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2021年8月4日 第21回診療報酬調査専門組織・医療機関等における消費税負担に関する分科会議事録

○日時

令和3年8月4日(水) 15:59~16:53
 

○場所

オンライン開催
 

○出席者

飯塚敏晃分科会長 野口晴子委員 吉村政穂委員 川原丈貴委員 吉森俊和委員 
幸野庄司委員 佐保昌一委員 間利子晃一委員 田中伸一委員 末松則子委員
今村聡委員 城守国斗委員 川瀬弘一委員 伊藤伸一委員 三代知史委員
森昌平委員 折本健次委員 梅澤悟委員
<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 井内医療課長 山田保険医療企画調査室長 他

○議題

 1 分科会長の選任について
 2 今後の進め方等について
 

○議事


○井内医療課長
 ただいまより第21回「診療報酬調査専門組織 医療機関等における消費税負担に関する分科会」を開催いたします。
 分科会長であった荒井耕委員におかれましては、任期終了に伴い、退任されましたので、新しい分科会長が選任されるまでの間、慣例によりまして、私が司会進行をさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○井内医療課長
 ありがとうございます。
 それでは、新しい分科会長を御選任いただくまでの議事進行につきまして、私のほうで務めさせていただきます。
 本日は、コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインにより開催しています。また、会議の公開については、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 初めに、委員の異動について御報告いたします。
 先ほど申し上げました荒井耕委員のほか、平川則男委員、榊原純夫委員、中川俊男委員、松本吉郎委員、猪口雄二委員、三井博晶委員、五嶋淳夫委員がそれぞれ御退任され、新たに東京大学大学院経済学研究科教授の飯塚敏晃委員、日本労働組合総連合会総合政策推進局長の佐保昌一委員、三重県鈴鹿市長の末松則子委員、日本医師会副会長の今村聡委員、日本医師会常任理事の城守国斗委員、日本私立医科大学協会大学病院の診療報酬に関する検討委員会委員の川瀬弘一委員、日本歯科医師会常務理事の三代知史委員、株式会社栗原医療器械店代表取締役会長の梅澤悟委員の各委員が8月4日付で発令されております。
 続きまして、委員の出席状況でございますが、本日は全員に御出席いただいております。
 厚生労働省におきましても、人事異動がありましたので、事務局を紹介させていただきます。
 まず、改めまして、私が医療課長の井内でございます。
 続きまして、保険局長の濵谷でございます。
 大臣官房審議官(医療介護連携、データヘルス改革担当)の横幕でございます。
 保険医療企画調査室長の山田でございます。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 まず「分科会長の選任について」を議題といたします。
 分科会には、診療報酬調査専門組織運営要綱第3条第2項の規定により、委員のうちから委員の選挙した分科会長を置くこととされており、中央社会保険医療協議会総会の例によれば、1号側及び2号側それぞれの御意見を伺った上で、御賛同があれば決めていくことになっております。
 「診療報酬調査専門組織 医療機関等における消費税負担に関する分科会」につきましても、このような方法で行いたいと考えますが、皆様、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○井内医療課長
 ありがとうございます。そのように進めさせていただきます。
 まず、1号側の委員から御推薦をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(音声トラブル)
○井内医療課長
 ありがとうございます。
 音声が少し聞こえないかもしれないです。ちょっとお待ちください。
 皆様、吉森委員のお声は聞こえておりますでしょうか。
 ありがとうございます。
○吉森委員
 それでは、もう一度。
○井内医療課長
 吉森委員、よろしくお願いします。
○吉森委員
 1号側としては、飯塚敏晃委員を推薦したいと思います。
○井内医療課長
 ありがとうございます。
 続きまして、2号側の委員から御推薦をお願いいたします。
○今村委員
 今村でございます。
 2号側といたしましても、飯塚委員を御推薦申し上げます。
○井内医療課長
 ありがとうございます。
 1号側、2号側とも飯塚委員を御推薦いただいております。
 飯塚委員に分科会長をお願いするということで、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○井内医療課長
 ありがとうございます。
 それでは、飯塚委員に分科会長をお願いいたします。
 飯塚分科会長より、一言御挨拶をお願いいたします。
