ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議> 第4回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(2018年3月16日)




2018年3月16日 第4回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議

○日時

平成30年3月16日(金) 10:00~12:00


○場所

TKP新橋汐留ビジネスセンターホール401(4階)
東京都港区新橋4-24-8 2東洋海事ビル


○出席者

出席委員 

五十嵐委員、乾委員、上村委員、小縣委員、柿田委員
笠貫委員、黒木委員、黒野委員、佐藤委員、鈴木委員
宗林委員、矢口委員、湯浅委員

○議題

1.スイッチOTC医薬品の候補となる成分の要望状況について
2.パブリックコメントを踏まえたスイッチOTC化の妥当性について
3.要望品目のスイッチOTC化の妥当性について
4.その他

○議事

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長

 それでは、少し定刻より早いのですが、黒野先生は遅れて御到着という御連絡もいただいておりますので、ただいまより第4回「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を開催させていただきたいと思います。

 本日は、門田委員、杉山委員、部坂委員より御欠席との御連絡をいただいており、13名の先生に御出席をいただいております。黒野先生は遅れての御到着との御連絡をいただいております。

 カメラ撮影の方はここまででお願いいたします。

(カメラ撮影終了)

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長

 それでは、笠貫座長に以降の進行をよろしくお願い申し上げます。

 

○笠貫座長

 本日の議事の進行をさせていただきます。御協力の程よろしくお願いいたします。まず、本日の配付資料の確認を事務局の方からお願いいたします。

 

○事務局

 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。

 本日、席上に座席表。座席表の裏面に委員名簿でございます。それから、議事次第、議事次第の裏面に配付資料一覧を掲載させていただいておりますので、配付資料一覧に沿って御確認いただければと思います。

 資料1、「評価検討会議における検討の進め方」、資料2-1、「スイッチOTC医薬品の候補となる成分の要望状況について(平成28年度要望)」、資料2-2、「平成29年度の要望」。

 前回御議論いただいたもののパブリックコメントを踏まえたOTC化の妥当性に関する資料としまして、資料3-1から6-2までをホチキス止めでひとまとまりの資料として配付させていただいております。

 要望品目のスイッチOTC化の妥当性に関する資料として、

 資料7、カルシポトリオール、資料8、レボカバスチン塩酸塩、資料9、分厚い資料でございますが、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾールナトリウムの資料でございます。

 参考資料につきましては、参考資料1から4までをひとまとまりの資料にしてお配りしております。

 紙媒体の資料の他、本日机上にタブレットを御用意させていただいております。タブレットの中には前回会議で使用した資料を保存してございまして、タブレットの下の枠のPDFの部分を触っていただくと該当の資料が確認できますが、こちらは資料3-1から6-2を御議論いただく際に、前回資料に戻る必要がある場合に御活用いただければと思います。

 当日配布資料ですが、当日配付資料1といたしまして、以前も配っている資料でございますが、「日本における医薬品販売の現状」という資料を紙媒体で配付しております。

 また、机上のみとさせていただいておりますが、当日配付資料2ということで、スイッチOTCの候補となる成分の要望理由に関して取りまとめた資料をタブレットの中にのみ入れているところでございます。こちらにつきましては、各成分の要望理由について取りまとめた資料でございまして、各成分を議論するに当たりまして参考にしていただければと思いますが、一部企業情報等が含まれている可能性がありますので、前回同様伏せ字の部分がございますので、具体的内容について御発言される際には御留意いただけますよう、御協力をお願いいたします。

 タブレットの操作方法につきましては前回同様となりますので、詳細は割愛させていただきますが、御不明な点がございましたら、事務局職員がサポートいたしますので、御遠慮なく手を挙げていただければと思います。

 少々長くなりましたが、資料の説明は以上となります。

 過不足、御不明な点等ございましたら、お申しつけいただければと思います。

 

○笠貫座長

 資料の方で過不足がございましたら、お知らせください。よろしいでしょうか。それでは、前回会議は昨年の1115日に開催しておりますが、事務局の方からその後の進捗につきまして御説明をお願いいたします。

 

○事務局

 資料1と資料2を用いて説明させていただきます。

 はじめに資料1でございます。こちらは毎回使わせていただいている資料でございますが、この評価検討会議における検討の進め方の資料でございます。今回リバイスさせていただいた点は、左上の要望件数の数字のリバイスと、右下の「候補成分の公表」ということで4件しておりますが、数字のリバイスのみとさせていただいているところでございます。

 資料2-1は、平成28年度の要望状況を取りまとめた資料でございます。今回より各ページのカラムの右から2つ目に「スイッチOTC化の可否」ということで、結論が出たものにつきまして追加させていただいており、結果を記載させていただいております。

 資料2-15ページ目を御覧ください。各成分の進捗状況でございますが、第2回、第3回で御議論いただいた5成分につきましては、結果を公表するところまで至っているところでございます。

 前回会議で1回目の議論を行った成分につきましてはパブリックコメントが終了しておりますので、本日2回目の御議論をいただくこととしております。

 また、12番、13番、17番、18番、19番につきましては、今回医会、学会の見解が揃いまして議論の準備が整いましたので、本日1回目の御議論を行っていただく予定としているところでございます。

 続きまして、資料2-2は平成29年度に来た要望状況を取りまとめた資料になります。

1ページ目は前回から更新ございませんので、2ページ目以降を御覧いただければと思います。網掛け部分といたしまして、新しく6件の要望が来ております。トレチノイントコフェリルが床ずれ、酒石酸トルテロジンが尿失禁・頻尿、ドンペリドン、イトプリド塩酸塩が吐き気等、ポリカルボフィルカルシウムが下痢・便秘、メナテトレノンが骨粗鬆症の発症の予防の効能・効果で、個人及び個人以外の方から要望をいただいているところでございます。

 こちらの進捗につきまして、4ページを御覧ください。いずれも現在準備段階のものでございますので、準備が整い次第、本検討会議で御議論いただく予定でございます。

 資料2の関係については以上でございます。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。資料1、資料2の関係につきまして事務局より御報告いただきましたが、御確認いただいたということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、続きまして、前回議論した成分に移りたいと思います。1成分ずつ事務局より御説明いただき、議論していただきたいと思います。

 それでは、資料3から説明をお願いいたします。

 

○事務局

 それでは、お手元に資料3-1とホチキス止めになっている資料を御用意いただければと思います。

1ページを御覧ください。資料3-1は、前回御議論いただきましたリザトリプタン安息香酸塩他5成分の検討会議結果をとりまとめた資料でございます。前回資料を御確認する際には、タブレットの前回資料9を合わせて御覧いただければと思います。

 トリプタン系片頭痛薬につきましては、前回会議におきまして、資料3-1の下段に掲載したような理由からOTCとすることは認められないとされたところでございます。

 パブリックコメントの結果を2ページ、資料3-2を御覧いただければと思います。こちらにつきましては、パブリックコメントを行った結果、2件の御意見が提出されているところでございます。どちらもOTC化は可能ではないかという御意見でございます。

No.1の意見でございますが、(1)スイッチOTC化した医薬品が要指導医薬品に留まるような制度を構築すること、(2)医師を受診し片頭痛の診断を受けるということ、効能・効果を「片頭痛発作の再発時」と限定すること、包装単位を2回量にするといったこと、適正使用チェックシートを活用するといった方策を講じることができれば、OTC化は可能ではないかという御意見です。

No.2の御意見は、資料3-1の前回会議の結果のOTC化が認められない理由に対応した形で幾つか御意見をいただいているところでございます。No.2の御意見、(1)海外で薬局向けガイダンスを参考にした情報提供を行うことで、自身の症状が片頭痛か否かを判断することが可能ではないかと考えているということ。(2)海外においての実績。(3)現行制度下ではスイッチOTCの申請時に生活者に対する「添付文書理解度調査」の実施が求められており、MOH等、薬剤の過剰摂取を回避するための仕組みが構築されていること。トリプタン系薬剤のスイッチOTC化を通じて片頭痛に関する知識を啓発し、適正使用を推進することで、NSAIDsの漫然使用によるMOHの回避にも寄与するものと考えられるといったこと。(4)として、要指導医薬品から一般用医薬品に移行して、インターネット販売が可能となった後であっても、現行制度下で対面販売時と変わらぬ一類医薬品としての情報提供が義務づけされているといった御意見、(5)として、多くの一般生活者からOTC化へのニーズについて御意見をいただいているということでございます。

 説明は以上でございます。

 

○笠貫座長

 ありがとうございます。それでは、ただいまの御説明に関して、委員の先生方から御質問、御意見ございますか。どうぞ。

 

○佐藤委員

 環境整備ができた段階でもう一度考えてはどうかと思います。今回否とすることについては賛同いたしますが、環境整備についての御意見が出ておりますので、環境整備ができた段階でもう一度考えるべきだと考えます。

 

○笠貫座長

 鈴木委員、どうぞ。

 

○鈴木委員

 環境整備とは何なのか、それができたとはどういう状況を指すのか、そうした点が全く不透明でありますので、これについてはしばらく時間を置くべきだと思います。

 

○笠貫座長

 他には。どうぞ。

 

○乾委員

 鈴木委員の意見も確かにそうだと思いますけれども、環境整備というのは、要指導医薬品から第一類へ移行するということについて留め置く制度がないということ。現行も薬剤師は服薬指導、情報提供をきちっと処方箋調剤でやっております。そういうものが仮にできていないところがあるとすれば、それはしっかりやってもらうということでそういうことを整備する必要があるのではないかと考えておりますし、それはここで議論が否決というよりも、国民にとっては必要な薬でもあるという意見もありますので、その辺も十分この検討会議で議論していただけたら思います。私は佐藤委員の意見に賛成でございます。

 

