ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(医療機関等における消費税負担に関する分科会))> 第22回診療報酬調査専門組織・医療機関等における消費税負担に関する分科会議事録(2021年12月2日)

 
 

2021年12月2日 第22回診療報酬調査専門組織・医療機関等における消費税負担に関する分科会議事録

○日時

令和3年12月2日(木) 19:00~19:47
 

○場所

オンライン開催
 

○出席者

飯塚敏晃分科会長 野口晴子委員 吉村政穂委員 川原丈貴委員 吉森俊和委員 
幸野庄司委員 佐保昌一委員 間利子晃一委員 田中伸一委員 末松則子委員
今村聡委員 城守国斗委員 川瀬弘一委員 伊藤伸一委員 三代知史委員
森昌平委員 折本健次委員 梅澤悟委員
<事務局>
榎本審議官 高宮保険医療企画調査室長 他

○議題

 1 消費税率10%への引上げに伴う補てん状況の把握結果等について

○議事

○飯塚分科会長
ただいまより、第22回「診療報酬調査専門組織 医療機関等における消費税負担に関する分科会」を開催いたします。
本日も、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、会議の公開については、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
続きまして、委員の出欠状況について、御報告します。
本日は、全員が御出席です。
次に、事務局の厚生労働省の異動につきまして、事務局より紹介をお願いいたします。
○高宮保険医療企画調査室長
まず、大臣官房審議官(医療保険担当)の榎本でございます。
○榎本大臣官房審議官
よろしくお願いいたします。
○高宮保険医療企画調査室長
続いて、大臣官房審議官(口腔ケア、医療介護連携、データヘルス改革担当)の間でございますが、本日は、ほかの公務により、遅れて参加する予定となっております。
それから、私、保険医療企画調査室長の高宮と申します。よろしくお願いいたします。
○飯塚分科会長
ありがとうございました。
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は「消費税率10%への引上げに伴う補てん状況の把握結果等について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○高宮保険医療企画調査室長
保険医療企画調査室長です。
資料は2つ用意しております。
一つが税-1、こちらが令和2年度の消費税の診療報酬による補てん状況の把握の結果をまとめた資料です。
もう一つが税-2で、令和4年度診療報酬改定における対応の案を整理した資料になります。
それでは、まず、税-1を御覧ください。
ページをめくっていただいて、2ページです。
最初に「消費税10%への引上げに伴う補てん状況の把握について(案)」ということで、今年8月の消費税分科会に提出した資料になります。
「目的」で、診療報酬による補てん(5~10%部分)について、令和2年度の状況の把握を目的としております。
補てんの把握方法は、医療経済実態調査の調査対象となっている医療機関等を対象として、使用するデータについては、収入のうち、診療報酬本体へ上乗せされている消費税分については、NDBから抽出した算定回数等のデータを使用。支出のうち、課税経費の消費税相当額については、医療経済実態調査のデータを使用することとしていました。
3番目の収入と支出の対比については、開設者別、病院機能別、入院基本料別に区分して比較することとしています。
3ページも、8月4日の消費税分科会の資料で「補てん状況把握のイメージ」をまとめたものです。
下の絵に描いてある「収入」のAの部分と、左側の「費用(仕入れ)」支出のうち、Cの部分を比較することとしています。
4ページから、新しい資料になります。
今回の補てん状況の把握方法を整理しています。
支出については、先ほどの資料で説明したとおりですが、医療経済実態調査に回答した医療機関等を対象にして、同調査の令和2年度の課税経費(5~10%部分)を使用しています。
収入については、NDBで各医療機関等の令和2年4月から令和3年3月の消費税上乗せ項目の算定回数を抽出して、各項目の消費税上乗せ点数(消費税5~10%部分)を乗じて、年間の消費税上乗せ分の合計を算出しています。その支出と収入を比較することになります。
下の(その他)に、集計の方法を記載しています。
医療機関等種別ごとの平均補てん率を算出するに当たっては、病院は、病院種別ごとの施設数の加重平均。
一般診療所は、入院診療収益の有無ごとの施設数による加重平均。
歯科診療所と保険薬局は、開設者種別ごとの施設数による加重平均を行っています。
また、病院のうち、一般病院については、開設者種別ごとの施設数による加重平均を行っています。
5ページは、今回の補てん状況の把握に当たっての留意点を整理しています。