○飯塚分科会長
 ただいま分科会長を拝命しました、飯塚でございます。
 医療機関等におきまして、消費税の補塡が適切になされますよう、審議を進めてまいりたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○井内医療課長
 ありがとうございました。
 それでは、今後の進行を飯塚分科会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○飯塚分科会長
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日は「今後の進め方等について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○山田保険医療企画調査室長
 保険医療企画調査室長でございます。
 資料税-1、資料税-参考1、資料税-参考2と3種類ございますが、資料税-1を主に御説明させていただきたいと思います。「今後の進め方等について」と表題のあります資料でございます。
 めくっていただきまして、2ページに、これまでの消費税の取扱いについての経緯をまとめさせていただいております。
 「1.総論」。社会保険診療における消費税は非課税。過去消費税導入の平成元年、引上げをした平成9年、平成26年、令和元年にそれぞれ診療報酬へ上乗せすることで補塡してきております。
 「2.平成26年(消費税8%引上げ時)の対応」でございます。消費税法等の一部改正法に基づきまして、まさにこの分科会でございますが、中医協・消費税分科会の場において、診療報酬とは別建ての高額投資対応の検討を議論いたしました。
 マル2、議論の結果、別建ての高額投資対応は実施せず、消費税8%引上げ時の対応は診療報酬にて行うこととなりました。
 マル3、その際、基本診療料への点数上乗せを主とした対応を行うこととなりました。
 3ポツです。「令和元年(消費税10%引上げ時)の対応等」であります。
 マル1、消費税分科会の場において、平成26年改定の診療報酬上の対応について、その補塡状況の把握を実施いたしました。
 少し経緯を補足します。※のほうに移っていただきたいと思います。平成27年には、平成26年度の状況について、平成30年には平成28年度の状況について、それぞれ把握するべく作業を実施いたしました。
 平成27年には、当初、「補塡状況にばらつきは見られたものの、マクロではおおむね補塡されていることが確認された」旨の報告をさせていただきました。その後、平成30年まで把握作業は行いませんでした。しかしながら、平成30年の作業時におきまして、平成27年の報告内容に誤りがあったことが判明しております。
 全体の補塡不足、医療機関種別ごとの補塡率のばらつきが生じていることが、この令和元年の引上げ時の調査で分かっております。これに対する要因分析、より適切な補塡方法等について、この消費税分科会の場で議論をさせていただいております。
 マル2でありますけれども、議論を踏まえて、補塡不足、また補塡率のばらつきを是正するために、5%から8%への引上げ時の内容も含めて配点方法の見直しを行った上で、消費税10%引上げに対応した診療報酬上の対応を実施しております。
 マル3、平成30年度の「『医療機関等における消費税負担に関する分科会』における議論の整理」の中におきまして、「消費税率10%への引上げ後の補塡状況については、必要なデータが揃い次第、速やかに、かつ継続的に調査することとする」とされております。今回の消費税分科会の議論は、まさにこれを受けたものでございます。
 また、2ページに書かせていただきました経緯の詳細につきましては、参考資料1に「これまでの経緯について」ということで、パワーポイントをまとめさせていただいております。
 3ページをお願いいたします。スケジュール案でございます。
 スケジュール案の上のほうに「総会」「調査実施小委員会」「消費税分科会」の3つの検討の場を記載させていただいております。下段には、消費税の補塡状況の把握、医療経済実態調査、NDBデータの取得と書かせていただいております。
 下から2番目の「医療経済実態調査」でありますけれども、ここで課税経費率の確認をすることになります。まさにこの7月、また8月の途中まで医療経済実態調査の調査を実施しているところであります。その調査の集計により、支出データを把握する。
 また、一番下段でございますけれども、NDBデータによりまして、その医療機関ごとの収入データを把握する。
 医療経済実態調査で把握しました支出データと、NDBデータで取得しました収入データを突き合わせるのが消費税補塡状況の把握の部分でございます。その突き合わせを行いまして、11月に消費税分科会に報告をさせていただきたいと思います。また、その後に中医協総会のほうに報告をさせていただくというスケジュールを考えております。
 4ページをお願いいたします。事務局の補塡状況の把握案でございます。
 1つ目の○でありますが、前回(平成30年度)に実施した方法に倣って、以下のとおり実施することとしてはどうだろうか。