○笠貫座長

 今の件についての御意見はございますか。環境整備の具体的な内容と、どの時点で誰が判断してスイッチOTC化として検討していただくかについては、まだ決まったものはないとは思うのですが、スイッチOTC化を求めた方々から、その環境が整備なされたと判断された時点で、またスイッチOTC化としての申請をしていただくということは、認められており、そういう形で少しずつ環境整備を整えながらスイッチOTC化を進めていくということはこの会議の方針としては確認されていると思います。ここで問題になった環境整備を進めていただいて、それが整えられたら、また議論されることを期待いたします。よろしいでしょうか。どうぞ。

 

○湯浅委員

 この薬に関しては、医会として前回コメントさせていただきましたが、OTC化するということについては否と考えております。現段階で環境整備をことさら強調することはないと思います。

 

○笠貫座長

 先ほど佐藤委員からは環境整備がなされたらということで、乾委員も同じ意見だったと思いますので、否ということに関しては異論なかったと思います。宗林委員、何か加えることがありましたらお願いします。

 

○宗林委員

 今回これを否とすることに異論はございませんけれども、「環境整備」という言葉が、例えば個人が自由にドラッグストアで選択することはしないのを前提としても、例えば診断の必須、診断が必要であることとか、小包装化であるとか、対面販売に留め置くことの可能性であるとか、薬剤師のレベル差を拠点化するのか、こういったいろんな項目について環境整備の中に含まれていることを、ここの部会でないにしても、厚生労働省側なのか薬剤師会なのかもしれません。医師会でもこれだったらばお任せできるよということなのかもしれませんし、そういうことをきちっとしていかないと、ずっと環境整備が整ったらやっていきましょうという言葉だけが残っていきますので、これは具体的な宿題となるのではないかなと思います。

 

○笠貫座長

 環境整備にはいろいろ種類があり、それぞれの立場としては、医師や薬剤師や一般の方々があります。ネット販売を含めて、制度上の問題もあるという共通認識を持ちながら、個々の薬剤についてどういう問題があったかについて一つ一つここで整理をしながら、共通性のあった問題点について枠組みを決めていくことになると思うのです。そういう意味で、個々の薬剤については丁寧に、環境整備としてどういうことが求められたかについて事務局で整理をしていただきたいと思います。それがまたこの会議の成果となっていくだろうし、スイッチOTC化の推進がさらに効果的、効率的になっていくだろうと認識しております。

 他にはありますか。どうぞ。

 

○上村委員

 環境整備に関する今の議論が非常に重要であると思います。例えばこの薬剤に関して上記の環境整備が整備されればというところになるわけですから、一つずつの薬剤に関してのリスクベネフィット、そして環境整備とは何かという項目を出していただいて、それに対する数字が必要だと思います。

 先ほど乾先生がおっしゃった『対面で説明する対面販売』というのがどれだけ日本で徹底されているかが不明です。すでにOTC化されている薬剤、例えばNSAIDsなどがどれだけ販売されていて、対面でどれだけ説明されているのか。インターネット販売となると、インターネットでの販売がどれだけのシェアがあるのか。PMDAの被害状況がどれだけのものがあるかといった数字:エビデンスを資料として出していただきたいと思います。そうしなければ、環境整備、環境整備と言ってもはっきりわからないかなと思いました。

 

○笠貫座長

 対面販売とネット販売の問題はスイッチOTC化にとどまらない非常に大事な問題だと思うのですが、それぞれについてのデータをどこでどのように作っていくかということも大事な問題です。事務局の方が御努力いただけると思うのですが、薬剤師会の方でも、あるいはネット販売の方でも、具体的に環境が整備されたかどうかを議論できるエビデンスやデータがここに上がってくるようになっていただけると、環境整備について客観的に議論できるのではないかと思います。

 この会議は始まってまだ間がないわけですけれども、環境整備の項目をまず挙げていっているというのが今の段階なのではないでしょうか。その項目を整理して、どこが隘路になっていて、それに対してどう解決できるかについてまたここで議論されれば、さらに前進ができるのではないかと思います。環境整備の重みを今日皆さんと共有し、それをどのように解決していくかをそれぞれの立場で考えていけたらと思います。

他には。どうぞ。

 

○黒野委員

 黒野です。今後のことについてお聞きしたいのですけれども、これは否となった場合に、再要望、再申請というのは可能なのでしょうか。

 

○笠貫座長

 課長、お願いします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長

 いろいろな方からの再申請、再要望自体は否定されないところでございます。一方で、課題に挙げていただいた否とすることになった理由・課題については、解消されているのか、あるいは対処方法などを合わせて提案していただく、あるいは先ほど上村先生がおっしゃったように、数字としてこのような状況にあるとか、再要望の時に要望する方もお手持ちの情報などがあれば、それも添えていただくというのも進めていく一つのきっかけになるかと思っております。

 

○黒野委員

 そうすると、先ほど議論された環境整備がなされたと判断するのは、要望する人が判断するということになってくるわけですね。今、厚労省の仕事だというお話があったのですけれども、誰がそれを判断して、誰が要望するか。そのルートがはっきりしないと、このお薬は再要望で再審査されないのではないかと思うのですが。

 

○笠貫座長

 どうぞ。

 

○鈴木委員

 要望される方が判断して、出して、ここでそれが環境整備として十分なものかを最終的に判断することになるのではないですか。

 

○黒野委員

 要望する方が環境整備されたかどうかの判断をやるということですね。

 

○鈴木委員

 自分でそう思ったら出せますが、最終的にここでそれではまだ不十分ということになるということはあると思います。

 

○黒野委員

 わかりました。

 

○笠貫座長

 どうぞ。

 

○黒木委員

 対面販売での数値云々に関しては厚生労働省のお力も必要かと思いますけれども、資料3-2、今回のパブコメのNo.1の方で、以下の2点を満たせばOTC化は適当と考えるという資料があるかと思います。こちらの内容は前回議論された個々のことが結構含まれていると思うのです。これについて一つ一つ申請側でも検討していただいて、それが上手く行っているのかまた、厚生労働省側からも出せる資料がもしあれば出していただいて、再検討といった形でよいのではないかと考えます。

 

○笠貫座長

 どうぞ。

 

○乾委員

 薬剤師会に対して色々と御意見いただきまして、ありがとうございます。何が出せるかから始まって、しっかりと検討していきたいと思っておりますので、その際はよろしくお願いいたします。

 

○笠貫座長

 この会は、個人と企業の要望があったものに対するものであり、出発点のニーズはそこにありますので、基本的に再申請する場合にはニーズを持つ要望する人が再申請するということになると思います。

環境整備の課題は沢山ありますから、要望する人がそれに対してデータを出せないところについては、厚労省、あるいは学会からも出していただくことが必要かもしれません。色々なところに御相談しながらそれを進めていただけたらと思います。

他にはよろしいでしょうか。それでは、トリプタン系片頭痛薬のスイッチOTC化について再度確認したいと思います。パブリックコメントにおいて貴重な御意見をいただきましたが、いただいた御意見については、前回会議で挙がった論点とほぼ重複するものでありますので、現時点において解決は難しいものと判断し、OTC化については前回の会議結果の変更はなく、否ということでよろしいでしょうか。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。続きまして、資料4の説明をお願いいたします。

 

○事務局

 それでは、資料4-1でございます。5ページはクリンダマイシンの前回会議での検討結果(案)ということでございます。前回資料は、タブレットの中の前回資料10といったところになります。前回会議では耐性菌の問題等ございまして、OTC化は否とされたところでございます。

6ページ、資料4-2を御覧ください。パブリックコメントを行ったところ、本成分について特段御意見等はございませんでした。

 説明は以上でございます。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御意見ございますか。特にパブリックコメントはなかったということでございます。よろしいでしょうか。

 それでは、クリンダマイシンのスイッチOTC化について再度御確認をさせていただきたいと思います。OTC化については前回会議結果から変更はなく、OTC化は否ということでよろしいでしょうか。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。続きまして、資料5の説明をお願いいたします。

 

○事務局

 資料5-17ページ目はベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルの検討会議結果となります。前回資料は、タブレットの中の前回資料11でございます。

 前回会議では、本成分はvery strongのステロイド外用剤であるということで、医療用医薬品であっても慎重に使用すべき薬剤であることから、本成分については否とされたところでございます。

1枚おめくりいただきまして、8ページ、資料5-2でございます。パブリックコメントを行いましたが、こちらにつきましても特段の御意見等はございませんでした。

 説明は以上でございます。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。委員の先生から御質問、御意見はございますか。

 それでは、特にございませんでしたら、ベタメタゾンのスイッチOTC化について再度確認をしたいと思います。OTC化につきましては前回会議結果から変更はなく、OTC化は否ということでよろしいでしょうか。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。続きまして、資料6の説明をお願いいたします。

 

○事務局

 資料6-19ページ目はヨウ素・ポリビニルアルコールの検討会議の結果でございます。前回資料は、タブレットの前回資料12となっているところでございます。前回の会議では、効能・効果をOTCとして適切なものにすること、一般消費者が容易に使用できるような製剤の工夫を行うといった条件で、OTC化は可とされたところでございます。

10ページ目、パブリックコメントの結果でございますが、こちらにつきましても特段の意見等はございませんでした。

 説明は以上でございます。

 

○笠貫座長

 どうもありがとうございました。委員の方から御質問はございますか。

 それでは、ヨウ素・ポリビニルアルコールのスイッチOTC化について再度御確認をしたいと思います。OTC化については前回会議結果から変更はなく、OTC化は可ということでよろしいでしょうか。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。それでは、これら成分の今後の進め方について、事務局の方から御説明をお願いいたします。

 

○事務局

 本日御議論いただいた内容につきましては、前回同様、会議結果を事務局において取りまとめさせていただきまして、資料1にもありますとおり、厚生労働省のホームページで公表させていただくとともに、薬事・食品衛生審議会に御報告させていただきたいと思っているところでございます。

