分ですけれども、このガイドラインの中では提供ではなく利用であり、どういったものを最終的に出すかといったところもこの有識者会議で検討することになっているということで、ある程度クリアなのかとは思いますが、データの利用に基づいて新しい知財などが発生した場合、成果物の取り扱いは確かに先ほど指摘もあったように企業などからの大学院生が入ってくると慎重にやらなければいけない部分が出てくると思いますので、今のガイドラインではそういった知財は余り気にしないことで書いているとは思いますが、今後検討するべきことの一つとしてはあるのかなと思っています。特に、大学において大学院生の場合も職務規程との兼ね合いでしっかりとコントロールする必要があると思いますので、一応コメントさせていただきました。
○山本座長 ありがとうございます。
 ほか、御意見いかがでしょうか。どうぞ。
○大久保構成員 いろんな大学院生がいますが、社会人大学院生の場合は、他の施設で常勤になっていて、時々大学に来て社会人大学院生として頑張るわけです。今のルールでは、社会人大学院生、つまり、ほかで常勤のポストを持って大学院生になっている人というのは一人で入っても大丈夫という解釈でよろしいのですか。現在の常勤に限るというところの常勤というのはどのような意味ですか。
○梅澤専門官 事務局の梅澤です。
 先ほどお示ししましたガイドラインにしっかりと規定されているのは申出者の資格になっておりまして、利用者に関しては特段大きな制限は設けていないというのが現状でございます。ただ、加藤先生がおっしゃったように、試行運用の段階では、まだ試行段階でしたので、各オンサイトで縛りを設けていたという実態はございます。
○大久保構成員 では、京都大学では、今、言ったケースは常勤として認めてきたのですか。オンサイトを利用するのは常勤に限るというふうに京都大学としては今までのルールとしてあったわけですね。
○加藤参考人 はい。
○大久保構成員 社会人大学院生の方は常勤扱いとして利用していただけたのですか。
○加藤参考人 それは、私どものところでは「常勤職員に限り、大学院生が使うときは常勤職員の同伴のもと」なのですけれども、この常勤職員にかかっているところは京都大学になります。大学院生で、他の企業の社会人の方の大学院生でいらっしゃる方が利用するという状況を我々としては明確に規定していたわけではないのですが、我々の中ではそういうことは行ってはおりません。前提として、ほとんどの場合、常勤の方が苦労して時間をつくってやってもらっていた。大学院生が来る場合には、常勤を必須にしましょうということにしていまして、結果的にどうなったかというと、ほとんど常勤の人しか使っていない。時間の確保に相当苦労していたことがわかったということで、こう提言させていただきました。大学院生をどうするかということは議論しなかったし、結果的にそんなに大学院生に使ってもらうシーンがなかったということです。お答えになっていますでしょうか。
○大久保構成員 例えば、大学にいろんな非常勤の客員研究員や非常勤の講師、いらっしゃいますが、そういう方はここでは常勤職員として扱っていなかったのですね。
○加藤参考人 はい、私どもの運用では、京都大学の中できちんと職の確保というところで運用の管理規程のようなものをつくるときに、いろんな職種の者がいますが、総務課の詳しい者と確認して、雇用形態が存在して責任が発生しそうなところで線を引いて、その範囲内でこれも自主的に管理させていただいておりました。
○大久保構成員 わかりました。
○山本座長 ちょっと私の誘導が悪かったと思いますが、常勤職員に限るというのはあくまでも試行期間のルールでありまして、先ほどの資料6-2、6-3にあるような、新しくガイドラインとして厚労省及び京都大学でこれを使っていただこうという御提案の中では、これまでの特別抽出と同じで、申出者に関してはいろんな制限がかかっていますけれども、その人がつくる研究体制は研究者として申請していただいて、その中で我々が有識者会議の中で審査をして、これが研究体制として問題がなければそれでお認めしよう、学生であろうが、あるいは非常勤であろうが、それは今までお認めしてきています。一方で、時々、ある特殊な企業から全員来ているような話はちょっと考えなければいけないということで、かなり慎重に扱ってきているわけですが、そういう問題がなければ、学生であるということで拒否する理由にはならないでしょうということでございますので、そういうふうに御審議いただければと思います。