 1ポツ、「目的」でございます。令和元年に行われた消費税率10%への引上げに伴う診療報酬による補塡(5~10%部分)について、令和2年度の状況を把握する。
 2ポツです。「補てん状況の把握方法について」。対象医療機関は、今行っております第23回医療経済実態調査の調査対象となっている医療機関、また薬局のうち、回答していただいた医療機関・薬局ということになります。
 使用するデータでありますが、個々の医療機関等につきまして、以下のデータを使用する。
 1つ目のポツは、収入についてであります。収入のうち、診療報酬本体へ上乗せされている消費税分については、レセプト情報・特定健診等情報データベース、いわゆるNDBから抽出した算定回数等のデータを使用する。括弧書きで書いてあります、NDBのデータは、令和2年度分のデータを用いることを想定しております。
 2つ目のポツは、支出でございます。支出については、第23回医療経済実態調査のデータを使用する。各医療機関における、令和3年3月末までに終了する直近の事業年度のデータを収集とございます。
 これは医療経済実態調査の調査方法によるものでありますけれども、きれいに年度のデータを出してもらうというものではなくて、令和3年3月末までに終了する直近の事業年度それぞれの医療機関・薬局の事業年度、それに合わせたデータを収集するということであります。
 ですので、※でございますが、消費税率8%の期間と10%の期間が混在する事業年度については、当該期間の割合に応じた換算率を乗じることで、年間を通じて10%とした課税経費を推計するということを考えております。
 例えば事業年度が令和元年9月から令和2年8月といった医療機関もございます。そういった医療機関であれば、令和元年9月は消費税が8%の時代ですので、9月分は8%、10月からは10%になるわけであります。そこは換算率を乗じて推計をしようということであります。
 3ポツであります。個々の医療機関における補塡状況を推計し、医療経済実態調査の集計区分と同様に開設者別、病院機能別、入院基本料別に区分して比較してはどうかと考えております。
 報告時期は、本年11月をめどとして報告したいと思っております。
 4ページの下に「論点」と書かせていただいております。これが今年、特に論点になるかと思うものであります。今回の対象期間である令和2年度のデータにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けていることを踏まえ、その方法、結果の分析・解釈について、どのように考えるか。この辺りも中心に御議論いただければと思っております。
 5ページにお進みください。補塡状況把握のイメージであります。
 どことどこの数字を比べて、補塡されているかどうかを見るのかということであります。収入のうち、診療報酬本体へ上乗せされている消費税分、下の図のAの部分であります。
 「収入」の右下に書いてありますけれども、薬価や特定保険医療材料価格の保険償還による収入以外の診療報酬(本体)による収入に対する5~10%の部分ということになります。Aと書かせていただいておりますが、赤く囲ってある部分であります。ここが収入であります。
 ここと状況を比べる支出については、Cの部分を御覧ください。「費用(仕入れ)」の部分でありますけれども、薬剤費とか特定保険医療材料費を除いたその他の課税の経費です。例えば減価償却費とか委託費といった部分の5~10%の部分であります。
 少し細かい話になりますが、給食材料費は軽減税率なので、8%となっております。ここの部分は、5~8と幅を変えておりますけれども、Aの面積とCの面積が合っているのかどうかといったことを調査させていただきたいと思っております。
 6ページ以降は、新型コロナウイルス感染症による患者数の変化なりをまとめてあるものです。
 6ページを御覧ください。診療種類別レセプト件数の前年同月比であります。医科、歯科、調剤などの令和2年4月から1年間分、令和2年度分のものを記載しておりますが、やはり100%よりは落ちているという状況になっております。
 資料税-1は以上でありまして、参考1はこれまでの経緯をまとめたもので、参考2で医療経済実態調査の調査票を配付しております。医療経済実態調査を配付して、この中に書かれている消費税の支出分を集めてくるということであります。
 本日御議論いただきたいのは、4ページに戻っていただきまして、補塡状況の把握の事務局案でありますけれども、このような方針で作業し、11月に御報告する。その際に、特に新型コロナウイルス感染症の影響などを踏まえて、より精緻なもの、こういった工夫ができるのではないかといった御議論をいただければと考えております。
 事務局からの説明は以上であります。
○飯塚分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたら、お願いいたします。
 吉森委員、お願いいたします。
○吉森委員
 ありがとうございます。
 今、御説明いただいた令和2年度の消費税10%の引上げに伴う補塡状況の把握についての4ページの基本的な考え方及び3ページの進め方の事務局案については、特に異論はございませんが、意見と質問をそれぞれさせていただきたいと思います。
