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2018年3月29日 第5回高齢者の保健事業のあり方検討ワーキンググループ

○日時

平成30年3月29日(木)10時00分~12時00分


○場所

厚生労働省 専用第21会議室


○議題

(1) これまでの経過報告
(2) ガイドライン(案)について
(3) その他

○議事

 【ガイドライン(案)について】(資料3)

(文献調査について)

・ 運動、栄養を併用している文献もあると思うが、カウントはどのようにしているのか。

⇒ どちらがメインか判断がつきにくいが、どちらかには入れている。

・ フレイルの高齢者というのは難しい定義だが、認知機能や社会的フレイルに関する介入については検索したのか。

⇒ 社会的フレイルと認知機能については取り上げていない。

⇒ フィジカルフレイリティの介入の調査ということでよいか。

⇒ その通り。

・ 海外の動向はどうか。

⇒ ヨーロッパでは多国間多機関でスプリント研究が進んでいる。アメリカでもライフ研究があった。アジアではそうした研究はない。

・ フレイルの判断基準は同じなのか。コホートは入れなくていいのか。

⇒ コホートは入っている。コントロール群には一般的な健康教育をしているケースはあった。

⇒ フレイルの判断基準が様々なら記載したほうが良い。

⇒ 現時点で記載するのはまだ難しい。基本チェックリスト等を活用した研究が必要であろう。

⇒ この文献検索は2000年以降のものである。老年医学会がフレイルについて定義したのは昨年。それ以前は、それぞれの研究で定義しているので、そこは気をつける必要がある。

 

(総括編について)

・ 6ページ図表1-1中の「変形性膝関節症」に記載は「変形性関節症」にしたほうがよい。

・ 10ページに健診の受診勧奨とあるが、後期高齢者に特定健診が適応するかという話がある。特定健診の項目が後期高齢者にも有用であるということなら良いが、健診の位置付けそのものをきちんと議論して記載すべきではないか。また、6ページの健診受診者の割合と7ページの図表1-2の数字を端数調整して合わせるべき。

⇒ 後期高齢者については、循環器疾患の予防という意味での健診はあまり意味がない。現状有する疾患が重症化してはいけない、その管理をしっかりやるという意義は大きい。メタボ予防とは異なり、生活機能を落とさない、フレイル対策、重症化予防が大切ということをメッセージとして書き足したほうが良い。

⇒ 保険者として健康状態を把握する必要がある。糖尿病でありながら、高血圧はみていない場合などもある。この場だけではなく議論することが必要である。

⇒ 医療機関を受診している人は健診を受けなくて良いということはない。保険者からそういう意見が出ることもあるが、高齢者だから健診してはいけないということはなく、通院しているから健診をしなくても良いという理屈にはならない。議論すべきことなのか疑問である。

・ 高齢者にあった健診かということは様々な研究も踏まえて議論していく必要がある。

⇒ 高齢者だから健診項目を絞っていいということはない。特定健診と被用者健診でも項目はかなり違うが、医師会は項目を増やすように働きかけている。予算ありきでやろうとするといけない。健診で早期発見、重症化予防をすれば医療費は絞られるはずである。

⇒ 健診の質問項目については事務局で検討中である。

⇒ よければ来年度にこの場で検討させていただきたい。

⇒ 来年度の検討ということで了解した。質問票をどういう形で配布して回収するかが地域での問題である。いい質問であっても、医療機関で一人ひとりやろうと思うと非常に時間がかかる。保健師の方が一軒一軒回るのも大変である。そうしたこともアイデアがあったら教えていただきたい。

⇒ 基本チェックリストは優れたものであり、フレイルの人の抽出に有用である。ビッグデータが既にあるので、それを活用していくことが必要である。フレイルのスクリーニングの項目として使うのもよいが、基本チェックリストそのものが有用であると記載してもらえると良い。国立長寿医療センターのエビデンス等を活用していただきたい。