 これは、それこそ法律が通ってからの話だし、どうなるかわかりませんが、一応、高齢者の医療の確保に関する法律も改正される予定ですので、そういう意味では、ある程度、法律に基づいた提供になる可能性があります。捕らぬ狸の皮算用でそうなるという話ではないですけれども、その上で提供するとなると、今度は我々の運用上の規制ではなくて法的な規制の中で提供できるという意味では、逆に対象を広げることもできますし、あるいは民事上の契約による取り決めだけではないさまざまな制約をつくることもできないわけではないと思います。ですから、今、御審議いただいて、後で藤田先生がおっしゃるように見直さなければならない可能性はあるかと思いますが、先のことはわかりませんので、とりあえずは進めていこうということでございます。
 今の事務局の提案は、おおよそ特別抽出と同じような形で研究体制及び申出者に関しては規定されています。そういう意味では、加藤先生の御提案の回数制限以外は入ってはいるということですね。回数制限はルールに書くわけにはいかないと思うので、どちらかというと申し出の注意書きみたいなところで、よくなれた人でも10回ぐらいは来ないと無理ですよ、あるいは場合によってはもっとかかるかもしれませんみたいなことをリマークしておいて、それで申請していただくということにせざるを得ない。BIツールでちょっと見るだけで1回で終わるみたいなことだってないわけではないでしょうから、一律に規制というのは難しいのだろうと思います。
 ほか、いかがでしょうか。
 松田構成員のおっしゃった、一つは基本的なライブラリーの整備、もう一つは練習環境、あるいはチュートリアルみたいなことは、実際たくさんの人に使っていただこうと思うと非常に大事で、今のところ、たくさんの人が来られたら困るので、そういう意味では、そんなに急がないかもしれませんが、課題としては置いておく必要がありますね。
 どうぞ。
○松田構成員 情報提供ですけれども、うちの教室の講師の村松がオープンデータから個別のダミーデータをつくるというロジックを開発して、そのダミーデータをもとにしてSQLを作成する、そういうツールをつくって、それを公開します。多分、今月、その第1回の研修会等をやると思いますが、実際にそれ自体、何回かもんでいかないといいものにならないと思いますけれども、言うだけでなくてそういうものもつくっておりますので、そういうものを参考にしていただいて、いろいろと考えていただけたらと思います。
○山本座長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○廣瀬室長 今の松田先生の御議論に関連してということになるかもしれませんが、途中で山本先生からも触れていただきましたとおり、NDBと介護DBの連結をどうしていくかという有識者会議には先生方にも多数御参加いただきまして、おかげさまで先日、法案の閣議決定まで至ることができました。
 そのベースとなりました有識者会議の報告書の中でも、当然ながら、ライブラリーということではなかったと思いますが、たしか松田先生からマスターの整備というような御発言があったり、あとは、オンサイトセンターそのものについても、データの性質等に応じてオンサイトセンターで使うことを初めから限定してしまうというやり方も、そういう必要な条件を付すことも検討すべきではないかというコメントもございます。あくまでも法案成立後になっていくと思いますが、そういった新たな制度が始まる段階に向けてこの報告書に基づくさまざまな対応を講じていくことになるのかと思っております。
 いろいろやるには当然お金がかかる部分もありますので、そのお金の部分につきましては、政策上の優先順位とか、国としての予算の使い方の一般的ルールも踏まえながら、どのようなところの御協力を得ながら、このオンサイトや、先ほどありましたライブラリーの整備、これらをなるべく効率的に、かつ時間的にもちゃんとスケジュール感を持って進められるのか、精力的に検討していきたいと考えております。
○山本座長 ありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。
 この本会議資料というのは公開されているのですか。
○廣瀬室長 ペーパーレスなので、ホームページ上でごらんいただけるようになっております。
○山本座長 わかりました。
 それでは、加藤先生からの御提案については、学生云々に関しては今のガイドライン案でそれが一応可能なようになっているということと、回数に関しましては、先ほど申し上げましたように、申し出の手引みたいなものを用意して、その中でリマークして、その結果、また有識者会議のほうで審議をさせていただく。幾ら何でも3回しか来られないのにこの研究は無理だというふうな形でコメントをつけさせていただくとか、そういう形で進めていくと思います。
 それ以外の点に関しましては、我々、このガイドラインを何度も見てきているのですが、最終的にフィックスするというのは、やはりライン・バイ・ラインで見ていただいたほうがいいと思います。後で結構ですので、もし何かありましたら事務局のほうにメール等で御連絡いただければと思います。
