ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議> 第15回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(2021年3月29日)

 
 

2021年3月29日 第15回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議

○日時

令和3年3月29日(月) 18:00~20:15


○場所

オンライン会議
フクラシア東京ステーション(オンライン会議場)
6C 会議室(6階)
東京都千代田区大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル


○出席者

出席委員 

五十嵐委員、岩月委員、上村委員、宇佐美委員、小縣委員、柿田委員、笠貫委員
黒川委員、近藤委員、佐藤委員、宗林委員、高野委員、長島委員、萩原委員
平野委員、部坂委員、堀委員、松野委員、宮園委員、矢口委員、湯浅委員

 

○議題

1.これまでの検討会議の経緯について
2.今後の検討会議の進め方について
3.検討中の要望成分等の取扱いについて
4.その他

○議事


○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第15回「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、全員の委員の先生から御出席との御連絡をいただいております。ただ、現在のところ、部坂構成員が後ほど御参加いただけると聞いておりますので、現在20名の先生に御出席いただいているという状況でございます。また、本日の会議から新たに5人の先生方に参加いただいております。具体的には、資料1-4に構成員名簿がございますけれども、五十音順で上から申し上げますと、日本OTC医薬品協会理事長の黒川達夫構成員。一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会理事の平野健二構成員。認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOMLの堀恵構成員。一般社団法人日本保険薬局協会常務理事であります松野英子構成員。公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会消費生活研究所研究員であります宮園由紀代構成員でございます。後ほど皆様からまた自己紹介をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 また、ウェブ会議を行うに当たりまして、注意事項を御説明いたします。発言される場合には、画面のマイクのボタンを押してミュートを解除した上で、お名前をおっしゃっていただき、座長に指名された後に御発言いただきますようよろしくお願いいたします。また、発言されないときは、マイクをミュートにしておいていただければと思います。会議中に接続トラブル等が発生いたしましたら、事前にお送りしたウェブ会議のマニュアルに記載されている連絡先に御連絡いただければと思います。
 それでは、長くなりましたけれども、笠貫座長に以降の議事進行をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
 
○笠貫座長
 それでは、座長を務めさせていただきます。第15回評価検討会議では新たな5人の先生方にお入りいただいて、キックオフミーティングのような意味合いになるかと思います。皆さんぜひ活発な御議論をいただけたらと思います。
 それでは、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。
 
○事務局
 それでは、資料につきまして御説明させていただきます。資料につきましては、ペーパーレス化を実施しておりまして、会議場に来られている委員におかれましては、お手元のタブレット端末で資料を御確認ください。タブレット端末は、会議資料の議事次第を画面に表示した状態で配付されております。他の資料を画面に表示するには、画面左上の「マイプライベートファイル」を軽くタップしていただくようお願いいたします。なお、タブレットの使用方法につきましては、これまでと同様に「ペーパーレス審議会 タブレット操作説明書」で御確認ください。
 本日の資料として「マイプライベートファイル」に表示されている上から順に、会議資料、参考資料となっております。会議資料につきましては、資料を一つづりにしておりまして、議事次第、配付資料一覧。これまでの検討会議の経緯に関する資料といたしまして、資料1-1、これまでの検討会議の経緯について。資料1-2、中間とりまとめ(確定版)。資料1-3、「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」開催要綱。資料1-4、「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」構成員名簿。今後の検討会議の進め方に関する資料といたしまして、資料2-1、検討会議における今後の検討の進め方について。 資料2-2、スイッチOTC医薬品の候補となる成分の成分情報等(改訂案)。資料2-3といたしまして、スイッチOTC医薬品の候補となる成分についての要望に対する見解(改訂案)。 資料2-4、要望された成分のスイッチOTC化に関する検討会議結果(改訂案)。検討中の要望成分等の取扱いについてに関する資料といたしまして、資料3、検討中の要望成分等の取扱いについてを一つのPDFファイルとしております。参考資料につきましては、スイッチOTC医薬品の候補となる成分の要望状況に関する資料を一つのPDFファイルとしております。タブレットの中には、前回会議にて使用した資料も第14回資料としてフォルダーに保存しておりますので、前回資料に戻る必要がある場合には御活用いただければと思います。
 本日の資料関係の説明は以上となります。過不足等、御不明な点がございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。以上でございます。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。タブレットの不具合等ございましたら、お知らせいただきたいと思います。議題に入る前に、先ほども経緯につきましてお話しいただきましたように、今回の検討会議から新たな先生方に御参加いただいて、新しい体制で会議を開催すること になりました。それでは、構成員の先生方から一人ずつ簡単に自己紹介をいただけたらと思います。
 私は、「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」の座長を務めて、15回目になります。座長を引き受けるに当たりましては、医療用医薬品は、医師が処方を持ち、医師の責任で有効性・安全性を担保することができますが、一般用医薬品は、薬剤師の服薬指導、そして国民自身がチョイスする、いわゆるインフォームドチョイスと自己責任といった違いがあり、そのスイッチOTC化に関しては、大きな社会的な意味を持つことから、責任の重さを痛感しておりました。
 今日、これまでの14回にわたってのとりまとめのお話も出ますが、新たに5人の先生を迎えたことを大変うれしく思います。私のこの会議の趣旨としては、共通言語と共通認識をもって、セルフメディケーションの中でOTC医薬品はどうあるべきかという課題を抽出して、その解決を探っていく。その過程の中で、全員の合意形成を得るということでやってきました。新たな先生方と御一緒に、さらにこれを課題解決の会議として持っていけるということは、大変意義のあることだと思っています。
 それでは、自己紹介をお願いします。資料1-4の構成員名簿の記載順で進めさせていただきたいと思います。続きまして、五十嵐委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
○五十嵐委員
 皆様、こんばんは。私もこの委員にさせていただいて、最初から出ているので、もう大分になりますけれども、私の専門が皮膚科でございます。皮膚科領域のお薬もOTC化のものがいろいろと出てきていますけれども、これは国民のために安全に使っていただきたいという観点で議論をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 
○笠貫座長
 それでは、この名簿に沿いまして、進めていただけたらと思うのですが、岩月委員、お願いいたします。
 
○岩月委員
 日本薬剤師会の岩月でございます。薬局を始めて40年で、OTCをずっと取り扱っている、言ってみれば町の薬屋のおじさんでありますけれども、そのような立場も含めてこの検討会に第10回から参加させていただいております。よろしくお願いいたします。
 
○笠貫座長
 続きまして、上村委員、お願いいたします。
 
○上村委員
 国立国際医療研究センター国府台病院の院長をやっていました、上村です。専門は消化器内科でございます。この会議に参加させていただいて、OTCの重要性とか、そういったものを本当に勉強させてもらってきました。消化器分野に関しては、内視鏡学会とか消化器病学会の理事をいろいろとやっておりましたから、いろいろな形で力になれるのではないかとは思っております。今日は、7時10分から次の会議がございまして、申し訳ないのですけれども、7時10分に退出させていただきます。それでは、よろしくお願いいたします。
 
○笠貫座長
 次に、宇佐美先生、お願いいたします。
 
○宇佐美委員
 日本歯科医師会の宇佐美でございます。2年前からこの会議に出席させていただいております。笠貫座長は御苦労なさって、取りまとめがなかなか大変だったという感想でございます。国民の医療の安全のために、最終的にOTC化できるということを目途に、皆様と合意形成できればと私個人的には思います。よろしくお願いいたします。以上です。
 
○笠貫座長
続きまして、小縣先生、お願いします。
 
○小縣委員
 小縣です。日本女性薬剤師会では、通信教育や現場の集合研修等で薬剤師の教育研修を担当しております。個人的には、7年ほど前に薬局で検体測定室を持てるといったときを機会に、検査と薬でセルフメディケーションを応援するというコンセプトを持った、いわゆる調剤薬局を開局いたしました。できるだけ調剤薬局の現場とこの会議が乖離しないように、いろいろと勉強しながら参加していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。柿田先生、お願いいたします。
 
○柿田委員
 よろしくお願いします。柿田眼科の院長の柿田です。日本眼科医会から派遣されております常任理事です。眼科なので、あまり専門的なことは申し上げられませんが、目薬、点眼薬に関しては、幾つかOTC化されたものがありますので、いい方向には向かっているかと思っています。これからも眼科医だから分からないと素直に言いながら、フラットな立場で発言していきたいと思います。よろしくお願いします。
 
