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2023年12月6日 第24回診療報酬調査専門組織・医療機関等における消費税負担に関する分科会議事録

○日時

令和5年12月6日(水) 8:00~8:30
 

○場所

日比谷国際ビル コンファレンススクエア 8F
 

○出席者

飯塚敏晃分科会長 安部和彦委員 川原丈貴委員
鳥潟美夏子委員 松本真人委員 清家武彦委員 鈴木順三委員
猪口雄二委員 長島公之委員 川瀬弘一委員 中村康彦委員 寺島多実子委員 豊見敦委員
尾形龍紀委員
<事務局>
森光審議官 須田審議官 眞鍋医療課長 荻原保険医療企画調査室長 他

○議題

 1 控除対象外消費税の診療報酬による補てん状況の把握について

○議事

○飯塚分科会長
 おはようございます。ただいまより、第24回「診療報酬調査専門組織 医療機関等における消費税負担に関する分科会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。
 本日は、佐保委員、末松委員、枝廣委員、野口委員が御欠席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日は「控除対象外消費税の診療報酬による補てん状況の把握等について」を議題といたします。
 事務局より、資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○眞鍋医療課長
 おはようございます。医療課長でございます。
 それでは、診調組 税-1を用いまして御説明をさせていただきたいと思います。
 本分科会は、医療機関等における消費税課税等の状況を把握するとともに、消費税引上げに対します、診療報酬制度等における対応等につきまして、検討を行う場として設置されてございます。
 前回は、10月4日に開催されました、第23回の消費税分科会におきまして、令和5年度も令和3年度と同様の調査を行うこととして、診療報酬による補填状況の把握を行うこととなったところでございます。
 本日は、その補填状況の結果につきまして、御議論をいただく場ということで整理をさせていただいてございます。
 それでは、資料に沿って御説明を申し上げます。
 まずは、資料「控除対象外消費税の診療報酬による補てん状況の把握」の2ページ目を御覧ください。スライド2でございます。
 今回の調査は、先日、公表されました第24回の医療経済実態調査の対象施設になっております医療機関を対象といたしまして、各医療機関における令和3年度、4年度のデータを収集、調査を行ってございます。
 収入のうち、診療報酬本体に上乗せされております消費税分は、NDBデータより収集いたしまして、支出のうち、課税経費の消費税相当額につきましては、第24回の医療経済実態調査よりデータを収集してございます。
 収集したデータから、個々の医療機関における補填状況を推計いたしまして、医療経済実態調査の集計区分と同様に、開設者別、病院機能別、入院基本料別に区分して比較をしてございます。
 続きまして、4ページ、5ページにお進みいただければと思います。
 今回の調査におけます補填状況の把握方法、こちらを少し具体でお示ししたものでございます。
 4ページの3ポツに記載がございますが、医療機関等、種別ごとの平均補填率の算出に当たりましては、病院は病院種別、こちらは一般病院、精神科病院、特定機能病院、こども病院ごとの施設数による加重平均、一般診療所は、入院診療収益の有無ごとの施設数による加重平均、歯科診療所及び保険薬局は開設者別の施設数による加重平均を行ってございます。
 また、病院におきましては、介護収益2%未満の施設を対象としており、一般診療所、歯科診療所におきましては、青色申告を行っている施設も含んでおります。
 他方で、材料費やその他の医業・介護費用がゼロまたはNDBデータの算定回数がゼロ、医療・介護収益における社会保険診療分の割合が50%未満の施設については、調査対象としていないところでございます。
 また、今回の調査の留意点といたしましては、調査対象期間であります令和3年、4年度につきましては、医療機関の支出・収入面双方で、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている点と、令和4年度につきましては物価高騰の影響により、医業・介護費用が上昇している点でございます。
 このような社会情勢を調査結果とともに、どのように検証していくかということになろうかと思います。
 6ページ目からが、医療機関ごとの収益・費用の伸び率を記載してございます。
 一般病院全体、これは6ページ目でございますけれども、入院保険診療収益が令和元年度から2年度にかけまして、3.2%のマイナスだったのに対しまして、令和3年度から令和4年度にかけましては、プラス2.5%の伸び。
 外来保険診療収益も、令和元年度から2年度にかけましては、3.6%のマイナスから、令和3年度から4年度にかけましては、プラス3.0%の伸びとなってございます。
 医業・介護費用も同様に伸びておりまして、令和元年度から2年度にかけましては、プラス0.2%の伸びであったのに対しまして、令和3年度から令和4年度に関しましては、プラス3.2%の伸びとなってございます。
 ページは進みます。8ページでございます。
 一般診療所の収益と費用の伸びでございます。一般診療所の令和3年度から令和4年度にかけての入院保険診療収益の伸びでございますが、0.7%のプラスでございまして、外来診療収益につきましては、令和元年度から2年度にかけまして、5.0%のマイナスに対して、令和3年度から4年度の伸びがプラス4.0%となってございます。
 費用も同様に伸びておりまして、令和元年度から2年度は、マイナス1.1%であったことに対しまして、令和3年度から4年度の伸びが、プラス2.6%となっているところでございます。