 まず、令和元年度の10%引上げ時の対応の議論の際の平成30年度の把握作業においては、ここに書かれていますが、その前の8%引上げ時の平成27年度の状況把握の補塡率は、医療機関種別ごとに相当ばらついており、マクロではおおむね補塡されていることは確認できたという報告内容がありました。それが平成27年度の把握状況で、その後、調査をしていなく、平成30年度のときに誤りに気づいたということでありました。この誤りに気づかなかった要因としては、補塡状況を毎年継続的に把握・検証していれば気づいたのではないかと推察でき、結局、結果として、平成30年度には、2ページの3ポツにあるように、10%引上げ時には、5~8%も含めて引上げ時の内容について配点方法を見直して対応したということになってしまいました。
 これについて、当然、今回の把握状況において、5~10%への引き上げの補填状況において把握しますが、毎年しっかりと継続して対応状況を把握しておく必要があるのだろうというものが意見です。今回、平成30年度をやりますけれども、来年も、再来年も継続してやっていく必要があるというのが意見です。
 ここから質問ですが、論点にもございますように、令和2年度、今回の状況把握においては、新型コロナウイルス拡大と消費税引上げ時の時期が重なっていますので、この把握状況においては、消費税課税対象費用と控除対象外消費税等負担額のコロナ影響の検証をどうするのか。特に、高額な投資への配慮の観点では、個別項目で上乗せしたので、報酬上、補完的に上乗せした個別項目への影響についてもしっかりと把握・検証する必要があると考えております。
 可能性の議論というか、できる、できないはちょっと置いておきまして、5ページの補塡状況のイメージ図のAとCですけれども、特にAの部分については、上乗せ分に対して、新型コロナ感染症拡大による受診動向が及ぼす影響が相当出てくるのではないか。
 これが一つと、Cの部分の新型コロナ感染症防止対応関連の仕入れ増が、特に高額の機器も含めて相当あったのではないか。その辺が及ぼす影響が、コロナ感染対応関連、受診動向を含めた影響も含めて検証し、マクロでの補塡状況を判断することに相当材料が必要ではないかと思いますが、この方法や結果、分析の解釈について、どのように考えるかと論点にありますが、事務局としては、どのようにお考えなのか教えてください。
 以上です。
○飯塚分科会長
 ありがとうございます。
 もしできましたら、幾つか御意見あるいは御質問を頂戴して、事務局から回答するようにしたいと思いますが、ほかの方で御質問等はございますか。
 伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤委員
 伊藤でございます。
 私から2点ほど要望という形でお話をしたいのですが、今回の実調に関しまして、総論としては賛成しておるところでございますけれども、医療機関種別ごとのデータの比較は、種別ごとのグループでの比較は毎回行われて、同一機能のグループとしての補塡の状況は公表されているわけでありますが、個々の医療機関の補塡のばらつきについては、実は第19回の分科会でやり取りがございましたけれども、これまでしっかりと検討されたことは一度もございません。
 平成31年の与党の税制大綱の中にうたわれています実際の補塡状況を調査し、その結果を踏まえて診療報酬の配点の見直しで対応するという方針に沿うという意味からも、医療機関機能のグループごとのばらつきと同時に、それぞれの個々の医療機関の補塡状況、そのばらつきについてもデータを共有することで、さらに精緻な診療報酬補塡状況の分析につながるというのは、間違いのない事実だと思います。
 医療機能グループそれぞれの補塡状況の分布を示していただければいいのであって、その作業に過重な負荷がかかるということは、恐らくないのではないかと思っておりまして、今回の調査でぜひこの結果をお示しいただけないかと強く要望するものであります。
 もちろん、個々の医療機関のばらつきが示されたからといって、直ちに補塡方法を改めてほしいということを言っているわけではないことを御理解いただきたいわけであります。個々の医療機関に対してのさらなる精緻な補塡は技術的にも大変困難であろうということは、我々も理解はしているところでございます。
 ただ、先ほど申し上げたように、大綱で示されている補塡状況を調査し、その配点の見直しで対応するという趣旨を踏まえますと、補塡の現実を正確に把握するために、個々の医療機関の補塡の分布の実態を理解して、今後の税率の引上げのときの対応を視野に入れた上で議論を進めていく必要があると思うからこそ、まさに分布に関する情報をお知らせいただきたいという要望が1点目でございます。
 2点目は、コロナの影響でございます。これは吉森委員がおっしゃったことと同じようなことでございますけれども、コロナ禍の影響で受診者が激減しているわけでして、診療報酬の上乗せで補塡されている消費税分は大きく減収といいますか、減少しているわけであります。