 その後、企業より薬事申請がなされましたら、PMDAにおいて個別の審査を行っていただくことになります。機構の審査の中では、本会議で御議論いただいた留意事項の反映の確認を行うことはもちろんのこと、従来どおり、科学的知見から薬事承認に当たって必要となる資料等は個別に審査の中で求めていき、最終的には薬食審での御審議を経て承認という運びに行くものでございますので、よろしくお願いいたします。

 説明は以上でございます。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。

 それでは、資料3から6の今後の進め方ついては御確認をいただいたものといたします。ありがとうございました。

 それでは、続きまして、要望品目のスイッチOTC化の妥当性について、御説明をお願いいたします。

 まず、資料7につきまして事務局より概要の説明をお願いいたします。

 

○事務局

 それでは、資料7をお手元に御用意ください。事前に配付させていただいておりますので、簡潔に説明させていただきます。

 まず、3ページ目を御覧いただければと思います。成分名につきましてはカルシポトリオールでございまして、要望された効能・効果といたしましては、乾癬・角化症となっているところでございまして、こちらは個人から要望があったところでございます。

 対応する医療用医薬品はドボネックス軟膏でございまして、効能・効果は尋常性乾癬となっているところでございます。

4ページ及び5ページを御覧ください。こちらの成分は、活性型のビタミンD3誘導体を含有する尋常性乾癬の治療薬でございます。2000年に承認されたもので、再審査期間が2000年から2006年で、再審査結果が2009年に通知されたものでございます。

 続きまして、安全性に関する情報でございます。6ページを御覧いただければと思います。こちらは、禁忌に過敏症の既往歴のある患者、重大な副作用としまして高カルシウム血症、急性腎不全が設定されているところでございます。

 推定使用者数としては43万人とされているところでございます。

 海外での承認状況は、7ページを御覧ください。本成分においては、英国において処方箋なしで購入される医薬品として承認がなされているところでございます。

 同種同効薬の状況につきましては、9ページでございます。こちらは皮膚疾患の治療薬の同効薬ということでございますが、ベトネベート軟膏がOTCとして承認されているということを紹介させていただきます。

8ページにお戻りいただきまして、学会・医会からの見解ということでございますが、詳細につきましては、13ページから学会見解、15ページから医会見解を記載しておりますので、合わせて御確認いただきたいと思っております。

13ページは日本皮膚科学会からの見解でございまして、OTC化することの可否については否となっております。判断根拠といたしましては、乾癬というのが皮膚科専門医でないとなかなか診断が容易ではないのではないかといったところが主に挙げられているところでございます。

15ページが日本臨床皮膚科医会からの御意見でございます。こちらにつきましても、診断もそうですけれども、治療につきましても、皮膚科専門医が行うべきものであって、なかなか本人の判断で使用できないのではないかといったことから、OTC化することは否という御意見をいただいているところでございます。

17ページを御覧いただければと思います。関係業界といたしまして、OTC医薬品協会から見解をいただいているところです。こちらにつきましても、OTC化することの可否につきましては、本疾患の診断、症状改善、治療には皮膚科専門医の関与が必要であり、現時点でOTC化することは困難といった御意見をいただいているところでございます。

 説明は以上でございます。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。それでは、五十嵐委員、矢口委員から御意見や補足をお願いしたいと思います。

 まず、五十嵐先生からお願いいたします。

 

○五十嵐委員

 日本皮膚科学会を代表して意見を述べさせていただきます。13ページに学会からの見解書が出ているのですけれども、乾癬という病気は診断が難しいところがあるのです。自己判断で治療を開始してしまうと誤った方向に進んでしまうという懸念が1点。

 もう一つ、この薬は活性型ビタミンDの薬なのですが、かなりの高濃度で入っているのです。これは口に入れてしまうと危険なぐらいのものなのですけれども、外用とはいえども1週間に90グラムという制限がついていますが、状況によっては1週間に90グラム以下の外用でも副作用が出ることがあります。高カルシウム血症、急性腎不全、そのようなことがたびたび学会でも報告がございますので、そういったリスクも鑑みると、疾患の性質、薬のそういった副作用のリスクということからすると、これは医師の管理のもとで使用すべき薬剤なのではないかと判断いたします。

 もう一つ、要望内容の効能・効果に、乾癬に加えて角化症もついているのですけれども、カルシポトリオールは、本邦では尋常性乾癬にしか適応症がないので、角化症を要望されること自体にちょっと無理があると思います。

 以上です。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。それでは、矢口先生、お願いいたします。

 

○矢口委員

 日本臨床皮膚科医会の意見を述べさせていただきます。

まず、尋常性乾癬という病気なのですが、皆さん、頭に思い描くことができるでしょうか。これはなかなかできません。同じ皮膚科の中で、もちろん研修医とか、勉強でやったけれども、これは見たことがない、そういう先生方もいるぐらいです。他科の先生方もなかなか診断といいますか、そこまでもちろんたどり着かない。赤い発疹ができて、その上にがさがさをたくさん伴って、体中に小さな発疹が多数ある場合、大きな局面をばーっとつくる場合、いろんなパターンがございます。

 その治療の中心となるのがステロイド剤。ただ、ステロイド剤も弱いステロイドではなかなか効きません。どうしてもvery strongからstrongest、そういうステロイドが中心となってしまいます。

 それまで低濃度のビタミンD3の外用剤はございましたけれども、2000年にこの薬が出まして、我々の外用治療に関する選択肢が広がった。患者さんは、例えば他者が顔とか頭とか、そういうところを見ても、あ、この人は何だろう。あと、頭皮にある場合にはなかなか美容院に行けない。あとは皆さんとゴルフをやった後に風呂に入れない。そういう訴えがある方に今までは強いステロイド剤を中心に使っていたわけですから、もちろん皮膚の萎縮、毛細血管拡張、そういうステロイドの外用剤の副作用が出ていたというのが現状です。

 ただ、先ほど言いましたように、2000年にこの薬が出まして、両者を併用することによってステロイドの副作用を軽減させることができるようになった。このような話をする必要はないかもしれませんが、例えばビタミンD3を平日に塗って、土曜・日曜だけはステロイドの強いのをつけるとか。これは五十嵐先生が乾癬の大家でございますので、いろいろな外用の仕方をどんどん報告されておりますけれども、そのような方法があったり、ステロイドを少しずつ減らす、でも、効果はちゃんと出していく。そういう治療法ができる。これは皮膚科の専門医でなければなかなかできません。

 もう一つ、重篤な副作用の一つに高カルシウム血症がございます。資料の中でもこの薬では報告はないのかな。私は、ドボネックス以外の高濃度のビタミンD3外用剤2例ほど経験したことがあります。そのような危険なと言ってはいけないのですが、危険なお薬を野放し。この言い方も悪いと思いますけれども、野放しにしてはまずいのではないかというのが意見でございます。

 以上です。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。

 それでは、この成分のOTC化について、委員の先生方から個別の御意見等ございましたら、お聞かせいただきたいと思います。鈴木委員。

 

○鈴木委員

 学会・医会の先生のおっしゃることはもっともだと思います。単なる慢性湿疹とは違いまして、我々かかりつけ医も乾癬を疑うような場合は自分で治療をしません。皮膚科専門医に紹介します。ですから、これはOTC化して個人の判断で治療する疾患ではないと思います。

 

○笠貫座長

 他にはございませんか。

 特に御意見がございませんでしたら、パブコメを行うに当たりまして、検討会議の方向性をまとめたいと思います。専門家の立場から御意見がありましたように、尋常性乾癬の自己判断の難しさと、重篤な副作用のお話も出ました。OTC化については否とするということと判断して、パブコメに進めるということについて差し支えございませんでしょうか。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。

 それでは、そのような内容でパブコメを実施していただきますよう、お願いいたします。

 続きまして、レボカバスチン塩酸塩につきまして、事務局の方から御説明をお願いいたします。

 

○事務局

 それでは、資料8をお手元に御用意いただければと思います。3ページ、要望の概要でございます。要望成分はレボカバスチン塩酸塩ということで、要望された効能・効果は結膜炎と目のかゆみでございます。こちらは個人から御要望でございます。

 対応する医薬品は、リボスチン点眼液0.025%でございまして、効能・効果はアレルギー性結膜炎となっているものでございます。

4ページ、5ページでございます。本成分につきましては、アレルギー性結膜炎に効果を示すH1ブロッカーの点眼薬でございます。承認は2000年でございまして、再審査結果は2009年に通知されておりまして、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断されているところでございます。

5ページでございます。本剤につきましては、禁忌、重大な副作用に過敏症に関する注意喚起、ショック、アナフィラキシーに関する注意喚起が設定されているところでございます。

 推定使用患者数は約2,000万人とされているところでございます。

 海外での承認状況につきましては、6ページでございます。フランス、ドイツ、オーストラリアにおいて処方箋なしで購入できる医薬品として承認がなされております。

 同種同効薬の状況は、8ページを御覧ください。抗アレルギー薬の同効薬といたしまして、一般用医薬品、一番右のカラムですが、既にザジテンAL点眼薬がOTCとして承認されているというところでございます。

7ページに戻りまして、医会・学会からの見解でございます。詳細につきましては、11ページ目に学会の見解があります。

 まず、11ページの方から説明させていただきます。こちらは日本眼科学会からの見解でございます。OTC化することの可否についてでございますが、季節性・通年性のアレルギー性結膜炎による目のかゆみの緩和を目的として限定して使用する場合には容認できるといった御意見をいただいております。

 また、13ページに日本眼科医会からの御見解をいただいております。2ポツの1OTCとすることの可否についてでございますが、こちらにつきましても、季節性・通年性アレルギー性結膜炎による目のかゆみに対する効能・効果としてスイッチOTC化を容認するということで、要望いただいている結膜炎に対する効能・効果としては容認しないという御意見をいただいております。

 日本眼科学会、日本眼科医会双方の御意見としまして、OTC化する際の留意点といたしまして、効能・効果に加えまして、使用後1週間を経ても目のかゆみ、症状の改善が認められないようなときは眼科医を受診すること。まぶたの腫れ等の症状が発生した場合は、点眼を中止して、眼科医を受診すること。薬剤師による速やかな眼科医への受診勧奨を行うことといった御意見をいただいているところでございます。