 9ページ目でございます。
 こちらは、歯科診療所の収入と費用伸びてございまして、保険診療収益は令和元年度から2年度にかけてマイナス1.3%、令和3年度から4年度にかけましては、プラス1.0%の伸び、医業・介護費用は、令和元年から2年度にかけて、プラス0.2%の伸び、令和3年度から4年度にかけては、プラス2.8%の伸びとなってございます。
 10ページ目でございまして、保険薬局でございます。
 令和元年度から2年度の保険調剤収益はマイナス1.7%、令和3年度から4年度にかけましては2.2%の伸び。
 費用に関しましては、令和元年度から2年度にかけてはマイナス1.4%、令和3年度から4年度はプラス2.8%の伸びでございました。
 11ページからが、補填率を示した資料となります。
 補填状況把握結果【全体】となってございます。医療機関種別ごとの総施設数を加重平均した補填率を示してございます。
 令和4年度の補填率で申し上げますと、病院は112.8%、一般診療所は94.6%、歯科診療所が105.4%、保険薬局は91.7%、令和3年度の補填率は病院が113.2%、一般診療所が88.9%、歯科診療所が103.2%、保険薬局が89.5%となってございます。
 病院と一般診療所を合わせました医科全体では、令和4年度は107.1%、令和3年度が105.6%の補填率という結果となってございます。
 続きまして、12ページ以降に参ります。
 こちらでは、病院の種別ごとに補填率を算出してございます。令和4年度の一般病院の補填率でございますが112.9%、精神科病院が127.5%、特定機能病院が109.4%、こども病院が94.8%。
 令和3年度の一般病院の補填率が113.4%、精神病院119.3%、特定機能病院111.9%、こども病院が96.8%の補填率でございました。
 これらを病院全体の加重平均で見てみますと、令和4年度が112.8%、令和3年度が113.2%という結果でございます。
 13ページに進ませていただきます。
 こちらは、一般病院の開設主体別の補填状況を示してございまして、令和4年度の医療法人の欄を見ていただきますと121.2%、国立病院で113.9%、公立病院で89.4%、国公立を除きます一般病院では119.5%の補填率となってございまして、令和3年度におきましては、それぞれ医療法人120.7%、国立病院113.1%、公立病院91.8%、国公立を除きますと119.5%の補填率でございます。
 14ページ、15ページはDPC病院、16ページ、17ページは届出入院基本料別、そして18ページ目は看護配置基準別に補填率をそれぞれお示ししてございます。
 19ページ目まで進ませていただきます。
 こちらは、新型コロナウイルス対応別の補填率でございまして、令和4年度の重点医療機関は105.0%、協力医療機関が126.4%、受入病床別割当ての医療機関は112.2%となり、令和3年度の重点医療機関が106.6%、協力医療機関131.2%、受入病床割当て医療機関が109.8%となってございます。
 20ページは、一般診療所の補填率をお示ししてございます。
 令和4年度でございますけれども、一般診療所全体では94.6%、個人が112.4%、医療法人その他の診療所が89.7%。
 令和3年度の補填率は、一般診療所全体で88.9%、個人で107.8%、医療法人その他で83.5%の補填率となってございます。
 21ページは、歯科診療所の補填率となってございまして、令和4年度の歯科診療所全体では105.4%、個人では104.0%、医療法人その他で107.7%。
 令和3年度は、歯科診療所全体で103.2%、個人で101.9%、医療法人その他で105.6%となってございます。
 最後に22ページでございます。
 ここは、保険薬局の補填率になってございまして、令和4年度の薬局全体の補填率は91.7%、個人138.0%、法人が90.8%、令和3年度の全体の補填率が89.5%、個人が121.9%、法人88.7%という結果でございます。
 以上の結果を踏まえまして、事務局より対応案をお示ししたいと思います。
 令和5年度の医療経済実態調査によりますと、令和3年度、4年度におきましては、保険診療収益について、新型コロナウイルスの影響から一定程度回復が見られる一方で、令和4年度においては、物価高騰の影響から医業・介護費用、課税対象経費も増加しております。
 こうした中、医科歯科調剤を合わせました全体の補填率は、それぞれ令和4年度におきましては106.1%、令和3年度におきましては104.5%となってございます。
 そのため、令和6年度への診療報酬改定におきましては、診療報酬の上乗せ点数の見直しを行わないこととして、引き続き消費税負担額と診療報酬の補填状況を把握して、検証を行うことが適当と考えます。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○飯塚分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について、何か御質問等ございましたら、お願いいたします。
 長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。一般診療所について意見を申し上げます。
 一般診療所の上乗せ率は、前回の調査で、令和2年度が87%、今回の調査で、令和3年度が88.9%、令和4年度は94.6%と、補填不足が続いています。
 また、特に法人立の一般診療所において、補填率が大きくマイナスになっており、この傾向は、前回調査から継続しております。これらの補填不足が続く状況は誠に遺憾です。
 したがいまして、今回、事務局の対応案を了承するとしても、上乗せ点数を適切に見直し、一般診療所の補填が決して不足にならないよう、しっかり検討していただく必要があると考えております。
 私からは以上です。