1つ目の○が、令和2年度については、医療機関等の支出面、収入面ともに、新型コロナの影響を受けています。
2つ目で、医療経済実態調査を基にしていますが、これはサンプル調査になりますので、対象医療機関等が調査ごとに異なっています。前回の調査の平成28年の補てん状況の調査も同じような方法でやっていますが、単純な比較は難しいということでございます。
3つ目の○、診療報酬による補てんについては、個々の医療機関等ごとに消費税負担が異なる状況を踏まえつつ、類型ごとに平均的な医療機関等について補てんできるよう配点しています。このため、個々の医療機関ごとで見ると、どうしてもばらつきが生じるということでございます。
また、改定後の時間の経過とともに、医療機関等の消費税負担の状況は変化すること。
また、上乗せ点数を措置している初・再診料や入院基本料等の算定回数も変化することに留意する必要がございます。
次の○は、消費税分を上乗せした項目の一部が、その後の通常改定で改定されているものもございます。
最後が、令和元年10月の改定後、令和2年度にプラス0.55%のプラス改定を行っているということです。
6ページ以降が、補てん状況の把握の結果を整理した資料になります。
まず、6ページが、全体です。
この表の一番上の行が収入、診療報酬の上乗せ分になります。
その下が支出、消費税5%相当の負担額になります。
その下の行の「補てん差額」が、A引くB。
その下の「補てん率」が、B分のAということになります。
この「補てん差額」と「補てん率」のところを見ていただくことになります。
最初は「医科全体」で「病院」と「一般診療所」を合わせたものです。
「補てん率」は103.4%です。
続いて「病院」が、110.1%。
次が「一般診療所」ですが、87.0%ということで、こちらは100%を下回っている結果になっています。新型コロナで、初・再診の患者数の算定回数が減少している影響が大きいものと考えています。
続いて、その右側の「歯科診療所」は103.4%。
「保険薬局」は112.7%という結果です。
表の下のところに黒い四角がありますが、そこに記載してあるものです。
病院、一般診療所、歯科診療所、保険薬局ごとの施設数による加重平均を行って、全体の補てん率を算出すると、103.9%という結果になっています。全体では、補てん不足とはなっていない結果になっています。
7ページ以降は、分類別の集計になります。
7ページが、病院です。
「一般病院」が110.7%。
「精神科病院」が104.4%。
「特定機能病院」が110.0%。
「こども病院」が106.8%になっています。
8ページが、今度はDPC病院です。
DPC病院について「一般病院」は106.5%。
「特定機能病院」は110.0%。
「こども病院」が106.8%です。
9ページは、非DPC病院です。
非DPC病院の「一般病院」が113.9%。
「精神科病院」が104.4%です。
10ページは、一般病院の届出入院基本料別の集計です。
「一般病棟入院基本料届出病院」が107.1%。
「療養病棟入院基本料届出病院」が122%。
「結核病棟入院基本料届出病院」が101%。
「精神病棟入院基本料届出病院」が95.9%になっています。
11ページは、同じく届出入院基本料別の集計です。
「特定機能病院入院基本料届出病院」は、大体110%ぐらいになっています。
一番右の「障害者施設等入院基本料届出病院」が125%です。
12ページは、一般病院の開設主体別の集計になります。
「医療法人」が117.4%。
「国立」施設が109.6%
「公立」施設が88.1%で、ここも100%を下回った数字が出てきています。
公立病院は、もともと収入に比べて支出が多い傾向がございます。今回の診療報酬により、消費税の上乗せ分を措置するという方法ですので、もともと収入に比べて支出が多いグループの集計をすると、どうしても補てん率が低く出てくることになります。前回の平成28年度の補てん状況の調査でも、同じような傾向になっています。
一番右側の「国公立除く」で119.4%です。
13ページからは、看護配置基準別の集計になります。
「急性期一般入院料1」が105%。
2~7が113%。
「地域一般入院料1、2」が112%。
「地域一般入院料3」が91%ということです。
14ページは、今の看護配置基準別をDPC病院で集計しています。
「急性期一般入院料1」が105%。
2~7が115%です。
15ページは、非DPC病院で看護配置基準別の集計です。
「急性期一般入院料1」が93%。
2~7が111%。
「地域一般入院料1、2」が112%。
「地域一般入院料3」が91%ということです。
16ページは、新型コロナの対応別の集計になります。
「重点医療機関」コロナの専用病棟を設置している医療機関が、100.2%。
「協力医療機関」コロナの疑い患者専用の個室を設置している医療機関は、122%。
コロナの受入病床割当てありの医療機関が、116%。
それ以外の医療機関が116%という結果になっています。