 しかし、一方で、医療機関の固定費部分、主に特に人に関わる外注部門の支出とか器機保守等の支出は全く減少しておりません。コロナ禍が1年余に及ぶことから、これらの補塡不足が顕在化して、医療機関の収益性の毀損が積み残されてしまって、後々にずっと影響するというようなことになりますと、医療機関の経営にどのような影響があるか、また、補塡不足が明確な場合、これをどういう形で解消するかということについて、今後、協議のために、実態の調査を含めた対応をお願い申し上げたいという2点でございます。
 以上です。
○飯塚分科会長
 2点御要望を伺いました。
 そうしましたら、城守委員。今村委員ですね。
 では、今村委員から伺いまして、それから事務局から今の点について御回答するということにさせていただきます。
 今村委員。
○今村委員
 ありがとうございます。
 先に吉森委員、そして今、伊藤委員からお話しいただいたこととかなり重複している意見となりますけれども、まずは今回の事務局の提案につきましては、取りあえずこのやり方でしかできないのかなというのが実感であります。したがって、これで進めていただくということになろうかと思うのですけれども、消費税率が8%に上がるまでこういった検証が全くされていなくて、8%になった後に厚労省にこういった検討会が設けられて、精緻な議論ができるという、本当に大事な検討会ができたわけです。
 今後、毎回この調査をするに当たって、その都度どのようにするのですかということではなくて、どこかのタイミングで基本的な方針をやはりつくっていただく必要があるのではないかと思っています。どこまで精緻にできるかというのは、事務局的な作業の問題もございますし、医療機関の負担も出てくる場合もありますので、全て本当に完璧な仕組みはできないにしても、基本はこのやり方でやっていくのだというものはきちんとつくった上で、今回のコロナのような突発的なものが起こったときにどう考えるのかということをやっていただきたいと思っております。
 もう一点は、補塡というのは、まさしく伊藤委員がおっしゃったように、マクロの補塡と個別の医療機関、あるいはマクロといっても、全体の病院とか診療所というくくりと、あるいはもっと機能別のものもあると思いますし、診療所においては、診療科においても、コロナにおいては、相当いろいろな差がありますので、そういったおおよその分布がもし出せるのであれば、本当に参考になるのかなとは思っています。
 マクロでやると、平均値は出てきますけれども、どこから偏差を持って広がっているかというのが、恐らくそれぞれ相当違いがあって、完全に医療機関一つ一つを精緻に補塡することは、診療報酬でやる以上、物理的に無理な話でありますので、分布の広がりがものすごく大きければ、それを少し縮めていく仕組みが必要なのかなと思っておりますので、参考として、伊藤委員がおっしゃるように出していただければいいのかなとは思っております。
 それから、薬に関しましてもやはり同じだと思っておりまして、これは薬価の中に平均値で補塡をしているわけです。しかしながら、購入するバイイングパワーによって相当に値引きをして購入すれば、平均値でやった場合に、逆にその消費税で利益が出てくることもあり得るわけですから、こういった分布についても参考にいただければ大変ありがたいと思っております。
 私からのお願いは以上です。よろしくお願いいたします。
○飯塚分科会長
 ありがとうございます。
 そうしましたら、3名の委員から御質問、御要望等をいただきました。
 事務局からお願いできますか。
○山田保険医療企画調査室長
 はい。お答えできるところからお答えしようと思います。
 まず、吉森委員から補塡状況を毎年状況把握すべきではないかという御意見をいただきました。補塡の状況を把握するには、まず、支出の部分も把握しないといけなくて、これは医療経済実態調査で把握しております。今は2年に1回、医療経済実態調査で把握しておりますが、そういったことも併せ考えて、今後、どのタイミングで把握するのかというのも議論させていただければと思っております。
 個別項目への検証もするべきという御意見も吉森先生からいただきました。当然、個別項目に乗せられている点数についての検証も併せて行うこととしております。
 また、論点というところで結果の分析・解釈についてどのように考えるのか、事務局としてどう考えているのかという御質問がございました。事務局としても非常に悩んでいるというのが正直なところであります。おっしゃるとおり、令和2年度はコロナの影響を非常に受けていて、算定回数は減り、患者が減っているから消費税の支出が減るという部分もあると思います。いろいろなものを買っていて消費税の負担が増えているだろうという予想もつきます。
 また、今回、特に令和2年度は、いろいろな補助金が出ております。その補助金につきましては、物を買う補助金であったり、人件費を見る補助金であったり、様々な補助金が出ております。これが医療経済実態調査の限界でもあるのですけれども、補助金総額は把握できるのですが、個々の補助金が幾ら入っているかといったところまでは把握できなくなっています。ですので、補助金による消費税の補塡額がなかなか把握しづらいといった限界があります。