○笠貫座長
 それでは、私は先ほどお話ししましたので、黒川先生、お願いいたします。
 
○黒川委員
 日本OTC医薬品協会の黒川達夫と申します。よろしくお願い申し上げます。現在、我が国は国を挙げて新型コロナウイルスに対して、それを克服すべく努力しているわけでございますが、その経過の中で、医療資源、ヒト、モノ、カネは有限であることが改めて思い知らされているところはあるかと思います。そういった中で、国民、普通の生活者からどのようなことが出ているのか、そういった資源をどう有効に使えるのかという中で、セルフメディケーションはいま一つその役割が期待されているというところに来ているのではないかと思っております。黒川自身は薬剤師でございまして、大学で教授をしていた間は医薬品開発、国際協力、安全対策等をやっておりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。近藤先生、お願いいたします。
 
○近藤委員
 近藤と申します。専門は耳鼻咽喉科です。 診療領域としては狭いので、他分野の薬についてはあまり知識がない面もあるのですが、実りある議論に参加できるよう努力したいと思います。よろしくお願いします。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。佐藤委員、お願いいたします。
 
○佐藤委員
 産経新聞の佐藤です。長らく医療・介護を取材してまいりました。医学については素人でありますので、勉強させていただきながら一患者、一国民として意見を申し上げたいと思います。よろしくお願いします。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。宗林委員、お願いいたします。
 
○宗林委員
 宗林です。職場が国民生活センターといいまして、国民の苦情を全国的に把握したり各地にある消費生活センターの支援を行っているところでございます。その中でも安全とか商品テストをしたりということで実験もできるところに勤めております。
 ただ、宗林個人は、割と前からセルフメディケーションという中で、健康食品とOTCで同じような成分が出される分野もあったりとか、処方箋薬との関係では、OTCがややへこんでいる状況、健康食品と処方箋薬の中で、もう少しいろいろなOTCが出て、選べるようになって、自分でセルフメディケーションができればいいなと考えている立場でございます。私は消費者の立場でもありますけれども、登録販売者でもあり今後ともどうぞよろしくお願いします。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。高野委員、お願いいたします。
 
○高野委員
 日本中毒情報センターの高野です。薬剤師ですが、ふだんは中毒に関する相談や様々な資源を活用して、国民に広く中毒に関する情報提供をしております。市販薬に関しては、非常に有効な資源と考えておりますので、積極的にそういったものを活用できるように議論に参加させていただきたいと思っております。
 また、高齢者の方、特に認知症の方とかがカンフル含有の外皮用薬を食べて重篤な症状になったりとか、市販薬は非常に危険性を伴う部分もありますので、そういったところに関しても分かりやすく議論のほうに上げていただくように努力したいと思います。よろしくお願いいたします。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。長島委員、お願いいたします。
 
○長島委員
 日本医師会常任理事の長島でございます。国民と共にあるかかりつけ医の立場から医療上の有効性と安全性がしっかりと担保できますように取り組んでまいります。よろしくお願い申し上げます。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。萩原委員、お願いいたします。
 
○萩原委員
 自治医科大学呼吸器内科の萩原と申します。呼吸器分野は、コモンディジーズが非常に多く、風邪とか感染症、ぜんそくなどを含みまして患者さんが非常に多いところになるので、その立場から幾つかお話をさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 
○笠貫座長
 それでは、平野委員、お願いいたします。
 
○平野委員
 日本チェーンドラッグストア協会から参加させていただきます、平野でございます。私自身も75店舗のドラッグストア、調剤薬局の経営をいたしております。生活者に対して直接触れ合う場所であることから、広範な医薬品を情報とともに安心・安全にお届けすると同時に、その後のフォローに関しても貢献したいと思っております。
 薬物そのものの安全性はもちろんですけれども、いかに患者さんに必要な情報を伝え、フォローするかという面から私たちは貢献できるのではないかと思って参加いたしております。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○笠貫座長
 堀委員、お願いいたします。
 
○堀委員
 皆様、こんばんは。私は、認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOMLから参りました、堀恵と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私は一般市民、一般消費者です。先ほど笠貫座長がおっしゃったように、国民自体、消費者、市民全てが薬を安心・安全に服用、また、購入できるように、国民、市民、また、消費者自身も責任を持ってアドヒアランスが行えるように、私も微力ながら意見を述べさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。松野委員、お願いいたします。
 
○松野委員
 よろしくお願いします。日本保険薬局協会常務理事と東海地域を中心に展開しておりますたんぽぽ薬局株式会社の松野と申します。今日からの参加ですので、皆様の御意見をいろいろと聞きながら、あと、地域の方々に求められているOTCを考えながら、微力ながら何とか頑張っていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。宮園委員、お願いいたします。
 
○宮園委員
 宮園といいます。よろしくお願いいたします。日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会と長い名前ですが、NACSという消費者団体の中におります。仕事としては、熊本大学の法科大学院がまだあった頃には、消費者保護を非常勤で担当させていただいていたのですが、現在はなくなりましたので、ずっと熊本県消費生活センターの相談員をやっています。相談員歴は25年ぐらいになります。
 私は、医薬品に対する専門的知識がなくて大変申し訳ないのですが、バックボーンを言うと、熊本市に住んでおりまして、自宅からドラッグストアに行くまでに病院が何件もあるといった環境におります。あと、自分自身も常備薬がありますので、月に1回病院に行って、漢方薬を処方していただいているという状況なので、こういったウェブ会議になったからこそ、地方での消費者の暮らしがこちらの審議会の中で少しでも反映させていただける非常に光栄な機会だと思っております。よろしくお願いいたします。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。矢口委員、お願いいたします。
 
○矢口委員
 日本臨床皮膚科医会の副会長の矢口と申します。東京の練馬の大泉学園で大泉皮膚科クリニックを開いておりまして、開業医の一人でございます。昨年9月に日本臨床皮膚科医会の学術大会で特別講演をやらせていただいたのですが、その内容が皮膚科におけるOTC医薬品ということで、これまでにOTCになったもの、またはOTCとはどんなものがあるのかということをいろいろと勉強させていただきました。それを参考に、これからもこの会議で意見を述べさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。最後に、湯浅委員、お願いいたします。
 
○湯浅委員
 鎌倉で開業しております、章平クリニックの院長の湯浅と申します。私は、日本臨床内科医会からこの会議に推薦いただいて、出席させていただいております。第一回からメンバーとして加わっております。
 日本臨床内科医会でOTC化の議論をする際、今までは、常任理事会を中心に行われておりましたが、今後は、学術委員会で議論させていただき、理事会で承認する形を取らせていただこうと思っております。我々は、かかりつけ医の立場で、OTC化について、有効性、安全性などについて、この場で意見を述べられるようにしっかり議論していきたいと思います。また、当委員会には、様々な職種の方々が参加されております。それぞれの立場でのお話をお聞きして、自分自身も勉強していきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○笠貫座長
 本日の議題の「これまでの検討会議の経緯について」に入りたいと思います。それでは、事務局から資料の説明をお願いいたします。
 