15ページは、OTC医薬品協会からの見解でございます。OTC化することの可否につきましては、要望された結膜炎の効能・効果は除くとされているところでございまして、既承認の同種同効薬の一般用点眼薬の効能・効果と同様に、花粉、ハウスダスト、室内塵などによる次のような目のアレルギー症状の緩和ということで、目の充血、目のかゆみ、目のかすみ等、そういった効能・効果とすることで、スイッチOTC化は可ではないかという御意見をいただいております。

 また、それに当たっては、セルフチェックシートの活用等により適正使用を図り、適切な情報提供をするといったこと、一定期間の使用上限を守るようにすること、そういった条件のもとであれば可という御意見でございます。

 説明は以上でございます。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。それでは、柿田委員から御意見、補足ございましたらお願いいたします。

 

○柿田委員

 眼科医会の柿田が申し上げます。

 リボスチン点眼液、レボカバスチン塩酸塩は、非常にいい薬です。私としてはザジテンよりも個人的に好きな目薬でして、効果はかなりいいと思います。今回眼科学会の方から参考人がいらしていないので、私が代理でお話ししますが、共通してアレルギー性結膜炎に関しては可ということで、結膜炎としては、日本眼科医会では認めない。なぜ認めないかといいますと、結膜炎としてOKしてしまうと、いろいろ困った結膜炎が混ざっているのです。それを一緒にされてしまうと、13ページに記載しておりますが、いわゆるウイルス性結膜炎、はやり目、プール熱、そういったものが入ってしまうと、感染拡大という危険性もありますし、当然治りません。そのようなことによる弊害が出てきますので、結膜炎という括りでは認められない。

 ただ、アレルギー性結膜炎を誰が診断するかというと、やはり眼科医になってしまいますから、これはOTC化の時に問題となりますが、診断に関しては非常に難しいと思いますので、日本OTC医薬品協会の方からお話しされた症状を中心に認めるというのは、ザジテンと同じように行くのが無難かなという印象を持っております。

 追加として眼科医会の13ページの見解に入れておきましたが、アレルギーの目に関しては、塩化ベンザルコニウムという防腐剤は、防腐剤としては非常に優秀なのですが、これ自体がアレルギー、結膜炎を起こしやすいというものですので、できたらそれもできるだけ少なく、できればない方が望ましいと考えております。

 最後に、14ページのところに記載しておりますが、よくかゆみがあるからアレルギーだと考えることがありますが、かゆみがあるからアレルギーとは限りません。感染性の結膜炎でもかゆみが起こることがありますので、そういう誤解をなくすような努力は薬剤師の方にお願いしたいと考えております。

 以上です。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。

 それでは、この成分のOTC化につきまして、委員の先生方から御意見はございますか。どうぞ。

 

○黒木委員

OTCとすることは可ということで、賛成なのですけれども、念のためにお伺いさせてください。イギリスでスイッチOTC化されたけれども、20046月に販売中止とあります。使用されなくなったからということなのか、何か不具合があったのか確認しておきたいのですけれども、いかがでしょうか。

 

○事務局

 こちらでは、情報をお持ちしておりません。

 

○柿田委員

 情報は私もありませんが、あくまでも推測ですが、この後にもスイッチOTC化するであろう薬があると思いますが、そういう後発品、後から出てきた薬の方に移行したために販売中止になったのではないかと推測しています。

 

○黒木委員

 ありがとうございます。

 

○笠貫座長

 鈴木委員。

 

○鈴木委員

 学会、医会ともほぼ意見が一致していると思うのですが、目のかゆみはいいけれども、結膜炎はだめということですね。

 

○柿田委員

 はい。

 

○鈴木委員

 そこが一致しているということであれば、それは尊重したいと思います。

 

○笠貫座長

 どうぞ。

 

○乾委員

 御意見をお聞きしまして、薬剤師が受診勧奨を含め、しっかりと情報収集をして情報提供、服薬指導というのは、全ての医薬品に対して責任を持って薬剤師が進めておるところでございますので、OTC化した場合でも、要指導医薬品のまま留まらなくても、しっかりとコントロールできればと考えております。

 それと、1点だけ。先ほど塩化ベンザルコニウムの話が出ておりましたが、ソフトコンタクトレンズを使用される方には医療用でも添付文書には使用しないようにということも書いておりますし、その辺も含めて、セルフチェックシートだけではなく、お薬の注意のところにきちんと記載して、情報提供できればよいのではないかと思います。容器を防腐剤なしのというのはなかなか難しいのかもわかりませんが、極力少なくというのは、先生のおっしゃるとおりだなと思います。

 よろしくお願いいたします。

 

○笠貫座長

 他にございますか。宗林委員、どうぞ。

 

○宗林委員

 同じく塩化ベンザルコニウムのところですけれども、現在どのぐらい使用されていて、どのくらいまで落として防腐効果も保てるものなのでしょうか。あるいは今の柿田先生のお話ですと、他のものに変えることがマストということでしょうか。

 それから、今、薬剤師会からもありましたが、「含水性ソフトコンタクトレンズ」と書いていますので、ソフトコンタクトには少しでも入っていたらだめという意味で、パッケージにソフトコンタクトにはだめだよということになりますでしょうか。ソフトだけですか。シリコーンハイドロゲルなどは大丈夫ですか。

 

○乾委員

 たしかそれもだめだと聞いています。ただ、1日で吸着して、その量にもよると思うのですけれども、ずっと常時使うものであれば、それだけ吸着するのに量が多くなってきますので、そういう意味でだめと私は理解しております。

 

○柿田委員

 コンタクトレンズに関しては、安全性は認められていません。確認されていませんので、塩化ベンザルコニウムに関しては、コンタクトレンズの上にはつけないと考えられています。濃度ですが、0.1%ぐらいが通常だと思います。最近はいろんな医療用の医薬品、点眼薬でもベンザルコニウムを減らして、今では0.02%とか、極力減らしているメーカーはあります。ただ、残っている限り蓄積性がありますので、これはソフトコンタクト、シリコーンハイドロゲルを含めてつけないことをお勧めしています。

 

○笠貫座長

 どうぞ。

 

○宗林委員

 柿田先生、今のお話ですと、ハードも止めた方がいいという感じでしょうか。

 

○柿田委員

 ハードも今は酸素透過性が上がって、素材がいわゆる分子と分子の間にすき間ができてきているのですね。ですから、吸着される可能性は高いと思います。そういう確認のデータはないのですが、眼科医としてはお勧めしていません。

 

○笠貫座長 ありがとうございます。

 他にございませんか。黒野委員、どうぞ。

 

○黒野委員 耳鼻科の黒野です。

 この薬剤は、耳鼻科でもアレルギー性鼻炎の点鼻液として医療用医薬品では使われているのですが、したがって、耳鼻科ではアレルギー性鼻炎以外は使わない。今回はアレルギー性結膜炎の中でかゆみということで出ているのですけれども、それは問題ないのでしょうか。かゆみというと、アレルギー性結膜炎であっても、例えば今のような杉の花粉症の時期であれば、かなり使用期間は限定されてくると思うのですが、例えば通年性ですと、一年中だらだらと長期間使われる可能性もあるのではないかと思いますが。

 

○柿田委員

 副作用に関して、問題が起こることはないと考えていますので、OTC化することは問題ないと思います。

 ただ、アレルギー性結膜炎という診断は眼科医がしなくてはいけないということで、先ほど言ったように、かゆみというのはアレルギーに限ったことではないということですから、本来でしたらかゆみということで1週間使ってだめだったら、すぐ眼科にかかるようにと言いたいところなのですが、これは言っていいのかな。私が委員になる前からザジテンがこういう効能・効果で出てしまっているのですね。これは眼科医会が知らない世界で、その前にできてしまったものを今さらひっくり返して、これではいけないとなかなか言えないことなので、特に今までザジテンでOTC化して、問題が起こっていないことですから、このままだったらいいかなという感じで述べています。

 

○笠貫座長

 今の御意見としては、1週間使って改善がなければ、受診勧奨、専門医に行ってくださいという条件が入ると考えてよろしいですね。ただし、その診断に関しては、専門医の診断ではなくて、眼科医会の方から出ていますが、具体的なかゆみ症状が1週間で改善がなければ専門医の方に受診勧奨ということでよろしいでしょうか。

 

○柿田委員

 はい。

 

○笠貫座長

 他にはございませんか。どうぞ。

 

○事務局

 既存のOTCであるザジテンなのですけれども、添付文書の方に使用期間に関する注意書きというのがございまして、例えば1週間ぐらい使用しても症状がよくならない場合は使用を中止して、医師、薬剤師または登録販売者に相談してくださいとか、症状の改善が見られても使用期間が2週間を超えるような場合は、医師、薬剤師、登録販売者に相談してくださいという形で添付文書の方に注意喚起がなされているというところでございます。

 

○笠貫座長

 今回の場合には1週間、12週間、どちらにいたしましょう。

 

○柿田委員

 今回は1週間でお願いします。

 

○笠貫座長

 よろしいですか。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長

 はい。

 

○笠貫座長

 宗林委員、どうぞ。

 

○宗林委員

 先ほどのコンタクトですが、大変わかりにくいので、ハードもだめなのか、ソフトだけがだめなのかを明確にわかる形で販売を開始していただきたいと思います。

 

○柿田委員

 注意書きには「コンタクトレンズ」という書き方ではなかったですか。ソフト、ハードとか。ハードという言い方も最近は変わっていまして、昔はPMMAという素材だったのですが、今はいわゆる酸素透過性のRGPCLになったり、他の素材も出てきていますので、昔ながらのハードという言い方だと、素材が違って、それを一括りにはできないので、とにかくだめなものはだめというように記載した方が間違いはないと思いますが。