・ 引用文献は最新のものを確認すべき。8ページの国民生活基礎調査の数値等は平成28年度では、認知症が一番になっている

・  29ページに、「医療機関へのつなぎや地域ぐるみの健康支援」との記載があるが、健診だけでは現場ですぐにデータを把握できない。医療機関側から行政に情報提供できる仕組みが構築されると、リスクの高い人に対して保健指導ができる。肝炎の人に継続治療がされていないことも問題であるので、医療機関と行政の双方向の連携の仕組みを考えてもらえると良い。

⇒ 重症化予防では、医療機関からの紹介という記載があるが、高齢者は行政への相談という入り口もある。17ページの図表1—5に、医療から必要があれば健康支援に、と補強するような記載をしてはどうか。

⇒ 医療の中でフレイルの方がいて、行政の支援が必要なときに情報提供いただければ対応が進みやすい。

⇒ 医師の立場からすると、そうした患者を診た際に、どこに情報提供すればよいのか、市町村において明らかになっていない。まずは市町村でどのような受け皿を作るかが重要である。

⇒ 国保では、国保中央会から日本医師会にお願いして、保健事業への協力について都道府県の医師会に通知を出していただいた。厚労省でもその動きを都道府県に通知してもらった。医療機関を受診していれば健診は要らないという考えの患者も多い。医療機関を受診中の人には、かかりつけ医から健診受診を勧めてもらいたいという話もしてきたので。その効果検証もしたい。

・ 後期高齢者医療制度以外はうまくいっているが、後期高齢者医療制度は広域連合が運営主体で、受け皿が市町村にない。保険の仕組みとしてやりにくくなっている。

⇒ 国保は、国保・後期高齢者ヘルスサポート事業で補助が出て、それが努力支援制度の評価にもつながるので、熱心に取り組んでいる。後期高齢者医療制度もインセンティブがあるので、国保を参考にして欲しい。

⇒ 市町村で保健事業に対する温度差がある。熱心な市町村は国保と後期高齢者医療制度と意識せずに一体的にやっている。ペナルティがあるので国保の方が健診受診率が高い。後期高齢者の健診の財源の3分の2は保険料なので、市町村間でばらつきがないように、受診率を引き上げたいと思っている。後期高齢者の保健事業に対する都道府県からの支援は、ないところが多いと思われる。

 

(実践編について)

・ 71ページの参考例中の「捕食」は「補食」の誤記。72ページの記載は、地域の栄養士会等への委託が問題であるような書き方となっているので、表現を改めるべき。また、栄養ケア・ステーションのような形で研修を行っているので、その活用についても記載してもらいたい。

・ 4849ページについて、小規模自治体では、国保、介護とも連携は取れているが、人材が限られていて、保健師等の手が回っていない部分がある。レセプトによる絞り込みについては、担当課が分かれていることもあり、いかにうまく活用できるかが課題。48ページには「かかりつけ医へのフィードバック」とあるが、医師との連携についても課題である。また、各パターンともに「質問票等を用いた」とあるが、基準的なものを示していただきたい。

⇒ 医療機関との連携については、課題と思っているところと、当たり前と思っているところの差が大きい。医師会と自治体との距離も様々である。

・ 51ページの図表2-6の栄養(体重減少)の優先度高について、「6か月で2~3kg」(基本チェックリストの項目)入れてはいかがか。

・ 実践編は全体的に個別の対応が重視されているが、ポピュレーション的な対応も重要であるので、個別の対応とポピュレーション的な対応を両輪で動かしていくことの必要性を記載すべき。

⇒ 59ページの図表2-12の最終回の欄に(カ)を追記し、64ページに解説として、かかりつけ医、地域資源、社会参加へのつなぎを追記し、ハイリスクアプローチの保健事業の最終的なイメージはその後の参加につなげることだと分かるように記載すると良い。

・ 10ページ5の健診も医療も受診していない人の状態把握は重要ことだと思うが、誰がどのようにやるのか。また、医療機関と市町村との連携により受診中断を防いでいくことが重要であることを記載して欲しい。