○事務局
 それでは、事務局より御説明させていただきます。先ほど自己紹介いただきましたとおり、新たな構成員の方々をお迎えしていることも踏まえまして、まず、本議題におきましては、これまでの検討会議の経緯を御説明させていただいた上で、その後の議題で今後の検討会議の検討の進め方について御議論いただきたいと考えております。まず、資料1-1、3/53ページを御覧いただければと思います。
 1では、これまでの中間とりまとめの策定の経緯をとりまとめております。第8回検討会議におきまして、笠貫座長よりこれまでの各要望成分の議論を踏まえて中間とりまとめを行うことが提案されまして、第9回会議におきまして大まかな方針が了承されました。その後、昨年7月から12月までの間に第10回から第14回まで計5回の検討会議を開催いたしまして、ヒアリング等も含めて検討を進めまして、第14回会議にて、細部については座長預かりとなりまして、その後、本年に入りまして2月2日付で中間とりまとめの策定が終了しております。確定した中間とりまとめにつきましては、資料1-2といたしまして、5/53ページから掲載しております。
 中間とりまとめにおきましては、スイッチOTCに関わるこれまでの経緯、検討会議の検討実績や議論された課題・論点等の整理、ステークホルダーの関係性や役割、スイッチ化が可能と考えられる医薬品の考え方などを整理いたしまして取りまとめておりますけれども、本日は、昨年12月の中間とりまとめ案から主要な変更点について簡単に御説明させていただきたいと思います。
 まず、13/53ページを御覧ください。○の3つ目につきまして、再発時の症状に限定してスイッチOTC化できる可能性があるものについて、前回会議の議論を踏まえまして「症状のみから疾患の判断をすることが困難な場合」との記載をより正確に「使用者自身が初発時の症状から使用の判断をすることが困難なもの」と修正いたしました。続いて、15/53ページを御覧いただければと思います。前回会議におきまして、スイッチOTC化を進めていく上で有効なツールとしてセルフチェックシートやお薬手帳の活用が重要であり、中間とりまとめにおいて、その点を強調して記載したほうがいいのではないかとの御意見をいただきました。その御意見を踏まえまして、下から2つ目の○において「セルフチェックシートは、適正使用に有用な手段であり、スイッチOTC化を促進する上で積極的に活用していくものと位置付けられた議論が行われた」との一文を追加しております。また、20/53ページを御覧ください。お薬手帳につきましては、使用者の服用履歴等について正確に把握、情報共有する上で有用な手段であるといたしまして、3つ目の●の一文を追加しております。22/53ページにおきましても、医師の役割といたしまして、2ポツ目に「お薬手帳を通じた医療用医薬品、OTC医薬品の服用履歴の把握」を追記しております。使用者の役割・対応として、5ポツ目に「セルフチェックシートを通した自身の症状の理解促進」も追記しております。26/53ページでございます。スイッチOTC化する上で満たすべき基本的要件については、マル1につきまして、薬剤の特性として薬機法の要指導・一般用医薬品の定義に該当するものであることが前提となりますので「人体に対する作用が著しくないものであって」との条件を追記しております。今後新たにスイッチOTC化が可能と考えられるものにつきましては、検討会議におきまして幾つかの御意見をいただいておりました。27/53ページの○の3つ目におきまして、両論併記する形で、自覚症状がないものに使用する医薬品については、スイッチOTC化すべきではないとの意見があったことを追記いたしました。また、スイッチOTC化の適切性につきましては、薬効群での議論ではなく、個別の成分ごとに議論して判断すべきものであることから、○の4つ目におきましてその旨を追記しております。今後の検討会議の進め方については、大きな変更点として、要望成分のスイッチOTC化の可否についてまで決定しないことになりますので、その点について、28/53ページの1行目に追記しております。そのほか、用語の統一や軽度の記載整備も併せて行っております。今後は、中間とりまとめを踏まえて、検討会議での議論を進めていきたいと考えております。
 資料1-1に戻っていただきまして「2.規制改革実施計画等を踏まえた評価検討会議の運営等について」の項を御覧ください。これまでの会議におきまして、検討会議の議論の進め方について議論させていただき、四角で囲んだ規制改革実施計画の指摘内容については、下の3つのチェックで示した変更を行いました。これらの変更点については、前回会議において開催要綱の改訂案を御議論いただき、御了承いただいておりますけれども、その確定版を資料1-3として添付しております。
 また、今回会議より新たに消費者代表、産業界代表及び販売関係者の方々に新たに御参画いただいておりまして、新たな構成員名簿を資料1-4として添付しております。
 続きまして、4/53ページを御覧ください。規制改革実施計画の記載が冒頭の枠囲いに記載されておりますけれども、本検討会議にスイッチ化の要望を提出せずに、直接承認申請された成分の取扱いについてでございます。12月2日に開催いたしました第13回の検討会議におきまして、直接承認申請することは認めた上で、直接承認申請されたものについては、原則、検討会議で議論するという方針を示させていただいておりました。ただし、直接承認申請された医薬品の効能または効果が既に承認されている要指導・一般用医薬品と類似のものであり、スイッチ化における論点・課題を改めて議論・整理する必要がないと考えられるものは除くということを提案させていただいておりました。それにつきましては、検討会の場で除く基準について、より明確な基準が必要ではないかとの御意見をいただいていたところでございます。また、具体的な進め方について、別途検討させていただくとしておりましたので、具体的な進め方について、今回、御提案させていただいております。具体的な議論の進め方についてでございますが、申請状況等につきましては、企業秘密の一つでもあるということでございますので、検討会議に非公開のパートを新たに設定いたしまして、そこで議論することとさせていただいております。本検討会議の設立の経緯といたしましては、スイッチOTC化の評価に産業界、消費者等のより多様な主体からの意見が反映され、より透明性をもって行われる目的から設立されておりますので、公開で議論できる場合は、公開で議論することが望ましいと考えておるところでございます。議論を公開または非公開で実施するかについては、申請企業と相談の上、決定したいと考えております。検討会議で議論する成分の基準につきましては、既にスイッチOTC化されている成分の同種同効品については対象外といたしました。同種同効品の定義を記載しておりますけれども、薬事・食品衛生審議会における承認申請品目に対しての競合品目の範囲を参考としております。薬理作用の強さや副作用の違いはあれど、既にスイッチOTC化されている成分と同様の対応を行うことで、スイッチOTC化が可能と考えられる医薬品については、薬事・食品衛生審議会のみの議論とすることで差し支えないのではないかと考えております。
 具体的な進め方については、下の5つのチェックを御覧ください。議論する際は、非公開パートにおいても、申請企業名は非公開といたしまして、申請された成分、効能・効果及び用法・用量を基に議論することを考えております。パブリックコメントを実施するかにつきましては、検討会議の公開・非公開と同様、申請企業と相談の上、決定したいと考えております。検討会議での議論結果につきましては、要望に基づき検討した場合と同様に、検討会議の意見として薬事・食品衛生審議会に報告することとしたいと思っております。検討会議結果の公表については、非公開で実施した場合は、承認された後にホームページ等で公表することを予定しております。なお、これまでは新たに直接申請された場合の取扱いについて御説明いたしましたが、検討会議に要望が出されておらず、既に承認申請されている成分についても同様の対応としたいと考えております。議題1に関する説明は、以上となります。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。御質問あるいは御意見を伺いたいと思います。これからの評価検討会議の在り方の根本に関わる問題だと思いますので、ぜひ忌憚のない御意見をいただけたらと思います。いかがでしょうか。特に、これまでの議論に加わっておりませんでした5名の委員の先生方からは、御質問をどんどんいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。黒川委員、お願いします。
 
○黒川委員
 ありがとうございます。黒川ですが、4/53のトップに書いてございます「規制改革実施計画における記載」は、規定により、直接厚生労働大臣へ承認申請を行うことも可能であることを明確化するということでございますが、この趣旨は、例えばこの検討会議を経ずに、薬機法に基づいて14条の承認の拒否理由に該当しなければ、承認を与えていただけるということも背景として含んでいるのではないかと考えるのですけれども、対応案の中には「原則、検討会議でもスイッチOTC化する上での課題点等について議論することとする」となっております。この部分の整理はどのような形でなされておられたのか、お聞きしたいといたしたいと思います。
 
○笠貫座長
 事務局、お願いします。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 お答えいたします。御指摘のとおり、確かに14条での申請ができるということはそのとおりでございますので、今回についても、そこについては一応申請できますということで、会議の位置づけとしては明確化したという形になっているところでございます。その後、対応案のポツの上のところにも書きましたけれども、その有効性・安全性等を議論する際の一助として、この会議での意見は、我々審査する側としては、当然、その辺りは有効な参考意見がもらえるだろうということで、審議するほうの考え方として、この会議をぜひとも活用したほうがいいのではないかという整理から、この対応案として、原則、こちらの会議で問題点などについて御議論いただいたほうがいいのではないかと整理しているということでございます。
 
○笠貫座長
 御質問はありますか。黒川委員から薬機法の御指摘があったのですが、医療用医薬品として医師の責任で使う場合の有効性・安全性の確保と、OTC医薬品として国民が自己責任で使うという場合の薬機法の位置づけはきちんと書かれているのでしょうか。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 お答えいたします。基本的に、薬機法で承認する医薬品の中には、まさにお医者さんの処方箋の下でお使いする医療用医薬品と、もともと一般消費者の方が薬剤師などの指示の下、購入することができるいわゆる大衆薬といいましょうか、一般用医薬品も当然、医薬品の中に入っておりますので、同じように14条の承認の中で、同じ医薬品の承認という形で同じように有効性・安全性を確認して、承認を与えるという同じ14条の体系の中に入っております。ただ、その際に、有効性・安全性の評価に当たっての基準といいましょうか、考え方は当然、物によって変わってくる話になりますので、その辺りは、法律の規定上は区別しない形になりますけれども、実際の承認をする際の基準については、当然、物事で変わってきますという形になりますが、繰り返しになりますが、お答えとしましては、当然、一般用医薬品についても入った形で薬機法の中の規定として入っているということでいいと思います。
 
○笠貫座長
 この会議で一番の問題になっていたのは、両者のギャップだと思うのです。国民が自己責任で使う場合には、医薬品の特性、疾病の特性、適正使用の確保に加えて、環境の問題がすごく大きいのです。薬局ビジョンを含めて国の政策が大きく変わろうとしているときに、医師の処方で出す医療用医薬品とOTC医薬品は基本的に違うという議論がここでされてきており、「原則」を入れたのだと思います。この評価検討会議では、どうOTC医薬品のリスクを低減して、有効性を最大化するかについて議論してきたところです。国民が最大限に安全にかつ有効に医療用医薬品を一般用医薬品として使うというステップとしては最も重要だという認識です。この共通認識をどうするかは、この会議の根本にも関わることだと思います。
 