 

○笠貫座長

 どうぞ。

 

○事務局

 例えばの話ということで事例なのですけれども、現状のザジテンであれば、コンタクトレンズを装着したまま使用しないでくださいと書いてありまして、ハードかソフトかというところは明確にはなっていないところでございます。

 

○医薬・生活衛生局局長

 両方だめだったということ。

 

○事務局

 コンタクトレンズと言えば、両方入りますので、コンタクトレンズを装着したままは使わないということです。

 

○笠貫座長

 どうぞ。

 

○佐藤委員

 宗林委員の意見に賛成です。一般消費者、私自身もコンタクトレンズを使っておりますけれども、できたらコンタクトレンズはだめではなくて、ソフト、ハードともにだめなら、ソフト、ハードともにだめと書いていただけるとありがたいと思います。

 

○笠貫座長

 一般の人たちにも分かり、易しくということで、両方書いていただけたらという御意見だと思います。

 ほかには。どうぞ。

 

○五十嵐委員

 話が戻って効能・効果の点ですけれども、今回ザジテンAL点眼液の効能・効果が一般の方にわかりやすいような書き方になっています。今回、先生があずかり知らないところでこのようになってしまったとおっしゃっていましたけれども、眼科的な見地からこれはこれで問題ないのですね。

 

○柿田委員

 問題ないと思います。ただ、「花粉、ハウスダストなどによる次のような目のアレルギー症状」というのは、ハウスダウトが原因なのか、花粉が原因なのかというのは、その個人が勝手に判断しているわけですね。そこの問題は残ります。

 

○五十嵐委員

 先ほど目のかゆみといっても、ウイルス性の結膜炎でもかゆみが出ますから、そういうものに使うというのはまずいということになります。平易な、一般の方にわかりやすいような症状名の言葉にしてしまうと、実はその医薬品が持つ効能との乖離が出てしまうことがどうしてもあります。と申しますのは、皮膚科の一般用医薬品でも、相当昔についた効能・効果が全然効かない概念を含むのに平気で売っているような医薬品も現在あるわけです。我々はそれについてはかなり抗議をしているのですけれども。そういうことがありますので、効能・効果をつけるときにそういったところも考慮していただいて、誤った使い方を避けるべく、要するに、消費者に誤解を与えるような効能・効果をつけないようにしていただきたいというのが私の希望でございます。

 以上です。

 

○笠貫座長

 どうぞ。

 

○小縣委員

 今、議論しているものについてだけではなく、薬剤師としても、製薬側にもお願いしたいところは、今も事務局の方が一生懸命読まないと大事なところが探せない状況にあることが余りよくないわけです。実際、売る側にしても小さなものが大きなパッケージに入っていて、棚には並べづらいなと思うこともあるのですが、あのパッケージには書かなければいけないことがたくさんあって、ただ、その中でも例えば1週間しか使ってはいけないとか、コンタクトレンズはいけないとか、確実にだめな部分が箱を見た段階で分かるようなパッケージデザインをもう少し考慮すべきではないか。これだけでなく、この後の薬品についてもそうですが、そのあたりを少し検討する必要はあるのではないかと思います。

 

○笠貫座長

 大事な御指摘をいただいたと思うのですが、事務局からぜひパッケージデザインについて、プライオリティーを考え、大事なことは薬剤師だけではなくて、一般の人たちがすぐ目に入るように、わかりやすくデザインを考えていただきたいということです。これは確かにスイッチOTC全てにかかわる問題かもしれませんけれども、御指摘いただいたのは今回が初めてかと思いますので、よろしくお願いします。

 他にはございますか。事務局の方からよろしいですか。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長

 御意見ありがとうございます。

 この品目に限らず、新しくOTCの世界に登場するであろうものについては特によくないというか、今ご指摘のあったコンタクトの問題とか、ふさわしくない、使用に適さない場合について、箱をあける手前、手にとっていただいてわかるような、そういった工夫を我々も、そしてメーカーの皆様にもお願いをしたいと思います。

 ありがとうございます。

 

○笠貫座長

 他にはございませんでしょうか。

 それでは、パブコメを行うに当たりまして、検討会議としての方向性をまとめたいと思います。花粉、ハウスダスト等による次のような目のアレルギー症状の緩和:目の充血、目のかゆみ、目のかすみ(目やにの多いとき等)、なみだ目、異物感(コロコロする感じ)という既存効能に合わせて限定して使用する場合、さらにコンタクトレンズ(ハード、ソフト)、1週間での受診勧奨、パッケージデザインの問題が出たと思いますが、そういう条件を満たすことでOTCは可ということで判断して、パブコメに進めるということについて差し支えはございませんでしょうか。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。

 それでは、そのような内容でパブコメを実施させていただくようお願いいたします。

 続きまして、オメプラゾール他につきまして、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

 

○事務局

 それでは、資料9をお手元に御用意ください。オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾールナトリウム、成分3つ、要望が来ておりますが、こちらはプロトンポンプインヒビターということでまとめた資料とさせていただいております。

3ページは、オメプラゾールに関する資料でございます。要望された効能・効果といたしましては、胸やけ(胃酸の逆流)、胃痛、もたれ、むかつきでございます。こちらは個人以外から要望があったものでございます。

 対応する医療用医薬品はオメプラール錠10でございまして、効能・効果はここに示したような形で、胃潰瘍、十二指腸潰瘍等があります。

5ページ、6ページに移っていただきます。本成分は、胃酸分泌の最終過程においてプロトンポンプと呼ばれる酵素を阻害することによって、強力な胃酸分泌抑制作用を示す薬剤でして、承認が1991年でございます。再審査結果は99年に通知されておりまして、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断されているものでございます。

 同じ作用機序のものといたしまして、20ページがランソプラゾールの要望、40ページがラベプラゾールナトリウムについての要望でございまして、要望されているところの効能・効果につきましては、こちらに記載してありますように、それぞれでやや違いがあるというところでございます。

 オメプラゾールに戻りまして、安全性に関する情報は8ページでございます。PPIにつきましては、こちらに記載したような禁忌、相互作用、重大な副作用等が設定されているというものでございます。

 推定の使用患者数といたしましては、具体的な数値は不明ですが、胃食道逆流症診療ガイドライン改訂第2版によりますと、検診受診者のうち内視鏡検査による有病率は4.912.8%とされていて、検診受診者のGERD症状を有する割合は12.727%とされているところでございます。

 それぞれの海外での承認状況の違いについて説明させていただきます。まず、10ページを御覧ください。オメプラゾールにつきましては、欧米6カ国いずれの国においても処方箋なしで購入される医薬品として承認されております。下線を引かせていただいていますが、主には胸やけ等に対してのところに限定されているというところでございます。

 ランソプラゾールにつきましては、30ページ、米国、オーストラリアにおいて承認がなされております。

 ラベプラゾールにつきましては、47ページ、オーストラリアにおいてOTCとして承認されていることが確認できているところでございます。

 同種同効薬の状況につきましては、49ページを御覧ください。PPI自体は、現状OTCとしてはないのですが、胃腸薬というところで類型化しますと、シメチジン、ロキサチジンといったいわゆるH2ブロッカーがOTCとしては承認がなされているというところでございます。

48ページのところに医会・医会等の見解を記載しております。他の成分につきましても一括して御見解をいただいておりますので、詳細につきましては57ページの学会の見解から説明させていただきたいと思います。

57ページは、日本消化器病学会からの見解でございます。日本消化器病学会からは、OTC化することについては可という御意見をいただいております。可の理由でございますが、安全性については、14日以内の短期使用であれば特段注意すべき点はないというところと、有効性についても、短期間の症状改善を目的とするならば大きな問題はないといったところでございます。

 しかしながら、2ポツのところで、OTC化する際の留意事項というところでも御意見をいただいておりまして、58ページの中ごろあたり、「本薬のOTC薬の位置付けは、短期間で改善する可能性のある軽症の逆流性食道炎や非びらん性の胃食道逆流症の患者の症状緩和になる」といった限定をいただいております。

3ポツ、その他の部分でございまして、逆流性食道炎、いわゆる胸やけ等の維持療法とかで用いる場合、医療用であっても、含量が小さいもので有効性が確立していることから、OTC薬としては低含量のものでいいのではないかといった御意見になっているところでございます。

 続きまして、59ページ、日本臨床内科医会からの御見解でございます。日本臨床内科医会からの御見解といたしましては、OTC化することの可否については不可といった御意見をいただいております。否の理由としましては、59ページ下段から記載されているような副作用の懸念ということで、肺炎の頻度悪化、60ページに移りまして、消化管の副作用、肝障害、骨の脆弱化、強力な胃酸分泌抑制作用による自覚症状からの軽減による重大な疾患のマスク、血液障害、その他といった形での御意見をいただいております。

61ページの中ごろから下くらいですけれども、PPIOTC化する上では、こうした問題を薬剤師がきちんと理解して販売できるかということ。それから購入数の制限といったものがきちんと担保されるか、第一類医薬品の販売体制も問題になるのではないかといった御意見で、結果としてPPIOTC化は不可とするべきであるという結論をいただいております。

 続きまして、63ページでございます。関係業界としましてOTC医薬品協会からの見解でございます。見解の中身といたしましては、消化器病学会とほぼ同様の御意見をいただいておりまして、短期間投与、14日間以内を前提として、軽度の胃食道逆流症に伴う症状の改善というところに限定すること。適正使用に関しまして、セルフチェックシートを活用することですとか、どういった含量で効能が期待できるかといった御意見等、さまざまな御意見、御見解をいただいておりまして、一定の条件を付すことでOTC化は可だと考えるという御意見をいただいているというところでございます。

 説明は以上でございます。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。

 それでは、上村委員と湯浅委員から御意見、補足の方をお願いしたいと思いますが、まず上村先生の方からお願いいたします。

 