17ページは、一般診療所です。
「全体」の87%は、前の6ページと同じ数字です。
「個人」立が105.4%。
「医療法人・その他」が79.6%になっています。
これは、また「個人」と「医療法人・その他」で数字がかなり違っています。これは、個人立の一般診療所のほうが、収入に占める消費税の上乗せ分を措置している初・再診料の割合が大きいということですので、消費税の上乗せ分が多くなるということです。前回の平成28年度の調査でも、同じような傾向にございました。
18ページは、歯科診療所です。
「全体」では103%。
「個人」が101%。
「医療法人・その他」が106.7%です。
最後の19ページは、保険薬局です。
「全体」では112.7%。
「個人」が123.0%。
「法人」が112.3%という結果でございました。
これを受けて、税-2の資料を御用意ください。
「令和4年度診療報酬改定における対応(案)」になります。
上の四角で囲っている部分です。
1つ目の○で、令和2年度の医療機関等の消費税負担の診療報酬による補てん状況については、医科、歯科、調剤を合わせた全体の補てん率は103.9%となっています。
また、医科全体、歯科、調剤それぞれを見ると、補てん不足にはなっていない状況です。
2つ目の○は、令和2年度については、新型コロナの影響があり、上乗せを行った診療報酬項目の算定回数の減少、患者減に伴う課税経費の減少、他方で、消毒・マスク・機器整備等の感染対策のための課税経費の増加など、補てん額と負担額の双方にぶれが生じていると考えられます。令和2年度のデータにより、上乗せ点数の厳密な検証を行うことは難しいのではないかと考えています。
3つ目の○で、このため、令和4年度診療報酬改定においては、診療報酬の上乗せ点数の見直しは行わないこととして、引き続き、消費税負担額と診療報酬の補てん状況を把握して、検証を行うことが適当ではないかと考えています。
資料の説明は、以上になります。
○飯塚分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたら、お願いいたします。
○三代委員
日本歯科医師会の三代でございます。
よろしいでしょうか。
○飯塚分科会長
はい。お願いいたします。
○三代委員
先日、事前のレクチャーを受けたときに、有効回答数と集計の施設数が異なることについて御質問させていただいたところ、つじつまが合わないものを除いたと御説明を受けました。
歯科診療所では、有効回答数が625に対して、集計施設数は492ということで、21%が除外されております。病院では1,218に対して、843ということで、約30%の方が除外されています。一般診療所では1,705に対して、1,439ということで、15%の診療所が除外されております。
サンプル数が少ないのに、これだけ外して、信頼できるデータと言えるのでしょうか。その辺を教えていただきたいのですが、よろしくお願いいたします。
以上です。
○飯塚分科会長
ありがとうございます。
ほかにも御質問等がありましたら、幾つかお受けしてから回答させていただこうと思いますが、いかがでしょうか。
では、ひとまず、今のところで、事務局からお願いいたします。
○高宮保険医療企画調査室長
今回の補てん状況の把握に当たって、医療経済実態調査のデータを基にしていますが、そのうち社会保険診療の収入の割合が小さいところについては、除外しています。
歯科の場合は、そのような歯科診療所が多いので、その分、今回の補てん状況の調査での施設数が少なくなっているということでございます。
○飯塚分科会長
ありがとうございます。
今の御説明でよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
○三代委員
今の御説明だと、保険診療収入が少なくて、自費の診療報酬が多いという御説明ですか。
それでしたら、一般の病院とかは30%除外されているとか、その辺のことも御説明いただきたいのですが。
以上です。
○飯塚分科会長
ありがとうございます。
事務局、お願いいたします。
○高宮保険医療企画調査室長
ほかの医科あるいは薬局についても、同じように収入に占める社会保険診療の割合が小さいところ、それから、NDBデータで算定回数がゼロみたいになっているところは除いています。
前回の平成28年の補てん状況調査と同じような取扱いで、今回も行っています。
○飯塚分科会長
ありがとうございます。
○三代委員
納得はできませんが、理解はできました。
○飯塚分科会長
分かりました。ありがとうございます。
どのような除外基準で、どれぐらいのものが該当したかというものも併せてお示しいただくことがあっても、より分かりやすいかと思います。
ほかに御質問等はございますでしょうか。
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