○宗林委員
 宗林です。全体像としては疑問に思っていることがありましたので、あえてここで聞かせていただきます。今はOTCスイッチ化するときに、セルフチェックシートとか、すごく厳密なチェックをして薬剤師さんとかが関与するということを前提にスイッチ化のものを決めているのですが、一方で、デジタル化という観点から医薬品販売の全体像を見ると、同じような規制改革のところの会議の中では、お店そのものに直接対面で医療従事者や薬剤師さん、登販とかがいなくてもいいのではないかという議論も横で聞こえてくるのですが、その辺は全体像としてどういう位置づけにあるのか、少し事務局から解説していただけるとありがたいと思います。
 
○笠貫座長
 事務局、お願いいたします。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 審査管理課長ですけれども、今、規制改革会議がいろいろなことを言っていることについて、私がいろいろと申し上げるのは必ずしも適切ではないのかもしれませんけれども、規制改革がいろいろなことを言ってきているのは承知しております。ただ、私どもがここでスイッチOTC化しますかという議論をする際には、まず、ステップとしては、少なくとも当初は薬剤師さんの元で対面でということを前提に、医療用から一般用に転用できますかということを御議論いただくのだろうと思っているところでございます。さらにいえば、この中でもインターネット等の販売まで移行するということがもちろん議論になっておりますが、それについては、必要ならまた別途検討させていただく。その流れの中で、もしかすると規制改革会議が言っているようなことも視野に入れながら議論しなければいけないのかもしれませんけれども、当座は、ここでスイッチ化するかどうかという枠組みの中での議論については、まずは薬剤師さんによる対面での指導を前提としてスイッチ化できますかということで、議論を進めていただければと私としては思うところでございます。以上です。
 
○宗林委員
 宗林です。ありがとうございました。ただ、ここで慎重にチェックシートとか薬剤師さんの役割、医師との連携とかをしている一方で、半分の半分ルールとか、オンラインの先に誰かがいればいいだけで、店舗には誰もいなくてもいいのだという議論も一方で進んでいるように思いますので、最終的にはそのようなところとの整合性もつけるような形で検討ができればと思いますので、折を見て、事務局から御説明いただければと思います。
 
○笠貫座長
 黒川委員、どうぞ。
 
○黒川委員
 もう一度コメントをさせていただきます。黒川ですが、今、スイッチOTCのそれぞれの実施者間におけるステークホルダーの参画等も踏まえて参考にいたしたいという課長の御説明をいただきました。それは全くごもっともだと私も思うわけでございますけれども、一方で、法に基づきますと、第14条に戻れば、成分、分量、用法・用量、効能・効果、その他幾つかが承認拒否事由に該当しなければ承認されるとなっておりまして、審査はPMDAと薬食審が担っているわけでございます。PMDAと専門家による専門協議が有効性、安全性、品質等の技術的なことを議論し、薬食審は社会的なところから議論をしていただくということで、まさにその点は、薬食審の役目ではないだろうかと。そのほうが、例えばここに記載してございますような次に守秘義務とか非公開ということもなくなります。
 それから、私は42ページ、43ページの図を引用したいのですけれども、ここで直接要望が出た場合、あるいは要望が提出された場合としてフローチャートが掲げてございますが、御案内のとおり、産業活動にとっては予見性、いつ頃までに何が起きるか、可能になるかということが企業の経営で大変重要でございまして、この点で、43ページの図を見ると、これは4ページに対応するものだと思うのですけれども、この検討会がどのような形で関わるのか。まず、一旦ここで検討した上で、薬食審にかかるのか、並行して行うのかと両方にも取れるわけです。産業活動として、例えば風邪薬をイメージしていただくとよく分かるのですけれども、1年前に計画を立てて、処方原料とか箱の注文、添付文書とかいろいろとあるわけでございまして、そういう中で、スタートから承認を得るまで1年以上かかるということは、2年先、3年先の産業活動を想定しなければいけないという大変酷な状況になるわけでございます。
 そういう意味で時間は大変大切ということで、それも含めて考えますと、元に戻って、法の下の平等という意味からおっしゃっていただいた重要な案件についても、そもそも薬食審一本でダブらないでやっていただくことが可能ではないかと私は思うのですが、それは難しいのでしょうか。
 
○笠貫座長
 事務局でお答えいただけますか。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 そこはまさに先ほど笠貫座長がお話しされたとおり、薬食審で最終的な御意見を聞いて、有効性・安全性を厚生労働大臣が最終判断する。この立てつけは基本的に変わらないのだと思います。PMDAでは技術的なことを行うことも変わらないのだと思います。その上で、PMDAあるいは厚労省による審査の中で、そのほかの場といいましょうか、そういうところで別途意見を聞くということも妨げるものではないのだろう、これは事務局の裁量なのだろうと私は思っております。最終的には薬食審での有効性・安全性の判断になりますが、裁量の範囲内でそれに資するような検討をこの場でやっていただくということを妨げるものではないと思いますし、むしろ先ほど笠貫座長におっしゃっていただいたように、ここで産業界、消費者等のより多様な主体からの意見に基づく問題点あるいはその解決策も提示していただける。薬食審だけだと、解決策とか、そこまでの掘り下げといいましょうか、我々としても、恐らくそこはなかなか難しい面はあるのではないかと思いますので、その辺も含めて検討いただくことによって、結果としてOTCの有効性・安全性をどのように担保できるのかということについての審議会での最終判断に十分資するような形になるのだろうと。ですので、こういった形での会議を活用させていただくという立てつけも考えさせていただいたということでありまして、法の立てつけ上は、その審議会あるいはPMDAを妨げるものではないと思っております。
 あと、一方で予見性という部分につきましても、確かに申請されてから後にとなると、予見性が気になるという御指摘はごもっともかと思います。ただ、一方で、早めに要望を出していただければ、開発とかをする前に意見を聞いて、解決策を含めて御意見としてまとめていただけるわけですから、もともとこの会議が立ち上がったそもそもの目的といいましょうか、趣旨のとおりにやっていただければ予見性は高まるのだろう、これまでも十分に確保できているのだろうと思いますので、そういった意味では、今回のスキームにすることによって、予見性が低くなることはないのだろうと思っておりますので、いずれの問題についても、そういった意味では、そういう御指摘については十分に対応できている形での提案だと認識しているところでございます。以上です。
 
○笠貫座長
 平野委員、お願いいたします。
 
○平野委員
 よろしくお願いします。先ほど笠貫座長から有効性を最大限に生かしてというのは、まさに今の社会の要求なのだろうと思います。ただ、私どもも医薬品を取り扱う仕事をしております以上、医薬品は有効性と安全性のトレードオフであるということについても、同様に重要性を感じているわけであります。ただ、その中で2つ大きな要素があるのだろうと考えています。
 1つは社会の求め。今回の品目の中にも早期妊娠中絶薬の話が出ています。レイプをはじめとする望まれない妊娠から女性を守る、あるいは愛のないところに生まれてくる子供をいかに防ぐかは、重要な社会的な要請であって、国際的にもこれはほとんど認識されている、認められていることだと思います。例えばこういう場合には、もちろん、何らかのリスクは絶えずあるわけですけれども、どのような環境整備を行うことで、どうすればこの課題を解決できるのかを最優先に考えるべきだと思います。
 もう一つは、リスクの性質には2つあると考えています。もともとの薬物の成分あるいはその作用機序そのものにリスクがある場合は、専門の先生方に本当に議論していただかなければいけないことだと思います。しかしながら、一方でもう一つには、利用する生活者の医薬品に関するリテラシーの低さだったり、あるいは先ほど宗林委員からもありましたけれども、私たちはもちろん御説明をするわけですが、意識が低下する、あるいは忘れてしまうことによって適切に服用されないというものも絶えずあるわけです。そういう生活者と相対する中で解決できるものは、私たち現場で販売する者が何らかの活動を行うことでかなり防げるのではないかと思っています。
 先ほど22/53ページの中に、お薬手帳とかICTを活用したという言葉が出ておりました。実は今、ドラッグストアチェーンで一定規模以上のドラッグストアチェーンであれば、ID-POSといいまして、ドラッグストアで最近、会員カードをお配りしているのですが、そこにお名前とか連絡先をいただいて会員登録をして、その会員カードのバーコードを読んで売上げをつくっていく。そうすると、どなたがいつ、何を購入したのか、その方は年齢が何歳で、性別がどちらでという履歴を全て持っています。さらに、一部の企業においては、そのデータベースとリンクしたアプリまで開発していて、購入後、例えば何日後という形でその薬剤に関する注意事項としてのアラートを発したり、あるいはこんなことが起こっていませんかというアンケートを取ることもできるようになっています。こういうことを活用していくと、購入後に関してもきちんとフォローしていくと同時に、例えばOTCを買うということは、既に症状を自覚しておられるわけですので、その購入者に対して一定期間後に確認を取って、効き目が出ていないということであれば、そこで受診勧奨をするとか、そういったこともテクノロジーの中で解決済みになっています。あとはそれをどのぐらい普及させるかというだけなのですが、そういう解決法を我々がいろいろと持っているということを御理解いただきながら、いかにより広範な医薬品を国民のために提供できるのかという視点で議論させていただければありがたいと思っている次第でございます。以上でございます。ありがとうございます。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。そうしましたら、高野委員、お願いします。
 