⇒ 受診中断については、4950ページの図表2-5や51ページの図表2-7で加筆する。どこまで書けるか。

 ⇒ モデル事業での事例をもとに追記する。

・ 10ページの3)の一番下に地域包括支援センターへの加配の記載があるが、誰がどのように財源を確保してやるのかを教えて欲しい。

 ⇒ モデル事業で管理栄養士を配置している例があったことから記載したもの。記載の仕方を検討する。

・ 56ページの図表2-11下部の口腔指導の囲みだが、義歯の補正のみではいけないので、指導についても記載して欲しい。

 ⇒ 同様に栄養の指導についても記載して欲しい。

・ 口腔に関する指導・相談について、ケアマネジャー等への研修をぜひやっていただきたい。

・ ガイドラインの記載が糖尿、血圧、BMI等に偏っている。要介護というものを考えると運動器は重要である。運動器関係の取組例がないので、具体的なものは無理としても、留意点として運動器関係の取組について書き込んでもらえると良い。

⇒ 目標設定の考え方について、外出等について書きたい。

⇒ 介護予防事業でもかなりリハビリも含めてやっているので、運動器の場合はそうした事業につなげる等が重要という位置づけでもよいか?

⇒ 歩行機能、下肢の運動機能は介護までいってしまうとちょっと回復が遅い。ロコモ度テスト等で早めに歩くことの指導をすると歩行機能も改善する。この時点で留意してもらえるとありがたい。

・ 後期高齢者はやせが問題だが、太りすぎの人は血圧等にも影響するので、注意事項として太りすぎも問題だと入れてほしい。BMI25より上の肥満が問題である。

⇒ 数字をだすなら高齢者なら30でよいのではないか。

⇒ 27.5でも良いかと思う部分もあるので、体重管理に着目すると言うことでよいのでは。

・ 75ページの「安定剤」は何を指すか正確に記載すべき。

・ 多職種連携や双方向性の情報共有は大切であるが、厚労省から自治体に対して個人情報の取扱マニュアルのようなものは示しているのか。多職種連携をするときに、個人情報については、守秘義務、患者の同意などが必要である。他の医療機関で受診している場合もあり、治療中断について医療機関から行政には伝えにくい部分がある。治療中断はレセプトデータにより保険者で把握できる。介護施設への入所の場合もあり、自治体のほうが把握しやすいのではないか。

⇒ 33 ページの書き振りについて、もっと踏み込んで書くか検討していただく。

⇒ 広域連合はどこも個人情報保護条例がある。個人情報を外部に提供する場合は、基本は本人同意が必要。公益上の必要があるものは、審議会に諮った上で提供することになる。逆に市町村も広域連合から個人情報を収集する、又は広域連合に個人情報を提供することについては、それぞれの個人情報保護条例に基づき必要な手続を踏んでいる。

⇒ 審査会の状況も市町村単位でまちまちであろうから、ある程度ここまでは良いということが示されると良い。

⇒ KDBシステムを使うと受診状況が分かるので、そこで市町村が把握してからかかりつけ医に相談するのが良いのではないか。

・ 運動器はモデル事業には入っていないが、介護予防事業ではデータの蓄積があり、そことの連携が大切である。運動器は一番の基本であり、ガイドラインに追記してほしい。

・ 71ページの大和市の事例の内容が良くわからないので、もう少し、自治体が参考にできるようにしてもらえると良い。

・ かかりつけ医への相談・報告は理想であるが、かかりつけ医への教育をどうするかということも考えていかないと広がらないであろう。そこを見据えたガイドラインにすべきである。

⇒ 行政と医師会とが一緒になって研究会をやっているところはすばらしいと思う。どう進めるかは来年度の課題でもある。

 

本日出された意見などを踏まえ、座長と事務局で整理の上、 ガイドラインに反映させることで同意を得た。


(了)

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