今回、令和4年診療報酬改定における消費税対応案は、今回の実態調査による補てん状況の把握では、開設主体別で個別に見ますと、税-1の12ページの公立の一般病院の補てん率が88.1%、また、17ページの一般診療所の医療法人の補てん率が79.6%と、この2部分の乖離幅が他に比べて大きいということは、より厳密な検証が必要ではないのかなと考えます。
先ほどの説明で、前回もとございましたが、後で述べますが、いろいろな齟齬があって、前回の改定のときには、その前も含めて5~10%ということで、対応方針を包含して見直したこともございますので、この辺はしっかりと検証する必要があるのだなと思いますが、一方で、今回、医科全体、歯科、調剤及びこれらの全体では103.9%の補てん率ということで、マクロでは補てん不足の状況にないと判断されております。
それはそれで妥当なのかなと思いますが、また、一方で、一昨年来の新型コロナ感染症による影響は、税-2の2つ目にもありますが、個別の医療機関の消費税対応には影響が非常に大きいものがあると推察していますが、令和2年度の実調データのみでは、検証困難であるのは事実でありますので、これも致し方ないのかなと思います。
そういうことからいえば、このような状況を勘案すれば、今回の診療報酬改定時における上乗せ点数の見直しについての議論については、現状では、マクロ補てん不足ではないことと、詳細なデータ収集も困難であるということであれば、事務局対応案でしか方策がないということについては理解いたします。
ただし、税-2の3つ目の○にありますが、引き続き補てん状況を把握し、検証を行うことが適当という書き方で案内されておりますが、これについて意見と質問をしたいと思います。
前回の令和元年度の10%引上げ時の対応議論の際の平成30年度の把握作業において、その前の5%から8%の引上げ時の平成27年度の状況把握のときには、補てん率が医療機関種別ごとに相当ばらついてはいたのですが、マクロではおおむね補てんされていることが確認できるという報告に、齟齬があったということが後になって分かったと。
そういう意味では、その誤りについて、気づけなかった要因の一つとしては、補てん状況を毎年継続的に把握、検証していくことができていなかったことが挙げられるのではないかと考えております。
結果として、前回改定時は、8%から10%の引上げと、その前の5%から8%の引上げ時の対応を含めて、再度配点方法をしっかりと見直して、今回、AとCを比べるという案内がありますが、そういう対応をした経緯でありました。
そこで、今回、マクロではということで、やりようがないことも理解はしますが、前回改定時の轍を踏まずに、改定の見直しはしません、引き続き把握、検証することが適当ということでありますが、ここから質問ですが、この引き続き把握、検証という意味は、2年後の次回の改定時に、その時点での実調、NDBデータをそれぞれ比べて、負担額と補てん状況を把握し、検討するという考えであるのかどうか。これについての質問です。
現在のコロナ禍の状況を勘案すれば、補てん額と負担額の双方への影響は、相当大きいものがありますし、引き続き、まだこういう状況が続くのではないかということも考えられます。そういう意味では、2年後の実調のみでの実態把握を待つということではなくて、調査方法の在り方も含めて、適切に状況把握する方策を至急検討して、今後、毎年継続して補てん状況を把握して、前回の診療報酬上の上乗せの対応についての妥当性の検証を行っていく必要があると考えておりますが、事務局はどういうお考えなのか。
また、状況把握においても、補てん額と負担額のコロナの影響の検証と併せて、特に、高額な投資が最近、多くなっているのだろうと思いますが、そういう投資への配慮の観点からも、報酬上へ補完的に上乗せした個別種目への影響についても、しっかりと把握、検証すべきだと考えております。
いずれにしましても、事務局においては、引き続きの把握、検証が適当としている把握、検証の在り方について、どのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。
以上です。
○飯塚分科会長
ありがとうございました。
それでは、御質問をいただきましたので、事務局からお願いいたします。
○高宮保険医療企画調査室長
今、補てん率が、平成27年度に実施した調査のときに、計算に間違いがあったということでした。
そのとおりで、平成27年度に実施した調査は計算方法に間違いがあったので、今回は、その間違いがあったとき、消費税分科会でも議論いただいて、しっかりと重層的な確認、チェックをすること、あるいはNDBデータ、DPCデータ、ほかのデータも使って、その数字に何かそごというか、違う数字の傾向が出てきていないかを確認することとされていました。
ですので、今回の補てん状況の調査を行うに当たっては、各工程で複数人による確認を行う、それから、最終的に出てきた数字についても、何回も確認を行って、最終的な数字を今日お示ししています。