○高野委員
 この中間とりまとめの位置づけとして、先ほど黒川先生からも御指摘がありましたいわゆる検討の過程の透明性を確保して、スイッチOTC化の開発の予見性を向上させることを目的にしているというところがございまして、いろいろなステークホルダーの先生方が透明性をもってこういったことを危惧しているのだというところを明らかにして、こういった形で明文化することに関しては、非常によかった面がすごく大きいのではないかと私個人的には思っているのです。ただ、それが実際の14条の承認の中において、いわゆるハードルが高くなってしまうという側面が危惧されている部分もあるのかなとは思うのですけれども、この議論に関して、企業様としてどういうアプローチをしていくのかというのは、我々としても分からない部分がございますので、そういった意味で、今後、双方がどういった形で解決するといいますか、国民のためにできることは何なのかということを議論するというところでは有用なのかと思っております。
 
○笠貫座長
 黒川委員、どうぞ。
 
○黒川委員
 度々申し訳ございません。ただいまの御当局並びに皆様のお考えはごもっともでございまして、改めて敬意を払うところでございます。そこで、私はこういうことではどうだろうかという提案があるのですけれども、確かにリアルワールドの状況をここで受け止めて、それを例えばスイッチ化の考え方の中に反映するとすれば、実は2016年4月13日の第1回の医療用から要指導等検討会の資料4としてこういうものが出されて、細かくて申し訳ないのですけれども、ここでは学会、団体、消費者の要望ということで、それを捉えて、いろいろと社会の中で困っている方々の声を聞いた上で、それをスイッチ化できるのはどうだろう、どうすればいいかと。まさに笠貫先生がおっしゃったことで、IT化もあれば、職種ごとのコラボレーションもあるということの議論がなされている。一方で、産業は、各社がそれぞれしのぎを削ってよいものを出そうと思っているわけなのです。それはそれできちんと14条の下で受け止めていただいて、必要があれば、そこで企業さんが、PMDAや専門協議の先生からの質問に対して答えるというやり取りが審査の中であるわけです。そういう中で反映していただければ、時間的にも短くなると。
 ここで今の国全体の状況を考えますと、今から7~8年前になると思いますけれども、それこそ政府の日本再興戦略の時代からセルフメディケーションを推進して、社会が直面する問題をなるべく緩和し、解決していこうという中で、産業界は産業界で企業がそれぞれの競争原理の下で頑張る。それから、学会や団体、消費者は、今までと同じようにここにお話をしていって、それを受け止めて、今度は産業界がああ、そういうものが欲しいのだと努力する。もしこのような形ができれば、時間も短くて済みますし、リアルワールドでファンクションするような姿になる。今は、企業も評価検討会議に出さないといけないという形になっているから、様々なひずみを生んでいると私は思うのですけれども、これは私が評価検討会議のテーブルの上にさしあげる提案になります。以上です。
 
○笠貫座長
 黒川委員にOTC協会の立場から、具体的なお話をいただきました。平野委員の御意見もそうなのですけれども、我々が14回にわたる会議の中で、スイッチOTC化を積極的に考えようということは基本的に同じ認識です。
 セルフメディケーション推進という国の方向性の中で、スイッチOTC化をするときに、どうして国民の安全性と有効性の確保、特にリスクの低減、安全とは何かであり、社会の価値観に基づいてどのようにリスクを許容できるようにかということです。この判断は非常に難しい。そのために、課題を抽出して、その課題を解決していけば、リスク低減は進むだろうということで、この課題抽出に随分時間をかけてきたと思います。その結果、企業から出された10種の申請の中で9種を全員賛成で合意形成ができたのは、こういう課題に対して解決していけば、ここで採用できるということです。現在の環境で、国民に安全で有効な薬を届けられるか、国民がリテラシーを高めて、自分で決められるかというプロセスにあると思います。先ほど黒川委員からも出ました、OTC医薬品にはラグがあるとすれば、それは承認ラグか、あるいは開発ラグかという事実を見たい。そして、実際の根拠に基づく解決策を考えたいと思います。先ほど平野委員から出た、ID-POSで解決済みとすれば、その解決策をどうやって実行できているのか。我々はそこまで煮詰めたディスカッションをしてきました。この評価検討会議で課題を抽出するだけではなくて、課題解決を一つ一つ詰めていくと、スイッチOTC化はおのずと進んでいくのではないかということで進めており、黒川委員からも御指摘のあった提案は、そういう意味で我々は進めてきているのです。法律でも、企業でも、行政でもなく、最終的には国民にどのようにいい薬を安全に使えるのかということで、ずっと議論してきました。今回、ステークホルダーの多様性という重要なことを規制改革会議で指摘されましたので、御参加いただいた先生方と一緒に課題解決を考えていこうと思います。先ほどのように解決されていた問題があるのだったら、それをここで議論したいと思います。これまでも、例えば、安全性の問題があると指摘があれば、論文の批判的吟味を行い、薬局できちんと指導しているかを指摘されれば、厚労省の覆面調査の結果はみて、どうやったら改善していくのか、解決していくのかということを議論しています。そして、その後解決されたものは、ここに出していただいて議論していけば、一歩前に進むのではないかということで、今まで「否」となったものでも、またここで議論できるという仕組みだと思います。いずれにしても、今度はここでは採否は決めません。しかし、抽出された課題が一定の解決がなされなければ、スイッチすることは、私は基本的にリスクが高過ぎると思います。国民がどこで安全とするかという社会的な妥当性、社会の価値観でリスクを許容できるかどうかについて議論するときに一番大事なのは、透明性です。多くの国民の人たちが許容できるか、どこに合理性があるかについて考えていくのがこの会の意義なのではないかと思います。そういう意味で、同種同効品だったら、これは社会が許容可能なリスクだということで皆さんがそれを受け入れたものだとしたならば、それで実績があるならば、それは可能なのだろうと私は思います。そうではない場合には、この会議で議論することです。その議論をすることで何が遅くなったのかということも一つ一つ批判的に吟味しなくてはいけないし、検証しなくてはいけません。
 以前、アメリカのOTC医薬品の協会長と話しましたときに、日本の医薬分業はどういう歴史があり、欧米とどこが違うのか話させていただき、ラグの原因はどこにあるかという話をしました。今の日本のニーズとしてスイッチOTC化を推進する過程で国民の一人一人の命をどう守るのか、安全をどうするのかについて今後も議論を進めていきたいと思います。そういう意味で、セルフチェックシートではなくて、課題として出された項目をチェックしていったら、スイッチOTC化として大丈夫だということが、予見性として可視化できると思います。可視化できて、透明性を持って、スイッチOTC化を進めていくという一つ一つの積み重ねが大切という感じがしています。
 規制改革会議で示された課題抽出と解決策というのがこの会議の任務だとしたら、スイッチOTC化の推進という意味では非常に意味があるのではないかと前向きに捉えて、この中間報告書になったと御理解いただけたらと思います。御意見がありましたら、いかがでしょうか。堀委員、どうぞ。
 
○堀委員
 今回参加させていただいたので、論点をはっきりとさせたいのですけれども、4ページで、今回、直接承認申請された場合に関して、原則というニュアンスの取り方について確認させていただきます。今までは検討会議でスイッチOTC化するか否かを審議されてきたということでよろしいのでしょうか。お願いします。お聞かせいただいていいですか。
 
○事務局
 事務局ですけれども、初期の頃ですが、この検討会議の場で議論がありまして、基本的にこちらで議論すべきだという話がございましたので、これまでは承認申請を希望されたあるいは実際に承認申請された場合であっても、まずはこちらの検討会議に要望を出してくださいという運用をしてまいりました。今回、それを受けて、規制改革実施計画のほうでもそういった議論になっていると承知しておりますけれども、これまでについては、基本的に検討会議のほうに要望を出していただいて議論してきたという経緯でございます。
 
○堀委員
 ありがとうございます。そういたしますと、ここの原則は、要するに今後も同種同効品でない場合に関しては、審議がなされるということで理解してよろしいでしょうか。
 
○事務局
 はい。そういう形での事務局からの御提案ということでございます。
 
○堀委員
 そういたしますと、原則というニュアンスは、この原則の中に同種同効品をいかに位置づけるかということが今回の論点ということでよろしいのですか。要するに、直接承認申請であったとしても、同種同効品の場合だったらば、今回は審議をしなくて対象外とするということで、薬事・食品衛生審議会のみの審査で、ここでは審査はされないということでいかがですかということなのですね。
 