 その中で、11月には、事務局としてできるだけ汗をかいて、できるだけのデータを比較できるようにして御議論いただきたいと思いまして、今日、この場で皆様の御意見をお聞きしているということであります。これという方向性があるわけではないのですけれども、まずは皆様の御知見、御意見をいただきたいというつもりで、今回、開かせていただいております。
 個々の医療機関のばらつきについても公表すべきだという御意見を伊藤委員からいただいております。今の案ですと、開設者別、これは例えば病院ですと医療法人、国立、公立、それ以外の4つ、また、病院機能別、入院基本料別を10幾つに分けて集計して、お示ししようと考えております。いただいた御要望も踏まえて、どういった作業ができるのか、考えたいと思います。
 今村委員から、基本的方針をつくる必要があるという御指摘をいただいております。今回、少し行き当たりばったりで、その中でコロナが来てしまったという印象があるかもしれません。何が原則で、どういった作業をすべきかといったところに少し立ち戻って検討したいと思います。
 同じく、分布を縮める仕組みということを御指摘いただいております。どのような分類にして、どのような集計をすれば、より適切な補塡状況にできるのか、検討してまいりたいと思います。
 事務局からは以上であります。
○飯塚分科会長
 ありがとうございます。
 では、引き続き御意見あるいは御要望を承りたいと思います。
 では、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。日本薬剤師会の森です。
 薬局の立場からコメントを幾つかさせていただきたいと思います。
 今まで言われた委員の先生方と重複する部分もあるのですけれども、継続した補塡状況の確認は必要と考えております。把握方法に関しては、今回、事務局提案にあるような形で把握することになるのではないかと思います。
 その上で、何人かの先生からもありましたけれども、今回、新型コロナウイルス発生以降、現場では患者数の落ち込みや受診動向などの影響を強く受けております。消費税率10%引上げ時の対応の根拠となった時の消費税負担率、対象項目の算定率とは当然異なる状況であり、今村先生が言われたように、このように突発的な状況のときにどう考えるのか。今回は、あくまでコロナという特殊環境下での結果であるため、結果の分析・取扱いに関しては慎重に行うべきではないかと思っております。
 それから、資料の5ページ目を御覧いただければと思いますけれども、先ほどの補塡状況把握のイメージのところのCのところなのですが、今回、コロナ対策ということで感染対策等の経費がかかった部分もあるのですけれども資金繰りが悪化して、そのため、設備投資ができなかったところもあると思います。そのような特殊事情を見ながら、今回の調査の結果をどのように分析・評価するのか、慎重に検討すべきだと思います。
 私からは以上です。
○飯塚分科会長
 ありがとうございます。
 そうしましたら、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 補塡状況の調査について、特に意見はありませんが、今回、ほかの委員の皆様も言っているように、新型コロナウイルス感染症の影響を受けていることをどう考えるのかというのが悩みどころであり、新型コロナ禍でどう取扱いをするか議論するのは、厳しいのではないかというのが正直なところであります。そもそも消費税の補塡を全ての医療機関で公平に行うことは、技術的に難しいのではないかと考えています。
 大きい話になりますが、今後の社会保障制度と消費税のことを考える上で、社会保険診療を非課税扱いにしておくのではなく、課税扱いに切り替えて、その分の手当てをきちんと行っていくという方向性を今後、検討すべきではないかと考えております。
 私からは以上です。
○飯塚分科会長
 ありがとうございます。
 そうしましたら、城守委員、お願いいたします。
○城守委員
 ありがとうございます。
 基本的に、今回の補塡状況の把握についての考え方に関しては、事務局案におおむね賛成させていただきたいと思いますが、要望というか、お聞きしたいことがございます。
 このデータを把握するに当たって、収入に関してはNDBデータを用いて行うことになりますが、基本的にNDBデータは、4月~3月という形での集計であろうと思います。
 一方、事業年度に関しましては、各医療機関において、いわゆる決算月が事業所によって異なることがございます。これを例えばNDBデータの集計に合わせて3月とかに限定するということになると、恐らく客体数が十分に集まらないということもあろうと思いますので、なかなか難しい点もあろうと思います。
 ですので、今回は従来どおりの方法でよいと思いますが、この診療報酬の補塡で精緻化をさらに進めることができるのかどうかということを考えるとしますと、将来的にこの事業年度と補塡の状況の突合を全ての事業所においてしっかりとできるような形にしていくのがより精緻化に進むのではないかと思いますが、事務的な作業としては大変な形になろうと思うのですが、こういうことは将来的に可能なのでしょうか。それを少しだけお聞きしたいと思います。