○上村委員

 私は日本消化器病学会の理事を去年の3月までやっていました。社会保険担当ということで、OTC化する場合の意見書とか国に対する要望書というのは、消化器病学会の社会保険審議委員会、約20人近くいますが、そこで討議して、それをまとめた形で、理事会に諮らずに、理事長の承諾を得て要望書を提出という段取りだったのです。今回、私はこれに関わっていません。消化器病学会は今回も同じように社会保険審議委員会で討議してまとめた意見書がここに出ているものです。この意見書は理事会にも提出されて、理事会で承認を得たというようになっていると聞いております。

 ということで、私もこれを見たのですけれども、まず学問的、医学的にはそれほど問題ないのではないかと思いました。ただ、57ページを見ていただきたいと思います。まず、14日以内の短期使用は、欧米、特にヨーロッパではPPIテストといって、胸やけがある場合に酸分泌抑制薬が効果的かどうかというものを見るのは7日間です。したがって、14日というのは、学会も後の協会も14日で出ていますけれども、もしもOTC化できるとすれば7日間が適当だと私は思っております。

 私どもの危惧としては、悪性腫瘍の症状が隠蔽されるおそれは当然あります。胃がんで胸やけが出て、これも7日以内。7日ですぐわかると思うのです。ただ、早期がんの場合は、7日飲めば症状がよくなります。心窩部痛などは簡単によくなるのです。だけど、止めればまた出てくる。したがって、7日で症状がとれないものとか再燃するものは必ず医療機関でチェックを受けなければいけない。そういう体制がとれるかどうか。安全性の問題からはそういうことが言えると思います。

 臨床内科医会の御意見に関しては、確かにこの副作用は論文としては報告されております。長期使用が多いわけですけれども、ただ、それよりも掲げられている中で、副作用として一番問題は、OTC化して、勝手に長期に飲む人が物すごく多くなる可能性があるということ。危ない人とか効かない人が適切に医療機関を受診できる体制。先ほど僕がお聞きした環境整備とはそういうことなのです。薬剤師さんがいるところで受診勧奨してもなかなか行かないかもしれない。いないところでは勝手に売ってもらうかもしれない。すごくいい薬ですから。このような危険性がある薬剤と思います。ましてやネット販売になったら、これは大変なことになる。そういう大きな制度上の問題をはらんでいるのではないかなと思いました。

 だから、学会としては可となっていますけれども、大きな条件をつけた上での可というふうにこの文章は読んでいただきたいと思います。

 以上です。

 

○笠貫座長

 ありがとうございます。

 それでは、湯浅委員、お願いいたします。

 

○湯浅委員

 日本臨床医会の方は、不可とさせていただいております。

59ページから61ページまで参照してください。PPIの副作用あるいは有害事象の記載がございます。これらの臨床研究は観察研究であり、バイアス等の問題があって、エビデンスレベルはそれほど高くないという前提はありますが、メタ解析で胃がんの発生率が増えた、あるいは急性腎障害、慢性腎臓病も増加するというエビデンスも最近になり報告されております。

 一般的にはこの薬は安全に使用できることは間違いないと思いますが、長期処方において安全性が問題視されるような報告が少なからず存在することで、OTC化を許してよいのか疑問を持っております。

 また、仮にPPIOTC化するためには、それが短期間での販売であれしっかりと縛りをかけなければならなくなります。

 例えば1週間なり2週間の処方で、その後症状が改善しなければ受診勧奨と言っても、患者さんが薬局を変えてしまえば、これを追跡するのは困難で長期間、内服することも可能になると思います。したがって薬の副作用の問題、また短期投与を可能にする制度上の問題の2点で、OTC化を現段階で認めることは実臨床にたずさわる医師の責任として言えないと考えております。

 

○笠貫座長

 ありがとうございました。

 では、鈴木委員、どうぞ。

 

○鈴木委員

 今回PPI、プロトンポンプインヒビターのスイッチ化ということで、3つの成分が一度に上がってきておりますが、この3成分は同じものだと考えて本当に問題はないのか、疑問があると思います。公開されているPMDAの副作用報告システムの集計を見ますと、ランソプラゾールでは顕微鏡的な大腸炎や下痢、オメプラゾールでは低ナトリウム血症といった副作用が他のPPIに比べて比較的多い傾向が見られております。

 また、オメプラゾールは、欧米各国でスイッチ化されているものの、ランソプラゾールはアメリカとオーストラリア、ラベプラゾールはオーストラリアだけと分かれております。使用者数が不明のため症例数の単純比較はできませんが、報告されている副作用の傾向が3成分の間で異なることが想定されているため、3成分をまとめて議論することが本当によいのか、事務局の見解を伺いたいと思います。それが1つです。

 まとめた方がいいですか。

 

○笠貫座長

 事務局の方からお願いできますか。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長

 今、鈴木先生が御紹介くださったとおり、成分ごとに、例えば諸外国でのOTCとしての承認状況などは違います。それぞれはこの中に成分ごとに資料をお作りしておりますが、一緒でない方がしかるべきというのであれば、それはそのように資料とか、あるいは議論とかを組み直していただいても構わないと思っております。

 

○笠貫座長

 他に。どうぞ。

 

○鈴木委員

 引き続いてですが、短期投与ならば問題ないというのが学会の御意見で、医会は副作用の点を重視されているので、学会と医会の意見が異なっており、我々としては両方の意見を踏まえて考えなければいけないと思います。かつて胃潰瘍、十二指腸潰瘍で出血や吐血、あるいは穿孔などによって手術が頻繁に行われたわけですけれども、H2ブロッカーが登場したことによって手術が激減し、さらにPPIが出たことによって、ほぼ手術はなくなったという歴史的経緯を思い出す必要があります。そのようにプロトンポンプインヒビター、PPIというのは、非常に強力な胃酸の抑制作用を示しております。

 私は、1980年代に腸内細菌叢を研究テーマとしておりましたが、PPIは強力な胃酸がもたらす最も重要な消化管の生体バリアを人為的に壊すことになりますので、さまざまな病原菌の侵入など未知の危険性があるのではないかと考えます。腸内細菌叢の研究はその後停滞しておりまして、近年またブームになっていますが、ブラックボックス的な存在であります。ただ、今日の問題点というのは、1970年代に私の恩師の光岡知足東大名誉教授が「腸内細菌の話」という岩波新書で予言していたことです。腸内細菌叢への短期的及び長期的な影響の部分が抜けており、私は、スイッチOTC化するにはこの薬は余りにも強力過ぎると思ってますのが、腸内細菌叢への影響からも私はスイッチOTC化すべきではないと思います。

 学会と医会の意見が異なるということもありますし、私のかつての研究テーマから見ても、生体の最大のバリアを人為的に壊すということの重みを考える必要があります。既にH2ブロッカーがあるわけですから、それ以上の症状を緩和するのであれば、医療機関を受診して医師の管理のもとに使うということが必要ではないかなと思います。

 私は、かつて食事で腸内細菌叢の変化を見る実験を自らいたしましたけれども、1週間ぐらい偏った食事、例えば高脂肪食を摂っただけで腸内細菌叢は変わってしまいます。ですから、短期間の投与でも腸内細菌叢に影響を与えることは考えられると思いますし、未知の病原菌、我々が想定していない病原菌が体内に入ってきても自然の胃酸のバリアで殺菌しているのを、あえて人為的に壊すということは非常に問題があるのではないかと思います。

 また、学会、医会の意見が異なるということからも我々としては今回のスイッチOTC化に対して賛成というわけにはいかないと思います。

 それから、販売の問題が出ておりましたけれども、スイッチOTC化して、何年かすると、ネット販売が可能になってしまうという今の制度は、現実的にはスイッチOTC化されたPPIを買われる皆さんの中には、いろんな方がいらっしゃるわけで、皆さんが正しい飲み方を守るわけではなく、想像もつかないような使い方をされる方もいると思います。そうした意味でもこの薬はスイッチOTC化するには余りにも強力であり、生体の自然のバリアを人為的に壊す影響がはかり知れないのではないかと思います。

 以上です。

 

○笠貫座長

 他には。上村委員、どうぞ。

 

○上村委員

 鈴木先生の今の御意見に対して学会の立場としてお話します。まず、3種類のPPIは確かに違うのです。ランソプラゾールがcollagenous colitismicroscopic colitis、顕微鏡的な腸炎を起こす頻度が圧倒的に高いのは間違いないです。これは恐らく吸収部位の問題と言われております。

 もう一つは、先生が言われる腸内細菌叢、腸内フローラ。collagenous colitisの副作用にしても、日本では内服をされた方が1ヵ月以上です。

 腸内細菌叢の問題は、Gutに最近出ていますし、私たちも班会議をつくってマイクロバイオームをやっておりますが、1週間のPPIで明らかに腸内フローラ、腸内細菌叢が完全に変わってしまいます。しかし、戻ってしまうのです。だから、それはごく短期間であればそれほど大きな影響はないと思われます。私が1週間と言ったのはそういう意味合いがあったわけですけれども、それほど心配することはない。

 ただ、先ほどお話ししたように、それが効くからずっと飲み続けるということが起こり得ると思うのです。そこをどうやって制御できるかが問題です。一般の国民の方に自己責任で、あなた、副作用が出ても仕方ないねと言っていいのか、それとも何らかの形の制度をつくれるのかということが一番大きな問題。PPIというのは、先生たちがすごく心配されていますが、学会としては、短期間であればリスクよりベネフィットのほうが大きいと思います。

 

○笠貫座長

 どうぞ。

 

○宗林委員

 今、3種類のものが一緒に出ているのですけれども、実際に医療用医薬品として処方される場合も、最初の短期間で診断が必要。ここまではもちろんわかるのですが、例えば逆流性食道炎として診断された場合、その後の投与は、多分4週間単位といいますか、ある程度の低用量のもので長期にわたって飲む類いのものではないかと思うのです。