それから、引き続き調査、把握して、検証を行うという内容についてでありますが、これについては、令和6年度の診療報酬改定の際に、医療経済実態調査を行いますので、その中で課税経費を把握して、消費税の負担額、その際の時点のNDB、消費税の補てん状況をまた把握して、検証を行うことを考えています。
毎年とおっしゃっていましたが、令和6年度を待たずに調査を行うことになると、恐らく、令和3年度の状況を調査することになろうかと思いますが、今年度は8月まで新型コロナの第5波で、今年度は新型コロナの影響がかなりあるのだろうと考えています。ですので、令和2年度のデータと同様に、仮に今年度の状況を調査したとしても、コロナの影響で、補てん額と負担額の双方にぶれが出てくるのではないかと考えているところです。
あと、実調を使わないで何かやりようはないのかとおっしゃったのですが、今回の令和2年度のデータにおいて、調査の方法の問題というよりも、コロナの影響で、医療機関の補てん額と負担額そのものに通常とは違うぶれが出ているものだと考えています。ですので、調査の方法ではなくて、今のコロナの影響がある中で、どう検証するかということを考えると、厳密な検証はなかなか難しいと考えています。
以上です。
○飯塚分科会長
ありがとうございます。
そうしましたら、引き続き、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
吉森さんは、これに関連することだと思いますので、吉森さん、先にどうぞ。
○飯塚分科会長
失礼しました。
吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
ありがとうございます。
今の回答からして、方法論がないということなのですが、2年の間も、またそれでよければいいのですが、齟齬があった場合にどうするのだという話だと思うので、やはり方法論もしっかりと模索すべきですし、特に、おっしゃったように、コロナの影響は相当あるのだろうと思うのです。
これは多分、医療機関の対応においては相当ばらつくので、特に、コロナを受け入れているところについては、相当いろいろなことが起きているのではないかと簡単に考えられますが、そういうときに、調査というのか、報告調査をして、数字をつかんでというやり方でいいのか、事業報告データを使うとか、いろいろなデータはほかにありようがないのかは、もう少ししっかりと議論してほしいなと。
これは意見ですが、消費税そのものの対応をどうするのだということからすれば、これは中医協なり、消費税分科会の話ではないと思いますが、上乗せ対応ではなく、課税にしたらという意見も一方ではあちこちで出てきているわけですから、課題が多い流れの中で、今の在り方が妥当だとするのならば、この妥当性をもう少ししっかりと追求できる方法論はないかという議論を深めるべきだと思います。
以上です。
○飯塚分科会長
ありがとうございます。
御意見を頂戴いたしました。
それでは、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
私は、意見でございます。
結論から申し上げますと、税-2の対応案のとおり、今回の見直しを行わないことについて、異論はございません。
医科、歯科、調剤の補てん率は、いずれも100%を超えており、全体の加重平均でも103.9%という数字が出ております。マクロで見てみれば、十分に補てんされていると分析したいと思います。
集団によっては上下20%程度の振れ幅があるのですが、これは収支構造の違いを反映したものと考えられますし、消費税の上乗せをどうするかというのは、初・再診料や入院基本料等の基本診療料に上乗せしている限り、必ず生じるものでありまして、基本診療料に上乗せすると結論づけた時点で割り切るべきだと思います。
8月の分科会でも申し上げましたが、対応案の2つ目の○に書かれているとおり、令和2年度は、コロナの影響で、患者の受療行動が大きく変化したことや、課税経費に補助金で購入したものも恐らく含まれているなど、収入・支出ともに例年と状況が大きく異なっており、今回、補てんの正確な検証は、困難であると思います。
ですが、分析したこの数字、事実をもって、令和4年度改定で対応を行わないことは、妥当な判断であると思います。
今後、コロナの状況がどうなるか分からないのですが、再度、2年後の実調で検証するということでよろしいかと思います。
以上、意見でございます。
○飯塚分科会長
御意見頂戴しました。
ありがとうございます。
佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。
一部に補てん率が100%を下回っているとする結果が示されており、前回から補てん不足が続いているものについて、解消策の検討は必要であると思います。しかし、対応案の2つ目の○に書かれているとおり、今回は、新型コロナウイルス感染症をはじめ、様々な要因があっての結果となっているということなので、3つ目の○に書かれた対応方法とすることは、現状では妥当ではないかと考えます。