○飯塚分科会長
 ありがとうございます。
 そうしましたら、3名の委員の方から御意見、御要望等をいただきましたので、事務局、お願いします。
○山田保険医療企画調査室長
 ありがとうございます。
 森委員から、結果について慎重にという御意見をいただきまして、そのとおりだと思っております。コロナ禍での影響でどういった結果になるのか、どういう解釈があるのか、改めて御議論いただきたいと思っております。
 また、城守委員からは、個々の客体の事業年度に合わせたNDBのデータを取ることができないかという御趣旨だったと思います。収入のNDBデータを支出の実調データに合わせようとする場合に、どういった作業が必要になるかといいますと、今は年度単位で一つのデータなのですけれども、あらかじめNDBのデータを月単位で集計しておいて、実調の回答により、各医療機関の決算月を把握して、その決算月を基に月単位の集計の数字に掛け合わせるということになります。
 今事務局から提案しているのは、事業年度のずれがあるのですけれども、年度で一つの数字に掛けるということになりますので、労力を12倍からもう少しすれば、不可能ではないということではあります。
 ただ、実調の集計を待って、どの医療機関が回答したかというのを踏まえて計算を始めないといけませんので、今回の実調でのスケジュールの中で、11月に報告するのはなかなか難しいと思っておりますが、将来的な課題とさせていただければと思います。
○飯塚分科会長
 ありがとうございます。
 そうしましたら、引き続き御質問、御要望等を伺ってまいりたいと思います。
 川瀬委員、お願いいたします。
○川瀬委員
 川瀬でございます。
 今回初めて出席させていただいているので、これまでに議論があったことかもしれませんけれども、ちょっと教えていただきたいことがございます。
 まず、今回の事務局案で5~10%のところについては、今後のデータが出てからの議論ということで十分かなと思っていますけれども、やはり0~5%の消費税の補塡の検証も、これまでいろいろと診療報酬に上乗せをした項目自体がなくなったなどの理由があることは十分に理解はしているのですが、これまで、8%のときにも、実際にはこの議論はされていないのではないかと思っています。
 参考資料1などには、これまでの経緯の8ページのところにも、平成元年度にこの改定項目の抜粋が書かれておりますけれども、こういうのを確認するということは非常に難しいのでしょうか。
 ただ、10%の消費税のうちの半分の補塡状況だけでは、やはり不十分ではないかと思っています。どんな形でも結構ですけれども、0~5%の検証も何かできればというお願いでございます。
 以上でございます。
○飯塚分科会長
 ありがとうございます。
 引き続き、幸野委員、お願いいたします。
○幸野委員
 私も今までのいろいろな方の意見に重複するのですが、消費税の補塡状況については、毎年調査を実施して把握すべきで、今後に生かしていくことが重要であると思いますが、殊、令和2年度においては、この混乱状態において調査を行うことについては可能でありますし、やることは適切であると思いますけれども、どんなやり方をしても、これをもって結論を出すということ自体は控えるべきだと思います。
 令和2年度はコロナによって患者の受療行動も大きく変わりましたし、検査や手術の延期もあって、医療機関の収入構造が大きく変化しました。また、感染症対策や病院の構造の見直し・建て直しなんかもありまして、一時的な出費の増減も大きくあったと思います。こういった中で、消費税がどうであったかというのを、マクロであっても結論を出すというのは、今回は控えたほうがいいのではないかと思っております。調査自体は、4ページのとおり、23回実調で出してみるのはやるべきだと思いますが、これはあくまで参考値として、結論を出すまでには至らないほうがいいと思います。
 また、23回の実調を使うということなのですけれども、比較的コロナの状況が少なかった令和元年度も、期中で10月から上がったわけなのですが、これも参考値として見てみて、令和元年度と令和2年度の違いも見てみて分析することも必要だと思うのですが、これをもってしてどうであったかという結論を得るということは、今回はしないほうがいいと思います。
 コロナの状況がこれからどうなるかは分からないのですが、平時に戻った状態で初めて結論を得るというふうなやり方をすべきではないかと思います。
 以上、意見でございます。
○飯塚分科会長
 御意見ありがとうございます。
 そうしましたら、今村委員、お願いいたします。
○今村委員
 今村でございます。ありがとうございます。
 2点ございまして、1点は事務局に伺いたいと思っておりまして、先ほど補助金のお話をされて、補助金で消費税の補塡が云々という御発言があったように思うのですけれども、広い意味で経営的に、例えば結果的に消費税では大変負担があったけれども、補助金でその計上がプラスになったということはもちろんあり得るのだと思うのですが、そもそも性格からして全く違うもので、いわゆる今の補助金というのは、感染対策としての補助金という趣旨で、その消費税の補塡を含むという考え方は全くありませんし、現在、この委員会で議論することは、支払われている消費税と診療報酬で補塡されている部分を比較するということで、物を買ったときに消費税分で支出が出るということはもちろん分かりますけれども、こういった補助金等云々ということで補塡みたいな話は、全く次元が違うのかなと思っておりますので、そこのお考えを改めて伺いたいということが1点です。