 ですから、診断が必要でお医者様に行って診断をしていただくところまではもちろんですが、そこで今、要望が出ている効能・効果の中に一部絞りまして、例えば逆流性食道炎とか、胃潰瘍の後どうのこうのとか、そういう短期的なものは除いて、長期的にお医者様にかかっても、その後4週間、8週間というふうに出されるような効能・効果のもの、疾病名についてはOTC化で対応が可能ではないかと思います。ですが、その場合は効能・効果をかなり絞る、そして診断を受けるということが前提になります。お医者さんに行っても1ヵ月単位で出されるお薬のようなものが含まれていると思います。

 

○笠貫座長

 他には。どうぞ。

 

○乾委員

 物は安全で、有効だと。もちろん短期間でということでございますけれども、例えば医会の先生のお話を聞いておりますと、薬剤師がきちんと理解し販売できるかというような御心配をしていただいて、ここに書いてあるのですが、私は薬剤師として、それは今も間違いなくきちっとやっておりますし、できていないという者はいないと思っております。万一そういうことがあれば、それをやらせる制度にするかということだと思います。14日なり1週間なりの日数制限をして、しかもそのときに、まず対面販売であれば、要指導医薬品の間であれば間違いなく受診勧奨します。これはネット販売のときにも薬剤師会としてお話ししたと思うのですけれども、H2ブロッカーを前回買われて、また購入に来られた患者さんに対して受診勧奨して、マスキングされたがんを早期に発見できたとか、そういう症例はあります。薬剤師がそういうことできちんとできると確信しています。

 まして、処方箋、調剤を70数%処方箋受け取り率で、PPIも含め、当然ながら服薬指導等をさせていただいているわけですし、厚労省としては、一類も薬剤師が関与する制度になっておるわけでございまして、ネットで販売可能とはなっていますが、薬剤師がきちんと情報提供する仕組みというものが制度改正でできておるわけですけれども、ただ、対面に比べて御心配されているようなことが、実際に制度がきちっと守られて動いておれば問題ないと思いますし、今後ICT化がますます進めば、そういうところも今まで以上にできるのではないかと思います。

 もう一点、欧米諸国はPPIOTC化してもう既に10年以上経過していると思いますが、多くの国でOTC化して特に大きな問題が起こっているのかというところを考えますと、日本でもOTC化して、しかも日本の制度は薬剤師がしっかり関与して、地域包括ケアシステムの中で薬局が地域の医療機関としっかり連携をとって、受診勧奨も含め進めていくということで今、進んでおるところでございますので、その辺については大丈夫ではないかと私は考えております。

 

○笠貫座長

 どうぞ。

 

○湯浅委員

 御意見、ありがとうございました。

PPIは安全な薬ではありますが、その中でもさまざまな副作用や有害事象が報告されていることも事実です。したがって現段階でPPIOTC化を急ぐ必要はないと申し上げております。短期処方であれば問題なしということですが、短期、長期にかかわらず本当に安全と言い切れるのかを時間をかけて考えていくべきと考えております。また、OTC化されれば、薬剤師の先生がたのご負担も考慮しなければならないと思います。

 それから、逆流性食道炎と胃食道逆流症という病名があり、薬の用量や投与期間が違うわけです。逆流性食道炎は食道にびらんがあり、胃食道逆流症は非びらん性です。PPIを処方する際には、厳密にいえばこの2つを区別する必要があると思いますし、薬剤師のかたにはきちんと説明していただけなければならないわけですが、一般のかたがどこまで理解したうえでこの薬を使用していただけるかは疑問です。いろいろなことを勘案するとPPIOTC化は時期早々と思います。

 

○笠貫座長

 どうぞ。

 

○鈴木委員

 腸内細菌叢を研究していた立場からすると、副作用というのは、急性の副作用もあれば、慢性の副作用もあると思います。生体のバリアを人為的に壊すわけですから、その間に入ってきた病原菌が、例えば何年かたってから、慢性的な影響を生体に及ぼす可能性が十分あると思います。貴重な生体のバリアを人為的に壊すことの重みを考える必要があると思いますが、これは短期、長期にも変わらないと思います。それだけ強い薬であるということです。

 それと、薬剤師会の方がおっしゃいましたけれども、例えば一般用医薬品の広告を見ますと、私はその研究班にも参加していましたが、不適切な広告事例が後を絶たず、最近でも漢方生薬の遠志(オンジ)を使った一般薬が承認範囲を超えて、あたかも認知症に効くような暗示的な名称をつけて、不適切なプロモーション活動を行っていたことも起こっております。業界としても新しいOTC化の薬をふやす前に、自ら販売や広告のあり方を見直すことが必要ではないかと思います。

 このまま行くとネット販売等に移行していくわけですから、その問題点は常に考えなければならず、先ほどの薬、前の薬は私も可といたしましたが、それは万が一ネット販売されても大きな健康被害を起こすことはないだろうということを前提に承認しているわけで、このPPIはそういうものとは全く違うと思いますので、適切な使用が確実に守られるという保証がない限りは、そうした意味でも認められないと思います。

 現状薬剤師がきちんと対応ができているかという点については、調査によって必ずしも十分でないという結果も出ております。聞けば、やりますとおっしゃるのでしょうけれども、実態はそうではないという結果も出ているということであります。

 患者さんにしてみれば、H2ブロッカーがスイッチOTC化されていますが、それを飲んで効かなかったら、次はPPIのスイッチOTC化されたものを飲んで、それでも治らなかったらどうするのだという気もいたします。H2ブロッカーは、たしか3日間服用して効果がなければ、医師または薬剤師に相談となっていると思うのですが、H2ブロッカーが3日で、PPI1週間、2週間というのはおかしな感じもいたしますし、そういう意味でも環境整備というものが不十分ではないかと思いますので、現時点で承認には至らないと改めて表明したいと思います。

 

○笠貫座長

 他に。どうぞ。

 

○湯浅委員

 鈴木委員の方からこの3剤を同時に審議することの妥当性というお話が出ましたけれども、私も3剤を一緒にするべきではないと思います。薬剤の相互作用の違いがあります。循環器疾患で非常によく使われているクロピドグレルは一部のPPIとの併用で血中濃度が低下します。逆にワルファリンやジゴキシン等の作用を上げることもあります。このように、他の薬剤との相互作用の違いから考えても3種のPPIをまとめて議論すべきでないと思います。

 すでにOTC化されているH2ブロッカーは東大の秋下先生らが日本老年医学会で編纂された「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」のなかで高齢者には投与してはいけない薬という位置づけになっております。特に入院している方などに認知機能低下やせん妄という問題があり慎重な投与が必要です。このように安全で問題なしと言われていた薬が、時間の流れのなかで慎重投与薬になることを考えれば、繰り返しになりますがPPIOTC化について今後も慎重な議論が必要と考えているわけです。

 

○笠貫座長

 どうぞ。

 

○乾委員

 鈴木委員からしっかりと制度を守れていない、できていないのではないかという御指摘をいただきましたけれども、ほぼ大半の薬剤師はしっかりやっています。ごく一部がそういうのができていないのであれば、やらせる。当然ながらそういうことを進めるということで、薬剤師会としては100%というので進めておりますので、その辺は御理解いただきたいなというところでございます。

 

○笠貫座長

 ほかの委員の先生の御意見。どうぞ。

 

○小縣委員

 高齢者への指摘等もございましたが、薬局薬剤師も、今、かかりつけ薬剤師、かかりつけ薬局といって、1人の患者さんをじっくり見るような体制もできております。万が一知らない高齢者の方が胃の不快感を持って薬局に来られたとしても、必ず併用薬等々の確認はいたしますので、そういう意味では、薬剤師の仕事は、乾先生も言ってくださったように、しっかりやるようになっております。ただ、全部かと言われれば、それはもちろんそういうこともあるかもしれません。薬剤師の卒後教育のほうは薬剤師会としてきっちりやっていきたいと思いますし、今回上がるようなスイッチOTCに認定されたもの、否になった薬剤についてもしっかり勉強をしていきたい、させていきたいと考えております。

PPIにつきましては、諸外国の例もございまして、上村先生の御意見、短期であればというお話がございました。短期であってもだめだという意見もありましたが、大変切れのいいお薬と昔から言われておりますので、例えば5日分で売るとか7日分で売るといったときに、効かなかった人には、受診勧告、勧奨いたしますので、そのあたりの不安についてはもう少し払拭していただいてもいいのかなと考えます。

 以上です。

 

○笠貫座長

 どうぞ。

 

○鈴木委員

 そろそろ時間も迫ってきたようですが、改めて我々の見解をまとめさせていただきますと、PPIの作用が非常に強力であること、また、生体の貴重なバリアを人為的に破壊する薬でもあること、及び医会の先生がお示しになったように、さまざまな安全性の問題があること等を踏まえて、日医としてはスイッチOTC化に反対をせざるを得ないという状況であります。

 スイッチOTC化して要指導医薬品になるということは、現行の制度上、ほぼ自動的にネット販売されることになるわけですが、PPIという強力な作用を持つ薬のネット販売については望ましくない、行うべきではないと考えております。

 学会が可とおっしゃっていますが、あくまでも適切な受診勧奨が行われるということが前提になっていると考えられますけれども、厚労省が行っている医薬品販売制度実態把握調査の結果を見ても、日本医師会として薬局、薬剤師の対応が十分とは考えておりません。このような状況の中でPPIのスイッチOTC化を認めるわけにはいかないと思います。

 以上です。

 

○笠貫座長

 どうぞ。

 

○宗林委員

 この医薬品単品に関しての意見ではないのですが、もともとスイッチ化をしていくということの意味は、クリニックで長期間飲む同じ薬をもらいに行くだけのために、会社も休まなくてはいけないとかそういう話もありますし、本当に診断を必要としている人が長時間待たなくてはいけないというところを、多少なりとも薬局、医薬分業のところで賄えるというような意味も将来的には考えていかなくてはいけないと思っています。