なお、次回の見直しに当たっては、消費税の負担を公平に補てんできるような方法について、粘り強く継続して分析、検討を行うようお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○飯塚分科会長
ありがとうございました。
御意見を頂戴しました。
そうしましたら、今村委員でよろしいでしょうか。
お願いいたします。
○今村委員
ありがとうございます。
今、多くの方がおっしゃったように、今回、新型コロナ感染症の影響が非常に大きかったということで、結果的に、分析はいろいろとできるのだろうとは思いますが、それをしても、診療報酬の点数にその分析を活用できるかというと、それはなかなか困難だということだと思います。したがって、令和4年度の診療報酬改定においては、診療報酬上の上乗せ点数の見直しを行わないという対応案については、了解したいと思っております。
それを前提としてですが、確かに、財源を投入する保険者あるいは国は、マクロ的なデータで、全体としてきちんと財源のバランスが取れているかどうかというマクロのお話になるのは当然だと思うのですが、医療機関側の立場からすると、非常に大きなマイナスが出ているところもあるので、これでうまくいっているのだと言われることについては、納得できない医療機関も当然出てくると思います。
先ほど幸野委員から、基本診療料でやっているのだから、そうなるのは当たり前なのだというお話もございました。私どもも、例えば診療所だと、初診料、再診料という基本診療料を中心にと申し上げているのであって、それだけでやればいいという話ではなくて、たまたま計算上、医科、歯科、調剤の消費税の金額を分析すると、ちょうど基本診療料でほぼぴったり収まったというお話であって、その方法だけでは完全でないということであれば、それを見直していく検証は、当然のことながら、引き続きやっていただきたいと思っております。
特に、20%ぐらいと軽くおっしゃったのですが、医療機関からすると、これは非常に大きな負担になるところもあるので、何で検証の部会が設けられているかというと、できるだけそういう凸凹が少なくなるように努力していくために設けられている会だと思います。
したがって、一般診療所の補てん率は、吉森委員からも御質問というか、御意見があって、診療所の中にもいろいろとあるでしょうというので、まさしくそのとおりだと思うのですが、10数%を超えるような補てん不足があることも、マクロ的には事実でありまして、これがコロナの極めて特殊な状況下の判断であることを前提にすれば、この分科会で、これを前例にしていただいては困ると思っています。
もう一点は、コロナの状況がいつまで続くかは誰も分からない、正直、神のみぞ知るというお話ですし、できるだけ早く収束していただきたいと我々も思っていますが、では、次の改定のときに、本当にコロナがなくなっているかというと、そんなことは多分ないのです。
どの程度の感染状況になっているか、いわゆる一般の市中感染になっていて非常に落ち着いているのか、あるいはまだまだ一定の影響が出ているのかは分かりませんので、あまりコロナだから何もしないのだということになってしまうと、2年後も何もしないのだということになりかねませんので、その辺は極めて慎重にやっていただきたいというのが私の意見です。
以上です。
○飯塚分科会長
ありがとうございます。
そうしましたら、伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤委員
ありがとうございます。
伊藤でございます。
今回のコロナ感染症の影響は、現場にいますと、大変大きかったと実感するわけです。現場の感覚としても、算定の回数とか課税経費の変動は、平時と比較しましても、とても大きな変化があったと推定しています。この状態での詳細な検証は、当然、難しいだろうということは理解しておりますし、十分に納得しております。
現在も、コロナ感染症の影響の渦中であるわけでして、来年度以降に与える影響を確定的に推計することは、恐らく不可能だろうと思っておりますので、次回の改定時は、見直しを行わないことは適当であると考えております。
一つ要望がございます。今回の補てんの見直しに直接関与することではないのですが、一般的には、制度としては、今回の実調データをもって、どういう形で精緻な点数の配分を行うかということになるわけですが、次回の診療報酬改定に向けて、この実調データが出たタイミングで十分に補てんされている、あるいは平等に補てんされているということであれば、まだ問題は少ないのですが、以前からお話ししておりますように、個々の医療機関の補てん状況にどうしてもばらつきが出ることに関しては、現場では大きな不満があるところであります。
したがって、個々の医療機関ごとの補てんの分布状況、あるいは場合によっては課税経費率の分布状況なども含めて、今まで以上に詳細なデータをお出しいただいた上で、診療報酬改定に伴う単回の点数の調整ではなくて、補てんの仕方、システム全体、基本診療料に乗せている妥当性等も全部含めて、もう一度検証し直すことが必要ではないでしょうか。ただ単年のデータで検証するだけでなく、令和4年とか令和6年のデータをあわせて継続的に検討する必要があると思っています。