○事務局
 はい。おっしゃるとおりでございます。
 
○堀委員
 分かりました。それで、同種同効品ということなのですけれども、これは一般市民の立場から意見を言わせていただくのですが、私どもが同種同効品といいますと、どうしてもジェネリック医薬品とかを頭の中に想像してしまいます。例えばジェネリックの場合に関しましても、一般名に関しては同じであっても、混ぜ合わさっているものとかによって、飲んだときの症状が若干異なるということをいろいろな方から聞いております。それを考えた場合、今回のOTCに関しましては、同種同効品であったとしても、処方薬ではないということで、今日、いろいろな方々からお話がありましたけれども、患者が直接薬局から購入するときに、薬局サイドがどこまでどのようなフォローをしていくかということがすごく重要なのだと思うのです。そうなった場合、そういうシステムが今はまだまだ発展途上の状態であるのならば、一般市民の立場からは、同種同効品であっても審議にかけていただきたいというのが本音です。ただ、この場合、どうして実際にここで同種同効品を削除して、今回、この審議会で審議はしないということになったのか、その経緯を教えていただけたらありがたいです。
 
○事務局
 まず、ジェネリック医薬品の事例を挙げられましたけれども、まず、その辺の違いについて簡単に御説明させていただきます。
 
○堀委員
 はい。お願いします
 
○事務局
 ジェネリック医薬品につきましては、有効成分そのものが先発医薬品と同一ということでございまして、添加剤とかそういったものが多少異なって、異なる状況が生じるのではないかというお話でございます。今回、同種同効品と申しますのは、有効成分自体も異なるものでございまして、まず、先発のものについては既にOTC化されており、薬局の販売等でどういった対応であれば安全に使用できるか、安全に販売できるか、安全に一般の方に使用していただけるかというのが固まっている状態。それと同種同効品ということで効能・効果であったり、薬理作用であったりといったことが類似している。なので、薬局とかで販売するといったときに、対応しているものが基本的には同じ方法で対応できるだろう、ただし、副作用の出方が強い、弱いとか、効能のところで強い、弱いは多少あるかもしれませんけれども、そういったところの最終的な審査、承認の可否については、薬事・食品衛生審議会で審議が可能であろうといったところで、その前さばきといいますか、スイッチOTC化に係る事前の考え方については、先発品がございますので、この検討会で改めて議論していただく必要はないのではないか、最終的に審議会のほうで副作用の出方とかそういったところを個別成分ごとに審査していただければいいのではないかというのが事務局の考えでございます。
 
○堀委員
 ありがとうございました。そうしますと、先ほど笠貫座長がおっしゃっていました、ここでいろいろなステークホルダーの方たちが意見を言うという事は、要するに今回の同種同効品にあった場合、必要はないと判断されたということなのでしょうか。
 
○笠貫座長
 どうぞ。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 同種同効品につきましては、結局、今既にOTC化されているものがあるわけですから、そういう意味で、この場でのこれまでの議論を踏まえて、既に課題は何ですか、解決はどうなのかということを踏まえてスイッチ化したものが承認されているという前提になっていますので、そういう意味では過去のこの検討会での議論を踏まえて、既に課題とかその辺が分かっているということなので、新しい同種同効品が薬事申請されたときに、その課題が何なのか、解決は何かというのをここでまた改めて議論するまでの必要はないのだろうということで、再度の議論は必要ないという整理です。ですから、そういう意味では、同種同効品ではない新しいものが出てきたら、それをスイッチ化する際の課題が何なのか、どういう対応が必要なのか、解決策はどうなのかというのは御議論いただく。その際には、こういったステークホルダーの皆さんがおそろいの中で御議論いただいたほうが、直接の解決策も含めて、PMDA、薬食審だけの場合よりも意味のある議論ができるだろうということで、ここで議論をしていただく。ただ、あくまでも意見をまとめて、最終的にはそれを薬食審で審議するのですが、そこでの審議のための有益な意見、情報として提供するという枠組みにしたらいいのではないかという御提案でございます。
 
○堀委員
 分かりました。ありがとうございます。
 
○長島委員
 日本医師会の長島です。今の点でよろしいですか。
 
○笠貫座長
 どうぞ。
 
○長島委員
 同種同効品に対する堀委員の御懸念も誠にもっともかと思いますので、そういう意味では、事務局が同種同効品と判断したもののリストはきちんとこの会に出していただいて、その中で、もし委員からこれは同種同効品ではないのではないかという疑問が提示された場合には、そこを委員会やこの会議できちんと議論して、やはりこれはここの会議で議論すべきものというような道をきちんと残しておくということが、堀委員の御懸念の解消につながるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 対応については検討させていただきます。基本的には、同種同効品の判断で議論の差異はそんなにないものと承知しておりますが、そういう御懸念についてどう対応するかは、また前向きに検討させていただければと思います。
 
○長島委員
 もう一点ですけれども、先ほどこの会議で審査するという御発言がありましたが、ここの検討会議では審査はしないのですね。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 はい。そうです。
 
○長島委員
 あくまでもスイッチ化する課題を整理して、さらに解決等を検討するだけであって、ここで審査はしませんね。その意見を分科会のほうに提出するということなので、仮に直接承認申請がされた場合、こちらで議論する場合でも、審査をするわけではない。むしろ、あくまでも前向きにスイッチ化する課題の整理と解決策を検討することを共通認識としていただくのが望ましいのではないかと思います。以上です。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 事務局でございます。まさにそのとおりでございまして、議論の途中で審査という言葉出たときに、私もそれを御指摘しようかと思ったところなので、どうもありがとうございます。
 
○笠貫座長
 ほかにはございますか。湯浅委員、どうぞ。
 
○湯浅委員
 黒川先生がおっしゃられたことは、14条に照らして考えると、もっともなご意見と思っております。しかし、そこに固執してしまうと、その先の議論が停滞し、進まなくなってしまいます。笠貫座長がお話されたように、国民目線で議論することが、一番重要です。セルフメディケーションというと聞こえはいいですが、「結局、自分の健康は自分で守りなさい、健康を害したら、それは自己責任ですよ」ということにもつながりかねません。ですから、企業や産業界はあまり、前のめりになることなく、議論に参加していただければと思います。黒川委員も本日から、委員会の一員に加わったわけですから、何か課題が抽出されたときに、企業の立場から、それに対しどのような解決策をお持ちなのか、ぜひお聞かせいただき、議論を深められればと考えております。この委員会を最大限活用していただき、課題や問題点を抽出することが、国民の健康増進のため必要なことと思います。
 
○笠貫座長
 では、お願いします。
 
○黒川委員
 湯浅先生、御指摘ありがとうございます。14条ばかりという話ではということは、もっともだと思います。実はそこが一つの裏返しのポイントではないかと僕は思います。冒頭に先生もお話になったと思いますけれども、セルフメディケーションの重要性を14条の枠組みだけで解決しようとすることにはちょっと無理があると私は考えております。それで規制改革推進会議のほうでも、計画の中に部局横断型でセルフメディケーションを推進する見地からスイッチOTCなども視野に入れ、あとはリテラシーの向上とかを担当する部局横断型の室を厚労省につくりなさいというのがあり、聞きますところでは、セルフケア・セルフメディケーション推進室あるいは促進室というお名前だそうですけれども、4月1日からできるとのことだそうでございます。
 国民も、我々も、環境もどんどん動いていますので、そういう中でセルフメディケーションの役割、中でもOTCとかスイッチOTCの役割ももう少し広く議論いただいて、セルフメディケーション推進室とこの検討会の役割をきちんと分け、さらに14条の審議会の役割とも分けて、どんどん効率よく社会が求めるものをきちんと出していく。前のめりというのではなくて、ダイナミックに対話を重ねながら、国民にとってよかったと思うようなことをやっていくのがベストではないかと思います。ですので、ぜひ今度、部局横断型の室あるいは会議体とここをどう分担して相補関係でやっていくのかというところでお考えをいただき、逆に重複は避けていただきたいと思っております。ありがとうございました。
 
○笠貫座長
 ありがとうございます。新たな先生方に御参加いただいて、新たな側面からの議論ができたということで、今の議論は、次回もこういう形で深めていきたいと思います。よろしいですか。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 先生の御指摘は、この対応案をもう一回また議論するということでよろしいですか。
 
○笠貫座長
 そうです。まだ煮詰まっていないのかなと思うのです。
 
○長島委員
 日本医師会の長島です。もしもこれを今後もということになると、今日の議題2の今後の検討会の進め方については、今日は議論できないということになりますか。
 