 そういう意味では、対面販売はマストでありますけれども、きちんと診断を受けてある程度長期に飲んでいくようなものについて、1回処方箋が出たその薬局においてスイッチ化したものの製品を売れるような体制というのを。また一定期間たったら病院に行かなくてはいけないわけですが、そういう考え方もぜひ頭の中、視野に入れていっていただきたいと思うのです。

 そうすれば、薬剤師さんの能力ももちろん十分に発揮していけることになりますし、病院のほうも少しは余裕がでてくるといいますか、待ち時間が短くなる。100%負担でも同じ処方箋を出されて長期的に飲むようなものについては、薬局で責任を持って出せるような薬もスイッチ化の範囲に入れていく。そういった視点もこれからは取り入れていただきたいと思っています。

 

○笠貫座長

 ほかに。それぞれの先生方の御意見も聞きたいので。

 

○上村委員

 宗林先生のお話にありましたことに関して、医者がPPIを処方している際には、これは明らかに鈴木先生、湯浅先生が言われるような副作用を考えているのです。だから、ガストリンが1,000以上になったりする方がいます。ガストリンというのはすごい増殖作用を持っていますから、1年に1回、内視鏡を必ずやるわけです。そういった形でフォローするので、医者が8週間とか何週間とか出しているから、それをというのは、この薬に関しては当てはまらない部分があるように思います。それだけ意見させてもらいました。

 

○笠貫座長

 どうぞ。

 

○小縣委員

 今おっしゃっていただいたのもそうですが、消化器の場合は内視鏡の検査も行いますし、長期にわたって観察をしていく必要があると思いますので、今のような使い方というよりは、スイッチOTC化することによって病院に行かなくてもいいかもしれないという程度のところを治せる。いわゆる医療費の削減という意味で、そこまでひどくない人を治す、そういう形でのスイッチOTC化の薬の使い方というほうが今後は大事ではないかなと。長期のものはもちろん大切ですけれども、検査等々が必要なものが多くあると思いますので、スイッチOTC化に対する考え方のところで、そこまで行かなくても治せる、長期に飲まなくても薬局の薬で治していくことができるというところを特に重点的に見ていただけたら、薬剤師としてもしっかり働いていけるのではないかなと思います。

 

○笠貫座長

 どうぞ。

 

○佐藤委員

 大変わかりにくい議論になっておりますので、ぜひ議論の整理をしていただけたらと思います。

 一つは、薬としての安全性が一般用医薬品に適するかどうかというお話があって、一般用医薬品として適さないという御意見の医会からは、新たな知見が出てきているので、それを検討すべきだというお話でした。一般用医薬品への移行を考えるときに新たな知見をどこまで考えるのか。この薬についてだけ考えるのかどうかというのは一つ議論のあるところだと思います。

 もう一つ、では、薬としての安全性はあるのだけれども、その売り方に、どういう縛りがかけられるのか、ということをきちんと考えるべきだと思います。

 もう一つ、長期か短期かという話のほかに、では、病名のついた疾患の薬だったらいいのかどうなのか。例えばこういう診断がされた人が、たまたまきょう旅行先で1錠買いたいのだ、ということに対応できるかどうか。そういうこともちょっと検討していただければと思います。

 以上です。

 

○笠貫座長

 今日は1回目ですので、できるだけ多くのステークホルダーの立場から御意見をお聞きしたいと思いますので、まだお話しされていない先生方の御意見をお聞きします。

五十嵐委員お願いします。

 

○五十嵐委員

 私は皮膚科なので、この薬は全く専門外なのですけれども、例えばH2ブロッカーとこのPPIをどういうふうに使い分けるか、僕ら皮膚科医には正直言ってよくわからないところがあるわけです。ですので、これが一般の消費者の方たちはますますわからないだろうと思います。そうすると、薬局に行ったときの対面販売というのは、薬剤師さんがどちらを勧めるかという問題もありまして、これはかなり難しい話です。

 今、お話を聞いていて、少なくとも長期はまずいかなと感じました。当座患者さんが持っている症状がおさまるかどうかで、1週間から2週間程度使ってみて、それでだめだったら、やはり医療機関を受診すべきでしょう。僕は、認めるにしても短期間にとどめるべきではないかと思いました。

 

○笠貫座長

 柿田委員。

 

○柿田委員

 私も眼科なので専門外なのですが、薬の管理に関しては、今のICTで解決するのではないかなと思うのですね。ICカードとかを使って、それを必ず提示しなければ売らない。そこに必ず記録する。そういう履歴さえつくれれば、いわゆる連続処方というのは免れるので、そんなに難しいことではないかとは感じました。そうすれば、もうちょっと敷居が低くなるかなと思います。

 

○黒木委員

 私も先生方の議論を伺っていて、安全性に疑問が生じているようなディスカッションの状態ではまだスイッチOTC化は早いのかなと思いました。スイッチOTC化を皆さんが認めるというときは、ほとんど全会一致ですっと認めていかれますね。議論があるということは、まだ早いのではないか、もう少し検討するべきだと思います。特に安全性。よく効くということは生理活性が高いということで、副作用として現在は添付文書に出てくるものではないけれども、何がしかの毒性的な影響があるかもしれない。構造もそれぞれ違うものですから、もちろんそれは個別に考えていくべきではないかと思っております。

 

○笠貫座長

 お願いします。

 

○宗林委員

 ちょっと誤解があるかもしれないのでと思いまして。処方箋が出た全部お医者さんにかからないといけないのかという世界を、何らか100%医療費負担のもので賄えることも検討の視野の中には入れたほうがいいのではないかという意味でございます。

 

○笠貫座長

 矢口委員。お願いします。

 

○矢口委員

 私が言おうと思ったことを全て黒木委員がしゃべってくださいまして、ありがとうございます。これが意見でございます。

 

○笠貫座長

 これで皆さんの御意見をお聞きしたと思います。

 時間になりましたので、今の時点での方向性をまとめたいと思います。

 第一に科学的な問題として、3つの成分のものを1つで論じていいかどうかについて、他剤との相互作用など整理をしていただくことです。また、強力な効果の薬を国民が手軽に買えることは大事だと思うのですが、安全性について意見が分かれています。今のエビデンスをもとにしてどこまで判断してよいかがはっきりしません。7日間という話が出たと思うのですが、7日間という短期間で重篤な副作用が増えてきているという問題、新たな副作用、腸内細菌、未知のリスクなど多くの問題が指摘されましたので、短期間での副作用がについて、エビデンスを整理していただいたたうえで判断したいと思います。副作用は長期間で増えることは間違いありませんが、短期間ならばどうなるかについては慎重に検討すべきだと思います。ほかの国では14日間というのもありましたけれども、上村先生からは7日間、鈴木先生は4日間という話もありました。

 

○鈴木委員

 ガスターが3日なのに、より強いPPI7日間というのはおかしいのではないですか。

 

○笠貫座長

 それも含めて何日間かは次のステップの段階で議論させていただければと思います。

 第二の問題は、環境整備の話です。今まで共通の問題としてたくさん出てきていたと思うのですが、薬剤師の方々からは、かかりつけ薬剤師が、地域包括ケアを含めて、きちんと指導しているというお話と、必ずしも十分ではないということになると、この時点でこの薬を認めるときに、実態としてどういう状況にあるのかについて、ある程度共通の認識を持ちたいと感じました。

 第三の問題は、受診勧奨です。短期間で医師に受診しなさいというときに、対面販売が非常に重要だというデータがあるならば、対面販売にこだわるということをしっかりと認識しないといけないと思いますし、さらにその後の問題となるネット販売は、第一類医薬品で、薬剤師が関与するということですね。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長

 はい。たてつけとしては第一類、第二類、第三類医薬品が要指導医薬品の後にあるのですけれども、例えば第一類医薬品に移行したら、薬剤師さんにお取り扱いいただくというカテゴリーになります。

 

○笠貫座長

 ネット販売のときに薬剤師さんによる受診勧奨は、どのような効果と問題があるのかを含めて、我々はまだ実態を十分把握できないように思います。薬剤師さんの役割は重要だと思いますし、ネット販売についての議論がたびたび出てきますので、その制度上の問題を含めて整理していただけたらと感じました。

 第四の問題としては、期間にこだわるということは、何回も薬をもらいに来てしまうことをどう予防できるのかということです。先ほどICカードの話も出ましたが、その辺を整備していただき、薬局を変えて別に買うことについての対策もできていくと、より安全に国民にスイッチOTCを可として提供できるというようになるかもしれません。

 学会と医会の考え方の違いと、薬剤師の立場と医師会の立場の御意見、それから専門でない方の御意見と、全てのステークホルダーの話をお聞きできたと思います。この会は皆さんの御意見が一致するということが前提ですので、ここでどちらに決めることではないと思います。

 意見が分かれた重要な点について、事務局で整理していただき、次回の検討会での報告をお聞きした上で、結論を得るということにしたいと思います。継続審議になりますが、この薬は、スイッチOTC化という意味では大事な薬だと認識をしていますので、いかがでしょうか。

 

○笠貫座長

 ありがとうございます。それでは、事務局の方にもお願いしましたが、各委員の方々もお願いしたことを次回お話していただき、議論するということで、まとめさせていただきたいと思います。

 本日の議題は以上でございます。事務局の方からほかにございますか。

 

○事務局

 次回の検討会議ですが、既に日程調整させていただいておりまして、81日(水)の15時からを予定しております。次回は、本日最初に御議論いただいた2成分をパブコメにかけますので、そのパブコメを踏まえた2回目の検討。それから、先ほど座長の方から宿題として事務局の方で整理すべしとありましたPPIにつきまして、再度の議論をいただくということ。また、残りの成分で準備が整ったものが出てくると思いますので、そうしたものの議論を予定しているところでございます。御多用のところ恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 以上でございます。

 

○笠貫座長

 それでは、第4回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議を終了させていただきます。

 どうも御協力ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
03-5253-1111(内線 2737、4225)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議> 第4回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(2018年3月16日)

ページの先頭へ戻る