○飯塚分科会長
 ありがとうございました。
 ほかに御意見、御質問は、川瀬委員、お願いいたします。
○川瀬委員
 ありがとうございます。
 今回、平均では、おおむね補填がされているということは示されてございます。前回のこの分科会のところでも補填率の詳細として、それぞれ分布図等をお示しいただけたらと発言をさせていただきましたが、今回も残念ながらお示しいただけなかったということでございます。
 現在の補填方法で問題がないかを、やはり議論するためには、どの程度の施設が補填不足なのか、あるいは補填され過ぎているのかということが分かりませんので、ぜひ明らかにしていただけたらというのが、私の意見でございます。
 以上でございます。
○飯塚分科会長
 ありがとうございました。
 豊見委員、お願いいたします。
○豊見委員
 薬剤師会の豊見でございます。
 今回のデータを見させていただきまして、令和3年度から令和4年度にかけて改善が見られるという形になっておりますけれども、改善傾向にあるからいいということではございませんで、令和3年も4年も、補填率は100%を下回っているという状況であろうと思います。
 このコロナ禍においては、薬局の現場でも、様々な対応に取り組んでおりますし、物価高騰の影響もある中、賃上げもできないという状況でございますので、この数字については、課題がある数字なのかなと思っております。引き続き、この状況、データについては注視していく必要があると思いますし、今後は、しっかりとした対応を御検討いただければと思います。
 以上でございます。
○飯塚分科会長
 御意見ありがとうございます。
 その他、ございますでしょうか。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 資料の税-2の1ページを見ますと、令和3年度から4年にかけては、補填率が上昇しており、その結果、全体の補填率は、令和3年度が104.5%、令和4年度が106.1%となっており、100%を超える水準で補填は拡大してきております。
 そもそも医療機関、薬局の消費税負担につきまして、基本診療料を中心に上乗せする、この仕組みが続く限り、ミクロで過不足が生じること、また、マクロでも完全に100%というのは難しいと考えております。
 また、今回の補填率の計算方法につきましては、税-1の6ページに記載のとおり、収益からは、コロナ補助金を控除している一方で、費用からは、コロナ補助金で購入した設備であるとか、物品等は控除されていないと受け取っております。
 この点については疑問が残りますが、精緻な計算を行うには、技術的に限界があることも、ある程度は承知しております。
 したがいまして、今回は上乗せ点数の見直しは行わず、引き続き状況を把握して検証を行うという事務局案に、異論はございません。
 ただ、2年後、こうした次回調査もあると思われますが、新型コロナの補助金が残っている令和5年度が対象期間に含まれます。
 また、医療機関に対する補助金は、コロナ関連以外にも様々なものがあります。次回に向けて、より適切な補填状況の把握方法や、補填の過不足をどこまで許容するのかといった課題について、技術的な観点からも整理していただき、分科会で議論することも必要だろうということを最後に指摘させていただきます。
 私からは以上でございます。
○飯塚分科会長
 御指摘ありがとうございます。
 猪口委員、お願いいたします。
○猪口委員
 ありがとうございます。
 全体的に見ると、まずまずの結果が出ているのかなと思いました。
 したがいまして、今回は、これを大きく変更することなく行ってよろしいのではないかなと思います。
 ただ、今、川瀬委員からも御指摘ありましたように、それぞれの、例えば病院でいうと、病床種ごとではまずまずの結果が出ていても、その中のばらつきというのは、やはりここからは見えませんので、ぜひそういう結果も出していただいて、今後、消費税の在り方を、さらに詳しく議論することが必要だろうと思っております。
 課税にしてはどうかというような意見もありますが、ここでは、そのことを議論する場ではないと思っております。しかし、それぞれの医療機関にとって、医療機関の出費は、毎年同じように起きているわけではありません。非常に大きいお金が出ることもありますので、もう少し詳細なデータがいただけたら、さらに詳しく議論できると思っております。
 以上です。
○飯塚分科会長
 ありがとうございます。
 ほかには御意見等ございますでしょうか。
 よろしいですか。ありがとうございます。
 ほかに、御意見、御質問等ないようでしたら、本日の質疑はこれまでとさせていただきます。
 本日の御議論では、様々な御意見を頂戴いたしました。今回の補填状況の把握結果を踏まえて、令和6年度改定においては、消費税上乗せ分の見直しは行わないこととし、引き続き、消費税負担額と診療報酬の補填状況を把握して検証を行うことが適当という事務局の対応案につきましては、基本的な方向性は、おおむね一致していると思います。
 様々な御意見をいただいたことを含めて、その旨を後日開催されます総会に報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○飯塚分科会長
 ありがとうございます。それでは、そのように進めさせていただきます。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程等につきましては、追って事務局から御連絡をいたします。
 それでは、本日の分科会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

(了)
<<照会先>>

厚生労働省保険局医療課保険医療企画調査室企画調査係
代表:03-5253-1111(内線3797)

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