 それから、もう一点は、今、1号側から御意見をいただいたのですけれども、結論を出すべきではないというお話でございましたが、これは今、第1回の議論で検証の会が始まったところで決めるようなことではなくて、どういう結果が出てくるかが分からない、正直に言って、いろいろな仮定を置いて調査をしていますから、結果自体は、解釈は本当に難しいというのは想定されます。
 出てきたデータをきちんと見て、分析して、最終的にやはりこの考え方で結論を出すのはなかなか難しいということはあってもいいとは思うのですが、現時点で結論を出すべきではないというのは、少し拙速な印象を持っておりますので、私の意見として言わせていただきます。
 以上です。
○飯塚分科会長
 ありがとうございました。
 そうしましたら、御意見等をいただきました。
 事務局、お願いいたします。
○山田保険医療企画調査室長
 ありがとうございます。
 今村委員からの補助金が出ているからというのは、私の説明が舌足らずでした。補助金が出ているから消費税負担分があっても構わないではないかといった趣旨ではございません。
医療経済実態調査を参考2で配らせていただいておりますが、例えば6ページには、新型コロナウイルス感染症関連の補助金を書く欄がございます。一方、それで何か物を買ったときの消費税負担分は、その費用のほうに書くことになります。ですので、全体として、補助金があるから消費税負担分が足りなくても仕方がないという趣旨で申したわけではなくて、その補助金で買った何かの消費税負担額も医療経済実態調査のほうの費用に計上されてきてしまうのでと、比べるのが難しくなりますという趣旨で申し上げたものでありまして、誤解がありましたら、大変申し訳なかったと思います。
 また、幸野委員、今村委員から、結論を出すのはどうかという御議論がありましたけれども、これは我々がデータをそろえて、11月にまた改めて御議論をいただこうと考えております。
 以上であります。
○飯塚分科会長
 ありがとうございます。
 多くの皆様から御意見、御質問等をいただいていますが、ほかの方々でございますでしょうか。よろしいですか。
 そうしましたら、他に御意見、御質問等もないようでございますので、本日の質疑はこれまでとさせていただきたいと思います。
 いただきました御意見等を含めまして、今後検討してまいります。
 調査の実施方法につきましてですけれども、資料1に事務局提示の案が示されておりますが、基本的には4ページに記載されている案のとおりに進めるということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○飯塚分科会長
 ありがとうございます。
 では、そのように進めさせていただきます。
 それでは。
○山田保険医療企画調査室長
 伊藤委員のお手が挙がっています。
○伊藤委員
 申し訳ありません。
 伊藤でございますが、資料1の3ページでございますが、今後のスケジュールのところで、今、委員からいろいろと御意見が出ておる中で、11月に分科会の開催予定が1回きりでもって報告という形になっておるのですけれども、これでは回数が少し不足して、十分な議論ができないのではないかと心配している状況です。
 これはもう少しフレキシブルといいますか、お考えいただけるのかどうか、お知らせいただけませんでしょうか。
○飯塚分科会長
 ありがとうございます。
 スケジュールにつきまして、事務局からお願いいたします。
○山田保険医療企画調査室長
 ありがとうございます。
 11月までに新たなデータが集まるわけではないので、仮に事前に会を開いても、新たなデータがあるわけではございません。
 また、今日のどういった調べ方が出来るのかという議論は、この会に限らず、各委員の先生方の御意見を聞いて、それでも開く必要があるのであれば、また御相談したいと思っております。
○伊藤委員
 ありがとうございました。
○飯塚分科会長
 ありがとうございます。
 ほかにはよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 そうしましたら、先ほどの進め方に基づきまして、今後検討を進めてまいりたいと存じます。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程等につきましては、追って事務局から御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の分科会はこれにて閉会といたします。
 どうもありがとうございました。


 

 

(了)
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