 それでは、ここまでで本日の公開部分の議事は終わりですけれども、全体で何かございますか。石川先生。
○石川構成員 遠い将来の話になるのかもしれないのですが、NDBの会議でずっと8年ぐらいたっているわけです。今、介護の話、連結の話というところでもいろいろとNDBのガイドラインだとか、そういったものがお手本になって、ほかのデータベースづくりあるいは利活用のところにも役立っていると思います。今後、例えば難病のところや小慢のところもデータベースをつくるという方向や、次世代医療基盤法も出てきますし、いろいろな医療のビッグデータが存在するということになって、NDBはこの部局、介護のデータベースはこの部局、小慢はこの部局、そうやっているのではなくて、医療データベースというのは、難病と介護というのはきっとすぐ連結したくなってくるのです。
 そういったこともありますので、厚生労働省として医療のビッグデータについて大きく扱う方針や部局だとか考えないと、3つ、オンサイトセンターをつくりました、その中のPCが幾つですとか、そういうやり方ではなくて、全体像の中でデータベースの連結、そういったものを考えて、もちろん医療等ID、そういった連結の手段はいろいろと考えなければいけないこともありますが、そういう方向でぜひ政策を持っていってもらいたいと思います。個々にいろいろまたやって、レセプトのガイドラインのまねごとをまた介護のほうがやっている、そういうことではなくてやっていただいたほうがいいのではないかと考えました。
○山本座長 ありがとうございます。
 何かありますか。
○廣瀬室長 大変重要な御指摘かと受けとめております。おっしゃるとおり、こういったオンサイトセンター一つとっても、NDB一個のためだけに整備するというのは、それ自体効率性を損なっているという御指摘だと理解いたしました。
 当然ながら、この辺のノウハウについて、厚労省の関係部局で活用していただけるように保険局からも積極的に情報提供したりということはしています。今後、法案が成立して利用状況が変わってきて件数がどんなふうに動くかということも注視していくことになりますが、いずれ体制の強化も検討の課題に上がってくることもあると想定しています。
○山本座長 ありがとうございます。
 なかなかこういう問題は難しいのですね。本当に使うのかと言われると、やってみないとわかりません。私、東大にいるころ、情報基盤センターで学内全体の情報インフラを考える委員会にいて、ビッグデータの解析センターは絶対要る、これから先、オンサイトセンターが要るから学内共同施設としてつくれと3年にわたって提言を書いたのですが、3年目にもまだ時期尚早と言われて断られました。
 ほかにございませんでしょうか。
 それでは、本日の公開部分はここまでとなります。
 事務局から何か連絡はありますでしょうか。
○廣瀬室長 公開部分の御審議、ありがとうございました。
 次回の本会議の日程につきましては、追ってお知らせをいたします。
 これから非公開部分の審議に移るまで少し準備のお時間をいただければと思います。
 事務局から以上でございます。
○山本座長 ありがとうございます。
 それでは、第44回「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」の公開部分の議事はこれまでといたします。
 傍聴の皆様はここまでとなります。ありがとうございました。
 それでは、準備のために少し休息に入ります。
 
 
(この間、非公開)
 
 
○山本座長 それでは、本日の議事はここまででございます。
事務局から何かお知らせがございますか。
○廣瀬室長 本日は御審議ありがとうございました。
 細切れになってしまって申しわけございませんが、この後、休憩を挟みまして、審査分科会を開催いたします。審査分科会の構成員になっておられる先生方におきましては、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 事務局からの御連絡は以上でございます。
○山本座長 それでは、これで第44回「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」を終了といたします。本日はお忙しい中、御参集いただき、活発に御議論いただいて、どうもありがとうございました。
 審査分科会の構成員の皆様は、この後、引き続きよろしくお願いいたします。


 

 

 

※非公開とした部分については、議事要旨をご覧ください。(議事要旨

 

(了)

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