○笠貫座長
 それも含めて議論されていると思うのですが、この不確定な、複雑な、しかも多様な価値観がある中で、ステークホルダーが納得しながら前に進めることができるか、パブリックコメントの話もどうするか、これも企業の意見で決めるということも含めて、先ほど横断的な委員会ができることも承知の上で、今、ここでどうすべきかについて議論することを、急ぐべきかということを私から事務局へ御質問しようと思ったのです。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 事務局がどうこうと言うのは、適切ではないのかもしれませんけれども、これまでの議論でいろいろな御意見が出たかと思いますが、最終的にはこの場を積極的に活用したほうが、むしろスイッチOTC化の薬事承認に向けての議論が深まるという御議論がほとんどだったのではないかと私は思っています。黒川構成員が最後におっしゃったのは、新しい会議体等ができることとの重複等は避けるべきだということを問題提起いただいたところですが、それについては、当然、我々もそう思っておりますので、よろしければ、その辺については、新しい会議体が立ち上がった際にどう整理したのかというのをまた御報告することはやぶさかでございませんので、全体的な流れ、対応の方向性としましては、今回御提案させていただいたところの大枠としては、特に異論はないのではないかと事務局的には思うのですが、細かいところでパブリックコメントがどうこうというのがあるのであれば、細部はまださらに詰めることがあったとしても、大きな流れとしてどうするかということについては、特に異論は出ていないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
 
○笠貫座長
 分かりました。
 
○黒川委員
 よろしいでしょうか。私は、笠貫先生がおっしゃったように、議論をきちんと詰めるべきだと思います。議論があまり詰まらないまま制度ができてしまい、それがうまく機能しない場合、被害者は国民になります。ですので、むしろ会議の頻度を上げるなりして、では、皆さん、しようがないからこれでいこうというところまでいくべきではないかと。私の今の立場から言いますと、例えば、非公開にする場合、この会議は審議会ではないので、守秘義務はどうするのかとか、議論していただきたいところはまだまだたくさんございます。そういうことで、私は笠貫先生のお考えは、むしろもう少し時間をかけられたらどうだろうかということと理解しましたので、支持いたします。
 
○笠貫座長
 これもこの会議体を続けてきたプロセスの話なので、御意見をいただけたらと。岩月委員、どうぞお願いします。
 
○岩月委員
 薬剤師会の岩月でございます。今、いろいろと御議論いただいていて、詰めるところは詰めて、詰め切れていないところというような御意見を伺っておりましたけれども、今後の進め方もあるのですが、22/53ページ、23/53ページにあります各ステークホルダーの各課題に対して求められる役割というものがあるので、このことが、本検討会を14回やってきた中で、各課題ができて、それぞれのステークホルダーがこの課題について、どうやって取り組みましょうというのが恐らく、本検討会の今後の方向だということで私は理解しています。先ほど平野構成員から販売後のフォローをどうやっているのかというお話もありましたけれども、まさに書いてある行数が一番多いのが薬剤師のところでありまして、どういう承認の経過があって、どういうことでその薬が認められたにしても、薬剤師は薬剤師の役割をきちんとやっていく。
 リテラシーの話もありましたけれども、消費者は消費者でこの課題について、今、自分たちの健康に関心を持ってやってくれる。それから、製造販売業者においては、ここに書いてあるとおりでありまして、販売するときの資材とか添付文書といったものの精度をより高めていくのだと書いてありますから、私は本検討会はその議論でいくべきだろうと思いますし、そうでなければ、この中間とりまとめが何だったのだということにもなりかねないと思いますので、この線に沿って進めていただく。
 黒川構成員がおっしゃった薬機法の14条に関しましては、私も専門協議の委員をやったことはありますけれども、承認の審査の流れは、そこで議論していないわけではないのです。ですから、そこでやっている議論とここでやっていることは、ここの中間とりまとめに書いてあることで、齟齬は全然ないと思いますし、ぶつかり合うものではないと私は認識しておりますので、今後の本会議は、この線に沿った形でお進めいただければと私は思います。以上です。
 
○笠貫座長
 この中間とりまとめ案については、御承認いただいたということで御説明いただいたと思うのですが、対応策として具体的に先ほどお示しいただいた3ページ、4ページは、御意見としてどうかということを議論していただきたいのです。これまで採否を決めるときに、合意形成として全員賛成を問いましたのは、あまりにも課題が多過ぎて、多数決で決めたら、最終的に不幸になるのは国民だということで、全員一致ということでやってきました。そうしたら、課題が非常に多く出て、この課題をカテゴリー毎にまとめていくと、その解決策も見えてきて、これからは全員賛成にこだわらなくてもいいのではないか、可視化ができればいいだろうとも考えていました。そういう意味で、私はこの対応策で気になっていましたのは、非公開かどうかという話と、パブリックコメントをどうするかということです。基本的にはこの会議体の肝の話でもあり、この議論ができなかったので、もう少し詰めたほうがいいと思います。また、パブリックコメントも企業の考え方で、企業の同意が得られたらというのが基本的な流れになっていますけれども、ここについて皆さんの御意見はいただきたいと思うのです。
 
○長島委員
 日本医師会の長島です。よろしいでしょうか。まず、この中間とりまとめ自体は、今までの経過を踏まえて十分に深く議論、検討されたものですので、これはぜひ尊重していただきたいと思いますが、一方、4ページの対応案はあくまでも案にすぎないので、これが例えば41/53ページで「検討会議における今後の検討の進め方について(案)」と出ていますので、この案について、例えばパブリックコメントはどうするのかという具体的なことをここの案に基づいてしっかりと個別に議論していくというのがいいのだと思います。ここは案なので、別にこれで決まりというものではなくて、言わばたたき台として示されているにすぎない。むしろ41ページの案について、それぞれどうした方法がいいのでしょうという議論を個別にされたほうが非常に前に進むのではないかと思います。以上です。
 
○笠貫座長
 ほかに御意見はありますか。佐藤委員、何かありますか。
 
○佐藤委員
 では、発言いたします。大筋は、今、長島構成員がおっしゃったことに賛成です。細かい点かもしれませんが、資料1-1について議論があった点について、感想めいた意見を申し上げたいと思います。黒川構成員がおっしゃった点は、理屈上というか、おっしゃるとおりと思いながら聞きました。一方で、こうした場で国民あるいはいろいろなステークホルダーの方の意見を反映したほうがいいというのもそのとおりだと思いました。要は、黒川委員が懸念されたのは、それによって遅くなる、あるいはこの会議にかけることがブレーキになるという懸念がおありなのではないかと思いつつ聞きまして、それについては前向きに進めていくのだということで、私も含めた構成員が肝に銘じてやるぞということで進めていくことが大事なのではないかと思いました。
 パブリックコメントについては、非公開で議論をしつつ、パブリックコメントをすることが現実的なのかどうかというテクニカルな部分があると思います。企業が発表までは隠しておきたいことを外に出さない形でパブコメをかけることが可能なのかというところを、御説明をいただかないと判断ができないと思いました。これらについては、先ほど長島構成員がおっしゃったように、何をどのようにしていくのかという具体案で詰めるのが現実的かなと思いました。以上です。ありがとうございました。
 
○笠貫座長
 ほかにはございませんか。非公開の話とパブリックはリンクしている話なので、ここで議論していくことだと思うのです。事務局、お願いします。
 
○事務局
 事務局ですけれども、資料1-1の4ページの御説明を再度させていただきますけれども、非公開としたというところについては、申請しているという事実自体も企業秘密だというところを考えております。なので、実際の非公開パートで議論する場合も、申請企業はどこなのかとか、製品そのものの説明をさせていただくわけではなくて、あくまで今まで公開でやっていたような成分情報シートをまとめて、この場で議論いただくことを想定しているものでございます。ですので、申請している事実を非公開ということであれば、パブリックコメントについても基本的には非公開で実施できないということになると考えております。最初の非公開パート自体も、公開でやってもいいという企業があれば、当然、パブリックコメントも行うことは可能だと思うのですけれども、最初は非公開パートを希望する企業であれば、必然的にパブリックコメントもしないという形になるかと思っています。
 
○笠貫座長
 これまでの企業から申請されたものは、全部公開でやっていましたね。要望だったからということで、全員要望したということですね。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 これまでは、申請ではなくて要望です。
 
○笠貫座長
 要望ですね。そうすると、公開して、何が不利益になるのかというのを明確に議論しないといけないのではないかと思います。公開にすることによって、社会が非常に関心を持ち、その後承認されたら、多分、非常にプラスになるだろうし、あるいは企業にとっても予測性は高まるのではないかという見方もできます。そのどちらを取るのかということについて、皆さんで議論する。基本的には、最終的な絶対的解は出てこないので、幾つかの反対意見も含めて、十分議論していただくことは必要だと思います。在り方としてどうするかということを議論して、それをまとめることも一つの課題解決の方法になります。公開にして、透明性をもって可視化して、国民がそれを許容するかどうかという仕組みについて、平場で議論していただくのがいいかなと思うのです。どうぞ。
 