したがって、次回の改定までの2年間とか、その次の改定までの4年間に出てきたデータを基に、このワーキンググループで頻回に協議を重ねて診療報酬による補てん方式においてより精緻な方法、より公平な補てん方式等を模索していくことが必要ではないかと思っておりますので、今後、このワーキンググループで継続的に活発な協議が行われるような体制をおつくりいただくことを要望いたします。
以上です。
○飯塚分科会長
ありがとうございます。
そうしましたら、今村委員、伊藤委員からも御要望、御意見等がございましたが、現時点でもし何か事務局から御回答できることがありましたら、お願いします。
○高宮保険医療企画調査室長
まず、今村委員から、今回はコロナの影響があるということだけれども、次回の改定の際も、コロナの影響がまだ残っている可能性はあるのだけれども、その際、今回、コロナでやらなかったから、次もやらないということではないのではないかと御指摘いただきました。
今回は、コロナの影響によって、データにぶれが生じているということですが、次回の改定の際は、またその際にデータを把握して、補てん状況の確認をして、そのときの状況に応じて、また議論いただくことになろうかと思っています。ですので、今のこの段階で、コロナだから、やらないみたいな話ではないだろう、今回は今回の議論だと理解しています。
もう一つ、伊藤委員から、次回の改定に向けて、精緻な方法を頻回に議論できるようなことは考えられないかという御指摘をいただきました。
次回の補てん状況の把握、検証に向けて、どのようにやるかは、これからまた御相談させていただきたいと考えています。
以上です。
○飯塚分科会長
ありがとうございます。
よろしゅうございますでしょうか。
ありがとうございます。
そうしましたら、森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
日本薬剤師会の森です。
今、伊藤委員からも新型コロナウイルスの影響という話がありましたが、薬局でも非常に大きな影響を受けています。そのため、補てん額と負担額の双方にぶれが生じているのではないかと思っております。
まず、上乗せを行った調剤報酬項目に関しては、令和2年度、前年に比べて、処方箋の受付枚数が約9.3%減少しています。
また、ここに書いてあるように、患者減により、確かに課税経費の減少であったり、消毒・マスク・機器整備等の感染対策のための課税経費の増加等もあるのですが、今回、医療経済実態調査の結果を細かく見てみますと、経営の影響がかなり大きく、流動負債、固定負債が共に増加しているのですが、資産を見ると減少しています。
つまり、設備投資ができなかったという現状であり、それは、資金繰りが悪くなり、負債は増え、いつものような設備投資ができなかったことが見てとれた結果になっているのだと思っています。
そのようなことから、今回は、厳密な点数の検証を行うことは困難であり、事務局提案のような形で行うことになるのではないかと思っています。
私からは以上です。
○飯塚分科会長
ありがとうございました。
ほかに御意見等はございますでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問等もないようでしたら、本日の質疑は、これまでとさせていただきたいと思います。
本日の御議論では、様々な御意見を頂戴いたしました。
今回の補てん状況の把握結果を踏まえて、しかしながら、資料税-2の3ポツ目にあるところでございますが、令和4年度改定においては、消費税上乗せ分の見直しは行わないこととし、引き続き、消費税負担額と診療報酬の補てん状況を把握して、検証を行うことが適当という対応案について、基本的な方向性はおおむね一致していると思います。
様々な御意見をいただきましたことを含めまして、その旨を後日開催される総会に報告したいと思いますが、そのような方向でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○飯塚分科会長
ありがとうございます。
そうしましたら、そのように進めさせていただきます。
本日の議題は以上です。
次回の日程等につきましては、追って事務局から御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の分科会は、これにて閉会といたします。
本日はどうもありがとうございました。

(了)
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厚生労働省保険局医療課保険医療企画調査室企画調査係
代表:03-5253-1111(内線3540)

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