○柿田委員
 では、お話しさせていただきます。今までの長島委員のお話に一応全面的に賛成で、これは個別に是々非々で確認していくしかないのではないかと思います。一つ疑問なのですが、OTCにするのに時間がかかるとおっしゃっていましたが、今回、眼科でヒアレイン点眼液というものが実際につくられたのですが、そういう問題点を参天製薬、メーカーから私は特に聞いていないのですが、スピードの問題とOTC認可の面でどんな問題点があるのかが全然ぴんとこないのですが、いかがでしょう。以上です。
 
○笠貫座長
OTC医薬品のラグの話も出たのですが、それはどこに隘路があって、どうやったらそれが解決できるのだろうかというをオープンに議論してもいいのではないかと思います。黒川委員、その辺はどうなのですか。今までOTC協会からのお話はここで聞いていないので、ぜひ新たな視点から御意見をいただけますか。
 
○黒川委員
 期間の話ですか。
 
○笠貫座長
 はい。
 
○黒川委員
  大変申し訳ないのですけれども、今、手元には具体的な数字はございません。この検討会でスイッチを可とされたもので承認に至ったものを見ますと、最短で20か月、最頻値は41~51か月と手元の数字にありますが、申し上げるには、今は精密な議論には。
 
○笠貫座長
分かりました。松野委員。
 
○松野委員
 同時であったので、同じ質問になってしまうのですけれども、私も検討会議に非公開のパートを新たに設定するという意味では、企業が先にそれを他社に知られることを恐れてという前提が確かにあると思うのですけれども、ここにどれぐらいの期間をもって販売されるのか、審査の期間が私も理解できていないものですから、そこにもしスピードをもってその審議が進んでいくのでしたらば、私もここは原則公開でということでも別に問題がないように感じるのですけれども、ここは非公開もあるのだということにすれば、企業側としては、多分、非公開のほうが漏れない分、やりやすいだろうという方向に走るのではないかと考えるのですが、期間との兼ね合いなのかなと思うのですけれども、教えていただければと思います。
 
○笠貫座長
どうぞ。
 
○黒川委員
 詳しく存じ上げませんが、各企業は厳しい競争下にありまして、例えば、ある企業が一つのものを開発するというニュースがあると、他の企業は、その後発品なり、競合品なりの開発をすぐに始めることが可能になります。一例なのですけれども、そういったことで逆に健全な競争をゆがめてしまう部分がある。したがって、開発状況について、企業は自分の手元に置いておきたいというのが一般的な要望であります。
 
○笠貫座長
 今の議論を踏まえて、先ほどの非公開パートとするのか、原則にするのか。大体の御意見としては、非公開パートの話とパブリックコメントの話についての皆さんの御意見を踏まえた表現はできるかなという感じはします。これまでは要望された企業には公開にしていたということで、これからは検討会議に要望が出されずに申請が出てきたときにどうするかという話になりますが、これまでのやり方と齟齬はないということですので、事務局と整理させていただいて、各委員の先生方にお諮りするということでよろしいでしょうか。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 ありがとうございます。そういう形もあり得るかなと思いますし、あるいは改めてまた整理して、ただ、大きな方向性としては、多くの意見はおおむねそういう方向だったと認識していますが、その線で、公開、非公開の話、パブリックコメントの話という細部のところはあると思いますので、その辺は議論を進めながら詰めさせていただきつつ、一方で、この案のまま並行して別途議論を進めていくということも考えつつ、次の会議でどういう形でやるのかは、また進め方を御相談させていただければと思います。
 
○岩月委員
 よろしいでしょうか。
 
○笠貫座長
 どうぞ。
 
○岩月委員
 1点質問があります。薬食審で非公開で、要するに秘密でやっているのに、こちらの検討会で公開にするということはあり得ないですね。要するに、どっちに先に申請するかということもあると思いますけれども、薬食審で審議の経過は公開されていませんね。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 薬食審も承認された後は。
 
○岩月委員
 承認された後ですね。だから、審議中は公開されないではないですか。そういうタイムラグとかがあったときに、ここで決めたことと、途中経過の段階でそういう齟齬が生じないかという質問なのです。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 ですから、そこはここにも書いてもございますとおり、承認された後に議事録の結果をHPに出すというか、そういう形を取ろうと考えています。ですから、審議会と同じですけれども、承認される前にこちらのほうが先に出るわけではなくて、承認された後に出る。一方で、パブリックコメントをできる、できないというのは、先ほども言いましたとおり、個別の品目がどうこうというのではなくて、あくまでも成分としてどういうものが出てきていて、どういう成分で、どういう適応のものかということについては、従来どおり、いわゆる企業秘密に該当するものはないと思われますので、そういうところについては公開でもなじむでしょうし、パブリックコメントでもいいのではないかという御提案をしているところですので、そういう意味では、審議等はこちらでは齟齬はないと整理していますが、若干その辺の細部の詰めが必要だという御指摘かと思いますので、そこはもう一度整理させていただければと思います。
 
○岩月委員
 ありがとうございます。
 
○笠貫座長
 今日は新たな委員の先生方とできるだけ共通認識を持ちたいと思って、時間を取らせていただきました。次回もこの問題については、また議論をしながら固めていきたいと考えます。それでは、次の議題に移らせていただきます。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 もう時間もあれですから、最初から決まらないとあれだと思います。
 
○笠貫座長
 でも、少し説明しておいてもらったほうがよくないですか。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 はい。もう時間も過ぎておりますので。
 
○笠貫座長
 この議題は次回にまわし、「検討中の要望成分等の取扱いについて」は、報告だけだと思いますから、お願いします。
 
○事務局
 それでは、資料の52/53ページ、資料3を御覧いただければと思います。簡単に御説明させていただきます。こちらにつきましては、これまで議論してきた成分の39の要望のうち、既に28成分の議論をしてまいりましたけれども、残りの11成分については、まだ議論が途中あるいは議論をまだしていないという状況のものでございます。
 まずは「1.検討会議で1回目の検討を行い、パブリックコメントを実施した要望成分」のドンペリドンとメナテトレノンの取扱いについてでございますが、こちらについては、第1回目の議論を行って、真ん中の表になりますけれども、両成分ともスイッチOTC化は「否」との結論というか、1回目の議論の会議結果案が出て、それのパブリックコメントを実施したという状況でございます。規制改革実施計画の閣議決定、中間とりまとめの策定などもありまして、第2回目の議論を行っていない状況となっておりました。これらの要望成分につきましては、今後はスイッチOTC化の可否の決定を行わないとしたことも踏まえまして、OTCとすることの可否については記載しないで、課題点等を取りまとめて、可能であればそれらの課題点に対する対応策を検討するということとさせていただければと思っております。次回以降の会議におきまして、議題2のほうで説明する予定であったものですけれども、新しい様式のほうに会議結果を落とし込みまして、次回以降、それに基づいて議論を行っていただければと考えております。
 次に、53/53ページでございます。こちらは、まだ検討会議の議論に上げられていない9つの要望成分でございます。こちらについては、それぞれ状況は異なっているのではございますが、成分情報シートの作成が終了しているものもございますけれども、こちらも議題2のほうで検討する予定だったものでございますが、改めて必要な情報、追加すべき情報を盛り込みまして、こちらにつきましては、次回以降の議論で進めたいと考えておりますので、改めて学会・医会等の意見を調査するような形を取りまして、改めて議論させていただくという方向で進めさせていただければと思います。簡単ですが、説明は以上でございます。
 
○笠貫座長
 今回の議論を踏まえまして、今後の進め方も含めて、次回にまた議論を深めるということで御理解いただけたらと思います。
 
○黒川委員
 規制改革推進会議のほうでは、直接申請の道は開けていると。一応、資料3に書いてあるものについても、その道はあると理解して いてよろしいですか。
 
○事務局
 はい。
 
○黒川委員
 ありがとうございました。
 
○笠貫座長
 制限はついているのですね。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 ただ、申請はできることはできます。
 
○笠貫座長
 分かりました。今日はキックオフミーティングという意味で根本的な議論ができたことは、非常に有益だったと思います。これからも、課題抽出と解決策に向けて、根拠のあるデータを基に議論を重ねて共通認識を深めたいと思っています。
最後に座長の発言や不手際も含めまして、時間が超過しましたことを深くおわびいたします。
 
○事務局
 次回の検討会議は、改めて日程調整等をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上です。
 
○笠貫座長
 長時間にわたりまして、どうもありがとうございました。
 

 

(了)
<照会先>

厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
03-5253-1111(内線 2737、4225)
 

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議> 第15回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(2021年3月29日)

ページの先頭へ戻る